JP2002275133A - アリールアミン組成物および当該組成物を使用した電子写真感光体 - Google Patents

アリールアミン組成物および当該組成物を使用した電子写真感光体

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JP2002275133A
JP2002275133A JP2001072733A JP2001072733A JP2002275133A JP 2002275133 A JP2002275133 A JP 2002275133A JP 2001072733 A JP2001072733 A JP 2001072733A JP 2001072733 A JP2001072733 A JP 2001072733A JP 2002275133 A JP2002275133 A JP 2002275133A
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ちよこ 佐藤
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    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【課題】高感度および高耐久性の電子写真感光体を達成
するために光導電性性物質として使用される新規なアリ
ールアミン組成物を提供する。 【解決手段】必須成分として特定の構造式で表される3
種のアリールアミンを特定の割合で含有し、且つ、特定
量のE体(二重結合に関する幾何異性体の立体配置を示
すE,Z表示法(命名法)における幾何異性体)を含有
するアリールアミン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アリールアミン組
成物および当該組成物を使用した電子写真感光体電子写
真感光体に関し、詳しくは、光導電性物質として優れた
アリールアミン組成物および当該組成物を使用した高感
度で且つ高性能の電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の感光層には、セ
レン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機系の光導電
性物質が広く使用されていた。しかしながら、セレン及
び硫化カドミウムは毒物のために回収する必要があり、
セレンは熱により結晶化するため耐熱性に劣り、硫化カ
ドミウム及び酸化亜鉛は耐湿性に劣り、また、酸化亜鉛
は耐刷性がない等の欠点を有しており、新規な感光体の
開発の努力が続けられている。
【0003】近時、電子写真感光体の感光層に有機系の
光導電性物質を使用する研究が進み、その幾つかが実用
化されている。有機系の光導電性物質は、無機系のもの
に比し、軽量である、成膜が容易である、感光体の製造
が容易である、種類によっては透明な感光体を製造でき
る材料が無公害である等の利点を有する。
【0004】また、高感度化に有効であることから、電
荷キャリヤーの発生と移動の機能を別々の化合物に分担
させる、いわゆる機能分離型の感光体が開発の主流とな
っており、このタイプによる有機系感光体の実用化も行
なわれている。電荷キャリヤー輸送媒体としては、ポリ
ビニルカルバゾール等の高分子光導電性化合物を使用す
る場合と低分子光導電性化合物をバインダーポリマー中
に分散溶解して使用する場合とがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特に、有機系の低分子
光導電性化合物は、バインダーとして、皮膜性、可とう
性、接着性などの優れたポリマーを選択することが出来
るため、容易に機械的特性の優れた感光体を得ることが
出来る(例えば、特開昭60−196767号公報、特
開昭60−218652号公報、特開昭60−2331
56号公報、特開昭63−48552号公報、特開平1
−267552号公報、特公平3−39306号公報、
特開平3−113459号公報、特開平3−12335
8号公報、特開平3−149560号公報、特開平6−
273950号公報、特開昭62−36674号公報、
特開平7−036203号公報、特開平6−1185
4、特開昭63−48553号公報、等参照)。しかし
ながら、高感度な感光体の製作に適した化合物を見出す
ことは困難である。
【0006】更に、絶え間ない高感度化の要請の中で、
電気特性的には、残留電位が不十分、光応答性が悪い、
繰り返し使用した場合の帯電性が低下する、残留電位が
蓄積する等の種々の問題を抱えている。斯かる問題に対
しては、例えば、特定の2種類のヒドラゾン化合物を併
用し、感光体の他の特性を余り損わずに残留電位上昇を
防止する技術(特開昭61−134767号公報)等が
報告されている。しかしながら、特性のバランスの点で
は必ずしも十分ではなく、感光体全体としての特性をバ
ランスよく向上させる技術が求められている。
【0007】更にまた、光源として半導体レーザーがプ
リンター分野において積極的に応用されてきており、こ
の場合、当該光源の波長が800nm前後であるため、
800nm前後の長波長光に対しても高感度な特性を有
する感光体の開発が強く望まれている。
【0008】上記の目的に合致する材料としては、特開
昭59−49544号公報、特開昭59−214034
号公報、特開昭61−109056号公報、特開昭61
−171771号公報、特開昭61−217050号公
報、特開昭61−239248号公報、特開昭62−6
7094号公報、特開昭62−134651号公報、特
開昭62−275272号公報、特開昭63−1980
67号公報、特開昭63−198068号公報、特開昭
63−210942号公報、特開昭63−218768
号公報、特開平6−273950号公報、特開平8−3
6268号公報、特開平9−244278号公報などに
記載された材料が挙げられる。すなわち、これらによ
り、電子写真感光体用材料として好適な結晶型を有する
オキシチタニウムフタロシアニン類が種々知られてい
る。しかしながら、更に、長波長光に対して高感度で且
つ他の電気特性も良好な電子写真感光体が求められてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その第1の目的は、高感度お
よび高耐久性の電子写真感光体を提供することにある。
【0010】本発明の第2の目的は、高感度であって、
膜厚を厚くした場合においても残留電位が充分低く、繰
り返し使用しても特性の変動が少なく、且つ、耐久性に
非常に優れた電子写真感光体を提供することにある。
