JP4770018B2 - 断熱電子レンジ対応紙カップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱電子レンジ対応紙カップに関するものであり、さらに詳しくは、熱可塑性合成樹脂の発泡層を有する断熱電子レンジ対応紙カップに関するものである。そして、本発明の断熱電子レンジ対応紙カップは、断熱容器として電子レンジで使用できる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動販売機などで熱い飲料用、即席食品用などに紙カップが広く使用されている。また、一般的ではないものの、飲料や惣菜などの入った紙カップを直接電子レンジを利用し、加熱調理することも行なわれている。一般的な紙カップPは、図10に示すように、胴部材1と底部材2とからなり、胴部材1は主に胴部11を形成し、上端を外側にカールしてトップカール部12とし、下端を内側に折り返して折り返し部13としている。一方、底部材2は主に底面部21を形成し、外周縁部を下方へ略直角に屈曲して屈曲部22としている。胴部材1と底部材2の接合は、底部材2の屈曲部22を、胴部材1の折り返し部13と、胴部11の下端部とで挟んで加熱圧着している。この底部材2の屈曲部22を挟み込んで接合した部分を糸じり部Zと称し、底面部21を上げ底にしている。
【0003】
また、断熱性の有するカップとしては、発泡性を持つ合成樹脂、とくに発泡ポリスチレン樹脂を原料とするものが、多く使用されている。また、紙カップの全周に波形状などの紙製の胴巻きをした形のもの、あるいは内側と外側の二重構造とし、二層間に空間を持たせた形のもの、そして、紙の両面をポリエチレン樹脂層で積層された材料を使用した紙カップの表面のポリエチレン樹脂層を発泡させたものなどがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般形状の紙カップPに内容物を入れて電子レンジで加熱調理した場合、紙カップの底の糸じり部Zに焦げを生じる場合があるという問題がある。その原因は、つぎのように考えられる。紙の材料のパルプのセルロースは基本的には電子レンジのマイクロ波を吸収する。従って、紙の重なる糸じり部Zでは、紙厚が増し発熱量が増す。一方、表面積は変わらないため熱の放出量が同じで、発生した熱を蓄積することになり、温度が上昇し、焦げを発生させる原因となっている。ただし、内容物がある場合には、焦げが発生しにくくなる。それは、紙に発生し蓄積された熱が内容物に奪われるためと考えられる。つまり、通常の紙カップでは、図10に示すように、胴部材1と底部材2の接合部位として糸じり部Zを持つ構造であるため、この糸じり部Zは、表側と裏側の両面からマイクロ波の照射を受けること、内容物に触れることななく、畜熱されやすく、そのために焦げが生じやすい。
【0005】
また、前述の断熱性を有するカップにおいて、発泡ポリスチレン樹脂によるカップは、発泡剤を加えた樹脂を成形加工することによって製造され、断熱性では優れているが、使用後に廃棄物として処理しにくく、環境対応の点で問題がある。また、表面の平滑性が低く、印刷適性に劣るなどの欠点もある。
【0006】
また、全周に波形状などの紙製の胴巻きをした形態の紙カップ、あるいは、内側カップと外側カップの二重構造をもつ紙カップは、断熱性、および環境対応の点では優れているが、材料、および製造上のコストが高いという問題がある。
【0007】
つまり、今まで、断熱性を有し、製造コストが低く、かつ、電子レンジで使用して糸じり部に焦げを生じない紙カップはなかった。
【0008】
本発明は、断熱効果が充分ある発泡層を有する断熱紙カップであって、カップの中に、飲料や即席食品などの内容物を入れ、電子レンジで加熱調理した時に、糸じり部に焦げを発生させることのない断熱電子レンジ対応紙カップを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決すべく検討した結果、本発明は、状の胴部と該胴部の上端部を外側にカールしたトップカール部と該胴部の下端部を内側に折り返した折り返し部とを有する胴部材と、底面部と該底面部の外周縁部を下方へ略直角に屈曲した屈曲部とを有する底部材とが、それぞれ紙を基材として