JP2002303314A - 樹脂製ワッシャー - Google Patents

樹脂製ワッシャー

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JP2002303314A
JP2002303314A JP2001106377A JP2001106377A JP2002303314A JP 2002303314 A JP2002303314 A JP 2002303314A JP 2001106377 A JP2001106377 A JP 2001106377A JP 2001106377 A JP2001106377 A JP 2001106377A JP 2002303314 A JP2002303314 A JP 2002303314A
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washer
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JP2001106377A
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English (en)
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Yasuo Fukuchi
保雄 福地
Hiroyuki Kano
浩之 加納
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Sekisui Chemical Co Ltd
Asahi Rubber Inc
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Asahi Rubber Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雨水に曝され、外部から物理的な応力を受け
た場合でも長期安定に、ビス穴やボルト穴などへ浸入す
る雨水を止水できる樹脂製ワッシャーを提供する。 【解決手段】 被取付部材の凹凸が大きい場合には、反
発弾性体20からなる芯材の周上に応力緩和樹脂層21
が形成された複合環状体からなる樹脂製ワッシャー10
Cなどを使用する。あるいは、一方の面が被取付部材に
直接粘着するとともに、締結部材を貫通させることで流
動し、前記締結部材と前記被取付部材における取付穴と
の間隙に少なくともその一部が押し込まれる樹脂製ワッ
シャーを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外壁材に取付物を固
定する際などに使用される樹脂製ワッシャーに関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の外壁材に取付物を固定する場
合、ビス、ボルトなどの締結具を使用することが多い。
しかしこの場合、外壁材に穴を開けるため、この穴が雨
水の浸入口となってしまう。ここから雨水が浸入する
と、外壁材の内部にカビが発生したり、外壁材に含まれ
た水の凍結や融解により外壁材が破壊されたりして、外
壁材の強度が低下し、取付物を確実に固定できなくなる
ことがあった。よって、従来、穴の周囲に湿気硬化また
は化学反応により硬化するコーキング剤を塗布する方法
や、外壁材の塗装剤自体に弾性を持たせてシール材とし
ての機能を付与する方法などにより、穴の周囲を止水し
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コーキ
ング剤の硬化が過度に進行すると、硬化したコーキング
剤が加水分解によって割れたり、あるいは、地震、道路
から伝わる振動、取付物の線膨張などの物理的な応力に
よって割れたりして止水が不十分となり、穴に水が浸入
する場合があった。また、外壁材の塗装剤自体に弾性を
持たせて止水する場合には、穴を開けた際に発生した外
壁材のくずが外壁材と取付物との間に入り込み、外壁材
と取付物との間の密着を妨げ、止水が不十分となる場合
があった。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、雨水に曝され、外部から物理的な応力を受けた場合
でも長期安定に、ビス穴やボルト穴などのへ浸入する雨
水を止水できる樹脂製ワッシャーを提供することを課題
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る樹脂製ワ
