JP2002286636A - 化学物質検出方法及び装置 - Google Patents

化学物質検出方法及び装置

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JP2002286636A
JP2002286636A JP2001068863A JP2001068863A JP2002286636A JP 2002286636 A JP2002286636 A JP 2002286636A JP 2001068863 A JP2001068863 A JP 2001068863A JP 2001068863 A JP2001068863 A JP 2001068863A JP 2002286636 A JP2002286636 A JP 2002286636A
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gas
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infrared
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Kazuyuki Maruo
和幸 丸尾
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/55Specular reflectivity
    • G01N21/552Attenuated total reflection

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境中に存在する化学物質を高速且つ高感度
に検出しうる化学物質検出方法及び装置を提供する。 【解決手段】 被測定対象気体中の化学物質を付着する
基板10と、被測定対象気体中の化学物質の基板10へ
の付着を促進する基板付着率向上手段12と、化学物質
が付着した基板に赤外線を入射する赤外光源20と、基
板10内部を多重反射した後に出射された赤外線を検出
する赤外線検出装置22と、赤外線検出装置24により
検出された赤外線を分光分析するFTIR装置24とを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境中に存在する
化学物質を高感度且つ高速に分析しうる化学物質検出方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】環境中に存在する化学物質のモニタリン
グは、我々の実生活を取り巻く環境において、急速にそ
の重要性を増している。
【0003】例えば、近年、ゴミ焼却施設から排出され
るダイオキシン類等の微量な化学物質に起因する環境汚
染が関心を集めている。
【0004】また、新築住宅、マンションの建材に含ま
れるVOC(Volatile Organic Compound;揮発性有機
物質)と称される化学物質が室内で気化して住人に健康
障害を与える事例が報告されており、シックハウス症候
群として大きな問題となっている。
【0005】従って、上述のような環境中に微量に存在
する化学物質を高感度且つ的確にモニタし、それら化学
物質の発生源の特定、環境への排出量の制御・管理等を
行う必要に迫られている。このためには、環境中に存在
する化学物質をリアルタイムで高感度に検出して物質の
同定を行うことができる環境センサの開発が急務となっ
ている。
【0006】大気中の化学物質を測定する従来の方法で
は、加熱脱離GC−MS(Gas Ghromatography-Mass Sp
ectroscopy)や、FTIR(Fourier Transform Infrar
ed Spectroscopy)等が知られている。
【0007】加熱脱離GC−MSでは、まず、TENA
Xなどの多孔質物質に測定気体を吸着する。次いで、こ
れを加熱して吸着した化学物質を放出し、質量分析計に
より化学物質の成分同定・定量が行われる。これによ
り、微量の化学物質の成分分離・構造分析を一連の測定
として行うことが可能となっている。
【0008】FTIRでは、図19に示すように、赤外
光源100により赤外線を被測定対象気体に照射する。
次いで、被測定対象気体中を通過した赤外線を分光分析
器102により分光分析して吸収スペクトルを求める。
赤外線の吸収スペクトルは化学物質に固有なものである
ので、被測定対象気体中の化学物質を同定することがで
きる。また、赤外線の吸収量は、化学物質の濃度に比例
するので、被測定対象気体中の化学物質の定量を行うこ
ともできる。FTIRは、GC−MSと比べて装置構成
がシンプルであり、また測定に要する時間も短いため、
リアルタイム性を有する測定方法である。更に、FTI
Rは、装置を測定環境中に持ち込み、その場で測定を行
うことができるという利点を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、GC−
MSは、通常測定に数時間を要するため、環境のモニタ
リングという観点からは、リアルタイム性に欠ける測定
方法といえる。また、GC−MS投入用のカラムの作製
作業は研究室などで行う必要があり、環境をその場で測
定することができない。このため、測定結果を環境管理
等に有効にフィードバックすることが困難であった。
【0010】一方、FTIRは、大気環境を高感度で測
定することが困難であるという問題を有している。一般
的に、FTIRで大気環境を測定する場合、前述のよう
に測定環境中に赤外光源と分光分析器とを設置し、気体
中に直接赤外線を照射してその赤外線を分光分析する手
法が用いられる。この場合、気体中に存在する化学物質
に対するFTIRの検出感度は、赤外線を照射した光路
長に比例する。例えば、FTIRにより気体中に1pp
mの濃度で存在する化学物質を検出するためには、赤外
線の光路長が約1m必要となる。従って、大気中に0.
01ppmの濃度でしか存在しない微量の化学物質を検
出するためには、100mもの赤外線の光路長が必要と
なる。すなわち、FTIRによって微量の化学物質を検
出するためには、赤外線の光路長を確保するために大規
模な光学系が必要となる。このため、大気中における微
量化学物質の検出をFTIRで実現しようとなると、そ
の場測定が可能でありリアルタイム性を有するというF
TIRの利点が失われてしまうこととなっていた。
【0011】本発明の目的は、環境中に存在する化学物
質を高速且つ高感度に検出しうる化学物質検出方法及び
装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、化学物質を
付着する基板を被測定対象気体に曝露し、前記被測定対
象気体中に含まれる化学物質が前記基板に付着すること
を促進し、前記化学物質が付着した前記基板に赤外線を
入射し、前記基板を透過した後に出射された赤外線又は
前記基板の表面で反射された赤外線を分析することによ
り、前記基板に付着した前記化学物質の種類を同定し及
び/又は前記化学物質の付着量を算出し、前記基板に付
着した前記化学物質の付着量に基づき、前記被測定対象
気体における前記化学物質の種類を同定し及び/又は前
記化学物質の濃度を算出することを特徴とする化学物質
検出方法により達成される。
【0013】また、上記の化学物質検出方法において、
前記基板を冷却することにより、前記被測定対象気体中
の前記化学物質が前記基板に付着することを促進するよ
うにしてもよい。
【0014】また、上記の化学物質検出方法において、
前記被測定対象気体の相対湿度を低減した後に、前記被
測定対象気体に前記基板を曝露するようにしてもよい。
【0015】また、上記の化学物質検出方法において、
前記被測定対象気体中の水分を除去することにより、前
記被測定対象気体の相対湿度を低減するようにしてもよ
い。
【0016】また、上記の化学物質検出方法において、
前記被測定対象気体と乾燥気体とを混合することによ
り、前記被測定対象気体の相対湿度を低減するようにし
てもよい。
【0017】また、上記の化学物質検出方法において、
前記被測定対象気体中の相対湿度の低減に伴って減少し
た前記化学物質の濃度を考慮して、前記被測定対象気体
のおける前記化学物質の濃度を算出するようにしてもよ
い。
【0018】また、上記の化学物質検出方法において、
前記基板表面に対して前記被測定対象気体を流動させる
ことにより、前記被測定対象気体の前記化学物質が前記
基板に付着することを促進するようにしてもよい。
【0019】また、上記の化学物質検出方法において、
吸気口と排気口とを有する容器内に前記基板を収容し、
前記吸気口から前記被測定対象気体を前記容器内に導入
し、前記排気口から前記被測定対象気体を前記容器外へ
排出することにより、前記被測定対象気体を流動させる
ようにしてもよい。
【0020】また、上記の化学物質検出方法において、
前記基板は、赤外線を透過する物質からなり、前記基板
内部を多重反射した後に出射される赤外線を分析するこ
とにより、前記基板に付着した前記化学物質の種類を同
定し及び/又は前記化学物質の付着量を算出するように
