JP2002336770A - 着色建築板及びその製造方法 - Google Patents

着色建築板及びその製造方法

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JP2002336770A JP2001146090A JP2001146090A JP2002336770A JP 2002336770 A JP2002336770 A JP 2002336770A JP 2001146090 A JP2001146090 A JP 2001146090A JP 2001146090 A JP2001146090 A JP 2001146090A JP 2002336770 A JP2002336770 A JP 2002336770A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な立体感を表出する着色建築板及びその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 谷部15とその間に形成された山部14
とからなる意匠面を有すると共に,意匠面が着色された
着色建築板1。意匠面は,谷部15における谷底面15
1と,谷部15における谷側面152のうち谷底面15
1と連続する部分とに,谷部色を発現する谷部色層30
を設けてなる。山部14における山頂面141と,谷側
面152のうち山頂面141と連続する部分とに,谷部
色と異なる山部色を発現する山部色層20を設けてあ
る。谷部色層30と山部色層20とは,連続して形成し
てある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,谷部と該谷部の間に形成された
山部とからなる意匠面を有すると共に,該意匠面が着色
された着色建築板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】建築物の外装面には,近年,種々に着色さ
れた意匠面を有する着色建築板が用いられている。かか
る着色建築板として,例えば,図16に示すごとく,谷
部92と該谷部92の間に形成された山部91とからな
る意匠面を有すると共に,該意匠面が着色されたものが
ある。
【0003】上記着色建築板9を製造するに際しては,
まず,上記谷部92と山部91とを有する意匠面を備え
た基材90を,成形等によって作製する。次いで,該基
材90の意匠面,即ち上記山部91,谷部92の両者を
含めた全表面に,シーラをスプレー塗布した後,乾燥し
て,下塗層901を形成する。続いて,その全表面に中
塗塗料をスプレー塗布した後,乾燥して,谷部色を有す
る中塗層902を形成する。次いで山頂面911にロー
ルコータにより上塗塗料を塗布した後乾燥して,上記谷
部色と異なる山部色を有する上塗層903を形成する。
【0004】その後,仕上げとして,全表面にクリヤー
塗料をスプレー塗布した後乾燥して,クリヤー層904
を形成する。これにより,上記谷部における谷底面92
1と谷側面922に,上記谷部色が現れ,山頂面911
に,上記山部色が現れた着色建築板9が得られる。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記着色建築
板9においては,谷部色を有する上記中塗塗料層902
が,上記谷部92の谷底面921と谷側面922の略全
域において意匠面側から観察されるため,谷部92全体
が,略同一色相濃度に観察されることとなり,充分な奥
行き,立体感を表出することが困難である。
【0006】また,上記着色建築板9においては,上記
山頂面911と上記谷側面922との境付近において,
山部色から谷部色へと色彩がはっきりと変化するため,
自然な風合いを表出することが困難である。また,溝塗
装によって,谷底面921を谷側面922と塗り分けた
としても,上記谷側面922と上記谷底面921との境
付近において色彩がはっきりと変化するため,同様に,
自然な風合いを表出することが困難である。
【0007】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,充分な立体感を表出する着色建築板及び
その製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】第1の発明は,谷部と該谷部の間に
形成された山部とからなる意匠面を有すると共に,該意
匠面が着色された着色建築板において,上記意匠面は,
上記谷部における谷底面と,上記谷部における谷側面の
うち上記谷底面と連続する部分とに,谷部色を発現する
谷部色層を設け,上記山部における山頂面と,上記谷側
面のうち上記山頂面と連続する部分とに,上記谷部色と
異なる山部色を発現する山部色層を設けてなり,かつ,
上記谷部色層と上記山部色層とは,連続して形成してあ
ることを特徴とする着色建築板にある(請求項1)。
【0009】次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記意匠面における谷部には,上記谷部色層が,上記谷
底面のみならず,谷側面のうち上記谷底面と連続する部
分にも,設けられている。そして,上記山部色層が,上
記山頂面のみならず,谷側面のうち上記山頂面と連続す
る部分にも,設けられている。そのため,上記谷側面の
うち,上記谷底面に近い部分と上記山頂面に近い部分と
で,色彩が異なり,谷部の奥行きが強調され,立体感を
表出することができる。
【0010】また,上記谷側面において,谷部色から山
部色へと色彩が変化するため,違和感のない自然な外観
を得ることができる。また,上記谷部色層と上記山部色
層とは,連続して形成してあるため,上記着色建築板の
基材が部分的に露出することを防ぎ,外観の低下を防ぐ
ことができる。
【0011】以上のごとく,本発明によれば,充分な立
体感を表出する着色建築板を提供することができる。
【0012】第2の発明は,谷部と該谷部の間に形成さ
