JP4377179B2 - 無機質化粧板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石柄調、陶磁器タイル柄調、土壁柄調、レンガ柄調等の高級外観を有する無機質化粧板の製造方法に関し、特に外壁材に用いるに好適な、装飾性、耐久性に優れた無機質化粧板を生産性良く製造することができるものに関する。
従来から、無機質基板の表面にエンボス凹凸模様を形成し、さらにその表面に着色塗装やインクジェット印刷等の表面化粧を施して、石柄調、陶磁器タイル柄調、レンガ柄調等の装飾面に形成した外壁材等に用いる無機質化粧板は良く知られている。
この無機質化粧板は、セメントを主原料とする組成物を、湿式抄造法或いは半乾式成形法で成形した未硬化無機質マットの表面を型ロールや型板で押圧して所望の凹凸模様付けを行い、その表面に下地シーラー塗装を行った後、着色塗料による塗装や斑点塗装、或いはインクジェットによる印刷等の装飾加工を行い、最上層に透明性クリアー塗装を施すことにより製造されている。
しかしながら、このような無機質化粧板は、有機物質の多い塗料やインクによって装飾するものであるので、石材や陶磁器タイル等の有する自然感、質感を現出させるには、不十分であり限界があるとともに、永年の使用により塗膜劣化や変退色を生じて外観を悪くする等その耐久性は、基材である無機質基板の耐久性が優れているだけに、十分満足できるものではなかった。
また、上記従来の塗装仕上げの場合、下塗り、中塗り、上塗り、トップ塗装等の塗装工程や、印刷工程が必要であり、このための塗料の貯蔵・調合・乾燥工程等多くの煩雑な工程や設備を必要とするため、生産性や生産作業性が悪いという問題点があった。
このため、例えば、特開平5−194059号、特開平11−226491号に記載のあるように、無機質基板に珪砂などの装飾用粉粒状物を固着させて模様付けを行なうことにより、塗装工程を簡略化でき、また、自然観や質感或いは耐候性を向上させることのできる無機質化粧板の製造方法も知られている。
しかしながら、上記方法においては、塗装仕上げをする場合の問題点はある程度改善できるものの、装飾用粉粒状物を所望する模様状にコントロール性良く散布することは極めて困難であった。このため、装飾用粉粒状物を所望する模様状に精度良く固着するためには、特開平11−333981号にその一例を示すように、基板に所望の模様状に糊付けをした後、この表面に粉粒状物を散布し、糊付け模様部分以外の部分に散布された余剰の粉粒状物を除去する方法等の煩雑な工程が必要であり、生産性が良くなかった。
また、特開平5−253909号及び特開平3−49904号に記載されているように、着色粒状物を接着したマットやシートにコンクリート等のセメント混和物を流し込んで硬化させ、この硬化後にシートやマットを剥離除去して粒状物をコンクリート面等に反転埋設させる方法も知られている。
特開平5−194059号 特開平11−226491号 特開平11−333981号 特開平5−253909号 特開平3−49904号
しかしながら、この方法においては、流動性のあるコンクリート等を流し込むのでマットやシートに高い剛性が必要であるか、或いは別途型枠が必要である。また、流動物を流し込むので型枠を容器状にする必要があり、更には、このような流動物を硬化させるには長時間を要するとともに、型枠の解体脱型作業やシートの剥離除去作業に非常な手間がかかる。このため、上記方法は、建築現場においてコンクリートを打設する際に打設面に模様付けする場合には適用できるが、湿式抄造法や半乾式成形法を用いて工場で連続的に多量生産されている無機質化粧板の製造ラインへの適用は、生産性が著しく低下するため不可能であった。
