JP2002266182A - ポリエステル混繊加工糸およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル混繊加工糸およびその製造方法

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JP2002266182A
JP2002266182A JP2001063126A JP2001063126A JP2002266182A JP 2002266182 A JP2002266182 A JP 2002266182A JP 2001063126 A JP2001063126 A JP 2001063126A JP 2001063126 A JP2001063126 A JP 2001063126A JP 2002266182 A JP2002266182 A JP 2002266182A
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polyester
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heat treatment
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Toshihiko Kimura
俊彦 木村
Kazuo Umeda
和生 梅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】超極細繊維を用いた混繊加工糸であって、易染
性やソフトスパンライク風合いおよび自然なムラ感の表
面効果に優れた、高級感のあるポリエステル混繊加工糸
およびその製造方法を提供するものである。 【解決手段】芯糸には太細差を有するポリエステルフィ
ラメント糸条Bが、鞘糸には単繊維フィラメント繊度1
dtex以下のポリエステル高配向未延伸糸条Aが、そ
れぞれループおよびタルミを有して互いに交絡している
ことを特徴とするポリエステル混繊加工糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,糸表面に微細なル
ープやタルミと自然的な表面効果を有した混繊加工糸で
あって、ソフト風合いや易染性およびカスリ調ムラ感等
に優れた、編織物に好適なポリエステル混繊加工糸およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリエステル高配向未延伸糸
(以下POY)に流体処理を施し、糸条にループを形成
させたスパンライク風合いを有する混繊加工糸およびそ
の製造方法は数多く提案されてきた。
【0003】例えば、特開昭63−152433号公報
では、POYと延伸糸を用いた流体噴射加工糸およびそ
の製造方法が提案されている。しかしながら、この方法
で得られる加工糸は、POYより染色性の低い延伸糸を
用いるので、流体噴射加工糸の染色性は低くまた積極的
な収縮差混繊を設けないので、得られる製品の風合いは
嵩高性が不足するものであった。
【0004】特許第3021617号公報では紡糸速度
6000m/min以上の極細繊維と紡糸速度5000
m/min以下の繊維を流体処理するポリエステル複合
交絡糸およびその製造方法が提案されている。しかし、
得られる製品の表面感はプレーンであり、また極細繊維
特有の易染性の低いものであった。
【0005】特開平5−86535号公報ではPOYに
先延伸処理を施した高収縮型の繊維糸条と、紡糸速度が
6000m/min以上の極細繊維糸条とを用いて、流
体撹乱処理を施すポリエステル嵩高加工糸を製造する方
法が提案されている。これは、両糸条による収縮差およ
び極細繊維糸条の混繊により、ハリ・腰感およびソフト
なスパンライク風合いの製品が得られるものの、やはり
表面感はプレーンで易染性は低いものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の技術の欠点を改良することができる、自然的な表
面効果やソフトなスパンライク風合いに優れた高級感を
有するポリエステル混繊加工糸およびその製造方法を提
供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成する本
発明の構成は下記のとおりである。すなわち、 (1)芯糸には太細差を有するポリエステルフィラメン
ト糸条Bが、鞘糸には単繊維フィラメント繊度1dte
x以下のポリエステル高配向未延伸糸条Aが、それぞれ
ループおよびタルミを有して互いに交絡していることを
特徴とするポリエステル混繊加工糸。
【0008】(2)ループおよびタルミの合計個数が1
50〜450個/m、ウースタームラ値U(%)が2〜
10%、スペクトログラムのピーク値が8〜20cmを
示す糸ムラ分布を有することを特徴とする前記(1)記
載のポリエステル混繊加工糸。
【0009】(3)複屈折率Δnが95〜125×10
-3で単繊維フィラメント繊度1dtex以下のポリエス
テル高配向未延伸糸条Aと、複屈折率Δnが95×10
-3以下のポリエステル高配向未延伸糸条Bとを用い、上
記糸条Aを弛緩熱処理後に、上記糸条Bをシックアンド
シン延伸後に、同時に流体処理することを特徴とするポ
リエステル混繊加工糸の製造方法。
【0010】(4)前記糸条Aの弛緩熱処理温度を14
0〜200℃、弛緩率rを−5≦(r−s)≦5
(%)、前記糸条Bのシクアンドシン延伸温度を70〜
140℃、延伸倍率Rを0.8e≦ R(倍) ≦ 1.
