JP2002292168A - 加工装置及びそのための記憶媒体 - Google Patents

加工装置及びそのための記憶媒体

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JP2002292168A
JP2002292168A JP2001099259A JP2001099259A JP2002292168A JP 2002292168 A JP2002292168 A JP 2002292168A JP 2001099259 A JP2001099259 A JP 2001099259A JP 2001099259 A JP2001099259 A JP 2001099259A JP 2002292168 A JP2002292168 A JP 2002292168A
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cassette
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thread
processing cassette
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Akira Terao
晃 寺尾
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    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B65/00Devices for severing the needle or lower thread
    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B69/00Driving-gear; Control devices
    • D05B69/22Devices for stopping drive when sewing tools have reached a predetermined position

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  • Textile Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 刺繍枠4と加工カセット5との間に繋がる糸
を切断してから確実に刺繍枠4を装置本体から取り出し
できるようにする。 【解決手段】 前面板の表面側に枢支された揺動アーム
の先端部に横向き突設したピン軸に、加工カセット5の
角部近傍に形成された係合溝を被嵌する一方、揺動アー
ムに回動可能に設けた係合部材の先端を加工カセット後
端側の係合部に係合して姿勢保持し、前面板に枢支した
操作部材にて係合解除する。前面板の裏面側に配置した
糸切断手段を操作部材による加工カセットの係合解除操
作に連動させる。糸切断完了後の操作部材の動きで、前
面板に設けたリミットスイッチ170 の信号をONからO
FFに変化させた後(S23)、刺繍枠4の取り出しが
必要なときには(S24:yes )、刺繍枠4 を取り出し
可能位置まで前進させる(S25)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は縫製加工用の加工カ
セットを着脱可能に装着できる加工装置及びそのための
記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ミシン等の縫製装置では、上糸を
通した縫針が昇降駆動され、その縫針が糸捕足機構や天
秤機構や糸調子機構等と協働して縫製が行われる。通
常、縫針を下端部に装着した針棒が縫製装置本体に上下
動可能に装着され、この縫針に上糸を供給する糸供給源
として、縫製装置本体に交換可能に装着される糸駒が使
用される。
【0003】それ故、家庭用のミシン等、縫製装置本体
に装着した1本の針棒が上下動して縫製を行う縫製装置
では、縫製に供する糸駒の上糸が消費された場合や、カ
ラフルな模様を縫製するために上糸の色を替える場合
に、糸駒を交換すると共に、その都度、糸駒から延びる
上糸を縫製装置本体の複数の糸掛部に掛けてから針孔へ
通す作業が必要となる。
【0004】一方、糸駒(更には縫針)を装備した縫製
用カートリッジ(縫製用カセット)を設け、この縫製用
カートリッジを縫製装置本体に着脱可能に装着して布に
縫製を施すことができる種々の縫製装置が実用に供され
ている。この種の縫製装置では、縫製に供する糸駒の上
糸が消費された場合や、カラフルな模様を縫製するため
に上糸の色を替える場合に、縫製装置本体に装着する縫
製用カートリッジ(糸駒)を容易に交換し行うことがで
きるため有効である。
【0005】ところで、最近では、ハンディな小型軽量
の縫製装置や縫製機器も市販されているが、近い将来、
子供等でも取り扱いが容易な刺繍機能のある縫製装置が
実用に供されるものと想定される。そのような場合、簡
単に糸色(糸駒)を交換できるように、前記縫製用カー
トリッジを備えた縫製装置の適用が考えられるが、糸色
(糸駒)の交換をより一層簡単に行えるように改善する
余地はある。
【0006】前記要望に応えるため、本出願人は、先に
特願2000−201244号の出願において、糸駒を
収容した縫製用カートリッジ(加工カセット)を縫製装
置本体に対して着脱可能に構成したものを提案した。即
ち、加工カセットは、略直方体状のケース本体内に糸駒
を配置し、前記ケース本体の外周一側面(厚さ方向の側
面)から縫針(中空針)と布押え兼用の針カバーとを突
出させてなり、前記縫針が突出する側面と直交する側面
に、横向きU字状に開口した係合溝を凹み形成してなる
ものである。
【0007】そして、縫製装置本体のうち揺動アームの
側面から横向きに突出させたピン軸の係合部に前記係合
溝を被嵌した状態で、当該加工カセットのケース本体の
他側面を、前記揺動アームに回動可能に設けられた略Z
字状の係合部材の一端に係合させて縫製可能な姿勢に保
持する一方、縫製装置本体には、前記加工カセットの縫
針の進退方向と略直交する平面状に被加工物を張設した
取付け枠としての刺繍枠を、当該平面の2方向に移動す
るように枠移動機構を駆動させ、縫製制御手段(電子制
御手段)にて所定の模様を刺繍するように前記揺動アー
ムを昇降駆動制御することを提案した。
【0008】ところで、刺繍作業を終了したとき加工カ
セットを取り外す一方、刺繍枠を縫製装置から取り外す
必要がある。その場合、加工カセットから延びる糸を糸
切断機構にて切断し易いように、前記刺繍枠を予め、縫
製装置本体の奥側の所定位置にセットしてから切断する
が、そのままでは、縫製装置本体から刺繍枠を取り外す
作業が困難であったから、刺繍枠を縫製装置本体の外側
に強制移動させる必要があった。
【0009】他方、前記模様の適宜部分の色を変えて刺
繍するため、縫製作業の途中で、色違いの糸を収納した
加工カセットと交換する場合にも、加工カセットから延
びる糸を糸切断機構にて切断する必要がある。但し、刺
繍枠を取り出す必要はない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
行技術では、前記揺動アームに装着した加工カセットの
取外しのための係合解除操作と、糸切り操作とを1つの
操作部材にて連動させて実行していたから、糸切断操作
の有無判断のみで、刺繍枠を縫製装置本体の外側に強制
移動させると、前述の刺繍作業終了時との誤作動のおそ
れがあった。それ故、刺繍枠の取り出し指令は別途のス
イッチ等にて実行するようしていた。
【0011】また、ユーザーが、縫製作業途中に誤っ
て、前記操作部材を操作してしまうと、加工カセットが
揺動アームから外れる方向に姿勢変更されてしまい、縫
針等の破損や縫製の不良が発生するという問題があっ
た。
【0012】本発明は、前記問題を解決すべくなされた
ものであって、加工装置本体に着脱可能に装着された被
加工物の取付け枠を容易に取り出し易くすること、及び
加工カセットの取外しと糸切断手段を作動させた後のタ
イミングで、確実に刺繍枠の取外し作業できるような制
御を実行できる加工装置及びそのための記憶媒体を提供
することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明の加工装置は、縫製加工用の
上下動する針または糸駒を収納可能に構成された加工カ
セットに対して被加工物が取付けられた取付け枠を交差
する方向に移動させつつ当該被加工物に縫製加工を施す
ように構成された加工装置において、前記加工カセット
の取付けの有無または取付け姿勢を検出する検出手段
と、前記取付け枠を移動させるための枠駆動手段と、縫
製制御手段とを備え、該縫製制御手段は、少なくとも前
記検出手段の検出信号により前記枠駆動手段を駆動させ
て前記取付け枠を取り出し可能位置に復帰させるように
制御することを特徴とするものである。
【0014】そして、請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の加工装置において、前記加工装置本体に回動
可能に装着した揺動アームには、前記加工カセットを着
脱可能に係合する係合手段を備え、前記加工装置本体に
は、前記係合手段を加工カセットの係合解除方向に操作
する操作部材を備え、前記検出手段は、前記操作部材の
操作位置を検出するものであり、前記縫製制御手段は、
縫製作業中に、前記検出手段の検出信号が加工カセット
の係合解除位置と判断したときには、縫製動作を中断す
るように制御するものである。
【0015】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の加工装置において、前記加工カ
セットの近傍に配置する糸切断手段と、該糸切断手段を
作動させる作動手段とを備え、前記操作部材による加工
カセットの係合解除方向への操作に連動して、前記作動
手段を糸切断方向に回動駆動するように構成する一方、
前記縫製制御手段は、前記取付け枠取外しを指示すると
きには、当該取付け枠を前記取り出し可能位置に復帰さ
せるように制御するものである。
【0016】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至請求項3のいずれかに記載の加工装置において、
前記加工装置本体に揺動アームを回動可能に装着し、該
揺動アームに固定されて加工カセットを回動自在に支持
する係合部と移動可能な係合部材とにより前記加工カセ
ットを着脱可能に装着し、前記係合部材を加工カセット
の係合解除方向に操作されるべく、前記操作部材を関連
させると共に、前記操作部材による加工カセットの係合
解除方向への操作に連動して、前記糸切断手段を作動さ
せる駆動レバーを糸切断方向に回動駆動するように構成
したものである。
【0017】請求項5に記載の発明の加工装置のための
記憶媒体は、縫製加工用の上下動する針または糸駒を収
納可能に構成された加工カセットに対して被加工物が取
付けられた取付け枠を交差する方向に移動させつつ当該
被加工物に縫製加工を施すように構成された加工装置の
ためのコンピュータで読取り可能な記憶媒体であって、
前記加工カセットの取付けの有無または取付け姿勢を検
出する検出手段と、前記取付け枠を移動させるための枠
駆動手段とに電気的に接続可能な制御手段に用いられ、
前記検出手段の検出信号により、前記制御手段が前記枠
駆動手段を駆動させて前記取付け枠を取り出し可能位置
に復帰させるためのコンピュータプログラムを記憶して
いることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体化した実施の
形態について図面を参照して説明する。図1に示すよう
に、本実施形態の縫製装置1(加工装置)は、コントロ
ーラ7を含むデータ供給手段としての家庭用ゲーム機6
に接続ケーブルを介して接続し、そのゲーム機6を使用
して表示手段としてのディスプレイ8の画面(家庭用テ
レビ)を見ながら選択・編集した刺繍模様を所定の布
(被加工物)に縫製加工を施して形成するものである。
尚、図1の前後左右を前後左右として説明する。
【0019】図1及び図2に示すように、縫製装置1
は、縫製装置本体2(加工装置本体)と、この縫製装置
本体2に前後方向へスライド可能に装着されている安全
カバー3と、縫製装置本体2に着脱可能に装着される刺
繍枠4及び縫製用カートリッジ5(以下、加工カセット
という)等で構成されている。取付け枠としての刺繍枠
4に縫製に供する被加工物としての布70が張設して取
付けられている。加工カセット5には、その布70を貫
通可能な縫製用の針としての中空針81(加工針)等が
装備されている。
【0020】先ず、縫製装置本体2について説明する。
図2〜図4に示すように、縫製装置本体2は、ケーシン
グ10と、布70を取付けた刺繍枠4をキャリッジ18