本発明は、かかる従来の欠点に鑑みなされたもので、石材調柄、陶磁器タイル調柄、土壁調柄、レンガ調柄等の高級感のある外観を有する無機質化粧板に、装飾用粉粒状物による、自然感、質感、耐候性に優れた所望する任意の着色模様を、精度並びに生産性良く形成することができ、また、シートの剥離除去作業を効率的に行うことのできる無機質化粧板の製造方法を提供することを目的とする。
本目的を達成するために、請求項1の発明に係る無機質化粧板の製造方法は、セメントを主原料とする組成物を成形して未硬化無機質マットに形成し、該未硬化無機質マットの表面に、加温により接着力が低減する接着剤によって装飾用粉粒状物をフィルム状基体に接着した装飾用粉粒状物接着シートとエンボス成形型材とを、上記接着シートの装飾用粉粒状物接着面が未硬化無機質マットの表面に対向するように積層配置し、次いで該積層物、或いは該積層物を複数組段積みした段積物を加圧圧締して、表面にエンボス凹凸模様が形成されてなるとともに該エンボス凹凸模様面に上記接着シートの装飾用粉粒状物が反転固着された未硬化無機質板に形成し、該未硬化無機質板を1次養生して水和半硬化させた後の加温状況下で、接着力が低減したフィルム状基体を無機質板から剥離し、次いでオートクレーブ養生する構成とした。
請求項2の発明に係る無機質化粧板の製造方法は、未硬化無機質マットの表面に、予め装飾用粉粒状物接着シートを装着したエンボス成形型材を載置することにより、装飾用粉粒状物接着シートとエンボス成形型材とを積層配置する構成とした。
請求項3の発明に係る無機質化粧板の製造方法は、接着剤が、40℃〜80℃の範囲内の加温下で接着力が低減するものであり、養生後の加温状況が、セメントの水和反応による反応熱の蓄積によって、又は該反応熱の蓄積を主として形成される、40℃〜80℃の範囲内の温度である構成とした。
請求項4の発明に係る無機質化粧板の製造方法は、フィルム状基体が、厚さ5μm〜500μmの柔軟な熱可塑性樹脂フィルムからなる構成とした。
請求項5の発明に係る無機質化粧板の製造方法は、未硬化無機質マットが、セメントに木質材料を混合した半乾式組成物を半乾式成形した、表裏面層と芯層の3層構成に形成され、少なくともその表面層は着色顔料の混入による着色表面層に形成されている構成とした。
請求項1の発明によると、上記従来の装飾用粉粒状物を散布する方法のような散布パターンのばらつきがなく、また散布装置も必要ないため、装飾用粉粒状物が所望の任意模様に反転固着された無機質化粧板を、精度良く、また生産性良く製造することができる。また、未硬化無機質マットの表面に、装飾用粉粒状物接着シートを型板とともに積層配置するだけでセットすることができるとともに、一次養生後の水和反応熱を利用して、フィルム状基体の接着力を低減させた状態で無機質板からフィルム状基体を良好に剥離除去することができるので、前記従来のコンクリート等の流し込み成形の場合のように、成形、硬化、脱型、シート剥離等に多大な時間と手間を必要とせず、無機質化粧板の製造ラインに適用して生産性良く製造することができる。
請求項2の発明によると、装飾用粉粒状物接着シートを、予めエンボス型材に装着しているので、接着シートとエンボス型材とを別個に無機質マットの表面に配置したり位置合わせをしたりする手間を省くことができ、生産性を一層高めることができる。
請求項3の発明によると、一次養生後の水和反応熱の蓄積による加温状況を有効に利用して装飾用粉粒状物接着シートのフィルム状基体を作業性良く、且つ良好に剥離することができる。
請求項4の発明によると、フィルム状基体に薄くて柔軟な熱可塑性樹脂フィルムを用いているので、エンボス成形型材による押圧成形時に、無機質マット表面の形状変化に良好に追従して、成形と同時に未硬化無機質板の表面に精度よく装飾用粉粒状物を反転固着させることができる。
