JP2002315595A - 非タンパク質l−アミノ酸の製造方法 - Google Patents
非タンパク質l−アミノ酸の製造方法Info
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Abstract
使用できる非タンパク質L−アミノ酸の製造方法を提供
すること 【解決手段】 O−アセチル−L−セリンを求核性化合
物とO−アセチル−L−セリン−スルフヒドリラーゼの
触媒作用下で反応させて非タンパク質L−アミノ酸にす
る酵素による生体内変換を用いて非タンパク質L−アミ
ノ酸を製造する方法において、前記の方法をpH5.0
〜7.4の範囲内のpH値で実施することを特徴とす
る、非タンパク質L−アミノ酸の製造方法。
Description
内変換による非タンパク質L−アミノ酸の製造方法に関
する。
タンパク質生合成のための成分として使用されずかつ2
0種のタンパク質アミノ酸とは明確に区別される。本発
明の範囲内で、絶対にタンパク質中に現れる極めて希な
アミノ酸のL−セレノシステインは、非タンパク質アミ
ノ酸に分類される。
物質及び農薬作用物質の製造のための重要な化合物であ
る。この非タンパク質アミノ酸は、分子の擬態の種類の
作用物質として又は作用物質の一部として天然のアミノ
酸の構造を模倣することができ、それにより例えばレセ
プター相互作用において天然の反応を調節することがで
きる。さらに、この非タンパク質アミノ酸は全く一般的
にキラル化合物としてキラルプール「chiral pool」の
範囲内で合成成分として用いることができる。
質アミノ酸の今までの製造方法は、大抵は煩雑な合成に
基づいており、この合成はさらに大抵は特定の化合物だ
けを得ることができるにすぎない。出発化合物の簡単な
交換により多様な化合物を製造することができるのはわ
ずかな方法だけである。たいていの場合には、それ自体
大抵すでにキラル成分から出発する化学合成である。他
の方法はラセミ体の化学合成を、頻繁に酵素を用いて実
施するラセミ分割と組み合わせる。
非タンパク質アミノ酸のステレオ選択合成を可能にする
若干の酵素による方法も記載されている。
から、アミノ−ドナーとしてL−グルタミン酸を用いて
多様な非タンパク質アミノ酸を製造することができる
(Taylor et al. 1998, TIBTECH 16: 412-418)。他の
方法は、ロイシン−デヒドロゲナーゼを用いたL−t−
ロイシンの合成である(Drauz 1997, Chimia 51: 310-3
14)。
質アミノ酸の製造のための特に簡単な方法は、特許出願
DE10046934(同一出願人の2000年9月2
1日出願)に記載されている。この場合、制限解除され
たシステイン−物質代謝を示し、従って高レベルのO−
アセチル−L−システインを提供する微生物が使用され
る。この化合物はシステイン−物質代謝においてL−シ
ステインの生合成前駆体として用いられる。L−システ
インはβ位のアセテート基をチオール基に置換すること
により生じる。β置換といわれるこの反応は、O−アセ
チル−L−セリン−スルフヒドリラーゼ[EC 4.
2.99.8]の種類の酵素により触媒される。発酵の
間での特定の種類の化合物(チオール、アゾールもしく
はイソオキサゾリノン)の求核性化合物の添加により、
これらの化合物がβ置換に導入され、非タンパク質L−
アミノ酸の産生に達する。製造されたアミノ酸のそれぞ
れの基の構造は、従って供給された求核性化合物によっ
て決定される。
性化合物の供給量が高すぎてはならないことである、そ
れというのもこの化合物自体により又は生じたタンパク
質により、微生物の物質代謝に関して毒性の作用を引き
起こしかねないためである。特に多くのチオール化合物
に対してこのことが該当する、それというのも、このチ
オール化合物はレドックス活性物質として比較的高濃度
で毒性を有するためである。さらに、発酵方法にチオー
ル化合物を使用することは極めて問題である、それとい
うのも発酵槽中への強力な通気の際に酸化する傾向があ
り、技術的予防対策なしに著しい臭気が生じるためであ
る。求核性化合物の内でアジ化物又はシアン化物の供給
も、これらの化合物をO−アセチル−L−セリン−スル
フヒドリラーゼを用いたβ置換に導入することが公知で
あるが(Flint et al., 1996, J.Biol. Chem. 271:1605
3-16067)、その高い毒性のために不可能である。
性化合物、特に毒性の化合物を高濃度で使用できる非タ
ンパク質L−アミノ酸の製造方法を提供することであっ
た。
チル−L−セリンを求核性化合物と、O−アセチル−L
−セリン−スルフヒドリラーゼの触媒作用下に反応させ
て非タンパク質アミノ酸にする酵素による生体内変換法
において、pH値をpH5.0〜7.4の範囲内で実施
することを特徴とする方法より解決される。
エナンチオマー純粋な、部分的に新規のL−アミノ酸を
工業的規模で合成することが可能である。
ラーゼは公知である。これは今まで多様な植物及び微生
物から単離されている。ネズミチフス菌(Salmonella t
yphimurium)の相応する細菌性酵素が最もよく調査され
ている。この生物中では2種のO−アセチル−L−セリ
ン−スルフヒドリラーゼ−酵素が発現し、これらはOA
SS−AもしくはOASS−Bと命名されている。この
所属する遺伝子は同様に公知であり、cysKもしくは
cysMの名称を有する。両方の酵素は著しく類似の反
応メカニズムを有するが、アミノ酸配列をベースとする
同一性は45%にすぎない。
A(CysK)とは反対に、O−アセチル−L−セリン
をチオ硫酸塩と反応させてS−スルホシステインにする
反応を触媒することができる。この反応は、唯一のイオ
ウ源としてチオ硫酸塩を用いた細菌の成長の際に、重要
な役割を有する。
ン−スルフヒドリラーゼ−遺伝子の配列比較は、さらに
2種の系統発生的グループが存在することを示している
(Kitabatake et al., 2000, J. Bacteriol. 182:143-1
45)。ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)及び
大腸菌(Escherichia coli)のCysKは他のユーバク
テリウ、メタン生成古細菌及び植物からのO−アセチル
−L−セリン−スルフヒドリラーゼと一緒に大きなグル
ープを形成する。それに対して、ネズミチフス菌(Salm
onella typhimurium)及び大腸菌(Escherichia coli)
