JP2002298922A - 非水電解質二次電池およびその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池およびその製造方法

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JP2002298922A JP2001096553A JP2001096553A JP2002298922A JP 2002298922 A JP2002298922 A JP 2002298922A JP 2001096553 A JP2001096553 A JP 2001096553A JP 2001096553 A JP2001096553 A JP 2001096553A JP 2002298922 A JP2002298922 A JP 2002298922A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活物質の充填密度を高くしても電池特性が悪
化しない極板を得て、高率放電特性などの電池特性が向
上した非水電解質二次電池を提供する。 【解決手段】 本発明の非水電解質二次電池は、負極3
0と正極40との少なくとも一方に活物質の充填密度が
低い低密度部分32,42が点在するとともに、この低
密度部分の表面積率は負極30あるいは正極40の全表
面積に対して1%以上で5%以下になるようにしてい
る。このような活物質の充填密度が低い低密度部分3
2,42が点在していると、活物質が高密度に充填され
ていても、低密度部分32,42を通して電解液が活物
質中に浸透するようになるため、リチウムイオンの出入
りが容易になって放電容量および高率放電特性が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオンを
吸蔵・放出することが可能な負極活物質を含有する負極
と、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な正極
活物質を含有する正極と、非水電解質とを備えた非水電
解質二次電池およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小型ビデオカメラ、携帯電話、ノ
ートパソコン等の携帯用電子・通信機器等に用いられる
電池として、リチウム−コバルト複合酸化物(LiCo
2)、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNi
2)、リチウム−マンガン複合酸化物(LiMn
24)等のリチウムイオンを吸蔵・放出することが可能
なリチウム含有遷移金属複合酸化物あるいは二酸化マン
ガン(MnO2)などを正極活物質とし、リチウム金
属、リチウム合金あるいはリチウムイオンを吸蔵・放出
できる炭素材料などを負極活物質とする非水電解質二次
電池が注目され、炭素材料を負極活物質とする非水電解
質二次電池が実用化されるようになった。
【0003】ところで、この種の非水電解質二次電池に
用いられる正極板あるいは負極板においては、集電体と
なる金属箔に流動性がある活物質スラリーを塗布した
後、乾燥させ、乾燥後に所定の充填密度になるように圧
縮して製造するようにしている。この場合、活物質スラ
リーの塗布時には表面状態をできるだけ均一にして、活
物質の充填密度にバラツキが生じないように活物質スラ
リーを塗布して製造するのが一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、活物質
の充填密度にバラツキが生じないように活物質スラリー
を塗布して各極板を製造する場合、極板の高容量化を図
るために活物質の充填密度を高くすると、負荷特性など
の電池特性が低下するという問題を生じた。これは、活
物質の充填密度が高くなると電解液の浸透性が低下する
ために、リチウムイオンの出入りがし難くなって負荷特
性などの電池特性が低下するためである。
【0005】ところで、活物質の充填密度が内部よりも
表面部の方が大きくなるようにするとともに表面部の一
部を欠き落として、極板の表面部に凹凸を形成して吸液
性に優れた極板とすることが、特開昭59−23460
号公報に提案されている。しかしながら、特開昭59−
23460号公報に提案された極板においては、極板全
体の活物質の充填密度が高密度でないため、高容量の極
板が得られないという問題があった。
【0006】そこで、本発明は上記問題点を解消するた
めになされたものであって、活物質の充填密度を高くし
ても電池特性が悪化しない極板を得て、高率放電特性な
どの電池特性が向上した非水電解質二次電池を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するため、本発明の非水電解質二次電池
は、正極と負極の少なくとも一方に活物質の充填密度が
低い低密度部分が点在するとともに、この低密度部分の
表面積率は正極あるいは負極の全表面積に対して1%以
上で5%以下になるようにしている。このような活物質
の充填密度が低い低密度部分が点在していると、活物質
が高密度に充填されていても、低密度部分を通して電解
液が活物質中に浸透するようになるため、リチウムイオ
ンの出入りが容易になって放電容量および高率放電特性
が向上する。
【0008】この場合、低密度部分の表面積率が1.0
%未満で少なすぎると、活物質中への電解液の浸透性
(含液性)が低下し、低密度部分の表面積率が5.0%
よりも多くなると、充填される活物質量が低下するとと
もに、この低密度部分にリチウムが析出するようになっ
て放電容量が極端に低下するようになる。このため、極
板の全表面積に対する低密度部分の表面積率は1.0%
以上で5.0%以下にする必要がある。また、低密度部
分を点在させることで、活物質中への電解液の浸透性
(含液性)が向上するため、活物質を高密度に充填する
ことが可能となる。このため、負極においては1.7g
/cm3以上の高充填密度の負極板を使用でき、また正
極においては3.4g/cm3以上の高充填密度の正極
板を使用できるようになる。この結果、高容量の非水電
解質二次電池を得ることが可能となる。
【0009】そして、このような低密度部分は活物質ス
ラリー中に存在していた気泡がはじけることにより形成
されるものであるため、その平面形状は略円形状とな
る。そして、低密度部分の表面積率が同じであっても、
この略円形状の平均直径が0.2mmより小さくなりす
ぎると内部抵抗が上昇して高率放電特性が低下し、8.