に取付けて加工カセット5の中空針81に対して水平方
向へ移動させる刺繍枠駆動機構11と、加工カセット5
を揺動アーム40に着脱可能に取付けて上下に揺動駆動
するカートリッジ駆動機構12(以下カセット駆動機構
という)と、刺繍枠駆動機構11とカセット駆動機構1
2を制御する制御装置(図示せず)を備えている。
【0021】前記ケーシング10は、比較的小型の直方
体(例えば、縦130mm 、横165mm 、高さ70mm)状に形成
され、その内部に、刺繍枠駆動機構11及びカセット駆
動機構12の主要部と制御装置(図示せず)が収容され
ている。但し、ケーシング10には、その左端から左右
長の約2/3部分、前端から前後長の約1/4部分、上
端から上下長の約1/2部分を直方体状に切欠いた切欠
き空間10aが形成されている。尚、この切欠き空間1
0aの右側において、ケーシング10の上壁部10d
は、後述の操作部材44bを操作できるように、切欠き
空間10a側から切欠かれている。
【0022】この切欠き空間10aを形成するケーシン
グ10の前面壁10bの下端部には、刺繍枠駆動機構1
1のキャリッジ18に装着された刺繍枠4を水平方向へ
移動させる為のスリット10cが左右方向向きに形成さ
れている。切欠き空間10aを形成するケーシング10
の側壁部には、カセット駆動機構12の揺動アーム40
を上下揺動可能にケーシング10の内部から切欠き空間
10a側へ突出させるスリット(図示略)が上下方向の
向きに形成されている。
【0023】ケーシング10の上壁部10dには、前方
凸形のガイド上面部10eが段上がり状に形成され、こ
のガイド上面部10eの右側に、制御装置(図示せず)
に電気的に接続された電源スイッチ15と縫製の開始と
終了を指令する指令手段としてのスタート/ストップス
イッチ16が設けられている。これらスイッチ15,1
6の上端面は、上壁部10dの上面の高さ位置と一致或
いは少し下方に位置している。
【0024】ガイド上面部10eの前側において、揺動
アーム40への加工カセット5の着脱(後で詳述する)
を可能にするために、ガイド上面部10eの前端は、加
工カセット5の左右幅よりも長く、揺動アーム40に装
着した状態の加工カセット5の後ろ左側まで延びてい
る。
【0025】ケーシング10の左右の両側の各側壁部1
0fには、ガイド溝10g,10hが前後方向向きに形
成されている。ガイド溝10gの上下幅はガイド溝10
hの上下幅よりも小さく、そのガイド溝10gにはケー
シング10の前後方向略中央位置において側方へ突出す
る係止ブロック片67が固定されている。但し、切欠き
空間10aがある関係上、左側壁部10fとそのガイド
溝10g,10hの前後長は、右側壁部10fとそのガ
イド溝10g,10hの前後長よりも短い。
【0026】前記刺繍枠駆動機構11は、図2、図3、
図5に示すように、刺繍枠4を着脱可能に装着するキャ
リッジ18と、このキャリッジ18を水平面内において
X方向(左右方向)へ駆動するX方向駆動機構20と、
このX方向駆動機構20と共にキャリッジ18を水平面
内においてX方向と直交するY方向(前後方向)へ駆動
するY方向駆動機構30とで構成されている。
【0027】キャリッジ18は、刺繍枠4の後端支持部
4aを係脱可能な係合部18aと、係合部18aの下側
から後方へ延びる案内板18bを有し、刺繍枠4を着脱
する際には揺動アーム40の下方に位置している。X方
向駆動機構20の可動フレーム21には、その後部に左
右方向向きのガイド部21aが形成され、前部に左右方
向向きのガイドロッド22が設けられ、これらガイド部
21aとガイドロッド22に、キャリッジ18が左右方
向へ移動自在にガイド支持されている。
【0028】X方向駆動機構20は、可動フレーム2
1、ガイドロッド22、スクリュー軸23、パルスモー
タ24、ガイドピン25を有する。可動フレーム21は
上方を開放した略箱形に形成され、その両側壁部にガイ
ドロッド22の両端部が支持されている。スクリュー軸
23は可動フレーム21の内部において左右方向向きに
伸長して配設され、その左端部が可動フレーム21の左
壁部に回転自在に支持されている。パルスモータ24は
可動フレーム21の右壁部の右側に固定され、その出力
軸がスクリュー軸23の右端部に直結されている。
【0029】キャリッジ18の案内板18bがスクリュ
ー軸23の上側に配設され、その案内板18bにガイド
ピン25が下方突出状に固定されて、スクリュー軸23
の螺旋溝に摺動自在に係合している。パルスモータ24
によりスクリュー軸23が回動されると、その螺旋溝に
ガイドピン25がガイドされて左右に移動するため、キ
ャリッジ18がX方向に移動駆動される。
【0030】Y方向駆動機構30は、支持フレーム3
1、2本のガイドロッド32,33、スクリュー軸3
4、パルスモータ35、ガイドピン36を有する。支持
フレーム31は側面視にて略凹形に形成され、その前後
両壁部に前後方向向きのガイドロッド32,33の両端
部が支持されている。そして、これらガイドロッド3
2,33に、X方向駆動機構20の可動フレーム21が
前後方向へ移動自在にガイド支持されている。
【0031】スクリュー軸34は前後方向向きに伸長し
て配設され、その後端部が支持フレーム31の後壁部に
回転自在に支持されている。パルスモータ35は支持フ
レーム31の前壁部の前側に固定され、その出力軸がス
クリュー軸34の前端部に直結されている。ガイドピン
36は可動フレーム21に下方突出状に固定され、スク
リュー軸34の螺旋溝に摺動自在に係合している。パル
スモータ35によりスクリュー軸34が回動されると、
その螺旋溝にガイドピン36がガイドされ前後に移動す
るため、可動フレーム21と共にキャリッジ18がY方
向に移動駆動される。尚、Y方向駆動機構30はX方向
駆動機構20の下方に配置されている。
【0032】ここで、刺繍枠駆動機構11により、キャ
リッジ18に取付けた刺繍枠4を移動させることができ
る移動領域は、図3に示す領域38となり、その移動領
域38の略中央位置に、縫製装置本体2に装着された加
工カセット5の中空針81が位置する。但し、縫製装置
本体2の前部に加工カセット5が装着されるため、この
移動領域38の前部はケーシング10の外部へはみ出し
ている。このように、X方向駆動機構20とY方向駆動
機構30を上下に配置し、キャリッジ18の移動領域3
8の下方に何れかの駆動機構が配置されるので、縫製装
置本体2を小型化することができる。
【0033】前記カセット駆動機構12は、図3及び図
4に示すように、加工カセット5を着脱可能な揺動アー
ム40と、揺動アーム40を上下に揺動駆動する駆動源
としてのACモータであるミシンモータ45と、ミシン
モータ45の回転速度を減速するギヤ機構50と、ギヤ
機構50により減速された回転運動を揺動アーム40の
上下揺動運動に変換するカム機構55等を有する。
【0034】揺動アーム40は、図14〜図22に示す
ように、左右方向に長いアーム部40aと、上下方向に
長いレバー部40bを一体形成して構成され、ケーシン
グ10の前部側の略右半部に配設されている。レバー部
40bの途中部が、縫製装置本体2から上向きに突出す
る縦板としての前面板19に対してブラケット41aを
介して支持された枢支軸41bに枢支され、揺動アーム
40のうち、アーム部40aの大部分が切欠き空間10
a側へ突出し、その他の部分がケーシング10の内部に
収容されている。
【0035】アーム部40aには、その左端部において
加工カセット5を回転自在に支持するための係合部とし
て、前後方向向きのピン軸状の係合ピン42(支持部)
が前方突出状に固定され、該係合ピン42の先端側には
カセット取外し姿勢付与手段160が装着されている
(図14、図15及び図16参照)。そして、係合ピン
42の右側において前後方向向きのロック解除ピン43
が前方突出状に固定され、ロック解除ピン43の右側に
おいて係合ピン42に枢支された加工カセット5を縫製
可能な位置(図16等参照)に回転規制する係合部材4
4a(回転規制部材)が回動自在に支持されている。加
工カセット5が揺動アーム40に装着されると、ロック
解除ピン43が図8に示す開口86fにその下側から入
り込み、そのロック解除ピン43が入力部100cのテーパ
部100eに係合して、移動禁止部材100 を捩じりバネ100d
の付勢力に抗してロック位置からロック解除位置へ回動
させて針カバー84のロックを解除する。
【0036】前記係合ピン42は、アーム部40aに近
い根元側の細径のピン軸42aと、自由端側の大径部4
2bとから構成されている(図14参照)。
【0037】カセット取外し姿勢付与手段160の実施
形態は、図14、図15、図17及び図18に示すよう
に、左右一対の合成樹脂製の姿勢付与体161、162
と捩じりばね163と、姿勢保持体164とから構成さ
れている。右の姿勢付与体162の基板162aに設け
たボス部162bが前記係合ピン42の先端軸42cに
回動可能に被嵌し、左の姿勢付与体161は、その基板
161aに設けたボス部161bが、前記ボス部162
bの外周に対して相対的に回動可能に被嵌するように構
成されている。左の姿勢付与体161の基板161aか
ら後向きに突出した支持ピン161cは加工カセット5
の縦方向の側面に当接し、右の姿勢付与体162の基板
162aから後向きに突出した支持ピン162cは加工
カセット5の下側面に当接するように構成されている。
【0038】さらに、左の姿勢付与体161の基板16
1aから前向きに突出したストッパーピン161dと、
右の姿勢付与体162の基板162aから前向きに突出
したストッパーピン162dとの両内側に、前記先端軸
42cに固定した前記姿勢保持体164における間隔保
持片164aを臨ませる一方、前記両ストッパーピン1
61d、162dの両外側に、前記捩じりばね163の
両係止部を押し当てて、左右の姿勢付与体161、16
2の姿勢(係合ピン42に対する左右両側の支持ピン1
61c、162cのなす角度)が係合ピン42の回りに
相対的に回動可能であると共に、このカセット取外し姿
勢付与手段160に装着された加工カセット5が、前記
係合ピン42の箇所を最下位置とし、加工カセット5の
右側が尻上がり状に撥ね上げられた傾斜姿勢を保持でき
るように構成されている(図19等参照)。
【0039】揺動アーム40の後側には、縫製装置本体
2の機枠と一体の前面板19が、機枠の右部から立ち上
がり左方へ延びるように設けられ、この前面板19の前
部側に、係合部材44aを反時計回り方向へ回動操作す
る為の操作部材44bが支持軸44eを中心にして回動
操作可能に支持されている。但し、この操作部材44b
の支持軸44eには捩じりバネ44dが外装され、その
一端が前面板19に付設の固定部材に受止められ、他端
が操作部材44bの左端部に受止められている。更に、
前面板19には、操作部材44bを手動操作時以外で回
動規制する図示外の規制部材が設けられ、操作部材44
bが略水平方向に保持された状態で支持されるようにな
っている。
【0040】尚、係合ピン42、ロック解除ピン43、
係合部材44a、操作部材44b等は、揺動アーム40
への加工カセット5の装着と、揺動アーム40からの加
工カセット5の取外しを行う為の部材である。
【0041】そして、揺動アーム40におけるアーム部
40aの先端側が下降して縫製位置にあるとき(換言す
ると、刺繍枠4における布70に中空針81が接近もし
くは突き刺さっている状態では)、操作部材44bの先
端部(回動中心より左側端部)が係合手段としての係合
部材44aの後端部(回動中心より右側端部)に当接不
能に離間しており、逆に図16に示すように、揺動アー
ム40に対して加工カセット5を取外し可能となるよう
に、アーム部40aの先端側が上昇している状態では、
操作部材44bの先端が係合部材44aの後端に当接可
能に接近するように、揺動アーム40の回動中心(枢支
軸41b)の位置と、操作部材44bの回動中心位置
(支持軸44e)とを設定し、また、操作部材44bの
回動中心位置から当該操作部材44bの先端までの長さ
と、係合部材44aの回動中心位置から当該係合部材4
4aの後端までの距離を設定するものである。
【0042】換言すると、揺動アーム40の回動中心
(枢支軸41b)の位置と、操作部材44bの回動中心
位置と、係合部材44aの回動中心位置とは、図16等
に示すごとく、三角形の各頂点に位置し、且つ揺動アー
ム40の回動中心(枢支軸41b)位置から操作部材4
4bの回動中心位置までの距離のほうが、揺動アーム4
0の回動中心(枢支軸41b)の位置から係合部材44
aの回動中心位置までの距離より短くなるように設定
し、さらに、操作部材44bの回動中心位置から係合部
材44aの回動中心位置までの寸法は、他の2辺の寸法
より短く設定する。これにより、揺動アーム40におけ
