JP2004296320A - 非水系二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】端子構造が簡便で、安価な大型非水系二次電池を提供する。
【解決手段】正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容し、厚さが12mm未満の扁平形状であり、そのエネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上である非水二次電池において、前記電池容器が、扁平状に構成される上蓋1及び底容器2からなり、上蓋1と底容器2とを重ね合わせて得られる電池容器の側面に開口部が形成されるように上蓋1及び/又は底容器2の周囲部が加工されており、その開口部には、正極端子3及び/又は負極端子4が接着性樹脂7を介し上蓋1及び底容器2に絶縁され取り付けられていることを特徴とする非水系二次電池。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水系二次電池に関し、特に、蓄電システム用非水系二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省資源を目指したエネルギーの有効利用及び地球環境問題の観点から、深夜電力貯蔵及び太陽光発電の電力貯蔵を目的とした家庭用分散型蓄電システム、電気自動車のための蓄電システム等が注目を集めている。例えば、特許文献1には、エネルギー需要者に最適条件でエネルギーを供給できるシステムとして、発電所から供給される電気、ガスコージェネレーション、燃料電池、蓄電池等を組み合わせたトータルシステムが提案されている。このような蓄電システムに用いられる二次電池は、エネルギー容量が10Wh以下の携帯機器用小型二次電池と異なり、容量が大きい大型のものが必要とされる。このため、上記の蓄電システムでは、複数の二次電池を直列に積層し、組電池として用いるのが常であり、ほとんどの場合、鉛電池を用いていた。
【0003】
一方、携帯機器用小型二次電池の分野では、小型及び高容量のニーズに応えるべく、新型電池としてニッケル水素電池、リチウム二次電池の開発が進展し、180Wh/l以上の体積エネルギー密度を有する電池が市販されている。特に、リチウムイオン電池は、350Wh/lを超える体積エネルギー密度の可能性を有すること、及び、安全性、サイクル特性等の信頼性が金属リチウムを負極に用いたリチウム二次電池に比べて優れることから、その市場を飛躍的に延ばしている。
【0004】
これを受け、蓄電システム用大型電池の分野においても、高エネルギー密度電池の候補として、大型リチウムイオン電池の開発が進められている。
【0005】
しかし、これら大型リチウムイオン電池は、高エネルギー密度が得られるものの、円筒型、角型等の電池形状が一般的であり、電池内部に熱が蓄積されやすく信頼性、特に、安全性に問題が残されていた。
【0006】
上記問題を解決する目的で特許文献2には、正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容した扁平形状の非水系二次電池であって、前記非水系二次電池は、その厚さが12mm未満の扁平形状であり、そのエネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上の非水系二次電池が開示されている。該電池は独特の電池形状(扁平形状)により、実用化の障壁となる上記蓄熱に起因する信頼性、安全性の問題点を解決する事を提案している。
【0007】
一方、大型リチウムイオン電池の実用化の妨げとなっているのが、電池のコストであり、電池容器についても端子構造の簡略化等によるコストダウンが望まれている。上記扁平形状の電池においては、特許文献3及び4等に記載されている様に、電池扁平面上に電池容器と絶縁された正極端子、負極端子が設置され、電池内部で正極集電体と負極集電体に電気的に接続されている。具体的には図1に示す様に上蓋1には、アルミニウム製の正極端子3及び銅製の負極端子4(頭部6mmφ、先端M3のねじ部)を取り付けている。正極端子3及び負極端子4は、テフロン(登録商標)製ガスケットにより上蓋1と絶縁され、電極積層体の正極集電片に正極端子3のねじ部を挿通するとともに、負極集電片に負極端子4のねじ部を挿通し、それぞれ、アルミニウム製及び銅製のナットを締結し、電気的に接続されている(図2参照)。
【0008】
更に、特許文献5には、端子部の信頼性を高める為、電池容器の所定位置に固定される正極端子及び負極端子の少なくとも一方を2個以上設け、これら2個以上の電極端子の同極性同士を連結部材により連結し、電池外部からの回転応力に対し電池内部が回転し破壊することを防止できる複雑な構造を有する端子構造が必要とされている。
【0009】
また、上記厚さ12mm未満の扁平形状を有する電池の場合、各部品を薄型に仕上げる必要があり、端子構成部品点数の多さ、及び、その加工性からより一層のコストダウンが望まれていた。
【0010】
さらに、上記端子構造の場合、薄型電池において端子は扁平形状の広平面側に作製する必要があり、複数の薄型電池からモジュールを組立てる際に隣同士の電池との隙間を必要以上にとらなければならない構造が多く、その結果、モジュールとしての体積エネルギー密度が低くなるという問題もあった。
【0011】
【特許文献1】
