JP2002257159A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

駆動力伝達装置

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JP2002257159A
JP2002257159A JP2001052222A JP2001052222A JP2002257159A JP 2002257159 A JP2002257159 A JP 2002257159A JP 2001052222 A JP2001052222 A JP 2001052222A JP 2001052222 A JP2001052222 A JP 2001052222A JP 2002257159 A JP2002257159 A JP 2002257159A
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JP
Japan
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yoke
case
driving force
transmission device
clutch mechanism
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Application number
JP2001052222A
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English (en)
Inventor
Akiyoshi Tashiro
明義 田代
Hiroshi Kushino
宏 久志野
Takashi Sakai
孝 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動力伝達装置の取付構造や取付作業を簡単に
する。駆動力伝達装置の外径を小さくして小型化する。 【解決手段】駆動力伝達装置1は、電磁式クラッチ機構
31の作動によりメインクラッチ機構27の動作を制御
して、相対回転し得るアウタケース12とインナケース
15との間の駆動力の伝達を行なう。ヨーク35の外周
にアウタケース12を回転可能に支持する。ヨーク35
の内周にインナケース15の外周を回転可能に支持す
る。アウタケース12の外部に設けた支持ケース65か
ら突出するシャフト2をインナケース15に対し一体回
転可能に連結した状態で、支持ケース65にヨーク35
を取り付け得るようにした。ヨーク35の外周とアウタ
ケース12との間にシールベアリング45を介在させ
た。ヨーク35の内周とインナケース15の外周との間
にオイルシール46を介在させた。ヨーク35の内側に
は電磁石34を内蔵した密閉エア室47を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特に四輪駆動車
で前輪側の駆動系と後輪側の駆動系との間に介装される
駆動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4に示す従来の駆動力伝達装置1は、
電磁式クラッチ機構31の作動によりメインクラッチ機
構27の動作を制御して、相対回転し得るアウタケース
12とインナケース15との間の駆動力の伝達を行な
う。このアウタケース12は、一体回転するフロントハ
ウジング13とリヤハウジング14とを備えている。こ
の電磁式クラッチ機構31は、アーマチュア32とパイ
ロット摩擦クラッチ33と電磁石34とヨーク35とを
備えている。この電磁石34とヨーク35とが前記リヤ
ハウジング14の収容室22に嵌め込まれている。な
お、図示しないが、前記インナケース15にはドライブ
ピニオンシャフトが一体回転可能に連結され、前記アウ
タケース12のフロントハウジング13にはプロペラシ
ャフトが一体回転可能に連結される。
【0003】リヤデファレンシャルの支持ケース65
(デファレンシャルケース)には筒状カバー67が取り
付けられている。上記駆動力伝達装置1は、この筒状カ
バー67の内側に挿入されてこのデファレンシャルケー
ス65に取り付けられる。その取付状態では、前記フロ
ントハウジング13がその外周でこの筒状カバー67の
内周に対し隙間をあけて面してカバーベアリング68に
より回転可能に支持され、前記リヤハウジング14がデ
ファレンシャルケース65に対し前記オイルシール69
を介して支持されるとともに前記ヨーク35に対しヨー
クベアリング70により回転可能に支持される。なお、