請求項5の発明によると、セメントに木質材料を配合した半乾式組成物により無機質マットを形成するものであるので、湿式抄造で成形する場合に較べて嵩高いマットに形成することができ、深さのあるエンボス凹凸模様を容易に成形できるとともに、排水処理の問題もない。また、その少なくとも表面層は着色顔料が混入された着色表面層に形成されているので、この表面層の着色と、装飾用粉粒状物の色調並びに粉粒感とが相俟って無機質化粧板の装飾性を一層向上させることができる。
図1の(a)〜(d)は、本発明の無機質化粧板(A)の製造方法の実施形態を示す説明図である。図1の(a)において、(1)は装飾用粉粒状物接着シートであり、フィルム状基体(2)の表面に、加温により接着力が低減する接着剤を塗布して形成した接着層(3)によって、装飾用粉粒状物(4)が接着されて形成されている。
ここにおいて、フィルム状基体(2)としては、厚さが5μm〜500μmの柔軟なポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなる薄いフィルム状ないしシート状のものを用いることができる。フィルム状基体(2)の厚さが5μm未満となると、製造時の取り扱い性が悪くなるとともに、加圧圧締時に破損することがあり、また、500μmを超えるとエンボス凹凸模様(9)への装飾用粉粒状物接着シート(1)の追従性が悪くなり、装飾用粉粒状物(4)の反転固着位置がズレたり、エンボス成形型材(5)による加圧圧締成形性が悪くなるので好ましくない。
即ち、フィルム状基体(2)は、未硬化無機質マット(6)をエンボス成形型材(5)でエンボス凹凸模様(9)に成形する時の未硬化無機質マット(6)の形状変化に追従する柔軟な追従性と強度を備えていることが必要であり、このためには、その厚さが5μm〜500μmの範囲にあるのが良く、更には10μm〜200μmの範囲にあるのが更に好ましい。
また、加温により接着力が低減する接着剤としては、40℃〜80℃の範囲内の加温下で接着力が低減する接着剤であることが望ましい。40℃未満の温度で接着力が低減する接着剤を用いると、製造時等において装飾用粉粒状物(4)が装飾用粉粒状物接着シート(1)から脱落することがあり、また、80℃を超えると、1次養生後にフィルム状基体(2)を無機質板(8)から剥離する作業性が悪くなるので好ましくない。
このような接着剤としては、例えば、溶剤タイプの接着剤としてアクリルゴム系接着剤、スチレンブタジエンゴム系接着剤があり、また水系接着剤としては、水性アクリル樹脂系接着剤、エチレン酢ビ共重合樹脂接着剤、水性ビニルウレタン樹脂接着剤がある。このような接着剤は、加温状況の設定温度や用いるフィルム状基体(2)との馴染み性を考慮して、その種類を選択することができる。例えば、フィルム状基体(2)として、ポリエチレンフィルムを用いた場合には、水系接着剤よりも、溶剤系接着剤の方が、ハジキが少なく馴染みが良いので好ましい。
装飾用粉粒状物(4)としては、天然石・ガラス・瓦や陶器片等の陶磁器類の粉砕物、珪砂、着色砂等の人工着色骨材、雲母、着色樹脂粒、ベンガラ・酸化チタン・酸化クロム・カーボンブラック等の無機質顔料などの一種又は複数種を選択して用いることができる。
また、このような装飾用粉粒状物(4)は、3mm未満の細かな径ものが好ましい。3mm径を超える粗なものは、装飾的に不自然になるとともに、エンボス成形型材(5)の小凹凸部(5c)によって表現することができるからである。
フィルム状基体(2)への装飾用粉粒状物(4)の接着パターンは、装飾用粉粒状物(4)がフイルム状基体(2)の表面全面に、均一、或いは不均一に接着されていても良く、また、部分的な模様状に接着されていても良い。部分的な模様状の接着の例として、例えば無機質化粧板(A)に目地溝状凹部を形成する場合には、この目地溝状凹部に対応するフィルム状基体(2)の位置に集中して装飾用粉粒状物(4)を接着しておくことができる。その他任意の模様状に装飾用粉粒状物(4)をフィルム状基体(2)の表面に接着することで、無機質化粧板(A)の装飾性を向上させることができる。
