JP4746846B2 - リチウムイオン電池用負極活物質、その製造方法およびリチウムイオン電池 - Google Patents

リチウムイオン電池用負極活物質、その製造方法およびリチウムイオン電池 Download PDF

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Description

本発明は、電池用負極活物質、特に非水電解質電池用負極活物質、およびその製造方法に関する。
移動体通信機器や携帯電子機器の主電源として利用されているリチウムイオン電池は、起電力が高く、高エネルギー密度を有するという特長をもっている。ここで用いられる正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガンスピネル(LiMn24)等やこれらの混合物がある。これらの活物質は、リチウムに対し4V以上の電圧を有している。負極には、一般的にカーボン材料が使用され、前述の正極と組み合わせることで4V級のリチウムイオン電池が構成されている。
一方、特許文献1には、チタン酸化物を負極活物質とし、スピネル型マンガン酸化物またはLiCoO2を正極活物質とする電池が示されている。特許文献2には、スピネル型構造のリチウム−チタン酸化物(Li4/3Ti5/34)を活物質とする負極と、Li2MnO3またはLiMnO2を活物質とする正極とを有する非水電解液リチウム二次電池が開示されている。特許文献3にはLi2Ti37を負極とするリチウム二次電池が開示されている。特許文献4には、好ましいチタン酸化物負極の製造方法が開示されている。
以上のように、チタンの酸化物をリチウム二次電池の負極活物質として使用することに関しては、製造法を含め従来例が多く存在する。
特開平06−275263号公報 特開平07−320784号公報 特開平11−283624号公報 特開2000−302547号公報
従来のチタン酸化物、たとえばLi4Ti512を負極活物質に用い、正極活物質にLiCoO2を用いて構成した電池系は、組み立て直後は放電状態であるので、充電からスタートする。このとき、負極のチタン酸化物中にリチウムイオンが挿入されて充電が行われることになる。満充電状態では、負極のチタン酸化物に対して約150mAh/gの電気量に相当するLiが挿入されることになる。このような充電状態のリチウムチタン酸化物は不安定である。
従って、このリチウムチタン酸化物を有機溶媒の電解液などが共存する環境で過熱(60℃以上)すると、負極中のリチウムと電解液が副反応を起こす。この副反応が電池内で起こることにより、正負極の容量バランスが崩れ、サイクル寿命が低下する問題がある。特に、高温環境下での保存性やサイクル寿命の低下が著しい。また、この反応は、発熱を伴うので、電池表面温度の上昇といった不都合を生じる可能性がある。
本発明は、このような充電状態での有機溶媒との副反応の抑制された負極活物質を提供すること目的とする。
本発明の負極活物質は、式Li x Ti y 4-z z 又は式Li x Ti y v 4-z z (0.8<x<1.4、1.6<y<2.2、0<z<2.0、MはAl、B、Ga、In、Co、Mn、Ni、Zr、Nb、Mo、Cu、V、Cr、Y又はW、0<v<0.8)で表されるリチウム含有チタン酸化物を含む。
本発明は、フッ素化したリチウム含有チタン酸化物を負極活物質とする電池が、従来のリチウム含有チタン酸化物を用いた電池に比べて、高温におけるサイクル寿命が飛躍的に向上することを見いだしたことに基づいている。この要因に関しては明らかでないが、高温時において負極中のリチウムと電解液との副反応がフッ素化により抑制されたことによるものと考えられる。フッ素はリチウムとの親和性が強いために、負極中のリチウムを固体内に引き止める力が強く働き、このことが電解液との還元反応を抑制するものと考えられる。
本発明によれば、高温時のサイクル劣化を飛躍的に改良した非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明は、フッ素化したリチウム含有チタン酸化物、特に式LixTiy4-zz(0.8<x<1.4、1.6<y<2.2、0<z<2.0)で表される化合物からなる負極活物質に関する。
前記リチウム含有チタン酸化物は、スピネル型またはラムズデライト型の結晶構造を有することが好ましい。
