JPH06100367A - 異方性炭素−炭素複合材料およびその製造方法 - Google Patents
異方性炭素−炭素複合材料およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH06100367A JPH06100367A JP4246707A JP24670792A JPH06100367A JP H06100367 A JPH06100367 A JP H06100367A JP 4246707 A JP4246707 A JP 4246707A JP 24670792 A JP24670792 A JP 24670792A JP H06100367 A JPH06100367 A JP H06100367A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon
- tape
- composite material
- anisotropic
- pitch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】熱伝導性および電気伝導性において異方性を示
す黒鉛系材料の強度特性を改善することを主な目的とす
る。 【構成】 1. 電気的および熱的に異方性を有するテープ状黒鉛
化フィルムを複数枚積層してなる異方性炭素−炭素複合
材料。 2. 電気的および熱的に異方性を有するテープ状黒鉛
化フィルムに有機バインダーを塗布したプリプレグを複
数枚重合わせ、圧縮した後、不活性雰囲気中で加熱して
バインダーの炭化および/または黒鉛化を行なうことを
特徴とする異方性炭素−炭素複合材料の製造方法。
す黒鉛系材料の強度特性を改善することを主な目的とす
る。 【構成】 1. 電気的および熱的に異方性を有するテープ状黒鉛
化フィルムを複数枚積層してなる異方性炭素−炭素複合
材料。 2. 電気的および熱的に異方性を有するテープ状黒鉛
化フィルムに有機バインダーを塗布したプリプレグを複
数枚重合わせ、圧縮した後、不活性雰囲気中で加熱して
バインダーの炭化および/または黒鉛化を行なうことを
特徴とする異方性炭素−炭素複合材料の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気的および熱的に異
方性の炭素−炭素複合材料に関する。
方性の炭素−炭素複合材料に関する。
【0002】本発明において、“%”とあるのは、“重
量%”を意味するものとする。
量%”を意味するものとする。
【0003】
【従来技術とその問題点】特公昭44−23966号公
報は、「原粒子の“C”方向寸法の少なくとも80倍を
有する膨脹した黒鉛粒子を接着剤の不存在下に予定厚さ
および少なくとも80kg/m3 の密度に圧縮すること
を特徴とする可撓黒鉛シート材料の製造方法」を開示し
ている。この方法においては、黒鉛を濃硫酸−濃硝酸で
処理し、乾燥して膨脹黒鉛を得た後、シート状に加工し
ている。この方法により得られる可撓黒鉛シート材料
は、この方法に言及している特開昭64−14139号
公報の記載から明らかな様に、確かに面方向/厚さ方向
の熱伝導比が30/1であり、面方向/厚さ方向の電気
抵抗比が1/43であって、熱的および電気的な異方性
を示している。しかしながら、この異方性黒鉛シート材
料は、抗張力は、最大で2.25kg/mm2 、引張弾
性係数は、最大で0.39ton/mm2 であり、強度
的には極めて弱い材料である。
報は、「原粒子の“C”方向寸法の少なくとも80倍を
有する膨脹した黒鉛粒子を接着剤の不存在下に予定厚さ
および少なくとも80kg/m3 の密度に圧縮すること
を特徴とする可撓黒鉛シート材料の製造方法」を開示し
ている。この方法においては、黒鉛を濃硫酸−濃硝酸で
処理し、乾燥して膨脹黒鉛を得た後、シート状に加工し
ている。この方法により得られる可撓黒鉛シート材料
は、この方法に言及している特開昭64−14139号
公報の記載から明らかな様に、確かに面方向/厚さ方向
の熱伝導比が30/1であり、面方向/厚さ方向の電気
抵抗比が1/43であって、熱的および電気的な異方性
を示している。しかしながら、この異方性黒鉛シート材
料は、抗張力は、最大で2.25kg/mm2 、引張弾
性係数は、最大で0.39ton/mm2 であり、強度
的には極めて弱い材料である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱伝導性お
よび電気伝導性において異方性を示す黒鉛系材料の強度
特性を改善することを主な目的とする。
よび電気伝導性において異方性を示す黒鉛系材料の強度