【0011】本発明の第3の目的は、800nm前後の
長波長においても高感度で且つ帯電性、暗減衰、残留電
位等が良好なバランスの取れた電子写真感光体を提供す
ることにある。
【0012】本発明の第4の目的は、応答性の良い、キ
ャリヤー移動度の速い感光体を提供することにある。
【0013】本発明の第5の目的は、溶解安定性の高い
塗布溶液を提供することにある。
【0014】そして、本発明の第6の目的は、上記の目
的を達成するために光導電性性物質として使用される新
規なアリールアミン組成物を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本出願人は、先に、電荷
移動材として特定のアリールアミン化合物およびそれを
使用した電子写真感光体を提案した(特開平10−28
2698号公報、特開平10−312070号公報、特
開2000−66420号公報、特開2000−474
05号公報等)。しかしながら、上記の公報に記載のア
リールアミン化合物は、分子量が大きいため、溶液安定
性をコントロールすることが困難である。
【0016】本発明者は、上記のアリールアミン化合物
について更に検討した結果、アリールアミン化合物に存
在する位置異性体の組成物によって、電子写真感光体の
電荷移動材として使用した場合、塗布液の溶液安定性が
飛躍的に向上することを見出し本発明に到達した。
【0017】すなわち、本発明の第1の要旨は、次の
(i)〜(iii)の条件を満足することを特徴とするア
リールアミン組成物に存する。
【0018】(i)下記一般式(1a)〜(1c)で表
されるアリールアミンを含有する。
【0019】
【化3】 (一般式(1a)〜(1c)中、A〜Fは置換基を有し
ていてもよいベンゼン環を表し、Yは単結合または2価
の有機残基を表し、X1及びX2は、それぞ、下記一般式
(2)で表される置換基を表す。)
【0020】
【化4】 (一般式(2)中、Sは0〜4の整数を表し、R5又は
6は、それぞれ、水素原子または置換基を有していて
もよいアルキル基もしくはアリール基を表す。)
【0021】(ii)前記の各アリールアミンの割合(モ
ル比)が次の範囲である。
【数3】5>(1a)/1(b)>0.5 10>(1b)/1(c)>1.0
【0022】(iii)ベンゼン環BおよびFに直結する
1及びX2の二重結合の割合が40%以上E体である。
【0023】そして、本発明の第2の要旨は、導電性支
持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体であ
って、当該感光層に上記のアリールアミン組成物を含有
することを特徴とする電子写真感光体に存する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。先
ず、本発明のアリールアミン組成物について説明する。
本発明のアリールアミン組成物は、第1の条件として、
下記一般式(1a)〜(1c)で表されるアリールアミ
ンを含有する。
【0025】
【化5】 (一般式(1a)〜(1c)中、A〜Fは置換基を有し
ていてもよいベンゼン環を表し、Yは単結合または2価
の有機残基を表し、X1及びX2は、それぞ、下記一般式
(2)で表される置換基を表す。)
【0026】
【化6】 (一般式(2)中、Sは0〜4の整数を表し、R5又は
6は、それぞれ、水素原子または置換基を有していて
もよいアルキル基もしくはアリール基を表す。)
【0027】ベンゼン環A〜Fにおける置換基として
は、水酸基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原
子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、イソプロピル基などのアル
キル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基な
どのアルコキシ基;アリル基、ベンジル基、ナフチルメ
チル基、フェネチル基などのアラルキル基;フェノキシ
基、トリロキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオ
キシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルコキシ
基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;スチリ
ル基、ナフチルビニル基などのアリールビニル基;アセ
チル基、ベンゾイル基などのアシル基;ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;ジフ
ェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基などのジアリール
アミノ基;ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基
などのジアラルキルアミノ基;ジピリジルアミノ基、ジ
チエニルアミノ基などのジ複素環アミノ基;ジアリルア
ミノ基、上記のアミノ基の置換基を組み合わせたジ置換
アミノ基などの置換アミノ基などが挙げられ、電気特性
の点から、好ましくはメチル基またはフェニル基であ
る。
【0028】上記の置換基は、お互いに縮合して、単結
合、メチレン基、エチレン基、カルボニル基、ビニリデ
ン基、エチレニレン基などを介した炭素環基;酸素原
子、硫黄原子、窒素原子などを含む複素環基を形成して
もよい。
【0029】一般式(1a)〜(1c)中のYにおける
2価の有機残基としては、以下に示す構造を有する有機
残基が好ましい。
【0030】
【化7】 (R7〜R10は、水素原子または置換基を有してもよい
アルキル基もしくはアリール基を表し、これらは、単結
合または結合基を介して、縮合環または複素環を形成し
てもよい。)
【0031】一般式(2)中の整数sは、製造の面か
ら、1であることが好ましい。R5又はR6としては、電
気特性の点から、フェニル基またはナフチル基が好まし
い。また、R5が水素原子の場合、R6は、置換基を有し
てもよいアルキル基またはアリール基であることが好ま
しく、フェニル基であることが更に好ましい。
【0032】本発明のアリールアミン組成物は、第2の
条件として、前記の各アリールアミンの割合(モル比)
が次の範囲でなければならない。
【0033】
【数4】5>(1a)/1(b)>0.5 10>(1b)/1(c)>1.0
【0034】各アリールアミンの割合(モル比)が上記
の範囲外の場合は次の様な問題がある。すなわち、(1
a)/1(b)が5以上の場合は溶解性が低下し、0.
