JP2001043858A - リチウム二次電池およびその製造方法 - Google Patents
リチウム二次電池およびその製造方法Info
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- JP2001043858A JP2001043858A JP11217108A JP21710899A JP2001043858A JP 2001043858 A JP2001043858 A JP 2001043858A JP 11217108 A JP11217108 A JP 11217108A JP 21710899 A JP21710899 A JP 21710899A JP 2001043858 A JP2001043858 A JP 2001043858A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電
池を提供すること。 【解決手段】 リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物
質とする正極と、リチウムのインターカレート/デイン
ターカレートが可能な炭素材料を負極活物質とする負極
とを非水電解液中に浸漬し、放電容量の1C以下または
−40℃〜0℃の温度範囲における緩慢な充放電条件下
で予備の充放電を1回乃至数回行うことにより負極活物
質の表面をサブミクロンオーダの炭酸リチウム微粒子に
より予め被覆しておく。電池使用により充放電を繰り返
しても高い放電容量維持率が発揮される。
池を提供すること。 【解決手段】 リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物
質とする正極と、リチウムのインターカレート/デイン
ターカレートが可能な炭素材料を負極活物質とする負極
とを非水電解液中に浸漬し、放電容量の1C以下または
−40℃〜0℃の温度範囲における緩慢な充放電条件下
で予備の充放電を1回乃至数回行うことにより負極活物
質の表面をサブミクロンオーダの炭酸リチウム微粒子に
より予め被覆しておく。電池使用により充放電を繰り返
しても高い放電容量維持率が発揮される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、リチウム
遷移金属複合酸化物を活物質とする正極と、炭素材料を
活物質とする負極とを非水電解液中に浸漬したリチウム
二次電池およびその製造方法に関するものである。
およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、リチウム
遷移金属複合酸化物を活物質とする正極と、炭素材料を
活物質とする負極とを非水電解液中に浸漬したリチウム
二次電池およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ニッケル−カドミウム電池、ニッ
ケル−水素電池に代わって軽量で高出力のリチウム二次
電池の需要が高まっており、特に高エネルギー密度、高
出力という点から電気自動車用二次電池としての期待が
高まっている。このリチウムイオン二次電池の正極活物
質としてはLiCoO2、LiMn2O4などのリチウ
ム遷移金属複合酸化物を主体としたものが用いられてお
り、一方、負極は金属リチウムも用いることができる
が、安全性の観点からリチウムイオンをインターカレー
ト/デインターカレート可能な炭素を主体とする活物質
が有望視されている。
ケル−水素電池に代わって軽量で高出力のリチウム二次
電池の需要が高まっており、特に高エネルギー密度、高
出力という点から電気自動車用二次電池としての期待が
高まっている。このリチウムイオン二次電池の正極活物
質としてはLiCoO2、LiMn2O4などのリチウ
ム遷移金属複合酸化物を主体としたものが用いられてお
り、一方、負極は金属リチウムも用いることができる
が、安全性の観点からリチウムイオンをインターカレー
ト/デインターカレート可能な炭素を主体とする活物質
が有望視されている。
【0003】ところで、リチウム二次電池は二次電池で
ある以上、サイクル特性が重要な性質の一つである。サ
イクル特性を向上させる手段として、電池系への添加物
の添加や、正・負極の改質がある。例えば、特開平11
−073991号公報に示されるように、電池系へキノ
ン系の腐食防止剤を添加したり、あるいは、特開平11
−067216号公報に示されるように、正極表面にポ
リビニルアルコールを塗布して正極を改質する方法など
が知られている。
ある以上、サイクル特性が重要な性質の一つである。サ
イクル特性を向上させる手段として、電池系への添加物
の添加や、正・負極の改質がある。例えば、特開平11
−073991号公報に示されるように、電池系へキノ
ン系の腐食防止剤を添加したり、あるいは、特開平11
−067216号公報に示されるように、正極表面にポ
リビニルアルコールを塗布して正極を改質する方法など
が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者に
ついては、例えば特開平11−073991号公報にあ
るようなキノン系を初めとする腐食防止剤の添加につい
ては、それら腐食防止剤に対し高度な精製を行わねばな
らない。また、腐食防止目的で添加する添加剤は、元
来、充放電にも電解質のかい離にも寄与しないものであ
り、このような異物(不純物)となるような物質は添加
しないに越したことはない。更に、このような添加剤
は、電池系内で消費し尽くされた時点で効力を失ってし
まうという問題がある。
ついては、例えば特開平11−073991号公報にあ
るようなキノン系を初めとする腐食防止剤の添加につい
ては、それら腐食防止剤に対し高度な精製を行わねばな