ヨーク35の一部がデファレンシャルケース65に対し
補助的に支持されるが、駆動力伝達装置1を支える主部
品は前記筒状カバー67及びカバーベアリング68であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、デフ
ァレンシャルケース65に対し駆動力伝達装置1を取り
付ける場合に筒状カバー67を利用しているので、駆動
力伝達装置1の取付構造が複雑になるとともに取付作業
が面倒になり、しかも駆動力伝達装置1の外径が大きく
なって大型化する問題があった。
【0005】本発明は、駆動力伝達装置の取付構造や取
付作業を簡単にするとともに、駆動力伝達装置の外径を
小さくして小型化することを目的にしている。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】後記実施
形態の図面(図1〜3)の符号を援用して本発明を説明
する。 * 請求項1の発明 この発明にかかる駆動力伝達装置(1)は、電磁式クラ
ッチ機構(31)の作動により、相対回転し得るアウタ
ケース(12)とインナケース(15)との間の駆動力
の伝達を行なう駆動機構(27,31)を備え、下記の
ように構成されている。
【0007】前記駆動機構(27,31)の電磁式クラ
ッチ機構(31)にあって電磁石(34)を支持したヨ
ーク(35)の外周に対し前記アウタケース(12)を
回転可能に支持するとともに、このヨーク(35)の内
周に対し前記インナケース(15)の外周を回転可能に
支持している。前記アウタケース(12)の外部に設け
た支持ケース(65)から突出するシャフト(2)を前
記インナケース(15)に対し一体回転可能に連結した
状態で、この支持ケース(65)に前記ヨーク(35)
を取り付け得るようにしている。
【0008】この発明では、アウタケース(12)とイ
ンナケース(15)との間でそれらを回転可能に支持す
るヨーク(35)を利用して、駆動力伝達装置(1)を
支持ケース(例えばデファレンシャルケース65)に対
し直接取り付け得る。そのため、従来技術で示した駆動
力伝達装置の取付構造と比較して、図4に示すカバー
(67)を省略することができる。従って、駆動力伝達
装置(1)の取付構造や取付作業を簡単にするととも
に、駆動力伝達装置(1)の外径を小さくして小型化す
ることができる。
【0009】* 請求項2の発明 この発明は、請求項1の発明を前提として下記のように
構成されている。前記駆動機構(27,31)は、電磁
式クラッチ機構(31)のほかに、相対回転し得るアウ
タケース(12)とインナケース(15)との間に内蔵
されてこのアウタケース(12)とインナケース(1
5)との間の駆動力の伝達を行なうメインクラッチ機構
(27)を備えている。この電磁式クラッチ機構(3
1)はこのメインクラッチ機構(27)の動作を制御す
る。この発明では、電磁式クラッチ機構(31)により
メインクラッチ機構(27)を制御する方式の駆動力伝
達装置(1)において、請求項1の発明の効果を発揮さ
せることができる。
【0010】* 請求項3の発明 この発明は、請求項1または請求項2の発明を前提とし
て下記のように構成されている。
【0011】前記電磁式クラッチ機構(31)にあっ
て、ヨーク(35)は、電磁石(34)を支持するコイ
ル保持部(43)のほかに、このコイル保持部(43)
からインナケース(15)の回転中心線(15a)の方
向でアウタケース(12)の外部に向けて突設した連結
部(44)を有している。この連結部(44)で前記支
持ケース(65)に取り付け得る。この場合、この連結
部(44)と支持ケース(65)との間にシール(6
6)を介在させてもよい。この発明では、ヨーク(3
5)にあってコイル保持部(43)から突出する連結部
(44)により、ヨーク(35)を支持ケース(65)
に取り付け得る。従って、駆動力伝達装置(1)の取付
構造や取付作業をより一層簡単にすることができる。
【0012】* 請求項4の発明 この発明は、請求項1または請求項2または請求項3の
発明を前提として下記のように構成されている。
【0013】前記ヨーク(35)の外周と前記アウタケ
ース(12)との間と、このヨーク(35)の内周と前
記インナケース(15)の外周との間にそれぞれシール
(45,46)を介在させ、このヨーク(35)の内側
には電磁石(34)を内蔵したエア室(47)を形成し
ている。例えば、これらのシール(45,46)は接触
式シールのうち回転運動用シールであって、これらのシ
ール(45,46)のうち少なくとも一方のシール(4
5)はベアリング(45)の機能も有している。また、
