JP2002172290A - 加工装置 - Google Patents

加工装置

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JP2002172290A
JP2002172290A JP2000372051A JP2000372051A JP2002172290A JP 2002172290 A JP2002172290 A JP 2002172290A JP 2000372051 A JP2000372051 A JP 2000372051A JP 2000372051 A JP2000372051 A JP 2000372051A JP 2002172290 A JP2002172290 A JP 2002172290A
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sewing
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needle
thread
cassette
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JP2000372051A
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Yasuhiro Shimizu
靖宏 清水
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】縫製加工用の加工カセットを加工装置本体に着
脱する技術を改善して、加工カセットを加工装置本体に
簡単且つ確実に装着可能にし、加工カセットを取り扱い
易くして安全性に優れた加工装置を提供する。 【解決手段】縫製装置本体2の揺動アーム40に係合ピ
ン42を設けると共に、この係合ピン42に回動自在に
係合する係合孔86aを縫製用カートリッジ5に形成
し、係合ピン42に係合孔86aを介して枢支された加
工カセットを縫製可能な位置に回動させ、その縫製可能
な位置に係合部材44aで加工カセットを回転規制して
縫製装置本体2に装着するように構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は縫製加工用の加工
装置本体と加工カセットとを備えた加工装置に関し、特
に、加工装置本体に加工カセットを着脱する技術を改善
したものである。
【0002】
【従来の技術】 従来、ミシン等の縫製装置は、上糸を
通した縫針を昇降駆動し、その縫針と糸捕足機構や天秤
機構等との協働により上糸と下糸とで布に縫製を施すよ
うになっている。通常の家庭用ミシンでは、1本の針棒
の下端に装着された縫針で縫製を行うため、縫針に供給
される糸駒に巻かれた上糸が消費された場合や、カラフ
ルな模様を縫製するために上糸の色を替える場合に、上
糸をミシン本体の所定の案内部に掛けてから針孔へ通す
作業が必要となる。
【0003】最近、ハンディな小型軽量の縫製装置や縫
製機器も市販されているが、近い将来、子供等でも取り
扱いが容易な刺繍機能のある縫製装置が実用に供される
ものと想定される。そのような場合、簡単に糸色(糸
駒)を交換でき、安全性に優れたものが要求される。従
来、糸駒に巻かれた上糸が消費された場合やカラフルな
模様を縫製するために上糸の色を替える場合に、上糸の
糸掛け作業と針孔への糸通し作業を省略できる縫製装置
として、縫針と糸駒とを一体的に備えた縫製用カートリ
ッジを、縫製装置本体に着脱可能に装着するものが実用
化されている。
【0004】特公昭59−15674号公報の縫製装置
には、縫針と糸駒と糸調子部材等をカバー内に収容した
縫製用カートリッジが設けられている。この縫製用カー
トリッジは縫製装置本体に形成された凹部に差し込ま
れ、止め金等を介して摩擦保持された状態に装着され
る。この状態で、縫製用カートリッジのカバーが凹部に
固定され、縫針が縫製装置本体に設けた針上下動機構に
作動的に連結され、ミシンモータが駆動されると、針上
下動機構によりカバーに対して縫針が上下動され、上糸
と下糸とで布に縫製が施される。
【0005】米国特許第3749039号公報の縫製装
置には、糸駒を収容した縫製用カートリッジが設けら
れ、この縫製用カートリッジは、縫製装置本体に設けた
ガイド壁にガイドされつつ上方から下方へ差し込むよう
に装着される。尚、縫製用カートリッジが縫製装置本体
に装着されると、カバー内の糸駒から延びる上糸が縫製
装置本体に設けた糸調子部材に自動的に掛けられるよう
になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 従来のミシンでは、
糸駒に巻かれた上糸が消費された場合やカラフルな模様
を縫製するために上糸の色を替える場合には、その都
度、上糸をミシン本体に糸掛けしてから針孔へ通す面倒
な作業が必要となるため、子供等にとって非常に取り扱
いにくいものになる。また、縫針の尖った先端部が外部
へ露出しているため、その縫針が衣服等に引っ掛かりそ
れらを破損させる虞がある。
【0007】一方、従来の縫製用カートリッジを備えた
縫製装置においては、縫製用カートリッジの交換によ
り、面倒な糸掛け糸通し作業を行うことなく糸色(糸
駒)を簡単に交換することができる。しかし、特公昭5
9−15674号公報や米国特許第3749039号公
報の縫製装置のように、縫製装置本体に縫製用カートリ
ッジを装着する際、縫製用カートリッジを縫製装置本体
に単に差し込んで行うものでは、縫製用カートリッジや
縫製装置本体の構造等によっては、縫製用カートリッジ
を正規の装着位置に装着できたか否かが判りにくく、縫
製用カートリッジの装着や取外しを簡単且つ確実に行い
にくくなる虞がある。
【0008】また、縫製用カートリッジを縫製装置本体
に装着した状態で、一般的なミシンと同様に、縫針の先
端部が外部へ露出し、また、縫製装置本体から取外した
状態でも、縫針の先端部が外部へ露出しているものが多
いため、縫製用カートリッジを縫製装置本体に着脱する
際等、縫針が衣服等に引っ掛かりそれらを破損させない
ように注意して慎重に取り扱わなければならない。
【0009】本発明の目的は、加工カセットを加工装置
本体に着脱する技術を改善して、加工カセットを加工装
置本体に簡単且つ確実に装着可能にし、加工カセットを
取り扱い易くして安全性に優れた加工装置を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】 請求項1の加工装置
は、縫製加工用の加工カセットを加工装置本体に着脱可
能に装着して被加工物に縫製加工を施す加工装置におい
て、前記加工装置本体に設けられて加工カセットを回転
自在に支持する支持部と、前記加工装置本体に設けら
れ、支持部に枢支された加工カセットを縫製可能な位置
に回転規制する回転規制部材とを備えたことを特徴とす
るものである。
【0011】加工カセットを加工装置本体に装着する場
合には、加工カセットを支持部に枢支させてから、その
支持部を中心として回転させる。加工カセットが縫製可
能な位置まで回転すると、その位置に回転規制部材によ
り回転規制されて装着状態となる。加工カセットを加工
装置本体から取外す場合には、回転規制部材による加工
カセットの回転規制を解除し、加工カセットを支持部を
中心として縫製可能な位置から前記と逆方向に回転させ
て取外すことができる。
【0012】加工カセットを加工装置本体に装着した姿
勢と異なる姿勢にして把持し、支持部に枢支させる作業
を行うことができ、その後、只、加工カセットを支持部
を中心として回転させるだけで、縫製可能な位置に切換
える作業を行うことができ、そして、回転規制部材によ
りこの縫製可能な位置に加工カセットを回転規制するこ
とができる。つまり、加工カセットや加工装置本体の構
造等を鑑みて、加工カセットを加工装置本体に簡単且つ
確実に装着することができ、加工カセットを正規の装着
位置に装着できたか否かを判り易くすることもできる。
【0013】請求項2の加工装置は、請求項1の発明に
おいて、前記支持部が軸状の部材からなり、この支持部
に回動自在に係合する係合孔を加工カセットに形成した
ことを特徴とするものである。加工装置本体の軸状の部
材からなる支持部に、加工カセットに形成された係合孔
が回動自在に係合して支持される。この支持構造を軸状
の部材と係合孔を含む簡単な構造で実現でき、製作コス
ト的にも有利になる。
【0014】請求項3の加工装置は、請求項1又は2の
発明において、前記加工カセットが、被加工物を貫通可
能な加工針と、この加工針の少なくとも先端部をカバー
するカバー位置とこのこのカバー位置から退避して加工
針の被加工物への貫通を可能にする退避位置とに亙って
移動可能な針カバーと、この針カバーの移動を禁止する
移動禁止手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】加工針が被加工物に貫通しない状態で、カ
バー位置の針カバーにより加工針をカバーし、針カバー
がカバー位置から退避位置へ移動して、加工針を被加工
物に貫通させることができる。移動禁止手段により針カ
バーの移動を禁止することができ、特に、カバー位置に
おける針カバーの移動を禁止することにより、不用意な
取り扱いにより加工針の先端部が外部へ露出するのを防
止できるため、安全性に優れた取り扱い易いものにな
る。
【0016】請求項4の加工装置は、請求項3の発明に
おいて、前記移動禁止手段は、加工カセットを加工装置
本体から取外した状態では、前記カバー位置における針
カバーの移動を禁止すると共に、加工カセットを加工装
置本体に装着した状態では、前記カバー位置からの針カ
バーの移動を許容するように構成したことを特徴とする
ものである。縫製装置本体から取外された加工カセット
の安全性と取り扱い易さを向上させ、縫製装置本体に装
着された加工カセットの加工針を被加工物に貫通させる
ことができる。
【0017】請求項5の加工装置は、請求項1〜4の何
れかの発明において、前記加工カセットが回転規制部材
により回転規制されていない状態で、支持部を中心とし
て上方へ回動可能に構成されたことを特徴とするもので
ある。加工カセットが回転規制部材により回転規制され
ていない状態、つまり、加工カセットが縫製装置本体に
完全に装着されていない状態で、誤って縫製加工が実施
