JP3444279B2 - 着色建築板の製造方法 - Google Patents

着色建築板の製造方法

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JP3444279B2 JP2000261458A JP2000261458A JP3444279B2 JP 3444279 B2 JP3444279 B2 JP 3444279B2 JP 2000261458 A JP2000261458 A JP 2000261458A JP 2000261458 A JP2000261458 A JP 2000261458A JP 3444279 B2 JP3444279 B2 JP 3444279B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,山部と谷面とからなる意匠面を
有する着色建築板における,山部と谷面を鮮明に色分け
することができる着色建築板の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】建築物の外装面には,近年種々に着色され
た窯業系の着色建築板が用いられている。例えば,図1
0に示すごとく,この着色建築板9としては,頂面と斜
面によって形成される山部91とその間に形成された谷
面92とからなる凹凸模様状の意匠面を有するものがあ
る。この着色建築板9は,山部91の項面のみが他の部
分と異なる色を有する意匠面を形成している。
【0003】このような意匠面を着色するに当っては,
まず着色建築板の基材90の上に,上記山部91,谷面
92の両者を含めた全表面に,下塗層901を形成する
ためにシーラをスプレー塗布した後,乾燥する。続い
て,その全表面を谷面92の色に着色して中塗層902
を形成するために中塗塗料をスプレー塗布した後,乾燥
する。次いで山部91の頂面を着色して上塗層903を
形成するためにロールコータにより上塗塗料を塗布した
後乾燥する。その後,仕上げとして,全表面にクリヤー
層904を形成するためにクリヤー塗料をスプレー塗布
した後乾燥する。
【0004】しかしながら,本来,山部91の頂面と,
その周囲斜面部及び谷面92とに塗り分けなければなら
ないところを,上記ロールコータによる塗布では,押し
込みが強い場合,斜面上端部まで塗布されてしまうこと
になるし,逆に押し込みが弱い場合には,頂面に塗り残
しを作ってしまうことになる。そのため,山部91の凸
部としての存在感(ボリューム感)が不鮮明となり,鮮
明な意匠面を得ることができない。
【0005】また,図11に示すごとく,谷面92のみ
を,着色位置の制御が可能なインクジェット塗装機90
6を用いて,いわゆる溝塗装をすることにより,谷面と
山部の色を変える方法もある。しかしながら,この場合
には,図11に示すごとく,谷面92に噴射したインク
905が谷面92の左右傾斜部922に跳ね上り,谷面
92のみを鮮明に着色することが困難である。
【0006】
【解決しようとする課題】また,上記いずれの方法も,
山部91の頂面周囲,谷面92の周囲に,上記塗装時に
マスキングを施し,塗装後これを剥離することも考えら
れる。しかしこの場合には,作業が繁雑となると共に,
生産効率が大幅に低下し,一段のコスト高を招いてしま
う。このように,山部91と谷面92を確実に別色に塗
り分けることは,従来の塗装方法では極めて困難である
と言わざるを得ない。したがって,例えば着色ボード面
に着色タイルを貼り付けたような意匠外観を得ることは
できない。
【0007】本発明は,かかる従来の問題点に鑑み,山
部と谷面とを鮮明に色分けすることができると共に製造
容易で,低コストの着色建築板の製造方法を提供しよう
とするものである。
【0008】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,山部とその間に
形成された谷面とからなる凹凸模様を意匠面に有すると
共に,該意匠面が着色された着色建築板を製造する方法
において,上記着色建築板における上記意匠面の上記谷
面を成形するための凸部と,該凸部の間に形成され上記
意匠面の山部を成形するための凹部とを有する型板を準
備する準備工程と,該型板の上記凸部の上面に,上記谷
面に着色する柄谷色用の柄谷塗料を塗布する型板着色工
程と,上記柄谷塗料を塗布した上記型板の上から,基材