るアーム部40aの先端側が上向き回動した姿勢では、
係合部材44aの後端が操作部材44bの先端に当接可
能となるように接近するが、揺動アーム40におけるア
ーム部40aの先端側が下向き回動した姿勢(縫製作業
姿勢)では、係合部材44aの後端部が操作部材44b
の先端部に当接不能となるように離間すべく設定するも
のである。
【0043】なお、他の実施形態として、前記揺動アー
ム40に設けた係合ピン42と回動可能な係合部材44
aとにより加工カセット5を係脱できるように構成する
一方、揺動アーム40が縫製可能な位置にあるとき、前
面板19に設けた操作手段としての電磁ソレノイドの突
出片が突出移動し、係合部材44aを回動させて加工カ
セット5が係合解除されるように構成しても良い。
【0044】さらに他の実施形態として、加工カセット
5自体を加工装置本体に対して水平方向から取付けるよ
うに構成すると共に、その加工カセット5は、加工装置
本体に対して上下動せず、加工カセット5を加工装置本
体に対して係脱する係合手段を、他のアクチュエータに
て係合解除できるように構成する一方、加工カセット5
が縫製位置にあることを縫針の上下位置センサにて検知
し、前記アクチュエータを作動させず、前記係合手段に
て加工カセット5の係合状態を保持する、縫針が上方位
置(加工カセット5内に大部分が位置する後退状態では
係合解除する構成であっても良い。
【0045】ミシンモータ45は、支持フレーム31の
前壁部31aの右下部の後側に前向きにして固定されて
いる。ギヤ機構50は、図3に示すように、支持フレー
ム31の前壁部31aの前側に配設されたギヤ51〜5
4からなる。駆動ギヤ51はミシンモータ45の出力軸
に固着され、同軸上に一体的に結合された中間ギヤ5
2,53と大径ギヤ54は前壁部31aに夫々枢支され
ている。駆動ギヤ51と中間ギヤ52とが噛合され、中
間ギヤ53と大径ギヤ54とが噛合されて、ミシンモー
タ45(駆動ギヤ51)の回転速度に対して大径ギヤ5
4の回転速度が減速される。
【0046】カム機構55は、図3、図4に示すよう
に、前壁部31aに枢支されたカム部材56と、揺動ア
ーム40の右下端部に前方突出状に固着されたカム従動
子57とを有し、カム部材56の外周部に前記大径ギヤ
54のギヤ歯が形成されている。カム部材56には後側
からカム溝56aが形成され、このカム溝56aにカム
従動子57が摺動自在に係合している。
【0047】図4に示すように、カム溝56aはカム部
材56の回転中心からの距離を変化させて環状に形成さ
れ、カム部材56が1回転すると、アーム部40aが図
7に示す上限位置と図8に示す下限位置とに亙って1往
復上下に揺動するようになっている。従動子57がカム
溝56aに係合する係合位置とカム部材56の回転軸心
との距離が長い程、従動子57が左方へ位置し揺動アー
ム40のアーム部40aは上方へ位置する。図4はカム
溝56aのうちカム部材56の回転軸心から最も離隔し
た部位にカム従動子57が係合した状態を示し、揺動ア
ーム40のアーム部40aは上限位置に位置している。
【0048】次に、安全カバー3について説明する。図
2に示すように、安全カバー3は、駆動される刺繍枠4
や加工カセット5や揺動アーム40をガードする機能
と、子供等が中空針81により衣類を破損しないように
中空針81と布70の移動領域38を覆う機能と、スタ
ート/ストップスイッチ16を誤操作するのを防止する
機能等を併せ持ったカバーである。この安全カバー3
は、前記刺繍枠4の移動領域38(図3参照)の全体を
覆うことができるカバーであり、縫製時に移動領域38
を覆う縫製用位置と、この縫製用位置から復帰させた梱
包や収納の為の収納用位置(図2参照)とに亙って移動
可能に構成されている。
【0049】この安全カバー3は合成樹脂からなる透明
材料又は半透明材料で構成され、上壁部3aと前面壁3
bと左右の側壁部3cとを有し、下方と後方を開放した
形状に構成されている。安全カバー3の上壁部3aに後
端側から凹形の切欠き部3dが形成され、この切欠き部
3dがケーシング10のガイド上面部10eに前後摺動
自在に係合し、安全カバー3の上壁部3aの下面がケー
シング10の上壁部10dのうちガイド上面部10e以
外の上面に当接可能である。
【0050】安全カバー3の各側壁部3cの後部内側に
は鉛直板60が固定され、この鉛直板60には、上後部
の内側に係合片66が固定され、その下側に係合部60
aが一体的に形成されている。そして、ケーシング10
の各側壁部10fに形成されたガイド溝10gに係合片
66が摺動自在に係合し、ガイド溝10hに係合部60
aが摺動自在に係合している。安全カバー3の右側壁部
3cの前端部分内側には、ガイド溝10gに摺動自在に
係合可能な係合片61が固定されている。
【0051】ここで、安全カバー3を縫製用位置に位置
決めすると共に安全カバー3が装置本体2から離脱しな
いように規制する抜け止め用のストッパ機構65が設け
られている。このストッパ機構65は、安全カバー3の
各側壁部3cに固定された前記ガイド片66と、ケーシ
ング10の各側壁部10fのガイド溝10gに側方へ突
出するように固定された前記係止ブロック片67とを有
し、ガイド片66が係止ブロック片67に係止される
と、安全カバー3が縫製用位置に位置決めされ、これ以
上前方へ移動できないようになる。
【0052】安全カバー3が縫製用位置に切換えられた
状態で、ケーシング10のガイド上面部10eの前端部
と安全カバー3の切欠き部3dとで、加工カセット5の
前後幅と略等しく且つ加工カセット5の左右長よりも長
いカセット取付口68が形成され、このカセット取付口
68から加工カセット5を揺動アーム40に装着するこ
とができる。尚、安全カバー3の上壁部には、前記縫製
用位置において、後述の操作部材44bを上側から操作
可能に開口部が形成されている。
【0053】安全カバー3の上壁部3aの右部にはスイ
ッチ操作穴3eが形成され、安全カバー3が図2の収納
用位置に切換えられた状態で、このスイッチ操作穴3e
が電源スイッチ15と対向し、そのスイッチ操作が可能
となり、電源スイッチ15の前側に設けられたスタート
/ストップスイッチ16の上側は、禁止手段としての安
全カバー3で覆われた状態となるため、スタート/スト
ップスイッチ16の操作が不能となり禁止される。
【0054】安全カバー3が縫製用位置に位置している
ときには、電源スイッチ15は安全カバーの後側に位置
して露出するため、電源スイッチ15の操作も可能とな
る。このように、安全カバー3が縫製用位置にあるとき
にも収納用位置にあるときにも、電源スイッチ15を操
作可能である。尚、電源スイッチ15とスタート/スト
ップスイッチ16とスイッチ操作穴57は、平面視にて
円形で略同じ大きさに形成されている。
【0055】安全カバー3の前面壁3bの下部の左右方
向中央付近部に、刺繍枠4を安全カバー3の内部に挿入
可能な刺繍枠挿入穴3fが形成され、更に、この前面壁
3bには、刺繍枠4を刺繍枠挿入穴3fから安全カバー
3の内部に挿入しキャリッジ18に装着する際に、刺繍
枠4を前後方向にガイドするガイド部材69が前面壁3
bに固定され、前面壁3bから前方へ突出する形状に構
成されている。この刺繍枠挿入穴3fは、前面壁3bの
左右方向の中央部に位置し、キャリッジ18の左右方向
移動範囲における中央位置(移動領域38の左右方向中
央位置)よりも少し右側にずれた位置に設けられてい
る。
【0056】刺繍枠4について説明する。図2、図3、
図5及び図6に示すように、刺繍枠4は矩形枠状のベー
ス枠71と押え枠72からなる。これらベース枠71と
押え枠72の前端部同士が回動自在に連結され、ベース
枠71の後部側に、刺繍枠4をキャリッジ18の係合部
18aに係脱可能な後端支持部4aが一体形成されてい
る。ベース枠71の内縁部付近には、上端面に対して段
落ち状の段部71aが枠状に形成され、この段部71a
に矩形状の特殊な布70の外周部が嵌め込まれ、場合に
よっては両面テープや接着剤等を介して剥離可能に固着
され、押え枠72により押えられて、布70が刺繍枠4
の略全体にピンと張った状態で取付けられている。
【0057】図6に示すように、この特殊な布70は、
例えば、ラミネート加工により、ウレタン製の弾性膜体
73を1対の織布74で挟み込んで形成された多層構造
の弾性を有する布である。刺繍枠4とこの刺繍枠4に予
め取付けられた布70とは複数組用意されている。
【0058】次に、加工カセット5について説明する。
図2、図3、図7〜図13等に示すように、加工カセッ
ト5は、カセット本体80、被加工物としての布70を
貫通可能な加工針としての中空針81、中空針81に供
給される糸Tを巻付けた糸駒82、中空針81の少なく
とも先端部をカバーする針カバー83、中空針81をカ
バーするカバー位置に針カバー83を付勢する付勢手段
としての圧縮コイルバネ84、カバー位置における針カ
バー83の移動を禁止する移動禁止機構85等を備えて
いる。尚、この縫製装置1には、揺動アーム40に着脱
可能な複数の加工カセット5が用意されており、これら
加工カセット5には異なる色の糸が夫々収容され、カラ
フルな刺繍模様を形成できるようになっている。
【0059】カセット本体80はマッチ箱を横向きして
立てたような直方体形状であり、揺動アーム40に装着
された状態で縫製装置本体2に対して可動の可動体部分
としての収容ケース86と、縫製装置本体2に対してほ
ぼ固定の固定体部分としての開閉蓋87を有し、収容ケ
ース86の内部に中空針81及び針カバー83の上側部
分と糸駒82と圧縮コイルバネ84と移動禁止機構85
が収容されている。カセット本体80の右上端部分にお
いて、収容ケース86と開閉蓋87が回動可能に連結さ
れて、収容ケース86に対して開閉蓋87が図10に示
す閉位置と図11に示す開位置とに亙って開閉する。収
容ケース86に対して開閉蓋87を枢支する枢支軸部に
捩じりバネ88が装着され、この捩じりバネ88により
開閉蓋87が閉位置に回動付勢されている。
【0060】また、加工カセット5は、糸駒82を収納
する収納部90(糸収納部)、収納部90に収納された
糸駒82の空転を防止する空転防止機構91、糸駒82
から中空針81へ至る糸Tの途中部に抵抗を付与して糸
Tが中空針81側から収納部90側へ逆流するのを防止
する逆流防止機構92、収容ケース86に対して開閉蓋
87を閉位置で一体的にロックするロック機構93等を
備え、収容ケース86の内部に収納部90と空転防止機
構91とロック機構93のロック部材110 が設けられ、
開閉蓋87の内部に逆流防止機構92とロック機構93
の被係合部87dが設けられている。
【0061】収容ケース86の外周一側部位である下部
左端部には、揺動アーム40における係合部としての係
合ピン42に対して回動可能、且つ着脱自在な係合溝8
6aが、左方からU字形に切欠いて形成されている。こ
の係合溝86aをさらに詳述すると、図14及び図15
に示すように、前記係合ピン42のうち細径のピン軸4
2aに対して回動自在に被嵌する細径溝部86a1が左
方からU字形に切欠いて形成され、この細径溝部86a
1に連設されて、前記係合ピン42における大径部42
bに対して回動自在に被嵌する大径溝部86a2が形成
されている。さらに、前記細径溝部86a1と、加工カ
セット5の収容ケース86の外周面との少なくとも一方
の連設部位86a3(実施形態では上下両方の連設部位
86a3、86a3)をテーパー部等の外拡状に形成す
る。
【0062】そして、加工カセット5が縫製装置本体2
に装着された状態で、この係合溝86aは水平方向(左
方)に開口する。また前記係合溝86aを収容ケース8
6の下部左端部等の角部の近傍に形成するときには、大
径溝部86a2が収容ケース86の外周面の3方向に開
放されるように形成しても良い。これにより、当該大径
溝部86a2を前記大径部42bに対して一層被嵌し易
くなる。
【0063】また、収容ケース86の下部右端部には、
揺動アーム40に付設された係合部材44aが係合可能
となるように凹んだ係合凹所86bが形成されている。
【0064】ここで、揺動アーム40への加工カセット
5の着脱について説明する。加工カセット5を揺動アー
ム40へ装着する際、加工カセット5を左下がりの傾斜
姿勢にして把持し、安全カバー3の前方移動により形成
されたカセット取付口68から挿入して、係合溝86a
を係合ピン42に係合させる。その場合、係合溝86a
における細径溝部86a1と加工カセット5の収容ケー
ス86における外周面との連設部位86a3、86a3
がテーパー状等に外拡状に形成されているので、細径の
ピン軸42aへの被嵌動作を円滑に行える。また、ピン
軸42aの自由端側の大径部42bが前記係合溝86a
における細径溝部86a1に連設した大径溝部86a2
に嵌まるので、加工カセット5がピン軸42aのピン軸
線に沿って横ずれ移動することがなく、所定の位置にき
