JP2002345639A - 電子レンジ用紙カップ - Google Patents
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Abstract
どの内容物を入れ、電子レンジで加熱調理した時に、洩
れることなく、紙カップのどの部分にも焦げが発生しな
い電子レンジ用紙カップを提供する。 【解決手段】本発明は、胴部材と底部材とからなる紙カ
ップにおける前記胴部材と前記底部材とを接合している
糸じり部の下部分を90度以上内側に折り曲げて折り曲
げ部を形成していることを特徴とする電子レンジ用紙カ
ップである。また、前記折り曲げ部と前記底部材の底面
部との空間の間隙幅が最大部位において5mm以下であ
ることを特徴とする。さらに、前記折り曲げ部に凹状の
くさびを設けた形状とすることもできることを特徴とす
る。
Description
する紙カップに関するものである。
用、即席食品用などに紙カップが広く使用されている。
また、一般的ではないものの、飲料や惣菜などの入った
紙カップを直接電子レンジを利用し、加熱調理すること
も行なわれている。
物を入れて電子レンジで加熱調理した場合、紙カップの
底の糸じり部に焦げを生じる場合があるという問題があ
る。その原因は、つぎのように考えられる。紙の材料の
パルプのセルロースは基本的には電子レンジのマイクロ
波を吸収する。従って、紙の重なる部分では、紙厚が増
し発熱量が増す。しかし、表面積は小さく熱の放出量が
少なく、発生した熱を蓄積することになり、温度が上昇
し、焦げを発生させる原因となっている。ただし、内容
物がある場合には、紙に発生し蓄積された熱が内容物に
奪われるため焦げが発生しにくくなる。また、糸じり部
の内外の両側からマイクロ波が照射されることも、焦げ
を発生させる原因となっている。つまり、通常の紙カッ
プでは、図9に示すように、胴部材1と底部材2の接合
部位として糸じり部3を持つ構造であるため、この糸じ
り部3は、内容物に触れることななく、畜熱されやす
く、内外の両側からマイクロ波が照射さるために焦げが
生じやすい。
11541号公報において、糸じり部を設けない形状の
電子レンジ用紙カップが開示されている。実際に、図1
0に示すような糸じり部を設けない形状の電子レンジ用
紙カップでは、焦げの発生は見られない。
糸じり部を設けない電子レンジ用紙カップでは、胴部材
1と底部材2の接合部が糸じり部を設けた場合と比べて
不十分であり、内容物によっては、洩れが生じるという
問題がある。
品などの内容物を入れ、電子レンジで加熱調理した時
に、洩れることなく、紙カップのどの部分にも焦げが発
生しない電子レンジ用紙カップを提供する。
すべく検討した結果、本発明の電子レンジ用紙カップ
は、胴部材と底部材とからなる紙カップにおける前記胴
部材と前記底部材とを接合している糸じり部の下部分を
90度以上内側に折り曲げて折り曲げ部を形成している
ことを特徴とする電子レンジ用紙カップである。また、
前記折り曲げ部と前記底部材の底面部との空間の間隙幅
が最大部位において5mm以下であることを特徴とす
る。さらに、前記折り曲げ部に凹状のくさびを設けてい
ることを特徴とする。
部分を内側に折り曲げることにより、紙カップの中に、
飲料や即席食品などの内容物を入れ、電子レンジで加熱
調理した時に、内容物の洩れることがなく、紙カップの
いずれの部分にも焦げを発生させることのない電子レン
ジ用紙カップを得ることができる。
発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
に、底部材2の外周縁部を下方へ屈曲して屈曲部22と
し、その屈曲部22を胴部材1の下端部を内側に折り込
んだ折り返し部12と胴部11の下端部とで挟んで加熱
圧着して接合して形成されている。この接合部分を糸じ
り部3と称し、底部材2の底面部21を上げ底にしてい
る。この糸じり部3の一部に、電子レンジ内で畜熱し、
焦げを生じる。
プの第一の実施の形態の一実施例を示している。電子レ
ンジ用紙カップAは、一般的な紙カップと同様に、胴部
材1と底部材2とからなり、胴部材1と底部材2との接
合部である糸じり部3を有している紙カップaの糸じり
部3の下部分を、図1に示すように、内側に折り曲げて
折り曲げ部3aとし、底部材2の底面部21との間に空
間Oを有する形状としている。この折り曲げ部3aを折
り曲げる位置は、糸じり部3の下端から1/2〜3/4