特性を改善することを主な目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
従来技術の現状に鑑みて研究を進める過程で、本発明者
らが先に完成したテープ状ピッチ系炭素フィルムの黒鉛
化物(特開平3−93613号公報参照;以下テープ状
黒鉛化フィルムという)を用いて異方性黒鉛材料を製造
することを着想した。そして、さらに研究を重ねた結
果、遂に本発明を完成するに至ったものである。
従来技術の現状に鑑みて研究を進める過程で、本発明者
らが先に完成したテープ状ピッチ系炭素フィルムの黒鉛
化物(特開平3−93613号公報参照;以下テープ状
黒鉛化フィルムという)を用いて異方性黒鉛材料を製造
することを着想した。そして、さらに研究を重ねた結
果、遂に本発明を完成するに至ったものである。
【0006】即ち、本発明は、下記の異方性炭素−炭素
複合材料およびその製造方法を提供する: 1. 電気的および熱的に異方性を有するテープ状黒鉛
化フィルムを複数枚積層してなる異方性炭素−炭素複合
材料。
複合材料およびその製造方法を提供する: 1. 電気的および熱的に異方性を有するテープ状黒鉛
化フィルムを複数枚積層してなる異方性炭素−炭素複合
材料。
【0007】2. 電気的および熱的に異方性を有する
テープ状黒鉛化フィルムに有機バインダーを塗布したプ
リプレグを複数枚重合わせ、圧縮した後、不活性雰囲気
中で加熱してバインダーの炭化および/または黒鉛化を
行なうことを特徴とする異方性炭素−炭素複合材料の製
造方法。
テープ状黒鉛化フィルムに有機バインダーを塗布したプ
リプレグを複数枚重合わせ、圧縮した後、不活性雰囲気
中で加熱してバインダーの炭化および/または黒鉛化を
行なうことを特徴とする異方性炭素−炭素複合材料の製
造方法。
【0008】本発明で使用するテープ状黒鉛化フィルム
は、前述の様に、例えば、特開平3−93613号公報
に記載された方法により製造される。このテープ状黒鉛
化フィルムは、黒鉛結晶のa軸およびb軸が主として面
方向に配向した特異な結晶構造を有しているので、フィ
ルムの面方向と厚さ方向とが結晶学的に極めて大きな異
方性を呈するが見出された。。その結果、このフィルム
の面方向は、厚さ方向に比して、熱伝導性および電気伝
導性が極めて大きいことが判明した。従って、複数枚の
テープ状黒鉛化フィルムからなる積層体は、熱および電
気の伝導性に関して、極めて大きな異方性を示す。
は、前述の様に、例えば、特開平3−93613号公報
に記載された方法により製造される。このテープ状黒鉛
化フィルムは、黒鉛結晶のa軸およびb軸が主として面
方向に配向した特異な結晶構造を有しているので、フィ
ルムの面方向と厚さ方向とが結晶学的に極めて大きな異
方性を呈するが見出された。。その結果、このフィルム
の面方向は、厚さ方向に比して、熱伝導性および電気伝
導性が極めて大きいことが判明した。従って、複数枚の
テープ状黒鉛化フィルムからなる積層体は、熱および電
気の伝導性に関して、極めて大きな異方性を示す。
【0009】本発明で使用するテープ状黒鉛化フィルム
は、通常以下の様にして製造される。先ず、紡糸用ピッ
チをスリット状ノズルから押出し、押出された面状のピ
ッチを牽引して、巻取装置に巻き取る。この巻取の過程
では、牽引により幅が減少しつつある面状ピッチの幅方
向両端面近傍に、且つスリット中央点を通るスリット長
さ方向の面に垂直な仮想面に対称な方向に、面状ピッチ
が十分に固化する前に、外向き成分および下向き成分を
有する気流を吹き付けてテープ状ピッチフィルムを製造
する。次いで、得られたテープ状ピッチフィルムを不融
化し、炭化し、さらに2000℃以上で黒鉛化する。
は、通常以下の様にして製造される。先ず、紡糸用ピッ
チをスリット状ノズルから押出し、押出された面状のピ
ッチを牽引して、巻取装置に巻き取る。この巻取の過程
では、牽引により幅が減少しつつある面状ピッチの幅方
向両端面近傍に、且つスリット中央点を通るスリット長
さ方向の面に垂直な仮想面に対称な方向に、面状ピッチ
が十分に固化する前に、外向き成分および下向き成分を
有する気流を吹き付けてテープ状ピッチフィルムを製造
する。次いで、得られたテープ状ピッチフィルムを不融
化し、炭化し、さらに2000℃以上で黒鉛化する。
【0010】この様にして得られたテープ状黒鉛化フィ
ルムは、面方向と厚さ方向とで結晶構造が異なり、異方
性の熱的および電気的伝導特性を示す。この様なテープ
状黒鉛化フィルムにおける面方向(a軸およびb軸方
向)と厚さ方向(c軸方向)の熱伝導率および電気抵抗
の例を表1に示す。
ルムは、面方向と厚さ方向とで結晶構造が異なり、異方
性の熱的および電気的伝導特性を示す。この様なテープ