してもよい。
【0021】また、上記の化学物質検出方法において、
前記基板は、赤外線を透過する物質からなり、前記基板
の一の面側から入射され、前記基板を透過して前記基板
の他の面側から出射される赤外線を分析することによ
り、前記基板に付着した前記化学物質の種類を同定し及
び/又は前記化学物質の付着量を算出するようにしても
よい。
【0022】また、上記の化学物質検出方法において、
前記基板は、実質的に並行に配された一対の基板を有
し、前記一対の基板間を多重反射した後に出射される赤
外線を分析することにより、前記基板に付着した前記化
学物質の種類を同定し及び/又は前記化学物質の付着量
を算出するようにしてもよい。
【0023】また、上記の化学物質検出方法において、
定期的に前記基板に付着した前記化学物質を除去して前
記基板の表面状態を初期化するようにしてもよい。
【0024】また、上記の化学物質検出方法において、
前記基板を加熱することにより、前記基板に付着した前
記化学物質を除去するようにしてもよい。
【0025】また、上記の化学物質検出方法において、
前記基板に紫外線を照射することにより、前記基板に付
着した前記化学物質を除去するようにしてもよい。
【0026】また、上記目的は、被測定対象気体中の化
学物質を付着する基板と、前記被測定対象気体中の前記
化学物質の前記基板への付着を促進する付着率向上手段
と、前記化学物質が付着した前記基板に赤外線を入射す
る赤外線入射手段と、前記基板を透過した後に出射され
た赤外線又は前記基板の表面で反射された赤外線を分析
することにより、前記基板に付着した前記化学物質の種
類を同定し及び/又は前記化学物質の付着量を算出する
赤外線分析手段と、前記赤外線分析手段の分析結果に基
づき、前記被測定対象気体における前記化学物質の種類
を同定し及び/又は前記化学物質の濃度を算出する化学
物質検出手段とを有することを特徴とする化学物質検出
装置により達成される。
【0027】また、上記の化学物質検出装置において、
前記基板は、赤外線を透過する物質からなり、前記赤外
線分析手段は、前記基板内部を多重反射した後に出射さ
れる赤外線を分析することにより、前記基板に付着した
前記化学物質の種類を同定し及び/又は前記化学物質の
付着量を算出するようにしてもよい。
【0028】また、上記の化学物質検出装置において、
前記基板は、赤外線を透過する物質からなり、前記赤外
線分析手段は、前記基板の一の面側から入射され、前記
基板を透過して前記基板の他の面側から出射される赤外
線を分析することにより、前記基板に付着した前記化学
物質の種類を同定し及び/又は前記化学物質の付着量を
算出するようにしてもよい。
【0029】ことを特徴とする化学物質検出装置。
【0030】また、上記の化学物質検出装置において、
前記基板は、実質的に並行に配された一対の基板を有
し、前記赤外線分析手段は、前記一対の基板間を多重反
射した後に出射される赤外線を分析することにより、前
記基板に付着した前記化学物質の種類を同定し及び/又
は前記化学物質の付着量を算出するようにしてもよい。
【0031】また、上記の化学物質検出装置において、
前記付着率向上手段は、前記基板を冷却する冷却装置で
あるようにしてもよい。
【0032】また、上記の化学物質検出装置において、
前記冷却装置は、前記基板の赤外線の光路とならない部
分を冷却するようにしてもよい。
【0033】また、上記の化学物質検出装置において、
前記被測定対象気体の相対湿度を低減する湿度低減手段
を更に有するようにしてもよい。
【0034】また、上記の化学物質検出装置において、
前記湿度低減手段は、前記被測定対象気体中の水分を除
去するフィルタであるようにしてもよい。
【0035】また、上記の化学物質検出装置において、
前記湿度低減手段は、前記赤外透過基板に到達する前に
前記被測定対象気体を冷却する冷却手段を有し、前記冷
却手段内で結露させることにより前記被測定対象気体中
の水分を除去し、前記被測定対象気体の相対湿度を低減
するようにしてもよい。
【0036】また、上記の化学物質検出装置において、
前記湿度低減手段は、前記被測定対象気体と乾燥気体と
を混合することにより、前記被測定対象気体の相対湿度
を低減するようにしてもよい。
【0037】また、上記の化学物質検出装置において、
前記基板を収容する容器と、前記容器内で前記被測定対
象気体を流動させる気体流動手段とを更に有するように
してもよい。
【0038】また、上記の化学物質検出装置において、
前記基板表面に付着した前記化学物質を除去して前記基
板の表面状態を初期化する基板洗浄手段を更に有するよ
うにしてもよい。
【0039】また、上記の化学物質検出装置において、
前記基板洗浄手段は、前記基板を加熱することにより前
記基板に付着した前記化学物質を除去するようにしても
よい。
【0040】また、上記の化学物質検出装置において、
前記基板洗浄手段は、前記基板表面に紫外線を照射する
ことにより前記基板に付着した前記化学物質を除去する
ようにしてもよい。
【0041】
【発明の実施の形態】[本発明の原理]本発明による化
学物質検出方法及び装置の原理について図1乃至図7を
用いて説明する。図1は、本発明による化学物質検出方
法及び装置の原理を示す概略図、図2乃至図4は、基板
付着率向上手段の例を示す概略図、図5は、赤外多重内
部反射法による基板表面に付着した化学物質の検出の原
理を示す概略図、図6乃至図8は、化学物質検出手段の
例を示す概略図である。
【0042】本発明による化学物質検出装置は、図1に
示すように、基本構成要素として、被測定対象気体中の
化学物質を付着する基板10と、当該化学物質の基板1
0表面への付着率を向上する基板付着率向上手段12
と、基板10表面に付着した化学物質の種類を同定し及
び/又は化学物質の付着量を算出する化学物質検出手段
14とを有している。
【0043】まず、基板付着率向上手段12について図
2乃至図4を用いて説明する。
【0044】本発明による化学物質検出方法及び装置
は、被測定対象気体中に曝露した基板10表面に付着し
た化学物質を分析することにより、被測定対象気体中の
化学物質を検出するものである。従って、従来技術に比
べて高感度な化学物質の検出を実現するためには、基板
10表面に化学物質を濃縮して付着することが必要とさ
れる。基板付着率向上手段12は、化学物質を濃縮した
状態で基板10表面に付着するためのものである。
【0045】基板付着率向上手段12としては、図2に
示すように、基板10表面に向けて被測定対象気体を流
動させるものを用いることができる。例えば、扇風機の
ようなものを基板付着率向上手段12とすることができ
る。これにより、被測定対象気体中の化学物質が基板1
0表面に衝突する確率が大きくなる。この結果、化学物
質を基板10表面に効率よく付着することができる。
【0046】また、図3に示すように、基板10を基板
封入容器16内に収容し、基板付着率向上手段12が被
測定対象気体を基板封入容器16内に導入・排気する構
成としてもよい。こうすることで、被測定対象気体が効
率よく基板10表面近傍を流動することとなる。この結
果、被測定対象気体中の化学物質が基板10表面に付着
する効率を向上することができる。
【0047】また、図4に示すように上記の基板付着率
向上手段12に加えて或いは単独で、基板10を冷却す
る基板冷却装置18を設けることによっても、化学物質
の基板10表面への付着率を向上することができる。
【0048】一般に、化学物質は、冷却されることによ
り、気体から液体、液体から固体へとその状態を変化す
る。被測定対象気体中を自由運動している化学物質が基
板10表面に衝突すると、その一部はそのまま基板10
表面にトラップされる。この際、被測定対象気体と基板
10との間に温度差が存在しない場合には、トラップさ
れた化学物質の大部分が再び表面から脱離していく。し
かし、基板10が冷却されていると、基板10表面との
衝突の際に、化学物質のエネルギーが奪われる。このた
め、化学物質は、再び基板10表面から脱離することが
できず、基板10表面にトラップされたままの状態でい
る確率が高くなる。すなわち、基板10を冷却すること
により、基板10表面に付着する化学物質の総量を増大
することが可能となる。
【0049】次に、化学物質検出手段14について図5
乃至図8を用いて説明する。
【0050】化学物質検出手段14は、被測定対象気体
から基板10表面に付着した化学物質の種類を同定し及
び/又は化学物質の付着量を算出するものである。化学
物質検出手段14による基板10表面に付着した化学物
質の検出結果に基づき、被測定対象気体中の化学物質の
種類の同定及び/又は存在量の算出を行うことが可能と
なる。
【0051】化学物質を検出する手段としては、様々な
方法が考えられるが、測定のリアルタイム性及び簡便性
等を考慮して赤外線を利用した検出方法を用いるのが望
ましい。赤外線を利用した検出方法としては、例えば、
赤外線の吸収スペクトルを解析して化学物質を検出する
フーリエ変換赤外分光法(Fourier Transform Infrared
