JP2002270245A - 非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池

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JP2002270245A
JP2002270245A JP2001072353A JP2001072353A JP2002270245A JP 2002270245 A JP2002270245 A JP 2002270245A JP 2001072353 A JP2001072353 A JP 2001072353A JP 2001072353 A JP2001072353 A JP 2001072353A JP 2002270245 A JP2002270245 A JP 2002270245A
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lithium
composite oxide
battery
secondary battery
positive electrode
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JP2001072353A
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Kazuya Kuriyama
和哉 栗山
Yukiko Okano
夕紀子 岡野
Shizukuni Yada
静邦 矢田
Haruo Kikuta
治夫 菊田
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】30Wh以上の大容量且つ180Wh/l以上の高体積エ
ネルギー密度を有し、その厚さが12mm未満であり、高容
量で、サイクル寿命および安全性に優れた扁平形状の非
水系二次電池を提供することを目的とする。 【解決手段】正極、負極、セパレータおよびリチウム塩
を含む非水系電解質を電池容器内に収容し、厚さが12mm
未満の扁平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上且つ
体積エネルギー密度が180Wh/l以上である非水系二次電
池において、前記正極が、組成式LixMn2-yMAyO4+zで表
されるリチウムマンガン複合酸化物と組成式LiaNibMBcO
2で表されるリチウムニッケル複合酸化物とからなる混
合物を正極活物質とすることを特徴とする非水系二次電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系二次電池に
関し、より詳しくは、特にサイクル寿命および安全性に
優れた蓄電システム用非水系二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省資源を目指したエネルギーの有
効利用および地球環境保全の観点から、深夜電力貯蔵お
よび太陽光発電の電力貯蔵を目的とした家庭用分散型蓄
電システム、電気自動車のための蓄電システムなどが注
目を集めている。例えば、特開平6-86463号公報は、エ
ネルギー需要者に最適条件でエネルギーを供給できるシ
ステムとして、発電所から供給される電気、ガスコージ
ェネレーション、燃料電池、蓄電池などを組み合わせた
トータルシステムを提案している。このような蓄電シス
テムに用いられる二次電池は、エネルギー容量が10Wh以
下の携帯機器用小型二次電池と異なり、容量が大きい大
型のものが必要とされる。このため、上記の蓄電システ
ムでは、通常、複数の二次電池を直列に接続し、電圧50
〜400V程度の組電池として用いており、殆どのシステム
において鉛電池を用いている。
【0003】一方、携帯機器用小型二次電池の分野で
は、小型化および高容量化という相反するニーズに応え
るべく、ニッケル水素電池、リチウム二次電池などの開
発が急速に進んでおり、180Wh/l以上の体積エネルギー
密度を有する電池が市販されている。特に、リチウムイ
オン電池は、350Wh/lを超える体積エネルギー密度を達
成する可能性を有すること、および、金属リチウムを負
極に用いるリチウム二次電池に比べて、安全性、サイク
ル特性などの信頼性に優れることから、その市場は飛躍
的に拡大しつつある。
【0004】この様なリチウムイオン電池の正極活物質
としては、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッ
ケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物などの4V
を超える起電力を有する材料が用いられている。これら
の中でも、電池特性に優れ、かつ合成も容易なリチウム
コバルト複合酸化物が、現在最も多量に用いられてい
る。しかしながら、原材料であるコバルトは、可採埋蔵
量が少なく、かつ高価であるため、従来から、その代替
物質としてリチウムニッケル複合酸化物の使用が検討さ
れてきた。リチウムニッケル複合酸化物は、リチウムコ
バルト複合酸化物と同様に層状岩塩構造を有し、200mAh
/gを超える高容量材料である。しかしながら、リチウム
ニッケル複合酸化物は、充電時に生成するNi4+が化学的
に不安定であること、リチウムが構造中から多量に引き
抜かれた高充電状態でのリチウムニッケル複合酸化物の
構造が不安定であることなどに起因して、結晶格子から
の酸素脱離開始温度が低いという問題点を有している。
また、Solid State Ionics,69,No.3/4,265(1994)には、