本発明は、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウムおよび酸化リチウムからなる群より選択される少なくとも1種のリチウム化合物と、フッ化リチウム、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素化合物と、酸化チタンとの混合物を焼成して式LixTiy4-zz(0.8<x<1.4、1.6<y<2.2、0<z<2.0)で表されるリチウム含有チタン酸化物を得る電池用負極活物質の製造方法を提供する。
ここで、焼成温度は600℃から1200℃の範囲が好ましい。
本発明によると、リチウム化合物とフッ素化合物とをTiO2などのチタン酸化物と十分に混合し、この混合物を焼成する乾式法で目的の材料を製造することができる。リチウム源として好ましくは、炭酸リチウムおよび水酸化リチウムである。また、焼成温度に関しては600℃から1200℃の範囲が好ましいが、スピネル型またはラムズデライト型の結晶構造を有するものを得るには、800℃以上の温度で焼成するのが好ましい。
本発明は、また、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウムおよび酸化リチウムからなる群より選択される少なくとも1種のリチウム化合物と酸化チタンとの混合物を仮焼成する工程、およびその仮焼成物とフッ化リチウム、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素化合物との混合物を本焼成して式LixTiy4-zz(0.8<x<1.4、1.6<y<2.2、0<z<2.0)で表されるリチウム含有チタン酸化物を得る電池用負極活物質の製造方法を提供する。
この方法は、リチウム化合物と酸化チタンTiO2からいったんLi2TiO3、Li4Ti512などの酸化物を合成し、この酸化物にLiFなどのフッ素源を新たに混合してフッ素化を行うものである。この場合、仮焼成温度は600℃〜1200℃が好ましい。より好ましい温度は、600℃〜800℃である。本焼成温度は、800℃〜1200℃の範囲が好ましい。
本発明に係る負極活物質材料の組成に関して、以下に説明する。
リチウム含有チタン酸化物としては、代表的なものはLiTi24、Li0.88Ti2.24、Li4Ti512やLi2Ti37などがある。これらのX線回折パターンなどは良く知られており、構造解析も行われている。本発明によるフッ素化されたリチウム含有チタン酸化物の構造は明らかではないが、特にフッ素化率の低い場合は、これらの酸化物の構造に類似な構造であると思われる。このような観点からLi、TiおよびOの組成比はLixTiy4-zzで示すと、0.8<x<1.4、1.6<y<2.2、0<z<2.0の範囲になる。ここで、Fの値はLiFなどフッ素源になる化合物の混合比率を採用した。
本発明による非水電解質二次電池は、前記のフッ素化したリチウム含有チタン酸化物を活物質とする負極を備える。この電池の正極活物質としては、式Li1±α[Me]O2(0≦α<0.2、 MeはTi、Mn、Fe、Co、Ni、およびCuからなる群より選ばれた少なくとも1種の遷移金属元素)で表される複合酸化物を用いるのが好ましい。
この複合酸化物は、各元素を含む酸化物、水酸化物、炭酸塩などを所定の組成になるように混合し、焼成することで合成することが可能である。しかし、この場合は、各材料の粒径を同じに揃えること、反応を均一にするための十分な混合が必要になり、合成には高度な粉体技術を要する。一方、Ni、Co、Mnなどの遷移元素を水溶液中で水酸化物や炭酸塩として共沈させることで合成したものを用いることができる。この場合は、分散されにくいNiおよびMnがあらかじめ均一に粒子内に分散されるので、合成は比較的容易である。
前記複合酸化物は、平均粒径0.6μm以下の一次粒子が集合した平均粒径10μm以下の二次粒子からなるのが好ましい。
図1は後述の実施例1の試料番号A−1のフッ素化チタン酸化物材料の粒子のSEM写真を示す。ほぼ0.6μm以下の一次粒子が集合して平均粒径1μm程度の二次粒子を形成していることがわかる。
次に、本発明の電池に用いる非水電解液に関して説明する。
一般的なLiCoO2/炭素材料の非水二次電池においては、耐酸化性はコバルトの充放電電位である4.5V近傍、耐還元性は黒鉛の充放電電位である0V近傍までは必要となる(ここで、電位はリチウム金属基準である。以下も同様とする)。したがって、これらの電位窓を満足できない有機溶媒は選択から除外されてきた。特に、負極に黒鉛を使用することによる耐還元性の問題で、ラクトン系の有機溶媒は使用が困難であった。また、プロピレンカーボネートも黒鉛の充放電時に同時に分解されるなどの理由で使用が困難であった。