Spectroscopy : FTIR)を利用することができる。
【0052】更に、本発明では、基板10表面に付着し
た化学物質を検出するので、例えば、赤外多重内部反射
法を利用することができる。以下、赤外多重内部反射法
による基板表面に付着した化学物質の検出の原理につい
て図5を用いて説明する。
【0053】図5に示すように、赤外線を透過する材質
の基板10を被測定対象気体中に暴露すると、被測定対
象気体中の環境汚染物質19などの化学物質が基板10
表面に付着する。続いて、基板10内部で多重反射する
ように、基板10端面より赤外線を入射する。赤外線が
基板10内部で多重反射を繰り返す間、赤外線が基板1
0表面で反射するときに滲み出す光(エヴァネッセント
光)の周波数成分が表面に付着している環境汚染物質の
分子振動周波数と等しいと赤外線の吸収が起きる。表面
での1回の反射により赤外線が吸収されてT倍に減衰さ
れるとすると、Lambert-Beer の式によりTは次の式で
表される。
【0054】T=(I/I0)e-Ac ここで、I0、Iは、表面に化学物質が付着する前後の
光反射強度、cは表面の有機物の濃度、Aは定数であ
る。
【0055】上述の赤外線の吸収は分子の構造に固有な
性質である。従って、基板10内部で多重反射した後に
出射される赤外線を分光分析することにより、被測定対
象気体より基板10表面に付着した環境汚染物質19の
種類及び/又は付着量を測定することが可能となる。こ
の結果に基づき、被測定対象気体中の環境汚染物質19
の種類の同定及び/又は濃度の算出を行うことが可能と
なる。
【0056】上述の方法では、煩雑な試料の前処理が必
要のないことや、測定にリアルタイム性があること、測
定に時間を要しないこと等の利点がある。また、多重反
射を繰り返した赤外線を分光分析するため、信号対雑音
比(S/N比)が向上され、高感度で環境汚染物質など
の化学物質を検出することができる。
【0057】なお、上述の赤外多重内部反射法による化
学物質の検出手法については、例えば、特願平11−2
31495号明細書に詳述されている。また、FTIR
については、例えば、田隅三生編著「FTIRの基礎と
実際 第2版」(東京化学同人)に詳述されている。
【0058】図6は、図3に示す基板付着率向上手段1
2とともに、化学物質検出手段14として、多重内部反
射FTIR法によるものを用いた化学物質検出装置を示
す概略図である。図示するように、プローブ光となる赤
外線を基板10に入射する赤外光源20が、基板封入容
器16に収容された基板10の一方の端面近傍に配置さ
れている。赤外光源20からの赤外線は、基板10内部
を多重反射するように入射される。基板10の赤外光源
20が配置された端面に対向する端面近傍には、基板1
0内部を多重反射した後に基板10より放出される赤外
線を検出する赤外線検出装置22が配置されている。赤
外線検出装置22には、赤外線検出装置22により検出
された赤外線のフーリエ変換分光分析を行うFTIR装
置24が接続されている。
【0059】また、化学物質検出手段14として、基板
10表面に赤外線を照射し、基板10を透過した赤外線
を検出・分光分析する方法を用いることもできる。図7
は、図3に示す基板付着率向上手段12とともに、基板
10を透過した赤外線を分光分析することにより化学物
質を検出する化学物質検出手段を示す概略図である。図
示するように、赤外線を基板10表面に照射する赤外光
源20が、基板封入容器16に収容された基板10の一
方の表面近傍に配置されている。基板10の赤外光源2
0が配置された表面に対向する表面近傍には、基板10
を透過する赤外線を検出する赤外線検出装置22が配置
されている。赤外線検出装置22により検出された赤外
線は、FTIR装置等により分光分析される。
【0060】そのほか、化学物質検出手段14として
は、上記の赤外多重内部反射法等によるものに限らず、
ATR(Attenuated Total Reflection)法によるもの
を用いることもできる。図8は、化学物質検出手段14
として、ATR法によるものを用いた化学物質検出装置
を示す概略図である。図示するように、基板封入容器1
6には、ほぼ平行に配置された一対の基板25a、25
bが収容されている。基板25a、25bの一方の端面
近傍には、プローブ光となる赤外線を基板25a、25
b間に赤外光源20が配置されている。赤外光源20か
らの赤外線は、対向する基板25a、25bの間を多重
反射するように入射される。基板25a、25bの赤外
光源20が配置された端面に対向する端面近傍には、対
向する基板25a、25bの間を多重反射した後に放出
される赤外線を検出する赤外線検出装置22が配置され
ている。赤外線検出装置22には、赤外線検出装置22
により検出された赤外線のフーリエ変換分光分析を行う
FTIR装置24が接続されている。
【0061】以上のように、本発明による化学物質検出
方法及び装置は、基板付着率向上手段12を設けること
により、被測定対象気体中の化学物質を効率よく多量に
基板10表面に付着し、赤外線を利用した化学物質検出
手段14により基板10表面に付着した化学物質を検出
することに特徴がある。これにより、大気環境中に微量
に存在する化学物質の高感度検出を実現することができ
る。
【0062】また、本発明による化学物質検出方法及び
装置は、被測定対象気体からの試料採集と化学物質の検
出とを同時に行うことができる、すなわちリアルタイム
性を有するものである。従って、従来のGC−MSを用
いた測定方法と比較して測定時間を大幅に短縮すること
ができる。代表的な測定例で示すと、従来のGC−MS
を用いた測定方法では最低でも数時間の測定時間が必要
であるのに対し、本発明によれば、数分から10分程度
の測定時間でダイオキシン等の化学物質を検出すること
が可能である。
【0063】[第1実施形態]次に、本発明の第1実施
形態による化学物質検出方法及び装置について図9乃至
図13を用いて説明する。図9は、本実施形態による化
学物質検出装置の構造を示す断面図、図10は、冷却装
置による赤外透過基板の冷却方法の一例を示す平面図、
図11は、赤外透過結晶であるGaAsの赤外透過スペ
クトル、図12は、アセトン標準試料の赤外吸収スペク
トル、図13は、化学物質検出装置により測定された大
気中に存在するアセトンの検出結果を示すスペクトルで
ある。
【0064】〔1〕化学物質検出装置 まず、本実施形態による化学物質検出装置ついて図9及
び図10を用いて説明する。
【0065】図9に示すように、本実施形態による化学
物質検出装置では、被測定対象気体中の化学物質を付着
して測定に供するための赤外透過基板26が支持台28
に載置されている。支持台28には、冷却装置30が設
けられており、赤外透過基板26を冷却できるようにな
っている。
【0066】赤外透過基板26は、被測定対象気体が導
入される吸気口32と被測定対象気体が排気される排気
口34とを有する基板封入容器36内に封入されてお
り、赤外透過基板26の対向する両端面が基板封入容器
36の両側面から外部に露出している。
【0067】基板封入容器36には、加熱装置38が設
けられ、赤外透過基板26を含む基板封入容器36全体
を加熱することができる。基板封入容器36の排気口3
4には、基板封入容器36内で被測定対象気体を流動さ
せるサンプリングポンプ40が接続されている。
【0068】赤外透過基板26の基板封入容器36外に
露出した一方の端面近傍には、入射光学系42が配置さ
れている。入射光学系42は、プローブ光となる赤外線
を出射する赤外光源44と、赤外光源44から出射され
た赤外線を凹面鏡46に導く反射鏡48と、反射鏡48
より導かれた赤外線を集光して赤外透過基板26端面よ
り多重反射するようにその内部に導入する凹面鏡46と
から構成されている。
【0069】赤外透過基板26の入射光学系42が配置
されている端面に対向する端面近傍には、赤外透過基板
26内部で多重反射した後に放出される透過赤外線を検
出する赤外線検出器50が検出光学系52を介して配置
されている。検出光学系52は、赤外透過基板26端面
より放出された赤外線を集光して反射鏡54に導く凹面
鏡56と、凹面鏡56より導かれた赤外線を赤外検出器
50に導く反射鏡54とから構成されている。赤外線検
出器50には、赤外線検出器50により検出された赤外
線を分光分析するFTIR(フーリエ変換赤外分光分
析)装置58が接続されている。
【0070】FTIR装置58には、FTIR装置58
による分析結果に基づき被測定対象気体中の化学物質の
種類の同定や濃度の算出を行う演算・表示装置(図示せ
ず)が接続されている。
【0071】このように、本実施形態による化学物質検
出装置は、基板付着率向上手段として基板封入容器36
内で被測定対象気体を流動させるサンプリングポンプ4
0と、冷却装置30とを併用するものである。また、被
測定対象気体から赤外透過基板26表面に付着した化学
物質を検出する化学物質検出手段として、多重内部反射
FTIR法によるものを適用したものである。
【0072】次に、本実施形態による化学物質検出装置