ッシャーは、一方の面が被取付部材に直接粘着するとと
もに、締結部材を貫通させることで流動し、前記締結部
材と前記被取付部材における取付穴との間隙に少なくと
もその一部が押し込まれることを特徴とする。上記締結
部材はビスであり、当該ビスの貫通により穿設されるも
のであってもよい。上記樹脂製ワッシャーは、ブチルゴ
ムからなることが好ましい。また、上記被取付部材が外
壁材であることが好ましい。請求項5に係る樹脂製ワッ
シャーは、反発弾性体からなる芯材の周上に応力緩和樹
脂層が形成された複合環状体からなることを特徴とす
る。上記複合環状体は、芯材の周上に応力緩和樹脂層が
形成された複合線状体の両端が接合されたもので、当該
接合部にジョイントテープが貼着されていてもよい。上
記複合環状体は、内周側の厚みが外周側よりも大きいこ
とが好ましい。上記反発弾性体は、樹脂発泡体からなる
ことが好ましい。上記応力緩和樹脂層は、ブチルゴムか
らなることが好ましい。また、請求項5に記載の樹脂製
ワッシャーは外壁材に取付物を固定する際の使用に適し
ている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。 [実施形態例1]図1は本発明の一実施形態である樹脂
製ワッシャー10Aを使用して、外壁材などの被取付部
材11に、締結部材であるビス12で取付物13を固定
する様子を示している。この樹脂製ワッシャー10A
は、粘着性と流動性とを有するブチルゴムなどの樹脂の
シート状物からなり、ビス12を打ち込んで貫通させる
ことによって容易に穿設可能なものである。被取付部材
11が外壁材である場合、取付物13は、例えば給湯器
など各種機器のケーシング類、あるいはこれらケーシン
グ類を吊設して取り付けるための吊設治具などである。
【0007】この樹脂製ワッシャー10Aを使用して取
付物13を被取付部材11に固定する場合には、まず図
1(a)に示すように、取付物13にあらかじめ形成さ
れている先穴13aを塞ぐように、かつ、取付物13を
被取付部材11に固定した際に樹脂製ワッシャー10A
が取付物13と被取付部材11との間に位置するように
樹脂製ワッシャー10Aを取付物13に貼着する。そし
て、図1(b)に示すように、この樹脂製ワッシャー1
0Aの粘着力により取付物13を被取付部材11に仮止
めした後、先穴13aからビス12を打ち込み、樹脂製
ワッシャー10Aを貫通させる。
【0008】このような樹脂製ワッシャー10Aは、ビ
ス12の打ち込みによって容易に穿設されるとともに流
動する。よって、取付物13の取付面13bと被取付部
材11の取付面11bとの間で押圧されて、一方の面が
被取付部位に直接粘着するだけでなく、ビス12を打ち
込み、貫通させることにともなって流動し、ビス12
と、被取付部材11におけるビス穴、すなわち取付穴の
内壁面14との間隙にも容易に押し込まれ、入り込む。
よって、ビス12と取付穴の内壁面14とのわずかな隙
間をも密封でき、取付物13の取付面13bと被取付部
材11の取付面11bとの間だけがシールされる場合と
異なり、優れたシール性を実現できる。また、取付物1
3と被取付部材11との間に樹脂製ワッシャー10Aを
配してビス12を打ち込み、貫通させるだけの簡単な作
業で、優れた止水性をただちに発現できる。さらに、こ
の樹脂製ワッシャー10Aは流動性のある樹脂からなる
ので、地震、道路から伝わる振動、取付物の線膨張など
の物理的な応力によって樹脂製ワッシャー10Aが応力
を受けた場合でも適宜流動し、長期にわたって高いシー
ル性を維持できる。また、ビス穴(取付穴)を開けた際
に被取付部材11由来のくずが発生し、被取付部材11
の取付面11bに付着したり、ビス穴(取付穴)に入り
込んだりした場合でも、そのようなくずに起因する僅か
な隙間をも密封可能である。さらに、この樹脂製ワッシ
ャー10Aは粘着性を有するため、ビス12を打ち込む
前に取付物13にこの樹脂製ワッシャー10Aを貼り付
けて、これを被取付部材11に仮止めすることもでき、
取付物13の位置決めを容易に行える。
【0009】樹脂製ワッシャー10Aの材料としては、
粘着性と流動性とを備えた樹脂材料であれば、ブチルゴ
ムの他、アクリルゴム、ウレタンゴム、SIS樹脂(ス
チレン−イソプレン−スチレン共重合体)、SBS樹脂
(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)などを使