原料を散布して堆積させる原料散布工程と,上記型板上
に堆積した基材原料をプレスし,硬化させて基材を成形
すると共に,上記型板の凸部の上面に塗布した柄谷塗料
を上記基材に転写する成形転写工程と,成形した上記基
材を養生する養生工程とを行い,また,上記型板の凸部
は,その上面に,上記柄谷塗料を保持するための複数の
溝部を形成してなることを特徴とする着色建築板の製造
方法にある。
【0009】本発明により得られる着色建築板において
最も注目すべき点は,上記意匠面における谷面の色,つ
まり柄谷色が,それ以外の意匠面の色と異なっているこ
とである。本発明において,上記着色建築板としては,
窯業系着色建築板がある。また,上記谷面とは,凹凸模
様状の意匠面において,山部(凸部)と山部との間に形
成される凹部の底面部分である。一方,山部は凸部の頂
面とそれより谷面へ向う側面とを含む。上記柄谷色とし
ては,例えば茶色系,黒色系,赤色系,青色系などがあ
る。
【0010】本発明により得られる着色建築板において
は,柄谷色が他の意匠面の色と異なっている。そのた
め,谷面は,山部と異なる柄谷色としてクッキリと鮮明
に区別でき,従来にはない特有の意匠性を発揮する。こ
のように,本発明によれば,山部と谷面とを鮮明に区別
することができる着色建築板を提供することができる。
【0011】なお,上記の谷面における柄谷色は,1枚
の着色建築板において部分的に異なる色であってもよ
い。この場合には,一層特有の雰囲気を発揮する意匠を
形成することができる。この場合には,一層変化に富ん
だ意匠面を形成できる。
【0012】また,上記柄谷色は,上記着色建築板の基
材のうち少なくとも上記意匠面を構成する部分の基材色
と,異なる色であることが好ましい。この場合には,基
材色を生かし,谷面には特有の柄谷色を有する変化のあ
る意匠面を有する着色建築板を得ることができる。
【0013】上記基材色とは,着色建築板を構成する材
料が呈する色である。着色建築板を構成する材料として
は,窯業系着色建築板の場合には,例えばセメント,珪
砂,パーライト,木材フレーク,木材粉,硫酸アルミニ
ウム,水,着色料などである。これらの材料によって総
合的に現出される色が基材色である。窯業系着色建築板
の基材色は,通常薄いグレー色,ベージュ色,ブラウン
色,イエロー色など任意である。着色料は,耐久性の点
より無機顔料が好ましい。
【0014】また,上記意匠面には,インラインシーラ
層が形成してあることが好ましい。この場合には,意匠
面の汚れを防止できると共に柄谷塗料の剥離を阻止する
ことができる。また,窯業系着色建築板を製造する際に
発生するエフロレッセンスの不具合(後述する)を防止
するのに効果的である。
【0015】また,上記建築板の基材は,上記意匠面を
構成する着色フェイス層と,上記基材の裏側面を構成す
るバックフェイス層と,上記着色フェイス層とバックフ
ェイス層との間に配設されたコア層とからなり,上記着
色フェイス層は上記基材色であることが好ましい。
【0016】この場合には,意匠面を構成する着色フェ
イス層が基材色であるため,基材色をそのまま利用し,
柄谷色はこれとは異なる色となすことによって,基材色
の色を生かした特有意匠面の着色建築板を得ることがで
きる。また,着色建築板が上記の着色フェイス層,コア
層,バックフェイス層の3層によって形成してあるの
で,例えば着色フェイス層とバックフェイス層とは密度
を大きく,コア層は密度を小さくして,表裏両面が緻密
で,全体として十分な強度を持ち,しかも軽量の窯業系
着色建築板を得ることができる。上記,着色フェイス層
には,着色料を添加することができる。
【0017】
【0018】次に,本発明にかかる着色建築板の製造方
法(請求項1)において,最も注目すべきことは,谷面
形成用の凸部と山部形成用の凹部とを有する上記型板を
用い,上記凸部に柄谷色用の柄谷塗料を塗布し,型板上
に堆積させた基材原料を着色建築板の形状に成形する際
に該着色建築板の意匠面に上記柄谷塗料を転写すること
である。
【0019】本発明においては,上記のごとく,型板の
上に堆積させた基材原料をプレス,硬化させて着色建築
板を成形する際に,予め型板の凸部に塗布しておいた柄
谷塗料を着色建築板に転写する。即ち,凸部上の柄谷塗
料を着色建築板の谷面に転写する。そのため,柄谷塗料
は谷面にのみ転写され,谷面のみに鮮明に柄谷色が形成
