JP3560824B2 - 粒子表面改質方法および粒子表面改質装置 - Google Patents

粒子表面改質方法および粒子表面改質装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒子表面を、改質剤、例えば酸化剤により改質(親水基の付加)して、例えば分散性に優れた改質粒子を得る粒子表面改質方法および粒子表面改質装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種粒子の表面を改質する方法として、乾式の他、液相中において重合を行わせる方法が知られており、具体的には、例えば、疎水性を有する粒子(疎水性物質)を、親水性の改質剤で処理することによって粒子表面に改質剤の膜を形成して親水性を付与する改質方法、即ち、粒子表面を親水性を有する改質剤にて被覆する改質方法が、種々実施されている。
【0003】
上記改質方法としては、例えば「微粒子ハンドブック」(神保元二等編集;株式会社朝倉書店発行;1991年9月1日初版第1刷)383頁〜394頁には、混練粉砕法、スプレードライ法等を用いた表面改質方法が開示されている。
【0004】
また、例えば、「微粒子工学−分散の基礎と応用−」(社団法人日本粉体工業技術協会編集;株式会社朝倉書店発行;1994年6月25日初版第1刷)123頁〜136頁には、高速回転式衝撃粉砕機や摩砕式ミル、ボールミル、ロールミル、媒体撹拌型粉砕機、ジェットミル等の乾式粉砕機を用いて、粉体状の粒子表面に粉体状の異種成分(表面改質剤)を物理的に結合させることにより、該粒子表面の性質が改質された被覆型複合粒子を製造する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の改質方法では、粒子を改質剤で処理する際に、撹拌翼等の撹拌装置を用いて粒子を撹拌するので、該粒子が摩擦等によって帯電してしまう。このため、得られた改質粒子(親水性粒子)は、帯電により収納部材(ホッパー)内壁に吸着し搬送不良となって、取り扱いが困難となる。また、上記従来の改質方法では、物理的に結合させるため処理に非常に長時間を要する。さらに、処理を行う際の操作が煩雑であり、かつ、高価な装置を用いなければならないという問題点を有している。
【0006】
その上、上記従来の改質方法では、得られる改質粒子の粒子径が処理前の粒子径に左右されると共に、粒子を改質剤で処理する際に例えば粒子の凝集等が生じるために、得られる改質粒子の粒子径が大きくかつ不揃いとなり易い。さらに、サブミクロンオーダーの微小粒子の処理を行う際においては、個々の粒子にそれぞれ処理を安定に行うことは、微小粒子が容易に凝集し易いという欠点から困難である。
【0007】
また、撹拌装置を用いて粒子を撹拌することによって粒子を改質剤で処理するので、改質剤等の各種薬品を、粒子の処理に必要な理論量よりも遥かに多量に使用しなければならず、かつ、多量の残存する各種薬品に関する廃液処理等の後処理が面倒である。それゆえ、上記従来の方法では、表面改質粒子の製造コスト(処理コスト)が高くなるという問題点を有している。
【0008】
このように、上記従来の改質方法、即ち、上記従来の親水性粒子の製造方法では、粒子を帯電させることなく、しかも、簡便な装置および操作で短時間でかつ安価に、粒子径が比較的小さくかつ揃った該親水性粒子を製造することができない。それゆえ、粒子を帯電させることなく、しかも、簡便な装置および操作で短時間でかつ安価に、粒子径が比較的小さくかつ揃った親水性粒子を製造することができる製造方法、および製造装置が嘱望されている。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、粒子を帯電させることなく、しかも、簡便な装置および操作で短時間でかつ安価に、粒子径が比較的小さく、かつ揃った表面改質粒子を製造することができる粒子表面改質方法、および粒子表面改質装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の粒子表面改質方法は、以上の課題を解決するために、粒子を、改質剤を含む液体に懸濁して懸濁液を得た後、懸濁液を、搬送しながら加熱して、粒子の表面を改質剤により改質することを特徴としている。
【0011】
本発明の他の粒子表面改質方法は、粒子を、改質剤を含む液体に懸濁して懸濁液を得た後、懸濁液を搬送しながら、液体を気化させて、粒子の表面を改質剤により改質することを特徴としている。
【0012】
上記方法によれば、懸濁液を、搬送しながら加熱することにより、懸濁液における液体を、搬送途中において部分的に、例えば粒子を核として核沸騰させたり、気化させたりを、搬送しながら順次できる。このことから、上記方法では、核沸騰したり気化したりしている部分にて、粒子の表面は改質剤の存在下にて加熱されるので、粒子の表面を改質剤により効率的に改質して表面改質粒子を得ることができる。
【0013】
また、上記方法では、粒子は小粒径の場合、凝集し易いが、核沸騰や気化の際の急激な体積膨張により、凝集した各粒子を分散させながら、改質剤にて各粒子の表面をそれぞれ改質することができる。このことから、上記方法では、従来のような凝集を抑制するための撹拌工程を省くことができて、粒子の帯電を回避できる。
【0014】
この結果、上記方法においては、粒子の帯電を防止しながら、簡便な操作で短時間でかつ安価に、粒子径が比較的小さく、かつ揃った表面改質粒子を製造することができる。
【0015】
上記方法では、懸濁液の液体を、液体の沸点に対し、10K以上の温度にて加熱して気化させることが好ましい。上記方法によれば、液体を、より確実に加熱または気化させることができて、表面改質粒子を、より効率的に得ることができる。
【0016】
上記方法においては、粒子は疎水性であってもよい。上記方法によれば、疎水性の粒子から、親水性を示す表面改質粒子を得ることが可能となる。
【0017】
上記方法においては、液体は水を含むことが好ましい。上記方法では、水が、多種多様な物質に対して不活性なことから、多種多様な粒子の表面処理を可能にできると共に、材料コストや廃液コストを低減できる。
【0018】
上記方法では、表面改質粒子として親水性粒子を得る場合、改質剤は酸性であることが好ましい。上記方法によれば、粒子の酸化処理を効率的に行うことができて、親水性粒子である表面改質粒子を効率よく製造することができる。
【0019】
上記方法では、表面改質粒子として親水性粒子を得る場合、改質剤は硝酸であることが特に好ましい。上記方法によれば、粒子の酸化処理を、より一層効率的に行うことができて、親水性粒子である表面改質粒子を効率よく、安定に製造することができる。
【0020】
上記方法においては、液体は、水の蒸発潜熱以下の蒸発潜熱を有する揮発性液体を含むことが望ましい。上記方法によれば、揮発性液体を含むことにより、液体を迅速に気化できて、凝集した各粒子の分散を、より確実にできるので、より効率的に表面改質粒子を得ることが可能となる。
【0021】
上記方法では、揮発性液体は、液体の気化を促進する気化促進剤であってもよい。気化促進剤としては、加熱により、容易に発泡して気化する物質であればよく、例えば、エチルアルコール、四塩化炭素、フロンガス、炭酸ガス、液化炭酸ガス、液体窒素等が挙げられる。
【0022】
上記方法によれば、気化促進剤を含むことにより、液体をより迅速に気化できて、凝集した各粒子の分散を、より確実にできるので、より効率的に表面改質粒子を得ることが可能となる。
【0023】
