JP2002355475A - 下糸糸巻き装置付きミシン。 - Google Patents

下糸糸巻き装置付きミシン。

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JP2002355475A
JP2002355475A JP2001163538A JP2001163538A JP2002355475A JP 2002355475 A JP2002355475 A JP 2002355475A JP 2001163538 A JP2001163538 A JP 2001163538A JP 2001163538 A JP2001163538 A JP 2001163538A JP 2002355475 A JP2002355475 A JP 2002355475A
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bobbin
sewing machine
winding
sewing
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JP2001163538A
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Minoru Hayashi
稔 林
Hiroshi Kotaki
浩志 小滝
Takafumi Fukuba
尚文 福場
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 釜からボビンを取り外すことなくボビンに下
糸を供給することができるとともに、縫製動作および糸
巻き動作を安全かつ適正に行うことのできる下糸糸巻き
装置付きミシンを提供すること。 【解決手段】 圧接部材332により外釜7に摺動可能
に係止して外釜7の回転をボビン駆動部材11に伝達す
る駆動力伝達手段330と、糸巻き動作時にボビン22
に下糸DSとして供給される上糸USおよび下糸専用糸
EDSの何れか一方の糸端近傍が保持または捕捉可能と
された糸保持部材48とを有し、駆動力伝達手段330
は、糸巻き動作時に外釜7と一体回転するとともに、糸
巻き動作時に供給側に位置する下糸DSに圧接部材33
2の圧接力を越える過負荷が加わった場合に外釜7とス
リップするように形成したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釜からボビンを取
り外すことなくボビンに下糸を供給することのできる下
糸糸巻き装置付きミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から釜からボビンを取り外すことな
くボビンに下糸を供給することのできる各種の下糸糸巻
き装置付きミシンが提案されている。
【0003】これらの従来例としては、特開平11−2
44567号公報に記載されたものがある。この公報に
は、糸巻き動作時に針棒切り外し機構により針棒を上軸
から切り離して上方位置に保持させながら、ミシンモー
タにより下軸を通じて外釜及びボビンを回転させ、この
ボビンに糸を巻き付けて下糸巻きするものが記載されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の下糸糸巻き装置においては、前述のようにボビ
ンを下軸で回転させている間、針棒切り外し機構を作動
させて上軸と針棒との連結を切り離して針棒を上方に停
止させるようにしていた。このため、針棒切り外し機構
を作動させて針棒停止させても、上軸と連動する天秤は
停止することなく、上下動を継続するようになってい
た。これにより、例えば下糸専用糸から引き出した糸を
下糸糸巻き装置で糸巻き中に、この上下動する天秤によ
り上糸が断続的に引かれて緩められるため、下糸巻き終
了後に自動的に縫製を再開する場合には縫目形成開始直
後の縫目が緩くなることがあった。
【0005】また、下糸糸巻き装置により下糸巻きする
糸を上糸巻きに巻かれた上糸とし、この上糸を引き出し
て、針を通じてボビンに糸巻きする場合には、同じく上
下動する天秤により糸張力が変化するために、上糸が通
る糸巻き機構の各部材に大きな負荷がかかると共にボビ
ンに巻かれる下糸巻きの糸締まりが変動する問題があっ
た。さらに、針棒切り外し機構を針棒回りに組み込むた
め、針棒付近の構造が複雑になる問題もあった。
【0006】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、下糸糸巻き装置により、水平釜からボビンを取
り外すことなくボビンに下糸を供給している間、針棒及
び天秤を停止できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の下糸糸
巻き装置付きミシンの特徴は、釜からボビンを取り外す
ことなくボビンに下糸を供給することのできる下糸糸巻
き装置付きミシンにおいて、ミシンモータで駆動される
下軸から、針棒及び天秤を上下方向へ往復運動させる往
復部材までの間に配置された複数の連結部材の間に配置
され、縫製動作時に連結部材を連結させ、下糸糸巻き作
動時に連結部材を切り離して前記天秤及び針棒に取着し
た針の上下方向への往復運動を停止させ前記針を上方に
保持可能な上軸クラッチ機構と、ボビン中心軸の両端部
に相互に対向するように配設された上フランジおよび下
フランジを具備し、前記上フランジには外周縁に開口を
備えたスリットが形成され、前記ボビン中心軸の外周面
に下糸が巻回されるボビンと、前記ボビンを自由回転可
能に収納する内釜、およびこの内釜を内方で非回転支持
するとともに上軸と同期して回転し、上糸を捕捉する剣
先を設けた外釜を具備する水平釜と、糸巻き動作時に前
記ボビンを回転駆動するボビン駆動部材と、圧接部材を
備え、この圧接部材により前記外釜に摺動可能に係止し
て前記外釜の回転を前記ボビン駆動部材に伝達する駆動
力伝達手段と、糸巻き動作時に前記ボビンに下糸として
供給される上糸および下糸専用糸の何れか一方の糸端近
傍が保持または捕捉可能とされ、常時は先端部が前記外
釜の外周面近傍に退避し、糸巻き動作時には先端部が前
記ボビンの上方に進入可能に形成した糸保持部材とを有
し、前記駆動力伝達手段は、糸巻き動作時に前記外釜と
一体回転するとともに、糸巻き動作時に供給側に位置す
る下糸に前記圧接部材の圧接力を越える過負荷が加わっ
た場合に前記外釜とスリップするように形成した点にあ
る。そして、このような構成を採用したことにより、簡
単な構成で糸巻き動作時に水平釜からボビンを取り外す
ことなくボビンに上糸または刺繍縫いなどに用いる下糸
専用糸を容易に供給することができる。さらに、駆動力
伝達手段は、糸巻き動作時に、外釜と一体回転するの
で、糸巻き動作時にボビンを容易に回転させることがで
きる。一方、駆動力伝達手段は、糸巻き動作時に、供給
側に位置する下糸に過負荷が加わった場合、すなわち、
下糸の供給経路で下糸の引っ掛かりなどのトラブルの発
生などによりボビンの回転が停止した場合、駆動力伝達
手段と外釜との一体回転を圧接部材の圧接力を越えた時
点でスリップさせて駆動力伝達手段の回転を容易に停止
することができ、その結果、糸巻き動作時に下糸の供給
経路で下糸の引っ掛かりなどのトラブルが生じた場合の
駆動力伝達手段の一部の破損やボビン暴れを確実に防止
できるので、安全性を高めることができる。
【0008】また、請求項2に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、請求項1において、前記圧
接部材は、前記外釜に磁性体の磁力により吸引可能に形
成した点にある。そして、このような構成を採用したこ
とにより、圧接部材の磁性体は、駆動力伝達手段を磁力
による吸引力からなる圧接力で糸巻き動作時に外釜と一
体回転し、駆動力伝達手段は、糸巻き動作時に、供給側
に位置する下糸に過負荷が加わった場合、すなわち、下
糸の供給経路で下糸の引っ掛かりなどのトラブルの発生
などによりボビンの回転が停止した場合、駆動力伝達手
段と外釜との一体回転を磁性体による吸引力からなる圧
接力を越えた時点でスリップさせて駆動力伝達手段の回
転を容易に停止することができ、その結果、糸巻き動作
時に下糸の供給経路で下糸の引っ掛かりなどのトラブル
が生じた場合の駆動力伝達手段の一部の破損やボビン暴
れを確実に防止できるので、安全性を高めることができ
る。
【0009】また、請求項3に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、釜からボビンを取り外すこ
となくボビンに下糸を供給することのできる下糸糸巻き
装置付きミシンにおいて、ミシンモータで駆動される下
軸から、針棒及び天秤を上下方向へ往復運動させる往復
部材までの間に配置された複数の連結部材の間に配置さ
れ、縫製動作時に連結部材を連結させ、下糸糸巻き作動
時に連結部材を切り離して前記天秤及び針棒に取着した
針の上下方向への往復運動を停止させ前記針を上方に保
持可能な上軸クラッチ機構と、ボビン中心軸の両端部に
相互に対向するように配設された上フランジおよび下フ
ランジを具備し、前記上フランジには外周縁に開口を備
えたスリットが形成され、前記ボビン中心軸の外周面に
下糸が巻回されるボビンと、前記ボビンを自由回転可能
に収納する内釜、およびこの内釜を内方で非回転支持す
るとともに上軸と同期して回転し、上糸を捕捉する剣先
を設けた外釜を具備する水平釜と、糸巻き動作時に前記
ボビンを回転駆動するボビン駆動部材と、少なくとも糸
巻き動作時に下糸として供給される上糸の糸端近傍が捕
捉可能とされ、常時は先端部が前記外釜の外周面近傍に
退避し、糸巻き動作時には先端部が前記ボビンの上方に
進入可能に形成した糸保持部材と、前記糸保持部材の先
端部分に一体形成され糸巻き動作時に下糸として供給さ
れる上糸の糸端を糸巻き動作時の前記ボビンの回転によ
って切断可能な糸端切断刃とを有する点にある。そし
て、このような構成を採用したことにより、簡単な構成
で糸巻き動作時に水平釜からボビンを取り外すことなく
ボビンに少なくとも上糸を容易に供給することができ
る。さらに、糸保持部材の先端部分に一体形成された糸
端切断刃は、ボビンに下糸として上糸を供給する糸巻き
動作時に、糸巻き動作時のボビンの回転によって、ボビ
ンに下糸として供給される上糸の糸端近傍を直接切断す
ることができるので、ボビンに下糸として供給される上
糸の糸端近傍を確実かつ容易に切断することができる。
【0010】また、請求項4に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、釜からボビンを取り外すこ
となくボビンに下糸を供給することのできる下糸糸巻き
装置付きミシンにおいて、ボビン中心軸の両端部に相互
に対向するように配設された上フランジおよび下フラン
ジを具備し、前記上フランジには外周縁に開口を備えた
スリットが形成され、前記ボビン中心軸の外周面に下糸
が巻回されるボビンと、前記ボビンを自由回転可能に収
納する内釜、およびこの内釜を内方で非回転支持すると
ともに上軸と同期して回転し、上糸を捕捉する剣先を設
けた外釜を具備する水平釜と、糸巻き動作時に前記ボビ
ンを回転駆動するボビン駆動部材と、糸巻き動作時に前
記ボビンに下糸として供給される上糸および下糸専用糸
の何れか一方の糸端近傍が保持または捕捉可能とされ、
常時は先端部が前記外釜の外周面近傍のミシン脚柱部側
に退避し、糸巻き動作時には先端部がミシン脚柱部側か
ら前記ボビンの上方に進入可能に形成した糸保持部材と
を有する点にある。そして、このような構成を採用した
ことにより、簡単な構成で糸巻き動作時に水平釜からボ
ビンを取り外すことなくボビンに上糸または刺繍縫いな
どに用いる下糸専用糸を容易に供給することができる。
さらに、糸保持部材は、下糸のボビンへの捕捉を容易か
つ確実にすることができる。
【0011】また、請求項5に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、請求項4において、前記内
釜の軸心部に前記ボビンを収納するボビン収納穴を形成
するとともに、このボビン収納穴の周面の一部に前記ボ
ビンを前記ボビン収納穴から容易に着脱するためのボビ
ン着脱用凹溝を形成し、糸巻き動作時に前記糸保持部材
が前記ミシン脚柱部側から前記ボビン着脱用凹溝に進入
可能に形成した点にある。そして、このような構成を採
用したことにより、糸保持部材は、下糸のボビンへの捕
捉をより容易かつ確実にすることができる。
【0012】また、請求項6に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、釜からボビンを取り外すこ
となくボビンに下糸を供給することのできる下糸糸巻き
装置付きミシンにおいて、ボビン中心軸の両端部に相互
に対向するように配設された上フランジおよび下フラン
ジを具備し、前記上フランジには外周縁に開口を備えた
スリットが形成され、前記ボビン中心軸の外周面に下糸
が巻回されるボビンと、前記ボビンを自由回転可能に収
納する内釜、およびこの内釜を内方で非回転支持すると
ともに上軸と同期して回転し、上糸を捕捉する剣先を設
けた外釜を具備する水平釜と、糸巻き動作時に前記ボビ
ンを回転駆動するボビン駆動部材と、少なくとも糸巻き
動作時に供給される下糸専用糸の糸端近傍が保持可能と
され、常時は先端部が前記外釜の外周面近傍に退避し、
糸巻き動作時には先端部が前記ボビンの上方に進入可能
に形成した糸保持部材と、前記糸保持部材に一体形成さ
れ、糸巻き動作時に前記ボビンに供給する下糸専用糸に
張力を付与する専用糸張力付与手段とを有する点にあ
る。そして、このような構成を採用したことにより、簡
単な構成で糸巻き動作時に水平釜からボビンを取り外す
ことなくボビンに上糸または刺繍縫いなどに用いる下糸
専用糸を容易に供給することができる。さらに、専用糸
張力付与手段は、糸巻き動作時にボビンに供給する下糸
専用糸に適正な張力を付与することができるので、ボビ
ンに下糸専用糸を適正な状態で巻回することができる。
【0013】また、請求項7に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、釜からボビンを取り外すこ
となくボビンに下糸を供給することのできる下糸糸巻き
装置付きミシンにおいて、ボビン中心軸の両端部に相互
に対向するように配設された上フランジおよび下フラン
ジを具備し、前記上フランジには外周縁に開口を備えた
スリットが形成され、前記ボビン中心軸の外周面に下糸
が巻回されるボビンと、前記ボビンを自由回転可能に収
納する内釜、およびこの内釜を内方で非回転支持すると
ともに上軸と同期して回転し、上糸を捕捉する剣先を設
けた外釜を具備する水平釜と、糸巻き動作時に前記ボビ
ンを回転駆動するボビン駆動部材と、糸巻き動作時に前
記ボビンに下糸として供給される上糸および下糸専用糸
の何れか一方の糸端近傍が保持または捕捉可能とされ、
常時は先端部が前記外釜の外周面近傍に退避し、糸巻き
動作時には先端部が前記ボビンの上方に進入可能に形成
した糸保持部材とを有し、前記ボビン駆動部材と前記外
釜とをそれぞれの回転中心が同軸上に位置するように形
成し、前記内釜に収納された前記ボビンと前記外釜とを
それぞれの回転中心がそれぞれの回転中心の延長線上で
相互に平行に位置するように形成し、前記ボビン駆動部
材と前記ボビンとを回転伝動機構により接離可能に形成
した点にある。そして、このような構成を採用したこと
により、簡単な構成で糸巻き動作時に水平釜からボビン
を取り外すことなくボビンに上糸または刺繍縫いなどに
用いる下糸専用糸を容易に供給することができる。さら
に、内釜の回転中心を外釜の回転中心に対してずらした
異心軸となる水平釜は、縫製動作時のヒッチステッチを
容易に防止して縫製品質を向上させることができるとと
もに、糸切り装置や下糸繰出装置などを配設するスペー
スを容易に確保することができる。さらにまた、ボビン
駆動部材とボビンとを回転伝動機構により接離可能に形
成したことにより、糸巻き動作時にボビンを外釜の回転
方向に対して逆回転させることができ、その結果、糸巻
き動作時にボビンのスリットへ下糸を容易に捕捉させる
ことができるので、ボビンへの下糸の供給を確実かつ適
正に行うことができる。
【0014】また、請求項8に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、請求項7において、前記回
転伝動機構は、前記ボビン駆動部材の一端部に設けられ
たボビン駆動ギアと、前記下フランジの一端面に設けら
れ前記ボビン駆動ギアと噛合可能なボビン従動ギアとを
有する点にある。そして、このような構成を採用したこ
とにより、糸巻き動作時にボビンを外釜の回転方向に対
して確実に逆回転させることができ、その結果、糸巻き
動作時にボビンのスリットへ下糸をより容易かつ確実に
捕捉させることができるので、ボビンへの下糸の供給を
より確実かつ適正に行うことができる。
【0015】また、請求項9に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンの特徴は、請求項7において、前記回
転伝動機構は、前記ボビン駆動部材の一端部に設けられ
たボビン駆動摩擦車と、前記下フランジの一端面に設け
られ前記ボビン駆動ギアと摩擦接続可能なボビン従動摩
擦車とを有する点にある。そして、このような構成を採
用したことにより、糸巻き動作時にボビンを外釜の回転
方向に対して確実に逆回転させることができ、その結
果、糸巻き動作時にボビンのスリットへ下糸をより容易
にかつ確実に捕捉させることができるので、ボビンへの
下糸の供給をより確実かつ適正に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態により説明する。
【0017】図1から図29は本発明に係る下糸糸巻き
装置付きミシンの実施形態の一例を示すものであり、図
1は要部の外観斜視図、図2は水平釜近傍の要部の構成
を示す斜視図、図3は水平釜近傍の要部の構成を示す一
部切断断面図、図4は外釜近傍の要部の構成を示す分解
図、図5は下糸張力手段を示す斜視図、図6は内釜の底
部近傍を示す平面図、図7はボビンを示す縦断面図、図
8は図7の平面図、図9は糸保持部材の要部を示す平面
図、図10は図9の正面図、図11は図9の一部拡大平
面図、図12は糸保持部材表出手段の要部を示す斜視
図、図13は針板近傍の要部を示す斜視図、図14はボ
ビン駆動部材移動手段の要部を示す斜視図、図15は回
転伝道機構の他例の構成を示す説明図、図16は専用下
糸繰出機構の一例の要部の構成を示す説明図、図17は
上糸繰出機構の一例の要部の構成を示す説明図、図18
は針棒の上下機構及び天秤の上下機構を示す斜視図、図
19は糸巻き径検出手段の一例の要部の構成を示す斜視
図、図20は図19の平面図、図21は操作部の一例の
要部の構成を示す説明図、図22は専用下糸保持検出手
段の一例の要部の構成を示す正面図、図23は図22の
Y−Y線に沿った側断面図、図24は図22のZ−Z線
に沿った側断面図、図25は布送り機構の一例の要部の
構成を示す斜視図、図26は図25の要部の正面図、図
27は制御手段の要部の構成を示すブロック図、図28
は下糸の糸巻き量を示す説明図、図29は下糸の限界糸
巻き回数を示す説明図である。
【0018】本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン
は、刺繍縫いを行うミシンに用いたものであり、糸巻き
動作時に、ボビンに供給する下糸として下糸専用糸ある
いは上糸を選択することができるようにされている。
【0019】図1に示すように、本実施形態の下糸糸巻
き装置付きミシン1のミシン本体1aは、下部にミシン
ベッド1bが配設され、上部にミシンベッド1bと平行
にしてミシンアーム1cが配設されており、ミシンベッ
ド1bとミシンアーム1cとは、図1右方に示すミシン
脚柱部1dにより接続されて、全体として正面ほぼコ字
形状に形成されている。そして、ミシンベッド1bに
は、平面ほぼU字形状とされた着脱可能な公知の刺繍装
置240が装着されており、ミシンベット1bに装着し
た刺繍装置240の刺繍枠239に縫製物Sをセットし
た状態で刺繍枠239を縦横(XY)方向へ移動させな
がら所定の形状縫いを行うことができるようになされて
いる。この刺繍装置240の着脱状態は、後述する刺繍
装置センサ217(図27)によって制御手段93へ送
出可能になっている。
【0020】前記ミシンアーム1cの図1左方に示すミ
シンアーム1cの頭部と称される自由端部に位置するミ
シンヘッド1eの下部の所望の位置には、縫製動作時に
縫製物Sを上方から押さえる公知の布押えが208が配
設されており、この布押え208は、図示しない公知の
押え機構によって上下移動可能とされている。このミシ
ンアーム1cの下部には、ミシンヘッド1e側からミシ
ン脚柱部1dに向かって縫製動作のON/OFFに用い
るスタート/ストップスイッチ238、返し縫いのON
/OFFに用いる返し縫いスイッチ301、縫製動作を
終了した後に縫製物Sに連なる糸の切断を行う図示しな
い公知の糸切断装置の操作に用いる糸切りスイッチ30
2、縫製動作時における縫製速度を制御する縫製速度調
整ボリュームスイッチ303などが配設されている。こ
れらのスタート/ストップスイッチ238、返し縫いス
イッチ301、糸切りスイッチ302および縫製速度調
整ボリューム303スイッチは、後述する制御手段93
に電気的に接続されている。また、ミシン脚柱部1dの
前面側には、操作部170が配設されている。この操作
部170の詳しい構成については後述する。
【0021】図2および図3に示すように、本実施形態
の下糸糸巻き装置付きミシン1は、ミシンヘッド1e
(図1)の内部に配設された公知の針棒機構(図18)
により、縫製動作時に上軸416に連動して上下方向へ
往復運動する針棒2の先端部に取着された針3の前方に
配設された釜たる水平釜4を有している。この水平釜4
は、ミシンベット1bの一部を構成する図3上方に示す
針板5の下方に位置するようにしてミシン本体1a(図
1)を構成するミシン機枠と称せられるミシンフレーム
1fの内部、詳しくは、ミシンベッド1bの内部に配設
されており、縫製動作時に針棒機構、天秤機構(図1
8)および後述する布送り機構310(図25、図2
6)などと協働して所望の縫い目を形成するようにされ
ている。なお、縫製動作時において針3及び天秤422
を上下方向へ往復運動させる上軸416を、後述する上
軸クラッチ機構410によって、糸巻き動作時にミシン
モータ235で駆動される下軸311及び上軸プーリ4
24から上軸416を切り外し、上軸416により駆動
される針3び天秤422の上下方向への往復運動を停止
させ針3を上方に保持可能とされている。
【0022】前記水平釜4は、縫製動作時に、下軸31
1(図25)に連動して図2矢印Aにて示す上方から見
て反時計方向へ正回転する外釜7を有している。この外
釜7は、図3に示すように、上部が大径の大径部7aと
され下部が小径の小径部7bとされた2段のほぼ筒状に
形成されている。そして、外釜7の小径部7bには、下
軸311に固定されたねじギア(図示せず)と噛合する
ねじギア8(図3)が固定されており、外釜7は、この
ねじギア8によって上軸416に連動して回転駆動する
下軸311の回転運動に連動して回転可能に形成されて
いる。すなわち、水平釜4の外釜7は、上軸416と同
期して回転するようになっている。
【0023】前記外釜7の軸心部には、図3および図4
に示すように、ほぼ円筒形状に形成された釜軸9が前記
ねじギア8の軸心部を貫通するようにして配設されてお
り、この釜軸9の下端部は、図3下方に示す釜取付台1
0に図示しないねじなどにより固定されている。この釜
取付台10は、ミシンフレーム1fのミシンベッド1b
内部に固定されたベースフレーム33に取着されてい
る。そして、釜軸9の軸心部には、図3および図4に示
すように、上下両端部が釜軸9の上下両端から突出する
ボビン駆動部材11が回転可能かつ軸方向に移動可能に
して配設されており、ボビン駆動部材11の下部の外周
面に配設されたボビン駆動部材付勢ばね12の上端を前
記釜軸9あるいは釜取付台10の下端面に当接するとと
もに、ボビン駆動部材付勢ばね12の下端部をボビン駆
動部材11の下端部近傍に取着した止め輪13の上面に
当接させることにより、ボビン駆動部材11は常時は下
方に向けて付勢されている。
【0024】前記ボビン駆動部材11の上端部には、図
4に詳示するように、ボビン駆動ギア14が設けられて
いる。このボビン駆動ギア14は、外釜7の大径部7a
と小径部7bとをつなぐ段部7cの内部、詳しくは大径
部7aの内部底部たる外釜底部7eに外釜7と同軸で回
転可能に配設された外釜底板16の軸心部に板厚方向に
貫通するようにして設けられたボビン駆動ギア14と同
一形状のギア孔17に常に嵌合されている。そして、外
釜底板16は、前記ギア孔17を軸心部に有するほぼ円
盤状の基部16aと、この基部16aの外周面下方から
径方向外側に向かって延出された平板状の複数、本実施
形態においては4つの等角度分配置された係合突起16
bを有している。そして、外釜底板16の上部には環状
に形成された圧接部材としての磁性体(マグネット)3
32が配設されている。この磁性体332の内周面に
は、前記外釜底板16の基部16aが嵌合されており、
磁性部体332の下面には、複数、本実施形態において
は4つの係合溝332aが等角度分配置されており、こ
れらの係合溝332aには前記外釜底板16の係合突起
16bがそれぞれ係合されている。
【0025】すなわち、磁性体332は、その磁力によ
り外釜底板16を間に挟んで外釜7の外釜底部7eに吸
着可能とされており、その結果、外釜7の回転が磁性体
332に伝達して磁性体332を外釜7と同一方向へ回
転させ、この磁性体332の回転は、磁性体332の係
合溝332aに係合する係合突起16bを介して外釜底
板16に伝達して外釜底板16を外釜7と同一方向へ回
転させ、この外釜底板16の回転は、外釜底板16の軸
心部に形成されたギア孔に噛合されたボビン駆動ギア1
4を介してボビン駆動部材11を外釜7と同一方向へ回
転させるようになされており、ボビン駆動部材11は、
外釜7と回転中心が同軸上に位置するようにして一体回
転するようになされている。
【0026】前記外釜底板16および圧接部材としての
前記磁性体332により本実施形態の圧接部材を備え、
この圧接部材により外釜7に摺動可能に係止して外釜7
の回転をボビン駆動部材11に伝達する駆動力伝達手段
330が構成されている。
【0027】なお、駆動力伝達手段330としては、圧
接部材により外釜7に摺動可能に係止して外釜7の回転
をボビン駆動部材11に伝達することのできるもの、例
えば外釜底板16および磁性体332を一体形成したも
の、具体的には磁性素材により円板状の磁性体を形成し
その軸心部にギア孔17を設けたものや、前記外釜底板
16に磁性体を固定あるいは固着したものや、前記外釜
底板16を弾圧するように前記外釜7の外釜底部7eに
板ばねを設けたものなどでもよく、特に、本実施形態の
形状および構成に限定されるものではない。
【0028】図3に示すように、前記外釜7の大径部7
aの内部には、上部が開口のほぼカップ状に形成された
内釜18が配設されており、この内釜18の内部には、
後述するボビン22が自由回転可能に収納可能とされて
いる。この内釜18は、例えば樹脂により形成されてお
り、内釜18の外釜底部7eと対向する面には、磁力に
よって吸引される素材、例えば、鋼材によりほぼU字状
に形成された吸着体18aが固着されている。そして、
内釜18は、外釜7の大径部7aの内周面の上部に形成
されたレース面7dにより回転自在に支持されている。
すなわち、外釜7は、その内方で内釜18を非回転支持
するようにされている。さらに、本実施形態の内釜18
は、外釜7に装着されると前記磁性体332の磁力によ
って外釜7、詳しくは外釜7の外釜底部7eに向かって
付勢されているので、内釜18は、外釜7の所定位置に
回転可能に支持した状態を容易に保持することができ、
その結果、外釜7から内釜18が不必要に飛び出すのを