される。それ故,本発明によれば,着色建築板の谷面へ
の柄谷色の形成に当って格別に繁雑な作業を必要とせ
ず,また谷面のみに柄谷色を形成できる。
【0020】また,型板自体は従来の着色建築板の製造
に用いたものをそのまま利用し,その凸部に上記柄谷塗
料を塗布すれば良いので作業容易である。このように,
本発明によれば,山部と谷面とを鮮明に色分けすること
ができると共に製造容易であり,また従来の塗装工程を
大きく簡略化できるため,大幅に低コストの着色建築板
の製造方法を提供できる。
【0021】次に,請求項の発明のように,上記型板
着色工程における柄谷塗料の塗布は,ロールコータを用
いて行うことが好ましい。この場合には,型板の凸部に
対して,均一かつ容易に,柄谷塗料を塗布することがで
きる。
【0022】また,上記型板の凸部は,その上面に,上
記柄谷塗料を保持するための複数の溝部を形成して
る。この場合には,凸部上面に塗布された柄谷塗料を,
上記複数の溝部によって,より確実に,多く保持するこ
とができる。そのため,着色建築板の谷面に対して,確
実に,多くの柄谷塗料を転写することができ,鮮明な柄
谷色を発現させることができる。上記溝部としては,一
方向の線状溝,格子状溝などがある。
【0023】次に,請求項の発明のように,上記柄谷
色は,上記着色建築板の基材のうち少なくとも上記意匠
面を構成する部分の基材色と,異なる色であることが好
ましい。この場合には,基材色を生かし,谷面には特有
の柄谷色を有する変化のある意匠面を有する着色建築板
を得ることができる。
【0024】次に,請求項の発明のように,上記基材
色は着色料により着色されていることが好ましい。この
場合には,山部は例えば上記基材色以外の色としてお
き,山部と谷面とを任意の色模様とすることができる。
【0025】次に,請求項の発明のように,上記柄谷
塗料は,水溶性無機顔料であることが好ましい。この場
合には,柄谷塗料を容易に型板の凸部に塗布することが
できると共に,耐久性のある柄谷色を形成することがで
きる。上記水溶性無機顔料としては,セメント成分(ア
ルカリ性)とのなじみ性が良いもの,例えばアクリルエ
マルジョン系,水溶性無機顔料などを用いることが好ま
しい。
【0026】次に,請求項の発明のように,上記成形
工程と上記養生工程との間には,上記着色建築板の上記
意匠面に,インラインシーラを塗布するインラインシー
ラ塗布工程を有することが好ましい。この場合には,窯
業系着色建築板のオートグレープ養生時に発生するエフ
ロレッセンスを防止できると共に,柄谷塗料の剥離を阻
止することができる。上記エフロレッセンスとは,窯業
系着色建築板を製造する際に行なう養生工程において,
セメント硬化体中に含まれる成分が水溶液として表面に
運ばれ,そこで水分のみが蒸発することによって析出す
る白色物質,及び上記水溶液中の成分が炭酸化されたも
のからなる。エフロレッセンスが発生すると,着色建築
板の表面が汚れ,その意匠面性が損なわれる。上記のイ
ンラインシーラとしては,例えばアクリルエマルジョン
系シーラなどを用いる。上記インラインシーラは養生工
程に入る前に,少なくとも意匠面の全表面にスプレー塗
布する。塗布量としては,10g/(30×30cm)
程度とする。
【0027】次に,請求項の発明のように,上記原料
散布工程において散布する基材原料は,上記型板の上に
最初に散布する着色フェイス層用原料と,次いでその上
に散布するコア層用原料と,最後に散布するバックフェ
イス層用原料とからなり,上記着色フェイス層用原料
は,着色料を混入していることが好ましい。この場合に
は,着色フェイス層用原料が着色料を混入しているの
で,意匠面となる着色フェイス層を任意の色に着色する
ことができる。
【0028】また,着色建築板が上記の着色フェイス
層,コア層,バックフェイス層の3層によって形成して
あるので,例えば着色フェイス層とバックフェイス層と
は密度を大きく,コア層は密度を小さくして,表裏両面
が緻密で,全体として十分な強度を持ち,しかも軽量の
窯業系着色建築板を得ることができる。
【0029】次に,請求項の発明のように,上記着色
フェイス層用原料に混入した着色料は,無機顔料である
ことが好ましい。この場合には,意匠面の色を変色させ
ることなく,長期間に渡り維持することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態例にかかる着色