これらの溶媒は、安価である上に、誘電率が大きいので、電解質塩を十分に溶解させる能力もあり、さらに耐酸化性にも優れた有用な溶媒である。同様の理由でトリメチルフォスフェイト、トリエチルフォスフェイトも使用が困難であった。これらの溶媒は、消火作用をもち、安全性に優れた溶媒である。
本発明の電池系にすることで従来から使用されているエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートやジエチルカーボネートなどに加え、これらの有用な特徴を持った溶媒はすべて使用可能となる。本発明では、負極に黒鉛でなくLixTiy4-zzを用いる。このことで、負極側の電位が上がるため、溶媒に求められる耐還元性は飛躍的に緩和される。また、黒鉛特有の充放電により、負極表面上で分解されてしまうようなプロピレンカーボネートなどの溶媒も、本発明の電池系ではそのような問題は消失するために、極めて有効な溶媒として使用可能となる。
一方、正極の電位は4.7V以上まで上がるが、これらの溶媒の耐酸化性は5V以上あり問題ない。また、耐酸化性に優れたスルフォラン、メチルジグライムやフッ素化エチレンカーボネートなども本電池系には適した溶媒であると考えられる。また、従来から使用されているジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネートなどの溶媒も粘性の高い溶媒の希釈剤として使用することができる。
単独で使用が可能であれば、非常に有益なイオン性液体も同様に炭素材料を負極に使用しているがために選定が制限され、または極めて使用が困難となっていた。電池の溶媒として、イオン性液体を単独で使用するのが安全性などの観点からは好ましい。しかし、イオン性液体は、粘性が高いものや、そのままでは固体のものもあり、従来の生産設備を用いることを考慮した場合などは、前述した溶媒と混合して使用する場合もその優位性はある程度確保できる。イオン性液体としては、以下のものがあげられる。
カチオン種として、1、2、及び3置換されたイミダゾリウム、ピリジニウム、フォスフォニウム、アンモニウム、ピロリジニウム、グアニジニウム、イソウロニウムである。アニオン種としては、ハロゲン、サルフェイト、アミド、イミド、メタン種、ボレイト、フォスフェイト、アンチモネイト、デカネイト、コバルトテトラカルボニルである。電解質としては、特に制約されるものはなく、従来使用されているLiPF6やLiBF4をはじめ有機アニオンのリチウム塩でも良い。
本発明の電池のセパレータとしては、ポリオレフィンの微多孔膜や不織布などが使用できる。不織布はポリエステルなどの材料でもよい。電極の集電体には、一般にアルミニウムやアルミニウム合金箔が正極に、銅箔が負極に用いられる。本発明の負極活物質LixTiy4-zzは、アルミニウムやアルミニウム合金の薄膜を負極の集電体として使用可能である。
本発明の負極活物質は、チタンのほかに他の元素をドープすることで材料の物性を変化させることができる。他の元素をドープした好ましい酸化物は式LixTiyv4-zz(0<v<0.8)で表される。MがIIA族またはIIIB族元素の場合は0.01<v<0.3、Mが遷移金属元素の場合は0.01<v<0.6がより好ましい。
遷移金属元素をドープすることで材料の結晶の安定性を増加させることができる。さらに、IIA族やIIIB族の元素をドープすることで、電子伝導性を増加したり、材料表面での電解液との反応性を抑制したりすることができる。IIA族元素は、酸化物中において2価で存在するので、Tiと置換すると、材料中に正孔が発生し、電導性が増加する。
IIA族およびIIIB族の元素の代表にそれぞれMgおよびAlを用いてこれらの添加割合について説明する。これらの添加元素の添加割合が増加するに伴って負極活物質の容量が低下するので、この観点からは添加割合は少ない方がよい。一方、Mgの添加は、原子比Mg/Tiが0.01以下になると、電子伝導性を増加する効果が十分ではない。したがって、この観点を合わせると、好ましくは0.01<Mg/Ti<0.3である。同様にAlの場合は、Al/Tiが0.01以下になると、電解液との反応性を抑制する効果が十分でなくなる。したがって、0.01<Al/Ti<0.3が好ましい。