確実に防止するとともに、ボビン暴れを確実に防止する
ことができるようになっている。そして、内釜18は、
縫製動作時において外釜7が正回転した際に、外釜7と
の摩擦により外釜7とともに正回転するが、この内釜1
8の回転は、外釜7の上端より上方に位置する内釜18
の外周面に設けた突起19(図2)をミシンフレーム1
fに固定された内釜回り止め20(図2)に当接させる
ことにより停止させることができるようになっている。
また、外釜7が逆回転した際の内釜18の逆回転は、ミ
シンフレーム1fに固定された弾性を有する内釜逆転止
め21(図2)により停止させることができるようにな
っている。さらに、内釜18の内部には、後述するボビ
ン22を内部に収納するためのほぼ円柱状に形成された
ボビン収納穴23が凹設されている。このボビン収納穴
23の軸心は、前記外釜7の軸心に対して布送り方向上
流側から見て左方にずらして配設されている。すなわ
ち、前記ボビン駆動部材11と前記外釜7とは、それぞ
れの回転中心が同軸上に位置するように形成されてお
り、前記内釜18、詳しくはボビン収納穴23に収納さ
れたボビン22と前記外釜7とは、それぞれの回転中心
がそれぞれの回転中心の延長線上で相互に平行に位置す
るように形成されている。このボビン収納穴23の軸心
を外釜7の軸心に対してずらして配設した水平釜4は、
つまり、内釜18の回転中心を外釜7の回転中心に対し
てずらした異心軸となる水平釜4は、縫製動作時のヒッ
チステッチを容易に防止して縫製品質を向上させること
ができるとともに、図示しない糸切り装置や下糸繰出装
置などを配設するスペースを容易に確保することができ
るようになっている。そして、ボビン収納穴23の周面
の一部には、ボビン収納穴23に対するボビン22の着
脱を容易に行うため上部が開口のボビン着脱用凹溝24
が形成されている。さらに、ボビン収納穴23の上部の
周方向の一部には、ボビン収納穴23の一部を兼ねた下
糸張力手段25(図5)が配設されている。
【0029】前記下糸張力手段25は、ボビン22に下
糸DSを巻き取って供給した後に、縫製動作時において
下糸DSに適正な張力を付与するためのものであり、図
5に示すように、円弧状に形成された基板26を有して
いる。この基板26の内周面は、前記ボビン収納穴23
の内面の一部を形成するようにボビン収納穴23の内径
寸法とほぼ同一の曲率かあるいはボビン収納穴23の内
径寸法より僅かに大きな曲率で形成されている。そし
て、基板26の上端縁には、前記外釜7が逆回転した際
に、内釜18の上面に沿って図5右方から左方へ移動す
る下糸DSが入り込む糸導入口27が形成されており、
この糸導入口27には、下糸DSが通過可能な幅で板厚
方向に貫通する糸導入溝28の先端部が接続されてい
る。そして、糸導入溝28の後端部は、基板26の糸導
入口27より図5左方下方に形成された板厚方向に貫通
するほぼ円形の糸係止孔29に接続されている。さら
に、糸係止孔29より図5左方に位置する基板26の上
端縁には、溝状の糸出口30が凹設されている。また、
基板26の外周面には、糸係止孔29から糸出口30へ
至る下糸DSを押さえるため図5に想像線にて示す下糸
押さえ板ばね31が密着配置されており、ボビン22に
巻回された下糸DSは、図5に示すように、糸係止孔2
9と糸出口30との間で下糸押さえ板ばね31によって
所定の張力を付与された状態で縫い目につながるように
されている。そして、下糸押さえ板ばね31と基板26
とは、下糸押さえ板ばね31を基板26の外周面に重ね
たうえで取付ねじ32により前記内釜18に固定されて
いる。
【0030】前記ボビン収納穴23の図3下方に示す底
部23aには、図6に示すように、ボビン収納穴23の
軸心と一致するボビン22の軸心と、外釜7の軸心とを
含むように板厚方向に貫通する内釜貫通孔34が形成さ
れており、この内釜貫通孔34には、前記ボビン駆動部
材11がボビン駆動部材付勢ばね12の付勢力に抗して
上昇した際に、ボビン駆動部材11の上端部に設けられ
ているボビン駆動ギア14が進入可能とされている。そ
して、ボビン駆動ギア14が内釜貫通孔34に進入する
と、このボビン駆動ギア14は、糸巻き動作時にのみ後
述するボビン22に形成された回転伝道機構340の一
部を構成するボビン従動ギア35に噛合可能とされてい
る。
【0031】図7に示すように、前記ボビン22は、下
糸DSが外周面に巻回されるボビン中心軸36を有して
おり、このボビン中心軸36の両端部には相互に対向す
るようにして上フランジ37および下フランジ38が配
設されている。すなわち、ボビン中心軸36の上端部に
は上フランジ37が、下端部には下フランジ38が配設
されている。そして、下フランジ38の図7下方に示す
下端面38aには、前記ボビン駆動部材11がボビン駆
動部材付勢ばね12の付勢力に抗して上昇した際に、ボ
ビン駆動部材11の上端部に設けられているボビン駆動
ギア14と噛合可能なボビン従動ギア35がその軸心を
下フランジ38、すなわち、ボビン22の軸心と同一に
して配設されている。また、上フランジ37には、図8
に示すように、外周縁に開口39aを備えたスリット3
9が形成されている。さらに、上フランジ37と下フラ
ンジ38とは、ボビン中心軸36により間隔を隔てて相
互に対向するように平行に配設されている。さらにま
た、ボビン中心軸36の上フランジ37との接続部位に
は、図7に示すように、径方向外側に突出するほぼ環状
の壁部40が形成されており、この壁部40の上面と上
フランジ37の下面との間に糸捕捉部としての凹溝41
が形成されており、この糸捕捉部としての凹溝41に
は、前記スリット39の根本であるスリット底部39b
が接続されている。このスリット底部39bは、ボビン
22の回転中心から離れた位置に形成されている。ま
た、スリット39の開口39aが形成された上フランジ
37の外周縁には、鋭角な鋭角部39aaと、鈍角な鈍
角部39abとが形成されている。つまり、図8に矢印
にて示す糸巻き動作時のボビン22の回転方向の先頭側
に位置するスリット39の開口39aが形成された上フ
ランジ37の外周縁には、鋭角な鋭角部39aaが形成
されており、その下方に位置する図8に矢印にて示す糸
巻き動作時のボビン22の回転方向の末尾側に位置する
スリット39の開口39aが形成された上フランジ37
の外周縁には、鈍角な鈍角部39abが形成されてお
り、糸巻き動作時に供給される下糸DSを確実かつ容易
に捕捉することができるようになっている。
【0032】なお、糸捕捉部としては、スリット39の
底部39bが接続されているボビン中心軸36の上フラ
ンジ37との接続部位にV字形状の溝を設ける構成や、
スリット39の底部39bが接続されているボビン中心
軸36の上フランジ37との接続部位に糸を捕捉しやす
い摩擦係数の大きい凹凸を溶射やブラストなどによって
設けた構成などの糸巻き動作時に供給される下糸DSの
糸端部分を確実かつ容易に捕捉することができる構成で
あればよい。
【0033】図8に示すように、上フランジ37の上面
には、ボビン回転被検出部としての図8に白抜きにて示
す高反射率部210aと図8に斜線にて示す低反射率部
210bとを所定間隔で交互に繰返し配置した反射テー
プ210が貼着されている。そして、ボビン22が回転
した際の反射テープ210の回転は、針板5の下面、詳
しくは針板5の釜カバー204(図44)の下面にボビ
ン22と対向するように配設された光りセンサなどから
なる反射型光センサ211(図3)により検出すること
ができるようになっている。この反射型光センサ211
は、後述する制御手段93に電気的に接続されており
(図27)、ボビン22の回転の有無やボビン22の回
転状態などを制御手段93へ送出することができるよう
にされている。
【0034】すなわち、本実施形態の反射テープ210
および反射型光センサ211は、後述するように、ボビ
ン22に巻回された下糸DSの有無をボビン22の回転
の有無により検出する機能と、ボビン22の回転状態を
検出する機能との両者を併せもっている。
【0035】前記反射テープ210および反射型光セン
サ211により、本実施形態の下糸検出手段214とし
てのボビン回転状態検出手段215が構成されている。
【0036】なお、ボビン回転被検出部としては、反射
テープ210のかわりに、上フランジ37の上面に、高
反射率部210aと低反射率部210bとを直接形成す
る構成であってもよい。
【0037】図2に戻って、前記外釜7の大径部7aの
外周面には、縫製動作時に縫い目を形成するため上糸ル
ープを捕捉する剣先42、糸巻き動作後の供給側に位置
する下糸DSの切断のための切断刃43およびさそい込
み部44が配設されている。さらに、前記外釜7が逆回
転した場合に切断刃43に隣接する切断刃43の図2左
方に示す回転方向手前側には、開口部45が形成されて
いる。また、図3および図6に示すように、前記外釜7
の大径部7aの外周面には、糸巻き動作後にボビン22
に巻き取られて供給された下糸DSを捕捉する平面ほぼ
コ字形状とされたフック部46a(図6)を外釜7が逆
回転した際に回転方向に対して正対するように設けた糸
捕捉フック46が突設されている。この糸捕捉フック4
6のフック部46aの背面には、図6に示すように、外
釜7が正回転した際に、外釜7の外周面の近傍に位置す
る下糸DSを外釜7から離間する方向へ移動可能な糸離
間用傾斜面47が形成されている。また、前記切断刃4
3は、前記外釜7の外周面にほぼ接線方向で前記剣先4
2と対向する向きに固定されており、前記糸捕捉フック
46と前記切断刃43とは、糸捕捉フック46が下糸張
力手段25に下糸DSの糸掛けを終了するまでは糸捕捉
フック46から前記糸保持部材48へ至る下糸DSの外
釜7の外周面に巻き付いている部位から切断刃43が離
間した状態を保持し、糸捕捉フック46が下糸張力手段
25に下糸DSの糸掛けを終了した後に糸捕捉フック4
6から糸保持部材48へ至る下糸DSの外釜7の外周面
に巻き付いている部位に切断刃43が当接するように位
置関係が設定されている。
【0038】図2に示すように、前記水平釜4の図2右
方には、糸保持部材48が配設されている。この糸保持
部材48は、糸巻き動作時に、ボビン22に供給する下
糸DSとして下糸専用糸EDSあるいは上糸USのどち
らを選択した場合であっても、糸巻き動作時に下糸DS
となる何れか一方の糸端近傍を保持、詳しくはボビン2
2に供給する下糸DSとして下糸専用糸EDSを選択し
た場合には下糸専用糸EDSの糸端近傍を保持し、ボビ
ン22に供給する下糸DSとして上糸USを選択した場
合には上糸USの糸端近傍を捕捉することができるよう
になっている。そして、糸保持部材48は、図2左方に
示すほぼ平板状の糸保持捕捉部49と、この糸保持捕捉
部49の図2右方に示す後端部から図2手前側下方に向
けて延出された取付部50とを有している。そして、取
付部50の先端には、糸保持捕捉部49の板厚方向に平
行に延在する取付面50aが設けられており、この取付
面50aには、糸保持捕捉部49に対してほぼ平行に位
置するようにして前後1対とされた前取付ピン51およ
び後取付ピン52が所望の間隔をおいて糸保持捕捉部4
9から離間するように図2手前側に向かって突設されて
いる。この前後1対の各取付ピン51,52は、後述す
る糸保持部材移動手段53によって移動可能に支持され
るようになっている。
【0039】図9および図10に示すように、糸保持部
材48を構成する前記糸保持捕捉部49の図9下方に示
す前端縁の図9左右に示す長手方向のほぼ中央部には、
糸巻き動作時にボビン22に供給する下糸DSとして上
糸USを選択した際の下糸DSが通過するほぼ鋸刃状の
掛け溝54が形成されている。この掛け溝54の図9左
方に示す先端側に隣位する位置には、図9下方に示す手
前側に向けて突出するとともに、図10に示すように、
下方に向けて傾斜するようにして折曲延出された後舌片
55が形成されている。
【0040】前記後舌片55の図9左方に示す先端側に
は、上方に向かって延在する直立部61が形成されてお
り、この直立部61の上端には、先端側に向かって水平
方向に延長された水平部62が形成されている。そし
て、水平部62は、図9左方に位置し図9上方に示す奥
端縁が直線状に形成され糸保持捕捉部49の先端側に位
置する幅の狭い平面ほぼ長方形状の前水平部62aと、
この前水平部62aと前記直立部61の上端とを接続す
る幅の広い平面ほぼ長方形状の後水平部62bとから形
成されている。さらに、後水平部62bの図10左方下
方に示す角部には斜めの面取りが施されている。また、
前水平部62aの先端は、糸保持捕捉先端63とされて
おり、この糸保持捕捉先端63は、図11に詳示するよ
うに、前水平部62aの先端部から図11下方に示す前
端縁が直線状に連なるようにして幅狭く延出された接続
部63aと、この接続部63aの先端から図11上方に
示す奥側に向けてほぼ直角に折曲延出された折曲部63
bと、この折曲部63bの先端から図11右方に示す後
端部側に向けて延出されるとともに、図10に示すよう
に、下方に向けて傾斜するようにして前記接続部の先端
近傍の部位に対して間隔をおいてほぼ平行に延在するよ
うに折曲延出された折曲先部63cとを有している。そ
して、折曲部63bの図11右方に示す後端部側の端縁
には、糸巻き動作時に、下糸DSとして供給される上糸
USの糸端を糸巻き動作時の前記ボビン22の回転によ
って切断するための糸端切断刃56が形成されている。
さらに、糸保持捕捉先端63の接続部63aと折曲部6
3bと折曲先部63cとにより囲まれた空間は、糸巻き
動作時に、下糸DSとして供給される上糸USの糸端を
さそい込むさそい込み開口63dとされている。
【0041】図9に示すように、前記糸保持捕捉部49
の後舌片55より図9右方に示す後端側の上面の幅方向
ほぼ中央部には、糸巻き動作時にボビン22に供給する
下糸DSとして下糸専用糸EDSを選択した際に、下糸
DSのガイドとなるほぼ横L字状の糸ガイド舌片65
が、その自由端を図9下方に示す手前側に向けて上方に
突出形成されている。なお、糸ガイド舌片65は、設計
コンセプトなどの必要に応じて設ければよい。
【0042】図9および図10に示すように、前記糸保
持捕捉部49の先端側の上面には、糸保持板ばね66が
ねじ67(図9)により密着配置されている。この糸保
持板ばね66には、糸保持捕捉部49に形成された掛け
溝54と平面同一形状の上掛け溝68が形成されてお
り、この上掛け溝68の図9左方に示す先端側には、前
記後舌片55の上方に位置するようにして、図9下方に
示す手前側に向けて突出するとともに、図10に示すよ
うに、上方に向けて傾斜するようにして折曲延出された
上後舌片69が形成されている。そして、上後舌片69
と後舌片55との当接部の根本の内側が、糸巻き動作時
にボビン22に供給する下糸DSとして上糸USを選択
した際の下糸DSを後述する糸位置規制部58の供給側
で保持する上糸用後方保持部70とされている。
【0043】前記糸保持板ばね66の上掛け溝68の図
9上方に示す奥端縁には、上掛け溝68とほぼ同様の掛
け凹溝71が形成されており、この掛け凹溝71の右方
には、図9上方に示す奥側に向けて突出するとともに、
図10に示すように、上方に向けて傾斜するようにして
折曲延出された糸掛舌片72が隣設形成されている。こ
の糸掛舌片72は、糸巻き動作時に前記ボビン22に供
給する下糸専用糸EDSに張力を付与するための専用糸
張力付与手段296として機能する。そして、糸掛舌片
72と糸保持捕捉部49の上面との当接部の根本の内側
が、糸巻き動作時にボビン22に供給する下糸DSとし
て下糸専用糸EDSを選択した際の下糸専用糸EDSを
後述する糸位置規制部58の供給側で保持する専用下糸
用後方保持部73とされている。
【0044】前記糸保持板ばね66の上後舌片69の図
9左方には、図9下方に示す手前側に向けて突出すると
ともに、図10に示すように、上方に向けて傾斜するよ
うにして折曲延出された前舌片57が前記上後舌片69
とほぼ平行にして適宜な間隔を隔てて形成されている。
そして、前舌片57の根本の下面の図9上方に示す奥側
の部位が、糸巻き動作時に、後述する上方糸保持部59
および上方糸係止部60より供給側に位置する下糸専用
糸EDSあるいは下糸DSとして供給される上糸USを
前記ボビン22の上フランジ37に当接可能に位置させ
る糸位置規制部58とされている。
【0045】前記糸保持板ばね66の図9左方に示す先
端側は、図9下方に示す前端縁が直線状の正面ほぼ横L
字状に形成されており、図9左方下方に示す角部が糸保
持板ばね先端74とされている。そして、糸保持板ばね
66の図9左方に示す先端縁は、図9に示すように、糸
保持板ばね先端74から図9上方に示す奥端縁に向けて
図9右方に示す後端縁側に向かって斜めに傾斜して形成
されているとともに、その途中の糸保持捕捉部49の前
水平部62aと重なった部位には、図9上方に向けて凸
の凸状部75が形成されている。また、糸保持板ばね先
端74から凸状部75までの先端側部位は、図10に示
すように先端側上方に向けて傾斜するようにして折曲延
出されている。そして、糸保持板ばね66の図9下方に
示す下端縁と糸保持捕捉部49の先端縁との交叉部が、
糸巻き動作時において後述する進入位置に位置した際
に、供給される下糸DSとしての上糸USを前記ボビン
22の上フランジ37の上方に位置するように捕捉して
係止可能な上方糸係止部60とされ、糸保持板ばね66
の凸状部75と糸保持捕捉部49の上面との当接部が、
糸巻き動作時において後述する進入位置に位置した際
に、供給される下糸専用糸EDSを前記ボビン22の上
フランジ37の上方に位置するように保持可能な上方糸
保持部59とされている。
【0046】なお、本実施形態においては、ボビン22
に供給する下糸DSとして下糸専用糸EDSあるいは上
糸USの何れを選択した場合においても保持あるいは捕
捉可能な糸保持部材48を用いる構成としたが、ボビン
22に供給する下糸DSとして下糸専用糸EDSのみを
供給する場合においては、前記糸位置規制部58、上方
糸保持部59および専用下糸用後方保持部73のみを有
する構成としてもよい。また、ボビン22に供給する下
糸DSとして上糸USのみを供給する場合においては、
前記糸位置規制部58、上方糸係止部60、上糸用後方
保持部70および専用糸張力付与手段296のみを有す
る構成としてもよい。
【0047】図2に戻って、前記糸保持部材移動手段5
3は、少なくとも糸保持部材48の先端部を退避位置と
進入位置との間を進退させるものであり、前記糸保持部
材48の取付面50aに突設された前取付ピン51およ
び後取付ピン52が挿通される移動溝76を有してい
る。この移動溝76は、前記ベースフレーム33に固定
された断面ほぼL字状の機構台77の立設部77aの上
部近傍に形成されており、図2左方に示す長手方向をほ
ぼ水平にして形成された長孔形状の水平部76aと、こ
の水平部76aの図2右方に示す後端側に、上下方向に
位置する長手方向のほぼ中央部が接続され後端側に向け
て凸のほぼ円弧状に形成された上下部76bとから形成
されている。そして、移動溝76に前取付ピン51およ
び後取付ピン52の先端を手前側に向けて突出するよう
にして挿通したうえで、前取付ピン51および後取付ピ
ン52の先端に止め輪78をそれぞれ取着することによ
り、糸保持部材48が機構台77に取着されている。つ
まり、移動溝76によって糸保持部材48の移動軌跡を
規制することができるようになっている。また、上下部
76bは、後述する下糸専用糸FDSの糸掛け動作時に
おいて糸保持部材表出手段261による糸保持部材48
の少なくとも糸保持部分をミシン外部に突出させる際の
移動軌跡を規制することができるようになっている。
【0048】前記機構台77の立設部77aの図2手前
側右下には、平板状の駆動板下79が適宜な間隔をおい
て平行に配設されており、この駆動板下79は、駆動板
下79の図2奥側に示す裏面に突設した前後1対のガイ
ドピン80(一方のみ図示)の先端を、前記機構台77
の移動溝76の下方に移動溝76の水平部76aに対し
て平行に延在するようにして形成したガイド溝81を貫
通するようにして挿通したうえでガイドピン80の先端
に止め輪82をそれぞれ公知の如く取着することにより
ガイド溝81に沿って移動自在に支持されている。
【0049】また、前記機構台77の立設部77aの図
2手前側右上には、平板状の駆動板上83が適宜な間隔
をおいて平行に配設されており、この駆動板上83の下
端部は、前記駆動板下79の上端縁の右側に配設された
ガイドロッド84に挿通されるとともに、ガイドロッド
84の図2右方に示す後端側の外周面に装着された付勢
ばね85により、常時は図2左方に示す先端側に向けて
付勢されている。そして、駆動板上83の下端縁には、
係止溝86が形成されており、この係止溝86に対して
駆動板下79の上端縁のガイドロッド84の右方に上方
に向けて突設した係止ピン87を嵌合することにより、
駆動板上83がガイドロッド84を中心として回転する
のを防止することができるようになっている。さらに、
駆動板上83には、前記後取付ピン52を上下動させる
ことにより、糸保持部材48の先端を外釜7の大径部7
aに沿って上下動させるためのカム面88を形成するた
め、図2左方が開口の左斜め上方から右斜め下方に向か
うカム溝89が形成されており、このカム溝89には、
前記後取付ピン52の先端部が嵌合可能に形成されてい
る。また、駆動板下79の下端縁には、駆動モータ91
の出力軸に取着されたピニオン92と噛合するラック9
0が形成されており、駆動モータ91の回転により、駆
動板下79がガイド溝81に沿って移動可能とされてお
り、その結果、糸保持部材48が進退自在になされてい
る。
【0050】また、前記糸保持部材移動手段53の駆動
モータ91は、図2に示すように、後述する制御手段9
3に電気的に接続されており、制御手段93から送出さ
れる制御指令に基づいて所定のタイミングで駆動される
ようにされている。
【0051】前記機構台77の立設部77aの図2奥側
に示す裏面には、軸251が固定されており、この軸2
51には、ねじりコイルばね252の胴部が取着されて
いる。また、軸251の先端部は、ねじりコイルばね2
52の胴部が取着される部位よりその外径寸法が大きく
形成されており、ねじりコイルばね252が軸215か
ら脱落するのを防止する抜け止めになっている。さら
に、ねじりコイルばね252の図2左方に示す一方の腕
252aの先端部は、機構台77の立設部77aに形成
された板厚方向に貫通する貫通孔253に掛けられて回
り止めとなっており、ねじりコイルばね252の図2右
方に示す他方の腕252bの先端部は、糸保持部材48
の取付部50の裏面に所定の付勢力をもって当接してい
る。つまり、図2に示すように、糸保持部材48は、常
時はねじりコイルばね252の付勢力をもって前取付ピ
ン51を中心として図2反時計方向へ回転するように付
勢されており、糸保持部材48の先端部は、外釜7外周
面近傍の下方の退避位置に位置するように形成されてい
る。
【0052】前記機構台77の立設部77aの上端縁の
長手方向ほぼ中央部は、図2に示すように、上方に向か
って突出するように突出取付部260が突設されてお
り、この突出取付部260の裏面には、図12に示す糸
保持部材表出手段261が配設されている。この糸保持
部材表出手段261は、図12に示すように、前記突出
取付部260の裏面に固定された固定軸262を有して
おり、この固定軸262には、従動リンク体263が1
対の止め輪265(一方のみ図示)によって軸方向への
位置決めがされた状態で回転可能に取着されている。ま
た、固定軸262には、ねじりコイルばね264の胴部
が取着されている。そして、ねじりコイルばね264の
図12下方に示す一方の腕264aの先端部は、機構台
77の立設部77aの上端縁に掛けられて回り止めとな
っており、ねじりコイルばね264の図12上方に示す
他方の腕264bの先端部は、従動リンク体263に所
定の付勢力をもって当接している。つまり、従動リンク
体263は、ねじりコイルばね264の付勢力によっ
て、常時は固定軸262を中心として図12反時計方向
へ回転するように付勢されており、従動リンク体263
の図12左方に示す従動腕263aを左斜め上方に位置
させ、従動リンク体263の図12右方に示す作動腕2
63bをほぼ水平に位置させるようになっている。ま
た、従動腕263aの先端部は、後述する開閉カバー2
71の突出部277(図13)の移動軌跡上に位置して
おり、作動腕263bの先端部下部は、常時は糸保持部
材48の取付部50に対して上方から当接可能にして上
方に離間した位置に位置している。
【0053】なお、作動腕263bの先端部下部を糸保
持部材48の取付部50に対して上方から軽い当接力、
すなわち、糸保持部材48を図2反時計方向へ回転する
ように付勢しているねじりコイルばね252の付勢力よ
り弱い力で当接させる構成としてもよい。
【0054】図13に示すように、前記針板5の所望の
位置には、針3が上下動するための板厚方向に貫通する
針通過孔272およびボビン22をミシン内部から抜き
取るための板厚方向に貫通するボビン抜取用貫通孔27
3が形成されている。このミシンベッド1bの一部を構
成する針板5の糸保持部材48の上方に位置する部位に
は、下糸専用糸EDSを前記糸保持部材48の少なくと
も先端部側に位置する糸保持部分へ糸掛けする下糸専用
糸EDSの糸保持部材48への糸掛け動作時に用いるほ
ぼ長方形の開口部274が設けられており、この開口部
274には、開口部274を開閉するため進退自在にス
ライド移動可能に形成された開閉カバー271が配設さ
れている。この開閉カバー371の上面は、前記針板5
の上面とほぼ面一に形成されている。そして、開閉カバ
ー271の図13左方に示す先端部近傍には、作業者が
開閉カバー271を進退操作してスライド移動するため
の指掛け275が形成されている。さらに、針板5の開
閉カバー271の図13右方に示す後部には、開閉カバ
ー271を図13右方にスライドさせて後退させて開口
部274を開状態とした際に、開閉カバー271を下方
から支持する凹部276が形成されている。また、開閉
カバー271の図13左方下方に示す角部の下方には、
開閉カバー271を後退させた際に、前記糸保持部材表
出手段261の従動リンク体263の従動腕263aを
駆動させる糸保持部材表出駆動手段としての突出部27
7が形成されている。さらにまた、針板5の図13に示
す開閉カバー271の閉状態における後端部近傍には、
後述する下糸専用糸EDSが巻回された下糸糸駒111
(図16)から繰り出される下糸専用糸EDSを開口部
274の内部に導くための糸掛け溝たる溝部278が開
口部274の長手方向に対して直交する方向に沿って形
成されている。
【0055】すなわち、本実施形態においては、開口部
274を開閉可能な開閉カバー271の開閉動作に連動
して糸保持部材表出駆動手段としての突出部277が糸
保持部材表出手段261を駆動させることができるよう
になっている。
【0056】さらに説明すると、開口部274を開状態
とするために、開閉カバー271を開閉カバー271の
開動作である図13右方に後退させる途中で突出部27
7が従動腕263aに当接し、ねじりコイルばね264
の付勢力によって固定軸262を中心として反時計方向
へ付勢されている従動リンク体263をねじりコイルば
ね264の付勢力に抗して時計方向へ回動させ、従動リ
ンク体263の作動腕263bの先端部下部が所定のタ
イミングで糸保持部材48の取付部50に対して上方か
ら当接し、前取付ピン51を中心として反時計方向へ回
転するように付勢されている糸保持部材48をねじりコ
イルばね252の付勢力に抗して時計方向へ回動させ、
その結果、糸保持部材48の先端部側に設けられている
糸保持部分を開口部274を通過させてミシン外部に突
出した糸掛け位置に位置させることができるようになっ
ている。
【0057】なお、糸保持部材48の先端部の移動軌跡
は、前述したように、移動溝76の上下部76bによっ
て規制されるようになっている。
【0058】また、糸掛け位置としては、作業者が指で
下糸専用糸EDSを前記糸保持部材48の糸保持部分へ
