JPH0682431A - 匂い検知装置 - Google Patents

匂い検知装置

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JPH0682431A
JPH0682431A JP4235877A JP23587792A JPH0682431A JP H0682431 A JPH0682431 A JP H0682431A JP 4235877 A JP4235877 A JP 4235877A JP 23587792 A JP23587792 A JP 23587792A JP H0682431 A JPH0682431 A JP H0682431A
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JP
Japan
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odor
sample
water vapor
detector
detecting
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Application number
JP4235877A
Other languages
English (en)
Inventor
Sukeyuki Fujii
祐行 藤井
Masakazu Sakata
雅一 坂田
Yuji Hamada
祐次 浜田
Kenichi Shibata
賢一 柴田
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、匂い検知体を低温状態に設定する
ことにより、測定感度を向上させることができる新規な
匂い検知装置の提供を目的とする。 【構成】 本発明は、匂いサンプル中の水蒸気を所定量
除去する水蒸気除去手段と、該水蒸気除去手段の下流側
に配され、低温状態で匂いサンプル中の匂い成分を付着
乃至吸着する匂い検知体を備えた匂い検知手段と、上記
匂い検知体を低温状態に冷却する冷却手段と、上記匂い
検知体における匂いサンプル中の匂い成分の付着乃至吸
着に伴って、上記匂い検知体の有する固有特性の変化を
検知する特性検知手段と、を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、匂いを検知する匂い検
知装置に関するものであり、特に低濃度の匂いを検知す
るのに有効な匂い検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の匂い検知装置が、特開平1−25
9250号公報に開示されており、その匂い検知装置の
概略図を図9に示すと共に、その匂い検知装置に用いる
センサの概略拡大図を図10に示す。
【0003】図9において、筐体100の対面に夫々吸
引口101と排気口102とを備え、これら吸引口10
1及び排気口102の間に匂いサンプルが通る通路10
3が形成されている。その通路103の下流側には吸引
ポンプ104が、またその上流側にはSnO2−CaO
系センサ105が設けられている。そのセンサ105に
は、例えばブリッジ回路からなる測定回路106が接続
されており、この測定回路106はセンサ105の抵抗
値の変化を測定できるように構成されている。また、そ
の測定回路106にはセンサ105の抵抗値の変化に応
じて匂いの強さを表示できる匂い表示部107が設けら
れている。
【0004】一方、図10において、センサ105は、
ソケット105bに取りつけられた支持ピン105aに
支持されており、この支持ピン105aは電力端子10
5cに接続されている。斯くして、センサ105は、図
示しない電源より電力を供給されることにより設定温
度、例えば200乃至500℃に保持されるようになっ
ている。
【0005】そこで、上述の匂い検知装置を用いて匂い
を検知するには、まずセンサ105を設定温度に保持し
た後、吸引ポンプ104により匂いサンプルを取り込む
ことによって、その取り込まれた匂いサンプルをセンサ
105部分を通過せしめ、このとき、その匂いサンプル
中の匂い成分がセンサ105の表面に付着乃至吸着す
る。
【0006】これによって、センサ105の表面に付着