のCysMは、超好熱性古細菌(例えば、Pyrococcus,
Sulfolobus, Thermoplasma)からのO−アセチル−L−
セリン−スルフヒドリラーゼと一緒に極めて小さな類縁
グループにある。
ン−スルフヒドリラーゼ(O-Acetyl-L-Serin-Sulfhydry
lase)は、O−アセチル−L−セリンとスルフィドとか
らのL−システインの合成を触媒することができること
を特徴とする。CysM−類縁の並びにCysK−類縁
の酵素は従って本発明の範囲内でO−アセチル−L−セ
リン−スルフヒドリラーゼである。
セリン−スルフヒドリラーゼが比較的広い基質スペクト
ルを有していることが個々の文献(Ikegami & Murakosh
i, 1994, Phytochemistry 35: 1089-1104; Flint et a
l., 1996,J. Biol. Chem. 271:16053-16067)に示され
ているにもかかわらず、今までに、非タンパク質アミノ
酸の産生のための工業的使用の可能性は考慮されていな
かった。
工業的実現を今まで妨げていた決定的理由は、O−アセ
チル−L−セリン−スルフヒドリラーゼの活性範囲に該
当するpH−範囲内でのO−アセチル−L−セリンの不
安定性にある。
てN−アセチル−L−セリンに異性化する。この反応
は、不可逆的で、例えば7.6のpH値では1%×mi
n- 1の速度で極端に急速である。この反応速度はpH
値の低下と共に低下するため、この化合物は例えばpH
4.0で安定である。この反応のメカニズムは、アシル
基のカルボニル−炭素での脱プロトンしたアミノ基の分
子内の求核攻撃に基づく(Tai et al. 1995, Biochemis
try 34: 12311-12322)。
−スルフヒドリラーゼの最適pH値は、pH8.0の範
囲内にあり(Ikegami & Murakoshi, 1994, Phytochemis
try35: 1089-1104; Tai et al.1995, Biochemistry 34:
12311-12322)、従って、O−アセチル−L−セリンに
関する異性化の範囲内で極めて不利である。
−アセチル−L−セリン、求核試薬、ピリドオキサルホ
スフェート及び金属イオン(有利にGa2+)を用いる
非タンパク質アミノ酸のバイオミメティック合成を提案
した。この反応は3.5〜5.5のpH範囲内で可能で
あり、従ってO−アセチル−L−セリンの安定性を保障
する。<45%の最大収率によりこの方法は有効である
が、しかしながら極めて高くはない。酵素合成と比較し
た著しい欠点は、エナンチオ選択性の欠如である。
の課題は、O−アセチル−L−セリン−安定性と酵素活
性スペクトルとの非相容性にもかかわらず、わずかな異
性化で効果的な酵素転化率(>>45%)を保障する、
エナンチオマー純粋の非タンパク質アミノ酸の酵素を用
いた製造方法を提供することである。
決される、それというのも、この反応はO−アセチル−
L−セリン−スルフヒドリラーゼの最適pH値を下回っ
て実施され、かつこの酵素は十分に高い量で使用される
ためである。
の製造のための有利なpH範囲は、pH5.0〜7.4
のpH範囲である。
あるのが特に有利である。
にあるのがさらに特に有利である。
抗するため、能動的pHコントロールにより一定に保持
するのが有利である。能動的pHコントロールは有利に
測定ユニット及び制御ユニットにより達成することがで
き、前記のユニットはpH値が規準値から逸れた場合に
アルカリ液又は酸を供給することにより所望のpH値に
調整する。
フヒドリラーゼを用いた非タンパク質アミノ酸の合成の
ための文献に記載された反応は、本発明による方法とは
反対に、O−アセチル−L−セリン−スルフヒドリラー
ゼの最適pH値の範囲内で、能動的pHコントロールな
しで単に分析的規模で実施された。さらに、例外なくC
ysK−酵素の系統分類グループの酵素を使用してい
た。
リンを求核性化合物とO−アセチル−L−セリン−スル
フヒドリラーゼの触媒作用下で反応させて非タンパク質
L−アミノ酸にする非タンパク質L−アミノ酸の製造方
法において、O−アセチル−L−セリン−スルフヒドリ
ラーゼとしてCysMを使用する方法にも関する。
最適pH値の範囲外でも十分な転化反応が行われること
を保障する。このような酵素濃度は本発明にとって、O
−アセチル−L−セリン−スルフヒドリラーゼの体積活
性ACysがバッチ中で少なくとも2ユニット/mlで
ある場合に特に有利である。2〜200ユニット/ml
の活性が特に有利である。この活性測定は例3に記載さ
れた試験によって行った。
M−酵素の系統的グループからのO−アセチル−L−セ
リン−スルフヒドリラーゼも、非タンパク質アミノ酸の
製造のための優れた酵素であることが観察される。基質
として適した求核試薬のスペクトルはCysK−酵素の
スペクトルよりもさらに広いことが意想外であった。
酵素反応は連続的方法として運転される。この場合、反
応の間に持続的にO−アセチル−L−セリン、O−アセ
チル−L−セリン−スルフヒドリラーゼ及び求核試薬を
供給し、同時にバッチから非タンパク質L−アミノ酸を
含む溶液(生成物溶液)を取り出す。この取り出しは有
利に反応バッチ中の体積は変化しないように行うのが有
利である。この方法の特別な利点は、流量の平衡が調整
されるため、バッチ中にはO−アセチル−L−セリンの
持続的に低い濃度が存在し、従って異性化は回避され
る。バッチ中で<1.0g/lのO−アセチル−L−セ
リン−濃度を調整するのが有利である。この値は、溶液
の反応バッチ中での平均滞留時間のバリエーションによ
って制御することができる。連続的反応のためのO−ア
セチル−L−セリンの貯蔵は、十分な安定性を保障する
ために酸性のpH値下に、有利にpH4〜5に保持され
る。
リンのアセチル化による化学合成から得られており、高
いL−セリン価格によって高価であった。2001年2
月15日出願の同一出願人の出願明細書DE10107
002は、O−アセチル−L−セリンの発酵による製造
方法を記載している。従って、コストの低い製造システ
ムは使用可能であるが、発酵ブイヨンから生成物の単離
はO−アセチル−L−セリンの不安定性に基づき問題で
あった。
02により実施された発酵から得られたO−アセチル−
L−セリン含有発酵ブイヨンを、O−アセチル−L−セ
リン−供給源として直接本発明による方法に使用するこ
とができることである。この方法は特に経済的であり、