されて加工カセットが縫製装置本体に接触した場合等、
加工カセットを支持部を中心として上方へ回動させて、
加工カセットや加工装置本体等の損傷を防止できる。
【0018】請求項6の加工装置は、請求項2の発明に
おいて、前記係合孔が、加工カセットの一端部において
加工装置本体への装着状態でほぼ水平方向に開口するよ
うに切欠いた孔に形成され、加工カセットの他端部に前
記回動規制部材が係合可能な係合溝を形成したことを特
徴とするものである。加工カセットの一端部の係合孔を
加工装置本体の支持部に容易に係合させ、更に、加工カ
セットの他端部の係合溝に回動規制部材を係合させて、
加工カセットを加工装置本体へ確実に装着することがで
きる。加工カセットが縫製装置本体に装着された状態
で、係合孔が水平方向に開口するため、鉛直方向に対し
て加工装置本体に対する加工カセットの装着強度を高め
て、縫製加工の際の離脱を確実に防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施
形態の縫製装置1(加工装置)は、コントローラ7を含
むデータ供給手段としての家庭用ゲーム機6に接続ケー
ブルを介して接続し、そのゲーム機6を使用して表示手
段としてのディスプレイ8の画面(家庭用テレビ)を見
ながら選択・編集した刺繍模様を所定の布(被加工物)
に縫製加工を施して形成するものである。尚、図1の前
後左右を前後左右として説明する。
【0020】図1〜図3に示すように、縫製装置1は、
縫製装置本体2(加工装置本体)と、この縫製装置本体
2に前後方向へスライド可能に装着されている安全カバ
ー3と、縫製装置本体2に着脱可能に装着される刺繍枠
4及び縫製用カートリッジ5(加工カセット)等で構成
され、刺繍枠4に縫製に供する被加工物としての布70
が取付けられ、縫製用カートリッジ5にその布70を貫
通可能な縫製用の中空針81(加工針)等が装備されて
いる。
【0021】先ず、縫製装置本体2について説明する。
図2〜図8に示すように、縫製装置本体2は、ケーシン
グ10と、布70を取付けた刺繍枠4をキャリッジ18
に取付けて縫製用カートリッジ5の中空針81に対して
水平方向へ移動させる刺繍枠駆動機構11と、縫製用カ
ートリッジ5を揺動アーム40に取付けて上下に揺動駆
動するカートリッジ駆動機構12と、刺繍枠駆動機構1
1とカートリッジ駆動機構12を制御する制御装置13
(図35参照)を備えている。
【0022】前記ケーシング10は、比較的小型の直方
体(例えば、縦130mm 、横165mm 、高さ70mm)状に形成
され、その内部に、刺繍枠駆動機構11及びカートリッ
ジ駆動機構12の主要部と制御装置13が収容されてい
る。但し、ケーシング10には、その左端から左右長の
約2/3部分、前端から前後長の約1/4部分、上端か
ら上下長の約1/2部分を直方体状に切欠いた切欠き空
間10aが形成されている。尚、この切欠き空間10a
の右側において、ケーシング10の上壁部10dは、後
述の操作部材44bを操作できるように、切欠き空間1
0a側から切欠かれている。
【0023】この切欠き空間10aを形成するケーシン
グ10の前面壁10bの下端部には、刺繍枠駆動機構1
1のキャリッジ18に刺繍枠4を装着し水平方向へ移動
させる為のスリット10cが左右方向向きに形成されて
いる。切欠き空間10aを形成するケーシング10の側
壁部には、カートリッジ駆動機構12の揺動アーム40
を上下揺動可能にケーシング10の内部から切欠き空間
10a側へ突出させるスリット(図示略)が上下方向向
きに形成されている。
【0024】ケーシング10の上壁部10dには、前方
凸形のガイド上面部10eが段上がり状に形成され、こ
のガイド上面部10eの右側に、制御装置13に電気的
に接続された電源スイッチ15と縫製の開始と終了を指
令する指令手段としてのスタート/ストップスイッチ1
6が設けられている。これらスイッチ15,16の上端
面は、上壁部10dの上面の高さ位置と一致或いは少し
下方に位置している。
【0025】ガイド上面部10eの前側において、揺動
アーム40への縫製用カートリッジ5の着脱(後で詳述
する)を可能にするために、ガイド上面部10eの前端
は、縫製用カートリッジ5の左右幅よりも長く、揺動ア
ーム40に装着した状態の縫製用カートリッジ5の後ろ
左側まで延びている。
【0026】ケーシング10の左右の両側の各側壁部1
0fには、ガイド溝10g,10hが前後方向向きに形
成されている。ガイド溝10gの上下幅はガイド溝10
hの上下幅よりも小さく、そのガイド溝10gにはケー
シング10の前後方向略中央位置において側方へ突出す
る係止ブロック片67が固定されている。但し、切欠き
空間10aがある関係上、左側壁部10fとそのガイド
溝10g,10hの前後長は、右側壁部10fとそのガ
イド溝10g,10hの前後長よりも短い。
【0027】前記刺繍枠駆動機構11は、図2、図3、
図6に示すように、刺繍枠4を着脱可能に装着するキャ
リッジ18と、このキャリッジ18を水平面内において
X方向(左右方向)へ駆動するX方向駆動機構20と、
このX方向駆動機構20と共にキャリッジ18を水平面
内においてX方向と直交するY方向(前後方向)へ駆動
するY方向駆動機構30とで構成されている。
【0028】キャリッジ18は、刺繍枠4の後端支持部
4aを係脱可能な係合部18aと、係合部18aの下側
から後方へ延びる案内板18bを有し、刺繍枠4を着脱
する際には揺動アーム40の下方に位置している。X方
向駆動機構20の可動フレーム21には、その後部に左
右方向向きのガイド部21aが形成され、前部に左右方
向向きのガイドロッド22が設けられ、これらガイド部
21aとガイドロッド22に、キャリッジ18が左右方
向へ移動自在にガイド支持されている。
【0029】X方向駆動機構20は、可動フレーム2
1、ガイドロッド22、スクリュー軸23、パルスモー
タ24、ガイドピン25を有する。可動フレーム21は
上方を開放した略箱形に形成され、その両側壁部にガイ
ドロッド22の両端部が支持されている。スクリュー軸
23は可動フレーム21の内部において左右方向向きに
伸長して配設され、その左端部が可動フレーム21の左
壁部に回転自在に支持されている。パルスモータ24は
可動フレーム21の右壁部の右側に固定され、その出力
軸がスクリュー軸23の右端部に直結されている。
【0030】キャリッジ18の案内板18bがスクリュ
ー軸23の上側に配設され、その案内板18bにガイド
ピン25が下方突出状に固定されて、スクリュー軸23
の螺旋溝に摺動自在に係合している。パルスモータ24
によりスクリュー軸23が回動されると、その螺旋溝に
ガイドピン25がガイドされて左右に移動するため、キ
ャリッジ18がX方向に移動駆動される。
【0031】Y方向駆動機構30は、支持フレーム3
1、2本のガイドロッド32,33、スクリュー軸3
4、パルスモータ35、ガイドピン36を有する。支持
フレーム31は側面視にて略凹形に形成され、その前後
両壁部に前後方向向きのガイドロッド32,33の両端
部が支持されている。そして、これらガイドロッド3
2,33に、X方向駆動機構20の可動フレーム21が
前後方向へ移動自在にガイド支持されている。
【0032】スクリュー軸34は前後方向向きに伸長し
て配設され、その後端部が支持フレーム31の後壁部に
回転自在に支持されている。パルスモータ35は支持フ
レーム31の前壁部の前側に固定され、その出力軸がス
クリュー軸34の前端部に直結されている。ガイドピン
36は可動フレーム21に下方突出状に固定され、スク
リュー軸34の螺旋溝に摺動自在に係合している。パル
スモータ35によりスクリュー軸34が回動されると、
その螺旋溝にガイドピン36がガイドされ前後に移動す
るため、可動フレーム21と共にキャリッジ18がY方
向に移動駆動される。尚、Y方向駆動機構30はX方向
駆動機構20の下方に配置されている。
【0033】ここで、刺繍枠駆動機構11により、キャ
リッジ18に取付けた刺繍枠4を移動させることができ
る移動領域は、図6に示す領域38となり、その移動領
域38の略中央位置に、縫製装置本体2に装着された縫
製用カートリッジ5の中空針81が位置する。但し、縫
製装置本体2の前部に縫製用カートリッジ5が装着され
るため、この移動領域38の前部はケーシング10の外
部へはみ出している。このように、X方向駆動機構20
とY方向駆動機構30を上下に配置し、キャリッジ18
の移動領域38の下方に何れかの駆動機構が配置される
ので、縫製装置本体2を小型化することができる。
【0034】前記カートリッジ駆動機構12は、図6〜
図9に示すように、縫製用カートリッジ5を着脱可能な
揺動アーム40と、揺動アーム40を上下に揺動駆動す
る駆動源としてのACモータであるミシンモータ45
と、ミシンモータ45の回転速度を減速するギヤ機構5
0と、ギヤ機構50により減速された回転運動を揺動ア
ーム40の上下揺動運動に変換するカム機構55等を有
する。
【0035】揺動アーム40は、図7、図8、図19〜
図21に示すように、左右方向に長いアーム部40a
と、上下方向に長いレバー部40bを一体形成して構成
され、ケーシング10の前部側の略右半部に配設されて
いる。レバー部40bの途中部が、縫製装置本体2にブ
ラケット41aを介して支持された枢支軸41bに枢支
され、揺動アーム40のうち、アーム部40aの大部分
が切欠き空間10a側へ突出し、その他の部分がケーシ
ング10の内部に収容されている。
【0036】アーム部40aには、その左端部において
縫製用カートリッジ5を回転自在に支持する前後方向向
きの軸状の係合ピン42(支持部)が前方突出状に固定
され、係合ピン42の右側において前後方向向きのロッ
ク解除ピン43が前方突出状に固定され、ロック解除ピ
ン43の右側において係合ピン42に枢支された縫製用
カートリッジ5を縫製可能な位置(図21参照)に回転
規制する係合部材44a(回転規制部材)が回動自在に
支持されている。
【0037】また、アーム部40aには、係合部材44
aを時計回り方向へ回動付勢する捩じりバネ(図示略)
と、前記縫製可能な位置の縫製用カートリッジ5を上方
へ弾性付勢した状態で下側から受け止める板バネ44c
設けられている。揺動アーム40の後側には、縫製装置
本体2の機枠と一体の前面板19が、機枠の右部から立