上記方法においては、懸濁液の粒子を、懸濁液中に分散させることが望ましい。上記方法によれば、粒子が分散されることにより、凝集した各粒子を低減でき、また、凝集した各粒子の凝集サイズも小さくできることから、粒子径が比較的小さく、かつ揃った表面改質粒子を、より安定に製造することができる。
【0024】
上記方法では、懸濁液は、予め加熱しておくことが好ましい。上記方法によれば、懸濁液の液体の核沸騰および気化に必要な上昇温度Δtを小さくできるので、核沸騰や気化を迅速化できる。このことから、上記方法では、核沸騰時や気化時の体積膨張の変化率を大きくできて、凝集した各粒子の分散を効率化できるので、粒子径が比較的小さく、かつ揃った表面改質粒子を、より安定に製造することができる。
【0025】
上記方法においては、表面が改質された表面改質粒子を、不活性気体によって輸送することが望ましい。上記方法によれば、反応性の低い不活性気体を用いることで、安定した表面改質理粒子の搬送が容易に可能となることから、簡便に、連続的に安定して表面改質粒子を製造することが可能となる。
【0026】
上記方法では、懸濁液を液滴状にすることが好ましい。上記方法では、液滴状とすることにより、懸濁液の液体の核沸騰や気化を容易化できると共に加熱のための、例えば供給電力を軽減できて、コストダウンを図ることが可能となる。
【0027】
上記方法では、改質剤は、粒子の表面に親水基を付与するためのものであってもよい。上記方法によれば、分散性がよく、トナーや顔料粒子などといった適用範囲の広い、親水性粒子を表面改質粒子として安定に得ることができる。
【0028】
上記方法においては、粒子は、10nm〜20μmの範囲内の平均粒径を有するものが好ましい。上記方法によれば、粒子径が比較的小さい表面改質粒子を、より安定に得ることができる。
【0029】
本発明の粒子表面改質装置は、前記の課題を解決するために、粒子を改質剤を含む液体に懸濁した懸濁液を調製するための粒子懸濁部が設けられ、粒子懸濁部からの懸濁液を沸騰することによって、粒子の表面を改質剤により改質して表面改質粒子を調製する改質部が、懸濁液における液体の気化ガスによる気体輸送によって上記表面改質粒子を搬出できるように設けられていることを特徴としている。
【0030】
上記構成によれば、粒子懸濁部にて調製された懸濁液を沸騰することによって粒子の表面を改質剤により改質して表面改質粒子を調製するので、前述のように、粒子径が比較的小さく、かつ揃った表面改質粒子を、より安定に製造することができる。
【0031】
その上、上記構成では、改質部を懸濁液の液体が気化した気化ガスによる気体輸送によって上記表面改質粒子を搬出できるように設けたことにより、表面改質粒子の搬出を簡素化でき、また、改質部を、例えば上下方向に延びる管状に設けることができて床面積を低減できる。このことから、上記構成では、装置構成を簡素化できると共に小型化、省スペース化することが可能となる。
【0032】
上記構成においては、改質部は、懸濁液の導入部の位置が表面改質粒子の搬出部の位置以下となるように設定されていることが好ましい。上記構成によれば、懸濁液の導入部の位置を表面改質粒子の搬出部の位置以下となるように設定することにより、懸濁液の液体が気化した気化ガスによる気体輸送による上記表面改質粒子の搬出を確実化できる。
【0033】
上記構成では、改質部の内壁は、凝集した液体を流下させて回収するように設けられていることが望ましい。上記構成によれば、凝集した液体により、改質部内が閉塞されることが回避されるので、表面改質粒子の製造を安定化できる。
【0034】
上記構成においては、改質部からの表面改質粒子および気化ガスを導入して冷却する冷却部が、冷却により気化ガスから凝集した液体を流下させて回収するように設けられていることが好ましい。
【0035】
上記構成によれば、凝集した液体が冷却部から流下により回収される一方、表面改質粒子を気体輸送により搬出することができるので、冷却部において、表面改質粒子と、液体とを簡素な構成により容易に分離することができることから、表面改質粒子の製造を簡素化できる。
【0036】
上記構成においては、改質部または冷却部における液体が流下する内壁は、撥液部を有することが望ましい。上記構成によれば、液体の流下を撥液部によって促進できて表面改質粒子の製造を安定化できる。
【0037】
上記構成では、改質部からの表面改質粒子および気化ガスに対し、不活性気体により希釈し輸送する気体輸送部が、希釈した表面改質粒子および気化ガスを冷却部に輸送するように設けられていてもよい。
【0038】
上記構成によれば、改質部からの表面改質粒子および気化ガスに対し、不活性気体により希釈することにより、表面改質粒子および気化ガスを、より確実に冷却部に輸送することができると共に、冷却部にて上記気化ガスが液化されて回収されたとき、上記不活性気体によって上記表面改質粒子を気体輸送することが可能となる。よって、上記構成では、表面改質粒子の製造を安定化できる。
【0039】
上記構成においては、改質部は、懸濁液の液体を粒子を核として核沸騰させるための加熱部を備えていることが好ましい。上記構成によれば、加熱部によって、懸濁液の液体を粒子を核として核沸騰させることを、より確実化できるので、凝集した各粒子の分散を、より確実に促進できる。このことから、上記構成では、表面改質粒子の製造をより一層安定化できる。
【0040】
本発明に係る粒子表面改質方法および粒子表面改質装置に関して、より具体的に、表面改質粒子としての親水性粒子の製造方法および製造装置として説明すると以下の通りである。
【0041】
親水性粒子の製造方法は、常温・常圧で固体である疎水性の粒子の表面に対し、親水性を付与すべく、上記粒子を酸性液(改質剤を含む液体)に浸漬して均一に懸濁した懸濁液を、搬送しながら加熱することにより、粒子の表面を酸性液により酸化させ、表面に親水基が導入された分散性の高い親水性粒子を製造する方法である。
【0042】
上記方法では、懸濁液を加熱するとき、上記粒子を核として急激に核沸騰および気化させることが好ましい。このように加熱することによって、核沸騰および気化したときの、酸性液の相変化による体積の急激な膨張を、凝集し易い粒子を分散させる外力として利用すると共に、粒子の表面を核沸騰によって急激に加熱することにより、粒子の表面を酸性液により酸化させ、表面に親水基が導入された分散性の高い親水性粒子をより安定に製造することができる。
【0043】
本発明に係る粒子とは、常温・常圧で固体の微粒子であり、かつ、酸性液に浸漬したときに、分解や重合等といった、基本構造の変化を生じることのない安定性を有し、かつ、官能基、例えばカルボキシル基といった親水性の付与が可能な、すなわち親水性基の導入が可能な粒子である。上記粒子としては、特に限定されるものではないが、酸化チタン、顔料などの粒子が挙げられ、特に黒色顔料、例えばカーボンブラック粒子が好適なものとして挙げられる。本発明において、「常温・常圧」とは、20℃、1気圧を示すこととする。
【0044】
本発明に係る粒子表面改質方法によれば、表面が改質、例えば表面に親水性基が導入されて表面改質された顔料粒子(親水性粒子)を、分散した粒子(平均粒径が10nm〜20μm、好ましくは20nm〜10μm、さらに好ましくは40nm〜5μm、の範囲内)の状態にて安定に得ることができる。
【0045】
また、本発明に係る酸性液は、疎水性を有する微粒子の表面を酸化できる液体であればよく、特に限定されるものではなく、例えば、微粒子が黒色顔料粒子である場合には、酸性液は、硝酸を含む水溶液であることが、より好ましい。本発明に係る粒子表面改質方法および粒子表面改質装置によれば、酸化によりカルボキシル基(親水性基)が顔料粒子の表面に対し効率よく導入されることにより、親水性が付与された親水性粒子を安定に、かつ、無駄を省いて安価に製造することができる。
