JP2002284514A - グラファイトシートおよびグラファイトシートを用いた放熱装置 - Google Patents
グラファイトシートおよびグラファイトシートを用いた放熱装置Info
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Abstract
好適なグラファイトシートを提供すること。 【解決手段】グラファイトシート10の表面の所定の位
置に多数の筋11を互いに平行に形成する。
Description
およびグラファイトシートを用いた放熱装置に係り、と
くに熱伝導性を改善したグラファイトシートおよび半導
体素子の放熱に用いて好適な放熱装置に関する。
鉛)、および無定形炭素の形態で安定に存在する。この
内とくにグラファイトは黒色不透明であって六方晶系の
結晶構造を有し、電気および熱の導体である。
る。そしてこのような天然のグラファイトを圧延するこ
とによってグラファイトシートが得られる。またアクリ
ロニトリルを用いたアクリル系樹脂フィルム等の有機合
成フィルムを無酸素下で焼成すると、シート状のグラフ
ァイトが得られる。シート状のグラファイトは柔軟性お
よび圧縮弾性があり、しかも相手材となじみがよいため
に、ガスケットやパッキンの原料として広く利用されて
いる。
基板上に実装された半導体素子、とくに中央演算処理素
子(CPU)は、その内部を通る電流によるジュール熱
によって発熱し、場合によってはその表面の温度が10
0℃以上に達する場合がある。また携帯電話等の小型の
携帯情報端末において、その回路基板上に搭載されてい
る半導体素子の温度が上昇し易い。そこでこれらの半導
体素子の冷却のために、グラファイトシートを用いるこ
とが試みられている。ところが従来のグラファイトシー
トによれば、必ずしも十分な放熱効果が得られなかっ
た。
トシートの表面に所定の加工を施すことによって、その
熱伝導性が大幅に改善されることを見出した。本願の発
明はこのような知見に基いてなされたものである。
ラファイトシートおよびこのようなグラファイトシート
を用いた放熱装置を提供することを目的とする。
状をなすグラファイトシートにおいて、その表面に所定
の方向に延びる筋を形成したことを特徴とするグラファ
イトシートに関するものである。ここで筋を形成した表
面の所定の位置に平坦部を形成してよい。
したグラファイトシートを発熱部と接触させ、前記グラ
ファイトシートによって所定の位置に熱を逃がすことを
特徴とする放熱装置に関するものである。ここで半導体
素子の表面に接触させて該半導体素子が発生する熱を逃
がすようにしてよい。また筋を形成した表面の所定の位
置に平坦部を形成し、該平坦部を半導体素子の表面と接
触させることが好ましい。
延してシート状に構成したグラファイトシートと、高分
子フィルムを焼成してシート状にしたグラファイトシー
トと、から構成され、前記天然の黒鉛のグラファイトシ
ートに筋を形成し、しかも該天然の黒鉛のグラファイト
シートの連結部を高分子フィルムから成るグラファイト
シートによって構成したことを特徴とする放熱装置に関
するものである。
トの片面または両面において前記高分子フィルムから成
るグラファイトシートによって連結するようにしてよ
い。また前記天然の黒鉛のグラファイトシートと前記高
分子フィルムから成るグラファイトシートとが異方性導
電膜から成る接着層を介して接着されるようにしてよ
い。また前記異方性導電膜中の導電性粒子によって前記
異方性導電膜の厚さ方向に熱が流動するようにしてよ
い。
態によって説明する。図1は本願の一実施の形態に係る
グラファイトシートを示すものである。ここで用いられ
ているグラファイトシート10は天然の黒鉛を圧延して
シート状に構成したものである。そしてこのようなグラ
ファイトシート10の表面には互いに平行に無数の筋1
1が形成されている。このような筋11は所定の方向、
例えばこのシート10の長さ方向あるいは幅方向に形成
されてよい。
シート10の一方の表面のみに筋11を形成してよい。
あるいはまた図2Bおよび図2Cに示すように、グラフ
ァイトシート10の両側の表面にそれぞれ筋11を形成
するようにしてよい。ここで表面の筋11と裏面の筋1
1とが互いに同相で形成されてよい。あるいはまた図2
Cに示すように互いに逆相に形成されてよい。
ている。ここではグラファイトシート10の表面におい
て互いに直交する2方向、すなわちその長さ方向と幅方
向とにそれぞれ筋11を形成している。
11とともに平坦部15を形成するようにしている。す
なわちグラファイトシート10の表面の筋11は平坦部