糸掛けすることのできる開口部274近傍の位置であれ
ば、例えば、開口部274の内部位置や、開口部274
の針板5表面と同一面位置などでもよく、特に、本実施
形態の糸掛け位置に限定されるものではない。この糸掛
け位置は、設計コンセプトなどの必要に応じて選択する
とよい。
【0059】図3に示すように、前記ボビン駆動部材1
1の下方には、ボビン駆動部材移動手段94が配設され
ている。このボビン駆動部材移動手段94は、ボビン駆
動部材11の下方に位置する平面ほぼL字状に形成され
た作動板95を有している。この作動板95の図3右方
に示す後端部には、図2、図3および図14に示すよう
に、ギア連結リンク96が連設されている。このギア連
結リンク96の長手方向のほぼ中央部には、前記機構台
77の図2左方下方の角部近傍に立設されたリンク支持
ピン97が図2手前側に突出するようにして挿通されて
おり、このリンク支持ピン97の先端側に取着された止
め輪98によって、ギア連結リンク96はリンク支持ピ
ン97を中心として回転可能に支持されるようにして機
構台77に取着されている。さらに、作動板95は、図
14に示すように、一端が作動板95に係止され他端が
ベースフレーム33に係止されたばね6により、常時は
リンク支持ピン97を中心として反時計方向へ付勢され
ているとともに、作動板95のリンク支持ピン97を中
心とした反時計方向への回転は、機構台77に突設され
た位置決めピン99にギア連結リンク96の下端面が当
接した位置で保持されており、その結果、作動板95
は、常時はボビン駆動部材11の下方に離間し、ボビン
駆動部材11の上端に配設されたボビン駆動ギア14が
外釜底板16のギア孔17と噛合し、かつ、ボビン駆動
ギア14がボビン従動ギア35から離間した離間位置を
保持することができるようになっている。
【0060】図14に示すように、ギア連結リンク96
の右方下方には、上に凸の円弧状溝部100が形成され
ており、この円弧状溝部100の左側下方には、ほぼ上
下方向に向けて延在する当接縁100Aが形成されてい
る。この当接縁100Aには、前記機構台77のリンク
支持ピン97の右方下方に立設された支持ピン101に
止め輪102によって回動可能に取着されたほぼベルク
ランク状のストッパ103の作動腕104に板厚方向に
貫通するようにして配設されたストッパピン105が当
接可能とされている。そして、ストッパ103の図14
左方に示す駆動腕106には、一端が駆動腕106に係
止され他端がベースフレーム33に係止されたばね10
7が配設されており、ストッパピン105は、常時はば
ね107の付勢力をもって反時計方向へ付勢された状態
で円弧状溝部100の左方下方にほぼ上下方向に向けて
形成された当接縁100Aに向けて付勢されている。ま
た、ギア連結リンク96の上端縁の図14右方には、図
2に示す前記駆動板下79の裏面に突設された作動ピン
108が駆動板下79の進退運動に連動して接離可能な
傾斜カム面109が形成されており、前記駆動板下79
が図2左方に示す前進側に向かって前進する途中で作動
ピン108が傾斜カム面109に当接し、リンク支持ピ
ン97を中心として反時計方向へ付勢されているギア連
結リンク96をばね6の付勢力に抗して時計方向へ回動
させ、その結果、作動板95の先端を所定のタイミング
で上昇させて前記ボビン駆動部材11と当接させて前記
ボビン駆動部材11を上昇させ、ボビン駆動部材11の
上端に配設されボビン駆動ギア14を上昇させ、外釜底
板16のギア孔17と噛合しているボビン駆動ギア14
を外釜底板16のギア孔17とボビン従動ギア35との
両者に噛合させて、ボビン駆動部材11とボビン22を
連結させた連結位置に位置させることができるようにな
っている。
【0061】また、前記駆動板下79が図2左方に示す
前進側に向かって前進する途中で作動ピン108が傾斜
カム面109に当接し、リンク支持ピン97を中心とし
て反時計方向へ付勢されているギア連結リンク96をば
ね6の付勢力に抗して時計方向へ回動させると、ばね1
07の付勢力をもって反時計方向へ付勢されたストッパ
ピン105が円弧状溝部100の溝底100aに嵌合し
て係合するようになっている。さらにまた、円弧状溝部
100の溝底100aに嵌合したストッパピン105
は、駆動板下79が図2左方に示す前進端から図2右方
に示す後退端に移動する途中で、駆動板下79の先端部
から突出するように配設されたほぼ倒立L字状のストッ
パピン作動腕159と当接することにより、円弧状溝部
100の溝底100aから離間し、作動ピン108が傾
斜カム面109から離間してばね6の付勢力によって反
時計方向へ付勢されているギア連結リンク96の反時計
方向への回動により、円弧状溝部100の左方下方に形
成された当接縁100Aに対向するようになっている。
【0062】したがって、本実施形態におけるストッパ
ピン105は、図2に示す駆動板下79が図2右方に示
す後退端に位置した場合、円弧状溝部100から離間し
た状態を保持してボビン駆動部材11とボビン22を離
間位置に保持することができ、図2に示す駆動板下79
が図2左方に示す前進端に位置した場合、円弧状溝部1
00の溝底100aに嵌合した状態を保持してボビン駆
動部材11とボビン22を連結位置に保持することがで
きるようになっている。
【0063】すなわち、ボビン駆動部材移動手段94
は、前記糸保持部材移動手段53に連動して動作するよ
うに形成されている。
【0064】なお、ボビン駆動部材移動手段94を独立
した他の駆動モータにより駆動させる構成としてもよ
い。
【0065】前記ボビン駆動ギア14およびボビン従動
ギア35により、本実施形態のボビン駆動部材11とボ
ビン22とを接離可能に接続する回転伝道機構340が
構成されている。
【0066】なお、ボビン駆動ギア14およびボビン従
動ギア35により形成された回転伝道機構340のかわ
りに、図15に示すように、ほぼ円錐形状のボビン駆動
摩擦車14Aおよびボビン従動摩擦車35Aにより形成
された回転伝道機構340であってもよい。この場合の
外釜底板16の軸心部には、ギア孔17を形成するかわ
りに、ボビン駆動摩擦車14Aとボビン従動摩擦車35
Aとが接続した状態で外釜底板16の回転をボビン駆動
摩擦車14Aに伝達可能な板厚方向に貫通する伝達孔1
7Aを形成すればよい。
【0067】すなわち、回転伝道機構340としては、
ボビン駆動部材11とボビン22とを異心軸で結合可能
な各種の構成のものから、設計コンセプトなどの必要に
応じて選択して用いればよい。
【0068】つぎに、ボビンに供給する下糸として下糸
専用糸を供給する場合に用いる専用下糸繰出機構の一例
について図16により説明する。
【0069】本実施形態のボビン22に供給する下糸D
Sとして下糸専用糸EDSを供給する場合の専用下糸繰
出機構110は、糸巻き動作時に、ボビン22に巻き取
られる下糸専用糸EDSに適正な張力を付与するための
ものである。そして、少なくとも糸巻き動作を開始する
前には、下糸専用糸EDSが巻回された下糸糸駒111
を、図1に示すように、ミシンベッド1bのミシン脚柱
部1dの左方前方に近接した位置に下糸糸駒111が収
納可能な下糸糸駒装着部168の内部に、先端が上方を
向くようにして立設した下糸立棒117に回転自在に支
持し、糸巻き動作の開始時においては、図16に示すよ
うに、糸巻き動作時に図1に示す下糸立棒117に回転
自在に支持された下糸糸駒111から繰り出される下糸
専用糸EDSは、図1に示す下糸糸案内118および糸
掛け溝たる溝部278と、図16に示す供給側に位置す
る専用下糸繰出機構110を介して前記糸保持部材48
に糸端側が保持されるように糸掛けされる。
【0070】なお、下糸糸駒111を配設する下糸糸駒
装着部168は、前記刺繍装置240の刺繍枠239
が、図1左方に示すミシン脚柱部1dから最も離間した
退避位置に位置した場合、ミシン外部から下糸糸駒11
1の着脱を可能な位置、言い替えれば、少なくとも刺繍
装置240の刺繍枠239を着脱せずに下糸糸駒111
の着脱(交換)を行うことができる位置であれば、ミシ
ン内部でも、ミシン外部でも、一部がミシン外部に表出
した位置であってもよい。
【0071】図16に示すように、専用下糸繰出機構1
10は、図示しない取付ステーに支持された下糸調子ピ
ン112を有しており、この下糸調子ピン112の外周
面には可動皿113が下糸調子ピン112に沿って移動
自在に配設されている。そして、下糸調子ピン112の
下端部には固定皿114が可動皿113と相互に対向す
るようにして配設されている。さらに、下糸調子ピン1
12の外周面には、下糸調子ばね115が外挿されてお
り、この下糸調子ばね115の下端を可動皿113の上
面に当接させるとともに、下糸調子ばね115の上端を
下糸調子ピン112の上端近傍に取着した止め輪116
の下面に当接させることにより、常に可動皿113を固
定皿114に向けて付勢することができるようになって
いる。すなわち、下糸専用糸EDSは、下糸調子ばね1
15の付勢力をもって固定皿114と可動皿113との
間に挟持されるようになっている。
【0072】つぎに、ボビンに供給する下糸として上糸
を供給する場合に用いる上糸繰出機構の一例について図
17により説明する。
【0073】本実施形態の上糸繰出機構120は、縫製
動作時およびボビン22に供給する下糸DSとして上糸
USを供給する場合の糸巻き動作時において、上糸糸駒
121から繰り出される上糸USに適正な上糸張力を付
与するとともに、縫製動作時においては縫い目を形成す
るのに必要な分だけの上糸USを繰り出した後に図示し
ない公知の天秤機構による天秤糸締め時に適正なタイミ
ングで上糸USを保持し、糸巻き動作時においては前記
糸保持部材48に上糸USを係止するのに必要な分だけ
の上糸USを繰り出した後に図示しない公知の天秤機構
による天秤糸締め時に適正なタイミングで上糸USを保
持し、糸巻き動作時においてボビン22に供給する下糸
DSとしての上糸USを巻き取る糸巻き動作の開始時に
おいては保持された上糸USを適正なタイミングで解放
するものである。
【0074】図17に示すように、上糸繰出機構120
は、取付板122の上面に立設された駆動ローラ支持軸
123によって回転自在に支持された駆動ローラ124
を有している。そして、上糸張力付与装置119を介し
て図示しない上糸立棒に回転自在に支持された上糸糸駒
121から繰り出された上糸USが駆動ローラ124の
外周面の一部に巻き付くように当接されている。この駆
動ローラ124の下端部には、取付板122の下面に取
着されたステッピングモータなどからなる駆動モータ1
25の取付板122の上方へ先端部が突出する出力軸1
25aの先端部に固着された駆動ギア126と噛合する
従動ギア127が同軸状に形成されており、その結果、
駆動ローラ124は、駆動モータ125の回転によって
回転可能とされている。
【0075】前記駆動ローラ124の外周面には、駆動
ローラ124の外周面の一部に巻き付けられて当接して
いる上糸USを介して駆動ローラ124の外周面に接離
する1対の従動ローラ128が間隔をおいて平行に配設
されている。これら各従動ローラ128は、取付板12
2の上方に配設された移動板129の上面に立設された
従動ローラ支持軸130によってそれそれ回転自在に支
持されている。そして、移動板129には、前記駆動ロ
ーラ124が嵌合可能な板厚方向に貫通する長孔131
が形成されており、この長孔131を駆動ローラ124
の外周面に外嵌することにより、移動板129の下面が
従動ギア127の上面に支持されている。また、移動板
129の図14左方に示す左端部近傍には、ほぼベルク
ランク状に形成され長手方向のほほ中央部が取付板12
2の上面に立設されたリンク支持ピン132によって回
動可能に支持された移動板駆動リンク133の図17下
方に示す一端が連結ピン134によって回動自在に取着
されており、移動板駆動リンク133のリンク支持ピン
132を中心とする回動動作にともなって、前記移動板
129が駆動ローラ124の外周面に外嵌する長孔13
1によって移動軌跡を規制された状態で進退運動し、そ
の結果、各従動ローラ128が上糸USを介して駆動ロ
ーラ124の外周面に接離するようにされている。
【0076】さらに、前記移動板駆動リンク133の図
17上方に示す他端近傍には、付勢ばね135の一端が
係止されており、この付勢ばね135の付勢力は、常時
は移動板駆動リンク133をリンク支持ピン132を中
心として反時計方向へ付勢して移動板129を図17右
方へ前進させ、各従動ローラ128を駆動ローラ124
に対して所定の当接力をもって当接させるようになって
おり、その結果、上糸USに対して所定の上糸張力を付
与することができるようになっている。また、駆動モー
タ125は、図17に破線にて示すように、後述する制
御手段93に電気的に接続されており、制御手段93か
ら送出される制御指令に基づいて所定のタイミングで駆
動ローラ124を回転駆動して上糸USを設定量だけ繰
り出すようにされている。すなわち、駆動モータ125
を回転駆動させずに、各従動ローラ128を駆動ローラ
124に対して当接させることにより、上糸USが保持
された保持状態とされ、この保持状態で駆動モータ12
5を回転駆動することにより、所定の上糸張力が付与さ
れた状態で上糸USを設定量だけ繰り出すことができる
ようになっている。
【0077】前記移動板駆動リンク133の図17上方
に示す他端近傍には、図示しない支持ステーに取着され
たソレノイド136の進退自在な出力軸136aに一端
が取着された駆動ロッド137の他端が係止されてい
る。そして、ソレノイド136の出力軸136aは、常
時は前記付勢ばね135の付勢力によって各従動ローラ
128が駆動ローラ124に対して当接して上糸USに
対して所定の上糸張力を付与する状態を保持可能な前進
位置に位置している。そして、ソレノイド136は、図
17に破線にて示すように、後述する制御手段93に電
気的に接続されており、制御手段93から送出される制
御指令に基づいて所定のタイミングでソレノイド136
の出力軸136aを前進位置から後退位置に位置させる
ことにより、付勢ばね135を伸張させて各従動ローラ
128を駆動ローラ124から離間させ、前記保持状態
とされた上糸USを解放することができるようになって
いる。
【0078】前記ソレノイド136および駆動ロッド1
37により、本実施形態の糸巻き動作時にボビン22に
供給する下糸DSとしての上糸USを巻き取る糸巻き動
作の開始時において保持された上糸USを適正なタイミ
ングで解放する糸ゆるめ手段138が構成されてる。ま
た、下糸DSとしての上糸USは、上糸糸駒121と上
糸繰出機構120との間で、上糸張力付与装置119に
より適度の張力が付与され、上糸糸駒121から上糸繰
出機構120に入るときの糸の暴れが取り除かれるとと
もに、糸巻きに必要な張力を与えることができるように
なっている。
【0079】前記上糸繰出機構120から繰り出される
上糸USは、上糸経路に配設された公知の上糸張力ばね
220を介して針3に至るように形成されている。この
上糸張力ばね220は、上糸USの有無を検出する上糸
検出手段221の一部を構成するほぼ扇形状の遮蔽板2
22を連動動作するように形成されている。そして、上
糸検出手段221は、縫製動作が行われている場合、上
糸USに付与される上糸張力によってたわまされる上糸
張力ばね220に連動する遮蔽板222が光りセンサ
(フォトインタラプタ)223を遮蔽、解放することに
より上糸USの有無を検出することができるようになっ
ている。前記遮蔽板222および光りセンサ223によ
り、本実施形態の上糸検出手段221が構成されてる。
【0080】 次に、上軸クラッチ機構410の一例に
ついて図53〜56により説明する。図53は本発明の
実施の形態の例に係る上軸クラッチ機構を示す斜視図、
図54は縫製作動時の上軸クラッチ機構及び針振り駆動
機構を示す側面図、図55は上軸クラッチを切り離して
針棒と天秤を切り外すためにステッピングモータを駆動
した状態を示す上軸クラッチ機構の側面図、図56は上
軸クラッチ機構を切り離して上軸を上位置で停止した状
態を示す上軸クラッチ機構の側面図である。図53に示
されるように、本発明の上軸クラッチ機構410が適用
されるミシンフレーム(全体図示省略)は、ミシンモー
タ235により送り歯312と釜4(共に図18参照)
を作動する下軸311とを駆動し、この下軸311から
上軸416へベルト418により回転を伝達し、この上
軸416の回転によって針3を装着した針棒2(図18
参照)及び天秤422を駆動する構成とされている。
【0081】前記上軸クラッチ機構410は、前記上軸
416に、同軸的に相対回転自在に支持され、且つ、前
記下軸311により前記ベルト418を介して回転駆動
される上軸プーリ424と、前記上軸416に、相対回
転不能、且つ、前記上軸プーリ424に対して離接する
ように軸方向摺動自在に支持された上軸切離しカム42
6と、この上軸切離しカム326及び前記上軸プーリ4
24の対向する端面に形成され、両者の相対的回転角度
が一定で接近したとき回転方向に係合可能、且つ、軸方
向に離間したとき非係合となるカム側係合部428及び
プーリ側係合部430とを備え、上軸416と一体の上
軸切離しカム426及びその一部であるカム側係合部4
28が、ベルト418により常時回転されている上軸プ
ーリ424及びその一部であるプーリ側係合部430に
係合したり、離間することによって、下軸311の回転
が上軸416に伝達され、あるいは遮断されるようにし
たものである。前記上軸切離しカム426は、前記のよ
うに、上軸プーリ424側にカム側係合部428を有
し、且つ、圧縮コイルばね432によって上軸プーリ4
24方向に付勢されている。前記上軸切離しカム426
は、アクチエータ434によって、上軸416上で軸方
向に、前記カム側係合部428がプーリ側係合部430
に係合する位置と非係合となる位置との間で駆動可能と
されている。
【0082】前記プーリ側係合部430は上軸416と
略直交する直線溝形状であって、カム側係合部48は、
この直線溝形状のプーリ側係合部430に嵌合する直線
凸条とされ、両者が上軸416の回転方向に一致したと
き嵌合(係合)可能とされている。図53の符号426
Aは上軸416に半径方向に植設されたピンを示し、こ
のピン426Aが、上軸切離しカム426に上軸416
と平行に形成された長孔426B内を摺動することによ
って、上軸切離しカム426が上軸416に対して半径
方向に係合したまま軸方向に往復動できるようにされて
いる。前記上軸切離しカム426には、その軸方向中間
位置に、前記アクチエータ434の接触部材434Aが
入り込む円周方向の溝426Cが形成されている。この
溝426Cの、前記上軸プーリ424側の端面は上軸4
16と直交する平坦面436Aとされ、又、これと対向
する圧縮コイルばね432側の端面は、図53に示され
るように、上軸416の回転角度に対応して、上軸プー
リ424方向の突出高さが変化する傾斜カム面436と
されている。
【0083】前記図53に示すアクチエータ434は、
その接触部材434Aを、前記傾斜カム面436に接触
しない状態で前記溝426C内にあり、前記カム側係合
部428がプーリ側係合部430に係合する係合位置
と、接触部材434Aが傾斜カム面436側に移動さ
れ、これと接触して、前記カム側係合部428がプーリ
側係合部430から離脱するように押圧可能な非係合位
置の2つの位置に選択的に駆動するようにされている。
前記傾斜カム面436の、上軸プーリ424方向への突
出高さ、即ちカムリフトは、上軸416の回転と共に傾
斜カム面436が、非係合位置に駆動されている接触部
材434Aに接触して、前記圧縮コイルばね432を押
圧する方向に移動され、接触部材434Aが傾斜カム面
436の最大リフト位置となったときに、前記カム側係
合部428がプーリ側係合部430から抜け出して、上
軸切離しカム426が上軸プーリ424と離間するよう
に設定されている。ここで、前記傾斜カム面436の最
大リフト部分の、上軸416回転方向の位置は、前記針
棒2の上死点位置に対応する回転方向の角度位置のと
き、前記カム側係合部428がプーリ側係合部430か
ら離脱するように設定されている。従って、接触部材4
34Aが傾斜カム面436と接触可能な位置、即ち非係
合位置に駆動され、上軸416の回転によって傾斜カム
面436が非係合位置の接触部材434Aに接触し、こ
れによって圧縮コイルばね432を圧縮する方向に移動
され、カム側係合部428がプーリ側係合部430から
抜け出したときに、常に針棒2が上死点位置となる。
【0084】次に針振り駆動機構442について説明す
る。この針振り駆動機構442は、前記針棒2を送り歯
312による布送り方向と交差方向に往復移動する針振
り機構440(図18参照)を駆動するためのものであ
る。この針振り駆動機構442は、前記上軸切離しカム
426の下側近傍において、ミシン上部(図示省略)に
固定されたSTM取付板444と、このSTM取付板4
44に取り付けられ、中心の歯車446A(図54参
照)に揺動駆動力を出力する針振りモータ(STM)2
36と、前記歯車446Aと噛み合うリンクギヤ448
Aを有し、このリンクギヤ448Aを介して前記歯車4
46Aによって揺動される針振りカム448と、一端に
針振り接触軸450Aを有し、この針振り接触軸450
Aが前記針振りカム448の外周に接触してそのカムリ
フト量に応じて揺動される針振りリンク450と、を有
してなり、前記歯車446Aの往復回転により、針振り
リンク450が軸435Bを中心として揺動されると
き、これが揺動桿452を介して前記針振り機構440
に伝達されるように構成されている。
【0085】この実施の形態の例では、前記アクチエー
タ434は、前記針振りカム448のリンクギヤ448
Aにこれと一体的に揺動するように取り付けられた操作
リンク435Aと、この操作リンク435Aが、前記リ
ンクギヤ448Aと共に、通常の針振り揺動角度範囲S
(図54参照)を越えて揺動誘導されたとき、図54に
おいて、揺動軸435Bを中心として反時計方向に押圧
揺動される被動リンク435Cと、この被動リンク43
5Cの、前記操作リンク435Aと反対側の先端に、前
記上軸切離しカム426の溝426C内に突出するよう
に取り付けられた前記接触部材434Aと、前記被動リ
ンク435Cを、図において時計方向に付勢するばね4
35Dとから構成されている。
【0086】図18の符号456は上軸416の回転を
天秤422の揺動運動に変換するための天秤クランク、
458はこの天秤クランク456に連動して、針棒2上
端の針棒抱き460に揺動運動を伝達するための針棒ク
ランクをそれぞれ示す。なお、前記揺動桿452の他端
は、前記針棒2の上端に連結されている。
【0087】 次に、上軸クラッチ機構410の作用に
ついて説明する。通常の、上軸416をミシンモータ2
35から切り離さない縫製中は、ミシンモータ235の
回転は、下軸311、ベルト418、上軸プーリ424
及びこれと係合している上軸切離しカム426を介して
上軸416に伝達される。このとき、前記針振りモータ
236は、図54の針振り揺動角度範囲S内でリンクギ
ヤ448Aを、歯車446Aを介して揺動させ、これに
よって、針振りカム448の揺動に従う針振り接触軸4
50Aに揺動が生じても、これは、揺動桿452を介し
て前記針振り機構440に伝達されるのみであって、ア
クチエータ434が駆動されることはない。上軸クラッ
チ機構410を作動させる場合は、針振りモータ236
を作動させ、その歯車446Aによって、前記リンクギ
ヤ448Aを前記針振り揺動角度範囲Sを越えて図54
において時計方向に揺動させる。これにより、リンクギ
ヤ448Aに連結されている操作リンク435Aが大き
く時計方向に揺動され、前記被動リンク435Cを、揺
動軸435Bを中心として反時計方向に揺動させる。従
って、被動リンク435C先端の接触部材434Aは、
上軸切離しカム426の溝426C内で図において左方
向に、前記非係合位置まで駆動される。
【0088】接触部材434Aが図において左行したと
き、図55に示されるように、これが傾斜カム面436
に接触しない場合、傾斜カム面436は上軸416と共
に回転しているので、傾斜カム面436のリフト部分が
接触部材434Aの位置にきたとき、上軸切離しカム4
26は接触部材434Aにより圧縮コイルばね432の
付勢力に抗して、図において左方向に駆動され、図56
に示されるように、カム側側係部428がプーリ側係合
部430から抜け出す。従って、上軸プーリ424は空
転してその回転が上軸切離しカム426を介して上軸4
16に伝達されることがない。接触部材434Aが左行
し、直ちに傾斜カム面436のリフト部分に接触したと
きは、そのまま傾斜カム面436を圧縮コイルばね43
2の付勢力に抗して図において左方向に押して、カム側
係合部428をプーリ側係合部430から係合離脱させ
る。上軸416には、図18に示されるように、針棒2
及び天秤422が連動されているので、上軸416が停
止することによって、これら針棒2及び天秤422の運
動が停止される。このとき、上軸プーリ424は、上軸
416から切り離された状態でベルト418により回転
駆動されるので、下軸311は停止されることがない。
即ち、下軸311の回転した状態で針棒2の上下動及び
天秤422の動きを停止することができる。
【0089】上軸クラッチ機構410を接続位置に戻す
場合は、針振りモータ236を駆動し、その歯車446
Aにより、リンクギヤ448Aを通常の針振り揺動角度
範囲に、図54において反時計方向に戻す。これによ
り、操作リンク435Aが被動リンク435Cから離間
する。するとこの被動リンク435cはばね435Dの
引張力によって図54において時計方向に戻され、アク
チエータ434先端の接触部材434Aは、溝426C
内で上軸プーリ424方向に移動される。従って、接触
部材434Aは傾斜カム面436から離間することにな
り、上軸切離しカム426は圧縮コイルばね432の復
元力によって図54において右行する。その後ミシンモ
ータ235が駆動されて上軸プーリ424が回転し、カ
ム側係合部428とプーリ側係合部430の回転方向の
位置が一致したとき、両者が係合し、上軸416が回転
駆動され、通常の縫製状態に戻る。このようにすれば、
自動下糸巻き中に、針棒2及び天秤422の運動を停止
させることができるので、上糸及び上糸の張力の安定、
上糸の外れ防止、糸巻き中のボビンあばれの低減を図る
ことができる。
【0090】つぎに、糸巻き径検出手段の一例について
図19および図20により説明する。本実施形態の糸巻
き径検出手段160は、前記ボビン22に巻回される下
糸DSの最大糸巻き径を検出するためのものである。図
19および図20に示すように、本実施形態の糸巻き径
検出手段160は、外釜7の大径部7aの上端近傍に相
互に対向するようにして配設された発光素子161と受
光素子162とを有している。そして、発光素子161
から受光素子162へ至る光路163は、外釜7の上方
に位置しており、ボビン22の上フランジ37と下フラ
ンジ38との間で、図20に破線にて示す下糸DSの最
大糸巻き径164を検出し得るようにされている。さら
に、内釜18には、内釜18が内釜回り止め20に当接
した状態で、前記光路163と一致する図示しない光路
孔が形成されており、外釜7の大径部7aの外周面に
は、特定の位相で光路163と一致する図示しない光路
貫通孔が形成されている。
【0091】ここでいう特定の位相とは、内釜18に形
成された図示しない光路孔と、外釜7の大径部7aの外
周面に形成された図示しない光路貫通孔が、光路163
と直線的に一致する位相をいう。つまり、この特定の位
相区間のみ光路163が開かれる。そして、ボビン22
に巻かれる糸径がこの光路163を遮らないうちは、こ
の特定の位相区間で受光素子162はONする。糸が巻
かれてゆき、糸径が光路163を遮ると受光素子はOF
Fする。光路163は、糸径の最大位置に配設してある
ので、前記受光素子162の信号の変化により最大糸巻
き径164を検出することができる。