乃至吸着した匂い成分は、センサ105の表面に付着乃
至吸着している酸素と化学反応を起こすことによって、
センサ105の抵抗値は減少し、測定回路106によっ
てその抵抗値の減少を測定すると共に、匂い表示部10
7でその匂いの強さを表示できるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の匂い検知装置に
あっては、センサ105の使用時の温度を200乃至5
00℃に設定しなければ、そのセンサ105の表面で匂
い成分と酸素との化学反応が生じず、低濃度の匂い成分
に対する測定感度は良いとはいえなかった。
【0008】また、センサ105を高温に設定すること
によってセンサ105の劣化が起こりやすいという問題
点があった。
【0009】そこで、本出願人は高温においてセンサの
表面で匂い成分と酸素との化学反応を起こさせるのでは
なく、室温においてセンサの表面に配した薄膜の分子内
部の空洞内に匂い成分が填まり込んで、ホスト−ゲスト
錯体を形成する包接現象を利用した、上記薄膜の質量の
増加によって、低濃度の匂い成分を測定することが可能
な匂いセンサを以前に出願(特願平2−46237号)
した。
【0010】この後、更に実験を繰り返した結果、上記
薄膜の材質を種々選択すると共に該薄膜の温度を25℃
以下の低温状態に設定することにより、測定感度を更に
向上させることができることが分かり、本発明はこの薄
膜を用いた新規な匂い検知装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、匂いサンプル
中の水蒸気を所定量除去する水蒸気除去手段と、該水蒸
気除去手段の下流側に配され、低温状態で匂いサンプル
中の匂い成分を付着乃至吸着する匂い検知体を備えた匂
い検知手段と、上記匂い検知体を低温状態に冷却する冷
却手段と、上記匂い検知体における匂いサンプル中の匂
い成分の付着乃至吸着に伴って、上記匂い検知体の有す
る固有特性の変化を検知する特性検知手段と、を備えた
ことを特徴とする。
【0012】
【作用】匂い検知体を冷却することによって、該匂い検
知体を低温状態に設定して、匂いサンプル中の匂い成分
の匂い検知体に対する付着乃至吸着量を増加させる。
【0013】その際、匂いサンプル中に含まれている水
蒸気を水蒸気除去手段にて所定量除去する。
【0014】
【実施例】本発明は、匂いサンプル中の匂い成分の薄膜
への付着乃至吸着により、以下の3つのタイプの検知装
置に基づいて匂い成分の濃度を求める。 (1)圧電体基板上に形成された薄膜に匂い成分が付着
乃至吸着することにより、その圧電体基板表面を伝播す
る弾性表面波の変化を検知する伝達特性検知型、(2)
硝子基板上に形成された薄膜に匂い成分が付着乃至吸着
することにより、その薄膜の光吸収スペクトルの変化を
検知する光吸収スペクトル検知型、(3)導電率、又は
誘電率の変化を検知する導電率、又は誘電率検知型。
【0015】そこで、3つの検知装置を順次説明してい
くことにする。
【0016】まず、伝達特性検知型の匂い検知装置を図
1乃至図7に基づいて説明する。
【0017】図1は本発明の伝達特性検知型の匂い検知
装置の概略図を示したものである。同図において、1は
匂いサンプル導入口、2aは加圧用エアポンプ、3は匂
いサンプル導入口1から導入された匂いサンプル中のご
み等を除去するダストフィルタ、4はダストフィルタ3
に接続された水蒸気除去ユニットである。
【0018】具体的に水蒸気除去ユニット4の構成を述
べると、水蒸気透過膜4aは芳香族ポリイミド膜から構
成された細い管状の中空糸であり、この中空部分が匂い
サンプル流通部4bとなっている。この中空糸は複数本
束ねられて水蒸気除去ユニット4内で鉛直方向に保持さ
れており、ダストフィルタ3を透過した匂いサンプルは
匂いサンプル流通部4bの下部の夫々の入口に供給され
た後、匂いサンプル中の水蒸気のみが水蒸気透過膜4a
を透過して水蒸気排出部4cに排出されると共に、匂い
成分は匂いサンプル流通部4bを鉛直上方向に移動して
いく。
【0019】4dは、匂いサンプル流通部4b内から水
蒸気透過膜4aを透過した水蒸気の排出を行なう水蒸気
除去ユニット4の下部に設けられた水蒸気排出管、5は
水蒸気除去ユニット4内の中空糸の上部の出口に接続さ
