JP2002178421A - 電子レンジ対応紙カップの製造方法 - Google Patents
電子レンジ対応紙カップの製造方法Info
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Abstract
物を入れ、電子レンジで加熱調理した時に、糸じり部に
焦げを発生させることのない電子レンジ対応紙カップの
製造方法を提供する。 【解決手段】本発明は、底部材を押圧して、凹状の底面
部と、該底面部の外周縁部に屈曲部とを形成する底部材
成形工程と、胴部材を筒状に巻き回して胴部を形成する
とともに、該胴部の上端側を折り曲げてトップカール部
を形成する工程内で、前記底部材の屈曲部の先端が前記
胴部の下端側に向くように配置して、前記胴部の下端側
を折り返して前記屈曲部を挟み込み、前記胴部材と前記
底部材とを互いに接合して紙カップを成形する紙カップ
成形工程とを備えたことを特徴とする電子レンジ対応紙
カップの製造方法である。
Description
する紙カップの製造方法に関するものである。
用、即席食品用などに紙カップが広く使用されている。
また、一般的ではないものの、飲料や惣菜などの入った
紙カップを直接電子レンジを利用し、加熱調理すること
も行なわれている。一般的な紙カップPは、図7に示す
ように、胴部材1と底部材2とからなり、胴部材1は主
に胴部11を形成し、上端を外側にカールしてトップカ
ール部12とし、下端を内側に折り返して折り返し部1
3としている。一方、底部材2は主に底面部21を形成
し、外周縁部を下方へ略直角に屈曲して屈曲部22とし
ている。胴部材1と底部材2の接合は、底部材2の屈曲
部22を、胴部材1の折り返し部13と、胴部11の下
端部とで挟んで加熱圧着している。この底部材2の屈曲
部22を挟み込んで接合した部分を糸じり部Zと称し、
底面部21を上げ底にしている。
状の紙カップPに内容物を入れて電子レンジで加熱調理
した場合、紙カップの底の糸じり部Zに焦げを生じる場
合があるという問題がある。その原因は、つぎのように
考えられる。紙の材料のパルプのセルロースは基本的に
は電子レンジのマイクロ波を吸収する。従って、紙の重
なる糸じり部Zでは、紙厚が増し発熱量が増す。一方、
表面積は変わらないため熱の放出量が同じで、発生した
熱を蓄積することになり、温度が上昇し、焦げを発生さ
せる原因となっている。ただし、内容物がある場合に
は、焦げが発生しにくくなる。それは、紙に発生し蓄積
された熱が内容物に奪われるためと考えられる。つま
り、通常の紙カップPでは、図7に示すように、胴部材
1と底部材2の接合部位として糸じり部Zを持つ構造で
あるため、この糸じり部Zは、表側と裏側の両面からマ
イクロ波の照射を受けること、内容物に触れることなな
く、畜熱されやすく、そのために焦げが生じやすい。
品などの内容物を入れ、電子レンジで加熱調理した時
に、糸じり部に焦げを発生させることのない電子レンジ
対応紙カップの製造方法を提供することを目的とするも
のである。
すべく検討した結果、本発明は、底部材を押圧して、凹
状の底面部と、該底面部の外周縁部に屈曲部とを形成す
る底部材成形工程と、胴部材を筒状に巻き回して胴部を
形成するとともに、該胴部の上端側を折り曲げてトップ
カール部を形成する工程内で、前記底部材の屈曲部の先
端が前記胴部の下端側に向くように配置して、前記胴部
の下端側を折り返して前記屈曲部を挟み込み、前記胴部
材と前記底部材とを互いに接合して紙カップを成形する
紙カップ成形工程とを備えたことを特徴とする電子レン
ジ対応紙カップの製造方法である。
法によれば、紙カップの底面部の形状を凹状に変形する
ことができ、紙カップの中に、飲料や即席食品などの内
容物を入れ、電子レンジで加熱調理した時に、糸じり部
に焦げを発生させることのない電子レンジ対応紙カップ
を得ることができる。
発明について、さらに詳しく説明する。図1は、本発明
の電子レンジ対応紙カップの製造方法により製造した電
子レンジ対応紙カップの一実施例の部分断面図である。
電子レンジ対応紙カップAは、図1−aに示すように、
胴部材1と底部材2とから構成されている。胴部材1
は、胴部11と、上端を外側にカールしてトップカール
部12と、下端を内側に折り返して折り返し部13とか
らなっている。一方、底部材2は、内面側から下方に凹
状に変形した底面部21Uと、外周縁部を下方へ略直角
に屈曲して屈曲部22とからなっている。胴部材1と底
部材2の接合は、底部材2の屈曲部22を、胴部材1の
折り返し部13と、胴部11の下端部とで挟んで加熱圧
着している。
に、内面がわから下方に凹状に変形されたU字形状をし
ている。好ましくは、図1−cに示すように、下面部2