【0046】
つまり、粒子が、疎水性の顔料粒子である場合には、酸性液は、硝酸を含む、いわゆる強酸が好適である。該酸性液における硝酸の濃度は、特に限定されるものではないが、親水性基の量がより多く所望される場合には、より高い方が好ましい。上記の顔料を硝酸を含む酸性液に浸漬し、加熱し煮沸することにより、顔料表面が酸化され、カルボキシル基が表面に導入された、すなわち親水性が付与された顔料粒子が得られる。
【0047】
上記酸性液には、気化時や核沸騰時における液体中の粒子の分散性を高め、また、液体の気化を促進するために、例えば、炭酸ガスや窒素ガス等の液化ガス、あるいは、粒子を迅速に乾燥させるために、エチルアルコール・フロンガス等の揮発性液体や気化促進剤を添加してもかまわない。揮発性液体は、水の蒸発潜熱〔41kJ/mol(373K)〕より蒸発潜熱が小さい、常温にて液体のものであればよく、例えばエチルアルコール〔39kJ/mol(352K)〕が挙げられる。また、気化促進剤としては、上記揮発性液体の他に、液体に溶解し易く、加熱時に発泡するものであればよいが、例えば炭酸ガスや過酸化水素水等を挙げることができる。
【0048】
また、顔料粒子を酸性液に浸漬および懸濁させる際には、必要に応じて、ヒーター等により、できれば酸性液の沸点の近傍まで加熱および/または撹拌翼などにより撹拌して顔料粒子をできるだけ分散しておいてもよい。撹拌強度が高いほど、顔料粒子の分散は進行することが予想されるが、特に限定されるものではない。
【0049】
上記方法によって得られた親水性粒子は、捕集した後、必要に応じて、超純水等を用いて洗浄する。これにより、不純物が除去された親水性粒子を製造することができる。水洗された親水性粒子は、必要に応じて、該親水性粒子同志が凝集することを防止できる程度に乾燥させればよい。なお、親水性粒子から、それに含まれる不純物が除去されたか否かは、例えば、洗浄液のpHを目安として判断すればよい。親水性粒子の捕集方法、水洗方法、および乾燥方法については、特に限定されるものではない。
【0050】
以上のように、本発明に係る粒子表面改質方法は、疎水性の粒子を酸性液に浸漬・懸濁してなる懸濁液を、搬送しながら加熱、より好ましくは粒子を核として急激に核沸騰させるように加熱することにより、凝集し易い粒子を分散させると共に、粒子の表面を酸性液の酸化により改質する方法である。
【0051】
したがって、上記方法では、撹拌翼等の撹拌装置を用いて粒子を撹拌しながら酸化する従来の方法とは異なり、該粒子が摩擦等によって帯電する恐れが回避される。また、本発明の方法は、簡便な装置および操作で短時間の処理にて粒子表面を改質できる。さらに、上記方法は、凝集した粒子であっても、核沸騰に起因する急激な体積膨張、例えば水が気化するとその体積が約1000倍となる体積膨張による外力を利用するため、凝集した各粒子である二次粒子が一次粒子に分散されて、粒径の小さな分散性の高い表面改質粒子を安定に得ることができる。
【0052】
また、以上のように、本発明に係る粒子表面改質方法は、疎水性を有する粒子に、親水性を付与すべく、該粒子を酸性液に浸漬してなる懸濁液から、その懸濁液の液滴を形成する工程と、この液滴を急激に沸騰させて粒子の表面を酸化により改質する工程と、表面改質粒子に付着している液体を回収する工程と、該工程で得られた親水性を有する表面改質粒子を捕集して水洗する工程とを含む方法であってもよい。
【0053】
上記の方法によれば、得られた表面改質粒子を捕集して水洗するので、表面改質粒子に含まれる不純物を除去することができる。これにより、粒子を帯電させることなく、しかも、簡便な装置および操作で短時間でかつ安価に、粒子径が比較的小さくかつ揃った、不純物が除去された、親水性を有する表面改質粒子を安定に製造することができる。
【0054】
例えば、上記方法によって得られる表面改質粒子は、粒子の表面に対し、例えば親水性基が導入されることによって親水性が付与されているので、水に対する濡れ性が改善されている。具体的には、例えば、顔料粒子は、上述の酸化処理によって、顔料粒子の表面にカルボキシル基(親水性基)が導入されているので、水に対する濡れ性が向上している。上記方法によって得られる親水性粒子は、例えば、粒子が疎水性を有する顔料粒子である場合には、塗料、印刷インキ、トナー(現像剤)等の各種用途に好適に用いられる。
【0055】
【発明の実施の形態】
〔発明の実施の形態1〕
本発明の実施の形態1について図1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本発明に係る粒子表面酸化装置(粒子表面改質装置)の一例に関し、図3に基づいて説明すれば以下の通りである。図3に示すように、上記粒子表面酸化装置(以下、製造装置という)1は、粒子懸濁部2、粒子供給部3、粒子酸化部4、希釈気体導入部5、第一液体処理部6、二個の各粒子捕集部7a、7b、光学測定部8および第二液体処理部9等を備えており、疎水性の粒子を搬送しながら加熱することによって、上記粒子の表面に対し酸化による親水性基が導入された親水性粒子を連続的に安定に製造できるようになっている。
【0056】
光学測定部8は、図4に示すように、筐体8hの内部に、光源8a、レンズ8b、透光板8e・8f、光検出部8g等が配設されることによって構成されている。光源8aから出射された光は、筐体8hの内部に導入された粒子(液滴)によって散乱および減光することにより、その光量が変化する。これにより、光学測定部8は、入射された光量に応じて光検出部8gから出力される信号に基づいて、粒子や液滴の粒子径および個数濃度を測定できるようになっている。光学測定部8を用いて粒子径および粒子個数濃度を測定することにより、親水性粒子の製造工程を制御することができる。
【0057】
なお、上記の光学測定部8は、光透析・散乱法を採用して粒子径を測定する構成となっているが、測定法は特に限定されるものではなく、例えば、X線透過法、沈降法、レーザ回折・散乱法、動的散乱を利用した光子相関法等を採用することもできる。また、光学的に測定する方法以外に、光学顕微鏡や電子顕微鏡を使用する画像処理解析法等を採用することもできる。個数濃度に関しては、例えば光透過法により求めることができる。
【0058】
図3に示す、粒子懸濁部2は、円柱形状または角柱形状の容器21を備えている。容器21内には水または水と水の共沸化合物との混合液(以下、単に水と略す)および粒子を互いに混合して懸濁させた懸濁液22が収納されている。密閉された容器21内に供給される不活性ガス23の圧力および流量が調節されることにより、粒子懸濁部2から粒子供給部3を介して粒子酸化部4に供給する懸濁液22の液量を制御できるようになっている。
【0059】
粒子懸濁部2の容器21には、粒子分散装置24として、例えば、マグネチックスターラー等の撹拌装置あるいは超音波振動装置等が設置されている。粒子分散装置24は、撹拌や振動による分散によって、容器21内の懸濁液22中の粒子の凝集を防止、あるいは、凝集した粒子の分散をある程度まで行うためのものである。粒子懸濁部2は、粒子供給部3を介して粒子酸化部4に対し、懸濁液22を供給できるように接続されている。
【0060】
