JP2002020964A - 模様被加工物、模様被加工物の製造方法及び模様被加工物の製造装置 - Google Patents

模様被加工物、模様被加工物の製造方法及び模様被加工物の製造装置

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JP2002020964A
JP2002020964A JP2000201244A JP2000201244A JP2002020964A JP 2002020964 A JP2002020964 A JP 2002020964A JP 2000201244 A JP2000201244 A JP 2000201244A JP 2000201244 A JP2000201244 A JP 2000201244A JP 2002020964 A JP2002020964 A JP 2002020964A
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sewing
pattern
thread
hollow needle
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JP2000201244A
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Yasuhiro Shimizu
靖宏 清水
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上糸のみで布に模様を形成しその複数の自由
ループを布の裏面側に固着してなる模様縫製布、その模
様縫製布の製造方法、その模様縫製布の製造装置を提供
する。 【解決手段】 布70に糸88を複数回貫通させて布7
0の表面に模様を形成するとともに複数の自由ループ7
6を布70の裏面側に残留させた模様縫製布であって、
布70の裏面に複数の自由ループ76を固着する両面テ
ープ77を設け、この模様が中空針81を用いた縫製に
より形成され、布70は弾性膜体を有し、この弾性膜体
により自由ループ76を布70の裏面側に残留させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、模様被加工物、
模様被加工物の製造方法及び模様被加工物の製造装置に
関し、特に被加工物の裏側に自由ループを残留させて加
工する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、ミシン等の縫製装置は、上糸を
保持して布に貫通させる針、上糸の引締めを行う天秤、
針と天秤を駆動する手段、下糸ボビンを収容するととも
に針および天秤と協働して上糸ループを形成し且つ上糸
と下糸を交絡させる糸捕捉用釜、布送り用の送り歯、こ
の送り歯を駆動する手段などを備えている。針と天秤を
昇降駆動させながら、布を送りつつ縫製が実行される。
【0003】ここで、通常の家庭用の刺繍ミシンでは、
前記送り歯の代わりに、布を取付ける刺繍枠と、この刺
繍枠を水平な直交2方向(X方向とY方向)へ独立に移
動駆動する手段とを備え、刺繍データに基づいて制御手
段により刺繍枠をX方向とY方向へ独立に移動させなが
ら縫製がなされる。最近、ハンディな小型軽量の縫製装
置や縫製機器も市販されているが、近い将来には子供等
が使用する刺繍機能のある縫製装置が実用に供されるも
のと想定される。そのような刺繍機能付き縫製装置は、
下糸を用いずに上糸のみを用いて縫製する小型軽量の比
較的簡単な構成の縫製装置になるものと予想される。
【0004】尚、上糸及び下糸を用いる場合には互いの
糸が引き合い糸が張っており、自由ループが形成されな
い。また、下糸を用いず縫製する場合でも、連続する縫
い目の前後する縫い目の糸同士が引き合い、糸が張って
おり自由ループが形成されない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 従来のように、糸が
張った状態(自由ループ無し)で模様を布に形成し、そ
の布の裏側に両面テープ等の粘着材を貼り付けたもので
は、それを衣服に貼付する際に、十分な粘着力が得られ
なかった。また、通常の縫製装置のように上糸と下糸の
両方を用いて縫製する場合には、糸捕捉用釜と、その駆
動手段など構造が複雑になり、小型軽量化を図ることが
難しい。そこで、上糸のみで縫製する縫製機器も提案さ
れているが、その場合、縫目は上糸のみで形成され、そ
の上糸が下糸と交絡していないため、縫目がほつれ易く
完全な縫目とは言い難く、実用性に欠けるものとなる。
【0006】しかも、従来、上糸のみ用いて縫製する場
合に、布の裏面側に形成される自由ループを布に固着す
る技術であって簡便で経済性に優れる実用的な技術は未
だ提案されていない。また、上糸のみ用いて縫製する場
合に、縫製対象の布として特殊な構成の布を適用するこ
とで、縫目や刺繍模様をほつれにくくするという発想も
全く存在しなかった。本発明の目的は、複数の自由ルー
プを布の裏面側に固着してなる模様被加工物、その模様
被加工物の製造方法、その模様被加工物の製造装置を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 請求項1の模様被加工
物は、被加工物に糸を複数回貫通させて被加工物の表面
に模様を形成するとともに複数の自由ループを被加工物
の裏面側に残留させた模様被加工物であって、被加工物
の裏面に前記複数の自由ループを固着する固着材を設け
たことを特徴とするものである。被加工物に糸を複数回
貫通させて被加工物の表面に模様を形成するとともに複
数の自由ループを被加工物の裏面側に残留させてある。
【0008】被加工物の裏面側の複数の自由ループは固
着材により被加工物の裏面に固着されている。そのた
め、自由ループの抜け出しが生じないため、被加工物の
表面の模様がほつれたりすることがなく、安定したもの
となる。ここで、前記固着材は、粘着剤や接着剤を層状
に塗布したものでもよく、テープ材に形成した粘着剤や
接着剤の層でもよく、両面テープ材に形成した粘着剤や
接着剤の層でもよい。
【0009】ここで、前記模様が中空針を用いた加工に
より形成される場合(請求項2)には、中空針の内部を
通して糸を被加工物側へ供給できるし、この糸には被加
工物からの抵抗が作用しないため、中空針を被加工物に
貫通させる際に加工済みの模様の糸を引っ張ることがな
い。そのため、模様と複数の自由ループを綺麗に形成す
ることができる。
【0010】また、前記被加工物を被加工物保持体に取
付け、この被加工物保持体と加工具を相対的に移動駆動
手段により水平方向に移動させながら刺繍模様からなる
前記模様が加工される場合(請求項3)には、刺繍模様
が形成された被加工物となり、この模様被加工物はワッ
ペンなどに好適のものとなる。
【0011】前記模様被加工物は弾性膜体を有し、この
弾性膜体により前記自由ループを被加工物の裏面側に残
留させる構成とする場合(請求項4)には、弾性膜体と
糸に作用する抵抗により糸が被加工物から抜け出しにく
くなるから、下糸を用いることなく加工可能となるう
え、複数の自由ループを被加工物の裏面側に残留させる
ことができ、綺麗な仕上がりの刺繍模様を形成すること
ができる。
【0012】模様を形成する糸についての前記被加工物
への加工時の定着を、他の糸や前後の縫い目の糸によっ
て行うのではなく、前記被加工物自体の弾性を利用して
いる場合(請求項5)には、下糸を用いることなく加工
することになるが、被加工物として弾性膜体付きの被加
工物を用い、その被加工物に糸を複数回貫通させて被加
工物の表面に模様を形成するとともに、弾性膜体と糸間
に作用する抵抗を介して複数の自由ループを被加工物の
裏面側に残留させることにより、刺繍模様を加工するこ
とができる。
【0013】請求項6の模様被加工物は、請求項1〜5
の何れかの発明において、前記被加工物に断面円弧状の
切り口が形成され、その切り口端部が前記被加工物の弾
性で糸を挟持つことを特徴とするものである。被加工物
の切り口断面が単なる円形状のものよりも、糸を被加工
物に定着させる力が高まり糸を確実に固定することがで
きる。ここで、中空針の先端が前記中空針の軸に対して
斜めに傾斜している場合(請求項7)に、その中空針が
揺動され被加工物を貫通することに伴い、被加工物の切
り口が断面円弧状に形成される。
【0014】請求項8の模様被加工物は、請求項6また
は7の発明において、前記断面円弧状の切り口における
円弧の中央部での接線が、加工の順で前後する切り口の
配列方向と直交することなく、前記断面円弧状の切り口
が連続して形成されたこと特徴とするものである。それ
故、糸が中空針で切断されてしまうのを極力減らすこと
ができる。ここで、固着材が、シート状のもので両面に
粘着性を有する場合(請求項9)には、この模様被加工
物を衣服等に簡単に貼付することができる。
【0015】請求項10の模様被加工物の製造方法は、
被加工物の表面に模様を加工してなる模様被加工物を製
造する製造方法において、被加工物に糸を複数回貫通さ
せて被加工物の表面に模様を形成するとともに複数の自
由ループを被加工物の裏面側に残留させる縫製工程と、
前記被加工物の裏面に前記複数の自由ループを固着材に
より固着する固着工程とを備えたことを特徴とするもの
である。縫製工程では、被加工物に糸を複数回貫通させ
て被加工物の表面に模様を形成するとともに複数の自由
ループを被加工物の裏面側に残留させる。固着工程で
は、加工の終了後に、被加工物の裏面に複数の自由ルー
プを固着材により固着する。
【0016】前記縫製工程において、被加工物に糸を複
数回貫通させて被加工物の裏面側に複数自由ループを形
成する。被加工物の裏面側の複数の自由ループは固着材
により被加工物の裏面に固着するため、簡単な処理によ
り複数の自由ループを被加工物の裏面に固定することが
できる。そして、模様被加工物については、自由ループ
の抜け出しが生じず、被加工物の表面の模様がほつれた
りせず安定したものとなる。尚、請求項1の作用の欄で
説明したように、前記固着材は、粘着剤や接着剤を層状
に塗布したものでもよく、テープ材に形成した粘着剤や
接着剤の層でもよく、両面テープ材に形成した粘着剤や
接着剤の層でもよい。
【0017】ここで、前記縫製工程において、中空針を
用いた加工により模様を形成する場合(請求項11)に
は、請求項2の作用の欄で説明したように、模様と複数
の自由ループを綺麗に形成することができる。また、前
記縫製工程において、被加工物保持体に取付けた被加工
物と加工具を相対的に移動駆動手段により水平方向に移
動させながら刺繍模様からなる前記模様を加工する場合
(請求項12)には、請求項3の作用の欄で説明したよ
うに、刺繍模様が形成された被加工物であってワッペン
などに好適の模様被加工物を製造することができる。
【0018】前記被加工物は弾性膜体を有し、前記縫製
工程において前記弾性膜体により前記自由ループを被加
工物の裏面側に残留させる場合(請求項13)には、請
求項4の作用の欄で説明したように、弾性膜体と糸に作
用する抵抗により糸が被加工物から抜出しにくくなるか
ら、複数の自由ループを被加工物の裏面側に残留させる
ことができ、綺麗な仕上がりの刺繍模様を形成すること
ができる。下糸を用いることなく加工することができ、
簡単な構成の縫製装置により加工可能となる。
【0019】ここで、模様を形成する糸についての前記
模様被加工物への加工時の定着を、他の糸や前後の縫い
目の糸によって行うのではなく、前記模様被加工物自体
の弾性を利用している場合(請求項14)には、請求項
5の作用の欄で説明したように、下糸を用いることなく
加工可能となるうえ、被加工物として弾性膜体付きの被
加工物を用い、その被加工物に糸を複数回貫通させて被
加工物の表面に模様を形成するとともに、弾性膜体と糸
間に作用する抵抗を介して複数の自由ループを被加工物
の裏面側に残留させることにより、刺繍模様を加工する
ことができる。
【0020】被加工物に断面円弧状の切り口が形成され
た場合(請求項15)には、請求項6の作用の欄で説明
したように、被加工物の切り口断面が単なる円形状のも
のよりも、糸を被加工物に定着させる力が高まり糸を確
実に固定することができる。中空針の先端が前記中空針
の軸に対して斜めに傾斜している場合(請求項16)に
は、請求項7の作用の欄で説明したように、中空針が揺
動され被加工物を貫通することに伴い、被加工物の切り
口が断面円弧状に形成される。
【0021】断面円弧状の切り口における円弧の中央部
での接線が、加工の順で前後する切り口の配列方向に直
交することなく、前記断面円弧状の切り口が連続して形
成された場合(請求項17)には、請求項8の作用の欄
で説明したように、糸が中空針で切断されてしまうのを
極力減らすことができる。固着材がシート状のものでそ
の両面に粘着性を有する場合(請求項18)には、請求
項9の作用の欄で説明したように、模様被加工物を衣服
等に簡単に貼付することができる。
【0022】請求項19の模様被加工物の製造装置は、
被加工物の表面に刺繍模様を加工してなる模様被加工物
を製造する製造装置において、被加工物に糸を貫通させ
る縫製具と、この縫製具を上下に往復駆動させる縫製具
駆動手段と、被加工物を取付けた被加工物保持体と縫製
具を相対的に水平に直交2方向へ独立に移動駆動する移
動駆動手段と、縫製具駆動手段と移動駆動手段とを制御
する制御手段とを備え、前記被加工物として弾性膜体付
きの被加工物を用い、その被加工物に糸を複数回貫通さ
せて被加工物の表面に模様を形成するとともに複数の自
由ループを被加工物の裏面側に残留させるように構成し
たものである。尚、この模様被加工物の製造装置は、縫
製装置と同様のものであるが、通常のミシンに限定され
るものではなく、通常のミシンとは異なる種々の構成の
縫製装置であってもよい。
【0023】縫製具を縫製具駆動手段により上下に往復
駆動させながら、制御手段により移動駆動手段を制御す