れた匂い検知室、6は匂い検知室5の下流側に接続され
た排気管である。
【0020】7は匂い検知室5内に設けられた匂い検知
手段、8は匂い検知手段7を冷却する冷却手段、9は匂
い検知手段7を冷却手段8で冷却した際に、匂い検知室
5の内壁が冷却されないように、匂い検知手段7及び冷
却手段8の周囲に設けられた断熱材である。尚、この断
熱材9は匂い検知手段7の上部を覆っておらず、匂い検
知手段7の上部は匂い検知室5内に露出しており、この
露出した部分が匂い成分を付着乃至吸着できるようにな
っている。
【0021】図2は本発明の伝達特性検知型の他の匂い
検知装置の概略図を示したものである。図1の匂い検知
装置との差異は、加圧用エアポンプ2aを匂いサンプル
導入口1に用いる代わりに、減圧用エアポンプ2bを水
蒸気排出管4d、及び排気管6に用いている点である。
【0022】図3は、匂い検知室5内に設けられた匂い
検知手段7、冷却手段8の断面概略図を示し、また図4
はその匂い検知手段7の構造図を示したものであり、こ
れらの図に基づいて、匂い検知手段7及び冷却手段8を
詳細に説明する。
【0023】7aは例えば、長さ10mm、厚さ0.1
mmのLiNbO3から構成された圧電体基板、7bは
圧電体基板7a上表面に弾性表面波を励振する櫛型励振
電極、7cは圧電体基板7a表面を伝播してくる弾性表
面波を受信する櫛型受信電極であり、櫛型励振電極7
b、櫛型受信電極7cは対数50対、電極間隔5μm、
交差長1mm、厚さ100nmとなるように金蒸着によ
って形成されている。
【0024】7dは圧電体基板7a上の櫛型励振電極7
b、櫛型受信電極7c間に形成された匂い検知体であ
る。
【0025】表1、表2は圧電体基板7a上に形成する
匂い検知体7dの物質名を例示したものである。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】8aは低温接点部、8cは高温接点部、8
bは低温接点部8aと高温接点部8cとを接続する接続
部であり、低温接点部8a、接続部8b及び高温接点部
8cはビスマス、テルル、アンチモン、セレン等の半導
体材料から構成されている。8dは放熱効率の良いアル
ミニウム等からなる放熱板である。
【0029】図4において、10は櫛型励振電極7b、
櫛型受信電極7cに接続された帰還増幅回路であり、こ
れら櫛型励振電極7b、櫛型受信電極7c及び帰還増幅
回路10によって発振回路を構成している。この発振回
路の出力は、周波数カウンタ11にてモニタリングされ
ており、匂い検知体7dに匂い成分が付着乃至吸着する
ことによって、圧電体基板7aの表面に伝達される弾性
表面波の伝達特性が変化し、この結果匂いサンプルの匂
い成分の濃度を演算手段12にて求めることができるよ
うに構成されており、帰還増幅回路10、周波数カウン
タ11及び演算手段12によって伝達特性検知手段を構
成している。
【0030】図5は、水蒸気除去ユニット4における匂
いサンプル中の水蒸気を効率よく除去するためのパージ
機構13を備えた水蒸気除去ユニット4の概略図を示し
たものである。
【0031】このパージ機構13は、水蒸気透過膜4a
の匂いサンプル流通部4bを移動した匂い成分を含む乾
燥した空気の一部を、水蒸気排出部4cに送り込むため
のパージガス量調節弁13aからなっている。このパー
ジ機構13を用いることによって、水蒸気を多く含む水
蒸気排出部4c内に乾燥した匂い成分を含む空気を送り
込むことができる結果、水蒸気排出部4c内は湿度的に
飽和状態に達することはなくなり、匂いサンプル流通部
4b内の水蒸気は効率よく匂いサンプル流通部4bから
水蒸気透過膜4aへ透過することができる。
【0032】図6は上述のパージ機構13を用いたとき
の水蒸気除去ユニット4を通過する匂いサンプルの流量
率とそのときの大気圧露点との特性を示したものであ
る。同図は、水蒸気除去ユニット4に導入する匂いサン
プル中に含まれる水蒸気量の相対湿度を100%、匂い
サンプルの温度を30℃の条件に設定したときの特性図
を例示している。
【0033】同図において、縦軸は水蒸気除去ユニット
4を用いて水蒸気を除去した匂いサンプルの大気圧露点
であり、また横軸は水蒸気を除去した匂いサンプルの流
量が、匂いサンプル導入口1から導入した匂いサンプル