“充電状態のリチウムニッケル複合酸化物の酸素脱離開
始温度は、従来のリチウムコバルト酸化物に比べて低
い”ことが報告されている。この様な理由により、リチ
ウムニッケル複合酸化物を単独で正極活物質に用いた電
池は、高容量が得られるにも関わらず、高充電状態での
熱安定性に問題があり、電池としての安全性が十分に確
保できないので、現在まで実用化されていない。
【0005】一方、スピネル型の結晶構造を有するリチ
ウムマンガン複合酸化物は、層状岩塩構造を有するリチ
ウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物
などとは、構造的に異なっている。この構造の相違に起
因して、リチウムマンガン複合酸化物の高充電状態での
酸素脱離開始温度は、リチウムコバルト複合酸化物およ
びリチウムニッケル複合酸化物に比べて、高いので、リ
チウムマンガン複合酸化物は、安全性の高い正極材料で
ある。
【0006】しかしながら、リチウムマンガン複合酸化
物を正極に用いたリチウム二次電池は、充放電を繰り返
すことによって徐々に容量が低下していく“容量劣化”
を避けることはできないので、その実用化は困難であっ
た。
【0007】これらの材料を正極に用いる蓄電システム
用大型電池の分野においても、高エネルギー密度電池の
一つの有力な選択肢として、リチウムイオン電池の開発
が、リチウム電池電力貯蔵技術研究組合(LIBES)
などにより精力的に進められている。
【0008】この様な大型リチウムイオン電池のエネル
ギー容量は、100〜400Wh程度であり、体積エネルギー密
度は、200〜400Wh/lと携帯機器用小型二次電池と同等の
レベルに達している。その寸法および形状は、直径50〜
70mm×長さ250〜450mm程度の円筒形、厚さ35〜50mm程度
の角形或いは長円角形などの扁平角柱形が代表的なもの
である。
【0009】しかしながら、これらの大型リチウムイオ
ン電池においては、高エネルギー密度は得られるもの
の、その電池設計が携帯機器用小型電池の延長線上にあ
ることから、直径或いは厚さが携帯機器用小型電池の3
倍以上である円筒型或いは角型等の電池形状に形成され
ている。この場合には、充放電時の電池の内部抵抗によ
るジュール発熱、或いはリチウムイオンの出入りに伴っ
て活物質のエントロピーが変化することによる電池の内
部発熱により、電池内部に熱が蓄積されやすい。このた
め、電池内部の温度と電池表面付近の温度差が大きくな
り、これに伴って内部抵抗が異なってくるので、充電
量、電圧などのバラツキを生じ易い。また、この種の電
池は、複数個を組電池にして用いるため、システム内で
の電池の設置箇所によっても、蓄熱されやすさが異なっ
て各電池間のバラツキを生じて、組電池全体の正確な制
御が困難になる。更には、高率充放電時等に際して放熱
が不十分であるため、電池温度が上昇し、電池にとって
好ましくない状態におかれることから、電解液の分解な
どによる寿命の低下、さらには電池の熱暴走などの点
で、信頼性、特に安全性が十分に確保されているとは、
言い難い。
【0010】上記の問題を解決するために、WO99/60652
号、公開2000-251940号、2000-251941号、2000-260478
号、2000-260477号などの公報類には、正極、負極、セ
パレータおよびリチウム塩を含む非水系電解質を電池容
器内に収容した扁平形状の非水系二次電池であって、前
記非水系二次電池は、その厚さが12mm未満の扁平形状で
あり、そのエネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギ
ー密度が180Wh/l以上の非水系二次電池が開示されてい
る。これらの公報類は、電池を独特の形状(扁平形状)
とすることにより、上記蓄熱に起因する信頼性および安
全性に関わる問題点を解決し、実用化への障害を解消し
ようとしている。
【0011】一般に、蓄電システム用電池などの大型電
池には、高い安全性と1000サイクル以上の優れたサイク
ル寿命が求められている。しかしながら、正極材料にリ
チウムニッケル複合酸化物を用いる電池は、高充電時の
熱的安定性に欠けるので、安全性が低いという問題点が
ある。また、リチウムマンガン複合酸化物を用いる電池
では、安全性は高いものの、(1)高エネルギー密度(高
充放電容量)の実現と高サイクル寿命の両立が困難であ
ること、および(2)自己放電により保存容量が減少す
るという2つの問題点がある。
【0012】まず、リチウムマンガン複合酸化物を用い
る電池において、高容量が実現できない原因としては、
複合酸化物合成時の反応の不均一、混入不純物の影響な
どが考えられる。また、充放電サイクルに伴う容量の劣
化原因としては、Liの出入りに伴う電荷補償としてMnイ
オンの平均価数が3価と4価との間で変化して、そのため
にJahn-Teller歪みが結晶中に生じること、リチウムマ
ンガン複合酸化物からのMnが溶出すること、溶出したMn
が負極活物質上またはセパレータ上に析出することに起
因してインピーダンスが上昇すること、さらには、不純
物の影響、活物質粒子の遊離による不活性化、含水水分
により電解液中に生成した酸の影響、リチウムマンガン
複合酸化物からの酸素放出による電解液の劣化などが考
えられる。
【0013】スピネル単一相が形成されている場合に
は、Mnの溶出原因は、スピネル構造中の3価のMnが、4価
と2価に一部不均化することにより電解液中に溶解し易
い形になってしまうこと、Liイオンの相対的な不足から
溶出してしまうことなどが考えられる。その結果、充放
電の繰り返しにより不可逆な容量分の発生および結晶中