状黒鉛化フィルムにおける面方向(a軸およびb軸方
向)と厚さ方向(c軸方向)の熱伝導率および電気抵抗
の例を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1に示す結果から、黒鉛化温度に依存し
て、熱伝達率の面方向/厚さ方向の比は3:1〜30
0:1程度の範囲内で変化し、電気抵抗の面方向/厚さ
方向の比は1:45〜1:70程度の範囲内で変化して
いることが明らかである。この結果は、黒鉛化温度を選
択することにより、前述の特公昭44−23966号公
報に記載の公知技術に比して、テープ状黒鉛化フィルム
の熱的および電気的異方性を広い範囲で調整し得ること
を示している。
て、熱伝達率の面方向/厚さ方向の比は3:1〜30
0:1程度の範囲内で変化し、電気抵抗の面方向/厚さ
方向の比は1:45〜1:70程度の範囲内で変化して
いることが明らかである。この結果は、黒鉛化温度を選
択することにより、前述の特公昭44−23966号公
報に記載の公知技術に比して、テープ状黒鉛化フィルム
の熱的および電気的異方性を広い範囲で調整し得ること
を示している。
【0013】また、表2に上記に熱的特性および電気的
特性を示したテープ状黒鉛化フィルムの力学的特性を示
す。
特性を示したテープ状黒鉛化フィルムの力学的特性を示
す。
【0014】
【表2】
【0015】表2に示す結果から明らかな様に、本発明
で使用するテープ状黒鉛化フィルムは、抗張力が最大で
2.25kg/mm2 、引張弾性係数が最大で0.39
ton/mm2 である前述の特公昭44−23966号
公報に記載の黒鉛シート材料に比して、強度的にも、極
めて優れている。
で使用するテープ状黒鉛化フィルムは、抗張力が最大で
2.25kg/mm2 、引張弾性係数が最大で0.39
ton/mm2 である前述の特公昭44−23966号
公報に記載の黒鉛シート材料に比して、強度的にも、極
めて優れている。
【0016】本発明による異方性炭素−炭素複合材料
は、上記のテープ状黒鉛化フィルムにピッチ、フェノー
ル樹脂、ポリイミド樹脂、ビニルエステル樹脂などの有
機バインダーを塗布して、プリプレグを調製した後、こ
れを複数枚積層し、圧縮した後、不活性雰囲気中で加熱
してバインダーの炭化および/または黒鉛化を行なうこ
とにより製造される。
は、上記のテープ状黒鉛化フィルムにピッチ、フェノー
ル樹脂、ポリイミド樹脂、ビニルエステル樹脂などの有
機バインダーを塗布して、プリプレグを調製した後、こ
れを複数枚積層し、圧縮した後、不活性雰囲気中で加熱
してバインダーの炭化および/または黒鉛化を行なうこ
とにより製造される。
【0017】有機バインダーとしては、石炭系ピッチが
より好ましい。有機バインダーの使用量は、特に限定さ
れるものではないが、通常テープ状黒鉛化フィルム重量
の30〜50%程度であり、40〜45%程度とするこ
とがより好ましい。テープ状黒鉛化フィルムに対する有
機バインダーの付与量が少なすぎる場合には、最終的に
得られる複合材料の強度が不十分となるのに対し、付与
量が多すぎる場合には、熱的および電気的な異方性の度
合いが低下する。
より好ましい。有機バインダーの使用量は、特に限定さ
れるものではないが、通常テープ状黒鉛化フィルム重量
の30〜50%程度であり、40〜45%程度とするこ
とがより好ましい。テープ状黒鉛化フィルムに対する有
機バインダーの付与量が少なすぎる場合には、最終的に
得られる複合材料の強度が不十分となるのに対し、付与
量が多すぎる場合には、熱的および電気的な異方性の度
合いが低下する。
【0018】テープ状黒鉛化フィルムに対する有機バイ
ンダーの塗布方法は、特に限定されないが、例えば、バ
インダーとしてピッチを使用する場合には、均一な塗布
層を形成するために、ピッチの溶浴中にテープ状黒鉛化
フィルムを長さ方向に順次連続的に浸漬し、ピッチを含
浸したフィルムを回転するマンドレルに巻き付ける、い
わゆる“フィラメントワインディング法”を採用するこ
とが好ましい。
ンダーの塗布方法は、特に限定されないが、例えば、バ
インダーとしてピッチを使用する場合には、均一な塗布
層を形成するために、ピッチの溶浴中にテープ状黒鉛化
フィルムを長さ方向に順次連続的に浸漬し、ピッチを含
浸したフィルムを回転するマンドレルに巻き付ける、い
わゆる“フィラメントワインディング法”を採用するこ
とが好ましい。
【0019】プリプレグの積層枚数は、使用目的、用途
などに応じて定めれば良いが、通常5〜50枚程度であ
る。プリプレグの積層体は、次いで圧縮される。圧縮
は、有機バインダーが溶融して積層体が一体する様に、
加熱条件下に行なうことが好ましい。圧縮時の圧力は、
