WO2011111227A1 - 電極活物質及び電極活物質の製造方法 - Google Patents

電極活物質及び電極活物質の製造方法 Download PDF

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Abstract

結晶構造を維持しつつ、電子伝導性に優れる電極活物質を提供する。 フッ素及び窒素が導入された、リチウム-チタン複合酸化物からなることを特徴とする電極活物質、並びに、フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)と、式(1)で表され、常温で固体又は液体である窒化剤(b)と、を含有する原料組成物を焼成することによって、フッ素及び窒素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(c)を合成する、窒素導入工程を有することを特徴とする電極活物質の製造方法。

Description

電極活物質及び電極活物質の製造方法
 本発明は、電極活物質及び電極活物質の製造方法に関する。
 近年、パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界においても、電気自動車やハイブリッド自動車用の高出力且つ高容量の電池の開発が進められている。各種電池の中でも、エネルギー密度と出力が高いことから、リチウム二次電池が注目されている。
 一般的なリチウム二次電池は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、これら正極活物質層と負極活物質層との間に介在する電解質層とを有する。より具体的には、例えば、図2に示すようなリチウム二次電池が挙げられる。図2において、リチウム二次電池100は、正極缶1内に正極活物質層2が配置されている。正極活物質層2の上には、電解質層3を介して、負極活物質層4が配置されている。負極物質層4は負極キャップ5内に充填されており、負極キャップ5を正極缶1内に嵌め込むことで、正極活物質層2-電解質層3-負極活物質層4の電池構造が形成されている。正極缶1と負極キャップ5の内部は、ガスケット6により気密性が保持されている。
 リチウム二次電池の電極活物質としては、例えば、正極活物質として、LiCoO2、LiMnO2、LiMn24、LiNiO2、LiCoMnO4等、また、負極活物質として、Li4Ti512に代表されるリチウム-チタン酸化物等(例えば、特許文献1)が用いられている。このような従来使用されている電極活物質は、電子伝導度が低いという問題がある。そのため、一般的には、活物質層の電子伝導度を確保することを目的として、電極活物質と共に、アセチレンブラックや黒鉛等の電子伝導性の高い材料が電子伝導補助材として併用されている。また、電極活物質と電子伝導補助材とを結着させるために、バインダー成分も使用されることがある。しかしながら、これら炭素材料等の電子伝導補助材やバインダー成分は、電池の容量に寄与しないため、電池のエネルギー密度を低下させる要因の1つとなっている。
 そこで、電極活物質の電子伝導性を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2には、抵抗率が1×10Ωcm以上の酸化物を還元性雰囲気下で加熱した後、前記酸化物をアンモニアガスと反応させて、組成式:LiMeO(式中、0≦x≦2、0.1<y<2.2、0<z<1.4、MeはTi、Co、Ni、Mn、Si、Ge及びSnよりなる群から選択される少なくとも1種)で表される、抵抗率が1×10Ωcm未満の窒素酸化物を得る活物質材料の製造方法が開示されている。
 また、電極活物質の製造方法ではないが、尿素等の窒素化合物を用いて酸化物を窒化する方法が知られている。例えば、特許文献3には、特定の比表面積を有する酸化物(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉄等)と、常温で前記酸化物に吸着する窒素化合物(例えば尿素)との混合物を加熱して、光触媒活性を有する無機系酸窒化物の製造方法が開示されている。
国際公開公報WO2006/082846号 特開2006-032321号公報 特開2002-154823号公報
 上記したように、特許文献1に記載されているような従来のLi4Ti512等からなる電極活物質は、電子伝導性が不十分であるために、電極構成材料として、電子伝導補助材を併用する必要があった。その結果、電池のエネルギー密度の低下を招いていた。また、特許文献2に開示されたような、アンモニアを用いた窒化方法は、窒化反応が充分に進みにくく、電子伝導性向上には限界がある。
 本発明者らが鋭意検討した結果、電子伝導性を向上させるべく、Li4Ti512に代表されるリチウム-チタン複合酸化物からなる電極活物質に窒素を導入し、電極活物質中の酸素を窒素に置換する場合、窒素導入量が過剰になると、電極活物質の結晶構造が崩れてしまうことが見出された。リチウム-チタン複合酸化物の結晶性が低下すると、リチウムイオンの挿入脱離の可逆性の低下や電極電位の低下等のデメリットが生じるおそれがある。すなわち、結晶構造を維持して安定したリチウムイオンの挿入脱離特性や酸化還元電位を有すると共に、優れた電子伝導性を示す電極活物質が求められている。
 本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、本発明の目的は、結晶構造を維持しつつ、電子伝導性に優れる電極活物質を提供することである。
 本発明の電極活物質は、フッ素及び窒素が導入された、リチウム-チタン複合酸化物からなることを特徴とするものである。
 本発明の電極活物質は、リチウム-チタン複合酸化物に、ドーパントとして、アクセプター種である窒素と共に、ドナー種であるフッ素が導入されている。このように、リチウム-チタン複合酸化物の酸素の一部を窒素及びフッ素で置換することによって、リチウム-チタン複合酸化物の酸素の一部を窒素のみで置換する場合と比較して、結晶構造を維持しつつ、多くの窒素を導入することができ、リチウム-チタン複合酸化物の電子伝導性を向上させることができる。
 前記リチウム-チタン複合酸化物としては、LiTi(0<a≦5、3≦b≦7、10≦c≦14)で表される化合物が挙げられる。
 前記リチウム-チタン複合酸化物としては、LiTi12が特に好適である。
 本発明によれば、電子伝導度が1.0×10-6S/cm以上である電極活物質を得ることが可能である。
 本発明において、電極活物質は、平均粒径が0.1~50μmであることが好ましい。
 本発明の電極活物質は、特に負極活物質として有用である。