ち上がり左方へ延びるように設けられ、この前面板19
の前部側に、係合部材44aを反時計回り方向へ回動操
作する為の操作部材44bが回動操作可能に支持されて
いる。但し、この操作部材44bの支持軸には捩じりバ
ネ44dが外装され、その一端が係止板19に付設の固
定部材19bに受止められ、他端が操作部材44bの左
端部に受止められている。更に、係止板19には、操作
部材44bを手動操作時以外で回動規制する図示外の規
制部材が設けられ、操作部材44bが略水平方向に保持
された状態で支持されるようになっている。
【0038】尚、係合ピン42、ロック解除ピン43、
係合部材44a、操作部材44b、板バネ44c等は、
揺動アーム40への縫製用カートリッジ5の装着と、揺
動アーム40からの縫製用カートリッジ5の取外しを行
う為の部材である。ミシンモータ45は、支持フレーム
31の前壁部31aの右下部の後側に前向きにして固定
されている。
【0039】ギヤ機構50は、図6〜図8に示すよう
に、支持フレーム31の前壁部31aの前側に配設され
たギヤ51〜54からなる。駆動ギヤ51はミシンモー
タ45の出力軸に固着され、同軸上に一体的に結合され
た中間ギヤ52,53と大径ギヤ54は前壁部31aに
夫々枢支されている。駆動ギヤ51と中間ギヤ52とが
噛合され、中間ギヤ53と大径ギヤ54とが噛合され
て、ミシンモータ45(駆動ギヤ51)の回転速度に対
して大径ギヤ54の回転速度が減速される。
【0040】カム機構55は、図6〜図9に示すよう
に、前壁部31aに枢支されたカム部材56と、揺動ア
ーム40の右下端部に前方突出状に固着されたカム従動
子57とを有し、カム部材56の外周部に前記大径ギヤ
54のギヤ歯が形成されている。カム部材56には後側
からカム溝56aが形成され、このカム溝56aにカム
従動子57が摺動自在に係合している。
【0041】図9に示すように、カム溝56aはカム部
材56の回転中心からの距離を変化させて環状に形成さ
れ、カム部材56が1回転すると、アーム部40aが図
7に示す上限位置と図8に示す下限位置とに亙って1往
復上下に揺動するようになっている。従動子57がカム
溝56aに係合する係合位置とカム部材56の回転軸心
との距離が長い程、従動子57が左方へ位置し揺動アー
ム40のアーム部40aは上方へ位置する。図9はカム
溝56aのうちカム部材56の回転軸心から最も離隔し
た部位にカム従動子57が係合した状態を示し、揺動ア
ーム40のアーム部40aは上限位置に位置している。
【0042】次に、安全カバー3について説明する。図
2〜図5に示すように、安全カバー3は、駆動される刺
繍枠4や縫製用カートリッジ5や揺動アーム40をガー
ドする機能と、子供等が中空針81により衣類を破損し
ないように中空針81と布70の移動領域38を覆う機
能と、スタート/ストップスイッチ16を誤操作するの
を防止する機能等を併せ持ったカバーである。この安全
カバー3は、前記刺繍枠4の移動領域38の全体を覆う
ことができるカバーであり、縫製時に移動領域38を覆
う縫製用位置(図3参照)と、この縫製用位置から復帰
させた梱包や収納の為の収納用位置(図2参照)とに亙
って移動可能に構成されている。
【0043】この安全カバー3は合成樹脂からなる透明
材料又は半透明材料で構成され、上壁部3aと前面壁3
bと左右の側壁部3cとを有し、下方と後方を開放した
形状に構成されている。安全カバー3の上壁部3aに後
端側から凹形の切欠き部3dが形成され、この切欠き部
3dがケーシング10のガイド上面部10eに前後摺動
自在に係合し、安全カバー3の上壁部3aの下面がケー
シング10の上壁部10dのうちガイド上面部10e以
外の上面に当接可能である。
【0044】安全カバー3の各側壁部3cの後部内側に
は鉛直板60が固定され、この鉛直板60には、上後部
の内側に係合片66が固定され、その下側に係合部60
aが一体的に形成されている。そして、ケーシング10
の各側壁部10fに形成されたガイド溝10gに係合片
66が摺動自在に係合し、ガイド溝10hに係合部60
aが摺動自在に係合している。安全カバー3の右側壁部
3cの前端部分内側には、ガイド溝10gに摺動自在に
係合可能な係合片61が固定されている。
【0045】ここで、安全カバー3を縫製用位置に位置
決めすると共に安全カバー3が装置本体2から離脱しな
いように規制する抜け止め用のストッパ機構65が設け
られている。このストッパ機構65は、安全カバー3の
各側壁部3cに固定された前記ガイド片66と、ケーシ
ング10の各側壁部10fのガイド溝10gに側方へ突
出するように固定された前記係止ブロック片67とを有
し、ガイド片66が係止ブロック片67に係止される
と、安全カバー3が縫製用位置に位置決めされ、これ以
上前方へ移動できないようになる。
【0046】安全カバー3が図2の収納用位置に切換え
られた状態で、安全カバー3の切欠き部3dがケーシン
グ10のガイド上面部10eに完全に係合するととも
に、安全カバー3の上壁部10dの後端部がガイド上面
部10eの段部に当接し、安全カバー3の前面壁3bが
ケーシング10の前面に接近した状態になる。安全カバ
ー3が収納用位置に位置しているときには、この安全カ
バー3により、前記刺繍枠4の移動領域38の全域は覆
われないが、安全カバー3を図2の収納用位置から前方
へスライドさせて図3の縫製用位置に切換えると、安全
カバー3により移動領域38の全域が覆われる。
【0047】安全カバー3が図3の縫製用位置に切換え
られた状態で、ケーシング10のガイド上面部10eの
前端部と安全カバー3の切欠き部3dとで、縫製用カー
トリッジ5の前後幅と略等しく且つ縫製用カートリッジ
5の左右長よりも長いカートリッジ取付口68が形成さ
れ、このカートリッジ取付口68から縫製用カートリッ
ジ5を揺動アーム40に装着することができる。尚、安
全カバー3の上壁部には、前記縫製用位置において、後
述の操作部材44bを上側から操作可能に開口部が形成
されている。
【0048】安全カバー3の上壁部3aの右部にはスイ
ッチ操作穴3eが形成され、安全カバー3が図2の収納
用位置に切換えられた状態で、このスイッチ操作穴3e
が電源スイッチ15と対向し、そのスイッチ操作が可能
となり、電源スイッチ15の前側に設けられたスタート
/ストップスイッチ16の上側は、禁止手段としての安
全カバー3で覆われた状態となるため、スタート/スト
ップスイッチ16の操作が不能となり禁止される。
【0049】前後に配置された電源スイッチ15とスタ
ート/ストップスイッチ16の中心間距離は、安全カバ
ー3の前後スライド量と同じであり、それ故、安全カバ
ー3が図3の縫製用位置に切換えられた状態では、スイ
ッチ操作穴3eがスタート/ストップスイッチ16と対
向し、そのスイッチ操作が可能となる。即ち、前記禁止
手段の禁止が解除される。
【0050】安全カバー3が縫製用位置に位置している
ときには、電源スイッチ15は安全カバーの後側に位置
して露出するため、電源スイッチ15の操作も可能とな
る。このように、安全カバー3が縫製用位置にあるとき
にも収納用位置にあるときにも、電源スイッチ15を操
作可能である。尚、電源スイッチ15とスタート/スト
ップスイッチ16とスイッチ操作穴57は、平面視にて
円形で略同じ大きさに形成されている。
【0051】安全カバー3の前面壁3bの下部の左右方
向中央付近部に、刺繍枠4を安全カバー3の内部に挿入
可能な刺繍枠挿入穴3fが形成され、更に、この前面壁
3bには、刺繍枠4を刺繍枠挿入穴3fから安全カバー
3の内部に挿入しキャリッジ18に装着する際に、刺繍
枠4を前後方向にガイドするガイド部材69が前面壁3
bに固定され、前面壁3bから前方へ突出する形状に構
成されている。この刺繍枠挿入穴3fは、前面壁3bの
左右方向の中央部に位置し、キャリッジ18の左右方向
移動範囲における中央位置(移動領域38の左右方向中
央位置)よりも少し右側にずれた位置に設けられてい
る。
【0052】このキャリッジ18が揺動アーム40の略
下側に位置しているとき、キャリッジ18は最も前方へ
移動した状態となり、ガイド部材69にガイドされ刺繍
枠挿入穴3fを介して安全カバー3の内部に挿入された
刺繍枠4をキャリッジ18に装着することができる。こ
のガイド部材69は安全カバー8を掴む為の把手として
兼用される。
【0053】刺繍枠4について説明する。図2、図6、
図10、図11に示すように、刺繍枠4は矩形枠状のベ
ース枠71と押え枠72からなる。これらベース枠71
と押え枠72の前端部同士が回動自在に連結され、ベー
ス枠71の後部側に、刺繍枠4をキャリッジ18の係合
部18aに係脱可能な後端支持部4aが一体形成されて
いる。ベース枠71の内縁部付近には、上端面に対して
段落ち状の段部71aが枠状に形成され、この段部71
aに矩形状の特殊な布70の外周部が嵌め込まれ、場合
によっては両面テープや接着剤等を介して剥離可能に固
着され、押え枠72により押えられて、布70が刺繍枠
4の略全体にピンと張った状態で取付けられている。
【0054】図11に示すように、この特殊な布70
は、例えば、ラミネート加工により、ウレタン製の弾性
膜体73を1対の織布74で挟み込んで形成された多層
構造の弾性を有する布である。刺繍枠4とこの刺繍枠4
に予め取付けられた布70とは複数組用意されている。
【0055】次に、縫製用カートリッジ5について説明
する。図2、図3、図12〜図18等に示すように、縫
製用カートリッジ5は、カセット本体80、被加工物と
しての布70を貫通可能な加工針としての中空針81、
中空針81に供給される糸Tを巻付けた糸駒82、中空
針81の少なくとも先端部をカバーする針カバー83、
中空針81をカバーするカバー位置に針カバー83を付
勢する付勢手段としての圧縮コイルバネ84、カバー位
置における針カバー83の移動を禁止する移動禁止機構
85等を備えている。尚、この縫製装置1には、揺動ア
ーム40に着脱可能な複数の縫製用カートリッジ5が用
意されており、これら縫製用カートリッジ5には異なる
色の糸が夫々収容され、カラフルな刺繍模様を形成でき
るようになっている。
【0056】カセット本体80はマッチ箱を横向きして
立てたような直方体形状であり、揺動アーム40に装着
された状態で縫製装置本体2に対して可動の可動体部分
としての収容ケース86と、縫製装置本体2に対してほ