の流量に占める割合(流量率)を表している。ここで、
同図中のA、B及びCは、水蒸気透過膜4aの匂いサン
プル流通部4bと水蒸気排出部4cとの圧力差ΔPが2
atm、5atm及び9atmであるときの特性を示し
たものである。
【0034】例えば、圧力差ΔPを2atm(図中A)
に設定し、パージガス量調節弁13aでパージガス量を
調節して、水蒸気を除去した匂いサンプルの流量率が5
6%となるように設定すると、水蒸気を除去した匂いサ
ンプルの大気圧露点は−10℃となることがわかる。こ
のパージ機構13を用いても、匂いサンプル中の水蒸気
のみが除去されるだけで、匂い成分量は全く変化するこ
とはない。
【0035】斯る構成において、第1の実施例として、
図1に示す匂い検知装置に図5に示すパージ機構13を
装着した匂い検知装置を用いて、例えば室温25℃の雰
囲気中において、温度25℃、相対湿度50%の空気
と、バナナの香気に似た酢酸イソアミルの蒸気とを混合
した匂いサンプルの濃度測定を行った。
【0036】このとき、水蒸気透過膜4aの匂いサンプ
ル流通部4bと水蒸気排出部4cとの圧力差ΔPが2a
tmとなるように加圧用エアポンプ2aを作動させると
共に、匂いサンプル導入口1から導入した匂いサンプル
の流量に占める流量率を約70%に設定するようにパー
ジガス量調節弁13aを調節した。また、匂い検知体7
dとしては、アゾレクチンをクロロホルム溶液に溶解
し、圧電体基板7aの略中央部に成膜後、乾燥させた膜
厚80nmの薄膜を用いた。
【0037】また、室温は25℃であるので、匂い検知
室5の内壁面の温度も約25℃であり、このとき匂い検
知体7dの温度が−5℃となるように冷却手段8を作動
させた。
【0038】斯くして、匂い成分の酢酸イソアミルの濃
度を種々変えながら、匂い検知体7dの発振周波数の低
下を測定すると、図7のAの如き結果となった。
【0039】因みに、図7のBは、匂い検知体7dの温
度を25℃とした場合に、上述と同じ酢酸イソアミルを
用いて、匂い検知体7dの発振周波数の低下を測定した
際の測定感度を示したものである。
【0040】これによると、冷却手段8を用いて匂い検
知体7dの温度を低下させた方が、測定感度が良くなっ
ていることが分かる。
【0041】更に、水蒸気除去ユニット4を用いずに、
匂いサンプル導入口1から直接匂い検知室5に導入し
て、匂い検知体7dの温度が−5℃となるように冷却手
段8を作動させた場合には、匂い検知体7dの表面に結
露が生じ、匂い成分の濃度の測定は全く不可能であっ
た。
【0042】一方、第2の実施例として、図2に示す匂
い検知装置に図5に示すパージ機構13を装着した匂い
検知装置を用いて匂い成分の濃度測定を行った。
【0043】上述の検知装置を用いて、例えば室温25
℃の雰囲気中において、温度25℃、相対湿度10%の
空気と、バナナの香気に似た酢酸イソアミルの蒸気50
ppmとを混合した匂いサンプルを匂いサンプル導入口
1に導入した。
【0044】このとき、水蒸気透過膜4aの匂いサンプ
ル流通部4bと水蒸気排出部4cとの圧力差ΔPが1a
tm弱となるように減圧用エアポンプ2bを作動させる
と共に、匂いサンプル導入口1から導入した匂いサンプ
ルの流量に占める流量率を約50%に設定するようにパ
ージガス量調節弁13aを調節した。また、匂い検知体
7dとしては、ポリスチレンを圧電体基板7aの略中央
部に真空蒸着した膜厚160nmの薄膜を用いた。
【0045】また、室温は25℃であるので、匂い検知
室5の内壁面の温度も約25℃であり、このとき匂い検
知体7dの温度が−5℃となるように冷却手段8を作動
させた結果、発振周波数の低下量は150Hzとなり、
匂い検知体の温度を低下させないときと比べて測定感度
はこれまた向上した。
【0046】次に、匂い検知手段7として光吸収スペク
トル検知型を用いた例を図8に基づいて述べる。尚、上
述の実施例と同一構成については同一番号を付してお
り、上述の伝達特性検知型の検知装置と異なる点は、匂
い検知手段7の代わりに図8に示す検知手段を用いるこ
とである。
【0047】図8において、7a−1は厚さ0.5mm
の硝子基板、7a−2は匂い成分が付着乃至吸着するこ
とによって光吸収スペクトルが変化する、硝子基板7a