の原子配列の乱れが促進されるとともに、溶出したMnイ
オンが負極或いはセパレータに析出して、Liイオンの移
動を妨げるものと推測される。また、リチウムマンガン
複合酸化物はLiイオンを出し入れすることにより、結晶
はJahn-Teller効果により歪み、単位格子長の数%の膨
張収縮を伴う。したがって、充放電サイクルを繰り返す
ことにより、粒子の一部電気的な孤立により活物質とし
て機能しなくなることも推測される。
【0014】さらに、Mn溶出とともにリチウムマンガン
複合酸化物からの酸素の放出も容易になってくるものと
考えられる。酸素の放出量が多くなってくると、電解液
の分解を促進するものと推測され、電解液の劣化による
充放電サイクル劣化も生じるものと推測される。
【0015】この様なMn溶出の抑制、格子歪みの低減、
酸素欠損の低減などを実現することが、リチウム電池の
サイクル特性を改善する上で重要である。そこで、特開
平2-270268号公報は、Liの組成を化学量論比に対し十分
過剰とすることにより、サイクル特性を向上させること
を提案している。さらに、リチウムマンガン複合酸化物
のMn元素の一部をCo、Ni、Fe、Cr、Alなどの添加ないし
ドープにより置換して、サイクル特性を改善する提案も
されている(特開平4-141954号公報、特開平4-160758号
公報、特開平4-169076号公報、特開平4-237970号公報、
特開平4-282560号公報、特開平4-289662号公報など)。
これらのLi過剰組成、金属元素の添加などの手法は、サ
イクル特性の向上には、効果を発揮するものの、逆に充
放電容量の低減を伴うので、高サイクル寿命と高容量と
の両方を満足させるには至っていない。
【0016】特開平10-112318号公報は、正極活物質と
して、リチウムマンガン複合酸化物とリチウムニッケル
複合酸化物との混合物を用いることを提案している。こ
の公報によれば、初回充放電における不可逆容量が補填
され、大きな充放電容量が得られるとされている。ま
た、特開平7-235291号公報も、正極活物質として、リチ
ウムマンガン複合酸化物とLiCo0.5Ni0.5O2とを混合して
用いる技術を提案している。
【0017】しかしながら、本発明者の研究によれば、
正極活物質として単にリチウムマンガン複合酸化物とリ
チウムニッケル複合酸化物との混合物を用いるだけで
は、充放電特性、サイクル特性などの改善は未だ不十分
であり、特に大型電池の安全性に関しては、到底満足で
きる成果は得られないことが明らかとなった。また、電
池の形状に関しては、従来の小型電池の設計思想を引き
継ぐ角形、円筒型などの大型電池においては、内部蓄熱
などのために、安全性の改善は望み得ない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、30
Wh以上の大容量且つ180Wh/l以上の高体積エネルギー密
度を有し、その厚さが12mm未満であり、高容量で、サイ
クル寿命および安全性に優れた扁平形状の非水系二次電
池を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
技術の現状に留意しつつ研究を進めた結果、特定の構成
を備えた非水系二次電池により、上記目的を達成するこ
とに成功した。すなわち本発明は、下記の非水系二次電
池を提供する。 1.正極、負極、セパレータおよびリチウム塩を含む非
水系電解質を電池容器内に収容し、厚さが12mm未満の扁
平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネ
ルギー密度が180Wh/l以上である非水系二次電池におい
て、前記正極が、組成式LixMn2-yMAyO4+z(MAはMg、Al、
Cr、Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも
1種の元素であり、かつ1<x≦1.2、0<y≦0.1、-0.3≦
z≦0.3である)で表されるリチウムマンガン複合酸化物
と組成式LiaNibMBcO2(MBはCo、AlおよびMnからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.
1、0.5<b<1、0<c<0.5、b+c=1)で表されるリチウム
ニッケル複合酸化物とからなる混合物を正極活物質とす
ることを特徴とする非水系二次電池。 2.前記混合物におけるリチウムマンガン複合酸化物と
リチウムニッケル複合酸化物との重量混合比が、リチウ
ムマンガン複合酸化物:リチウムニッケル複合酸化物=9
5:5〜70:30である上記項1に記載の非水系二次電池。 3.前記リチウムマンガン複合酸化物およびリチウムニ
ッケル複合酸化物のBET比表面積が、それぞれ1m2/g以下
である上記項1または2に記載の非水系二次電池。 4.前記負極が、リチウムをドープおよび脱ドープ可能
な物質を含む上記項1〜3のいずれかに記載の非水系二
次電池。 5.前記負極が、黒鉛系材料を主体とする上記項4に記
載の非水系二次電池。 6.前記扁平形状の表裏面の形状が、矩形である上記項
1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池。 7.前記電池容器の板厚が、0.2〜1mmである上記項1〜
6のいずれかに記載の非水系二次電池。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明における非水系二次電池
は、厚さが12mm未満の扁平形状であり、エネルギー容量