ぼ固定の固定体部分としての開閉蓋87を有し、収容ケ
ース86の内部に中空針81及び針カバー83の上側部
分と糸駒82と圧縮コイルバネ84と移動禁止機構85
が収容されている。カセット本体80の右上端部分にお
いて、収容ケース86と開閉蓋87が回動可能に連結さ
れて、収容ケース86に対して開閉蓋87が図15に示
す閉位置と図16に示す開位置とに亙って開閉する。収
容ケース86に対して開閉蓋87を枢支する枢支軸部に
捩じりバネ88が装着され、この捩じりバネ88により
開閉蓋87が閉位置に回動付勢されている。
【0057】また、縫製用カートリッジ5は、糸駒82
を収納する収納部90(糸収納部)、収納部90に収納
された糸駒82の空転を防止する空転防止機構91、糸
駒82から中空針81へ至る糸Tの途中部に抵抗を付与
して糸Tが中空針81側から収納部90側へ逆流するの
を防止する逆流防止機構92、収容ケース86に対して
開閉蓋87を閉位置で一体的にロックするロック機構9
3等を備え、収容ケース86の内部に収納部90と空転
防止機構91とロック機構93のロック部材110 が設け
られ、開閉蓋87の内部に逆流防止機構92とロック機
構93の被係合部87dが設けられている。
【0058】収容ケース86の下部左端部には、揺動ア
ーム40の係合ピン42に回動自在に係合する係合孔8
6aが左方からU字形に切欠いて形成され、縫製用カー
トリッジ5が縫製装置本体2に装着された状態で、この
係合孔86aは水平方向(左方)に開口する。また、収
容ケース86の下部右端部には、揺動アーム40に付設
された係合部材44aが係合可能に凹んだ係合溝86b
が形成されている。ここで、揺動アーム40への縫製用
カートリッジ5の着脱について説明する。
【0059】縫製用カートリッジ5を揺動アーム40へ
装着する際、縫製用カートリッジ5を左下がりの傾斜姿
勢にして把持し、安全カバー3の前方移動により形成さ
れたカートリッジ取付口68から挿入して、図19に示
すように、係合孔86aを係合ピン42に係合させ、そ
の後、縫製用カートリッジ5をほぼ水平となる縫製可能
な位置になるまで時計回りに回動させる。図20に示す
ように、係合部材44aは縫製用カートリッジ5の右下
端部分に接触可能な姿勢に揺動アーム40に係合して保
持されており、縫製用カートリッジ5が縫製可能な位置
に切換わる少し前に係合部材44aに接触し、係合部材
44aを捩じりバネの付勢力に抗して反時計回りに回動
させつつ、縫製用カートリッジ5が縫製可能な位置に切
換わる。
【0060】すると、図21に示すように、係合部材4
4aが捩じりバネの付勢力により時計回りに少し回動復
帰して係合溝86bに係合して、この縫製可能な位置に
収容ケース86が回動規制されて揺動アーム40に固定
的に装着される。また、縫製用カートリッジ5を縫製可
能な位置に回動させる際、係合部材44aが係合溝86
bに係合する前に板バネ44cにも接触し、その板バネ
44cを弾性変形させつつ縫製用カートリッジ5が縫製
可能な位置に切換わる。つまり、縫製用カートリッジ5
は縫製可能な位置において板バネ44cにより上方へ付
勢された状態で受け止められて回動規制されて装着にな
る。
【0061】揺動アーム40が上限位置に位置している
状態で、この揺動アーム40への縫製用カートリッジ5
の装着が行われるが、前述のように、収容ケース86が
揺動アーム40に固定的に装着されると、図7、図21
に示すように、開閉蓋87の被係止部87aが縫製装置
本体2の係止板19(前面板)のピン19aに上側から
当接するように係止され、開閉蓋87の案内ピン105
が、収容ケース86の大きな揺動にもかかわらず、僅か
にしか揺動しないので、縫製装置本体2に対してほぼ固
定された状態となる。尚、開閉蓋87を縫製装置本体2
に完全に固定してもよい。
【0062】縫製用カートリッジ5を揺動アーム40か
ら取外す際には、図21の状態から、操作部材44bを
時計回り方向へ回動操作し、この操作部材44bを介し
て係合部材44aを捩じりバネの付勢力に抗して反時計
回り方向へ回動させる。すると、図20に示すように、
係合部材44aが係合溝86bから係合解除し、操作部
材44bによる操作終了後、係合部材44aが再度係合
溝86bに係合しない位置まで、板バネ44cの付勢力
により縫製用カートリッジ5が反時計回り方向へ回動さ
れて上昇し、この状態から、縫製用カートリッジ5を装
着時と逆に操作して揺動アーム40から取外すことがで
きる。但し、操作部材44bを回動操作していないとき
には、操作部材44bは、捩じりバネ19b等により略
水平姿勢に保持された状態で支持されている。尚、操作
部材44bを上側へ露出させるように、ケーシング10
の上壁部10dは切欠き空間10a側から切欠かれ、そ
の切欠かれた部分に対応させて、安全カバー3の上壁部
には、前記縫製用位置において開口部が形成されている
ため、操作部材44bを外部から操作できる。
【0063】カセット本体80の収容ケース86には、
収納部90に収納した糸駒82の糸Tの残量を外部から
視認可能な残量視認部としての開口部86cが、収容ケ
ース86の収納部90の前側の前壁に形成され、更に、
カセット本体80の開閉蓋87の上面部に、収納部90
に収納した糸駒82の糸Tの色と同色又は類似色を表示
する糸色表示部87bが、前記同色又は類似色のシール
を接着する等して設けられている。
【0064】糸駒82の鍔部82bは透明又は半透明で
あり、それ故、この糸駒82に巻かれた糸の残量を開口
部86cから鍔部82bを介して視認することができ
る。また、糸色表示部87bを開閉蓋87の上面部に設
けることにより、縫製装置本体2に縫製用カートリッジ
5を装着した状態で、糸色表示部87bを視認可能に外
界へ露出させることができる。
【0065】中空針81はカセット本体80の左部に略
立向きに配設されている。中空針81の少なくとも上端
部分が収容ケース86に固着された筒状の針支持部材9
5に支持されて、中空針81の下端側部分がカセット本
体80の下側へ突出している。この中空針81の先端部
分は左側から下方右側へ傾斜するように尖っており、縫
製用カートリッジ5が縫製装置本体2に装着されたとき
に、その最先端部が中空針81のうち揺動アーム40の
揺動中心側端部(右端部)にほぼ位置する。
【0066】収納部90は、収容ケース86の右半部に
おいて、収容ケース86の円弧壁90aに囲繞された部
分に形成され、この収納部90に収容された糸駒82
は、収容ケース86の軸部材90bに摺動自在に内嵌さ
れ回転可能に支持されている。糸駒82から延びる糸T
は、円弧壁90aの間の糸通過口90cから逆流防止機
構92を経て中空針81の上端からその孔に導入され、
中空針81の下端から縫製用カートリッジ5の外部へ繰
り出されている。
【0067】尚、糸駒82に巻き付けられた上糸である
糸Tはやや太めの糸であり、中空針81の孔はこの糸T
を糸通しできる大きさに形成されている。尚、中空針8
1の下端から糸Tがある程度の長さ繰り出された状態で
縫製が開始される。
【0068】針カバー83は、中空針81の先端部をカ
バーするカバー位置と、このカバー位置から上側へ退避
して中空針81の布70への貫通を可能にする退避位置
に亙って移動可能に構成されている。この針カバー83
は、縫製加工の際に布70を押える押え足でもあり、カ
バー部83a(押え部)と、カバー部83aの右端部側
から上方へ延びる被ガイド部83bとを一体形成して構
成されている。
【0069】カバー部83aには中空針81が通過可能
な針通過孔83cが形成され、被ガイド部83bが収容
ケース86に上下移動自在にガイドされ、被ガイド部8
3bと収容ケース86の間に圧縮コイルバネ84が介装
されている。被ガイド部83bの上下方向中央部に突出
部83dが右方突出状に設けられ、この突出部83d
が、被ガイド部83bを上下方向にガイドするリブ86
dの上端部に当接した状態で、針カバー83がカバー位
置になり、針通過孔83cの内側に中空針81の先端部
が位置してカバー部83aでカバーされる。そのカバー
位置から針カバー83が中空針81に対して上方へ移動
すると退避位置になり、中空針81が針通過孔83cを
通過してカバー部83aの下側へ突出する。
【0070】移動禁止機構85は、図15〜図17、図
22〜図24に示すように、収容ケース86内部の左右
方向中央部の下部に配設された移動禁止部材100 を有す
る。この移動禁止部材100 は、鉛直な枢支軸部100aと、
枢支軸部100aの左側に位置するロック部100bと、枢支軸
部100aの右側に位置する入力部100cとを一体形成して構
成されている。移動禁止部材100 は、その枢支軸部100a
が収容ケース86に枢支されて、鉛直軸心回りに回動自
在且つ上下移動不能に設けられている。
【0071】ロック部100bは上下方向に比較的に長く、
その下端部が、前記カバー位置に位置する針カバー83
の突出部83d、つまり、リブ86dの上面に当接して
いる突出部83dの上面にほぼ当接する。この状態で、
ロック部100bがリブ86eと突出部83dの間に介入さ
れた状態となり、カバー位置における針カバー83がロ
ックされ上方へ移動できなくなる。移動禁止部材100
は、このロック位置(図22参照)と、ロック部100bが
突出部83dの上下移動軌跡上から退避したロック解除
位置(図23参照)とに亙って回動可能であり、移動禁
止部材100 がロック解除位置のときに、針カバー83が
上方へ移動可能になる。
【0072】枢支軸部100aには捩じりバネ100dが外装さ
れ、この捩じりバネ100dにより移動禁止部材100 は前記
ロック位置に回動付勢されて、縫製用カートリッジ5が
縫製装置本体2から取外されている状態では、移動禁止
部材100 はこのロック位置に保持さている。収容ケース
86の前壁には入力部100cに対応する開口86fが形成
され、移動禁止部材100 がロック位置に位置していると
きには、入力部100cがその開口86fから外部へ臨んだ
状態となる。
【0073】図24に示すように、前記開口86fは下
端開放状に形成され、入力部100cの下部には上方外側へ
傾斜するテーパ部100eが形成されている。前述のよう
に、揺動アーム40にはロック解除ピン43が設けられ
ており、縫製用カートリッジ5が揺動アーム40に装着
されると、ロック解除ピン43が開口86fにその下側