粒子酸化部4は、懸濁液22が導入される管41および管41内を加熱するための加熱部材としての、電気炉(加熱部)44を有している。粒子酸化部4においては、管41内を下から上に向かって流れる懸濁液が、電気炉44により予め加熱されていた管41内にて搬送されながら急激に加熱されると、図5に示すように、予熱流、気泡流、撹乱流、気化流へと急激に変化して、懸濁液22の粒子を、図3に示す導入口45から搬出口46に向かい、酸性液の気化ガスの膨張によって上方に搬送しながら加熱できるようになっている。
【0061】
この際、管41内の懸濁液22は、図6に示すように、酸性液43において、粒子42を核とした核沸騰や、酸性液43の気化が生じ、各粒子42の凝集粒子42aが、核沸騰時や気化時の急激な体積膨張による圧力によって、個々の単一の粒子42に分散すると共に、粒子42の周囲にある酸性液43が急激に核沸騰・気化して、粒子42は、粒子42のまわりの酸性液43によって煮沸され、粒子42の表面が急速に酸化されて親水性粒子42bが生成されることになる。
【0062】
一方、管41の内壁は、図7に示すように、撥水性(撥液性)材料からなる撥水部19を有している。撥水性材料としては、例えば、フッ素樹脂、表面を粗くしたフラッシングガラス等が使用される。
【0063】
さらに、管41の内壁は、その管41の中心軸が、図3に示すように水平方向に対し角度θで傾斜した、例えば、円柱管状に形成されている。このため、このような粒子酸化部4では、内壁に付着した懸濁液22は下方に設けられた貯留部47(液体回収部)に流れ込むことにより、管41内が懸濁液22によって閉塞することを防止できる。
【0064】
粒子酸化部4の搬出口46において、粒子酸化部4で生成した親水性粒子および酸性液43の気化ガスの混合物は、清浄な不活性気体(例えば、窒素ガス)によって希釈され、かつ、上記親水性粒子が上記気化ガスおよび不活性気体によって気体輸送されて第一液体処理部6へと導入される。
【0065】
また、上記の粒子の表面を酸化する工程において、一度の酸化工程では充分な量の親水基を付与できない場合がある。そこで、図3に示す、製造装置1において、第一液体処理部6と第二液体処理部9との間に設けられた粒子捕集部7の粒子取り出し口の後段に、前述の粒子懸濁部2、粒子供給部3、粒子酸化部4および第一液体処理部6を新たに接続し、前段にて得られた親水性粒子の表面を再び酸化する工程を繰り返してもよい。すなわち、図3に示す粒子懸濁部2、粒子供給部3、粒子酸化部4および第一液体処理部6を、複数セット、互いに直列に接続してもよい。
【0066】
このとき、後段の工程に用いる酸性液43の濃度として、前段のものと異なる濃度のものを用いることもできる。相異なる濃度の各酸性液43をそれぞれ用いることにより、親水性粒子の表面における親水性基の量を任意に制御することが可能である。
【0067】
また、先に処理した酸性液43と異なる薬品、例えば硫酸水溶液、次亜塩素酸溶液、過酸化水素水といった酸性化合物液を用いて粒子の表面を酸化処理してもよい。この場合、上述したように粒子懸濁部2、粒子供給部3、粒子酸化部4および第一液体処理部6よりなる製造部を、複数、直列に互いに接続して用いるが、粒子懸濁部2に仕込んでいる酸性液43を、予め、所望の酸性化合物液に代えておく。これによって、相異なる成分の親水基、あるいは官能基を表面にそれぞれ付与した親水性粒子を容易に製造することができる。
【0068】
粒子酸化部4で処理されて生成した親水性粒子および酸性液43の気化ガスの混合物は、さらに、希釈気体導入部5より導入される清浄な希釈気体により希釈され、第一液体処理部6に搬送される。希釈気体としては、得られた親水性粒子や生成した酸性液43の気化ガスに対して、反応性の低い不活性ガス、例えば窒素ガスが好ましい。清浄な希釈気体は、不活性ガスをフィルタ(例えばHEPAフィルタ、ULPAフィルタ、バグフィルタ)等の捕獲部材により塵埃などが除去されて得られる。このように混合物を、希釈気体により希釈することにより、処理された各親水性粒子が互いに凝集することを防止できる。
【0069】
第一液体処理部6は、気体輸送された、親水性粒子、気化ガスおよび不活性ガスの混合体が順次導入される第一冷却部(冷却部)61および第一乾燥部62を備えている。第一冷却部61には、上記混合体が導入される管部61aと管部61aを冷却するための冷却部材61bとが配されている。冷却部材61bは、例えばペルチェ素子を備えており、ペルチェ効果によって管部61a内、つまり上記混合体を冷却して上記気化ガスを第一冷却部61においてほぼ回収できるようになっている。
【0070】
なお、冷却部材61bは、所望する冷却温度に対応した構成とすればよく、特に限定されるものではない。例えば、液体窒素や水、ドライアイス等により冷却された有機溶媒(冷媒)や比較的熱伝導のよいヘリウムを用いて、導入された上記混合体を冷却する構成としてもよい。
【0071】
第一液体処理部6では、粒子酸化部4からの混合物を希釈した混合体を、冷却することにより、気化ガスの飽和蒸気量の低下を生じさせることによって、相対湿度を下げ、蒸気化した酸性液43を液化させて回収する。前記の処理された親水性粒子を含む輸送気体雰囲気の乾燥を促進するために、希釈気体導入部5よりの希釈気体を乾燥剤を通過させて除湿して用いてもかまわない。
【0072】
図7に示すように、管部61aの内壁は、粒子酸化部4の内壁と同様に、撥水性材料で形成されている撥水部19を有していると共に、図3に示すように、水平方向に対し角度θで傾斜した例えば円柱管状に形成されている。このため、管部61aの内壁に凝集により付着した酸性液43は、貯留部(液体回収部)61cに流れ込み回収されるため、管部61aの内部の閉塞を防止し、連続運転を可能にする。上記冷却処理を行った後、必要に応じて第一乾燥部62に導入し、さらに酸性液43を回収してもよい。第一乾燥部62は、その粒子輸送管が乾燥剤が充填された処理空間に曝される構造になっており、さらなる親水性粒子の乾燥、および、酸性液43の除去を行うことができる。
【0073】
第一液体処理部6から搬出された親水性粒子は、第一粒子捕集部7aにて回収(捕集)される。捕集方法としては、水を捕集媒体とする洗浄集じん法や、バグフィルター等を用いる濾布集じん法が挙げられる。回収された親水性粒子は、必要に応じて、図示しない洗浄装置にて超純水等を用いて水洗される。これにより、不純物が除去された親水性粒子が得られる。水洗された親水性粒子は、必要に応じて、該親水性粒子が凝集しない程度に乾燥させる。
【0074】
親水性粒子をほぼ除去した輸送気体については、さらに第二液体処理部9に導入され、第二液体処理部9の第二冷却部91により極低温(250K程度)にまで冷却し、飽和蒸気量を低下させることによって、残存している酸性液43を液化させて回収(捕集)し、さらに、第二乾燥部92を通過させることにより除湿されて排気処理される。第二冷却部91および第二乾燥部92に関しては、前述の第一冷却部61および第一乾燥部62と同様に構成されている。第一液体処理部6および第二液体処理部9には、冷却部および乾燥部の一方が配置されていればよいが、両者を備えている方がより好ましい。
【0075】
また、第二冷却部91と第二乾燥部92との間には、第二粒子捕集部7bが設けられている。第二粒子捕集部7bにおいては、前述と同様な捕集方法によって、再度、親水性粒子の回収(捕集)を行っている。第二粒子捕集部7bを配することにより、表面が酸化されて親水性基を有する親水性粒子の捕集効率を向上させ、より確実に親水性粒子を回収することができる。
【0076】
このような構成とすることにより、得られた親水性粒子が周囲の環境に飛散することを抑制でき、使用後の輸送気体をより安全な状態に処理して排出することができる。なお、第一粒子捕集部7aおよび第二粒子捕集部7bは、必要に応じて、さらに複数ずつ設けてもかまわない。