前記ヨーク(35)とシール(45)とに面して防壁板
(50)を設けている。
【0014】この発明では、ヨーク(35)の外周と内
周とにそれぞれ配置したシール(45,46)により、
電磁石(34)を内蔵したエア室(47)を容易に密閉
して防水することができる。また、この発明では、ヨー
ク(35)に配置したシール(45)の破損を防壁板
(50)により防止することができる。
【0015】* 請求項5の発明 この発明は、請求項4の発明を前提として下記のように
構成されている。前記電磁石(34)のリード線(5
1)は、前記ヨーク(35)の外周にあるシール(4
5)と、前記ヨーク(35)の内周にあるシール(4
6)との間で、ヨーク(35)と防壁板(50)とを通
して導出されている。この発明では、両シール(45,
46)間にあるヨーク(35)から電磁石(34)のリ
ード線(51)を防壁板(50)を通して導出してい
る。従って、駆動力伝達装置(1)の取付構造や取付作
業をより一層簡単にするとともに、駆動力伝達装置
(1)の外径を小さくしてより一層小型化することがで
きる。
【0016】* 請求項6の発明 この発明は、請求項1または請求項2または請求項3の
発明を前提として下記のように構成されている。
【0017】前記ヨーク(35)の外周と前記アウタケ
ース(12)との間と、このヨーク(35)の内周と前
記インナケース(15)の外周との間にそれぞれシール
(45,46)を介在させ、このヨーク(35)の内側
には電磁石(34)を内蔵したエア室(47)を形成し
ている。例えば、これらのシール(45,46)は接触
式シールのうち回転運動用シールであって、これらのシ
ール(45,46)のうち少なくとも一方のシール(4
5)はベアリング(45)の機能も有している。また、
前記エア室(47)に連通するエア抜き(56)を設け
ている。
【0018】この発明では、ヨーク(35)の外周と内
周とにそれぞれ配置したシール(45,46)により、
電磁石(34)を内蔵したエア室(47)を容易に密閉
して防水することができる。また、この発明では、駆動
力伝達装置(1)の組付時にエア抜き(56)からエア
室(47)内のエアを抜いて、その組付作業を簡単に行
なうことができる。さらに、例えば電磁石(34)のコ
イル(34a)の温度が上がって密閉エア室(47)内
のエアが膨張する場合には、このエア抜き(56)から
エアを抜いてその膨張を抑制することができる。逆に、
このコイル(34a)の温度が下がって密閉エア室(4
7)内のエアが収縮する場合には、このエア抜き(5
6)からエアを入れてその収縮を抑制し、密閉エア室
(47)で発生する水分を少なくすることができる。そ
のため、その水分が例えば密閉エア室(47)内のエア
ギャップ(47a)へ入り込むのを抑制して磁路の発生
に支障を来すのを防止することができる。
【0019】* 他の発明 ・ 第7の発明 この発明は、請求項6の発明を前提として下記のように
構成されている。
【0020】前記エア抜き(56)は、前記ヨーク(3
5)に形成した排出孔(57)と、この排出孔(57)
に接続した排出管(58)とを備えている。この排出管
(58)は、例えば車室に連通されている。この発明で
は、エア抜き(56)の構造を簡単にすることができ
る。
【0021】・ 第8の発明 この発明は、請求項4または請求項5または請求項6の
発明、または第7の発明を前提として下記のように構成
されている。
【0022】前記エア室(47)は、ヨーク(35)と
アウタケース(12)とインナケース(15)との間で
密閉して形成されている。この発明では、密閉エア室
(47)の構造を簡単にすることができる。
【0023】・ 第9の発明 この発明は、請求項1から請求項6のうちいずれかの請
求項の発明、または第7の発明または第8の発明を前提
として下記のように構成されている。
【0024】前記電磁式クラッチ機構(31)は、前記
電磁石(34)及びヨーク(35)のほかに、アーマチ
ュア(32)と摩擦クラッチ(33)とを備えている。
この電磁石(34)への通電により、このアーマチュア
(32)が電磁石(34)に吸引されてこの摩擦クラッ
チ(33)が摩擦接触する。この発明では、摩擦クラッ
チ(33)の摩擦接触により、前記駆動機構(27,3
1)が駆動力の伝達を行なう。
【0025】・ 第10の発明 この発明は、請求項2の発明を前提として下記のように
構成されている。前記メインクラッチ機構(27)は、
相対回転し得るアウタケース(12)とインナケース
(15)との間の駆動力の伝達を行なうメイン摩擦クラ