れた山部とからなる意匠面を有すると共に,該意匠面が
着色された着色建築板を製造する方法において,上記意
匠面の上記谷部を成形するための凸部と,該凸部の間に
形成され上記意匠面の山部を成形するための凹部とを有
する型板を準備する準備工程と,該型板の上記凸部の上
面と,該上面から連続する上記凸部の側面の上部領域と
に,谷部色を発現する谷部色インクを塗布する型板凸部
着色工程と,該型板の上記凹部の底面と,該底面から連
続する上記凸部の側面の下部領域とに,上記谷部色とは
異なる山部色を発現する山部色インクを塗布する型板凹
部着色工程と,上記谷部色インク及び山部色インクが塗
布された上記型板の上から,基材原料を散布して堆積さ
せる原料散布工程と,上記型板上に堆積した基材原料を
プレスし,硬化させて基材を成形すると共に,上記型板
に塗布した上記谷部色インク及び山部色インクを上記基
材に転写する成形転写工程と,成形した上記基材を養生
する養生工程とを行うことを特徴とする着色建築板の製
造方法にある(請求項4)。
【0013】本製造方法においては,上記のごとく,型
板の上に堆積させた基材原料をプレス,硬化させて基材
を成形する際に,予め型板の所定位置に塗布しておいた
谷部色インク及び山部色インクを上記基材に転写する。
即ち,型板凸部着色工程において上記凸部の上面と側面
の上部領域とに塗布した谷部色インクを,成形転写工程
において基材の谷底面とこれに連続する谷側面の一部に
転写する。これと共に,型板凹部着色工程において上記
凹部の底面と上記凸部の側面の下部領域とに塗布した山
部色インクを,成形転写工程において基材の山頂面とこ
れに連続する谷側面の一部に転写する。
【0014】そのため,得られる着色建築板は,上記谷
底面と,谷側面のうち上記谷底面と連続する部分におい
て谷部色を発現し,上記山頂面と,谷側面のうち上記山
頂面と連続する部分において山部色を発現する。それ
故,上記谷側面のうち,上記谷底面に近い部分と上記山
頂面に近い部分とで,色彩が異なり,谷部の奥行きが強
調され,立体感を表出する,着色建築板を得ることがで
きる。
【0015】また,上述のごとく,上記成形転写工程に
おいて,上記基材の成形と上記意匠面の着色を共に行な
うことができる。そのため,従来の塗装工程を大きく簡
略化することができ,生産効率を向上させることができ
るとともに,谷部色と山部色の着色を正確に行なうこと
ができる。また,上記型板としては,従来の着色建築板
の製造に用いたものを利用できるため,作業が容易であ
るとともに,製造コストも低減することができる。
【0016】以上のごとく,本発明によれば,充分な立
体感を表出する着色建築板を,生産効率よく製造するこ
とができる着色建築板の製造方法を提供することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】上記第1の発明(請求項1)にお
いて,上記着色建築板としては,例えば窯業系建築板が
ある。また,上記谷部色としては,例えば,茶色系,黒
色系,赤色系,青色系等がある。また,上記谷部色と上
記山部色との色相の組み合わせは,自由に選択できる。
また,山部色は,複数の色からなる柄模様を有するもの
であってもよく,単色であってもよい。また,上記谷部
色層及び山部色層の表層には,透明なクリヤー層が形成
されていることが好ましい。これにより,上記谷部色層
及び山部色層を基材に確実に固定すると共に,着色建築
板の耐候性を向上させることができる。
【0018】また,上記谷側面に設けられた谷部色層
は,上記谷底面から上記山頂面へ向かって,上記谷部色
が薄くなるように色彩が階調変化していることが好まし
い(請求項2)。この場合には,上記谷部の奥行きが一
層強調され,より立体感を表出する着色建築板を得るこ
とができる。
【0019】また,上記着色建築板の基材は,上記意匠
面を構成する着色フェイス層と,上記基材の裏側面を構
成するバックフェイス層と,上記着色フェイス層とバッ
クフェイス層との間に配設されたコア層とからなり,上
記着色フェイス層は基材色を発現することが好ましい
(請求項3)。
【0020】この場合には,上記山部色層の下地となる
着色フェイス層が基材色を発現するため,上記山部色層
においては,山部色の下地色として基材色が配される。
それ故,上記山部色層を配した意匠面を,深みのある意
匠性に優れた外観とすることができる。また,谷部色を
上記基材色とは異なる色となすことによって,基材色の
色を生かした特有な意匠面を有する着色建築板を得るこ
とができる。また,着色建築板が上記の着色フェイス
層,コア層,バックフェイス層の3層によって形成して
あるので,例えば着色フェイス層とバックフェイス層と
は密度を大きく,コア層は密度を小さくして,表裏両面
が緻密で,全体として十分な強度を持ち,しかも軽量の
窯業系着色建築板を得ることができる。上記,着色フェ
イス層には,着色料を添加することができる。
【0021】次に,上記第2の発明(請求項4)におい
て,上記型板凸部着色工程における谷部色インクの型板
への塗布は,ロールコータを用いて行うことが好ましい
(請求項5)。この場合には,型板の凸部の上面,及び
側面の上部領域とに対して,均一かつ容易に,谷部色イ
ンクを塗布することができる。
【0022】また,上記ロールコータは,ゴム製のロー
ル表面を有する塗布ロールを有し,該塗布ロールのゴム
硬度は,15〜30度であることをが好ましい(請求項
6)。この場合には,上記谷部色インクを,上記型板の
凸部の上面及び側面の上部領域に,正確に塗布すること
ができる。即ち,上記塗布ロールの表面が,その柔軟性
により,上記型板の凸部の上面のみならず側面にも密着
して,該側面の上部領域に,正確に谷部色インクを塗布
することができる。その結果,所望の意匠面を有する着
色建築板を確実に得ることができる。
【0023】また,上記塗布ロールによる上記凸部の上
部領域への押圧力は,上面側から下部領域側へ向かって
徐々に小さくなる。そのため,上部領域においては,上