【0077】
さらに、粒子酸化部4、第一液体処理部6、および第二液体処理部9における各管状の処理部は、その中心軸が水平方向に対して角度θ(0°<θ≦90°、より好ましくは70°≦θ≦90°)で傾斜し、互いに並列に配置されていることが好ましい。このように配置することにより、粒子酸化部4における酸性液43の気化による膨張を親水性粒子の製造および輸送に有効に利用できて、装置構成が簡素化されると共に、必要な床面積を低減できるので装置構成を小型化つまり省スペース化することができる。
【0078】
次に、本発明に係る粒子表面改質方法としての粒子表面酸化方法について、上記製造装置1を用い、所定の条件下で酸化処理を行った一例を図1および図2のフローチャートに基づいて説明する。
【0079】
先ず、図1に示すように、粒子を酸性液に懸濁させ(ステップ1、以下、ステップをSと略す))、続いて、得られた懸濁液を、例えば超音波振動を与えることによって、より均一に分散させる(S2)。
【0080】
次に、粒子酸化部4の温度を規定値、例えば700Kまで加熱し(S3)、上記懸濁液を、上記のように昇温した粒子酸化部4内に導入して、粒子酸化部4では、懸濁液を搬送しながら、上記懸濁液の酸性液を急激に沸騰・気化させることにより、懸濁液中の粒子を核として核沸騰を生じさせ、その時の相変化による体積の急激な膨張により凝集した粒子を分離すると共に、粒子の表面が酸性液の存在下にて急激に加熱されることにより、粒子の表面が酸化処理されて親水性粒子が形成される(S4)。
【0081】
上記の酸化処理(S4)と共に、酸性液の気化ガスの膨張により親水性粒子を搬送し(S5)、続いて、粒子酸化部4から搬出された、親水性粒子および気化ガスの混合物を、不活性気体である希釈気体にて希釈して、親水性粒子を含む混合気体を気体輸送する(S6)。
【0082】
その後、図2に示すように、混合気体を冷却することにより(S7)、混合気体から酸性液を凝縮させて回収する(S8)。続いて、混合気体を乾燥剤により除湿し(S9)、その後、除湿された混合気体から、親水性粒子を捕集する(S10)。
【0083】
その次に、親水性粒子が捕集された後の輸送気体は、極低温に冷却されて(S11)、残存している酸性液および親水性粒子をそれぞれ回収し(S12)、さらに除湿されて排気される(S13)。
【0084】
以上のように、本発明に係る親水性粒子の製造方法および製造装置は、10nm〜20μmの範囲内の平均粒径を有するといった、小粒径で凝集し易い疎水性の粒子に対し、親水性を付与すべく、上記粒子を酸性液43に浸漬し分散してなる懸濁液22を、直線または曲線上に沿って一方向に搬送しながら、急激に加熱して沸騰(気化)させることにより、凝集した粒子を分散させながら、粒子の表面を酸性液43にて酸化させる方法および装置である。
【0085】
したがって、本願発明では、撹拌翼等の撹拌装置を用いて粒子を分散しながら酸化する従来の方法とは異なり、該粒子が撹拌時の摩擦等によって帯電する恐れが回避される。また、本願発明では、酸性液を気化ガスによる膨張を利用して得られた親水性粒子を搬送(輸送)できることから、装置および操作の簡素化および短時間で処理でき、コストを低減できる。さらに、上記構成および方法では、凝集した粒子であっても体積膨張による外力を利用するため、凝集が抑制されて分散性の高い、小粒径の親水性粒子を安定に得ることができる。
【0086】
これにより、本願発明では、得られた親水性粒子を帯電させることなく、しかも、簡素な装置および操作にて短時間でかつ安価に、その上、粒子径が比較的小さくかつ揃った親水性粒子を安定に製造することができる。
【0087】
〔実施例1〕
以下に、上記実施の形態1に関する具体例である実施例1について、図8および図9に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、粒子径0.5μmのカーボンブラック粒子(以下、CB粒子と略す)を、図8に示すように、酸性液43としての硝酸水溶液(硝酸濃度1.1N)に対し、粒子個数濃度が1015個/mとなるように混合して、懸濁液22を調製した(S21)。
【0088】
その後、上記懸濁液22に対し、超音波振動を発生する粒子分散装置24によって超音波振動を懸濁液22に印加しながら、CB粒子を分散させ、より均一な懸濁液22とした(S22)。一方、粒子酸化部4の温度を700Kまで電気炉44を用いて加熱した(S23)。
【0089】
その次に、上記懸濁液22を収納した容器21内をエアフィルタ等で塵埃を除去した清浄な窒素ガスにより圧力0.5kgf/cmで加圧することによって、上記懸濁液22は粒子酸化部4内に導入され搬送されながら、酸化処理されて、親水性粒子が得られた(S24)。
【0090】
このとき、粒子酸化部4の導入口45から管41内に導入された懸濁液22は、急激に約700Kまで加熱されることによって、懸濁液22内のCB粒子を核として懸濁液22中の硝酸水溶液を管41内にて核沸騰および気化させた。
【0091】
これにより、粒子酸化部4内においては、硝酸水溶液の気化による膨張により、懸濁液22を導入口45から搬出口46に向かって搬送すると共にCB粒子を分散(凝集粒子を単一粒子に分散させることも含む)させながら、上記CB粒子の表面に対し、硝酸による表面部分の酸化処理によって、親水性基としてのカルボキシル基を有する親水性粒子が得られた。
【0092】
続いて、酸性液の気化ガスの膨張により粒子酸化部4から親水性粒子および気化ガスの混合物を搬出した(S25)後、上記混合物に対し、希釈気体導入部5から希釈気体として清浄な、例えば窒素ガスを導入し、上記混合物を窒素ガスによって希釈した。このように希釈された混合気体を、その混合気体に含まれる希釈ガスおよび気化ガスにより、第一液体処理部6に対して気体輸送した(S26)。
【0093】
その後、上記混合気体については、図9に示すように、第一液体処理部6の第一冷却部61内の、冷却(273K)された管部61aに導入して冷却し(S27)、気化していた硝酸水溶液(酸性液)部分をほぼ液化させて捕集(回収)して除去し(S28)、次に、第一乾燥部62にて除湿・乾燥した(S29)後、第一粒子捕集部7aにおいて、混合気体からそれに含まれている親水性粒子を捕集した(S30)。
【0094】
続いて、第一粒子捕集部7aからの、親水性粒子をほとんど除去した輸送気体については、さらに、250Kの極低温まで冷却した(S31)第二冷却部91に導入されることにより、冷却によって飽和蒸気量を低下させて、輸送気体に残存していた硝酸水溶液を捕集して除去し、さらに、第二粒子捕集部7bにて残存していた親水性粒子を捕集した(S32)。
【0095】
その後、輸送気体を第二乾燥部92を通過させて除湿して排気することにより(S33)、CB粒子の表面酸化処理を終了する。捕集した親水性粒子に関しては、超純水で洗浄処理して不純物を除去した。
【0096】
次に、表面酸化処理済のCB粒子である上記親水性粒子と、処理前のCB粒子とを、それぞれ超純水に投入し撹拌して、各粒子の濡れ性を調べた。この結果、処理前のCB粒子は、超純水に濡れず、水面上に留まった。これに対し、親水性粒子は、超純水に対して濡れ、水中に分散・浮遊した。これにより、本願発明の方法により表面酸化処理を行った顔料である処理後の親水性粒子は、処理前のCB粒子と比較して濡れ性が向上することが認められた。
【0097】
〔発明の実施の形態2〕
前記実施の形態1では、CB粒子を酸性液43中に懸濁させた懸濁液22を、そのまま粒子酸化部4に導入し、CB粒子の表面を酸化処理する方法および装置について説明したが、本実施の形態2では、懸濁液22を液滴状にして粒子酸化部4に導入する方法および装置について、図10ないし図16に基づいて以下に説明する。