ッチ(27)と、このアウタケース(12)とインナケ
ース(15)との間の相対回転によりトルクを発生する
継手(29)と、この継手(29)のトルクに応じて発
生する回転中心線(12a,15a)の方向の推力を発
生させてこのメイン摩擦クラッチ(27)を接続するカ
ム機構(30)とを備えている。この発明では、前記電
磁式クラッチ機構(31)により、このメインクラッチ
機構(27)で継手(29)がトルクを発生して駆動力
の伝達を行なう。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態にかか
る駆動力伝達装置を図1〜3を参照して説明する。
【0027】図1で概略的に示す四輪駆動車において、
駆動力伝達装置1は、後記電磁石34への印加電流に応
じたトルクを発生する電子制御式トルク伝達装置であ
り、前輪駆動ベースの四輪駆動車に用いられている。こ
の駆動力伝達装置1は、ドライブピニオンシャフト2を
介してリヤデファレンシャル3に連結され、このリヤデ
ファレンシャル3を収容するデファレンシャルキャリヤ
4に支持されて車体に取り付けられている。エンジン5
の駆動力は、トランスアクスル6を介してアクスルシャ
フト7に出力され、両前輪8を駆動する。このトランス
アクスル6はプロペラシャフト9を介して前記駆動力伝
達装置1に連結されている。このプロペラシャフト9と
前記ドライブピニオンシャフト2とがこの駆動力伝達装
置1によりトルク伝達可能に連結された場合、エンジン
5の駆動力は、リヤデファレンシャル3からアクスルシ
ャフト10を介して両後輪11に伝達される。
【0028】<図2,3に示す前記駆動力伝達装置1の
詳細>アウタケース12は、外側のフロントハウジング
13と内側のリヤハウジング14とを備え、インナケー
ス15の回転中心線15aと同一の回転中心線12aを
中心にしてインナケース15に対し相対回転し得る。こ
のフロントハウジング13は、前端壁部16と外壁筒部
17とを有している。このリヤハウジング14は、磁性
材料で形成された内周筒部18と外周筒部19と区画壁
部20とを有している。この内周筒部18は、前記イン
ナケース15の外周に対し相対回転し得るように支持さ
れている。この外周筒部19は、前記フロントハウジン
グ13の外壁筒部17内に対し一体回転可能に連結され
ている。この区画壁部20は内周筒部18から外周筒部
19へ向けて一体に屈曲され、この区画壁部20と外周
筒部19との間には非磁性材料で形成された遮断筒部2
1が介在されている。このリヤハウジング14にあって
内周筒部18と外周筒部19と区画壁部20と遮断筒部
21との間で後側収容室22が閉塞状態でインナケース
15の周方向全体に設けられている。
【0029】前記リヤハウジング14の外周筒部19に
は雄ねじ部23が形成されているとともに、前記フロン
トハウジング13の外壁筒部17には雌ねじ部24が形
成され、この雄ねじ部23とこの雌ねじ部24とが互い
に螺合されている。さらに、この雄ねじ部23に雌ねじ
筒25が螺合されてこの外壁筒部17に締め付けられて
いる。
【0030】前記インナケース15とフロントハウジン
グ13とリヤハウジング14との間で前側収容室26が
閉塞状態でインナケース15の周方向全体に設けられて
いる。この前側収容室26内には、駆動機構としてのメ
インクラッチ機構27のメイン摩擦クラッチ28と継手
29とカム機構30とが内蔵されているとともに、駆動
機構としての電磁式クラッチ機構31のうちアーマチュ
ア32とパイロット摩擦クラッチ33とが内蔵されてい
る。また、前記リヤハウジング14内の後側収容室22
にはこの電磁式クラッチ機構31のうち電磁石34とヨ
ーク35とが嵌め込まれている。
【0031】前記メインクラッチ機構27のメイン摩擦
クラッチ28は、多板クラッチであって、多数のクラッ
チディスク36と多数のクラッチプレート37とを備え
ている。各クラッチディスク36は、前記アウタケース
12のフロントハウジング13の外壁筒部17の内周に
対しスプライン結合されてアウタケース12の回転中心
線12aの方向へ並設され、アウタケース12と一体回
転し得るとともにアウタケース12の回転中心線12a
の方向へ移動し得る。各クラッチプレート37は、前記
インナケース15の外周に対しスプライン結合されて前
記各クラッチディスク36間でインナケース15の回転
中心線15aの方向へ並設され、インナケース15と一
体回転し得るとともにインナケース15の回転中心線1
5aの方向へ移動し得る。
【0032】前記メインクラッチ機構27の継手29