5以下の場合は電子写真感光体の電気特性(表面電位や
残留電位)が悪化する。また、(1b)/1(c)が1
0以上の場合は電子写真感光体の電気特性が悪化し、
1.0以下の場合は溶解性が低下する傾向がある。上記
のアリールアミンの割合(モル比)は、製造上、次の範
囲であることが好ましい。
【0035】
【数5】4>(1a)/1(b)>1 8>(1b)/1(c)>2
【0036】本発明のアリールアミン組成物は、第3の
条件として、ベンゼン環BおよびFに直結するX1及び
2の二重結合の割合が40%以上E体でなければなら
ない。ここで、E体とは、二重結合に関する幾何異性体
の立体配置を示すE,Z表示法(命名法)における幾何
異性体を意味する。上記の条件を満足しない場合は、電
子写真感光体の電気特性(表面電位や残留電位)が悪化
する傾向がある。アリールアミン組成物全体の中のE体
の割合は、電気特性の観点から、50%以上であること
が好ましく、60%以上であることが更に好ましい。し
かしながら、E体の割合は、溶解性の観点から90%以
下が好ましい。
【0037】次に、本発明のアリールアミン組成物の製
造方法について説明する。本発明においては、下記一般
式(3)で表されるアリールアミンを使用する方法が好
ましい(なお、一般式(3)中のA〜Fは一般式(1
a)〜(1c)におけるのと同義を表す。以下において
も同じである。)
【0038】
【化8】
【0039】特に次の式で表されるアリールアミンが好
ましい。
【0040】
【化9】
【0041】本発明においては、原料として公知のアリ
ールアミン系化合物を使用し、公知のカルボニル導入反
応を行ない、そして、Wittig反応を行う方法を採
用することが出来る。
【0042】先ず、以下の(A)で表されるアリールア
ミン系化合物をオキシ塩化リンの存在下にホルミル化剤
(N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムア
ニリド等)と反応させ、一般式(B)で表されるアルデ
ヒド体を得る。
【0043】
【化10】
【0044】大過剰のホルルミル化剤の使用により、反
応溶媒を兼ねることも出来るが、反応溶媒としてo−ジ
クロロベンゼン、ベンゼン等を使用することも出来る。
【0045】そして、一般式(2)で表される置換基の
整数sが例えば1の場合は、得られた一般式(B)で表
わされるアルデヒド体またはケトン体とウィテッヒ試薬
とを反応させることにより一般式(1a)〜(1c)で
表わされる化合物が得られる。
【0046】上記のウィテッヒ試薬は、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン等の
反応溶媒中、一般式(C)又は(D)で表されるハロゲ
ン化合物(Q:ハロゲン)とトリフェニルホスフィン又
は亜リン酸トリアルキルとを作用させて得られる。
【0047】
【化11】 CH2Q−CH=CR12 (C) CH2Q−CH=CR34 (D)
【0048】アルデヒド体またはケトン体とウィテッヒ
試薬との反応は、ブチルリチウム、フェニルリチウム、
ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウ
ムt−ブトキシド等の塩基性触媒の存在下、通常−20
〜60℃、好ましくは−10〜40℃の温度で行われ
る。
【0049】特に、上記の二重結合生成工程において、
極性の低い溶媒を使用することは、E体比が向上し且つ
溶解性の高い組成物が得られるので好ましい。ただし、
ウィッティッヒ試薬の溶解性を考えて溶媒選択をする必
要がある。そして、これらの溶媒は、ウィッテッヒ試薬
およびホルミル体の溶解性などを考慮し、反応に不活性
な他の溶媒と兼用しても構わない。また、E体比向上の
観点から、前記二重結合生成工程において、亜リン酸ト
リアルキルを使用する、Wittig−Horner反
応を利用し又は併用することも好ましい。
【0050】また、粗体精製において吸着処理を利用す
る場合、室温以上の温度で処理するならばE体比が向上
すので好ましい。吸着処理温度は、得られる組成物の気
特性の観点から、好ましくは35℃以上、更に好ましく
は40℃以上、特に好ましくは60℃以上である。吸着
剤処理においては、活性白土、活性炭などの活性化され
た吸着剤を使用することが好ましい。特に、35℃以上
で白土による吸着処理は、E体比向上および得られる組
成物の気特性電気特性の観点から好ましい。本発明にお
いては、再結晶精製、再沈精製、昇華精製、カラム精製
などの公知の精製手段により、高純度体を得ることも可
能である。
【0051】以下に本発明に使用されるアリールアミン
組成物の例を挙げる。
【0052】
【化12】
【0053】
【化13】
【0054】
【化14】
【0055】