 本発明の電極活物質の製造方法は、フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)と、下記式(1)で表され、常温で固体又は液体である窒化剤(b)と、を含有する原料組成物を焼成することによって、フッ素及び窒素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(c)を合成する、窒素導入工程を有することを特徴とする。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
(式(1)において、R1、R2及びR3は、互いに独立に、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)及び窒素(N)の少なくとも1つを有する基である。)
 本発明の電極活物質の製造方法によれば、安定したリチウムイオンの挿入脱離特性や酸化還元電位を有すると共に優れた電子伝導性を示す電極活物質を、簡便に得ることができる。
 前記フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)としては、LiTi(0<a≦5、3≦b≦7、10≦c≦14)で表される化合物にフッ素が導入されたものが挙げられる。
 前記フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物としては、特に、フッ素が導入されたLiTi12が好適である。
 本発明の電極活物質の製造方法は、リチウム元素、チタン元素、フッ素元素及び酸素元素を含有する原料を焼成することによって、前記フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)を合成する、フッ素導入工程を有していてもよい。
 このとき、前記原料として、例えば、少なくともリチウム化合物とフッ素化合物とチタン化合物とを含有する原料混合物を用いることができる。前記リチウム化合物としては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酸化リチウム及び酢酸リチウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。また、前記フッ素化合物としては、フッ化リチウムが挙げられる。また、前記チタン化合物としては、二酸化チタン、水酸化チタン、酢酸チタン、及び硝酸チタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
 前記窒化剤としては、尿素、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、アニリン、ニコチン、及びシクロヘキシルアミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
 前記窒素導入工程における焼成温度は、300℃~600℃であることが好ましい。
 また、前記フッ素導入工程における焼成温度は、300℃~900℃であることが好ましい。
 本発明の電極活物質の製造方法は、前記窒素導入工程後、前記フッ素及び窒素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(c)を加熱し、残留した前記窒化剤を除去する窒化剤除去工程をさらに有することが好ましい。
 本発明によれば、安定したリチウムイオンの挿入脱離特性や酸化還元電位を有すると共に、優れた電子伝導性を示す電極活物質を得ることができる。従って、本発明の電極活物質を用いることによって、電池を構成する電極活物質層における電子伝導補助材の割合を低減することが可能であり、電池のエネルギー密度を向上させることができる。
本発明の電極活物質の製造方法の一形態を示す図である。 リチウム二次電池の構造例を示す模式断面図である。
 本発明の電極活物質は、フッ素及び窒素が導入された、リチウム-チタン複合酸化物からなることを特徴とするものである。
 本発明者らは、電極活物質として用いられている、リチウム-チタン複合酸化物の電子伝導性を向上させるべく鋭意検討した結果、該リチウム-チタン複合酸化物に窒素を導入し、一部の酸素(O)を窒素(N)に置換する場合、窒素導入量が過剰になると、リチウム-チタン複合酸化物の結晶構造が不安定になり、崩れてしまうという知見を得た。結晶構造が崩れてしまうと、Liイオンの挿入脱離の可逆性が低下したり、電極電位が低下するといった問題が生じる。過剰の窒素導入による結晶構造の崩れは、-2価の酸素イオンのサイトに、-3価の窒素を導入するために、価数のバランスが崩れるためである。
 そして、本発明者らは、アクセプター種である-3価の窒素を導入すると共に、ドナー種である-1価のフッ素を導入することで、リチウム-チタン複合酸化物の結晶構造を維持しつつ、多量の窒素導入が可能であることを見出した。すなわち、フッ素及び窒素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物からなる、本願の電極活物質は、Liイオンの挿入脱離特性及び電極電位を維持しつつ、優れた電子伝導性を有するものである。
 本発明において、リチウム-チタン複合酸化物にフッ素及び窒素が導入(ドープ)されていること、すなわち、該リチウム-チタン複合酸化物の酸素の一部がフッ素及び窒素で置換されていることは、XPS測定のN1s及びF1sのスペクトルより判断することができる。
 また、リチウム-チタン複合酸化物の結晶構造は、XPS測定により判断することができる。後述する本発明の電極活物質の製造方法において、原料として用いられるフッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)の結晶構造を確認し、該リチウム-チタン複合酸化物(a)の結晶構造と、フッ素及び窒素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物の結晶構造(c)を比較することで、該リチウム-チタン複合酸化物(c)において該リチウム-チタン複合酸化物(a)の結晶構造が維持されているかを確認することもできる。
 本発明によれば、電子伝導度が、1.0×10-6S/cm以上、さらには2.5×10-6S/cm以上の電子伝導性に優れた電極活物質を得ることが可能である。電極活物質の電子伝導度は、例えば、粉体抵抗測定機(例えば、三菱化学アナリテック社製、MCP-PD51等)を用いて測定することができる。
 このように電子伝導性に優れる本発明の電極活物質を用いることで、リチウム二次電池等の電池において、電極活物質層中の電子伝導補助材の量を低減すること、若しくは、電子伝導補助材を用いずに電極活物質層を形成することが可能となる。その結果、電極活物質層における電極活物質の割合を増加させることができ、電池のエネルギー密度を向上させることが可能である。