図1の(b)は、前記装飾用粉粒状物接着シート(1)を、エンボス成形型材(5)とともに、未硬化無機質マット(6)の表面に積層配置する状態を示す。(7)は未硬化無機質マット(6)を支持し、該マット(6)のエンボス成形用型材(5)による加圧圧締成形時に下型枠にもなる、金属製やFRP製の支持プレートである。
未硬化無機質マット(6)は、セメントに木質材料を混合した組成物を主原料とする半乾式組成物を半乾式成形用フォーミング装置によって成形して形成した、表裏面層(6a)(6c)と芯層(6b)からなる3層構成であり、その少なくとも表面層(6a)は、該表面層(6a)を形成する半乾式組成物に着色顔料を混入して成形した着色表面層に形成されている。
上記半乾式組成物のセメントとしては、ポルトランドセメント、アルミナセメント、スラッグセメント、フライアッシュセメント、シリカセメント、石膏等のセメント類、或いはこれらセメント類に、珪砂、シラス、珪石粉などのケイ酸質材料を混合したものを用いることができる。また、木質材料としては、木材片、木材フレーク、木繊維束、古紙繊維、パルプ、漂白クラフトパルプ、鋸屑、木粉、或いは木質セメント板廃材の粉砕物などを用いることができる。
また、着色顔料としては、耐候性に優れている点で無機質系顔料を主に用いるのが好ましく、ベンガラなどの天然、合成の酸化鉄類、酸化チタン、カーボンブラック、酸化クロムなどを用いることができる。尚、これら無機質顔料に、一部有機質顔料を加えて用いることもできる。
この他に、パーライト、シラスバルーン等の無機発泡体、或いは硬化促進剤、エフロレッセンス防止剤、耐水性付与剤などのケミカル類等公知の添加物を添加しておくことができる。
半乾式成形用組成物の一例を示すと、芯層(6b)用半乾式成形用組成物として、ポルトランドセメント40重量部〜60重量部、珪砂等の珪酸質原料10重量部〜25重量部、木材フレーク等の粗い木質材料10重量部〜25重量部、パーライト等の無機質発泡体10重量部〜25重量部、水35重量部〜60重量部からなるものを挙げることができる。また、表裏面層(6a)(6b)用半乾式成形用組成物として、上記芯層(6b)用半乾式成形用組成物において、木質材料に小さな木材フレークやパルプ等の細かな木質材料を用いること、及び着色顔料を0.5重量部〜10重量部程度加えることを除いて、上記芯層(6b)用の組成物と同様な組成物とその混合割合からなるものを挙げることがでる。
尚、未硬化無機質マット(6)としては、上記半乾式成形により成形されるものが、湿式抄造で成形されるものよりも、嵩高いので深いエンボス成形が容易に行えるとともに、排水処理などの心配もなく好適であるが、湿式抄造後に脱水成形されたグリーンシートを未硬化無機質マット(5)として用いることを拒むものではない。
未硬化無機質マット(6)は、前記半乾式成形用組成物を、移動する支持プレート(7)の上に、裏面層(6c)用、芯層(6b)用、着色表面層(6a)用の順に、半乾式成形用フォーミング装置から落下させて堆積させた嵩高いマットであり、この無機質マット(6)の表面に、前記装飾用粉粒状物接着シート(1)を該接着シート(1)の装飾用粉粒状物接着面を下向きにして無機質マット(6)の表面と対向するように載置する。
次いで、上記装飾用粉粒状物接着シートの上に、エンボス成形型材(5)を載置して、装飾用用粉粒状物接着シート(1)とエンボス成形型材(5)とを未硬化無機質マット(6)の表面に積層配置する。尚、本実施形態では、エンボス成形型材(5)は、無機質化粧板に溝状凹部(9a)を形成するためのエンボス凸部(5a)と、化粧面凸部(9b)を形成するためのエンボス凹部(5b)と、化粧面凸部(9b)の表面の細かな凹凸面(9c)を表現するためのエンボス小凹凸部(5c)とが形成されているものを示したが、これに限るものではない。