建築板及びその製造方法につき,図1〜図9を用いて説
明する。まず,本例における着色建築板は,図1,図2
に示すごとく,山部14とその間に形成された谷面15
とからなる凹凸模様状の意匠面を有すると共に,該意匠
面が着色されている。そして,上記谷面15は,該谷面
15以外の意匠面と異なる柄谷色を有することを特徴と
する。上記柄谷色は,柄谷塗料2によって現出されてい
る。本例における着色建築板は,セメント,珪砂,木材
フレーク,木材粉などを主材とする窯業系着色建築板で
ある。
【0031】また,上記柄谷色は,上記着色建築板の基
材のうち少なくとも上記意匠面を構成する部分の基材色
と,異なる色である。上記基材色は,建築板の材料によ
って現出される色であり,本例ではブラウン系の色であ
る。上記意匠面には,アクリルエマルジョン系シーラよ
りなるインラインシーラ層17が形成してある。
【0032】上記建築板の基材10は,図1,図2に示
すごとく,上記意匠面を構成する着色フェイス層130
と,上記基材の裏側面を構成するバックフェイス層11
0と,上記着色フェイス層130とバックフェイス層1
10との間に配設されたコア層120とからなり,上記
着色フェイス層130は上記基材色である。
【0033】次に,上記3層構造をとる着色建築板1の
製造方法につき,図3〜図9を用いて説明する。以下に
説明する製造方法は,木質セメント板のような窯業系建
築板の乾式製造方法を基本製法とするものである。図3
に示すごとく,上記着色建築板1を製造するに当って
は,まず,上記着色建築板における上記意匠面の上記谷
面15を成形するための凸部31と,該凸部31の間に
形成され上記意匠面の山部14を成形するための凹部3
2とを有する型板3を準備する(図3A)。なお,型材
質としては,例えばFRPを使用する。
【0034】次に,該型板3の上記凸部31の上面に,
上記谷面15に着色する柄谷色用の柄谷塗料2を塗布す
る型板着色工程を行なう(図3B)。次に,上記柄谷塗
料2を塗布した上記型板3の上から,基材原料を順に散
布して堆積させる原料散布工程を行なう(図3C〜
E)。次に,上記型板3上に堆積した基材原料を多段プ
レスし,硬化させて基材を成形すると共に,上記型板の
凸部31の上面に塗布した柄谷塗料2を上記基材表面の
谷面15に転写する成形転写工程を行なう(図4F)。
その後,脱型した成形品中間体18(図4G)を養生す
る養生工程を行う。
【0035】以下,これらにつき詳しく説明する。ま
ず,上記の型板3は,図5に示すごとく,少なくとも1
枚の着色建築板を製造できる長さ,幅を有し,上記凸部
31によって格子状に区切られており,その間に上記凹
部32が形成されている。凹部32の表面は,例えば岩
肌状の凹凸模様が形成されている。また,図6A,Bに
示すごとく,上記型板の凸部31は,その上面に,上記
柄谷塗料を保持するための複数の溝部311を形成して
いる。溝部311は,ここでは斜格子状に形成してあ
る。
【0036】次に,図7A,Bに示すごとく,上記型板
3の凸部31の上面には,ロールコータ5を用いて柄谷
塗料2を塗布する型板着色工程を行なう。ロールコータ
5は,芯ロール51の表面に弾性材52を巻製した塗布
ロール53を有し,該塗布ロール53とこれに転接され
るドクターローラ55との間に柄谷塗料2が供給され
る。そして,塗布ロール53により,凸部31の上面に
柄谷塗料2が塗布される。柄谷塗料2は,凸部31の上
面及び該上面に形成した複数の溝部311内に付着,保
持される。上記の型板3は,図7Aに示すごとく,コン
ベア49によって移動され,その間に上記柄谷塗料2の
塗布が行なわれる。
【0037】次に,凸部31の上面に柄谷塗料2を塗布
した型板3には,図8に示すごとく,基材原料を散布,
堆積させる原料散布工程を行なう。即ち,図8に示すご
とく,ベルトコンベア4により,搬送台43に載置した
(或いは接着された)上記型板3を移送させながら,該
型板3上に順次,基材原料を供給する。原料散布工程に
おいて散布する基材原料は,上記型板3の上に最初に散
布する着色フェイス層用原料13と,次いでその上に散
布するコア層用原料12と,最後に散布するバックフェ
イス層用原料11とからなる。上記着色フェイス層用原
料13は,上記意匠基色を発現する着色料を混入してい
る。