0mmより大きくなりすぎると極板全体での反応性が低
下して高率放電特性が低下する。このため、低密度部分
の平均直径は0.2mm以上で8.0mm以下にするの
が望ましい。
【0010】この場合、平均直径が0.5mmよりも小
さくなると、極板表面全体に微少な凹凸が形成されて極
板表面が粗くなった状態となって、内部抵抗が上昇して
高率放電特性が低下する。一方、平均直径が2.0mm
よりも大きくなると、極板表面全体に凹凸が形成されに
くくなって連続して平滑な部分が多くなるが、反面、電
解液の含液性(浸透性)の向上に寄与する低密度部分が
偏在するようになるため、極板全体での反応性が低下し
て高率放電特性が低下する。このことから、低密度部分
の平均直径は0.5mm以上で2.0mm以下にするの
がさらに望ましいということができる。
【0011】また、上記目的を達成するため、本発明の
非水電解質二次電池の製造方法は、負極活物質あるいは
正極活物質を含有する活物質スラリーに気泡を導入する
気泡導入工程と、気泡が導入された活物質スラリーを集
電体に塗布するスラリー塗布工程とを備えるようにして
いる。このように、気泡が導入された活物質スラリーを
集電体に塗布することにより、後の加圧工程で活物質ス
ラリー中に存在する気泡がはじけて気泡痕が出現する。
この気泡痕は空気が存在していた分だけ活物質の存在量
が少ない低密度部分となる。この結果、活物質の充填密
度が低い低密度部分が点在する極板を容易に得ることが
可能となる。
【0012】この場合、活物質スラリー中に気泡を導入
するためには、活物質スラリーに空気を導入しながら活
物質スラリーを撹拌すればよい。また、活物質スラリー
の撹拌時間を変化させるようにすると、低密度部分の表
面積率を容易に変化させることができる。さらに、活物
質スラリーの撹拌速度を変化させることにより、低密度
部分の直径を容易に変化させることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】ついで、本発明の実施の形態を以
下に説明する。 1.第1実施形態 (1)極板製造装置 本発明の極板を製造するための主要な極板製造装置は、
図1に示されるスラリー撹拌装置10と、図2に示され
るスラリー塗布装置20とから構成される。スラリー撹
拌装置10は、充填されたスラリー15を収容する撹拌
槽11と、この撹拌槽11内に充填されたスラリー15
を撹拌する撹拌羽根13を下端部に備えるとともに、撹
拌槽11に対して回転可能に撹拌槽11内の中心部に装
着された撹拌軸12と、撹拌槽11の下部に配設されて
撹拌槽11内に充填されたスラリー15に空気を吐出す
る空気ノズル14とから構成される。
【0014】一方、スラリー塗布装置20は、スラリー
15(27)を集電体16(28)に塗布するスラリー
充填槽21と、塗布されたスラリー15(27)を所定
の塗布量になるように調整する塗布量調整治具22と、
スラリー15(27)が塗布された集電体16(28)
を所定の速度で移動させる一対の送りローラ23,24
と、集電体16(28)を保持する保持ローラ25,2
6とから構成される。なお、塗布されたスラリー15
(27)の塗布量の調整は、集電体16(28)と塗布
量調整治具22の隙間を調整することにより行う。
【0015】(2)負極の作製 まず、天然黒鉛(Lc値が1000Åで、d002値が
3.356Åで、平均粒径が20μmのもの)よりなる
負極活物質と、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)の
ディスパージョン(固形分が48質量%)を水に分散さ
せた後、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(C
MC)を添加して負極活物質スラリー15を調製した。
この場合、乾燥後の固形分質量組成比が、黒鉛:SB
R:CMC=100:3:2となるように調製した。つ
いで、得られた負極活物質スラリー15をスラリー撹拌
装置10のスラリー撹拌槽11に充填した後、空気ノズ
ル14からスラリー1kgに対して毎分50mlの空気
を吐出させて、スラリー15中に空気を送り込むととも
に、撹拌軸12を1000rpmの回転速度で所定の時
間だけ回転させた。
【0016】これにより、撹拌羽根13は回転し、スラ
リー撹拌槽11に充填された負極活物質スラリー15は
送り込まれた空気とともに撹拌されて、負極活物質スラ
リー15に多数の気泡が発生することとなる。ここで、
撹拌時間を5分間にして撹拌したものをスラリーa1と
し、10分間にして撹拌したものをスラリーa2とし、
20分間にして撹拌したものをスラリーa3とした。ま
た、気泡を送り込まないものをスラリーx1とし、撹拌
時間を1分間にして撹拌したものをスラリーx2とし、
40分間にして撹拌したものをスラリーx3とした。
【0017】このようにして作製した各負極活物質スラ
リー15(a1,a2,a3,x1,x2,x3)をス
ラリー塗布装置20のスラリー充填槽21に充填した
後、一対の送りローラ23,24により送り出された負
極集電体(例えば、銅箔)16の片面に、スラリー充填
槽21に充填された負極活物質スラリー15(a1,a
2,a3,x1,x2,x3)をそれぞれ塗布し、塗布
量調整治具22を通過させて所定量のスラリーを塗布し
た。
【0018】ついで、スラリー層を乾燥させた後、この
スラリー塗布装置20の前方に配設された別のスラリー
塗布装置(図示せず)を通過させて、スラリーが塗布さ
れていない負極集電体16の他面にも同様にスラリーを
塗布し、乾燥させた。その後、乾燥負極板をロールプレ
ス機により圧延して、片面当たりの活物質層の厚みが5
0μm、充填密度が1.7g/cm3の負極板をそれぞ
れ作製した後、所定寸法に切断して負極30(a1,a
2,a3,x1,x2,x3)とした。
【0019】ここで、負極30(a1,a2,a3,x
1,x2,x3)を観察すると、図3(a)に示すよう
に、ロールプレス機による圧延で気泡が弾けて形成され
たクレータ状の気泡痕32が高密度充填部(充填密度が
1.7g/cm3)31のあちこちに点在していた。こ
の場合、気泡痕32は高密度充填部31よりも薄い色合
いとなるので、高密度充填部31と気泡痕32との識別
は目視により可能である。この気泡痕32の直径を測定
してその平均直径を求めると、0.5mm以上で2.0
mm以下であることが明らかとなった。
【0020】そして、気泡痕32の部分の活物質層を欠
き落として質量を測定し、気泡痕32の直径と活物質層
の厚さとから充填密度を求めると、その充填密度は1.
