JP2000104756A - 電磁クラッチ - Google Patents

電磁クラッチ

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JP2000104756A
JP2000104756A JP10273712A JP27371298A JP2000104756A JP 2000104756 A JP2000104756 A JP 2000104756A JP 10273712 A JP10273712 A JP 10273712A JP 27371298 A JP27371298 A JP 27371298A JP 2000104756 A JP2000104756 A JP 2000104756A
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Japan
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electromagnet
clutch
electromagnetic clutch
connector
lead wire
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JP10273712A
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Kunihiko Suzuki
邦彦 鈴木
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁クラッチの電磁石を外部電源に接続するリ
ード線を、電磁クラッチを収容する固定ケース内の各構
成部材に対する干渉を回避した状態で配線して、リード
線の各構成部材との干渉に起因する損傷を防止する。 【解決手段】リード線16bの先端部に第1コネクタ1
8aを、電磁石16bにおける固定ケース27の貫通孔
27a2に対向する部位に第1コネクタ18aに接続可
能な第2コネクタ18bを設け、両コネクタ18a,1
8bを互いに接続してリード線16bを電磁石16bに
接続し、貫通孔27a2を密閉するプラグ29を通して
外部に延出させる。リード線16bは、固定ケース27
内にて各構成部材との干渉を回避した弛緩状態で配線す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁クラッチに関
し、当該電磁クラッチは、例えば、通電により作動して
摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構に構成さ
れ、車両の駆動軸と従動軸間等両回転部材間のトルク伝
達を行う駆動力伝達装置を構成する。
【0002】
【従来の技術】電磁クラッチの一形式として、実開平7
−14229号公報に示されているように、固定ケース
内に収容されて回転可能に支持された回転ケース内に配
置された摩擦クラッチと、回転ケース内にて摩擦クラッ
チの一側に配置されたアーマチャと、回転ケースに回転
可能に支持されて摩擦クラッチの他側に位置しアーマチ
ャを吸引して摩擦クラッチを摩擦係合させる電磁石と、
電磁石に接続されて固定ケースの貫通孔を通して外部に
延出するリード線を備えた形式の電磁クラッチがある。
【0003】当該電磁クラッチは、通電により作動して
摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構に構成さ
れていて、互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内
外両回転部材間に配設されて摩擦係合によりこれら両回
転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、同
メインクラッチ機構と前記パイロットクラッチ機構間に
位置し同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を前記メ
インクラッチ機構に対する押圧力に変換するカム機構と
により駆動力伝達装置を構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種形式
の電磁クラッチにおいては、電磁石を外部電源に接続す
るためのリード線が固定ケース内にて各構成部材を迂回
して同固定ケースに設けた貫通孔から外部へ延出されて
いるが、リード線は、電磁クラッチや同電磁クラッチを
構成部品とする駆動力伝達装置の構成部材の寸法精度、
組付精度等の関係で、固定ケース内に存在している部位
の長さが長短不定となる。リード線の固定ケース内に存
在している部位が必要以上に長い場合には、固定ケース
内でのリード線の弛みが大きくて、振動等により回転ケ