から入り込み、そのロック解除ピン43が入力部100cの
テーパ部100eに係合して、移動禁止部材100 を捩じりバ
ネ100dの付勢力に抗してロック位置からロック解除位置
へ回動させて針カバー84のロックを解除する。
【0074】このように、移動禁止機構100 は、縫製用
カートリッジ5を縫製装置本体2から取外した状態で
は、前記カバー位置における針カバー83の移動を禁止
すると共に、縫製用カートリッジ5を縫製装置本体2に
装着した状態では、前記カバー位置から退避位置への針
カバー83の移動を許容するように構成されている。
【0075】空転防止機構91は、図15〜図17に示
すように、糸駒82の一方の鍔部82bに接触可能な接
触子101 と、この接触子101 を鍔部82bに押圧するよ
うに付勢する捩じりバネ102 とを有し、接触子101 と鍔
部82bの間に作用する摩擦力により、糸駒82の空転
を防止するように構成してある。接触子101 は収容ケー
ス86の収納部90の近くの軸部103 に回動可能に枢支
され、その軸部103 に捩じりバネ102 が装着されてい
る。接触子101 の先端部が円弧壁90a間の隙間90d
を通って収納部90内の糸駒82の鍔部82bに接触し
ている。
【0076】逆流防止機構92は、図15、図16、図
18、図25に示すように、案内ピン105 (軸状部材)
とこの案内ピン105 に当接する板バネ部材106 との2つ
の逆流防止部材を有し、これら案内ピン105 と板バネ部
材106 の間に、微小隙間の糸通過部107 を構成し、この
糸通過部107 に糸駒82から延びる糸Tを通過させその
糸Tに案内ピン105 と板バネ部材106 との接触による摩
擦抵抗を作用させるように構成してある。
【0077】案内ピン105 は、その両端部を開閉蓋87
の左部に形成された前後のボス87cに内嵌させて固定
され、板バネ部材106 は、左方下がりの傾斜姿勢で案内
ピン105 を押圧するように、開閉蓋87に嵌め込んで固
定されている。案内ピン105の外周部中央部分には環状
凹部105aが形成され、この環状凹部105aと板バネ部材10
6 とで前記糸通過部107 が構成されている。これによ
り、糸通過部107 を通過する糸Tに適度な摩擦抵抗を付
与すると共に、その糸Tを中空針81へ確実に案内する
ことができる。
【0078】ロック機構93は、図15〜図17、図2
6に示すように、縫製用カートリッジ5を縫製装置本体
2から離脱させた状態において、収容ケース86に対し
て開閉蓋87を一体的にロックする機構であって、収容
ケース86の右部側に配設されたロック部材110 を有す
る。このロック部材110 は、枢支部110a,110b 、係合部
110c、入力部110dを一体形成して構成され、枢支部110
a,110b が収容ケース86に鉛直軸心回りに回動自在に
枢支され、ロック位置(図15参照)とロック解除位置
(図16参照)とに亙って位置切換え可能である。
【0079】ロック部材110 は上下方向には移動不能で
あり、捩じりバネ111 によりロック位置に付勢されてい
る。ロック部材110 の上部に係合部110cが左方突出状に
形成され、ロック部材110 の下端部に入力部110dが左方
突出状に形成され、これら係合部110cと入力部110dが、
収容ケース86の前壁の上部と係合孔86aの奥端壁に
形成された穴86g,86hから夫々左方へ突出可能で
ある。
【0080】縫製用カートリッジ5が揺動アーム40に
装着されていない状態では、開閉蓋87が閉位置であ
り、この状態で、ロック位置のロック部材110 の係合部
110cが、開閉蓋87の前壁から右方(内側)へ突出した
被係合片87dに上側から当接して係合するため、収容
ケース86に対して開閉蓋87が上方へ移動不能となっ
て閉位置で一体的にロックされる。
【0081】縫製用カートリッジ5を揺動アーム40に
装着する際、前述のように、揺動アーム40の係合ピン
42に収容ケース86の係合孔86aが係合するのに伴
い、その係合ピン42がロック部材110 の入力部110dを
右方へ押動するため、ロック部材110 がロック位置から
ロック解除位置に切換えられる。ロック解除位置のロッ
ク部材110 の係合部110cは被係合片87dから係合解除
した状態となり、収容ケース86に対して開閉蓋87が
上方へ移動可能になりロック解除される。
【0082】通常、開閉蓋87が閉位置に位置する状態
で、縫製用カートリッジ5が揺動アーム40から取外さ
れるため、その取外し直後から収容ケース86に対して
開閉蓋87がその閉位置で一体的にロックされる。仮
に、開閉蓋87が閉位置以外に位置する状態で、縫製用
カートリッジ5が揺動アーム40から取外されると、先
ず、ロック部材110 が開閉蓋87をロックしない状態で
ロック位置に切換わるが、ロック部材110 の係合部110c
の左端状部には左下がりのテーパ部が形成されているた
め、その後、捩じりバネ88の付勢力により開閉蓋87
が閉位置へ回動され、その際、被係合片87dがテーパ
部を介してロック部材110 をロック解除位置側へ一時的
に押動して閉位置への切換えを可能にする。
【0083】次に、縫製装置1の縫製動作、及びその縫
製動作によって布70に形成される縫目について、図2
7〜図32の説明図と図33、図34に基づいて説明す
る。
【0084】縫製装置本体1に布70を取付けた刺繍枠
4と縫製用カートリッジ5を装着した状態で、カートリ
ッジ駆動機構12により縫製用カートリッジ5を上下に
揺動させる。このとき、収容ケース86と一体的に中空
針81、針カバー83(但し、針カバー83は布70と
接触していない状態のとき)、糸駒82、空転防止機構
91等は上下動するが、開閉蓋87は縫製装置本体2に
対してピン19aで支持され、その内部に設けた逆流防
止機構92は上下に殆ど移動しない。
【0085】縫製用カートリッジ5を揺動アーム40に
装着して初めて縫製を行う際、図27に示すように、中
空針81の下端から糸Tがある程度の長さ繰り出された
状態で行う。この状態から、収容ケース86が下降する
と、図28に示すように、先ず、押え足である針カバー
83が布70を押えると共にその布70に上側の糸Tを
押える。針カバー83は布70を押さえると略静止し、
続いて、針カバー83に対して中空針81が下降して布
70に突き刺さる。中空針81が布70に突き刺さる瞬
間は布70に対して略直交し、中空針81の最先端部が
中空針81のうち揺動アーム40の揺動中心側端部に位
置するため布70のずれを防止する。
【0086】中空針81が弾性膜体73に突き刺さり、
中空針81から延びる糸Tが布70に接触すると、布7
0の特に弾性膜体73の弾性による糸保持力により、布
70に貫通した部分の糸Tが保持される。この状態で、
中空針81(糸駒82及び空転防止機構91)が更に下
降すると、空転防止機構91と逆流防止機構92による
糸引出し抵抗に抗して糸駒82から糸Tが引き出され、
布70の下側に自由ループ75が形成される。尚、この
段階で自由ループ75の約半分の糸Tは中空針81の内
部にある。
【0087】中空針81が布70に突き刺さり下限位置
へ下降する間、その中空針81から予め繰り出された糸
Tが布70の下側へ引っ張られると共に、糸駒82側か
ら糸Tが引き出されて布70の下側に自由ループ75が
形成される。下降する中空針81が布70に突き刺さる
前においても、中空針81から延びる糸Tが針カバー8
3で布70に押えられた後では、その予め繰り出された
糸Tが布70の下側へ引っ張られることをある程度抑え
る。
【0088】次に、収容ケース86が上昇すると、図2
9に示すように、中空針81が下限位置から上昇しその
先端が布70から抜け、続いて、針カバー83による布
押えが解除されて中空針81と共に上限位置まで上昇す
るが、このとき、一定位置に停止している逆流防止機構
92と布70とを結ぶ固定状態の糸Tを通過するように
中空針81が上昇し、布70の下側に形成された自由ル
ープ75が保持された状態でその全部が外部へ露出す
る。一方、中空針81が上限位置へ移動すると、糸駒8
2及び空転防止機構91も上限位置まで移動するが、そ
の際、逆流防止機構92から中空針81側への糸Tの引
き出しがなく、逆流防止機構92と空転防止機構91が
糸Tに糸引き出し抵抗を作用させているため、糸駒82
と逆流防止機構92の間の糸Tが弛んだ状態となる。
【0089】その後、図30に示すように、布70が水
平方向へ移動すると、中空針81から延びる糸Tが布7
0に保持されているため、その糸保持力で糸Tが引っ張
られ、糸駒82と逆流防止機構92の間の弛んだ糸Tが
逆流防止機構92を介して引き出される。このとき、布
70による糸保持力は、逆流防止機構92だけによる糸
引き出し抵抗よりも格段に大きいため、自由ループ75
の糸Tが中空針81側へ引っ張られ抜ける虞はない。
【0090】布70が水平方向へ移動した後、収容ケー
ス86が下降し、図31に示すように、針カバー83が
布70を押えて中空針81が布70に突き刺さる。中空
針81が上限位置から下限位置へ下降する際、糸駒82
と逆流防止機構92の間の弛んだ残りの糸Tが引き出さ
れると、続いて糸駒82が回転して糸Tが繰り出され
る。その糸Tには空転防止機構91と逆流防止機構92
による糸引き出し抵抗が作用するが、空転防止機構91
と逆流防止機構92による糸引出し抵抗は布70による
糸保持力よりも小さいため、更に、針カバー83により
糸Tを布70に押えることができるため、前回形成した
の自由ループ75が引っ張られて布70から抜けること
なく、今回の自由ループ75が形成される。
【0091】次に、図32に示すように、中空針81と
針カバー83が上昇し、その後、図30〜図32が繰り
返し行われる。このように、布70の弾性による糸保持
力により、各縫製加工毎に布70に糸を残留させながら
縫製加工を施し、図33に示すように、上糸Tにより布
70の裏面側に多数の自由ループ75が形成されて、布
70の表面に刺繍模様76の縫目が形成される。そし
て、この布70の裏面に多数の自由ループ75を固着す
る固着材としての両面テープ77を粘着すると、図34
に示す模様被加工物である模様縫製布78が形成され
る。
【0092】この両面テープ77により、自由ループ7
5の抜出しが生じないため、他の糸やその前後の縫目の