尚、ここにおいて、エンボス成形型材(5)の表面に、予め装飾用粉粒状物接着シート(1)を粘着剤等により仮固着して装着しておくこともできる。この場合は、未硬化無機質マット(6)の表面への上記接着シート(1)とエンボス成形型材(5)との積層配置を一度に行うことができるので生産作業を効率化することができる。
このように、上からエンボス成形型材(5)、装飾用粉粒状物接着シート(1)、未硬化無機質マット(6)、支持プレート(7)の順に積層配置された積層物は、その複数組を段積みして段積物とし、この段積物を加圧圧締する。
図1の(c)は、上記未硬化無機質マット(6)の段積物を加圧圧締して、未硬化無機質マット(6)を圧縮し、未硬化無機質板(8)の表面にエンボス凹凸模様(9)を転刻すると同時に、装飾用粉粒状物(4)を未硬化無機質板(8)のエンボス凹凸模様(9)表面に反転させた状態の部分図を示す。
このようにして加圧圧締された上記段積物を1次養生室に搬入し、未硬化無機質板(8)を養生する。この1次養生において、セメントの水和反応が進み、セメントが半硬化状態に硬化するとともに、水和反応熱の蓄積によって段積物は加温される。1次養生は、この水和反応熱の蓄積を利用して、40℃〜80℃程度の温度で約10時間〜15時間行い、生産上の取り扱いが十分にできる強度を発現する半硬化状態にまで硬化させる。尚、水和反応熱の蓄積だけでは、1次養生室の加温状態が不足したり、一定の温度範囲が保てない場合は、加熱蒸気等によって1次養生室の温度をコントロールすることができる。
この際、無機質板(8)のエンボス凹凸模様(9)表面に反転された装飾用粉粒状物(4)は、半硬化状態の無機質板(8)の上記表面に固着される一方、水和反応熱の蓄積によって40℃以上の温度に加温された装飾用粉粒状物接着シート(1)の接着層(3)は、その接着力が低減する。
このようにして1次養生された段積物は、1次養生室から搬出して、エンボス成形用型材(5)、装飾用粉粒状物接着シート(1)のフィルム状基体(2)、無機質板(8)、支持プレート(7)にバラバラに解体され、エンボス成形用型材(5)と支持プレート(8)は、繰り返し使用される。この解体時に、装飾用粉粒状物接着シート(1)は、40℃〜80℃の温度範囲にあることが望ましく、これによって接着力の低減状態が維持された上記接着シート(1)からフィルム状基体(2)を容易に剥離することができる。
次いで、上記で得られた無機質板(8)は、必要によりシーラー塗装等の下地塗装を施したのち、オートクレーブ養生して十分に硬化される。オートクレーブ条件は、特に限定されるものではないが、例えば130℃〜180℃の加熱蒸気下で、5時間〜15時間行うことができる。
さらに、オートクレーブ養生した無機質板(8)は、必要により側端部の合じゃくり加工等の実加工や、シーラー塗装、中塗り塗装、トップ塗装等の塗装処理が施されて無機質化粧板(A)に形成される。
セメント50重量部、珪酸質材料18重量部、パルプ等の細かな木質材料15重量部、無機質着色顔料2重量部、パーライト等の無機質発泡体15重量部、水38重量部、これに必要により硬化促進剤、エフロレッセンス防止剤、耐水性付与剤等のケミカル類を添加混合して表裏面層用半乾式成形用組成物を調整した。また、セメント50重量部、珪酸質材料20重量部、木材フレーク15重量部、パーライト15重量部、水42重量部、これに必要により硬化促進剤、エフロレッセンス防止剤、耐水性付与剤等のケミカル類を添加混合して芯層用半乾式成形用組成物を調整した。次いで、上記半乾式成形用組成物を、半乾式成形装置のフォーミングヘッドから、走行中の支持プレートに向けて、裏面層用、芯層用、表面層用の順に所定量落下させて堆積させることにより、表裏面層が着色された嵩高い未硬化無機質マットを得た。