用できるが、特に粘着性、流動性、伸張性に優れ、僅か
な隙間にも浸入可能で、耐候性、耐熱性、ガスバリア性
なども良好で、かつ、安価であることからブチルゴムが
好ましい。また、ブチルゴムの中でも、針入度(JI
S)が30〜80、伸張率(JIS)が1300%以
上、引張応力が10N/cm2 以上で、剪断接着力が3
N/cm2 以上の樹脂架橋バージンブチルゴムをベース
としたカーボン配合ブチルゴムを使用すると、より樹脂
製ワッシャー10Aのシール性を高めることができる。
【0010】また、樹脂製ワッシャー10Aはシート状
であればその形状や大きさに制限はなく、取付物13や
被取付部材11の形状に応じて、円形、多角形など任意
の形状で、任意の大きさのものを使用できるが、取付物
13に形成された先穴13aの2〜3倍程度の直径の円
形、または一辺の長さがこの先穴13aの2〜3倍程度
の正方形のシート状物などが好適に使用できる。樹脂製
ワッシャー10Aの厚みも、被取付部材11の取付面1
1bの凹凸の程度などに応じて適宜設定できる。例え
ば、被取付部材11が平坦な場合には0.5〜1mm程
度の厚みでよく、高低差が3mm以下の比較的小さな凹
凸形状の場合には、1〜2倍程度の厚みの樹脂製ワッシ
ャー10Aを使用すればよい。厚みが1倍未満では、凹
凸形状の被取付部材11と取付物13とを十分に粘着で
きない場合がある。また、厚みが2倍を超えると、凸部
において過剰量となった樹脂製ワッシャー10Aのはみ
出しが多くなり、外観が悪くなる場合があるとともに、
樹脂製ワッシャー10Aの材料コストが高くなる。この
形態の樹脂製ワッシャー10Aは、押出成形、プレス成
形などの通常のシート成形方法で容易に製造できる。樹
脂としてブチルゴムを使用する場合には、押出温度は6
0〜100℃程度である。
【0011】[実施形態例2]ビス12のかわりにボル
トで、被取付部材11に取付物13を固定する場合に
は、図2に示すような環状の樹脂製ワッシャー10Bを
使用する。ボルト15で取付物13を固定する場合に
は、通常、図3(a)に示すように、取付物13だけで
なく、被取付部材11にもあらかじめ先穴11a(取付
穴)が形成される。よって、取付物13の先穴13aと
被取付部材11の先穴11a(取付穴)とを容易に位置
合わせできるように、これら先穴11a、13aに対応
した穴部16があらかじめ形成されている図2の形態の
樹脂製ワッシャー10Bを使用する。なお、この例にお
いては、先穴11a、13aの直径は、ボルト15の直
径よりも大きめに形成されている。例えば、ボルト15
の直径が10mm程度であれば、先穴11aは15〜2
0mm程度、先穴13aは13〜15mm程度である。
この場合、樹脂製ワッシャー10Bの穴部16直径は、
先穴13aの直径+0〜+3mm程度である。樹脂製ワ
ッシャー10Bの穴部16の直径が先穴13aの直径よ
りも小さいと、樹脂製ワッシャー10Bがボルト15に
からみ、ボルトが締めにくくなる場合があり、+3mm
を超えるとボルト15を締めても、樹脂製ワッシャー1
0Bが、ボルト15と被取付部材11の先穴11a(取
付穴)との間隙や、ボルト15と取付物13の先穴13
aとの間隙に押し込まれにくく、これらの間隙を密封で
きない場合がある。
【0012】このような樹脂製ワッシャー10Bを、図
3(a)(b)に示すように取付物13と被取付部材1
1との間に配してボルト15をナット17にねじ込んで
挿入し、取付物13を固定する。符号18は金属ワッシ
ャーである。また、図3の例において被取付部材11の
取付面11bは、1〜3mm程度の凹凸形状になってい
る。その結果、ボルト15のねじ込みにより樹脂製ワッ
シャー10Bは取付物13の取付面13bと凹凸形状の
被取付部材11の取付面11bとの間で押圧されて流動
し、一方の面19aが被取付部材11の凹凸形状に追従
しつつ直接粘着し、他方の面19bは取付部物13に粘
着する。そして、さらにボルト15と被取付部材11の
先穴11a(取付穴)との間隙や、ボルト15と取付物
13の先穴13aとの間隙にも押し込まれて入りこみ、
これらの間隙を密封する。なお、ここでこれらの間隔に
は樹脂製ワッシャー10Bの少なくとも一部が入り込む
が、入り込む量は樹脂製ワッシャー10Bの体積、ボル
ト15の太さ、先穴11a、13aの直径によって決定
される。
【0013】このように、取付物13と被取付部材11
との間に図2の形態の樹脂製ワッシャー10Bを配する
と、ボルト15をねじ込み、貫通させるだけで、樹脂製
