JPH0543213A - 薄膜状炭素材の製造方法 - Google Patents

薄膜状炭素材の製造方法

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JPH0543213A
JPH0543213A JP3225384A JP22538491A JPH0543213A JP H0543213 A JPH0543213 A JP H0543213A JP 3225384 A JP3225384 A JP 3225384A JP 22538491 A JP22538491 A JP 22538491A JP H0543213 A JPH0543213 A JP H0543213A
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JP
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film
sheet
graphite
carbon material
shaped
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JP3225384A
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English (en)
Inventor
Koichiro Mukai
幸一郎 向井
Shuichi Okubo
修一 大窪
Masahiro Yamada
正弘 山田
Hironobu Kawasato
浩信 川里
Kenichi Fujimoto
研一 藤本
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜電極、発熱体、耐熱シールなどに使用さ
れる柔軟でかつ弾力性を持ち、良好な表面平滑性と均質
組織を備えた薄膜状炭素材を製造することを目的とす
る。 【構成】 フルオレン骨格を有するポリイミド化合物の
フィルム状及びシート状の成形体を表面が平滑な黒鉛質
の押え板に挟み込み、この状態で常圧もしくは熱間加圧
機で焼成炭化し、黒鉛化する。 【効果】 本発明によれば、表面平滑性と均質組織を有
する薄膜のフィルム状もしくはシート状の炭素材を工業
的に製造できる。従って、電気二重層キャパシター集電
体、燃料電池用セパレーター、イオンプラズマエッチン
グ用電極等に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜電極、発熱体、構
造材、耐熱シール材などに使用される柔軟でかつ弾力性
を持ち、良好な表面平滑性と均質組織をそなえたフィル
ム状もしくはシート状の薄膜状炭素材の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】通常、樹脂原料を焼成炭化したカーボン
材料は、気体不透過性、耐薬品性等の面で特に優れた特
性を有しているため、電子、化学をはじめ多くの工業分
野で使用されている。一般に、樹脂からカーボンのフィ
ルムあるいはシートを製造する場合には、フラン系樹
脂、またはフェノール系樹脂のような残炭率の高い熱硬
化性樹脂を原料とし、これを所望の形状に成形した後、
非酸化性雰囲気炉で焼成炭化、黒鉛化する方法によって
製造されている。しかし、この種の樹脂原料系を用いて
薄いフィルム状に成形することは収率面、及び品質面で
きわめて困難である。
【0003】このため、各種の有機質フィルムを炭化し
てシート状カーボンを得る方法(特開昭54−26,2
92号公報)、黒鉛化してフィルム状黒鉛を得る方法
(特開平3−75,211号公報)などが知られてい
る。この他、フェノール系、フラン系樹脂をセルロース
系繊維に含浸させてからシート状に成形し、これを炭化
する方法(特開昭60−42,213号公報)が提案さ
れている。しかし、前述の従来技術では、シートあるい
はフィルムを焼成炭化する過程で起こる収縮現象によ
り、得られるシート状もしくはフィルム状の炭素材に、
しわ、うねり、反り等が発生する。特に、大面積のも