ース等、可動部材と干渉して損傷し易い。また、リード
線の固定ケース内に存在している部位が短い場合には、
固定ケース内でのリード線の緊張状態が大きくて固定ケ
ース内の各構成部材と常時接触状態にあって損傷し易
く、かつ、リード線を固定ケースの貫通孔にて支持する
プラグが同貫通孔から脱落し易い。
【0005】このため、上記した公報に示された電磁ク
ラッチにおいては、リード線を固定ケース内にて回転ケ
ースおよび電磁石と接触しない状態に保持する特別の保
持部材を電磁石のヨークに設ける手段を採用して、電磁
石を固定ケース内にて回止めするとともに、リード線が
固定ケース内にて弛みの大きい余裕のある状態で組付け
て、弛緩状態にあるリード線を保持部材にて保持して、
回転ケースおよび電磁石に対しては非接触状態とするこ
とにより、リード線が長短いずれの状態でも生じる上記
した各問題を解消している。
【0006】しかしながら、このような特別の保持部材
を採用する場合には、電磁クラッチや同電磁クラッチを
構成部品とする駆動力伝達装置の構成部材が増大し、こ
れに起因して、構造が複雑になるとともに重量が増大す
る。また、電磁クラッチの固定ケース内への組付けに
は、電磁クラッチをシャフト上に組付けて、固定ケース
内にてリード線を取回して固定ケースを取付けるが、リ
ード線の取回しには電磁クラッチ自体が邪魔になるとと
もに、電磁クラッチと固定ケースの位置決め作業が面倒
であり、組付性が悪くなる等といった問題がある。
【0007】従って、本発明の目的は、この種形式の電
磁クラッチ、および同電磁クラッチを構成部品とする駆
動力伝達装置において、上記した各問題を解決すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は電磁クラッチに
関し、特に、固定ケース内に収容されて回転可能に支持
された回転ケース内に配置された摩擦クラッチと、前記
回転ケース内にて前記摩擦クラッチの一側に配置された
アーマチャと、前記回転ケースに回転可能に支持されて
前記摩擦クラッチの他側に位置し前記アーマチャを吸引
して前記摩擦クラッチを摩擦係合させる電磁石と、同電
磁石に接続されて前記固定ケースの貫通孔を通して外部
に延出するリード線を備えた形式の電磁クラッチに関す
る。
【0009】しかして、本発明は、上記した形式の電磁
クラッチにおいて、前記リード線が先端部に第1のコネ
クタを備え、かつ、前記電磁石が前記固定ケースの貫通
孔に対向する部位に前記第1のコネクタに接続可能な第
2のコネクタを備え、前記リード線はこれら両コネクタ
を互いに接続された状態で前記電磁石に接続されてい
て、前記固定ケースの前記貫通孔を密閉するプラグを通
して外部に延出されていることを特徴とするものであ
る。
【0010】本発明に係る電磁クラッチにおいては、前
記リード線が前記電磁石と前記プラグ間では弛緩状態に
あること、前記第2のコネクタは前記電磁石を支持する
ヨークに設けられていて、同ヨークは前記固定ケース内
の円筒部に嵌合されて支持され、かつ、前記第2のコネ
クタは同円筒部に設けた凹所に嵌合されて位置決めされ
る構成を採ることができる。
【0011】また、本発明に係る電磁クラッチは、通電
により作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラッ
チ機構に構成されていて、互いに同軸的かつ相対回転可
能に位置する内外両回転部材間に配設されて摩擦係合に
よりこれら両回転部材間のトルク伝達を行うメインクラ
ッチ機構と、同メインクラッチ機構と前記パイロットク
ラッチ機構間に位置し同パイロットクラッチ機構の摩擦
係合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に変換
するカム機構とにより駆動力伝達装置を形成する構成を
採ることができる。
【0012】この場合、前記固定ケースを、内部にディ
ファレンシャルを収容して支持するディファレンシャル
キャリアとし、かつ、前記回転ケースを当該駆動力伝達
装置を構成する内外両回転部材のいずれかの回転部材と
することができる。
【0013】
【発明の作用・効果】本発明に係る電磁クラッチにおい
ては、電磁石を外部電源に接続するためのリード線は、
リード線の先端部に設けた第1のコネクタと、電磁石に
おける固定ケースの貫通孔に対向する部位に設けた第2
のコネクタを互いに接続した状態で接続されている。こ
れにより、リード線は固定ケース内では、各構成部材を
迂回させることなく配置することができるとともに、こ
の配置状態においては長さに余裕がある弛緩状態とする
ことができる。
【0014】このため、リード線はこの弛緩状態におい
ては、固定ケース内の各構成部材とは干渉することがな
い。また、リード線は、振動の作用によっても各構成部