【0092】なお、本実施形態においては、下糸UDの
有無を検出する下糸検出手段214として、ボビン回転
状態検出手段215により行ったが、このボビン回転状
態検出手段215に代えて、例えば、糸巻き径検出手段
160として用いた発光素子161と受光素子162を
用い、発光素子161から受光素子162へ至る光路が
前記ボビン22のボビン中心軸36の外周よりわずか外
側になるように発光素子161および受光素子162を
配置して下糸検出手段としてもよく、このような構成と
すれば、前記ボビン22に巻回された下糸USが無くな
った時、受光素子162が発光素子161からの光りを
検知してONし、このON信号を下糸無しの検出信号と
して用いることができる。
【0093】つぎに、操作部の一例について図1および
図21により説明する。
【0094】本実施形態の操作部170は、図1に示す
ように、ミシン脚柱部1dの操作側たる前面側に配設さ
れており、図21に示すように、後述する制御手段93
に記憶されている複数の縫いデータを簡便な模様と番号
で表示する模様表示画面171が図21右下に配置され
ており、この模様表示画面171の上方には、模様表示
画面171に表示された模様の番号を選択することによ
り複数の模様縫いデータから所望の模様縫いデータを選
択する模様選択手段としての模様選択スイッチ172が
配置されている。そして、模様表示画面171の左方に
は、糸巻き動作時にボビン22に供給する下糸DSとし
て下糸専用糸EDSあるいは上糸USを選択する巻き糸
選択手段としての巻き糸設定スイッチ173が配置され
ており、その上方には、糸巻き動作時にボビン22に巻
回される下糸DSの糸巻き量を大、中、小の3段階に設
定する糸巻き量設定手段としての糸巻き量設定スイッチ
174が配置されている。さらに、糸巻き量設定スイッ
チ174の上方には、各種のメッセージや設定状態など
を表示する警告手段175および縫製動作の再スタート
を表示する再スタート告知手段225を兼ねた表示画面
176が配置されており、その左側には、糸巻き動作の
ON/OFFを制御する糸巻きスタート/ストップスイ
ッチ177が配置されている。さらに、操作部170に
は、自動的に糸巻き動作を開始する自動糸巻きモードと
作業者の操作により糸巻き動作を開始する手動糸巻きモ
ードとを切り換える糸巻きモード切替スイッチ226
(図27)や、ボビン22への下糸DSの供給を終了し
た場合、自動的に縫製動作を再スタートする自動再スタ
ートモードと作業者の操作により縫製動作を再スタート
する手動再スタートモードとを切り換える再スタートモ
ード切替スイッチ227(図27)なども配設されてい
る。そして、これらの模様表示画面171、模様選択ス
イッチ172、巻き糸設定スイッチ173、糸巻き量設
定スイッチ174、警告手段175を兼ねた表示画面1
76および糸巻きスタート/ストップスイッチ177、
糸巻きモード切替スイッチ226、再スタートモード切
替スイッチ227などは、タッチパネルとされており、
後述する制御手段93に電気的に接続されている。
【0095】なお、操作部170の構成は、糸巻き動作
にかかわる部位についてのみを説明したものであり、操
作部170には、縫製動作にかかわる公知の各種のスイ
ッチおよび表示画面(共に図示せず)なども当然配置さ
れている。
【0096】また、糸巻き動作時にボビン22に供給す
る下糸DSとして下糸専用糸EDSあるいは上糸USの
みを用いる場合には、巻き糸設定スイッチ173を設け
る必要はない。
【0097】さらに、再スタート告知手段225として
は、表示画面176への表示だけでなく、ブザーあるい
はパトライトのような安全灯などからなる安全確保手段
228(図27)を付加する構成としてもよい。このよ
うな安全確保手段228は、作業者が表示画面176へ
のメッセージの表示を見落とすのを確実に防止すること
ができるとともに、作業者以外の周囲の人々への警告を
行うことができる。なお、安全確保手段228は、下糸
糸巻き装置付きミシン1に付設してもよいし、外部に個
別に設置してもよい。
【0098】つぎに、専用下糸保持検出手段の一例につ
いて図16および図22から図24により説明する。
【0099】図16に示すように、本実施形態の専用下
糸保持検出手段180は、糸保持部材48と専用下糸繰
出機構110との間に配設されている。この専用下糸保
持検出手段180は、図22から図24に示すように、
ほぼ横長の長方体状に形成された本体181を有してお
り、この本体181には、下糸専用糸EDSの糸経路に
沿うようにして凹設された糸溝182が形成されてい
る。この糸溝182には、糸溝182内を通過する下糸
専用糸EDSを糸溝底部183(図23、図24)へ案
内するほぼ三角板状の左右1対のガイドリブ184が間
隔をおいて形成されている。そして、本体181の図2
2左右方向に示す長手方向の中央部には、糸溝底部18
3の直近を通過する下糸専用糸EDSと直交するように
上下方向に貫通する貫通孔185(図22、図24)が
形成されており、この貫通孔185の上部には、発光素
子186が配設されている。また、貫通孔185の下部
には受光素子187、例えばソーラーセルが配設されて
いる。そして、発光素子186および受光素子187
は、後述する制御手段93に電気的に接続されており、
糸溝底部182の直近を通過する下糸専用糸EDSの有
無の検出データを制御手段93へ送出することができる
ようになっている。
【0100】つぎに、布送り機構の一例について図25
および図26により説明する。
【0101】図25および図26に示すように、本実施
形態の布送り機構310は、上下送り機構313を有し
ており、この上下送り機構313は、上軸416に接続
された下軸311に取着されたほぼ円筒形状の上下送り
カム314を有している。この上下送りカム314は、
その内周面に図26右方に示す一端に接続する長溝31
5が形成されており、この長溝315を下軸311に突
設したピン316と嵌合させることにより、下軸311
の軸方向に沿ってスライド可能とされている。この上下
送りカム314は、カム部317と、下軸311と同心
に形成された同心円部318と、環状に形成された溝部
319とを有しており、溝部319には、ドロップフィ
ード作動板320の板部321が係合し、上下送りカム
314のスラスト方向位置を規制している。
【0102】前記上下送り機構313は、下軸311が
回転すると、上下送りカム314も回転し、カム部31
7に当接している接触子322が動作する。この接触子
322は、送り歯438と連結されており、送り歯43
8がカム部317のカム形状にしたがって上下動する。
また、ドロップフィード作動板320の裏面に設けられ
た1対の裏面突出ピン323a,323bは、ミシンフ
レーム1fに設けられた1対の長穴324a,324b
に止め輪325にてそれぞれ取り付けられており、通常
は、ばね326により各穴324a,324bの図26
左端に当接し、接触子322が上下送りカム314のカ
ム部317と当接するようになっている。そして、ソレ
ノイド327がドロップフィード作動板320を図26
右方向へ移動させると、上下送りカム314も右方向へ
移動し、上下送りカム314の同心円部318が接触子
322と当接する。この状態で下軸311が回転して
も、接触子322は動作せず、送り歯438は針板5の
上面より下方に位置した状態、すなわちドロップフィー
ドした状態を保持することができるようになっている。
【0103】つぎに、制御手段の一例について図27に
より説明する。
【0104】図27に示すように、前記制御手段93
は、少なくともCPU190および適宜な容量のRO
M、RAMなどにより形成されたメモリ191を有して
おり、この制御手段93には、前記操作部170に配設
された模様表示画面171、模様選択スイッチ172、
巻き糸設定スイッチ173、糸巻き量設定スイッチ17
4、再スタート告知手段225を兼ねた表示画面17
6、糸巻きスタート/ストップスイッチ177、糸巻き
モード切替スイッチ226、再スタートモード切替スイ
ッチ227、縫製動作のON/OFFに用いるスタート
/ストップスイッチ238、上軸クラッチ機構410を
作動させても回転している下軸に設けた主軸センサ21
8、ボビン回転状態検出手段215を兼ねた下糸検出手
段214の反射型光センサ211、上糸検出手段221
の光りセンサ223、選択された模様を形成するのに必
要な補助部品としての刺繍装置240の着脱状態を検出
する刺繍装置センサ217、返し縫いスイッチ301、
糸切りスイッチ302、縫製速度調整ボリュームスイッ
チ303、ブザーや安全灯などの安全確保手段228、
上糸繰出機構120の駆動モータ125およびソレノイ
ド136、図示しない押え機構に装着されている布押え
が208の高さ位置から縫製物Sの厚さを検出する布厚
センサ231、ミシンモータ235、針振りモータ23
6、布送りモータ237、刺繍装置240のステッピン
グモータなどからなる縦送り用のYモータ240Aおよ
び横送り用のXモータ240B、布送り機構310のう
ちの上下送り機構313をドロップフィード動作させる
ソレノイド327、図示しない電源スイッチや縫製動作
にかかわる公知の各種のスイッチ類などが電気的に接続
されている。また、反射型光センサ211は、A/D変
換器233を介して接続されており、上糸繰出機構12
0の駆動モータ125およびソレノイド136、ミシン
モータ235、針振りモータ236、布送りモータ23
7、刺繍装置240用の駆動モータ240A,240B
などは、それぞれを駆動するためのコントローラとも称
される駆動回路120a、235a、236a、237
a、240a、327aを介して接続されている。
【0105】また、CPU190は、少なくとも選択さ
れた模様縫いデータを認識する縫いデータ認識手段22
9としても機能する。
【0106】前記メモリ191は、少なくとも少なくと
も糸巻き動作制御部193と、下糸再保持動作制御部1
94と、上糸制御部195と、下糸張力付与動作部19
6と、糸巻き量制御部197と、限界糸巻き回数設定部
198と、縫いデータ記憶部200と、自動設定部20
1と、誤巻き取り動作防止部202と、糸無し判別制御
部241と、縫製中断時針位置制御部242と、縫製再
開時針位置制御部243と、糸巻きモード判別制御部2
44と、糸巻きモード自動設定制御部245と、再スタ
ート制御部246と、再スタート動作制御部247と、
再スタート告知制御部248と、動作状態判別制御部2
49と、誤動作防止制御部250とを有している。
【0107】前記糸巻き動作制御部193は、第1糸巻
き動作制御部193Aと第2糸巻き動作制御部193B
とを有している。
【0108】前記第1糸巻き動作制御部193Aには、
糸巻き動作時に、下糸専用糸EDSをボビン22に巻回
する下糸DSとして選択した際に、上方糸保持部59と
糸位置規制部58との間に連なる下糸専用糸EDSをボ
ビン22のスリット39に入り込ませて下糸専用糸ED
Sをボビン22に巻き取るように上軸クラッチ機構41
0、水平釜4、ボビン駆動部材移動手段94および糸保
持部材移動手段53を動作させるプログラムが格納され
ている。このプログラムの具体例としては、例えば、上
軸クラッチ機構410を作動させて、針棒2及び天秤4
22を上下方向へ往復運動させる上軸416を、ミシン
モータ235により駆動される下軸311及び上軸プー
リ424から上軸416を切り外することにより、針3
及び天秤422の上下方向への往復運動を停止させ針3
を上方に保持させた後に、糸保持部材48を進入位置に
位置させて上方糸保持部59と糸位置規制部58との間
に連なる下糸専用糸EDSをボビン22の上フランジ3
7の少なくとも外周縁に当接させ、その後、ボビン駆動
部材11を連結位置に位置させた後に外釜7を回転させ
て上方糸保持部59と糸位置規制部58との間に連なる
下糸専用糸EDSをボビン22のスリット39に入り込
ませて下糸専用糸EDSをボビン22に巻き取るように
上軸クラッチ機構410、水平釜4、ボビン駆動部材移
動手段94および糸保持部材移動手段53を動作させる
構成とするとよい。
【0109】なお、第1糸巻き動作制御部193Aのプ
ログラムとしては、前記具体例に限定されるものではな
く、針棒2及び天秤422を駆動する上軸416を、ミ
シンモータ235で駆動される上軸プーリ424から切
り外して、針3及び天秤422を上方で保持するタイミ
ング、糸保持部材48を進入位置に位置させるタイミン
グ、ボビン駆動部材11を連結位置に位置させるタイミ
ングおよび外釜7を回転させるタイミングなどは、設計
コンセプトなどの必要により、前後関係を決定すればよ
い。
【0110】前記第2糸巻き動作制御部193Bには、
糸巻き動作時に、上糸USをボビン22に巻回する下糸
DSとして選択した際に、下糸糸巻き装置付きミシン1
を駆動させて針3を上下動させて上糸USのループを外
釜7の剣先42により内釜18の上下に分けて回し、内
釜18の上を通る上糸USを糸保持部材48の上方糸係
止部60および糸位置規制部58により捕捉させ、その
後、上方糸係止部60と糸位置規制部58との間に連な
る上糸USをスリット39に入り込ませて上糸USをボ
ビン22に下糸DSとして巻き取るように上軸クラッチ
機構410、水平釜4、ボビン駆動部材移動手段94お
よび糸保持部材移動手段53を動作させるプログラムが
格納されている。このプログラムの具体例としては、例
えば、糸巻き動作時に、上糸USをボビン22に巻回す
る下糸DSとして選択した際に、糸保持部材48を進入
位置に位置させた後に下糸糸巻き装置付きミシン1を駆
動させて針3を上下方向へ1往復動作させて上糸USの
ループを外釜7の剣先42により内釜18の上下に分け
て回し、内釜18の上を通る上糸USを糸保持部材48
の上方糸係止部60および糸位置規制部58により捕捉
させ、その後、針棒2及び天秤422を上下方向へ往復
運動させる上軸416を、ミシンモータ235により駆
動される下軸311及び上軸プーリ424から上軸41
6を切り外して、針3及び天秤422の上下方向への往
復運動を停止させ針3を上方に保持させた後に、ボビン
駆動部材11を連結位置に位置させ、その後、外釜7を
回転させて上方糸係止部60と糸位置規制部58との間
に連なる上糸USをスリット39に入り込ませて上糸U
Sをボビン22に下糸DSとして巻き取るように上軸ク
ラッチ機構410、水平釜4、ボビン駆動部材移動手段
94および糸保持部材移動手段53を動作させる構成と
するとよい。
【0111】なお、第2糸巻き動作制御部193Bのプ
ログラムとしては、前記具体例に限定されるものではな
く、針棒2及び天秤422を駆動する上軸416を、ミ
シンモータ235により駆動される下軸311及び上軸
プーリ424から上軸416を切り外し、針3を上方で
保持するタイミング、糸保持部材48を進入位置に位置
させるタイミング、ボビン駆動部材11を連結位置に位
置させるタイミングおよび外釜7を回転させるタイミン
グなどは、設計コンセプトなどの必要により、前後関係
を決定すればよい。また、ボビン22に巻回する下糸D
Sとして下糸専用糸EDSあるいは上糸USを用いる場
合の糸巻き動作制御部193としては、第1糸巻き動作
制御部193Aおよび第2糸巻き動作制御部193Bの
何れか一方を有する構成であればよい。
【0112】前記下糸再保持動作制御部194には、糸
巻き動作時に下糸専用糸EDSをボビン22に巻回する
下糸DSとして選択した際の糸巻き動作終了後に、糸保
持部材48を糸捕捉位置に位置させた後に、外釜7を回
転させて外釜7の外周面の近傍に位置する下糸専用糸E
DSを外釜7から離間する方向へ移動させて糸保持部材
48の上方糸保持部59に保持させた後、前記糸保持部
材48を退避位置へ移動させるように水平釜4、糸保持
部材移動手段53を動作させるプログラムが格納されて
いる。
【0113】前記上糸制御部195には、上糸繰出装置
120から繰り出される上糸USの繰り出し量を所定量
とするとともに、ボビン22が下糸DSとしての上糸U
Sを巻き取る際に糸ゆるめ手段138が上糸USを解放
するように動作させるプログラムが格納されている。な
お、ボビン22に巻回する下糸DSとして下糸専用糸E
DSのみを用いる場合には、上糸繰出装置120として
は、従来公知のものを用いればよい。
【0114】前記下糸張力付与動作部196には、糸巻
き動作終了後に、ボビン22に連なる外釜7の近傍に位
置する糸を外釜7の外周面の上面より下方に位置するよ
うに退避位置に位置させて、糸捕捉フック46でボビン
22に連なる外釜7の近傍に位置する糸を捕捉可能とし
た後に、外釜7を逆回転させて、ボビン22に連なる外
釜7の近傍に位置する糸を糸導入口27に入り込ませる
ように、糸保持部材48および外釜7を動作させるプロ
グラムが格納されている。また、本実施形態における下
糸張力付与動作部196には、外釜逆回転機構205と
して、ミシンモータ235の回転方向を制御することに
より外釜7を逆回転させるプログラムが格納されてい
る。
【0115】前記糸巻き量制御部197には、糸巻き量
設定手段としての糸巻き量設定スイッチ174により下
糸DSの糸巻き量が最大設定値(大)とされた場合に
は、糸巻き径検出手段160が最大糸巻き径を検出する
か、あるいは、後述する糸巻き数計測手段206が限界
糸巻き回数設定部198により設定された限界糸巻き回
数を検出するまで糸巻き動作を行い、糸巻き量設定スイ
ッチ174により設定される糸巻き量が最大設定値より
少ない場合には、糸巻き量設定スイッチ174により設
定された糸巻き量に応じてボビン22の糸巻き回転数を
設定し、糸巻き数計測手段206が設定されたボビン2
2の糸巻き回転数を検出するまで糸巻き動作を行うプロ
グラムが格納されている。
【0116】また、本実施形態における糸巻き量制御部
197には、糸巻き数計測手段206として、ボビン2
2が糸巻き動作を開始してからのボビン22の回転数を
反射型光りセンサ211で検出することによりボビン2
2の糸巻き回転数を検出するプログラムが格納されてい
る。
【0117】なお、糸巻き数計測手段206としては、
ボビン22が糸巻き動作を開始してからのミシンモータ
235の回転数を図示しない光センサで検出し、この時
のミシンモータ235の回転数を予め記憶した換算テー
ブルと比較することによりボビン22の糸巻き回転数を
検出する構成であってもよい。
【0118】また、糸巻き量制御部197として限界糸
巻き回数を用いない場合には、糸巻き量設定手段として
の糸巻き量設定スイッチ174により下糸DSの糸巻き
量が最大設定値(大)とされた場合には、糸巻き径検出
手段160がボビン22に巻回される下糸DSの最大糸
巻き径164を検出するまで糸巻き動作を行い、糸巻き
量設定スイッチ174により設定される糸巻き量が最大
設定値より少ない場合には、糸巻き量設定スイッチ17
4により設定された糸巻き量に応じてボビン22の糸巻
き回転数を設定し後述する糸巻き数計測手段206が設
定されたボビン22の糸巻き回転数を検出するまで糸巻
き動作を行うプログラムを格納すればよい。
【0119】前記糸巻き量設定スイッチ174により設
定される下糸DSの糸巻き量は、中位の糸を基準として
設定されている。つまり、図28に示すように、ボビン
22に巻回した糸がボビンからはみださない量とし、ボ
ビン22に巻回した糸の直径で管理する。これを最大糸
巻き径(大)164とし、この最大糸巻き径164を前
記糸巻き径検出手段160で検出するまで糸巻きを実行
するようになっている。そして、最大糸巻き径(大)1
64より少ない糸巻き量(中),(小)では、ボビンの
回転数で管理する。図28に中で示す中位の太さの糸で
最大糸巻き径164まで巻回するための糸巻き回数nに
対して、糸巻き量(中)は糸巻き回数(2/3)n、糸
巻き量(小)は糸巻き回数(1/3)nのように少なく
なる。このため、糸巻き量(大)における最大糸巻き径
164は糸の太さにかかわらず糸の巻き径が同一径とな
るが、糸巻き量(中)および糸巻き量(小)において
は、糸の太さによって実際の糸の巻き径が異なることと
なる。本来下糸DSの糸巻き量は糸の長さによって管理
するのが理想ではあるが、下糸DSの糸巻き量を糸の長
さで管理するのは複雑かつ高価な装置を必要とするなど
の理由により困難であり、下糸DSの糸巻き量を糸巻き
回数で管理することにより容易に理想に近いものとする
ことができる。
【0120】なお、図28および図29における符号n
aは細糸を最大糸巻き径164まで巻いた場合の巻き回
数を示し、符号nbは太糸を最大糸巻き径164まで巻
いた場合の巻き回数を示す。
【0121】また、中位の糸を基準として下糸DSの糸
巻き量を設定せずに、細糸、中位の糸、太糸などの糸の
太さ毎に糸巻き量を設定するようにしてもよい、この場
合には、操作部170に図示しない糸の太さの選択手段
を設けるとよい。
【0122】前記限界糸巻き回数設定部198には、限
界糸巻き回数Nが記憶されている。この限界糸巻き回数
Nについて説明すると、細糸を用いた場合には、ボビン
22に最大糸巻き径164まで下糸DSを巻回すると、
ボビン22に巻回した糸量が多くなり、特に家庭用ミシ
ンなどにおいては下糸DSを使い切れない状態となる。
そこで、図29に示すように、限界糸巻き回数N(n<
N<na)を設定し、最大糸巻き径164に到達しなく
ても限界糸巻き回数Nで糸巻きを終了するようになって
いる。
【0123】なお、細糸、中位の糸、太糸などの糸の太
さ毎に限界糸巻き回数を設定するようにしてもよい。
【0124】前記縫いデータ記憶部200には、複数の
模様縫いデータ、例えば、実用縫いと称される分類に区
分される直線縫い、ジグザグ縫い、ボタンホール縫いな
どに用いる多種多様の縫い模様の模様縫いデータや、刺
繍縫いと称される分類に区分される刺繍装置240を用
いた刺繍縫いなどに用いる多種多様の縫い模様の模様縫
いデータが格納されるとともに、これら縫い模様による
縫い目を形成するための布送りピッチ、針振りピッチ、
針振り幅などの動作時のデータや、縫い模様に応じて用
いる上糸USおよび下糸DSの種類や、糸巻き動作時に
おけるボビン22に供給する下糸DSの種類、糸巻き
量、限界糸巻き回数などの各種のデータも格納されてい
る。
【0125】前記自動設定部201には、前記操作部1
70の模様選択手段としての模様選択スイッチ172に
より選択された模様データに応じてボビン22に供給す
る下糸DSの選択、すなわち、ボビン22に供給する下
糸DSとして下糸専用糸EDSを用いるのかそれとも上
糸USを用いるのかの選択、および/または、ボビン2
2に供給する下糸DSの糸巻き量を自動的に設定するプ
ログラムが格納されている。
【0126】すなわち、本実施形態においては、前記操
作部170の模様選択手段としての模様選択スイッチ1
72により選択された模様データに応じて、各種の設定
を自動設定することができるとともに、各種の設定を手
動設定することもできるようにされている。
【0127】なお、糸巻き動作時に、下糸USとして上
糸USあるいは下糸専用糸EDSを用いる場合には、自
動設定部201としては、ボビン22に供給する下糸D
Sの選択にかかわる部分を除いた部分の各種の設定を自
動設定することができるプログラムを格納するとよい。
【0128】前記誤巻き取り動作防止部202には、設
定状態と下糸糸巻き装置付きミシン1の状態とが合致し
ているか否かを判定し、設定状態と下糸糸巻き装置付き
ミシン1の状態とが合致していない場合、すなわち、専
用下糸保持検出手段180が下糸専用糸EDSを検出し
た際には上糸USの糸巻き動作を、専用下糸保持検出手
段180が下糸専用糸EDSを検出しない際には下糸専
用糸EDSの糸巻き動作をそれぞれ無効とするプログラ
ムが格納されている。また、糸巻き動作を無効とした場
合には、警告手段175としても機能する操作部170
の表示画面176に警告をメッセージなどで画面表示し
たり、ブザー、安全灯などからなる安全確保手段228
を駆動するプログラムも格納されている。
【0129】前記糸無し判別制御部241には、縫製動
作時に、上糸検出手段221の上糸センサ223および
下糸検出手段214の反射型光センサ211から送出さ
れる検出信号に基づいて上糸USおよび下糸DSの有無
を監視し、下糸検出手段214の反射型光センサ211
による下糸無しの検出信号が上糸検出手段221の光り
センサ223による上糸無しの検出信号より先に送出さ
れた場合には下糸無しと判別し、上糸検出手段221の
上糸センサ223による上糸無しの検出信号が下糸検出
手段214の反射型光センサ211による下糸無しの検
出信号より先に送出された場合には上糸無しと判別する
プログラムが格納されている。これは、下糸DSが少な
くなり、ボビン22から下糸DSが緩んだ状態のとき、
ボビン22の回転は停止してしまうが、下糸DSは下糸
張力手段25に挟まれた状態で残っているので、上糸U
Sと絡み合い、上糸USの張力は発生している。従っ
て、図17の上糸検出手段221の光りセンサ223
(上糸センサ)は、上糸有りを出力する。逆に、上糸U
Sが糸切れ、または消費したときは、上糸無しを出力す
るが、下糸DSは上糸USと絡んでいるので、布送り動
作時に、下糸DSは引っ張られ、ボビン22は回転す
る。すなわち、先に糸無しを検出した方を糸無しと判別
することができる。このような糸無し判別制御部241
は、上糸USおよび下糸DSのそれぞれの有無を同時に
監視することができるとともに、上糸USおよび下糸D
Sの何れが無くなったのかを確実かつ容易に判別するこ
とができる。さらに、糸無し判別制御部214が下糸無
しと判断した場合、糸巻き動作を容易に開始することが
できる。
【0130】前記縫製中断時針位置制御部242には、
縫製動作時に、下糸検出手段214の反射型光センサ2
11から下糸無しの検出信号が送出された場合、下糸無
しの検出信号を検出した時点における縫製位置から複数
針運針した後で下糸糸巻き装置付きミシン1を停止する
プログラムが格納されている。これは、ボビン22が停
止したとき、ボビン22にまだ残っている下糸DSを消
費するためである。このような縫製中断時針位置制御部
242は、下糸DSの残り糸を確実に消費することがで
きるとともに、下糸DSの残り糸を確実に消費した後
に、糸巻き動作を開始することができ、その結果、糸巻
き動作の自動化を容易に行うことができる。
【0131】前記縫製再開時針位置制御部243には、
糸巻き動作によってボビン22に下糸DSを供給した後
に、下糸無しの検出信号を検出した時点における縫製位
置から複数針戻した位置から縫製動作を再スタートさせ
るプログラムが格納されている。このような縫製再開時
針位置制御部243は、ボビン22に下糸DSを供給し
た後に、下糸無しの検出信号を検出した時点における縫
製位置へ自動的に戻って縫製動作を再開することがで
き、その結果、作業性を確実に向上させることができる
とともに、ほつれのない縫い目を確実に形成することが
できる。
【0132】前記糸巻きモード判別制御部244には、
糸巻きモード切替スイッチ226の設定状態に基づいて
自動的に糸巻き動作を行うか否かを判別するプログラム
が格納されている。このような糸巻きモード判別制御部
244は、作業者の操作による糸巻きモード切替スイッ
チ226の設定状態に応じて、糸巻き動作のモードを容
易に選択することができる。さらに、糸巻きモード切替
スイッチ226により設定されたモードで糸巻き動作を
容易に開始することができる。
【0133】前記糸巻きモード自動設定制御部245に
は、模様選択手段としての模様選択スイッチ172によ
り選択された模様縫いデータおよび/または選択された
模様を形成するのに必要な補助部品である刺繍装置24
0の着脱状態を検出する刺繍装置センサ217から送出
される検出信号に基づいて自動的に下糸DSの糸巻き動
作を開始する自動糸巻きモードあるいは作業者の操作に
より下糸DSの糸巻き動作を開始する手動糸巻きモード
を自動的に設定するプログラムが格納されている。この
ような糸巻きモード自動設定制御部245は、選択され
た模様縫いデータおよび/または選択された模様を形成
するのに必要な補助部品240の着脱状態に基づいて、