面側から下部領域側へ向かって徐々に谷部色インクの付
着量が減少する。その結果,得られる着色建築板の谷側
面には,谷底面から山頂面へ向かって徐々に谷部色が薄
くなるよう,谷部色インク層を形成することができる。
【0024】上記ゴム硬度が,15度未満である場合に
は,上記谷部色インクが上記凸部の側面の下部領域にま
で付着したり,上記上部領域における谷部色インクの塗
布量の変化が不充分となり,所望の意匠面を得ることが
困難となるおそれがある。一方,上記ゴム硬度が,30
度を超える場合には,上記凸部の側面の上部領域に,谷
部色インクが充分に付着せず,所望の意匠面を得ること
が困難となるおそれがある。
【0025】また,上記型板凹部着色工程における山部
色インクの型板への塗布は,インクジェット印刷機を用
いて行うことが好ましい(請求項7)。この場合には,
容易かつ確実に,上記型板に山部色インクを塗布するこ
とができる。また,例えば,フルカラーの複雑な柄模様
を上記型板に塗布し,該柄模様を,山頂面等に印刷する
ことができる。また,上記インクジェット印刷機を用い
ることにより,例えば,複数の型板を搬送して,各型板
に対して異なる柄模様を塗布することも可能である。そ
のため,異なる柄模様の意匠面を有する着色建築板の,
小ロット多品種生産に容易に対応することができる。
【0026】また,上記型板の凸部は,その上面に,上
記谷部色インクを保持するための複数の溝部を形成して
なることが好ましい(請求項8)。この場合には,凸部
の上面に塗布された谷部色インクを,上記複数の溝部に
よって,より確実に,多く保持することができる。その
ため,着色建築板の谷底面に対して,確実に,多くの谷
部色インクを転写することができ,鮮明な谷部色を発現
させることができる。上記溝部としては,一方向の線状
溝,格子状溝などがある。
【0027】また,上記凸部の側面は,上記上部領域
に,多数の突起部を有していることが好ましい(請求項
9)。この場合には,上記谷部色インクを,主として上
記多数の突起部の間に,確実かつ充分に保持することが
できる。そのため,着色建築板の谷側面のうち上記山頂
面と連続する部分に対して,確実に,多くの谷部色イン
クを転写することができ,鮮明な谷部色を発現させるこ
とができる。
【0028】また,上記突起部は,上部領域に塗布した
谷部色インクを保持し,型板の凹部に谷部色インクが垂
れることを防ぐことができる。それ故,正確に谷部色イ
ンクを基材に転写することができる。また,上記突起部
としては,例えば半球形状,角柱状等の形状を有するも
のがある。
【0029】また,上記突起部は,上記凸部の上面から
上記凹部の底面へ向かって徐々に配設密度が高くなって
いることが好ましい(請求項10)。この場合には,上
記突起部の間隔が広くなることにより,上面側から下部
領域側へ向かって徐々に谷部色インクの付着量が減少し
やすくなる。その結果,得られる着色建築板の谷側面に
は,谷底面から山頂面へ向かって徐々に谷部色が薄くな
るよう,谷部色インク層を形成することが容易となる。
【0030】また,上記谷部色インクは,水溶性無機顔
料であることが好ましい(請求項11)。この場合に
は,谷部色インクを容易に型板の凸部の上面及び側面の
上部領域に塗布することができると共に,耐久性のある
谷部色層を形成することができる。上記水溶性無機顔料
としては,セメント成分(アルカリ性)とのなじみ性が
良いもの,例えばアクリルエマルジョン系,水溶性無機
顔料などを用いることが好ましい。
【0031】また,上記原料散布工程において散布する
基材原料は,上記型板の上に最初に散布する着色フェイ
ス層用原料と,次いでその上に散布するコア層用原料
と,最後に散布するバックフェイス層用原料とからな
り,上記着色フェイス層用原料は,着色料を混入してい
ることが好ましい(請求項12)。この場合には,着色
フェイス層用原料が着色料を混入しているので,意匠面
に配される着色フェイス層を任意の色に着色することが
できる。
【0032】また,上記着色フェイス層用原料に混入し
た着色料は,無機顔料であることが好ましい(請求項1
3)。この場合には,意匠面の色を変色させることな
く,長期間に渡り維持することができる。
【0033】
【実施例】本発明の実施例にかかる着色建築板及びその
製造方法につき,図1〜図15を用いて説明する。本例
の着色建築板1は,図1に示すごとく,谷部15と該谷
部15の間に形成された山部14とからなる意匠面を有
すると共に,該意匠面が着色されている。
【0034】図2に示すごとく,上記意匠面は,上記谷
部15における谷底面151と,上記谷部15における
谷側面152のうち上記谷底面151と連続する部分と
に,谷部色を発現する谷部色層30を設けている。ま
た,上記山部14における山頂面141と,上記谷側面
152のうち上記山頂面141と連続する部分とに,上
記谷部色と異なる山部色を発現する山部色層20を設け
ている。また,上記谷部色層30と上記山部色層20と
は,連続して形成してある。
【0035】また,図3に示すごとく,上記谷側面15
2に設けられた谷部色層30は,上記谷底面151から
上記山頂面141へ向かって,上記谷部色が薄くなるよ
うに色彩が階調変化している。また,図3に示すごと
く,上記谷側面152における上記谷底面151と連続
する領域には,後述する型板4の凸部41に形成した突
起部43(図7(B),図8)によって形成される微小
な窪み部153が多数形成されている。そして,この領
域において谷底面151から山頂面141へ近付くほ
ど,上記窪み部153の数は増加している。
【0036】本例における着色建築板1は,セメント,
珪砂,木材フレーク,木材粉などを主材とする窯業系着
色建築板である。また,上記意匠面における最表層に
は,透明なクリヤー層17が形成されている。
【0037】また,図2に示すごとく,上記着色建築板
1の基材10は,上記意匠面を構成する着色フェイス層
130と,上記基材10の裏側面を構成するバックフェ