15においては欠如されている。
る筋11のピッチは、0.02〜5.0mmの範囲内で
あってよく、とくに0.5〜2.0mmの範囲内である
ことが好ましい。またこのような筋11の谷の深さは、
このグラファイトシートの厚みによって異なるが、グラ
ファイトシート10の元の厚さの1/2以上の深さとす
ることが好ましい。また筋11の深さは、上述の筋11
のピッチに比例し、筋11のピッチが細かい場合には筋
11の深さが浅くなるとともに、筋11のピッチが粗い
場合にはその深さも深くすることが望ましい。
筋の形成について説明すると、図5に示すように上下一
対のロール21、22によってグラファイトシート10
の筋加工を行なう。上下のロール21、22にはそれぞ
れ円周方向に延びる筋23、24が所定のピッチでその
全幅に形成されている。従ってこれらのロール21、2
2間を上記グラファイトシート10を通過させると、こ
のグラファイトシート10の表面に筋11が形成される
ことになる。
には、図6に示すように上下のロール21、22にそれ
ぞれ筋23、24とともに平坦な突部25を形成するよ
うにしておけばよい。これらのロール21、22間をグ
ラファイトシート10を通過させると、ロール21、2
2の筋23、24によってグラファイトシート10の表
面に筋11が形成される。このとき同時に平坦な突部2
5によってグラファイトシート10の表面に平坦部15
が形成される。
15の形成は、ロール21、22による筋加工の後に、
図7に示すように押圧板30で形成してもよい。この場
合には図7Aに示すように筋11を形成したグラファイ
トシート10をベース32上に載置する。そして押圧板
31を上から載せて上方から押圧する。すると押圧板3
0の表面に形成されている突部31がグラファイトシー
ト10の表面を押圧し、これによって押圧板30の突部
31と対応する部分が平坦部15になる。従ってこのよ
うな方法によれば、筋加工した後のグラファイトシート
10の表面の所定の位置に平坦部15が形成される。
る筋11の形成のための加工や平坦部15の形成の加工
の際の圧力は、グラファイトシート10に対してその表
面に1.0Kg/cm2 〜1ton/cm2 の範囲
内の圧力を加えることによって形成される。とくに好ま
しい圧力は、5Kg/cm2 〜50Kg/cm2の範
囲内である。
用いた放熱装置について説明する。図8および図9はこ
のようなグラファイトシート10を用いて半導体素子を
放熱させる状態を示している。電子機器の回路基板40
上にはチップ部品41とともに半導体素子42が搭載さ
れている。なお半導体素子42はその側端部にそれぞれ
リード43を備え、これらのリード43が図9に示すよ
うに回路基板40の接続用ランドに半田付けされて接続
されている。
ように所定の形状に切断されたグラファイトシート10
が接合される。このときにグラファイトシート10の表
面の平坦部15を半導体素子42の表面に圧接すること
が好ましい。平坦部15が半導体素子42に圧接される
と、半導体素子42で発生する熱を効率的にグラファイ
トシート10側に逃がすことになる。またこのときにグ
ラファイトシート10の熱の伝導方向に筋11が形成さ
れるようにして用いる。なおグラファイトシート10の
先端側の部分は放熱手段、例えばヒートシンクや放熱板
に接触される。
ような熱を発生し易い素子42の熱をグラファイトシー
ト10によって容易に吸収し、所定の位置に逃がすこと
が可能になる。これによって半導体素子42の過度の温
度上昇が防止され、発熱に伴うトラブルを解消できるよ
うになる。
している。ここでは2枚のグラファイトシート10を重
ねて用いるようにしている。すなわちグラファイトシー
ト10を単体で用いる代りに、2枚重ねて用いる。この
ときにそれぞれのグラファイトシート10の筋11が互
いに対向するとともに、これらが互いに同じ方向に延び
るように接合する。このような二重のグラファイトシー
ト10から成る放熱装置によれば、さらに放熱性が高ま
ることが実験によって確認されている。
熱特性を測定した結果を示すものである。すなわち所定
の寸法に切断されたグラファイトシート10の一端を熱
源に接触させるとともに、他端側の部分が熱伝導によっ
て徐々に昇温するのを時間に対して測定したものであ
る。
トに対して、筋付きのグラファイトシート10の場合に
は、温度の上昇速度が約30%早くなることが確認され
た。また筋付きのグラファイトシートを2枚重ねた二重
の放熱装置によれば、鎖線で示すように従来のグラファ
イトシートに比べて約40%早く温度上昇することが確
認された。
