JP2002317151A - フィルム基材用ハードコート膜及びその製造方法 - Google Patents

フィルム基材用ハードコート膜及びその製造方法

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JP2002317151A
JP2002317151A JP2001121609A JP2001121609A JP2002317151A JP 2002317151 A JP2002317151 A JP 2002317151A JP 2001121609 A JP2001121609 A JP 2001121609A JP 2001121609 A JP2001121609 A JP 2001121609A JP 2002317151 A JP2002317151 A JP 2002317151A
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hard coat
coat film
sol
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English (en)
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Toshio Yoshihara
俊夫 吉原
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材密着性や硬さが十分であり柔軟性である
フィルム基材用ハードコート膜を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表わされる有機ケイ素化
合物と一般式(2)で表されるアルミニウム化合物とを
混合して加水分解して調製して得たゾルを透明フィルム
基材に塗布した後、形成された塗膜を加熱によりゲル膜
にする。ゲル化する方法は、加熱に変えて活性エネルギ
ー線照射をおこなってもよい。 【化1】 (Rは炭素数1〜10の、アルキル基、ビニル基、(メ
タ)アクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニ
ル基、水酸基及びカルボキシル基から選ばれた基を有す
る炭化水素基、R′は炭素数1〜10のアルキル基を表
し、m+nは4の整数である。) 【化2】 (R1 、R2 、R3 は、同一でも異なってもよく、ハロ
ゲン、炭素数1〜10の、アルキル基、アルコキシ基、
アシルオキシ基及びヒドロキシ基から選ばれた基であ
り、これらの基は全部または一部がキレート配位子によ
り置き換えられていてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度で、高い柔
軟性を持つ性質を両立させ、且つ透明性が高いフィルム
基材用ハードコート膜に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルム基材を保護する目
的で該プラスチックフィルム基材上に形成する各種ハー
ドコート膜が提案されている。特に、プラスチックフィ
ルム基材上の塗膜表面の硬さが要求される場合には、ポ
リマーバインダー中に無機フイラーを分散させたコーテ
ィング液を用いて塗膜を形成することが行われている。
一方、水ガラスからなるコーティング液を用いて表面保
護が要求される物品にハードコート膜を形成したり、オ
ルトケイ酸エチルに代表される有機金属化合物を含むコ
ーティング液を基材表面に塗布し、加水分解−縮合反応
により、金属酸化物膜を形成させてなるハードコート膜
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリマーバインダー液
中に無機フイラーを分散させてなるコーティング液を用
いて得るタイプの従来のハードコート膜は、十分な硬さ
を出すためには、無機フイラーを膜中に大量に含ませる
必要がある。しかしながら、無機フイラーを高濃度でポ
リマーバインダー液中に分散させることは一般に困難で
あり、また、高濃度の分散が行えても無機フイラーが凝
集するため液寿命が短かったり、また、得られるハード
コート膜の透明性が低くなるという問題がある。また、
このような無機フイラーを高濃度に分散させたコーティ
ング液を用いて形成された塗膜は、表面硬度が向上する
ものの、塗膜の柔軟性に欠け、プラスチックフィルムを
曲げると塗膜に傷が発生するという問題がある。
【0004】また、従来の水ガラスからなるコーティン
グ液を用いてハードコート膜をプラスチックフィルム基