イス層110と,上記着色フェイス層130とバックフ
ェイス層110との間に配設されたコア層120とから
なる。そして,上記着色フェイス層130は基材色を発
現する。
【0038】次に,上記着色建築板1の製造方法につ
き,図4〜図15を用いて説明する。以下に説明する製
造方法は,木質セメント板のような窯業系建築板の乾式
製造方法を基本製法とするものである。図4,図5に示
すごとく,上記着色建築板1を製造するに当っては,以
下の準備工程,型板凸部着色工程,型板凹部着色工程,
原料散布工程,成形転写工程,及び養生工程を行なう。
【0039】即ち,準備工程においては,図4(A)に
示すごとく,上記意匠面の上記谷部15を成形するため
の凸部41と,該凸部41の間に形成され上記意匠面の
山部14を成形するための凹部42とを有する型板4
(図6)を準備する。なお,型材質としては,例えばF
RPを使用する。また,型板4には,離型剤がスプレー
塗布される。
【0040】次に,型板凸部着色工程においては,図4
(B),図10に示すごとく,該型板4の上記凸部41
の上面411と,該上面411から連続する上記凸部4
1の側面415の上部領域416とに,谷部色を発現す
る谷部色インク3を塗布する。
【0041】次に,型板凹部着色工程においては,図4
(C),図13に示すごとく,型板4の上記凹部42の
底面421と,該底面421から連続する上記凸部41
の側面415の下部領域417とに,上記谷部色とは異
なる山部色を発現する山部色インク2を塗布する。
【0042】次に,原料散布工程においては,図4
(D)〜(F)に示すごとく,上記谷部色インク3及び
山部色インク2が塗布された上記型板4の上から,基材
原料を散布して堆積させる。
【0043】次に,成形転写工程においては,図5
(G)に示すごとく,上記型板4上に基材原料を堆積し
たものを多段に積み重ねてプレスし,熱硬化させて成形
品中間体18を成形すると共に,上記型板4に塗布した
上記谷部色インク3及び山部色インク2を上記成形品中
間体18に転写する。その後,図5(H)に示すごとく
脱型した上記成形品中間体18を,次順のオートクレー
ブ養生工程において養生する。なお,上記成形品中間体
18の表面に,インラインシーラを塗布し,乾燥してか
ら養生工程へ移行させることにより,エフロレッセンス
の発生を効果的に抑制することができる。
【0044】以下において,上記の製造方法につき詳し
く説明する。まず,上記型板4は,図6に示すごとく,
少なくとも1枚の着色建築板1を製造できる長さ,幅を
有し,上記凸部41によって格子状に区切られており,
その間に上記凹部42が形成されている。そして,上記
凸部41の上面411が着色建築板1の谷底面151
に,上記凸部41の側面415が着色建築板1の谷側面
152に,上記凹部42の底面421が着色建築板1の
山頂面141に,それぞれ対応する。
【0045】上記凹部42の底面421は,例えば岩肌
状の凹凸模様が形成されている。また,図7(A),
(B)に示すごとく,上記型板4の凸部41は,その上
面411に,上記谷部色インク3を保持するための複数
の溝部412を形成している。溝部412は,ここでは
斜格子状に形成してある。
【0046】また,図7(B),図8に示すごとく,上
記凸部41の側面415は,上記上部領域416に,多
数の突起部43を有している。該突起部43は,半径約
0.5mmの半球形状を有する。また,図8に示すごと
く,該突起部43は,上記凸部41の上面411から上
記凹部42の底面421へ向かって徐々に配設密度が高
くなっている。例えば,上記上部領域416の最上部分
における上記突起部43の配設密度を,面積比にして約
20%とし,上記上部領域416の最下部分における上
記突起部43の配設密度を,面積比にして約90%とす
ることができる。
【0047】次に,上記型板凸部着色工程(図4
(B))における谷部色インク3の型板4への塗布は,
図9に示すごとく,ロールコータ5を用いて行う。該ロ
ールコータ5は,ゴム製のロール表面を有する塗布ロー
ル53を有し,該塗布ロール53のゴム硬度は15〜3
0度である。
【0048】即ち,上記塗布ロール53は,芯ロール5
1の表面に,上記ゴム硬度のゴム52を巻製してなる。
上記谷部色インク3は,上記塗布ロール53とこれに転
接されるドクターロール55との間に供給される。そし
て,図10に示すごとく,塗布ロール53により,型板
4の凸部41の上面411及び側面415の上部領域4
16に,谷部色インク3が塗布される。
【0049】即ち,谷部色インク3が表面に供給された
上記塗布ロール53が,図9(B)に示すごとく,上記
型板4の凸部41に押圧されたとき,該凸部41が上記
塗布ロール53に食い込む。これにより,谷部色インク
3は,凸部41の上面411,及び上記上部領域416
に,付着,保持される。上記型板4は,図9(A)に示
すごとく,コンベア7によって移動され,その間に上記
谷部色インク3の塗布が行なわれる。
【0050】次に,上記型板凹部着色工程(図4
(C))における山部色インク2の型板4への塗布は,
図11に示すごとく,インクジェット印刷機6を用いて
行う。該インクジェット印刷機6は,コンベア7によっ
て搬送される型板4の上方に配置する。上記インクジェ
ット印刷機6は,図11,図12に示すごとく,インク
ジェットヘッド61に複数のノズルユニット62を有す
る。そして,該ノズルユニット62は,型板4の進行方
向(図11の矢印V)に直行する方向に,所定のピッチ
で並列して配設されている。また,各ノズルユニット6
2は,シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4色の
インクをそれぞれ噴射するノズル62c,62m,62
y,62kを有する。
【0051】そして,上記型板41の走行に合せて,所
定のタイミングで,所定の上記ノズルユニット62のノ
ズル62c,62m,62y,62kから,所定の色の
インクを噴射することにより,上記型板4における所望
