JP2805877B2 - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高い屈折率を有する透明被覆層を形成する
ためのコーティング用組成物に関する。
さらに詳しくは、透明被覆層が紫外線を吸収すること
により、プラスチック基材等の紫外線による黄変あるい
は劣化を防ぐことのできる透明被覆層を提供するコーテ
ィング用組成物に関する。
〔従来の技術〕
合成樹脂製レンズ、特にジエチレングリコールビス
(アリルカーボネート)樹脂レンズは、ガラスレンズに
比較し、安全性、易加工性、ファッション性などにおい
て優れており、さらに近年、反射防止技術、ハードコー
ト技術、ハードコート+反射防止技術の開発により、急
速に普及している。しかし、ジエチレングリコールビス
(アリルカーボネート)樹脂の屈折率は1.50とガラスレ
ンズに比べ小さい為に、外周部がガラスレンズに比べ厚
くなるという欠点を有している。この為、眼鏡レンズの
プラスチック化は、高屈折率樹脂材料による薄型プラス
チックレンズへの要望を高めている。その為の技術提案
として、特開昭59−133211号公報、特開昭60−199016号
公報などの1.60の前後の屈折率を有する高屈折率樹脂材
料が提案されている。
一方、プラスチックメガネレンズの欠点である傷が付
き易いという問題を解決する為に、シリコン系のハード
コート被膜をプラスチックレンズ表面にコーティングす
る方法が一般に行われている。
しかし、屈折率が1.60前後の高屈折率樹脂レンズに同
様の方法を適用した場合には、樹脂レンズとコーティン
グ膜の屈折率差による干渉縞が発生する為、外観不良の
原因となる。この問題を解決する為の技術提案として、
特公昭61−54331号公報、特公昭63−37142号公報のよう
にシリコン系コーティング組成物に使われている二酸化
ケイ素微粒子のコロイド状分散体を、高屈折率を有する
Al,Ti,Zr,Sn,Sbの金属酸化物微粒子のコロイド状分散体
に置き換えるといった高屈折率コーティング用組成物が
提案されている。
尚、コーティング膜の塗布に当たって、樹脂レンズ基
材の前処理が行われており、一般的な方法として、アル
カリ処理、酸処理などの化学的処理方法、あるいは、紫
外線照射処理、プラズマ処理などの物理的処理方法、さ
らには界面活性物質の添加などの添加剤処理方法があ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前述の従来技術の内、特公昭61−54331号公
報、特公昭63−37142号公報のコーティング用組成物
は、以下のような課題を有していた。例えば、Al,Zr,S
n,Sbの金属酸化物微粒子のコロイド状分散体を1.60前後
の高屈折率樹脂のコーティング用組成物として用いた場
合、シリコン系のコーティング用組成物に比べ塗布、硬
化時の干渉縞の発生を抑えることができるものの、コー
ティング被膜としての屈折率に限界がある。これは、金
属酸化物微粒子単体としては、ある程度の高い屈折率を
持つものの、一般にコーティング材料として用いる際に
は、シリコン系のカップリング剤等を混合する為、被膜
自体の屈折率は1.57程度が限界であり、自ずと干渉縞の
改善にも限界があった。また、Tiの金属酸化物微粒子の
コロイド状分散体をコーティング用組成物として用いた
場合は、TiO2自身が前記金属酸化物に比べ高い屈折率を
有する為に、形成された被膜は、高屈折率層を提供する
のと同時に、被膜の屈折率の選択の幅も広くなるという
長所がある。しかし、TiO2は耐候性が極めて悪い為に、
TiO2とシリコン系カップリング剤から構成される被膜の
場合シリコン系カップリング剤の有機成分の分解、ある
いは樹脂基材表面での劣化を招き、その耐久性に課題が
あった。
また、透明被覆層の形成に先立って行われる前処理方
法の中で、基材と被覆の間での良好な密着性を確保する
という点で、プラズマ処理は、基材の濡れ特性、接着性
の改良効果が優れている。しかし、プラズマ処理を施し
た場合、初期の密着性は充分確保できるものの、耐候試
験において紫外線による被膜と基材界面での劣化が発生
し、急激な密着性低下を招くという課題があった。
そこで本発明は、これら課題を解決するもので、その
目的とするところは、高い屈折率と高い表面硬度、耐久
性を有し、かつ被膜形成時の前処理としてプラズマ処理
を施した場合に、耐候試験における密着性低下およびプ
ラスチック基材の黄変を防ぐことのできる紫外線吸収効
果を合わせ持つ高屈折率樹脂レンズのコーティング用組
成物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のコーティング用組成物は、下記A、Bおよび