は、メイン摩擦クラッチ28に隣接して回転中心線12
a,15aの方向へ並設された第一継手板38と、前記
リヤハウジング14の区画壁部20に対しニードルベア
リング39を介して隣接して回転中心線12a,15a
の方向へ並設された第二継手板40とを有している。こ
の第一継手板38と第二継手板40とは回転中心線12
a,15aを中心に相対回転可能である。第二継手板4
0は、ニードルベアリング39に支持され、前記インナ
ケース15及びアウタケース12に対し相対回転可能
に、且つ回転中心線12a,15aの方向への移動が規
制されるように支持されている。第一継手板38は、前
記インナケース15の外周に対しスプライン結合されて
インナケース15と一体回転し得るとともに、前記メイ
ン摩擦クラッチ28のクラッチプレート37を圧接し得
る。
【0033】前記メインクラッチ機構27のカム機構3
0は、前記インナケース15の外周付近で前記継手29
の第一継手板38と第二継手板40との間に複数設けら
れて回転中心線12a,15aを中心とする回転方向へ
等間隔で並設されている。このカム機構30において、
第一継手板38と第二継手板40とにはカム面41が相
対向して形成され、この両カム面41間には球状のカム
体42がそれらのカム面41に接触し得るように嵌め込
まれている。
【0034】前記電磁式クラッチ機構31にあって、ヨ
ーク35は、電磁石34を支持するコイル保持部43
と、このコイル保持部43からインナケース15の回転
中心線15aの方向でアウタケース12の外部に向けて
突設された連結筒部44とを有している。このヨーク3
5のコイル保持部43の外周に対し前記アウタケース1
2のリヤハウジング14の外周筒部19が、シール機能
を持つシールベアリング45により回転可能に支持され
ている。このヨーク35の連結筒部44の内周に対し前
記インナケース15の外周がオイルシール46を介して
回転可能に支持されている。前記リヤハウジング14の
内周筒部18は後記リヤデファレンシャル3の支持ケー
ス65と摺動しないため、この内周筒部18に焼入れを
施す必要はなくなる。なお、前記オイルシール46と摺
動するインナケース15の外周にはすでに焼入れが施さ
れているため、追加の焼入れ工程を必要としない。
【0035】また、前記ヨーク35とシールベアリング
45とオイルシール46とにより、前記アウタケース1
2のリヤハウジング14内の後側収容室22が閉塞され
て密閉エア室47が形成され、この密閉エア室47に前
記電磁石34が内蔵されている。この密閉エア室47に
おいては、図2に示すように、ヨーク35のコイル保持
部43とリヤハウジング14の内周筒部18及び外周筒
部19との間でそれぞれエアギャップ47aが形成され
ている。このヨーク35のコイル保持部43には前記シ
ールベアリング45とオイルシール46との間で配線孔
48が形成されているとともに、この配線孔48に配線
筒49(グロメット)が挿着されている。前記ヨーク3
5の連結筒部44の外周で防壁板50がこのヨーク35
のコイル保持部43及び前記リヤハウジング14の外周
筒部19に面して挿嵌されて前記シールベアリング45
等を閉塞している。前記電磁石34から引き出されたリ
ード線51は、この配線筒49及び防壁板50を通して
リヤハウジング14の外部へ導出され、ブラケット52
でコネクタ53に接続されている。
【0036】前記電磁式クラッチ機構31のアーマチュ
ア32は、前記継手29の第二継手板40の外周でこの
継手29の第一継手板38と前記リヤハウジング14の
区画壁部20との間に嵌め込まれている。このアーマチ
ュア32は、前記フロントハウジング13の外壁筒部1
7の内周に対しスプライン結合されてアウタケース12
と一体回転し得るとともにアウタケース12の回転中心
線12aの方向へ移動し得る。また、前記電磁式クラッ
チ機構31のパイロット摩擦クラッチ33は、クラッチ
ディスク54とクラッチプレート55とを備え、前記継
手29の第二継手板40の外周で前記アーマチュア32
と区画壁部20との間に嵌め込まれている。クラッチデ
ィスク54は、前記フロントハウジング13の外壁筒部
17の内周に対しスプライン結合されてアウタケース1
2と一体回転し得るとともにアウタケース12の回転中
心線12aの方向へ移動し得る。クラッチプレート55
は、クラッチディスク54間で前記第二継手板40の外
周に対しスプライン結合されて第二継手板40と一体回
転し得るとともにインナケース15の回転中心線15a
の方向へ移動し得る。
【0037】前記ヨーク35のコイル保持部43にはエ
ア抜き56が設けられている。このエア抜き56は、コ