材上に形成する場合には、高温での焼成過程を必要とす
るため、プラスチックフィルム基材上に形成することは
不可能である。
【0005】また、従来の有機金属化合物の加水分解一
縮合反応から得られるゾルを用いて形成されるハードコ
ート膜は、プラスチックフィルムにダメージを与えない
程度の温度で加熱することにより得ることができるが、
完全に塗膜を硬化させるには長時間を要するため生産性
に劣る。また、一般にその分子量が1万以下であり、基
材への密着性に劣ると同時に塗膜にした時でも硬くて脆
いというガラス特有の性質があるために、フィルムの曲
げに追従できなかったり、十分な膜強度が得られないと
いう問題がある。
【0006】そこで、本発明は、ハードコート膜形成用
のコーティング液中に含まれるハード機能成分が液中で
安定で、しかも、コーティング液をフィルム基材上に塗
布して塗膜とした場合に、塗膜の基材密着性や塗膜の硬
さが十分である性質と、塗膜の柔軟性が優れている性質
を併せ持つフィルム基材用ハードコート膜を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。
【0008】即ち、本発明は、下記一般式(1)で表わ
される有機ケイ素化合物と下記一般式(2)で表される
アルミニウム化合物とを混合して加水分解して調製して
得たゾルをゾル膜とし、該ゾル膜をゲル化してなるゲル
膜を主成分とするフィルム基材用ハードコート膜であ
る。
【0009】
【化7】 (Rは炭素数1〜10の、アルキル基、ビニル基、(メ
タ)アクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニ
ル基、水酸基及びカルボキシル基から選ばれた基を有す
る炭化水素基、R′は炭素数1〜10のアルキル基を表
し、m+nは4の整数である。)
【0010】
【化8】 (R1 、R2 、R3 は、同一でも異なってもよく、ハロ
ゲン、炭素数1〜10の、アルキル基、アルコキシ基、
アシルオキシ基及びヒドロキシ基から選ばれた基であ
り、これらの基は全部または一部がキレート配位子によ
り置き換えられていてもよい。) 本発明のフィルム基材用ハードコート膜の製造方法は、
前記一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物と前記
一般式(2)で表されるアルミニウム化合物とを混合し
て加水分解して調製して得たゾルを透明フィルム基材に
塗布した後、形成された塗膜を加熱によりゲル膜にする
ことを特徴とする。別の本発明のフィルム基材用ハード
コート膜の製造方法は、上記製造方法において、加熱に
よりゲル膜とする方法に変えて、活性エネルギー線の照
射によりゲル膜にする方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。
【0012】前記一般式(1)で表される本発明で使用
する有機ケイ素化合物は、具体的には、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロ
ポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ
−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラ
ン、テトラ−t e r t −ブトキシシラン、テトラペンタ
エトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシ
ラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペ
ンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブ
トキシシラン、テトラペンタ−t e r t −ブトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキ
シシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキ
シシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシ
シラン、へキシルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−(−2−アミノエチルアミノプロピル)トリ
メトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ
ス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシ
シラン、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン等が挙げられるがこれらには限定されない。
【0013】前記一般式(2)で表される本発明で使用
されるアルミニウム化合物は、そこから誘導されるオリ
ゴマーおよび/またはその錯体であっても構わない。
【0014】本発明のフィルム基材用ハードコート膜
は、上記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の割
合が好ましくは90〜70モル%の範囲、より好ましく
は85〜75モル%の範囲が望ましく、上記一般式
(2)で表されるアルミニウム化合物の割合が好ましく
は10〜30モル%、より好ましくは15〜25モル%
の範囲が望ましい。有機ケイ素化合物が70モル%未
満、すなわちアルミニウム化合物が30モル%を超える
場合は、フィルム基材に対するハードコート膜の密着性
が著しく低下し、また硬化した後のフィルムの柔軟性が
無くなるために好ましくない。有機ケイ素化合物が90
モル%を超える場合、すなわちアルミニウム化合物が1
0モル%未満の場合、ハードコート膜の硬化が不十分な
ことによる塗膜強度の低下が顕著となり、好ましくな
い。
【0015】上記有機ケイ素化合物とアルミニウム化合
物の加水分解は、これらの混合物に直接、或いは適当な
溶媒中に溶解して行う。使用する溶媒としては、例え
ば、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メ
タノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のアルコール、ケトン、エステル
類、ハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、或いはこれらの混合物が挙げられる。
【0016】上記加水分解によって生成したゾルは適度
な固形分濃度に調節することが可能であるが、塗工適性
や液の安定性等から、好ましくは固形分で3重量%〜7
0重量%、より好ましくは20重量%〜60重量%であ
ることが望ましい。ゾルの濃度が3重量%未満であると
塗工に適さなくなり、一方、70重量%を超えると透明
均質膜の形成が困難となる。又、本発明においては、前
記範囲内のゾルの固形分濃度であるならば、有機物や無
機物バインダーを添加併用することも可能である。
【0017】この溶液に加水分解に必要な量以上の水を
加え、好ましくは15〜90℃、より好ましくは22〜
80℃の温度で、好ましくは1〜30時間、より好まし
くは2〜12時間撹拌を行うことが望ましい。
【0018】上記加水分解においては、反応促進のため
に必要に応じて触媒を用いることが好ましく、これらの
触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸又は酢酸等が好ましく
使用できる。これらの酸を約0.001〜5N、好まし
くは0.005〜2N程度の水溶液として加え、該水溶
液中の水分を加水分解用の水分とすることができる。
【0019】この様にして得られたゾルは上記アルミニ
ウム化合物を含むため、有機ケイ素化合物単独を加水分
解した場合に比べ、分子同士の縮合が進行し、ゾル自体
が粘性を持つようになり、フィルム基材に対して良好な
密着性を示すようになる。
【0020】また、本発明のフィルム基材用ハードコー
ト膜に使用される材料はまた、塗膜の強度を向上させる
必要がある場合は平均粒子径が10〜300nmの無機
酸化物微粒子をハードコート膜中に3〜80重量%、好
ましくは20〜60重量%含ませても良い。本発明で用
いる上記のゾルは、無機酸化物微粒子との親和性が良好
であり、溶液中、或いは塗膜中の無機酸化物微粒子の均
一分散を容易に達成できる。無機酸化物微粒子が3重量
%未満の場合は、塗膜の硬度向上に効果が無く、80重
量%を超える場合は、基材との密着性の低下や耐衝撃性
の低下が起こるために好ましくない。
【0021】本発明で好ましく使用できる無機酸化物微
粒子の粒子径は、10nm〜300nmの範囲が望まし
く、この粒子径範囲がコーティング液中において高分子
鎖のセグメント運動を妨げず、塗膜としたときに無機酸
化物微粒子の独立したネットワークを形成しやすい、即
ち、無機酸化物微粒子の少なくとも一部が網目状に連結
することができる範囲である。塗膜中に無機酸化物微粒
子の独立したネットワークを形成した場合には、塗膜の
最表面に無機酸化物微粒子が多く存在するような場合で