の、もしくは厚さ1mm以上の厚いものについては、精
度の良い平滑面を形成したり、シート状にすることが難
しいなどの問題点がある。また、フラン系樹脂、フェノ
ール系樹脂は残炭率が50%弱と低いために、炭化の際
の縮合反応時に脱水、脱ガス量が多く、組織の均質なフ
ィルム状もしくはシート状の炭素材を作ることは困難で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の問題点を解決し、焼成炭化、黒鉛化の過程でし
わ、うねり、反りなどの発生を伴うことなく、優れた表
面平滑性と均質組織を備えたフィルム状もしくはシート
状の薄膜状炭素材を製造する方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、フルオレン骨
格を有する芳香族ポリイミドからなる厚さ5μm〜10
mmのフィルム状もしくはシート状の成形体を、表面が
平滑な黒鉛質の押え板に挟み込んだ状態で、非酸化性雰
囲気中で500〜800℃の範囲で焼成炭化した後、さ
らに2,200〜3,000℃で黒鉛化することを特徴
とする薄膜状炭素材の製造方法である。
【0006】一般に、芳香族ポリイミドのフィルム状も
しくはシート状の成形体を焼成炭化する場合には、この
成形体を詰め粉であるピッチコークス粒からなるブリー
ズ中に埋め込んだ後、窒素、アルゴン気流下で行われて
いる。しかしながら、これらのフィルム状もしくはシー
ト状の成形体は薄いため、これをそのままブリーズ中に
埋め込んで焼成炭化させると、角張った粒子の影響で得
られるフィルム状もしくはシート状の炭素材の表面に、
しわ、うねり、凹凸などが生じる。そこで、この問題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、これら芳香族ポリイ
ミドからなるフィルム状もしくはシート状の成形体を黒
鉛質の押え板で挟みつけて焼成炭化、黒鉛化することを
見出した。
【0007】この黒鉛質の押え板に挟んで焼成炭化する
ことにより、焼成時に生じる収縮が押え板表面で円滑に
行われ、これにより得られるフィルム状もしくはシート
状の炭素材の表面に、しわ、うねり、凹凸などが生じな
いという効果がもたらされる。また、炭化時に於ける収
縮過程をより円滑に行わしめるためには、黒鉛質の表面
が平滑なほど得られるフィルム状もしくはシート状の炭
素材の表面に発生するしわ、うねりなどが少なくなる。
このため、黒鉛質の押え板の表面は可能な限り平滑な方
がよい。
【0008】また、芳香族ポリイミドからなるフィルム
状もしくはシート状の成形体を挟み込む好ましい方法と
しては、例えば、目的とする薄膜状炭素材より大きな押
え板を2枚用意し、この2枚の板の間にフィルム状もし
くはシート状の成形体を挟み込み、これら2枚の板を外
側から軽く押圧する方法がある。
【0009】一般に、加圧を強制的に行わない状態でこ
のフィルム状もしくはシート状の成形体を黒鉛化した場
合には無定型のフィルム状もしくはシート状の炭素材に
なる。そこで、本発明では、圧力をかけてより確実に黒
鉛結晶子の配向性の向上の効果を発現させるべく、黒鉛
質の2枚の板の間に500〜800℃で焼成されたフィ
ルム状もしくはシート状の炭素材を挟み込み、これらを
等方圧熱間プレス(HIP)などの加圧加熱装置内に装
入して50kg/cm2 以上の加圧下に2,200〜
3,000℃で黒鉛化処理することにより、黒鉛化過程
で生じる黒鉛結晶子の再配列を強制的に行い、得られる
フィルム状もしくはシート状の薄膜炭素材の黒鉛結晶子
の配向性を改善する。
【0010】原料として芳香族ポリイミドを用いる理由
は、この樹脂がフラン系樹脂、フェノール系樹脂などの
熱硬化性樹脂に比べ、フィルムやシート状とする際の成
形性に優れており、均質な薄膜状のフィルム材料やシー
ト材料として容易に成形することができるからである。
本発明で用いる芳香族ポリイミド樹脂とは、フルオレン
骨格を持ったジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水