特開平6−86463号公報
【0012】
【特許文献2】
国際公開第99/60652号パンフレット
【0013】
【特許文献3】
特開2000−251941号公報
【0014】
【特許文献4】
特開2000−251940号公報
【0015】
【特許文献5】
特開2001−216953号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、厚さが12mm未満の扁平形状である非水系二次電池において、端子構造が簡便で、安価な大型非水系二次電池を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、下記の非水系二次電池を見出すに至り本発明を完成した。
【0018】
項1 正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容し、厚さが12mm未満の扁平形状であり、そのエネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上である非水二次電池において、前記電池容器が、扁平状に構成される上蓋及び絞り加工を施した底容器からなり、上蓋と底容器とを重ね合わせて得られる電池容器の側面に開口部が形成されるように上蓋及び/又は底容器の周囲部が加工されており、その開口部には、正極端子及び/又は負極端子が接着性樹脂を介し上蓋及び底容器に絶縁され取り付けられていることを特徴とする非水系二次電池。
【0019】
項2 上蓋及び/又は底容器の周囲部の一部が凹型に加工されている項1に記載の非水系二次電池。
【0020】
項3 前記電池容器における上蓋及び底容器を重ね合わせて形成される電池容器の側面の開口部に、正極端子及び/又は負極端子が接着性樹脂を介し上蓋及び底容器に絶縁され取り付けられている項1又は2に記載の非水系二次電池。
【0021】
項4 前記開口部が電池容器の側面に2箇所設けられ、その開口部には、それぞれ正極端子又は負極端子が接着性樹脂を介し上蓋及び底容器に絶縁され取り付けられている項3に記載の非水系二次電池。
【0022】
項5 前記接着性樹脂が、熱可塑性を有する接着性樹脂である項3又は4に記載の非水系二次電池。
【0023】
項6 前記接着性樹脂が、オレフィン系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系及びシリコン系からなる樹脂群から選ばれる少なくとも1種である項3又は4に記載の非水系二次電池。
【0024】
項7 前記電池容器における上蓋及び底容器を重ね合わせた際に形成される開口部以外の重ね合わせ部が、溶接にて密閉接合されてなる項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池。
【0025】
項8 前記電池容器内における上蓋及び底容器がアルミニウム又はアルミニウムを主体とする合金からなることを特徴とする項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池。
【0026】
項9 前記正極端子又は負極端子が、集電体と溶接により接続されていることを特徴とする項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池。
【0027】
項10 前記正極及び負極が、リチウムをドープ及び脱ドープ可能な物質を含むことを特徴とする項1に記載の非水系二次電池。
【0028】
項11 前記正極が、リチウム複合マンガン酸化物及び式LiNiMnで表されるリチウムニッケルマンガン複合酸化物[式中、Mは、Co、AlおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.1、0.3≦b<0.5、0.3≦c<0.5、0<d≦0.4、b≧c、b+c+d=1]からなる群から選ばれる少なくとも1つを活物質としている項10に記載の非水系二次電池。
【0029】
項12 前記扁平形状の表裏面の形状が、矩形であることを特徴とする項1に記載の非水系二次電池。
【0030】
項13 前記電池容器の板厚が、0.2mm以上1mm以下であることを特徴とする項1に記載の非水系二次電池。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池について図面を参照しながら説明する。図3は、本実施形態の一例である扁平な矩形(ノート型)の蓄電システム用非水系二次電池の平面図及び側面図を示す図であり、図4は、図3に示す電池の内部に収納される電極積層体を示す側面図である。ここでは電極を積層する場合で説明しているが、この電極構造に限定されるものではない。
【0032】
図3及び図4に示すように、本実施の形態の非水系二次電池は、上蓋1及び底容器2からなる電池容器と、前記電池容器の中に収納されている複数の正極101a、負極101b、101c、及びセパレータ104からなる電極積層体とを備えている。本実施形態のような扁平型非水系二次電池の場合、正極101a、負極101b(又は積層体の両外側に配置された負極101c)は、例えば、図4に示すように、セパレータ104を介して交互に配置されて積層されるが、本発明は、この配置に特に限定されず、積層数等は、必要とされる容量等に応じて種々の変更が可能である。また、図3に示す非水系二次電池の形状は、例えば縦210mm×横150mm×厚さ6mmであり、正極101aにLiMn等のマンガン系リチウム複合酸化物、負極101b、101cに炭素材料を用いるリチウム二次電池の場合、例えば、蓄電システムに用いることができる。