【0038】上記型板3への基材原料の供給に当って
は,まず最初に型板3上にコンベア461を介して着色
フェイス層用原料13を供給する。次いで,上記着色フ
ェイス層用原料13の上にコンベア462を介してコア
用原料12を供給し,更にその上にコンベア463を介
してバックフェイス層用原料11を供給する。各原料
は,ホッパー451,452,453より供給される。
また,型板3上に供給された各原料は,ならしロール4
71,472,473によって所定厚みに調整される。
これにより,上記図3Eに示すごとく,型板3上に着色
フェイス層用原料13,コア層用原料12,バックフェ
イス層用原料11を順次堆積させた堆積物19を得る。
なお,着色フェイス層用原料13及びバックフェイス層
用原料11は,基材の表裏面層を緻密に形成するための
配合組成が採用されている(後述参照)。
【0039】次に,上記堆積物19は,成形転写工程に
移される。この工程においては,図4Fに示すごとく,
型板3上に上記堆積物19を載せたもの190を,例え
ば10段積み上げ,これらに上下方向の圧力(例えば3
0〜40kg/cm2)をかけてプレス成形する。更
に,この状態で50〜80℃の雰囲気温度下で,6〜1
5時間放置して予備養生を行なう。このとき,上記型板
3の凸部31の上面に塗布しておいた柄谷塗料2は,着
色フェイス層用原料13に転写される。
【0040】次に,上記予備養生工程終了後は,図4G
に示すごとく,型板3から成形品中間体18を脱型す
る。次に,上記成形品中間体18はオートクレーブ内に
入れられ,養生工程に付せられる。養生工程において
は,通常,圧力6〜11kg/cm2,飽和蒸気温度1
60〜180℃,5〜10時間養生する。これにより,
セメントとケイ酸含有物質とのケイ酸カルシウム反応が
完全に行なわれると共に全体が完全に硬化する。これに
より,図1,図2に示した上記の着色建築板1が得られ
る。
【0041】次に,図9は,上記工程の主要部と型板3
の流れ,着色建築板1の製品化までの流れを例示してい
る。即ち,上記各層用の3種類の基材原料は,それぞれ
調合された後,コンベア上を移動する型板3の上に順次
供給散布され,堆積物19とされる。次いで,60〜8
0℃,6〜15時間の成形転写工程の後,脱型が行なわ
れ,成形品中間体18と型板3とに分離される(図4
G)。そして,上記型板3は,ブラッシング,バキュー
ム等により表面の清掃処理が行われ,更に型面に離型剤
が塗布され,更にその凸部31の上面にロールコータに
より柄谷塗料2が塗布される型板着色工程に送られる
(図7)。そして,再び原料散布工程に移送される。
【0042】一方,離型された成形品中間体18には,
その意匠面にアクリルエマルジョン系シーラを成分とす
るインラインシーラをスプレー塗布する。その後,成形
品中間体18はオートクレーブによる養生工程に送られ
165℃,7時間養生されて,木質系セメント原板を得
る。次いで,上記木質系セメント原板の乾燥を行ない,
更に所望の大きさに切断を行ない,切削加工により実部
を形成した後,原板表面のブラッシングを行ない,次い
で,ロールコータにて原板裏面へのバックシーラ塗布を
行なう。更に,実部へのシーラ塗布を行ない乾燥した
後,意匠面のクリア塗装を行ない,乾燥を行なう。ひき
続いて,実部へのコーキング材の打設を行ない,最終製
品としての着色建築板とする。このことから分かるよう
に,本例の工程は,従来の塗装工程に比べて大幅に簡略
化される。
【0043】次に,本例における,主な材料等につき説
明する。まず,上記型板3の凸部31の上面に塗布し,
最終的には柄谷色となる柄谷塗料2としては,例えば水
溶性無機顔料としてレッド系が1.3%,イエロー系が
0.9%,ホワイトが0.5%からなる。このものは,
得られた着色建築板における柄谷色として,ベージュ色
を呈する。
【0044】一方,着色建築板1の意匠面は,例えばブ
ラウン色を呈している。また,上記着色フェイス層用原
料としては,ポルトランドセメント47%(重量比,以
下同じ),珪砂30%,パーライト10%,木材フレー
ク5%,木粉5%,硫酸アルミニウム3%とよりなる。
上記木材フレークとしては,平均網目4.5mm,平均
厚み0.6mmのものを用いた。木粉としては,平均粒
径20メッシュのものを用いた。
【0045】また,上記着色フェイス層用原料には,着
色料として無機顔料のレッド系とイエロー系のものを,