材とは干渉することがないとともに緊張されることがな
く、このため、各構成部材との干渉に起因する損傷や、
緊張に起因する損傷が生じることはなく、かつ、リード
線の緊張に起因する貫通孔を閉塞するプラグの脱落も防
止される。
【0015】また、電磁石側に設けた第2のコネクタ
は、電磁クラッチを固定ケース内に組付けた状態では、
固定ケース側の貫通孔に対向するため、リード線の先端
部を貫通孔に挿入して第1のコネクタを第2のコネクタ
に接続すれば、リード線を電磁石に容易に接続すること
ができ、この点から電磁クラッチの組付性が著しく向上
する。
【0016】また、本発明に係る電磁クラッチにおいて
は、リード線を固定ケース内にて保持する特別の部材を
必要としないことから、電磁クラッチや同電磁クラッチ
を構成部品とする駆動力伝達装置の構成部材が増大する
ことがなく、構成部材の増大に起因して、構造が複雑に
なったり重量が増大することがなく、さらには、電磁ク
ラッチの固定ケース内への組付性が低下するようなこと
はない。電磁クラッチの組付性については、上記したよ
うにむしろ向上する。
【0017】本発明に係る電磁クラッチにおいては、第
2のコネクタを電磁石を支持するヨークに設けてヨーク
を固定ケース内の円筒部に嵌合して支持するとともに、
第2のコネクタを同円筒部に設けた凹所にて嵌合して位
置決めする構成とすることができ、これにより、電磁ク
ラッチの組付性を一層向上させることができるととも
に、電磁クラッチの組付け時における位置決めを目視で
確認することができる。
【0018】本発明に係る電磁クラッチは、通電により
作動して摩擦係合する電磁式のパイロットクラッチ機構
に構成して互いに同軸的かつ相対回転可能に位置する内
外両回転部材間に配設して、摩擦係合によりこれら両回
転部材間のトルク伝達を行うメインクラッチ機構と、同
メインクラッチ機構とパイロットクラッチ機構間に位置
し同パイロットクラッチ機構の摩擦係合力をメインクラ
ッチ機構に対する押圧力に変換するカム機構とともに、
好適に駆動力伝達装置を構成することができる。この場
合、固定ケースを、内部にディファレンシャルを収容し
て支持するディファレンシャルキャリアとし、かつ、回
転ケースを当該駆動力伝達装置を構成する内外両回転部
材のいずれかの回転部材とすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に基づいて説明
すると、図1には本発明の一例に係る電磁クラッチをパ
イロットクラッチ機構とする駆動力伝達装置の一例が示
されている。当該駆動力伝達装置10は、図5に示すよ
うに、リアルタイム式の四輪駆動車における後輪側への
駆動力伝達経路に配設される。
【0020】当該車両において、トランスアクスル21
はトランスミッションおよびトランスファを備えてい
て、エンジン22の駆動力をトランスファを介して両ア
クスルシャフト23aに出力して両前輪23bを駆動さ
せるとともに、プロペラシャフト24に出力する。プロ
ペラシャフト24は、駆動力伝達装置10を介してリヤ
ディファレンシャル25に連結しており、プロペラシャ
フト24とリヤディファレンシャル25がトルク伝達可
能に連結された場合には、駆動力はリヤディファレンシ
ャル25から両アクスルシャフト26aへ出力されて両
後輪26bを駆動させる。
【0021】駆動力伝達装置10は、リヤディファレン
シャル25とともにディファレンシャルキャリア27内
に収容されているもので、図1に示すように、外側回転
部材であるアウタハウジング10a、内側回転部材であ
るインナシャフト10b、摩擦クラッチであるメインク
ラッチ機構10c、押圧力発生手段10d、パイロット
クラッチ機構10e、およびカム機構10fを備えてい
る。
【0022】アウタハウジング10aは、有底の筒状の
ケーシング11aと、ケーシング11aの一端開口部に
螺着されて同開口部を覆蓋するカバー体11bからなる
もので、インナシャフト10bはカバー体11bの中央
部を液密的に貫通してケーシング11a内に延びてい
て、軸方向の移動を規制された状態で回転可能に支持さ
れている。アウタハウジング10aにおけるケーシング
11aの先端部には、プロペラシャフト24がトルク伝
達可能に連結され、かつインナシャフト10bには、リ
ヤディファレンシャル25のリングギヤに噛合するドラ
イブピニオン28がトルク伝達可能に連結される。
【0023】メインクラッチ機構10cは、多数枚のイ
ンナクラッチプレート12aとアウタクラッチプレート
12bを備えた湿式多板の摩擦クラッチで、各インナク
ラッチプレート12aはインナシャフト10bの外周側
にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けられ、