特に限定されるものではないが、通常250〜500k
g/cm2 程度である。
などに応じて定めれば良いが、通常5〜50枚程度であ
る。プリプレグの積層体は、次いで圧縮される。圧縮
は、有機バインダーが溶融して積層体が一体する様に、
加熱条件下に行なうことが好ましい。圧縮時の圧力は、
特に限定されるものではないが、通常250〜500k
g/cm2 程度である。
【0020】圧縮後の積層体は、常法に従って不活性雰
囲気中で800〜2000℃の温度でまたは2000℃
以上の温度で加熱して、バインダーの炭化乃至黒鉛化を
行なう。かくして、所望の異方性炭素−炭素複合材料が
得られる。
囲気中で800〜2000℃の温度でまたは2000℃
以上の温度で加熱して、バインダーの炭化乃至黒鉛化を
行なう。かくして、所望の異方性炭素−炭素複合材料が
得られる。
【0021】なお、本発明においては、テープ状黒鉛化
フィルムに対する有機バインダーの塗布量を調整するこ
とによっても、得られる炭素−炭素複合材料中の黒鉛化
フィルム部分とマトリックスである有機バインダー部分
との容積比率を変化させて、複合材料の熱的および電気
的異方性の度合いを変化させることができる。
フィルムに対する有機バインダーの塗布量を調整するこ
とによっても、得られる炭素−炭素複合材料中の黒鉛化
フィルム部分とマトリックスである有機バインダー部分
との容積比率を変化させて、複合材料の熱的および電気
的異方性の度合いを変化させることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、熱的および電気的異方
性に優れ、且つ力学的特性にも優れた異方性炭素−炭素
複合材料が得られる。
性に優れ、且つ力学的特性にも優れた異方性炭素−炭素
複合材料が得られる。
【0023】また、複合材料の製造に使用するテープ状
黒鉛化フィルム製造時の黒鉛化温度を変えることによ
り、熱的および電気的異方性の度合いを広い範囲で変化
させることができる。
黒鉛化フィルム製造時の黒鉛化温度を変えることによ
り、熱的および電気的異方性の度合いを広い範囲で変化
させることができる。
【0024】さらに、テープ状黒鉛化フィルムに対する
有機バインダーの塗布量を調整することによっても、複
合材料の熱的および電気的異方性の度合いを変化させる
ことができる。
有機バインダーの塗布量を調整することによっても、複
合材料の熱的および電気的異方性の度合いを変化させる
ことができる。
【0025】
【実施例】以下に参考例および実施例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
特徴とするところをより一層明確にする。
【0026】参考例1 軟化点100℃、キノリン不溶分0.2%、ベンゼン不
溶分30%のコールタールピッチに2倍量の水素化アン
トラセン油を加え、430℃で60分間加熱し、さらに
減圧下に300℃で水素化アントラセン油を除去して、
還元ピッチを得た。
溶分30%のコールタールピッチに2倍量の水素化アン
トラセン油を加え、430℃で60分間加熱し、さらに
減圧下に300℃で水素化アントラセン油を除去して、
還元ピッチを得た。
【0027】次いで、この還元ピッチ中に窒素ガスを導
入して、低分子量成分を除去し、400℃で5時間熱重
合して、軟化点310℃、キノリン不溶分50%、ベン
ゼン不溶分98%、メソフェーズ含有量90%以上の紡
糸用メソフェーズピッチを得た。
入して、低分子量成分を除去し、400℃で5時間熱重
合して、軟化点310℃、キノリン不溶分50%、ベン
ゼン不溶分98%、メソフェーズ含有量90%以上の紡
糸用メソフェーズピッチを得た。
【0028】上記で得られた紡糸用メソフェーズピッチ
を原料とし、スリット型ノズルを使用して、空気を吹き
付けながら、シート状ピッチを製造し、これを牽引下に
巻き取って、テープ状ピッチフィルムを得た。次いで、
テープ状ピッチフィルムを空気中で不融化処理した後、
窒素ガス中1000℃で加熱炭化し、その後アルゴンガ
ス中2700℃で加熱して、テープ状黒鉛フィルムを得
た。
を原料とし、スリット型ノズルを使用して、空気を吹き
付けながら、シート状ピッチを製造し、これを牽引下に
巻き取って、テープ状ピッチフィルムを得た。次いで、
テープ状ピッチフィルムを空気中で不融化処理した後、
窒素ガス中1000℃で加熱炭化し、その後アルゴンガ
ス中2700℃で加熱して、テープ状黒鉛フィルムを得
た。
【0029】シート状ピッチの不融化までの各条件は、
以下の通りであった。
以下の通りであった。
【0030】
【表3】
【0031】実施例1 参考例1で得られた黒鉛化フィルムを石炭系等方性ピッ