っちりとセットすることができるという効果を奏する。
【0065】さらに、カセット取外し姿勢付与手段16
0における一方の支持ピン162cが加工カセット5の
下面を支持する一方、他方の支持ピン161cが加工カ
セット5の側面を支持するので、当該加工カセット5を
前記後上がり傾斜状態にてセットできる。このようにし
て、ユーザーが誤った姿勢による加工カセット5の装着
を確実に防止できるのである。
【0066】その後、加工カセット5をほぼ水平となる
縫製可能な位置になるまで時計回りに回動させる。図1
6に示すように、係合部材44aは加工カセット5の右
下端部分に接触可能な姿勢に揺動アーム40に係合して
保持されており、加工カセット5が縫製可能な位置に切
換わる少し前に係合部材44aに接触し、係合部材44
aを捩じりバネ44dの付勢力に抗して反時計回りに回
動させつつ、加工カセット5が縫製可能な位置に切換わ
る。
【0067】すると、係合部材44aが捩じりバネ44
dの付勢力により時計回りに少し回動復帰して係合凹所
86bに係合して、この縫製可能な位置に収容ケース8
6が回動規制されて揺動アーム40に固定的に装着され
る。また、加工カセット5を縫製可能な位置に回動させ
る際、前記カセット取外し姿勢付与手段160における
姿勢保持体164の位置固定的な間隔保持片164aに
て他方のストッパーピン161cが当接し、且つ捩じり
ばね163の他方の自由端がストッパーピン161cの
外側にて押圧しているが、一方の姿勢付与体161の支
持ピン161bが加工カセット5の下面に押されて、図
16の時計方向に回動し、ストッパーピン162cを介
して捩じりばね163を弾性捩じりさせるから、加工カ
セット5は、縫製可能な位置においてねじりばねバネ1
63により上方へ付勢された状態で、係合部材44aが
係合凹所86bに係合して回動規制されて装着される。
【0068】このように、加工カセット5が縫製可能な
姿勢となる揺動アーム40のアーム部40aの先端側が
略水平状等の下向き回動時には、当該アーム部40aの
中途部に設けられた係合部材44aの後端部は、位置固
定側である前面板19に枢支された操作部材44bの先
端部から離間しているから、ユーザーが誤って操作部材
44bを操作しても、加工カセット5は揺動アーム40
から外れることがなく、従って、加工カセット5の下端
から突出している中空針80がたとえ刺繍枠4上の布7
0に突き刺さった状態であっても加工カセット5は加工
装置本体2から不用意に外れず、中空針80が折れ曲が
ったり、布70が破損する等の事故を確実に防止するこ
とができる。
【0069】揺動アーム40が上限位置に位置している
状態で、この揺動アーム40への加工カセット5の装着
が行われるが、前述のように、収容ケース86が揺動ア
ーム40に固定的に装着されると、開閉蓋87の被係止
部87aが縫製装置本体2の前面板19のピン(図示せ
ず)に上側から当接するように係止され、開閉蓋87の
案内ピン105 が、収容ケース86の大きな揺動にもかか
わらず、僅かにしか揺動しないので、縫製装置本体2に
対してほぼ固定された状態となる。尚、開閉蓋87を縫
製装置本体2に完全に固定してもよい。
【0070】加工カセット5を揺動アーム40から取外
す際には、加工カセット5における中空針81が刺繍枠
4における布70より上方位置となるように揺動アーム
40を上向きに回動させた図16の上限状態おいて、前
面板19に枢支された操作部材44bの先端部に対して
揺動アーム40のアーム部40aに枢支された係合部材
44aの後端部が接近するので、操作部材44bを時計
回り方向へ回動操作すれば(図19参照)、この操作部
材44bを介して係合部材44aを捩じりバネ44dの
付勢力に抗して時計回り方向へ回動させることができ
る。
【0071】そうすると、図19に示すように、係合部
材44aが係合凹所86bから係合解除し、操作部材4
4bによる操作終了後、係合部材44aが再度係合凹所
86bに係合しない位置まで、前記カセット取外し姿勢
付与手段160における捩じりばね163の弾性力によ
り、右の姿勢付与体160が図19で反時計方向に回動
して、加工カセット5が反時計回り方向へ回動されて上
昇し(図19実線状態参照)、この状態から、加工カセ
ット5を装着時と逆に操作して揺動アーム40から取外
すことができる。但し、操作部材44bを回動操作して
いないときには、操作部材44bは、捩じりバネ44d
等により略水平姿勢に保持された状態で支持されてい
る。
【0072】尚、操作部材44bを上側へ露出させるよ
うに、ケーシング10の上壁部10dは切欠き空間10
a側から切欠かれ、その切欠かれた部分に対応させて、
安全カバー3の上壁部には、前記縫製用位置において開
口部が形成されているため、操作部材44bを外部から
操作できる。
【0073】図7に示すように、カセット本体80の収
容ケース86には、収納部90に収納した糸駒82の糸
Tの残量を外部から視認可能な残量視認部としての開口
部86cが、収容ケース86の収納部90の前側の前壁
に形成され、更に、カセット本体80の開閉蓋87の上
面部に、収納部90に収納した糸駒82の糸Tの色と同
色又は類似色を表示する糸色表示部87bが、前記同色
又は類似色のシールを接着する等して設けられている。
【0074】糸駒82の鍔部82bは透明又は半透明で
あり、それ故、この糸駒82に巻かれた糸の残量を開口
部86cから鍔部82bを介して視認することができ
る。また、糸色表示部87bを開閉蓋87の上面部に設
けることにより、縫製装置本体2に加工カセット5を装
着した状態で、糸色表示部87bを視認可能に外界へ露
出させることができる。
【0075】中空針81はカセット本体80の左部に略
立向きに配設されている。図10〜図12に示すよう
に、中空針81の少なくとも上端部分が収容ケース86
に固着された筒状の針支持部材95に支持されて、中空
針81の下端側部分がカセット本体80の下側へ突出し
ている。この中空針81の先端開口部分は左側から下方
右側へ傾斜するように尖っており、加工カセット5が縫
製装置本体2に装着されたときに、その最先端部が中空
針81のうち揺動アーム40の揺動中心側端部(右端
部)にほぼ位置する。
【0076】収納部90は、収容ケース86の右半部に
おいて、収容ケース86の円弧壁90aに囲繞された部
分に形成され、この収納部90に収容された糸駒82
は、収容ケース86の軸部材90bに摺動自在に内嵌さ
れ回転可能に支持されている。糸駒82から延びる糸T
は、円弧壁90aの間の糸通過口90cから逆流防止機
構92を経て中空針81の上端からその孔に導入され、
中空針81の下端から加工カセット5の外部へ繰り出さ
れている。
【0077】尚、糸駒82に巻き付けられた上糸である
糸Tはやや太めの糸であり、中空針81の孔はこの糸T
を糸通しできる大きさに形成されている。尚、中空針8
1の下端から糸Tがある程度の長さ繰り出された状態で
縫製が開始される。
【0078】針カバー83は、中空針81の先端部をカ
バーするカバー位置と、このカバー位置から上側へ退避
して中空針81の布70への貫通を可能にする退避位置
に亙って移動可能に構成されている。この針カバー83
は、縫製加工の際に布70を押える押え足でもあり、カ
バー部83a(押え部)と、カバー部83aの右端部側
から上方へ延びる被ガイド部83bとを一体形成して構
成されている。
【0079】カバー部83aには中空針81が通過可能
な針通過孔83cが形成され、被ガイド部83bが収容
ケース86に上下移動自在にガイドされ、被ガイド部8
3bと収容ケース86の間に圧縮コイルバネ84が介装
されている。被ガイド部83bの上下方向中央部に突出
部83dが右方突出状に設けられ、この突出部83d
が、被ガイド部83bを上下方向にガイドするリブ86
dの上端部に当接した状態で、針カバー83がカバー位
置になり、針通過孔83cの内側に中空針81の先端部
が位置してカバー部83aでカバーされる。そのカバー
位置から針カバー83が中空針81に対して上方へ移動
すると退避位置になり、中空針81が針通過孔83cを
通過してカバー部83aの下側へ突出する。
【0080】移動禁止機構85は、図10〜図12、図
23〜図25に示すように、収容ケース86内部の左右
方向中央部の下部に配設された移動禁止部材100 を有す
る。この移動禁止部材100 は、鉛直な枢支軸部100aと、
枢支軸部100aの左側に位置するロック部100bと、枢支軸
部100aの右側に位置する入力部100cとを一体形成して構
成されている。移動禁止部材100 は、その枢支軸部100a
が収容ケース86に枢支されて、鉛直軸心回りに回動自
在且つ上下移動不能に設けられている。
【0081】ロック部100bは上下方向に比較的に長く、
その下端部が、前記カバー位置に位置する針カバー83
の突出部83d、つまり、リブ86dの上面に当接して
いる突出部83dの上面にほぼ当接する。この状態で、
ロック部100bがリブ86eと突出部83dの間に介入さ
れた状態となり、カバー位置における針カバー83がロ
ックされ上方へ移動できなくなる。移動禁止部材100
は、このロック位置(図23参照)と、ロック部100bが
突出部83dの上下移動軌跡上から退避したロック解除
位置(図24参照)とに亙って回動可能であり、移動禁
止部材100 がロック解除位置のときに、針カバー83が
上方へ移動可能になる。
【0082】枢支軸部100aには捩じりバネ100dが外装さ
れ、この捩じりバネ100dにより移動禁止部材100 は前記
ロック位置に回動付勢されて、加工カセット5が縫製装
置本体2から取外されている状態では、移動禁止部材10
0 はこのロック位置に保持さている。収容ケース86の
前壁には入力部100cに対応する開口86fが形成され、
移動禁止部材100 がロック位置に位置しているときに
は、入力部100cがその開口86fから外部へ臨んだ状態
となる。
【0083】図25に示すように、前記開口86fは下
端開放状に形成され、入力部100cの下部には上方外側へ
傾斜するテーパ部100eが形成されている。前述のよう
に、揺動アーム40にはロック解除ピン43が設けられ
ており、加工カセット5が揺動アーム40に装着される
と、ロック解除ピン43が開口86fにその下側から入
り込み、そのロック解除ピン43が入力部100cのテーパ
部100eに係合して、移動禁止部材100 を捩じりバネ100d
の付勢力に抗してロック位置からロック解除位置へ回動
させて針カバー84のロックを解除する。
【0084】このように、移動禁止機構100 は、加工カ
セット5を縫製装置本体2から取外した状態では、前記
カバー位置における針カバー83の移動を禁止すると共
に、加工カセット5を縫製装置本体2に装着した状態で
は、前記カバー位置から退避位置への針カバー83の移
動を許容するように構成されている。
【0085】空転防止機構91は、図10〜図12に示
すように、糸駒82の一方の鍔部82bに接触可能な接
触子101 と、この接触子101 を鍔部82bに押圧するよ
うに付勢する捩じりバネ102 とを有し、接触子101 と鍔
部82bの間に作用する摩擦力により、糸駒82の空転
を防止するように構成してある。接触子101 は収容ケー
ス86の収納部90の近くの軸部103 に回動可能に枢支
され、その軸部103 に捩じりバネ102 が装着されてい
る。接触子101 の先端部が円弧壁90a間の隙間90d
を通って収納部90内の糸駒82の鍔部82bに接触し
ている。
【0086】逆流防止機構92は、図10、図11、図
13、図26に示すように、案内ピン105 (軸状部材)
とこの案内ピン105 に当接する板バネ部材106 との2つ
の逆流防止部材を有し、これら案内ピン105 と板バネ部
材106 の間に、微小隙間の糸通過部107 を構成し、この
糸通過部107 に糸駒82から延びる糸Tを通過させその
糸Tに案内ピン105 と板バネ部材106 との接触による摩
擦抵抗を作用させるように構成してある。
【0087】案内ピン105 は、その両端部を開閉蓋87
の左部に形成された前後のボス87cに内嵌させて固定
され、板バネ部材106 は、左方下がりの傾斜姿勢で案内
ピン105 を押圧するように、開閉蓋87に嵌め込んで固
定されている。案内ピン105の外周部中央部分には環状
凹部105aが形成され、この環状凹部105aと板バネ部材10
6 とで前記糸通過部107 が構成されている。これによ
り、糸通過部107 を通過する糸Tに適度な摩擦抵抗を付
与すると共に、その糸Tを中空針81へ確実に案内する
ことができる。
【0088】ロック機構93は、図10〜図12、図2
7に示すように、加工カセット5を縫製装置本体2から
離脱させた状態において、収容ケース86に対して開閉
蓋87を一体的にロックする機構であって、収容ケース
86の右部側に配設されたロック部材110 を有する。こ