 本発明において、フッ素及び窒素が導入される、リチウム-チタン複合酸化物としては、特に限定されないが、例えば、スピネル構造を有するもの、ラムスデライト構造を有するもの等を挙げることができる。具体的なリチウム-チタン複合酸化物としては、例えば、Li1.33Ti1.66、LiTiO、LiTiO、LiTi、LiTi、Li0.80Ti2.2、LiTi、LiTi13、Li0.5TiO、LiTi、LiTi、LiTi、LiTi、LiTiO、LiTi、LiTi12等が挙げられる。また、これらリチウム-チタン複合酸化物の近傍組成にある化合物であってもよい。
 中でも、本発明においては、リチウム-チタン複合酸化物が、LiTi12及びその近傍組成にある化合物であることが好ましい。尚、LiTi12は、スピネル構造を有するリチウム-チタン複合酸化物である。
 本発明においては、リチウム-チタン複合酸化物が、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
  一般式(2):LiTi(0<a≦5、3≦b≦7、10≦c≦14)
 一般式(2)において、bは、4≦b≦6が好ましく、4.5≦b≦5.5がより好ましい。cは、11≦c≦13が好ましく、11.5≦c≦12.5がより好ましい。
 本発明において、リチウム-チタン複合酸化物に導入されるフッ素及び窒素の量は、特に限定されず、アクセプター種である窒素と、ドナー種であるフッ素の量が異なればよい。
 本発明の電極活物質は、粒子状(粉末状)であっても、薄膜状であってもよいが、粒子状であることが好ましい。粒子状である場合、薄膜のように剥離やクラック等が生じず、耐久性に優れているからである。粒子状の電極活物質の平均粒径は、100nm以上、中でも2μm以上、特に4μm以上であることが好ましく、一方、100μm以下、特に50μm以下、中でも20μm以下であることが好ましい。尚、電極活物質の平均粒径は、レーザー回折式の粒度分布計により算出することができる。
 また、本発明の電極活物質は、比表面積が、0.1m/g以上、中でも0.5m/g以上であることが好ましく、一方、300m/g以下、中でも100m/g以下であることが好ましい。尚、電極活物質の比表面積は、BET法(気体吸着法)により算出することができる。
 本発明の電極活物質は、対極の電極活物質との組み合わせによって、正極活物質としても、又は、負極活物質としても利用することができるが、通常、負極活物質として好適である。特に、リチウム-チタン複合酸化物が、上記式(2)で表される組成を有する場合、中でもLiTi12である場合、負極活物質として好適である。
 次に、本発明の電極活物質の製造方法について説明する。上記にて説明した本発明の電極活物質は、以下説明する本発明の電極活物質の製造方法によって合成することができる。但し、本発明の電極活物質は、以下の製造方法以外の方法で製造されていてもよい。
 本発明の電極活物質の製造方法は、フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)と、下記式(1)で表され、常温で固体又は液体である窒化剤(b)と、を含有する原料組成物を焼成することによって、フッ素及び窒素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(c)を合成する、窒素導入工程を有することを特徴とする。
(式(1)において、R1、R2及びR3は、互いに独立に、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)及び窒素(N)の少なくとも1つを有する基である。)
 本発明によれば、結晶構造を維持して安定したリチウムイオンの挿入脱離特性や酸化還元電位を有すると共に、多量の窒素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物を、簡便に得ることができる。
 図1は、本発明の電極活物質の製造方法の一例を示す図である。図1においては、まず、水酸化リチウム一水和物(LiOH・HO)とフッ化リチウム(LiF)と二酸化チタン(TiO)とを含む原料を焼成することにより、フッ素が導入されたチタン酸リチウム[フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)]を合成する(フッ素導入工程)。次に、得られたフッ素が導入されたチタン酸リチウム[フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)]と尿素[窒化剤(b)]とを含有する原料組成物を焼成することにより、フッ素及び窒素が導入されたチタン酸リチウム[フッ素及び窒素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(c)]を合成する(窒素導入工程)。その後、窒素導入工程において得られた、フッ素及び窒素が導入されたチタン酸リチウムを、加熱することによって、残留する尿素を除去する(窒化剤除去工程)。
 以下、本発明の電極活物質の製造方法の各工程について説明する。
 [窒素導入工程、フッ素導入工程]
 窒素導入工程は、フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)と、上記式(1)で表され常温で固体又は液体である窒化剤(b)と、を含有する原料組成物を焼成することによって、フッ素及び窒素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(c)を合成する工程である。
 フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)(以下、F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)ということがある)は、リチウム-チタン複合酸化物の酸素の一部がフッ素で置換されたものであれば、特に限定されない。例えば、上記電極活物質の説明において例示したようなリチウム-チタン複合酸化物に、フッ素が導入されたものが挙げられる。中でも、上記一般式(2)で表されるリチウム-チタン酸化物にフッ素が導入されたもの、特にLiTi12にフッ素が導入されたものが好ましい。
 F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)は、粒子状(粉末状)であっても、薄膜状であってもよいが、粒子状であることが好ましい。粒子状であることによって、薄膜のように剥離やクラック等が生じず、耐久性に優れているからである。粒子状のF導入リチウム-チタン複合酸化物(a)の平均粒径は、100nm以上、中でも2μm以上、特に4μm以上であることが好ましく、一方、100μm以下、特に50μm以下、中でも20μm以下であることが好ましい。尚、F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)の平均粒径は、レーザー回折式の粒度分布計により算出することができる。