2g/cm3で低密度であった。また、各気泡痕32の
表面積を測定し、この測定結果に基づいて気泡痕32の
全表面積を算出した後、各負極a1,a2,a3,x
1,x2,x3の全表面積に対する割合(面積割合:面
積率)を求めると下記の表1に示すような結果となっ
た。なお、負極x1は気泡を送り込まないスラリーを使
用したため、気泡痕32はなかった。
【0021】
【表1】
【0022】(3)正極の作製 一方、正極活物質としての平均粒径が5μmのLiCo
2粉末と、導電剤としての人造黒鉛粉末とを、質量比
で9:1となるように混合して正極合剤を調製した。こ
の正極合剤と、ポリビニリデンフルオライド(PVd
F)よりなる結着剤をN−メチル−2−ピロリドン(N
MP)からなる有機溶剤に5質量%溶解した結着剤溶液
とを、固形分の質量比で95:5になるように混合、混
練して正極活物質スラリー27を調製した。
【0023】この正極活物質スラリー27をスラリー塗
布装置20のスラリー充填槽21に充填した後、一対の
送りローラ23,24により送り出された正極集電体
(例えば、アルミニウム箔あるいはアルミニウム合金
箔)28の片面に、スラリー充填槽21に充填された正
極活物質スラリー27を塗布し、塗布量調整治具22を
通過させて所定量のスラリーを塗布した。ついで、スラ
リー層を乾燥させた後、このスラリー塗布装置20の前
方に配設された別のスラリー塗布装置(図示せず)を通
過させて、スラリーが塗布されていない正極集電体28
の他面にも同様にスラリーを塗布し、乾燥させた。その
後、乾燥正極板をロールプレス機により圧延して、片面
当たりの活物質層の厚みが50μm、充填密度が3.4
g/cm3の正極板を作製した後、所定寸法に切断して
正極とした。
【0024】(4)非水電解液二次電池の作製 ついで、上述のようにして作製した負極a1,a2,a
3,x1,x2,x3と正極とを、有機溶媒との反応性
が低く、かつ微多孔のポリオレフィン系樹脂からなるセ
パレータを間にして重ね合わせた後、巻き取り機により
渦巻状に卷回して電極群とした。この後、この電極群を
外装缶の開口部より挿入し、電極群の負極より延出する
負極集電タブを外装缶の内底部に抵抗溶接した後、電極
群の正極より延出する正極集電タブを封口体の底部に溶
接した。ついで、外装缶内に非水電解液(エチレンカー
ボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を
等体積比で混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6)を1モル/リットル溶解した溶液)をそ
れぞれ注入した。
【0025】この後、外装缶の開口部を封口体で液密に
封口して、非水電解質二次電池A1,A2,A3,X
1,X2,X3をそれぞれ作製した。なお、このように
して作製した各非水電解質二次電池A1(負極a1を用
いたもの)、A2(負極a2を用いたもの)、A3(負
極a3を用いたもの)、X1(負極x1を用いたも
の)、X2(負極x2を用いたもの)、X3(負極x3
を用いたもの)の容量は600mAhであった。
【0026】(5)非水電解液二次電池の負荷特性試験 ついで、上述のように作製した各電池A1,A2,A
3,X1,X2,X3をそれぞれ、室温(約25℃)
で、600mA(1ItmA)の定電流で電池電圧が
4.10Vになるまで充電し、ついで、4.10Vの定
電圧で電流値が10mAになるまで充電した。この後、
600mA(1ItmA)の放電電流で電池電圧が2.