−1上に形成された機能性色素膜であり、この色素膜7
a−2はトリフェニルメタン系化合物
【0048】
【化1】
【0049】1g、酢酸セルロース5g、及びビスフェ
ノールA
【0050】
【化2】
【0051】10gをテトラヒドロフラン25mlに溶
解させた溶液を硝子基板上にスピンコート法により形成
したものであり、この色素膜7a−2の光吸収スペクト
ル変化の最大となる波長は606nmである。
【0052】7a−3は硝子基板7a−1の低温接点部
8a側に形成されたクロムからなる反射層、14は機能
性色素膜7a−2の光吸収スペクトルの変化を検知する
検知手段であり、発光ダイオード14aから放出された
光は、レンズ14cによって集光された後、窓14eを
透過し、機能性色素膜7a−2に照射される。機能性色
素膜7a−2に吸収されることなく透過したした光は、
反射層7a−3で反射されて、再び機能性色素膜7a−
2を裏側から照射する。機能性色素膜7a−2を2回透
過した光は、光フィルター14dによって機能性色素膜
7a−2の光吸収スペクトル変化が最大となる波長付近
のもののみが選別されて、フォトダイオード14bによ
って検出される。この場合、機能性色素膜7a−2によ
る光吸収の強度が大きい場合には、フォトダイオード1
4bによって検出される光強度は小さくなり、逆に光吸
収の強度が小さい場合には、検出される光強度は大きく
なる。
【0053】尚、光フィルター14dとしては、機能性
色素膜7a−2の光吸収スペクトル変化が最大となる波
長でもっとも透過率が高くなるような干渉フィルターが
用いられ、また発光ダイオード14aとしては、機能性
色素膜7a−2の光吸収スペクトル変化が最大となる波
長付近で、最も発光強度が高くなるものが好ましい。
【0054】斯る構成において、例えば室温25℃の雰
囲気中において、温度25℃、相対湿度10%の空気と
エタノールの蒸気1%とを混合した匂いサンプル、及び
エタノールを全く含まないサンプルを図8に示す匂い検
知装置を用いて匂い成分の濃度測定を行った。
【0055】このとき、水蒸気透過膜4aの匂いサンプ
ル流通部4bと水蒸気排出部4cとの圧力差ΔPが2a
tmとなるように加圧用エアポンプ2aを作動させると
共に、匂いサンプル導入口1から導入した匂いサンプル
の流量に占める流量率を約70%に設定するようにパー
ジガス量調節弁13aを調節した。また、室温は25℃
であるので、匂い検知室5の内壁面の温度も約25℃で
あり、このとき色素膜7a−2の温度が0℃となるよう
に冷却手段8を作動させた。
【0056】この結果、色素膜7a−2の温度を25℃
とした場合、フォトダイオード14aによって検出され
る光強度は、エタノールを含まないサンプルでは0.9
となり、エタノールを含む匂いサンプルでは1.0とな
った。
【0057】一方、色素膜7a−2の温度を0℃とした
場合には、フォトダイオード14aによって検出される
光強度は、エタノールを含まないサンプルでは0.9と
なり、またエタノールを含む匂いサンプルでは10.0
となり、測定感度が非常に向上していることが分かる。
【0058】最後に、匂い検知手段7として導電率、又
は誘電率の変化を検知する導電率、又は誘電率検知型を
用いた実施例を図1を参照しながら説明する。
【0059】この場合には、匂い検知手段7の代わり
に、低温接点部8a上に電気的絶縁性のフィルム、電
極、有機薄膜、及び網膜状電極を積層形成することによ
り実現することができる。このとき、匂い成分が付着乃
至吸着することにより導電率が変化する有機薄膜とし
て、ポリピロール、ポリチオフェン又はポリアニリンが
挙げられ、また誘電率が変化する有機薄膜として、フェ
ノール樹脂、セルロースアセテートブチレート等が挙げ
られる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、測定したい匂いサンプ
ル中の匂い成分の濃度測定時、冷却手段を作動させて匂
い検知体を低温状態に冷却することによって、匂い検知
体に付着乃至吸着する匂い成分の付着、又は吸着量を増
加させることができる。
【0061】この結果、匂いサンプル中の匂い成分が僅
かであったとしても感度良く、その匂い成分を検知する
ことができる。
【0062】更に、匂いサンプル中に多量の水蒸気が含