あっても塗膜の透明性を損なわず、塗膜の強度を高める
ことができる。無機酸化物微粒子の平均粒子径が10n
m以下では分散が困難であり、一方、300nm以上で
は可視光域の波長の光を散乱し、塗膜の透明性が損なわ
れるために好ましくない。
【0022】本発明で好ましく使用できる無機酸化物微
粒子としては、チタニア、シリカ、ジルコニア、酸化亜
鉛、アルミナ、酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ
(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、ア
ルミニウムドープ酸化亜鉛から選ばれる1種以上であ
る。これらの無機酸化物微粒子のうち、チタニア、ジル
コニア、酸化亜鉛等は塗膜の屈折率を向上させるため
に、ハードコート膜に反射性や反射防止性を持たせるこ
とが可能であり、ITOやATO、アルミニウムドープ
酸化亜鉛を用いた場合はハードコート膜に帯電防止等の
電気的な性能を付与することが可能となる。
【0023】上記ゾルには、各種の添加剤を添加するこ
とができる。最も重要な添加剤としては、成膜を促進す
る硬化剤が挙げられ、これらの硬化剤としては、酢酸ナ
トリウム、酢酸リチウム等の有機酸金属塩の酢酸、ギ酸
等の有機酸溶液が挙げられる。該有機酸溶液の濃度は約
0.01〜0.1重量%程度であり、ゾル溶液に対する
添加量は、ゾル粒子100重量部に対して上記有機酸金
属塩として約0.1〜1重量部程度の範囲が好ましい。
【0024】本発明で使用するフィルム基材としては、
例えば、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポ
リエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィ
ルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィ
ルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィル
ム、ポリエーテルフィルム、トリメチルペンテンフィル
ム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリロニ
トリルフィルム等の透明プラスチックフィルム基材が使
用できるが、特に、一軸延伸ポリエステルフィルムが透
明性に優れ、光学的に異方性が無い点で好適に用いられ
る。その厚みは、通常は8μm〜1000μm程度のも
のが好適に用いられる。
【0025】本発明では、前記ゾルを、前記フィルム基
材の表面に塗布し、その後塗布物を加熱、或いは活性エ
ネルギー線照射処理することにより、ゲル膜を形成す
る。
【0026】前記ゾルの樹脂基体への塗布方法として
は、スピンコート法、デイップ法、スプレー法、ロール
コーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、
クリーン印刷法、ビードコーター法等が挙げられる。
【0027】加熱による硬化は、フィルム基材に与える
ダメージを考慮した場合、フィルム基材がプラスチック
フィルムである場合には、150℃以下、より好ましく
は120℃以下であることが好ましい。
【0028】活性エネルギー線の照射による硬化には、
電子線又は紫外線の照射を用いることができ、特に電子
線が好ましい。例えば、電子線硬化の場合にはコックロ
フトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コ
ア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の
各種電子線加速機から放出される50〜1,000Ke
v、より好ましくは80〜300Kevのエネルギーを
有する電子線が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧
水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キ
セノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から発す
る紫外線等が利用される。活性エネルギー線の総照射量
として、活性エネルギー線が電子線である場合に2Mr
ad以上、好ましくは2〜50Mradの範囲が望まし
い。
【0029】電子線照射は、空気を酸素で置換しなが
ら、或は十分な酸素雰囲気中で行うことが好ましく、酸
素雰囲気中で行うことにより塗膜中にSiO2 の生成、