Cを主成分としてなることを特徴とする。
A.三酸化タングステン微粒子のコロイド状分散体。
B.Sn、Ta、LaおよびInからなる群より選ばれる1種以上
の金属の酸化物微粒子のコロイド状分散体。
C.一般式が R1R2 aSi(OR3)3-a で表される有機ケイ素化合物またはその加水分解物(こ
こで、R1はビニル基、メタクリロキシ基、メルカプト
基、アミノ基もしくはエポキシ基のいずれかを有する有
機基又は炭素数1から6の炭化水素基を、R2は炭素数1
から4の炭化水素基を、R3は炭素数1から5の炭化水素
基、アルコキシアルキル基または水素を、aは0または
1を表す。)。
本発明におけるA成分の三酸化タングステン微粒子の
コロイド状分散体、さらにはB成分のSn、Ta、Laおよび
Inからなる群より選ばれる1種以上の金属の酸化物微粒
子のコロイド状分散体とは、金属酸化物微粒子の平均粒
径が約1〜300mμ、好ましくは約1〜200mμのものであ
る。これは、粒子径のあまり小さいものでは作成が困難
であり、コストが高くて実用的でなく、また、あまり大
きなものは一般に透明感が低下する為、上記範囲内のも
のが好ましい。また、これらA成分、B成分の分散媒と
しては、水、炭化水素、エステル類、ケトン類、アルコ
ール類、有機カルボン酸類などをあげることができる。
また、これらの分散媒は2種以上の混合物として用いる
ことも可能である。尚、B成分については、2種以上の
金属酸化物微粒子のコロイド状分散体の併用を行なうこ
とができ、その混合種および混合比は目的とする被膜特
性により適宜決定されるものである。
本発明において、三酸化タングステン微粒子のコロイ
ド状分散体を用いる主な目的は、三酸化タングステンが
紫外線吸収効果を持つため、その効果を活用して透明被
膜層に紫外線吸収能を付与し、プラスチック基材と被膜
の界面および基材内部の光劣化を防止するためである。
これにより、プラスチック基材にプラズマ処理等の放電
処理を施しコーティング組成物を塗布、硬化した際に
も、コート膜の紫外線吸収能により基材と透明被膜層の
界面が光劣化から保護され、耐候試験後も良好な密着性
が確保できる。さらに、三酸化タングステン自体は比較
的高い屈折率を有する為、透明被膜層の高屈折率化とい
う点でも効果がある。ただし、三酸化タングステン単独
では、得られる被膜の硬さが劣る為、前記記載の高屈折
率金属酸化物のコロイド状分散体を用いる必要がある。
尚、コーティング用組成物の固形分中に占める金属酸
化物微粒子の割合は、10重量%から90重量%が適当であ
り、10重量%以下では硬さ、紫外線吸収能、屈折率が不
充分であり、また90重量%以上では基材と被膜の密着力
が低下する為、好ましくない。また、固形分中の全金属
酸化物中に占める三酸化タングステンの割合は20重量%
から90重量%が適当であり、20重量%以下では、被膜の
紫外線吸収能が不充分であり、90%以上になると被膜の
硬さが得られなくなる為、好ましくない。
本発明のC成分である一般式が R1R2 aSi(OR3)3-a で表される有機ケイ素化合物またはその加水分解物とし
ては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチ
ルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエ
トキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ
−アミノプロピルメチルジメトキシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン等がある。これらは単独で用いて
も、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらは
アルコール等の有機溶剤中、酸の存在下で加水分解して
使用する方が好ましく、単独で加水分解後に金属酸化物
のコロイド状分散体と混合しても、あるいは金属酸化物
のコロイド状分散体と混合後に加水分解をしてもいずれ
でも良い。これら、有機ケイ素化合物またはその加水分
解物のコーティング組成物の固形分中に占める割合は、
10重量%から90重量%が適当であり、10重量%以下で
は、基材と被膜の密着力が低下する為、好ましくない。
また、90重量%以上では被膜の屈折率が低くなり、干
渉縞の発生が起こる為、好ましくない。
また、これらの有機ケイ素化合物は触媒が存在しなく
ても硬化が可能であるが、さらに硬化を促進するために
各種の硬化触媒を用いることが可能である。例えば、n
−ブチルアミン、トリエチルアミン、グアニジン、ビグ
アニドなどのアミン類、グリシンなどのアミノ酸類、ア
ルミニウムアセチルアセトネート、クロムアセチルアセ