【0033】
本発明においては、前記電池容器は、扁平状に構成された上蓋及び底容器からなる。上蓋及び底容器は接合部分で密着しうる構造を有している。上蓋及び底容器の接合を効果的にするために、底容器の周囲に絞り加工を施したフランジ部分を設けてもよい。上蓋及び/又は底容器の周囲部は、上蓋と底容器とを重ね合わせて得られる電池容器の側面に開口部が形成されるように加工されている。つまり、上蓋及び/又は底容器の周囲部の1箇所又は2箇所に溝ができるように加工されていればよく、その形状は特に限定されない。具体的には、電池の側面からみて上蓋及び/又は底容器の周囲が凹型の形状に加工されたものが例示される。例えば、その一実施態様として図3及び図5に示す形状のものが挙げられる。
【0034】
上記の上蓋及び底容器を接合して得られる開口部は、電池内部から電極端子を取り出すためのものである。電池容器の側面に、通常、1箇所又は2箇所の開口部が設けられ、そこから正極端子及び/又は負極端子が取り出される。電池容器の側面に1箇所の開口部が設けられた電池は、その開口部から正極端子又は負極端子が設置され、電池本体が負極端子又は正極端子となる。また、電池容器の側面に2箇所の開口部が設けられた電池は、その2つの開口部から正極端子及び負極端子が設置される。これらの開口部には、各端子が接着性樹脂を介し上蓋及び底容器に絶縁され取り付けられている。
【0035】
例えば、その一実施態様として、図3及び図5に2箇所の開口部が設けられた電池を示す。
【0036】
正極端子3に図6に示す各正極101aの正極集電体106aが電気的に接続されるとともに、負極端子4に各負極101b、101cの負極集電体106bが電気的に接続されている。接続方法としては超音波溶接、レーザー溶接、抵抗溶接等の溶接を用いるのが、ねじ、ワッシャー等の接続部品が必要ないためコスト的に有利である。
【0037】
正極端子3あるいは負極端子4と上蓋1及び底容器2を絶縁する上記接着性樹脂7については特に限定するものではなく、オレフィン系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、シリコン系などの樹脂が挙げられるが、変性ポリプロピレン、変性ポリエチレンに代表される熱融着型で水分透過率の低い接着性樹脂が耐電解液性も高く、好ましい。該接着性樹脂7は正極端子3、負極端子4、上蓋1及び底容器2と密着されている必要があり、例えば、図5に示す様に正極端子3、負極端子4の周りに接着性樹脂7を密着成型(正極集電体、負極集電体を接続する部分3a、4a及び外部端子部分3b、4bを残す)し、正極集電体106a、負極集電体106bを各端子に電気的に接続した後、上蓋1に密着させた状態で取り付け固定する。
【0038】
その後、上蓋1及び底容器2は、図3中の拡大図に示したA点、つまり上蓋1の周縁部を溶かし込んで底容器2と開口部を除き溶接する。該溶接方法としては、例えば、レーザー溶接、アーク溶接、抵抗溶接等が挙げられる。そのうち溶接面積が小さくエネルギーを集中できるため容器の変形歪みや周辺への熱影響が小さい点から、レーザー溶接が好ましい。外周部の接合には、フィルム型小型リチウムイオン電池で用いられる熱溶着フィルムを用いることも可能であるが、本発明のような扁平型大型電池の場合、溶着面積が多きくなり、水分が透過しやすい為、前記溶接で接合する事が長期信頼性から好ましい。最終的に底容器2と接着樹脂7との密着、あるいは、レーザー溶接部との境界部の密着封止を実施する。
【0039】
本発明の電池容器の組み立てについてはこの方法に限定されるものではないが、この方法では、接着樹脂7は熱可塑性樹脂を用いる場合、樹脂を再度溶融しながら接着することが可能な為、容易に製造する事が可能である。又このように正負極端子が側面側に設けることが可能となることにより、組電池よりなるモジュールを作製する場合、隣の電池との間隙を最小化でき、結果としてモジュールとしてのエネルギー密度を高めることが可能となる。
【0040】
上蓋1には、電解液の注液口5が開けられており、電解液注液後、例えば、アルミニウム−変成ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を用いて封口される。
【0041】
正極101aに用いられる正極活物質としては、リチウムをドープ及び脱ドープ可能なリチウム系の正極材料であれば、特に限定されず、リチウム複合コバルト酸化物、リチウム複合ニッケル酸化物、リチウム複合マンガン酸化物、或いはこれらの混合物、更にはこれら複合酸化物に異種金属元素を一種以上添加した系等を用いることがでる。中でも、電池のエネルギー密度、コスト、安全性の観点から、リチウム複合マンガン酸化物、以下の式で表されるリチウムニッケルマンガン複合酸化物を用いる事が好ましい。
【0042】
LiNiMn
[式中、Mは、Co、AlおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.1、0.3≦b<0.5、0.3≦c<0.5、0<d≦0.4、b≧c、b+c+d=1]
前記式:LiNiMnにおいて、Liのモル比を示すaは、通常1≦x≦1.1程度である。aがこの範囲を逸脱する場合には、サイクル特性の低下、あるいは活物質の容量が大きく低下する。