が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上であ
る。その形状の具体的な例は、WO99/60652号、特開2000
-251940号公報、特開2000-251941公報、特開2000-26047
8号公報、特開2000-260477号公報などに記載されてい
る。
【0021】以下、図面に示す本発明の一実施形態によ
る非水系二次電池を参照しつつ、本発明についてさらに
詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の一実施形態の扁平な矩形
(ノート型)の蓄電システム用非水系二次電池の平面図
及び側面図を示す図であり、図2は、図1に示す電池の
内部に収納される電極積層体の構成を示す側面図であ
る。
【0023】図1および図2に示す様に、本実施形態に
よる非水系二次電池は、上蓋1および底容器2からなる
電池容器と、該電池容器の中に収納されている複数の正
極101a、負極101b、101c、およびセパレー
タ104からなる電極積層体とを備えている。本実施形
態の様な扁平型非水系二次電池においては、正極101
a、負極101b(または積層体の両外側に配置された
負極101c)は、例えば、図2に示す様に、セパレー
タ104を介して交互に配置されて積層されているが、
本発明による非水系二次電池は、この様な特定の配置に
限定されるものではなく、積層数などは、必要とされる
容量などに応じて、種々の変更が可能である。また、図
1および図2に示す非水系二次電池の形状は、例えば縦
300mm×横210mm×厚さ6mmであり、例えば、正極101
aとして後述する正極材料を使用し、負極101b、1
01cとして炭素材料を使用するリチウム二次電池の場
合には、蓄電システムにおいて使用することができる。
【0024】各正極101aの正極集電体105aは、
正極端子3に電気的に接続され、同様に、各負極101
b、101cの負極集電体105bは、負極端子4に電
気的に接続されている。正極端子3及び負極端子4は、
電池容器、すなわち上蓋1と絶縁された状態で取り付け
られている。
【0025】上蓋1および底容器2は、図1中の拡大図
に示したA点で全周にわたり上蓋を溶かし込み溶接され
ている。上蓋1には、電解液の注液口5が開けられてお
り、電解液を注液した後、例えば、アルミニウム-変成
ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィル
ム6を用いて封口される。最終封口工程は、少なくとも
1回の充電操作実施後に行うことが好ましい。封口フィ
ルム6による最終封口工程後の電池容器内の圧力は、大
気圧未満であることが好ましく、8.66×104Pa(650Torr)
以下であることがより好ましく、7.33×104Pa (550Tor
r)以下であることが特に好ましい。電池容器内の圧力
は、使用するセパレータ、電解液の種類、電池容器の材
質および厚み、電池の形状などを総合的に考慮して決定
される。内圧が大気圧以上である場合には、電池が設計
厚みより大きくなり易く、或いは電池の厚みのバラツキ
が大きくなり易いので、電池の内部抵抗および容量がば
らつきやすい。
【0026】正極101aに用いられる正極活物質とし
て、LixMn2-yMAyO4+z(MAは、Mg、Al、Cr、Fe、Coおよ
びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であ
り、かつ1<x≦1.2、0<y≦0.1、-0.3≦z≦0.3である)
で表されるリチウムマンガン複合酸化物(以下「組成式
(1)複合酸化物」と言うことがある)と組成式LiaNibMBcO
2(MBは、Co、Al、およびMnからなる群から選ばれる少な
くとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.1、0.5<b<1、0
<c<0.5、b+c=1)で表されるリチウムニッケル複合酸化
物(以下「組成式(2)複合酸化物」と言うことがある)と
からなる混合物を使用することにより、電解液中に溶
出するMnイオン量が著しく減少し、電解液の劣化、変
色および酸の生成も抑制され、負極上に析出するMnが
減少することが明らかになった。
【0027】従来の非水系電池において、電解液へのMn
イオンの溶出が大きい理由として、正極/負極と電解液
の残存水分と溶質との反応により水素イオンが生成し
て、これがリチウムマンガン複合酸化物の一部と反応し
てMnが溶出すると考えられる。特に、電解質としてLiPF
6およびLiBF4を使用する場合には、Mnイオンの溶出が大
きい。本発明においては、Mnイオンの溶出が著しく減少
して、電池の充放電特性、サイクル特性、安全性などに
おいて顕著な改善が達成されるが、その理由は、未だ十
分には解明されていない。
【0028】本発明においては、正極活物質の主成分と
して、特定組成のリチウムマンガン複合酸化物(組成式
(1)複合酸化物)を用いることにより、スピネル単一相
のリチウムマンガン複合酸化物を使用する場合に比し
て、電池の充放電を繰り返しても、Mnの不均化が起こり
にくくなり、Mnイオン溶出量を低減させるともに、酸素
の脱離をも減少させることができる。その結果、リチウ
ムマンガン複合酸化物(組成式(1)複合酸化物)の構造
劣化、電解液の分解などを効果的に抑制することができ
るので、サイクル特性を改善することができる。
【0029】前記組成式(1) LixMn2-yMAyO4+zにおい
て、Li比は1<x≦1.2の範囲内にある。xが1以下の場合
には、サイクル特性が十分に改善されないのに対し、1.