【0098】
まず、懸濁液22より液滴を形成するには、図10に示すように、図3にて示した粒子懸濁部2に代えて、液滴製造部10を設ければよい。液滴製造部10を配置する以外の装置構成およびCB粒子の表面酸化処理方法は、前記の実施の形態1で述べたものと同様である。
【0099】
懸濁液22を液滴状にする方法については、特に限定されるものではないが、懸濁液22を噴霧する方法が簡便である。液滴の液滴径は、所望する親水性粒子の粒子径に応じて設定すればよく、特に限定されるものではないが、0.1μm〜100μmの範囲内が特に好ましい。
【0100】
図11に液滴製造部10の構成の一例を示す。液滴製造部10は、容器10a、ノズル11、懸濁液供給管15、バッフル(液滴径調節部)16、液滴供給管18等を備えている。ノズル11の先端部11a、懸濁液供給管15の上端部15a、バッフル16の先端部16aは、ほぼ一直線上にかつ水平となるように配置されている。
【0101】
容器10aには、顔料等の疎水性の粒子、例えばCB粒子を酸性液43に懸濁してなる懸濁溶液22が所定量、仕込まれている。尚、疎水性の粒子が顔料である場合における該顔料の粒子径は、通常10nm〜20μmの範囲内程度であるが、特に限定されるものではない。
【0102】
懸濁液供給管15は、支持部材17によってノズル11に固定されている。懸濁液供給管15は、その下端部が懸濁液22に浸漬されて開口しており、上端部15aに対し不活性ガスが水平に吹き付けられて内部が減圧状態となることにより、懸濁液22を該上端部15aまで吸い上げるようになっている。
【0103】
ノズル11は、容器10aにおける液滴供給管18に対向する位置に接続されており、不活性ガス(キャリア)を容器10a内部に供給する。ノズル11は、エアーフィルタ(不純物除去装置)13およびミスト除去部(不純物除去装置)12を介して図示しない不活性ガス供給装置に接続されている。
【0104】
そして、ノズル11は、その先端部11aから懸濁液供給管15の上端部15aに不活性ガスを水平に吹き付けて懸濁液22を噴霧することによって、該懸濁液22を液滴状(霧状)にするようになっている。上記のミスト除去部12およびエアーフィルタ13は、容器10aに清浄な不活性ガスが供給されるように、不活性ガスに含まれる不純物を除去するようになっている。
【0105】
バッフル16は、懸濁液供給管15に固定されており、球状の先端部16aを有している。バッフル16は、その先端部16aに、懸濁液供給管15の上端部15aにて造粒された液滴が不活性ガスと共に衝突することにより、径の比較的大きな液滴を除去するようになっている。つまり、バッフル16によって液滴の液滴径を調節することによって、液滴製造部10は、粒径が比較的小さくかつ揃った液滴を粒子酸化部4内部に供給するようになっている。
【0106】
粒子酸化部4の内部に供給すべき液滴の最大粒径は、バッフル16の先端部16aの大きさを適宜調節することによって、任意に制御することができる。また、液滴の単位時間当たりの供給量は、懸濁液供給管15の管径、不活性ガスの流量および流速等の噴霧条件を調節することによって、任意に制御することができる。尚、バッフル16によって除去された液滴は、バッフル16を伝って流れ落ち、懸濁液22として再利用される。
【0107】
なお、上記では、液滴製造部10の構造として、噴霧する構造を挙げたが、特に上記の構造に限定されるものではなく、例えば図12に示した噴霧構造を有する液滴製造部110でもよいし、また、図13ないし図15に示す、他の方法に基づく各液滴製造部210、310、410をそれぞれ用いることができる。
【0108】
まず、図13に示すように、懸濁液22を遠心力を利用して液膜を振り切り微小なCB粒子を含む液滴を形成するアトマイザー式の液滴製造部210を用いることができる。このようなアトマイザー式の造粒装置210は、懸濁液22が高濃度で粘度が大きい場合でも、小粒径の液滴を製造することができる。
【0109】
このような液滴製造部210では、筒状のケーシング119の中央部に液滴生成部としての回転部160が円板状に設けられ、この回転部160の中央真上に懸濁液22を供給するノズル111が設けられている。また、回転部160の上方側におけるケーシング119の端部開口を覆うスクリーン112が、このスクリーン112を通して不活性ガスを回転部160に吹き付けるように設けられている。
【0110】
回転部160の周囲には、懸濁液22から生成した、微小なCB粒子を含む液滴における、所望する径を有する液滴のみを粒子酸化部4に導入するための通路113が設けられている。さらに、回転部160の下方側には、懸濁液22の振り切りにより生じる所望の大きさより小さな径を有する液滴を回収して排出する排出路114が設けられている。
【0111】
次に、このような液滴製造部210の動作について説明すると、まず、CB粒子が酸性液43中に懸濁している懸濁液22は、導入管(図示せず)を介してノズル111により高速回転している回転部160上に供給され、回転部160上にて液膜となった懸濁液22が遠心力により回転部160の外縁部から外方に振り切られて液滴(ミスト状)となる。液滴は、スクリーン112からの不活性ガス(キャリア)により通路113を介して粒子酸化部4に搬送される。また、例えば粒径が小さすぎる、不要な液滴は、分別されて排出路114により排出される。
【0112】
次に、前述の図14に示す液滴製造部310は、オリフィス161から吹き出る懸濁液22のジェット噴流に対し、さらに超音波振動を与えることにより、上記懸濁液22から、液滴を発生するものである。
【0113】
このような液滴製造部310では、懸濁液22は導入管150によりオリフィス161に導入され、このオリフィス161から外部にジェット状に噴出する懸濁液22に対し、ピエゾ素子などの振動部材170により超音波振動がオリフィス161を介して付与されて液滴状となる。液滴の生成率は、振動部材170の振動周波数で制御される。形成された液滴は、オリフィス161等を収納する空間部116の下方側に接続されたガス供給管117から供給される不活性ガス(キャリア)の気体輸送により粒子酸化部4に対し搬送される。
【0114】
最後に、前述の図15に示す液滴製造部410は、超音波振動により液滴を発生するものである。このような液滴製造部410では、懸濁液22が導入管(図示せず)を介して導入される槽状の供給部163がケーシング119内の下方に設けられ、この供給部163の下方には、ピエゾ素子などの超音波振動を発生する振動部材170が配置されており、供給部163と振動部材170との間に、振動部材170からの超音波振動を供給部163に伝達する媒体180が充填されている。
【0115】
また、供給部163の底部は、下方に凸に湾曲したわん曲板162となっていて、振動部材170より発生する超音波振動を、供給部163内の懸濁液22の液面に対し、上記の上記わん曲板162によって集中させ、懸濁液22の液面部分において上記懸濁液22の液滴化の生成を促進するようになっている。また、ケーシング119の上方からは不活性ガス(キャリア)がケーシング119内に供給されており、発生した液滴は不活性ガス(キャリア)の気体輸送により粒子酸化部4に対し排出口118を介して搬送されるようになっている。
【0116】