外添加量としてそれぞれ1.4%,0.8%添加した。
一方,コア層用原料としては,ポルトランドセメント4
6%,珪砂28%,パーライト10%,木質繊維束10
%,発泡性ポリスチレンビーズ(予備発泡品)3%,硫
酸アルミニウム3%を用いた。上記木質繊維束として
は,平均径1.0mm,長さ20mmの分枝及びわん
曲,折曲したものを用いた。
【0046】また,バックフェイス層用原料は,上記着
色フェイス層用原料と同じで,上記着色料は添加されて
いない。なお,上記の3種類の原料には,硬化反応のた
めに,外添加量として30〜45%の水を加えて,上記
のごとく,型板上に供給する。また,上記着色フェイス
層130とバックフェイス層110とは,その密度が約
1.05であり,一方コア層120は密度が約0.8で
ある。
【0047】次に,本例における作用効果につき説明す
る。本例の着色建築板1においては,柄谷色が他の部分
の意匠面の色とはっきりと異なっている。そのため,谷
面15は,山部14と異なる柄谷色としてクッキリと鮮
明に区別でき,従来にはない特有の意匠性を発揮する。
【0048】また,着色建築板1が上記の着色フェイス
層130,コア層120,バックフェイス層110の3
層によって形成してあり,着色フェイス層130とバッ
クフェイス層110とは密度が大きく,コア層120は
密度を小さくしてあるので,表裏両面が緻密で,十分な
板強度を持ち,全体として軽量の窯業系着色建築板を得
ることができる。
【0049】また,本例においては,上記のごとく,型
板3の上に堆積させた基材原料をプレス,硬化させて着
色建築板1を成形する際に,予め型板3の凸部31に塗
布しておいた柄谷塗料2を着色建築板1に転写する。即
ち,凸部31上の柄谷塗料2を着色建築板の谷面15に
転写する。そのため,柄谷塗料2は谷面15にのみ転写
され,谷面15のみに鮮明に柄谷色が形成される。それ
故,着色建築板の谷面15への柄谷色2の形成に当って
格別に繁雑な作業を必要とせず,また谷面15のみに柄
谷色を形成できる。
【0050】また,型板3自体は従来の着色建築板の製
造に用いたものをそのまま利用でき,その凸部31に上
記柄谷塗料2を塗布すれば良い。また,基材は基材製造
段階で既に着色されているため,従来の塗装工程を大き
く簡略化でき,大幅な製造コストの低減が実現できる。
このように,本例によれば,山部と谷面とを鮮明に色分
けすることができると共に製造容易で,低コストの着色
建築板及びその製造方法を提供できる。
【0051】また,上記型板着色工程における柄谷塗料
2の塗布は,ロールコータを用いている。そのため,型
板3の凸部31に対して,均一かつ容易に,柄谷塗料2
を塗布することができる。また,上記型板3の凸部31
は,その上面に,上記柄谷塗料2を保持するための複数
の溝部311を形成している。そのため,着色建築板の
谷面15に対して,確実に,多くの柄谷塗料2を転写す
ることができ,鮮明な柄谷色を発現させることができ
る。
【0052】次に,上記柄谷塗料2は,水溶性無機顔料
である。そのため,柄谷塗料2を容易に型板3の凸部3
1に塗布することができると共に,セメント基材とのな
じみが良好であり,耐久性のある柄谷色を形成すること
ができる。また,上記着色建築板の上記意匠面に,イン
ラインシーラを塗布している。そのため,着色建築板の
オートクレーブ養成時に発生するエフロレッセンスを防
止できると共に柄谷塗料の剥離を阻止することができ
る。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば,山部と谷面とを鮮明に
色分けすることができると共に製造容易で,低コストの
着色建築板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例における,着色建築板の斜視図。
【図2】実施形態例における,着色建築板の断面斜視
図。
【図3】実施形態例における,着色建築板の製造順序を
示す図で,(A)型板の断面図,(B)型板に柄谷塗料
を塗布した状態の説明図,(C)型板上に着色フェイス
層用原料を散布した状態の説明図,(D)更にその上に
コア層用原料を散布した状態の説明図,(E)更にその
上にバックフェイス層用原料を散布した状態の説明図。
【図4】図3に続く図で,(F)成形,転写工程の説明
図,(G)脱型時の説明図。