らない。また、腐食防止目的で添加する添加剤は、元
来、充放電にも電解質のかい離にも寄与しないものであ
り、このような異物(不純物)となるような物質は添加
しないに越したことはない。更に、このような添加剤
は、電池系内で消費し尽くされた時点で効力を失ってし
まうという問題がある。
【0005】一方、後者については、例えば特開平11
−067216号公報に、正極表面にポリビニルアルコ
ールを塗布する方法が報告されている。しかしながら、
この方法では正極表面に均一に塗布することが要求さ
れ、高度でかつ複雑な工程が必要となる。また両者とも
製造工程が1ステップ乃至数ステップ増加することにな
り、それだけコスト高になる。したがって現段階のレベ
ルでは簡便な方法でサイクル特性を向上させる方法は見
出されていない状況にある。
−067216号公報に、正極表面にポリビニルアルコ
ールを塗布する方法が報告されている。しかしながら、
この方法では正極表面に均一に塗布することが要求さ
れ、高度でかつ複雑な工程が必要となる。また両者とも
製造工程が1ステップ乃至数ステップ増加することにな
り、それだけコスト高になる。したがって現段階のレベ
ルでは簡便な方法でサイクル特性を向上させる方法は見
出されていない状況にある。
【0006】そこで、本発明者らは、サイクル特性の劣
化原因を鋭意研究した結果、劣化の要因の一つが、充放
電に伴い負極表面上に形成される被膜にあることがわか
った。Journal of Power Sourceの63号33ページに
あるNajiらの報告をはじめ多くの文献に、この被膜の主
成分は、電解液の分解によって生じる炭酸リチウムであ
ると報告されている。これが負極表面を覆うことにより
負極活物質と電解液との接触面積が小さくなり、リチウ
ムイオンが電解液から負極に移動することを妨げている
と思われる。したがって、被膜の形成に伴い電池の抵抗
が大きくなり、その過電圧に相当する容量が見かけ上失
われていることになる。
化原因を鋭意研究した結果、劣化の要因の一つが、充放
電に伴い負極表面上に形成される被膜にあることがわか
った。Journal of Power Sourceの63号33ページに
あるNajiらの報告をはじめ多くの文献に、この被膜の主
成分は、電解液の分解によって生じる炭酸リチウムであ
ると報告されている。これが負極表面を覆うことにより
負極活物質と電解液との接触面積が小さくなり、リチウ
ムイオンが電解液から負極に移動することを妨げている
と思われる。したがって、被膜の形成に伴い電池の抵抗
が大きくなり、その過電圧に相当する容量が見かけ上失
われていることになる。
【0007】本発明者らがこの被膜についてさらに研究
を行った結果、サイクル初期に生じる被膜の形状が、後
のサイクル特性に大きな影響を与えることがわかった。
特に充放電初期に負極活物質表面をサブミクロンオーダ
の粒径を有する粒状の炭酸リチウムで覆うことにより、
サイクル特性が向上することを見出した。
を行った結果、サイクル初期に生じる被膜の形状が、後
のサイクル特性に大きな影響を与えることがわかった。
特に充放電初期に負極活物質表面をサブミクロンオーダ
の粒径を有する粒状の炭酸リチウムで覆うことにより、
サイクル特性が向上することを見出した。
【0008】かかる粒状の炭酸リチウムは、0℃以下−
40℃以上で緩慢な条件下充放電を行うことで効果的に
得られる。一方、本研究の結果、サイクル初期に0℃以
上の例えば25℃や、特開平11−102729号公報
にあるような60℃で充放電を行っても、負極活物質表
面上にはサブミクロンオーダの粒状の炭酸リチウムは観
察されなかった。またこれらの温度でサイクル初期に充
放電を行った電池は、本発明の電池よりもサイクル特性
の点で劣ることがわかった。
40℃以上で緩慢な条件下充放電を行うことで効果的に
得られる。一方、本研究の結果、サイクル初期に0℃以
上の例えば25℃や、特開平11−102729号公報
にあるような60℃で充放電を行っても、負極活物質表
面上にはサブミクロンオーダの粒状の炭酸リチウムは観
察されなかった。またこれらの温度でサイクル初期に充
放電を行った電池は、本発明の電池よりもサイクル特性
の点で劣ることがわかった。
【0009】本発明の解決しようとする課題は、リチウ
ム遷移金属複合酸化物を正極活物質とし、炭素材料を負
極活物質とするリチウム二次電池において、充放電のサ
イクル初期、あるいは製品化された場合には出荷前に負
極活物質の表面に生じる炭酸リチウム被膜の制御を行
い、それによって、複雑なプロセスを要することなく良
好なサイクル特性、特に高温でのサイクル特性が良好な
リチウム二次電池およびその製造方法を提案するもので
ある。
ム遷移金属複合酸化物を正極活物質とし、炭素材料を負
極活物質とするリチウム二次電池において、充放電のサ
イクル初期、あるいは製品化された場合には出荷前に負
極活物質の表面に生じる炭酸リチウム被膜の制御を行
い、それによって、複雑なプロセスを要することなく良
好なサイクル特性、特に高温でのサイクル特性が良好な
リチウム二次電池およびその製造方法を提案するもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸
化物が用いられ、負極活物質としてリチウムのインター
カレート/デインターカレートが可能な炭素材料が用い
られ、電解液として非水溶媒に電解質を溶解してなる非
水電解液が用いられるリチウム二次電池において、負極
活物質の表面がサブミクロンオーダの炭酸リチウム微粒
子により予め被覆されていることを要旨とするものであ
る。
に本発明は、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸
化物が用いられ、負極活物質としてリチウムのインター
カレート/デインターカレートが可能な炭素材料が用い
られ、電解液として非水溶媒に電解質を溶解してなる非
水電解液が用いられるリチウム二次電池において、負極
活物質の表面がサブミクロンオーダの炭酸リチウム微粒
子により予め被覆されていることを要旨とするものであ
る。
【0011】ここに正極活物質である「リチウム遷移金
属複合酸化物」としては、マンガン酸リチウム、コバル
ト酸リチウム、ニッケル酸リチウムなどのいわゆるリチ
ウム遷移金属複合酸化物を単独で、または二種類以上混
合したものが好適なものとして挙げられる。そして正極
活物質の遷移金属化合物を、必要に応じて一部Ni,A
l,Co,Fe,Bなどの異元素で置換して結晶の安定
化を図るようにしても良い。
属複合酸化物」としては、マンガン酸リチウム、コバル
ト酸リチウム、ニッケル酸リチウムなどのいわゆるリチ
ウム遷移金属複合酸化物を単独で、または二種類以上混
合したものが好適なものとして挙げられる。そして正極
活物質の遷移金属化合物を、必要に応じて一部Ni,A
l,Co,Fe,Bなどの異元素で置換して結晶の安定
化を図るようにしても良い。
【0012】「負極活物質」としては、炭素材料を用い
ることができる。炭素材料の例示として、天然黒鉛、人
造黒鉛、コークス、カーボン繊維などが挙げられる。こ
れらの活物質を一種又は二種以上混合して用いることが
できる。
ることができる。炭素材料の例示として、天然黒鉛、人
造黒鉛、コークス、カーボン繊維などが挙げられる。こ
れらの活物質を一種又は二種以上混合して用いることが
できる。
【0013】「電解液」には、環状カーボネート、鎖状
カーボネート、環状エーテル、鎖状エーテルの一種ある
いは二種以上の混合溶媒にリチウム化合物を支持塩とし
て溶解したものが好適なものとして用いられる。環状カ
ーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、ブチレンカーボネート、カテコールカ
ーボネート、スチレンカーボネートなどが挙げられる。
また鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、などが挙げられる。さらに環状エーテルは、テトラ
ヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどが挙
げられる。さらにまた鎖状エーテルとしてはジメトキシ
エタンなどが挙げられる。一方、支持塩として用いるこ
とのできるリチウム化合物としては、六フッ化リン酸リ
チウム、四フッ化ほう酸リチウム、過塩素酸リチウム、
リチウムジメチルスルホニウムイミドなどが挙げられ
る。
カーボネート、環状エーテル、鎖状エーテルの一種ある
いは二種以上の混合溶媒にリチウム化合物を支持塩とし
て溶解したものが好適なものとして用いられる。環状カ
ーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、ブチレンカーボネート、カテコールカ
ーボネート、スチレンカーボネートなどが挙げられる。
また鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、などが挙げられる。さらに環状エーテルは、テトラ
ヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどが挙
げられる。さらにまた鎖状エーテルとしてはジメトキシ
エタンなどが挙げられる。一方、支持塩として用いるこ
とのできるリチウム化合物としては、六フッ化リン酸リ
チウム、四フッ化ほう酸リチウム、過塩素酸リチウム、
リチウムジメチルスルホニウムイミドなどが挙げられ
る。
【0014】そして負極活物質の表面に予め被覆される
炭酸リチウム微粒子の粒子径は、サブミクロンオーダで
あることが必要である。炭酸リチウム微粒子の粒子径が
大きくなると、リチウムイオンの電解液−負極間の移動
が妨げられ、また電池抵抗が大きくなって充放電容量が
低下することになる。
炭酸リチウム微粒子の粒子径は、サブミクロンオーダで
あることが必要である。炭酸リチウム微粒子の粒子径が
大きくなると、リチウムイオンの電解液−負極間の移動
が妨げられ、また電池抵抗が大きくなって充放電容量が
低下することになる。
【0015】また本発明に係るリチウム二次電池の製造
方法は、リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質とす
る正極と、リチウムのインターカレート/デインターカ
レートが可能な炭素材料を負極活物質とする負極とを非
水電解液中に浸漬し、放電容量の1C以下または−40
℃〜0℃の温度範囲における緩慢な充放電条件下で予備
の充放電を1回乃至数回行い、負極活物質の表面をサブ
ミクロンオーダの炭酸リチウム微粒子により予め被覆す
るようにしたことを要旨とするものである。
方法は、リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質とす
る正極と、リチウムのインターカレート/デインターカ
レートが可能な炭素材料を負極活物質とする負極とを非
水電解液中に浸漬し、放電容量の1C以下または−40
℃〜0℃の温度範囲における緩慢な充放電条件下で予備
の充放電を1回乃至数回行い、負極活物質の表面をサブ
ミクロンオーダの炭酸リチウム微粒子により予め被覆す
るようにしたことを要旨とするものである。
【0016】「緩慢な充放電条件」としては、0.5m
A/cm2以下程度の低い電流密度での充放電が一応条
件の目安となる。最初から低い電流密度で充電を行う
か、規定の電圧に達するまではある程度の高い電流密度
の電流を通し、規定の電圧に達した後は電流密度を0.