ワッシャー10Bが取付物13の取付面13bと被取付
部材11の取付面11bとの間に隙間なく粘着する。よ
って、平坦な被取付部材11はもちろん、3mm以下程
度の高低差のある凹凸形状の被取付部材11にも、取付
物13を強固に密着でき、被取付部材11の先穴11a
への雨水などの浸入を防ぐことができる。特に、樹脂製
ワッシャー10Bがブチルゴムから形成されていると、
被取付部材11の取付面11bが水で濡れていても水密
可能である。また、ボルト15をねじ込み、樹脂製ワッ
シャー10Bを貫通させることにともなって、ボルト1
5と被取付部材11における先穴11a(取付穴)との
間隙や、ボルト15と取付物13の先穴13aとの間隙
をも塞ぐことができる。
【0014】また、この樹脂製ワッシャー10Bは、流
動性を有しつつ粘着するので、地震、道路から伝わる振
動、取付物の線膨張などの物理的な応力によって樹脂製
ワッシャー10Bが応力を受けた場合でも、適宜流動
し、長期にわたって高いシール性を持続できる。すわな
ちこのような樹脂製ワッシャー10Bを使用すると、ボ
ルトのねじ込み直後から長期にわたって水の浸入を抑制
できる。また、被取付部材11に先穴11a(取付穴)
を開けた際に被取付部材11由来のくずが発生しても、
そのようなくずに起因する僅かな隙間をも密封可能であ
る。なお、この場合、樹脂製ワッシャー10Bの厚み
は、図1の例の場合と同様に、凹凸形状の高低差に応じ
て適宜設定可能である。また、この樹脂製ワッシャー1
0Bは、後に図5を示して説明するように、ナット17
として高さのある高ナットを使用して取付物13を被取
付部材11に固定する場合にも使用可能である。この形
態の樹脂製ワッシャー10Bは、押出成形、プレス成形
などの通常の方法で樹脂材料をシート状に成形したの
ち、これを適宜型で打ち抜く方法で簡単に製造できる。
【0015】[実施形態例3]また、被取付部材11が
3mm以上の比較的大きな高低差のある凹凸形状の場合
には、図4に示すように、反発弾性体20からなる芯材
の周上に応力緩和樹脂層21が形成された複合環状体
を、樹脂製ワッシャー10Cとして好ましく使用でき
る。この図示例の樹脂製ワッシャー10Cは、内周側の
厚みW1 が外周側の厚みW2 よりも大きくなっている。
【0016】この樹脂製ワッシャー10Cの芯材を形成
している反発弾性体20は、圧縮力に対する復元力(反
発弾性力)を有するものである。また、この反発弾性体
20は、後述するようにその復元力で応力緩和樹脂層2
1を流動させるものであるため、応力緩和樹脂層21の
凝集力よりも大きな復元力を有していることが好まし
い。具体的には、力を加えて体積を50%圧縮してその
状態を1時間維持し、ついで、力を開放した場合、圧縮
された体積の50%以上の体積が1時間以内に回復する
ような、すなわち、元の体積の75%以上まで回復する
ような復元力を備えたものが好ましい。反発弾性体20
を形成可能な材料としては、ポリエチレン発泡体、ウレ
タン発泡体、エチレン−プロピレン共重合体発泡体など
の樹脂発泡体が好ましい。また樹脂発泡体は、軽量であ
って、低価格であることからも好ましい。また、反発弾
性体20の断面形状には特に制限はないが、均一な反発
が得られることから円形が好ましい。
【0017】応力緩和樹脂層21は外部応力によって流
動し、この応力を吸収するものであって、反発弾性体2
0の復元力よりも凝集力が小さく、粘着性を有するもの
である。このような応力緩和樹脂層21を形成する樹脂
材料としては、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴ
ム、SIS樹脂(スチレン−イソプレン−スチレン共重
合体)、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン
共重合体)などを使用できるが、凝集力小さく伸張性に
優れ、さらに粘着性、流動性、耐候性、耐熱性、ガスバ
リア性なども良好で、安価であることからブチルゴムが
好ましい。また、ブチルゴムの中でも、針入度(JI
S)が30〜80以上、伸張率(JIS)が1300%
以上、引張応力が10N/cm2 以上で、剪断接着力が
30N/cm2 以上の樹脂架橋バージンブチルゴムをベ
ースとしたカーボン配合ブチルゴムが好ましい。
【0018】図5は、このような樹脂製ワッシャー10
Cを使用して、比較的大きな凹凸形状の被取付部材11
に取付物13を取り付けた様子を示す縦断面図である。