チ(軟化点280℃)の溶浴中に連続的に浸漬し、フィ
ラメントワインディング法により、ピッチを含浸したプ
リプレグを得た。得られたプリプレグは、黒鉛化フィル
ム70%とピッチ30%とにより構成されており、その
厚さは0.20mmであった。
チ(軟化点280℃)の溶浴中に連続的に浸漬し、フィ
ラメントワインディング法により、ピッチを含浸したプ
リプレグを得た。得られたプリプレグは、黒鉛化フィル
ム70%とピッチ30%とにより構成されており、その
厚さは0.20mmであった。
【0032】次いで上記のプリプレグを長手方向に揃え
た状態で70枚積層し、ピストン式加圧機構を備えた金
型に収容し、金型を10℃/分の昇温速度で加熱して4
70℃で1時間保持し、さらに加熱を継続して570℃
まで昇温させた後、放冷した。なお、470℃に到達し
た時点から、冷却完了まで金型内の積層体に400kg
/cm2 の圧力をかけた。
た状態で70枚積層し、ピストン式加圧機構を備えた金
型に収容し、金型を10℃/分の昇温速度で加熱して4
70℃で1時間保持し、さらに加熱を継続して570℃
まで昇温させた後、放冷した。なお、470℃に到達し
た時点から、冷却完了まで金型内の積層体に400kg
/cm2 の圧力をかけた。
【0033】次いで、積層成形体を金型から取り出し、
アルゴン雰囲気中2000℃で加熱して黒鉛化を行な
い、黒鉛化フィルムの体積含有率65%で、8mm×5
0mm×100mmの炭素−炭素複合材料を得た。
アルゴン雰囲気中2000℃で加熱して黒鉛化を行な
い、黒鉛化フィルムの体積含有率65%で、8mm×5
0mm×100mmの炭素−炭素複合材料を得た。
【0034】得られた炭素−炭素複合材料の電気抵抗
率、熱伝導率、抗張力および引張弾性係数は、下記の通
りであった。
率、熱伝導率、抗張力および引張弾性係数は、下記の通
りであった。
【0035】
【表4】
【0036】なお、電気抵抗率はブリッジ法により測定
し、熱伝導率はレーザーフラッシュ法により測定した。
し、熱伝導率はレーザーフラッシュ法により測定した。
【0037】実施例2 実施例1と同様にして得たプリプレグを長手方向に揃え
た状態で50枚積層し、実施例1の手法に準じて炭素−
炭素複合材料を得た。但し、470℃に到達した時点か
ら、冷却完了まで金型内の積層体に250kg/cm2
の圧力をかけた。かくして、黒鉛化フィルムの体積含有
率56%で、8mm×50mm×100mmの炭素−炭
素複合材料を得た。
た状態で50枚積層し、実施例1の手法に準じて炭素−
炭素複合材料を得た。但し、470℃に到達した時点か
ら、冷却完了まで金型内の積層体に250kg/cm2
の圧力をかけた。かくして、黒鉛化フィルムの体積含有
率56%で、8mm×50mm×100mmの炭素−炭
素複合材料を得た。
【0038】得られた炭素−炭素複合材料の電気抵抗
率、熱伝導率、抗張力および引張弾性係数は、下記の通
りであった。
率、熱伝導率、抗張力および引張弾性係数は、下記の通
りであった。
【0039】
【表5】
Claims (2)
- 【請求項1】 電気的および熱的に異方性を有するテー
プ状黒鉛化フィルムを複数枚積層してなる異方性炭素−
炭素複合材料。 - 【請求項2】 電気的および熱的に異方性を有するテー
プ状黒鉛化フィルムに有機バインダーを塗布したプリプ
レグを複数枚重合わせ、圧縮した後、不活性雰囲気中で
加熱してバインダーの炭化および/または黒鉛化を行な
うことを特徴とする異方性炭素−炭素複合材料の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4246707A JPH06100367A (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | 異方性炭素−炭素複合材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4246707A JPH06100367A (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | 異方性炭素−炭素複合材料およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06100367A true JPH06100367A (ja) | 1994-04-12 |
Family