5mA/cm2以下程度に低くして充電を行ういわゆる
定電流定電圧充電方式を採ることができる。放電電流密
度も0.5mA/cm2以下程度とすることが望まし
い。
A/cm2以下程度の低い電流密度での充放電が一応条
件の目安となる。最初から低い電流密度で充電を行う
か、規定の電圧に達するまではある程度の高い電流密度
の電流を通し、規定の電圧に達した後は電流密度を0.
5mA/cm2以下程度に低くして充電を行ういわゆる
定電流定電圧充電方式を採ることができる。放電電流密
度も0.5mA/cm2以下程度とすることが望まし
い。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のリチウム二次電池に用い
られる正極活物質としては、マンガン酸リチウム、コバ
ルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムなどのいわゆるリ
チウム遷移金属複合酸化物が好適なものとして挙げられ
る。これらの遷移金属酸化物を単独で、または二種以上
を混合して用いることができる。この場合コストを考え
るとマンガン酸リチウムが望ましい。また結晶の安定性
の向上を図る目的で、正極活物質の遷移金属酸化物を、
必要に応じて一部Ni,Al,Co,Fe,Bなどの異
元素で置換しても良い。また集電体などにこれら活物質
を塗工したものを正極として用いる場合には、結着剤を
混合しても良い。結着剤には、ポリフッ化ビニリデンや
カルボキシメチルセルロースなどを用いることができ
る。さらに電子移動抵抗を減ずる目的で黒鉛、アセチレ
ンブラック、ケッチェンブラック、金属粉などの導電材
を混合しても良い。
られる正極活物質としては、マンガン酸リチウム、コバ
ルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムなどのいわゆるリ
チウム遷移金属複合酸化物が好適なものとして挙げられ
る。これらの遷移金属酸化物を単独で、または二種以上
を混合して用いることができる。この場合コストを考え
るとマンガン酸リチウムが望ましい。また結晶の安定性
の向上を図る目的で、正極活物質の遷移金属酸化物を、
必要に応じて一部Ni,Al,Co,Fe,Bなどの異
元素で置換しても良い。また集電体などにこれら活物質
を塗工したものを正極として用いる場合には、結着剤を
混合しても良い。結着剤には、ポリフッ化ビニリデンや
カルボキシメチルセルロースなどを用いることができ
る。さらに電子移動抵抗を減ずる目的で黒鉛、アセチレ
ンブラック、ケッチェンブラック、金属粉などの導電材
を混合しても良い。
【0018】次に負極活物質に用いられる炭素材料の例
示としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、カーボン
繊維などが挙げられるが、これらの活物質を一種又は二
種以上混合して用いることができる。また集電体等に塗
工する場合は、結着剤を用いてもよい。この結着剤とし
てポリフッ化ビニリデンやカルボキシメチルセルロース
などを用いることができる。かかる負極活物質をサブミ
クロンオーダの粒状の炭酸リチウムにて被覆することに
よって、サイクル特性を向上させることができる。
示としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、カーボン
繊維などが挙げられるが、これらの活物質を一種又は二
種以上混合して用いることができる。また集電体等に塗
工する場合は、結着剤を用いてもよい。この結着剤とし
てポリフッ化ビニリデンやカルボキシメチルセルロース
などを用いることができる。かかる負極活物質をサブミ
クロンオーダの粒状の炭酸リチウムにて被覆することに
よって、サイクル特性を向上させることができる。
【0019】そして次に「電解液」としては、環状カー
ボネート、鎖状カーボネート、環状エーテル、鎖状エー
テルの一種あるいは二種以上の混合溶媒にリチウム化合
物を支持塩として溶解したものが用いられるが、環状カ
ーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、ブチレンカーボネート、カテコールカ
ーボネート、スチレンカーボネートなど、鎖状カーボネ
ートとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネートなど、そして環状エ
ーテルとしては、テトラヒドロフラン、2−メチルテト
ラヒドロフランなどが挙げられ、また鎖状エーテルとし
てはジメトキシエタンなどが挙げられる。そして支持塩
として用いることのできるリチウム化合物としては、六
フッ化リン酸リチウム、四フッ化ほう酸リチウム、過塩
素酸リチウム、リチウムジメチルスルホニウムイミドな
どがあるが、これら支持塩の濃度は、0.5mol/L
〜1.5mol/Lとすることが望ましい。
ボネート、鎖状カーボネート、環状エーテル、鎖状エー
テルの一種あるいは二種以上の混合溶媒にリチウム化合