【図5】実施形態例における,(A)型板の平面図及び
(B)断面図。
【図6】実施形態例における,型板の凸部の(A)平面
図,(B)断面図。
【図7】実施形態例における,(A)型板の凸部へ柄谷
塗料を塗布する説明図,(B)柄谷塗料を塗布した凸部
の説明図。
【図8】実施形態例における,型板上へ順次,着色フェ
イス層用原料,コア層用原料,バックフェイス層用原料
を散布する工程の説明図。
【図9】実施形態例における,製造工程の説明図。
【図10】従来例の着色建築板の説明図。
【図11】他の従来例の着色建築板の説明図。
【符号の説明】
1...着色建築板, 11...バックフェイス層用原料, 12...コア層用原料, 13...着色フェイス層用原料, 14...山部, 15...谷面, 2...柄谷塗料, 3...型板, 31...凸部, 32...凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04F 13/08 B05D 1/28 B05D 5/06 104 B28B 3/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 山部とその間に形成された谷面とからな
    る凹凸模様を意匠面に有すると共に,該意匠面が着色さ
    れた着色建築板を製造する方法において, 上記着色建築板における上記意匠面の上記谷面を成形す
    るための凸部と,該凸部の間に形成され上記意匠面の山
    部を成形するための凹部とを有する型板を準備する準備
    工程と, 該型板の上記凸部の上面に,上記谷面に着色する柄谷色
    用の柄谷塗料を塗布する型板着色工程と, 上記柄谷塗料を塗布した上記型板の上から,基材原料を
    散布して堆積させる原料散布工程と, 上記型板上に堆積した基材原料をプレスし,硬化させて
    基材を成形すると共に,上記型板の凸部の上面に塗布し
    た柄谷塗料を上記基材に転写する成形転写工程と, 成形した上記基材を養生する養生工程とを行い, また,上記型板の凸部は,その上面に,上記柄谷塗料を
    保持するための複数の溝部を形成してなる ことを特徴と
    する着色建築板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項において,上記型板着色工程に
    おける柄谷塗料の塗布は,ロールコータを用いて行うこ
    とを特徴とする着色建築板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記柄谷色
    は,上記着色建築板の基材のうち少なくとも上記意匠面
    を構成する部分の基材色と,異なる色であることを特徴
    とする着色建築板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記基材色は着色料により着色されていることを特徴と
    する着色建築板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記柄谷塗料は,水溶性無機顔料であることを特徴とす
    る着色建築板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記成形工程と上記養生工程との間には,上記着色建築
    板の上記意匠面に,インラインシーラを塗布するインラ
    インシーラ塗布工程を有することを特徴とする着色建築
    板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項において,
    上記原料散布工程において散布する基材原料は,上記型
    板の上に最初に散布する着色フェイス層用原料と,次い
    でその上に散布するコア層用原料と,最後に散布するバ
    ックフェイス層用原料とからなり,上記着色フェイス層
    用原料は,着色料を混入していることを特徴とする着色
    建築板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項において,上記着色フェイス層
    用原料に混入した着色料は,無機顔料であることを特徴
    とする着色建築板の製造方法。
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