まれていたとしても、水蒸気除去手段にて匂いサンプル
中の水蒸気を除去することができるので、匂い検知体を
冷却手段によって冷却したとしても結露を防ぐことがで
き、匂いサンプル中の水蒸気による匂い検知体の誤動作
を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の匂い検知装置の概略図
【図2】本発明の第2の匂い検知装置の概略図
【図3】匂い検知室5内に設けられた匂い検知手段7の
断面概略図
【図4】匂い検知手段7の構造図
【図5】パージ機構9を備えた水蒸気除去ユニット4の
概略図
【図6】パージ機構9を用いたときの水蒸気除去ユニッ
ト4を通過する匂いサンプルの流量率とそのときの大気
圧露点との特性図
【図7】本発明と従来における測定感度の比較を示す図
【図8】本発明の光吸収スペクトル検知型に用いる匂い
検知手段の断面概略図
【図9】従来の匂い検知装置の概略図
【図10】従来の匂い検知装置に用いるセンサの概略拡
大図
【符号の説明】
1 匂いサンプル導入口 2a 加圧用エアポンプ 2b 減圧用エアポンプ 3 ダストフィルタ 4 水蒸気除去ユニット 4a 水蒸気透過膜 4b 匂いサンプル流通部 4c 水蒸気排出部 5 匂い検知室 6 排気管 7 匂い検知手段 7a 圧電体基板 7b 櫛型励振電極 7c 櫛型受信電極 7d 匂い検知体 7a−1 硝子基板 7a−2 機能性色素膜 7a−3 反射層 8 冷却手段 9 断熱材 10 帰還増幅回路 11 周波数カウンタ 12 演算手段 13 パージ機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 賢一 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 匂いサンプル中の水蒸気を所定量除去す
    る水蒸気除去手段と、該水蒸気除去手段の下流側に配さ
    れ、低温状態で匂いサンプル中の匂い成分を付着乃至吸
    着する匂い検知体を備えた匂い検知手段と、上記匂い検
    知体を低温状態に冷却する冷却手段と、上記匂い検知体
    における匂いサンプル中の匂い成分の付着乃至吸着に伴
    って、上記匂い検知体表面を伝播する弾性表面波の伝達
    特性の変化を検知する伝達特性検知手段と、を備え、 所定量の水蒸気が除去された匂いサンプルを上記匂い検
    知体に導くと共に、上記冷却手段によって上記匂い検知
    体を冷却し、該匂い検知体に付着乃至吸着する匂い成分
    の付着又は吸着量の増加に伴って変化する上記匂い検知
    体表面を伝播する弾性表面波の伝達特性の変化を伝達特
    性検知手段によって検知することを特徴とする匂い検知
    装置。
  2. 【請求項2】 匂いサンプル中の水蒸気を所定量除去す
    る水蒸気除去手段と、該水蒸気除去手段を通過した匂い
    サンプル中の匂い成分を低温状態において付着乃至吸着
    することによって光吸収スペクトルが変化する匂い検知
    体と、該匂い検知体を冷却する冷却手段と、上記匂い成
    分が匂い検知体に付着乃至吸着することによって、上記
    匂い検知体の光吸収スペクトルの特性変化を検知するス
    ペクトル特性検知手段と、を備え、 所定量の水蒸気が除去された匂いサンプルを上記匂い検
    知体に導くと共に、上記冷却手段によって上記匂い検知
    体を冷却し、該匂い検知体に付着乃至吸着する匂い成分
    の付着又は吸着量の増加に伴って変化する上記匂い検知
    体の光吸収スペクトルの特性変化をスペクトル特性検知
    手段によって検知することを特徴とする匂い検知装置。
  3. 【請求項3】 上記匂い検知体の低温状態は25℃以下
    であることを特徴とする請求項1、又は2記載の匂い検
    知装置。
  4. 【請求項4】 上記水蒸気除去手段は中空糸からなり、
    該中空糸の外圧より内圧を高く設定したことを特徴とす
    る請求項1、又は2記載の匂い検知装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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