 また、F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)は、比表面積が、0.1m/g以上、中でも0.5m/g以上であることが好ましく、一方、300m/g以下、中でも100m/g以下であることが好ましい。尚、F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)比表面積は、BET法(気体吸着法)により算出することができる。
 尚、従来のスパッタリング法や蒸着法を用いて、F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)の薄膜を形成し、この薄膜を削った場合、上記と同様の粒径を有する粒子状のF導入リチウム-チタン複合酸化物(a)が得られる可能性がある。しかしながら、このような粒子は、凹凸の少ない薄膜から形成されるものであるため、粒子の比表面積は小さくなる。これに対して、後述のフッ素導入工程に記載された方法で得られるF導入リチウム-チタン複合酸化物(a)は、通常、粒子の表面に凹凸を有するため、上記範囲のように比較的大きな比表面積を有する。
 F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)は、例えば、以下のようなフッ素導入工程によって合成することができる。ここで、フッ素導入工程について説明する。
 <フッ素導入工程>
 フッ素導入工程は、リチウム元素、チタン元素、フッ素元素及び酸素元素を含有する原料を焼成することによって、F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)を合成する工程である。
 フッ素導入工程における原料は、リチウム元素、チタン元素、フッ素元素及び酸素元素を含有するものであれば特に限定されず、例えば、少なくともリチウム化合物とチタン化合物とフッ素化合物とを含有する原料混合物(以下、原料混合物(A-1)ということがある)が挙げられる。
 尚、フッ素導入工程における原料中の酸素元素は、原料混合物を構成する化合物の少なくとも1つとして酸素元素を含有する化合物を用い、該酸素含有化合物から供給してもよいし、或いは、フッ素導入工程における反応雰囲気中の酸素から供給してもよい。通常、原料混合物を構成する化合物として、酸素含有化合物を用いることが好ましい。具体的には、例えば、上記原料混合物(A-1)を構成するリチウム化合物、チタン化合物及びフッ素化合物の少なくとも1つとして、酸素を含有する化合物を用いる。
 原料として原料混合物(A-1)を用いる場合、リチウム化合物としては、リチウム元素を含む化合物であれば、特に限定されないが、リチウム元素と共に酸素元素を含有し、リチウム元素供給源と酸素元素供給源とを兼ねる化合物が好ましい。具体的なリチウム化合物としては、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酸化リチウム及び酢酸リチウム等が挙げられる。尚、水酸化リチウムは、水和物であっても、無水物であってもよい。
 また、フッ素化合物としては、フッ素元素を含む化合物であれば特に限定されず、具体的なフッ素化合物としては、例えば、フッ化リチウムが挙げられる。
 また、チタン化合物としては、チタン元素を含有する化合物であれば、特に限定されないが、チタン元素と共に酸素元素を含有し、チタン元素供給源と酸素元素供給源とを兼ねる化合物が好ましい。具体的なチタン化合物としては、例えば、二酸化チタン、水酸化チタン、酢酸チタン、及び硝酸チタン等が挙げられる。二酸化チタンとしては、アナターゼ型であっても、ルチル型であってもよいが、アナターゼ型が好ましい。
 原料として原料混合物(A-1)を用いる場合、上記したようなリチウム化合物、フッ素化合物及びチタン化合物の他、酸素元素を含有する酸素化合物を用いてもよい。
 尚、原料として原料混合物(A-1)を用いる場合、リチウム化合物、チタン化合物、及びフッ素化合物は、それぞれが別個の化合物であってもよいし、或いは、リチウム元素、チタン元素及びフッ素元素のうちの2種以上の元素を有する化合物を用いてもよい。
 フッ素導入工程において、原料混合物中の各化合物の割合は、目的とするF導入リチウム-チタン複合酸化物(a)の組成に応じて適宜選択すればよい。
 フッ素導入工程における原料は、原料混合物を構成する化合物を混合することで調製できる。原料調製における混合方法は特に限定されないが、本発明においては、メカニカルミリング法が好ましい。メカニカルミリング法を採用することによって、原料中の各成分の粉砕と混合を同時に行うことができ、各成分の接触面積を大きくすることができるからである。
 メカニカルミリング法は、合成反応を伴うメカニカルミリング法であってもよく、合成反応を伴わないメカニカルミリング法であってもよい。尚、ここでいう合成反応とは、原料化合物を合成する合成反応を意味する。そのため、合成反応を伴うメカニカルミリング法は、原料が原料混合物である場合に用いることができる。
 ボールミル法によりメカニカルミリングを行う場合、回転速度は、例えば、100rpm~11000rpmの範囲内であることが好ましく、特に500~5000rpmの範囲内であることが好ましい。また、処理時間は、特に限定されず、適宜設定すればよい。 
 フッ素導入工程において、原料の焼成条件は、F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)が合成できれば特に限定されるものではない。具体的には、焼成温度は、各原料の分解温度以上であることが好ましく、使用する原料の分解温度に応じて適宜設定すればよいが、通常は、300℃以上、特に400℃以上であることが好ましく、一方、900℃以下、特に、800℃以下であることが好ましい。焼成時間は、適宜設定すればよいが、通常、30分以上、特に60分以上であることが好ましく、一方、48時間以下、特に24時間以下であることが好ましい。
 フッ素導入工程において、焼成時の雰囲気は、特に限定されるものではないが、例えば、大気雰囲気;窒素雰囲気及びアルゴン雰囲気等の不活性雰囲気;アンモニア雰囲気及び水素雰囲気等の還元雰囲気;真空等を挙げることができ、中でも不活性雰囲気、還元雰囲気、真空が好ましく、特に還元雰囲気が好ましい。F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)の酸化劣化を防止することができるからである。
 尚、本発明において、F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)は、上記フッ素導入工程において合成されるものに限定されず、その他合成方法によって入手されたものでもよい。
 次に、窒素導入工程において使用される窒化剤(b)について説明する。
 本発明において使用する窒化剤(b)は、上記式(1)で表されるものである。上記式(1)において、R1、R2及びR3は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。R1、R2及びR3は、少なくとも1つが炭素(C)を有することが好ましい。