3eとすることを特徴とする前記(3)記載のポリエス
テル混繊加工糸の製造方法。(ただし、r:弛緩率
(%)、s:乾熱収縮率(%)、e:自然延伸倍率
(倍))
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は前記した課題を解決する
ために、易染性やスパンライク風合いおよび自然な表面
効果に優れた編織物用の混繊加工糸を開発するため鋭意
研究を重ねてきた。
【0012】その結果、複屈折率Δnが95〜125×
10-3で、1dtex(デシテックス)以下の極細繊維
にいったん弛緩熱処理を施した糸条と 、複屈折率Δn
が95×10-3以下の繊維にいったんシックアンドシン
延伸加工を施した糸条とを用いて流体加工したものであ
る。
【0013】複屈折率Δnが95〜125×10-3の極
細繊維は6000m/min以上の速度で超高速紡糸す
ることにより得られる。また、複屈折率Δnが95×1
-3以下の繊維は5000m/minの速度で、好まし
くは2000〜5000m/minの速度で高速紡糸す
ることにより得られる。
【0014】つまり、芯糸には太細差を有するポリエス
テルフィラメント糸条Bが、鞘糸には単繊維フィラメン
ト繊度1dtex以下のポリエステル高配向未延伸糸条
Aが、それぞれループおよびタルミを有して互いに交絡
し、自然的な表面効果を有しているポリエステル混繊加
工糸である。
【0015】また本発明のポリエステル混繊加工糸の製
造方法は、複屈折率Δnが95〜125×10-3で、単
繊維フィラメント繊度1dtex以下のポリエステル高
配向未延伸糸条Aと、複屈折率Δnが95×10-3以下
のポリエステル高配向未延伸糸条Bとを用い、該糸条A
を弛緩熱処理後に、該糸条Bはシックアンドシン延伸後
に、同時に流体噴射加工するものである。
【0016】本発明のポリエステル混繊加工糸の構成に
ついて図面により説明するならば、糸形態モデルを図1
に例示した。Aは鞘糸部分であって微細ループやタルミ
を有する単繊維フィラメント繊度1dtex以下のポリ
エステル高配向未延伸糸条からなる。Bは芯糸部分であ
って太細差を有するポリエステル高配向未延伸糸条から
なる。
【0017】そして、芯糸Bと鞘糸Aは互いに交絡して
おり、芯糸Bは鞘糸A越しに透かして見ることができる
糸構造のポリエステル混繊加工糸である。
【0018】上記の混繊加工糸に熱処理を施すと芯糸B
の収縮率は鞘糸Aより一般に高くなるので、両糸の収縮
差により嵩高性が発現される。また、芯糸Bのシックア
ンドシン糸は糸長さ方向に太細差とそれに伴う収縮差を
有するので、収縮率が高い糸長さ部分のイは嵩高い部分
に、収縮率が低い糸長さ部分のロは嵩低い部分に嵩高発
現される。
【0019】この太細差が編織物製品のカスリ調の濃淡
色差や手触り凹凸感となって、自然感のある微妙な表面
効果を呈するのである。
【0020】本発明のポリエステル混繊加工糸の構成に
ついて、糸種はポリエステルフィラメント糸であって一
般の嵩高加工糸に常用されるポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレン
テレフタレートなどあらゆるポリエステル系フィラメン
ト糸が適しており、特に限定されるものではなく、もち
ろん第3成分の添加や異形断面あるいは異繊度混繊など
であっても構わない。
【0021】上記の混繊加工糸の糸構成は、芯糸に太細
を有するポリエステルフィラメント糸条Bが配置するこ
とにより、カスリ調濃淡差や太細凹凸感の自然感のある
外観や手触りの表面効果を呈することができる。
【0022】芯糸の太さにおいて、太細差を有している
ので糸長さ方向に均一な太さではないが、単繊維フィラ
メントの平均繊度が1dtex以上の太い繊維である
と、張りや腰感の風合いが強くなるので好ましく、2〜
5dtexになるとさらに好ましい張りや腰感の風合い
となる。なお、平均繊度が5dtex以上になるとルー
プやタルミの糸形成能力が低下し交絡不良となるので好
ましくない。
【0023】この芯糸を染色した場合、一般に太い部分
は濃色に細い部分は淡色に染まりやすいが、平均繊度が