イル保持部43に形成されて前記密閉エア室47に連通
する排出孔57と、この排出孔57に接続された排出管
58とを備えている。この排出管58は、前記防壁板5
0を通してリヤハウジング14の外部へ導出され、チュ
ーブ59により、例えばトランク等の車室(図示せず)
へ導かれている。この密閉エア室47内の温度が上がる
と、このエア抜き56から密閉エア室47内のエアが抜
かれてそのエアの膨張が抑制される。また、この密閉エ
ア室47内の温度が下がると、エアの収縮により密閉エ
ア室47内の圧力が降下するため、密閉エア室47外の
水分が毛細管現象により前記シールベアリング45やオ
イルシール46などの細隙を通って密閉エア室47内に
吸引され得るが、このエア抜き56から密閉エア室47
内にエアが入ってエアの収縮が抑制されるため、密閉エ
ア室47で発生する水分が少なくなる。
【0038】前記リヤハウジング14の内周筒部18と
前記インナケース15の外周との間でXリング60(シ
ール)とニードルベアリング61とがインナケース15
の回転中心線15aの方向へ並設されている。また、前
記リヤハウジング14の外周筒部19とフロントハウジ
ング13の外壁筒部17との間には雄ねじ部23及び雌
ねじ部24に隣接してOリング62(シール)が嵌め込
まれている。さらに、前記フロントハウジング13の前
端壁部16とインナケース15の外周との間にはXリン
グ63(シール)が前端壁部16内のボールベアリング
64に隣接して嵌め込まれている。
【0039】前記ドライブピニオンシャフト2は、駆動
力伝達装置1のアウタケース12の外部に設けられた前
記リヤデファレンシャル3の支持ケース65(デファレ
ンシャルケース)から突出している。このドライブピニ
オンシャフト2は、前記ヨーク35の連結筒部44内を
通って前記インナケース15内で一体回転可能にスプラ
イン結合され、前記ボールベアリング64に支持され
る。前記ヨーク35の連結筒部44はこの支持ケース6
5内に挿嵌される。この連結筒部44と支持ケース65
との間にはOリング66(シール)が嵌め込まれる。ま
た、前記プロペラシャフト9は、駆動力伝達装置1のフ
ロントハウジング13の前端壁部16と一体回転可能に
連結される。
【0040】前記電磁式クラッチ機構31で電磁石34
のコイル34aに通電されると、この電磁石34の周り
には磁路が生じる。このような磁路の発生により、アー
マチュア32が電磁石34により吸引されてパイロット
摩擦クラッチ33が摩擦接触すると、前記メインクラッ
チ機構27の継手29において第二継手板40がアウタ
ケース12の回転方向へ回転し得る。前記プロペラシャ
フト9と一体回転するアウタケース12と、前記ドライ
ブピニオンシャフト2と一体回転するインナケース15
との間に相対回転が発生すると、パイロット摩擦クラッ
チ33の摩擦接触により第二継手板40にトルクが発生
する。そして、この第二継手板40と、インナケース1
5と一体回転する第一継手板38との間に設けられたカ
ム機構30が作用し、カム体42がカム面41に乗り上
げる。この結果、両継手板38,40間に相対回転が生
じ、その相対回転により、第一継手板38に回転中心線
12a,15aの方向の推力が発生する。その推力に応
じて、メイン摩擦クラッチ28が接続され、前記プロペ
ラシャフト9と一体回転するアウタケース12と、前記
ドライブピニオンシャフト2と一体回転するインナケー
ス15との間で駆動力の伝達が行われる。なお、電磁石
34のコイル34aへの印加電流値に応じて前記吸引力
が変化し、継手29のトルクも変化して伝達駆動力を調
節し得る。
【0041】一方、前記電磁式クラッチ機構31で電磁
石34のコイル34aに通電されていない状態で、この
電磁石34の周りには前述した磁路が発生せず、アーマ
チュア32に対する電磁石34の吸引が解除される。そ
して、パイロット摩擦クラッチ33でクラッチディスク
54とクラッチプレート55との間に相対回転が生じ、
前記メインクラッチ機構27の継手29において第一継
手板38と第二継手板40とがカム機構30を介して一
体回転する。そのため、このメイン摩擦クラッチ28の
接続が解除され、前記プロペラシャフト9と一体回転す
るアウタケース12と、前記ドライブピニオンシャフト
2と一体回転するインナケース15との間での駆動力の
伝達が解除される。
【0042】前記実施形態では、ヨーク35のコイル保
持部43の外周にシールベアリング45を配置するとと
もに、このヨーク35の連結筒部44の内周にオイルシ
ール46を配置したが、それらを互いに入れ替えてもよ