ID=17152445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4246707A Pending JPH06100367A (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | 異方性炭素−炭素複合材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06100367A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000048206A1 (en) * | 1999-02-09 | 2000-08-17 | Do-Coop Technologies Ltd. | Materials and composites activable into a state of enhanced conductivity |
WO2005019132A1 (ja) * | 2003-08-26 | 2005-03-03 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 高熱伝導性部材及びその製造方法ならびにそれを用いた放熱システム |
JP2006100379A (ja) * | 2004-09-28 | 2006-04-13 | Kaneka Corp | ヒートシンク |
CN100379706C (zh) * | 2003-08-26 | 2008-04-09 | 松下电器产业株式会社 | 高导热性部件及其制造方法和使用该部件的散热系统 |
JP2009517321A (ja) * | 2005-12-02 | 2009-04-30 | モルガナイト・エレクトリカル・カーボン・リミテッド | 炭素材料 |
JP2011063509A (ja) * | 2010-12-17 | 2011-03-31 | Kaneka Corp | フィルム状グラファイトとその製造方法 |
KR20170010604A (ko) * | 2015-07-20 | 2017-02-01 | 에스케이씨 주식회사 | 공압출을 이용한 열전도 이방성 필름의 제조 방법 |
US20210086474A1 (en) * | 2018-05-03 | 2021-03-25 | Skc Co., Ltd. | Multilayer graphite sheet with excellent electromagnetic shielding capability and thermal conductivity and manufacturing method therefor |
-
1992
- 1992-09-16 JP JP4246707A patent/JPH06100367A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000048206A1 (en) * | 1999-02-09 | 2000-08-17 | Do-Coop Technologies Ltd. | Materials and composites activable into a state of enhanced conductivity |
WO2005019132A1 (ja) * | 2003-08-26 | 2005-03-03 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 高熱伝導性部材及びその製造方法ならびにそれを用いた放熱システム |
US7252795B2 (en) | 2003-08-26 | 2007-08-07 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | High thermal conductivite element, method for manufacturing same, and heat radiating system |
CN100379706C (zh) * | 2003-08-26 | 2008-04-09 | 松下电器产业株式会社 | 高导热性部件及其制造方法和使用该部件的散热系统 |
US7402340B2 (en) | 2003-08-26 | 2008-07-22 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | High thermal conductive element, method for manufacturing same, and heat radiating system |
JP2006100379A (ja) * | 2004-09-28 | 2006-04-13 | Kaneka Corp | ヒートシンク |
JP2009517321A (ja) * | 2005-12-02 | 2009-04-30 | モルガナイト・エレクトリカル・カーボン・リミテッド | 炭素材料 |