糸で糸を定着させることなく、布70の表面の刺繍模様
76がほつれることがなく安定する。そして、この模様
縫製布78をワッペンとして両面テープ77を介して種
々のものに粘着し固定することができる。尚、両面テー
プ77の他に、布70の自由ループ75が残留する裏面
に、種々の粘着剤や接着剤を層状に塗布してもよいし、
これら種々の粘着剤や接着剤のテープを形成し、そのテ
ープで布70の裏面に複数の自由ループ75を固着して
もよい。
【0093】この自由ループ75が布70の裏面側に多
数位置しているので、その布70の裏面に両面テープ7
7を貼り付けた場合に、両面テープ77に凹凸が生じ
る。それ故、この布70をワッペン等として両面テープ
77を介して衣服に貼り付ける際に、貼り付けられる衣
類は柔らかく、こういったワッペンがはがれやすいとい
う面があるが、その凹凸のため粘着性を向上させること
ができる。この凹凸が個々の自由ループ毎に形成される
か或いは複数の自由ループにより形成されるかは糸や両
面テープの材質による。
【0094】ところで、上記縫製用カートリッジ5によ
れば、縫製装置本体2に装着した状態は勿論、縫製装置
本体2から取外した状態でも、中空針81の少なくとも
先端部を針カバー83でカバーすることができ、更に、
移動禁止機構85によりカバー位置における針カバーの
移動を禁止できるため、不用意な取り扱いにより加工針
の先端部が外部へ露出するのを防止できる。それ故、特
に、縫製用カートリッジ5を縫製装置本体2に着脱する
際、中空針81による衣類等の破損を防止でき安全性に
優れ取り扱い易いものになる。
【0095】中空針81をその先端側部分がカセット本
体80から突出するように固定的に設けて、中空針81
を縫製用カートリッジ5と共に上下に往復駆動して、布
70物に加工針を貫通させて縫製加工を施すことができ
るため、更に、針カバー83を押え足として兼用したの
で、縫製用カートリッジ5を小型で簡単に構成でき、中
空針(縫製用カートリッジ5)を往復駆動する機構もを
簡単化できるため、縫製装置1を小型軽量化するうえで
有利になる。
【0096】縫製用カートリッジ5を縫製装置本体2に
装着する際には、縫製用カートリッジ5を縫製装置本体
2に装着した姿勢と異なる姿勢にして把持し、係合ピン
42に係合孔86aを係合させて枢支させる作業を行う
ことができ、その後、只、縫製用カートリッジ5を係合
ピン42を中心として回転させるだけで縫製可能な位置
に切換える作業を行うことができ、そして、係合部材4
4aに係合溝86bを係合させてこの縫製可能な位置に
縫製用カートリッジ5を回転規制することができる。つ
まり、縫製用カートリッジ5や縫製装置本体2の構造等
を鑑みて、縫製用カートリッジ5を縫製装置本体2に簡
単且つ確実に装着でき、縫製用カートリッジ5を正規の
装着位置に装着できたか否かを判り易くすることができ
る。
【0097】尚、縫製用カートリッジ5を次のように部
分的に変更してもよい。 1〕針カバー83をカバー位置と退避位置とに亙って手
動で移動させて切換えるように構成してもよい。その場
合、針カバー83をカバー位置に付勢する圧縮コイルバ
ネ84を省略可能である。 2〕中空針81の代わりに一般的な縫針を適用してもよ
い。
【0098】3〕空転防止機構91において、捩じりバ
ネ102 で付勢した接触子101 を糸駒82の鍔部82bに
押圧して摩擦抵抗を付与する以外に、糸駒押えやその他
の部材や部位を糸駒82に接触させて摩擦抵抗を付与す
るように構成できる。 4〕逆流防止機構92において、案内ピン105 には環状
凹部105aを形成せずに、板バネ部材106 に凹部を形成し
て糸通過部を構成するようにしてもよい。
【0099】5〕糸Tの残量を外部から視認可能な残量
視認部として、開口部86cを形成する代わりに、収容
ケース86又は/及び開閉蓋87を透明又は半透明材料
で構成し、その収容ケース86又は/及び開閉蓋87を
通して、糸Tの残量を外部から視認可能に構成してもよ
い。 6〕糸色表示部87bをカセット本体80の開閉蓋87
の上面部以外の部分に設けてもよいし、糸色表示部87
bとして、シールを接着する以外にケース本体80の一
部又は全部を、その内部収納した糸駒82の糸Tの色と
同色又は類似色に着色するようにしてもよい。
【0100】7〕揺動アーム40に設けた係合ピン42
と縫製用カートリッジ5に形成した係合孔86の代わり
に、縫製用カートリッジ5に軸状の係合ピン(支持部)
を設け、この係合ピンに相対回動自在に係合する係合孔
を揺動アーム40に形成し、これにより、縫製用カート
リッジ5を揺動アーム40に着脱する際に回転させるよ
うに構成してもよい。
【0101】次に、制御系について図35のブロック図
に基づいて説明する。縫製装置1の制御装置13は、C
PU13aとROM13bとRAM13cを含むコンピ
ュータと、入出力インターフェ─ス13dと、入出力端
子13eを有し、これらはバス13fで接続されてい
る。入出力インターフェ─ス13dには、X方向駆動機
構20のパルスモータ24の為の駆動回路24a、Y方
向駆動機構30のパルスモータ35の為の駆動回路35
a、カートリッジ駆動機構12のミシンモータ45の為
の駆動回路45a、電源スイッチ15、スタート/スト
ップスイッチ16、位相検出器119 が接続されている。
【0102】ここで、位相検出器119 について説明する
と、位相検出器119 は、例えば、複数のフォトインタラ
プタと、大径ギヤ54と一体的に回転する枢支軸に固着
されて各フォトインタラプタに対応するエンコーダディ
スクを含み、この枢支軸の回転位相を検出して、揺動ア
ーム40の上限位置、下限位置、針抜け位置等を検出で
きるようになっている。
【0103】一方、ゲーム機6は、CPU6aとROM
6bとRAM6cを含むコンピュータと、DVD120 の
読取り及び書込みが可能なDVDドライブ6d(DVD
D)と、フラッシュカード用コネクタ6eと、入出力端
子6f,6gと、入力端子6hと、出力端子6iとを有
し、これらはバス6jで接続されている。入出力端子6
fは縫製装置1の入出力端子13eに接続され、入力端
子6hにはコントローラ7が接続されている。出力端子
6iにはCRT8の為の駆動回路8a(LCDD)が接
続され、入出力端子6gは電話回線9aと接続可能であ
る。
【0104】DVDドライブ6dに種々の縫製データや
プログラムをコンピュターで読み取り可能に記憶する外
部記憶媒体としてのDVD120 を着脱可能であり、テレ
ビゲームのゲームソフトを記憶したDVD120 を装着し
た場合、そのゲームソフトに基づいてCRT8にゲーム
画面を表示させ、コントローラ7を操作してゲームを楽
しむこともできる。また、入出力端子9gと電話回線9
aとを接続することにより、その電話回線9aを介し
て、この縫製装置1、データ、プログラム等の製造元で
あるメーカ(例えば、ブラザー工業)側のサーバや他メ
ーカ(例えば、ブラザー工業以外のメーカ)側のサーバ
から接続業者のサーバを通して、縫製に関連する種々の
データを取り込むことができる。つまり、インターネッ
トを介してメーカ(例えば、ブラザー工業)側から供給
される縫製に関する種々のデータを取り込むことができ
る。
【0105】さて、縫製装置1では、制御装置13によ
り縫製データに基づいて刺繍枠駆動機構11(X方向駆
動機構20とY方向駆動機構30)とカートリッジ駆動
機構12を駆動制御して、布70に刺繍模様を形成する
ことができ、その為の制御プログラムがROM13bに
格納されている。そして、本実施形態の場合、ゲーム機
6を使用してCRT8にゲームソフトにより表示される
種々のキャラクタ(人物、動物、ロボット等)を画面を
介して選択したり編集したりし、そのキャラクタを刺繍
する模様データをゲーム機6において作成し、縫製装置
1に供給できるように構成されている。
【0106】そのため、ゲーム機6では、縫製データを
選択し編集することができる専用のDVD120 が設けら
れている。つまり、このDVD120 には、図36に示す
ように、前記のようにゲームソフトから選択した複数種
類の刺繍模様及び予め入力された複数種類の刺繍模様の
模様データ、これら複数種類の刺繍模様のなかから所望
の刺繍模様を選択する為の模様選択制御プログラム、選
択された刺繍模様を編集(拡大、縮小、結合、反転等
々)する為の模様編集制御プログラム、模様を選択設定
する為にCRTに表示させる表示制御プログラム等が記
憶されている。尚、フラッシュカード用コネクタ6eに
接続可能なフラッシュカード121 には、選択・編集した
刺繍模様の模様データを記憶しておくこともできる。
【0107】更に、前記DVD120 には、ゲームソフト
と共に、そのゲームソフトのデータに基づいてゲームソ
フトのキャラクタを選択・編集して模様データを作成す
る模様データ作成制御プログラムも格納されており、こ
の制御プログラムによって模様データを作成する場合に
は、この制御プログラムをRAM6cにダウンロードし
てからゲームソフト用DVDを作動させて種々のキャラ
クタを表示させ、刺繍に供するキャラクタを選択・編集
後、模様データを作成する。但し、その模様データはD
VD120 に格納される。
【0108】次に、以上説明した縫製装置1の一連の作
用について、図37、図38のフローチャート等を適宜
参照して説明する。但し、図1に示すように、縫製装置
1とゲーム機6は接続ケーブルを介して接続され、ゲー
ム機6のDVDドライブ6dには、図36のデータが記
憶されているDVD120 が装着されているものとする。
尚、ゲーム機6とディスプレイ8も接続ケーブルを介し
て接続されている。
【0109】先ず、ゲーム機6により、ディスプレイ8
の画面を見ながら、コントローラ7を操作して刺繍模様
を選択・編集する。尚、縫製装置1の電源をオンしなく
ても、刺繍模様の選択・編集が可能である。
【0110】このゲーム機6の制御装置では、図37に
示すように、電源がオンされると制御が開始され、初期
設定(S1)の後、DVD120 のデータ(前記模様選択
制御プログラム、模様編集制御プログラム、表示制御プ
ログラム等)が読込まれる(S2)。その後、模様選択
処理(S3)において、DVD120 に記憶されている複
数種類の刺繍模様のなかから所望の刺繍模様を選択で
き、模様編集処理(S4)において、選択された刺繍模