の各構成要素について以下に詳述する。
【0073】(a)赤外透過基板26 赤外透過基板26は、被測定対象気体中の化学物質を吸
着して測定に供するためのものである。従って、検出す
べき化学物質の分子振動に対応する波長域の光を透過す
る材料であることが必要である。代表的な有機物質の基
本振動に対応する波数域は、500cm-1(波長20μ
m)〜5000cm-1(波長2μm)程度の赤外・近赤
外域である。この有機物質の赤外吸収の波数域内の、物
質が共通にもっている特定の種類の分子振動に起因する
赤外吸収の波数帯域、例えばCH 3非対称伸縮振動に対
応する波数域を少なくとも透過する物質を赤外透過基板
26として選択する。また、化学物質の検出に際して
は、赤外透過基板26を大気中に曝露することとなるの
で、その材料としては、潮解性がないものであることが
必要である。
【0074】従って、例えば、砒化ガリウム(GaA
s)は、透過波長域が約1.0〜18μm程度であり、
大気中において安定な物質であるので、赤外透過基板2
6を構成する一材料として選択することができる。ま
た、砒化ガリウムのほか、セレン化亜鉛(ZnSe:透
過波長域0.6〜13μm)、シリコン(Si:透過波
長域1.2μm〜6μm)、臭化カリウム(KBr:透
過波長域0.4〜22μm)、フッ化カルシウム(Ca
2:透過波長域0.2〜8μm)、ゲルマニウム(G
e:透過波長域2〜18μm)等を赤外透過基板26の
材料として選択することもできる。
【0075】赤外透過基板26の形状は、例えば、端面
の傾きを45度に研磨することが望ましい。こうするこ
とで、赤外透過基板26内部への赤外線の入射効率を高
めることができるとともに、赤外線を赤外透過基板26
内部で多重反射させることができる。また、赤外線が多
重内部反射する際に光が散乱されるのを防ぐために、赤
外透過基板26には、両面研磨された基板を用いる必要
がある。
【0076】(b)支持台28 支持台28には、赤外透過基板26が載置される。この
とき、赤外透過基板26の上側表面だけでなく、赤外透
過基板26の下側表面にも被測定対象気体中の化学物質
が付着するように、赤外透過基板26の下側表面と支持
台28とが完全に密着することがないような工夫をして
もよい。例えば、支持台28の載置面上に複数の凸状構
造を設け、これらに赤外透過基板26を載置する。する
と、赤外透過基板26の下側表面が被測定対象気体に対
して曝露される状態にする。これにより、化学物質が付
着しうる赤外透過基板26の面積が大きくなり、信号対
雑音比(S/N比)の向上を図ることができる。
【0077】(c)基板封入容器36、サンプリングポ
ンプ40 基板封入容器36には、赤外透過基板26が収容されて
おり、この内部を被測定対象気体が流動することとな
る。基板封入容器36の両側面から赤外透過基板26の
両端面が外部に露出する構造となっているが、側面の赤
外透過基板26端面が露出する部分は、気密性が確保で
きるように加工されている。
【0078】サンプリングポンプ40は、基板封入容器
36内の気体を排気口34から排気して基板封入容器3
6内を陰圧にするものである。これにより、吸気口32
から被測定対象気体が基板封入容器36内に導入され、
排気口34から基板封入容器36外へ排出される。サン
プリングポンプ40によって被測定対象気体が赤外透過
基板26表面に対して効率的に流動する。これにより、
被測定対象気体中の化学物質の赤外透過基板26表面へ
の付着率を向上することができる。
【0079】(d)冷却装置30 冷却装置30は、支持台28上に載置された赤外透過基
板26を冷却することにより、被測定対象気体中の化学
物質の赤外透過基板26表面への付着率を高めるもので
ある。
【0080】冷却装置30としては、例えば、コンパク
トで冷却材料の不要なペルティエ素子を利用したものを
用いることができる。ペルティエ素子とは、異種金属の
接合を電流が流れるときに温度勾配が生じるというペル
ティエ効果を利用した冷却素子である。
【0081】冷却装置30による赤外透過基板26の冷
却は、支持台28を冷却することにより行ってもよい
し、図10に示すように冷却装置30を赤外透過基板2
6に直接接着して行ってもよい。
【0082】図10に示すようにペルティエ素子を用い
た冷却装置30により直接冷却する場合、赤外透過基板
26全体が周囲の温度に対して30℃程度低下する。例
えば、周囲温度が20℃である場合、赤外透過基板26
全体はおよそ−10℃まで冷却される。なお、冷却装置
30を赤外透過基板26に直接接着する場合、図10に
示すように、赤外透過基板26内部で多重反射する赤外
線の光路からはずれた表面に冷却装置30を接着するこ
とが望ましい。このように赤外透過基板26の赤外線光
路となる領域を熱伝導により間接的に冷却することによ
り、赤外吸収への接着面の影響を回避することができ
る。
【0083】なお、ペルティエ素子を用いた冷却装置3
0の代わりに、ドライアイスや液体窒素を利用した冷却
装置や、冷蔵庫等に使用される冷媒を利用した冷却装置
によって赤外透過基板26を冷却するようにしてもよ
い。また、検出すべき化学物質の赤外透過基板26への
付着状況等に応じて、赤外透過基板26の冷却温度を適
宜調整することができる。
【0084】(e)加熱装置38 加熱装置38は、例えば電熱器型のものであり、赤外透
過基板26及び基板封入容器36を加熱し、被測定対象
気体中からこれらの表面に付着した化学物質を除去する
ものである。これにより、赤外透過基板26表面を初期
化、すなわち清浄化することができ、前回の測定の影響
を受けることなく、新たな測定を行うことが可能となっ
ている。
【0085】加熱装置38により、約200℃程度にま
で加熱すると、赤外透過基板26を破壊することなく、
赤外透過基板26表面及び基板封入容器の内面に付着し
た化学物質を充分に脱離することができる。
【0086】なお、加熱装置38により赤外透過基板2
6のみを加熱する構成としてもよいが、基板封入容器3
6内面に付着した化学物質が次回以降の測定に影響を及
ぼすことが考えられるので、赤外透過基板26及び基板
封入容器36の両方を加熱することが望ましい。
【0087】(f)入射光学系42(赤外光源44、反
射鏡48、凹面鏡46) 赤外光源44としては、有機分子の分子振動に対応する
2〜25μm帯域の赤外線を発する光源を適用すること
ができる。例えば、フィラメントとしてのシリコンカー
バイド(SiC)やニクロム線に電流を印加して発する
熱線を光源として用いることができる。SiCグローバ
灯などのSiCを用いた光源は、1.1〜25μm帯域
の赤外線を発し、且つ、空気中でむき出しで使用しても
焼損がないという特徴がある。
【0088】反射鏡48及び凹面鏡46は、赤外光源4
4より出射された赤外線を赤外透過基板26内部で多重
反射するように、赤外透過基板26端面から導入するた
めのものである。
【0089】なお、赤外線の入射角度の設定に関して
は、例えば同一出願人による特願平11−95853号
明細書に詳述されている。
【0090】(d)検出光学系52(凹面鏡56、反射
鏡54)、赤外線検出器56、FTIR装置58 凹面鏡56及び反射鏡54は、赤外透過基板26内部で
多重反射した後に赤外透過基板26の端面より放出され
た赤外線を赤外線検出器56に導くものである。
【0091】赤外線検出器50としては、例えば、窒素
冷却型InSbなどの赤外線検出器を用いることができ
る。この赤外線検出器24は、検出光学系52を介し
て、赤外透過基板26端面より放出された赤外線を検出
し、検出した赤外線をFTIR装置58に入力する。
【0092】FTIR装置58は、例えば、二光束干渉
計(マイケルソン光干渉計)を基にしたフーリエ変換分
光のメカニズムにより、赤外線検出器50により検出さ
れた赤外線を分光分析するするものである。或いは、F
TIR装置58の代わりに、回折格子(グレーティン
グ)による赤外分光計を用いてもよい。
【0093】(e)演算・表示装置 FTIR装置58により得られたスペクトルの測定デー
タは、演算・表示装置20に送られ、被測定対象気体中
に存在する化学物質の同定や量の算出が行われる。
【0094】被測定対象気体中に存在する化学物質の種
類と検量線は別途データベースとして演算・表示装置2
0の記憶部に蓄えられており、測定データはそれらのデ
ータベースを参照して定量化される。
【0095】被測定対象気体中の化学物質を同定するた
めに、様々な物質の各種分子振動による赤外吸収の波数
がデータベースとして演算・表示装置20に蓄えられて
いる。例えば、各化学物質について、CH3対称伸縮振
動や、CH3非対称伸縮振動、CH2対称伸縮振動、CH
2非対称伸縮振動等による吸収波数のデータが蓄えられ
ている。化学物質の同定の際には、各種分子振動による
吸収波数のデータベースの中から、ある特定の分子振動
による吸収波数のデータが参照される。
【0096】以上、本実施形態による化学物質検出装置
の各構成要素について詳述したが、サンプリングポンプ
40やFTIR装置58は、最近小型化が進行し、可搬