【0043】
Niのモル比を示すbは、通常0.3≦b<0.5程度である。bが大きすぎる場合には、電池の容量は大きくなるが、熱安定性が低下し電池の安全性も低下する。また、小さすぎる場合には電池の容量が低下する。
【0044】
Mnのモル比を示すcは、通常0.3≦c<0.5程度である。cが大きすぎる場合には、熱安定性が向上し電池の安全性も向上するが、電池の容量は小さくなる。また、小さすぎる場合には、電池の容量は大きくなるが、熱安定性が低下し電池の安全性も低下する。
【0045】
式中のNi或いはMnと置換する元素Mとしては、Co、Al、Feなどが挙げられ、これらの中では、サイクル特性、安全性の面からCoおよびAlがより好ましい。置換元素Mのモル比を示すdは、通常0<d≦0.4程度である。Mが0の場合は、活物質の粉体が嵩高くなり、また高率放電特性も低下する。Mが大きすぎる場合は、活物質の熱安定性が低下する。
【0046】
負極101b、101cに用いられる負極活物質としては、リチウム系の負極材料であれば、特に限定されず、リチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料であることが、安全性、サイクル寿命などの信頼性が向上し好ましい。リチウムをドープ及び脱ドープ可能な材料としては、公知のリチウムイオン電池の負極材として使用されている黒鉛系物質、炭素系物質、錫酸化物系、ケイ素酸化物系等の金属酸化物等が挙げられ、コスト面からは、例えば、天然黒鉛等の黒鉛系物質の表面に炭素材料が被覆された2重構造を有する黒鉛系材料が望ましい。
【0047】
本発明の正極活物質及び負極活物質を電極に成形する方法は、所望の非水系二次電池の特性等に応じて公知の手法から適宜選択することができる。例えば、正極活物質(又は負極活物質)とバインダー、必要に応じてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶媒とを混合してスラリーとし、これを集電体に塗布し、乾燥後、圧縮等して成形される。
【0048】
バインダーとしては、特に限定されないが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素系樹脂類、フッ素ゴム、SBR、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン類などが例示される。
【0049】
正極又は負極を集電体上に形成する場合には、集電体の材質などは材質の耐電圧性を考慮した上で選択すれば特に限定されず、銅箔、ステンレス鋼箔、チタン箔、アルミニウム箔等が例示される。
【0050】
セパレータ104の構成は、特に限定されるものではないが、単層又は複層のセパレータを用いることができ、少なくとも1枚は不織布を用いることが好ましく、この場合、サイクル特性が向上する。また、セパレータ104の材質も、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、クラフト紙、ガラス、セルロース系材料等が挙げられ、電池の耐熱性、安全性設計に応じ適宜決定されるが、150℃での熱収縮率が、面に沿う方向のいずれにおいても5%以下であることが電池の耐熱性からは好ましく、セルロース系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリフェニレンサルファイド系、フッ素系、ポリオレフィン系等の樹脂、或いは、ガラス繊維のような無機繊維等を用いる事が好ましい。
【0051】
本発明の二次電池の電解質としては、公知のリチウム塩を含む非水系電解質を使用することができ、正極材料、負極材料、充電電圧等の使用条件により適宜決定され、より具体的にはLiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩を、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、酢酸メチル、蟻酸メチル、或いはこれら2種以上の混合溶媒等の有機溶媒に溶解したもの等が例示される。また、電解液の濃度は特に限定されるものではないが、一般的に0.5mol/lから2mol/lが実用的であり、この電解液は当然のことながら、水分が100ppm以下のものを用いることが好ましい。なお、本明細書で使用する非水系電解質とは、非水系電解液、有機電解液を含む概念を意味するものであり、また、ゲル状又は固体の電解質も含む概念を意味するものである。
【0052】
上記のように構成された非水系二次電池は、家庭用蓄電システム(夜間電力貯蔵、コージェネレション、太陽光発電等)、電気自動車等の蓄電システム等に用いることができ、大容量且つ高エネルギー密度を有することができる。この場合、エネルギー容量は、好ましくは30Wh以上、より好ましくは50Wh以上であり、且つエネルギー密度は、好ましくは180Wh/l以上、より好ましくは200Wh/lである。エネルギー容量が30Wh未満の場合、或いは、体積エネルギー密度が180Wh/l未満の場合は、蓄電システムに用いるには容量が小さく、充分なシステム容量を得るために電池の直並列数を増やす必要があること、また、コンパクトな設計が困難となることから蓄電システム用としては好ましくない。
【0053】