ることで、被加工物を取りつけた被加工物保持体と縫製
具を相対的に移動駆動手段により水平に直交2方向へ独
立に移動駆動することで、被加工物に刺繍模様を自由ル
ープを残留させつつ加工することができる。
【0024】模様を形成する糸についての前記模様被加
工物への加工時の定着を、他の糸や前後の縫い目の糸に
よって行うのではなく、前記模様被加工物自体の弾性を
利用している場合(請求項20)には、請求項5の作用
の欄で説明したように、下糸を用いることなく加工可能
となるうえ、被加工物として弾性膜体付きの被加工物を
用い、その被加工物に糸を複数回貫通させて被加工物の
表面に模様を形成するとともに、弾性膜体と糸間に作用
する抵抗を介して複数の自由ループを被加工物の裏面側
に残留させることにより、刺繍模様を加工することがで
きる。
【0025】ここで、縫製具が中空針である場合(請求
項21)には、請求項2の作用の欄で説明したように、
模様と複数の自由ループを綺麗に形成することができ
る。被加工物に断面円弧状の切り口が形成された場合
(請求項22)には、請求項6の作用の欄で説明したよ
うに、被加工物の切り口断面が単なる円形状のものより
も、糸を被加工物に定着させる力が高まり糸を確実に固
定することができる。中空針の先端が中空針の軸に対し
て斜めに傾斜している場合(請求項23)には、請求項
7の作用の欄で説明したように、中空針が揺動され被加
工物を貫通することに伴い、被加工物の切り口が断面円
弧状に形成される。
【0026】断面円弧状の切り口における円弧の中央部
での接線が、加工の順で前後する切り口の配列方向に直
交することなく、前記断面円弧状の切り口が連続して形
成された場合(請求項24)には、請求項8の作用の欄
で説明したように、糸が中空針で切断されてしまうのを
極力減らすことができる。固着材がシート状のものでそ
の両面に粘着性を有する場合(請求項25)には、請求
項9の作用の欄で説明したように、被加工物を衣服等に
簡単に貼付することができる。
【0027】また、前記被加工物に対する加工完了後
に、被加工物の裏面に前記複数の自由ループを固着する
固着材が設けられる場合(請求項26)には、請求項1
の作用の欄で説明したように、自由ループの抜け出しが
生じないため、被加工物の表面の模様がほつれたりする
ことがなく、安定したものとなる。尚、前記固着材は、
粘着剤や接着剤を層状に塗布したものでもよく、テープ
材に形成した粘着剤や接着剤の層でもよく、両面テープ
材に形成した粘着剤や接着剤の層でもよい。
【0028】請求項27の記憶媒体は、斜めに形成され
た先端部から糸を放出するよう構成された中空針と当該
中空針を突き刺す被縫製物を相対的に移動させる縫製装
置を制御する為の制御プログラムの少なくとも一部を成
す部分をコンピュータにて読み取り可能に記憶する記憶
媒体において、前記被縫製物の少なくとも一部の縫製に
ついて、前記被縫製物での前回の前記中空針の突き刺さ
り位置から至る糸を、前記斜めに形成された前記中空針
の先端部からずらした状態にて次の前記中空針の突き刺
しを行うべく、前記中空針と被縫製物を相対的に移動さ
せる制御プログラムの少なくとも一部をコンピュータに
て読み取り可能に記憶することを特徴とするものであ
る。
【0029】前記記憶媒体においては、中空針と被縫製
物を相対的に移動させる制御プログラムの少なくとも一
部がコンピュータにて記憶され、被縫製物の少なくとも
一部の縫製について、被縫製物での前回の中空針の突き
刺さり位置から至る糸を、斜めに形成された中空針の先
端部からずらした状態にて次の中空針の突き刺しを行う
べく、中空針と被縫製物を相対的に移動させる。
【0030】請求項28の記憶媒体は、請求項27の発
明において、前記中空針の突き刺しにより形成される被
縫製物の切り口が円弧状のものであって、その円弧の接
線が連続する切り口の配列方向に対して直交しないよう
に、前記中空針と被縫製物を相対的に移動させる制御プ
ログラムの少なくとも一部をコンピュータにて読み取り
可能に記憶することを特徴とするものである。
【0031】前記記憶媒体においては、中空針と被縫製
物を相対的に移動させる制御プログラムの少なくとも一
部がコンピュータにて記憶され、中空針の突き刺しによ
り形成される被縫製物の切り口が円弧状のものであっ
て、その円弧の接線が連続する切り口の配列方向に対し
て直交しないように、前記中空針と被縫製物を相対的に
移動させる。
【0032】請求項29の記憶媒体は、請求項27又は
28の発明において、一定の方向の連続した相対的な移
動及び、その一定方向の相対な移動の折り返しにより、
所定領域を縫い尽くす縫製の為の制御プログラムを記憶
する記憶媒体であって、上記一定方向の相対な移動の少
なくとも一部について、前記被縫製物での前回の前記中
空針の突き刺さり位置から至る糸を、前記斜めに形成さ
れた前記中空針の先端部からずらした状態にて次の前記
中空針の突き刺しを行うべく、前記中空針と被縫製物を
相対的に移動させる制御プログラムの少なくとも一部を
コンピュータにて読み取り可能に記憶することを特徴と
するものである。
【0033】前記記憶媒体においては、中空針と被縫製
物を相対的に移動させる制御プログラムの少なくとも一
部がコンピュータにて記憶され、一定方向の相対な移動
の少なくとも一部について、被縫製物での前回の中空針
の突き刺さり位置から至る糸を、斜めに形成された中空
針の先端部からずらした状態にて次の中空針の突き刺し
を行うべく、中空針と被縫製物を相対的に移動させる。
【0034】請求項30の記憶媒体は、請求項29の発
明において、前記一定の方向の連続した相対的な移動に
おいては、円弧の配列方向に平行に前記中空針と被縫製
物を相対的に移動させる制御プログラムの少なくとも一
部をコンピュータにて読み取り可能に記憶することを特
徴とするものである。
【0035】前記記憶媒体においては、中空針と被縫製
物を相対的に移動させる制御プログラムの少なくとも一
部がコンピュータにて記憶され、一定の方向の連続した
相対的な移動においては、中空針と被縫製物を円弧の配
列方向に平行に移動させる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施
形態の縫製装置1は、コントローラ7を含むデータ供給
手段としての家庭用ゲーム機6に接続ケーブルを介して
接続し、そのゲーム機6を使用して表示手段としてのデ
ィスプレイ8の画面(家庭用テレビ)を見ながら選択・
編集した刺繍模様を所定の布に縫製できるものである。
尚、図1の前後左右を前後左右として説明する。
【0037】図1〜図3に示すように、縫製装置1は、
布に加工を施す加工装置としての縫製装置本体2と、こ
の縫製装置本体2に前後方向へスライド可能に装着され
ている安全カバー3と、縫製装置本体2に着脱可能に装
着される刺繍枠4及び縫製用カートリッジ5等で構成さ
れ、刺繍枠4に縫製に供する布70が取付けられ、縫製
用カートリッジ5に縫製用の中空針81等が装備されて
いる。
【0038】先ず、縫製装置本体2について説明する。
図2〜図8に示すように、縫製装置本体2は、ケーシン
グ10と、被加工物(被縫製物)としての布70を取付
けた被加工物保持体(被縫製物保持体)としての刺繍枠
4をキャリッジ18に取付けて縫製用カートリッジ5の
加工具(縫製具)としての中空針81に対して水平方向
へ移動させる刺繍枠駆動機構11(移動駆動手段に相当
する)と、縫製用カートリッジ5を揺動アーム40に取
付けて上下に揺動駆動するカートリッジ駆動機構12
と、刺繍枠駆動機構11とカートリッジ駆動機構12を
制御する制御装置13(図15参照)を備えている。
【0039】前記ケーシング10は、比較的小型の直方
体(例えば、縦130mm 、横165mm 、高さ70mm)状に形成
され、その内部に、刺繍枠駆動機構11及びカートリッ
ジ駆動機構12の主要部と制御装置13が収容されてい
る。但し、ケーシング10には、その左端から左右長の
約2/3部分、前端から前後長の約1/4部分、上端か
ら上下長の約1/2部分を直方体状に切欠いた切欠き空
間10aが形成されている。
【0040】この切欠き空間10aを形成するケーシン
グ10の前面壁10bの下端部には、刺繍枠駆動機構1
1のキャリッジ18に刺繍枠4を装着し水平方向へ移動
させる為のスリット10cが左右方向向きに形成されて
いる。切欠き空間10aを形成するケーシング10の側
壁部には、カートリッジ駆動機構12の揺動アーム40
を上下揺動可能にケーシング10の内部から切欠き空間
10a側へ突出させるスリット(図示略)が上下方向向
きに形成されている。
【0041】ケーシング10の上壁部10dには、前方
凸形のガイド上面部10eが段上がり状に形成され、こ
のガイド上面部10eの右側に、制御装置13に電気的
に接続された電源スイッチ15と縫製の開始と終了を指
令する指令手段としてのスタート/ストップスイッチ1
6が設けられている。これらスイッチ15,16の上端
面は、上壁部10dの上面の高さ位置と一致或いは少し
下方に位置している。
【0042】ケーシング10の左右の両側の各側壁部1
0fには、ガイド溝10g,10hが前後方向向きに形
成されている。ガイド溝10gの上下幅はガイド溝10
hの上下幅よりも小さく、そのガイド溝10gにはケー
シング10の前後方向略中央位置において側方へ突出す
る係止ブロック片67が固定されている。但し、切欠き
空間10aがある関係上、左側壁部10fとそのガイド
溝10g,10hの前後長は、右側壁部10fとそのガ
イド溝10g,10hの前後長よりも短い。
【0043】前記刺繍枠駆動機構11は、図2、図3、
図6、図7に示すように、刺繍枠4を着脱可能に装着す
るキャリッジ18と、このキャリッジ18を水平面内に
おいてX方向(左右方向)へ駆動するX方向駆動機構2
0と、このX方向駆動機構20と共にキャリッジ18を
水平面内においてX方向と直交するY方向(前後方向)
へ駆動するY方向駆動機構30とで構成されている。
【0044】キャリッジ18は、刺繍枠4の後端支持部
4aを係脱可能な係合部18aと、係合部18aの下側
から後方へ延びる案内板18bを有し、刺繍枠4を着脱
する際には揺動アーム40の下方に位置している。X方
向駆動機構20の可動フレーム21には、その後部に左
右方向向きのガイド部21aが形成され、前部に左右方
向向きのガイドロッド22が設けられ、これらガイド部
21aとガイドロッド22に、キャリッジ18が左右方
向へ移動自在にガイド支持されている。
【0045】X方向駆動機構20は、可動フレーム2
1、ガイドロッド22、スクリュー軸23、パルスモー
タ24、ガイドピン25を有する。可動フレーム21は
上方を開放した略箱形に形成され、その両側壁部にガイ
ドロッド22の両端部が支持されている。スクリュー軸
23は可動フレーム21の内部において左右方向向きに
伸長して配設され、その左端部が可動フレーム21の左
壁部に回転自在に支持されている。パルスモータ24は
可動フレーム21の右壁部の右側に固定され、その出力
軸がスクリュー軸23の右端部に直結されている。
【0046】キャリッジ18の案内板18bがスクリュ
ー軸23の上側に配設され、その案内板18bにガイド
ピン25が下方突出状に固定されて、スクリュー軸23
の螺旋溝に摺動自在に係合している。パルスモータ24
によりスクリュー軸23が回動されると、その螺旋溝に
ガイドピン25がガイドされて左右に移動するため、キ
ャリッジ18がX方向に移動駆動される。
【0047】Y方向駆動機構30は、支持フレーム3
1、2本のガイドロッド32,33、スクリュー軸3
4、パルスモータ35、ガイドピン36を有する。支持
フレーム31は側面視にて略凹形に形成され、その前後
両壁部に前後方向向きのガイドロッド32,33の両端
部が支持されている。そして、これらガイドロッド3
2,33に、X方向駆動機構20の可動フレーム21が
前後方向へ移動自在にガイド支持されている。
【0048】スクリュー軸34は前後方向向きに伸長し
て配設され、その後端部が支持フレーム31の後壁部に
回転自在に支持されている。パルスモータ35は支持フ
レーム31の前壁部の前側に固定され、その出力軸がス
クリュー軸34の前端部に直結されている。ガイドピン
36は可動フレーム21に下方突出状に固定され、スク
リュー軸34の螺旋溝に摺動自在に係合している。パル
スモータ35によりスクリュー軸34が回動されると、
その螺旋溝にガイドピン36がガイドされ前後に移動す
るため、可動フレーム21と共にキャリッジ18がY方
向に移動駆動される。尚、Y方向駆動機構30はX方向
駆動機構20の下方に配置されている。
【0049】ここで、刺繍枠駆動機構11により、キャ
リッジ18に取付けた刺繍枠4を移動させることができ
る移動領域は、図6に示す領域38となり、その移動領
域38の略中央位置に、縫製装置本体2に装着された縫
製用カートリッジ5の中空針81が位置する。但し、縫
製装置本体2の前部に縫製用カートリッジ5が装着され
るため、この移動領域38の前部はケーシング10の外
部へはみ出している。このように、X方向駆動機構20
とY方向駆動機構30を上下に配置し、キャリッジ18
の移動領域38の下方に何れかの駆動機構が配置される
ので、縫製装置本体2を小型化することができる。
【0050】前記カートリッジ駆動機構12は、図6〜
図9に示すように、縫製用カートリッジ5を着脱可能な
揺動アーム40、揺動アーム40を上下に揺動駆動する
駆動源としてのACモータであるミシンモータ45、ミ
シンモータ45の回転速度を減速するギヤ機構50、ギ
ヤ機構50により減速された回転運動を揺動アーム40
の上下揺動運動に変換するカム機構55等を有する。
【0051】揺動アーム40は、図7〜図9に示すよう
に、アーム部40a、枢支部40b、バネ取付レバー部
40cを一体形成して構成され、ケーシング10の前部
側の略右半部に配設されている。揺動アーム40のう
ち、アーム部40aの大部分が切欠き空間10a側へ突