被取付部材11は外壁材であり、外表面が3〜13mm
程度の高低差の凹凸形状に形成されて意匠性が付与され
たものである。被取付部材11には先穴11aが形成さ
れて、その内部には高ナット22があらかじめ埋め込ま
れている。そして、外壁材の内表面側において外壁材と
高ナット22の端面22aとは面一とされ、溶接されて
いる。また、被取付部材11の先穴11aの内壁面と高
ナット22の周面との間には止水材としてシリコーン樹
脂24が充填されている。なお、図5の例で取付物13
は、給湯器など各種機器のケーシング類25を引っかけ
て吊すための一対の吊設治具13b、13cである。ケ
ーシング類25は、クッションゴム26を介してこの吊
設治具13b、13cに取付られることにより、安定に
固定されるようになっている。
【0019】樹脂製ワッシャー10Cを使用して取付具
13を取り付ける場合には、まず、外壁材の外表面側に
一部突出している高ナット22に樹脂製ワッシャー10
Cをはめて粘着させる。その後、ボルト15を、取付物
13の先穴13aと金属ワッシャー23に通したうえで
高ナット22にねじ込み、取付物13を金属ワッシャー
23を介して被取付部材11に固定する。このようにし
てボルト15をねじ込むと、樹脂製ワッシャー10C
は、被取付部材11の取付面11bと金属ワッシャー2
3との間で圧縮される。すると、応力緩和樹脂層21
は、その高い伸張性、流動性によって、凹凸形状である
被取付部材11の取付面11bと金属ワッシャー23と
の間の空間を埋めていき、粘着する。一方、図5におい
て図示は略すが、芯材である反発弾性体20にはボルト
締めによって圧縮力が蓄えられる。そして、ボルト締め
完了後には、反発弾性体20は、その内部に蓄えられた
圧縮力に相当する復元力(反発弾性力)によって、時間
の経過とともに徐々に復元する。その結果、復元した体
積に見合う体積の応力緩和樹脂層21がさらに流動し、
ボルト15のねじ込み直後には入り込めなかったよう
な、被取付部材11の取付面11bと金属ワッシャー2
2との間の僅かな隙間にも入り込んでいく。
【0020】こうして被取付部材11と金属ワッシャー
20とは、この樹脂製ワッシャー10Cによって強固に
密着し、被取付部材11の先穴11aへの水の浸入を阻
止することができる。さらに、反発弾性体20の復元と
それにともなう応力緩和樹脂層21の流動とが終了した
後には、反発弾性体20と応力緩和樹脂層21との間に
応力の平衡が生じる。よって、地震、道路から伝わる振
動、取付物の線膨張などの物理的な応力によって樹脂製
ワッシャー10Cが外部から応力を受けたり、長期間の
うちに反発弾性体20が収縮するようなことがあって
も、このような平衡により応力緩和樹脂層21が適宜流
動し、長期にわたって高いシール性を維持できる。この
ように、この例の樹脂製ワッシャー10Cは、反発弾性
体20からなる芯材の周上に応力緩和樹脂層21が形成
された複合構造であるので、高低差の大きな凹凸状の被
取付部材11に取付物13を固定した場合にも隙間を確
実に封じ、さらに外部から応力を受けた場合であっても
適宜応力緩和樹脂層21が流動することにより、長期安
定な止水を実現できる。
【0021】また、特にこの例では、樹脂製ワッシャー
10Cとして、内周側の厚みW1 が外周側の厚みW2
りも大きいものを使用している。そのため、ボルト締め
によって応力緩和樹脂層21が樹脂製ワッシャー10C
の外側よりも内周側に向けて流動しやすい。そのため、
被取付部材11の先穴11a近傍を確実にシールでき
る。しかしながら、必ずしも内周側の厚みW1 が外周側
の厚みW2 よりも大きい必要はなく、外周側の厚みW2
と同じか、それ未満であってもよい。また、断面形状も
図示のような台形でなくてもよく、正方形、円形であっ
てもよい。また、この例では金属ワッシャー23を使用
しているために樹脂製ワッシャー10Cはこの金属ワッ
シャー23に粘着し、取付物13とは直接粘着しない
が、金属ワッシャー23を必ずしも使用する必要はな
く、取付物13と樹脂製ワッシャー10Cとが直接粘着
するようにしてもよい。さらに、この例においては、締
結具としてボルト15を使用し、これをあらかじめ被取
付部材11の先穴11aに埋め込まれた高ナット22に
ねじ込んでいるが、ナットの種類には制限がなく、図3
のように通常のナット17を使用してもよいことはもち
ろん、ナット17が被取付部位11の先穴11aに埋め
込まれていなくてもよい。また、締結具としてネジ、ビ