様を編集(拡大、縮小、結合、反転等)することができ
る。
【0111】次に、コントローラ7の所定ボタンを操作
して、刺繍模様の選択・編集が完了すると(S5;Ye
s)、次に、縫製装置1がデータ受信可能であるときに
は(S6;Yes)、選択・編集された刺繍模様の模様デー
タが縫製装置1へ送信され(S7)S3へリターンす
る。但し、縫製装置1の電源がオンされていない場合
等、縫製装置1がデータ受信不能であるときには(S
6;No )S5へリターンする。
【0112】さて、縫製装置1の制御装置13では、図
38に示すように、電源スイッチ15を操作して電源が
オンされると制御が開始され、初期設定(S10)の
後、データ受信可能となり、次に、ゲーム機6から選択
・編集された模様データの送信が有るときには(S1
1;Yes)、その模様データを受信する(S12)。次
に、スタート/ストップスイッチ16がオンされると
(S13;Yes)、受信した模様データに基づいて縫製処
理(S14)が実行される。
【0113】ここで、縫製を開始させる前に行う必要が
ある準備について説明する。先ず、縫製装置1の安全カ
バー3を図2の収納用位置に位置させた状態で、布70
を取付けた刺繍枠4を、安全カバー3のガイド部材69
にガイドさせつつ刺繍枠挿入穴3fからカバー3内部に
挿入し、刺繍枠4の後端支持部4aをキャリッジ18の
係合部18aに係合させて装着する。このように刺繍枠
4を確実に装着できるキャリッジ18の位置が揺動アー
ム40の略下側に位置し、初期設定(S10)において
この位置にキャリッジ18が移動されて待機している。
安全カバー3が収納用位置に位置している状態で、刺繍
枠4は安全カバー3よりも少し突出している。
【0114】刺繍枠4を装着した後、把手となるガイド
部材69を把持し、安全カバー3を前方へスライド移動
させて図3の縫製用位置に切換える。この状態で、カー
トリッジ取付口68が形成されるため、そのカートリッ
ジ取付口68から、所望の色の糸を収容した縫製カート
リッジ5を安全カバー3内に挿入し、揺動アーム40に
取付けて装着する。これらの準備を行って縫製処理の実
行が可能になる。
【0115】安全カバー3が縫製用位置以外に位置する
場合、スタート/ストップスイッチ16は安全カバー3
に覆われ操作が不可能であるが、安全カバー3が縫製用
位置に切換えられた状態では、スタート/ストップスイ
ッチ16がスイッチ操作穴3eと対向するため操作が可
能となる。即ち、その後、スタート/ストップスイッチ
16がオンされると(S13;Yes)、縫製処理(S1
4)が実行される。
【0116】ここで、図36に示すように、DVD120
に記憶されている各刺繍模様の模様データは複数の模様
部の模様部データからなり、各模様部毎に縫製用カート
リッジを交換し糸色を変えるようになっている。つま
り、図38に示すように、スタート/ストップスイッチ
16がオンされると(S13;Yes)、縫製処理(S1
4)が実行され、1つの模様部の模様データに基づい
て、刺繍枠駆動機構11とカートリッジ駆動機構12が
制御されてその模様部が布70に縫製される。
【0117】1つの模様部が形成されるとその模様部に
ついての縫製が終了され(S15)、次に縫製する模様
部の糸色を変える際、その色の糸Tを収容した縫製カー
トリッジ8に取替える。この場合、現在装着されている
縫製用カートリッジ5を取外す前に、例えば、コントロ
ーラ7の所定のボタンを操作することにより糸替えが指
令されると(S16;Yes)、次に、糸切りと縫製用カー
トリッジ5の交換の為に糸弛ませ処理(S17)が実行
される。
【0118】縫製用カートリッジ5を交換しない場合、
S18の糸弛ませ処理を実行させる必要がない。糸替え
が指令されないときには(S16;No )S13へリター
ンするため、縫製中断(S15)の後、スタート/スト
ップスイッチ16がオンされると(S13;Yes)、縫製
処理(S14)が実行され次の模様部が形成される。
【0119】前記糸弛ませ処理について説明する。この
糸弛ませ処理では、縫製終了後に、縫製用カートリッジ
5内の糸駒82から糸Tを引き出す為に、刺繍枠4を縫
製完了位置から前記移動領域38(図6参照)内の移動
限界位置まで移動させてから、中空針81と布70の間
の糸Tを弛ませるように刺繍枠駆動機構11を制御す
る。その為の糸弛ませ制御プログラムは、縫製装置1の
制御装置13のROM13bに記憶されている。但し、
この糸弛ませ制御プログラムを、縫製装置1のROM1
3bにではなく、DVD120 等の種々の記憶媒体に記憶
させておき、縫製装置1に転送するように構成してもよ
い。
【0120】図39の(a)は1つの模様部の縫製が完
了した直後の刺繍枠4の縫製完了位置を示し、図39の
(a)〜(c)の「○」は移動領域38の略中央に位置
する中空針81の針落ち位置を示し、「×」は中空針8
1が最後に布70に落ちた縫製完了針落ち位置を示し刺
繍枠4と共に移動する。
【0121】図39の(b)は、刺繍枠4の移動を介し
て中空針81が縫製完了針落ち位置からこの縫製完了針
落ち位置に対して最大限離間した最大離間位置へ移動す
るように、刺繍枠4を前記移動領域38内において移動
限界位置に移動させた状態を示し、図39の(c)は、
刺繍枠4を移動領域38内において鎖線で示す枠取出し
位置に対して最も離れた移動限界位置に移動させた状態
を示している。
【0122】さて、図40に示すように、S17の糸弛
ませ処理が開始されると、先ずS20において最終色か
否かが判定される。最終色のとき(S20;Yes)、つま
り、刺繍模様の複数の模様部が全部形成されたときに
は、図39の(c)に示すように、刺繍枠4の枠取出し
位置(鎖線で示す)に対して最も離れた移動限界位置を
演算し(S21)、演算したデータに基づいて刺繍枠駆
動機構11を制御してその移動限界位置へ刺繍枠4を移
動させる(S22)。
【0123】これにより、縫製用カートリッジ5の糸駒
82から糸Tが引き出された状態となる。次に、刺繍枠
を枠取出し位置に移動、停止させ(S23)、布70と
中空針81の間の糸Tを弛ませる。その後、CRT8に
ゲーム機6を介して糸切り操作及び枠取出しの指示を表
示させる(S24)。尚、S23が、縫製終了後に布7
0とともに刺繍枠4を所定の枠取出し位置に移動させる
ように刺繍枠駆動機構11を制御する制御手段に相当す
る。刺繍枠4を枠取出し位置に移動させると、キャリッ
ジ18が最大限前方へ移動して揺動アーム40の下方に
位置する。
【0124】一方、最終色でないとき(S20;No )、
つまり、刺繍模様の複数の刺繍模様部が全部形成されて
いないときには、例えば刺繍枠4の縫製完了位置が図3
9の(a)の位置のときには図39の(b)に示すよう
に、中空針81を縫製完了針落ち位置に対して最大離間
位置へ移動させる刺繍枠4の移動限界位置を演算し(S
25)、演算したデータに基づいて刺繍枠駆動機構11
を制御してその移動限界位置へ刺繍枠4を移動させる
(S26)。
【0125】これにより、縫製用カートリッジ5の糸駒
82から糸Tが十分に引き出された状態となる。次に、
刺繍枠4の移動を反転させて刺繍枠4を前記縫製完了位
置に移動させて復帰させ(S27)、布70と中空針8
1の間の糸Tを弛ませる。その後、CRT8にはゲーム
機6を介して枠取出し禁止警告及び糸切り操作の指示を
表示させる(S28)。
【0126】S22とS23、S26とS27が実行さ
れると、上述のように、中空針81と布70の間の糸T
が弛み、S24、S28においてCRT8に表示された
糸切り操作の指示に従って、その糸Tを切断することに
なる。この場合、安全カバー3を縫製装置本体2から取
外すことなく、また、安全カバー3により刺繍枠4の移
動領域38を覆ったまま、手作業により、例えばハサミ
を刺繍枠挿入開穴3fから安全カバー3の内部に突っ込
んで、透明材料又は半透明材料からなる安全カバー3の
外側から内部を見ながら、弛んだ糸Tに引っ掛けてその
糸Tを容易に切断することができる。
【0127】次に、刺繍模様の縫製が完了している場
合、つまり、S21〜S24が実行された場合には、C
RT8に表示された枠取出しの指示に従って、枠取出し
位置に位置する刺繍枠4を刺繍装置本体2から容易に取
外すことができる。尚、刺繍枠4がその移動領域38内
において最大限前方へ移動した枠取出し位置のとき、キ
ャリッジ18が揺動アーム40の略下側に位置する。そ
して、刺繍枠4から刺繍模様が形成された布70を取外
した後、図34に示すように、この布70の裏面に両面
テープ77を粘着して模様縫製布78を形成し、この模
様縫製布78を両面テープ77を介して種々のものに粘
着し固定することができる。
【0128】刺繍模様の縫製が完了していない場合、つ
まり、S25〜S28が実行された場合に、糸切り実行
後その色の糸Tを収容した縫製用カートリッジ5に取り
替える。その後、S13においてスタート/ストップス
イッチ16をオンすると、S14以降の処理が再度実行
される。尚、縫製後、安全カバー3を収納用位置に位置
させると、刺繍枠挿入穴3fから刺繍枠4が突出して取
り出し可能となる。
【0129】以上のように、この縫製装置1によれば、
ゲーム機6を使用して複数種類の刺繍模様のなかから所
望の刺繍模様を選択・編集することができ、その刺繍模
様を刺繍枠4に取付けた布70に縫製することができ、
更に、刺繍模様を形成する複数の模様部の糸色を変え
て、カラフルな刺繍模様を縫製することができる。そし
て、刺繍模様が縫製された布70を取り外して両面テー
プ77を粘着して、ワッペンとなる模様縫製布78を作
成し種々のものに取付けることができる。
【0130】そして、縫製の際、縫製用位置に切換えら
れた安全カバー3により、刺繍枠4の移動領域38を覆
うことができ、更に揺動する中空針81を含む縫製用カ
ートリッジ5の大部分と揺動アーム40を覆うことがで
き、安全カバー3を縫製装置本体2から取外すことがで
きず、安全カバー3が縫製用位置以外の位置では、安全
カバー3によりスタート/ストップスイッチ16が覆わ
れスイッチ操作を不可能にし、縫製装置1が誤作動する
のを防止できるから、安全性や操作性にも非常に優れた
ものになる。
【0131】しかも、小型軽量であるので持ち運びや保
管・収納するのに便利であること、刺繍枠4と縫製用カ
ートリッジ5の着脱が容易であり、刺繍枠4と縫製用カ