1Uaと壁面部21Ubとからなるトレー形状であり、
下面部21Uaは平面状とし、壁面部21Ubは胴部材
1の折り返し部13に近ずけることが好ましい。また、
底面部21Uの最大深さは、胴部材1の折り返し部13
の上端から折り返し部13の幅の70%以上が望まし
い。70%以上にすることによって、電子レンジ内で糸
じり部Zの裏側からのマイクロ波の照射を遮ることがで
き、糸じり部Zの焦げの発生を防ぐことができる。70
%未満の場合には、糸じり部Zが焦げる危険がある。
より形成される下端面Xとの距離xは、上方に8mm未
満、下方に2mm未満の範囲が好ましい。距離xが、図
2−aに示すように、上方に8mm以上の場合には、糸
じり部Zの裏側からのマイクロ波を遮蔽する効果がなく
なる。また、距離xが、図2−bに示すように、下方に
2mm以上の場合には、電子レンジ対応紙カップAは、
安定性を失う危険がある。
の製造方法について説明する。まず、図3に示すような
胴部ブランク31と底部ブランク32とを使用して紙カ
ップを作製する紙カップ成形工程を簡単に説明する。図
4は、一般的な紙カップを成形する紙カップ成型機の一
例を示した図である。この成型機100は、一般的な紙
カップを成形する成形機と同様であり、(A)胴巻き成
形部、(B)底カール部(糸じり部)成形部、(C)ト
ップカール成形部の3つの部分から成り立っている。こ
の紙カップ成型機の工程を詳細に説明すると、フィーダ
ーから送られた胴部材ブランク31は、筒状に貼られる
部分がホットエアー101で予熱加工され、表面の樹脂
が溶融した状態で(A)胴巻き成形部に送られる。
(A)胴巻き成形部では、胴巻き型102に吸引されな
がら巻き付けられ、胴巻き紙の熱シールが行なわれる。
筒状に熱シールされた胴巻き紙は、(B)底カール部へ
送られる。(B)底カール部では、型110の位置で、
まず、打ち抜かれた底部材ブランク32が、吸引固定さ
れ、つぎに、型111の位置で、胴巻き紙が挿入され
る。つづいて、型112、型113、型114の位置
で、胴部材1と底部ブランク32を貼り合わせる部分を
ホットエアー101で予熱加工し、型115の位置で、
胴部材の下端を内側に折り返ししながら圧着することに
より、胴部材1と底部材2を一体化する。このカップ状
に成形されたものが、(C)トップカール成形部へ受け
渡される。(C)トップカール成形部では、型120の
金型内に嵌め込まれ、潤滑油が塗布され、型121、型
122、型123の位置で胴部材1の上端が外側へカー
ルされてトップカール部12が形成される。最後に、型
124で排出されて紙カップが製造される。
法での、図5−aに示すように、下方に凹状に変形した
底面部21Uと、外周縁部を下方に略直角に屈曲した屈
曲部22とから構成された底部材2を作製する底部材成
形工程は、胴部材1と底部材2とを接合する前に、図6
に示すような上型201と下型202とからなる金型2
00を使用したプレス加工で行うことができる。この加
工により平面状の底部ブランク32が底部材2に成形さ
れる。この工程は、前述の紙カップ成形機の底カール部
(B)の底部材ブランクの供給部に直結して行なうこと
も、あるいは、予め紙カップ成形機外で行った成形後の
底部材2を前述の紙カップ成形機の底カール部(B)の
底部材ブランクの供給部で供給することもできる。
の製造方法で製造する電子レンジ対応紙カップAの胴部
材1および底部材2に使用する材料は、紙を主強度材と
し、最内層に熱可塑性樹脂を有することを基本としてい
る。
適性の良いカップ原紙を使用することが好ましい。坪量
は、とくに限定されないが、紙カップ成形適性上、15
0〜300g/m2の範囲がより好ましい。
の保護、特に液状の物質を入れても洩れない機能、ま
た、熱シールにより胴部の貼り合わせ、そして胴部と底
部の接着を可能にする機能を持っている必要がある。具
体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ナイロン、エチレンビニルアルコール、エチレン−
酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。厚さとしては、
15〜60μmの範囲が好ましい。これらの熱可塑性樹
脂は、押し出し加工あるいはラミネート加工によって、
最内層に形成される。
面側から紙層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂
層/紙層/ポリエチレン樹脂層、発泡ポリエチレン樹脂
層/紙層/ポリエチレン樹脂層、紙層/ポリプロピレン
樹脂層、ポリプロピレン樹脂層/紙層/ポリプロピレン
樹脂層、紙層/ポリエステル樹脂層、ポリエステル樹脂