ように、従来の平坦なグラファイトシートに比べて、筋
11を表面に形成したグラファイトシート10を用いる
ことによって、その放熱特性が改善される。また筋付き
のグラファイトシート10を2枚重ねて使用するとさら
に放熱性が高まることが明白になっている。
って説明する。この実施例の形態は天然の黒鉛から成り
しかも筋11を有するグラファイトシート10と、アク
リルやポリイミドのような高分子フィルムを焼成して成
るグラファイトシート50とを組合わせて放熱装置を構
成したものである。ここでとくに高分子フィルムから成
るグラファイトシート50は、屈曲に対する強度が大き
いことから、天然の黒鉛から成るグラファイトシート1
0の連結部であって屈曲される部分に好適に用いられ
る。しかも放熱装置の大半を安価な天然の黒鉛から成る
グラファイトシート10で構成するために、全体あるい
は大半を高分子フィルムから成るグラファイトシート5
0で構成するより、大幅にコストダウンを図ることがで
きる。
した一対の天然の黒鉛から成るグラファイトシート10
を短冊状の高分子フィルムから成るグラファイトシート
50によって結合している。なおここで高分子フィルム
から成るグラファイトシート50として、例えば松下電
子部品株式会社製のパナソニックグラファイトシートが
用いられてよい。そして2枚のグラファイトシート10
を互いに図14に示すように重なるように配するととも
に、これらを連結する高分子フィルムから成るグラファ
イトシート50を湾曲させるようにし、これによって天
然の黒鉛から成るグラファイトシート10を高分子フィ
ルムから成るグラファイトシート50によって連結した
構造としている。
うに、2枚の天然の黒鉛から成るグラファイトシート1
0を、3枚の小さな短冊状をなす高分子フィルムから成
るグラファイトシート50によって連結している。ここ
でも高分子フィルムから成るグラファイトシート10は
上下に配される天然の黒鉛から成るグラファイトシート
10の屈曲部を連結するようにU字状に湾曲した状態で
用いられる。
ト50は、例えばアクリル樹脂やポリイミド樹脂等の特
定の高分子加工物のフィルムを酸素が存在しない雰囲気
中で、高温で焼成することによって製造される。例えば
高分子フィルムを窒素ガス等の不活性ガス中で2400
℃以上の温度で熱処理することによってグラファイト構
造とし、これを高温処理することによって発泡状態と
し、さらにこれを圧延処理することによって柔軟性と弾
性とを有する高分子フィルムから成るグラファイトシー
トが得られる。
ドフィルムを不活性ガス中で室温から昇温し、2500
℃以上の温度で焼成することによってグラファイトシー
トを製造することができる。このようなグラファイトシ
ートは、その厚さ方向と直交する面方向に炭素の結晶格
子が平面状に延びて厚さ方向に積層するように配列した
構造をなしており、高い熱伝導性を有する。すなわちシ
ートの面方向に600〜800W/m・Kの熱伝導率を
示すものである。しかもこのような高分子フィルムから
成るグラファイトシートは、折曲げ試験において高い屈
曲強度を有するために、とくに折曲げ部分の連結に用い
て好適なものである。
ら成るグラファイトシート50を一対の天然の黒鉛から
成るグラファイトシート10の片面に接合して連結して
よい。あるいはまた図17Bに示すように、天然の黒鉛
から成るグラファイトシート10の両面に接合して連結
してよい。すなわち高分子フィルムから成るグラファイ
トシート50を連結部に単層で用いることができ、ある
いはまた複層で用いることができる。
シート10と高分子フィルムから成るグラファイトシー
ト50との接合構造について説明する。図18に示すよ
うに、ここでは接着シート52が用いられる。接着シー
ト52にはその一方の面に離型紙53が接合され、他方
の面にトップフィルム54が接合されている。
フィルムから成るグラファイトシート50と天然の黒鉛
から成るグラファイトシート10との連結を行なう場合
には、図18Aに示すようにまず接着シート52の一方
の面に接合されている離型紙53を除去する。そしてこ
の接着シート52を天然の黒鉛から成るグラファイトシ
ート10の表面に接合する。この後に図18Bに示すよ
うにトップフィルム54を除去する。そして上記接着シ
ート52の上面に高分子フィルムから成るグラファイト
シート50を接着する。これによって高分子フィルムか
ら成るグラファイトシート50が接着シート52を介し
て天然の黒鉛から成るグラファイトシート10に連結さ
れる。
に接着剤層の中に導電性粒子57を多数分散させたもの
である。導電性粒子57は図20に示すように樹脂ボー