上述した各構成の各液滴製造部10、110、210、310、410においては、供給する液滴の径を調整できる構成となっていることが好ましい。液滴の径を調節する方法としては特に限定されるものではないが、例えば図16に示すように、上述した振り切りにより液滴を生成する液滴製造部210では、通路113内に通路113内を流路方向に沿って分割するように仕切り板115を設けてもよい。このような仕切り板115の設定位置により、所望の大きさの液滴のみを、粒子酸化部4に輸送することができる。また、各液滴製造部310、410では、振動部材170による振動周波数を変えることにより、液滴の大きさをそれぞれ可変することができる。
【0117】
その上、上記構成においては、容器21内の懸濁液22および懸濁液22の液滴を、必要に応じてヒータ等により、例えば懸濁液22の沸点近傍まで予め加熱しておいてもよい。このように構成することによって、懸濁液22の酸性液43を、より迅速に核沸騰させて気化させることができて、親水性粒子の製造をより一層効率化できる。
【0118】
このように製造した懸濁液22の液滴を、粒子供給部3を介して粒子酸化部4に気体輸送し、その後は、前記の実施の形態1と同様に処理して、表面が酸化されて親水性基が付与された親水性粒子が得られる。
【0119】
このような本実施の形態2の構成によれば、液滴の状態の懸濁液22を、粒子酸化部4にて加熱して、核沸騰または気化させるとき、液滴の状態により、より迅速に核沸騰または気化、つまり相変化をより一層迅速化できる。このことから、上記構成では、得られた親水性粒子を帯電させることなく、しかも、より簡便な装置および操作で短時間でかつ安価に、粒子径が比較的小さくかつ揃った親水性粒子を、より一層安定に製造することができる。
【0120】
上記の説明においては、親水性粒子を連続的に製造することができる製造装置1を例に挙げて説明したが、製造装置の具体的な構成は、上記例示の構成にのみ限定されるものではない。本発明にかかる親水性粒子の製造装置は、バッチ式で親水性粒子を製造することができる構成を備えていてもよい。
【0121】
〔実施例2〕
以下に、上記実施の形態2に関する具体例である実施例2について、図17に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、粒子径0.122μmのカーボンブラック粒子(以下、CB粒子と略す)を、酸性液43としての硝酸水溶液(硝酸濃度0.22N)に対し、粒子個数濃度が1016個/mとなるように混合して、懸濁液22を調製した(S31)。
【0122】
その後、上記懸濁液22に対し、超音波振動を発生する粒子分散装置24によって超音波振動を懸濁液22に印加しながら、CB粒子を分散させ、より均一な懸濁液22とした(S32)。一方、粒子酸化部4の温度を電気炉44を用いて700Kに加熱した(S33)。
【0123】
続いて、上記懸濁液22をエアフィルタ等で塵埃を除去した清浄な窒素ガスにより2kgf/cmで加圧し、かつ、液滴製造部10に対し10ml/minの割合で供給することによってノズル11から噴霧して、懸濁液22からなる液滴を発生させた(S34)。
【0124】
このとき、液滴の大きさは、バッフル16によって所望する大きさより大きな液滴が除去されるため、液滴径約0.3μm、幾何標準偏差1.8といった比較的大きさの整った液滴が得られた。
【0125】
その後、上記懸濁液22の液滴を粒子酸化部4内に対し、気体輸送により導入して(S35)、粒子酸化部4内にて搬送しながら急激に約700Kまで加熱することによって、懸濁液22の液滴内のCB粒子を核として、懸濁液22の液滴中の硝酸水溶液を管41内にて核沸騰および気化させて、CB粒子の表面を酸化処理して、表面に親水性基を形成した(S36)。
【0126】
このような酸化処理では、粒子酸化部4内において、硝酸水溶液の気化により、懸濁液22の液滴を導入口45から搬出口46に向かって搬送すると共にCB粒子を分散(凝集粒子を単一粒子に分散させることも含む)させながら、上記CB粒子の表面に対し、硝酸による表面部分の酸化によって、親水性基としてのカルボキシル基が導入された親水性CB粒子が得られた。
【0127】
上記のS36以降における各処理工程は、前述の実施例1に記載のS25ないしS33と同様に処理して洗浄された親水性粒子が得られた。次に、表面酸化処理済のCB粒子である上記親水性CB粒子と、処理前のCB粒子とを、それぞれ超純水に投入し撹拌して、各粒子の濡れ性を調べた。この結果、処理前のCB粒子は、超純水に濡れず、水面上に留まった。これに対し、親水性CB粒子は、超純水に対して濡れ、水中に分散・浮遊した。これにより、本願発明の方法により表面酸化処理を行った顔料である処理後の親水性CB粒子は、処理前のCB粒子と比較して濡れ性が向上することが認められた。
【0128】
次に、種々の相異なる濃度の硝酸水溶液に対し、CB粒子を懸濁して、実施例1および実施例2と同様の処理を行い、酸性液43における硝酸濃度が、得られた親水性粒子の表面に生成されるカルボキシル基量にどのような影響を与えるかについて逆滴定法を用いて考察した。硝酸濃度が0N(ゼロ)の場合にはカルボキシル基は全く付与されなかったが、硝酸濃度を0.22Nから1.1Nへと変化させることによって、表面のカルボキシル基量は徐々に増加し、硝酸濃度に応じて高くなることが判った。なお、各硝酸濃度にてそれぞれ得られた各親水性粒子の、水に対する濡れ性をそれぞれ調べたところ、硝酸濃度0.22N〜1.1Nのどの濃度でも良好であった。
【0129】
一般に、工業プロセスでは、硝酸濃度が低いほど、1)材料費が削減できる、2)酸性液43の処理コストを削減できる、3)設備の煩雑さを軽減できる、などの利点があることから、硝酸濃度は、得られた親水性粒子に対し有効な親水性が認められる範囲で低い方が好ましい。
【0130】
なお、上記各実施の形態および各実施例では、硝酸を改質剤として含む液体を、酸性液として、粒子表面にカルボキシル基を導入した例を挙げたが、特に上記に限定されるものではなく、小粒径の各粒子の表面に対し、加熱により、官能基、例えば、水酸基、アミノ基、ニトロ基、アンモニウム基、スルホン基等を導入できる改質剤を用いて表面改質する場合においても、同様に本願発明の方法および装置を用いることができる。
【0131】
また、上記各実施の形態および各実施例では、酸性物質(改質剤)は常温で液体のものを用いたが、溶媒としての水や揮発性液体に溶解するものであればよく、例えば、酸性物質としては、酢酸、クエン酸、酒石酸などを用いることもできる。
【0132】
【発明の効果】
本発明の粒子表面改質方法は、以上のように、粒子を、改質剤を含む液体に懸濁して懸濁液を得た後、懸濁液を、搬送しながら加熱または気化して、粒子の表面を改質剤により改質する方法である。
【0133】
それゆえ、上記方法は、懸濁液を、搬送しながら加熱または気化することにより、粒子の帯電を防止しながら、簡便な操作で短時間でかつ安価に、粒子径が比較的小さく、かつ揃った表面改質粒子を製造することができるという効果を奏する。
【0134】
本発明の粒子表面改質装置は、以上のように、粒子を、改質剤を含む液体に懸濁した懸濁液を調製するための粒子懸濁部が設けられ、粒子懸濁部からの懸濁液を沸騰することによって粒子の表面を改質剤により改質して表面改質粒子を調製する改質部が、懸濁液の液体が気化した気体による気体輸送によって上記表面改質粒子を搬出できるように設けられている構成である。
【0135】
それゆえ、上記構成は、粒子懸濁部にて調製された懸濁液を沸騰することによって粒子の表面を改質剤により改質して表面改質粒子を調製するので、前述のように、粒子径が比較的小さく、かつ揃った表面改質粒子を、より安定に製造することができる。