物を支持塩として溶解したものが用いられるが、環状カ
ーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、ブチレンカーボネート、カテコールカ
ーボネート、スチレンカーボネートなど、鎖状カーボネ
ートとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネートなど、そして環状エ
ーテルとしては、テトラヒドロフラン、2−メチルテト
ラヒドロフランなどが挙げられ、また鎖状エーテルとし
てはジメトキシエタンなどが挙げられる。そして支持塩
として用いることのできるリチウム化合物としては、六
フッ化リン酸リチウム、四フッ化ほう酸リチウム、過塩
素酸リチウム、リチウムジメチルスルホニウムイミドな
どがあるが、これら支持塩の濃度は、0.5mol/L
〜1.5mol/Lとすることが望ましい。
【0020】負極活物質の表面に形成される炭酸リチウ
ムの被膜は、放電容量の1C以下または低温でかつ緩慢
な充放電条件で充放電を行うことにより得ることができ
る。この場合の温度は−40℃以上5℃以下であり、特
に−10℃以下−30℃以上が望ましい。溶媒組成にも
よるが−40℃以下の温度では電解液が固化してしまう
からである。またこの場合の充電は、充電を0.5mA
/cm2以下で行うか、あるいは、一定電流で規定の電
圧に達するまで充電を行い、さらに一定電圧に達した後
は電流密度を小さくし充電を行う、いわゆる定電流定電
圧充電で行ってもよい。放電は電流密度0.5mA/c
m2以下で行うのが望ましい。以上の温度、充放電条件
下で、充放電を1回乃至数回繰り返すことによって、負
極活物質表面はサブミクロンオーダの粒状の炭酸リチウ
ムで被覆され、かかる電池のサイクル特性を向上させる
ことができる。
ムの被膜は、放電容量の1C以下または低温でかつ緩慢
な充放電条件で充放電を行うことにより得ることができ
る。この場合の温度は−40℃以上5℃以下であり、特
に−10℃以下−30℃以上が望ましい。溶媒組成にも
よるが−40℃以下の温度では電解液が固化してしまう
からである。またこの場合の充電は、充電を0.5mA
/cm2以下で行うか、あるいは、一定電流で規定の電
圧に達するまで充電を行い、さらに一定電圧に達した後
は電流密度を小さくし充電を行う、いわゆる定電流定電
圧充電で行ってもよい。放電は電流密度0.5mA/c
m2以下で行うのが望ましい。以上の温度、充放電条件
下で、充放電を1回乃至数回繰り返すことによって、負
極活物質表面はサブミクロンオーダの粒状の炭酸リチウ
ムで被覆され、かかる電池のサイクル特性を向上させる
ことができる。
【0021】電池は、巻電池、コイン型電池等形状は問
わない。またセパレーターには多孔質ポリエチレンフィ
ルム、多孔質ポリプロピレンフィルム、またこれらを層
状に重ねたものを用いることができる。以下、本発明
を、実施例を用いて説明する。なお本発明は実施例に限
定されない。
わない。またセパレーターには多孔質ポリエチレンフィ
ルム、多孔質ポリプロピレンフィルム、またこれらを層
状に重ねたものを用いることができる。以下、本発明
を、実施例を用いて説明する。なお本発明は実施例に限
定されない。
【0022】
【実施例】<正極シートの製造>水酸化リチウム(Li
OH・H2O)461.5g、水酸化ニッケル(2価)
(Ni(OH)2)92.1g及び水酸化マンガン(2
価)1600gよりなる混合物を酸素流量3.0L/m
inの雰囲気下で750℃まで加熱し18時間保持する
ことで正極活物質であるLi1.10Mn1.80Ni
0.10O41700g(収率96.5%)を得た。
OH・H2O)461.5g、水酸化ニッケル(2価)
(Ni(OH)2)92.1g及び水酸化マンガン(2
価)1600gよりなる混合物を酸素流量3.0L/m
inの雰囲気下で750℃まで加熱し18時間保持する
ことで正極活物質であるLi1.10Mn1.80Ni
0.10O41700g(収率96.5%)を得た。
【0023】以上のようにして得られた正極活物質に対
し、正極シートを以下の手順で作製した。まず84重量
部の上記正極活物質、導電助剤として10重量部の東海
カーボン製のカーボン(商品名「TB5500」)およ
び結着剤として6重量部のアルドリッチ社製のポリフッ
化ビニリデン(分子量180,000)からなる混合物
に溶剤としてN−メチルピロリドン50重量部を加え、
二時間混練を行った。以上のようにして得られた正極ペ
ーストを、厚さ20μmのアルミニウム箔に両面塗工
し、正極シートとした。塗膜厚さは、片側110μm、
塗膜密度は、2.6g/cm3であった。
し、正極シートを以下の手順で作製した。まず84重量
部の上記正極活物質、導電助剤として10重量部の東海
カーボン製のカーボン(商品名「TB5500」)およ
び結着剤として6重量部のアルドリッチ社製のポリフッ
化ビニリデン(分子量180,000)からなる混合物
に溶剤としてN−メチルピロリドン50重量部を加え、