 窒化剤(b)は、常温(25℃)において、固体又は液体である。固体又は液体であることで、窒化剤(b)とF導入リチウム-チタン複合酸化物(a)とが効率良く物理的に接触した原料組成物を調製することができ、原料組成物の窒化効率が向上する。尚、アンモニア等の気体を窒化剤とした場合、窒化反応が生じにくく、腐食性が高く、設備が高コストになる可能性がある点に留意すべきである。
 具体的な窒化剤(b)としては、例えば、尿素、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、アニリン、ニコチン、シクロヘキシルアミン等を挙げることができ、中でも尿素が好ましい。尚、尿素は、式(1)において、R~Rのうちの2つがHであり、残りの1つが-CONH2である。
 窒素導入工程において、原料組成物におけるF導入リチウム-チタン複合酸化物(a)と窒化剤(b)の割合は、目的とする、フッ素及び窒素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(c)(以下、F及びN導入リチウム-チタン複合酸化物(c)ということがある)の組成に応じて適宜選択すればよいが、通常、F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)中に含まれるリチウム100モル部に対して、窒化剤(b)中に含まれるNが10~100モル部であることが好ましく、特に30~60モル部であることが好ましい。
 尚、本発明においては、F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)と窒化剤(b)とが焼成前に充分に接していることが重要である。そのため、窒化剤(b)の割合が多すぎる場合、F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)に接していない部分では充分な窒化が生じないため、全体として窒化剤(b)の利用効率が悪くなる可能性がある。
 窒素導入工程における原料組成物は、原料組成物を構成するF導入リチウム-チタン複合酸化物(a)と窒化剤(b)、及び必要に応じてその他成分とを混合することで調製することができる。原料組成物調製における混合方法は特に限定されないが、本発明においては、メカニカルミリング法が好ましい。メカニカルミリング法を採用することによって、原料組成物中の各成分の粉砕と混合を同時に行うことができ、各成分の接触面積を大きくすることができるからである。
 メカニカルミリング法は、合成反応を伴うメカニカルミリング法であってもよく、合成反応を伴わないメカニカルミリング法であってもよい。
 ボールミル法によりメカニカルミリングを行う場合、回転速度は、例えば、100rpm~11000rpmの範囲内であることが好ましく、特に500~5000rpmの範囲内であることが好ましい。また、処理時間は、特に限定されず、適宜設定すればよい。
 窒素導入工程において、原料組成物の焼成条件は、F及びN導入リチウム-チタン複合酸化物(c)が合成できれば特に限定されるものではない。具体的には、焼成温度は、窒化剤(b)が分解又は溶解する温度以上であることが好ましい。すなわち、焼成温度は、用いる窒化剤(b)に応じて適宜設定すればよく、通常は、300℃以上、特に400℃以上であることが好ましく、一方、600℃以下、特に500℃以下であることが好ましい。焼成時間は、適宜設定すればよいが、通常、30分以上、特に60分以上であることが好ましく、一方、48時間以下、特に24時間以下であることが好ましい。
 窒素導入工程において、焼成時の雰囲気は、特に限定されるものではないが、例えば、大気雰囲気;窒素雰囲気及びアルゴン雰囲気等の不活性雰囲気;アンモニア雰囲気及び水素雰囲気等の還元雰囲気;真空等を挙げることができ、中でも不活性雰囲気、還元雰囲気、真空が好ましく、特に還元雰囲気が好ましい。F導入リチウム-チタン複合酸化物(a)、並びに、F及びN導入リチウム-チタン複合酸化物(c)の酸化劣化を防止することができるからである。
 [窒化剤除去工程]
 窒化剤除去工程は、上記窒素導入工程の後、得られたF及びN導入リチウム-チタン複合酸化物(c)を加熱することによって、残留する窒化剤(b)を除去する工程である。本発明にかかる製造方法において、この窒化剤除去工程は必須の工程ではないが、過剰の窒化剤(b)がF及びN導入リチウム-チタン複合酸化物(c)内に残留すると、電解液に窒化剤(b)が溶解し、電池特性が劣化するという不具合が生じるおそれがあるため、窒化剤除去工程を設けることが好ましい。
 窒化剤除去工程において、F及びN導入リチウム-チタン複合酸化物(c)の加熱条件は、窒素導入工程において使用した窒化剤(b)を除去することができれば特に限定されない。具体的には、窒素導入工程において使用する窒化剤(b)の分解温度以上であることが好ましい。すなわち、加熱温度は、使用する窒化剤(b)に応じて適宜設定すればよいが、通常は、200℃以上であることが好ましく、特に300℃以上であることが好ましい。一方、導入したN及びFの抜け防止の観点から、加熱温度は、800℃以下であることが好ましく、特に600℃以下、さらに500℃以下であることが好ましい。尚、加熱時間は適宜設定すればよいが、通常、30分以上、特に60分以上であることが好ましく、一方、48時間以下、特に24時間以下であることが好ましい。
 本発明により提供される電極活物質は、上記したように正極活物質として又は負極活物質として利用することができ、特に負極活物質として好適である。以下、本発明の電極活物質を負極活物質として利用するリチウム二次電池を例に、本発明の電極活物質を用いた電池について説明する。
 具体的なリチウム二次電池の構造としては、例えば、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層及び上記負極活物質層の間に形成された電解質層と、を有するリチウム電池であって、上記負極活物質が、本発明の電極活物質であるリチウム二次電池が挙げられる。
 より具体的には、例えば、図2に示すようなリチウム二次電池が挙げられる。図2において、リチウム二次電池100は、正極缶1内に正極活物質層2が配置されている。正極活物質層2の上には、電解質層3を介して、負極活物質層4が配置されている。負極物質層4は負極キャップ5内に充填されており、負極キャップ5を正極缶1内に嵌め込むことで、正極活物質層2-電解質層3-負極活物質層4の電池構造が形成されている。正極缶1と負極キャップ5の内部は、ガスケット6により気密性が保持されている。
 本発明にかかる電子伝導性に優れた電極活物質を用いることによって、リチウム伝導性を保持しつつ、相対的に電子伝導補助材の使用量を低減でき、電池の高容量化を図ることができる。