物を縮合反応して得られるもので、フルオレン骨格を持
ったジアミンとしては、例えば、9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル
−4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス
(3,5−メチル−4アミノフェニル)フルオレンなど
である。また、芳香族テトラカルボン酸二無水物として
は、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物などである。この反応によって得られた芳香族ポリ
イミド樹脂とは、例えば、次の分子構造を有するもので
ある。
【0011】ポリイミドBT(ベンゾフェノン型)
【化1】
【0012】ポリイミドBP(ビフェニル型)
【化2】
【0013】ポリイミドPBP−64(ピロメリット酸
ビフェニル型)
【化3】
【0014】そして、芳香族ポリイミドのフィルム状も
しくはシート状の成形体を挟みつけるために用いる黒鉛
質の押え板の表面は可能な限り平滑なものが良い。その
ために、この押え板の表面は研磨処理することが重要
で、できるだけ鏡面仕上げとすることが望ましい。挟み
つける内表面の表面粗さが粗いと、炭化過程での円滑な
フィルム収縮が阻害されて亀裂や破損を生じたり、表面
に凹凸が発生する原因となる。
【0015】また、芳香族ポリイミドのフィルム状もし
くはシート状の成形体の焼成時には、焼成時に生じる収
縮を阻害しない程度に加圧した状態で焼成することがフ
ィルム状の炭素材の組織を均一にするうえで重要であ
る。加圧力が強すぎると焼成時の収縮に追随しきれず亀
裂が入ることがある。
【0016】焼成炭化に際して、室温〜800℃までの
炭化速度が速すぎると縮合反応が速すぎてフィルム状の
炭素材の表面に凹凸が生じたり発生ガスにより白濁模様
や気孔、亀裂などが生じたりすることがある。そのた
め、室温〜800℃までの炭化に際して昇温速度は、1
℃/min以下にすることが望ましい。2,200〜
3,000℃まで加熱する黒鉛化の際の速度は、これよ
りも少し速くても良く、5〜10℃/minの昇温速度
としてもよい。また、焼成炭化、黒鉛化は、窒素、アル
ゴンなどの非酸化性雰囲気に保持された炭化炉、黒鉛化
炉もしくは等方圧熱間プレスを用いて加熱することによ
って行われる。
【0017】上記等方圧熱間プレスでの黒鉛化に際して
は、芳香族ポリイミドの500〜800℃の温度範囲で
焼成炭化されたフィルム状もしくはシート状の炭素材を
黒鉛質の板に挟み込み、等方圧熱間プレス機チャンバー
内に挿入し、系内を一旦真空脱気した後アルゴンガスな
どの非酸化性雰囲気で圧力を固定した状態で加熱を行
う。
【0018】
【作用】本発明によれば、成形性のよいフルオレン骨格
を持った芳香族ポリイミドのフィルムを、表面が平滑な
黒鉛質の押え板で挟みつけられた状態で焼成炭化される
ため、この段階で生じるフィルムの収縮は、平滑で潤滑
性を有した黒鉛質の押え板の面に沿って抵抗を受けるこ
となく円滑に進行するため、凹凸、しわ、うねり、反り
等の現象を抑えることができる。従って、比較的大きな
面積のフィルムでも、平滑度の良好なフィルム状の炭素
材に転化させることが可能となる。また、焼成炭化時に
発生する樹脂原料からの分解ガスは、黒鉛質の押え板の
隙間や押え板が有する微細な気孔を介して排出、もしく
は吸蔵される。このため、得られるフィルム状もしくは
シート状の炭素材には発泡痕がなく、均質でち密な組織
となる。更に、黒鉛化を押圧しつつ行うことにより光学
的異方性組織が改善され、黒鉛結晶の配向性が良好にな
る等の効果が期待される。
【0019】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
方法を具体的に説明する。
【0020】実施例1 前述のポリイミドBTの分子構造式からなる厚さ5μ
m、35μm、10mmであって、縦40mm×横12
0mmの大きさの各ポリイミドフィルム及びシートを、
嵩密度1.8〜1.9g/cm3 、挟み面を鏡面研磨し