遷移金属元素の場合は、負極容量を低下させることが少ないので、IIA族元素やAlに比べて多くの添加が可能である。結晶の安定化や電位の変化などは、添加割合がTiに対する原子比で0.01以下では効果が十分でない。したがって、遷移金属元素(M)の添加割合は、0.01<M/Ti<0.6が好ましい。
II族元素としてはMg、Ca、SrおよびBaが、またIII族元素としてはAl、B、GaおよびInがそれぞれ好ましい。また、遷移金属元素としては、Co、Mn、Ni、Zr、Nb、Mo、Cu、V、Cr、Y、Wなどが用いられる。この他Si、Ge、Sn、P、Sなどもドープ材料に用いられる。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
《実施例1》
リチウム源として、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウムまたは酸化リチウムを用い、フッ素源として、フッ化リチウム、フッ化ナトリウムまたはフッ化カリウム用いた。これらのリチウム化合物とフッ素化合物に、酸化チタンを混合し、焼成することで負極活物質の材料を合成した。表1に使用した材料および焼成温度を示す。焼成時間は10時間で統一した。原子比F/Tiは0.12の仕込み量とした。
《実施例2》
ここでは、焼成工程に関して検討した。
まず、炭酸リチウムと酸化チタンを混合し、800℃で8時間仮焼成した後、これにフッ化リチウムを混合し、950℃で10時間本焼成した(試料D−1)。原子比F/Tiは、0.12の仕込み量とした。
次に、仮焼成温度を600℃、1000℃および1200℃にそれぞれ変えた他は前記と同様にして試料D−2、D−3およびD−4を得た。
また、本焼成温度を800℃、1000℃および1200℃にそれぞれ変えた他は前記と同様にして試料D−5、D−6およびD−7を得た。
仮焼成温度および本焼成温度を表2にまとめて示す。
《実施例3》
添加元素を検討した。
炭酸リチウムと酸化チタンの混合物に、各種添加元素を含む酸化物を混合して800℃で8時間仮焼成した後に、これにフッ化リチウムを混合し、950℃で10時間本焼成した。添加元素種は、表3に示すように、コバルト、マンガン、ニッケル、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびアルミニウムを用いた。試料番号はそれぞれE−1、E−2、E−3、E−4(参考例1)、E−5(参考例2)、E−6(参考例3)およびE−7とした。原子比F/Tiは0.12の仕込み量とし、添加元素の量はTiに対する原子比で0.1とした。
《実施例4》
フッ素の含有量について検討した。
炭酸リチウムと酸化チタンをあらかじめ800℃で8時間仮焼成した後、これにフッ化リチウムを各種の割合で添加し、950℃で10時間本焼成した。添加量は、Tiに対する原子比で0.05〜1.5とした。表4に示すように、原子比F/Tiが0.06、0.1、0.5、0.8、1.0、1.2および1.5として得た試料をそれぞれF−1、F−2、F−3、F−4、F−5、F−6およびF−7とした。
《比較例1》
炭酸リチウムと酸化チタンを原子比Li/Tiが4/5になるように混合し、950℃で10時間焼成した。得られた試料は、Li4Ti512であることがX線回折から同定された。
《実施例5》
各種の負極活物質80重量部、導電剤であるアセチレンブラック10重量部、および結着剤としてポリフッ化ビニリデン10重量部を混合し、さらにN−メチル−2−ピロリドンを加えてペースト状にした。これをアルミ箔の集電体上に塗布した。真空中60℃で30分乾燥したのち、15×20mmのサイズに切断した。さらに、真空中において150℃で14時間乾燥した。こうして厚みは120μmから190μmの電極を作製した。対極としては、ステンレス鋼製板の上にリチウム金属シートを圧着したものを用いた。セパレータはポリエチレン製の多孔フィルム、電解液としてはエチレンカーボネートとジメチルカーボネートを体積比3対7の割合で混合した溶媒にLiPF6を1.0モル/リットル溶解したものを用いた。
上記の負極について、0.17mA/cm2の電流密度でリチウム金属対極に対して0.5V〜2Vの電圧領域の間で充放電を行った。表5に充放電の電気化学容量を示した。
表5より、焼成温度は600℃〜1200℃が好ましいことがわかる。また、フッ素源としては、フッ化リチウムを用いると、リチウム電池用の負極としては不純物の量が減少し、容量が増加するので好ましい。一方、フッ素添加量として原子比F/Tiが1.2以下が好ましいことがわかる。