の範囲とし、折り曲げ部3aと底部材2の底面部21と
の空間Oの間隙幅は最大部位で5mm以下が好ましく、
さらに好ましくは2mm以下である。5mm以上になる
と、焦げを生じる危険度が高くなる。折り曲げる角度
は、図1−aに示すような90度から、図1−bに示す
ような折り曲げ部3aの先端が底部材2の底面部21に
接するまでの範囲としている。折り曲げる角度が大きい
程、発生するシワを吸収することができる。
の折り返し部12を、図2−aに示すように、予め下端
から糸じり部3の下部分を折り曲げる位置Pまでの幅と
することによって、図2−bに示すように、胴部材1の
下端部と底部材2の屈曲部22を折り曲げることにな
り、糸じり部3をその位置Pで容易に折り曲げることが
できる。
元へ戻ろうとする力が働くことにより、平面上での安定
が悪くなることを防ぐために、糸じり部3の下部分を内
側へ折り曲げると同時に、折り曲げ部3aの先端部を底
部材2の底面部21の外面に接着して固定することもで
きる。
記の直線状以外に、図3−aに示すような円弧状に折り
曲げた形状、図3−bに示すような直線状の折り曲げ部
3aの先端部を底面部21側に直角に折り曲げた形状、
図3−cに示すような折り曲げ部3aの先端部を底面部
21側に円弧状に折り曲げた形状、そして、図3−d、
e、fに示すような折り曲げ部3aの先端で底面部21
を支える形状とすることもできる。
プの第二の実施の形態の一実施例を示している。電子レ
ンジ用紙カップBは、第一の実施の形態の一実施例であ
る電子レンジ用紙カップAと同様に、胴部材1と底部材
2とからなり、図4−aに示すように、胴部材1と底部
材2との接合部である糸じり部3を有している紙カップ
aの糸じり部3の下部分を、略90度の角度で内側に折
り曲げて折り曲げ部3aとしている。そして、折り曲げ
部3aに凹状のくさびQを設けている(本実施例では4
ヶ所)。図4−bの最深部の概略断面図に示すように、
くさびQは、折り曲げ部3aの先端にいくに従って深く
なる凹状に形成されている。くさびQを設けない場合に
は、折り曲げ部3aには、図4−cに示すように、シワ
Rが多数発生するのに対して、くさびQを設けた場合に
は、折り曲げ部3aを折り曲げた際に生じるシワRを吸
収し少なくすることができ、外観上好ましく、さらに、
平面上での安定性がよくなる。設けるくさびQの数は、
折り曲げ部3aにシワRの発生が目立たなくなる程度と
し、4〜8ヶ所に等間隔で設けることが好ましい。
プA、Bを製造する方法を説明する。
の紙カップaは、一般的な紙カップの形状であり、図5
に示すような胴部材ブランク10と底部材ブランク20
とから、紙カップ成型機で成型される。一般的に、胴部
材ブランク10は、あらかじめ前工程で打ち抜かれたも
のを使用し、底部材ブランク20は、紙カップ成型機上
で打ち抜かれる。
20とを使用して紙カップaを作製する工程を簡単に説
明すると、まず、胴部材ブランク10を筒状に貼り合わ
せるために、胴部材ブランク10の貼り合わせ部を熱風
で予熱し、表面の樹脂を溶融させる。つぎに、胴部材ブ
ランク10を胴巻き型(マンドレル)に巻き付け、圧着
し、筒状の胴部材1aに貼り合わせる。つづいて、筒状
の胴部材1aを、あらかじめ打ち抜き、紙皿状に成形さ
れた底部材ブランク20をのせたマンドレルに嵌め込
み、同時に、筒状の胴部材1aおよび底部材ブランク2
0の接着部分の樹脂を熱風で予熱する。そして、筒状の
胴部材1aの下端を内側に折り返し、底部材ブランク2
0の下方に折り曲げた外周縁を挟み込んで圧着し、糸じ
り部3を形成して胴部材1と底部材2とを接合する。さ
らに、筒状の胴部材1aの上端を外側にカールし、トッ
プカール部13を形成し、紙カップaの成形が完成す
る。
るには、この紙カップaの糸じり部3の下部を内側に折
り曲げる、この工程は、まず、図6−aに示すような方
法で、糸じり部3を内側に45度以上倒し込む。つぎ
に、図6−bに示すような方法で、上下からの熱プレス
あるいは超音波溶着で倒し込まれた折り曲げ部3aを押
しつぶして溶融固化して平面状とする。この時、折り曲
げ部3aの先端部を接着剤あるいは熱接着で底面部21
と固定することもできる。
紙カップBを製造するには、折り込んだ折り曲げ部3a
の数ヶ所にくさびQを設ける。この加工は、図6−bに
示すような熱プレス加工において、上側の型を図6−c
に示すような突起部Tを設けた型に代えてプレス加工を
行うことにより形成することができる。