【化15】
【0056】
【化16】
【0057】
【化17】
【0058】
【化18】
【0059】
【化19】
【0060】
【化20】
【0061】
【化21】
【0062】
【化22】
【0063】次に、本発明の電子写真感光体について説
明する。本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に
少なくとも感光層を有する。そして、感光層に前記のア
リールアミン組成物を含有することを特徴とする。アリ
ールアミン組成物は、感光層に含まれる電荷輸送物質の
うち、50重量%以上を占めることが好ましい。
【0064】前記のアリールアミン組成物は、特に、電
荷輸送媒体として使用した場合には高感度で耐久性に優
れた感光体を与える。電子写真感光体の感光層の形態は
種々知られているが、本発明の電子写真感光体の感光層
は公知の何れの形態であってもよい。すなわち、感光層
(光伝導層)としては、電荷発生層と電荷輸送層とをこ
の順に又は逆の順序に積層した積層型、電荷輸送媒体中
に電荷発生材料(電荷発生物質)の粒子を分散したいわ
ゆる分散型など、何れの構成も採用することが出来る。
【0065】そして、上記の感光層としては、(1)バ
インダー中にアリールアミン組成物と必要に応じて増感
剤となる色素や電子吸引性化合物を添加した感光層、
(2)バインダー中にアリールアミン組成物と光吸収に
よって電荷キャリヤーを発生する電荷発生材料(光伝導
性粒子)とを添加した感光層、(3)バインダー中にア
リールアミン組成物を添加した電荷発生層に光伝導性粒
子またはこれとバインダーから成る電荷発生層を積層し
た感光層などが挙げられる。
【0066】上記の感光層には、前記のアリールアミン
組成物と共に有機光伝導体として優れた性能を有する公
知の他のアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、ス
チルベン化合物などを混合してもよい。
【0067】本発明においては、電荷発生層と電荷輸送
層(電荷移動層)の2層から成る感光層の電荷輸送層中
に前記のアリールアミン組成物を使用する場合に、特に
感度が高く、残留電位が小さく、かつ、繰り返し使用し
た場合に、表面電位の変動や感度の低下、残留電位の蓄
積等が少なく、耐久性に優れた感光体を得ることが出来
る。
【0068】具体的には、先ず、電荷発生材料を直接蒸
着またはバインダーとの分散液として塗布して電荷発生
層を作成する。次いで、電荷発生層の上に、前記のアリ
ールアミン組成物を含む溶液をキャストするか、また
は、前記のアリールアミン組成物をバインダー等と共に
溶解し、その分散液を塗布する。これにより、前記のア
リールアミン組成物を含む電荷輸送材料を含有する電荷
輸送層を作成してなる積層型感光体か得られるが、電荷
発生層と電荷輸送層の積層順序は逆の構成でもよい。ま
た、電荷発生材料と電荷輸送材料とがバインダー中に分
散・溶解した状態で導電性支持体上に塗布された一層型
感光体であってもよい。
【0069】電荷発生材料としては、セレン、セレン−
テルル合金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウム、アモ
ルファスシリコン等の無機光伝導性粒子;無金属フタロ
シアニン、金属含有フタロシアニン、ペリノン系顔料、
チオインジゴ、キナクリドン、ペリレン系顔料、アント
ラキノン系顔料、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリス
アゾ系顔料、テトラキス系アゾ顔料、シアニン系顔料な
どの有機光伝導性粒子が挙げられる。
【0070】更に、多環キノン、ピリリウム塩、チオピ
リリウム塩、インジゴ、アントアントロン、ピラントロ
ン等の各種の有機顔料や染料が使用できる。中でも、無
金属フタロシアニン、銅、塩化インジウム、塩化ガリウ
ム、錫、オキシチタニウム、亜鉛、バナジウム等の金
属、その酸化物、塩化物の配位したフタロシアニン類、
モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ類などのア
ゾ顔料が好ましい。
【0071】そして、金属含有または無金属のフタロシ
アニンと前記のアリールアミン組成物とを組合せること
により、レーザー光に対する感度が向上した感光体が得
られる。特に、導電性支持体上に、少なくとも、電荷発
生材料と電荷輸送材料とを含有する感光層を有する電子
写真感光体において、電荷発生材料として次の化合部を
含有する感光層を有することは好ましい。
【0072】(1)X線回折スペクトルのブラック角
(2θ±0.2°)27.3°に回折ピークを示すオキ
シチタニウムフタロシアニン化合物。 (2)ブラック角(2θ±0.2°)9.3°、13.