二時間混練を行った。以上のようにして得られた正極ペ
ーストを、厚さ20μmのアルミニウム箔に両面塗工
し、正極シートとした。塗膜厚さは、片側110μm、
塗膜密度は、2.6g/cm3であった。
【0024】<負極シートの製造>負極活物質は、大阪
ガスケミカル社製の球状人造黒鉛(商品名「MCMB2
5−28」)を用いた。この96重量部の球状人造黒鉛
と4重量部のアルドリッチ社製のポリフッ化ビニリデン
(分子量180,000)からなる混合物に50重量部
のN−メチルピロリドンを加え、一時間混練を行った。
以上のようにして得られた負極ペーストを厚さ10μm
の銅箔に塗工し、負極シートとした。塗膜厚さは、片側
45μm、塗膜密度は、1.1g/cm3であった。
ガスケミカル社製の球状人造黒鉛(商品名「MCMB2
5−28」)を用いた。この96重量部の球状人造黒鉛
と4重量部のアルドリッチ社製のポリフッ化ビニリデン
(分子量180,000)からなる混合物に50重量部
のN−メチルピロリドンを加え、一時間混練を行った。
以上のようにして得られた負極ペーストを厚さ10μm
の銅箔に塗工し、負極シートとした。塗膜厚さは、片側
45μm、塗膜密度は、1.1g/cm3であった。
【0025】<電解液の調製>電解液は富山薬品工業製
のリチウム電池用電解液(商品名「LIPASTE−E
DEC/PF1」)を用いた。これは、エチレンカーボ
ネートとジエチルカーボネートが体積比で1:1に混合
された混合溶媒に1M(モル)になるように六フッ化リ
ン酸リチウム(LiPF6)を溶解させたものである。
のリチウム電池用電解液(商品名「LIPASTE−E
DEC/PF1」)を用いた。これは、エチレンカーボ
ネートとジエチルカーボネートが体積比で1:1に混合
された混合溶媒に1M(モル)になるように六フッ化リ
ン酸リチウム(LiPF6)を溶解させたものである。
【0026】<二次電池の製作>上記正極シート、負極
シート、電解液を用いて円筒型電池を作製した。円筒型
電池は次のように作製した。上記正極シートと負極シー
トとを東燃化学社製の厚さ25μmのポリエチレンセパ
レーターを介して対向させ、捲回しロール状の電極体を
形成させた。これを、負極を電池缶に、正極を電池缶の
キャップ部にそれぞれリード線を介して溶接し、上記電
解液を含浸させた後キャップをかしめて密封した。電池
缶は直径18mm,高さ650mmあり、容量は約50
0mAhで正極対負極の理論容量比は1:1.5であ
る。
シート、電解液を用いて円筒型電池を作製した。円筒型
電池は次のように作製した。上記正極シートと負極シー
トとを東燃化学社製の厚さ25μmのポリエチレンセパ
レーターを介して対向させ、捲回しロール状の電極体を
形成させた。これを、負極を電池缶に、正極を電池缶の
キャップ部にそれぞれリード線を介して溶接し、上記電
解液を含浸させた後キャップをかしめて密封した。電池
缶は直径18mm,高さ650mmあり、容量は約50
0mAhで正極対負極の理論容量比は1:1.5であ
る。
【0027】<炭酸リチウム被膜の形成>以上のように
して得られた電池に対し、−25℃で1.0mA/cm
2の電流密度で4.2Vまで充電を行い、さらにその
後、電流密度を徐々に小さくして充電を行う、いわゆる
定電流定電圧充電を行った。充電時間は3時間である。
充電終了後、10分の休止し、次に0.33mA/cm
2の電流密度で3.0Vになるまで定電流放電を行っ
た。さらに10分の休止の後、次サイクルの充電を行っ
た。以上に示した充電−休止−放電−休止を1サイクル
として、10サイクルの充放電を行った。このようにし
て得られた電池を「実施例1」とする。実施例1の負極
活物質表面はサブミクロンオーダの炭酸リチウムの被膜
により覆われている。その走査型電子顕微鏡(SEM)
写真を図1に示す。
して得られた電池に対し、−25℃で1.0mA/cm
2の電流密度で4.2Vまで充電を行い、さらにその
後、電流密度を徐々に小さくして充電を行う、いわゆる
定電流定電圧充電を行った。充電時間は3時間である。
充電終了後、10分の休止し、次に0.33mA/cm
2の電流密度で3.0Vになるまで定電流放電を行っ
た。さらに10分の休止の後、次サイクルの充電を行っ
た。以上に示した充電−休止−放電−休止を1サイクル
として、10サイクルの充放電を行った。このようにし
て得られた電池を「実施例1」とする。実施例1の負極
活物質表面はサブミクロンオーダの炭酸リチウムの被膜
により覆われている。その走査型電子顕微鏡(SEM)
写真を図1に示す。
【0028】また比較例1として、25℃で上記充放電
を行った以外はすべて同じ電池を作製した。比較例1の
負極活物質表面の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。
この写真から、かかる負極の表面は鱗片状の炭酸リチウ
ムに覆われていて、また、実施例1の負極表面上に形成
されている粒状の被膜は存在しないことがわかる。