重合・縮合が促進され、より均質且つ高品質のゲル層を
形成することが、短時間で行われる。これらの塗膜硬化
において、ゲル膜の膜厚は0.1〜100μmの間で任
意に調節することができる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明のフィルム基材用ハードコー
ト膜を実施例を用いて説明する。
【0031】〔実施例1〕 ゾル溶液の調製 10.0g(80モル%)の3−グリシドキシプロピル
トレメトキシシラン、2.60g(20モル%)のアル
ミニウムsec−ブトキシドをフラスコ中で、氷で冷却
しながら、5分間撹拌した。この混合物に2.85gの
蒸留水を徐々に滴下して加え、その混合物を60分間撹
拌し、透明で均一なゾル溶液を得た。これをゾル溶液
と称す。
【0032】 無機酸化物微粒子分散溶液の調製 表面が撥水性のルチル型酸化チタン微粒子(TTO51
(C):商品名、石原産業社製)10.0g、分散剤
(デイスパービック 163:商品名、ビックケミー・
ジャパン社製)4.O g をメチルイソブチルケトン5
6.0gをマヨネーズ瓶に入れ、混合物の約4倍量のジ
ルコニアビーズ(φ0.3mm)を媒体に用いてペイン
トシェーカーで10時間振とうし、一次の平均粒子径3
0nmのチタニア微粒子分散液を得た。
【0033】 無機酸化物微粒子分散ゾル溶液の調製 −1 無機酸化物微粒子を使用した系 上記のゾル溶液10.0gに対して、上記で調製し
たチタニア微粒子分散液10.0gを加え、10分間マ
グネチックスターラーで撹拌して無機酸化物微粒子を分
散させたゾル溶液を得た。これをゾル溶液−1と称
す。
【0034】−2 無機酸化物ゾルを使用した系 上記のゾル溶液10.0gに対して、日産化学株式会
社製の(MIBK−ST:商品名、固形分20重量%の
コロイダルシリカ)を10.0g加え、10分間マグネ
チックスターラーで撹拌して標記無機酸化物ゾル分散さ
せたゾル溶液を得た。これをゾル溶液−2と称す。
【0035】 ハードコート層の形成 透明フィルム基材として厚さ100μmのPETフィル
ム(A−4350:商品名、東洋紡社製)に上記、
−1、−2で得たゾル溶液を溶剤除去後の膜厚が、1
0μmとなるように塗工した。硬化の条件は以下の2通
りの手法を用いた。すなわち、(1)120℃で1時間
の熱処理を行った場合と、(2)電子線照射装置を用い
て180kv、20mAで1回の照射量を20Mr a d
として20回照射を行った場合の両者でハードコート膜
を示す。
【0036】 フィルム基材用ハードコート膜の特性
評価 上記の工程を経て、加熱、及び電子線照射(EB照
射)により得られた6種類のハードコート膜を形成した
フィルム基材の全光線透過率、JIS−K7361−1
に基づくヘイズ値、JIS K5600−5−4に基づ
く塗膜の鉛筆高度、セロテープ(登録商標)を用いた基
盤目剥離試験、また、傷を付けた後の下記手法による復
元性試験や基材の折り曲げ試験を行ったときの結果を下
記の表1にした。
【0037】復元性試験 JIS K5600−5−4に基づく塗膜の鉛筆高度試
験法を用いて4Hの鉛筆で1kgの荷重でフィルム基材
上の塗膜に傷を付けて所定時間放置した後、光学顕微鏡
の反射光で傷の見え具合を観察した。復元性試験の結果
として、与えた傷が光学顕微鏡で確認できなくなった放
置時間を下記の表1に示す。た。
【0038】折り曲げ試験 上記の工程で得られた塗工フィルムを10cm×10
cmに切り、中心を塗工面を山折りにして完全に折り曲
げたときの折り面の状況を観察した。その結果を下記の
表1に示した。
【0039】〔比較例1〕アルミニウム化合物を用いず
に、10.0g(80モル%)の3−グリシドキシプロ
ピルトレメトキシシランのみを用い、フラスコ中で氷で
冷却しながら、蒸留水2.29gを加えて60分間撹拌
して比較例1のコーティング液を得た。
【0040】〔比較例2〕10.0g(95モル%)の
3−グリシドキシプロピルトレメトキシシラン、0.5
2g(5モル%)のアルミニウムsec−ブトキシドを
フラスコ中で、氷で冷却しながら、5分間撹拌した。
【0041】この混合物に2.39gの蒸留水を徐々に
滴下して加え、その混合物を60分間撹拌し、比較例2
のコーティング液を得た。
【0042】〔比較例3〕10.0g(60モル%)の
3−グリシドキシプロピルトレメトキシシラン、4.1
7g(40モル%)のアルミニウムsec−ブトキシド
をフラスコ中で、氷で冷却しながら、5分間撹拌した。
【0043】この混合物に3.19gの蒸留水を徐々に