2°、26.2°、27.1°に回折ピークを示すオキ
シチタニウムフタロシアニン化合物。 (3)ブラック角2θ(±0.3°)9.2°、14.
1°、15.3°、19.7°、27.1°に回折ピー
クを有するジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合
物。 (4)ブラック角(2θ±0.2°)8.5°、12.
2°、13.8°、16.9°、22.4°、28.4
°、30.1°に主たる回折ピークを示すジクロロスズ
フタロシアニン化合物。
【0073】上記の様にして得られる電子写真感光体
は、高感度で、残留電位が低く帯電性が高く、かつ、繰
返しによる変動が小さく、特に、画像濃度に影響する帯
電安定性が良好であることから、高耐久性感光体として
使用することが出来る。また、750〜850nmの領
域の感度が高いことから、特に半導体レーザープリンタ
ー用感光体に適している。
【0074】前記のアリールアミン組成物は、バインダ
ーポリマー及び必要に応じ他の有機光導電性化合物、色
素、電子吸引性化合物などと共に溶剤に溶解または分散
し、こうして得られる塗布液を塗布乾燥して電荷発生層
を得る。
【0075】上記の必要に応じ添加される染料色素とし
ては、例えば、メチルバイオレット、ブリリアントグリ
ーン、クリスタルバイオレット等のトリフェニルメタン
染料、メチレンブルー等のチアジン染料、キニザリン等
のキノン染料、シアニン染料、ピリリウム塩、チアピリ
リウム塩、ベンゾピリリウム塩などが挙げられる。
【0076】また、前記のアリールアミン組成物と電荷
移動錯体を形成する電子吸引性化合物としては、例え
ば、クロラニル、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキ
ノン、1−ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−ニ
トロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、フェ
ナントレンキノン等のキノン類;4−ニトロベンズアル
デヒド等のアルデヒド類;9−ベンゾイルアントラセ
ン、インダンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノ
ン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,
5,7−テトラニトロフルオレノン、3,3′,5,
5′−テトラニトロベンゾフェノン等のケトン類;無水
フタル酸、4−クロロナフタル酸無水物などの酸無水
物;テトラシアノエチレン、テレフタラルマロノニトリ
ル、9−アントリルメチリデンマロノニトリル、4−ニ
トロベンザルマロノニトリル、4−(p−ニトロベンゾ
イルオキシ)ベンザルマロノニトリル等のシアノ化合
物;3−ベンザルフタリド、3−(α−シアノ−p−ニ
トロベンザル)フタリド、3−(α−シアノ−p−ニト
ロベンザル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
等のフタリド類などが挙げられる。
【0077】積層型感光層における電荷発生層には、上
記の化合物の微粒子をバインダー樹脂で結着した形の分
散層で使用してもよい。バインダー樹脂としては、例え
ば、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセター
ル、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラー
ル、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セ
ルロースエステル、セルロースエーテル、スチレン、酢
酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、ビニルアルコール、エチルビニルエーテ
ル等のビニル化合物の重合体および共重合体、ポリアミ
ド、けい素樹脂などが挙げられる。
【0078】電荷発生材料(電荷発生物質)の使用比率
は、バインダー樹脂100重量部に対し、通常20〜2
00重量部、好ましくは30〜500重量部、更に好ま
しくは33〜500重量部の範囲である。電荷発生層の
膜厚は、通常0.05〜5μm、好ましくは0.1〜2
μm、更に好ましくは0.15〜0.8μmの範囲であ
る。また、電荷発生層はも必要に応じ、塗布性を改善す
るためのレベリング剤、酸化防止剤、増感剤などの各種
添加剤を含んでいてもよい。更にまた、電荷発生層は上
記電荷発生材料の蒸着膜であってもよい。
【0079】分散型感光層の場合の電荷発生材料の粒子
径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以
下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光
層内に分散される電荷発生材料の量は、通常0.5〜5
0重量%、好ましくは1〜20重量%の範囲である。電
荷発生材料の量が少なすぎる場合は充分な感度が得られ
ず、多すぎる場合は、帯電性の低下、感度の低下などの
弊害がある。
【0080】分散型感光層の膜厚は、通常5〜50μ
m、好ましくは10〜45μmの範囲である。また、こ
の場合にも、成膜性、可とう性、機械的強度などを改良
するための公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添
加剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改
善するためのレベリング剤、界面活性剤(例えば、シリ
コーンオイル、フッ素系オイル)、その他の添加剤を使
用してもよい。
【0081】更に、本発明の電子写真感光体の感光層
は、成膜性、可撓性、機械的強度を向上させるために周
知の可塑剤を含有していてもよい。そのために上記の塗
布液中に添加する可塑剤としては、フタル酸エステル、
りん酸エステル、エポキシ化合物、塩素化パラフィン、
塩素化脂肪酸エステル、メチルナフタレン等の芳香族化
合物などが挙げられる。
【0082】電荷輸送層中の電荷輸送材料として前記の