不安定な化合物の単離を回避できる。
アセチル−L−セリン−スルフヒドリラーゼの製造は、
有利に、当業者に周知であるような通常の組換えDNA
技術を用いて行われる。
ラーゼをコードする遺伝子は、このため適当なベクター
中にクローニングされ、引き続き適当な宿主を形質転換
する。宿主として、組換えDNA技術に用いられる各微
生物及び組換えタンパク質の発酵による製造のために適
した各微生物が適している。
ラーゼの製造のために有利な微生物は大腸菌(Escheric
hia coli)である。
リン−スルフヒドリラーゼ遺伝子の染色体挿入並びに自
己複製性のプラスミドベクターに関する使用も可能であ
る。
ル−L−セリン−スルフヒドリラーゼ−遺伝子の制御さ
れた著しく誘導可能な発現を可能にする遺伝的要素(例
えば調節可能なプロモータ、ターミネータ)を有するベ
クターを使用するのが有利である。高いコピー数を有す
るプラスミド−ベクター、例えばEschericia coliベク
ターpUC18、pBR322、pACYC184及び
これらの誘導体が特に有利である。著しく誘導可能なプ
ロモータとして、例えばlac−、tac−、trc
−、lambda PL、ara−又はtet−プロモ
ータが適している。
ラーゼの産生は例えば組換え微生物株の培養により発酵
によって行う。この場合、当業者に公知の培養方法が適
用され、この際、このプロセスパラメータはそれぞれの
微生物株に適合させなければならない。培養基として、
完全培地並びに最少培地を使用することができる。バッ
チプロセス並びにフィードバッチプロセス(fed-batch-
Prozess)を適用することができる。誘導可能なプロモ
ータ系を使用する場合、適当な時点でO−アセチル−L
−セリン−スルフヒドリラーゼ−遺伝子の発現が、相応
するインダクタの添加によりスイッチオンされる。十分
な産生期間の後に、O−アセチル−L−セリン−スルフ
ヒドリラーゼ含有細胞は公知の方法(遠心分離)によっ
て収穫される。
L−セリン−スルフヒドリラーゼ−酵素はタンパク質精
製の通常の方法によって単離することができる。この場
合、典型的な方法(例えば、沈殿、イオン交換クロマト
グラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、等電
点電気泳動)も使用可能であり並びに「アフィニティタ
グ(Affinitaetstags)」の使用下での近代的なアフィ
ニティークロマトグラフィーも使用可能である。このア
フィニティ付加物をコードする配列は、遺伝子のクロー
ニングの際にコードされる領域と融合されていてもよ
く、その結果、相応するアフィニティ付加物を有する誘
導タンパク質が得られる。これは次いで1工程精製(Ei
n-Schritt-Reinigung)において単離される。アフィニ
ティ付加物とアフィニティ精製との適当な組合せの例
は、StrepTagとストレプトアビジン−アフィニ
ティクロマトグラフィーとの組合せであり、IBA, Goett
ingen,Dにより市販されている。
−L−セリン−スルフヒドリラーゼは精製された形で使
用することができる。溶液中での反応の他に、酵素を担
体へ固定することも可能である。相応する方法は先行技
術である。
造のためのO−アセチル−L−セリン−スルフヒドリラ
ーゼの単離は必須ではない。同様に、O−アセチル−L
−セリン−スルフヒドリラーゼ−活性を有する微生物細
胞を本発明による方法に直接使用することも可能であ
る。このような微生物株の例は、大腸菌(Escherichiac
oli)株DH5α/pFL145及びBLR21(DE
3)/pLE4である。これらは実施例1及び2に記載
されており、ブラウンシュバイクのドイツ微生物及び細
胞培養のための寄託機関DSMZ(Deutschen Sammlung
fuer Mikroorganismen und Zellkulturen DSMZ in Bra
unschweig)に寄託番号DSM14088及び1408
9のもとで寄託されている。
−アセチル−L−セリンの非タンパク質L−アミノ酸へ
の生体内変換は休止細胞を用いて行う。O−アセチル−
L−セリン及び求核性化合物の細胞への侵入は、この場
合、反応生成物の非タンパク質L−アミノ酸の放出と同
様に細胞を通して行われる。
す物質で細胞を処理することにより、細胞内部と反応媒
体との間の物質代謝を高めることができる。このような
物質は、例えばクロロホルム又はトルエンであり、この
使用は当業者に公知である。
ンパク質アミノ酸を、O−アセチル−L−セリン−スル
フヒドリラーゼの触媒作用下でO−アセチル−L−セリ
ンと求核性化合物との反応により生成し、その際、O−
アセチル−L−セリン−スルフヒドリラーゼは微生物の
細胞内に存在する。
アセチル−L−セリンを、求核性化合物と、O−アセチ
ル−L−セリン−スルフヒドリラーゼによる触媒作用下
で反応させることによる非タンパク質L−アミノ酸の製
造は特に有利であり、その際、O−アセチル−L−セリ
ン−スルフヒドリラーゼは微生物の細胞内に存在する。
ラーゼにより触媒されるβ−置換のための求核性化合物
として、本発明による方法において、次のグループ:
使用される。
換又は非置換のアルキル基、アルコキシ基、アリール基
又はヘテロアリール基を表す]のチオール − セレニド − 一般式(2) H−Se−R1 (2) [式中、R1は式(1)に記載した意味を表す]のセレ
ノール − アジ化物 − シアン化物 − 一般式(3)又は(4)
4又はNを表し、R4は−H、−COOH、−OH、−
NH2、−NO2、−SH、−SO3 -、−F、−C
l、−Br、−I、C1〜C5−アルキルカルボニル−
並びにそのエステル、アミド又は塩又はR1を表し、R
1は式(1)について挙げられた意味を表し、R2及び
R3は同じ又は異なり、R4を表すか、又は式(4)中
のC1及びC2はR2又はR3の置換基の代わりに架橋
[−CR5R6−]aによって環を形成するように結合
しており、その際、aは1、2、3又は4を表し、R5
及びR6は同じ又は異なり、R4を表し、1個又は数個
の隣接しない基[−CR5R6−]は酸素、硫黄又は場
合によりC1〜C5アルキル置換されたイミノ基により
置換されていてもよくかつ2個の隣接する基[−CR5
R6−]は基[−CR5=CR6−]又は基[−CR5
=N−]により置き換えられていてもよい]のアゾール − 一般式(5)又は(6)
記載した意味を表し、式(6)中のC 1及びC2は置換