太くなれば太細部如何に関わらず全体は濃色に染色され
る傾向になる。
【0024】鞘糸の太さにおいて、6000m/min
以上で超高速紡糸した単繊維フィラメント繊度が1dt
ex以下の超極細ポリエステル高配向未延伸糸条を用い
ることにより、微細ループやタルミが形成されやすくな
り、その結果編織物ではよりソフトなスパンライク風合
いの効果を得ることができるのである。
【0025】この鞘糸を染色した場合、予め弛緩熱処理
が施されているので、1dtex以下の超極細繊維にも
かかわらず易染性は高く、超極細繊維特有の「白らけ」
たような染まり方が改善されるのである。
【0026】本発明のポリエステル混繊加工糸に付与さ
れるループおよびタルミの合計個数は150〜450個
/mが適している。150個/m未満の少ない個数にな
るとヌメリ感の風合いが強くなりスパンライクな風合い
や嵩高性が低下するので好ましくない。また、逆に45
0個/mを超える多くの個数では、ループおよびタルミ
が形成され過ぎ糸強度低下や工程通過性不良を起こしや
すくなるので好ましくないのである。これは、用途によ
り適宜選択すればよい。
【0027】本発明のポリエステル混繊加工糸の自然的
なムラ感は、該加工糸のウースタームラ値U(%)が2
〜10%かつスペクトログラムのピーク値が8〜20c
mである分布を有することにより、編織物に自然的なム
ラ感を有する表面効果を与えることができる。
【0028】ウースタームラ値が2%未満では自然的な
ムラ感の表面効果は弱く、10%を超えると表面効果が
強く表れるので、狙いとする表面効果や高級感あるいは
上品さを得ることは不適当である。
【0029】狙いとする自然的なムラ感の表面効果は、
糸使いや組織あるいは用途により異なるので、ウースタ
ームラ値を適宜選択する必要がある。
【0030】糸ムラの分布を表すスペクトログラムにお
いて、太い部分の長さ周期が5〜30cm以内にピーク
値を持ち正規分布する分布が最も適しており、ピーク値
が8〜20cm以内では、自然な表面効果を得ることが
できるさらに好ましい分布である。
【0031】スペクトログラムの分布ピーク値が5cm
未満ではムラのパターン周期が短く見えることや、逆に
30cmを超えるとムラのパターン周期が長く見えるの
で、狙いとする自然的な表面効果からは外れるが、特殊
な用途へ応用することもできるのでこの限りではない。
【0032】なお、ピーク値が1ッ個所ではなく複数個
所存在していても構わない。
【0033】次に、本発明のポリエステル混繊加工糸の
製造方法について、詳細に説明するならば、まず、図2
に製造工程の一例を示した。
【0034】芯糸側に配置する5000m/min以下
で紡糸した高配向未延伸糸条BのPOYをガイド2から
解じょし、フィードローラ3へ供給し、フィードローラ
6との間のホットピン3に巻き付けながらシックアンド
シンの延伸処理を施し、その後流体処理ノズル9へ導入
する。なお、流体処理ノズル9へ導入する糸条BのPO
Yに代わり、予め延伸したシクアンドシン糸条を用いて
も構わない。
【0035】鞘糸となる6000m/min以上で紡糸
した1dtex以下の高配向未延伸糸条AのPOYをガ
イド1から解じょし、フィードローラ4に供給し、中空
ヒータ7で弛緩熱処理を施し、フィードローラ8から引
き出し前記流体処理ノズル9へ導入する。
【0036】シックアンドシン延伸処理された糸条Bと
弛緩処理された糸条Aに、給糸差を設けて流体処理ノズ
ル9で流体処理を施し、ループやタルミを形成させて引
き取りローラ10から引き出す。
【0037】上記の流体処理ノズルは撹乱型であって通
常”タスラン”ノズルといわれるものや、交絡型ノズル
であっても構わないが”タスラン”型の方が好ましい。
また流体処理に際しては水付与しても水付与しなくても
構わないが、水付与する方がループやタルミの糸形成能
力は高くかつ消滅も少ないので好ましい方法である。
【0038】引き取りローラ10から引き出した後、直
接ワインドローラ11にてチーズ12に巻き取ることに
より、ポリエステル混繊加工糸を製造することができ