の位置に山部色インク2を塗布する。なお,図11に示
すごとく,上記コンベア7の進行方向(矢印V)に対し
て左右の両脇には,上記型板4の移動をガイドするガイ
ド板71が配設してあり,上記山部色インク2が,型板
4における正確な位置に塗布されるように構成してあ
る。
【0052】次に,谷部色インク3及び山部色インク2
を塗布した型板4には,図14に示すごとく,基材原料
を散布,堆積させる原料散布工程を行なう。即ち,図1
4に示すごとく,コンベア7により,搬送板73に載置
した(或いは接着された)上記型板4を移送させなが
ら,該型板4上に順次,基材原料を供給する。原料散布
工程において散布する基材原料は,上記型板4の上に最
初に散布する着色フェイス層用原料13と,次いでその
上に散布するコア層用原料12と,最後に散布するバッ
クフェイス層用原料11とからなる。上記着色フェイス
層用原料13は,上記基材色を発現する着色料を混入し
ている。
【0053】上記型板4への基材原料の供給に当って
は,まず最初に型板4上に原料供給コンベア761を介
して着色フェイス層用原料13を供給する。次いで,上
記着色フェイス層用原料13の上に原料供給コンベア7
62を介してコア層用原料12を供給し,更にその上に
原料供給コンベア763を介してバックフェイス層用原
料11を供給する。各原料は,ホッパー751,75
2,753より供給される。また,型板4上に供給され
た各原料は,ならしロール771,772,773によ
って所定厚みに調整される。
【0054】これにより,上記図4(F)に示すごと
く,型板4上に着色フェイス層用原料13,コア層用原
料12,バックフェイス層用原料11を順次堆積させた
堆積物19を得る。なお,着色フェイス層用原料13及
びバックフェイス層用原料11は,基材10の表裏面層
を緻密に形成するための配合組成が採用されている(後
述参照)。
【0055】次に,上記堆積物19は,成形転写工程に
移される。この工程においては,図5(G)に示すごと
く,型板4上に上記堆積物19を載せたもの190を,
例えば10段積み上げ,これらに上下方向の圧力(例え
ば30〜40kg/cm2)をかけてプレスする。更
に,この状態で50〜80℃の雰囲気温度下で,6〜1
5時間放置して硬化させる。このとき,上記型板凸部着
色工程及び型板凹部着色工程において上記型板4に塗布
しておいた谷部色インク3及び山部色インク2が,着色
フェイス層用原料13の当接面に転写される。
【0056】次に,上記硬化処理後は,図5(H)に示
すごとく,型板4から成形品中間体18を脱型する。次
に,上記成形品中間体18はオートクレーブ内に入れら
れ,養生させる。養生工程においては,通常,圧力6〜
11kg/cm2,飽和蒸気温度160〜180℃,5
〜10時間処理する。これにより,セメントとケイ酸含
有物質とのケイ酸カルシウム反応が完全に行なわれると
共に全体が完全に硬化する。これにより,図1,図2に
示した上記の着色建築板1が得られる。
【0057】次に,図15は,上記工程の主要部と型板
4の流れ,着色建築板1の製品化までの流れを例示して
いる。即ち,上記各層用の3種類の基材原料は,それぞ
れ調合された後,コンベア上を移動する型板4の上に順
次供給散布され,堆積物19とされる。次いで,60〜
80℃,6〜15時間の成形転写工程の後,脱型が行な
われ,成形品中間体18と型板4とに分離される(図5
(H))。
【0058】そして,上記型板4は,ブラッシング,バ
キューム等により表面の清掃処理が行われ,更に型面に
離型剤が塗布され,更に谷部色インク3が塗布される型
板凸部着色工程(図9),山部色インク2が塗布される
型板凹部着色工程(図11)に送られる。そして,再び
原料散布工程(図14)に移送される。
【0059】一方,脱型された成形品中間体18は,次
順のオートクレーブによる養生工程に送られ165℃,
7時間養生されて,木質系セメント原板となる。次い
で,該木質系セメント原板の乾燥を行ない,更に所望の
大きさに切断を行ない,切削加工により実部を形成した
後,原板表面のブラッシングを行なう。次いで,ロール
コータにて原板裏面へのバックシーラ塗布を行なう。更
に,実部へのシーラ塗布を行ない乾燥した後,意匠面の
クリヤー塗装(図2に示すクリヤー層17の形成)を行
ない,乾燥を行なう。ひき続いて,実部へのコーキング
材の打設を行ない,最終製品としての着色建築板とす
る。このことから分かるように,本例の工程は,従来の
塗装工程が大幅に簡略化されている。
【0060】次に,本例における,主な材料等につき説
明する。まず,上記型板4の凸部41の上面411等に
塗布し,最終的には谷部色層30となる谷部色インク3
としては,例えばレッド系が1.3%,イエロー系が
0.9%,ホワイトが0.5%からなる水溶性無機顔料
を用いる。このものは,得られた着色建築板1における
谷部色として,ベージュ色を呈する。
【0061】一方,上記型板4の凹部42の底面421
等に塗布し,最終的には山部色層20となる山谷部色イ
ンク2としては,上述のごとく,シアン,マゼンタ,イ
エロー,ブラックの4色のインクを用い,これらによっ
て,フルカラーの所望の柄模様を構成することができ
る。そして,上記山部色層20は,下記の基材10の基
材色に重なり合って,深みのある外観を有する意匠面を
構成する。
【0062】また,着色建築板1の基材10の意匠面
は,例えばブラウン色を呈している。また,上記着色フ
ェイス層用原料13としては,ポルトランドセメント4
7%(重量比,以下同じ),珪砂30%,パーライト1
0%,木材フレーク5%,木粉5%,硫酸アルミニウム
3%とよりなる。上記木材フレークとしては,平均網目
4.5mm,平均厚み0.6mmのものを用いた。木粉
としては,平均粒径20メッシュのものを用いた。
【0063】また,上記着色フェイス層用原料13に
は,着色料として無機顔料のレッド系とイエロー系のも
のを,外添加量としてそれぞれ1.4%,0.8%添加