滴下して加え、その混合物を60分間撹拌し、比較例3
のコーティング液を得た。
【0044】以上の比較例1〜3で得られた3種類のコ
ーティング液を前記実施例1と同様に透明フィルム基材
として厚さ100μmのPETフィルム(A−435
0:商品名、東洋紡社製)に溶剤除去後の膜厚が10μ
mとなるように塗工した後、120℃で1時間の熱処理
を行って比較例1〜3の各塗膜を得た。
【0045】これらの塗膜を形成したフィルムの光学特
性として全光線透過率、へイズ値及び塗膜の復元性、折
り曲げ性、密着性について測定した結果を下記の表1に
示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1によれば、実施例1のハードコート膜
は、塗膜の基材密着性や塗膜の硬さが十分である性質
と、塗膜の柔軟性が優れている性質を併せ持つことが分
かる。アルミニウム化合物を含有しない比較例1のコー
ティング膜に比べて、アルミニウム化合物を含むことを
除いて他の条件は比較例1と同じ実施例1のハードコー
ト膜は、高度、復元性、折り曲げ性、密着性が優れてい
ることが分かる。また、有機ケイ素化合物を95モル
%、アルミニウム化合物を5モル%含む本発明の範囲外
の成分組成の比較例2のハードコート膜は、実施例1の
ハードコート膜に比べて、硬度が低く、復元性が長いこ
とが分かる。また、有機ケイ素化合物を60%、アルミ
ニウム化合物を40モル%含む本発明の範囲外の成分組
成のハードコート膜は、実施例1のハードコート膜に比
べて、硬度が低く、復元性がなく、折り曲げ性が悪いこ
とが分かる。
【0048】〔実施例2〕硬化時間試験 前記実施例1で本発明のゾル溶液の塗膜を完全硬化さ
せるのに120℃の加熱では1時間を要したが、加熱時
間を60℃にすると3日間要し、加熱時間を80℃にす
ると1日間要した。
【0049】比較のために前記比較例1のゾル溶液を完
全に硬化させるには60℃で2週間、80℃で1週間要
した。したがって発明のフィルム基材用ハードコート膜
は、塗膜の完全硬化が短時間で済むため、生産性に優
れ、トリアセチルセルロース等の熱ダメージを受けやす
いフィルム基材に対して適用できる利点がある 〔実施例3〕カール発生試験 前記実施例1で本発明のゾル溶液を用いて形成した塗
膜の膜厚を10μmまでとした場合には、フィルム基材
のカールの発生は認められなかった。本発明のゾル溶液
−1、−2を用いて形成した塗膜の膜厚を25μm
までとした場合にはカールの発生を認められなかった。
これに対して、比較例1のアルミ化合物の添加の無いゾ
ル溶液に対しては膜厚が5μを越えるとカールの発生が
認められた。比較例2の有機ケイ素化合物95%含むゾ
ル溶液に対しては、膜厚が8μmを超えるとカールが発
生した。比較例3では前記実施例1のゾル溶液と同程
度であった。
【0050】
【発明の効果】本発明のフィルム基材用ハードコート膜
は、ハードコート膜形成用のコーティング液中に含まれ
るハード機能成分が液中で安定で、しかも、コーティン
グ液をフィルム基材上に塗布して塗膜とした場合に、塗
膜の基材密着性や塗膜の硬さが十分である性質と、塗膜
の柔軟性が優れている性質を併せ持つ。
【0051】本発明のフィルム基材用ハードコート膜
は、前記有機ケイ素化合物と前記アルミニウム化合物と
を混合して加水分解して調製して得たゾルをゾル膜と
し、該ゾル膜をゲル化しているため、ゾル中に含まれて
いるアルミニウム化合物がシリカの重縮合の触媒として
働く。そのため、アルミニウム化合物を含んでいない場
合に比べ、より低温、より短時間での硬化が可能とな
る。
【0052】本発明のフィルム基材用ハードコート膜
は、塗膜の完全硬化が短時間で行えるため、生産性に優
れる。本発明のフィルム基材用ハードコート膜は、加熱
硬化後の塗膜のカールの発生が少ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA35 AB39 BA02 CA05 EA03 4F100 AA21B AH06B AH08B AK42A AT00A BA02 BA07 GB07 GB15 GB31 GB90 JB12 JK04 JK06 JK08 JL00 JM01B JM10B JN01 4J038 DL021 DL031 DM021 HA216 HA446 KA20 NA11 PA19 PC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされる有機ケイ
    素化合物と下記一般式(2)で表されるアルミニウム化