トネート、チタニルアセチルアセトネート、コバルトア
セチルアセトネートなどの金属アセチルアセトネート、
酢酸ナトリウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバル
ト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズなどの有機酸金属
塩、過塩素酸、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸マグネ
シウムなどの過塩素酸類あるいはその塩、塩酸、リン
酸、硝酸、パラトルエンスルホン酸などの酸、またはSn
Cl2、AlCl3、FeCl3、TiCl4、ZnCl3、SbCl3などのルイス
酸である金属酸化物などが使用できる。
また、本発明のコーティング用組成物は、形成される
被膜の染色性の向上、あるいは各種耐久性の改良を目的
に、多官能性エポキシ化合物、多価アルコール、多価カ
ルボン酸、または多価カルボン酸無水物より選ばれる1
種以上を使用することができる。多官能性エポキシ化合
物としては、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プ
ロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、カテコ
ール、レゾルシノール、アルキレングリコールなどの二
官能性アルコールのジグリシジルエーテル、またはグリ
セリン、トリメチロールプロパンなどの三官能性アルコ
ールのジまたはトリグリシジンルエーテルなどがあげら
れる。多価アルコールとしては、(ポリ)エチレングリ
コール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、カチコール、レゾルシノール、アルキレン
グリコールなどの二官能性アルコール、または、グリセ
リン、トリメチロールプロパンなどの三官能性アルコー
ル、または、ポリビニルアルコールなどがあげられる。
多価カルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、マレイン酸、オルソフタル酸、テ
レフタル酸、フマル酸、イタコン酸、オキザロ酢酸など
があげられる。多価カルボン酸無水物としては、無水コ
ハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、1,2−ジメ
チルマレイン酸無水物、無水フタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸無水物、無水ナフタル酸などがあげられる。
また、本発明のコーティング用組成物は、アルコール
酸、ケトン酸、セロソルブ類、カルボン酸類などの溶媒
を単独または混合して加えることによって、固形分濃度
の調節を行うことができる。また、必要に応じて、少量
の界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収材を添加し、コ
ート液の塗布性、コート膜の性能を改良することもでき
る。
尚、本発明におけるコーティング用組成物の塗布にあ
たっては、基材と被膜の密着性を向上させる目的で、基
材表面をあらかじめアルカリ処理、酸処理、界面活性剤
処理、プライマー処理またはプラズマ処理等を行うこと
が効果的である。
また、塗布、硬化方法としては、ディッピング法、ス
ピンナー法、スプレー法あるいはフロー法によりコーテ
ィング液を均一に塗布した後、40〜200℃の温度で数時
間加熱乾燥することにより被膜を形成することができ
る。被膜の膜厚は、1〜30μmが適当で、1μm未満の
場合は得られた被膜の耐擦傷性が充分でなく、30μmを
越える場合は被膜にクラックを生じ易い。尚、形成され
る被膜上に、無機物からなる単層、多層の反射防止膜を
設けることにより、反射の低減、透過率等の向上を図る
ことも可能である。
本発明の対象となる塗布基材としては、透明な材料で
あれば、ガラス、プラスチック共に良好な耐久性が得ら
れるが、本発明の目的から、屈折率が1.50から1.80前後
の透明材料に対し、干渉縞防止効果の点で、特に有効で
ある。
以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
〔実施例〕
実施例1 攪拌装置を備えたフラスコ中に、水分散三酸化タング
ステンゾル(日産化学工業(株)製、WO3濃度20重量
%)150g、およびSb2O5メタノールゾル(日産化学工業
(株)製、商品名“サンコロイドAMT−130"、Sb2O5濃度
30重量%)100g、エタノール177.2g、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン57.1gを攪拌しつつ順に加