使用する材料の構成は、紙を主強度材とし、最内層に熱
可塑性樹脂を有することを基本としている。例えば、紙
層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/
ポリエチレン樹脂層、発泡ポリエチレン樹脂層/紙層/
ポリエチレン樹脂層、ポリプロピレン樹脂層/紙層/ポ
リプロピレン樹脂層などが挙げられる。
適性の良いカップ原紙を使用することが好ましい。坪量
は、とくに限定されないが、紙カップ成形適性上、15
0〜300g/m2 の範囲がより好ましい。
の保護、特に液状の物質を入れても洩れない機能、ま
た、熱シールにより胴部の貼り合わせ、そして胴部と底
部の接着を可能にする機能を持っている必要がある。具
体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、エチレン・酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
厚さとしては、15〜60μmの範囲が好ましい。これ
らの熱可塑性樹脂は、押し出し加工あるいはラミネート
加工によって、最内層に形成される。
プを電子レンジで使用した時、内容物が加熱されている
ため直接手で持ちにくく、より断熱性の優れた電子レン
ジ用紙カップが必要となる。従って、断熱性を付与する
ために、上述の電子レンジ用紙カップA、Bの胴部の外
周に断熱カバー4を巻き込んだ形態の図7に示すような
電子レンジ用紙カップA′、B′とすることもできる。
に電子レンジ用紙カップA、Bの胴部11の外面に密着
して取り付けた形状とする他に、断熱カバー4のカバー
胴部41の上端部を内側へカールしてカバー上カール部
42a(図8−a)あるいは上端部を内側へ折り返して
カバー上屈曲部42b(図8−b)を形成した形状とす
ることができる。また、断熱カバー4のカバー胴部41
の下端部を内側へカールしてカバー下カール部43a
(図8−c)あるいは下端部を内側へ折り返してカバー
下屈曲部43b(図8−d)を形成した形状とすること
ができる。さらに、断熱カバー4のカバー胴部41の上
端部にカバー上カール部42aあるいはカバー上屈曲部
42bを形成すると共に、下端部にカバー下カール部4
3aあるいはカバー下屈曲部43bを形成した形状とす
ることができる。この形状にすることによって、電子レ
ンジ用紙カップA、Bの胴部11と断熱カバー4のカバ
ー胴部41間に、カバー上カール部42aあるいはカバ
ー下カール部43aの径、あるいはカバー上屈曲部42
bあるいはカバー下屈曲部43bの厚さに相当する間隔
を有する空隙5が形成されるので、電子レンジ用紙カッ
プA′、B′の上下方向の全長にわたって断熱性を確保
することができるものである。
プA、Bの胴部11の外周に取り付けるが、外周全面に
取り付ける必要はなく、電子レンジ用紙カップA、Bの
胴部11の上下方向の長さより短くして、胴部11の外
面の上部に取り付けることもできる。
熱性を有する材料であり、例えば、板紙、片段ボール
紙、段ボール紙、エンボス加工紙、発泡加工紙などを使
用することができる。
マニラボール、アイボリー等の表面が平滑な板紙であ
り、厚さは200〜400g/m2の範囲が好ましい。
の種類があるが、紙カップ本体a巻き付けるという点か
ら、柔軟性のあるF段あるいはE段が好ましい。また、
片面のライナーがない、いわゆる片面段ボールでもよ
く、段加工した中芯を外面に出して使用してもよい。さ
らに、波型に段加工をした段ボールも使用することがで
きる。
は異なり、中芯紙に点状模様、格子模様などの1〜2m
mの深さのエンボス加工を行い、ライナー紙と貼り合わ
せたものである。ライナー紙は片面あるいは両面に貼り
合わせることができる。中芯紙は100〜180g/m
2の範囲で、ライナー紙は200〜270g/m2の範囲
で使用することができる。また、段ボールと同様に、断
熱効果があり、表面のライナー紙に絵柄などを印刷を施
こすことにより、意匠性を高めることができる。
性樹脂層/紙層/熱可塑性樹脂層という構成が基本とな
っている。具体的には、発泡する低密度ポリエチレン樹
脂層/コート紙/低密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリ
エチレン樹脂との混合樹脂層の構成の積層体などが使用
される。電子レンジ用紙カップA、Bに巻き込む場合に