スなど任意のものを使用できる。
【0022】なおこの例においては、被取付部材11の
外壁材の外表面は、3〜13mm程度の高低差のある凹
凸形状になっている。この場合には、樹脂ワッシャー1
0Cとして、内周側の厚みW1 は10〜15mm程度、
外周側の厚みW2 は6〜10mm程度のものを使用す
る。また樹脂製ワッシャー10Cの内径はボルト15の
サイズによるが、ここでは10〜20mm程度、外径は
30〜50mmのものを使用している。また、反発弾性
体20の直径は、この例においては6〜8mm程度、応
力緩和樹脂層21の厚みは1〜8mm程度である。しか
しながら、樹脂製ワッシャー10Cの内周側の厚み
1 、外周側の厚みW2 、内径、外径、さらに、反発弾
性体20の直径はおよび応力緩和樹脂層21の厚さは、
被取付部材11の外表面における凹凸の程度やボルト1
5のサイズに応じて、適宜設定できる。
【0023】この例の樹脂製ワッシャー10の製造方法
としては、例えば、樹脂発泡体からなる環状体を成形し
て環状の反発弾性体20を得て、これの周上に応力緩和
樹脂層21を形成する方法や、樹脂発砲体を押出成形し
て反発弾性体20の棒状物を成形し、この周上に応力緩
和樹脂層21を押出被覆し、その後、得られた複合線状
体の両端を接合する方法が挙げられる。複合線状体を製
造した後、この両端を接合する方法においては、両端の
応力緩和樹脂層21同士は粘着性に優れた樹脂から形成
されているので互いに容易に接合可能であるが、芯材の
反発弾性体20は互いに接合しない。よって、接合部2
7には図6に示すように、ポリエチレン、セロハンなど
のテープ28を貼着して、反発弾性体20の復元力によ
り接合部27が剥がれないようにすることが好ましい。
また、このテープ28は、応力緩和樹脂層21がその使
用時に流動して被取付部材11および取付物13に粘着
するのを妨げないように、接合部27の周面にのみ貼着
されることが好ましい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る樹脂
製ワッシャーは、ビスの打ち込みにより穿設されるとと
もに流動し、取付物の取付面と、被取付部材の取付面と
の間だけでなく、ビスと被取付部材におけるビス穴の内
壁面との間隙にも粘着する。よって、より確実かつ容易
にビス穴を止水できる。また、そのような止水性を、ビ
スの打ち込み終了直後から長期にわたって発揮できる。
また、この樹脂製ワッシャーは、粘着性を有するため、
ビスを打ち込む前に取付物にこの樹脂製ワッシャーを貼
り付けて、取付物を被取付部材に仮止めすることもで
き、取付物の位置決定も容易に行える。請求項2に係る
樹脂製ワッシャーは、ボルトのねじ込みにより一方の面
が被取付部材に直接粘着する。よって、取付物と被取付
部材との間に樹脂製ワッシャーを配してボルトをねじ込
むだけで、樹脂製ワッシャーが取付物の取付面と被取付
部材との間で押圧され流動し、隙間なく粘着する。した
がって、平坦な被取付部材はもちろん、3mm程度まで
の高低差のある凹凸形状の被取付部材にも、取付物を強
固に密着でき、ボルト穴への水の浸入を確実に止めるこ
とができる。また、そのような止水性を、ボルトのねじ
込み終了直後から長期にわたって発揮できる。
【0025】さらに、請求項5に係る樹脂製ワッシャー
は、反発弾性体からなる芯材の周上に応力緩和樹脂層が
形成された複合環状体からなる。よって、反発弾性体の
有する復元力(反発弾性力)と、応力緩和樹脂層の高い
伸張性、流動性、粘着性によって、高低差の大きな凹凸
状の被取付部材に取付物を固定する場合にもこれらの隙
間を確実に埋め、効果的に止水できる。さらに、反発弾
性体の復元とそれにともなう応力緩和樹脂層の流動とが
終了した後には、反発弾性体と応力緩和樹脂層との間に
応力の平衡が生じる。よって、地震、道路から伝わる振
動、取付物の線膨張などの物理的な応力によって樹脂製
ワッシャーが応力を受けたり、長期間のうちに反発弾性
体が収縮するようなことがあっても、このような平衡に
より応力緩和樹脂層が適宜流動し、長期にわたって高い
シール性を維持できる。このように本発明の樹脂製ワッ
シャーによれば、被取付部材の形状や使用する締結具の
種類に応じて、高度に止水できる。よって、本発明の樹
脂製ワッシャーは、日常的に雨水に曝され、また、意匠
性付与の点から表面形状の多様化が進んでいる外壁材
に、給湯器など各種機器のケーシング類、あるいはこれ
らケーシング類を引っかけて取り付けるための引っかけ