アリールアミン組成物を使用する場合の塗布液は、上記
の組成でもよいが、光導電性粒子、染料色素、電子吸引
性化合物などは除くか、または、少量の添加でよい。こ
の場合の電荷発生層としては、上記の光導電性粒子、バ
インダー樹脂、有機光導電性物質、染料色素、電子吸引
性化合物などを含有する塗布液を塗布乾燥した薄層、ま
たは、光導電性粒子を蒸着などの手段により製膜とした
層が挙げられる。
【0083】また、上記の様にして形成される感光体に
は、必要に応じ、バリアー層、接着層、ブロッキング層
などの中間層、透明絶縁層、保護層など、電気特性、機
械特性の改良のための層を有していてもよい。
【0084】感光層が形成される導電性支持体として
は、周知の電子写真感光体に採用されているものが何れ
も使用できる。具体的には、例えば、アルミニウム、ス
テンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料から成るドラ
ム、シート、これらの金属箔のラミネート物、蒸着物、
表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化すず、酸化
インジウム等の導電性層を設けたポリエステルフィル
ム、紙などの絶縁性支持体などが挙げられる。更に、金
属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質な
どの導電性物質を適当なバインダーと共に塗布して導電
処理したプラスチックフィルム、プラスチックドラム、
紙、紙管などが挙げられる。また、金属粉末、カーボン
ブラック、炭素繊維などの導電性物質を含有するプラス
チックのシートやドラムが挙げられる。また、酸化ス
ズ、酸化インジウム等の導電性金属酸化物で導電処理し
たプラスチックフィルムやベルトが挙げられる。中で
も、アルミニウム等の金属のエンドレスパイプが好まし
い。
【0085】バリアー層や中間層としては、例えば、ア
ルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化ア
ルミニウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロー
ス類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミ
ド、ポリアミド等の有機層が使用される。
【0086】本発明の電子写真感光体は、常法に従っ
て、前記のアリールアミン組成物をバインダーと共に適
当な溶剤中に溶解し、必要に応じ、適当な電荷発生材
料、増感染料、電子吸引性化合物、他の電荷輸送材料、
可塑剤、顔料などの周知の添加剤を添加して得られる塗
布液を導電性支持体上に塗布した後に乾燥し、通常、数
μ〜数十μ、好ましくは10〜45μm、更に好ましく
は20μm以上の膜厚の感光層を形成させることにより
製造することが出来る。電荷発生層と電荷輸送層の二層
からなる感光層の場合は、電荷発生層の上に上記塗布液
を塗布するか、または、上記塗布液を塗布して得られる
電荷輸送層の上に電荷発生層を形成させることにより製
造することが出来る。
【0087】塗布液調製用の溶剤としては、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホ
ルムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、
ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;酢酸
エチル、蟻酸メチル、メチルセロソルブアセテート等の
エステル類;ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化
炭化水素などが挙げられる。勿論これらの中からバイン
ダー樹脂を溶解するものを選択する必要がある。
【0088】積層型感光層の場合の電荷輸送層に使用さ
れるバインダー樹脂または分散型感光層の場合のマトリ
ックスとして使用されるバインダー樹脂としては、電荷
輸送材料との相溶性が良く、塗膜形成後に電荷輸送材料
が結晶化したり、相分離することのないポリマーが好ま
しい。斯かるポリマーとしては、例えば、スチレン、酢
酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、ブタジエン等のビニル化合物の重合体お
よび共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリス
ルホン、ポリイミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
ウレタン、セルロースエステル、セルロースエーテル、
フェノキシ樹脂、けい素樹脂、エポキシ樹脂などの各種
ポリマーが挙げられ、また、これらの部分的架橋硬化物
も使用できる。バインダーの使用量は、前記のアリール
アミン系化合物に対し、通常0.5〜30重量倍、好ま
しくは0.7〜10重量倍の範囲である。
【0089】積層型感光層の場合の電荷輸送層には、必
要に応じ、酸化防止剤、増感剤などの各種添加剤や他の
電荷輸送材料を含んでいてもよい。電荷輸送層の膜厚
は、通常10〜60μm、好ましくは10〜45μm、
更に好ましくは27〜40μmの範囲である。最表面層
として、従来公知の例えば熱可塑性または熱硬化性ポリ
マーを主体とするオーバーコート層を設けてもよい。通
常は、電荷発生層の上に電荷移動層を形成するが、逆も
可能である。各層の成形方法としては、層に含有させる
物質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を順
次塗布する等の公知の方法が適用できる。電荷輸送層に
は、塗膜の機械的強度や耐久性向上のための種々の添加
剤を使用することが出来る。この様な添加剤としては、
周知の可塑剤、安定剤、流動性付与剤、架橋剤などが挙
げられる。
【0090】感光層の塗布方法としては、スプレー塗布
法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法など
がある。
【0091】スプレー塗布法としては、エアスプレー、