る。
【0039】なお、このように直接ワインドローラ11
にてチーズ12に巻き取ってもよく、また引き取りロー
ラ10とワインドローラ11の間に弛緩熱処理を施して
もよい。
【0040】この熱処理の粗いループやタルミを一部収
縮させて、嵩高部を均一に集束させて糸筋の均一化をは
かり、特に製織などの後工程通過性を改善させたりする
ことができるが、目的により適宜選択すればよい。
【0041】ここで流体処理ノズルに供給する芯糸と鞘
糸の供給率について、糸条Bの供給率を+5〜+20
%、糸条Aの供給率を+6〜+40%にて同時に流体処
理ノズルに供給し流体処理を行なうのであることが好ま
しい。
【0042】前記糸条Bの供給率は+5〜+20%であ
って、+5%未満ではループ形成が少なくなり、+20
%を超えるとループ形成が多すぎ、編織工程などの後工
程の糸通過性を低下させるので好ましくない。
【0043】また、糸条Aの供給率は+6〜+40%で
あって、供給率が多くなるほどループやタルミ数は多く
なるが、+40%以上になるとループなどの形成が多く
なり過ぎるので、やはり後工程の糸通過性を低下させる
ので好ましくないのである。
【0044】なお、糸条Bと糸条Aの供給率の関係にお
いて、糸条Aは少なくとも1%以上糸条Bより過剰に供
給することが好ましい。
【0045】糸条Bのシックアンドシン処理の延伸倍率
は1.2〜1.8倍、ホットピンの加熱温度は70〜1
40℃とすることが好ましい。まず、延伸倍率が高くな
ると高配向未延伸糸がほぼ完全延伸に近づくので、得ら
れる該編織物の表面効果はプレーンな状態になるので好
ましくなく、逆に低くなると不完全延伸に近づくので残
留伸度が多くなり、ループのヘタリや消滅につながり風
合い低下の原因となりやすい。
【0046】延伸倍率R(倍)はPOYの自然延伸倍率
e(倍)と大きな関係にあるが、紡糸速度が2000〜
5000m/minでは下記の範囲に設定することが好
ましい。なお太細差を大きく形成させるにはR(倍)が
1.3〜1.5倍にあることが好ましい範囲である。つ
まり、糸条Bの自然延伸倍率とシックアンドシンの延伸
倍率との間に、 0.8e≦ R(倍) ≦ 1.3e の関係が成立することである。
【0047】ホットピンの加熱温度は70℃未満あるい
は140℃を超える温度ではシクアンドシン形成が効果
が弱く好ましくない。
【0048】ホットピンの加熱装置はプレートヒータ、
中空ヒータ、鞍型ヒータ、ホットピン等が適用できる。
また、フィードローラとホットピン間のシックアンドシ
ン延伸処理長さを長くすることにより、太細差のパター
ンが長くなり、逆に短くすればパターンは短くなるの
で、ねらいの用途に応じて適宜設定すればよい。
【0049】なお、フィードローラとホットピン間のシ
ックアンドシン延伸処理長さを長くすることにより、太
細差のパターンが長くなり、逆に短くすればパターンは
短くなるので、ねらいの用途に応じて適宜設定すればよ
い。
【0050】糸条Aに弛緩熱処理を施すことは、弛緩熱
処理による易染性向上と低収縮化によるソフト風合い化
を狙いとして前処理を行うのである。該糸条Aの弛緩熱
処理温度は140〜200℃とすることであるが、処理
温度が140℃未満では収縮率が低くなり、逆に200
℃を超えると融着しやすくなるので好ましくない。
【0051】糸条Aの乾熱収縮率s(%)と弛緩熱処理
における弛緩率r(%)との間に −5≦(r−s)≦5(%) の関係が成立する。
【0052】なお、r:弛緩率(%)=((r1−r
2)/r2)×100 (ただし、 弛緩熱処理前(r1)、後(r2)のフィ
ードローラ速度) s:乾熱収縮率(%)は160℃ における0.002
cN/dtex処理荷重下の収縮率である。
【0053】上式の関係において、(r−s)の値が−
5〜+5(%)の範囲に入ることが好ましく、さらに
(r−s)が0(%)近辺に成る弛緩熱処理条件がさら
に好まし範囲になる。
【0054】例えば、糸条Aの乾熱収縮率sが2.5%
であれば弛緩率rを+2.5%に設定すると0(%)に
なるが、実際の糸走行張力などを考慮すれば0〜+2.