たサイズ50w×10t×140L(単位mm)の2枚
の黒鉛質押え板の間に挟み込み、そのまま炭化炉に装入
した。その後、常圧、アルゴンガス雰囲気下で、室温〜
800℃まで0.5℃/minの速度で昇温し焼成炭化
を行った後、これを黒鉛化炉に入れて室温〜3,000
℃まで5℃/minの速度で昇温し黒鉛化を行ってフィ
ルム状、シート状の炭素材を得た。得られた各炭素材に
ついて、その結晶性、焼成時破損の状態、表面の凸凹の
状態及び電気比抵抗を観察あるいは測定した。なお、結
晶性について、それが改善されたかどうかの評価はX線
回折の半値幅測定によって判断し、また、電気比抵抗は
4端子法によるシヘト抵抗により測定した。結果を表1
に示す。
【0021】実施例2 前述のポリイミドBPの分子構造式からなる厚さ5μ
m、35μm、10mmであって、縦40mm×横12
0mmの各ポリイミドフィルム及びシートを、嵩密度
1.8〜1.9g/cm3 、挟み面を鏡面研磨したサイ
ズ50w×10t×140L(単位mm)の2枚の黒鉛
質押え板の間に挟み込み、そのまま炭化炉に装入した。
その後、常圧、アルゴンガス雰囲気下で、室温〜800
℃まで0.5℃/minの速度で昇温し焼成炭化を行っ
た後、これを黒鉛化炉に入れて室温〜3,000℃まで
5℃/minの速度で昇温し黒鉛化を行ってフィルム
状、シート状の炭素材を得た。得られた各炭素材につい
て、実施例1と同様に、その結晶性、焼成時破損の状
態、表面の凸凹の状態及び電気比抵抗を観察あるいは測
定した。結果を表1に示す。
【0022】実施例3 前述のポリイミドPBPの分子構造式からなる厚さ5μ
m、35μm、10mmであって、縦40mm×横12
0mmの各ポリイミドフィルム及びシートを、嵩密度
1.8〜1.9g/cm3 、挟み面を鏡面研磨したサイ
ズ50w×10t×140L(単位mm)の2枚の黒鉛
質押え板の間に挟み込み、そのまま炭化炉に装入した。
その後、常圧、アルゴンガス雰囲気下で、室温〜800
℃まで0.5℃/minの速度で昇温し焼成炭化を行っ
た後、これを黒鉛化炉に入れて室温〜3,000℃まで
5℃/minの速度で昇温し黒鉛化を行ってフィルム
状、シート状の炭素材を得た。得られた各炭素材につい
て、実施例1と同様に、その結晶性、焼成時破損の状
態、表面の凸凹の状態及び電気比抵抗を観察あるいは測
定した。結果を表1に示す。
【0023】実施例4 前述のポリイミドBTの分子構造式からなる厚さ5μ
m、35μm、10mmであって、縦40mm×横12
0mmの各ポリイミドフィルム及びシートを、嵩密度
1.8〜1.9g/cm3 、挟み面を鏡面研磨したサイ
ズ50w×10t×140L(単位mm)の2枚の黒鉛
質押え板の間に挟み込み、そのまま炭化炉に装入した。
その後、室温〜800℃まで0.5℃/minの速度で
昇温し焼成炭化を行った後、引き続き等方圧熱間プレス
機に装入してアルゴンガスでゲージ圧50kg/cm2
の圧力で加圧しつつ、室温〜2,200℃まで0.5℃
/minの速度で加熱を行い、さらに2,200℃〜
3,000℃まで5℃/minの速度で黒鉛化を行って
フィルム状、及びシート状の炭素材を得た。得られた各
炭素材について、実施例1と同様に、その結晶性、焼成
時破損の状態、表面の凸凹の状態及び電気比抵抗を観察
あるいは測定した。結果を表1に示す。
【0024】実施例5 前述のポリイミドBPの分子構造式からなる厚さ5μ
m、35μm、10mmであって、縦40mm×横12
0mmの各ポリイミドフィルム及びシートを、嵩密度
1.8〜1.9g/cm3 、挟み面を鏡面研磨したサイ
ズ50w×10t×140L(単位mm)の2枚の黒鉛
質押え板の間に挟み込み、そのまま炭化炉に装入し、室
温〜800℃まで0.5℃/minの速度で昇温し焼成
炭化を行った後、引き続き等方圧熱間プレス機に装入し
てアルゴンガスでゲージ圧50kg/cm2 の圧力で加
圧しつつ、室温〜2,200℃まで0.5℃/minの
速度で加熱を行い、さらに2,200〜3,000℃ま
で5℃/minの速度で黒鉛化を行ってフィルム状、及