 以下、リチウム二次電池を構成する各層について説明する。
 まず、負極活物質層について説明する。負極活物質層は、負極活物質として、本発明の電極活物質を少なくとも含有する層であり、必要に応じて、電子伝導補助材、バインダー成分及び固体電解質材料の少なくとも一つを含有していてもよい。特に、電解質層が液体電解質層である場合、負極活物質層はバインダー成分を含有することが好ましい。負極活物質層からの負極活物質の滑落を効果的に抑制することができるからである。また、電解質層が固体電解質層である場合、負極活物質層は固体電解質材料を含有することが好ましい。負極活物質層におけるリチウムイオン伝導性を向上させることができるからである。
 負極活物質として用いられる本発明の電極活物質については上述したため、ここでの説明は省略する。
 電子伝導補助材としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料からなる電子導電補助材を挙げることができる。具体的には、アセチレンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛等が挙げられる。より好ましくは、熱処理温度が800℃~2000℃の平均粒子径10μm以下のコークス、黒鉛、平均粒子径1μm以下の炭素繊維が好ましい。また、電子伝導補助材のN吸着によるBET比表面積は10m/g以上が好ましい。
 バインダー成分は、化学的、電気的に安定なものであることが好ましく、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダー成分、及び、スチレンブタジエンゴム等のゴム系バインダー成分等を挙げることができる。
 固体電解質材料は、リチウムイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、酸化物固体電解質材料、硫化物固体電解質材料を挙げることができ、中でも硫化物固体電解質材料が好ましい。リチウムイオン伝導性が高く、高出力な電池を得ることができるからである。尚、固体電解質材料については、後述の電解質層の説明において詳細に説明する。
 負極活物質層に含まれる負極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば60重量%~99重量%の範囲内、中でも70重量%~95重量%の範囲内であることが好ましい。また、電子伝導補助材の含有量は、所望の電子伝導性を確保できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%~30重量%の範囲内であることが好ましい。また、バインダー成分の含有量は、正極活物質等を安定に固定化できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%~30重量%の範囲内であることが好ましい。また、固体電解質材料の含有量は、所望の電子伝導性を確保できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%~40重量%の範囲内であることが好ましい。
 また、負極活物質層の厚さは、リチウム電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm~1000μmの範囲内であることが好ましい。
 次に、正極活物質層について説明する。正極活物質層は、正極活物質を少なくとも含有する層であり、必要に応じて、電子伝導補助材、バインダー成分および固体電解質材料の少なくとも一つを含有していても良い。特に、電解質層が液体電解質層である場合、正極活物質層はバインダー成分を含有することが好ましい。正極活物質の滑落を効果的に抑制することができるからである。また、電解質層が固体電解質層である場合、正極活物質層は固体電解質材料を含有することが好ましい。正極活物質層におけるLiイオン伝導性を向上させることができるからである。
 正負極活物質としては、例えば岩塩層状正極活物質、スピネル型正極活物質、オリビン型正極活物質等を挙げることができる。岩塩層状正極活物質としては、例えばLiCoO、LiNiO、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiVO、LiCrO等を挙げることができる。スピネル型正極活物質としては、例えばLiMn、LiCoMnO、LiNiMn、LiNi0.5Mn1.5等を挙げることができる。オリビン型正極活物質としては、例えばLiCoPO、LiMnPO、LiFePO等を挙げることができる。また、正極活物質の形状は、粒子状であることが好ましい。また、粒子状の正極活物質の平均粒径は、例えば1nm~100μmの範囲内、中でも10nm~30μmの範囲内であることが好ましい。さらに、粒子状の正極活物質の比表面積は、例えば0.1m/g~10m/gの範囲内であることが好ましい。
 尚、正極活物質層に用いられる、電子伝導補助材、バインダー成分及び固体電解質材料については、上述した負極活物質層に用いられるものと同様であるので、ここでの記載は省略する。
 正極活物質層に含まれる正極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば60重量%~99重量%の範囲内、中でも70重量%~95重量%の範囲内であることが好ましい。また、電子伝導補助材の含有量は、所望の電子伝導性を確保できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%~30重量%の範囲内であることが好ましい。また、バインダー成分の含有量は、正極活物質等を安定に固定化できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%~30重量%の範囲内であることが好ましい。また、固体電解質材料の含有量は、所望の電子伝導性を確保できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%~40重量%の範囲内であることが好ましい。
 また、正極活物質層の厚さは、リチウム電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm~1000μmの範囲内であることが好ましい。
 次に、電解質層について説明する。電解質層は、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成される層である。電解質層に含まれる電解質を介して、正極活物質と負極活物質との間のLiイオン伝導が行われる。電解質層の形態は、特に限定されるものではなく、液体電解質層、ゲル電解質層、固体電解質層等を挙げることができる。