性が良くなっている。また、ペルティエ素子を用いた冷
却装置30や、電熱型の加熱装置38等、他の構成要素
についても小型のものが利用可能となっている。これに
より、化学物質検出装置全体をコンパクト且つ可搬性の
高いものとすることができる。化学物質検出装置の構成
を可搬性の高いものにすることにより、環境中の化学物
質を検出すべき場所に装置を持ち込んでその場で測定す
ることが更に容易なものとなる。
【0097】〔2〕化学物質検出方法 次に、本実施形態による化学物質検出方法について図
9、図11乃至図13を用いて説明する。
【0098】まず、測定すべき環境中に本実施形態によ
る化学物質検出装置を設置し、冷却装置30による赤外
透過基板26の冷却を開始する。
【0099】赤外透過基板26が充分冷却された後、サ
ンプリングポンプ40を稼働し、基板封入容器36内を
陰圧にする。これにより、吸気口32より被測定対象気
体が基板封入容器36内へ流入し、基板封入容器36内
部を流動する。ここで、赤外透過基板26が冷却されて
いるため、被測定対象気体中の化学物質を、冷却してい
ない場合に比べて効率よく多量に赤外透過基板26表面
に付着することができる。
【0100】被測定対象気体中の化学物質を赤外透過基
板26表面に付着するのに必要な所定の時間経過後、入
射光学系42により赤外線を赤外透過基板26内部で多
重反射するように赤外透過基板26端面よりその内部に
導入する。
【0101】赤外透過基板26内部に導入された赤外線
は、赤外透過基板26内部で多重反射しながら伝搬して
いく。
【0102】続いて、赤外透過基板26内部で多重反射
した後に端面より放出された赤外線を検出光学系52を
介して赤外線検出器50により検出し、FTIR装置5
8によって赤外透過スペクトルを得る。
【0103】続いて、上述のようにして得られた測定結
果に基づき、被測定対象気体中に存在する化学物質の解
析を行う。以下、揮発性有機化学物質であるアセトンが
被測定対象気体中に混入していた場合を具体例に説明す
る。
【0104】本実施形態による化学物質検出方法のよう
に、赤外透過基板26表面に付着した化学物質を解析す
る場合には注意が必要である。赤外透過基板26として
用いることができるZnSe、GaAs、Geなどの赤
外線透過物質は、赤外線の全波数域に対して完全に透明
ではなく、これらの結晶特有の吸収スペクトルを有す
る。例えば、図11は、GaAsの赤外透過スペクトル
を示すグラフであり、縦軸は赤外線の透過率を表してお
り、透過率が高いほど透明性が高いことを示している。
図11から明らかなように、GaAsの赤外線の透過率
は、赤外線の波数域によって大きく異なっている。
【0105】一方、検出対象であるアセトン標準試料単
独の赤外吸収スペクトルは、図12に示すもののように
なる。
【0106】従って、GaAs基板表面に付着したアセ
トンの赤外スペクトルは、図11に示すGaAs基板の
スペクトルと、図12に示すアセトン標準試料のスペク
トルとの積となり、アセトン単独でのスペクトルから大
きく変形することとなる。このため、赤外透過基板26
内部を多重反射して放出された赤外線のスペクトルを直
接解析しても、赤外透過基板26表面に付着している化
学物質を同定することはできない。
【0107】そこで、予め、化学物質が付着していない
表面が清浄な状態の赤外透過基板26について赤外透過
スペクトルをリファレンスデータとして取得しておく。
【0108】次いで、化学物質が付着した赤外透過基板
26について赤外透過スペクトルを測定データとして得
る。そして、化学物質が付着した赤外透過基板26につ
いての測定データのリファレンスデータに対する比スペ
クトルを計算する。こうすることで、赤外透過基板26
固有のスペクトル成分がキャンセルされ、赤外透過基板
26表面に付着した化学物質のみの赤外吸収スペクトル
を得ることができる。こうして、赤外透過基板26表面
に付着した化学物質の同定が可能となる。
【0109】図13は、上記手法により得られた、被測
定対象気体中にアセトンが混入していた場合の測定結果
を示すスペクトルである。なお、図13のスペクトルで
は、縦軸を吸光度としているため、図12に示すアセト
ン標準試料のスペクトルに対して上下が反転している。
しかしながら、図12に示すスペクトルにおけるアセト
ン標準試料のピークに対応して、図13に示す測定結果
のスペクトルには上に凸のピークが検出されている。こ
のことは、上記手法により、被測定対象気体中の化学物
質を同定することが可能であることを示している。
【0110】こうして、赤外透過性基板26表面に付着
した化学物質の赤外吸収スペクトルから被測定対象気体
中の化学物質の種類が同定される。
【0111】上述のようにして同定された化学物質は、
次のようにして定量することができる。予め、検出対象
の化学物質の濃度が既知である理想気体について、上記
手法により吸収ピークの大きさを測定し、検量線を作成
してデータベース化しておく。このデータベースと、実
際に被測定対象気体中の化学物質について得られた吸収
ピークの大きさとを比較することにより、被測定対象気
体中の化学物質の濃度を算出する。
【0112】次いで、必要に応じて、加熱装置38によ
り赤外透過基板26及び基板封入容器36を加熱し、赤
外透過基板26表面及び基板封入容器36内面に付着し
た化学物質を除去する。これにより、赤外透過基板26
表面及び基板封入容器36内面が清浄な状態で、新たな
測定を行うことができる。なお、加熱による赤外透過基
板26及び基板封入容器36の清浄化は、新たな測定の
前に行ってもよい。このように、本実施形態による化学
物質検出装置は、赤外透過基板26及び基板封入容器3
6を清浄化する機構を有しているので、化学物質の検出
を繰り返し行うことができる。
【0113】次いで、必要に応じて上記測定を繰り返し
行い、被測定対象気体中の化学物質の経時変化等を測定
する。
【0114】このように、本実施形態によれば、基板封
入容器36内で被測定対象気体を流動させつつ、冷却し
た赤外透過基板26表面に被測定対象気体中の化学物質
を付着し、赤外透過基板26表面に付着した化学物質を
多重内部反射FTIR法により検出するので、被測定対
象気体中の化学物質を高感度且つリアルタイムに検出す
ることができる。
【0115】なお、本実施形態では、基板封入容器36
の側面から赤外透過基板26の両端面が外部に露出する
ようにし、露出した一方の端面より赤外線を入射し、他
方の端面より放出される赤外線を検出していたが、図1
4に示すように、赤外透過基板26全体を基板封入容器
36に収容するようにしてもよい。この場合、基板封入
容器36の側面に赤外線に透過性のある材質の入射窓6
0及び検出窓62を設ける。そして、入射窓60を介し
て入射光学系42より赤外線を赤外透過基板26の一方
の端面に入射し、他方の端面より放出される赤外線を検
出窓62を介して検出光学系52により検出する。本実
施形態では、赤外透過基板26の両端面を基板封入容器
36の側面より外部に露出するので、基板封入容器36
の気密性を確保するためには精密な加工が必要であっ
た。しかし、図14に示す構造とすることにより、基板
封入容器36の気密性を容易に高いものとすることがで
きる。
【0116】[第2実施形態]本発明の第2実施形態に
よる化学物質検出方法及び装置について図15乃至図1
8を用いて説明する。図15は、室温25℃の時の湿度
と露点との関係を示すグラフ、図16は、本実施形態に
よる化学物質検出装置おいて水分除去フィルタを用いて
被測定対象気体の湿度を低減する場合の構造を示す断面
図、図17は、配管冷却装置を用いて被測定対象気体の
湿度を低減する場合の構造を示す断面図、図18は、気
体混合装置を用いて被測定対象気体の湿度を低減する場
合の構造を示す断面図である。
【0117】第1実施形態による化学物質検出方法及び
装置では、検出感度を向上すべく、冷却装置30によっ
て赤外透過基板26を冷却することにより、赤外透過基
板26への化学物質の付着率の向上を図っている。しか
しながら、この場合、被測定対象気体の湿度等の測定条
件によっては、赤外透過基板26が結露する可能性があ
る。
【0118】図15は、室温25℃のときの湿度と露点
との関係を示したグラフである。ここで、露点とは、結
露がはじまる赤外透過基板26の温度を意味する。例え
ば、このグラフから、室温25℃で湿度が50%の場
合、赤外透過基板26の温度を12℃以下にすると結露
がはじまることがわかる。
【0119】結露により赤外透過基板26の表面に水滴
が発生すると、赤外透過基板26内部を多重反射してい
る赤外線が、水滴の付着している場所から赤外透過基板
26外部へ放出される。この結果、検出光学系52が近
傍に配置されている赤外透過基板26の端面から赤外線
が放出されなくなり、赤外線検出器50に赤外線が到達
することができなくなる。すなわち、赤外透過基板26
が結露することによって、化学物質を検出すること自体
が不可能となるおそれがある。
【0120】したがって、第1実施形態においては、赤