本実施形態の非水系二次電池は、扁平形状をしており、その厚さは12mm未満、より好ましくは10mm未満である。厚さの下限については電極の充填率、電池サイズ(薄くなれば同容量を得るためには面積が大きくなる)を考慮した場合、2mm以上が実用的である。電池の厚さが12mm以上になると、電池内部の発熱を充分に外部に放熱することが難しくなること、或いは電池内部と電池表面付近での温度差が大きくなり、内部抵抗が異なる結果、電池内での充電量、電圧のばらつきが大きくなる。なお、具体的な厚さは、電池容量、エネルギー密度に応じて適宜決定されるが、期待する放熱特性が得られる最大厚さで設計するのが、好ましい。
【0054】
また、本実施形態の非水系二次電池は、例えば、電池容器の扁平形状の表裏面が角形、円形、長円形等の種々の形状とすることができ、角形の場合は、一般に矩形であるが、三角形、六角形等の多角形とすることもできる。さらに、肉厚の薄い円筒等の筒形にすることもできる。筒形の場合は、筒の肉厚がここでいう厚さとなる。また、製造の容易性の観点から、電池の扁平形状の表裏面が矩形であり、図3に示すようなノート型の形状が好ましい。
【0055】
本実施形態では、電池容器が平板形状の上蓋及び絞り加工を施した底容器より構成され、前記上蓋1、前記底容器2はステンレス、アルミニウムあるいはアルミニウムを主体とする合金等が主要部材として用いられ、中でもアルミニウムあるいはアルミニウムを主体とする合金を用いる事が電池の重量エネルギー密度、コストの観点から望ましい。
【0056】
アルミニウム合金材料としては、例えばSi,Fe,Cu,Mn,Mg,Cr,Zn,Tiなどのうちから選ばれた、1種又は2種以上の金属とアルミニウムとの合金を用いることができる。Al−Mn系合金の成分においては、Mn成分の含有量を0.5重量%〜2.0重量%にするのが好ましい。Mn成分が0.5重量%より少なくなると、機械的強度および大型での剛性が低くなる。又、成形性及びレーザー溶接特性が低下してしまう。一方、2.0重量%を越えても、強度の向上効果はそれほど増加せず、粗い金属間化合物の発現によるひび割れの可能性が高くなる。また、Mg−Al系合金におけるMg成分の含有量は、0.02重量%〜0.8重量%にするのが好ましい。Mg成分が0.8重量%以上になると、電池容器をレーザー溶接する場合に、クラックやホール等の溶接不良を起こしやすくなる。
【0057】
電池容器を構成する上蓋1及び底容器2の厚さは、電池の用途、電池ケースの材質等により適宜決定され、特に限定されるものではないが、好ましくは、その電池表面積の80%以上の部分の厚さ(電池容器を構成する一番面積が広い部分の厚さ)が0.2mm以上である。厚さが0.2mm未満では、電池の製造に必要な強度が得られないという問題があり、この観点から、より好ましくは厚さを0.3mm以上であり、更に、好ましくは0.4mm以上である。同部分の厚さは、1mm以下であることが望ましい。この厚さが1mmを超えると、電極面を押さえ込む力は大きくなるが、電池の内容積が減少し十分な容量が得られないこと、或いは、重量が重くなることから望ましくなく、この観点からより好ましくは0.7mm以下である。
【0058】
ところで、本発明の扁平形状を有する大型電池の場合、電極面を挟持し押圧する力が弱くなることから、内部抵抗が大きくなったり、或いは、サイクル寿命が低下して電池性能に影響を与えることがある。これらの問題に対しては、次に説明するように電池内を大気圧未満になるようにして封口することが可能である。
【0059】
完成後の電池の内部圧力が大気圧未満になるようにするためには、正極101A、負極101b、101c、セパレータ104及び非水系電解質を電池容器内に収容し、電池容器内の圧力を大気圧未満にした状態で電池容器の最終封口工程を行う。この最終封口工程は、少なくとも一回の充電操作の後に行うことが好ましい。これは、1回目の充電初期に電解液の分解により内部にガスが発生することがあり、この場合に、充電操作を行わずに大気圧未満で最終封口工程を行うと、その後の1回目の充電操作により電池内部が加圧状態(大気圧以上)になり、電池の厚みが厚くなったり、電池の内部抵抗及び容量がばらつき、安定したサイクル特性が得られない場合があるからである。特に、負極に黒鉛、正極にリチウム複合酸化物を用いた液系の電解質を用いる場合は、ガスが発生しやすい。
【0060】
この充電操作は、電池に用いられる正極材料、負極材料、セパレータ、電解液等の種類、これらの材料の含水率及び不純物、電池が使用される電圧等に応じて種々の条件を採用することができるが、例えば電池の使用電圧まで4〜8時間率程度の速度で充電し、また必要に応じて定電圧を印加し、さらに通常の下限電圧まで8時間率程度の速度で放電してもよく、この充電操作の後に最終封口工程を行う。また、電池の容量以下の充電操作のみを行った後に封口してもよく、或いは2回以上の充放電を繰り返した後に封口する等の種々の充電操作も可能であるが、充放電操作完了後の電池の内圧を大気圧未満に維持することが肝要である。
【0061】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、これら実施例の記載により限定されるものではない。
【0062】
実施例