かつ各アウタクラッチプレート12bはケーシング11
aの内周側にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組
付けられている。各インナクラッチプレート12aと各
アウタクラッチプレート12bとは交互に位置してい
て、互いに当接して摩擦係合するとともに互いに離間し
て自由状態となる。
【0024】押圧力発生手段10dは、作動ピストン1
3、ロータ14、および流体室Rに封入された粘性流体
からなるもので、作動ピストン13はアウタハウジング
10a内にて、インナシャフト10bの外周に液密的に
回転可能で軸方向へ移動可能に組付けられ、かつケーシ
ング11aに対しては液密的に回転可能で軸方向へ移動
可能に組付けられている。作動ピストン13は、この状
態でケーシング11aの奥壁の内側面に設けた凹所を流
体室Rに形成している。ロータ14は、径方向へ延びる
複数のベーン部14aを有するもので、インナシャフト
10bの外周に固定された状態で流体室Rに収容されて
いる。各ベーン部14aは流体室Rを2つの滞留室に区
画していて、各滞留室には高粘性の粘性流体が封入され
ている。
【0025】パイロットクラッチ機構10eは、摩擦ク
ラッチ15、摩擦クラッチ15の一側に配置されたアー
マチャ16a、摩擦クラッチ15の他側に位置する電磁
石16b、電磁石16bに接続されたリード線16cを
備え、電磁石16bの電磁コイルに通電された際には、
電磁石16bは磁力の作用にてアーマチャ16aを吸引
して摩擦クラッチ15を摩擦係合させる。
【0026】摩擦クラッチ15は、複数枚のインナクラ
ッチプレートとアウタクラッチプレートを備えた湿式多
板の摩擦クラッチで、各インナクラッチプレートは後述
するカム機構10fを構成する第2カム部材17bの外
周側にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付けら
れ、かつ各アウタクラッチプレートはケーシング11a
の内周側にスプライン嵌合して軸方向へ移動可能に組付
けられている。各インナクラッチプレートと各アウタク
ラッチプレートとは交互に位置していて、互いに当接し
て摩擦係合するとともに互いに離間して自由状態とな
る。
【0027】アーマチャ16aは環状を呈するもので、
ケーシング11aの内周側に一体回転可能で軸方向へ移
動可能に組付けられていて、摩擦クラッチ15と後述す
るカム機構10fを構成する第1カム部材17aとの間
に位置している。電磁石16bは環状を呈するもので、
カバー体11bの外側に設けた環状凹所に、ヨーク16
dに支持された状態で嵌合している。電磁石16bおよ
びヨーク16dは、カバー体11bに対して回転可能な
状態にあって、ディファレンシャルキャリア27を構成
する第1ケース27aの内壁に設けた円筒部27a1に
嵌合されて、回転を規制されて支持されている。
【0028】電磁石16bは、カバー体11b、摩擦ク
ラッチ15、およびアーマチャ16aに対向した状態に
あって、電磁石16bの電磁コイルに通電された場合に
は、電磁石16b、カバー体11b、摩擦クラッチ1
5、およびアーマチャ16a間に磁界が発生して、アー
マチャ16aは磁気誘導作用により電磁石16b側に吸
引されて、摩擦クラッチ15を摩擦係合させる。
【0029】カム機構10fは、環状の第1,第2カム
部材17a,17bと、ボール状のカムフォロアー17
cとからなる。第1カム部材17aは、インナシャフト
10b上にて同シャフト10bと一体回転可能かつ軸方
向へ移動可能に組付けられて、メインクラッチ機構10
cにおける作動ピストン13とは反対側の部位に位置
し、かつ、第2カム部材17bは、インナシャフト10
b上に回転可能に組付けられて第1カム部材17aとカ
バー体11b間に位置している。第2カム部材17bは
第1カム部材17aより小径のもので、その外周とケー
シング11aの内周間には摩擦クラッチ15が配設され
ていて、第1カム部材17aと対向している。両カム部
材17a,17bには、互いに対向する面に複数のカム
溝が形成されていて、対向するカム溝内にボール状のカ
ムフォロアー17cが収容されている。
【0030】カム機構10fにおいては、パイロットク
ラッチ機構10eの摩擦クラッチ15が非摩擦係合状態
にある場合には、第2カム部材17bは自由状態にあ
り、摩擦クラッチ15が摩擦係合状態となると、ケーシ
ング11aに連結されて第1カム部材17aとは相対回
転して、カムフォロアー17cを介して第1カム部材1
7aをメインクラッチ機構10c側へ押圧して、メイン
クラッチ機構10cを摩擦係合状態とする。
【0031】かかる構成の駆動力伝達装置10において
は、パイロットクラッチ機構10eを構成する電磁石1