は、発泡した樹脂層を表面にしても良く、あるいは発泡
しない樹脂層を表面にしてもよい。
インスタントラーメンなどの温める即席食品用の容器、
あるいはコーヒー、紅茶、スープなどの熱い飲料用の容
器である。
いて実施例をあげて、さらに具体的に説明する。
プの実施例1として、図1に示す電子レンジ用紙カップ
Aを作製した。まず、胴部材1には、表面からカップ原
紙280g/m2/低密度ポリエチレン樹脂25μmの
構成の材料を、底部材2には、表面からカップ原紙25
5g/m2/低密度ポリエチレン樹脂25μmの構成の
材料を使用して、図3のような胴部材ブランク10を打
ち抜き工程で作製し、この胴部材ブランク10をマンド
レルに巻き付け、筒状の胴部材1aを形成した。つぎ
に、一般的な紙カップ成形機で、胴部材1aの下方から
底部材ブランク20を嵌め込み、接着部分を熱風で加熱
し、胴部材1aの下端部を内側に折り返して折り返し部
12として紙カップaを作製した。つづいて、つぎの工
程で、糸じり部3の下部分を内側に折り曲げ、その折り
曲げた折り曲げ部3aの先端部が底部材2の底面部21
に接する位置まで折り曲げ、底面部21に接着剤で接着
して固定し電子レンジ用紙カップAを作製した。
は、紙カップaの糸じり部3の下部分を内側に折り曲げ
ることによって、内容物を入れ、電子レンジで加熱調理
した時に、糸じり部3に焦げを発生させることがなかっ
た。
プの実施例2として、図2に示す電子レンジ用紙カップ
Bを作製した。まず、実施例1と同様にして、紙カップ
aを作製した。つぎに、糸じり部3の下部分を内側に略
90度折り曲げた。折り曲げると同時に、折り曲げた折
り曲げ部3aに等間隔で4ヶ所凹状のくさびQを設け、
電子レンジ用紙カップB1を作製した。
は、紙カップaの糸じり部3の下部分を内側に折り曲げ
ることによって、内容物を入れ、電子レンジで加熱調理
した時に、糸じり部3に焦げを発生させることがなかっ
た。また、折り曲げ部3aに等間隔で4ヶ所凹状のくさ
びQを設けることによって、折り込んだ際に生じるシワ
を吸収し少なくすることができ、そして、平面上での安
定性がよくなった。
プの実施例3として、図6に示す電子レンジ用紙カップ
A′を作製した。実施例2の電子レンジ用紙カップAの
胴部11の外面全体に対応した筒状の段ボール(Fフル
ート)を使用した断熱カバー4を作製し、この筒状の断
熱カバー4に電子レンジ用紙カップAを嵌め込み、部分
的に接着して固定し、図5に示すような電子レンジ用紙
カップA′を作製した。
では、紙カップaの糸じり部3の下部分を内側に折り曲
げることによって、内容物を入れ、電子レンジで加熱調
理した時に、糸じり部3に焦げを発生させることがなか
った。また、胴部11に段ボールを材料とした断熱カバ
ー4を取り付けたことにより、断熱性を有し、加熱した
内容物が冷めにくく、また、内容物の熱さを感じること
なく、手に触れて電子レンジ用紙カップAを持つことが
できた。
や即席食品などの内容物を入れ、電子レンジで加熱調理
した時に、焦げを発生させることのない電子レンジ用紙
カップを得ることができる。また、糸じり部の折り曲げ
部を底部材の底面部との間に空間を設けることによっ
て、平面上に置いた場合、内容物の熱が逃げにくくなる
という効果を有している。
施の形態の一実施例を示す断面図である。
施の形態の別の実施例を示す断面図である。
施の形態のさらに別の実施例の折り曲げ部の部分断面図
である。
施の形態の一実施例を示す図である。
ブランクおよび底部材のブランクを示す展開図である。
工程を示す図である。
ーを巻き付けた状態を示す断面図である。
ーを巻き付けた状態の胴部の例を示す部分断面図であ
る。
る。
欠け断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 胴部材と底部材とからなる紙カップにお
ける前記胴部材と前記底部材とを接合している糸じり部
の下部分を90度以上内側に折り曲げて折り曲げ部を形
成していることを特徴とする電子レンジ用紙カップ。 - 【請求項2】 前記折り曲げ部と前記底部材の底面部と
の空間の間隙幅が最大部位において5mm以下であるこ
とを特徴とする請求項1に記載する電子レンジ用紙カッ
プ。 - 【請求項3】 前記折り曲げ部に凹状のくさびを設けて
いることを特徴とする請求項2に記載する電子レンジ用
紙カップ。
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