のロック部材110 は、枢支部110a,110b 、係合部110c、
入力部110dを一体形成して構成され、枢支部110a,110b
が収容ケース86に鉛直軸心回りに回動自在に枢支さ
れ、ロック位置(図10参照)とロック解除位置(図1
1参照)とに亙って位置切換え可能である。
【0089】ロック部材110 は上下方向には移動不能で
あり、捩じりバネ111 によりロック位置に付勢されてい
る。ロック部材110 の上部に係合部110cが左方突出状に
形成され、ロック部材110 の下端部に入力部110dが左方
突出状に形成され、これら係合部110cと入力部110dが、
収容ケース86の前壁の上部と係合溝86aの奥端壁に
形成された穴86g,86hから夫々左方へ突出可能で
ある。
【0090】加工カセット5が揺動アーム40に装着さ
れていない状態では、開閉蓋87が閉位置であり、この
状態で、ロック位置のロック部材110 の係合部110cが、
開閉蓋87の前壁から右方(内側)へ突出した被係合片
87dに上側から当接して係合するため、収容ケース8
6に対して開閉蓋87が上方へ移動不能となって閉位置
で一体的にロックされる。
【0091】加工カセット5を揺動アーム40に装着す
る際、前述のように、揺動アーム40の係合ピン42に
収容ケース86の係合溝86aが係合するのに伴い、そ
の係合ピン42がロック部材110 の入力部110dを右方へ
押動するため、ロック部材110 がロック位置からロック
解除位置に切換えられる。ロック解除位置のロック部材
110 の係合部110cは被係合片87dから係合解除した状
態となり、収容ケース86に対して開閉蓋87が上方へ
移動可能になりロック解除される。
【0092】通常、開閉蓋87が閉位置に位置する状態
で、加工カセット5が揺動アーム40から取外されるた
め、その取外し直後から収容ケース86に対して開閉蓋
87がその閉位置で一体的にロックされる。仮に、開閉
蓋87が閉位置以外に位置する状態で、加工カセット5
が揺動アーム40から取外されると、先ず、ロック部材
110 が開閉蓋87をロックしない状態でロック位置に切
換わるが、ロック部材110 の係合部110cの左端状部には
左下がりのテーパ部が形成されているため、その後、捩
じりバネ88の付勢力により開閉蓋87が閉位置へ回動
され、その際、被係合片87dがテーパ部を介してロッ
ク部材110 をロック解除位置側へ一時的に押動して閉位
置への切換えを可能にする。
【0093】次に、縫製装置1の縫製動作、及びその縫
製動作によって布70に形成される縫目について、図2
8〜図33の説明図と図34、図35に基づいて説明す
る。
【0094】縫製装置本体1に布70を取付けた刺繍枠
4と加工カセット5を装着した状態で、カセット駆動機
構12により加工カセット5を上下に揺動させる。この
とき、収容ケース86と一体的に中空針81、針カバー
83(但し、針カバー83は布70と接触していない状
態のとき)、糸駒82、空転防止機構91等は上下動す
るが、開閉蓋87は縫製装置本体2に対してピン19a
で支持され、その内部に設けた逆流防止機構92は上下
に殆ど移動しない。
【0095】加工カセット5を揺動アーム40に装着し
て初めて縫製を行う際、図28に示すように、中空針8
1の下端から糸Tがある程度の長さ繰り出された状態で
行う。この状態から、収容ケース86が下降すると、図
29に示すように、先ず、押え足である針カバー83が
布70を押えると共にその布70に上側の糸Tを押え
る。針カバー83は布70を押さえると略静止し、続い
て、針カバー83に対して中空針81が下降して布70
に突き刺さる。中空針81が布70に突き刺さる瞬間は
布70に対して略直交し、中空針81の最先端部が中空
針81のうち揺動アーム40の揺動中心側端部に位置す
るため布70のずれを防止する。
【0096】中空針81が弾性膜体73に突き刺さり、
中空針81から延びる糸Tが布70に接触すると、布7
0の特に弾性膜体73の弾性による糸保持力により、布
70に貫通した部分の糸Tが保持される。この状態で、
中空針81(糸駒82及び空転防止機構91)が更に下
降すると、空転防止機構91と逆流防止機構92による
糸引出し抵抗に抗して糸駒82から糸Tが引き出され、
布70の下側に自由ループ75が形成される。尚、この
段階で自由ループ75の約半分の糸Tは中空針81の内
部にある。
【0097】中空針81が布70に突き刺さり下限位置
へ下降する間、その中空針81から予め繰り出された糸
Tが布70の下側へ引っ張られると共に、糸駒82側か
ら糸Tが引き出されて布70の下側に自由ループ75が
形成される。下降する中空針81が布70に突き刺さる
前においても、中空針81から延びる糸Tが針カバー8
3で布70に押えられた後では、その予め繰り出された
糸Tが布70の下側へ引っ張られることをある程度抑え
る。
【0098】次に、収容ケース86が上昇すると、図3
0に示すように、中空針81が下限位置から上昇しその
先端が布70から抜け、続いて、針カバー83による布
押えが解除されて中空針81と共に上限位置まで上昇す
るが、このとき、一定位置に停止している逆流防止機構
92と布70とを結ぶ固定状態の糸Tを通過するように
中空針81が上昇し、布70の下側に形成された自由ル
ープ75が保持された状態でその全部が外部へ露出す
る。一方、中空針81が上限位置へ移動すると、糸駒8
2及び空転防止機構91も上限位置まで移動するが、そ
の際、逆流防止機構92から中空針81側への糸Tの引
き出しがなく、逆流防止機構92と空転防止機構91が
糸Tに糸引き出し抵抗を作用させているため、糸駒82
と逆流防止機構92の間の糸Tが弛んだ状態となる。
【0099】その後、図31に示すように、布70が水
平方向へ移動すると、中空針81から延びる糸Tが布7
0に保持されているため、その糸保持力で糸Tが引っ張
られ、糸駒82と逆流防止機構92の間の弛んだ糸Tが
逆流防止機構92を介して引き出される。このとき、布
70による糸保持力は、逆流防止機構92だけによる糸
引き出し抵抗よりも格段に大きいため、自由ループ75
の糸Tが中空針81側へ引っ張られ抜ける虞はない。
【0100】布70が水平方向へ移動した後、収容ケー
ス86が下降し、図32に示すように、針カバー83が
布70を押えて中空針81が布70に突き刺さる。中空
針81が上限位置から下限位置へ下降する際、糸駒82
と逆流防止機構92の間の弛んだ残りの糸Tが引き出さ
れると、続いて糸駒82が回転して糸Tが繰り出され
る。その糸Tには空転防止機構91と逆流防止機構92
による糸引き出し抵抗が作用するが、空転防止機構91
と逆流防止機構92による糸引出し抵抗は布70による
糸保持力よりも小さいため、更に、針カバー83により
糸Tを布70に押えることができるため、前回形成した
の自由ループ75が引っ張られて布70から抜けること
なく、今回の自由ループ75が形成される。
【0101】次に、図33に示すように、中空針81と
針カバー83が上昇し、その後、図31〜図33が繰り
返し行われる。このように、布70の弾性による糸保持
力により、各縫製加工毎に布70に糸を残留させながら
縫製加工を施し、図34に示すように、上糸Tにより布
70の裏面側に多数の自由ループ75が形成されて、布
70の表面に刺繍模様76の縫目が形成される。そし
て、この布70の裏面に多数の自由ループ75を固着す
る固着材としての両面テープ77を粘着すると、図35
に示す模様被加工物である模様縫製布78が形成され
る。
【0102】この両面テープ77により、自由ループ7
5の抜出しが生じないため、他の糸やその前後の縫目の
糸で糸を定着させることなく、布70の表面の刺繍模様
76がほつれることがなく安定する。そして、この模様
縫製布78をワッペンとして両面テープ77を介して種
々のものに粘着し固定することができる。尚、両面テー
プ77の他に、布70の自由ループ75が残留する裏面
に、種々の粘着剤や接着剤を層状に塗布してもよいし、
これら種々の粘着剤や接着剤のテープを形成し、そのテ
ープで布70の裏面に複数の自由ループ75を固着して
もよい。
【0103】この自由ループ75が布70の裏面側に多
数位置しているので、その布70の裏面に両面テープ7
7を貼り付けた場合に、両面テープ77に凹凸が生じ
る。それ故、この布70をワッペン等として両面テープ
77を介して衣服に貼り付ける際に、貼り付けられる衣
類は柔らかく、こういったワッペンがはがれやすいとい
う面があるが、その凹凸のため粘着性を向上させること
ができる。この凹凸が個々の自由ループ毎に形成される
か或いは複数の自由ループにより形成されるかは糸や両
面テープの材質による。
【0104】次に、図16〜図22を参照しながら、糸
切断手段130 について説明する。縫製装置1には、縫製
装置本体2に装着されている加工カセット5を交換する
際、その加工カセット5から延びて刺繍枠4の布70に
繋がった糸Tを切断する糸切断手段130 が設けられてい
る。前述のように、縫製装置本体2には、加工カセット
5を縫製装置本体2(揺動アーム40)から取外す為に
操作される操作部材44bが設けられており、この操作
部材44bの操作に応じて、糸切断手段130が作動して
糸Tの切断を行うように構成してある。
【0105】この糸切断手段130 は、操作部材44bの
近くにおいて前面板19の裏面側にて枢支されて左方へ
一直線状に延びる駆動レバーとしての糸切りレバー131
と、糸切りレバー131 の左端部に連結された4リンク機
構132 と、4リンク機構132を介して開閉される1対の
糸切断刃133,134 と、前記操作部材44bの操作により
糸切りレバー131 を作動させる連動部135 とから構成さ
れている(図16参照)。
【0106】そして、縫製装置本体2から加工カセット
5を取外す為の操作部材44bの操作により、前記加工
カセット5を係合ピン42の箇所で前記取外し可能姿勢
にさせた直後に糸切りレバー131 を介して4リンク機構
132 により糸切り動作を行うようになっている。尚、糸
切りレバー131 と4リンク機構132 等が可動部材に相当
する。
【0107】糸切りレバー131 は前面板19の後側に配
設されている。図16は糸切断手段130 や加工カセット
5等を示す正面図、図17は図16に対応する左側面
図、図18は平面図、図19は揺動アーム40が上昇位
置の正面図、図20は図19に対応する左側面図、図2
1は前面板19や糸切断手段130 を背面側から見た図で
あり、糸切断時の図、図22は図21に対応する左側面
図である。糸切りレバー131 の右寄り部位が後向きの枢
支軸140 を介して前面板19に枢支されている。
【0108】図21等に示すように、糸切りレバー131
における前記枢支軸140 よりも4リンク機構132 に近い
側と、前面板19との間に引っ張りコイルバネ141 が装
架されて、当該糸切りレバー131 の先端側(4リンク機
構132 )側を下向き付勢されている。そして、糸切りレ
バー131 の基端側から前向きに突設した当接ピン136が
前面板19に穿設された縦長のガイド孔137 を介して、
操作部材44bの下面側に臨み、当該操作部材44bを
所定角度以上下向き回動するとき、当接ピン136 を介し
て糸切りレバー131 の先端側を上向き回動させるように
構成されている。この構成が連動部135 である。
【0109】4リンク機構132 は、糸切断刃133,134 を
備えた一対の鋏状リンク145,146 と、該一対の鋏状リン
ク145,146 を駆動させるための一対の連動リンク143,14
4 とからなる。連動リンク143,144 の上端部が共通の軸
147 を介して糸切りレバー131 の左端部(先端部)に回
動自在に連結されている。これら連動リンク143,144の
下端部に夫々軸148,149 を介して鋏状リンク145,146 の
上端部が回動自在に連結され、これら鋏状リンク145,14
6 の長さ方向途中部が共通の軸150 を介して前面板19
に回動自在に枢支されている。鋏状リンク145,146 の下
方の先端部分に夫々糸切断刃133,134 が対向して形成さ
れ、糸切りレバー131 が下限位置(図16参照)のと
き、軸147,150 が最も接近し、1対の糸切断刃133,134
が最大限開放し、糸切りレバー131 が上限位置のとき
(図21参照)、軸147,150 が離間し、1対の糸切断刃
133,134 が閉じた状態になる。
【0110】なお、糸切断刃133,134 は上糸Tの緊張・
弛みの如何に拘らず、上糸Tが所定の糸切断刃133,134
に接近した位置に位置していれば、糸切断刃133,134 に
よって上糸Tを切断可能である。
【0111】糸切りレバー131 の回動範囲は、前記前面
板19に穿設されたガイド孔137 と当接ピン136 とによ
り規制されている。即ち、当接ピン136 の上端がガイド