《実施例6》
図2は、本実施例において作製した円筒型電池の概略縦断面図を示す。正極板および負極板がセパレータを介して渦巻状に巻回された極板群3が電池ケース6内に収納されている。正極板からは正極リード1が引き出されて封口板7に接続され、負極板からは負極リード2が引き出されて電池ケース6の底部に接続されている。電池ケースやリード板は、耐有機電解液性の電子伝導性をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属またはそれらの合金が用いられる。特に、電池ケースはステンレス鋼板、Al−Mn合金板を加工したもの、正極リードはアルミニウムが好ましい。負極リードはニッケルあるいはアルミニウムが好ましい。また、電池ケースには、軽量化を図るため各種エンジニアリングプラスチックスおよびこれと金属の併用したものを用いることも可能である。極板群3の上部および下部にはそれぞれ絶縁板4および5が設けられている。
電解液を注入した後、周縁部にガスケット8を装着した封口板7により電池ケース6の開口部を密封する。このとき、安全弁を封口板に設けることができる。安全弁の他、従来から知られている種々の安全素子を備えつけてもよい。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが用いられる。また、安全弁のほかに電池ケースの内圧上昇の対策として、内圧が異常に上昇したとき正極リードと封口板の端子部との間の電気的接続部分を切り離すようにするなど公知の手段を用いることができる。
負極板は、以下のように作製した。
負極活物質粉末85重量部に、導電剤の炭素粉末10重量部と結着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂5重量部を混合した。この混合物を脱水N−メチルピロリジノンに分散させてスラリーを得た。このスラリーをアルミニウム箔からなる正極集電体上に塗布し、乾燥し、圧延した後、所定の大きさに切断した。ポリフッ化ビニリデン樹脂の代わりにスチレンブタジエンゴム系結着剤を用いることもできる。
正極板は、活物質をLi1±xNi1/2Co1/22(x≦0.1)に変更する以外は上と同じようにして作製した。セパレータには、ポリプロピレン製の不織布を用いた。また、有機電解液には、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの体積比1:1の混合溶媒に、LiPF6を1.0モル/リットル溶解したものを使用した。作製した円筒型電池は直径14.1mm、高さ50.0mmである。
このようにして作製した円筒型電池を3.0Vで定電圧充電を行い、100mAの定電流で1Vまで放電した。このとき得られた放電容量は550mAhであった。同様の充放電条件でサイクル寿命テストをした。環境温度は60℃とした。本発明による各種負極材料を用いた電池のサイクル寿命を表6に示す。表6に示した数値は100サイクル後の初期容量に対する容量比(%)で示した。
表6より明らかなように、本発明のフッ素化したリチウム含有チタン酸化物を負極活物質とする電池は、高温でのサイクル寿命が、リチウム含有チタン酸化物を用いた比較例に比べて飛躍的に向上していることがわかる。この要因に関しては明らかでないが、高温時において負極中のリチウムと電解液の副反応がフッ素化により抑制されているものと考えられる。フッ素はリチウムとの親和性が強いために、負極中のリチウムを固体内に引き止める力が強く働き、このことが電解液との還元反応を抑制したものと考えられる。
さらに、添加元素をドープしたE−1〜E−7に関しては、A−1に比べて良化傾向にある。Mgを代表とするIIA族元素を添加したE−4(参考例1)、E−5(参考例2)およびE−6(参考例3)は、これらの元素を添加していないA−1と比較すると、サイクル寿命の改善効果が確認される。このことは、電子伝導性の向上により、充放電反応が極板内でより均一化することで劣化が緩和されたものと考えられる。また、同様にAlに関しても、A−1と比較して、添加による改善効果が確認される。これは活物質表面のAl酸化物が、活物質表面の電解質との副反応活性点を一部覆うことで副反応を抑制したものと考えられる。
本発明によれば、高温時のサイクル劣化を飛躍的に改良した非水電解質二次電池を提供することができる。この非水電解質二次電池は、ノートパソコン、携帯電話、デジタルスチルカメラなどの電子機器の駆動源として有用である。