構成され、前記胴部と前記折り返し部との間に前記屈曲部が挟み込まれた糸じり部で前記胴部材と前記底部材とが互いに接合された紙カップであって、該紙カップの前記底面部が該底面部の前記外周縁部から下方に凹状に変形したU字形状に形成され、かつ、前記底面部の下面部と前記胴部の下端により形成される下端面との距離が前記下端面から上方に8mm未満、及び前記下端面から下方に2mm未満の範囲であり、前記紙カップが、加熱することにより少なくとも表面側に発泡層を形成する表面熱可塑性樹脂層と、基材層となる紙層と、裏面熱可塑性樹脂層とを備えていることを特徴とする断熱電子レンジ対応紙カップである。また、前記紙カップの前記胴部材が、前記加熱することにより発泡層を形成する表面熱可塑性樹脂層を有すること、あるいは、前記紙カップの前記底部材が、前記加熱することにより発泡層を形成する表面熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする。さらに、前記紙カップの前記胴部材および前記底部材が、前記加熱することにより発泡層を形成する表面熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、断熱効果が充分あり、滑り止め効果があり、そしてデザイン的に独特な風合いをもつ発泡層を有する断熱紙カップであって、紙カップの底面部の形状が下方に凹状に変形したことによって、紙カップの中に、飲料や即席食品などの内容物を入れ、電子レンジで加熱調理した時に、糸じり部に焦げを発生させることのない断熱電子レンジ対応紙カップを得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら、本発明について、さらに詳しく説明する。図1は、本発明による断熱電子レンジ対応紙カップの一実施例の発泡がなされる前の状態の部分断面図である。電子レンジ対応紙カップaは、図1−aに示すように、胴部材1と底部材2とから構成されている。胴部材1は、胴部11と、上端を外側にカールしてトップカール部12と、下端を内側に折り返して折り返し部13とからなっている。一方、底部材2は、内面側から下方に凹状の底面部21Uと、外周縁部を下方へ略直角に屈曲して屈曲部22とからなっている。胴部材1と底部材2の接合は、底部材2の屈曲部22を、胴部材1の折り返し部13と、胴部11の下端部とで挟んで加熱圧着している。
【0012】
この底面部21Uは、図1−bに示すように、内面側から下方に凹状に変形したU字形状をしている。好ましくは、図1−cに示すように、下面部21Uaと壁面部21Ubとからなるトレー形状であり、下面部21Uaは平面状とし、壁面部21Ubは胴部材1の折り返し部13に近ずけることが好ましい。また、底面部21Uの最大深さは、胴部材1の折り返し部13の上端から折り返し部13の幅の70%以上が望ましい。70%以上にすることによって、電子レンジ内で糸じり部Zの裏側からのマイクロ波の照射を遮ることができ、糸じり部Zの焦げの発生を防ぐことができる。70%未満の場合には、糸じり部Zが焦げる危険がある。
【0013】
また、下面部21Uaと胴部11の下端により形成される下端面Xとの距離xは、上方に8mm未満、下方に2mm未満の範囲が好ましい。距離xが、図2−aに示すように、上方に8mm以上の場合には、糸じり部Zの裏側からのマイクロ波を遮蔽する効果がなくなる。また、距離xが、図2−bに示すように、下方に2mm以上の場合には、電子レンジ対応紙カップAは、安定性を失う危険がある。
【0014】
つぎに、胴部材1、あるいは底部材2の発泡する前状態での材料構成は、基本的には、図3−aに示すように、表面側から表面熱可塑性樹脂層5、基材層としての紙層3、そして裏面熱可塑性樹脂層6となっている。そして、発泡した後では、図3−bに示すように、表面側から発泡層5a、基材層としての紙層3、そして裏面熱可塑性樹脂層6となっている。紙層3の表面側には印刷層4を設けることができ、この印刷層4は表面熱可塑性樹脂層5によって、被覆されている。この印刷層4は、表面熱可塑性樹脂層5の表面に設けることもできる。また、紙層3と裏面熱可塑性樹脂層6との間には、バリア性などを上げるためにアルミニウム箔層などを設けることもできる。
【0015】