75Vになるまで放電させて、放電時間から1It放電
時の放電容量を求めると、下記の表2に示すような結果
となった。また、これらの各電池A1,A2,A3,X
1,X2,X3を上記と同様な条件で充電した後、12
00mA(2ItmA)の放電電流で電池電圧が2.7
5Vになるまで放電させて、放電時間から2It放電時
の放電容量を求めた。ついで、求めた1It放電時の放
電容量に対する2It放電時の放電容量の比率を放電容
量比(放電容量比=2It放電時の放電容量/1It放
電時の放電容量)として求めると、下記の表2に示すよ
うな結果となった。
【0027】
【表2】
【0028】上記表2の結果から明らかなように、気泡
を送り込まないスラリーを使用して気泡痕32が生じな
かった負極板x1を用いた電池X1および気泡痕32の
面積割合が0.5%の負極板x2を用いた電池X2にお
いては、1It放電時容量は600(mAh)で良好で
あるが放電容量比が75%、85%と低下していること
が分かる。一方、気泡痕32の面積割合が7%の負極板
x3を用いた電池X3においては、放電容量比は99で
良好であるが1It放電時容量は510(mAh)と低
下していることが分かる。これらに対して、気泡痕32
の面積割合を1.0〜5.0%にした負極板a1〜a3
を用いた電池A1〜A3においては、1It放電時容量
および放電容量比が共に良好であることが分かる。
【0029】ここで、各電池を充電状態で分解したとこ
ろ、気泡痕32の面積割合が7%の負極板x3を用いた
電池X3においては、気泡痕32を中心にしてリチウム
の析出が多く見られ、他の電池にリチウムの析出は見あ
たらなかった。これにより電池X3においては放電容量
が極端に低下したと考えられる。また、気泡痕32の面
積割合が0%および0.5%と気泡痕32の発生を少な
くした負極板x1,x2においては、気泡痕32の面積
割合が少なすぎるために電解液の浸透性(含液性)が低
下して放電容量比が低下したと考えられる。これらに対
して、気泡痕32の面積割合を1.0〜5.0%にした
負極板a1〜a3においては、電解液の浸透性(含液
性)が向上したために、1It放電時容量および放電容
量比が共に向上したと考えられる。以上のことから、負
極板の全表面積に対する気泡痕(低充填密度部)32の
面積割合は1.0%以上で5.0%以下にする必要があ
る。
【0030】(6)気泡痕の直径の検討 上述と同様に、負極活物質スラリー15を調製し、これ
をスラリー撹拌装置10のスラリー撹拌槽11に充填し
た後、空気ノズル14から空気を吐出(この場合、得ら
れた負極の全表面積に対して、気泡痕の全表面積が3.
0%になるよう空気の吐出量を調整している)させて、
スラリー15中に空気を送り込むとともに、撹拌軸12
を所定の回転速度で10分間だけ回転させた。ここで、
撹拌速度を2000rpmにして撹拌したものをスラリ
ーa4とし、1500rpmにして撹拌したものをスラ
リーa5とし、1000rpmにして撹拌したものをス
ラリーa6とし、500rpmにして撹拌したものをス
ラリーa7とし、300rpmにして撹拌したものをス
ラリーa8とし、200rpmにして撹拌したものをス
ラリーa9とした。
【0031】これらの各負極活物質スラリー15(a
4,a5,a6,a7,a8,a9)をスラリー塗布装
置20のスラリー充填槽21に充填した後、上述と同様
に負極集電体16の両面にスラリーをそれぞれ塗布し、
乾燥させた後、所定の厚みに圧延し、活物質の充填密度
が1.7g/cm3の負極板をそれぞれ作製した後、所
定寸法に切断して負極30(a4,a5,a6,a7,
a8,a9)とした。ここで、気泡痕32の部分の活物
質層を欠き落として充填密度を測定すると、その充填密
度は1.2g/cm3で低密度であった。また、上述と
同様に、負極30(a4,a5,a6,a7,a8,a
9)を観察して、気泡痕32の直径を測定すると、下記
の表3に示すような結果となった。
【0032】
【表3】
【0033】ついで、上述のようにして作製した負極3
0(a4,a5,a6,a7,a8,a9)と正極とを
用いて、上述と同様に非水電解質二次電池A4(負極a
4を用いたもの),A5(負極a5を用いたもの),A
6(負極a6を用いたもの),A7(負極a7を用いた
もの),A8(負極a8を用いたもの),A9(負極a
9を用いたもの)をそれぞれ作製した後、上述と同様に
負荷特性試験を行って、1It放電時の放電容量を求め
るとともに、2It放電時の放電容量を求め、It放電
時の放電容量に対する2It放電時の放電容量の比率を
放電容量比(放電容量比=2It放電時の放電容量/1
It放電時の放電容量)として求めると、下記の表4に
示すような結果となった。
【0034】
【表4】