(1)まず、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3、導電材である高比表面積天然黒鉛(BET法比表面積=250g/m)及びアセチレンブラックとを乾式混合した。バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に、得られた混合物を均一に分散させて、スラリー1を調製した。次いで、スラリー1を集電体となるアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行い、正極を得た。
【0063】
正極中の固形分重量比は、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物:高比表面積天然黒鉛:アセチレンブラック:PVDF=92:3:2:3となるよう調製した。
【0064】
図6−(a)は、正極の説明図である。本実施例において、正極101aの塗布面積(W1×W2)は、183×130mmである。また、電極の短辺側には、スラリー1が塗布されていない集電部106aが設けられている。
【0065】
(2)二重構造黒鉛粒子は、天然黒鉛(平均粒径25μm、タップ密度0.86g/cm)と石油ピッチ(軟化点250℃、トルエン不溶分30%)を混合・焼成して得た。
【0066】
(3)上記(2)で作製した二重構造黒鉛粒子(黒鉛粒子コアの(002)面の面間隔(d002)=0.34nm未満、被覆層の(002)面の面間隔(d002)=0.34nmを越える)および導電材である人造黒鉛を乾式混合した後、バインダーであるPVDFを溶解させたNMP中に均一に分散させ、スラリー2を調製した。次いで、スラリー2を集電体となる銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行ない、負極を得た。
【0067】
負極中の固形分比率(重量比)は、二重構造黒鉛粒子:人造黒鉛:PVDF=93:2:5となるよう調製した。
【0068】
図6−(b)は、負極の説明図である。負極101bの塗布面積(W1×W2)は、186.5×133mmである。また、電極の短辺側には、スラリー2が塗布されていない集電部106bが設けられている。
【0069】
さらに、上記と同様の手法により片面だけにスラリー2を塗布し、片面電極を作製した。片面電極は、後述の(3)項の電極積層体において外側に配置される(図4中101c)。
【0070】
(4)図4に示すように、上記(1)項で得られた正極11枚と上記(2)項で得られた負極12枚(内片面2枚)とを、セパレータ104 (レーヨン抄紙:厚み:30μm、)を介して交互に積層した。
【0071】
(5)図5に示す様に、厚さ0.5mmのMn−Al系合金3003製薄板を深さ5.5mmに絞り、更に一辺の一部を凹型(深さ1.5mm、幅24mm)に加工し底容器2を作製した。底容器2は5mm幅のフランジを備えている。上蓋1も厚さ0.5mmのMn−Al系合金3003製薄板により作製した。次いで、厚さ0.8mm、幅20mm、長さ26mmのアルミ製正極端子3、及び同寸法の銅製負極端子4の回りに変性ポリプロピレン樹脂7を熱溶着し、更に、図5に示す様に上蓋1に熱溶着した。
【0072】
(6)上記(3)項で作製した電極積層体の各正極集電部106aを正極端子3の3a部に、また各負極集電部106bを負極端子4の4a部に超音波溶接し、接続された電極積層体を絶縁テープで固定した後、底容器2と合わせ、図3の角部Aを開口部(樹脂7が挿入されている外部端子部)を除きレーザー溶接した後、樹脂7が挿入されている開口部の周りをヒートブッロクで加熱し、レーザー溶接との境界面あるいは樹脂7と底容器2を接着した(図7)。次いで、注液口5(直径6mm)から、電解液(エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートを体積比30:70に混合した溶媒に、全溶媒重量の2重量%に相当する量のビニレンカーボネートを加えた後、1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液)を注液した。次いで、大気圧下で仮止め用のボルトを用いて注液口5を一旦封口した。
【0073】
(7)25℃中でこの電池を3.4Aの電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計8時間行い、続いて2Aの定電流で2.5Vまで放電した。
【0074】
(8)次に、電池の仮止め用ボルトを取り外した後、容器内部が4×10PA(300Torr)の減圧下となるように、直径12mmに打ち抜いた厚さ0.08mmのアルミニウム箔−変性ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を、温度250〜350℃、圧力1〜3kg/cm、加圧時間5〜10秒の条件で熱融着することにより、注液口5を最終封口して、幅148mm×高さ210mm×厚さ6.5mmの扁平形状のノート型電池を得た。
【0075】
(9)25℃中でこの電池を用いて3Aの電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計8時間行い、続いて3Aの定電流で2.5Vまで放電し、容量を測定したところ、15.1Ahの容量が得られた。この電池のエネルギーは54.4Whであり、エネルギー密度は269Wh/lであった。
比較例