びシート状の炭素材を得た。得られた各炭素材につい
て、実施例1と同様に、その結晶性、焼成時破損の状
態、表面の凸凹の状態及び電気比抵抗を観察あるいは測
定した。結果を表1に示す。
【0025】実施例6 前述のポリイミドPBPの分子構造式からなる厚さ5μ
m、35μm、10mmであって、縦40mm×横12
0mmの各ポリイミドフィルム及びシートを、嵩密度
1.8〜1.9g/cm3 、挟み面を鏡面研磨したサイ
ズ50w×10t×140L(単位mm)の2枚の黒鉛
質押え板の間に挟み込み、そのまま炭化炉に装入した。
その後、室温〜800℃まで0.5℃/minの速度で
昇温し焼成炭化を行った後、引き続き等方圧熱間プレス
機に装入してアルゴンガスでゲージ圧50kg/cm2
の圧力で加圧しつつ、室温〜2,200℃まで0.5℃
/minの速度で加熱を行い、さらに2,200〜3,
000℃まで5℃/minの速度で黒鉛化を行ってフィ
ルム状、及びシート状の炭素材を得た。得られた各炭素
材について、実施例1と同様に、その結晶性、焼成時破
損の状態、表面の凸凹の状態及び電気比抵抗を観察ある
いは測定した。結果を表1に示す。
【0026】比較例1 前述のポリイミドPBPの分子構造式からなる厚さ5μ
m、35μm、10mmであって、縦40mm×横12
0mmの各ポリイミドフィルム及びシートを、ブリーズ
中に埋め込み室温〜800℃まで0.5℃/minの速
度で昇温し焼成炭化を行った。得られたフィルム状又は
シート状の炭素材について、実施例1と同様に、その結
晶性、焼成時破損の状態、表面の凸凹の状態及び電気比
抵抗を観察あるいは測定した。結果を表1に示す。
【0027】比較例2 フラン系樹脂を厚さ100μmに成形した後、縦40m
m×横120mmのシート状に切断し、嵩密度1.8〜
1.9g/cm3 、挟み面を鏡面研磨したサイズ50w
×10t×140L(単位mm)の2枚の黒鉛質押え板
の間に挟み込み、炭化炉に装入し、常圧、アルゴンガス
雰囲気下で、室温〜800℃まで0.5℃/minの速
度で昇温した後、引き続き黒鉛化炉に入れて室温〜3,
000℃まで5℃/minの速度で昇温し黒鉛化を行っ
てフィルム状炭素材を得た。得られた各炭素材につい
て、実施例1と同様に、その結晶性、焼成時破損の状
態、表面の凸凹の状態及び電気比抵抗を観察あるいは測
定した。結果を表1に示す。
【0028】比較例3 フェノール系樹脂を厚さ100μmに成形した後、縦4
0mm×横120mmのシート状に切断し、嵩密度1.
8〜1.9g/cm3 、挟み面を鏡面研磨したサイズ5
0w×10t×140L(単位mm)の2枚の黒鉛質押
え板の間に挟み込み、炭化炉に装入し、常圧、アルゴン
ガス雰囲気下で、室温〜800℃まで0.5℃/min
の速度で昇温した後、引き続き黒鉛化炉に入れて室温〜
3,000℃まで5℃/minの速度で昇温して黒鉛化
を行ってフィルム炭素材を得た。得られた各炭素材につ
いて、実施例1と同様に、その結晶性、焼成時破損の状
態、表面の凸凹の状態及び電気比抵抗を観察あるいは測
定した。結果を表1に示す。
【0029】比較例4 フラン系樹脂を厚さ100μmに成形した後、縦40m
m×横120mmのシート状に切断し、嵩密度1.8〜
1.9g/cm3 、挟み面を鏡面研磨したサイズ50w
×10t×140L(単位mm)の2枚の黒鉛質押え板
の間に挟み込み、炭化炉に装入し、室温〜800℃まで
0.5℃/minの速度で昇温し焼成炭化を行った後、
等方圧熱間プレス機に装入してアルゴンガス雰囲気下に
50kg/cm2 の圧力で加圧しつつ、室温〜2,20
0℃まで0.5℃/minの速度で加熱を行い、さらに
2,200〜3,000℃まで5℃/minの速度で昇
温し黒鉛化を行ってフィルム状、及びシート状の炭素材
を得た。得られた各炭素材について、実施例1と同様
に、その結晶性、焼成時破損の状態、表面の凸凹の状態
及び電気比抵抗を観察あるいは測定した。結果を表1に
示す。
【0030】比較例5 フェノール系樹脂を厚さ100μmに成形した後、縦4
0mm×横120mmのシート状に切断し、嵩密度1.