【0035】上記表4の結果から明らかなように、気泡
痕32の直径の大きさによらず放電容量比は無気泡痕の
ものに比べて高い値を示していることが分かる。また、
気泡痕32が存在しても、負極a4のように直径が小さ
すぎても、負極a8,a9のように直径が大きすぎても
放電容量比は低下することが分かる。これは、気泡痕3
2の面積割合が同じであっても、気泡痕32の直径が小
さすぎると、負極板表面全体に微少な凹凸が形成されて
負極板の表面状態が粗くなり、これにより内部抵抗が上
昇して放電容量比が低下したと考えられる。一方、気泡
痕32の直径が大きくなりすぎると、負極板表面全体に
凹凸が形成されにくくなって連続して平滑な部分が多く
なるが、反面、電解液の含液性(浸透性)の向上に寄与
する気泡痕32が偏在するため、負極板表面全体での反
応性が低下して放電容量比が低下したと考えられる。こ
れらに対して、気泡痕32の直径を0.5〜2.0mm
にした負極板a4〜a7においては、電解液の浸透性
(含液性)と負極板表面全体の粗さが適度に調和して、
放電容量比が向上したと考えられる。以上のことから、
負極の気泡痕(低充填密度部)32の直径は0.5mm
以上で2.0mm以下にするのが望ましいということが
できる。
【0036】2.第2実施形態 上述した第1実施形態においては、負極活物質スラリー
に気泡を導入して、負極に低密度部分を形成させた場合
の特性の変化について検討したが、以下では、正極活物
質スラリーに気泡を導入して、正極に低密度部分を形成
させた場合の特性の変化について検討する。
【0037】(1)正極の作製 まず、正極活物質としての平均粒径が5μmのLiCo
2粉末と、導電剤としての人造黒鉛粉末とを、質量比
で9:1となるように混合して正極合剤を調製した。こ
の正極合剤と、ポリビニリデンフルオライド(PVd
F)よりなる結着剤をN−メチル−2−ピロリドン(N
MP)からなる有機溶剤に5質量%溶解した結着剤溶液
とを、固形分の質量比で95:5になるように混合、混
練して正極活物質スラリー27を調製した。ついで、得
られた正極活物質スラリー27をスラリー撹拌装置10
のスラリー撹拌槽11に充填した後、空気ノズル14か
らスラリー1kgに対して毎分50mlの空気を吐出さ
せて、スラリー27中に空気を送り込むとともに、撹拌
軸12を1000rpmの回転速度で所定の時間だけ回
転させた。
【0038】これにより、撹拌羽根13は回転し、スラ
リー撹拌槽11に充填された正極活物質スラリー27は
送り込まれた空気とともに撹拌されて、正極活物質スラ
リー27に多数の気泡が発生することとなる。ここで、
撹拌時間を5分間にして撹拌したものをスラリーb1と
し、10分間にして撹拌したものをスラリーb2とし、
20分間にして撹拌したものをスラリーb3とした。ま
た、気泡を送り込まないものをスラリーy1とし、撹拌
時間を1分間にして撹拌したものをスラリーy2とし、
40分間にして撹拌したものをスラリーy3とした。
【0039】このようにして作製した各正極活物質スラ
リー27(b1,b2,b3,y1,y2,y3)をス
ラリー塗布装置20のスラリー充填槽21に充填した
後、一対の送りローラ23,24により送り出された正
極集電体(例えば、アルミニウム箔あるいはアルミニウ
ム合金箔)28の片面に、スラリー充填槽21に充填さ
れた正極活物質スラリー27(b1,b2,b3,y
1,y2,y3)をそれぞれ塗布し、塗布量調整治具2
2を通過させて所定量のスラリーを塗布した。
【0040】ついで、スラリー層を乾燥させた後、この
スラリー塗布装置20の前方に配設された別のスラリー
塗布装置(図示せず)を通過させて、スラリーが塗布さ
れていない正極集電体28の他面にも同様にスラリーを
塗布し、乾燥させた。その後、乾燥正極板をロールプレ
ス機により圧延して、片面当たりの活物質層の厚みが5
0μm、充填密度が3.4g/cm3の正極板をそれぞ
れ作製した後、所定寸法に切断して正極40(b1,b
2,b3,y1,y2,y3)とした。
【0041】ここで、正極40(b1,b2,b3,y
1,y2,y3)を観察すると、図3(b)に示すよう
に、ロールプレス機による圧延で気泡が弾けて形成され
たクレータ状の気泡痕42が高密度充填部(充填密度が
3.4g/cm3)41のあちこちに点在していた。こ
の場合、気泡痕42は高密度充填部41よりも薄い色合
となるので、高密度充填部41と気泡痕42との識別は
目視により可能である。この気泡痕42の直径を測定し
てその平均直径を求めると、0.5mm以上で2.0m
m以下であることが明らかとなった。
【0042】そして、気泡痕42の部分の活物質層を欠
き落として質量を測定し、気泡痕42の直径と活物質層
の厚さから充填密度を求めると、その充填密度は3.0