出し、枢支部40bとバネ取付レバー部40cを含むそ
の他の部分がケーシング10の内部に収容されている。
アーム部40aの左端部には前後方向向きの係合ピン4
1が突出状に固定されている。
【0052】前記支持フレーム31の前壁部31aは上
方に伸長し、更に、図8の左方にも伸長しており、その
左方に伸長する部分の根元部分で、図8における紙面奥
側に、枢支部40bが前後方向向きの枢支軸42を介し
て回動自在に枢支されている。この支持フレーム31の
前壁部31aの上部の手前側には樹脂の板31bが支持
フレーム31に対して固着されている。この板31bに
は、図8の紙面に突き刺さる方向奥側に伸長する固定部
31cが一体的に樹脂材料で形成されている。
【0053】バネ取付レバー部40cの下端部は引張り
バネ43を介して支持フレーム31に連結され、この引
張りバネ43により、揺動アーム40は枢支軸42を中
心として時計回り方向へ付勢されている。ミシンモータ
45は、支持フレーム31の前壁部31aの右下部の後
側に前向きにして固定されている。
【0054】ギヤ機構50は、図6〜図8に示すよう
に、支持フレーム31の前壁部31aの前側に配設され
たギヤ51〜54からなる。駆動ギヤ51はミシンモー
タ45の出力軸に固着され、同軸上に一体的に結合され
た中間ギヤ52,53は前壁部31aに枢支軸52aを
介して枢支され、大径ギヤ54は枢支軸52aよりも上
側において前壁部31aに枢支軸54aを介して枢支さ
れている。駆動ギヤ51と中間ギヤ52とが噛合され、
中間ギヤ53と大径ギヤ54とが噛合されて、ミシンモ
ータ45(駆動ギヤ51)の回転速度に対して大径ギヤ
54の回転速度が減速される。
【0055】カム機構55は、図9に示すように、大径
ギヤ54の枢支軸54aに固着された略三角形状のカム
56と、揺動アーム40のアーム部40aの右端部に固
着され且つカム56に係合可能な従動子57を有する。
前記引っ張りバネ43により、常時、揺動アーム40は
時計回り方向へ付勢されているため、従動子57はカム
56の外周部に係合するようになっている。
【0056】従動子57がカム56に係合する係合位置
とカム56の回転軸心との距離が長い程、従動子57が
上方へ位置し揺動アーム40のアーム部40aは下方へ
位置する。カム56を1回転させると、アーム部40a
が図9に実線で示す上限位置と鎖線で示す下限位置とに
亙って1往復上下に揺動し、布70に対して刺繍を行
う。
【0057】次に、安全カバー3について説明する。図
2〜図5に示すように、安全カバー3は、図2〜図5に
示すように、駆動される刺繍枠4や縫製用カートリッジ
5や揺動アーム40をガードする機能と、子供等が中空
針81により衣類を破損しないように中空針81と布7
0の移動領域38を覆う機能と、スタート/ストップス
イッチ16を誤操作するのを防止する機能等を併せ持っ
たカバーである。この安全カバー3は、前記刺繍枠4の
移動領域38の全体を覆うことができるカバーであり、
縫製時に移動領域38を覆う縫製用位置(図3参照)
と、この縫製用位置から復帰させた梱包や収納の為の収
納用位置(図2参照)とに亙って移動可能に構成されて
いる。
【0058】この安全カバー3は合成樹脂からなる透明
材料又は半透明材料で構成され、上壁部3aと前面壁3
bと左右の側壁部3cとを有し、下方と後方を開放した
形状に構成されている。安全カバー3の上壁部3aに後
端側から凹形の切欠き部3dが形成され、この切欠き部
3dがケーシング10のガイド上面部10eに前後摺動
自在に係合し、安全カバー3の上壁部3aの下面がケー
シング10の上壁部10dのうちガイド上面部10e以
外の上面に当接可能である。
【0059】また、安全カバー3の各側壁部3cの後部
内側に鉛直板60が固定され、この鉛直板60には、上
後部の内側に係合片66が固定され、その下側に係合部
60aが一体的に形成されている。そして、ケーシング
10の各側壁部10fに形成されたガイド溝10gに係
合片66が摺動自在に係合し、ガイド溝10hに係合部
60aが摺動自在に係合している。安全カバー3の右側
壁部3cの前端部分内側には、ガイド溝10gに摺動自
在に係合可能な係合片61が固定されている。
【0060】ここで、安全カバー3を縫製用位置に位置
決めすると共に安全カバー3が装置本体2から離脱しな
いように規制する抜け止め用のストッパ機構65が設け
られている。このストッパ機構65は、安全カバー3の
各側壁部3cに固定された前記ガイド片66と、ケーシ
ング10の各側壁部10fのガイド溝10gに側方へ突
出するように固定された前記係止ブロック片67とを有
し、ガイド片66が係止ブロック片67に係止される
と、安全カバー3が縫製用位置に位置決めされ、これ以
上前方へ移動できないようになる。
【0061】安全カバー3が図2の収納用位置に切換え
られた状態で、安全カバー3の切欠き部3dがケーシン
グ10のガイド上面部10eに完全に係合するととも
に、安全カバー3の上壁部10dの後端部がガイド上面
部10eの段部に当接し、安全カバー3の前面壁3bが
ケーシング10の前面に接近した状態になる。
【0062】安全カバー3が収納用位置に位置している
ときには、この安全カバー3により、前記刺繍枠4の移
動領域38の全域は覆われないが、安全カバー3を図2
の収納用位置から前方へスライドさせて図3の縫製用位
置に切換えると、安全カバー3により移動領域38の全
域が覆われる。
【0063】安全カバー3が図3の縫製用位置に切換え
られた状態で、ケーシング10のガイド上面部10eの
前端部と安全カバー3の切欠き部3dとで、縫製用カー
トリッジ5の前後幅と略等しい前後隙間のカートリッジ
挿入口68が形成される。カートリッジ挿入口68から
縫製用カートリッジ5を安全カバー3内に挿入すること
により、このカートリッジ挿入口68により縫製用カー
トリッジ5をガイドして揺動アーム40に装着すること
ができる。縫製用カートリッジ5が縫製装置本体2に装
着されている状態では、この縫製用カートリッジ5によ
り、安全カバー3が縫製用位置に位置規制される。
【0064】また、安全カバー3の上壁部3aの右部に
はスイッチ操作穴3eが形成され、安全カバー3が図2
の収納用位置に切換えられた状態で、このスイッチ操作
穴3eが電源スイッチ15と対向し、そのスイッチ操作
が可能となり、電源スイッチ15の前側に設けられたス
タート/ストップスイッチ16の上側は、禁止手段とし
ての安全カバー3で覆われた状態となるため、スタート
/ストップスイッチ16の操作が不能となり禁止され
る。
【0065】前後に配置された電源スイッチ15とスタ
ート/ストップスイッチ16の中心間距離は、安全カバ
ー3の前後スライド量と同じであり、それ故、安全カバ
ー3が図3の縫製用位置に切換えられた状態では、スイ
ッチ操作穴3eがスタート/ストップスイッチ16と対
向し、そのスイッチ操作が可能となる。即ち、前記禁止
手段の禁止が解除される。
【0066】また、安全カバー3が縫製用位置に位置し
ているときには、電源スイッチ15は安全カバーの後側
に位置して露出するため、電源スイッチ15の操作も可
能となる。このように、安全カバー3が縫製用位置にあ
るときにも収納用位置にあるときにも、電源スイッチ1
5を操作可能である。尚、電源スイッチ15とスタート
/ストップスイッチ16とスイッチ操作穴57は、平面
視にて円形で略同じ大きさに形成されている。
【0067】安全カバー3の前面壁3bの下部の左右方
向中央付近部(安全カバー3のスライド方向に対して直
交する左右方向における中央付近部)に、刺繍枠4を安
全カバー3の内部に挿入可能な刺繍枠挿入穴3fが形成
され、更に、この前面壁3bには、刺繍枠4を刺繍枠挿
入穴3fから安全カバー3の内部に挿入しキャリッジ1
8に装着する際に、刺繍枠4を前後方向にガイドするガ
イド部材69が前面壁3bに固定され、前面壁3bから
前方へ突出する形状に構成されている。この刺繍枠挿入
穴3fは、前面壁3bの左右方向の中央部に位置し、キ
ャリッジ18の左右方向移動範囲における中央位置(移
動領域38の左右方向中央位置)よりも少し右側にずれ
た位置に設けられている。そのため、外観がよくなる。
【0068】このキャリッジ18が揺動アーム40の略
下側に位置しているとき、キャリッジ18は最も前方へ
移動した状態となり、ガイド部材69にガイドされ刺繍
枠挿入穴3fを介して安全カバー3の内部に挿入された
刺繍枠4をキャリッジ18に装着することができる。こ
のガイド部材69は安全カバー8を掴む為の把手として
兼用される。
【0069】次に、刺繍枠4について説明する。図2、
図3、図6、図11、図12に示すように、刺繍枠4は
矩形枠状に形成され、その後部側には、刺繍枠4をキャ
リッジ18の係合部18aに係脱可能な後端支持部4a
が一体形成されている。刺繍枠4の内縁部付近には、上
端面に対して段落ち状の段部4bが枠状に形成され、こ
の段部4bに矩形状の特殊な布70の外周部が嵌め込ま
れ、両面テープや接着剤等を介して剥離可能に固着さ
れ、布70は刺繍枠4の略全体にピンと張った状態で取
付けられている。
【0070】図12〜図14に示すように、この特殊な
布70は、例えば、ラミネート加工により、ウレタン製
の弾性膜体71を1対の織布72で挟み込んで形成され
た多層構造の弾性を有する布である。刺繍枠4とこの刺
繍枠4に予め取付けられた布70とは複数組用意されて
いる。
【0071】次に、縫製用カートリッジ5について説明
する。図2、図8、図10に示すように、縫製用カート
リッジ5は、カバー80、中空針81、糸供給源である
糸駒82、糸駒押さえ83、糸弛み防止機構84、押さ
え足85、押さえ足付勢機構としての圧縮コイルバネ8
6等を備えている。
【0072】カバー80はマッチ箱を横向きして立てた
ような直方体形状であり、その内部に中空針81の大部
分と糸駒82と糸駒押さえ83と糸弛み防止機構84等
が収容されている。縫製用カートリッジ5を揺動アーム
40に着脱可能に装着するために、カバー80の下部に
は、揺動アーム40のアーム部40aが係合する係合溝
80aと、この係合溝80aに連なり且つ揺動アーム4
0の係合ピン41が係合するピン係合穴(図示略)が形
成されている。
【0073】これにより、安全カバー4が縫製用位置に
切換えられた状態で形成されるカートリッジ挿入口68
から、縫製用カートリッジ5を安全カバー3内に挿入す
ることにより、この縫製用カートリッジ5を揺動アーム
40に所定の取付状態でワンタッチ的で連結し、この取
付状態を揺動アーム40に固定された板バネ89(図8
参照)で縫製用カートリッジ5を付勢して保持すること
できる。
【0074】中空針81はカバー80の左部に略立向き
に配設されている。中空針81の少なくとも上端部分が
カバー80に固着された筒状の針支持部材90に支持さ
れて、中空針81の下端部分がカバー80の下側へ突出
している。糸駒82は、カバー80内部の右半部に配設
され、カバー80に一体形成された前後方向向きの軸部
材82aに回転自在に支持され、この軸部材82aに圧
入状に外嵌された糸駒押さえ83により糸駒82が押さ
えられている。この中空針81の先端部分は左側から下
方右側へ傾斜するように尖っており、縫製用カートリッ
ジ5が縫製装置本体2に装着されたときに、その最先端
部が中空針81のうち揺動アーム40の揺動中心側端部
(右端部)に位置する。
【0075】糸駒82に巻き付けられた上糸である糸8
8はやや太めの糸であり、中空針51の孔はこの糸88
を糸通しできる大きさに形成されている。糸駒82から
延びる糸88は、糸弛み防止機構84を介して中空針8
1の上端からその孔に導入され、中空針81の下端から
縫製用カートリッジ5の外部へ繰り出されている。尚、
中空針81の下端から糸88がある程度の長さ繰り出さ
れた状態で縫製が行われる。尚、糸駒82から糸88が
繰出される際、糸駒82が空回りして糸88がもつれな
いようにする為に、糸駒押さえ83又は軸部材82a又
はその他の部材から糸駒82に適当な回転抵抗を付与す
るように構成することが望ましい。
【0076】糸弛み防止機構84は、案内ピン92とこ
の案内ピン92に当接する板バネ片93とからなり、こ
れら案内ピン92と板バネ片93の間に糸88を通し
て、縫製時の糸88の弛みを防止する。案内ピン92
は、中空針81の上側に前後方向向きにして、その端部
をカバー80に固定して配設され、糸駒82から延びる
糸88を中空針81へ案内する。
【0077】板バネ片93はカバー80の上端部に左右
方向向きに配設され、その右端部分がカバー80に固定
されて、左端部が案内ピン92に上側から当接してい
る。ここで、カバー80の上部には、前後方向向きの枢
支軸94aを介して右端部が枢支されて揺動可能な揺動
板94が設けられ、この揺動板94に、案内ピン92と
板バネ片93が固定的に設けられている。この案内ピン
92は、揺動アーム40が上下に揺動しても固定部31
cにより支持されその上下位置は固定されるが、糸駒8
2や中空針81は揺動アーム40と共に上下に揺動す
る。従って、糸駒82から中空針81へ至る糸88の経
路が案内ピン91により変動する。尚、案内ピン92、
板バネ片93、揺動板94等が天秤手段に相当する。
【0078】カバー80には揺動板94の下端部を係止
可能な係止片95が固着され、この係止片95に揺動板
94が係止された状態で、揺動板94がカバー80内に
収納されて、縫製用カートリッジ5が使用可能な状態と
なる。尚、この状態から、図10に鎖線で示すように、
揺動板94を上方へ揺動させると、例えば、糸88が中
空針81から上側へ抜けた場合、その糸88を中空針8
1に比較的容易に通すことが可能になる。
【0079】押さえ足85は円板状に形成され、カバー
80外部の中空針81の下端部側に配設されている。押
さえ足85には、中空針81が挿通可能な針穴85aが
形成され、その右側にガイドピン96の下端部が固着さ
れている。このガイドピン96はカバー80内部の中空