外透過基板26を冷却して化学物質の付着率を向上する
際には、結露しない温度の範囲内で冷却する必要があ
る。例えば、室温25℃、湿度50%の場合には、赤外
透過基板26の温度と室温との温度差を13℃以下にす
る必要がある。しかしながら、この程度の温度差では、
赤外透過基板26への化学物質の付着率を効果的に向上
するのに不十分な場合がある。
【0121】上述したように、第1実施形態では、測定
条件によっては赤外透過基板26が結露するため、赤外
透過基板26の冷却温度に制約が存在する。
【0122】そこで、本実施形態による化学物質検出方
法及び装置では、基板封入容器36に導入する被測定対
象気体の湿度を予め低減することにより赤外透過基板2
6の結露を防止し、赤外透過基板26をさらに低温に冷
却することを可能にする。これにより、赤外透過基板2
6表面へ化学物質が付着する効率をさらに向上すること
ができ、化学物質の検出感度をさらに向上することが可
能となる。
【0123】基板封入容器36に導入する被測定対象気
体の湿度を予め低減するための装置構成としては、例え
ば以下の3つの構成が挙げられる。
【0124】第1に、被測定対象気体中の水分を乾燥剤
によって除去する構成である。この場合、図16に示す
ように、第1実施形態による化学物質検出装置の吸気口
32に配管64を接続する。配管64には、乾燥剤が充
填された水分除去フィルタ66を設ける。水分除去フィ
ルタ66に充填する乾燥剤としては、シリカゲル等を用
いることができる。
【0125】被測定対象気体は、水分除去フィルタ66
を介して基板封入容器36内に導入される。すなわち、
水分除去フィルタ66によって被測定対象気体中の水分
が除去され、被測定対象気体の湿度が低減される。そし
て、湿度が低減された被測定対象気体に赤外透過基板2
6が曝露されることとなる。この結果、赤外透過基板2
6が結露することなく、さらに低温に赤外透過基板26
を冷却することが可能となる。
【0126】例えば、室温25℃で被測定対象気体の湿
度が50%の場合、水分除去フィルタ66により湿度を
25%にまで低減する。すると、結露が起こることなく
赤外透過基板26の温度を0℃近くまで冷却することが
できる。一方、水分除去フィルタ66を用いない場合に
は、結露が起きてしまうために赤外透過基板26の温度
を約12℃程度までしか冷却することができない。
【0127】このように、水分除去フィルタ66によっ
て被測定対象気体中の水分を除去するため、結露するこ
となく赤外透過基板26の温度をより低温に冷却するこ
とが可能である。これにより、被測定対象気体中の化学
物質の赤外透過基板26表面への付着率をさらに高める
ことができ、被測定対象気体中の化学物質をさらに高感
度で検出することができる。
【0128】また、上述の乾燥剤を用いた水分除去フィ
ルタ66によれば、非常に簡便かつ小規模な装置構成で
被測定対象気体の湿度を10%以下程度にまで下げるこ
とができる。
【0129】第2に、被測定対象気体の湿度を予め低減
するための装置構成としては、結露を利用して被測定対
象気体中の水分を除去する構成である。この場合、図1
7に示すように、吸気口32に接続した配管64を冷却
する配管冷却装置68を設ける。配管64を冷却しなが
ら被測定対象気体を基板封入容器36内に導入すること
により、配管冷却装置68によって冷却された配管64
の内壁が結露する。こうして、被測定対象気体中の水分
は、基板封入容器36内に導入される前に除去されるこ
ととなる。この結果、被測定対象気体の湿度が低減さ
れ、より低温に赤外透過基板26を冷却することができ
る。
【0130】第3に、被測定対象気体の湿度を予め低減
するための装置構成としては、乾燥空気や乾燥窒素等の
乾燥気体を被測定対象気体と混合する構成である。この
場合、図18に示すように、吸気口32に接続された配
管64に、被測定対象気体と乾燥気体とを混合する気体
混合装置70を設ける。気体混合装置70には、被測定
対象気体と混合する乾燥気体が充填されたガスボンベ7
2が接続されている。被測定対象気体と混合する乾燥気
体は、特別な化学物質を含まず、極力赤外吸収を示さな
いものが望ましい。
【0131】被測定対象気体は、気体混合装置70によ
ってガスボンベ72の乾燥気体と混合された後に、基板
封入容器36に導入される。この方法は、被測定対象気
体中に存在する各化学物質の絶対量の比を変化すること
なく、被測定対象気体の湿度を下げることができるとい
う利点を有する。
【0132】なお、乾燥気体の混合によって、基板封入
容器36に導入される被測定対象気体中の化学物質の濃
度は希釈される。しかし、乾燥気体を混合しない場合に
比べて赤外透過基板26をより低温に冷却することがで
きるので、全体として化学物質の検出感度を向上するこ
とができる。
【0133】例えば、気体混合装置70によって、室温
25℃、湿度50%の被測定対象気体に対して、湿度0
%の気体を1:1の割合で混合しながら基板封入容器3
6に導入する。これにより、被測定対象気体の相対湿度
を25%まで低減することができ、湿度50%の場合に
比べて、赤外透過基板26をさらに低温に冷却すること
ができる。なお、この場合、被測定対象気体と乾燥気体
とを混合することにより検出すべき化学物質の濃度が2
分の1となる。このため、赤外透過基板26の冷却温度
が同じならば、化学物質の検出感度も相対的に2分の1
となる。しかしながら、赤外透過基板26をさらに低温
に冷却することにより相対感度が10倍となった場合に
は、化学物質の濃度が半減していても結果として5倍の
感度の向上を実現することができる。
【0134】以上のように、基板封入容器36に導入す
る被測定対象気体の湿度を予め低減する手段を第1実施
形態による化学物質検出装置に設けることにより、赤外
透過基板26の冷却温度をさらに低温なものとすること
ができる。これにより、赤外透過基板26への化学物質
の付着率をさらに向上することができ、検出感度をさら
に向上することができる。
【0135】本実施形態において被測定対象気体中の化
学物質の濃度を定量するにあっては、第1実施形態と同
様に、化学物質の濃度が既知の理想気体について吸収ピ
ークの大きさを測定し、検量線を作成しておく必要があ
る。理想気体について吸収ピークの大きさを測定し検量
線を作成する手法として、以下の2つの手法を用いる。
【0136】第1の手法として、上述の湿度を予め低減
する手段を用いずに理想気体について測定を行い、検量
線を作成する手法がある。ここで、化学物質の濃度が既
知の理想気体を既に水分が除去され結露を生じることの
ないものとする。そして、赤外透過基板26の冷却温度
を被測定対象気体の測定時と同一温度とする。こうして
理想気体について得られた測定結果から検量線を作成す
る。この検量線をもとに、湿度を低減する構成によって
被測定対象気体について得られた測定結果から、被測定
対象気体中の化学物質の濃度を定量することとなる。
【0137】しかしながら、図16に示す水分除去フィ
ルタ66を被測定対象気体が通過する際には、被測定対
象気体中の水分以外の検出すべき化学物質も乾燥剤に吸
着される可能性がある。そこで、この場合は、予め検出
すべき化学物質が乾燥剤に吸着される割合である吸着係
数を算出しておく。この吸着係数を用いて、第1の手法
による検量線から算出された化学物質の濃度に対して補
正を施す。これにより、水分除去フィルタ66を通過す
る前の被測定対象気体中の検出すべき化学物質の濃度を
推定する。
【0138】同様に、図17に示す配管冷却装置68に
よって水分を除去する際にも、被測定対象気体中の化学
物質が、冷却された配管64の内壁に付着するおそれが
ある。そこで、この場合にも、予め補正定数として冷却
された配管64の内壁に付着する化学物質の割合を求め
ておく。この補正定数を用いて、第1の手法による検量
線から算出された化学物質の濃度に対して補正を施す。
これにより、配管冷却装置68によって冷却された配管
64を通過する前の被測定対象気体中の検出すべき化学
物質の濃度を推定する。
【0139】さらに、図18に示す気体混合装置70に
よって乾燥気体を混合する場合には、気体封入容器36
に導入された被測定対象気体中の化学物質の濃度は希釈
されている。したがって、乾燥気体の混合による濃度の
希釈率を考慮して、第1の手法による検量線から算出さ
れた化学物質の濃度に対して補正を施す。こうして気体
混合装置70によって乾燥気体を混合する前の被測定対
象気体中の検出すべき化学物質の濃度を推定する。
【0140】また、検量線を作成する第2の手法とし
て、上述の湿度を低減する手段を用いて被測定対象気体
の測定時と同一条件で理想気体について測定を行い、検
量線を作成する手法がある。
【0141】例えば、水分除去フィルタ66を用いて被
測定対象気体を測定する場合には、理想気体についても
水分除去フィルタ66を用いて測定を行い、検量線を作
成しておく。こうして得られた検量線は、水分除去フィ
ルタ66の乾燥剤に吸着された化学物質の量が加味され
たものとなる。
【0142】配管冷却装置68を用いる場合ついても同