g/cm3で低密度であった。また、各気泡痕42の表
面積を測定し、この測定結果に基づいて気泡痕42の全
表面積を算出した後、各正極b1,b2,b3,y1,
y2,y3の全表面積に対する割合(面積割合:面積
率)を求めると下記の表5に示すような結果となった。
なお、正極y1は気泡を送り込まないスラリーを使用し
たため、気泡痕42はなかった。
【0043】
【表5】
【0044】(2)負極の作製 一方、天然黒鉛(Lc値が1000Åで、d002値が
3.356Åで、平均粒径が20μmのもの)よりなる
負極活物質と、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)の
ディスパージョン(固形分が48質量%)を水に分散さ
せた後、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(C
MC)を添加して負極活物質スラリー15を調製した。
この場合、乾燥後の固形分質量組成比が、黒鉛:SB
R:CMC=100:3:2となるように調製した。
【0045】このようにして作製した負極活物質スラリ
ー15をスラリー塗布装置20のスラリー充填槽21に
充填した後、一対の送りローラ23,24により送り出
された負極集電体(例えば、銅箔)16の片面に、スラ
リー充填槽21に充填された負極活物質スラリー15を
それぞれ塗布し、塗布量調整治具22を通過させて所定
量のスラリーを塗布した。ついで、スラリー層を乾燥さ
せた後、このスラリー塗布装置20の前方に配設された
別のスラリー塗布装置(図示せず)を通過させて、スラ
リーが塗布されていない負極集電体16の他面にも同様
にスラリーを塗布し、乾燥させた。その後、乾燥負極板
をロールプレス機により圧延して、片面当たりの活物質
層の厚みが50μm、充填密度が1.7g/cm3の負
極板をそれぞれ作製した後、所定寸法に切断して負極と
した。
【0046】(3)非水電解液二次電池の作製 ついで、上述のようにして作製した正極b1,b2,b
3,y1,y2,y3と負極とを用いて、上述と同様に
非水電解質二次電池B1,B2,B3,Y1,Y2,Y
3をそれぞれ作製した。なお、このようにして作製した
各非水電解質二次電池B1(正極b1を用いたもの)、
B2(正極b2を用いたもの)、B3(正極b3を用い
たもの)、Y1(正極y1を用いたもの)、Y2(正極
y2を用いたもの)、Y3(正極y3を用いたもの)の
容量は600mAhであった。この後、上述と同様に負
荷特性試験を行って、1It放電時の放電容量を求める
とともに、2It放電時の放電容量を求め、It放電時
の放電容量に対する2It放電時の放電容量の比率を放
電容量比(放電容量比=2It放電時の放電容量/1I
t放電時の放電容量)として求めると、下記の表6に示
すような結果となった。
【0047】
【表6】
【0048】上記表6の結果から明らかなように、気泡
を送り込まないスラリーを使用して気泡痕42が生じな
かった正極板y1を用いた電池Y1および気泡痕42の
面積割合が0.5%の負極板y2を用いた電池Y2にお
いては、1It放電時容量は600(mAh)で良好で
あるが放電容量比が75%、85%と低下していること
が分かる。一方、気泡痕42の面積割合が7%の負極板
y3を用いた電池Y3においては、放電容量比は99で
良好であるが1It放電時容量は510(mAh)と低
下していることが分かる。これらに対して、気泡痕42
の面積割合を1.0〜5.0%にした負極板b1〜b3
を用いた電池B1〜B3においては、1It放電時容量
および放電容量比が共に良好であることが分かる。
【0049】これは、気泡痕42の面積割合が7%の負
極板y3を用いた電池Y3においては、気泡痕42の面
積割合が大きいために活物質の充填量が低下して放電容
量が極端に低下したと考えられる。また、気泡痕42の
面積割合が0%および0.5%と気泡痕42の発生を少
なくした負極板y1,y2においては、気泡痕42の面
積割合が少なすぎるために電解液の浸透性(含液性)が
低下して放電容量比が低下したと考えられる。これらに
対して、気泡痕42の面積割合を1.0〜5.0%にし
た負極板b1〜b3においては、電解液の浸透性(含液
性)が向上したために、1It放電時容量および放電容
量比が共に向上したと考えられる。以上のことから、正
極板の全表面積に対する気泡痕(低充填密度部)42の
面積割合は1.0%以上で5.0%以下にする必要があ
る。
【0050】(4)気泡痕の直径の検討 上述と同様に、正極活物質スラリー27を調製し、これ
をスラリー撹拌装置10のスラリー撹拌槽11に充填し
た後、空気ノズル14から空気を吐出(この場合、得ら
れた負極の全表面積に対して、気泡痕の全表面積が3.