針81の右側に固定された係合部材97に摺動自在に係
合し、この係合部材97によりガイドピン96と共に押
さえ足85が上下移動可能にガイドされている。
【0080】カバー80と押さえ足85の間においてガ
イドピン86に圧縮コイルバネ86が外装され、この圧
縮コイルバネ86により押さえ足85が下方へ弾性付勢
されている。ガイドピン96の上端部の屈曲部96a
が、係合部材97の縦溝97aに係合し、通常時、屈曲
部96aが縦溝97aの下端部に係合するため、押さえ
足85は中空針81の下端部よりも僅かに下側に位置
し、この押さえ足85によりカバー80外部の中空針8
1の下端部分がガードされている。ここで、押さえ足8
5がガード部材に相当する。
【0081】縫製時、縫製用カートリッジ5が下降する
と、押さえ足85が布70を押さえて略静止し、この状
態で、押さえ足85に対して中空針81が下降して、そ
の先端部分が布70に突き刺さる。さて、揺動アーム4
0に着脱可能な複数の縫製用カートリッジ5が用意され
ており、これら縫製用カートリッジ5には異なる色の糸
が夫々収容され、カラフルな刺繍模様を形成できるよう
になっている。
【0082】ここで、この縫製装置1の縫製動作によっ
て布70に形成される縫目について図13に基づいて説
明する。縫製装置本体1に布70を取付けた刺繍枠4と
縫製カートリッジ5を装着した状態で、刺繍枠駆動機構
11により刺繍枠4へ移動させながら、カートリッジ駆
動機構12により縫製用カートリッジ5を上下に揺動さ
せる。但し、上下に揺動している縫製用カートリッジ5
の中空針81が布70に突き刺さった状態では刺繍枠4
は静止している。このとき、中空針81の最先端部が中
空針81のうち揺動アーム40の揺動中心側端部に位置
するため布70のずれを防止する。中空針81が布70
に突き刺さる瞬間は布70に対して略直交する。
【0083】縫製用カートリッジ5の中空針81が下降
して弾性膜体71を含む布70に突き刺さると、中空針
81の先端から延び且つ中空針81と一緒に布70に貫
通された糸88が、布70の弾性膜体71から受ける摩
擦抵抗により布70に保持される。従って、中空針81
が布70に突き刺さってから、布70を貫通し図13に
鎖線で示す下限位置に達するまでの間、中空針81の内
部の糸88には布70からの摩擦が作用しないため、縫
製済みの刺繍模様75を引っ張ることなく、中空針81
の先端から糸88がスムースに繰り出される。
【0084】次に、中空針81が下限位置から上昇しそ
の先端が布70から抜けると、中空針81の先端から延
び且つ中空針81と共に布70の下側から布70に貫通
した糸88が、前記同様に布70に保持され、こうし
て、上糸88により布70の裏面側に自由ループ76が
形成される。その後、中空針81が上限位置に達するま
での間、中空針81の先端から糸88が繰り出され、次
に、刺繍枠4と共に布70がX方向とY方向に移動駆動
され、中空針81が上限位置から下降して布70に突き
刺さると、布70の表面に刺繍模様75の縫目が形成さ
れる。
【0085】上記動作を連続して行い、布70に糸88
が複数回貫通されると、布70の表面に刺繍模様75が
形成されるとともに、複数の自由ループ76が布70の
裏面側に形成されて残留する。そして、この布70の裏
面に前記複数の自由ループ76を固着する固着材として
の両面テープ77粘着すると、図14に示す模様被加工
物である模様縫製布78が形成される。
【0086】それ故、自由ループ76の抜出しが生じな
いため、他の糸やその前後の縫目の糸で糸を定着させる
ことなく、布70の表面の刺繍模様75がほつれること
がなく安定する。そして、この模様縫製布78をワッペ
ンとして両面テープ77を介して種々のものに粘着し固
定することができる。尚、両面テープ77の他に、布7
0の自由ループ76が残留する裏面に、種々の粘着剤や
接着剤を層状に塗布してもよいし、これら種々の粘着剤
や接着剤のテープを形成し、そのテープで布70の裏面
に複数の自由ループ76を固着してもよい。
【0087】この自由ループ76が布70の裏面側に多
数位置しているので、その布70の裏面に両面テープ7
7を貼り付けた場合に、両面テープ77に凹凸が生じ
る。それ故、この布70をワッペン等として両面テープ
77を介して衣服に貼り付ける際に、貼り付けられる衣
類は柔らかく、こういったワッペンがはがれやすいとい
う面があるが、その凹凸のため粘着性を向上させること
ができる。この凹凸が個々の自由ループ毎に形成される
か或いは複数の自由ループにより形成されるかは糸や両
面テープの材質による。
【0088】次に、制御系について図15のブロック図
に基づいて説明する。縫製装置1の制御装置13は、C
PU13aとROM13bとRAM13cを含むコンピ
ュータと、入出力インターフェ─ス13dと、入出力端
子13eを有し、これらはバス13fで接続されてい
る。
【0089】入出力インターフェ─ス13dには、X方
向駆動機構20のパルスモータ24の為の駆動回路24
a、Y方向駆動機構30のパルスモータ35の為の駆動
回路35a、カートリッジ駆動機構12のミシンモータ
45の為の駆動回路45a、電源スイッチ15、スター
ト/ストップスイッチ16、位相検出器98が接続され
ている。
【0090】ここで、位相検出器98について説明する
と、位相検出器98は、例えば、複数のフォトインタラ
プタと、大径ギヤ54と一体的に回転する枢支軸52a
に固着されて各フォトインタラプタに対応するエンコー
ダディスクを含み、この枢支軸52aの回転位相を検出
して、揺動アーム40の上限位置、下限位置、針抜け位
置等を検出できるようになっている。
【0091】一方、ゲーム機6は、CPU6aとROM
6bとRAM6cを含むコンピュータと、DVDの読取
り及び書込みが可能なDVDドライブ6d(DVDD)
と、フラッシュカード用コネクタ6eと、入出力端子6
f,6gと、入力端子6hと、出力端子6iとを有し、
これらはバス6jで接続されている。入出力端子6fは
縫製装置1の入出力端子13eに接続され、入力端子6
hにはコントローラ7が接続されている。出力端子6i
にはCRT8の為の駆動回路8a(LCDD)が接続さ
れ、入出力端子6gは電話回線9aと接続可能である。
【0092】DVDドライブ6dに種々の縫製データや
プログラムをコンピュターで読み取り可能に記憶する外
部記憶媒体としてのDVD100 を着脱可能であり、テレ
ビゲームのゲームソフトを記憶したDVD100 を装着し
た場合、そのゲームソフトに基づいてCRT8にゲーム
画面を表示させ、コントローラ7を操作してゲームを楽
しむこともできる。また、入出力端子9gと電話回線9
aとを接続することにより、その電話回線9aを介し
て、この縫製装置1、データ、プログラム等の製造元で
あるメーカ(例えば、ブラザー工業)側のサーバや他メ
ーカ(例えば、ブラザー工業以外のメーカ)側のサーバ
から接続業者のサーバを通して、縫製に関連する種々の
データを取り込むことができる。つまり、インターネッ
トを介してメーカ(例えば、ブラザー工業)側から供給
される縫製に関する種々のデータを取り込むことができ
る。
【0093】尚、このメーカーのホームページは、電話
回線等によるインターネットによりアクセス可能に開設
されていれば、そのゲーム機や縫製端末の存在する国に
開設されている必要はなく、別の国において開設されて
いてもよい。例えば、企業の「HOME」となる窓口的
なページを米国に開設し、前記縫製に関する制御プログ
ラム、制御信号、データ等の送信を、その米国とは異な
る国(例えば、欧州)に開設された同企業又は関連する
企業また個人のHPから行えるように、米国のホームペ
ージをリンクさせ、世界規模でそれら制御プログラム、
制御信号、データ等を伝送媒体としてインターネットで
配信するようにしてもよい。
【0094】さて、縫製装置1では、制御装置13によ
り縫製データに基づいて刺繍枠駆動機構11(X方向駆
動機構20とY方向駆動機構30)とカートリッジ駆動
機構12を駆動制御して、布70に刺繍模様を形成する
ことができ、その為の制御プログラムがROM13bに
格納されている。そして、本実施形態の場合、ゲーム機
6を使用してCRT8にゲームソフトにより表示される
種々のキャラクタ(人物、動物、ロボット等)を画面を
介して選択したり編集したりし、そのキャラクタを刺繍
する模様データをゲーム機6において作成し、縫製装置
1に供給できるように構成されている。
【0095】そのため、ゲーム機6では、縫製データを
選択・編集することができる専用のDVD100 が設けら
れている。つまり、このDVD100 には、図16に示す
ように、前記のようにゲームソフトから選択した複数種
類の刺繍模様及び予め入力された複数種類の刺繍模様の
模様データ、これら複数種類の刺繍模様のなかから所望
の刺繍模様を選択する為の模様選択制御プログラム、選
択された刺繍模様を編集(拡大、縮小、結合、反転等
々)する為の模様編集制御プログラム、模様を選択設定
する為にCRTに表示させる表示制御プログラム等が記
憶されている。尚、フラッシュカード用コネクタ6eに
接続可能なフラッシュカードには、選択・編集した刺繍
模様の模様データを記憶しておくこともできる。
【0096】更に、前記DVD100 には、ゲームソフト
と共に、そのゲームソフトのデータに基づいてゲームソ
フトのキャラクタを選択・編集して模様データを作成す
る模様データ作成制御プログラムも格納されており、こ
の制御プログラムによって模様データを作成する場合に
は、この制御プログラムをRAM6cにダウンロードし
てからゲームソフト用DVDを作動させて種々のキャラ
クタを表示させ、刺繍に供するキャラクタを選択・編集
後、模様データを作成する。但し、その模様データはD
VD100 に格納される。
【0097】次に、以上説明した縫製装置1の一連の作
用について、図17、図18のフローチャート等を適宜
参照して説明する。但し、図1に示すように、縫製装置
1とゲーム機6は接続ケーブルを介して接続され、ゲー
ム機6のDVDドライブ6dには、図16のデータが記
憶されているDVD100 が装着されているものとする。
尚、ゲーム機6とディスプレイ8も接続ケーブルを介し
て接続されている。
【0098】先ず、ゲーム機6により、ディスプレイ8
の画面を見ながら、コントローラ7を操作して刺繍模様
を選択・編集する。尚、縫製装置1の電源をオンしなく
ても、刺繍模様の選択・編集が可能である。
【0099】このゲーム機6の制御装置では、図17に
示すように、電源がオンされると制御が開始され、初期
設定(S1)の後、DVD100 のデータ(前記模様選択
制御プログラム、模様編集制御プログラム、表示制御プ
ログラム等)が読込まれる(S2)。その後、模様選択
処理(S3)において、DVD100 に記憶されている複
数種類の刺繍模様のなかから所望の刺繍模様を選択で
き、模様編集処理(S4)において、選択された刺繍模
様を編集(拡大、縮小、結合、反転等)することができ
る。
【0100】次に、コントローラ7の所定ボタンを操作
して、刺繍模様の選択・編集が完了すると(S5;Ye
s)、次に、縫製装置1がデータ受信可能であるときに
は(S6;Yes)、選択・編集された刺繍模様の模様デー
タが縫製装置1へ送信され(S7)S3へリターンす
る。但し、縫製装置1の電源がオンされていない場合
等、縫製装置1がデータ受信不能であるときには(S
6;No )S5へリターンする。
【0101】さて、縫製装置1の制御装置13では、図
18に示すように、電源スイッチ15を操作して電源が
オンされると制御が開始され、初期設定(S10)の
後、データ受信可能となり、次に、ゲーム機6から選択
・編集された模様データの送信が有るときには(S1
1;Yes)、その模様データを受信する(S12)。次
に、スタート/ストップスイッチ16がオンされると
(S13;Yes)、受信した模様データに基づいて縫製処
理(S14)が実行される。
【0102】ここで、縫製を開始させる前に行う必要が
ある準備について説明する。先ず、縫製装置1の安全カ
バー3を図2の収納用位置に位置させた状態で、布70
を取付けた刺繍枠4を、安全カバー3のガイド部材69
にガイドさせつつ刺繍枠挿入穴3fからカバー3内部に
挿入し、刺繍枠4の後端支持部4aをキャリッジ18の
係合部18aに係合させて装着する。このように刺繍枠
4を確実に装着できるキャリッジ18の位置が揺動アー
ム40の略下側に位置し、初期設定(S10)において
この位置にキャリッジ18が移動されて待機している。
安全カバー3が収納用位置に位置している状態で、刺繍
枠4は安全カバー3よりも少し突出している。
【0103】刺繍枠4を装着した後、把手となるガイド
部材69を把持し、安全カバー3を前方へスライド移動
させて図3の縫製用位置に切換える。この状態で、カー
トリッジ挿入口68が形成されるため、そのカートリッ
ジ挿入口68から、所望の色の糸を収容した縫製カート
リッジ5を安全カバー3内に挿入し、揺動アーム40に
取付けて装着する。これらの準備を行って縫製処理の実
行が可能になる。
【0104】安全カバー3が縫製用位置以外に位置する
場合、スタート/ストップスイッチ16は安全カバー3
に覆われ操作が不可能であるが、安全カバー3が縫製用
位置に切換えられた状態では、スタート/ストップスイ
ッチ16がスイッチ操作穴3eと対向するため操作が可
能となる。即ち、その後、スタート/ストップスイッチ
16がオンされると(S13;Yes)、縫製処理(S1
4)が実行される。
【0105】ここで、図16に示すように、DVD100
に記憶されている各刺繍模様の模様データは複数の模様
部の模様部データからなり、各模様部毎に縫製用カート
リッジを交換し糸色を変えるようになっている。つま
り、図18に示すように、スタート/ストップスイッチ
16がオンされると(S13;Yes)、縫製処理(S1
4)が実行され、1つの模様部の模様データに基づい