ートリッジ5の着脱等のために、安全カバー3を前後に
スライドさせて収納用位置と縫製用位置に簡単に切換え
ることができ、縫製終了後に中空針81と布70の間の
糸Tの切断が容易であるから、非常に取扱い易いものと
なる。
【0132】更に、透明材料又は半透明材料からなる安
全カバー3を通して、安全カバー3内において縫製して
いる状況を見ることもできるため、面白みも増大する。
以上のことから、子供等でも非常に取扱い易く、安全性
や操作性に非常に優れ刺繍装置1を提供することができ
る。ゲームソフトに出てくる種々のキャラクタを選択し
てそのキャラクタを刺繍したワッペンを作ることができ
るので、子供等にとって非常に有意義な楽しいものにな
る。
【0133】尚、前記実施形態では、そのゲーム機6を
使用し、DVD120 に記憶した複数種類の刺繍模様のな
かから所望の刺繍模様を選択し編集して、その模様デー
タを縫製装置1に供給して刺繍模様を縫製するようにし
ているが、ゲーム機6によりゲームソフトのキャラクタ
の画像データを縫製装置1側へ供給し、縫製装置1にお
いてその画像データに基づいて模様データを作成するよ
うにしてもよい。そして、本実施形態では、縫製用カー
トリッジ5の取外しのために、図19に示すように、縫
製用カートリッジ5を上方へ回動させたとしても、縫製
終了後に糸が緩んでいるので、布から糸が抜けることを
防止することができる。
【0134】
【発明の効果】 請求項1の加工装置によれば、加工装
置本体に、加工カセットを回転自在に支持する支持部
と、支持部に枢支された加工カセットを縫製可能な位置
に回転規制する回転規制部材とを設けたので、加工カセ
ットを加工装置本体に装着した姿勢と異なる姿勢にして
把持し、支持部に枢支させる作業を行うことができ、そ
の後、只、加工カセットを支持部を中心として回転させ
るだけで縫製可能な位置に切換える作業を行うことがで
き、そして、回転規制部材によりこの縫製可能な位置に
加工カセットを回転規制することができる。つまり、加
工カセットや加工装置本体の構造等を鑑みて、加工カセ
ットを加工装置本体に簡単且つ確実に装着することがで
き、加工カセットを正規の装着位置に装着できたか否か
を判り易くすることもできる。
【0135】請求項2の加工装置によれば、支持部が軸
状の部材からなり、この支持部に回動自在に係合する係
合孔を加工カセットに形成したので、加工カセットを加
工装置本体に回転自在に支持する構造を簡単化し、製作
コスト的にも有利になる。
【0136】請求項3の加工装置によれば、加工カセッ
トに加工針と針カバーと移動禁止手段とを設け、加工針
が被加工物に貫通しない状態で、カバー位置の針カバー
により加工針をカバーし、針カバーがカバー位置から退
避位置へ移動して、加工針を被加工物に貫通させること
ができる。移動禁止手段により針カバーの移動を禁止す
ることができ、特に、カバー位置における針カバーの移
動を禁止することにより、不用意な取り扱いにより加工
針の先端部が外部へ露出するのを防止できるため、安全
性に優れた取り扱い易いものになる。
【0137】請求項4の加工装置によれば、移動禁止手
段により、加工カセットを加工装置本体から取外した状
態では、前記カバー位置における針カバーの移動を禁止
することができ、加工カセットを加工装置本体に装着し
た状態では、前記カバー位置からの針カバーの移動を許
容することができるため、縫製装置本体から取外された
加工カセットの安全性と取り扱い易さを向上させ、縫製
装置本体に装着された加工カセットの加工針を被加工物
に貫通させることができる。
【0138】請求項5の加工装置によれば、加工カセッ
トが回転規制部材により回転規制されていない状態、つ
まり、加工カセットが縫製装置本体に完全に装着されて
いない状態で、支持部を中心として上方へ回動可能に構
成したので、誤って縫製加工が実施されて加工カセット
が縫製装置本体に接触した場合等、加工カセットを支持
部を中心として上方へ回動させて、加工カセットや加工
装置本体等の損傷を防止することができる。
【0139】請求項6の加工装置によれば、加工カセッ
トの一端部の係合孔を加工装置本体の支持部に容易に係
合させ、更に、加工カセットの他端部の係合溝に回動規
制部材を係合させて、加工カセットを加工装置本体へ確
実に装着することができる。加工カセットが縫製装置本
体に装着された状態で、係合孔が水平方向に開口するた
め、鉛直方向に対して加工装置本体に対する加工カセッ
トの装着強度を高めて、縫製加工の際の離脱を確実に防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る縫製装置とゲーム機等
の斜視図である。
【図2】縫製装置(安全カバーが収納用位置の状態)の
斜視図である。
【図3】縫製装置(安全カバーが縫製用位置の状態)の
斜視図である。
【図4】縫製装置(安全カバーが縫製用位置の状態)の
平面図である。
【図5】縫製装置(安全カバーが縫製用位置の状態)の
側面図である。
【図6】縫製装置の横断面図である。
【図7】縫製装置(中空針が上限位置の状態)の正面か
らの部分透視図である。
【図8】縫製装置(中空針が下限位置の状態)の正面か
らの部分透視図である。
【図9】カム部材の正面図である。
【図10】刺繍枠の斜視図である。
【図11】刺繍枠の部分的な縦断面図である。
【図12】縫製用カートリッジの正面図である。
【図13】縫製用カートリッジの背面図である。
【図14】縫製用カートリッジの左側面図である。
【図15】縫製用カートリッジ(閉状態)の縦断面図で
ある。
【図16】縫製用カートリッジ(開状態)の縦断面図で
ある。
【図17】縫製用カートリッジの収容ケース側の縦断面
図である。
【図18】縫製用カートリッジの開閉蓋側の縦断面図で
ある。
【図19】揺動アームと縫製用カートリッジ(未装着状
態)の正面図である。
【図20】揺動アームと縫製用カートリッジ(未装着状
態)の正面図である。
【図21】揺動アームと縫製用カートリッジ(装着状
態)の正面図である。
【図22】移動禁止機構(ロック状態)の平面図であ
る。
【図23】移動禁止機構(ロック解除状態)の平面図で
ある。
【図24】移動禁止機構の側面図である。
【図25】逆流防止機構の縦断面図である。
【図26】ロック機構のロック部材の側面図である。
【図27】縫製動作の説明図(縫製開始前)である。
【図28】縫製動作の説明図(1針目の針落ち時)であ
る。
【図29】縫製動作の説明図(1針目の針落ち直後の針
上がり状態)である。
【図30】縫製動作の説明図(布送り時)である。
【図31】縫製動作の説明図(1針目以降の針落ち時)
である。
【図32】縫製動作の説明図(1針目以降の針上がり状
態)である。
【図33】布及びそれに形成された刺繍模様と両面テー
プの断面図である。
【図34】模様縫製布の断面図である。
【図35】縫製装置とゲーム機の制御系を示すブロック
図である。
【図36】DVDに記憶されているデータを示す図であ
る。
【図37】ゲーム機で実行される制御のフローチャート
である。
【図38】縫製装置で実行される制御のフローチャート
である。
【図39】移動領域に対する刺繍枠の平面図であり、
(a)は刺繍枠の縫製完了位置を示し、(b)と(c)
は刺繍枠の移動限界位置を夫々示している。
【図40】縫製装置で実行される糸弛ませ制御のフロー
チャートである。
【符号の説明】
T 糸 1 縫製装置 2 縫製装置本体 3 安全カバー 4 刺繍枠 5 縫製用カートリッジ 44a 係合部材 70 布 80 カセット本体 81 中空針 83 針カバー 84 圧縮コイルバネ 85 移動禁止機構 90 収納部 86a 係合孔 86b 係合溝 86c 開口部 87b 糸色表示部 82 糸駒 91 空転防止機構 92 逆流防止機構 105 案内ピン 105a 環状凹部 106 板バネ部材 107 糸通過部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縫製加工用の加工カセットを加工装置本
    体に着脱可能に装着して被加工物に縫製加工を施す加工
    装置において、 前記加工装置本体に設けられて加工カセットを回転自在
    に支持する支持部と、 前記加工装置本体に設けられ、支持部に枢支された加工
    カセットを縫製可能な位置に回転規制する回転規制部材
    と、 を備えたことを特徴とする加工装置。
  2. 【請求項2】 前記支持部が軸状の部材からなり、この
    支持部に回動自在に係合する係合孔を加工カセットに形
    成したことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
  3. 【請求項3】 前記加工カセットが、被加工物を貫通可
    能な加工針と、この加工針の少なくとも先端部をカバー
    するカバー位置とこのこのカバー位置から退避して加工
    針の被加工物への貫通を可能にする退避位置とに亙って
    移動可能な針カバーと、この針カバーの移動を禁止する
    移動禁止手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は
    2に記載の加工装置。
  4. 【請求項4】 前記移動禁止手段は、加工カセットを加
    工装置本体から取外した状態では、前記カバー位置にお
    ける針カバーの移動を禁止すると共に、加工カセットを
    加工装置本体に装着した状態では、前記カバー位置から
    の針カバーの移動を許容するように構成したことを特徴
    とする請求項3に記載の加工装置。
  5. 【請求項5】 前記加工カセットが回転規制部材により
    回転規制されていない状態で、支持部を中心として上方
    へ回動可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜4
    の何れかに記載の加工装置。
  6. 【請求項6】 前記係合孔が、加工カセットの一端部に
    おいて加工装置本体への装着状態でほぼ水平方向に開口
    するように切欠いた孔に形成され、加工カセットの他端
    部に前記回動規制部材が係合可能な係合溝を形成したこ
    とを特徴とする請求項2に記載の加工装置。
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