2を超える場合には、活物質の容量低下が大きくなる。M
A比は0<y≦0.1の範囲内にある。yが0.1を超える場合に
は、活物質の容量低下が大きくなる。組成式(1)中のMn
と置換する元素MAとしては、サイクル特性を改善させる
Mg、Al、Cr、Fe、CoおよびNiが挙げられ、これらの中で
は、AlおよびCrがより好ましい。
【0030】本発明においては、正極活物質として、組
成式(1)で示されるリチウムマンガン複合酸化物と前記
組成式(2) LiaNibMBcO2で示される特定のリチウムニッ
ケル複合酸化物とを併用することにより、サイクル特性
のより一層の改善を達成しうる。サイクル特性改善の理
由は、未だ解明されていないが、組成式(2)で表される
特定組成のリチウムニッケル複合酸化物を配合すること
により、Mnイオンの溶出および酸素の脱離が、より一層
抑制されるものと考えられる。また、組成式(2)で表さ
れる特定組成のリチウムニッケル複合酸化物の容量は、
リチウムマンガン複合酸化物の容量に比べて大きいの
で、高容量化も達成される。
【0031】前記組成式(2) LiaNibMBcO2において、容
量を減少させないために、Li比は、1≦a≦1.1の範囲内
とする。Ni比は、0.5<b<1の範囲内とする。bが0.5未
満の場合には、容量が小さくなり過ぎるのに対し、1の
場合には、活物質のサイクル特性が著しく低下する。組
成式(2) 中のNiと置換する元素MBとしては、サイクル特
性および安全性の観点から、Co、AlおよびMnからなる群
から選ばれる少なくとも1種を使用する。置換元素比
は、0<c<0.5の範囲内とする。cが0である場合(すなわ
ち、Niを置換しない場合)には、活物質のサイクル特性
が改善されないのに対し、0.5以上である場合には、容
量が小さくなり過ぎる。
【0032】さらに、本発明で正極活物質として使用す
る混合物において、リチウムマンガン複合酸化物(1)と
リチウムニッケル複合酸化物(2)との混合比(重量%比)
は、(1):(2)=95:5〜70:30とすることが好ましい。リ
チウムニッケル複合酸化物が5%未満の場合には、容量
向上及びサイクル特性改善の効果が少ないのに対し、30
%を超える場合には、リチウムニッケル複合酸化物の熱
不安定性により、電池の安全性が確保できないことがあ
る。
【0033】正極活物質の平均粒径は、従来の活物質の
粒径と同様であり、通常1〜60μm程度、好ましくは5〜4
0μm程度、より好ましくは10〜30μm程度である。な
お、本明細書において、「平均粒径」とは、乾式レーザ
ー回折測定法により得られた体積粒度分布における中心
粒径を意味する。
【0034】正極活物質の比表面積は、リチウムマンガ
ン複合酸化物では通常1m2/g以下であり、より好ましく
は0.2〜0.7m2/g程度である。リチウムニッケル複合酸化
物では通常1m2/g以下であり、より好ましくは0.2〜0.7m
2/g程度である。なお、本明細書において、「比表面
積」とは、窒素ガスを使用するBET法による測定値を示
す。
【0035】負極101bおよび101cに用いられる
負極活物質としては、特に限定されないが、リチウムを
ドープ及び脱ドープ可能な材料であることが、安全性、
サイクル寿命などの信頼性を向上させるので、好まし
い。リチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料として
は、公知のリチウムイオン電池の負極材として使用され
ている黒鉛系物質、炭素系物質、黒鉛系中核粒子を炭素
質材料で被覆した二重構造粒子(WO97/18160号公報参照)
などの炭素材料;錫酸化物系、ケイ素酸化物系などの金
属酸化物;ポリアセン系有機半導体に代表される導電性
高分子などが挙げられる。
【0036】セパレータ104の構成は、特に限定され
るものではないが、単層又は複層のセパレータを用いる
ことができ、少なくとも1枚は不織布を用いることが好
ましく、この場合、サイクル特性が向上する。また、セ
パレータ104の材質も、特に限定されるものではない
が、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオ
レフィン、ポリアミド、クラフト紙、ガラス、セルロー
ス系材料などが挙げられ、電池の耐熱性、安全性設計に
応じて、適宜決定される。
【0037】本実施形態で使用する非水系二次電池の電
解質としては、公知のリチウム塩などの電解質材料を公
知の溶媒に溶解させた非水系電解質を挙げることができ
る。電解質は、正極材料、負極材料などの種類、充電電
圧などの使用条件などを総合的に考慮して、常法に従っ
て適宜決定することができる。より具体的には、LiP
F 6、LiBF4、LiClO4などのリチウム塩を、プロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、ジメトキシエタン、γ-ブチロラクトン、酢酸メチ
ル、蟻酸メチルなどの1種または2種以上からなる有機
溶媒に溶解させた溶液が例示される。電解質材料の濃度
は、特に限定されるものではないが、一般的に0.5〜2mo
l/l程度である。電解質は、当然のことながら、水分含