エアレススプレー、静電エアスプレー、静電エアレスス
プレー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホ
ットエアレススプレー等がある。均一な膜厚を得るため
の微粒化度、付着効率などの観点から、回転霧化式静電
スプレーにおいて、再公表平1−805198号公報に
開示されている搬送方法、すなわち円筒状ワークを回転
させながらその軸方向に間隔を開けることなく連続して
搬送する方法が好ましい。斯かる方法によれば、総合的
に高い付着効率で膜厚の均一性に優れた電子写真感光体
を得ることが出来る。
【0092】スパイラル塗布法としては、特開昭52−
119651号公報に開示されている注液塗布機または
カーテン塗布機を使用した方法、特開平1−23196
6号公報に開示されている微小開口部から塗料を筋状に
連続して飛翔させる方法、特開平3−193161号公
報に開示されているマルチノズル体を使用した方法など
がある。
【0093】浸漬塗布法は次の様に行うことが出来る。
先ず、前記のアリールアミン組成物、バインダー、溶剤
などを使用して電荷輸送層形成用の塗布液を調製する。
全固形分濃度は25〜40重量%、粘度は、通常50〜
300センチポアーズ、好ましくは100〜200セン
チポアーズである。この様にして調製された塗布液を使
用して浸漬塗布した後、塗膜を乾燥させる。乾燥温度
は、通常100〜250℃、好ましくは110〜170
℃、更に好ましくは120〜140℃の範囲である。乾
燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、赤外線乾燥
機、遠赤外線乾燥機などを使用することが出来る。
【0094】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例中「部」
とあるは「重量部」を示す。
【0095】実施例1 原料として下記のアリールアミンを使用した。
【0096】
【化23】
【0097】上記のアリールアミン10kgをDMF7
5Lに90〜100℃で溶解させ、70℃まで冷却し、
窒素気流下、オキシ塩化リン8.3kgを70±3℃の
温度で滴下した。6hr反応させた後、40℃まで冷却
させた。反応溶液を、トルエン100Lと水100Lの
混合液中に40℃で添加し、分液した。有機層を、水酸
化ナトリウム水溶液、水にて洗浄し、トルエンを濃縮し
てビスホルミル体を得た。
【0098】この得られたビスホルミル化合物のうち、
30gをTHF200mlに懸濁させ、シンナミルトリ
フェニルホスホニウムクロライド55gを添加した。系
を10℃に保ち、ここにナトリウムメトキシド(28%
メタノール溶液)18gを10℃〜0℃で滴下した。
3.5時間、室温にて撹拌後、メタノール−水(800
ml−100ml)中に放出した。析出した固体を濾取
し、減圧下乾燥させた(50g)。生成した固体を、ト
ルエン200ml/アイソパーE(エクソン化学製)5
0mlの混合溶液に溶解させた。
【0099】60℃で、日本活性白土社製、低水活性白
土(13g)を添加し、30分撹拌した後、吸着材を保
温下に濾別した。この操作を2回繰り返した後、同じ様
に活性炭(5g)による吸着剤処理による精製を行い、
更に活性白土による吸着材精製を行った。この後、溶液
をメタノールにて再沈し、減圧下に乾燥させ、以下に示
す化合物A、B、Cの混合物(A:B:C=8:36:
56)である、黄色固体40gを得た。
【0100】
【化24】
【0101】LCとNMRを利用し、アリールアミンに
直結する二重結合部位の幾何異性の総計を調べたとこ
ろ、EE体:EZ体:ZZ体=50:41:5であっ
た。得られたアリールアミン組成物を使用し、下記方法
に従い電気特性の測定を行った。
【0102】[電気特性の測定]X線回折スペクトルに
おいて、X線回折スペクトルのブラック角(2θ±0.
2°)27.3°に回折ピークを示すオキシチタニウム
フタロシアニン顔料1.0部をジメトキシエタン14部
に加え、サンドグラインダーで分散処理をした後、ジメ
トキシエタン14部と4−メトキシ−4−メチルペンタ
ノン−2(三菱化学(株)社製)14部を加えて希釈
し、更に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)
社製、商品名デンカブチラール#6000−C)0.5
部と、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド(株)社
製、商品名UCAR(商標登録)PKHH)0.5部を
ジメトキシエタンと4−メトキシ−4−メチルペンタノ
ン−2の混合溶媒(6部/6部)に溶解した液と混合
し、分散液を得た。
【0103】上記の分散液を75μmに膜厚のポリエス
テルフィルムに蒸着されたアミノ蒸着層の上に乾燥後の
重量が0.4g/m2になる様にワイヤーバーで塗布し
た後、乾燥して電荷発生層を形成させた。この上に前記
のアリールアミン組成物50部と下記に示すポリカーボ
ネート樹脂100部をテトラヒドロフラン900部との
混合溶媒に溶解した塗布液を塗布、乾燥し、膜厚20μ
mの電荷輸送層を形成させ感光体を製作した。
【0104】
【化25】
【0105】電子写真学会測定標準に従って作製された
電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、
電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記載)
で、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼り付けて円
筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体のアルミニウ
ム基体との導通を取った上で、ドラムを毎分50回転の
一定回転数で回転させ、帯電、露光、電位測定、除電の
サイクルによる電気特性評価試験を行った。その際、初
期表面電位を−700Vとし、露光は780nm、除電
は660nmの単色光を使用した。評価項目としては、
表面電位が700Vから350Vに半減するのに要した
露光量(半減露光量、E1/2)、780nmの光を1.