を行った以外はすべて同じ電池を作製した。比較例1の
負極活物質表面の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。
この写真から、かかる負極の表面は鱗片状の炭酸リチウ
ムに覆われていて、また、実施例1の負極表面上に形成
されている粒状の被膜は存在しないことがわかる。
【0029】<充放電試験>次に上記実施例1および比
較例1の電池について、充放電試験サイクル試験を行っ
た。充放電サイクル試験は劣化を促進するために高温
(60℃)下、電流密度1.1mA/cm2、で終止電
圧4.2Vまで充電を行い、その後、電流密度1.1m
A/cm2で終止電圧3.0Vまで放電を行うものを1
サイクルとし、各サイクルの放電容量を測定するもので
ある。この試験の結果として、各サイクルにおける放電
容量維持率(各サイクルにおける放電容量/初期放電容
量×100%)を図3に示す。
較例1の電池について、充放電試験サイクル試験を行っ
た。充放電サイクル試験は劣化を促進するために高温
(60℃)下、電流密度1.1mA/cm2、で終止電
圧4.2Vまで充電を行い、その後、電流密度1.1m
A/cm2で終止電圧3.0Vまで放電を行うものを1
サイクルとし、各サイクルの放電容量を測定するもので
ある。この試験の結果として、各サイクルにおける放電
容量維持率(各サイクルにおける放電容量/初期放電容
量×100%)を図3に示す。
【0030】この結果、鱗片状の炭酸リチウムで被覆し
た比較例1では、100サイクル充放電終了時点で7
2.0%であったのに対し、実施例1にあるように負極
活物質表面をサブミクロンオーダの炭酸リチウムの被膜
で被覆した電池は、100サイクル充放電終了時点で8
2.1%の容量維持率を示した。したがって、以上の結
果から、負極にサブミクロンオーダの炭酸リチウムを被
覆することにより、リチウム二次電池の充放電劣化が抑
制され、サイクル特性が向上することが明らかとなっ
た。
た比較例1では、100サイクル充放電終了時点で7
2.0%であったのに対し、実施例1にあるように負極
活物質表面をサブミクロンオーダの炭酸リチウムの被膜
で被覆した電池は、100サイクル充放電終了時点で8
2.1%の容量維持率を示した。したがって、以上の結
果から、負極にサブミクロンオーダの炭酸リチウムを被
覆することにより、リチウム二次電池の充放電劣化が抑
制され、サイクル特性が向上することが明らかとなっ
た。
【0031】
【実施例2】実施例2として、ニッケル酸リチウム、L
iNiO2とLi1.10Mn1. 80Ni0.10O
4を25:75の重量比で混合した正極に対し、−25
℃でサイクル初期に充放電を行うことによりサブミクロ
ンオーダの粒状の被膜を形成させた電池を作製した。実
施例2は実施例1の正極活物質をLi1.10Mn1
.80Ni0.10O4からLiNiO2とLi
1.10Mn1.80Ni0. 10O4を25:75の
重量比で混合した活物質に変更した以外は実施例1とま
ったく同じ電池を作製したものである。
iNiO2とLi1.10Mn1. 80Ni0.10O
4を25:75の重量比で混合した正極に対し、−25
℃でサイクル初期に充放電を行うことによりサブミクロ
ンオーダの粒状の被膜を形成させた電池を作製した。実
施例2は実施例1の正極活物質をLi1.10Mn1
.80Ni0.10O4からLiNiO2とLi
1.10Mn1.80Ni0. 10O4を25:75の
重量比で混合した活物質に変更した以外は実施例1とま
ったく同じ電池を作製したものである。
【0032】図4および図5は実施例2,及び比較例2
の負極表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
実施例2の負極表面には実施例1と同様に、サブミクロ
ンオーダの粒状の炭酸リチウムが析出していることがわ
かる。一方、比較例2の負極には鱗片状の被膜が形成し
ていることがわかる。次に、図6に実施例2と比較例2
のそれぞれのサイクル特性を示す。この図よりサブミク
ロンオーダの粒状の被膜を負極活物質に有する実施例2
は、鱗片状の被膜を有する比較例2よりもサイクル特性
に優れることがわかる。100サイクル後の放電容量維
持率は実施例2が80.8%に対して比較例2が68.
5%であった。
の負極表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
実施例2の負極表面には実施例1と同様に、サブミクロ
ンオーダの粒状の炭酸リチウムが析出していることがわ
かる。一方、比較例2の負極には鱗片状の被膜が形成し
ていることがわかる。次に、図6に実施例2と比較例2
のそれぞれのサイクル特性を示す。この図よりサブミク
ロンオーダの粒状の被膜を負極活物質に有する実施例2
は、鱗片状の被膜を有する比較例2よりもサイクル特性
に優れることがわかる。100サイクル後の放電容量維
持率は実施例2が80.8%に対して比較例2が68.