て、刺繍枠駆動機構11とカートリッジ駆動機構12が
制御されてその模様部が布70に縫製される。
【0106】1つの模様部が形成されるとその模様部に
ついての縫製が終了され(S15)、次に縫製する模様
部の糸色を変える際、その色の糸88を収容した縫製カ
ートリッジ8に取替える。この場合、現在装着されてい
る縫製用カートリッジ5を取外す前に、例えば、コント
ローラ7の所定のボタンを操作することにより糸替えが
指令されると(S16;Yes)、次に、糸切りと縫製用カ
ートリッジ5の交換の為に糸弛ませ処理(S17)が実
行される。
【0107】縫製用カートリッジ5を交換しない場合、
S18の糸弛ませ処理を実行させる必要がない。糸替え
が指令されないときには(S16;No )S13へリター
ンするため、縫製中断(S15)の後、スタート/スト
ップスイッチ16がオンされると(S13;Yes)、縫製
処理(S14)が実行され次の模様部が形成される。
【0108】前記糸弛ませ処理について説明する。この
糸弛ませ処理では、縫製終了後に、縫製用カートリッジ
5内の糸駒82から糸88を引き出す為に、刺繍枠4を
縫製完了位置から前記移動領域38(図6参照)内の移
動限界位置まで移動させてから、中空針81と布70の
間の糸88を弛ませるように刺繍枠駆動機構11を制御
する。その為の糸弛ませ制御プログラムは、縫製装置1
の制御装置13のROM13bに記憶されている。但
し、この糸弛ませ制御プログラムを、縫製装置1のRO
M13bにではなく、DVD100 等の種々の記憶媒体に
記憶させておき、縫製装置1に転送するように構成して
もよい。
【0109】図19の(a)は1つの模様部の縫製が完
了した直後の刺繍枠4の縫製完了位置を示し、図19の
(a)〜(c)の「○」は移動領域38の略中央に位置
する中空針81の針落ち位置を示し、「×」は中空針8
1が最後に布70に落ちた縫製完了針落ち位置を示し刺
繍枠4と共に移動する。
【0110】図19の(b)は、刺繍枠4の移動を介し
て中空針81が縫製完了針落ち位置からこの縫製完了針
落ち位置に対して最大限離間した最大離間位置へ移動す
るように、刺繍枠4を前記移動領域38内において移動
限界位置に移動させた状態を示し、図19の(c)は、
刺繍枠4を移動領域38内において鎖線で示す枠取出し
位置に対して最も離れた移動限界位置に移動させた状態
を示している。
【0111】さて、図20に示すように、S17の糸弛
ませ処理が開始されると、先ずS20において最終色か
否かが判定される。最終色のとき(S20;Yes)、つま
り、刺繍模様の複数の模様部が全部形成されたときに
は、図19の(c)に示すように、刺繍枠4の枠取出し
位置(鎖線で示す)に対して最も離れた移動限界位置を
演算し(S21)、演算したデータに基づいて刺繍枠駆
動機構11を制御してその移動限界位置へ刺繍枠4を移
動させる(S22)。
【0112】これにより、縫製用カートリッジ5の糸駒
82から糸88が引き出された状態となる。次に、刺繍
枠を枠取出し位置に移動、停止させ(S23)、布70
と中空針81の間の糸88を弛ませる。その後、CRT
8にゲーム機6を介して糸切り操作及び枠取出しの指示
を表示させる(S24)。尚、S23が、縫製終了後に
布70とともに刺繍枠4を所定の枠取出し位置に移動さ
せるように刺繍枠駆動機構11を制御する制御手段に相
当する。刺繍枠4を枠取出し位置に移動させると、キャ
リッジ18が最大限前方へ移動して揺動アーム40の下
方に位置する。
【0113】一方、最終色でないとき(S20;No )、
つまり、刺繍模様の複数の刺繍模様部が全部形成されて
いないときには、例えば刺繍枠4の縫製完了位置が図1
9の(a)の位置のときには図19の(b)に示すよう
に、中空針81を縫製完了針落ち位置に対して最大離間
位置へ移動させる刺繍枠4の移動限界位置を演算し(S
25)、演算したデータに基づいて刺繍枠駆動機構11
を制御してその移動限界位置へ刺繍枠4を移動させる
(S26)。
【0114】これにより、縫製用カートリッジ5の糸駒
82から糸88が十分に引き出された状態となる。次
に、刺繍枠4の移動を反転させて刺繍枠4を前記縫製完
了位置に移動させて復帰させ(S27)、布70と中空
針81の間の糸88を弛ませる。その後、CRT8には
ゲーム機6を介して枠取出し禁止警告及び糸切り操作の
指示を表示させる(S28)。
【0115】S22とS23、S26とS27が実行さ
れると、上述のように、中空針81と布70の間の糸8
8が弛み、S24、S28においてCRT8に表示され
た糸切り操作の指示に従って、その糸88を切断するこ
とになる。この場合、安全カバー3を縫製装置本体2か
ら取外すことなく、また、安全カバー3により刺繍枠4
の移動領域38を覆ったまま、手作業により、例えばハ
サミを刺繍枠挿入開穴3fから安全カバー3の内部に突
っ込んで、透明材料又は半透明材料からなる安全カバー
3の外側から内部を見ながら、弛んだ糸88に引っ掛け
てその糸88を容易に切断することができる。
【0116】次に、刺繍模様の縫製が完了している場
合、つまり、S21〜S24が実行された場合には、C
RT8に表示された枠取出しの指示に従って、枠取出し
位置に位置する刺繍枠4を刺繍装置本体2から容易に取
外すことができる。尚、刺繍枠4がその移動領域38内
において最大限前方へ移動した枠取出し位置のとき、キ
ャリッジ18が揺動アーム40の略下側に位置する。そ
して、刺繍枠4から刺繍模様が形成された布70を取外
した後、図14に示すように、この布70の裏面に両面
テープ77粘着して模様縫製布78を形成し、この模様
縫製布78を両面テープ77を介して種々のものに粘着
し固定することができる。
【0117】刺繍模様の縫製が完了していない場合、つ
まり、S25〜S28が実行された場合に、糸切り実行
後その色の糸88を収容した縫製用カートリッジ5に取
り替える。その後、S13においてスタート/ストップ
スイッチ16をオンすると、S14以降の処理が再度実
行される。尚、縫製後、安全カバー3を収納用位置に位
置させると、刺繍枠挿入穴3fから刺繍枠4が突出して
取り出し可能となる。
【0118】以上のように、この縫製装置1によれば、
ゲーム機6を使用して複数種類の刺繍模様のなかから所
望の刺繍模様を選択・編集することができ、その刺繍模
様を刺繍枠4に取付けた布70に縫製することができ、
更に、刺繍模様を形成する複数の模様部の糸色を変え
て、カラフルな刺繍模様を縫製することができる。そし
て、刺繍模様が縫製された布70を取り外して両面テー
プ77粘着して、ワッペンとなる模様縫製布78を作成
し種々のものに取付けることができる。
【0119】そして、縫製の際、縫製用位置に切換えら
れた安全カバー3により、刺繍枠4の移動領域38を覆
うことができ、更に揺動する中空針81を含む縫製用カ
ートリッジ5の大部分と揺動アーム40を覆うことがで
き、安全カバー3を縫製装置本体2から取外すことがで
きず、安全カバー3が縫製用位置以外の位置では、安全
カバー3によりスタート/ストップスイッチ16が覆わ
れスイッチ操作を不可能にし、縫製装置1が誤作動する
のを防止できるから、安全性や操作性にも非常に優れた
ものになる。
【0120】しかも、小型軽量であるので持ち運びや保
管・収納するのに便利であること、刺繍枠4と縫製用カ
ートリッジ5の着脱が容易であり、刺繍枠4と縫製用カ
ートリッジ5の着脱等のために、安全カバー3を前後に
スライドさせて収納用位置と縫製用位置に簡単に切換え
ることができ、縫製終了後に中空針81と布70の間の
糸88の切断が容易であるから、非常に取扱い易いもの
となる。
【0121】更に、透明材料又は半透明材料からなる安
全カバー3を通して、安全カバー3内において縫製して
いる状況を見ることもできるため、面白みも増大する。
以上のことから、子供等でも非常に取扱い易く、安全性
や操作性に非常に優れ刺繍装置1を提供することができ
る。ゲームソフトに出てくる種々のキャラクタを選択し
てそのキャラクタを刺繍したワッペンを作ることができ
るので、子供等にとって非常に有意義な楽しいものにな
る。
【0122】尚、前記実施形態では、そのゲーム機6を
使用し、DVD100 に記憶した複数種類の刺繍模様のな
かから所望の刺繍模様を選択し編集して、その模様デー
タを縫製装置1に供給して刺繍模様を縫製するようにし
ているが、ゲーム機6によりゲームソフトのキャラクタ
の画像データを縫製装置1側へ供給し、縫製装置1にお
いてその画像データに基づいて模様データを作成するよ
うにしてもよい。
【0123】次に、前記縫製装置1の主に安全カバー3
を変更した変更形態について説明する。但し、前記実施
形態と同じものには同一符号を付して説明を省略する。
【0124】変更施形態1・・・図21参照 安全カバー3Aは、透明材料又は半透明材料で構成さ
れ、上壁部110aと、上壁部110aに湾曲状に連なる前壁部
110bと、左右の側壁部110cとを有する。この安全カバー
3Aは下端側と後端側を開放した形状であり、縫製時に
刺繍枠4の移動領域を覆う縫製用位置と、この縫製用位
置から復帰させた収納用位置(図21に示す位置)とに
亙ってスライド移動可能に構成されている。
【0125】上壁部110aには後端側から凹形の切欠き部
110dが形成され、この切欠き部110dがケーシング10A
のガイド上面部115 に前後摺動自在に係合している。上
壁部110aの右部にスイッチ操作穴110eが形成されてい
る。安全カバー3Aが縫製用位置にあるとき、安全カバ
ー3Aの切欠き部110dとガイド上面部115 とで縫製用カ
ートリッジ5Aを挿入する為のカートリッジ挿入口(図
示略)が形成される。
【0126】上壁部110aには、切欠き部110dの前端縁に
沿って上方に突出する左右方向向きの把手100fが一体形
成され、この把手100fを把持し安全カバー3Aを縫製用
位置と収納用位置とに亙ってスライド移動させて切換え
ることができる。安全カバー3Aの前壁部110Bには、そ
の左右方向中央付近部に左右方向に刺繍枠挿入穴110gが
形成されている。そして、前壁部110bのうち刺繍枠挿入
穴110gの左右両側に、刺繍枠4を取付ける位置を示す1
対の三角形状の標識111 が例えばシールを貼付して設け
られている。尚、メインの実施形態において、図3に示
すように、安全カバー3の前面やガイド部材69に標識
111 を設けてもよい。尚、メイン実施形態において図3
以外の図面については、標識111 の図示を省略する。
【0127】上述した安全カバー3は、縫製用カートリ
ッジ5自体によって縫製用位置から収納用位置への移動
が禁止されているが、縫製用カートリッジ5が縫製装置
本体2に装着されることにより、縫製用カートリッジ5
以外の部材が、その安全カバー3の移動を禁止するよう
に構成してもよい。また、安全カバー3は縫製装置本体
2から取り外しできないように構成されているが、係止
ブロック片67を無くして着脱自在に構成してもよい。
【0128】変更施形態2・・・図22,図23参照 安全カバー3Bは、透明材料又は半透明材料で構成さ
れ、その右端部を回動中心として縫製装置本体2Bに開
閉可能に連結されている。この安全カバー3Bは、縫製
時に刺繍枠4の移動領域を覆う閉位置(図22参照)
と、その移動領域を開放した開位置(図23参照)とに
亙って開閉可能に設けられている。安全カバー3Bは、
上壁部120aと前壁部120bと左側壁部120cとを有し、閉位
置において下側と後側と右側を開放した形状に構成され
ている。
【0129】上壁部120aにはカートリッジ挿入口120dが
右端から切欠き状に形成されている。安全カバー3Bが
図22の閉位置に位置する状態では、上壁部120aの後部
が縫製装置本体2Bのケーシング10Bの上面側を部分
的に覆い、左側壁部120cがケーシング10Bの左側面側
に部分的に覆うようになっている。そして、カートリッ
ジ挿入口120dから縫製用カートリッジ5を安全カバー3
B内に挿入することにより、このカートリッジ挿入口12
0dに縫製用カートリッジ5をガイドさせて揺動アーム4
0に装着することができる。
【0130】縫製用カートリッジ5が揺動アーム40に
装着されると、縫製用カートリッジ5の左側面とカート
リッジ挿入口120dの左端部が接近対向するため、安全カ
バー3Bを開放しようとしてもこれらが当接して開放す
ることができない。つまり、縫製用カートリッジ5が縫
製装置本体2Bに装着されている状態では、この縫製用
カートリッジ5により安全カバー3Bが閉位置に位置規
制される。
【0131】ケーシング10Bの切欠き空間125aを形成
する上壁部の上面に、刺繍枠4を取付ける位置を示す三
角形状の標識126aが例えばシールを貼付けて設けられて
いる。安全カバー3Bを図23の開位置に切換えた状態
で、刺繍枠4を取付けるようになっているが、その際、
この標識126aを目印にして刺繍枠4をキャリッジに容易
に取付けることが可能となる。尚、図示しないが、電源
スイッチとスタート/ストップスイッチはケーシング1
0Bに取付けられている。また、縫製装置本体2Bに装
着されるものが2種類(刺繍枠4、縫製用カートリッジ
5)あるので、その種別を視認可能で取付け位置も示す
標識126b,126c を安全カバー3Bに設けてもよい。
【0132】変更施形態3・・・図24参照 安全カバー3Cは、前記安全カバー3Cと略同様に、右
端部を回動中心として縫製装置本体2Cに開閉可能に連
結され、縫製時に刺繍枠4の移動領域を覆う閉位置(図
24に示す位置)と、その移動領域を開放した開位置と
に亙って開閉可能に設けられている。この安全カバー3
Cは、透明材料又は半透明材料で構成されている。安全
カバー3Cは、上壁部130aと前壁部130bと左右の側壁部
130cを有し、閉位置において下側と後側とを開放した形
状である。
【0133】安全カバー3Cが閉位置に位置する状態
で、上壁部130aの側壁部130cの外面が、縫製装置本体2
Cのケーシング10Cの上面135aと側壁部135bの外面と