(1)まず、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3、導電材である高比表面積天然黒鉛(BET法比表面積=250g/m)及びアセチレンブラックとを乾式混合した。バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を溶解させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に、得られた混合物を均一に分散させて、スラリー1を調製した。次いで、スラリー1を集電体となるアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行い、正極を得た。
【0076】
正極中の固形分重量比は、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物:高比表面積天然黒鉛:アセチレンブラック:PVDF=92:3:2:3となるよう調製した。
【0077】
図8−(A)は、正極の説明図である。本実施例において、正極101Aの塗布面積(W1×W2)は、177×130mmである。また、電極の短辺側には、スラリー1が塗布されていない集電部106aが設けられ、その中央に直径3mmの穴が開けられている。
【0078】
(2)二重構造黒鉛粒子は、天然黒鉛(平均粒径25μm、タップ密度0.86g/cm)と石油ピッチ(軟化点250℃、トルエン不溶分30%)を混合・焼成して得た。
【0079】
(3)上記(2)で作製した二重構造黒鉛粒子(黒鉛粒子コアの(002)面の面間隔(d002)=0.34nm未満、被覆層の(002)面の面間隔(d002)=0.34nmを越える)および導電材である人造黒鉛を乾式混合した後、バインダーであるPVDFを溶解させたNMP中に均一に分散させ、スラリー2を調製した。次いで、スラリー2を集電体となる銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行ない、負極を得た。
【0080】
負極中の固形分比率(重量比)は、二重構造黒鉛粒子:人造黒鉛:PVDF=93:2:5となるよう調製した。
【0081】
図8−(b)は、負極の説明図である。負極101bの塗布面積(W1×W2)は、181.5×133mmである。また、電極の短辺側には、スラリー2が塗布されていない集電部106bが設けられ、その中央に直径3mmの穴が開けられている。
【0082】
さらに、上記と同様の手法により片面だけにスラリー2を塗布し、片面電極を作製した。片面電極は、後述の(3)項の電極積層体において外側に配置される(図4中101c)。
【0083】
(4)図4に示すように、上記(1)項で得られた正極11枚と上記(2)項で得られた負極12枚(内片面2枚)とを、セパレータ104 (レーヨン抄紙:厚み:30μm)を介して交互に積層し、電極積層体を作製した。
【0084】
(5)図9に示す様に、厚さ0.5mmのSUS304製薄板を深さ5.5mmに絞り、底容器2を作製し、上蓋1も厚さ0.5mmのSUS304製薄板により作製した。次いで、上蓋1にアルミニウム製の正極端子3および銅製の負極端子4(頭部直径6mm、先端M3のねじ部)を取り付けた。正極および負極端子3、4は、テフロン(登録商標)製ガスケットにより上蓋1と絶縁した。
【0085】
(6)上記(3)項で作製した電極積層体の各正極集電部106aの穴を正極端子3に、また各負極集電部106bの穴を負極端子4に入れ、それぞれアルミニウム製および銅製のボルトで接続した後(図2)、接続された電極積層体を絶縁テープで固定し、図10の角部Aを全周に亘りレーザー溶接した。次いで、注液口5(直径6mm)から、電解液(エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートを体積比30:70に混合した溶媒に、全溶媒重量の2重量%に相当する量のビニレンカーボネートを加えた後、1mol/lの濃度にLiPFを溶解した溶液)を注液した。次いで、大気圧下で仮止め用のボルトを用いて注液口5を一旦封口した。
【0086】
(7)25℃中でこの電池を3.4Aの電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計8時間行い、続いて2Aの定電流で2.5Vまで放電した。
【0087】
(8)次に、電池の仮止め用ボルトを取り外した後、容器内部が4×10PA(300Torr)の減圧下となるように、直径12mmに打ち抜いた厚さ0.08mmのアルミニウム箔−変性ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封口フィルム6を、温度250〜350℃、圧力1〜3kg/cm、加圧時間5〜10秒の条件で熱融着することにより、注液口5を最終封口して、幅148mm×高さ210mm×厚さ6.5mmの扁平形状のノート型電池を得た。
【0088】
(9)25℃中でこの電池を用いて「3Aの電流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計8時間行い、続いて3Aの定電流で2.5Vまで放電し、容量を測定したところ、14.4Ahの容量が得られた。
実施例と比較例を比較した場合、実施例は簡便な端子構造かつ、部品点数も少ない事から電池のコストダウンが可能となると供に、簡便な端子構造により電極の充填率が向上し、エネルギー密度を高める事ができる。
【0089】
【発明の効果】