基R2及びR3の代わりに式(4)について定義された
架橋を用いて1つの環を形成するように結合していても
よい]のイソキサゾリンノンのグループから選択される
求核性化合物を添加するのが特に有利である。
チオ硫酸カリウム又はチオ硫酸アンモニウムである。
ル、3−メルカプトプロパノール、3−メルカプトプロ
ピオン酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸、
メルカプトエタンスルホン酸、2−メルカプトエチルア
ミン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオ酢酸、メルカ
プトコハク酸、メルカプトピルビン酸、ジチオトレイト
ール、ジチオエリトリトール、1−チオグリセリン、チ
オフェノール、4−フルオロチオフェノール、4−クロ
ロチオフェノール、4−メルカプトフェノール、p−チ
オクレゾール、5−チオ−2−ニトロ安息香酸、2−メ
ルカプトチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、2−
メルカプトイミダゾール、3−メルカプト−1,2,4
−チアゾール、2−チオフェンチオール、2−メルカプ
トピリジン、2−メルカプトピリミジン、2−チオシト
シン、2−メルカプトニコチン酸、2−メルカプト−1
−メチルイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−メルカプトベンゾオキサゾール、6−メルカプ
トプリンのグループから選択される化合物である。
チルセレノール、プロピルセレノール、フェニルセレノ
ールのグループから選択される化合物である。
化カリウム又はアジ化アンモニウムである。
アン化ナトリウム又はシアン化アンモニウムである。
−メチルピラゾール、4−メチルピラゾール、3,5−
ジメチルピラゾール、3−アミノピラゾール、4−アミ
ノピラゾール、ピラゾール−4−カルボン酸、ピラゾー
ル−3,5−ジカルボン酸、1,2,3−トリアゾー
ル、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,
4−トリアゾール、1,2,3,4−テトラゾール、イ
ンダゾール、インダゾール−3−カルボン酸、インダゾ
ール−5−カルボン酸、5−アミノインダゾール、ベン
ゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン
酸、5−アミノベンゾトリアゾール、アミノピラゾロピ
リミジン、8−アザグアニジン、8−アザアデニンのグ
ループから選択される化合物である。
リン−5−オン、3−メチルイソオキサゾリン−5−オ
ン、4−メチルイソオキサゾリン−5−オン、4,5−
ジメチルイソオキサゾリン−2−オン、1,2,4−オ
キサジアゾリジン−3,5−ジオンのグループから選択
される化合物である。
O−アセチル−L−セリンと等モル濃度で存在するよう
に選択される。
る。特に有利な温度範囲は20℃〜40℃である。
れる。
(7)
選択される一価の基を表し、及びR1、R2、R3、R
4、X及びYはすでに式(1)〜(6)に挙げられた意
味を表す]のL−アミノ酸が生成される。
明による方法の完了後及び有利に水溶液の分離後にバイ
オマス及び培養上澄液中で公知の方法を用いて培養上澄
液から単離される。このようなアミノ酸の単離のための
方法は同様に当業者に公知である。この方法は例えば濾
過、遠心分離、抽出、吸着、イオン交換クロマトグラフ
ィー、沈殿、晶出である。難溶性の非タンパク質アミノ
酸が存在する場合に、有利に、当業者に公知のような慣
用の遠心分離が実施され、その際、バイオマスはできる
限り遠心分離上澄液中に残留する。分離された生成物は
有利に慣用の方法により溶解及び再沈殿させる。
に用いられる。
合遺伝子としての大腸菌からのcysK−遺伝子もしく
はcysM−遺伝子のクローニング 大腸菌からのcysK−遺伝子もしくはcysM−遺伝
子のクローニングのために、まずPwo−DNA−ポリ
メラーゼを用いて次のホスホロチオエート保護したオリ
ゴヌクレオチド−プライマー−ペアのポリメラーゼ連鎖
反応を実施した。
ンドヌクレアーゼBsaI(下線のヌクレオチド)のた
めの切断箇所を導入した。鋳型として、E. coli W3110
(ATTC 27325)の染色体DNAを用いた。得られた増幅
物を制限酵素BsaIを用いて消化し、引き続きEco
31I−処理したベクターpASK−IBA3(instit
ut fuer Bioanalytik, Goettingen, D)中にクローニン
グした。このベクターは、StrepTagIIの名称
のアフィニティペプチド(WSHPQFEK 配列番号5)をコ
ードする配列を3′末端に遺伝子融合物としてクローニ
ングすることができる。tet−プロモータを用いたこ
の遺伝子融合物の発現はC末端StrepTagII−
付属遺伝子を有するタンパク質を生じる。後者はタンパ
ク質の単離のために利用することができる、それという
のもStrepTagIIはストレプトアビジン−カラ
ムへの結合を媒介するためである。
Mタンパク質の精製 cysM−StrepTag−構築物(pFL145)
を用いてE. coli株DH5α(Clonetech, Heidelberg,
D)中で著しく良好な遺伝子発現を行うことができた。
この場合、培養及び発現はInstitut fuer Bioanalytik
社, Goettingen,Dの指示に従って実施した。株DH5α
/pFL145はドイツ微生物及び細胞培養の寄託機関
(DSMZ)にブタペスト条約に従い、寄託番号DSM
Z14088で寄託されている。cysK−Strep
Tag−構築物(pLE1)の場合にはそれに対してこ
の発現は著しく弱い。XbaI−HindIII−フラ
グメントとしての遺伝子融合物をT7−プロモータ(p
RSET5a)(Stratagene, Heidelberg, D)を有す
るベクター中へ再クローニングし、株BLR21(DE
3)(Novagen, Darmstadt, D)中での発現により、こ
の場合(pLE4)に遺伝子産物の良好な形成が達成さ
れた。株BLR21(DE3)/pLE4はドイツ微生
物及び細胞培養の寄託機関(DSMZ)にブタペスト条
約に従い、寄託番号DSMZ14089で寄託されてい
る。CysKタンパク質もしくはCysMタンパク質の
単離は、ストレプトアビジンカラムを用いたアフィニテ
ィクロマトグラフィーにより行い、その際、原則として