糸巻き動作のモードを自動的に選択することができ、そ
の結果、直線縫い、ジグザグ縫い、ボタンホール縫いな
どの実用縫いを行う場合には、糸巻きモード切替スイッ
チ226の設定状態によって、下糸DSの種類の変更
や、下糸DSの巻き量の微妙な調整に好適な手動糸巻き
モードを容易に選択することができ、刺繍縫いを行う場
合には、糸巻きモード切替スイッチ226の設定状態に
よって、一般的に一種類の下糸DSを用いるのに好適な
自動糸巻きモードを容易に選択することができる。さら
に、糸巻きモード自動設定制御部245により設定され
たモードで糸巻き動作を容易に開始することができる。
【0134】前記再スタート制御部246には、糸巻き
動作によってボビン22への下糸DSの供給を終了した
場合、縫製動作を自動的に再スタートするプログラムが
格納されている。このような再スタート制御部246
は、糸巻き動作が終了した後に、縫製動作を自動的に再
スタートすることができるので、作業性を確実に向上さ
せることができる。
【0135】前記再スタート動作制御部247には、再
スタートモード切替スイッチ227の設定状態に基づい
て自動的に再スタートするか否かを判別するプログラム
が格納されている。このような再スタート動作制御部2
47は、再スタートモード切替スイッチ227の設定状
態に基づいて、縫製動作を再スタートする際のモードを
容易に選択することができる。さらに、再スタート動作
制御部247は、糸巻き動作が終了した後に、再スター
トモード切替スイッチ227により設定されたモードで
縫製動作を容易に再スタートすることができるので、作
業性を確実により向上させることができる。
【0136】前記再スタート告知制御部248には、糸
巻き動作によってボビン22への下糸DSの供給を終了
して縫製動作を再スタートする前に、再スタート告知手
段225が動作するように制御するプログラムが格納さ
れている。なお、再スタート告知手段225に安全確保
手段228を付加する構成の場合には、再スタート告知
制御部248は、再スタート告知手段225および安全
確保手段228の両者を動作させるとよい。このような
再スタート告知制御部248は、糸巻き動作を終了した
後の縫製動作を再スタートする前に再スタート告知手段
225を容易かつ確実に動作させることができ、その結
果、再スタートすることを作業者あるいは周囲の人々に
容易かつ確実に認識させることができ、その結果、縫製
動作が再スタートすることを作業者あるいは周囲の人々
に容易かつ確実に認識させることができるので、縫製動
作の再スタートを行う場合における安全性を高めること
ができる。さらにまた、再スタート告知制御部248
は、特に、再スタートを自動的に行う場合における安全
性を高めることができる。
【0137】前記動作状態判別制御部249には、ボビ
ン回転状態検出手段215から送出される検出信号に基
づいて、縫製動作時には縫製状態が正常か否かを判断
し、糸巻き動作時には糸巻きが正常か否かを判断するプ
ログラムが格納されている。
【0138】前記誤動作防止制御部250には、縫製動
作中における糸巻き動作を無効とするプログラムが格納
されている。このような動作状態判別制御部249は、
縫製状態および糸巻き状態のそれぞれの正常と異常とを
確実かつ容易に判断することができるとともに、縫製動
作および糸巻き動作の異常を検出した場合にミシンを停
止することができ、その結果、安全性を高めることがで
きる。
【0139】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の下糸検出手段214は、ボビン回転状態を検出
するボビン回転状態検出手段215としても機能する。
【0140】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の誤動作防止制御部250は、縫製動作中におけ
る糸巻き動作のスタートを確実に防止することができ、
その結果、高い安全性を確実に確保することができる。
【0141】なお、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1においては、ボビン22に供給する下糸DSとし
て下糸専用糸EDSおよび上糸USを選択可能とした
が、ボビン22に供給する下糸DSとして下糸専用糸E
DSあるいは上糸USのみを用いる構成としてもよい。
【0142】さらに、本実施形態の下糸糸巻き装置付き
ミシン1においては、開口部274および開閉カバー2
71を針板5に配設したが、糸掛け時に、糸保持部材4
8を水平方向などのミシンベッド1bの一部を構成する
針板5以外の場所でミシン1外部へ突出させる構成、す
なわち、開口部274および開閉カバー271を針板5
以外のミシンベッド1bに設ける構成としてもよい。
【0143】またさらに、本実施形態の下糸糸巻き装置
付きミシン1においては、開閉カバー271に糸保持部
材表出駆動手段としての突出部277を配設し、開閉カ
バー271の開閉動作に連動して突出部277を糸保持
部材表出手段261の従動腕263aに接離させること
により、糸保持部材表出手段261を連動駆動したが、
糸保持部材表出手段261の従動腕263aを往復動シ
リンダなどのアクチェータにより駆動可能とするととも
に、開閉カバー271の移動による開口部274の開閉
状態を光りセンサ、近接スイッチなどからなるセンサで
検出し、このセンサの検出信号に基づいてアクチェータ
を駆動することにより、糸保持部材表出手段261を開
閉カバー271の開閉動作に連動して駆動する構成とし
てもよい。
【0144】さらに、本実施形態の下糸糸巻き装置付き
ミシン1においては、糸巻き動作終了後に、外釜7に設
けた切断刃43により、供給側の糸を切断する構成とし
たが、外釜7の外周に巻き付いた糸を捕捉して切断する
構成としてもよい。
【0145】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1においては、糸掛け位置として、糸保持部材48
の糸保持部分を針板5より突出させた位置に移動する構
成としたが、この糸掛け位置は、糸保持部分が針板表面
近傍の糸掛け位置に移動する構成としてもよく、下糸D
Sを開口部274から指で係止できる位置ならばよい。
そして、この場合、開口部274は、四角状の指が入る
大きさの開口部274でなくとも、例えば、U字状、V
字状の案内長孔で構成してもよい。
【0146】さらにまた、本実施形態の下糸糸巻き装置
付きミシン1においては、上糸USをボビン22に供給
する下糸DSとして用いる場合に、糸巻き動作終了後
に、ボビン22から出て布へつながる糸の切断を、ボビ
ン22の上フランジ37に形成したスリット39のエッ
ジで行う構成としたが、この糸の切断としてはボビン2
2の上部中央を押し部材で上方から押し付けて、押し部
材とボビン22の上フランジ37との間を糸が繰り返し
くぐり抜けることによって切断する構成としてもよい。
【0147】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1においては、糸保持部材移動手段53の駆動モー
タ91を駆動することにより糸保持部材48を移動させ
る構成としたが、糸保持部材48を手動で移動させる構
成としてもよい。
【0148】さらに、本実施形態の下糸糸巻き装置付き
ミシン1においては、下糸DSの保持状態を検出する専
用下糸保持検出手段180として発光素子186と受光
素子187とにより検出させる構成としたが、専用下糸
保持検出手段180としては、下糸DSの張力を検出す
る構成としてもよい。
【0149】なお、本実施の形態の上軸クラッチ機構4
10において、アクチエータ434は、針振り駆動機構
442によって駆動されるようになっているが、本発明
はこれに限定されるものでなく、他のアクチエータ、例
えばソレノイド等によって駆動されるようにしてもよ
い。また、針振りモータと上軸クラッチモータとを兼用
して一つのモータによりそれぞれ作動するようにしてい
るが、それぞれ独立したモータにより構成してもよい。
さらに、前述の上軸クラッチ機構410は、ミシンモー
タ235で下軸311を回転して下糸糸巻きや空送り、
糸切りなどを行ないながら、天秤422と針棒2をミシ
ンモータ235から切り離すために上軸プーリ424と
上軸416との連結を切り離すようにしたが、これに限
るものではなく、針棒2と天秤422とを上下方向に往
復運動させる往復部材としての天秤クランク(釣合錘)
456から、ミシンモータ235で駆動される下軸31
1までの間に配置された複数の連結部材として、下軸3
11、下軸プーリ311A、ベルト418、上軸プーリ
424、上軸416、天秤クランク456のうち、何れ
かの連結部材の間に配置され、縫製時に連結し、下糸糸
巻き時に切り離して針棒2と天秤422を停止させ針棒
先端に取着した針を上方に停止させるようにすればよ
い。例えば、下軸311と下軸プーリ311Aとの連結
を前述上軸クラッチ機構の機構を用いて下軸クラッチ機
構としてもよい。この場合は針振りモータを持つ針振り
機構を上軸付近に配置し、下軸付近にクラッチモータま
たはクラッチソレノイドを備えた下軸クラッチ機構を配
置する。また、上軸416と天秤クランク456との間
を切り離す天秤クランククラッチ機構を配置するように
してもよい。この切り外し機構としては前述上軸クラッ
チ機構の機構を適宜に変更して採用してもよい。
【0150】さらに、本実施形態においては、上軸クラ
ッチ機構410を備えた実施形態について述べたが、ボ
ビン22に供給する下糸DSとして、下糸専用糸EDS
のみを用いる場合には、この上軸クラッチ機構410が
なくても、糸巻き実行時に上糸経路内の上糸USを取り
除いておけば、下糸専用糸EDSをボビン22に巻くこ
とができる。しかしながら、上軸クラッチ機構410が
あった方が、縫製開始直後の縫目が安定する効果があ
る。
【0151】つぎに、前述した構成からなる本実施形態
の作用について説明する。
【0152】まず、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1における糸巻きスタート/ストップスイッチ17
7の操作によるボビン22への下糸DSの供給動作であ
る糸巻き動作について説明する。
【0153】本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン1
における糸巻きスタート/ストップスイッチ177の操
作による糸巻き動作は、縫製動作の途中で下糸DSがな
くなった場合、あるいは、縫製準備の下糸DSの糸巻き
のために空のボビン22を内釜18にセットして、下糸
糸巻き装置付きミシン1に電源を供給した状態で行う。
【0154】そして、糸巻き動作は、図21に示す操作
部170の模様選択スイッチ172を操作して模様を選
択することにより開始する。そして、模様選択スイッチ
172を操作して模様を選択することにより、自動設定
部201が縫いデータ記憶部200に格納された各種の
データから模様選択スイッチ172により選択された模
様に応じて下糸DSの糸巻き量、巻き糸、糸巻き動作な
どを自動的に設定する。例えば、刺繍縫いであれば、糸
巻き量は(大)で巻き糸は下糸専用糸EDSなどと設定
し、直線縫いであれば、糸巻き量は(中)で巻き糸は上
糸USなどというように設定する。この時、制御手段9
3は糸巻き動作制御部193の制御動作として第1糸巻
き動作制御部193Aと第2糸巻き動作制御部193B
の何れか一方を選択するとともに、糸巻き動作に関連す
る各種動作および動作順序も設定する。
【0155】このように、本実施形態の下糸糸巻き装置
付きミシン1によれば、縫製条件に応じてボビン22に
巻き取る下糸DSの巻取り量を選択することができる。
さらに、縫製動作時の縫い模様に応じて下糸DSの選択
およびこの下糸DSの糸巻き量を自動的に設定すること
ができるので、糸巻き動作にかかわる操作を容易にする
ことができる。
【0156】なお、糸巻き量や巻き糸などは、前記巻き
糸設定スイッチ173、糸巻き量設定スイッチ174な
どを操作することにより手動操作にて変更することも可
能、すなわち手動操作による設定も可能である。
【0157】前記自動設定あるいは手動操作による設定
を行った際には、前記誤巻き取り動作防止部202が設
定状態と下糸糸巻き装置付きミシン1の状態とが合致し
ているか否かを判定し、設定状態と下糸糸巻き装置付き
ミシン1の状態とが合致していない場合、すなわち、専
用下糸保持検出手段180が下糸専用糸EDSを検出し
た際には上糸USの糸巻き動作を、専用下糸保持検出手
段180が下糸専用糸EDSを検出しない際には下糸専
用糸EDSの糸巻き動作をそれぞれ無効とし、警告手段
175としても機能する操作部170の表示画面176
に警告を画面表示したり、安全確保手段228を駆動す
る。その結果、誤巻き取り動作防止部202は誤動作を
未然に防止し、警告手段175は、操作者に各種の警告
を容易に認識させることができる。
【0158】また、各種の設定が終了し、前記誤巻き取
り動作防止部202が設定状態と下糸糸巻き装置付きミ
シン1の状態とが合致していると判断した場合には、糸
巻きスタート/ストップスイッチ177を操作して糸巻
きを開始する。
【0159】このように、本実施形態の下糸糸巻き装置
付きミシン1によれば、糸巻き動作の設定状態とミシン
の状態とを合致させることができるので、下糸専用糸E
DSをボビン22に供給する下糸DSとして用いる場合
の下糸専用糸EDSの糸保持部材48に対する糸掛け忘
れなどを確実に防止することができるとともに誤動作を
未然に防止することができる。
【0160】なお、自動糸巻きの場合には、縫製動作の
途中で上糸検出手段221の上糸センサ223および下
糸検出手段214の反射型光センサ211から送出され
る検出信号に基づいて前記糸無し判別制御部241が下
糸無しと判別すると下糸糸巻き装置付きミシン1を停止
し、その後、予め設定された条件で下糸DSの糸巻き動
作を開始する。
【0161】本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン1
は、ボビン22に供給する下糸DSとして糸巻き動作時
に既に糸掛けされている上糸USと下糸専用糸EDSの
何れか一方を選択して用いることができるようになって
おり、上糸USをボビン22に供給する下糸DSとして
用いる場合には、糸保持部材48には糸掛けせず、糸保
持部材48に糸を持たせない状態としておく。また、下
糸専用糸EDSをボビン22に供給する下糸DSとして
用いる場合には、予め図16に示すように下糸専用糸E
DSを専用下糸繰出装置110を介して糸保持部材48
に糸掛けしておく。
【0162】ここで、下糸専用糸の糸保持部材への糸掛
け動作について図12、図13、図16、図30、図3
1および図32により説明する。
【0163】図30は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの初期状態を示す要部の正面図、図31は本発明
に係る下糸糸巻き装置付きミシンの糸保持部材がミシン
外部に突出した状態を示す要部の斜視図、図32は本発
明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの糸保持部材がミシ
ン外部に突出した状態を示す要部の正面図である。
【0164】図13および図30に示すように、本実施
形態の下糸糸巻き装置付きミシン1の縫製動作時あるい
は停止時の初期状態においては、針板5に設けられた開
口部274は、開閉カバー271によって塞がれてお
り、糸保持部材48は、開閉カバー271の下方のミシ
ン内部に位置している。すなわち、図13および図30
に示すように、開閉カバー271の突出部277と、糸
保持部材表出手段261の従動リンク体263の従動腕
263aとは離間しており、従動リンク体263は、図
13および図30に示すように、ねじりコイルばね26
4の付勢力によって、固定軸262を中心として反時計
方向へ回転するように付勢されており、従動リンク体2
63の従動腕263aは左斜め上方に位置し、従動リン
ク体263の作動腕263bをほぼ水平に位置してい
る。
【0165】また、糸保持部材48は、図13および図
30に示すように、糸保持部材移動手段53により、糸
保持部材48の長手方向先端部が外釜7の外周面近傍の
下方の退避位置に位置している。すなわち、図13およ
び図30に示すように、糸保持部材移動手段53の駆動
板下79および駆動板上83が右方に示す後退端に位置
し、糸保持部材48の後取付ピン52は、糸保持部材移
動手段53の移動溝76の上下部76bの上方に位置し
た状態でその先端部がカム溝89のカム面88の先端近
傍により上方から当接している。また、図30に示すよ
うに、ボビン駆動部材11は、ボビン駆動部材移動手段
94により、ボビン22と切り離されボビン22を非回
転状態とする離間位置に位置している。つまり、駆動板
下79が後退端に位置することにより、ボビン駆動部材
移動手段94の作動ピン108が傾斜カム面109から
離間し、ばね6(図14)の付勢力によってギア連結リ
ンク96がリンク支持ピン97を中心として反時計方向
へ付勢され、作動板95がボビン駆動部材11の下端の
下方に離間し、ボビン駆動部材11は、ボビン駆動部材
付勢ばね12の付勢力によって下方に向けて付勢され、
ボビン駆動部材11の上端部に設けられたボビン駆動ギ
ア14が、ボビン従動ギア35から下方へ離間して回転
伝道機構340が切り離された状態となり、ボビン22
は回転しない、なお、ボビン駆動ギア14は、外釜底板
16のギア孔17に嵌合されて外釜7と一体で回転す
る。また、ストッパピン105は、ストッパピン作動腕
159と当接して円弧状溝部100の左方下方に形成さ
れた当接縁100Aに対向している。
【0166】ここで作業者が開閉カバー271を操作す
ることにより、下糸専用糸EDSの糸保持部材48への
糸掛け動作を開始する。すなわち、作業者が開閉カバー
271の指掛け275に指を掛けて開閉カバー271を
図13および図30において右方に向かって後退操作す
ることにより、下糸専用糸EDSの糸保持部材48への
糸掛け動作を開始する。
【0167】そして、作業者が開閉カバー271の指掛
け275に指を掛けて開閉カバー271の開動作として
開閉カバー271を後退操作すると、開閉カバー271
が図13および図30右方に向かってスライド移動し、
針板5に設けられ開閉カバー271によって塞がれた開
口部274が左方側から徐々に開放される。そして、開
閉カバー271が後退移動して後退端に到達する途中
で、開閉カバー271に設けられた糸保持部材表出駆動
手段としての突出部277が、糸保持部材表出手段26
1の従動リンク体263の従動腕263aに当接し、初
期状態においてねじりコイルばね264の付勢力によっ
て固定軸262を中心として反時計方向へ回転するよう
に付勢されている従動リンク体263は、ねじりコイル
ばね264の付勢力に抗して付勢方向と反対の時計方向
へ回転を開始し、従動リンク体263の作動腕263b
の先端部下部が所定のタイミングで糸保持部材48の取
付部50に対して上方から当接し、移動溝76の上下部
76bによって移動軌跡を規制されている糸保持部材4
8の後取付ピン52は、移動溝76の上下部76bを上
方から下方へ向かって移動を開始し、その結果、前取付
ピン51を中心として反時計方向へ回転するように付勢
されている糸保持部材48は、ねじりコイルばね252
の付勢力に抗して付勢方向と反対の時計方向へ回転を開
始する。
【0168】ついで、開閉カバー271がさらに後退移
動して後退端に到達すると、図13および図30に示す
各部は、図31および図32に示すように、開閉カバー
271によって塞がれていた開口部274が全開となっ
て開状態になるとともに、開閉カバー271の糸保持部
材表出駆動手段としての突出部277が、最も後退した
後退端に位置する。そして、突出部277の後退端への
移動は、従動リンク体263を時計方向へ回転し、従動
リンク体263の作動腕263bの先端部下部が糸保持
部材48の取付部50を押し下げ、糸保持部材48が前
取付ピン51を中心として時計方向へ回転し、糸保持部
材48の先端が針板5に設けた開口部274を通過して
針板5の上部のミシン外部に突出し、糸保持部材48の
糸保持部分が開口部274を通過してミシン外部に突出
した糸掛け位置を保持するようになっている。
【0169】ついで、予め専用下糸保持検出手段180
まで糸掛けされた下糸専用糸EDSの糸端側を図16に
示すように糸保持部材48に糸掛けすることにより、下
糸専用糸EDSの糸保持部材48への糸掛け動作が終了
する。この時、下糸専用糸EDSは、針板5に形成され
た溝部278を介して開口部274に入り込むようにし
て糸保持部材48へ糸掛けされる。
【0170】そして、下糸専用糸EDSの糸保持部材4
8への糸掛けを終了したら、開閉カバー271の閉動作
として開閉カバー271を開口部274を塞ぐように前
進操作させると、図31および図32に示す各部は、糸
保持部材48が下糸専用糸EDSの糸端側を保持した状
態で各部が逆動作して図13および図30に示すもとの
初期状態に復帰し、下糸専用糸EDSがいつでもボビン
22に供給可能な状態となる。
【0171】このように、本実施形態によれば、開閉カ
バー271の開動作に連動して糸保持部材48の少なく
とも糸保持部分をミシン外部に表出させることができる
ので、1回の操作によって下糸専用糸EDSの糸保持部
材48への糸掛けを可能な状態とすることができる。ま
た、糸保持部材48の少なくとも糸保持部分がミシン外
部に表出するので、下糸専用糸EDSの糸保持部材48
への糸掛けを容易に行うことができる。つまり、糸保持
部材48の少なくとも糸保持部分がミシン外部に表出す
るので、糸掛けの作業性および操作性に優れ、その結
果、下糸専用糸EDSの糸保持部材48への糸掛け動作
時の労力および時間を確実に低減することができる。
【0172】なお、糸保持部材表出手段261を開閉カ
バー271の開閉動作にかかわりなく単独で駆動可能に
形成する構成としてもよい。
【0173】つぎに、下糸専用糸の糸巻き動作を図30
および図33から図36により説明する。
【0174】図33から図36は下糸専用糸の糸巻き動
作を示すものであり、図33は前進開始前状態を示す図
30と同様の図、図34は前進状態を示す図30と同様
の図、図35は図34の平面図、図36は糸巻き可能状
態を示す図30と同様の図である。
【0175】図30に示すように、本実施形態の下糸糸
巻き装置付きミシン1の縫製動作時あるいは停止時の初
期状態においては、糸保持部材48は、糸保持部材移動
手段53により、糸保持部材48の長手方向先端部が外
釜7の外周面近傍の下方の退避位置に位置している。す
なわち、糸保持部材移動手段53の駆動板下79および
駆動板上83が図30右方に示す後退端に位置し、糸保
持部材48の後取付ピン52は、糸保持部材移動手段5
3の移動溝76の上下部76bの上方に位置した状態で
その先端部がカム溝89のカム面88の先端近傍により
上方から当接している。
【0176】また、ボビン駆動部材11は、ボビン駆動
部材移動手段94により、ボビン22と切り離されボビ
ン22を非回転状態とする離間位置に位置している。す
なわち、駆動板下79が後退端に位置することにより、
ボビン駆動部材移動手段94の作動ピン108が傾斜カ
ム面109から離間し、ばね6の付勢力によってギア連
結リンク96がリンク支持ピン97を中心として反時計
方向へ付勢され、作動板95がボビン駆動部材11の下
端の下方に離間し、ボビン駆動部材11は、ボビン駆動
部材付勢ばね12の付勢力によって下方に向けて付勢さ
れ、ボビン駆動部材11の上端部に設けられたボビン駆
動ギア14が、ボビン従動ギア35から下方へ離間し、
外釜底板16のギア孔17に嵌合されて外釜7と一体で
回転する。さらに、ストッパピン105は、ストッパピ
ン作動腕159と当接して円弧状溝部100の左方下方
に形成された当接縁100Aに対向している。
【0177】そして、縫製動作時においては、内釜18
を回る上糸USは、内釜18の底面とボビン駆動ギア1
4の上面とで形成する隙間を通過する。
【0178】ついで、糸巻きスタート/ストップスイッ
チ177の操作による手動糸巻きモード、あるいは、糸
巻き信号による自動糸巻きモードにより糸巻き動作を開
始する。なお、自動糸巻きモードについては後述する。
【0179】そして、制御手段93から制御指令が各部
に送出されると、まず、専用下糸保持検出手段180が
糸巻き動作時に供給される下糸専用糸EDSが糸保持部
材48に保持されているか否かを検出し、この検出結果
は制御手段93に送出され、制御手段93の誤巻き取り
動作防止部202により、設定状態と下糸糸巻き装置付
きミシン1の状態とが合致しているか否かが判定され、
専用下糸保持検出手段180が下糸専用糸EDSを検出
しない場合には、糸巻き動作を行わずに、警告手段17
5としても機能する操作部170の表示画面176に警
告をメッセージなどで表示したり、ブザー、安全灯など
からなる安全確保手段228を動作して終了する。これ
により、糸巻き動作の誤動作を確実に防止することがで
きる。
【0180】また、専用下糸保持検出手段180が下糸
専用糸EDSを検出した場合には、制御手段93から送
出される制御指令に基づいて、糸保持部材移動手段53
の駆動モータ91が駆動し、糸保持部材移動手段53の
駆動板下79が機構台77のガイド溝81に沿って図3
0左方に示す水平釜4に接近する方向へ前進移動する。
この、駆動板下79の前進移動は、付勢ばね85を介し
て駆動板上83に伝達し、駆動板上83が駆動板下79
と一体で前進する。すると、駆動板上83のカム溝89
が前進して、糸保持部材48の後取付ピン52は、カム
溝89のカム面88によって下方に向けて押し下げら
れ、その結果、後取付ピン52は、移動溝76の上下部
76bの上方から下方に向けて移動する。そして、後取
付ピン52と前取付ピン51との中心間距離は、移動溝
76の円弧状に形成された上下部76bの曲率半径と同
一とされているので、糸保持部材48は後取付ピン52
を中心として図30において時計方向へ回転し、図30
に示す各部は図33に示すように、糸保持部材48の長
手方向先端部が外釜7の外周面に沿って上方に位置し前
進可能な前進開始前状態となる。また、ストッパピン1
05は、ストッパピン作動腕159と当接した状態で当
接縁100Aに当接する。
【0181】つぎに、駆動モータ91のさらなる駆動に
よって駆動板下79がさらに前進移動すると、糸保持部
材48が移動溝76に沿って前進移動し、図33に示す
各部は図34および図35に示すように、前取付ピン5
1が移動溝76の図34左方に示す先端に当接し、糸保
持部材48の前進移動は、糸保持部材48の先端部がミ
シン脚柱部1d側から内釜18の内部、詳しくは内釜1
8の内部に収納されたボビン22の上フランジ37の上
方に進入し、糸保持部材48はボビン着脱用凹溝24に
進入した進入位置で停止し前進状態となる。この時、ボ
ビン駆動部材移動手段94の作動ピン108が傾斜カム
面109と当接する。また、ストッパピン105は、ス
トッパピン作動腕159から離間した状態で当接縁10
0Aに当接する。
【0182】つぎに、駆動モータ91がさらに駆動する
と、駆動板下79がさらに前進移動し、図34および図
35に示す各部は図36に示すように、ボビン駆動部材
移動手段94の作動ピン108が傾斜カム面109を押
し下げ、ギア連結リンク96が時計方向へ回転し、作動
板95がボビン駆動部材11の下端に当接してボビン駆
動部材11をボビン駆動部材付勢ばね12の付勢力に抗
して上昇させ、ボビン駆動部材11の上端部に設けられ
たボビン駆動ギア14が、外釜底板16のギア孔17と
ボビン従動ギア35との両者と噛合して回転伝道機構3
40を構成するボビン駆動部材11とボビン22とを連
結し、ボビン22を回転状態とする連結位置に位置し、
駆動板下79が前進端に位置し糸巻き可能状態となる。
この時、同時に、ストッパ103がばね107(図1
4)の付勢力によって反時計方向へ回転し、ストッパピ
ン105がギア連結リンク96の円弧状溝部100の溝