え、その後0.05規定塩酸水15.7gを30分間かけて滴下し
た。続いてシリコン系界面活性剤(日本ユニカー(株)
製、商品名“Y−7002")を0.25g添加した後、0℃で24
時間放置し熱成を行いコーティング液を得た。
次に高屈折率樹脂レンズ生地((株)服部セイコー
製、商品名“セイコーハイロード”、屈折率1.60、直径
75mm、−3.00D)を5重量%濃度のNaOH水溶液に5分間
浸漬し、洗浄、乾燥した後、前記コーティング液を用
い、引上げ速度15cm/分の条件でディッピング法により
塗布した。塗布後、80℃で1時間、100℃で2時間加熱
・硬化を行った。尚、得られた被膜の膜厚は2.3μmで
あった。
以上の方法により得られた合成樹脂レンズについて次
の性能評価試験を行い、結果を第1表に示した。
(1)外観:干渉縞の発生の有無について、背景を黒く
した状態で蛍光灯の光をレンズ表面で反射させ、光の干
渉による虹模様の発生を肉眼で観察した。判定は次のよ
うにして行った。
○:虹模様が認められない。
△:かすかに虹模様が認められる。
×:はっきりと虹模様が認められる。
(2)耐擦傷性:#0000スチールウールにより荷重1kg/
cm2で10往復させた後の被膜の状態をみた。
A:ほとんど傷がつかない。
B:少し傷がつく。
C:多く傷がつく。
(3)密着性:80℃の温水中に2時間浸漬した後、レン
ズ表面にナイフで縦横にそれぞれ1mm間隔で11本の平行
線状の傷をつけ、100個のマス目をつくり、セロファン
テープを接着、剥離後に被膜が剥がれずに残ったマス目
の数をみた。
(4)耐候性:キセノンロングライフフェードメーター
(スガ試験機(株)製)を用い、150時間暴露した後、
以下の評価を行った。
外観:レンズの着色を肉眼で観察した。
密着性:試験後のレンズについて、前記(3)と同様
のクロスカット・テープ試験を暴露面について行った。
実施例2 前記実施例1で用いたと同じ高屈折率レンズ生地を、
表面処理用プラズマ装置(真空器械工業(株)製)を用
い、エアー流量100ml/分、出力50w、真空度0.2torrで30
秒間処理を行った後、実施例1のコーティング液を用い
て同様の方法で被膜を設けた。得られた被膜の膜厚は2.
5μmであった。
以上の方法で得られた合成樹脂レンズを実施例1と同
様の方法で評価し、その結果を第1表に示した。
実施例3 攪拌装置を備えたフラスコ中に、実施例1で用いたと
同じ水分散三酸化タングステンゾル150g,およびSb2O5
タノールゾル66.7g、イソプロピルアルコール分散コロ
イダルシリカ(触媒化成工業(株)製、商品名“OSCAL
−1432"、固形分濃度30重量%)66.7g,γ−グリシドキ
シプロピルメチルジエトキシシラン42.9gを攪拌しつつ
順に加え、0.05規定塩酸水7.5gを30分間かけて滴下し
た。
続いて実施例1で用いたのと同じシリコン系界面活性
剤0.25gを添加した後、0℃で24時間放置し熟成を行い
コーティング液を得た。
次に実施例1で用いたと同じ高屈折率レンズ生地に実
施例1と同様のアルカリ処理を行った後、本実施例のコ
ーティング液に引上げ速度15cm/分の条件でディッピン
グ法で塗布し、実施例1と同様に加熱・硬化した。得ら
れた被膜の膜厚は2.4μmであった。
以上の方法により得られた合成樹脂レンズを実施例1
と同様の方法で評価し、その結果を第1表に示した。
実施例4 前記実施例1で用いたと同じ高屈折率レンズ生地を実
施例2と同様の方法でプラズマ処理した後、実施例3で
調製したコーティング液を用いて塗布・硬化した。塗
布、硬化の条件は実施例3と同様に行った。得られた被
膜の膜厚は2.6μmであった。
以上の方法により得られた合成樹脂レンズを実施例1
と同様の方法で評価し、その結果を第1表に示した。
以上の実施例では、三酸化タングステンゾルに五酸化
アンチモンゾルやシリカゾルを混合し用いたが、Sn、T
a、La、Inの金属酸化物ゾルに変えても同じ効果が得ら
れる。
実施例5 攪拌装置を備えたフラスコ中に、水を分散媒とする三
酸化タングステン、五酸化アンチモン及び二酸化ケイ素
が重量比で4対3対3からなる金属酸化物微粒子のコロ
イド状分媒体(日産化学工業(株)製、固形分濃度20重
量%)250g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン71.43g、メチルセロゾルブ158.96gを攪拌しつつ順
に加え、その後、0.05規定塩酸水19.61gを30分間かけて
滴下した。続いて実施例1で用いたと同じシリコン系界
面活性剤0.25gを添加した後、0℃で24時間放置し熟成
を行いコーティング液を得た。
次に高屈折率樹脂レンズ生地((株)服部セイコー