Institut fuer Bioanalytik社,Goettingen, Dの製造元
の指示に従って方法を実施した。収量は培養250ml
を使用した場合、精製されたCysKタンパク質3mg
もしくは精製されたCysMタンパク質4.5mgであ
った。両方のタンパク質はピリドオキサルホスフェート
−コファクターに基づき、明らかに黄色の呈色を生じ、
420nmでの最大吸光を示した。
の測定は、「天然の」反応生成物L−システイン(Cy
s)の検出により行うか又はCysMの場合には他にS
−スルホ−L−システイン(S−Cys)として行っ
た。両方の生成物は、著しく特異的にかつ著しく敏感に
Gaitonde(1967, Biochem. J. 104: 627-633)による試
験を用いて測定される。両方の化合物に対して、別々の
検量線を記録した、それというのもスルホシステインを
用いた着色複合体は僅かな強度を有するためである。
−セリン(ナトリウム−スクシネート−緩衝液500m
M中の株溶液200mMからの添加物、pH5.5)1
0mM、硫化ナトリウム又はチオ硫酸ナトリウム10m
M、カリウム−ホスフェート−緩衝液(pH7.0)1
00mM、精製された酵素5μg/mlを含有し、これ
を37℃でインキュベートした。特異的活性Aをユニッ
ト/mgタンパク質で表示し、つまりμmol産物×m
in- 1×mg- 1タンパク質で表示した。AC ysはス
ルフィドを用いたシステイン形成の特異的活性を意味す
る。AS - Cy sはチオ硫酸塩を用いたS−スルホ−シ
ステイン形成の特異的活性を意味する。例2中で単離さ
れたタンパク質を用いるこの特異的活性は次のようであ
った: CysK:ACys 140ユニット/mg CysM:ACys 199ユニット/mg CysM:AS - Cys 145ユニット/mg 休止細胞中のO−アセチル−L−セリン−スルフヒドリ
ラーゼの活性を測定する場合、まず、20.0の光学密
度(600nmで測定)を有する細胞懸濁液を調整し
た。引き続き、この細胞をクロロホルムの添加により1
0体積%まで浸透させ、室温で5分間インキュベートし
た。次いで酵素の対して1.0の光学密度を調整し、細
胞を用いて上記したようにO−アセチル−L−セリン及
びスルフィドもしくはチオ硫酸塩との反応を実施した。
この細胞の特異的活性Aはこの場合μmol×min-
1(600nmで1.0の光学密度を有する細胞懸濁液
ml);短縮形:ユニット/ml ODで示した。
ヒドリラーゼCysKもしくはCysMの触媒作用能力
の試験 O−アセチル−L−セリン−スルフヒドリラーゼを用い
て非タンパク質アミノ酸を製造するために、他の求核性
化合物をスルフィド又はチオ硫酸塩の代わりに反応中で
使用した。この検出のために、アミノ酸に対する予備カ
ラム誘導化(Vorsaeulenderivatisierung)を、オルト
−フタルジアルデヒドを用いて実施した。この方法を用
いて、精製された求核性基質の広範囲なスクリーニング
を実施できた。
(Naスクシネート−緩衝液500mM中の株溶液20
0mMからの添加物、pH5.5)4mM、求核試薬2
0mM、K−ホスフェート−緩衝液100mM、pH
7.0、精製された酵素、5μg/mlを含有した。こ
の反応を酢酸(96%v/v)1/100体積を用いて
停止し、HP Aminoquantカラム(200mm×2.1m
m)を用いるHPLCによりHewlett Packard, Waldbro
nn, D,の製造元の指示に従って分析した。
HPLC−MSを用いて分子量を検出した。このため
に、移動層としてギ酸(0.1%v/v)を用いるLuna
-C18-カラム(Phenomenex, Aschaffenburg, D)を用い
た。イオン化を正のエレクトロスプレー法で実施した。
素CysKもしくはCysMの反応性及びHPLC−M
S−分析(MH+)での測定量を示した。
化率、 ++ 30分後に40%を越える転化率、 +
30分後に10%を越える転化率、 − 30分後に
5%未満の転化率。
ヒドリラーゼCysMの発酵による製造 発酵のため予備培養として、付加的にアンピシリン10
0ml/lを含有するLB培地(トリプトン10g/
l、酵母抽出物5g/l、NaCl 10g/l)20
mlに、株DH5α/pFL145(上記参照)を接種
し、30℃で150rpmで振盪器中で一晩中インキュ
ベートした。引き続き全体のバッチを、グルコース5g
/l、ビタミンB1 0.5mg/l及びアンピシリン
100mg/lを補充したSM1培地(K2HPO4
12g/l;KH2PO4 3g/l;(NH4)2S
O4 5g/l;MgSO4×7H2O 0.3g/
l;CaCl2×2H2O 0.015g/l;FeS
O4×7H2O 0.002g/l;Na3シトレート
×2H2O 1g/l;NaCl 0.1g/l;Na
2MoO4×2H2O 0.15g/l;Na3BO3
2.5g/l;CoCl2×6H2O 0.7g/
l;CuSO4×5H2O 0.25g/l;MnCl
2×4H2O 1.6g/l;ZnSO4×7H2O
0.3g/lからなる微量元素溶液1ml/l)100
mlに移した。この予備培養をさらに30℃で8時間1
50rpmでインキュベーションした。
を有するBraun Biotech (Melsungen, D)社のBiostat M-
装置を用いた。記載した予備培養(600nmでの約2
の光学密度)を用いて、発酵培地(グルコース15g/
l;トリプトン10g/l;酵母抽出物5g/l;(N
H4)2SO4 5g/l;KH2PO4 1.5g/
l;NaCl 0.5g/l;MgSO4×7H2O
0.3g/l;CaCl2×2H2O 0.015g/
l;FeSO4×7H2O 0.075g/l;Na3
シトレート×2H2O 1g/l及び前記のような微量
元素溶液1ml/l、ビタミンB1 5mg/l及びア
ンピシリン100mg/l、25%アンモニアを用いて
pH7.0に調整)900mlを有する発酵槽に接種し
た。発酵の間に32℃の温度を調整し、pH値をアンモ
ニア25%v/vの添加により7.0の値に一定に保持
した。この培養に除塵した圧縮空気を1.5vol/v
ol/minで通気し、200rpmの撹拌機回転数で
撹拌した。酸素飽和が50%の値に低下した後、回転数
を制御装置を介して1200rpmの値にまで高め、酸
素飽和50%を維持した(pO2センサを用いて測定、
900rpmで100%飽和に校正)。発酵槽中のグル