6bの電磁コイルが非通電状態にある場合には、摩擦ク
ラッチ15およびアーマチャ16aは自由状態にあっ
て、両カム部材17a,17bはカムフォロアー17c
を介してインナシャフト10bに一体回転可能な状態に
あり、摩擦クラッチ15およびカム機構10fはそれら
の機能を規制された状態にある。
【0032】従って、当該駆動力伝達装置10を搭載し
た車両において、プロペラシャフト24とドライブピニ
オン28間に差動回転が発生し、これに起因してアウタ
ハウジング10aとインナシャフト10b間に相対回転
が発生した場合には、押圧力発生手段10dを構成する
ロータ14は流体室R内でアウタハウジング10aに対
して相対回転して、流体室R内にはプロペラシャフト2
4とドライブピニオン28間の差動回転速度に応じた押
圧力が発生する。この押圧力は作動ピストン13を押圧
してメインクラッチ機構10cに伝達され、メインクラ
ッチ機構10cは差動回転速度に応じて摩擦係合する。
【0033】このため、プロペラシャフト24は、アウ
タハウジング10a、メインクラッチ機構10c、イン
ナシャフト10bを介してドライブピニオン28に連結
され、プロペラシャフト24からドライブピニオン28
へ差動回転速度に応じたトルクが伝達され、車両はリア
ルタイムの四輪駆動状態となる。
【0034】一方、当該駆動力伝達装置10において
は、パイロットクラッチ機構10eを構成する電磁石1
6bの電磁コイルに通電すると、電磁石16b、カバー
体11b、摩擦クラッチ15、およびアーマチャ16a
間に磁界が発生して、アーマチャ16aは磁気誘導作用
により電磁石16b側に吸引される。この結果、摩擦ク
ラッチ15は摩擦係合して第2カム部材17bをケーシ
ング11a側に連結し、第1カム部材17aと第2カム
部材17bを相対回転状態とする。これにより、パイロ
ットクラッチ機構10eは有効に機能する。電磁石16
bの電磁コイルへの通電は、例えば、運転席近傍に設け
た図示しないスイッチを運転者が切換え操作することに
行われる。
【0035】従って、当該駆動力伝達装置10を搭載し
た車両において、プロペラシャフト24とドライブピニ
オン28間に差動回転が発生し、これに起因してアウタ
ハウジング10aとインナシャフト10b間に相対回転
が発生した場合には、押圧力発生手段10dでは押圧力
が発生する。また、このとき、電磁石16bの電磁コイ
ルに通電した場合には、パイロットクラッチ機構10e
においても押圧力が発生する。
【0036】すなわち、パイロットクラッチ機構10e
においては、アウタハウジング10aとインナシャフト
10b間に相対回転が発生すると、摩擦クラッチ15の
摩擦係合力により両カム部材17a,17b間に相対回
転が発生してカム機構10fを作動させ、カムフォロア
ー17cは第1カム部材17aをメインクラッチ機構1
0c側へ押圧する。この結果、メインクラッチ機構10
cは、押圧力発生手段10dにて発生する押圧力と、こ
れとは反対側に位置するカム機構10fにて発生する押
圧力とにより、両側から強く押圧されて強固に摩擦係合
されて完全に結合した状態となる。
【0037】従って、当該駆動力伝達装置10において
は、パイロットクラッチ機構10eを構成する電磁石1
6bの電磁コイルに通電することによりパイロットクラ
ッチ機構10eを有効状態とし、プロペラシャフト24
とドライブピニオン28間に作動回転が発生した場合に
は、メインクラッチ機構10cを瞬時に結合状態として
車両を直結状態の四輪駆動状態に構成して、車両の脱輪
状態からの脱出、悪路走行、砂地走行等の過酷な走行条
件下での走行性能を向上させることができる。このた
め、過酷な状態に遭遇した場合には、車両をこの過酷な
走行条件に適した走行性能に容易に切換えることができ
る。
【0038】しかして、当該駆動力伝達装置10を構成
するパイロットクラッチ機構10eにおいては、図1〜
図3に示すように、電磁石16bを外部電源に接続する
ためのリード線16cの先端部に第1コネクタ18aが
設けられており、かつ、電磁石16bを支持するヨーク
16d上に第2コネクタ18bが位置している。電磁石
16bの電磁コイルに接続されている接続線は樹脂に埋
設されて、樹脂埋設部16eはヨーク16d上に延出さ
れている。第2コネクタ18bは、樹脂埋設部16eの
先端部に設けられていて、当該駆動力伝達装置10がデ
ィファレンシャルキャリア27に収納された状態におい
ては、ディファレンシャルキャリア27の第1ケース2
7aに設けた貫通孔27a2に対向する近接部位に位置
する。
【0039】リード線16cは、プラグ29を液密的に
貫通していて、第1ケース27aの貫通孔27a2に挿
入された状態で第1コネクタ18aを第2コネクタ18