36μJ/cm2照射した時点の表面電位(VL)及び
除電光照射後の残留電位(Vr)を測定した。測定環境
温度は25℃とした。結果を表1に示す。
【0106】実施例2 先ず、実施例1において、吸着処理時の温度を40℃に
変更した以外は、実施例1と同様に電荷輸送物質を作成
した。得られた化合物の幾何異性を実施例1と同じ様に
調べたところ、EE体:EZ体:ZZ体=39:43:
20であった。次に、実施例1と同様に、感光体を製作
し、電気特性の測定を行った。結果を表1に記す。
【0107】比較例1 先ず、実施例1において、吸着処理時の温度を20℃に
変更した以外は、実施例1と同様に電荷輸送物質を作成
した。得られた化合物の幾何異性を実施例1と同じよう
に調べたところ、EE体:EZ体:ZZ体=15:4
0:39であった。次に、実施例1と同様に、感光体を
製作し、電気特性の測定を行った。結果を表1に記す。
【0108】比較例2 実施例1において、原料アリールアミンを以下の構造を
有するアリールアミンに変更した以外は、実施例1と同
様に実験を行ったところ、吸着剤処理の途中で結晶が析
出したのでその時点で操作を中止し、感光体の製作に到
らなかった。
【0109】
【化26】
【0110】比較例3 実施例1において、原料アリールアミンを以下の構造を
有するアリールアミンに変更した以外は、実施例1と同
様に実験を行った。得られた化合物の幾何異性を実施例
1と同じように調べたところ、EE体:EZ体:ZZ体
=80:15:5であった。しかしながら、塗布溶液に
完溶せず、感光体の製作に到らなかった。
【0111】
【化27】
【0112】比較例4 実施例1において、原料アリールアミンを比較例2で使
用したアリールアミンに変更し、吸着剤温度を40℃に
変更した以外は、実施例1と同様に実験を行ったとこ
ろ、吸着剤処理の途中で結晶が析出したのでその時点で
操作を中止し、感光体の製作に到らなかった。
【0113】
【表1】
【0114】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、塗布溶液
に対する溶解性およびバインダーとの相溶性に優れ、安
定して電子写真感光体を製作し得るアリールアミン組成
物が定期を得される。また、本発明によれば、電気特性
に優れ、かぶりの原因となる残留電位が小さく、特に光
疲労が少ないために繰返し使用による残留電位の蓄積や
表面電位および感度の変動が小さく耐久性に優れるとい
う特徴を有する電子写真感光体が提供される。そして、
斯かる電子写真感光体は、現代の高速化の要求に見合っ
た、高感度、高移動度においても特に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井田 和孝 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA20 BA12 BA13 BA39 4H006 AA03 AB76

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(i)〜(iii)の条件を満足する
    ことを特徴とするアリールアミン組成物。 (i)下記一般式(1a)〜(1c)で表されるアリー
    ルアミンを含有する。 【化1】 (一般式(1a)〜(1c)中、A〜Fは置換基を有し
    ていてもよいベンゼン環を表し、Yは単結合または2価
    の有機残基を表し、X1及びX2は、それぞ、下記一般式
    (2)で表される置換基を表す。) 【化2】 (一般式(2)中、Sは0〜4の整数を表し、R5又は
    6は、それぞれ、水素原子または置換基を有していて
    もよいアルキル基もしくはアリール基を表す。) (ii)前記の各アリールアミンの割合(モル比)が次の
    範囲である。 【数1】5>(1a)/1(b)>0.5 10>(1b)/1(c)>1.0 (iii)ベンゼン環BおよびFに直結するX1及びX2
    二重結合の割合が40%以上E体である。
  2. 【請求項2】 前記の各アリールアミンの割合(モル
    比)が次の範囲である請求項に記載のアリールアミン組
    成物。 【数2】4>(1a)/1(b)>1 8>(1b)/1(c)>2
  3. 【請求項3】 前記一般式(2)中、Sが1であり、R
    5がフェニレン基であり、Yが単結合である、請求項1
    又は3に記載のアリールアミン組成物。
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に少なくとも感光層を有
    する電子写真感光体であって、当該感光層に請求項1〜
    3の何れかに記載のアリールアミン組成物を含有するこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 感光層にオキシチタニウムフタロシアニ
    ン化合物を含有する請求項6に記載の電子写真感光体。
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