略連なるように構成されている。尚、安全カバー3Cの
上壁部130aとケーシング10Cの上壁部135aは、左右両
端から左右方向中央付近部が上方に緩やかに盛り上がる
形状に形成され、安全カバー3Cの側壁部130cとケーシ
ング10Cの側壁部135bは、前後両端から中央付近部が
側方に緩やかに膨らんだ形状に形成され、全体的に丸み
を帯びた形状になっている。
【0134】安全カバー3Cには、刺繍枠4の取付位置
と縫製カートリッジ5の取付位置を夫々示す標識136a,1
36b が設けられ、縫製装置本体2Cに装着される2種類
の部材(刺繍枠4、縫製用カートリッジ5)の種別を視
認可能な標識136d,136e も設けられている。尚、130dは
カートリッジ挿入口である。
【0135】その他の変更形態として、図25に示すよ
うに、縫製終了後に中空針81と布70の間の糸88を
切断する切断機構140 を設けてもよい。この切断機構14
0 は、鉛直軸心回りに枢支されたメス141 と、このメス
141 に一端部が鉛直軸心回りに回動可能に連結されたリ
ンク142 を有する。アクチュエータ(図示略)によりリ
ンク142 が略前後方向に駆動されてメス141 が回動し、
これにより、メス141が中空針81と布70の間の糸8
8を引っ掛けて切断することができる。尚、この切断機
構140 は、本願出願人が出願した糸切り装置(特開平9
−239176号公報参照)と同様の構造であるので詳
細な説明を省略する。
【0136】この切断機構140 を設けたことにより、前
記糸弛ませ処理後、その弛んだ糸88を切断機構140 に
より切断可能な糸切り位置へ刺繍枠4を移動させるよう
に刺繍枠駆動機構11が駆動制御され、その後、切断機
構140 が駆動制御されて、弛んだ糸88が切断される。
【0137】これら繍枠駆動機構11と切断機構140 を
制御して糸88を切断する糸切断制御プログラムについ
ては、縫製装置1のROM6bに記憶させてもよいし、
DVD100 に記憶させ適宜縫製装置1の制御装置6に供
給するように構成してもよい。尚、中空針81が最後に
布70に落ちた縫製完了針落ち位置、更には、糸88を
弛ませる為に刺繍枠4を移動させたデータ等に基づい
て、刺繍枠4の前記糸切り位置が演算される。
【0138】前記実施形態のうち図3のようにガイド部
材69を安全カバー3の外側に突出するように設けた
が、このガイド部材69の代わりに、図26に示すよう
に、安全カバー3の内側にガイド部材150 を設けても良
い。この場合、刺繍枠挿入穴151 は手が掛かるほどの大
きさを必要とする。但し、刺繍枠挿入穴151 が大きくな
るために、カバーとしての機能が幾分低下するので、外
側にガイド部材69を設けた方が優れている。また、ガ
イド部材69を外側に設けた方が、安全カバー3内部の
領域が縫製のためのキャリッジ18の移動に対して有効
に使える。
【0139】上述したいずれの実施の形態についても、
刺繍枠4を装着するための部分は開口部となっている
が、図27の(a)に示すように、開口部155 に蓋156
を回転可能に設け、蓋156 がその自重により刺繍枠4の
通過部分を塞ぐ姿勢となるように構成し、図27の
(a)と(b)に示すように、刺繍枠4の挿入時や取り
出し時には、蓋156 が刺繍枠4の端部に押されて回転し
て刺繍枠4の通過部を開けるように構成してもよい。こ
の蓋156 により安全性は一層向上する。
【0140】上述した実施の形態においては、キャリッ
ジ18が最も手前に移動した場合で、中空針81の直下
位置にあって奥まった所にあり、キャリッジ18の所在
を確認しづらいが、刺繍枠4をキャリッジ18に取り付
けやすくするために、キャリッジ18が安全カバー3等
に接近する前進した位置まで移動するように構成しても
良い(例えば、キャリッジ18をガイド部材69のすぐ
奥の位置に移動するとか、安全カバー3から突出するよ
うな位置に移動させる)。この場合、キャリッジ18の
縫製のための移動領域38と移動可能範囲は一致せず、
刺繍枠4の移動機構を最大限に利用しているとは考えに
くく、縫製のための移動領域38とキャリッジ18の移
動可能範囲は一致していた方が良い。
【0141】安全カバー3はキャリッジ18の移動可能
範囲の全域を覆って手で刺繍枠4を触れなくしてもよい
が、この安全カバー3の代わりに、図28に示すよう
に、キャリッジ18の移動可能範囲162 の少なくとも一
部覆うカバー160 を設けても良い。その場合、縫製装置
本体2全体を覆うカバー161 を別途設けても良い。この
移動可能範囲162 の少なくとも一部を覆うカバー160 や
縫製装置2全体を覆うカバー161 も半透明或いは透明で
あり、縫製状況を視認可能である。
【0142】また、中空針81による縫目形成について
以下に詳述する。図29の(a)に示すように、中空針
81が布70に突き刺さり貫通すると、図29の(b)
に示すように、布70に中心169 の円弧状の切り口165
が形成される。この切り口165 の円弧の中心169 は中空
針81の最先端に対し揺動アーム40の揺動中心側とは
反対側にある。切り口165 の中央付近となるべき位置
に、まず中空針81の最先端部が突き刺さり、次に揺動
アーム40の揺動による円弧の軌跡を描いて下方に移動
し布70を貫通して、この円弧状の切り口165 を生じる
のである。布70のうち円弧状の切り口165 の切断面で
糸が保持されている。
【0143】尚、縫製は、中空針81の最先端部と揺動
アーム40の揺動中心が左右(揺動アーム40の伸長方
向)に位置しているので、いわゆる一定の縫目で領域を
縫いつくす場合には折り返して縫製することもあり、図
30に示すように、それに直交する方向a(縫製装置本
体2の奥手間方向)のいずれか一方に縫い進んでいくこ
とが最も望ましい。即ち、一定方向に連続した相対的な
移動において、円弧の配列方向に平行に、中空針81と
刺繍枠4を移動させるのである。そうすると、切り口16
5 における円弧中央部の接線が、加工の順で前後する切
り口165 の配列方向と直交することなく、複数の切り口
165 が連続して順々に形成される。もし、中空針81の
最先端部を通る揺動アーム40の伸長方向に縫い進む
と、糸88が中空針81の最先端に踏まれて切断されて
しまう虞がある。
【0144】従って、その中空針81の最先端部から糸
88をずらすためには、図31に示すように、中空針8
1の最先端部を通る揺動アーム40の伸長方向bに対し
て5度程度、それに直交する方向(縫製装置本体2の奥
手前方向)のいずれかにずらすことが必要である。即
ち、前後する針落ちの位置を糸が最先端部からずれるよ
うにしている。このように糸切れを防止するように刺繍
枠駆動機構11が制御される。上記動作実現の為に、縫
製装置1を制御して中空針81に対して刺繍枠4(布7
0)を相対的に移動させる制御プログラムを有し、その
制御プログラムを制御装置13のROM13bに記憶さ
せてもよいし、制御プログラムの少なくとも一部をコン
ピュータ(ゲーム機6や縫製装置1の制御装置13やパ
ソコン等)で読み取り可能に記録媒体であるDVD等に
記憶させてもよい。
【0145】上述した実施の形態の縫製カートリッジ5
については、縫製装置本体2から縫製カートリッジ5が
取り外されている状態(非縫製時)での糸駒82の回転
を制限する構成を設けても良い。例えば、図32に示す
ように、縫製カートリッジ5を縫製装置本体2に取り付
ける際に、縫製装置本体2の一部(例えば枢支軸94
a)が、糸駒82をバネ171,172 の弾性力により挟み持
っている部材170 を、そのバネ171,172 の弾性力に抗し
て移動させることによって、縫製カートリッジ5を縫製
装置本体2に取り付けることに伴い糸駒82の回転を自
動的に許容するように構成する。尚、縫製装置本体2の
一部としては、枢支軸94aのほか、板バネ89、アー
ム部40a等の縫製カートリッジ5に接触する部材で構
成することも可能である。
【0146】上述した実施の形態については、外部記憶
媒体たるDVDから家庭用ゲーム機を介して縫製データ
が供給されるように構成したが、他の種類の外部記憶媒
体(CDROM、CD−R等の光学記憶媒体、フロッピ
ー(登録商標)ディスクのような磁気記憶媒体、フラッ
シュメモリのような半導体記憶媒体)でもあっても良
い。
【0147】上述した実施の形態については、縫製デー
タが外部記憶媒体に予め記憶されていることを想定して
いるが、縫製装置本体2、ゲーム機等のCPUで演算し
て作成するようにしても良い。例えば、ゲームのカラー
の画像データを、色別に分解して、色別領域を特定し、
それを色別の縫製領域と特定し、その領域をタタミ縫い
で縫い尽くす縫製データを色毎に作成し、色別領域の境
界部を全て重ねて模様の輪郭として、サテン縫いで縫う
縫製データを作成する。このように画像データを取り込
むにあたってはビデオキャプチャー機能(パソコンでは
プリントスクリーン機能である)があれば良い。尚、縫
製順は領域の大きさや色の明度等に基づいて順次決めれ
ばよいが、輪郭は最後に縫うことが望ましい。
【0148】この製品の購入者は、家庭用ゲームのソフ
トに絡む景品等の実体物(ソフトは手で触れる物ではな
いが景品は実際に触れるものである)を得たいと言う
人、もしくは、そうした子供にねだられた人である。言
い換えれば、縫製への関心の有無に限らず、家庭用ゲー
ムの購入者のうちの景品等を得たいと思う人である。更
に言うならば、得たいと思われる景品等は家庭用ゲーム
のソフトに絡むものに限られない。得たいと思われる景
品は、特定1社のソフトに限らず、その他多数のメーカ
ーのゲーム機やその他の娯楽関係機器、娯楽自体並びに
それらに関連するソフト(パチンコ、スロット、芸能
人、TV番組、スポーツ、音楽等)に絡むものでも良い
のである。
【0149】即ち、この縫製装置は景品等を製造するた
めに、とある被加工物を加工する装置である。そうする
と、同様に景品等を提供できれば、縫製装置本体2と接
続したデータ供給装置は家庭用ゲームに限らず、データ
を取り扱う機能を有していれば、刺繍ミシン、コンピュ
ータミシン、ラジカセ、衛星放送受信チューナー、カラ
オケ端末(通信機能有無を問わず)、ファクシミリ、携
帯電話、テレビ、ビデオデッキ、音楽CDプレーヤー、
8ミリビデオカメラ、デジタルカメラ、コンピュータ等
の様々な機器であっても良く、縫製装置本体2とのデー
タの送受信はケーブルを介しても良いが、無線(赤外線
等も含む)で行っても良い。
【0150】例えば、衛星放送の受信チューナーを用い
る場合には、この縫製装置本体2自体或いは、その製造
メーカーの企業、その他の製品の宣伝放送中に、その宣
伝では主音声を用い、宣伝の音声としては用いない副音
声でこの縫製装置本体2のためのデータやプログラムを
受信できるようにする。そして、その受信チューナーが
その受信したデータやプログラムを処理し、縫製装置本
体2を制御して縫製を行っても良いが、上記家庭用ゲー
ム機等の他の機器を介して、縫製装置本体2にデータを
供給したり制御しても良い。
【0151】尚、この副音声を用いる場合には、ビデオ
デッキに画像を録画したときには、録画画像の宣伝を視
聴するときの通常の再生速度でなければ、そのデータや
プログラムは使用できないようにして、宣伝効果を確保
するように構成しても良い。また、ミシンをデータ供給
装置とするならば、ミシンに内臓の模様やミシンに装着
される外部記憶媒体の模様を縫製できるようにする。
尚、編集はミシン側の表示器や操作部材を用いて行う。
【0152】そして、上述した実施の形態においては、
縫製装置本体2と接続したデータ供給装置を直接ケーブ
ルに接続しているが、上述したような様々な機器と接続
できるように、接続の変換部材を介して接続しても良
い。その変換部材は、上述した種々の機器に対応した専
用の変換部材であっても良いし、複数及び複数種類の接
続部を有しているものであっても良い。このような変換
部材を用いればケーブルについては汎用品を用いること
ができる可能性がある。縫製装置本体2と接続するデー
タ供給装置は1台でもよいし、一度に複数・複数種のデ
ータ供給装置と接続しても良い。この変換部材は、デー
タの伝達のみに寄与してもよいが、この変換部材にてデ
ータの編集や変換を可能にするようにCPUを設けても
よい。
【0153】また、景品はソフトに絡む希少価値がある
ものである。そうすると、景品が糸で画像形成(刺繍や
編み物)されていることにかぎらず、印刷、樹脂成形、
金属切り出し等であってもかまわない。例えば、糸以外
の形成としては、各家庭にかなり普及したカラープリン
ターでシールを作成することができる。その他の景品と
しては、携帯電話等の物品を持ち運ぶためのストラッ
プ、メダル、キーホルダー等々が考えられる。
【0154】また、この縫製装置2を購入して頂かなく
とも、ゲームの遊技者等がインターネットやコンビニで
の端末で景品を得る権利を申告し、景品が専門業者(縫
製本体の製造メーカーが工業用ミシンで刺繍するとか)
にて製造されて、景品を受け取れてもよい(景品を郵
送)。その他、コンビニ、ゲームセンター、ミシンショ
ップに専用機を設置してそこで、景品等が製造されても
よい。この場合、家庭用ゲームに装着されるフラッシュ
メモリカードには、ゲームの進行状況を記憶し、その記
憶された情報に基いて、景品を取得する権利を得ている
かを判断する。
【0155】景品としての意味合いからして、ゲーム等
の娯楽と景品獲得とに関連性を持たせる。例えば、ゲー
ムの進行状況によって得られる景品が異なるとか、希少
価値を維持するため獲得回数(個人的な製造回数或い
は、全世界での景品総数)に制限を設ける。または、ゲ
ームの得点が刺繍されるとか、ゲームを制覇できたとき
の日時や順位が刺繍されるようにする。更に、それらの
得点、日時、順位と共に氏名やキャラクターを刺繍す
る。
【0156】尚、糸と布とで作成する刺繍のワッペンで
あれば、印刷物に比べ高級感があり、景品として価値が
ある物となる。また、衣類に貼り付ける際にも、糸等で