製、商品名“セイコープラックスII"、屈折率1.56、直
径75mm、−3.00D)を実施例1と同様の方法でアルカリ
処理した後、本実施例で得られたコーティング液を用
い、引上げ速度17cm/分の条件でディッピング法により
塗布した。塗布後、80℃で1時間、110℃で3時間加熱
・硬化を行った。尚、得られた被膜の膜厚は、2.7μm
であった。
以上の方法で得られた合成樹脂レンズを実施例1と同
様の方法で評価し、その結果を第1表に示した。
実施例6 前記実施例5で用いたと同じ高屈折率レンズ生地を実
施例2と同様の方法でプラズマ処理した後、実施例5で
調製したコーティング液を用いて塗布・硬化した。塗布
・硬化の条件は実施例5と同様に行った。得られた被膜
の膜厚は2.8μmであった。
以上の方法により得られた合成樹脂レンズを実施例1
と同様の方法で評価し、その結果を第1表に示した。
実施例7 実施例1で得られたレンズを真空中、200wの出力のAr
ガスプラズマ中に30秒間暴露させた後、真空蒸着法によ
りレンズ側から大気側へ向かって、SiO2、ZrO2、SiO2
ZrO2、SiO2の5層の薄膜を形成した。形成された反射防
止膜の光学的膜厚は、順にSiO2が約λ0/4、次のZrO2とS
iO2の合計膜厚が約λ0/4、次のZrO2が約λ0/4、そして
最上層のSiO2が約λ0/4である。尚、設計波長λ0は、51
0nmである。
以上の方法により得られた合成樹脂レンズを実施例1
と同様の方法で評価し、その結果を第1表に示した。
比較例1 攪拌装置を備えたフラスコ中に、実施例3で用いたの
と同じイソプロピルアルコール分散コロイダルシリカ75
g、およびイソプロピルアルコール185g、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン32gを攪拌しつつ順に
加え、0.05規定塩酸8.8gを30分間かけて滴下した。
続いて、実施例1で用いたと同じシリコン系界面活性
剤0.15gを添加した後、0℃で24時間放置し熟成を行
い、コーティング液を得た。
このコーティング液を用い、実施例1で用いたと同じ
高屈折率レンズ生地を実施例2と同様の方法でプラズマ
処理した後、引上げ速度15cm/分の条件でディッピング
法により塗布し、その後、実施例1と同様の方法で加熱
・硬化した。得られた被膜の膜厚は、2.5μmであっ
た。
以上の方法により得られた合成樹脂レンズを実施例1
と同様の方法で評価し、その結果を第1表に示した。
比較例2 前記比較例1におけるイソプロピルアルコール分散コ
ロイダルシリカを実施例1で用いたSb2O5メタノールゾ
ルに変える他は、比較例1と同様にしてコーティング液
を得た。
このコーティング液を用い、実施例1で用いたと同じ
高屈折率レンズ生地を実施例2と同様の方法でプラズマ
処理した後、比較例1と同様の方法で被膜を設けた。被
膜の膜厚は、2.5μmであった。
以上の方法により得られた合成樹脂レンズを実施例1
と同様の方法で評価し、その結果を第1表に示した。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明のコーティング用組成物を
用いる事により、高い屈折率と高い表面硬度・耐久性を
有する高屈折率樹脂レンズ用被膜を得ることができる。
さらに、実施例からも明らかなごとく、本発明のコー
ティング用組成物によって得られる被膜は、紫外線吸収
効果を合わせ持つ為に、被膜形成時の前処理としてプラ
ズマ処理を行った場合に、耐候試験後密着性の低下がな
く、かつプラスチック基材の黄変をも防ぐことができ
る。
尚、本発明のコーティング用組成物は、高屈折率樹脂
レンズばかりでなく、その他の高屈折率樹脂材料、高屈
折率ガラス等の応用も可能である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記A、BおよびC成分を主成分としてな
    ることを特徴とするコーティング用組成物。 A.三酸化タングステン微粒子のコロイド状分散体。 B.Sn、Ta、LaおよびInからなる群より選ばれる1種以上
    の金属の酸化物微粒子のコロイド状分散体。 C.一般式が R1R2 aSi(OR3)3-a で表される有機ケイ素化合物またはその加水分解物(こ
    こで、R1はビニル基、メタクリロキシ基、メルカプト
    基、アミノ基もしくはエポキシ基のいずれかを有する有
    機基又は炭素数1から6の炭化水素基を、R2は炭素数1
    から4の炭化水素基を、R3は炭素数1から5の炭化水素
    基、アルコキシアルキル基または水素を、aは0または
    1を表す。)。
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