した。一方,コア層用原料12としては,ポルトランド
セメント46%,珪砂28%,パーライト10%,木質
繊維束10%,発泡性ポリスチレンビーズ(予備発泡
品)3%,硫酸アルミニウム3%を用いた。上記木質繊
維束としては,平均径1.0mm,長さ20mmの分枝
及びわん曲,折曲したものを用いた。
【0064】また,バックフェイス層用原料11は,上
記着色フェイス層用原料13と同じで,上記着色料は添
加されていない。なお,上記の3種類の原料には,硬化
反応のために,外添加量として30〜45%の水を加え
て,上記のごとく,型板上に供給する。また,上記着色
フェイス層130とバックフェイス層110とは,その
密度が約1.05であり,一方コア層120は密度が約
0.8である。
【0065】次に,本例の作用効果につき説明する。上
記意匠面における谷部15には,上記谷部色層30が,
上記谷底面151のみならず,谷側面152のうち上記
谷底面151と連続する部分にも,設けられている(図
2,図3)。そして,上記山部色層20が,上記山頂面
141のみならず,谷側面152のうち上記山頂面14
1と連続する部分にも,設けられている(図2,図
3)。そのため,上記谷側面152のうち,上記谷底面
151に近い部分と上記山頂面141に近い部分とで,
色彩が異なり,谷部15の奥行きが強調され,立体感を
表出することができる。
【0066】また,上記谷側面152において,谷部色
から山部色へと色彩が変化するため,違和感のない自然
な外観を得ることができる。また,上記谷部色層30と
上記山部色層20とは,連続して形成してあるため,上
記着色建築板1の基材10が部分的に露出することを防
ぎ,外観の低下を防ぐことができる。
【0067】また,図3に示すごとく,上記谷側面15
2に設けられた谷部色層30は,上記谷底面151から
上記山頂面141へ向かって,上記谷部色が薄くなるよ
うに色彩が階調変化している。そのため,上記谷部15
の奥行きが一層強調され,より立体感を表出する着色建
築板1を得ることができる。
【0068】また,図2に示すごとく,上記着色建築板
1の基材10は,上記着色フェイス層130と,上記バ
ックフェイス層110と,上記コア層120とからな
り,上記着色フェイス層130は基材色を発現する。こ
れにより,上記山部色層20の下地となる着色フェイス
層130が基材色を発現するため,上記山部色層20に
おいては,山部色の下地色として基材色が配される。そ
れ故,上記山部色層20を配した意匠面を,深みのある
意匠性に優れた外観とすることができる。
【0069】また,谷部色を上記基材色とは異なる色と
なすことによって,基材色の色を生かした特有な意匠面
を有する着色建築板1を得ることができる。また,着色
フェイス層130とバックフェイス層110とは密度を
大きく,コア層120は密度を小さくしてあるため,表
裏両面が緻密で,全体として十分な強度を持ち,しかも
軽量の窯業系着色建築板を得ることができる。
【0070】また,図2に示すごとく,上記谷部色層3
0及び山部色層20の表層には,透明なクリヤー層17
が形成されているため,上記谷部色層30及び山部色層
20を基材10に確実に固定すると共に,着色建築板1
の耐候性を向上させることができる。
【0071】また,本例の着色建築板の製造方法におい
ては,上記のごとく,型板4の上に堆積させた基材原料
をプレス,硬化させて基材10を成形する際に,予め型
板4の所定位置に塗布しておいた谷部色インク3及び山
部色インク2を上記基材10に転写する(図4,図
5)。即ち,型板凸部着色工程(図4(B))において
上記凸部41の上面411と側面415の上部領域41
6とに塗布した谷部色インク3を,成形転写工程(図5
(G))において基材10の谷底面151とこれに連続
する谷側面152の一部に転写する。これと共に,型板
凹部着色工程(図4(C))において上記凹部42の底
面421と上記凸部41の側面415の下部領域417
とに塗布した山部色インク2を,成形転写工程(図5
(G))において基材10の山頂面141とこれに連続
する谷側面152の一部に転写する。
【0072】これにより,図2,図3に示すごとく,上
記谷側面152のうち,上記谷底面151に近い部分と
上記山頂面141に近い部分とで,色彩が異なる着色建
築板1が得られる。それ故,谷部15の奥行きが強調さ
れ,立体感を表出する,着色建築板1を得ることができ
る。
【0073】また,上述のごとく,上記成形転写工程に
おいて,上記基材10の成形と上記意匠面の着色を共に
行なうことができる。そのため,従来の塗装工程を大き
く簡略化することができ,生産効率を向上させることが
できるとともに,谷部色と山部色の着色を正確に行なう
ことができる。また,上記型板4としては,従来の着色
建築板の製造に用いたものを利用できるため,作業が容
易であるとともに,製造コストも低減することができ
る。
【0074】また,図9に示すごとく,上記型板凸部着
色工程における谷部色インク3の型板4への塗布は,ロ
ールコータ5を用いて行う。これにより,型板4の凸部
41の上面411,及び側面415の上部領域416と
に対して,均一かつ容易に,谷部色インク3を塗布する
ことができる。
【0075】また,上記ロールコータ5は,ゴム製のロ
ール表面を有する塗布ロール53を有し,該塗布ロール
のゴム硬度は,15〜30度である。そのため,上記谷
部色インク3を,上記型板4の凸部41の上面411及
び側面415の上部領域416に,正確に塗布すること
ができる。即ち,図9(B)に示すごとく,上記塗布ロ
ール53の表面が,その柔軟性により,上記型板4の凸
部41の上面411のみならず側面415にも密着し
て,該側面415の上部領域416に,正確に谷部色イ
ンク3を塗布することができる。その結果,所望の意匠
面を有する着色建築板1を確実に得ることができる。
【0076】また,上記塗布ロール53による上記凸部
41の上部領域416への押圧力は,上面411側から