構成されたものであれば、違和感が無く、その衣類に付
ける物としては最適な物となる。両面テープであるた
め、着脱も簡単です。両面テープの代わりに、フツクと
ル−プを備えた支持体からなる着脱自在なファスナーで
行っても良い。そして、衣類にワッペンを両面テープや
ファスナーで取り付けている場合には、衣類の洗濯時に
ワッペンの取り外しを容易に行える。
【0157】上述したように、本件の縫製物たるワッペ
ンは、裏側に両面テープを貼り付けない状態であれば、
糸がほどけてしまう程度にしか布地に定着しておけない
ので、複数の糸で縫製した後に、そのうちの一本の糸を
布地から引っ張って除去することにより、その糸を除去
する前後で布地に残る縫い目が減少し、異なる模様が布
地に残るようにしても良い。
【0158】例えば、円状の領域が一色の複数の糸で縫
い尽くされたような模様が布地に縫われているが、その
うちの1本の糸を除去すると、残っている糸で○に橘の
絵が描かれたような家紋が描かれている。この家紋は、
上述したようなゲームに登場するキャラクターの家紋で
あっても良い。尚、同じ色の糸を複数用いてそのうちの
いくつかを除去しても良いが、複数色の糸で縫って特定
色の糸だけを除去しても良い。この実施の形態の縫い方
であると、下糸を用いた縫い方に比べ下糸を除去する必
要が無く、便利である。
【0159】そして、この縫い方では、糸が抜けやすい
という面を持っており、糸切りや刺繍枠取り出し等のた
めに、糸が弛むように刺繍枠4を移動させているが、模
様形成後に予め糸切りや刺繍枠取り出し時にほつれても
良い縫い目を、模様とは別に(或いはその一部として)
形成しておいても良い。
【0160】上述した実施の形態においては、縫製装置
本体2とは別体のハサミを用いて手作業で糸切りを行っ
たり、縫製装置本体2にモーター等のアクチュエーター
を備えた自動糸切り機構で自動で糸切りを行うように構
成しても良いが、安全カバー内の所定の箇所に可動刃を
有するハサミを設け、それを手動操作レバーを操作する
ことにより、その操作の力をリンク機構等により伝達
し、可動刃を糸切りのために移動するようにしても良
い。この場合、糸切り前に可動刃のある所定位置近傍ま
で刺繍枠を移動させる。更に、可動刃でなくとも単なる
カッターの刃のような固定刃のみの構成でも良い。この
ようなアクチュエーターを備えない糸切り機構は、アク
チュエーターを備える構成に比べ、縫製装置本体2の構
成を簡易することができる。
【0161】尚、本発明を逸脱しない範囲において、前
記実施形態に種々の変更を加えて実施することは勿論可
能である。
【0162】
【発明の効果】 請求項1の発明の模様被加工物によれ
ば、被加工物に糸を複数回貫通させて被加工物の表面に
模様を形成するとともに複数の自由ループを被加工物の
裏面側に残留させ、被加工物の裏面側の複数の自由ルー
プは固着材により被加工物の裏面に固着されているた
め、自由ループの抜け出しが生じないため、被加工物の
表面の模様がほつれたりすることがなく、安定したもの
となる。
【0163】請求項2の発明によれば、模様が中空針を
用いた加工により形成されるため、中空針の内部を通し
て糸を被加工物側へ供給でき、その糸には被加工物から
の抵抗が作用しないため、中空針を被加工物に貫通させ
る際に加工済みの模様の糸を引っ張ることがない。その
ため、模様と複数の自由ループを綺麗に形成することが
できる。
【0164】請求項3の発明によれば、被加工物を被加
工物保持体に取付け、この被加工物保持体と加工具を相
対的に移動駆動手段により水平方向に移動させながら刺
繍模様からなる前記模様が加工されるため、刺繍模様が
形成された模様被加工物となり、この模様被加工物はワ
ッペンなどに好適のものとなる。
【0165】請求項4の発明によれば、模様被加工物は
弾性膜体を有し、この弾性膜体により前記自由ループを
被加工物の裏面側に残留させるため、弾性膜体と糸に作
用する抵抗により糸が被加工物から抜け出しにくくなる
から、複数の自由ループを被加工物の裏面側に残留させ
ることができ、綺麗な仕上がりの刺繍模様を形成するこ
とができる。
【0166】請求項5の発明によれば、模様を形成する
糸についての被加工物への加工時の定着を被加工物自体
の弾性を利用しているから、下糸を用いることなく加工
することになるが、被加工物として弾性膜体付きの被加
工物を用い、その被加工物に糸を複数回貫通させて被加
工物の表面に模様を形成するとともに、弾性膜体と糸間
に作用する抵抗を介して複数の自由ループを被加工物の
裏面側に残留させることにより、刺繍模様を加工するこ
とができる。下糸ボビンや糸捕捉用釜のない簡単な構成
の装置により製造できる。
【0167】請求項6の発明によれば、被加工物の切り
口断面が単なる円形状のものよりも、糸を被加工物に定
着させる力が高まり糸を確実に固定することができる。
請求項7の発明によれば、中空針の先端を前記中空針の
軸に対して斜めに傾斜しており、その中空針が揺動され
被加工物を貫通することに伴い、被加工物の切り口が断
面円弧状に形成されるから、簡単な構成で断面円弧状の
切り口を形成することができる。
【0168】請求項8の発明によれば、断面円弧状の切
り口における円弧の中央部での接線が、加工の順で前後
する切り口の配列方向と直交することなく、前記断面円
弧状の切り口が連続して形成されたことから、糸が中空
針で切断されてしまうのを極力減らすことができる。請
求項9の発明によれば、固着材がシート状のもので両面
に粘着性を有するから、この模様被加工物を衣服等に簡
単に貼付することができる。
【0169】請求項10の発明によれば、縫製工程にお
いて、被加工物に糸を複数回貫通させて被加工物の裏面
側に複数自由ループを形成する。しかも、簡単な構成の
縫製装置により加工可能となる。被加工物の裏面側の複
数の自由ループは固着材により被加工物の裏面に固着す
るため、簡単な処理により複数の自由ループを被加工物
の裏面に固定することができる。製造された模様被加工
物に関しては、自由ループの抜け出しが生じず、被加工
物の表面の模様がほつれたりせず安定したものとなる。
【0170】請求項11の発明によれば、縫製工程にお
いて、中空針を用いた加工により模様を形成するため、
請求項2の効果の欄で説明したように、模様と複数の自
由ループを綺麗に形成することができる。請求項12の
発明によれば、縫製工程において、被加工物保持体に取
付けた被加工物と加工具を相対的に移動駆動手段により
水平方向に移動させながら刺繍模様からなる前記模様を
加工するため、請求項3の効果の欄で説明したように、
刺繍模様が形成された被加工物であってワッペンなどに
好適の模様被加工物を製造することができる。
【0171】請求項13の発明によれば、被加工物は弾
性膜体を有し、縫製工程において弾性膜体により自由ル
ープを被加工物の裏面側に残留させるので、請求項4の
効果の欄で説明したように、弾性膜体と糸に作用する抵
抗により糸が被加工物から抜け出しにくくなるから、複
数の自由ループを被加工物の裏面側に残留させることが
でき、綺麗な仕上がりの刺繍模様を形成することができ
る。
【0172】請求項14の発明によれば、模様を形成す
る糸についての被加工物への加工時の定着を被加工物自
体の弾性を利用しているから、請求項5の効果の欄で説
明したように、下糸を用いることなく加工可能となるう
え、被加工物として弾性膜体付きの被加工物を用い、そ
の被加工物に糸を複数回貫通させて被加工物の表面に模
様を形成するとともに、弾性膜体と糸間に作用する抵抗
を介して複数の自由ループを被加工物の裏面側に残留さ
せることにより、刺繍模様を加工することができる。下
糸ボビンや糸捕捉用釜のない簡単な構成の装置により製
造できる。
【0173】請求項15の発明によれば、被加工物に断
面円弧状の切り口が形成されたので、請求項6の効果の
欄で説明したように、被加工物の切り口断面が単なる円
形状のものよりも、糸を被加工物に定着させる力が高ま
り糸を確実に固定することができる。請求項16の発明
によれば、中空針の先端が前記中空針の軸に対して斜め
に傾斜しているので、請求項7の効果の欄で説明したよ
うに、中空針が揺動され被加工物を貫通することに伴
い、被加工物の切り口が断面円弧状に形成されるから、
簡単な構成で断面円弧状の切り口を形成することができ
る。
【0174】請求項17の発明によれば、断面円弧状の
切り口における円弧の中央部での接線が、加工の順で前
後する切り口の配列方向と直交することなく、前記断面
円弧状の切り口が連続して形成されたことから、糸が中
空針で切断されてしまうのを極力減らすことができる。
請求項18の発明によれば、固着材がシート状のもので
両面に粘着性を有するから、この模様被加工物を衣服等
に簡単に貼付することができる。
【0175】請求項19の発明によれば、縫製具を縫製
具駆動手段により上下に往復駆動させながら、制御手段
により移動駆動手段を制御することで、被加工物を取り
くけた被加工物保持体と縫製具を相対的に移動駆動手段
により水平に直交2方向へ独立に移動駆動することで、
被加工物に刺繍模様を加工することができる。被加工物
として弾性膜体付きの被加工物を用い、その被加工物に
糸を複数回貫通させて被加工物の表面に模様を形成する
とともに、弾性膜体と糸間に作用する抵抗を介して複数
の自由ループを被加工物の裏面側に残留させることによ
り、刺繍模様を加工することができる。
【0176】請求項20の発明によれば、模様を形成す
る糸についての前記模様被加工物への加工時の定着を、
他の糸や前後の縫い目の糸によって行うのではなく、前
記模様被加工物自体の弾性を利用しているから、請求項
5の効果の欄で説明したように、下糸を用いることなく
加工可能となるうえ、被加工物として弾性膜体付きの被
加工物を用い、その被加工物に糸を複数回貫通させて被
加工物の表面に模様を形成するとともに、弾性膜体と糸
間に作用する抵抗を介して複数の自由ループを被加工物
の裏面側に残留させることにより、刺繍模様を加工する
ことができる。下糸ボビンや糸捕捉用釜のない簡単な構
成の装置により製造できる。
【0177】請求項21の発明によれば、縫製具が中空
針であるため、請求項2の効果の欄で説明したように、
模様と複数の自由ループを綺麗に形成することができ
る。請求項22の発明によれば、被加工物に断面円弧状
の切り口が形成されたので、請求項6の効果の欄で説明
したように、被加工物の切り口断面が単なる円形状のも
のよりも、糸を被加工物に定着させる力が高まり糸を確
実に固定することができる。
【0178】請求項23の発明によれば、中空針の先端
が前記中空針の軸に対して斜めに傾斜しているので、請
求項7の効果の欄で説明したように、中空針が揺動され
被加工物を貫通することに伴い、被加工物の切り口が断
面円弧状に形成されるから、簡単な構成で断面円弧状の
切り口を形成することができる。
【0179】請求項24の発明によれば、断面円弧状の
切り口における円弧の中央部での接線が、加工の順で前
後する切り口の配列方向と直交することなく、前記断面
円弧状の切り口が連続して形成されたことから、糸が中
空針で切断されてしまうのを極力減らすことができる。
【0180】請求項25の発明によれば、固着材がシー
ト状のもので両面に粘着性を有するから、この模様被加
工物を衣服等に簡単に貼付することができる。請求項2
6の発明によれば、被加工物に対する加工完了後に、被
加工物の裏面に前記複数の自由ループを固着する固着材
が設けられるので、請求項1の効果の欄で説明したよう
に、自由ループの抜け出しが生じないため、被加工物の
表面の模様がほつれたりすることがなく、安定したもの
となる。
【0181】請求項27の発明によれば、記憶媒体にお
いては、中空針と被縫製物を相対的に移動させる制御プ
ログラムの少なくとも一部がコンピュータにて記憶さ
れ、被縫製物の少なくとも一部の縫製について、被縫製
物での前回の中空針の突き刺さり位置から至る糸を、斜
めに形成された中空針の先端部からずらした状態にて次
の中空針の突き刺しを行うべく、中空針と被縫製物を相
対的に移動させることができる。
【0182】請求項28の発明によれば、記憶媒体にお
いては、中空針と被縫製物を相対的に移動させる制御プ
ログラムの少なくとも一部がコンピュータにて記憶さ
れ、中空針の突き刺しにより形成される被縫製物の切り
口が円弧状のものであって、その円弧の接線が連続する
切り口の配列方向に対して直交しないように、前記中空
針と被縫製物を相対的に移動させることができる。
【0183】請求項29の発明によれば、記憶媒体にお
いては、中空針と被縫製物を相対的に移動させる制御プ
ログラムの少なくとも一部がコンピュータにて記憶さ
れ、一定方向の相対な移動の少なくとも一部について、
被縫製物での前回の中空針の突き刺さり位置から至る糸
を、斜めに形成された中空針の先端部からずらした状態
にて次の中空針の突き刺しを行うべく、中空針と被縫製
物を相対的に移動させることができる。
【0184】請求項30の発明によれば、記憶媒体にお
いては、中空針と被縫製物を相対的に移動させる制御プ
ログラムの少なくとも一部がコンピュータにて記憶さ
れ、一定の方向の連続した相対的な移動においては、中
空針と被縫製物を円弧の配列方向に平行に移動させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る縫製装置とゲーム機と
ディスプレイの斜視図である。
【図2】縫製装置(安全カバーが収納用位置の状態)の
斜視図である。
【図3】縫製装置(安全カバーが縫製用位置の状態)の
斜視図である。
【図4】縫製装置(安全カバーが縫製用位置の状態)の
平面図である。
【図5】縫製装置(安全カバーが縫製用位置の状態)の
右側面図である。
【図6】縫製装置の横断面図である。
【図7】縫製装置の正面からの透視図である。
【図8】縫製装置のギヤ機構等を含む正面からの透視図
である。
【図9】揺動アームとカム機構の正面図である。
【図10】縫製用カートリッジの縦断面図である。