底100aに嵌合する。また、駆動板下79は前進移動
するが、付勢ばね85が軸方向に収縮して駆動板上83
の移動は停止状態を保持し、その結果、糸保持部材48
は、糸保持部材48の先端部が内釜18の内部上方に進
入した進入位置を保持する。
【0183】また、糸巻き可能状態におけるボビン22
と糸保持部材48の位置関係は、図10に示すように、
糸保持部材48の上方糸保持部59と糸位置規制部58
との間に斜めに連なる下糸専用糸EDSをボビン22の
上フランジ37の外周縁に押し付けている。
【0184】このように、糸保持部材48の先端部がミ
シン脚柱部1d側から内釜18の内部、詳しくは内釜1
8の内部に収納されたボビン22の上フランジ37の上
方に進入した進入位置に位置することにより、糸保持部
材48は、下糸DSのボビン22への捕捉をより容易か
つ確実にすることができるようになっている。
【0185】つぎに、制御手段93から送出される制御
指令により、上軸クラッチ機構410を作動させて、針
棒2及び天秤422を上下方向へ往復運動させる上軸4
16を、ミシンモータ235により駆動される下軸31
1及び上軸プーリ424から上軸416を切り外して、
針3及び天秤422の上下方向への往復運動を停止させ
針3を上方に保持し、その後、下糸糸巻き装置付きミシ
ン1を駆動する。
【0186】そして、下糸糸巻き装置付きミシン1が駆
動すると、外釜7が正回転し、この外釜7の回転は、駆
動力伝達手段330、詳しくは外釜7の外釜底部7e磁
力によって吸着している磁性体332、外釜底板16を
この順に介してボビン駆動部材11の上端のボビン駆動
ギア14を正回転させ、その結果、ボビン駆動ギア14
と噛合しているボビン従動ギア35を外釜7の回転方向
と反対方向へ逆回転させ、ボビン22が外釜7の回転方
向と反対方向へ逆回転する。
【0187】この時、駆動力伝達手段330の磁性体3
32は、磁性体332の磁力によって外釜7に吸引(圧
接)されて外釜7と一体回転するので、糸巻き動作時に
ボビン22を容易に回転させることができる。一方、駆
動力伝達手段332は、糸巻き動作時に、供給側に位置
する下糸DSに過負荷が加わった場合、すなわち、下糸
DSの供給経路で下糸DSの引っ掛かりなどのトラブル
の発生などによりボビン22の回転が停止した場合、駆
動力伝達手段330と外釜7との一体回転を磁性体33
2の磁力による駆動力伝達手段332と外釜7との吸着
力(圧接力)を越えた時点でスリップさせて駆動力伝達
手段332の回転を容易に停止することができ、その結
果、糸巻き動作時に下糸DSの供給経路で下糸DSの引
っ掛かりなどのトラブルが生じた場合の駆動力伝達手段
332の一部の破損やボビン暴れを確実に防止できるの
で、安全性を高めることができる。
【0188】また、駆動力伝達手段332の磁性体33
2は、内釜18を外釜7に吸引するので、内釜18を外
釜7のレース面7dに支持した状態を容易かつ確実に保
持することができ、その結果、外釜7から内釜18が不
必要に飛び出すのを確実に防止することができる。
【0189】そして、ボビン22の逆回転により、ボビ
ン22の上フランジ37の外周縁に押し付けられた糸保
持部材48の上方糸保持部59と糸位置規制部58との
間に斜めに連なる下糸専用糸EDSが、ボビン22のス
リット39の開口39aに容易に捕捉され、ボビン中心
軸36に形成された糸捕捉部としての凹溝41内に供給
側、すなわち下糸糸駒111側の下糸専用糸EDSが導
かれてしっかりと巻かれる。したがって、ボビン22に
下糸DSを容易かつ確実に供給することができるととも
に、縫製動作によって下糸専用糸EDSが消費される場
合、下糸DSが完全に消費されるまでボビン22を確実
に回転させることができる。
【0190】そして、ボビン22の回転により凹溝41
内に下糸専用糸EDSが巻回されると、下糸専用糸ED
Sは壁部40を図7下方へ乗り越えてボビン中心軸36
の外周面に巻き付き、ボビン22の回転の継続により糸
巻きがさらに行われる。また、糸保持部材48の上方糸
保持部59に保持された糸端側の下糸専用糸EDSは、
ボビン22の回転に多少引かれて短くなり、スリット3
9から飛び出た状態となる。この時、ボビン22に巻回
される下糸専用糸EDSには、図16に示すように、糸
保持部材48の糸保持ばね66に一体形成された専用糸
張力付与手段296により適正な張力を容易に付与する
ことができるので、ボビン22に下糸専用糸EDSを適
正な状態でしっかりと巻回することができる。
【0191】そして、ボビン22に対する下糸専用糸E
DSの巻回は、前記糸巻き量制御部197あるいは限界
糸巻き回数設定部198に記憶された糸巻き量に到達す
るまで行われ、ボビン22に対する下糸専用糸EDSの
巻回が予め設定された糸巻き量に到達すると第1糸巻き
動作制御部193Aの制御指令に基づいてミシン、つま
り下糸糸巻き装置付きミシン1が停止する。この時、上
軸クラッチ機構410を作動させて、針棒2及び天秤4
22を上下方向へ往復運動させる上軸416を、ミシン
モータ235により駆動される下軸311及び上軸プー
リ424から上軸416を切り外して、針3及び天秤4
22の上下方向への往復運動を停止させ針3を上方に保
持した状態を保持している。
【0192】また、ボビン22に巻かれた下糸専用糸E
DSは、凹溝41内にしっかりと巻回されるので、縫製
動作によって下糸専用糸EDSが消費される場合、下糸
専用糸EDSは、ボビン中心軸36の外周面側から消費
され最後に糸捕捉部としての凹溝41内にしっかりと巻
き付いた糸端側が消費されるので、下糸専用糸EDSが
完全に消費されるまでボビン22を確実に回転させるこ
とができる。
【0193】つぎに、下糸専用糸の下糸張力手段への糸
掛け動作および下糸専用糸の切断動作について図37か
ら図41により説明する。
【0194】図37から図41は下糸専用糸の下糸張力
手段への糸掛け動作および下糸専用糸の切断動作を示す
ものであり、図37は下糸捕捉可能状態を示す図29と
同様の図、図38は糸捕捉フックと下糸専用糸との位置
関係を示す要部の説明図、図39は糸掛け動作および切
断動作における途中経過を示す要部の斜視図、図40は
図39につづく途中経過を示す図39と同様の図、図4
1は図40につづく途中経過を示す図39と同様の図で
ある。
【0195】この下糸専用糸EDSの下糸張力手段25
への糸掛けは、縫製動作を行う際に必要な下糸張力を、
ボビン22に供給した下糸DSに付与するためのもので
ある。
【0196】前記糸巻きが終了した後に、制御手段93
から送出される制御指令により、駆動モータ91が逆回
転駆動し、駆動板下79が後退移動する。そして、駆動
板下79の後退移動は、図37に示すように、糸保持部
材48の長手方向先端部が、外釜7の外周面近傍の下方
の退避位置の若干上方、すなわち、糸捕捉フック46の
回転軌跡の下方に位置した糸捕捉位置で停止し下糸捕捉
可能状態となる。この時、ボビン駆動部材移動手段94
の作動ピン108は傾斜カム面109から離間するが、
ストッパピン105がギア連結リンク96の円弧状溝部
100の溝底100aに嵌合した状態を保持するので、
ボビン駆動部材11は上昇した状態を保持し、ボビン駆
動部材11の上端部に設けられたボビン駆動ギア14は
外釜底板16のギア孔17とボビン従動ギア35との両
者と噛合してボビン駆動部材11とボビン22とを連結
しボビン22を回転状態とする連結位置を保持する。そ
して、図37に示すように、ボビン22に巻回された下
糸専用糸EDSの供給側は、糸保持部材48の糸捕捉位
置への移動によって糸保持部材48に引かれて外釜7の
外周角で下方に屈曲し、糸保持部材48の上方糸保持部
59に保持されずに、糸保持部材48の糸保持板ばね6
6の先端縁と糸保持捕捉部49の先端縁との交叉部にお
いて係止される。
【0197】また、つぎの下糸専用糸EDSによる糸巻
き動作を行うためには、糸保持部材48の上方糸保持部
59に下糸専用糸EDSの糸端を保持させることによ
り、糸保持部材48への下糸専用糸EDSの糸掛け動作
を省略して操作を容易とすることができる。
【0198】そこで、図37に示す下糸捕捉可能状態
で、制御手段93から送出される制御指令により、図示
しない上軸416が1回転する分だけミシン、詳しくは
下糸糸巻き装置付きミシン1のミシンモータ235を駆
動する。すると、外釜7が正回転し、外釜7の外周面に
配設された糸捕捉フック46の糸離間用傾斜面47が前
記外釜7の外周角で下方に屈曲した部分の下糸専用糸E
DSを外釜7の外周面から離れる方向に押し出し、ボビ
ン22に巻回された下糸専用糸EDSの供給側が糸保持
部材48の上方糸保持部59に押し込まれ、その結果、
下糸専用糸EDSを上方糸保持部59に保持することが
できる。
【0199】つぎに、制御手段93から送出される制御
指令により、駆動モータ91がさらに逆回転駆動し、駆
動板下79が後退端に達すると、図37に示す下糸捕捉
可能状態の各部は図30に示す初期状態に復帰する。こ
の時、糸保持部材48の先端部は、外釜7の外周面に沿
って下方に移動するため、ボビン22と糸保持部材48
の上方糸保持部59との間に連なる下糸専用糸EDSは
張られる。また、同時に、駆動板下の79のストッパピ
ン作動腕159によって、ストッパ103のストッパピ
ン105が支持ピン101を中心として時計方向に回転
して、ストッパピン105をギア連結リンク96の円弧
状溝部100から切り離す。そして、ストッパピン10
5がギア連結リンク96の円弧状溝部100の溝底10
0aから離間され、ギア連結リンク96は、ばね6の付
勢力によりリンク支持ピン97を中心として反時計方向
へ回転して作動板95がボビン駆動部材11の下方へ離
間し、その結果、ボビン駆動部材11は、ボビン22と
切り離されボビン22を非回転状態とする離間位置に復
帰し、ボビン22は、回転自在なフリー状態となる。
【0200】つぎに、制御手段93から送出される制御
指令により、ミシン、詳しくは下糸糸巻き装置付きミシ
ン1のミシンモータ235を逆回転駆動すると、外釜7
が逆回転し、糸捕捉フック46のフック部46aが外釜
7の外周近傍に位置する前記ボビン22と糸保持部材4
8の上方糸保持部59との間に位置する下糸専用糸ED
Sを捕捉する。そして、糸捕捉フック46のフック部4
6aが下糸専用糸EDSを捕捉した状態で逆回転し、図
38下方に示す位置に到達すると、ボビン22から出た
下糸専用糸EDSは、図39に示すように、下糸張力手
段25の基板26の上端縁に乗り上げ、内釜18の突起
19と内釜回り止め20との間の隙間を通過する。ま
た、糸捕捉フック46のフック部46aの下方から出た
下糸専用糸EDSは、外釜7の大径部7aの外周に巻き
付いて糸保持部材48の上方糸保持部59へつながる。
【0201】つぎに、外釜7のさらなる逆回転により、
下糸張力手段25の基板26の上端縁に乗り上げた下糸
専用糸EDSは、基板26の上端を滑って図38左斜め
下方に示す位置に到達すると、下糸張力手段25の基板
26の上端縁に形成されている糸道入口27へ誘い込ま
れ、その結果、図40に示すように、下糸専用糸EDS
は糸導入溝28(図5参照)に進入する。
【0202】つぎに、外釜7のよりさらなる逆回転によ
り、糸導入溝28に進入した下糸専用糸EDSは、図3
8左方および図41に示す位置に到達すると、図5に示
す下糸張力手段25の糸係止孔29と糸出口30との間
に下糸押さえ板ばね31の付勢力をもって付勢された状
態で配置され、その結果、縫製動作時に必要な適正な下
糸張力を下糸専用糸EDSに確実に付与することができ
る。
【0203】このように、内釜17の回転中心、すなわ
ち、ボビン22の回転中心を外釜7の回転中心に対して
ずらすとともに、糸巻き動作時にのみボビン22を外釜
7の回転方向に対して逆回転させることにより、糸巻き
動作時にボビン22のスリット39への下糸DS(下糸
専用糸EDSあるいは上糸US)を容易に捕捉させるこ
とができるとともに、下糸張力手段25への下糸UD
(下糸専用糸EDSあるいは上糸US)の糸掛けを容易
により適正かつ確実に行うことができる。また、このよ
うな構成は、縫製動作時のヒッチステッチを容易に防止
して縫製品質を向上させることや、図示しない糸切り装
置や下糸繰出装置などを配設するスペースを容易に確保
することもできる。さらに、糸巻き終了後に、外釜7を
逆回転させるという動作で下糸張力手段25への糸掛け
を行う本実施形態の構成は、下糸張力手段25からの糸
出口30を内釜18上に設けることができ、従来の糸巻
き後のボビンから布への下糸経路が釜の下を通るので糸
道屈曲抵抗が大きくなるなどの下糸DSの張力不安定の
要因を確実に除去し、下糸DSに適正な下糸張力を容易
に付与することができる。
【0204】前記下糸専用糸EDSが図38左方に位置
すると、外釜7に配設された切断刃43の刃先が、図3
8に符号Bにて示す上方糸保持部59から出た下糸専用
糸EDSが外釜7の外周面に巻き付き始まる接点付近に
位置するので、外釜7の外周面に巻き付いた下糸専用糸
EDSは、図2に示すさそい込み部44の斜面を乗り越
えて切断刃44に押し付けられて切断される。そして、
この位置でボビン22から糸保持部材48の上方糸保持
部59へ連なる下糸専用糸EDSを切断することによ
り、縫い目の結束に必要な下糸張力手段25からの下糸
DSの長さを十分に確保することができるとともに、糸
保持部材48の上方糸保持部59から出る糸端側の糸残
りを少なくすることができる。
【0205】ついで、制御手段93から送出される制御
指令により、外釜7の逆回転を停止するとともに、上軸
クラッチ機構410を再度駆動させて、針棒2及び天秤
422を駆動する上軸416を、ミシンモータ235に
より駆動される上軸プーリ424に連結することによ
り、ミシンモータ235により針棒2及び天秤422を
駆動可能とし、下糸糸巻き装置付きミシン1の各部が初
期状態に復帰し、下糸専用糸EDSの糸巻き動作が終了
する。
【0206】また、ボビン22に供給する下糸DSとし
て下糸専用糸EDSを用いる場合には、糸巻き動作終了
後に、下糸専用糸EDSの糸端を糸保持部材48に容易
に保持させることができるので、下糸糸駒111から下
糸専用糸EDSがなくなるまでは、糸巻き動作を繰り返
し容易に行うことができる。
【0207】つぎに、上糸の糸巻き動作を図9、図1
0、図30から図36、図42および図43により説明
する。なお前述した下糸専用糸EDSの糸巻き動作と同
様の部分については説明を省略する。
【0208】図42は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの糸保持部材が上糸を捕捉した上糸捕捉状態を示
す説明図、図43は本発明に係る下糸糸巻き装置付きミ
シンの糸保持部材が捕捉した上糸の糸端の切断動作を示
す説明図である。
【0209】本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン1
による上糸USの糸巻き動作は、糸保持部材48に糸掛
けしない状態で、糸巻きスタート/ストップスイッチ1
77の操作による手動糸巻きモード、あるいは、糸巻き
信号による自動糸巻きモードにより糸巻き動作を開始す
る。なお、自動糸巻きモードについては後述する。
【0210】そして、制御手段93から制御指令が各部
に送出されると、まず、専用下糸保持検出手段180が
糸巻き動作時に供給される下糸専用糸EDSが糸保持部
材48に保持されているか否かを検出し、この検出結果
は制御手段93に送出され、制御手段93の誤巻き取り
動作防止部202により、設定状態と下糸糸巻き装置付
きミシン1の状態とが合致しているか否かが判定され、
専用下糸保持検出手段180が下糸専用糸EDSを検出
した場合には、糸巻き動作を行わずに、警告手段175
としても機能する操作部170の表示画面176に警告
をメッセージなどで表示したり、安全確保手段228を
駆動して終了する。これにより、誤動作を確実に防止す
ることができる。
【0211】また、専用下糸保持検出手段180が下糸
専用糸EDSを検出しない場合には、制御手段93から
送出される制御指令に基づいて、糸保持部材移動手段5
3の駆動モータ91が駆動し、前述した下糸専用糸ED
Sの糸巻き動作と同様に、図30に示す初期状態に位置
する下糸糸巻き装置付きミシン1の糸保持部材48は、
図33に示す前進開始前状態を介して図34および図3
5に示す前進状態に位置する。そして、図34および図
35に示す前進状態に位置すると、制御手段93から送
出される制御指令に基づいて、駆動モータ91が停止す
る。
【0212】つぎに、下糸糸巻き装置付きミシン1の糸
保持部材48が図34および図35に示す前進状態で停
止すると、制御手段93から送出される制御指令に基づ
いて、図示しない上軸416が1回転する分だけミシ
ン、詳しくは下糸糸巻き装置付きミシン1のミシンモー
タ235を駆動する。すると、針棒2の上下運動により
上停止位置に位置する針3が上下方向へ1針分だけ1往
復動作するとともに、針3の針穴から出た上糸ループ
は、正回転する外釜7の剣先42により捕捉されて内釜
18を回る。この時、剣先42により、内釜18を回る
上糸USは、内釜18の上下に分けられて、布側の上糸
USが内釜18の上を通り、針側の上糸USが内釜18
の底面とボビン駆動ギア14の上面とで形成する隙間を
通過する。なお、縫製動作の途中で上糸USの糸巻きを
行う場合には、図5に示すように、上糸USの一端が布
などの縫製物Sの縫い目につながっているので何ら差し
障りはないが、それ以外の場合には、上糸USの糸端を
手などで保持してからミシン、詳しくは下糸糸巻き装置
付きミシン1のミシンモータ235を駆動することが肝
要である。
【0213】そして、内釜18の上面を回る上糸US
は、図34および図35に示すように、糸保持部材48
の先端部が内釜18の内部上方、詳しくは内釜18の内
部に収納されたボビン22の上フランジ37の上方に進
入した進入位置で停止しているので、図9に詳示する糸
保持板ばね66の先端縁と糸保持捕捉部49の先端縁と
の交叉部により形成される上方糸係止部60が形成する
開口部位にさそい込まれる。そして剣先42のさらなる
回転により、内釜18の突起19と内釜回り止め20と
の間の隙間を通過した後に、糸位置規制部58を介して
図9に詳示する糸保持板ばね66の上後舌片69と糸保
持捕捉部49の後舌片55により形成される上糸用後方
保持部70が形成する開口部位にさそい込まれ、その
後、内釜18から上糸USが抜けて、図42に示すよう
に、上糸USが糸保持部材48に捕捉され上糸捕捉状態
となる。この時、上糸USは図42に示すように、前記
上方糸保持部59(図9、図10参照)には保持され
ず、上方糸係止部60に係止されており、上方糸係止部
60と上糸用後方保持部70との間に連なる部位は、図
10に示す前記下糸専用糸EDSとほほ同様に糸位置規
制部58に位置するように張られる。
【0214】なお、縫製動作時における上糸USは、図
17に示す上糸繰出機構120により、1針毎に、制御
手段93から送出される制御指令にしたがって駆動され
る駆動モータ125により縫い目に必要な糸量のみが繰
り出され、糸締め時には駆動モータ125が停止して駆
動ローラ124と従動ローラ128との間で上糸USが
糸保持され適正な糸調子を得ることができる。
【0215】また、糸巻き動作時における上糸USは、
糸巻き動作を開始した直後の水平釜4が駆動する第1針
目では縫製動作に必要な縫い目に必要な糸量は不要であ
るが、図42に示す糸経路分の糸量が必要となる。ま
た、上糸USを糸保持部材48に確実に捕捉させるため
上糸USに適正な張力も必要である。そこで、制御手段
93から送出される制御指令にしたがって、上糸繰出機
構120により、図42に示す糸経路に必要な糸量とほ
ぼ同等あるいは若干少な目の上糸USを繰り出した後
に、図示しない天秤機構による糸締め時において、駆動
モータ125を停止させて駆動ローラ124と従動ロー
ラ128との間で上糸USを保持することにより、上糸
USを糸保持部材48に確実に捕捉することができる。
【0216】また、下糸糸巻き装置付きミシン1の糸保
持部材48が図34および図35に示す前進状態で停止
した状態においては、ボビン駆動ギア14がボビン従動
ギア35から下方へ離間している。
【0217】つぎに、前述したように、制御手段93か
ら送出される制御指令により、上軸クラッチ機構410
が作動して、針棒2及び天秤422を上下方向に往復運
動させる上軸416を、ミシンモータ235により駆動
される下軸311及び上軸プーリ424から上軸416
を切り外して、針3及び天秤422の上下方向への往復
運動を停止させ針3を上方に保持し、その後、下糸糸巻
き装置付きミシン1を駆動する。
【0218】つぎに、糸保持部材48が上糸USを捕捉
した後に、駆動モータ91のさらなる駆動によって前述
したように、図34および図35に示す各部は図36に
示す糸巻き可能状態となる。この図36に示す糸巻き可
能状態においては、ボビン駆動ギア14がボビン従動ギ
ア35に噛合している。また、糸巻き可能状態における
ボビン22と糸保持部材48の位置関係は、図10に示
すように、糸保持部材48の上方糸係止部64と糸位置
規制部58との間に斜めに連なる上糸USをボビン22
の上フランジ37の外周縁に押し付けている。
【0219】つぎに、制御手段93から送出される制御
指令により、下糸糸巻き装置付きミシン1が駆動する
と、外釜7が正回転し、この外釜7の回転は、外釜底板
を介してボビン駆動部材11の上端のボビン駆動ギア1
4を正回転させ、その結果、ボビン駆動ギア14と噛合
しているボビン従動ギア35を外釜7の回転方向と反対
方向へ逆回転させ、ボビン22が外釜7の回転方向と反
対方向へ逆回転する。
【0220】そして、ボビン22の逆回転により、ボビ
ン22の上フランジ37の外周縁に押し付けられた糸保
持部材48の上方糸係止部64と糸位置規制部58との
間に斜めに連なる上糸USが、ボビン22のスリット3
9の開口39aに捕捉され、ボビン中心軸36に形成さ
れた凹溝41内に供給側たる針側、すなわち上糸糸駒1
21側の上糸USが導かれる。そして、ボビン22の回
転により凹溝41内に上糸USが巻回されると、また、
上糸USがボビン22のスリット39の開口39aに捕
捉されると、糸ゆるめ手段138の一部を構成するソレ
ノイド136が駆動され、各従動ローラ128が駆動ロ
ーラ124から離間して解放され、ボビン22の回転の
継続により上糸USは上糸糸駒121から引き出されて
糸巻きがさらに行われる。
【0221】このように、上糸USをボビン22に供給
する下糸DSとして用いる場合に、糸巻き動作時におい
て糸ゆるめ手段138が各従動ローラ128と駆動ロー
ラ124との間に保持された上糸USの保持状態を解放
するので、上糸USに無理な力が加わらずに円滑な糸巻
き動作を容易に行うことができる。
【0222】なお、ボビン22のスリット39からでて
布などの縫製物Sの縫い目へつながる上糸USの糸端側
は、図43に示すように、スリット39の底部39bが
ボビン22の回転中心からずれているので、図43に破
線の円にて示すように回転するため、スリット39の底
部39bから出た上糸USは、ボビン22の図43時計
方向への回転にともなって糸保持部材48の糸保持捕捉
先端63に一体形成されたさそい込み開口63dに誘い
込まれ、その後のさらなるボビン22の回転により、折
曲部63bの図11右方に示す後端部側の端縁に設けら
れた糸端切断刃56によってボビン22の直ぐ近くで容
易かつ確実に切断され、その結果、ボビン22から突出
する上糸USの糸端を短くすることができる。
【0223】そして、ボビン22に対する上糸USの巻
回は、前記糸巻き量制御部197あるいは限界糸巻き回
数設定部198によって設定された糸巻き量に到達する
まで行われ、ボビン22に対する上糸USの巻回が予め
設定された糸巻き量に到達すると第2糸巻き動作制御部
193Aの制御指令に基づいて下糸糸巻き装置付きミシ
ン1が停止する。この時、上軸クラッチ機構410が作
動して、針棒2及び天秤422を上下方向に往復運動さ
せる上軸416を、ミシンモータ235により駆動され
る下軸311及び上軸プーリ424から上軸416を切
り外して、針3及び天秤422の上下方向への往復運動
を停止させ針3を上方に保持している。
【0224】つぎに、ボビンに供給した下糸としての上
糸の下糸張力手段への糸掛け動作および上糸の切断動作
について図38から図41により説明する。
【0225】このボビン22に供給した下糸DSとして
の上糸USの下糸張力手段25への糸掛けは、縫製動作
を行う際に必要な下糸張力をボビン22に供給した下糸
DSに付与するためのものである。
【0226】前記糸巻きが終了した後に、制御手段93
から送出される制御指令により、駆動モータ91が逆回
転駆動し、駆動板下79を後退移動して、図36に示す
各部は図30に示す初期状態まで復帰する。そして、ボ
ビン22に供給した下糸DSとしての上糸USの下糸張
力手段25への糸掛け動作は、下糸専用糸EDSの下糸
張力手段25への糸掛け動作と異なり、糸保持部材48
の上方糸保持部59に糸端を保持させる必要がないの
で、ボビン22から出た下糸DSとしての上糸USは、
初期状態において図38に符号Cにて示す糸経路とほぼ
同様となる。この初期状態から、前述した下糸専用糸E
DSの下糸張力手段25への糸掛け動作と同様に、制御
手段93から送出される制御指令により、ミシン、詳し
くは下糸糸巻き装置付きミシン1のミシンモータ235
を逆回転駆動すると、外釜7が逆回転し、糸捕捉フック
46のフック部46aが外釜7の外周近傍に位置する前
記ボビン22と糸保持部材48の上方糸係止部60との
間に位置する上糸USを捕捉し、糸捕捉フック46のフ
ック部46aが上糸USを捕捉した状態で逆回転し、ボ
ビン22から出た上糸USは、下糸張力手段25の基板
26の上端縁に形成されている糸道入口27へ誘い込ま
れて糸導入溝28に進入し、外釜7のよりさらなる逆回
転により、糸導入溝28に進入した下糸DSとしての上
糸USは、下糸張力手段25の糸係止孔29と糸出口3
0との間に下糸押さえ板ばね31の付勢力をもって付勢
された状態で配置され、その結果、縫製動作時に必要な
適正な下糸張力を下糸DSとしての上糸USに確実に付
与することができる。
【0227】また、下糸DSとしての上糸USは、前記
下糸専用糸EDSと同様に、外釜7に配設された切断刃
43の刃先により切断され、針側の糸残りとして縫い目
の結束に必要な長さを十分に確保することができる。
【0228】ついで、制御手段93から送出される制御
指令により、外釜の逆回転を停止するとともに、上軸ク
ラッチ機構410が再度作動して、上軸プーリ424と
上軸416とを連結して、ミシンモータ235により上
軸416を介して、針棒2及び天秤422を上下方向に
往復運動させ、下糸糸巻き装置付きミシン1の各部が初
期状態に復帰し、下糸DSとしての上糸USの糸巻き動
作が終了する。
【0229】以上の説明は、糸巻きスタート/ストップ
スイッチ177の操作による手動糸巻きモードにおける
糸巻き動作であるが、以下に、自動化についての説明を
行う。
【0230】まず、ボビンの回転状態および下糸無しの
検出動作について図7、図8、図44および図45によ
り説明する。
【0231】図44は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの下糸検出手段の要部の構成を示す平面図、図4
5は反射型光センサのセンサ出力および主軸センサの出
力信号を示す線図である。
【0232】前記ボビン22に下糸DSが巻回された状
態で縫製が行われると、ボビン22が回転し、図3およ
び図44に示すように、反射型光センサ211の下方を
上フランジ37の上面に設けられた反射テープ210の
図8に白抜きにて示す高反射率部210aと図8に斜線
にて示す低反射率部210bとが交互に通過する。そし
て、反射テープ210の高反射率部210aが反射型光
センサ211と対向すると反射型光センサ211は電流
を多く流し、反射テープ210の低反射率部210bが
反射型光センサ211と対向すると反射型光センサ21
1は電流が少なくなる。そこで、負荷抵抗に前記電流を