一方、厚さ20μmのポリプロピレン樹脂からなるフィルム状基体の片面全面に、スチレンブタジエンゴム系接着剤を5g/m2 塗布して接着剤塗布層を形成し、この接着剤塗布層に、約100μmm程度の粒径の、前記表裏面層の着色とは異なる色調に着色された着色砂を約100g/m2 の割合で不均一模様状に接着することにより、装飾用粉粒状物接着シートを得た。
次いで、上記未硬化無機質マットの表面に、上記装飾用粉粒状物接着シートを、着色砂の接着面が上記無機質マット表面と対向するように載置し、その上に、所望の凹凸部を有するエンボス成形型材を載置して積層物を形成し、この積層物を複数組段積した段積物を加圧圧締して、表面にエンボス凹凸模様が形成された未硬化無機質板に形成した。
この加圧圧締した段積物を恒温装置を備えた1次養生室に搬入し、平均60℃の温度で12時間1次養生した。この1次養生において、未硬化無機質マット中のセメントが水和反応して半硬化状態になるとともに、発生する水和反応熱によって1次養生室を上記所定の温度に上昇させることができた。
この1次養生において、装飾用粉粒状物接着シートの接着剤層は約60℃に加温されてその接着力が低減するとともに、上記接着シートに接着された着色砂は半硬化状態の無機質板の凹凸表面に半埋設状態に固着される状態となった。
次いで、1次養生室から段積物を取り出し、段積物が50℃以上の加温状態にある内に、段積物を解体して無機質板を取り出す。この際、装飾用粉粒状物接着シートは、着色砂とフィルム状基体とを接着する接着剤層の接着力が低減しているとともに、着色砂が硬化の進んだ無機質板の凹凸表面に固着されているので、上記接着シートからポリプロピレン樹脂製フィルム状基体を良好に剥離することができた。また、このポリプロピレン樹脂製フィルム状基体には、破れなどの損傷はなかった。
次に、上記で得られた硬化の進んだ無機質板に、必要によりシーラー塗装等の下地塗装を行った後、オートクレーブ装置に搬入し、ピーク温度が170℃程度となるような蒸気による加熱加圧条件下で約10時間オートクレーブ処理を行って完全に硬化させ、さらに必要により側端部の合じゃくり加工等の実加工や、シーラー塗装、中塗り塗装、トップ塗装等のクリアー塗装を行って、無機質化粧板を製造した。
このようにして得られた無機質化粧板は、表面に所望のエンボス凹凸模様が形成されているとともに、このエンボス凹凸模様の表面に、表面着色層と色調の異なった着色砂が、所定の不均一模様に沿ってシャープに反転固着した、装飾性の高い外観を有していた。
厚さ100μmのポリプロピレン樹脂からなるフィルム状基体の片面に、スチレンブタジエンゴム系接着剤を10g/m2 塗布して接着剤塗布層を形成し、この接着剤塗布層に、約500μmm程度の粒径の、複数色に着色された着色砂を約50g/m2 の割合で、後述するエンボス成形型材の凸部に対応する位置に模様状に散布して接着することにより、装飾用粉粒状物接着シートを得た。
次いで、前記実施例1で得た未硬化無機質マットの表面に、上記装飾用粉粒状物接着シートを前記実施例1と同様に載置し、その上に、凹凸部を有するエンボス成形型材を載置して積層物を形成し、この積層物を実施例1と同様に段積して加圧圧締して、表面にエンボス凹凸模様が形成された未硬化無機質板に形成した。
この加圧圧締した段積物を、実施例1と同様にして1次養生室に搬入し、実施例1と同一条件で1次養生した。この1次養生において、装飾用粉粒状物接着シートの接着剤層は約60℃に加温されてその接着力が低減するとともに、上記接着シートに接着された着色砂は半硬化状態の無機質板の主に凹部表面に半埋設状態に固着される状態となった。