治具などを取り付ける場合の使用に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態例1の樹脂製ワッシャーと
ビスを使用して、取付物を被取付部材に固定する様子を
示す図であり、(a)ビスを打ち込む前の縦断面図と、
(b)ビスを打ち込んで取付物を被取付部材に固定した
状態を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の実施形態例2の樹脂製ワッシャーの
斜視図である。
【図3】 図2の樹脂製ワッシャーとボルトを使用し
て、取付物を被取付部材に固定する様子を示す図であ
り、(a)ボルトをねじ込む前の縦断面図と、(b)ボ
ルトをねじ込んで取付物を被取付部材に固定した状態を
示す縦断面図である。
【図4】 本発明のさらに他の実施形態(実施形態例
3)である樹脂製ワッシャーを示す(a)斜視図と、
(b)縦断面図である。
【図5】 図4の樹脂製ワッシャーとボルトを使用し
て、取付物を被取付部材に固定した状態を示す縦断面図
である。
【図6】 本発明の実施形態例3の樹脂製ワッシャーの
平面図である。
【符号の説明】
10A、10B、10C…樹脂製ワッシャー、11…被
取付部材、12…ビス、13…取付物、14…ビス穴の
内壁面、15…ボルト、20…反発弾性体、21…応力
緩和樹脂層、27…接合部、28…テープ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16B 5/02 F16B 5/02 V E04B 1/68 D (72)発明者 加納 浩之 茨城県つくば市和台32 積水化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 2E001 DA01 FA00 FA04 FA71 GA01 GA12 GA17 GA24 HD01 HD03 HD08 HD11 KA05 LA16 MA02 MA04 3J001 FA02 GA05 GB01 HA02 HA06 JA01 JA10 KA12 KA23 KB04 3J034 AA04 BA09 BC04 CA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面が被取付部材に直接粘着すると
    ともに、締結部材を貫通させることで流動し、前記締結
    部材と前記被取付部材における取付穴との間隙に少なく
    ともその一部が押し込まれることを特徴とする樹脂製ワ
    ッシャー。
  2. 【請求項2】 締結部材はビスであり、当該ビスの貫通
    により穿設されることを特徴とする請求項1に記載の樹
    脂製ワッシャー。
  3. 【請求項3】 ブチルゴムからなることを特徴とする請
    求項1または2に記載の樹脂製ワッシャー。
  4. 【請求項4】 被取付部位が外壁材であることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂製ワッシ
    ャー。
  5. 【請求項5】 反発弾性体からなる芯材の周上に応力緩
    和樹脂層が形成された複合環状体からなることを特徴と
    する樹脂製ワッシャー。
  6. 【請求項6】 前記複合環状体は、芯材の周上に応力緩
    和樹脂層が形成された複合線状体の両端が接合されたも
    のであって、 当該接合部には、テープが貼着されていることを特徴と
    する請求項5に記載の樹脂製ワッシャー。
  7. 【請求項7】 前記複合環状体は、内周側の厚みが外周
    側よりも大きいことを特徴とする請求項5または6に記
    載の樹脂製ワッシャー。
  8. 【請求項8】 前記反発弾性体は、樹脂発泡体からなる
    ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の
    樹脂製ワッシャー。
  9. 【請求項9】 前記応力緩和樹脂層は、ブチルゴムから
    なることを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記
    載の樹脂製ワッシャー。
  10. 【請求項10】 外壁材に取付物を固定する際に使用さ
    れることを特徴とする請求項5ないし9のいずれかに記
    載の樹脂製ワッシャー。
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