 液体電解質層は、通常、非水電解液を用いてなる層である。リチウム電池の非水電解液は、通常、リチウム塩及び非水溶媒を含有する。上記リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO及びLiAsF等の無機リチウム塩;並びにLiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO等の有機リチウム塩等を挙げることができる。上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2-ジメトキシメタン、1,3-ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン及びこれらの混合物等を挙げることができる。非水電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.5mol/L~3mol/Lの範囲内である。尚、本発明においては、非水電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を用いてもよい。
 ゲル電解質層は、例えば、上記非水電解液にポリマーを添加してゲル化することで得ることができる。具体的には、上記非水電解液に、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルニトリル(PAN)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリマーを添加することにより、ゲル化を行うことができる。
 固体電解質層は、固体電解質材料を用いてなる層である。固体電解質材料としては、例えば、酸化物固体電解質材料及び硫化物固体電解質材料を挙げることができ、中でも硫化物固体電解質材料が好ましい。Liイオン伝導性が高く、高出力な電池を得ることができるからである。
 硫化物固体電解質材料は、Li及びSを有し、Liイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、Li、Sおよび第三成分Aを有するもの等を挙げることができる。第三成分Aとしては、例えばP、Ge、B、Si、I、Al、GaおよびAsからなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。
 中でも、硫化物固体電解質材料が、LiSと、LiS以外の硫化物MSとを用いた化合物であることが好ましい。具体的には、LiS-P化合物、LiS-SiS化合物、LiS-GeS化合物等を挙げることができ、中でもLiS-P化合物が好ましい。Liイオン伝導性が高いからである。さらに、LiSおよび硫化物MSとのモル比を、xLiS-(100-x)MSとした場合、xは、50≦x≦95の関係を満たすことが好ましく、60≦x≦85の関係を満たすことがより好ましい。
 尚、LiS-P化合物は、LiS及びPを用いた硫化物固体電解質材料を意味する。その他の化合物についても同様である。
 例えば、LiS及びPを用いて、メカニカルミリング法または溶融急冷法を行うことで、非晶質のLiS-P化合物を得ることができる。
 硫化物固体電解質材料は、非晶質であってもよく、結晶質であってもよい。結晶質の硫化物固体電解質材料は、例えば、非晶質の硫化物固体電解質材料を焼成することで得ることができる。また、硫化物固体電解質材料は、架橋硫黄を有することが好ましい。硫化物固体電解質材料のLiイオン伝導性が高いからである。
 硫化物固体電解質材料としては、特に、Li11が好ましい。Liイオン伝導性が高いからである。
 固体電解質材料の平均粒径は、例えば1nm~100μmの範囲内、中でも10nm~30μmの範囲内であることが好ましい。
 電解質層の厚さは、リチウム電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm~1000μmの範囲内、中でも0.1μm~300μmの範囲内であることが好ましい。
 リチウム電池は、上述した正極活物質層、電解質層及び負極活物質層を少なくとも有するものである。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、及び負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができ、中でもSUSが好ましい。一方、負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができ、中でもSUSが好ましい。また、正極集電体および負極集電体の厚さや形状等については、リチウム電池の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。
 また、リチウム電池は、正極活物質層及び負極活物質層の間に、セパレータを有していても良い。より安全性の高いリチウム電池を得ることができるからである。セパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリフッ化ビニリデン等の多孔膜;及び樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。
 また、リチウム電池を収納する電池ケースとしては、一般的なリチウム電池の電池ケースを用いることができる。電池ケースとしては、例えばSUS製電池ケース等を挙げることができる。また、リチウム電池が全固体電池である場合、発電要素を絶縁リングの内部に形成しても良い。
 [実施例1]
 (F及びN導入チタン酸リチウムの合成)
 図1に示す手順にそって、F及びN導入チタン酸リチウムを合成した。
 <フッ素導入工程>
 LiOH・H2O(和光純薬工業製)6.924gと、LiF(和光純薬工業製)1.427gと、TiO2(アナターゼ型、和光純薬工業製)21.964gとを、乳鉢で混合した。その後、得られた原料混合物を、窒素ガス置換した容器内で、焼成(800℃で12時間保持、昇温速度5℃/min)した(F導入LiTi12の合成)。
 <窒素導入工程>
 次に上記にて合成した、F導入チタン酸リチウム(F導入LiTi12)1gと、尿素(アルドリッチ社製)1gとを、乳鉢で混合し、原料組成物を得た。得られた原料組成物を、真空容器内で、焼成(500℃で6時間保持、昇温速度5℃/min)した(F及びN導入LiTi12の合成)。
 <残留尿素除去工程>
 上記容器を大気開放した後、再び、750℃で5時間保持(昇温速度5℃/min)し、尿素を除去した。
 (F及びN導入チタン酸リチウムの評価)
 <結晶構造>
 上記にて得られたF導入チタン酸リチウムと、F及びN導入チタン酸リチウムの結晶構造を、XRD測定により確認したところ、同じ結晶構造を有していた。
 <比表面積>
 得られたF及びN導入チタン酸リチウムについて、BET法により比表面積を測定したところ、2.6m2/gだった。尚、比表面積の測定は、比表面積及び細孔分布全自動ガス吸着測定装置(オートソープ-1、湯浅アイオニクス社製)を用いた。
 <電子伝導度>