本発明の非水系二次電池は、端子構造が簡便であるため、安価に製造することができる。特に、大型非水系二次電池においてはその利点が大きい。
【0090】
また、複数の薄型電池からモジュールを組み立てる際に、電池間の隙間を極力少なくすることができ、モジュールの体積エネルギー密度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の扁平形状の電池における、上蓋と底容器の断面図を示す図である。
【図2】従来技術における扁平形状の電池における、正極端子又は負極端子付近の断面図を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態である蓄電システム用非水系二次電池の平面図及び側面図を示す図である。
【図4】図3に示す電池の内部に収納される電極積層体の側面図を示す図である。
【図5】図3に示す電池の上蓋と底容器の電極端子側から見た側面図を示す図である。
【図6】図4に示す電極積層体を構成する正極、負極、及びセパレータの平面図である。
【図7】図3に示す電池の正極端子又は負極端子付近の断面図を示す図である。
【図8】比較例の扁平形状の電池における、電極積層体を構成する正極、負極、及びセパレータの平面図である。
【図9】比較例の扁平形状の電池における、上蓋と底容器の断面図を示す図である。
【図10】比較例の扁平形状の電池における、平面図及び側面図を示す図である。
【符号の説明】
1 上蓋
2 底容器
3 正極端子
4 負極端子
5 注液口
6 封口フィルム
7 接着性樹脂
101a 正極(両面)
101b 負極(両面)
101c 負極(片面)
104 セパレータ
105a 正極集電体
105b 負極集電体
106a 正極集電片
106b 負極集電片

Claims (13)

  1. 正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容し、厚さが12mm未満の扁平形状であり、そのエネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上である非水二次電池において、前記電池容器が、扁平状に構成される上蓋及び底容器からなり、上蓋と底容器とを重ね合わせて得られる電池容器の側面に開口部が形成されるように上蓋及び/又は底容器の周囲部が加工されており、その開口部には、正極端子及び/又は負極端子が接着性樹脂を介し上蓋及び底容器に絶縁され取り付けられていることを特徴とする非水系二次電池。
  2. 上蓋及び/又は底容器の周囲部の一部が凹型に加工されている請求項1に記載の非水系二次電池。
  3. 前記電池容器における上蓋及び底容器を重ね合わせて形成される電池容器の側面の開口部に、正極端子及び/又は負極端子が接着性樹脂を介し上蓋及び底容器に絶縁され取り付けられている請求項1又は2に記載の非水系二次電池。
  4. 前記開口部が電池容器の側面に2箇所設けられ、その開口部には、それぞれ正極端子又は負極端子が接着性樹脂を介し上蓋及び底容器に絶縁され取り付けられている請求項3に記載の非水系二次電池。
  5. 前記接着性樹脂が、熱可塑性を有する接着性樹脂である請求項3又は4に記載の非水系二次電池。
  6. 前記接着性樹脂が、オレフィン系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系及びシリコン系からなる樹脂群から選ばれる少なくとも1種である請求項3又は4に記載の非水系二次電池。
  7. 前記電池容器における上蓋及び底容器を重ね合わせた際に形成される開口部以外の重ね合わせ部が、溶接にて密閉接合されてなる請求項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池。
  8. 前記電池容器内における上蓋及び底容器がアルミニウム又はアルミニウムを主体とする合金からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池。
  9. 前記正極端子又は負極端子が、集電体と溶接により接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池。
  10. 前記正極及び負極が、リチウムをドープ及び脱ドープ可能な物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池。
  11. 前記正極が、リチウム複合マンガン酸化物及び式LiNiMnで表されるリチウムニッケルマンガン複合酸化物[式中、Mは、Co、AlおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつ1≦a≦1.1、0.3≦b<0.5、0.3≦c<0.5、0<d≦0.4、b≧c、b+c+d=1]からなる群から選ばれる少なくとも1つを活物質としている請求項10に記載の非水系二次電池。
  12. 前記扁平形状の表裏面の形状が、矩形であることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池。
  13. 前記電池容器の板厚が、0.2mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池。
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