通電すると、図45に示すように、ほぼパルス状のセン
サ出力を得ることができる。また、ボビン22から下糸
DSが消費され、ボビン中心軸36から下糸DSの糸端
が離れると、ボビン22の回転が無くなり、反射型光セ
ンサ211のセンサ出力はほぼ一定のレベルとなり、図
45に示すように、ほぼフラット状のセンサ出力を得る
ことができる。なお、図45に、主軸センサ218の出
力信号(主軸信号)を合わせて示す。この主軸信号は、
1サイクルが1針(ミシン1針分)を示す。
【0233】前記反射型光センサ211のセンサ出力
は、図27に示すように、制御手段93のA/D変換器
233を介してCPU190に出力される。そして、C
PU190は、A/D変換器233から送出される出力
を、図45に示す主軸センサ218の出力信号により得
られる所定の針数Nの間に所定数のサンプリングを行い
その間のセンサ出力の値をメモり191に記憶する。そ
して、得られたセンサ出力の最大値と最小値を算出し、
得られたセンサ出力の最大値と最小値の差が所定の閾値
(所定の電圧値)以上であればボビン回転と判別し、得
られたセンサ出力の最大値と最小値の差が所定の閾値
(所定の電圧値)以下であればその状態が所定針数分続
いたと判断してボビン22から下糸DSが無くなってボ
ビン22の回転が停止したと判別する。
【0234】ここで、センサ出力の最大値と最小値の差
が所定の閾値(所定の電圧値)以下の状態を複数針みる
理由は、糸の消費量が少ない模様を縫製している場合
や、ボビン22に下糸DSが多く巻かれている場合など
においては、ボビン22の回転角度が小さいため針数が
1、2針では、反射型光センサ211の下方を高反射率
部210aと低反射率部210bとが通過しないからで
ある。
【0235】このように、本実施形態の下糸糸巻き装置
付きミシン1によれば、ボビン22の回転状態とボビン
22に巻回された下糸DSの有無を確実かつ容易に判別
することができる。
【0236】前記ボビンの回転状態とボビンに巻回され
た下糸の有無の判別について図46に示すフローチャー
トにより説明する。
【0237】図46は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンのボビンの回転状態とボビンに巻回された下糸の
有無の判別を説明するフローチャートである。
【0238】前記ボビン22の回転状態とボビン22に
巻回された下糸DSの有無の判別は、図46に示すよう
に、まず、ステップST100 において反射型光センサ2
11の出力を読み込み、つぎのステップST101 におい
て読み込んだ値をメモリ191に記憶し、つぎのステッ
プST102 において主軸信号により針数をカウントし、
つぎのステップST103 に進行する。
【0239】ついで、ステップST103 において針数を
N針みたか判断し、ステップST103 の判断がNO(N
針より少ない)の場合には、前記ステップST100 へ戻
り、ステップST103 の判断がYES(N針と等しい)
の場合には、つぎのステップST104 に進行し、ステッ
プST104 においてセンサ出力の最大値と最小値を算出
し、つぎのステップST105 に進行する。
【0240】ついで、ステップST105 において、得ら
れたセンサ出力の最大値と最小値の差が所定の閾値(所
定の電圧値V)より小さいか否かを判断し、ステップS
T105 の判断がNO(閾値より大きい)場合には、ボビ
ン22が回転状態にあると判別して前記ステップST10
0 へ戻る。
【0241】前記ステップST105 の判断がYES(閾
値より小さい)場合には、つぎのステップST106 へ進
行して、その状態が所定針数分続いたと判断してボビン
22から下糸DSが無くなってボビン22の回転が停止
したと判別し終了する。
【0242】なお、ボビン22の回転状態とボビン22
に巻回された下糸DSの有無の判別は、メモリ191に
格納した前記フローチャートを実行し得るプログラムと
CPU190などにより行う。
【0243】つぎに、残り糸の消費について説明する。
【0244】前記下糸DSは、ボビン22の回転が停止
しても下糸張力手段25に挟まれた状態で残っており、
この状態では、新たな下糸DSをボビン22に供給する
ことができない。そこで、縫製中断時針位置制御部24
2から送出される制御指令によって、この残り糸を模様
として複数針縫って完全に消費した後、すなわち、前記
下糸検出手段214から下糸無しの検出信号が送出され
た場合、下糸無しの検出信号を検出した時点における縫
製位置から複数針運針した後で下糸糸巻き装置付きミシ
ン1を停止し、その後に、自動糸巻きスタート処理を行
う。ここでの針数は、ボビン22が停止した後の残り糸
量は、前記ボビン22構造により糸の種類、糸の太さに
よる差が少なく、釜近傍の糸道経路によって決定されほ
ぼ一定の長さなので、残り糸量を予めメモリ191の一
部を構成するROMに記憶しておき、この残り糸量をボ
ビン22が停止した後の1針毎の下糸消費量で減算して
行き判断する。前記下糸消費量は、上糸消費量とほぼ一
致するので、上糸消費量を算出することによって容易に
推測できる。また、上糸消費量は、公知の自動糸調子ミ
シンに見るように、布厚と布送り量と針振り量とから容
易に算出することができる。
【0245】つぎに、残り糸の消費について図47に示
すフローチャートによりさらに説明する。
【0246】図47は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの残り糸の消費を説明するフローチャートであ
る。
【0247】前記残り糸の消費は、図47に示すよう
に、まず、ステップST200 において、ボビン22が停
止した後の残り糸量”L”をメモリ191の一部を構成
するROMから読み込む。
【0248】ついで、ステップST201 において、主軸
信号のON/OFFを判断し、主軸信号がOFFの場合
には、主軸信号がONになるまで待機し、主軸信号がO
Nの場合には、つぎのステップST201 において、布厚
と布送り量と針振り量とから1針毎の下糸消費量”l”
を算出し、つぎのステップST202 において、前記残り
糸量Lから下糸消費量lを減算した値を新たな残り糸
量”L”に設定してつぎのステップST204 に進行す
る。
【0249】ついで、ステップST204 において、残り
糸量”L”が0より小さいか否かを判断し、ステップS
T204 の判断がNO(残り糸がある)の場合には、前記
ステップST201 に戻り、ステップST204 の判断がY
ES(残り糸無し)の場合には、つぎのステップST20
5 に進行し、ミシン停止、すなわち、下糸無しの検出信
号を検出した時点における縫製位置から複数針運針した
後でミシンを停止、詳しくは、下糸糸巻き装置付きミシ
ン1のミシンモータ235を停止し、つぎのステップS
T106 において下糸巻き制御、すなわち、自動糸巻きス
タート処理を行い終了する。
【0250】なお、残り糸の消費は、縫製中断時針位置
制御部242に格納されたプログラムとCPU190な
どにより行う。
【0251】このように、本実施形態の下糸糸巻き装置
付きミシン1によれば、残り糸の消費およびその判別を
確実かつ適正に行うことができるので、下糸DSの残り
糸を確実に消費した後に、ボビン22に下糸DSを供給
する糸巻き動作を開始することができ、その結果、糸巻
き動作の自動化を容易に行うことができる。
【0252】つぎに、上糸無しと下糸無しとの判別につ
いて説明する。
【0253】本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン1
は、縫製動作中に上糸切れと称される上糸USが無くな
った場合においても、下糸DSに張力が発生しなくな
り、ボビン22の回転が停止する。そこで、上糸無しと
下糸無しとの判別は、図17に示す前記上糸検出手段2
21を利用する。この上糸検出手段221は、図17に
示すように、上糸USが有り、正常に縫製動作が行われ
ている場合には、上糸USに張力が発生し、上糸経路に
配設されている上糸張力ばね220をたわませ、この上
糸張力ばね220と連動する遮蔽板222が光りセンサ
(フォトインタラプタ)223を遮蔽、解放する公知の
ものである。そして、縫製動作中に上糸USが無くなっ
た場合は、すぐに上糸USに張力が発生しなくなり、光
りセンサ223の出力状態で上糸USが無くなったこと
を検出することができる。しかし、上糸USが無くなっ
た場合、下糸DSは、布に縫い目を形成しているため、
布が送られると下糸DSが引っ張られるので、ボビン2
2は回転する。逆に、正常に下糸DSが消費された場
合、ボビン22の回転は停止するが、残り糸があるため
上糸張力が発生し、上糸検出手段221は動作しない。
したがって、どちらが先にその状態になったかを判定す
ることにより、上糸無しと下糸無しとを判別することが
できる。すなわち、ボビン22の回転状態と上糸USの
有無とをほぼ同時に監視し、先に無い状態を検出した方
を優先して判断する。
【0254】つぎに、上糸無しと下糸無しとの判別につ
いて図48に示すフローチャートによりさらに説明す
る。
【0255】図48は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの上糸無しと下糸無しとの判別を説明するフロー
チャートである。
【0256】前記上糸無しと下糸無しとの判別は、図4
8に示すように、まず、ステップST300 において、下
糸検出手段214を兼ねたボビン回転状態検出手段21
5の一部を構成する反射型光センサ211の出力状態に
より、ボビン22の回転の有無を判断し、ステップST
300 の判断が無し(ボビン停止状態)の場合には、つぎ
のステップST301 において、上糸検出手段221の一
部を構成する光りセンサ223の出力状態により、上糸
USの有無を判断し、ステップST301 の判断が有り
(上糸有り)の場合には、つぎのステップST302 にお
いて下糸無しと判断して終了する。また、ステップST
301 の判断が無し(上糸無し)の場合には、つぎのステ
ップST303 において異常(異常動作)と判断して終了
する。
【0257】前記ステップST300 の判断が有り(ボビ
ン回転状態)の場合には、つぎのステップST304 にお
いて、上糸検出手段221の一部を構成する光りセンサ
223の出力状態により、上糸USの有無を判断し、ス
テップST304 の判断が無し(上糸無し)の場合には、
つぎのステップST305 において上糸無しと判断して終
了する。また、ステップST304 の判断が有り(上糸有
り)の場合には、つぎのステップST306 において正常
(正常動作)と判断して終了する。
【0258】このように、上糸USおよび下糸DSのそ
れぞれの有無を監視することにより、上糸USおよび下
糸DSの何れが無くなったのかを確実かつ容易に判別す
ることができる。
【0259】なお、上糸無しと下糸無しとの判別は、糸
無し判別制御部241に格納されたプログラムとCPU
190などにより行う。
【0260】つぎに、自動糸巻きスタートについて説明
する。
【0261】本実施形態の下糸糸巻き装置付きミシン1
によれば、前述したように、下糸DSの残り糸を完全に
消費したと判断した後に、糸巻きスタート/ストップス
イッチ177の設定状態にかかわらずを糸巻きスタート
を自動的に行うことができる。
【0262】つぎに、自動糸巻きモードと手動糸巻きモ
ードの選択について図49および図50により説明す
る。
【0263】図49は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの自動糸巻きモードと手動糸巻きモードの選択の
一例を説明するフローチャート、図50は本発明に係る
下糸糸巻き装置付きミシンの自動糸巻きモードモードと
手動糸巻きモードの選択の他例を説明するフローチャー
トである。
【0264】前記自動糸巻きモードと手動糸巻きモード
の選択の一例としては、図49に示すように、ステップ
ST400 において、糸巻きモード切替スイッチ226
(図49においてスイッチAと記す)の設定状態、すな
わち、糸巻きモード切替スイッチ226のON/OFF
を判断し、ステップST400 の判断がON(自動糸巻き
モード)の場合には、つぎのステップST401 におい
て、下糸糸巻き装置付きミシン1を自動糸巻きモードに
設定して終了する。
【0265】前記ステップST400 の判断がOFF(手
動糸巻きモード)の場合には、つぎのステップST402
において、下糸糸巻き装置付きミシン1を手動糸巻きモ
ードに設定して終了する。
【0266】すなわち、本実施形態においては、糸巻き
モード切替スイッチ226の設定状態に応じて、自動糸
巻きモードと手動糸巻きモードの選択を行うことができ
るようになっている。そして、糸巻きモード切替スイッ
チ226の設定が自動糸巻きモードに設定された場合
は、自動的に糸巻き動作をし、糸巻きモード切替スイッ
チ226の設定が手動糸巻きモードに設定された場合
は、糸巻きスタート/ストップスイッチ177をON操
作することにより糸巻き動作をする。
【0267】なお、自動糸巻きモードと手動糸巻きモー
ドの選択は、糸巻きモード判別制御部244に格納され
たプログラムとCPU190などにより行う。
【0268】前記自動糸巻きモードと手動糸巻きモード
の選択の他例としては、図50に示すように、ステップ
ST500 において、模様選択処理、すなわち、模様選択
スイッチ172の操作により、複数の模様縫いデータか
ら所望の模様縫いデータを選択し、つぎのステップST
501 に進行する。
【0269】ついで、ステップST501 において、模様
の種類の判断、すなわち、選択された縫い模様が直線縫
い、ジグザグ縫い、ボタンホール縫いなどに用いる実用
縫いと称される分類に区分される実用模様か、それと
も、刺繍縫いと称される分類に区分される刺繍模様かを
判断し、ステップST501 の判断が刺繍模様の場合は、
つぎのステップST502 において、下糸糸巻き装置付き
ミシン1を自動糸巻きモードに設定して終了する。
【0270】なお、模様の種類の区分は、前記縫いデー
タ記憶部200に記憶した模様縫いデータ毎に模様の種
類の区分を表示するデータをもたせることができるの
で、模様選択スイッチ172の操作により選択された模
様縫いデータの模様の種類の区分は、CPU190によ
り容易に認識することができる。
【0271】また、模様選択スイッチ172の操作によ
り複数の模様縫いデータから選択された所望の模様縫い
データに基づいて行うかわりに、選択された模様を形成
するのに必要な補助部品の着脱状態、つまり、刺繍縫い
を行う際の刺繍装置240の着脱状態を検出する刺繍装
置センサ217から送出される検出信号によってもCP
U190により容易に認識することができる。
【0272】前記ステップST501 の判断が実用模様の
場合には、つぎのステップST503において、下糸糸巻
き装置付きミシン1を手動糸巻きモードに設定して終了
する。
【0273】すなわち、本実施形態においては、選択さ
れた模様縫いデータおよび/または選択された模様を形
成するのに必要な補助部品の着脱状態に応じて、自動糸
巻きモードと手動糸巻きモードの選択を行うことができ
るようになっている。そして、下糸糸巻き装置付きミシ
ン1が自動糸巻きモードに設定された場合は、自動的に
糸巻き動作をし、下糸糸巻き装置付きミシン1が手動糸
巻きモードに設定された場合は、糸巻きスタート/スト
ップスイッチ177をON操作することにより糸巻き動
作をする。
【0274】なお、模様の種類の区分についてはCPU
190により行い、自動糸巻きモードと手動糸巻きモー
ドの選択は、糸巻きモード自動設定制御部245に格納
されたプログラムとCPU190などにより行う。
【0275】つぎに、ボビンへ下糸を供給する糸巻き動
作が終了したあとの縫製動作の自動再スタートについて
説明する。
【0276】前記ボビン22へ下糸DSを供給する糸巻
き動作が終了したあとの縫製動作の再スタートは、以下
に示す2通りの方法で行うことができる。
【0277】前記縫製動作の再スタートの第1の方法に
おいては、糸巻き動作が終了すると、CPU190は糸
巻き動作の終了を表示画面176および/または安全確
保手段228により作業者に知らせる。そして、作業者
は、表示画面176および/または安全確保手段228
により、糸巻き動作の終了を確認した後に、重ね縫いを
するために、返し縫いスイッチ301を操作して縫製物
Sを何針か前に戻してから縫製動作のON/OFFを行
うスタート/ストップスイッチ238をON操作してミ
シンスタートして縫製動作を再スタートする。
【0278】前記縫製動作の再スタートの第2の方法に
おいては、糸巻き動作が終了すると、CPU190は糸
巻き動作の終了を表示画面176および/または安全確
保手段228により作業者に知らせた後に、自動的に何
針か前に戻し、自動的にミシンスタートして縫製動作を
再スタートする。これは特に、刺繍装置240を用いた
刺繍縫いを行う場合に有効である。針位置に対して相対
的に刺繍装置240の刺繍枠239を移動させて、刺繍
模様を形成する自動刺繍機であれば、正確に何針でも前
に戻ることができる。この再スタートする時点で、表示
画面176および/または安全確保手段228からなる
再スタート告知手段225を動作して、再スタートする
ことを、作業者あるいは周囲の人々に容易かつ確実に認
識させることができるので、特に、再スタートを自動的
に行う場合における安全性を高めることができる。
【0279】なお、自動的な縫製動作の再スタートは、
再スタート制御部246に格納されたプログラムとCP
U190などにより行う。さらに、何針か前に戻すの
は、縫製再開時針位置制御部242に格納されたプログ
ラムとCPU190などにより行う。またさらに、再ス
タート告知手段225の動作は、再スタート告知制御部
248に格納されたプログラムとCPU190などによ
り行う。
【0280】つぎに、自動再スタートモードと手動再ス
タートモードの選択について図51により説明する。
【0281】図51は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの自動再スタートモードと手動再スタートモード
の選択を説明するフローチャートである。
【0282】前記縫製動作を再スタートする際の自動再
スタートモードと手動再スタートモードの選択は、図5
1に示すように、まず、ステップST600 において、再
スタートモード切替スイッチ227(図51においてス
イッチBと記す)の設定状態、すなわち、再スタートモ
ード切替スイッチ227のON/OFFを判断し、前記
ステップST600 の判断がOFF(手動再スタートモー
ド)の場合には、つぎのステップST601 において、下
糸糸巻き装置付きミシン1を手動再スタートモードに設
定して終了する。なお、下糸糸巻き装置付きミシン1を
手動再スタートモードに設定した場合には、縫製動作の
再スタートは、スタート/ストップスイッチ238をO
N操作することにより開始する。
【0283】前記ステップST600 の判断がON(自動
再スタートモード)の場合には、つぎのステップST60
2 において、前記図44のステップST501 と同様に、
模様の種類が実用模様か、それとも、刺繍模様かを判断
し、ステップST602 の判断が実用模様の場合には、ス
テップST601 に進行し、下糸糸巻き装置付きミシン1
を手動再スタートモードに設定して終了する。
【0284】前記ステップST602 の判断が刺繍模様の
場合には、つぎのステップST603に進行して下糸糸巻
き装置付きミシン1を自動再スタートモードに設定し、
つぎのステップST604 に進行して縫製位置を何針か前
に戻し、つぎのステップST605 に進行して再スタート
告知手段225を動作して再スタートの告知を作業者あ
るいは周囲の人々に行い、つぎのステップST606 に進
行してミシンスタートして縫製動作を再開し終了する。
【0285】すなわち、再スタートモード切替スイッチ
の設定状態、模様選択スイッチ172の操作により選択
された模様縫いデータの模様の種類、選択された模様を
形成するのに必要な補助部品の着脱状態、つまり、刺繍
縫いを行う際の刺繍装置240の着脱状態を検出する刺
繍装置センサ217から送出される検出信号などを単独
もしくは組み合わせることによって、縫製動作を再スタ
ートする際の自動再スタートモードと手動再スタートモ
ードの選択を行う。
【0286】なお、再スタートモード切替スイッチ22
7の設定状態に応じて自動的に糸巻き動作を行うか否か
を判別するのは、再スタート動作制御部247に格納さ
れたプログラムとCPU190などにより行う。さら
に、ステップST604 における縫製位置を何針か前に戻
すのは、縫製再開時針位置制御部243に格納されたプ
ログラムとCPU190などにより行うとともに、戻す
針数は、縫製再開時針位置制御部243に格納されたプ
ログラムとCPU190などにより前記残り糸の消費を
行う際に運針した針数分と同一とする。またさらに、再
スタート告知手段225の動作は、再スタート告知制御
部248に格納されたプログラムとCPU190などに
より行う。
【0287】つぎに、縫製動作時の異常検出について図
52に示すフローチャートにより説明する。
【0288】図52は本発明に係る下糸糸巻き装置付き
ミシンの異常検出を説明するフローチャートである。
【0289】本実施形態のボビン回転状態検出手段21
5を兼ねた下糸検出手段214は、前述したように、ボ
ビン22の回転の有無と、縫製動作中におけるボビン2
2に巻回されている下糸DSの下糸無しを検出すること
ができるが、縫製動作の開始後または糸巻き動作開始後
のそれぞれのボビンの回転の有無を検出して、ボビン2
2の回転が無い場合には、糸掛け異常または糸巻き異常
と判断して再スタート告知手段225を動作させて、下
糸糸巻き装置付きミシン1の動作を停止することができ
る。
【0290】すなわち、図52に示すように、ステップ
ST700 において、ボビン回転状態検出手段215の反
射型光センサ211から送出されるセンサ出力によって
縫製開始後のボビン回転の有無を判断し、ステップST
700 の判断がNO(ボビン停止状態)の場合には、つぎ
のステップST701 において糸掛け異常としてミシン停
止し、つぎのステップST702 で作業者は必要なエラー
処理を行う。なお、ミシン停止する際には、再スタート
告知手段225を動作させて異常の表示および/または
警告を行うことが作業効率を向上するうえで好ましい。
【0291】前記ステップST700 の判断がYES(ボ
ビン回転状態)の場合には、つぎのステップST703 に
おいて正常運転を行い、つぎのステップST704におい
てボビン回転の有無を判断し、ステップST704 の判断
がYES(ボビン回転状態)の場合には、運転状態を保
持する。
【0292】前記ステップ704 の判断がNO(ボビン停
止状態)の場合には、つぎのステップST705 において
ボビン22から下糸DSが無くなったと判断して前述し
た残り糸の消費処理を行い、つぎのステップST706 に
おいて前述した糸巻き動作処理を行い、つぎのステップ
ST707 において糸巻き開始後のボビン回転の有無を判
断する。
【0293】前記ステップST707 の判断がNO(ボビ
ン停止状態)の場合には、つぎのステップST708 にお
いて糸巻き異常としてミシン停止し、つぎのステップS
T709 で作業者は必要なエラー処理を行う。なお、ミシ
ン停止する際には、再スタート告知手段225を動作さ
せて異常の表示および/または警告を行うことが作業効
率を向上するうえで好ましい。
【0294】前記ステップST707 の判断がYES(ボ
ビン回転状態)の場合には、つぎのステップST710 に
進行して、糸巻きが終了したか否かを判断し、ステップ
ST710 の判断がNO(所定量の糸巻きが終わっていな
い)場合には、ステップST706 に戻って所定量の糸巻
きが終了するまで糸巻き動作処理を行う。
【0295】前記ステップST710 の判断がYES(糸
巻き終了)の場合には、つぎのステップST711 におい
て前述した再スタート告知処理を行い、つぎのステップ
ST712 において前述した再スタート処理を行い、ステ
ップST704 に戻って縫製動作が終了するまで繰り返
す。
【0296】なお、縫製動作時および糸巻き動作時の正
常か否かの判断は、動作状態判別制御部249に格納さ
れたプログラムとCPU190などにより行うつぎに、
縫製動作中における糸巻き動作の防止について説明す
る。
【0297】前記誤動作防止制御部250に格納された
プログラムとCPU190などにより、縫製動作中にお
ける糸巻きスタート/ストップスイッチ177のON操
作による糸巻きスタートを確実に禁止することができ
る。
【0298】したがって、本実施形態の下糸糸巻き装置
付きミシン1によれば、使用中の上糸USを外さず、か
つ、水平釜4からボビン22を取り外すことなくボビン
22に刺繍縫いなどに用いる下糸専用糸EDSあるいは
下糸DSとしての上糸USを容易に選択して供給するこ
とができる。すなわち、縫い模様を形成する縫い目の種
類に応じてボビン22に供給する下糸DSの種類を容易
かつ適正に選択することができる。
【0299】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の駆動力伝達手段330は、磁性体332の磁力
によって外釜7と一体回転するので、糸巻き動作時にボ
ビン22を容易に回転させることができる。一方、駆動
力伝達手段330は、糸巻き動作時に、供給側に位置す
る下糸DSに過負荷が加わった場合、すなわち、下糸D
Sの供給経路で下糸DSの引っ掛かりなどのトラブルの
発生などによりボビン22の回転が停止した場合、駆動
力伝達手段330と外釜7との一体回転を磁性体332
の磁力による駆動力伝達手段330と外釜7との吸着力
を越えた時点でスリップさせて駆動力伝達手段330の
回転を容易に停止することができ、その結果、糸巻き動
作時に下糸DSの供給経路で下糸DSの引っ掛かりなど
のトラブルが生じた場合の駆動力伝達手段330の一部
の破損やボビン暴れを確実に防止できるので、安全性を
高めることができる。さらに、磁性体332は、内釜1
8を外釜7の所定位置であるレース面7dに回転可能に
支持した状態を容易に保持することができ、その結果、
外釜7から内釜18が不必要に飛び出すのを確実に防止
することができる。
【0300】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の糸保持部材48の先端部分に一体形成された糸
端切断刃56は、ボビン22に下糸DSとして上糸US
を供給する糸巻き動作時に、糸巻き動作時のボビン22
の回転によって、ボビン22に下糸DSとして供給され
る上糸USの糸端近傍を直接切断することができるの
で、ボビン22に下糸DSとして供給される上糸USの
糸端近傍を確実かつ容易に切断することができる。
【0301】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の常時は先端部が外釜7の外周面近傍のミシン脚
柱部1d側に退避し、糸巻き動作時には先端部がミシン
脚柱部1d側から内釜18の上方に進入可能に形成した
糸保持部材48は、簡単な構成で糸巻き動作時に水平釜
4からボビン22を取り外すことなくボビン22に上糸
USまたは刺繍縫いなどに用いる下糸専用糸EDSを容
易に供給することができる。さらに、この糸保持部材4
8は、下糸USのボビン22への捕捉を容易かつ確実に
することができる。
【0302】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の常時は先端部が外釜7の外周面近傍のミシン脚
柱部1d側に退避し、糸巻き動作時には先端部がミシン
脚柱部1d側から内釜18の上方であるボビン着脱用凹
溝24に進入可能に形成した糸保持部材48は、下糸U
Sのボビン22への捕捉をより容易かつ確実にすること
ができる。
【0303】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の専用糸張力付与手段296は、糸巻き動作時に