コース含有量が最初15g/lから約5〜10g/lに
低下するまで、グルコース溶液56%w/vの添加を行
った。この培養を3〜6ml/hの流動速度で行い、そ
の際、発酵槽中のグルコース濃度を0.5〜10g/l
の間に維持した。グルコース測定をYSI社(Yellow S
prings, Ohio, USA)のグルコース分析機を用いて実施
した。光学密度30に到達した際に酵素生産をテトラサ
イクリン3mg/lの添加により誘導した。誘導時間は
7時間であった。この時間の後に、試料を取り出し、細
胞を培地の遠心分離により分離し、洗浄した。生じた細
胞懸濁液を例3に記載したように分析した。チオ硫酸塩
を用いて測定したO−アセチル−L−セリン−スルフヒ
ドリラーゼ−活性AS - Cysは12ユニット/ml
ODであった。
素中で衝撃冷凍し、−20℃で貯蔵した。
ヒドリラーゼCysKの発酵による製造 CysK−酵素の製造のために原則として例5に記載し
たと同様に行った。もちろんこの場合に株BLR21
(DE3)/pLE4を使用した。装入されたグルコー
ス15g/lの消費後に、60%(v/v)グリセリン
溶液を用いた培養を行った。流動速度は9.5ml/h
であった。同時に酵素産生をイソプロパノール−β−チ
オガラクトシド(IPTG)0.4mMの添加により誘
導した。21時間の誘導時間の後に試料を取り出し、培
養基の遠心分離により細胞を分離し、洗浄した。得られ
た細胞懸濁液を例3に記載されたと同様に分析した。ス
ルフィドACysを用いて測定した特異的O−アセチル
−L−セリン−スルフヒドリラーゼ−活性は2ユニット
/ml ODであった。
に衝撃冷凍し、−20℃で貯蔵した。
−システインの酵素による製造 pHセンサ及びpH制御装置を備えた温度調節可能な容
器中に、まずO−アセチル−L−セリン−ヒドロクロリ
ド(Sigma, Deisenhofen, D)を水100mlに溶か
し、その結果、O−アセチル−L−セリン200mM
(29.4g/l)の最終濃度が生じた。その後、撹拌
しながらチオフェノール200mMを添加した。引き続
きこのバッチを5M NaOHの滴定により素早く6.
7のpH値にもたらし、すぐにCysM産生株DH5α
/pFL145の細胞懸濁液を混入した。この細胞懸濁
液は12ユニット/ml ODの特異的活性AS -
Cysを有していた。バッチ中の細胞の光学密度(60
0nmで測定)は2.0であり、従ってO−アセチル−
L−セリン−スルフヒドリラーゼ−活性は24ユニット
/mlのAS - Cysの値であった。反応の間にpH値
を5M NaOHの供給によりpH制御システムを用い
て一定に保持した。
た。30分後に試料を取り出し、1%(v/v)酢酸を
添加した。沈殿物を遠心分離により分離し、同じ体積の
21%(v/v)リン酸中に溶かし、HPLCにより分
析した。遠心分離の上澄液を同様にクロマトグラフィー
にかけた。この分析はLUNA 5μ C18(2)−
カラム(Phenomenex, Aschaffenburg, D)の逆相HPL
Cを用いて実施した。溶離剤として、0.5ml/mi
nの流動速度で希釈したリン酸(0.1ml濃リン酸/
l)を用いた。
上澄液中で1.6g/l、沈殿物中で24.8g/lで
あった。これはO−アセチル−L−セリンに対して67
%の全反応収率に相当した。このバッチをO−アセチル
−L−セリン−スルフヒドリラーゼの使用を12もしく
は2ユニット/mlに減少させながらも実施した。しか
しながら、これは延長された酵素反応を生じ、O−アセ
チル−L−セリンの異性化に基づき52%もしくは15
%の収率に低下した。
発酵ブイヨン及び休止細胞を用いたS−フェニル−L−
システインの酵素を用いた製造 純粋物質としてのO−アセチル−L−セリンの代わり
に、O−アセチル−L−セリン−含有の発酵ブイヨン中
でこの試験を実施した。このブイヨンはDE10107
002特許出願明細書に記載されたと同様に発酵により
得られた。発酵の完了時に、O−アセチル−L−セリン
の安定化は21%(v/v)リン酸を用いてpH値4.
0が調整された。この細胞を遠心分離により分離し、発
酵ブイヨンを蒸発によりO−アセチル−L−セリンの濃
度を30g/lにした。引き続きブイヨン100mlに
チオフェノール200mMを添加し、pH6.7に滴定
した後、CysM−産生株DH5α/pFL145を混
入した。この活性AS - Cy sは24ユニット/mlで
あった。その後、例7によるように実施した。O−アセ
チル−L−セリンに対する収率は65%であった。
pLE4の細胞を有する同様のバッチを供給し、A
Cys 38ユニット/mlの使用で72%の収率が得
られた。
発酵ブイヨン及び休止細胞を有するS−フェニル−L−
システインの連続的な酵素による製造 反応実施の目標は、高価でかつ不安定な原料のO−アセ
チル−L−セリンに対してできる限り高い収率を達成す
ることである。これを保障するために、連続的方法が行
われる。この場合、まず例8に記載されたと同様に実施
し、単にCysM活性AS - Cysに関する使用が48
ユニット/mlに高められた。20分の反応時間の後に
供給ユニットを介してO−アセチル−L−セリン−含有
の発酵ブイヨン(30g/l)、チオフェノール及びC
ysM産生株DH5α/pFL145(600nmで2
40OD、リン酸カリウム緩衝液中でpH7.0)の細
胞懸濁液を添加した。流動速度は150、2.5もしく
は3ml/hであった。同時に、連続的に生成物溶液を
反応容器から155.5ml/hの流速で取り出すこと
で開始した。この流速は、反応器中の反応体積が一定に
保持され、反応器中の平均滞留時間が30分であるよう
に選択される。この方法を用いて、バッチ中で一定のO
−アセチル−L−セリン−濃度で1.0g/lの流動速
度が生じた。この低い濃度に基づき(この酵素はそのな
お低いKM値に基づきなお極めて良好な活性を有する)
N−アセチル−L−セリンへの異性化が効果的に最小化
することができる。このO−アセチル−L−セリンに対
する反応収率は85%である。
の発酵ブイヨン及び休止細胞を用いたアジ化−L−アラ
ニンの酵素による製造 この例において、原則として例8と同様にCysM−含
有細胞を用いて実施した。チオフェノールに代わり、ア
ジ化ナトリウム200mMを使用した。バッチ中で72
ユニット/mlの活性に相当する細胞を用いた30分の
反応時間の後に45%の転化率が測定された。
の発酵ブイヨン及び休止細胞を用いたシアノ−L−アラ