基材層となる紙層3は、坪量が100〜400g/m2の範囲が、紙カップの製造上好ましい。また、この紙層3の含水率は、3〜10%の範囲が好ましく、さらに好ましくは、5〜8%の範囲で安定させることがより好ましい。紙の中の水分を蒸発させ、その蒸気圧の力で表面熱可塑性樹脂層5を発泡させて発泡層5aを形成するというのが原理となっている。
【0016】
印刷層4は、紙層3の表面あるいは表面熱可塑性樹脂層5の表面に施される。この印刷層4は、部分的に着色インキで印刷される場合と、全面的に着色インキで印刷される場合とがある。印刷の位置、印刷面積の大小、印刷の方法、使用されるインキなどは、従来公知の技術を適宜選択して用いることができる。
【0017】
表面熱可塑性樹脂層5および裏面熱可塑性樹脂層6に使用する熱可塑性樹脂は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリスチレン樹脂などである。この熱可塑性樹脂を紙層3の表と裏の両面に積層する方法には、樹脂を熱溶融して塗布する押し出しコーティング法、あるいはフィルムになったものを貼り合わせるラミネート法などがある。発泡する前の表面熱可塑性樹脂層5の厚さは、15〜50μの範囲が好ましい。厚すぎても、薄すぎても発泡しにくくなる。一方、裏面熱可塑性樹脂層6の厚さは、特に限定されない。ただ、裏面熱可塑性樹脂層6を発泡させずに、表面熱可塑性樹脂層5だけを発泡させるために、裏面からの水蒸気の蒸発を防ぐ方法として、紙層3と裏面熱可塑性樹脂層6の間にアルミニウム箔などの層を設けるか、あるいは裏面熱可塑性樹脂6の熱可塑性樹脂は表面熱可塑性樹脂層5の熱可塑性樹脂より軟化点の高い熱可塑性樹脂を使う。例えば、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、エチレンビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。厚さとしては、15〜60μmの範囲が好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、押し出し加工あるいはラミネート加工によって、裏面熱可塑性樹脂層6が形成される。この裏面熱可塑性樹脂層6に使用する熱可塑性樹脂は、内容物の保護、特に液状の物質を入れても洩れない機能、また、熱シールにより胴部材1の貼り合わせ、そして胴部材1と底部材2の接着を可能にする機能を持っている必要がある。
【0018】
特に、底部材2の材料は、底面部21を凹状に変形する時、変形しやすく、変形時に、ひび割れやピンホールが生じない構成を選定する必要があり、ポリエステル樹脂層、ナイロン樹脂層を有する構成が好ましい。
【0019】
図4は、上記のような構成の材料を使用して作られた表面熱可塑性樹脂層5を発泡する前の図1に示すような断熱電子レンジ対応紙カップaの表面熱可塑性樹脂層5を発泡して発泡層5aとした本発明の断熱電子レンジ対応紙カップAを示す図である。本実施例の断熱電子レンジ対応紙カップAでは、胴部材1および底部材2の両部分を発泡層5aとしているが、発泡層5aは、胴部材1単独、あるいは底部材2単独に設けてもよい。
【0020】
つぎに、本発明の断熱電子レンジ対応紙カップを製造する方法について説明する。
【0021】
まず、表面熱可塑性樹脂層5を発泡する前の断熱電子レンジ対応紙カップを作製する。この断熱電子レンジ対応紙カップaは、印刷が施された紙層3の表側に表面熱可塑性樹脂層5が裏側に裏面熱可塑性樹脂層6が積層された積層体を、打ち抜き加工で打ち抜いた図5に示すような胴部ブランク31と底部ブランク32とから製造されるが、その製造方法は、大きく二つの方法に分けることができる。
【0022】
一つの方法は、図6に示すように、まず一般的な紙カップPと同様な形状の紙カップを作製する。この底部材2を変形する前の紙カップの製造は、紙カップ成型機で一般的な紙カップPと同様に成型することができる。一般的に、胴部ブランク31は、あらかじめ前工程で打ち抜かれたものを使用し、底部ブランク32は、紙カップ成型機上で打ち抜かれる。この底面部21が底上げとなっている紙カップをつぎの工程で底面部21を下方に凹状に変形してU字形状の底面部21Uとする方法である。
【0023】