 得られたF及びN導入チタン酸リチウムについて、4端子法(印加電圧90V)で電子伝導度を測定した。結果を表1に示す。尚、電子伝導度の測定には、粉体抵抗測定機(三菱化学アナリテック社製、MCP-PD51)を用いた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 [比較例1]
 LiTi12(石原産業社製、平均粒径1μm)について、実施例1と同様にして、電子伝導度を測定した。結果を表1に示す。
 [比較例2]
 (N導入チタン酸リチウムの合成)
 LiTi12(石原産業社製、平均粒径1μm)1gと、尿素(アルドリッチ製)とを、乳鉢で混合した。得られた混合物を、真空容器内で焼成(500℃で6時間保持、(昇温速度5℃/min)した。
 続いて、上記容器を大気開放した後、再び、750℃で5時間保持(昇温速度(昇温速度5℃/min)し、尿素を除去した。
 (N導入チタン酸リチウムの評価)
 得られたN導入チタン酸リチウム(N導入LiTi12)について、実施例1と同様にして電子伝導度を測定した。結果を表1に示す。
 [評価結果]
 表1に示すように、純粋なLiTi12(比較例1)及び窒素を導入したLiTi12(比較例2)は、測定装置限界である1×10-7S/cm以下の電子伝導度を示した。これに対して、フッ素及び窒素を導入したLiTi12(実施例1)は、2.5×10-6S/cmであり、25倍以上の電子伝導度を示した。
 以上の結果から、チタン酸リチウムに窒素と共にフッ素を導入することで、チタン酸リチウム、及び、窒素のみを導入したチタン酸リチウムと比較して、電子伝導度を大幅に向上できることが示された。これは、コバルト酸リチウムへのフッ素の導入により、コバルト酸リチウムの結晶構造を保持しつつ、大量の窒素を導入することができたためと考えられる。
 1…正極缶
 2…正極活物質層
 3…電解質層
 4…負極活物質層
 5…負極キャップ
 6…ガスケット
 100…リチウム二次電池

Claims (18)

  1.  フッ素及び窒素が導入された、リチウム-チタン複合酸化物からなることを特徴とする電極活物質。
  2.  前記リチウム-チタン複合酸化物が、LiTi(0<a≦5、3≦b≦7、10≦c≦14)で表される化合物である、請求の範囲第1項に記載の電極活物質。
  3.  前記リチウム-チタン複合酸化物が、LiTi12である、請求の範囲第1項又は第2項に記載の電極活物質。
  4.  電子伝導度が1.0×10-6S/cm以上である、請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載の電極活物質。
  5.  平均粒径が0.1~50μmである、請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の電極活物質。
  6.  負極活物質である、請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載の電極活物質。
  7.  フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)と、下記式(1)で表され、常温で固体又は液体である窒化剤(b)と、を含有する原料組成物を焼成することによって、フッ素及び窒素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(c)を合成する、窒素導入工程を有することを特徴とする電極活物質の製造方法。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (式(1)において、R1、R2及びR3は、互いに独立に、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)及び窒素(N)の少なくとも1つを有する基である。)
  8.  前記フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)が、LiTi(0<a≦5、3≦b≦7、10≦c≦14)で表される化合物にフッ素が導入されたものである、請求の範囲第7項に記載の電極活物質の製造方法。
  9.  前記フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)が、フッ素が導入されたLiTi12である、請求の範囲第7項又は第8項に記載の電極活物質の製造方法。
  10.  リチウム元素、チタン元素、フッ素元素及び酸素元素を含有する原料を焼成することによって、前記フッ素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(a)を合成する、フッ素導入工程を有する、請求の範囲第7項乃至第9項のいずれかに記載の電極活物質の製造方法。
  11.  前記原料が、少なくともリチウム化合物とフッ素化合物とチタン化合物とを含有する原料混合物である、請求の範囲第10項に記載の電極活物質の製造方法。
  12.  前記リチウム化合物が、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酸化リチウム及び酢酸リチウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求の範囲第11項に記載の電極活物質の製造方法。
  13.  前記フッ素化合物が、フッ化リチウムである、請求の範囲第11項又は第12項に記載の電極活物質の製造方法。
  14.  前記チタン化合物が、二酸化チタン、水酸化チタン、酢酸チタン及び硝酸チタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求の範囲第11項乃至第13項のいずれかに記載の電極活物質の製造方法。
  15.  前記窒化剤が、尿素、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、アニリン、ニコチン、及びシクロヘキシルアミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求の範囲第7項乃至第14項のいずれかに記載の電極活物質の製造方法。
  16.  前記窒素導入工程における焼成温度が300~600℃である、請求の範囲第7項乃至第15項のいずれかに記載の電極活物質の製造方法。
  17.  前記フッ素導入工程における焼成温度が300~900℃である、請求の範囲第10項乃至第16項のいずれかに記載の電極活物質の製造方法。
  18.  前記窒素導入工程後、前記フッ素及び窒素が導入されたリチウム-チタン複合酸化物(c)を加熱し、残留した前記窒化剤を除去する窒化剤除去工程をさらに有する、請求の範囲第7項乃至第17項のいずれかに記載の電極活物質の製造方法。
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