層/紙層/ポリエステル樹脂層、紙層/ナイロン樹脂
層、ナイロン樹脂層/紙層/ナイロン層などが挙げられ
る。
るため、変形しやすく、変形時に、ひび割れやピンホー
ルが生じない構成を選定する必要があり、ポリエステル
樹脂層、ナイロン樹脂層を有する構成が好ましい。
法で製造した電子レンジ対応紙カップの用途は、インス
タントラーメン、惣菜類などを温める即席食品用の容
器、あるいはコーヒー、紅茶、スープなどを温める飲料
用の容器として有効である。
に具体的に説明する。
らカップ原紙280g/m2/低密度ポリエチレン樹脂
の材料を使用し、底部材2の材料として、表面からカッ
プ原紙255g/m2/低密度ポリエチレン樹脂25μ
mの構成の材料を使用した。まず、図3のような底部材
ブランク32を打ち抜き、図6に示すような金型200
を用いたプレス加工により、図5−aに示すような底部
材2を成形した。同様に胴部材ブランク31を打ち抜
き、この胴部材ブランク31をマンドレルに巻き付け、
筒状の胴部材1に形成した。つぎに、図4に示すような
工程で、胴部材1の下方から予め成形した底部材2を嵌
め込み、接着部分を熱風で加熱し、胴部材1の下端を内
側に折り返して折り返し部13とした。つづいて、胴部
材1の上端を外側にカールしトップカール部12を形成
し電子レンジ対応紙カップAを作成した。
紙カップの胴部材1の胴部11の外径、高さを実施例と
同一にし、底部材2の底面部21は平面状である従来の
形状で作成した。
ップに水200mlを入れ、電子レンジ(NEC社製、
電子レンジMC−E2家庭用高周波出力:500W)に
て加熱調理を行なった。その結果、実施例においては、
紙カップのどの部分にも焦げの発生は見られなかった。
一方、比較例においては、加熱調理2分後に糸じり部Z
がやや茶色に変色し、5分後には糸じり部Zに焦げが発
生した。
方法によれば、紙カップの底面部の形状を下方に凹状に
変形することによって、紙カップの中に、飲料や即席食
品などの内容物を入れ、電子レンジで加熱調理した時
に、糸じり部に焦げを発生させることのない電子レンジ
対応紙カップを得ることができる。
より製造した電子レンジ対応紙カップの一実施例を示す
部分断面図である。
より製造した電子レンジ対応紙カップの底部材の形状を
示す断面図である。
より製造する電子レンジ対応紙カップの胴部材のブラン
クおよび底部材のブランクを示す展開図である。
工程を示す図である。
より製造する電子レンジ対応紙カップの胴部材および底
部材を示す展開図である。
底部材を作製する方法を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 底部材を押圧して、凹状の底面部と、該
底面部の外周縁部に屈曲部とを形成する底部材成形工程
と、 胴部材を筒状に巻き回して胴部を形成するとともに、該
胴部の上端側を折り曲げてトップカール部を形成する工
程内で、前記底部材の屈曲部の先端が前記胴部の下端側
に向くように配置して、前記胴部の下端側を折り返して
前記屈曲部を挟み込み、前記胴部材と前記底部材とを互
いに接合して紙カップを成形する紙カップ成形工程とを
備えたことを特徴とする電子レンジ対応紙カップの製造
方法。
Priority Applications (9)
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CN2007100961954A CN101117163B (zh) | 2000-12-14 | 2001-12-14 | 微波炉用纸杯 |
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Cited By (1)
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CN111844897A (zh) * | 2020-07-13 | 2020-10-30 | 徐州佳家美新材料包装有限公司 | 一种环保塑料纸杯成型机用卷边装置 |
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- 2000-12-14 JP JP2000380276A patent/JP4659975B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN111844897A (zh) * | 2020-07-13 | 2020-10-30 | 徐州佳家美新材料包装有限公司 | 一种环保塑料纸杯成型机用卷边装置 |
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