5%の範囲に設定することが好ましい。
【0055】なお、糸条Aの乾熱収縮率sが自発伸長あ
るいは自己伸長する特性を有する場合、弛緩熱処理では
なく緊張熱処理の条件になるが、該加工糸を製造するこ
とは可能である。
【0056】
【実施例】測定方法 (1)乾熱収縮率s(%) 室温中における0.1cN/dtex荷重下のカセ長さ
を測定しL1とする。乾熱処理機において、0.002
cN/dtexの荷重を吊しながら160℃熱処理を5
分間行い取り出し後、室温中における0.1cN/de
tex荷重下におけるカセ長さを測定しL2とする。
【0057】収縮率s(%)={(L1−L2)/L
1}×100 にて算出する。 (2)糸ムラU%(%) 計測器工業株式会社製 EVENNESS TESTER 80 使用 糸速度25m/min、norma・test で5分
間測定し、n=3の平均値を算出した。 (3)スペクトログラムピーク値(cm) 同上 (4)ループ数とタルミ数(個/m) 東レエンジニアリング株式会社製 hairness−
counter DT−104型使用 、糸表面より
0.35mmのループ数とタルミ数の合計を測定し、n
=5の平均値を算出した。 (6)自然延伸倍率e(倍) S−S曲線において、一定応力伸長線の延長線とS−S
曲線2次立ち上がり部分の接線との交点を自然延伸倍率
(倍)eとした。 (7)沸水収縮率 JIS L1090に準ずる 実施例1 鞘糸となる紡糸速度6000m/min(複屈折率Δn
は105×10-3)で紡糸した85T/144本のポリ
エステル高配向未延伸糸A(単繊維フィラメント繊度
0.59dtex、沸水収縮率3.5%、伸度41%)
を弛緩熱処理温度150℃、弛緩率+3%にて弛緩熱処
理を行なった。なお、160℃における乾熱収縮率は
0.8%であった。
【0058】一方、紡糸速度3000m/min(複屈
折率Δnは65×10-3)で紡糸した110T/36本
の高配向未延伸糸B(単繊維フィラメント繊度3.06
dtex、熱水収縮率55%、伸度141%)をホット
ピン温度85℃に1回巻きを行い緊張率1.45倍にて
シックアンドシンの延伸処理を施した。なお、糸ムラU
%は11%、スペクトログラムピーク値は15cmであ
った。
【0059】流体処理ノズル(ノズル型式ヘバーライン
社製T−311)への給糸率を芯糸Bは+5%、鞘糸A
は+9%として同時に流体処理圧力0.6MPにて流体
処理を施した。
【0060】そして引き取り速度300m/minにて
引き出し、引き続き中空ヒータの温度180で℃、弛緩
率+0.5%にて弛緩熱処理を行い、チーズに巻き取っ
た。
【0061】その結果、繊度194T、熱水収縮率4.