ボビン22に供給する下糸専用糸EDSに適正な張力を
付与することができるので、ボビン22に下糸専用糸E
DSを適正な状態で巻回することができる。
【0304】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の内釜18の回転中心を外釜7の回転中心に対し
てずらした異心軸となる水平釜4は、縫製動作時のヒッ
チステッチを容易に防止して縫製品質を向上させること
ができるとともに、糸切り装置や下糸繰出装置などを配
設するスペースを容易に確保することができる。
【0305】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1の回転伝動機構340は、糸巻き動作時にのみボ
ビン22を外釜7の回転方向に対して逆回転させること
ができ、その結果、糸巻き動作時にボビン22のスリッ
ト39へ下糸USを容易に捕捉させることができるの
で、ボビン22への下糸USの供給を確実かつ適正に行
うことができる。
【0306】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1のボビン駆動ギア14と、ボビン22のフランジ
の一端面たる下フランジ38に設けられたボビン従動ギ
ア35を有する回転伝動機構340は、糸巻き動作時に
のみボビン22を外釜7の回転方向に対して確実に逆回
転させることができ、その結果、糸巻き動作時にボビン
22のスリット39へ下糸USをより容易かつ確実にに
捕捉させることができるので、ボビン22への下糸US
の供給をより確実かつ適正に行うことができる。
【0307】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1のボビン駆動摩擦車14Aと、ボビン22のフラ
ンジの一端面たる下フランジ38に設けられたボビン従
動摩擦車35Aを有する回転伝動機構340は、糸巻き
動作時にのみボビン22を外釜7の回転方向に対して確
実に逆回転させることができ、その結果、糸巻き動作時
にボビン22のスリット39へ下糸USをより容易かつ
確実にに捕捉させることができるので、ボビン22への
下糸USの供給をより確実かつ適正に行うことができ
る。
【0308】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1における前記糸巻き量設定手段としての糸巻き量
設定スイッチ174、糸巻き径検出手段160、糸巻き
数計測手段206および糸巻き量制御部197は、ボビ
ン22に巻回する下糸DUの量を適正かつ容易に制御す
ることができるものであり、本発明に係る下糸糸巻き装
置付きミシン1だけでなく、従来からある各種の下糸糸
巻き装置付きミシンにも適用することができる。
【0309】また、本実施形態の下糸糸巻き装置付きミ
シン1のボビン22のフランジ37に設けられた高反射
率部210aと低反射率部210bとを交互に繰返し配
置してなるボビン回転被検出部210と、このボビン回
転被検出部210を検出する反射型光センサ211から
なる下糸検出手段214は、反射型光センサ211によ
り、ボビン22の回転状態とボビン22の停止状態とを
確実かつ適正に検出することができるとともに、縫製動
作中におけるボビン22の回転状態からボビン22の停
止状態への変化によって、ボビン22から下糸DSが無
くなったことを容易かつ確実に検出することができる。
さらに、下糸検出手段214は、糸掛けや、糸巻き動作
の異常を容易に検出することもできる。なお、本発明
は、前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応
じて変更することができる。
【0310】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1乃至9に
よれば、自動下糸巻き中に、上軸クラッチ機構により針
棒2及び天秤422の運動を停止させることができるの
で、上糸及び上糸の張力の安定、上糸の外れ防止、糸巻
き中のボビンあばれの低減を図ることができる。また、
請求項1に記載の本発明の下糸糸巻き装置付きミシンに
よれば、簡単な構成で糸巻き動作時に釜からボビンを取
り外すことなくボビンに上糸または刺繍縫いなどに用い
る下糸専用糸を容易に供給することができるなどの極め
て優れた効果を奏する。さらに、駆動力伝達手段は、糸
巻き動作時に、外釜と一体回転するので、糸巻き動作時
にボビンを容易に回転させることができるなどの極めて
優れた効果を奏する。一方、駆動力伝達手段は、糸巻き
動作時に、供給側に位置する下糸に過負荷が加わった場
合、すなわち、下糸の供給経路で下糸の引っ掛かりなど
のトラブルの発生などによりボビンの回転が停止した場
合、駆動力伝達手段と外釜との一体回転を圧接部材の圧
接力を越えた時点でスリップさせて駆動力伝達手段の回
転を容易に停止することができ、その結果、糸巻き動作
時に下糸の供給経路で下糸の引っ掛かりなどのトラブル
が生じた場合の駆動力伝達手段の一部の破損やボビン暴
れを確実に防止できるので、安全性を高めることができ
るなどの極めて優れた効果を奏する。
【0311】また、請求項2に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、圧接部材の磁性体は、駆動
力伝達手段を磁力による吸引力からなる圧接力で糸巻き
動作時に外釜と一体回転し、駆動力伝達手段は、糸巻き
動作時に、供給側に位置する下糸に過負荷が加わった場
合、すなわち、下糸の供給経路で下糸の引っ掛かりなど
のトラブルの発生などによりボビンの回転が停止した場
合、駆動力伝達手段と外釜との一体回転を磁性体による
吸引力からなる圧接力を越えた時点でスリップさせて駆
動力伝達手段の回転を容易に停止することができ、その
結果、糸巻き動作時に下糸の供給経路で下糸の引っ掛か
りなどのトラブルが生じた場合の駆動力伝達手段の一部
の破損やボビン暴れを確実に防止できるので、安全性を
高めることができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0312】また、請求項3に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、簡単な構成で糸巻き動作時
に水平釜からボビンを取り外すことなくボビンに少なく
とも上糸を容易に供給することができるなどの極めて優
れた効果を奏する。さらに、糸保持部材の先端部分に一
体形成された糸端切断刃は、ボビンに下糸として上糸を
供給する糸巻き動作時に、糸巻き動作時のボビンの回転
によって、ボビンに下糸として供給される上糸の糸端近
傍を直接切断することができるので、ボビンに下糸とし
て供給される上糸の糸端近傍を確実かつ容易に切断する
ことができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0313】また、請求項4に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、簡単な構成で糸巻き動作時
に水平釜からボビンを取り外すことなくボビンに上糸ま
たは刺繍縫いなどに用いる下糸専用糸を容易に供給する
ことができるなどの極めて優れた効果を奏する。さら
に、糸保持部材は、下糸のボビンへの捕捉を容易かつ確
実にすることができるなどの極めて優れた効果を奏す
る。
【0314】また、請求項5に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、糸保持部材は、下糸のボビ
ンへの捕捉をより容易かつ確実にすることができるなど
の極めて優れた効果を奏する。
【0315】また、請求項6に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、簡単な構成で糸巻き動作時
に水平釜からボビンを取り外すことなくボビンに上糸ま
たは刺繍縫いなどに用いる下糸専用糸を容易に供給する
ことができるなどの極めて優れた効果を奏する。さら
に、専用糸張力付与手段は、糸巻き動作時にボビンに供
給する下糸専用糸に適正な張力を付与することができる
ので、ボビンに下糸専用糸を適正な状態で巻回すること
ができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0316】また、請求項7に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、簡単な構成で糸巻き動作時
に水平釜からボビンを取り外すことなくボビンに上糸ま
たは刺繍縫いなどに用いる下糸専用糸を容易に供給する
ことができるなどの極めて優れた効果を奏する。さら
に、内釜の回転中心を外釜の回転中心に対してずらした
異心軸となる水平釜は、縫製動作時のヒッチステッチを
容易に防止して縫製品質を向上させることができるとと
もに、糸切り装置や下糸繰出装置などを配設するスペー
スを容易に確保することができるなどの極めて優れた効
果を奏する。さらにまた、ボビン駆動部材とボビンとを
回転伝動機構により接離可能に形成したことにより、糸
巻き動作時にボビンを外釜の回転方向に対して逆回転さ
せることができ、その結果、糸巻き動作時にボビンのス
リットへ下糸を容易に捕捉させることができるので、ボ
ビンへの下糸の供給を確実かつ適正に行うことができる
などの極めて優れた効果を奏する。
【0317】また、請求項8に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、ボビン駆動ギアおよびボビ
ン従動ギアを有する回転伝動機構は、糸巻き動作時にボ
ビンを外釜の回転方向に対して確実に逆回転させること
ができ、その結果、糸巻き動作時にボビンのスリットへ
下糸をより容易かつ確実に捕捉させることができるの
で、ボビンへの下糸の供給をより確実かつ適正に行うこ
とができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0318】また、請求項9に記載の本発明の下糸糸巻
き装置付きミシンによれば、ボビン駆動摩擦車およびボ
ビン従動摩擦車を有する回転伝動機構は、糸巻き動作時
にボビンを外釜の回転方向に対して確実に逆回転させる
ことができ、その結果、糸巻き動作時にボビンのスリッ
トへ下糸をより容易にかつ確実に捕捉させることができ
るので、ボビンへの下糸の供給をより確実かつ適正に行
うことができるなどの極めて優れた効果を奏する。
【0319】したがって、本発明の下糸糸巻き装置付き
ミシンによれば、釜からボビンを取り外すことなくボビ
ンに下糸を供給することができるとともに、縫製動作お
よび糸巻き動作を安全かつ適正に行うことができるとい
う極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの実
施形態の一例を示す外観斜視図
【図2】 水平釜近傍の要部の構成を示す斜視図
【図3】 水平釜近傍の要部の構成を示す一部切断断面
【図4】 外釜近傍の要部の構成を示す分解図
【図5】 下糸張力手段を示す斜視図
【図6】 内釜の底部近傍を示す平面図
【図7】 ボビンを示す縦断面図
【図8】 図7の平面図
【図9】 糸保持部材の要部を示す平面図
【図10】 図9の正面図
【図11】 図9の一部拡大平面図
【図12】 糸保持部材表出手段の要部を示す斜視図
【図13】 針板近傍の要部を示す斜視図
【図14】 ボビン駆動部材移動手段の要部を示す斜視
【図15】 回転伝道機構の他例の構成を示す説明図
【図16】 専用下糸繰出機構の一例および糸保持部材
に対する下糸専用糸の保持状態を示す説明図
【図17】 上糸繰出機構の一例の要部の構成を示す説
明図
【図18】 針棒上下機構及び天秤上下機構を示す斜視
【図19】 糸巻き径検出手段の一例の要部の構成を示
す斜視図
【図20】 図19の平面図
【図21】 操作部の一例の要部の構成を示す説明図
【図22】 専用下糸保持検出手段の一例の要部の構成
を示す正面図
【図23】 図22のY−Y線に沿った側断面図
【図24】 図22のZ−Z線に沿った側断面図
【図25】 布送り機構の一例の要部の構成を示す斜視
【図26】 図25の要部の正面図
【図27】 制御手段の要部の構成の一例を示すブロッ
ク図
【図28】 下糸の糸巻き量を示す説明図
【図29】 下糸の限界糸巻き回数を示す説明図
【図30】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
初期状態を示す要部の正面図
【図31】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
糸保持部材がミシン外部に突出した状態を示す要部の斜
視図
【図32】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
糸保持部材がミシン外部に突出した状態を示す要部の正
面図
【図33】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
下糸専用糸の糸巻き動作の前進開始前状態を示す図30
と同様の図
【図34】 図33につづく前進状態を示す図30と同
様の図
【図35】 図34の平面図
【図36】 図34につづく糸巻き可能状態を示す図3
0と同様の図
【図37】 図36につづく下糸捕捉可能状態を示す図
30と同様の図
【図38】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
糸巻き動作終了後の下糸専用糸の下糸張力手段への糸掛
け動作および下糸専用糸の切断動作の糸捕捉フックと下
糸専用糸との位置関係を示す要部の説明図
【図39】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
糸掛け動作および切断動作における途中経過を示す要部
の斜視図
【図40】 図39につづく途中経過を示す図39と同
様の図
【図41】 図40につづく途中経過を示す図39と同
様の図
【図42】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
糸保持部材が上糸を捕捉した上糸捕捉状態を示す説明図
【図43】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
糸保持部材が捕捉した上糸の糸端の切断動作を示す説明
【図44】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
下糸検出手段の要部の構成を示す平面図
【図45】 下糸検出手段の反射型光センサのセンサ出
力および主軸センサの出力信号を示す線図
【図46】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
ボビンの回転状態とボビンに巻回された下糸の有無の判
別を説明するフローチャート
【図47】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
残り糸の消費を説明するフローチャート
【図48】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
上糸無しと下糸無しとの判別を説明するフローチャート
【図49】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
自動糸巻きモードと手動糸巻きモードの選択の一例を説
明するフローチャート
【図50】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
自動糸巻きモードモードと手動糸巻きモードの選択の他
例を説明するフローチャート
【図51】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
自動再スタートモードと手動再スタートモードの選択を
説明するフローチャート
【図52】 本発明に係る下糸糸巻き装置付きミシンの
異常検出を説明するフローチャート
【図53】 本発明の実施の形態の例に係る上軸クラッ
チ機構を示す斜視図
【図54】 同縫製作動時の上軸クラッチ機構及び針振
り駆動機構を示す側面図
【図55】 同上軸クラッチを切り離して針棒と天秤を
切り外すためにステッピングモータを駆動した状態を示
す側面図
【図56】 同上軸クラッチ機構を切り離して上軸を上
位置で停止した状態を示すの側面図
【符号の説明】
1 下糸糸巻き装置付きミシン 1d ミシン脚柱部 2 針棒 3 針 4 (釜としての)水平釜 7 外釜 7d レース面 7e 外釜底部 11 ボビン駆動部材 14 ボビン駆動ギア 14A ボビン駆動摩擦車 16 外釜底板 17 ギア孔 18 内釜 18a 吸着体 22 ボビン 23 ボビン収納穴 24 ボビン着脱用凹溝 25 下糸張力手段 27 糸導入口 35 ボビン従動ギア 35A ボビン従動摩擦車 36 ボビン中心軸 37 上フランジ 38 下フランジ 39 スリット 39a 開口 39b 底部 41 (糸捕捉部としての)凹溝 42 剣先 48 糸保持部材 50 取付部 53 糸保持部材移動手段 56 糸端切断刃 58 糸位置規制部 59 上方糸保持部 60 上方糸係止部 63 糸保持捕捉先端 70 上糸用後方保持部 73 専用下糸用後方保持部 93 制御手段 94 ボビン駆動部材移動手段 110 専用下糸繰出機構 111 下糸糸駒 119 上糸張力付与装置 120 上糸繰出機構 138 糸ゆるめ手段 140 針棒切外し機構 160 糸巻き径検出手段 168 下糸糸駒装着部 170 操作部 180 専用下糸保持検出手段 190 CPU 191 メモリ 200 縫いデータ記憶部 210 (ボビン回転被検出部としての)反射テープ 211 反射型光センサ 214 下糸検出手段 215 ボビン回転状態検出手段 217 刺繍装置センサ 221 上糸検出手段 228 安全確保手段 238 スタート/ストップスイッチ 239 刺繍枠 240 刺繍装置(補助部品) 261 糸保持部材表出手段 277 (糸保持部材表出駆動手段としての)突出部 296 専用糸張力付与手段 310 布送り機構 313 上下送り機構 327 ソレノイド 330 駆動力伝達手段 332 (圧接部材としての)磁性体 340 回転伝道機構 410 上軸クラッチ機構 416 上軸 418 ベルト 422 天秤 424 上軸プーリ 426 上軸切離しカム 428 カム側係合部 430 プーリ側係合部 432 圧縮コイルばね 434 アクチエータ 434A 接触部材 436 傾斜カム面 440 針振り機構 442 針振り駆動機構 448A リンクギヤ 456 天秤クランク(往復部材) S 縫製物 US 上糸 DS 下糸 EDS 下糸専用糸
フロントページの続き Fターム(参考) 3B150 AA03 AA07 AA15 CA03 CB03 CB04 CD01 CD06 CD07 CE01 CE03 CE15 CE22 CE23 CE27 DG03 DG08 DG15 DG16 FD02 FD09 FF04 FH02 FH03 FK02 FK04 FK06 GD04 GD26 HA05 HA10 JA02 JA11 JA18 JA28 JA31 JA32 LA52 LA56 LA85 LA88 LB01 LB02 NA09 NA52 NA71 NB01 NB02 NB14 QA04 QA06 QA07 QA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、ミシンモータで駆動される下軸から、針棒
    及び天秤を上下方向へ往復運動させる往復部材までの間
    に配置された複数の連結部材の間に配置され、縫製動作
    時に連結部材を連結させ、下糸糸巻き作動時に連結部材
    を切り離して前記天秤及び針棒に取着した針の上下方向
    への往復運動を停止させ前記針を上方に保持可能な上軸
    クラッチ機構と、ボビン中心軸の両端部に相互に対向す
    るように配設された上フランジおよび下フランジを具備
    し、前記上フランジには外周縁に開口を備えたスリット
    が形成され、前記ボビン中心軸の外周面に下糸が巻回さ
    れるボビンと、前記ボビンを自由回転可能に収納する内
    釜、およびこの内釜を内方で非回転支持するとともに上
    軸と同期して回転し、上糸を捕捉する剣先を設けた外釜
    を具備する水平釜と、糸巻き動作時に前記ボビンを回転
    駆動するボビン駆動部材と、圧接部材を備え、この圧接
    部材により前記外釜に摺動可能に係止して前記外釜の回
    転を前記ボビン駆動部材に伝達する駆動力伝達手段と、
    糸巻き動作時に前記ボビンに下糸として供給される上糸
    および下糸専用糸の何れか一方の糸端近傍が保持または
    捕捉可能とされ、常時は先端部が前記外釜の外周面近傍
    に退避し、糸巻き動作時には先端部が前記ボビンの上方
    に進入可能に形成した糸保持部材とを有し、前記駆動力
    伝達手段は、糸巻き動作時に前記外釜と一体回転すると
    ともに、糸巻き動作時に供給側に位置する下糸に前記圧
    接部材の圧接力を越える過負荷が加わった場合に前記外
    釜とスリップするように形成したことを特徴とする下糸
    糸巻き装置付きミシン。
  2. 【請求項2】 前記圧接部材は、前記外釜に磁性体の磁
    力により吸引可能に形成したことを特徴とする請求項1
    に記載の下糸糸巻き装置付きミシン。
  3. 【請求項3】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、ミシンモータで駆動される下軸から、針棒
    及び天秤を上下方向へ往復運動させる往復部材までの間
    に配置された複数の連結部材の間に配置され、縫製動作
    時に連結部材を連結させ、下糸糸巻き作動時に連結部材
    を切り離して前記天秤及び針棒に取着した針の上下方向
    への往復運動を停止させ前記針を上方に保持可能な上軸
    クラッチ機構と、ボビン中心軸の両端部に相互に対向す
    るように配設された上フランジおよび下フランジを具備
    し、前記上フランジには外周縁に開口を備えたスリット
    が形成され、前記ボビン中心軸の外周面に下糸が巻回さ
    れるボビンと、前記ボビンを自由回転可能に収納する内
    釜、およびこの内釜を内方で非回転支持するとともに上
    軸と同期して回転し、上糸を捕捉する剣先を設けた外釜
    を具備する水平釜と、糸巻き動作時に前記ボビンを回転
    駆動するボビン駆動部材と、少なくとも糸巻き動作時に
    下糸として供給される上糸の糸端近傍が捕捉可能とさ
    れ、常時は先端部が前記外釜の外周面近傍に退避し、糸
    巻き動作時には先端部が前記ボビンの上方に進入可能に
    形成した糸保持部材と、前記糸保持部材の先端部分に一
    体形成され糸巻き動作時に下糸として供給される上糸の
    糸端を糸巻き動作時の前記ボビンの回転によって切断可
    能な糸端切断刃と、を有することを特徴とする下糸糸巻
    き装置付きミシン。
  4. 【請求項4】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、ボビン中心軸の両端部に相互に対向するよ
    うに配設された上フランジおよび下フランジを具備し、
    前記上フランジには外周縁に開口を備えたスリットが形
    成され、前記ボビン中心軸の外周面に下糸が巻回される
    ボビンと、前記ボビンを自由回転可能に収納する内釜、
    およびこの内釜を内方で非回転支持するとともに上軸と
    同期して回転し、上糸を捕捉する剣先を設けた外釜を具
    備する水平釜と、糸巻き動作時に前記ボビンを回転駆動
    するボビン駆動部材と、糸巻き動作時に前記ボビンに下
    糸として供給される上糸および下糸専用糸の何れか一方
    の糸端近傍が保持または捕捉可能とされ、常時は先端部
    が前記外釜の外周面近傍のミシン脚柱部側に退避し、糸
    巻き動作時には先端部がミシン脚柱部側から前記ボビン
    の上方に進入可能に形成した糸保持部材と、を有するこ
    とを特徴とする下糸糸巻き装置付きミシン。
  5. 【請求項5】 前記内釜の軸心部に前記ボビンを収納す
    るボビン収納穴を形成するとともに、このボビン収納穴
    の周面の一部に前記ボビンを前記ボビン収納穴から容易
    に着脱するためのボビン着脱用凹溝を形成し、糸巻き動
    作時に前記糸保持部材が前記ミシン脚柱部側から前記ボ
    ビン着脱用凹溝に進入可能に形成したことを特徴とする
    請求項4に記載の下糸糸巻き装置付きミシン。
  6. 【請求項6】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、ボビン中心軸の両端部に相互に対向するよ
    うに配設された上フランジおよび下フランジを具備し、
    前記上フランジには外周縁に開口を備えたスリットが形
    成され、前記ボビン中心軸の外周面に下糸が巻回される
    ボビンと、前記ボビンを自由回転可能に収納する内釜、
    およびこの内釜を内方で非回転支持するとともに上軸と
    同期して回転し、上糸を捕捉する剣先を設けた外釜を具
    備する水平釜と、糸巻き動作時に前記ボビンを回転駆動
    するボビン駆動部材と、少なくとも糸巻き動作時に供給
    される下糸専用糸の糸端近傍が保持可能とされ、常時は
    先端部が前記外釜の外周面近傍に退避し、糸巻き動作時
    には先端部が前記ボビンの上方に進入可能に形成した糸
    保持部材と、前記糸保持部材に一体形成され、糸巻き動
    作時に前記ボビンに供給する下糸専用糸に張力を付与す
    る専用糸張力付与手段と、を有することを特徴とする下
    糸糸巻き装置付きミシン。
  7. 【請求項7】 釜からボビンを取り外すことなくボビン
    に下糸を供給することのできる下糸糸巻き装置付きミシ
    ンにおいて、ボビン中心軸の両端部に相互に対向するよ
    うに配設された上フランジおよび下フランジを具備し、
    前記上フランジには外周縁に開口を備えたスリットが形
    成され、前記ボビン中心軸の外周面に下糸が巻回される
    ボビンと、前記ボビンを自由回転可能に収納する内釜、
    およびこの内釜を内方で非回転支持するとともに上軸と
    同期して回転し、上糸を捕捉する剣先を設けた外釜を具
    備する水平釜と、糸巻き動作時に前記ボビンを回転駆動
    するボビン駆動部材と、糸巻き動作時に前記ボビンに下
    糸として供給される上糸および下糸専用糸の何れか一方
    の糸端近傍が保持または捕捉可能とされ、常時は先端部
    が前記外釜の外周面近傍に退避し、糸巻き動作時には先
    端部が前記ボビンの上方に進入可能に形成した糸保持部
    材とを有し、前記ボビン駆動部材と前記外釜とをそれぞ
    れの回転中心が同軸上に位置するように形成し、前記内
    釜に収納された前記ボビンと前記外釜とをそれぞれの回
    転中心がそれぞれの回転中心の延長線上で相互に平行に
    位置するように形成し、前記ボビン駆動部材と前記ボビ
    ンとを回転伝動機構により接離可能に形成したことを特
    徴とする下糸糸巻き装置付きミシン。
  8. 【請求項8】 前記回転伝動機構は、前記ボビン駆動部
    材の一端部に設けられたボビン駆動ギアと、前記下フラ
    ンジの一端面に設けられ前記ボビン駆動ギアと噛合可能
    なボビン従動ギアとを有することを特徴とする請求項7
    に記載の下糸糸巻き装置付きミシン。
  9. 【請求項9】 前記回転伝動機構は、前記ボビン駆動部
    材の一端部に設けられたボビン駆動摩擦車と、前記下フ
    ランジの一端面に設けられ前記ボビン駆動ギアと摩擦接
    続可能なボビン従動摩擦車とを有することを特徴とする
    請求項7に記載の下糸糸巻き装置付きミシン。
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