5%であった。
【0033】本発明は、上記した実施の形態に何ら限定
されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々の改変が可能である。上記実施例では、リチウムマ
ンガン複合酸化物、あるいはこれにニッケル酸リチウム
を配合したものを正極活物質として用いたが、これ以外
にコバルト(Co)を置換元素として導入したり、ある
いはリチウムニッケル複合酸化物を主たる正極活物質原
料として用いることもできる。
されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々の改変が可能である。上記実施例では、リチウムマ
ンガン複合酸化物、あるいはこれにニッケル酸リチウム
を配合したものを正極活物質として用いたが、これ以外
にコバルト(Co)を置換元素として導入したり、ある
いはリチウムニッケル複合酸化物を主たる正極活物質原
料として用いることもできる。
【0034】また負極活物質表面を炭酸リチウムの微粒
子により予め被覆するための予備充放電の条件も、上記
実施例の条件に限定されるものではなく、充放電の電流
密度やその充放電の繰り返し回数等は適宜変更すること
ができる。
子により予め被覆するための予備充放電の条件も、上記
実施例の条件に限定されるものではなく、充放電の電流
密度やその充放電の繰り返し回数等は適宜変更すること
ができる。
【0035】
【発明の効果】本発明のリチウム二次電池によれば、炭
素材料からなる負極活物質の表面を、予めサブミクロン
オーダ粒径を有する炭酸リチウムの被膜により被覆して
おくことにより、電池使用に際して充放電のサイクル特
性が向上し、長期間安定して使用できる。
素材料からなる負極活物質の表面を、予めサブミクロン
オーダ粒径を有する炭酸リチウムの被膜により被覆して
おくことにより、電池使用に際して充放電のサイクル特
性が向上し、長期間安定して使用できる。
【0036】また、本発明に係るリチウム二次電池の製
造方法によれば、充放電サイクル特性に優れたリチウム
二次電池が得られることはもとより、製品出荷前に予備
の充放電を数回繰り返す程度で性能の向上が図れるもの
であるから、製品コストがそれ程高くならなくて済み、
実生産への適用が大いに期待されるものである。
造方法によれば、充放電サイクル特性に優れたリチウム
二次電池が得られることはもとより、製品出荷前に予備
の充放電を数回繰り返す程度で性能の向上が図れるもの
であるから、製品コストがそれ程高くならなくて済み、
実生産への適用が大いに期待されるものである。
【図1】本発明の実施例1に係るリチウム二次電池にお
ける負極活物質表面の光学顕微鏡写真図である。
ける負極活物質表面の光学顕微鏡写真図である。
【図2】比較例1のリチウム二次電池における負極活物
質表面の光学顕微鏡写真図である。
質表面の光学顕微鏡写真図である。
【図3】本発明の実施例1に係るリチウム二次電池と比
較例1のリチウム二次電池とを比較して充放電サイクル
特性(サイクル数と放電容量維持率との関係)の違いを
示した図である。
較例1のリチウム二次電池とを比較して充放電サイクル
特性(サイクル数と放電容量維持率との関係)の違いを
示した図である。
【図4】本発明の実施例2に係るリチウム二次電池にお
ける負極活物質表面の光学顕微鏡写真図である。
ける負極活物質表面の光学顕微鏡写真図である。
【図5】比較例2のリチウム二次電池における負極活物
質表面の光学顕微鏡写真図である。
質表面の光学顕微鏡写真図である。
【図6】本発明の実施例2に係るリチウム二次電池と比
較例2のリチウム二次電池とを比較して充放電サイクル
特性(サイクル数と放電容量維持率との関係)の違いを
示した図である。
較例2のリチウム二次電池とを比較して充放電サイクル
特性(サイクル数と放電容量維持率との関係)の違いを
示した図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 5H003 AA04 BB01 BB05 BC01 BC05 BD01 5H014 AA01 BB11 CC01 CC07 EE08 HH04 HH06 HH08 5H029 AJ05 AK03 AL06 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ16 CJ28 DJ16 HJ14 HJ19
Claims (2)
- 【請求項1】 正極活物質としてリチウム遷移金属複合
酸化物が用いられ、負極活物質としてリチウムのインタ
ーカレート/デインターカレートが可能な炭素材料が用
いられ、電解液として非水溶媒に電解質を溶解してなる
非水電解液が用いられるリチウム二次電池において、負
極活物質の表面がサブミクロンオーダの炭酸リチウム微
粒子により予め被覆されていることを特徴とするリチウ
ム二次電池。 - 【請求項2】 リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物
質とする正極と、リチウムのインターカレート/デイン
ターカレートが可能な炭素材料を負極活物質とする負極
とを非水電解液中に浸漬し、放電容量の1C以下または
−40℃〜0℃の温度範囲における緩慢な充放電条件下
で予備の充放電を1回乃至数回行い、負極活物質の表面
をサブミクロンオーダの炭酸リチウム微粒子により予め
被覆するようにしたことを特徴とするリチウム二次電池
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11217108A JP2001043858A (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | リチウム二次電池およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11217108A JP2001043858A (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | リチウム二次電池およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001043858A true JP2001043858A (ja) | 2001-02-16 |
Family
ID=16698985
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11217108A Pending JP2001043858A (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | リチウム二次電池およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001043858A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002270245A (ja) * | 2001-03-14 | 2002-09-20 | Osaka Gas Co Ltd | 非水系二次電池 |
US20090011333A1 (en) * | 2007-07-06 | 2009-01-08 | Sony Corporation | Anode material, anode and battery, and methods of manufacturing them |
JP2009170348A (ja) * | 2008-01-18 | 2009-07-30 | Toyota Motor Corp | リチウムイオン二次電池の耐久性改良方法 |
JP2012033463A (ja) * | 2010-06-28 | 2012-02-16 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解質二次電池用正極活物質、その正極活物質の製造方法、当該正極活物質を用いた正極、及びその正極を用いた電池 |
WO2015104935A1 (ja) * | 2014-01-09 | 2015-07-16 | 日産自動車株式会社 | リチウムイオン二次電池の製造方法 |
CN114203976A (zh) * | 2021-12-10 | 2022-03-18 | 哈尔滨师范大学 | 一种可提高金属锂负极稳定性的混合溶液及制备方法和应用 |
-
1999
- 1999-07-30 JP JP11217108A patent/JP2001043858A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPWO2015104935A1 (ja) * | 2014-01-09 | 2017-03-23 | 日産自動車株式会社 | リチウムイオン二次電池の製造方法 |
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CN114203976B (zh) * | 2021-12-10 | 2024-11-08 | 哈尔滨师范大学 | 一种可提高金属锂负极稳定性的混合溶液及制备方法和应用 |
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