有量ができるだけ低いもの、具体的には水分含有量100p
pm以下のものが好ましい。なお、本明細書で使用する
「非水系電解液」という用語は、非水系電解液および有
機電解液を含む概念を包含するものであり、さらにはゲ
ル状ないし固体の電解質も含む概念をも包含する。
【0038】上記のように構成された非水系二次電池
は、大容量且つ高エネルギー密度を有するので、家庭用
蓄電システム(夜間電力貯蔵、コージェネレーション、
太陽光発電など)、電気自動車などの蓄電システムなど
に用いることができる。この様な蓄電システムにおいて
は、エネルギー容量は、好ましくは30Wh以上、より好ま
しくは50Wh以上であり、且つエネルギー密度は、好まし
くは180Wh/l以上、より好ましくは200Wh/l以上である。
エネルギー容量が30Wh未満である場合或いは体積エネル
ギー密度が180Wh/l未満である場合には、容量が小さい
ので、充分なシステム容量を得るために電池の直並列数
を増やす必要があること、また、コンパクトな設計が困
難となることなどの理由により、蓄電システム用として
は好ましくない。
【0039】本実施形態の非水系二次電池は、扁平形状
をしており、その厚さは12mm未満、より好ましくは10mm
未満である。厚さの下限については、電極の充填率、電
池サイズ(薄くなれば同容量を得るためには面積が大き
くなる)などを考慮して、2mm以上とすることが実用的
である。電池の厚さが12mm以上となる場合には、電池内
部の発熱を充分に外部に放熱することが難しくなるこ
と、電池内部と電池表面付近とでの温度差が大きくな
り、内部抵抗が異なるので、電池内での充電量および電
圧のバラツキが大きくなると言う大きな問題を生じる。
なお、具体的な電池の厚さは、電池容量、エネルギー密
度などに応じて、適宜決定されるが、特に期待する放熱
特性が得られる最大厚さで設計することが好ましい。
【0040】また、本実施形態の非水系二次電池は、例
えば、扁平形状の表裏面が角形、円形、長円形などの種
々の形状とすることができる。形状が角形である場合に
は、一般には矩形であるが、用途に応じて、三角形、六
角形などの多角形とすることもできる。さらに、肉厚の
薄い円筒などの筒形とすることもできる。形状が筒形の
場合には、筒の肉厚がここでいう厚さとなる。また、製
造の容易性の観点からは、図1に示す様に、電池の扁平
形状の表裏面が矩形である「ノート型」形状が好まし
い。
【0041】電池容器となる上蓋1及び底容器2に用い
られる材質は、電池の用途、形状により適宜選択され、
特に限定されるものではなく、鉄、ステンレス鋼、アル
ミニウムなどが一般的であり、かつ実用的である。ま
た、電池容器自体の厚さも、電池の用途、形状或いは電
池ケースの材質により適宜決定され、特に限定されるも
のではない。電池の製造に必要な強度を確保するために
は、その電池全表面積80%以上の部分の厚さ(電池容器
を構成する一番面積が広い部分の厚さ)を0.2mm以上と
することが好ましく、0.3mm以上とすることがより好ま
しい。また、同時に同部分の厚さは、1mm以下であるこ
とが好ましく、0.7mm以下とすることがより好ましい。
この厚さが1mmを超えると、電極面を押さえ込む力は大
きくなるものの、電池の内容積が減少して、充分な容量
が得られないこと、また重量が増大することなどの理由
から、望ましくない。
【0042】
【発明の効果】上記の様に、非水系二次電池の厚さを12
mm未満に設計することにより、例えば、30Wh以上の大容
量と180Wh/l以上の高エネルギー密度とを有する電池の
高率充放電時等においても、電池温度の上昇は小さく、
優れた放熱特性を示す。従って、内部発熱による電池の
蓄熱が低減され、その結果、電池の熱暴走も抑止するこ
とが可能となり、信頼性および安全性に優れた非水系二
次電池を得ることができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明をさら
に具体的に説明する。本発明は、これら実施例の記載に
より限定されるものではない。
【0044】実施例1 (1)まず、リチウムマンガン複合酸化物としてのLi
1.1Mn1.8Al0.1O4とリチウムニッケル複合酸化物として
のLiNi1.8Co0.2O2と導電材であるアセチレンブラックと
を乾式混合し、得られた混合物をバインダーであるポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)を溶解させたN-メチル-2-ピロ
リドン(NMP)中に均一に分散させて、スラリー-1を調製
した。次いで、スラリー-1を集電体となるアルミニウム
箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行い、正極を
得た。
【0045】正極中の固形分比率(重量比)を、リチウム
マンガン酸リチウム:リチウムニッケル酸リチウム:ア
セチレンブラック:PVDF=0.92(100-α):0.92α:3:5
と表したときに、α=0、5、10、20、30、40、50の7種の
正極を調製した。
【0046】図3-(a)は、正極の説明図である。本実施
例において、正極101aの塗布面積(W1×W2)は、262.