ニンの酵素による製造 この例において、原則として例8と同様にCysM−含
有細胞を用いて実施した。チオフェノールに代わり、シ
アン化カリウム200mMを使用した。シアン化物の添
加をまず行い、バッチを6.7のpH値に調整した。バ
ッチ中で72ユニット/mlの活性の細胞を用いた30
分の反応時間の後に65%の転化率が測定された。
の発酵ブイヨン及び休止細胞を用いたS−スルホ−L−
システインの酵素による製造 この例において、原則として例8と同様にCysM−含
有細胞を用いて実施した。チオフェノールに代わり、チ
オ硫酸ナトリウム200mMを使用した。バッチ中で1
6ユニット/mlの活性に相当する細胞を用いた30分
の反応時間の後に91%の転化率が測定された。
の発酵ブイヨン及び休止細胞を用いたS−チアゾール−
2−イル−L−システインの酵素による製造 この例において、原則として例8と同様にCysM−含
有細胞を用いて実施した。チオフェノールに代わり、2
−メルカプトチアゾール200mMを使用した。バッチ
中で72ユニット/mlの活性に相当する細胞を用いた
30分の反応時間の後に62%の転化率が測定された。
の発酵ブイヨン及び休止細胞を用いたS−1,2,4−
チアゾール−3−イル−L−システインの酵素による製
造 この例において、原則として例8と同様にCysM−含
有細胞を用いて実施した。チオフェノールに代わり、3
−メルカプト−1,2,4−チアゾール200mMを使
用した。バッチ中で72ユニット/mlの活性に相当す
る細胞を用いた30分の反応時間の後に74%の転化率
が測定された。
の発酵ブイヨン及び休止細胞を用いたセレノ−L−シス
テインの酵素による製造 この例において、原則として例8と同様にCysM−含
有細胞を用いて実施した。チオフェノールに代わり、セ
レン化ナトリウム200mMを使用した。セレン化ナト
リウムはホウ水素化ナトリウムを用いる亜セレン酸ナト
リウムの還元により製造した。バッチ中で72ユニット
/mlの活性に相当する細胞を用いた30分の反応時間
の後に75%の転化率が測定された。
の発酵ブイヨン及び休止細胞を用いたフェニル−セレノ
−L−システインの酵素による製造 この例において、原則として例8と同様にCysM−含
有細胞を用いて実施した。チオフェノールに代わり、フ
ェニルセレノール200mMを使用した。バッチ中で7
2ユニット/mlの活性に相当する細胞を用いた30分
の反応時間の後に62%の転化率が測定された。
の発酵ブイヨン及び休止細胞を用いた1,2,4−チア
ゾール−1−イル−L−アラニンの酵素による製造 この例において、原則として例8と同様に実施した。チ
オフェノールに代わり、1,2,4−チアゾール200
mMを使用した。この反応のために細胞を10%(v/
v)クロロホルムを用いた処理により易透化した。バッ
チ中で72ユニット/mlの活性に相当する細胞を用い
た30分の反応時間の後に48%の転化率が測定され
た。
の発酵ブイヨン及び休止細胞を用いた5−カルボキシ−
1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル−L−アラ
ニンの酵素による製造 この例において、原則として例8と同様に実施した。チ
オフェノールに代わり、1,2,4−オキサジアゾリジ
ン−2,5−ジオン200mMを使用した。この反応の
ために細胞を10%のクロロホルムを用いた処理により
易透化した。バッチ中で72ユニット/mlの活性に相
当する細胞を用いた30分の反応時間の後に11%の転
化率が測定された。
の発酵ブイヨン及び休止細胞を用いた1,2,4−オキ
サジアゾリジン−3,5−ジオニル−L−アラニン(キ
スカル酸)の酵素による製造 この例において、原則として例8と同様に実施した。チ
オフェノールに代わり、5−カルボキシ−1,2,3−
ベンゾトリアゾール200mMを使用した。この反応の
ために細胞を10%のクロロホルムを用いた処理により
易透化した。バッチ中で72ユニット/mlの活性に相
当する細胞を用いた30分の反応時間の後に54%の転
化率が測定された。
Claims (18)
- 【請求項1】 O−アセチル−L−セリンを求核性化合
物とO−アセチル−L−セリン−スルフヒドリラーゼの
触媒作用下で反応させて非タンパク質L−アミノ酸にす
る酵素による生体内変換を用いて非タンパク質L−アミ
ノ酸を製造する方法において、前記の方法をpH5.0
〜7.4の範囲内のpH値で実施することを特徴とす
る、非タンパク質L−アミノ酸の製造方法。 - 【請求項2】 pH6.0〜7.1の範囲内のpH値で
実施する、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 pH6.0〜6.99の範囲内のpH値
で実施する、請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 O−アセチル−L−セリンを求核性化合
物とO−アセチル−L−セリン−スルフヒドリラーゼの
触媒作用下で反応させて非タンパク質L−アミノ酸にす
る非タンパク質L−アミノ酸の製造方法において、O−
アセチル−L−セリン−スルフヒドリラーゼとしてCy
sMを使用することを特徴とする、非タンパク質L−ア
ミノ酸の製造方法。 - 【請求項5】 O−アセチル−L−セリン−スルフヒド
リラーゼがバッチ中で少なくとも2ユニット/mlの体
積活性ACysを有する、請求項1から4までのいずれ
か1項記載の方法。 - 【請求項6】 O−アセチル−L−セリンを求核性化合
物とO−アセチル−L−セリン−スルフヒドリラーゼの
触媒作用下で反応させて非タンパク質L−アミノ酸にす
る非タンパク質L−アミノ酸の製造方法において、持続
的にO−アセチル−L−セリン、O−アセチル−L−セ
リン−スルフヒドリラーゼ及び求核性化合物を供給し、
同時に非タンパク質L−アミノ酸を含有する溶液を取り
出すことを特徴とする、非タンパク質L−アミノ酸の製
造方法。 - 【請求項7】 O−アセチル−L−セリン−スルフヒド
リラーゼを精製された形で使用する、請求項1から6ま
でのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項8】 O−アセチル−L−セリン−スルフヒド
リラーゼを担体に固定化した後に使用する請求項1から
4までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項9】 O−アセチル−L−セリンを求核性化合
物とO−アセチル−L−セリン−スルフヒドリラーゼの