JP2011063509A (ja) * | 2010-12-17 | 2011-03-31 | Kaneka Corp | フィルム状グラファイトとその製造方法 |
KR20170010604A (ko) * | 2015-07-20 | 2017-02-01 | 에스케이씨 주식회사 | 공압출을 이용한 열전도 이방성 필름의 제조 방법 |
US20210086474A1 (en) * | 2018-05-03 | 2021-03-25 | Skc Co., Ltd. | Multilayer graphite sheet with excellent electromagnetic shielding capability and thermal conductivity and manufacturing method therefor |
US11745463B2 (en) * | 2018-05-03 | 2023-09-05 | Skc Co., Ltd. | Multilayer graphite sheet with excellent electromagnetic shielding capability and thermal conductivity and manufacturing method therefor |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4915984A (en) | Process for producing graphite films and fibers | |
US5750058A (en) | Method for the preparation of high modulus carbon and graphite articles | |
KR102470752B1 (ko) | 고전도성 흑연 필름 및 생산 공정 | |
KR0184316B1 (ko) | 그래파이트전극재료 및 그 제조방법 | |
JPH0136670B2 (ja) | ||
US4396669A (en) | Composite carbonaceous articles and process for making same | |
JP3142587B2 (ja) | 炭素質組成物、燃料電池用炭素材およびその製造方法 | |
JPH06100367A (ja) | 異方性炭素−炭素複合材料およびその製造方法 | |
JPH0543213A (ja) | 薄膜状炭素材の製造方法 | |
JPH03121398A (ja) | 断熱材 | |
JP2004299919A (ja) | グラファイト及びその製造方法 | |
US5695816A (en) | Process for the preparation of carbon fiber reinforced carbon composites | |
JP2008308543A (ja) | 炭素繊維複合シート及びその製造方法 | |
EP0463170B1 (en) | Process for producing a carbon film | |
EP0372931B1 (en) | Continuous, ultrahigh modulus carbon fiber | |
JPH05222620A (ja) | 熱伝導性材料 | |
JPH0816032B2 (ja) | 高強度炭素炭素複合材の製造方法 | |
JPH0812457A (ja) | 炭素繊維強化炭素複合材料とその製造方法 | |
JPH0365505A (ja) | 低密度膨張黒鉛成形体及びその製造法 | |
US5292408A (en) | Pitch-based high-modulus carbon fibers and method of producing same | |
WO1989007577A1 (en) | Method of producing highly oriented graphite | |
CN115991013B (zh) | 石墨烯复合导热膜及制备方法 | |
EP0339691B1 (en) | Process for producing graphite films | |
EP1198627A1 (en) | Highly oriented mesophase pitch-based graphite tape and bulk carbon material | |
Kim et al. | Mechanical properties of pyrolytic graphite flakes |