孔137 の上端縁に当接するときが、糸切りレバー131 の
回動下限位置( 図16参照)となり、当接ピン136 の下
端がガイド孔137 の下端縁に当接するときが、糸切りレ
バー131 の回動上限位置( 図21参照)となる。
【0112】次に、この糸切断手段130 の動作について
説明する。
【0113】糸切りレバー131 は、引張コイルバネ14
1により下限位置方向に付勢されているので、1対の糸
切断刃133,134 は開放した状態に維持される。
【0114】他方、揺動アーム40への加工カセット5
の着脱については前に説明したが、図16に示すよう
に、加工カセット5を揺動アーム40に装着する際、係
合溝86aに係合ピン42を係合させた状態で加工カセ
ット5を時計回り方向へ回動させ、係合部材44aが係
合凹所86bに係合して加工カセット5が装着される。
【0115】加工カセット5の交換に際しては、揺動ア
ーム40を上限位置に上げた状態(中空針81が刺繍枠
4上の布70から大きく上に離間した状態)にて、1対
の糸切断刃133,134 により上糸Tを確実に切断するため
に、開放状態の糸切断刃133,134 の間に上糸Tを位置さ
せる必要があるが、これは、制御装置(図示せず)によ
る刺繍枠4の移動制御(糸切断準備処理)によって行わ
れる。即ち、加工カセット5から延びる上糸Tは布70
の最終針落ち点に繋がっているが、糸切断準備処理によ
り、刺繍枠4を後方へ移動させ、最終針落ち点を中空針
81の後側に位置させる。このようにすると、図17に
示すごとく、中空針81の下端開口部と、布70への最
終針落ち点との間で上糸Tは、布70の表面から斜め上
向きに略直線状に延び、開放状態の刃133,134 の間に上
糸Tを加工カセット5の上昇に伴って上昇させ、その上
糸Tを切断刃133,134 に接近させて、確実に上糸Tを切
断刃133,134 によって切断することができる。
【0116】次に、加工カセット5を揺動アーム40か
ら取外す際、図19に示すように、操作部材44bを下
向きに回動操作して、係合部材44aを係合凹所86b
から係合解除させると、カセット取外し姿勢付与手段1
60により加工カセット5を係合ピン42を中心として
反時計回りに回動させて取外し得る姿勢にする。加工カ
セット5を反時計回りに回動させると、当該加工カセッ
ト5の下面に突出している針カバー83が係合ピン42
から離れる方向に回動するので、図20に示すごとく、
中空針81の下端の傾斜開口部から引き出される糸Tの
布70の表面からの立ち上がり角度θが図17の状態よ
り大きくなる。
【0117】前記の状態で、操作部材44bをさらに下
向き回動させると(図21参照)、糸切りレバー131 の
先端側が大きく上昇し、4リンク機構132における連
動リンク143,144 の左右両間隔が狭まり、これを介して
一対の鋏状リンク145,146 の下端部が閉じるとき、布7
0の表面より上方に離れた位置で糸Tの中途部を挟むこ
とができるので、1対の糸切断刃133,134 が閉じとき
に、布70の表面を傷付けることなく上糸Tが切断され
る。
【0118】このように、縫製装置本体2に設けられた
操作部材44bを操作して、加工カセット5を縫製装置
本体2から取外すことができると共に、さらに操作部材
44bの下押し操作にて糸切断手段130 を作動させて糸
Tの切断を行うことができる。
【0119】つまり、操作部材44bの下押し操作を完
了させると、加工カセット5を縫製装置本体2から取外
す姿勢に変更させた状態で、加工カセット5を完全に取
外す前に、糸切断手段130 を作動させることができ、糸
切断手段130 を操作する操作部材を別途設けそれを操作
する必要がないため操作負荷の増大も防止できる。
【0120】それ故、糸Tを切断しない状態で加工カセ
ット5を縫製装置本体2から取外してしまうこと、加工
カセット5を縫製装置本体2から取外さないのに(交換
しないのに)誤って糸Tを切断してしまうこと等を防止
できる。つまり、加工カセット5を縫製装置本体2から
取外す(交換する)為に必要な糸Tの切断を確実に且つ
簡単に行うことができ、糸色(糸駒)の交換をより一層
簡単に行えるようになる。
【0121】前記カセット取外し姿勢付与手段160を
用いることにより、加工カセット5を縫製装置本体2に
装着する際には、加工カセット5を縫製装置本体2に装
着した作業時の姿勢と異なる姿勢にして一旦保持し、そ
の後、係合ピン42に係合溝86aを係合させて枢支さ
せる作業を行うことができる。その後、只、係合ピン4
2を中心として加工カセット5を回転させるだけで縫製
可能な位置に切換える作業を行うことができ、そして、
係合部材44aに係合凹所86bを係合させてこの縫製
可能な位置に加工カセット5を回転規制することができ
る。つまり、加工カセット5や縫製装置本体2の構造等
を鑑みて、加工カセット5を縫製装置本体2に簡単且つ
確実に装着でき、加工カセット5を正規の装着位置に装
着できたか否かを判り易くすることができる。
【0122】逆に、加工カセット5を縫製装置本体2か
ら取り外すに際しては、操作部材44bを所定方向(カ
セット取外し方向)に回動させると、加工カセット5に
おける係合凹所86bから係合部材44aが係合解除さ
れ、それと同時に、前記カセット取外し姿勢付与手段に
より加工カセット5が係合部42の箇所を中心にして傾
斜状の姿勢に変化するから、ユーザーは加工カセット5
の取り出し許容状態であることを容易に認識できる。
【0123】さらに、前記各カセット取外し姿勢付与手
段を用いることにより、係合部42を中心にして加工カ
セット5が尻上がり状の傾斜姿勢をとるので、加工カセ
ット5の下面の針カバー83が、揺動アーム40の上限
位置にあるときよりも上昇する。従って、加工カセット
5から延びる糸Tは布70の最終針落ち点に繋がってい
るが、糸切断準備処理により、刺繍枠4を後方へ移動さ
せ、最終針落ち点を中空針81の後側に位置させると、
図17に示すと同じように、中空針81の下端開口部
と、布70への最終針落ち点との間で糸Tは、布70の
表面から斜め上向きに略直線状に延びる立ち上がり角度
θが大きくなると共に、開放状態の切断刃133,134 の間
に上糸Tを加工カセット5の上昇に伴って上昇させるこ
とができて、糸切断作業を確実に実行できるという効果
を奏する。
【0124】このように、本発明によれば、糸が緊張し
ていても弛んでいても、糸切断手段にて確実に切断でき
るものである。
【0125】また、前記実施形態では、円弧の軌跡を描
く揺動(往復運動)の移動をする係合部材を用いたが、
直線の軌跡を描く往復移動や、往復運動でなく、一定の
循環路での一方向の移動をする係合部材でも良い。さら
に、操作部材の操作に起因して変形し、同様の機能を果
たすように構成しても良い。さらに前記図40に示すよ
うに係合部材と操作部材とを一体的に構成しても良い。
【0126】なお、本発明に係る糸切断手段130 は、加
工カセット5を使用せず、従って、通常の縫針に昇降に
より、上糸と下糸とを絡み合わせて縫製、刺繍作業を実
行するミシンに適用することも可能である。その場合、
加工カセット5を支持し、また昇降させる揺動アーム4
0が不要であることはいうまでもない。
【0127】次に、制御系について図36のブロック図
に基づいて説明する。縫製装置1における電子式(マイ
クロコンピュータ式)の縫製制御手段としての制御装置
13は、CPU13aとROM13bとRAM13cを
含むコンピュータと、入出力インターフェ─ス13d
と、入出力端子13eを有し、これらはバス13fで接
続されている。入出力インターフェ─ス13dには、X
方向駆動機構20のパルスモータ24の為の駆動回路2
4a、Y方向駆動機構30のパルスモータ35の為の駆
動回路35a、カセット駆動機構12のミシンモータ4
5の為の駆動回路45a、電源スイッチ15、スタート
/ストップスイッチ16、位相検出器119及び検出手段
としてのリミットスイッチ170が接続されている。
【0128】ここで、位相検出器119 について説明する
と、位相検出器119 は、例えば、複数のフォトインタラ
プタと、大径ギヤ54と一体的に回転する枢支軸に固着
されて各フォトインタラプタに対応するエンコーダディ
スクを含み、この枢支軸の回転位相を検出して、揺動ア
ーム40の上限位置、下限位置、針抜け位置等を検出で
きるようになっている。
【0129】リミットスイッチ170は、図16、図1
8、図19及び図21に示すように、縫製装置1に対し
て加工カセット5が取付けられているか否か、もしくは
加工カセット5が所定の姿勢で取付けられているか否か
を検出するための検出手段であって、その一実施形態と
しては、前記操作部材44bの操作位置の上下位置(姿
勢)を検出すことにより、加工カセット5が揺動アーム
40に対して、縫製可能な位置(姿勢)にセットされて
いるか否を検出するための検出手段の一実施形態であ
る。
【0130】その詳細を説明すると、図16、図18等
に示すように、前面板19の前面側であって、操作部材
44bにおける作業者が指で押すための押し片171の
一部を切欠きした通過部172に臨ませるようにリミッ
トスイッチ170を固定する。他方、前記押し片171
の下部には、正面視で凸湾曲状の当接部173が一体的
に形成されている。
【0131】そして、図40に示すように、操作部材4
4bの押し片171が最上位置から最下位置までの昇降
区間のうち、最下位置を挟む下降及び上昇区間L1で
は、前記当接部173にてリミットスイッチ170のス
イッチ部を押してON信号を出し続ける。他方、最上位
置を含み、下降開始区間L2及び上昇終了区間L3で
は、OFFの信号となる。従って、例えば、図16のよ
うに、作業者が押し片171を触っていない状態では、
リミットスイッチ170の信号はOFFであり、図19
に示し、前述したように、加工カセット5を取外し可能
位置へ姿勢させるべく、ある程度操作部材44bの押し
片171を押し下げると、リミットスイッチ170の信
号がONに切り替わる。また、図21のように、糸切断
手段130 を作動させて糸切り作業を実行すべく、操作部
材44bの押し片171を最下位置まで押し下げた状態
でもON信号のまま保持される。その後、押し片171
から指を離せば、押し片171はばね付勢にて最上位置
まで自動復帰し、その途中でリミットスイッチ170の
信号はONからOFFに変わる。なお、これらの信号に
よる制御は後述する。
【0132】一方、ゲーム機6は、CPU6aとROM
6bとRAM6cを含むコンピュータと、DVD120 の
読取り及び書込みが可能なDVDドライブ6d(DVD
D)と、フラッシュカード用コネクタ6eと、入出力端
子6f,6gと、入力端子6hと、出力端子6iとを有
し、これらはバス6jで接続されている。入出力端子6
fは縫製装置1の入出力端子13eに接続され、入力端
子6hにはコントローラ7が接続されている。出力端子
6iにはCRT8の為の駆動回路8a(LCDD)が接
続され、入出力端子6gは電話回線9aと接続可能であ
る。
【0133】DVDドライブ6dに種々の縫製データや
プログラムをコンピュターで読み取り可能に記憶する外
部記憶媒体としてのDVD120 を着脱可能であり、テレ
ビゲームのゲームソフトを記憶したDVD120 を装着し
た場合、そのゲームソフトに基づいてCRT8にゲーム
画面を表示させ、コントローラ7を操作してゲームを楽
しむこともできる。また、入出力端子9gと電話回線9
aとを接続することにより、その電話回線9aを介し
て、この縫製装置1、データ、プログラム等の製造元で
あるメーカ(例えば、ブラザー工業)側のサーバや他メ
ーカ(例えば、ブラザー工業以外のメーカ)側のサーバ
から接続業者のサーバを通して、縫製に関連する種々の
データを取り込むことができる。つまり、インターネッ
トを介してメーカ(例えば、ブラザー工業)側から供給
される縫製に関する種々のデータを取り込むことができ
る。
【0134】さて、縫製装置1では、制御装置13によ
り縫製データに基づいて刺繍枠駆動機構11(X方向駆
動機構20とY方向駆動機構30)とカセット駆動機構
12を駆動制御して、布70に刺繍模様を形成すること
ができ、その為の制御プログラムがROM13bに格納
されている。そして、本実施形態の場合、ゲーム機6を
使用してCRT8にゲームソフトにより表示される種々
のキャラクタ(人物、動物、ロボット等)を画面を介し
て選択したり編集したりし、そのキャラクタを刺繍する
模様データをゲーム機6において作成し、縫製装置1に
供給できるように構成されている。
【0135】そのため、ゲーム機6では、縫製データを
選択し編集することができる専用のDVD120 が設けら
れている。つまり、このDVD120 には、図37に示す
ように、前記のようにゲームソフトから選択した複数種
類の刺繍模様及び予め入力された複数種類の刺繍模様の