本発明のフッ素化したリチウム含有チタン酸化物の粒子形態を示すSEM写真である。 本発明の実施例において作製した円筒型電池の概略縦断面図である。
符号の説明
1 正極リード
2 負極リード
3 極板群
4、5 絶縁板
6 電池ケース
7 封口板
8 ガスケット

Claims (10)

  1. 式Li x Ti y 4-z z 又は式Li x Ti y v 4-z z (0.8<x<1.4、1.6<y<2.2、0<z<2.0、MはAl、B、Ga、In、Co、Mn、Ni、Zr、Nb、Mo、Cu、V、Cr、Y又はW、0<v<0.8)で表されるリチウム含有チタン酸化物を含むリチウムイオン電池用負極活物質。
  2. 前記リチウム含有チタン酸化物が、スピネル型またはラムズデライト型の結晶構造を有する請求項1に記載のリチウムイオン電池用負極活物質。
  3. 炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウムおよび酸化リチウムからなる群より選択される少なくとも1種のリチウム化合物と、フッ化リチウム、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素化合物と、酸化チタンとの混合物を焼成して式LixTiy4-zz(0.8<x<1.4、1.6<y<2.2、0<z<2.0)で表されるリチウム含有チタン酸化物を得るリチウムイオン電池用負極活物質の製造方法。
  4. 炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウムおよび酸化リチウムからなる群より選択される少なくとも1種のリチウム化合物と、フッ化リチウム、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素化合物と、酸化チタンと、元素Mを含む酸化物との混合物を焼成して式Li x Ti y v 4-z z (0.8<x<1.4、1.6<y<2.2、0<z<2.0、MはAl、B、Ga、In、Co、Mn、Ni、Zr、Nb、Mo、Cu、V、Cr、Y又はW、0<v<0.8)で表されるリチウム含有チタン酸化物を得るリチウムイオン電池用負極活物質の製造方法。
  5. 焼成温度が600℃から1200℃である請求項3又は記載のリチウムイオン電池用負極活物質の製造方法。
  6. 炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウムおよび酸化リチウムからなる群より選択される少なくとも1種のリチウム化合物と酸化チタンとの混合物を仮焼成する工程、およびその仮焼成物と、フッ化リチウム、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素化合物との混合物を本焼成して式LixTiy4-zz(0.8<x<1.4、1.6<y<2.2、0<z<2.0)で表されるリチウム含有チタン酸化物を得るリチウムイオン電池用負極活物質の製造方法。
  7. 炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウムおよび酸化リチウムからなる群より選択される少なくとも1種のリチウム化合物と酸化チタンと元素Mを含む酸化物の混合物を仮焼成する工程、およびその仮焼成物と、フッ化リチウム、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素化合物との混合物を本焼成して式Li x Ti y v 4-z z (0.8<x<1.4、1.6<y<2.2、0<z<2.0、MはAl、B、Ga、In、Co、Mn、Ni、Zr、Nb、Mo、Cu、V、Cr、Y又はW、0<v<0.8)で表されるリチウム含有チタン酸化物を得るリチウムイオン電池用負極活物質の製造方法。
  8. 前記仮焼成温度が600℃〜1200℃あり、前記本焼成温度が800℃〜1200℃である請求項6又は7に記載のリチウムイオン電池用負極活物質の製造方法。
  9. 請求項1又は2に記載の負極活物質を含む負極、リチウムを可逆的に吸蔵・放出する正極、両電極を隔離するセパレータ、および非水電解質を具備するリチウムイオン電池。
  10. 前記負極活物質は、平均粒径0.6μm以下の一次粒子が集合した平均粒径10μm以下の二次粒子からなる請求項9に記載のリチウムイオン電池。
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