様にして、冷却された配管64に付着した化学物質の量
が加味された検量線を得ることができる。また、気体混
合装置70を用いる場合についても、乾燥気体を混合し
たことによる化学物質の濃度の希釈が加味された検量線
を得ることができる。
【0143】したがって、第2の手法による検量線から
は、補正を施すことなく湿度を低減する前の被測定対象
気体中の化学物質の濃度を直接定量することができる。
【0144】このように、本実施形態によれば、予め湿
度を低減した被測定対象気体に赤外透過基板26を曝露
するので、結露することなく赤外透過基板26をより低
温に冷却することができる。したがって、被測定対象気
体中の化学物質が赤外透過基板26表面へ付着する効率
をさらに向上することができる。これにより、被測定対
象気体中の化学物質の検出感度をさらに向上することが
できる。
【0145】[変形実施形態]本実施形態の上記実施形
態に限らず種々の変形が可能である。
【0146】例えば、上記実施形態では、加熱装置38
により赤外透過基板26を加熱することにより赤外透過
基板26表面の清浄化を行っていたが、表面の清浄化方
法は、これに限定されるものではない。例えば、赤外透
過基板26に紫外線を照射する紫外線照射装置を設けて
もよい。赤外透過基板26に紫外線を照射することによ
り、紫外線を大気中に照射した際に発生するオゾンの酸
化力と紫外線自身のエネルギーとによって、赤外透過基
板26表面に付着した化学物質を分解・除去することが
できる。なお、紫外線照射による化学物質の洗浄効果に
ついては、例えば、本間孝治著「UVオゾン精密洗浄」
(日本衛生紫外線研究会誌、vol.9, no.2, Oct. 1990)
に詳述されている。
【0147】また、上記実施形態では、加熱装置38に
よる赤外透過基板26表面の清浄化を行っていたが、要
求される測定精度等によっては、必ずしも赤外透過基板
26表面の清浄化手段を設ける必要はない。また、測定
回数等に応じて赤外透過基板26を表面が清浄なものに
適宜交換するようにしてもよい。
【0148】また、上記実施形態では、基板封入容器3
6内に赤外透過基板26に収容し、サンプリングポンプ
40により被測定対象気体を流動させていたが、赤外透
過基板26を基板封入容器36内に収容せずに被測定対
象気体に直接曝露する構成としてもよい。この場合、冷
却装置30により、被測定対象気体中の化学物質の付着
が促進される。また、被測定対象気体を赤外透過基板2
6に対して流動させる扇風機等の気体流動手段を設け
て、被測定対象気体中の化学物質の赤外透過基板26へ
の付着を促進してもよい。
【0149】また、上記実施形態では、赤外透過基板2
6表面に付着した化学物質を多重内部反射FTIR法に
よって検出していたが、表面に付着した化学物質の検出
方法はこれに限定されるものではない。
【0150】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、化学物質
を付着する基板を被測定対象気体に曝露し、被測定対象
気体中に含まれる化学物質が基板に付着することを促進
し、化学物質が付着した基板に赤外線を入射し、基板を
透過した後に出射された赤外線又は基板の表面で反射さ
れた赤外線を分析することにより、基板に付着した化学
物質の種類を同定し及び/又は化学物質の付着量を算出
し、基板に付着した化学物質の付着量に基づき、被測定
対象気体における化学物質の種類を同定し及び/又は化
学物質の濃度を算出するので、環境中に存在する化学物
質を高速且つ高感度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化学物質検出方法及び装置の原理
を示す概略図である。
【図2】本発明による化学物質検出装置における基板付
着率向上手段の例を示す概略図である。
【図3】本発明による化学物質検出装置における基板付
着率向上手段の例を示す概略図である。
【図4】本発明による化学物質検出装置における基板付
着率向上手段の例を示す概略図である。
【図5】赤外多重内部反射法による基板表面に付着した
化学物質の検出の原理を示す概略図である。
【図6】本発明による化学物質検出装置における化学物
質検出手段の例を示す概略図である。
【図7】本発明による化学物質検出装置における化学物
質検出手段の例を示す概略図である。
【図8】本発明による化学物質検出装置における化学物
質検出手段の例を示す概略図である。
【図9】本発明の第1実施形態による化学物質検出装置
の構造を示す断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態による化学物質検出装
置における冷却装置による赤外透過基板の冷却方法の一
例を示す概略図である。
【図11】GaAsの赤外透過スペクトルを示すグラフ
である。
【図12】アセトン標準試料の赤外吸収スペクトルであ
る。
【図13】本発明の第1実施形態による化学物質検出方
法により得られたアセトンの検出結果を示すスペクトル
を示すグラフである。
【図14】本発明の第1実施形態の変形例による化学物
質検出装置の構造を示す断面図である。
【図15】室温25℃における湿度と露点との関係を示
すグラフである。
【図16】本発明の第2実施形態による化学物質検出装
置おいて水分除去フィルタを用いて被測定対象気体の湿
度を低減する場合の構造を示す断面図である。
【図17】本発明の第2実施形態による化学物質検出装
置において配管冷却装置を用いて被測定対象気体の湿度
を低減する場合の構造を示す断面図である。
【図18】本発明の第2実施形態による化学物質検出装
置において気体混合装置を用いて被測定対象気体の湿度
を低減する場合の構造を示す断面図である。
【図19】FTIRの測定原理を示す概略図である。
【符号の説明】
10…基板 12…基板付着率向上手段 14…化学物質検出手段 16…基板封入容器 18…基板冷却装置 19…環境汚染物質 20…赤外光源 22…赤外線検出装置 24…FITR装置 25a、25b…基板 26…赤外透過基板 28…支持台 30…冷却装置 32…吸気口 34…排気口 36…基板封入容器 38…加熱装置 40…サンプリングポンプ 42…入射光学系 44…赤外光源 46…凹面鏡 48…反射鏡 50…赤外線検出器 52…検出光学系 54…反射鏡 56…凹面鏡 58…FTIR装置 60…入射窓 62…検出窓 64…配管 66…水分除去フィルタ 68…配管冷却装置 70…気体混合装置 72…ガスボンベ 100…赤外光源 102…分光分析器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G052 AA01 AB00 AB27 AC02 AD02 AD22 BA14 CA04 DA01 DA05 EA03 EB04 EB13 ED00 FB00 FD18 GA11 GA12 JA07 JA09 JA11 2G059 AA01 AA05 BB01 CC12 DD12 DD13 DD15 DD16 DD18 EE02 EE10 EE12 GG10 HH01 JJ05 JJ13 JJ14 KK01 MM01 MM10 MM12 MM14 PP04

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学物質を付着する基板を被測定対象気
    体に曝露し、 前記被測定対象気体中に含まれる化学物質が前記基板に
    付着することを促進し、 前記化学物質が付着した前記基板に赤外線を入射し、 前記基板を透過した後に出射された赤外線又は前記基板
    の表面で反射された赤外線を分析することにより、前記
    基板に付着した前記化学物質の種類を同定し及び/又は
    前記化学物質の付着量を算出し、 前記基板に付着した前記化学物質の付着量に基づき、前
    記被測定対象気体における前記化学物質の種類を同定し
    及び/又は前記化学物質の濃度を算出することを特徴と
    する化学物質検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化学物質検出方法におい
    て、 前記基板を冷却することにより、前記被測定対象気体中
    の前記化学物質が前記基板に付着することを促進するこ
    とを特徴とする化学物質検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の化学物質検出方法におい
    て、 前記被測定対象気体の相対湿度を低減した後に、前記被
    測定対象気体に前記基板を曝露することを特徴とする化
    学物質検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の化学物質検出方法におい
    て、 前記被測定対象気体中の水分を除去することにより、前
    記被測定対象気体の相対湿度を低減することを特徴とす
    る化学物質検出方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の化学物質検出方法におい
    て、 前記被測定対象気体と乾燥気体とを混合することによ