0%になるよう空気の吐出量を調整している)させて、
スラリー15中に空気を送り込むとともに、撹拌軸12
を所定の回転速度で10分間だけ回転させた。ここで、
撹拌速度を2000rpmにして撹拌したものをスラリ
ーb4とし、1500rpmにして撹拌したものをスラ
リーb5とし、1000rpmにして撹拌したものをス
ラリーb6とし、500rpmにして撹拌したものをス
ラリーb7とし、300rpmにして撹拌したものをス
ラリーb8とし、200rpmにして撹拌したものをス
ラリーb9とした。
【0051】これらの各正極活物質スラリー27(b
4,b5,b6,b7,b8,b9)をスラリー塗布装
置20のスラリー充填槽21に充填した後、上述と同様
に正極集電体28の両面にスラリー層をそれぞれ塗布
し、乾燥させた後、所定の厚みに圧延し、活物質の充填
密度が3.4g/cm3の正極板をそれぞれ作製した
後、所定寸法に切断して正極40(b4,b5,b6,
b7,b8,b9)とした。ここで、気泡痕42の部分
の活物質層を欠き落として充填密度を測定すると、その
充填密度は3.0g/cm3で低密度であった。また、
上述と同様に、正極40(b4,b5,b6,b7,b
8,b9)を観察して、気泡痕42の直径を測定する
と、下記の表7に示すような結果となった。
【0052】
【表7】
【0053】ついで、上述のようにして作製した正極4
0(b4,b5,b6,b7,b8,b9)と負極とを
用いて、上述と同様に非水電解質二次電池B4(正極b
4を用いたもの),B5(正極b5を用いたもの),B
6(正極b6を用いたもの),B7(正極b7を用いた
もの),B8(正極b8を用いたもの),B9(正極b
9を用いたもの)をそれぞれ作製した後、上述と同様に
負荷特性試験を行って、1It放電時の放電容量を求め
るとともに、2It放電時の放電容量を求め、It放電
時の放電容量に対する2It放電時の放電容量の比率を
放電容量比(放電容量比=2It放電時の放電容量/1
It放電時の放電容量)として求めると、下記の表8に
示すような結果となった。
【0054】
【表8】
【0055】上記表8の結果から明らかなように、気泡
痕42の直径の大きさによらず放電容量比は無気泡痕の
ものに比べて高い値を示していることが分かる。また、
気泡痕42が存在しても、正極b4のように直径が小さ
すぎても、正極b8,b9のように直径が大きすぎても
放電容量比は低下することが分かる。これは、気泡痕4
2の面積割合が同じであっても、気泡痕42の直径が小
さすぎると、正極板表面全体に微少な凹凸が形成されて
正極板の表面状態が粗くなり、これにより内部抵抗が上
昇して放電容量比が低下する。一方、気泡痕42の直径
が大きくなりすぎると、正極板表面全体に凹凸が形成さ
れにくくなって連続して平滑な部分が多くなるが、反
面、電解液の含液性(浸透性)の向上に寄与する気泡痕
42が偏在するため、正極板表面全体での反応性が低下
して放電容量比が低下する。これらに対して、気泡痕4
2の直径を0.5〜2.0mmにした正極板b4〜b7
においては、電解液の浸透性(含液性)と正極板表面全
体の粗さが適度に調和して、放電容量比が向上したと考
えられる。以上のことから、正極の気泡痕(低充填密度
部)42の平均直径は0.5mm以上で2.0mm以下
にするのが望ましいということができる。
【0056】上述したように、本発明においては、負極
と正極の少なくとも一方に活物質の充填密度が低い低密
度部分(気泡痕)が点在するとともに、この低密度部分
の表面積率は正極あるいは負極の全表面積に対して1%
以上で5%以下になるようにして、活物質の充填密度が
低い低密度部分を点在させているので、活物質が高密度
に充填されていても、低密度部分を通して電解液が活物
質中に浸透するようになるため、活物質の利用率が向上
して放電容量および高率放電特性が向上する。
【0057】なお、上述した実施の形態においては、気
泡痕32を形成させた負極30と、気泡痕を形成させな
い正極とを用いて非水電解質二次電池を作製する例、あ
るいは気泡痕42を形成させた正極40と、気泡痕を形
成させない負極とを用いて非水電解質二次電池を作製す
る例について説明したが、本発明はこれに限らず、気泡
痕32を形成させた負極30と気泡痕42を形成させた
正極40とを用いて非水電解質二次電池を作製するよう
にしても良い。この場合、負極および正極を共に高充填
密度にすることが可能となるので、さらに、高容量で負
荷特性に優れた非水電解質二次電池が得られるようにな
る。
【0058】なお、上述した実施の形態においては、電
解液に用いる混合溶媒としてエチレンカーボネート(E
C)にジエチルカーボネート(DEC)を混合したもの
を用いた例について説明したが、上述したエチレンカー
ボネート(EC)にジエチルカーボネート(DEC)を
混合したもの以外に、プロピレンカーボネート(P
C)、ビニレンカーボネート(VC)、ブチレンカーボ
ネート(BC)、シクロペンタノン、スルホラン、3−
メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、3−
メチル−1、3−オキサゾリジン−2−オン、γ−ブチ
ロラクトン(GBL)ジメチルカーボネート、エチルメ
チルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ブチ
ルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、
ブチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、
1,2−ジエトキシエタン(DEE)、1,2−ジメト
キシ工タン(DME)、テトラヒドロフラン、2−メチ
ルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、酢酸メ
チル、酢酸エチル等の単体、2成分および3成分などの
混合溶媒を用いてもよい。
【0059】また、これらの溶媒に溶解される溶質とし
ては、LiPF6以外に、LiBF4、LiCF3SO3
LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiOSO
2(CF23CF3、LiClO4等を用いてもよい。さ
らに、ポリマー電解質、ポリマーに非水電解液を含浸さ
せたようなゲル状電解質、固体電解質なども使用でき
る。また、上述した実施の形態においては、正極活物質
にコバルト酸リチウムを用いた例について説明したが、
コバルト酸リチウム以外に、ニッケル酸リチウム、マン
ガン酸リチウム等のリチウム含有遷移金属複合酸化物あ
るいは二酸化マンガン(MnO2)、五酸化バナジウ
ム、五酸化ニオブなどの金属酸化物、二硫化チタン、二
硫化モリブデンなどの金属カルコゲン化物等も使用でき
る。
【0060】また、上述した実施の形態においては、負
極活物質として天然黒鉛を用いた例について説明した
が、天然黒鉛以外に、リチウムイオンを吸蔵・放出し得
るカーボン系材料、例えば、カーボンブラック、コーク
ス、ガラス状炭素、炭素繊維、またはこれらの焼成体、
非晶質酸化物等の公知のものを用いてもよい。また、リ