    合物とを混合して加水分解して調製して得たゾルをゾル
    膜とし、該ゾル膜をゲル化してなるゲル膜を主成分とす
    るフィルム基材用ハードコート膜。 【化1】 (Rは炭素数1〜10の、アルキル基、ビニル基、(メ
    タ)アクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニ
    ル基、水酸基及びカルボキシル基から選ばれた基を有す
    る炭化水素基、R′は炭素数1〜10のアルキル基を表
    し、m+nは4の整数である。) 【化2】 (R1 、R2 、R3 は、同一でも異なってもよく、ハロ
    ゲン、炭素数1〜10の、アルキル基、アルコキシ基、
    アシルオキシ基及びヒドロキシ基から選ばれた基であ
    り、これらの基は全部または一部がキレート配位子によ
    り置き換えられていてもよい。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で表される有機ケイ素
    化合物の割合が90〜70モル%の範囲であり、前記一
    般式(2)で表されるアルミニウム化合物の割合が10
    〜30モル%の範囲であることを特徴とする請求項1記
    載のフィルム基材用ハードコート膜。
  3. 【請求項3】 前記ハードコート膜中に平均粒子径が1
    0〜300nmの無機酸化物微粒子を3〜80重量%含
    むことを特徴とする請求項1又は2記載のフィルム基材
    用ハードコート膜。
  4. 【請求項4】 前記ハードコート膜中において前記無機
    酸化物微粒子の少なくとも一部が網目状に連結している
    ことを特徴とする請求項3記載のフィルム基材用ハード
    コート膜。
  5. 【請求項5】 前記無機酸化物微粒子がチタニア、シリ
    カ、ジルコニア、酸化亜鉛、アルミナ、酸化スズ、イン
    ジウムドープ酸化スズ(ITO)、アンチモンドープ酸
    化スズ(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛から選
    ばれる1種以上の微粒子であることを特徴とする請求項
    3又は4記載のフィルム基材用ハードコート膜。
  6. 【請求項6】 下記一般式(1)で表わされる有機ケイ
    素化合物と下記一般式(2)で表されるアルミニウム化
    合物とを混合して加水分解して調製して得たゾルを透明
    フィルム基材に塗布した後、形成された塗膜を加熱によ
    りゲル膜にすることを特徴とするフィルム基材用ハード
    コート膜の製造方法。 【化3】 (Rは炭素数1〜10の、アルキル基、ビニル基、(メ
    タ)アクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニ
    ル基、水酸基及びカルボキシル基から選ばれた基を有す
    る炭化水素基、R′は炭素数1〜10のアルキル基を表
    し、m+nは4の整数である。) 【化4】 (R1 、R2 、R3 は、同一でも異なってもよく、ハロ
    ゲン、炭素数1〜10の、アルキル基、アルコキシ基、
    アシルオキシ基及びヒドロキシ基から選ばれた基であ
    り、これらの基は全部または一部がキレート配位子によ
    り置き換えられていてもよい。)
  7. 【請求項7】 下記一般式(1)で表わされる有機ケイ
    素化合物と下記一般式(2)で表されるアルミニウム化
    合物とを混合して加水分解して調製して得たゾルを透明
    フィルム基材に塗布した後、形成された塗膜を活性エネ
    ルギー線の照射によりゲル膜にすることを特徴とするフ
    ィルム基材用ハードコート膜の製造方法。 【化5】 (Rは炭素数1〜10の、アルキル基、ビニル基、(メ
    タ)アクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニ
    ル基、水酸基及びカルボキシル基から選ばれた基を有す
    る炭化水素基、R′は炭素数1〜10のアルキル基を表
    し、m+nは4の整数である。) 【化6】 (R1 、R2 、R3 は、同一でも異なってもよく、ハロ
    ゲン、炭素数1〜10の、アルキル基、アルコキシ基、
    アシルオキシ基及びヒドロキシ基から選ばれた基であ
    り、これらの基は全部または一部がキレート配位子によ
    り置き換えられていてもよい。)
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