5×192mm2である。また、電極の短辺側には、電極が塗
布されていない集電部106aが設けられ、その中央に
直径3mmの穴が開けられている。
【0047】(2)一方、黒鉛化メソカーボンマイクロ
ビーズ(MCMB、大阪ガスケミカル製、品番6-28)をバイ
ンダーであるPVDFを溶解させたNMP中に均一に分散さ
せ、スラリー-2を調製した。次いで、スラリー-2を集電
体となる銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行
い、負極を得た。
【0048】負極中の固形分比率(重量比)は、MCMB:PV
DF=95:5とした。図3-(b)は、負極の説明図である。負
極101bの塗布面積(W1×W2)は、267×195mm2であ
る。また、電極の短辺側には、電極が塗布されていない
集電部106bが設けられ、その中央に直径3mmの穴が
開けられている。
【0049】さらに、上記と同様の手法により片面だけ
にスラリー-2を塗布し、片面電極を作製した。片面電極
は、後述の(3)項の電極積層体において外側に配置さ
れる(図2中101c)。
【0050】(3)図3に示すように、上記(1)項で
得られた正極8枚と上記(2)項で得られた負極9枚
(内片面2枚)とを、セパレータ材A(レーヨン系不織布、
目付12.6g/m2)とセパレータ材B(ポリエチレン製微孔
膜;目付13.3g/m2)とを合わせたセパレータ104を介
して交互に積層し、さらに、電池容器との絶縁のために
外側の負極101cのさらに外側にセパレータ材Bを配
置して、電極積層体を作成した。なお、セパレータ10
4は、セパレータ材Aが正極側に位置し、セパレータ材B
が負極側に位置するように配置した。
【0051】(4)図4に示す様に、厚さ0.5mmのSUS30
4製薄板を深さ5mmに絞り、底容器2を作成し、上蓋1も
厚さ0.5mmのSUS304製薄板により作製した。次いで、上
蓋1にアルミニウム製の正極端子3および銅製の負極端
子4(頭部直径6mm、先端M3のねじ部)を取り付けた。
正極および負極端子3、4は、ポリプロピレン製ガスケ
ットにより上蓋1と絶縁した。
【0052】(5)上記(3)項で作成した電極積層体
の各正極集電部106aの穴を正極端子3に、また各負
極集電部106bの穴を負極端子4に入れ、それぞれア
ルミニウム製および銅製のボルトで接続した後、接続さ
れた電極積層体を絶縁テープで固定し、図1の角部Aを
全周に亘りレーザー溶接した。次いで、注液口5(直径6
mm)から、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカー
ボネートを1:2重量比で混合した溶媒に1mol/lの濃度にL
iPF6を溶解した溶液)を注液した。次いで、大気圧下で
仮止め用のボルトを用いて注液口5を一旦封口した。
【0053】(6)この電池を5Aの電流で4.2Vまで充電
した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合
計8時間行い、続いて5Aの定電流で2.5Vまで放電した。
【0054】(7)次に、電池の仮止め用ボルトを取り
外した後、4×104Pa(300Torr)の減圧下に、直径12mmに
打ち抜いた厚さ0.08mmのアルミニウム箔-変性ポリプロ
ピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を、
温度250〜350℃、圧力1〜3kg/cm2、加圧時間5〜10秒の
条件で熱融着することにより、注液口5を最終封口し
て、幅210mm×高さ300mm×厚さ6mmの扁平形状のノート
型電池を得た。
【0055】(8)これらの電池を「5Aの電流で4.2Vま
で充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充
電を合計8時間行い、続いて5Aの定電流で2.5Vまで放電
する充放電サイクル」を100回行った。また、サイクル
特性を評価するために、1サイクルおよび100サイクル
時点の放電容量から容量維持率を算出した。結果を表1
に示す。
【0056】表1は、安全性評価試験として、これらの
扁平形状のノート型電池を用いて、UL-1642に準じて、
釘刺し試験を行った結果を併せて示す。釘刺し試験は、
電池に釘を刺すことにより強制的に内部ショートを起こ
させる試験であり、4mmの釘を用いて行った。電池は、
上記と同様のサイクル試験において同様の充放電を3回
繰り返した後、充電して、釘刺し試験に供した。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示す結果から明らかな様に、正極活
物質にリチウムニッケル複合酸化物を加えないα=0の場
合(リチウムマンガン複合酸化物単独を使用する場合)に
は、サイクル試験での容量劣化が大きい。また、釘刺し
試験では、リチウムニッケル複合酸化物の配合比が高い
α=40および50の混合物を使用する場合に、発煙が生じ
ている。従って、サイクル特性および安全性を考慮する
と、リチウムマンガン複合酸化物に対するリチウムニッ
ケル複合酸化物の混合範囲は、5≦α≦30とすることが
適切である。
【0059】なお、実施例1で使用した組成式(1) LixM
n2-yMAyO4+zで表されるリチウムマンガン複合酸化物に
おいて、MAとしてMg、Cr、Fe、Co或いはNiを構成成分と
する他のリチウムマンガン複合酸化物を使用する場合に
も、上記と同様な顕著な効果が達成される。
【0060】また、同様に実施例1で使用した組成式
(2)で表されるLiaNibMBcO2で表されるリチウムニッケル
複合酸化物において、MBとしてAlまたはMnを構成成分と
する他のリチウムニッケル複合酸化物を使用する場合に
も、上記と同様な顕著な効果が達成される。 実施例2 実施例1の正極中の固形分比率(重量比)を、リチウムマ
ンガン酸リチウム:リチウムニッケル酸リチウム:アセ
チレンブラック:PVDF=0.92(100-α):0.92α:3:5と
表したときに、α=20として電極を作製し、負極、セパ
レータ、電解液などは実施例1と同様の材料を使用し