下部領域417側へ向かって徐々に小さくなる。そのた
め,上部領域416においては,上面411側から下部
領域417側へ向かって徐々に谷部色インク3の付着量
が減少する。その結果,得られる着色建築板1の谷側面
152には,谷底面151から山頂面141へ向かって
徐々に谷部色が薄くなるよう,谷部色インク層30を形
成することができる。
【0077】また,上記型板凹部着色工程における山部
色インク2の型板4への塗布は,インクジェット印刷機
6を用いて行う(図11)。これにより,容易かつ確実
に,上記型板4に山部色インク2を塗布することができ
る。また,例えば,フルカラーの複雑な柄模様を上記型
板4に塗布し,該柄模様を,山頂面141等に印刷する
ことができる。また,上記インクジェット印刷機6を用
いることにより,例えば,複数の型板4を搬送して,各
型板4に対して異なる柄模様を塗布することも可能であ
る。そのため,異なる柄模様の意匠面を有する着色建築
板1の,小ロット多品種生産に容易に対応することがで
きる。
【0078】また,図7に示すごとく,上記型板4の凸
部41は,その上面411に,上記複数の溝部412を
形成してなる。これにより,図10に示すごとく,凸部
41の上面411に塗布された谷部色インク3を,上記
複数の溝部412によって,より確実に,多く保持する
ことができる。そのため,着色建築板1の谷底面151
に対して,確実に,多くの谷部色インク3を転写するこ
とができ,鮮明な谷部色を発現させることができる。
【0079】また,図7(B),図8に示すごとく,上
記凸部41の側面415は,上記上部領域416に,多
数の突起部43を有している。これにより,図10に示
すごとく,上記谷部色インク3を,主として上記多数の
突起部43の間に,確実かつ充分に保持することができ
る。そのため,着色建築板1の谷側面152のうち上記
山頂面141と連続する部分に対して,確実に,多くの
谷部色インク3を転写することができ,鮮明な谷部色を
発現させることができる。また,上記突起部43は,上
部領域416に塗布した谷部色インク3を保持し,型板
4の凹部42に谷部色インク3が垂れることを防ぐこと
ができる。それ故,正確に谷部色インク3を基材10に
転写することができる。
【0080】また,図8に示すごとく,上記突起部43
は,上記凸部41の上面411から上記凹部42の底面
421へ向かって徐々に配設密度が高くなっている。上
記突起部43の間隔が広くなることにより,上面411
側から下部領域417側へ向かって徐々に谷部色インク
3の付着量が減少しやすくなる。その結果,得られる着
色建築板1の谷側面152には,谷底面151から山頂
面141へ向かって徐々に谷部色が薄くなるよう,谷部
色インク層3を形成することが容易となる。
【0081】また,上記谷部色インク3は,水溶性無機
顔料であるため,谷部色インク3を容易に型板4の凸部
41の上面411及び側面415の上部領域416に塗
布することができると共に,耐久性のある谷部色層30
を形成することができる。
【0082】また,上記原料散布工程において散布する
基材原料は,着色フェイス層用原料13と,コア層用原
料12と,バックフェイス層用原料11とからなり,上
記着色フェイス層用原料13は,着色料を混入してい
る。即ち,着色フェイス層用原料13が着色料を混入し
ているので,意匠面に配される着色フェイス層130を
任意の色に着色することができる。また,上記着色フェ
イス層用原料130に混入した着色料は,無機顔料であ
るため,意匠面の色を変色させることなく,長期間に渡
り維持することができる。
【0083】以上のごとく,本例によれば,充分な立体
感を表出する着色建築板及びその製造方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における,着色建築板の斜視図。
【図2】実施例における,着色建築板の断面斜視図。
【図3】実施例における,着色建築板の谷部の斜視図。
【図4】実施例における,着色建築板の製造順序を示す
図で,(A)型板の断面図,(B)型板に谷部色インク
を塗布した状態の説明図,(C)型板に山部色インクを
塗布した状態の説明図,(D)型板上に着色フェイス層
用原料を散布した状態の説明図,(E)更にその上にコ
ア層用原料を散布した状態の説明図,(F)更にその上
にバックフェイス層用原料を散布した状態の説明図。
【図5】図4に続く図で,(G)成形,転写工程の説明
図,(H)脱型時の説明図。
【図6】実施例における,(A)型板の平面図及び
(B)断面図。
【図7】実施例における,型板の凸部の(A)平面図,
(B)断面図。
【図8】実施例における,型板の凸部の斜視図。
【図9】実施例における,(A)型板の凸部へ谷部色イ
ンクを塗布する説明図,(B)(A)の拡大図。
【図10】実施例における,型板の凸部に谷部色インク
を塗布した状態の,(A)断面図,(B)斜視図。
【図11】実施例における,型板に山部色インクを塗布
する説明図。
【図12】実施例における,インクジェット印刷機のイ
ンクジェットヘッドの下面図。
【図13】実施例における,型板の凸部に谷部色インク
及び山部色インクを塗布した状態の斜視図。
【図14】実施例における,型板上へ順次,着色フェイ
ス層用原料,コア層用原料,バックフェイス層用原料を
散布する工程の説明図。
【図15】実施例における,着色建築板の製造工程の説
明図。
【図16】従来例における,着色建築板の断面斜視図。
【符号の説明】
1...着色建築板, 10...基材, 14...山部, 141...山頂面, 151...谷底面, 152...谷側面, 2...山部色インク, 20...山部色層, 3...谷部色インク, 30...谷部色層, 4...型板, 41...凸部, 42...凹部, 5...ロールコーター, 6...インクジェット印刷機,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04F 13/08 E04F 13/08 E Fターム(参考) 2E110 AA57 BA12 BB04 BB22 EA09 GA33W GB23W 4D075 AC07 AC23 AC44 CA32 CA47 CB26 CB33 CB40 DA07 DA31 DB12 DB24 DC03 EA05 EA33 EC11