【図11】刺繍枠の斜視図である。
【図12】図11のXI−XI線断面図である。
【図13】布及びそれに形成された刺繍模様と両面テー
プの断面図である。
【図14】模様縫製布の断面図である。
【図15】縫製装置とゲーム機の制御系を示すブロック
図である。
【図16】DVDに記憶されているデータを示す図であ
る。
【図17】ゲーム機で実行される制御のフローチャート
である。
【図18】縫製装置で実行される制御のフローチャート
である。
【図19】移動領域に対する刺繍枠の平面図であり、
(a)は刺繍枠の縫製完了位置を示し、(b)と(c)
は刺繍枠の移動限界位置を夫々示している。
【図20】縫製装置で実行される糸弛ませ制御のフロー
チャートである。
【図21】変更形態に係る安全カバーを有する縫製装置
の斜視図である。
【図22】変更形態の安全カバー(閉位置)を有する縫
製装置の斜視図である。
【図23】図22の安全カバー(開位置)を有する縫製
装置の斜視図である。
【図24】変更形態の安全カバーを有する縫製装置の斜
視図である。
【図25】糸切断機構を含む縫製装置の平面図である。
【図26】変更形態の安全カバーの部分斜視図である。
【図27】(a)は変更形態の蓋を有する安全カバーの
部分斜視図であり、(b)は刺繍枠挿入時の蓋の斜視図
であり、(c)は刺繍枠取外し時の蓋の斜視図である。
【図28】変更形態の縫製装置の斜視図である。
【図29】(a)は中空針(布に突き刺さった瞬間)の
正面図であり、(b)は布に形成された切り口の平面図
である。
【図30】布に形成された縫目パターンを示す図であ
る。
【図31】布に形成される切り口の配置を示す図であ
る。
【図32】縫製用カートリッジ要部の図である。
【符号の説明】
1 縫製装置 2,2B 装置本体 3,3A,3B 安全カバー 3e,110e スイッチ操作穴 3f,110g 刺繍枠挿入穴 4 刺繍枠 5 縫製用カートリッジ 10b 前面壁 11 刺繍枠駆動機構 13 制御装置 15 電源スイッチ 16 スタート/ストップスイッチ 18 キャリッジ 38 移動領域 40 揺動アーム 65 ストッパ機構 68,120d カートリッジ挿入口 69 ガイド部材 70 布 71 弾性膜体 75 刺繍模様 76 自由ループ 77 両面テープ 78 模様縫製布 80 カバー 81 中空針 82 糸駒 85 押さえ足 86 圧縮コイルバネ 100 DVD 111,126 標識 140 切断機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B150 AA04 AA15 CB04 CE02 CE22 CE25 CE27 DD00 FH02 FH09 GE29 GF02 GF03 GF08 GF09 JA05 JA07 LA29 LA44 LA53 LA55 LA73 LA82 LA83 LB03 MA02 MA05 NA28 NA48 NA51 NA64 NA67 NA71 NB09 NB16 NC04 NC06 QA06 QA07 4L044 BA06 BA11

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物に糸を複数回貫通させて被加工
    物の表面に模様を形成するとともに複数の自由ループを
    被加工物の裏面側に残留させた模様被加工物であって、
    被加工物の裏面に前記複数の自由ループを固着する固着
    材を設けたことを特徴とする模様被加工物。
  2. 【請求項2】 前記模様が中空針を用いた加工により形
    成されたことを特徴とする請求項1に記載の模様被加工
    物。
  3. 【請求項3】 前記被加工物を被加工物保持体に取付
    け、この被加工物保持体と加工具を相対的に移動駆動手
    段により水平方向に移動させながら刺繍模様からなる前
    記模様が加工されることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の模様被加工物。
  4. 【請求項4】 前記被加工物は弾性膜体を有し、この弾
    性膜体により前記自由ループを被加工物の裏面側に残留
    させることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の
    模様被加工物。
  5. 【請求項5】 模様を形成する糸についての前記被加工
    物への加工時の定着を、他の糸や前後の縫い目の糸によ
    って行うのではなく、前記被加工物自体の弾性を利用し
    ていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の
    模様被加工物。
  6. 【請求項6】 前記被加工物に断面円弧状の切り口が形
    成され、その切り口端部が前記被加工物の弾性で糸を挟
    持つことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の模
    様被加工物。
  7. 【請求項7】 前記断面円弧状の切り口は、前記中空針
    の先端が前記中空針の軸に対して斜めに傾斜しており、
    前記中空針が揺動され被加工物を貫通することに伴い形
    成されることを特徴とする請求項6に記載の模様被加工
    物。
  8. 【請求項8】 前記断面円弧状の切り口における円弧の
    中央部での接線が、加工の順で前後する切り口の配列方
    向と直交することなく、前記断面円弧状の切り口が連続
    して形成されたこと特徴とする請求項6または7に記載
    の模様被加工物。
  9. 【請求項9】 前記固着材は、シート状のものであって
    その両面に粘着性を有することを特徴とする請求項1〜
    8の何れかに記載の模様被加工物。
  10. 【請求項10】 被加工物の表面に模様を加工してなる
    模様被加工物を製造する製造方法において、 前記被加工物に糸を複数回貫通させて被加工物の表面に
    模様を形成するとともに複数の自由ループを被加工物の
    裏面側に残留させる縫製工程と、 前記被加工物の裏面に前記複数の自由ループを固着材に
    より固着する固着工程と、 を備えたことを特徴とする模様被加工物の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記縫製工程において、中空針を用い
    た加工により模様を形成することを特徴とする請求項1
    0に記載の模様被加工物の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記縫製工程において、被加工物保持
    体に取付けた被加工物と加工具を相対的に移動駆動手段
    により水平方向に移動させながら刺繍模様からなる前記
    模様を加工することを特徴とする請求項10又は11に
    記載の模様被加工物の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記被加工物は弾性膜体を有し、前記
    縫製工程において前記弾性膜体により前記自由ループを
    被加工物の裏面側に残留させることを特徴とする請求項
    10〜12の何れかに記載の模様被加工物の製造方法。
  14. 【請求項14】 模様を形成する糸についての前記模様
    被加工物への加工時の定着を、他の糸や前後の縫い目の
    糸によって行うのではなく、前記模様被加工物自体の弾
    性を利用していることを特徴とする請求項10〜13の
    何れかに記載の模様被加工物の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記被加工物に断面円弧状の切り口が
    形成され、その切り口端部が前記被加工物の弾性で糸を
    挟持つことを特徴とする請求項10〜14の何れかに記
    載の模様被加工物の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記断面円弧状の切り口は、前記中空
    針の先端が前記中空針の軸に対して斜めに傾斜してお
    り、前記中空針が揺動され被加工物を貫通することに伴
    い形成されることを特徴とする請求項15に記載の模様
    被加工物の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記断面円弧状の切り口における円弧
    の中央部での接線が、加工の順で前後する切り口の配列
    方向と直交することなく、前記断面円弧状の切り口が連
    続して形成されたこと特徴とする請求項15または16
    に記載の模様被加工物の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記固着材は、シート状のものであっ
    てその両面に粘着性を有することを特徴とする請求項1
    0〜17の何れかに記載の模様被加工物の製造方法。
  19. 【請求項19】 被加工物の表面に刺繍模様を加工して
    なる模様被加工物を製造する製造装置において、 被加工物に糸を貫通させる縫製具と、この縫製具を上下
    に往復駆動させる縫製具駆動手段と、 被加工物を取付けた被加工物保持体と縫製具を相対的に
    水平に直交2方向へ独立に移動駆動する移動駆動手段
    と、縫製具駆動手段と移動駆動手段とを制御する制御手
    段とを備え、 前記被加工物として弾性膜体付きの被加工物を用い、そ
    の被加工物に糸を複数回貫通させて被加工物の表面に模
    様を形成するとともに複数の自由ループを被加工物の裏
    面側に残留させるように構成したことを特徴とする模様
    被加工物の製造装置。
  20. 【請求項20】 模様を形成する糸についての前記模様
    被加工物への加工時の定着を、他の糸や前後の縫い目の
    糸によって行うのではなく、前記模様被加工物自体の弾
    性を利用していることを特徴とする請求項19に記載の
    模様被加工物の製造装置。
  21. 【請求項21】 前記縫製具が中空針であることを特徴
    とする請求項19または20に記載の模様被加工物の製
    造装置。
  22. 【請求項22】 前記被加工物に断面円弧状の切り口が
    形成され、その切り口端部が前記被加工物の弾性で糸を
    挟持つことを特徴とする請求項19〜21の何れかに記
    載の模様被加工物の製造装置。
  23. 【請求項23】 前記断面円弧状の切り口は、前記中空
    針の先端が前記中空針の軸に対して斜めに傾斜してお
    り、前記中空針が揺動され被加工物を貫通することに伴
    い形成されることを特徴とする請求項22に記載の模様
    被加工物の製造装置。
  24. 【請求項24】 前記断面円弧状の切り口における円弧
    の中央部での接線が、加工の順で前後する切り口の配列
    方向と直交することなく、前記断面円弧状の切り口が連
    続して形成されたこと特徴とする請求項22または23
    に記載の模様被加工物の製造装置。
  25. 【請求項25】 前記固着材は、シート状のものであっ
    てその両面に粘着性を有することを特徴とする請求項1
    9〜24の何れかに記載の模様被加工物の製造装置。
  26. 【請求項26】 被加工物に対する縫製完了後に、被加
    工物の裏面に複数の自由ループを固着する固着材が設け
    られることを特徴とする模様被加工物の製造方法。
  27. 【請求項27】 斜めに形成された先端部から糸を放出
    するよう構成された中空針と当該中空針を突き刺す被縫
    製物を相対的に移動させる縫製装置を制御する為の制御
    プログラムの少なくとも一部を成す部分をコンピュータ
    にて読み取り可能に記憶する記憶媒体において、 前記被縫製物の少なくとも一部の縫製について、前記被
    縫製物での前回の前記中空針の突き刺さり位置から至る
    糸を、前記斜めに形成された前記中空針の先端部からず
    らした状態にて次の前記中空針の突き刺しを行うべく、
    前記中空針と被縫製物を相対的に移動させる制御プログ
    ラムの少なくとも一部をコンピュータにて読み取り可能
    に記憶することを特徴とする記憶媒体。
  28. 【請求項28】 前記中空針の突き刺しにより形成され
    る被縫製物の切り口が円弧状のものであって、その円弧
    の接線が連続する切り口の配列方向に対して直交しない
    ように、前記中空針と被縫製物を相対的に移動させる制
    御プログラムの少なくとも一部をコンピュータにて読み
    取り可能に記憶することを特徴とする請求項27に記載
    の記憶媒体。
  29. 【請求項29】 一定の方向の連続した相対的な移動及
    び、その一定方向の相対な移動の折り返しにより、所定
    領域を縫い尽くす縫製の為の制御プログラムを記憶する
    記憶媒体であって、上記一定方向の相対な移動の少なく
    とも一部について、前記被縫製物での前回の前記中空針
    の突き刺さり位置から至る糸を、前記斜めに形成された
    前記中空針の先端部からずらした状態にて次の前記中空
    針の突き刺しを行うべく、前記中空針と被縫製物を相対
    的に移動させる制御プログラムの少なくとも一部をコン
    ピュータにて読み取り可能に記憶することを特徴とする
    請求項27または28に記載の記憶媒体。
  30. 【請求項30】 前記一定の方向の連続した相対的な移
    動においては、円弧の配列方向に平行に前記中空針と被
    縫製物を相対的に移動させる制御プログラムの少なくと
    も一部をコンピュータにて読み取り可能に記憶すること
    を特徴とする請求項29に記載の記憶媒体。
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