もう一つの方法は、図7に示すように、予め、胴部材1と底部材2とを別の工程で加工しておく。そして、つぎの工程で、筒状に成形した胴部材1aとU字形状の底面部21Uを有する底部材2aとを、底部材1の屈曲部22を胴部材1の折り返し部13と胴部11の下端部とで挟んで接合する方法である。
【0024】
つぎに、この成形された発泡前の断熱電子レンジ対応紙カップaを加熱することにより、紙の中の水分が蒸発し、その蒸気圧と空気の熱膨張とが加わって作用し、表面熱可塑性樹脂層5に発泡構造を生成させ発泡層5aとすることによって、表面に発泡層5aを有する本発明の断熱電子レンジ対応紙カップAを製造することができる。
【0025】
加熱方法としては、熱風、赤外線、遠赤外線、マイクロ波、高周波などを使うことができる。静置して加熱する方法、あるいはコンベアーにより送りながら加熱する方法がある。加熱条件としては、温度が100〜200°Cの範囲が好ましく、時間としては、10秒〜5分の範囲が好ましい。
【0026】
なお、本発明の断熱電子レンジ対応紙カップAの製造方法としては、前述のように、紙カップの底面部21を凹状にして底面部21Uとした発泡前の断熱電子レンジ対応紙カップaを成形し、そのつぎの工程で発泡して断熱電子レンジ対応紙カップAを製造する製造方法以外に、図8に示すように、一般的な紙カップの形状において予め発泡しておき、つぎの工程で底面部21を凹状に変形してU字形状の底面部21Uとして断熱電子レンジ対応紙カップAを製造する製造方法もある。
【0027】
あるいは、もう一つの方法は、図9に示すように、予め、筒状に成形した発泡した胴部材1aとU字形状の底面部21Uを有する発泡した底部材2aとを別の工程で加工しておく。そして、つぎの工程で、底部材1の屈曲部22を胴部材1の折り返し部13と胴部11の下端部とで挟んで接合して断熱電子レンジ対応紙カップAを製造する製造方法もある。
【0028】
本発明の断熱電子レンジ対応紙カップの用途としては、コーヒー、紅茶、スープなどの温めて使用する飲料用の容器、あるいはインスタントラーメン、惣菜などの温める即席食品用の容器がある。
【0029】
【実施例】
次に、本発明について実施例をあげて、さらに具体的に説明する。
【0030】
[実施例]胴部材1の材料として、表面から低密度ポリエチレン樹脂層40μm/印刷層/カップ原紙280g/m2/低密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂との混合樹脂層25μmの構成の材料を使用し、底部材2の材料として、表面から低密度ポリエチレン30μm/カップ原紙220g/m2/低密度ポリエチレン樹脂25μmの構成の材料を使用した。まず、図5のような胴部材ブランク31をマンドレルに巻き付け、筒状の胴部材1に形成した。つぎに、一般的な紙カップの成形機で、胴部材1の下方から底部ブランク32を嵌め込み、接着部分を熱風で加熱し、胴部材1の下端を内側に折り返して折り返し部13とした。つづいて、胴部材1の上端を外側にカールしトップカール部12を形成した。作製した紙カップの底面部21をつぎの工程で下方に凹状に変形してU字形状の底面部21Uとして発泡前の電子レンジ対応紙カップaを、120°Cの乾燥機の中で3分間加熱し、表面熱可塑性樹脂層5を発泡させ、図4に示すように、表面に発泡層5aを有する断熱電子レンジ対応紙カップAを得た。
【0031】
〔比較例〕
胴部材1の材料として、表面からカップ原紙280g/m2/低密度ポリエチレン樹脂μmの構成の材料を使用し、底部材2の材料として、表面からカップ原紙255g/m2/低密度ポリエチレン樹脂25μmの構成の材料を使用し、紙カップの胴部材1の胴部11の外径、高さなど胴部材1の形状を実施例と同一にし、底部材2の底面部21は平面状である従来の形状で作成した。
【0032】