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 谷部と該谷部の間に形成された山部とか
    らなる意匠面を有すると共に,該意匠面が着色された着
    色建築板において,上記意匠面は,上記谷部における谷
    底面と,上記谷部における谷側面のうち上記谷底面と連
    続する部分とに,谷部色を発現する谷部色層を設け,上
    記山部における山頂面と,上記谷側面のうち上記山頂面
    と連続する部分とに,上記谷部色と異なる山部色を発現
    する山部色層を設けてなり,かつ,上記谷部色層と上記
    山部色層とは,連続して形成してあることを特徴とする
    着色建築板。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記谷側面に設けら
    れた谷部色層は,上記谷底面から上記山頂面へ向かっ
    て,上記谷部色が薄くなるように色彩が階調変化してい
    ることを特徴とする着色建築板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記着色建築
    板の基材は,上記意匠面を構成する着色フェイス層と,
    上記基材の裏側面を構成するバックフェイス層と,上記
    着色フェイス層とバックフェイス層との間に配設された
    コア層とからなり,上記着色フェイス層は基材色を発現
    することを特徴とする着色建築板。
  4. 【請求項4】 谷部と該谷部の間に形成された山部とか
    らなる意匠面を有すると共に,該意匠面が着色された着
    色建築板を製造する方法において,上記意匠面の上記谷
    部を成形するための凸部と,該凸部の間に形成され上記
    意匠面の山部を成形するための凹部とを有する型板を準
    備する準備工程と,該型板の上記凸部の上面と,該上面
    から連続する上記凸部の側面の上部領域とに,谷部色を
    発現する谷部色インクを塗布する型板凸部着色工程と,
    該型板の上記凹部の底面と,該底面から連続する上記凸
    部の側面の下部領域とに,上記谷部色とは異なる山部色
    を発現する山部色インクを塗布する型板凹部着色工程
    と,上記谷部色インク及び山部色インクが塗布された上
    記型板の上から,基材原料を散布して堆積させる原料散
    布工程と,上記型板上に堆積した基材原料をプレスし,
    硬化させて基材を成形すると共に,上記型板に塗布した
    上記谷部色インク及び山部色インクを上記基材に転写す
    る成形転写工程と,成形した上記基材を養生する養生工
    程とを行うことを特徴とする着色建築板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記型板凸部着色工
    程における谷部色インクの型板への塗布は,ロールコー
    タを用いて行うことを特徴とする着色建築板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項5において,上記ロールコータ
    は,ゴム製のロール表面を有する塗布ロールを有し,該
    塗布ロールのゴム硬度は,15〜30度であることを特
    徴とする着色建築板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか一項において,
    上記型板凹部着色工程における山部色インクの型板への
    塗布は,インクジェット印刷機を用いて行うことを特徴
    とする着色建築板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれか一項において,
    上記型板の凸部は,その上面に,上記谷部色インクを保
    持するための複数の溝部を形成してなることを特徴とす
    る着色建築板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項4〜8のいずれか一項において,
    上記凸部の側面は,上記上部領域に,多数の突起部を有
    していることを特徴とする着色建築板の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9において,上記突起部は,上
    記凸部の上面から上記凹部の底面へ向かって徐々に配設
    密度が高くなっていることを特徴とする着色建築板の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 請求項4〜10のいずれか一項におい
    て,上記谷部色インクは,水溶性無機顔料であることを
    特徴とする着色建築板の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項5〜11のいずれか一項におい
    て,上記原料散布工程において散布する基材原料は,上
    記型板の上に最初に散布する着色フェイス層用原料と,
    次いでその上に散布するコア層用原料と,最後に散布す
    るバックフェイス層用原料とからなり,上記着色フェイ
    ス層用原料は,着色料を混入していることを特徴とする
    着色建築板の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12において,上記着色フェイ
    ス層用原料に混入した着色料は,無機顔料であることを
    特徴とする着色建築板の製造方法。
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