チウム、リチウムを主体とする合金を負極に用いるとき
には、正極に本発明を適用できるのは勿論である。ま
た、負極に添加される増粘剤としては、上述した実施の
形態においては、カルボキシメチルセルロース(CM
C)を用いる例について説明したが、CMC以外の増粘
剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセル
ロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化スター
チ、カゼイン等を使用することができる。
【0061】また、正、負極に添加される結着剤として
は、上述した実施の形態においては、正極にポリフッ化
ビニリデン(PVdF)、負極にスチレン−ブタジエン
ゴム(共重合体)を用いる例について説明したが、正極
にスチレン−ブタジエンゴム(共重合体)、負極にポリ
フッ化ビニリデン(PVdF)を用いてもよい。さら
に、それら以外の結着剤としては、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、等のエチレン性不飽和カ
ルボン酸エステル、さらに、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のエチレン性
不飽和カルボン酸を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電池の製造に用いられるスラリー撹
拌装置の一例を模式的に示す図である。
【図2】 本発明の電池の製造に用いられるスラリー塗
布装置の一例を模式的に示す図である。
【図3】 本発明により製造された極板を模式的に示す
図であり、図3(a)は負極板の一例を示し、図3
(b)は正極板の一例を示している。
【符号の説明】
10…スラリー撹拌装置、11…撹拌槽、12…撹拌
軸、13…撹拌羽根、14…空気ノズル、15…スラリ
ー、20…スラリー塗布装置、21…スラリー充填槽、
22…塗布量調整治具、23,24…送りローラ、2
5,26…保持ローラ30…負極板、31…高密度充填
部、32…気泡痕(低密度充填部)、40…正極板、4
1…高密度充填部、42…気泡痕(低密度充填部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 昌利 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AK02 AK03 AK05 AL07 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ12 CJ08 CJ22 DJ08 EJ04 EJ12 EJ14 HJ08 HJ12 HJ13 5H050 AA02 BA17 CA02 CA05 CA07 CA11 CB08 CB09 CB12 DA02 DA03 EA09 EA22 EA24 EA28 FA02 GA10 GA22 HA00 HA07 HA13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオンを吸蔵・放出することが
    可能な負極活物質を含有する負極と、リチウムイオンを
    吸蔵・放出することが可能な正極活物質を含有する正極
    と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池であっ
    て、 前記正極と前記負極の少なくとも一方に活物質の充填密
    度が低い低密度部分が点在するとともに、 前記低密度部分の表面積率は前記正極あるいは前記負極
    の全表面積に対して1%以上で5%以下であることを特
    徴とする非水電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 前記負極の前記低密度部分を除く充填密
    度は1.7g/cm3以上か、あるいは前記正極の前記
    低密度部分を除く充填密度は3.4g/cm3以上のい
    ずれか一方あるいは両方であることを特徴とする請求項
    1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 前記正極と前記負極の少なくとも一方に
    点在する前記低密度部分の平面形状は略円形状であっ
    て、この略円形状の低密度部分の平均直径は0.2mm
    以上で8.0mm以下であることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 【請求項4】 前記正極と前記負極の少なくとも一方に
    点在する前記低密度部分の平面形状は略円形状であっ
    て、この略円形状の低密度部分の平均直径は0.5mm
    以上で2.0mm以下であることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  5. 【請求項5】 前記負極活物質は黒鉛(但し、Lc値が
    150Å以上で、d値が3.38Å以下である)である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記
    載の非水電解質二次電池。
  6. 【請求項6】 リチウムイオンを吸蔵・放出することが
    可能な負極活物質を含有する負極と、リチウムイオンを
    吸蔵・放出することが可能な正極活物質を含有する正極
    と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池の製造方
    法であって、 前記負極活物質あるいは前記正極活物質を含有する活物
    質スラリーに気泡を導入する気泡導入工程と、 前記気泡が導入された活物質スラリーを集電体に塗布す
    るスラリー塗布工程とを備え、 前記気泡がある部分の活物質の充填密度は気泡がない部
    分の活物質の充填密度よりも低密度になるようにしたこ
    とを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記気泡導入工程において、前記活物質
    スラリーに空気を導入しながら該活物質スラリーを撹拌
    して、該活物質スラリーに気泡を導入するようにしたこ
    とを特徴とする請求項6に記載の非水電解質二次電池の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記気泡導入工程において、前記活物質
    スラリーの撹拌時間を変化させることにより、前記低密
    度部分の表面積率を変化させるようにしたことを特徴と
    する請求項6または請求項7に記載の非水電解質二次電
    池の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記気泡導入工程において、前記活物質
    スラリーの撹拌速度を変化させることにより、前記低密
    度部分の平均直径を変化させるようにしたことを特徴と
    する請求項6から請求項8のいずれかに記載の非水電解
    質二次電池の製造方法。
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