模様データ、これら複数種類の刺繍模様のなかから所望
の刺繍模様を選択する為の模様選択制御プログラム、選
択された刺繍模様を編集(拡大、縮小、結合、反転等
々)する為の模様編集制御プログラム、模様を選択設定
する為にCRTに表示させる表示制御プログラム等が記
憶されている。尚、フラッシュカード用コネクタ6eに
接続可能なフラッシュカード121 には、選択・編集した
刺繍模様の模様データを記憶しておくこともできる。
【0136】更に、前記DVD120 には、ゲームソフト
と共に、そのゲームソフトのデータに基づいてゲームソ
フトのキャラクタを選択・編集して模様データを作成す
る模様データ作成制御プログラムも格納されており、こ
の制御プログラムによって模様データを作成する場合に
は、この制御プログラムをRAM6cにダウンロードし
てからゲームソフト用DVDを作動させて種々のキャラ
クタを表示させ、刺繍に供するキャラクタを選択・編集
後、模様データを作成する。但し、その模様データはD
VD120 に格納される。
【0137】次に、以上説明した縫製装置1の一連の作
用について、図38、図39のフローチャート等を適宜
参照して説明する。但し、図1に示すように、縫製装置
1とゲーム機6は接続ケーブルを介して接続され、ゲー
ム機6のDVDドライブ6dには、図37のデータが記
憶されているDVD120 が装着されているものとする。
尚、ゲーム機6とディスプレイ8も接続ケーブルを介し
て接続されている。
【0138】先ず、ゲーム機6により、ディスプレイ8
の画面を見ながら、コントローラ7を操作して刺繍模様
を選択・編集する。尚、縫製装置1の電源をオンしなく
ても、刺繍模様の選択・編集が可能である。
【0139】このゲーム機6の制御装置では、図38に
示すように、電源がオンされると制御が開始され、初期
設定(S1)の後、DVD120 のデータ(前記模様選択
制御プログラム、模様編集制御プログラム、表示制御プ
ログラム等)が読込まれる(S2)。その後、模様選択
処理(S3)において、DVD120 に記憶されている複
数種類の刺繍模様のなかから所望の刺繍模様を選択で
き、模様編集処理(S4)において、選択された刺繍模
様を編集(拡大、縮小、結合、反転等)することができ
る。
【0140】次に、コントローラ7の所定ボタンを操作
して、刺繍模様の選択・編集が完了すると(S5;Ye
s)、次に、縫製装置1がデータ受信可能であるときに
は(S6;Yes)、選択・編集された刺繍模様の模様デー
タが縫製装置1へ送信され(S7)S3へリターンす
る。但し、縫製装置1の電源がオンされていない場合
等、縫製装置1がデータ受信不能であるときには(S
6;No )S5へリターンする。
【0141】さて、縫製装置1の制御装置13では、図
39に示すように、電源スイッチ15を操作して電源が
オンされると制御が開始され、初期設定(S10)の
後、データ受信可能となり、次に、ゲーム機6から選択
・編集された模様データの送信が有るときには(S1
1;Yes)、その模様データを受信する(S12)。次
に、スタート/ストップスイッチ16がオンされると
(S13;Yes)、受信した模様データに基づいて縫製処
理(S14)が実行される。
【0142】ここで、縫製を開始させる前に行う必要が
ある準備について説明する。先ず、縫製装置1の安全カ
バー3を図2の収納用位置に位置させた状態で、布70
を取付けた刺繍枠4を、安全カバー3のガイド部材69
にガイドさせつつ刺繍枠挿入穴3fからカバー3内部に
挿入し、刺繍枠4の後端支持部4aをキャリッジ18の
係合部18aに係合させて装着する。このように刺繍枠
4を確実に装着できるキャリッジ18の位置が揺動アー
ム40の略下側に位置し、初期設定(S10)において
この位置にキャリッジ18が移動されて待機している。
安全カバー3が収納用位置に位置している状態で、刺繍
枠4は安全カバー3よりも少し突出している。
【0143】刺繍枠4を装着した後、把手となるガイド
部材69を把持し、安全カバー3を前方へスライド移動
させて縫製用位置に切換える。この状態で、安全カバー
3の上面側にカートリッジ取付口が形成されるため、そ
のカートリッジ取付口から、所望の色の糸を収容した加
工カセット5を安全カバー3内に挿入し、揺動アーム4
0に取付けて装着する。これらの準備を行って縫製処理
の実行が可能になる。
【0144】安全カバー3が縫製用位置以外に位置する
場合、スタート/ストップスイッチ16は安全カバー3
に覆われ操作が不可能であるが、安全カバー3が縫製用
位置に切換えられた状態では、スタート/ストップスイ
ッチ16がスイッチ操作穴3eと対向するため操作が可
能となる。即ち、その後、スタート/ストップスイッチ
16がオンされると(S13;Yes)、縫製処理(S1
4)が実行される。
【0145】ここで、図37に示すように、DVD120
に記憶されている各刺繍模様の模様データは複数の模様
部の模様部データからなり、各模様部毎に加工カセット
を交換し糸色を変えるようになっている。つまり、図3
9に示すように、スタート/ストップスイッチ16がオ
ンされると(S13;Yes)、縫製処理(S14)が実行
され、1つの模様部の模様データに基づいて、刺繍枠駆
動機構11とカセット駆動機構12が制御されてその模
様部が布70に縫製される。
【0146】1つの模様部が形成されるとその模様部に
ついての縫製が終了され(S15)、次に縫製する模様
部の糸色を変える際、その色の糸Tを収容した別の加工
カセット8に取替える。この場合、現在装着されている
加工カセット5を取外す前に、例えば、コントローラ7
の所定のボタンを操作することにより糸替えが指令され
ると(S16;Yes)、次に、糸切りと加工カセット5の
交換の為に糸切断準備処理(S17)が実行される。
【0147】S17の糸切断準備処理では、模様(布)
から加工カセット5に至る糸Tを、糸切断手段130 の切
断刃133,134 に位置させる為の動作が実行される。具体
的には、図20に示すように、刺繍枠4をその移動範囲
の最も奥側であって、前後に糸Tが延びる位置に移動さ
せるように、制御装置13(CPU13a)により刺繍
枠駆動機構11が駆動制御される。尚、必ずしも、糸T
を布から抜かない程度でピンと張る必要はない。2枚の
切断刃133,134 で糸Tを切断するのであるから、所定の
位置(開状態にある切断刃133,134 の間)に糸Tがあれ
ばよいのである。
【0148】次いで、前述のように、操作部材44bの
押し片171を下向きに押すと、区間L2から区間L1
への移行時に、リミットスイッチ170の信号がOFF
からONに変わり(図41のサブルーチンフローチャー
トのS20)、次いで、制御装置13は、縫製中である
か否かを判断する(S21)。縫製中とは、前記選択さ
れた所定の模様部データが未だ利用されていないことを
CPU13aが判断したときである。
【0149】前記操作部材44bの回動により、加工カ
セット5が取外し可能位置まで姿勢が変動しているか
ら、縫製中と判断されたときには(S21:yes )、直
ちに縫製作業を中止する(S22)。これにより、作業
者が誤操作して加工カセット5を取外し方向に変更した
ので、中空針81が布70に対して斜めに突き刺さる等
の縫製不良や加工カセット5等の部品の破損を確実に防
止できる。
【0150】縫製中でないと判断されたときには(S2
1:no)、次にリミットスイッチ170の信号がOFF
になったとき、即ち、糸切断作業が完了した(S23)
後、糸交換が必要であるか否か、換言すると、刺繍枠4
の取り出し必要か否かをCPU13aが判断する(S2
4)。
【0151】刺繍枠4の取り出しが必要であると判断さ
れたときには(S24:yes )、刺繍枠4を前方の枠取
り出し可能位置(刺繍枠4の前端部が刺繍枠挿入口3f
から外に出る位置)まで強制的に復帰移動させるべく、
パルスモータ35を駆動させて、当該刺繍枠4をY方向
に移動させるように制御するものである(S25)。こ
れにより、刺繍作業が完成した布70が張設された刺繍
枠4を縫製装置1の刺繍枠挿入口3fから容易に取り出
すことができるのである。
【0152】他方、例えば、布70の別の位置に次の模
様を刺繍したい場合等で、刺繍枠4の取り出しが不必要
であるときには(S24:no)、刺繍枠4を所定の刺繍
開始位置にセットするので、前述の枠取り出し可能位置
に移動させるリセット操作は実行しないのである(S2
6)。
【0153】なお、加工カセット5を交換しない場合
(S24:no)、S18の糸切断準備処理を実行させる
必要がない。糸替えが指令されないとき(S16;No )
S13へリターンするため、縫製中断(S15)の後、
スタート/ストップスイッチ16がオンされると(S1
3;Yes)、縫製処理(S14)が実行され次の模様部が
形成される。
【0154】以上のように、この縫製装置1によれば、
ゲーム機6を使用して複数種類の刺繍模様の中から所望
の刺繍模様を選択・編集することができ、その刺繍模様
を刺繍枠4に取付けた布70に縫製することができ、更
に、刺繍模様を形成する複数の模様部の糸色を変えて、
カラフルな刺繍模様を縫製することができる。そして、
刺繍模様が縫製された布70を取り外して両面テープ7
7を粘着して、ワッペンとなる模様縫製布78を作成し
種々のものに取付けることができる。
【0155】しかも、小型軽量であるので持ち運びや保
管・収納するのに便利であること、刺繍枠4と加工カセ
ット5の着脱が容易であり、刺繍枠4と加工カセット5
の着脱等のために、安全カバー3を前後にスライドさせ
て収納用位置と縫製用位置に簡単に切換えることがで
き、縫製終了後に中空針81と布70の間の糸Tの切断
が容易であるから、非常に取扱い易いものとなる。
【0156】尚、前記実施形態では、そのゲーム機6を
使用し、DVD120 に記憶した複数種類の刺繍模様のな
かから所望の刺繍模様を選択し編集して、その模様デー
タを縫製装置1に供給して刺繍模様を縫製するようにし
ているが、ゲーム機6によりゲームソフトのキャラクタ
の画像データを縫製装置1側へ供給し、縫製装置1にお
いてその画像データに基づいて模様データを作成するよ
うにしてもよい。
【0157】なお、前記当接部173の突出形状及び/
またはリミットスイッチ170の配置位置を工夫するこ
とにより、図40の一点鎖線間L0のようにON信号を
出力する区間長さを短くする等の調節が可能である。こ
のように、押し片171が最上位置からかなり下った位
置でのみONとなるように構成すれば、作業者が誤って
押し片171を少し押してもONとならず、前述の制御
(S20〜S26)が実行されないから、刺繍不良や部
品の損傷を防止できる。
【0158】尚、図示していないが、縫製装置本体2か
らの加工カセット5の取外しの有無を検出するセンサを
設けると共に、糸切断手段130 を駆動する電動モータ等
のアクチュエータを設け、前記センサによる検出信号に
基づいてアクチュエータを駆動し、糸切断手段130 を作
動させるように構成してもよい。
【0159】上述した実施の形態においては、検出手段
としてのリミットスイッチ170が押し片171によっ
てオン・オフされ、それにより加工カセット5の有無や
取付け姿勢を検出するように構成されているが、そのリ
ミットスイッチ170を加工カセット5の装着時の近傍
位置に配置して、加工カセット5によってリミットスイ
ッチ170がオン・オフされるように構成しても良い。
さらに、加工カセット5をモータやソレノイド等の電動
アクチュエータにより移動させるのであれば、、その電
動アクチュエータの動作部分、その電動アクチュエータ
によって移動される部材、電動アクチュエータを制御す
るための制御信号に基づき、加工カセット5の有無や取
付け姿勢を検出して、上述した実施形態のような制御を
行っても良い。
【0160】上述した本発明に関わる図39、図41で
示すフローチャートの制御プログラムは、外部記憶媒体
であるDVD120、データを縫製装置本体2に送信す
る装置としてのゲーム機6のROM6bや、サーバー内
のハードディス、加工カセット5やリミットスイッチ1
70が設けられた装置である縫製装置本体2のROM1
3bの少なくとも1つにコンピュータで読取り可能に記
憶されていれば良い。なお、固定的にこの制御プログラ
ムを記憶する必要はなく、模様データの一部のごとく、
この制御プログラムを、インターネットを介して縫製装
置本体2或いはゲーム機6に配信しても良い。
【0161】
【発明の効果】以上に詳述したように、請求項1に記載
の発明の加工装置は、縫製加工用の上下動する針または
糸駒を収納可能に構成された加工カセットに対して被加
工物が取付けられた取付け枠を交差する方向に移動させ
つつ当該被加工物に縫製加工を施すように構成された加
工装置において、前記加工カセットの取付けの有無また
は取付け姿勢を検出する検出手段と、前記取付け枠を移
動させるための枠駆動手段と、縫製制御手段とを備え、