て、電池A(扁平形状のノート型、幅210mm×高さ300mm×
厚さ6mm)と、形状の異なる比較電池B(角形、幅84mm×高
さ150mm×厚さ30mm)および比較電池C(円筒型、直径60mm
×高さ135mm)を作製した。
【0061】これらの電池を用いて、実施例1と同様の
手法により、サイクル特性と容量維持率を測定するとと
もに、釘刺し試験により安全性を評価した。結果を表2
に示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2に示す結果から明らかな様に、構成材
料が本発明と全く同じであっても、電池形状が異なる比
較電池BおよびCは、安全性に劣っているので、実用化し
得ない。これに対し、本発明によるノート型電池Aは、
釘刺し試験での発火が起こらず、安全性に極めて優れて
いることが明らかである。
【0064】なお、実施例2で使用した組成式(2) LiaN
ibMBcO2で表されるリチウムニッケル複合酸化物におい
て、MBとしてAlまたはMnを構成成分とする他のリチウム
ニッケル複合酸化物を使用する場合にも、上記と同様な
顕著な効果が達成される。
【0065】また、実施例2で使用した組成式(1) LixM
n2-yMAyO4+zで表されるリチウムマンガン複合酸化物に
おいて、MAとしてMg、Cr、Fe、Co或いはNiを構成成分と
する他のリチウムマンガン複合酸化物を使用する場合に
も、上記と同様な顕著な効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による蓄電システム用非水
系二次電池の平面図及び側面図を示す図である。
【図2】図1に示す電池の内部に収納される電極積層体
の構成を示す側面図である。
【図3】本発明実施例による非水系二次電池において用
いた正極、負極およびセパレータの説明図である。
【図4】本発明実施例による非水系二次電池における上
蓋および底容器の説明図である。
【符号の説明】
1 上蓋 2 底容器 3 正極端子 4 負極端子 5 注液口 6 封口フィルム 101a 正極(両面) 101b 負極(両面) 101c 負極(片面) 104 セパレータ 105a 正極集電体 105b 負極集電体 106a 正極集電部 106b 負極集電部
フロントページの続き (72)発明者 矢田 静邦 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 株式会社関西新技術研究所内 (72)発明者 菊田 治夫 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA03 AA13 CC02 CC06 CC10 DD05 DD13 KK01 KK02 5H029 AJ03 AJ05 AJ12 AK03 AK18 AL02 AL07 AL16 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ03 BJ12 DJ02 DJ03 DJ04 DJ05 DJ07 EJ01 EJ04 EJ12 HJ01 HJ02 HJ04 HJ07 HJ19 5H050 AA07 AA08 AA16 BA17 CA08 CA09 CA29 CB02 CB08 CB20 EA10 EA24 HA01 HA02 HA04 HA07 HA19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極、セパレータおよびリチウム
    塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容し、厚さが12
    mm未満の扁平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上且
    つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上である非水系二次
    電池において、 前記正極が、組成式LixMn2-yMAyO4+z(MAは、Mg、Al、C
    r、Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1
    種の元素であり、かつ1<x≦1.2、0<y≦0.1、-0.3≦z
    ≦0.3である)で表されるリチウムマンガン複合酸化物と
    組成式LiaNibMBcO2(MBは、Co、AlおよびMnからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.
    1、0.5<b<1、0<c<0.5、b+c=1)で表されるリチウム
    ニッケル複合酸化物とからなる混合物を正極活物質とす
    ることを特徴とする非水系二次電池。
  2. 【請求項2】 前記混合物におけるリチウムマンガン複
    合酸化物とリチウムニッケル複合酸化物との重量混合比
    が、リチウムマンガン複合酸化物:リチウムニッケル複
    合酸化物=95:5〜70:30である請求項1に記載の非水系二
    次電池。
  3. 【請求項3】 前記リチウムマンガン複合酸化物および
    リチウムニッケル複合酸化物のBET比表面積が、それぞ
    れ1m2/g以下である請求項1または2に記載の非水系二
    次電池。
  4. 【請求項4】 前記負極が、リチウムをドープおよび脱
    ドープ可能な物質を含む請求項1〜3のいずれかに記載
    の非水系二次電池。
  5. 【請求項5】 前記負極が、黒鉛系材料を主体とする請
    求項4に記載の非水系二次電池。
  6. 【請求項6】 前記扁平形状の表裏面の形状が、矩形で
    ある請求項1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池。
  7. 【請求項7】 前記電池容器の板厚が、0.2〜1mmである
    請求項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池。
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