ル58の表面にニッケル層59を形成し、さらにその上
に金層60を形成している。なおこのような接着層は異
方性導電膜と称されており、ソニーケミカル株式会社等
によって供給されている。ここでは同社製の例えばCP
7632Kが用いられてよい。
0と高分子フィルムから成るグラファイトシート50と
を接着シート52によって接着した後に、図21に示す
ようにそれらの厚さ方向に加圧を行なうと、接着シート
52が厚さ方向に圧縮されるとともに、その中に分散さ
れている導電性粒子57が互いに接触し、これによって
厚さ方向の導通が図られるとともに、厚さ方向に高い熱
伝導性を発現する。従って接着シート52の領域におい
ては厚さ方向に熱が流動しながら天然の黒鉛から成るグ
ラファイトシート10と高分子フィルムから成るグラフ
ァイトシート50との間での熱の流動が行なわれ、これ
によって優れた放熱性を発揮することになる。
は、シート状をなすグラファイトシートにおいて、その
表面に所定の方向に延びる筋を形成したものである。
れば、その表面の筋の存在によって平坦なグラファイト
シートに比べて熱伝導率が改善されるようになり、放熱
装置に用いて好適なグラファイトシートが提供される。
を形成したグラファイトシートを発熱部と接触させ、グ
ラファイトシートによって所定の位置に熱を逃がすよう
にしたものである。
に表面に筋が形成されて放熱性が改善されたグラファイ
トシートによって効果的に放熱が行なわれることにな
る。
の黒鉛を圧延してシート状に構成したグラファイトシー
トと、高分子フィルムを焼成してシート状にしたグラフ
ァイトシートと、から構成され、天然の黒鉛のグラファ
イトシートに筋を形成し、しかも該天然の黒鉛のグラフ
ァイトシートの連結部を高分子フィルムから成るグラフ
ァイトシートによって構成したものである。
形成した天然の黒鉛から成るグラファイトシートを高分
子フィルムから成るグラファイトシートによって連結し
て放熱装置が構成されるために、とくに高分子フィルム
から成るグラファイトシートによって連結部の屈曲強度
を改善することが可能になる。
面図である。
る。
である。
る。
回路基板の斜視図である。
である。
ラフである。
である。
る。
す要部拡大断面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】シート状をなすグラファイトシートにおい
て、 その表面に所定の方向に延びる筋を形成したことを特徴
とするグラファイトシート。 - 【請求項2】筋を形成した表面の所定の位置に平坦部を
形成したことを特徴とする請求項1に記載のグラファイ
トシート。 - 【請求項3】表面に筋を形成したグラファイトシートを
発熱部と接触させ、前記グラファイトシートによって所
定の位置に熱を逃がすことを特徴とする放熱装置。 - 【請求項4】半導体素子の表面に接触させて該半導体素
子が発生する熱を逃がすことを特徴とする請求項3に記
載の放熱装置。 - 【請求項5】筋を形成した表面の所定の位置に平坦部を
形成し、該平坦部を半導体素子の表面と接触させること
を特徴とする請求項4に記載の放熱装置。 - 【請求項6】天然の黒鉛を圧延してシート状に構成した
グラファイトシートと、高分子フィルムを焼成してシー
ト状にしたグラファイトシートと、から構成され、 前記天然の黒鉛のグラファイトシートに筋を形成し、し
かも該天然の黒鉛のグラファイトシートの連結部を高分
子フィルムから成るグラファイトシートによって構成し
たことを特徴とする放熱装置 - 【請求項7】前記天然の黒鉛のグラファイトシートの片
面において前記高分子フィルムから成るグラファイトシ
ートによって連結することを特徴とする請求項6に記載
の放熱装置。 - 【請求項8】前記天然の黒鉛のグラファイトシートの両
面において前記高分子フィルムから成るグラファイトシ
ートによって連結することを特徴とする請求項6に記載
の放熱装置。 - 【請求項9】前記天然の黒鉛のグラファイトシートと前
記高分子フィルムから成るグラファイトシートとが異方
性導電膜から成る接着層を介して接着されることを特徴
とする請求項6に記載の放熱装置。 - 【請求項10】前記異方性導電膜中の導電性粒子によっ
て前記異方性導電膜の厚さ方向に熱が流動することを特
徴とする請求項9に記載の放熱装置。
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JP2001-10699 | 2001-01-18 | ||
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