触媒作用下で反応させて非タンパク質L−アミノ酸にす
る非タンパク質L−アミノ酸の製造方法において、O−
アセチル−L−セリンとしてO−アセチル−L−セリン
−含有発酵ブイヨンを使用することを特徴とする、非タ
ンパク質L−アミノ酸の製造方法。 - 【請求項10】 O−アセチル−L−セリン−スルフヒ
ドリラーゼを、O−アセチル−L−セリン−スルフヒド
リラーゼ活性を有する休止微生物細胞の形で使用する、
請求項1から6までのいずれか1項又は請求項9記載の
非タンパク質L−アミノ酸の製造方法。 - 【請求項11】 求核性化合物が、 【化1】 のグループから選択される基を有する、請求項1から1
0までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項12】 求核性化合物が、チオ硫酸塩、一般式
(1) H−S−R1 (1) [式中、R1は置換又は非置換の一価の、1〜15個の
C原子を有するアルキル基、アルコキシ基、アリール基
又はヘテロアリール基を表す]のチオール、セレニド、
一般式(2) H−Se−R1 (2) [式中、R1は式(1)について挙げられた意味を表
す]のセレノール、アジ化物、シアン化物、一般式
(3)又は(4) 【化2】 [式中、X及びYは同じ又は異なり、CR4又はNを表
し、R4は−H、−COOH、−OH、−NH2、−N
O2 -、−SH、−SO3 -、−F、−Cl、−Br、−
I、C1〜C5−アルキルカルボニル−並びにそのエス
テル、アミド又は塩又はR1を表し、R1は式(1)に
ついて挙げられた意味を表し、R2及びR3は同じ又は
異なり、R4を表すか、又は式(4)中のC1及びC2
はR2又はR3の置換基の代わりに架橋[−CR5R6
−]aによって環を形成するように結合しており、その
際、aは1、2、3又は4を表し、R5及びR6は同じ
又は異なり、R4を表し、1個又は数個の隣接しない基
[−CR5R6−]は酸素、硫黄又は場合によりC1〜
C5アルキル置換されたイミノ基により置換されていて
もよくかつ2個の隣接する基[−CR5R6−]は基
[−CR5=CR6−]又は基[−CR5=N−]によ
り置き換えられていてもよい]のアゾール、一般式
(5)又は(6) 【化3】 [式中、X、R1、R2及びR3はすでに記載した意味
を表し、式(6)中のC 1及びC2は置換基R2及びR
3の代わりに式(4)について定義された架橋を用いて
1つの環を形成するように結合していてもよい]のイソ
キサゾリンノンのグループから選択される、請求項11
記載の方法。 - 【請求項13】 求核性化合物が、2−メルカプトエタ
ノール、3−メルカプトプロパノール、3−メルカプト
プロピオン酸、3−メルカプト−1−プロパンスルホン
酸、メルカプトエタンスルホン酸、2−メルカプトエチ
ルアミン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオ酢酸、メ
ルカプトコハク酸、メルカプトピルビン酸、ジチオトレ
イトール、ジチオエリトリトール、1−チオグリセリ
ン、チオフェノール、4−フルオロチオフェノール、4
−クロロチオフェノール、4−メルカプトフェノール、
p−チオクレゾール、5−チオ−2−ニトロ安息香酸、
2−メルカプトチアゾール、2−メルカプトチアゾリ
ン、2−メルカプトイミダゾール、3−メルカプト−
1,2,4−トリアゾール、2−チオフェンチオール、
2−メルカプトピリジン、2−メルカプトピリミジン、
2−チオシトシン、2−メルカプトニコチン酸、2−メ
ルカプト−1−メチルイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、
6−メルカプトプリン、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸
カリウム、チオ硫酸アンモニウム、アジ化ナトリウム、
アジ化カリウム、アジ化アンモニウム、シアン化カリウ
ム、シアン化ナトリウム、シアン化アンモニウム、メチ
ルセレノール、エチルセレノール、プロピルセレノー
ル、フェニルセレノール、1,2−ピラゾール、3−メ
チルピラゾール、4−メチルピラゾール、3,5−ジメ
チルピラゾール、3−アミノピラゾール、4−アミノピ
ラゾール、ピラゾール−4−カルボン酸、ピラゾール−
3,5−ジカルボン酸、1,2,3−トリアゾール、
1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−
トリアゾール、1,2,3,4−テトラゾール、インダ
ゾール、インダゾール−3−カルボン酸、インダゾール
−5−カルボン酸、5−アミノインダゾール、ベンゾト
リアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、5
−アミノベンゾトリアゾール、アミノピラゾロピリミジ
ン、8−アザグアニン、8−アザアデニン、イソオキサ
ゾリン−5−オン、3−メチルイソオキサゾリン−5−
オン、4−メチルイソオキサゾリン−5−オン、4,5
−ジメチルイソオキサゾリン−2−オン、1,2,4−
オキサジアゾリジン−3,5−ジオンのグループから選
択される、請求項11又は12記載の方法。 - 【請求項14】 求核性化合物の濃度が、O−アセチル
−L−セリンに対して等モル濃度で存在するように選択
される、請求項1から13までのいずれか1項記載の方
法。 - 【請求項15】 5℃〜70℃の温度で実施する、請求
項1から14までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項16】 非天然のL−アミノ酸を、L−配置の
形の一般式(7) 【化4】 [式中、Zは、式(8)〜(19) 【化5】 又はそのエステル、エーテル又は塩による一価の基を表
し、R1、R2、R3、R4、X及びYは式(1)〜
(6)について記載した意味を表す]のアミノ酸のグル
ープから選択される、請求項1から15までのいずれか
1項記載の方法。 - 【請求項17】 非タンパク質L−アミノ酸をこの方法
の完了後に公知の方法を用いて単離する、請求項1から
16までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項18】 単離を濾過、遠心分離、抽出、吸着、
イオン交換クロマトグラフィー、沈殿又は晶出を用いて
行う、請求項17記載の方法。
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