該縫製制御手段は、少なくとも前記検出手段の検出信号
により前記枠駆動手段を駆動させて前記取付け枠を取り
出し可能位置に復帰させるように制御することを特徴と
するものであるから、加工カセットが加工装置に取付け
た状態またはその取付け姿勢を検出して、縫製作業に不
都合な状態であれば、前記取付け枠を取り出し可能位置
に復帰させないように制御すると、作業者の誤操作によ
り不用意に取付け枠が移動しないから、加工装置や加工
カセットの部品の破損等の防止に寄与できる。
【0162】他方、縫製作業が中断できるような加工カ
セットの取付け姿勢であれば、前記取付け枠を取り出し
可能位置に復帰させるように制御することで、取付け枠
の交換作業等を容易にできるという効果を奏する。
【0163】そして、請求項2に記載の発明は、請求項
1に記載の加工装置において、前記加工装置本体に回動
可能に装着した揺動アームには、前記加工カセットを着
脱可能に係合する係合手段を備え、前記加工装置本体に
は、前記係合手段を加工カセットの係合解除方向に操作
する操作部材を備え、前記検出手段は、前記操作部材の
操作位置を検出するものであり、前記縫製制御手段は、
縫製作業中に、前記検出手段の検出信号が加工カセット
の係合解除位置と判断したときには、縫製動作を中断す
るように制御するものである。
【0164】このように構成すると、作業者が誤って操
作部材を操作して加工カセットを取り外し可能なように
係合解除してしまった場合に、その状態を検出手段にて
検出して縫製作業を自動的に中断できるから、縫製作業
に関連した装置の部品が不用意に作動して、部品が損傷
するという不都合を確実に回避できるという効果を奏す
る。
【0165】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の加工装置において、前記加工カ
セットの近傍に配置する糸切断手段と、該糸切断手段を
作動させる作動手段とを備え、前記操作部材による加工
カセットの係合解除方向への操作に連動して、前記作動
手段を糸切断方向に回動駆動するように構成する一方、
前記縫製制御手段は、前記取付け枠取外しを指示すると
きには、当該取付け枠を前記取り出し可能位置に復帰さ
せるように制御するものである。
【0166】この構成により、加工カセットや取付け枠
の交換等の取付け枠取外しを指示された時には、前記操
作部材による加工カセットの係合解除方向への操作に連
動して、前記作動手段を糸切断方向に回動駆動するの
で、加工カセットと取付け枠との間に繋がる糸が自動的
に切断される結果、請求項1または請求項2に記載の発
明による効果に加えて、ワンタッチ操作にて、加工カセ
ットの姿勢変更と糸切断作業とを実行できて操作性が向
上し、加工カセットや取付け枠の交換作業や取付け枠の
取外し作業が迅速且つ円滑に実行できるという効果を奏
する。
【0167】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至請求項3のいずれかに記載の加工装置において、
前記加工装置本体に揺動アームを回動可能に装着し、該
揺動アームに固定されて加工カセットを回動自在に支持
する係合部と移動可能な係合部材とにより前記加工カセ
ットを着脱可能に装着し、前記係合部材を加工カセット
の係合解除方向に操作されるべく、前記操作部材を関連
させると共に、前記操作部材による加工カセットの係合
解除方向への操作に連動して、前記糸切断手段を作動さ
せる駆動レバーを糸切断方向に回動駆動するように構成
したものである。このように構成すると、加工カセット
を揺動アーム上にて取付け取り外しの姿勢に変更でき、
加工カセットを揺動アームから外す係合部材の作動と糸
切断の操作とを、操作部材の操作により一挙にできると
共に、これらの作動後に取り出し枠を取り出し可能位置
に復帰移動させることで、取り出し枠の交換作業も至極
円滑に行えるという効果を奏する。
【0168】請求項5に記載の発明の加工装置のための
記憶媒体は、縫製加工用の上下動する針または糸駒を収
納可能に構成された加工カセットに対して被加工物が取
付けられた取付け枠を交差する方向に移動させつつ当該
被加工物に縫製加工を施すように構成された加工装置の
ためのコンピュータで読取り可能な記憶媒体であって、
前記加工カセットの取付けの有無または取付け姿勢を検
出する検出手段と、前記取付け枠を移動させるための枠
駆動手段とに電気的に接続可能な制御手段に用いられ、
前記検出手段の検出信号により、前記制御手段が前記枠
駆動手段を駆動させて前記取付け枠を取り出し可能位置
に復帰させるためのコンピュータプログラムを記憶して
いることを特徴とするものである。
【0169】従って、本発明の記憶媒体を使用すれば、
加工カセットが加工装置に取付けた状態またはその取付
け姿勢を検出して、縫製作業に不都合な状態であれば、
前記取付け枠を取り出し可能位置に復帰させないように
制御すると、作業者の誤操作により不用意に取付け枠が
移動しないから、加工装置や加工カセットの部品の破損
等の防止に寄与できる。
【0170】他方、縫製作業が中断できるような加工カ
セットの取付け姿勢であれば、前記取付け枠を取り出し
可能位置に復帰させるように制御することで、取付け枠
の交換作業等を容易にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る縫製装置とゲーム機等
の斜視図である。
【図2】縫製装置(安全カバーが収納用位置の状態)の
斜視図である。
【図3】刺繍枠駆動機構等を示す平面図である。
【図4】カム部材の正面図である。
【図5】刺繍枠の斜視図である。
【図6】刺繍枠の部分的な縦断面図である。
【図7】加工カセットの正面図である。
【図8】加工カセットの背面図である。
【図9】加工カセットの左側面図である。
【図10】加工カセット(閉状態)の縦断面図である。
【図11】加工カセット(開状態)の縦断面図である。
【図12】加工カセットの収容ケース側の縦断面図であ
る。
【図13】加工カセットの開閉蓋側の縦断面図である。
【図14】加工カセット、揺動アームの一部及びカセッ
ト取外し姿勢付与手段の部品の分解斜視図である。
【図15】加工カセット及び揺動アームにカセット取外
し姿勢付与手段を装着した状態の斜視図である。
【図16】装着状態における加工カセットと揺動アーム
等の正面図である。
【図17】図16に対応する左側面図である。
【図18】揺動アームと糸切断手段の加工カセット未装
着状態の平面図である。
【図19】揺動アームから加工カセットを取外し準備状
態の正面図である。
【図20】図19に対応する左側面図である。
【図21】糸切断状態を示す前面板裏面図である。
【図22】図21に対応する左側面図である。
【図23】移動禁止機構(ロック状態)の平面図であ
る。
【図24】移動禁止機構(ロック解除状態)の平面図で
ある。
【図25】移動禁止機構の側面図である。
【図26】逆流防止機構の縦断面図である。
【図27】ロック機構のロック部材の側面図である。
【図28】縫製動作の説明図(縫製開始前)である。
【図29】縫製動作の説明図(1針目の針落ち時)であ
る。
【図30】縫製動作の説明図(1針目の針落ち直後の針
上がり状態)である。
【図31】縫製動作の説明図(布送り時)である。
【図32】縫製動作の説明図(1針目以降の針落ち時)
である。
【図33】縫製動作の説明図(1針目以降の針上がり状
態)である。
【図34】布及びそれに形成された刺繍模様と両面テー
プの断面図である。
【図35】模様縫製布の断面図である。
【図36】縫製装置とゲーム機の制御系を示すブロック
図である。
【図37】DVDに記憶されているデータを示す図であ
る。
【図38】ゲーム機で実行される制御のフローチャート
である。
【図39】縫製装置で実行されるフローチャートであ
る。
【図40】操作部材の移動とリミットスイッチのON・
OFF関係を示すタイムチャート図である。
【図41】刺繍枠取り出し制御のサブルーチンフローチ
ャートである。
【符号の説明】
T 糸 1 縫製装置 2 縫製装置本体 3 安全カバー 4 刺繍枠 5 加工カセット 20 X方向駆動機構 30 Y方向駆動機構 35 パルスモータ 40 揺動アーム 42 係合部としての係合ピン 44a 係合部材 44b 操作部材 70 布 81 中空針 82 糸駒 83 針カバー 86 収容ケース 86a 係合溝 130 糸切断手段 131 駆動レバーとしての糸切りレバー 132 4リンク機構 133、134 糸切断刃 135 連動部 136 当接ピン 160 カセット取外し姿勢付与手段 161、162 姿勢付与体 170 検出手段としてのリミットスイッチ 171 押し片 177 当接部
フロントページの続き Fターム(参考) 3B150 AA04 AA15 CB04 CE02 CE22 CE23 FH02 FH07 FH09 FH20 GD14 GD15 GD25 GE03 GF02 GF03 GG04 JA07 LA24 LA53 LA55 LA67 LA71 LA73 LA77 LA78 LA89 LB01 LB02 NA28 NA48 NA51 NA71 NC03 NC06 QA04 QA06 QA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縫製加工用の上下動する針または糸駒を
    収納可能に構成された加工カセットに対して被加工物が
    取付けられた取付け枠を交差する方向に移動させつつ当
    該被加工物に縫製加工を施すように構成された加工装置
    において、 前記加工カセットの取付けの有無または取付け姿勢を検
    出する検出手段と、前記取付け枠を移動させるための枠
    駆動手段と、縫製制御手段とを備え、 該縫製制御手段は、少なくとも前記検出手段の検出信号
    により前記枠駆動手段を駆動させて前記取付け枠を取り
    出し可能位置に復帰させるように制御することを特徴と
    する加工装置。
  2. 【請求項2】 前記加工装置本体に回動可能に装着した
    揺動アームには、前記加工カセットを着脱可能に係合す
    る係合手段を備え、 前記加工装置本体には、前記係合手段を加工カセットの
    係合解除方向に操作する操作部材を備え、前記検出手段
    は、前記操作部材の操作位置を検出するものであり、前
    記縫製制御手段は、縫製作業中に、前記検出手段の検出
    信号が加工カセットの係合解除位置と判断したときに
    は、縫製動作を中断するように制御することを特徴とす
    る請求項1に記載の加工装置。
  3. 【請求項3】 前記加工カセットの近傍に配置する糸切
    断手段と、該糸切断手段を作動させる作動手段とを備
    え、 前記操作部材による加工カセットの係合解除方向への操
    作に連動して、前記作動手段を糸切断方向に回動駆動す
    るように構成する一方、 前記縫製制御手段は、前記取付け枠取外しを指示すると
    きには、当該取付け枠を前記取り出し可能位置に復帰さ
    せるように制御することを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の加工装置。
  4. 【請求項4】 前記加工装置本体に揺動アームを回動可
    能に装着し、 該揺動アームに固定されて加工カセットを回動自在に支
    持する係合部と移動可能な係合部材とにより前記加工カ
    セットを着脱可能に装着し、 前記係合部材を加工カセットの係合解除方向に操作され
    るべく、前記操作部材を関連させると共に、 前記操作部材による加工カセットの係合解除方向への操
    作に連動して、前記糸切断手段を作動させる駆動レバー
    を糸切断方向に回動駆動するように構成したことを特徴
    とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の加工装
    置。
  5. 【請求項5】 縫製加工用の上下動する針または糸駒を
    収納可能に構成された加工カセットに対して被加工物が
    取付けられた取付け枠を交差する方向に移動させつつ当
    該被加工物に縫製加工を施すように構成された加工装置
    のためのコンピュータで読取り可能な記憶媒体であっ
    て、 前記加工カセットの取付けの有無または取付け姿勢を検
    出する検出手段と、 前記取付け枠を移動させるための枠駆動手段とに電気的
    に接続可能な制御手段に用いられ、 前記検出手段の検出信号により、前記制御手段が前記枠
    駆動手段を駆動させて前記取付け枠を取り出し可能位置
    に復帰させるためのコンピュータプログラムを記憶して
    いることを特徴とする加工装置のための記憶媒体。
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