【0136】
その上、上記構成では、改質部を、懸濁液の液体が気化した気体による気体輸送によって上記表面改質粒子を搬出できるように設けたことにより、表面改質粒子の搬出を簡素化できる。また、改質部を、例えば上下方向に延びる管状に設けることができて床面積を低減できる。
【0137】
この結果、上記構成では、粒子径が比較的小さく、かつ揃った表面改質粒子を、より安定に製造することができると共に、装置構成を簡素化でき、かつ、小型化、省スペース化が可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態1の粒子表面改質方法の各工程を示すフローチャートにおける前半部分である。
【図2】上記フローチャートにおける後半部分である。
【図3】本発明に係る実施の形態1の粒子表面改質装置の概略図である。
【図4】上記粒子表面改質装置における光学測定部の概略図である。
【図5】上記粒子表面改質装置の粒子酸化部における、搬送されながら懸濁液が相変化する様子を示す説明図である。
【図6】上記懸濁液における核沸騰の様子を示す説明図であって、(a)核沸騰時に4個の粒子からなる凝集粒子が分散する様子を示す説明であり、(b)核沸騰時に3個の粒子からなる凝集粒子が分散する様子を示す説明であり、(c)核沸騰時に2個の粒子からなる凝集粒子が分散する様子を示す説明である。
【図7】上記粒子表面改質装置における粒子酸化部および第一冷却部の各内壁の概略断面図である。
【図8】本発明に係る実施例1の粒子表面改質方法の各工程を示すフローチャートにおける前半部分である。
【図9】上記フローチャートの後半部分である。
【図10】本発明に係る実施の形態2の粒子表面改質装置における液滴製造部の概略図である。
【図11】上記液滴製造部の拡大概略図である。
【図12】上記液滴製造部の一変形例を示す概略図である。
【図13】上記液滴製造部の他の変形例を示す概略図である。
【図14】上記液滴製造部におけるさらに他の変形例を示す概略図である。
【図15】上記液滴製造部におけるさらに他の変形例を示す概略図である。
【図16】上記液滴製造部におけるさらに他の変形例を示す概略図である。
【図17】本発明に係る実施例2における粒子表面改質方法の各工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 粒子懸濁部
4 粒子酸化部(改質部)
22 懸濁液
42 粒子
42b 親水性粒子(表面改質粒子)
43 酸性液(改質剤を含む液体)
44 電気炉(加熱部)
45 導入部(導入口)
46 搬出部(搬出口)
61 第一冷却部(冷却部)

Claims (25)

  1. 粒子を、改質剤を含む液体に懸濁して懸濁液を得た後、
    懸濁液を搬送しながら、液体を気化させて、粒子の表面を改質剤により改質することを特徴とする粒子表面改質方法。
  2. 懸濁液の液体を、液体の沸点に対し、10K以上の温度にて加熱して気化させることを特徴とする請求項1記載の粒子表面改質方法。
  3. 粒子を、改質剤を含む液体に懸濁して懸濁液を得た後、
    懸濁液を、搬送しながら加熱して、粒子の表面を改質剤により改質し、
    懸濁液の液体を、液体の沸点に対し、10K以上の温度にて加熱して気化させることを特徴とする粒子表面改質方法。
  4. 粒子は疎水性であることを特徴とする請求項1、2または3記載の粒子表面改質方法。
  5. 液体は水を含むことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一つに記載の粒子表面改質方法。
  6. 改質剤は酸性であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一つに記載の粒子表面改質方法。
  7. 粒子を、改質剤を含む液体に懸濁して懸濁液を得た後、
    懸濁液を、搬送しながら加熱して、粒子の表面を改質剤により改質し、
    改質剤は酸性であることを特徴とする粒子表面改質方法。
  8. 改質剤は硝酸であることを特徴とする請求項1ないし7の何れか一つに記載の粒子表面改質方法。
  9. 液体は、水の蒸発潜熱以下の蒸発潜熱を有する揮発性液体を含むことを特徴とする請求項1ないし8の何れか一つに記載の粒子表面改質方法。
  10. 揮発性液体は、液体の気化を促進する気化促進剤であることを特徴とする請求項9記載の粒子表面改質方法。
  11. 粒子を、改質剤を含む液体に懸濁して懸濁液を得た後、
    懸濁液を、搬送しながら加熱して、粒子の表面を改質剤により改質し、
    液体は、水の蒸発潜熱以下の蒸発潜熱を有する揮発性液体を含み、
    揮発性液体は、液体の気化を促進する気化促進剤であることを特徴とする粒子表面改質方法。
  12. 懸濁液の粒子を、懸濁液中に分散させることを特徴とする請求項1ないし11の何れか一つに記載の粒子表面改質方法。
  13. 懸濁液は、予め加熱することを特徴とする請求項1ないし12の何れか一つに記載の粒子表面改質方法。
  14. 表面が改質された表面改質粒子を、不活性気体によって輸送することを特徴とする請求項1ないし13の何れか一つに記載の粒子表面改質方法。
  15. 懸濁液を液滴状にすることを特徴とする請求項1ないし14の何れか一つに記載の粒子表面改質方法。
  16. 改質剤は、粒子の表面に親水基を付与するためのものであることを特徴とする請求項1ないし15の何れか一つに記載の粒子表面改質方法。
  17. 粒子を、改質剤を含む液体に懸濁して懸濁液を得た後、
    懸濁液を、搬送しながら加熱して、粒子の表面を改質剤により改質し、
    改質剤は、粒子の表面に親水基を付与するためのものであることを特徴とする粒子表面改質方法。
  18. 粒子は、10nm〜20μmの範囲内の平均粒径を有するものであることを特徴とする請求項1ないし17の何れか一つに記載の粒子表面改質方法。
  19. 粒子を、改質剤を含む液体に懸濁した懸濁液を調製するための粒子懸濁部が設けられ、
    粒子懸濁部からの懸濁液を沸騰することによって粒子の表面を改質剤により改質して表面改質粒子を調製する改質部が、懸濁液における液体からの気化ガスによる気体輸送によって上記表面改質粒子を搬出できるように設けられていることを特徴とする粒子表面改質装置。
  20. 改質部は、懸濁液の導入部の位置が表面改質粒子の搬出部の位置以下となるように設定されていることを特徴とする請求項19記載の粒子表面改質装置。
  21. 改質部の内壁は、凝集した液体を流下させて回収するように設けられていることを特徴とする請求項19または20記載の粒子表面改質装置。
  22. 改質部からの表面改質粒子および気化ガスを冷却する冷却部が、冷却により気化ガスから凝集した液体を流下させて回収するように設けられていることを特徴とする請求項19ないし21の何れか一つに記載の粒子表面改質装置。
  23. 改質部または冷却部における液体が流下する内壁は、撥液部を有することを特徴とする請求項21または22に記載の粒子表面改質装置。
  24. 改質部からの表面改質粒子および気化ガスを、不活性気体により希釈し輸送する気体輸送部が、希釈した表面改質粒子および気化ガスを冷却部に輸送するように設けられていることを特徴とする請求項22に記載の粒子表面改質装置。
  25. 改質部は、懸濁液の液体を粒子を核として核沸騰させるための加熱部を備えていることを特徴とする請求項19ないし24の何れか一つに記載の粒子表面改質装置。
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