1%、糸ムラU%6.7%、ループ数215個/mのポ
リエステル混繊加工糸を得た。該加工糸をタテ糸が85
T/36本のポリエステル仮撚り加工糸のヨコ糸に打ち
込み平織物を製造した。
【0062】 織機 WJL(津田駒製) 450回転/min タテ糸密度 85本/インチ ヨコ糸密度 65本/インチ 組織 平 また、得られた該平織物を下記条件にて染色仕上げ加工
を行った。
【0063】 精練・リラックス 40〜98 ℃×60 min 中間セット 160℃ Na処理 18%減量 染色加工 130℃×60 min 分散染料 仕上げセット 180℃ 得られたポリエステル混繊加工糸織物は、自然な太細手
触り感と微妙な濃淡色差を有する表面効果と微細で多く
のループ形成によるソフトスパンライクな風合いの製品
を得た。
【0064】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、ポリエ
ステル混繊加工糸は太細差を有するポリエステルフィラ
メント糸を芯部に、その外周部に鞘糸として超極細の微
細ループやタルミが絡んだ嵩高糸形態を有しているの
で、編織物に適用すると高度なソフトスパンライクの手
触り感や優れたハリ・腰などの風合いを有する。
【0065】芯部は鞘部に覆われているが編織物にした
とき、芯部の太細差が微妙な表面変化となって表れ、狙
いとする凹凸手触り感やカスリ調濃淡差あるいは自然な
ムラ感を有する高級感や上品な製品を得ることができ
る。
【0066】また、鞘部は超極細繊維を用いるが弛緩熱
処理を予め施しているので、易染性が高くなるので、白
けた染色性が改善されるなどの効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステル混繊加工糸の一例を示
し、Aは鞘糸をBは芯糸を、イは嵩高い部分であって淡
色に染まり、ロは嵩低い部分であって濃色に染まり、カ
スリ調の自然なムラ感を有する。
【図2】本発明のポリエステル混繊加工糸の製造方法の
一例を示す工程図である。 A:高配向未延伸糸A B:高配向未延伸糸B 1:ガイド 2:ガイド 3:フィードローラ 4:フィードローラ 5:ホットピン 6:フィードローラ 7:弛緩熱処理ヒータ 8:引き取りローラ 9:流体処理ノズル 10:引き取りローラ 11:巻き取りローラ 12:チーズ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯糸には太細差を有するポリエステルフィ
    ラメント糸条Bが、鞘糸には単繊維フィラメント繊度1
    dtex以下のポリエステル高配向未延伸糸条Aが、そ
    れぞれループおよびタルミを有して互いに交絡している
    ことを特徴とするポリエステル混繊加工糸。
  2. 【請求項2】ループおよびタルミの合計個数が150〜
    450個/m、ウースタームラ値U(%)が2〜10
    %、スペクトログラムのピーク値が8〜20cmを示す
    糸ムラ分布を有することを特徴とする請求項1記載のポ
    リエステル混繊加工糸。
  3. 【請求項3】複屈折率Δnが95〜125×10-3で単
    繊維フィラメント繊度1dtex以下のポリエステル高
    配向未延伸糸条Aと、複屈折率Δnが95×10-3以下
    のポリエステル高配向未延伸糸条Bとを用い、上記糸条
    Aを弛緩熱処理後に、上記糸条Bをシックアンドシン延
    伸後に、同時に流体処理することを特徴とするポリエス
    テル混繊加工糸の製造方法。
  4. 【請求項4】前記糸条Aの弛緩熱処理温度を140〜2
    00℃、弛緩率rを−5≦(r−s)≦5(%)、前記
    糸条Bのシクアンドシン延伸温度を70〜140℃、延
    伸倍率Rを0.8e≦ R(倍) ≦ 1.3eとするこ
    とを特徴とする請求項3記載のポリエステル混繊加工糸
    の製造方法。(ただし、r:弛緩率(%)、s:乾熱収
    縮率(%)、e:自然延伸倍率(倍))
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103422209A (zh) * 2013-08-27 2013-12-04 江南大学 咖啡炭赛络纺混色纱线及其纺纱工艺
CN103422210A (zh) * 2013-08-27 2013-12-04 江南大学 功能性吸湿快干混色纱线及其纺纱工艺

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