8〜1.9g/cm3 、挟み面を鏡面研磨したサイズ5
0w×10t×140L(単位mm)の2枚の黒鉛質押
え板の間に挟み込み、炭化炉に装入し室温〜800℃ま
で0.5℃/minの速度で昇温し焼成炭化を行った
後、等方圧熱間プレス機に装入してアルゴンガス雰囲気
下に50kg/cm2 の圧力で加圧しつつ、室温〜2,
200℃まで0.5℃/minの速度で加熱を行い、さ
らに2,200〜3,000℃まで5℃/minの速度
で昇温し黒鉛化を行ってフィルム状、及びシート状の炭
素材を得た。得られた各炭素材について、実施例1と同
様に、その結晶性、焼成時破損の状態、表面の凸凹の状
態及び電気比抵抗を観察あるいは測定した。結果を表1
に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、表面平滑
性と均質ち密組織を有するカーボンフィルム又はカーボ
ンシートを工業的に製造することができる。従って、電
気二重層キャパシターの集電体、燃料電池用セパレータ
ー、イオンプラズマエッチング用電極などの均質ち密質
炭素材が要求される用途分野に幅広く利用することがで
きる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】実施例1 前述のポリイミドBTの分子構造式からなる厚さ5μ
m、35μm、10mmであって、縦40mm×横12
0mmの大きさの各ポリイミドフィルム及びシートを、
嵩密度1.8〜1.9g/cm3 、挟み面を鏡面研磨し
たサイズ50w×10t×140L(単位mm)の2枚
の黒鉛質押え板の間に挟み込み、そのまま炭化炉に装入
した。その後、常圧、アルゴンガス雰囲気下で、室温〜
800℃まで0.5℃/minの速度で昇温し焼成炭化
を行った後、これを黒鉛化炉に入れて室温〜3,000
℃まで5℃/minの速度で昇温し黒鉛化を行ってフィ
ルム状、シート状の炭素材を得た。得られた各炭素材に
ついて、その結晶性、焼成時破損の状態、表面の凸凹の
状態及び電気比抵抗を観察あるいは測定した。なお、結
晶性について、それが改善されたかどうかの評価はX線
回折の半値幅測定によって判断し、また、電気比抵抗は
4端子法によるシート抵抗により測定した。結果を表1
に示す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 正弘 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 川里 浩信 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 藤本 研一 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオレン骨格を有する芳香族ポリイミ
    ドからなる厚さ5μm〜10mmのフィルム状もしくは
    シート状の成形体を表面が平滑な黒鉛質の押え板に挟み
    込んだ状態で、非酸化性雰囲気中で500〜800℃の
    範囲で焼成炭化した後、さらに2,200〜3,000
    ℃で黒鉛化することを特徴とする薄膜状炭素材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 焼成炭化したフィルム状もしくはシート
    状成形体を、黒鉛質の押え板に挟み込み押圧しながら黒
    鉛化する請求項1記載の薄膜状炭素材の製造方法。
JP3225384A 1991-08-12 1991-08-12 薄膜状炭素材の製造方法 Withdrawn JPH0543213A (ja)

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