本発明の電子レンジ対応紙カップの実施例、そして実施例と同じ外寸法の比較例の紙カップに水200mlを入れ、電子レンジ(NEC社製、電子レンジMC−E2家庭用高周波出力:500W)にて加熱調理を行なった。その結果、実施例においては、紙カップのどの部分にも焦げの発生は見られなかった。一方、比較例においては、加熱調理2分後に糸じり部がやや茶色に変色し、5分後には糸じり部に焦げが発生した。また、加熱調理した内容物が入った状態で、手で持った時、本発明の電子レンジ対応紙カップの実施例では、比較例に比べて熱さを感じにくく、持ちやすかった。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、発泡層により、断熱効果が十分あり、滑り止め効果があり、デザイン的に独特な風合いを持ち、そして製造コストが低い断熱紙カップであって、紙カップの底面の形状が下方に凹状に変形してU字形状であることによって、紙カップの中に、飲料や即席食品などの内容物を入れ、電子レンジで加熱調理した時に、焦げを発生させることのない断熱電子レンジ対応紙カップを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による断熱電子レンジ対応紙カップの発泡前を示す一部を切欠断面とした概略断面図である。
【図2】本発明による断熱電子レンジ対応紙カップの底部材の形状を示す部分断面図である。
【図3】本発明による断熱電子レンジ対応紙カップの胴部材および底部材の材料構成を示す概略断面図である。
【図4】本発明による断熱電子レンジ対応紙カップを示す一部を切欠断面とした概略断面図である。
【図5】本発明による断熱電子レンジ対応紙カップの胴部材のブランクおよび底部材のブランクを示す展開図である。
【図6】本発明による断熱電子レンジ対応紙カップを製造する方法を説明する図である。
【図7】本発明による断熱電子レンジ対応紙カップを製造するもう一つの方法を説明する図である。
【図8】本発明による断熱電子レンジ対応紙カップを製造する別の方法を説明する図である。
【図9】本発明による断熱電子レンジ対応紙カップを製造するさらに別の方法を説明する図である。
【図10】従来の紙カップを示す一部を切欠断面とした概略断面図である。
【符号の説明】
A 断熱電子レンジ対応紙カップ
a 断熱電子レンジ対応紙カップ(発泡前)
P 紙カップ(従来)
Z 糸じり部
1 胴部材
1a 胴部材(接合前)
2 底部材
2a 底部材(接合前)
3 紙層
4 印刷層
5 表面熱可塑性樹脂層
5a 発泡層
6 裏面熱可塑性樹脂層
11 胴部
12 トップカール部
13 折り返し部
21 底面部
21U 底面部(変形後)
21Ua 下面部(変形後)
21Ub 壁面部(変形後)
22 屈曲部
31 胴部ブランク
32 底部ブランク

Claims (4)

  1. 状の胴部と該胴部の上端部を外側にカールしたトップカール部と該胴部の下端部を内側に折り返した折り返し部とを有する胴部材と、底面部と該底面部の外周縁部を下方へ略直角に屈曲した屈曲部とを有する底部材とが、それぞれ紙を基材として構成され、前記胴部と前記折り返し部との間に前記屈曲部が挟み込まれた糸じり部で前記胴部材と前記底部材とが互いに接合された紙カップであって、該紙カップの前記底面部が該底面部の前記外周縁部から下方に凹状に変形したU字形状に形成され、かつ、前記底面部の下面部と前記胴部の下端により形成される下端面との距離が前記下端面から上方に8mm未満、及び前記下端面から下方に2mm未満の範囲であり、前記紙カップが、加熱することにより少なくとも表面側に発泡層を形成する表面熱可塑性樹脂層と、基材層となる紙層と、裏面熱可塑性樹脂層とを備えていることを特徴とする断熱電子レンジ対応紙カップ。
  2. 前記紙カップの前記胴部材が、前記加熱することにより発泡層を形成する表面熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載する断熱電子レンジ対応紙カップ。
  3. 前記紙カップの前記底部材が、前記加熱することにより発泡層を形成する表面熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載する断熱電子レンジ対応紙カップ。
  4. 前記紙カップの前記胴部材および前記底部材が、前記加熱することにより発泡層を形成する表面熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載する断熱電子レンジ対応紙カップ。
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