次いで、上記実施例1と同様にして、段積物を解体して無機質板を取り出した。この際、装飾用粉粒状物接着シートのポリプロピレン樹脂製基体は、上記実施例1に記載したのと同様に良好に剥離することができた。また、このポリプロピレン樹脂製フィルム状基体には、破れなどの損傷はなかった。
次に、上記で得られた硬化の進んだ無機質板に、実施例1と同様に、必要によりシーラー塗装等の下地塗装を行った後、オートクレーブ装置に搬入し、実施例1と同条件でオートクレーブ処理を行って完全に硬化させ、更に実施例1と同様に、必要により側端部の合じゃくり加工等の実加工や、シーラー塗装、中塗り塗装、トップ塗装等のクリアー塗装を行って、実施例2に係る無機質化粧板を製造した。
このようにして得られた無機質化粧板は、表面に所定のエンボス凹凸模様が形成されているとともに、このエンボス凹凸模様の主に凹部表面に、表面着色層と色調の異なった複数色の着色砂が、凹部模様に沿ってシャープに反転固着した、装飾性の高い外観を有していた。
本発明の実施形態である無機質化粧板(A)の製造方法の説明図。
符号の説明
(1) 装飾用粉粒状物接着シート
(2) フィルム状基体
(3) 接着層
(4) 装飾用粉粒状物
(5) エンボス成形型材
(5a) エンボス凸部
(5b) エンボス凹部
(5c) エンボス小凹凸部
(6) 未硬化無機質マット
(6a) 表面層
(6b) 芯層
(6c) 裏面層
(7) 支持プレート
(8) 無機質板
(9) エンボス凹凸模様
(9a) 溝状凹部
(9b) 化粧面凸部
(9c) 凹凸面

Claims (5)

  1. セメントを主原料とする組成物を成形して未硬化無機質マットに形成し、該未硬化無機質マットの表面に、加温により接着力が低減する接着剤によって装飾用粉粒状物をフィルム状基体に接着した装飾用粉粒状物接着シートとエンボス成形型材とを、上記接着シートの装飾用粉粒状物接着面が未硬化無機質マットの表面に対向するように積層配置し、次いで該積層物、或いは該積層物を複数組段積みした段積物を加圧圧締して、表面にエンボス凹凸模様が形成されてなるとともに該エンボス凹凸模様面に上記接着シートの装飾用粉粒状物が反転固着された未硬化無機質板に形成し、該未硬化無機質板を1次養生して水和半硬化させた後の加温状況下で、接着力が低減したフィルム状基体を無機質板から剥離し、次いでオートクレーブ養生することを特徴とする無機質化粧板の製造方法。
  2. 未硬化無機質マットの表面に、予め装飾用粉粒状物接着シートを装着したエンボス成形型材を載置することにより、装飾用粉粒状物接着シートとエンボス成形型材とを積層配置することを特徴とする請求項1に記載の無機質化粧板の製造方法。
  3. 接着剤が、40℃〜80℃の範囲内の加温下で接着力が低減するものであり、養生後の加温状況が、セメントの水和反応による反応熱の蓄積によって、又は該反応熱の蓄積を主として形成される、40℃〜80℃の範囲内の温度であることを特徴とする請求項1又は2に記載の無機質化粧板の製造方法。
  4. フィルム状基体が、厚さ5μm〜500μmの柔軟な熱可塑性樹脂フィルムからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の無機質化粧板の製造方法。
  5. 未硬化無機質マットは、セメントに木質材料を混合した半乾式組成物を半乾式成形した、表裏面層と芯層の3層構成に形成され、少なくともその表面層は着色顔料の混入による着色表面層に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の無機質化粧板の製造方法。
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