    り、前記被測定対象気体の相対湿度を低減することを特
    徴とする化学物質検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5のいずれか1項に記載の
    化学物質検出方法において、 前記被測定対象気体中の相対湿度の低減に伴って減少し
    た前記化学物質の濃度を考慮して、前記被測定対象気体
    のおける前記化学物質の濃度を算出することを特徴とす
    る化学物質検出方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
    化学物質検出方法において、 前記基板表面に対して前記被測定対象気体を流動させる
    ことにより、前記被測定対象気体の前記化学物質が前記
    基板に付着することを促進することを特徴とする化学物
    質検出方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の化学物質検出方法におい
    て、 吸気口と排気口とを有する容器内に前記基板を収容し、
    前記吸気口から前記被測定対象気体を前記容器内に導入
    し、前記排気口から前記被測定対象気体を前記容器外へ
    排出することにより、前記被測定対象気体を流動させる
    ことを特徴とする化学物質検出方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の
    化学物質検出方法において、 前記基板は、赤外線を透過する物質からなり、 前記基板内部を多重反射した後に出射される赤外線を分
    析することにより、前記基板に付着した前記化学物質の
    種類を同定し及び/又は前記化学物質の付着量を算出す
    ることを特徴とする化学物質検出方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載
    の化学物質検出方法において、 前記基板は、赤外線を透過する物質からなり、 前記基板の一の面側から入射され、前記基板を透過して
    前記基板の他の面側から出射される赤外線を分析するこ
    とにより、前記基板に付着した前記化学物質の種類を同
    定し及び/又は前記化学物質の付着量を算出することを
    特徴とする化学物質検出方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至8のいずれか1項に記載
    の化学物質検出方法において、 前記基板は、実質的に並行に配された一対の基板を有
    し、 前記一対の基板間を多重反射した後に出射される赤外線
    を分析することにより、前記基板に付着した前記化学物
    質の種類を同定し及び/又は前記化学物質の付着量を算
    出することを特徴とする化学物質検出方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれか1項に記
    載の化学物質検出方法において、 定期的に前記基板に付着した前記化学物質を除去して前
    記基板の表面状態を初期化することを特徴とする化学物
    質検出方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の化学物質検出方法に
    おいて、 前記基板を加熱することにより、前記基板に付着した前
    記化学物質を除去することを特徴とする化学物質検出方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の化学物質検出方法に
    おいて、 前記基板に紫外線を照射することにより、前記基板に付
    着した前記化学物質を除去することを特徴とする化学物
    質検出方法。
  15. 【請求項15】 被測定対象気体中の化学物質を付着す
    る基板と、 前記被測定対象気体中の前記化学物質の前記基板への付
    着を促進する付着率向上手段と、 前記化学物質が付着した前記基板に赤外線を入射する赤
    外線入射手段と、 前記基板を透過した後に出射された赤外線又は前記基板
    の表面で反射された赤外線を分析することにより、前記
    基板に付着した前記化学物質の種類を同定し及び/又は
    前記化学物質の付着量を算出する赤外線分析手段と、 前記赤外線分析手段の分析結果に基づき、前記被測定対
    象気体における前記化学物質の種類を同定し及び/又は
    前記化学物質の濃度を算出する化学物質検出手段とを有
    することを特徴とする化学物質検出装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の化学物質検出装置に
    おいて、 前記基板は、赤外線を透過する物質からなり、 前記赤外線分析手段は、前記基板内部を多重反射した後
    に出射される赤外線を分析することにより、前記基板に
    付着した前記化学物質の種類を同定し及び/又は前記化
    学物質の付着量を算出することを特徴とする化学物質検
    出装置。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の化学物質検出装置に
    おいて、 前記基板は、赤外線を透過する物質からなり、 前記赤外線分析手段は、前記基板の一の面側から入射さ
    れ、前記基板を透過して前記基板の他の面側から出射さ
    れる赤外線を分析することにより、前記基板に付着した
    前記化学物質の種類を同定し及び/又は前記化学物質の
    付着量を算出することを特徴とする化学物質検出装置。
  18. 【請求項18】 請求項15記載の化学物質検出装置に
    おいて、 前記基板は、実質的に並行に配された一対の基板を有
    し、 前記赤外線分析手段は、前記一対の基板間を多重反射し
    た後に出射される赤外線を分析することにより、前記基
    板に付着した前記化学物質の種類を同定し及び/又は前
    記化学物質の付着量を算出することを特徴とする化学物
    質検出装置。
  19. 【請求項19】 請求項15乃至18のいずれか1項に
    記載の化学物質検出装置において、 前記付着率向上手段は、前記基板を冷却する冷却装置で
    あることを特徴とする化学物質検出装置。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の化学物質検出装置に
    おいて、 前記冷却装置は、前記基板の赤外線の光路とならない部
    分を冷却することを特徴とする化学物質検出装置。
  21. 【請求項21】 請求項19又は20記載の化学物質検
    出装置において、 前記被測定対象気体の相対湿度を低減する湿度低減手段
    を更に有することを特徴とする化学物質検出装置。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の化学物質検出装置に
    おいて、 前記湿度低減手段は、前記被測定対象気体中の水分を除
    去するフィルタであることを特徴とする化学物質検出装
    置。
  23. 【請求項23】 請求項21記載の化学物質検出装置に
    おいて、 前記湿度低減手段は、前記赤外透過基板に到達する前に
    前記被測定対象気体を冷却する冷却手段を有し、前記冷
    却手段内で結露させることにより前記被測定対象気体中
    の水分を除去し、前記被測定対象気体の相対湿度を低減
    することを特徴とする化学物質検出装置。
  24. 【請求項24】 請求項21記載の化学物質検出装置に
    おいて、 前記湿度低減手段は、前記被測定対象気体と乾燥気体と
    を混合することにより、前記被測定対象気体の相対湿度
    を低減することを特徴とする化学物質検出装置。
  25. 【請求項25】 請求項15乃至24のいずれか1項に
    記載の化学物質検出装置において、 前記基板を収容する容器と、 前記容器内で前記被測定対象気体を流動させる気体流動
    手段とを更に有することを特徴とする化学物質検出装
    置。
  26. 【請求項26】 請求項15乃至25のいずれか1項に
    記載の化学物質検出装置において、 前記基板表面に付着した前記化学物質を除去して前記基
    板の表面状態を初期化する基板洗浄手段を更に有するこ
    とを特徴とする化学物質検出装置。
  27. 【請求項27】 請求項26記載の化学物質検出装置に
    おいて、 前記基板洗浄手段は、前記基板を加熱することにより前
    記基板に付着した前記化学物質を除去することを特徴と
    する化学物質検出装置。
  28. 【請求項28】 請求項26記載の化学物質検出装置に
    おいて、 前記基板洗浄手段は、前記基板表面に紫外線を照射する
    ことにより前記基板に付着した前記化学物質を除去する
    ことを特徴とする化学物質検出装置。
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