い。ただし、オイルシール46と摺動するヨーク35の
コイル保持部43の外周に焼入れを施す。また、シール
ベアリング45については、シールとベアリングとを別
々に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 四輪駆動車の駆動系を示す概略図である。
【図2】 本実施形態にかかる駆動力伝達装置を示す断
面図である。
【図3】 図1の部分拡大断面図である。
【図4】 従来の駆動力伝達装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1…駆動力伝達装置、2…ドライブピニオンシャフト、
12…アウタケース、15…インナケース、27…メイ
ンクラッチ機構(駆動機構)、31…電磁式クラッチ機
構(駆動機構)、34…電磁石、35…ヨーク、43…
コイル保持部、44…連結筒部(連結部)、45…シー
ルベアリング、46…オイルシール、47…密閉エア
室、50…防壁板、51…電磁石リード線、56…エア
抜き、65…支持ケース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久志野 宏 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機 株式会社内 (72)発明者 酒井 孝 大阪府池田市ダイハツ町1番1号 ダイハ ツ工業 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁式クラッチ機構の作動により、相対
    回転し得るアウタケースとインナケースとの間の駆動力
    の伝達を行なう駆動機構を備えた駆動力伝達装置におい
    て、 前記駆動機構の電磁式クラッチ機構にあって電磁石を支
    持したヨークの外周に対し前記アウタケースを回転可能
    に支持するとともに、このヨークの内周に対し前記イン
    ナケースの外周を回転可能に支持し、 前記アウタケースの外部に設けた支持ケースから突出す
    るシャフトを前記インナケースに対し一体回転可能に連
    結した状態で、この支持ケースに前記ヨークを取り付け
    得るようにしたことを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動機構は、電磁式クラッチ機構の
    ほかに、相対回転し得るアウタケースとインナケースと
    の間に内蔵されてこのアウタケースとインナケースとの
    間の駆動力の伝達を行なうメインクラッチ機構を備え、
    この電磁式クラッチ機構はこのメインクラッチ機構の動
    作を制御することを特徴とする請求項1に記載の駆動力
    伝達装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁式クラッチ機構にあって、ヨー
    クは、電磁石を支持するコイル保持部のほかに、このコ
    イル保持部からインナケースの回転中心線の方向でアウ
    タケースの外部に向けて突設した連結部を有し、この連
    結部で前記支持ケースに取り付け得ることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の駆動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 前記ヨークの外周と前記アウタケースと
    の間と、このヨークの内周と前記インナケースの外周と
    の間にそれぞれシールを介在させ、このヨークの内側に
    は電磁石を内蔵したエア室を形成し、前記ヨークとシー
    ルとに面して防壁板を設けたことを特徴とする請求項1
    または請求項2または請求項3に記載の駆動力伝達装
    置。
  5. 【請求項5】 前記電磁石のリード線は、前記ヨークの
    外周にあるシールと、前記ヨークの内周にあるシールと
    の間で、ヨークと防壁板とを通して導出されていること
    を特徴とする請求項4に記載の駆動力伝達装置。
  6. 【請求項6】 前記ヨークの外周と前記アウタケースと
    の間と、このヨークの内周と前記インナケースの外周と
    の間にそれぞれシールを介在させ、このヨークの内側に
    は電磁石を内蔵したエア室を形成し、このエア室に連通
    するエア抜きを設けたことを特徴とする請求項1または
    請求項2または請求項3に記載の駆動力伝達装置。
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