bに接続することにより、電磁石16bに接続されてい
る。この接続状態にあるリード線16cは、貫通孔27
a2に嵌着されたプラグ29を介して第1ケース27a
に支持されており、第2コネクタ18bとの間では、長
さに余裕がある弛緩状態を呈している。プラグ29は、
プラグ本体29aと取付用アーム部29bとからなり、
図1および図4に示すように、プラグ本体29aを第1
ケース27aの貫通孔27a2に液密的に嵌着した状態
で、取付用アーム部29bにて第1ケース27aにボル
ト29cで固定されている。
【0040】当該駆動力伝達装置10は、プロペラシャ
フト24に連結されてディファレンシャルキャリア27
の第2ケース27bに収容され、この状態でディファレ
ンシャルキャリア27の第1ケース27a内に取付けら
れ、その後リード線16cが電磁石16bに接続され
る。この取付けに当たっては、図1および図2に示すよ
うに、ヨーク16dを第1ケース27aの円筒部27a
1に嵌合して支持され、かつ、樹脂埋設部16eを円筒
部27a1に設けた凹所27a3に嵌合して位置決めされ
ている。
【0041】図3には、リード線16cを電磁石16b
へ接続する手順が示されている。リード線16cは、同
図(a)に示すように、駆動力伝達装置10を取付けた
状態にあるディファレンシャルキャリア27の第1ケー
ス27a内へ、第1ケース27aの貫通孔27a2を通
して挿入し、同図(b)に示すように、第1コネクタ1
8aを第2コネクタ18bに接続する。その後、プラグ
29を貫通孔27a2に嵌着し、第1ケース27aに固
定することにより、リード線16cは図1に示すように
電磁石16bに接続される。なお、図3においては、電
磁石16bを除く駆動力伝達装置10を構成する他の部
品は省略されている。
【0042】このように、当該駆動力伝達装置10を構
成するパイロットクラッチ機構10eにおいては、電磁
石16bを外部電源に接続するためのリード線16c
は、その先端部に設けた第1コネクタ18aと、電磁石
16bに設けられてディファレンシャルキャリア27の
貫通孔27a2に対向する部位に設けた第2コネクタ1
8bを互いに接続した状態で接続されている。これによ
り、ディファレンシャルキャリア27内では、リード線
16cを各構成部材を迂回させることなく配置すること
ができるとともに、この配置状態においては長さに余裕
がある弛緩状態とすることができる。
【0043】このため、リード線16cはこの弛緩状態
においては、ディファレンシャルキャリア27内の各構
成部材とは干渉することがない。また、リード線16c
は、振動の作用によっても各構成部材とは干渉すること
がないとともに緊張されることがなく、このため、各構
成部材との干渉に起因する損傷や、緊張に起因する損傷
が生じることはなく、かつ、リード線16cの緊張に起
因するプラグ29の貫通孔27a2からの脱落を回避す
ることができる。
【0044】なお、当該駆動力伝達装置10において
は、プラグ29をボルト29cにてディファレンシャル
キャリア27に固定しているため、プラグ29の貫通孔
27a2からの脱落は一層防止される。
【0045】また、電磁石16b側に設けた第2コネク
タ18bは、当該駆動力伝達装置10をディファレンシ
ャルキャリア27内に組付けた状態では、ディファレン
シャルキャリア27側の貫通孔27a2に対向するた
め、リード線16cの先端部を貫通孔27a2に挿入し
て第1コネクタ18aを第2コネクタ18bに接続して
リード線16cを電磁石16bに容易に接続することが
でき、この点から、当該駆動力伝達装置10の組付性を
著しく向上させることができる。
【0046】また、当該駆動力伝達装置10において
は、リード線16cをディファレンシャルキャリア27
内にて保持する特別の部材を必要としない。このため、
駆動力伝達装置10の構成部材が増大することがなく、
構成部材の増大に起因して、構造が複雑になったり重量
が増大することがない。さらには、駆動力伝達装置10
のディファレンシャルキャリア27内への組付性が低下
するようなことはなく、組付性は上記したようにむしろ
向上する。
【0047】当該駆動力伝達装置10においては、第2
コネクタ18bを電磁石16bを支持するヨーク16d
上に位置させ、ヨーク16dをディファレンシャルキャ
リア27内の円筒部27a1に嵌合して支持するととも
に、第2コネクタ18bを同円筒部27a1に設けた凹
所27a3にて嵌合して位置決めする構成としているた
め、駆動力伝達装置10の組付性を一層向上させること
ができるとともに、駆動力伝達装置10の組付け時にお
ける位置決めを目視で確認することができるという利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る電磁クラッチをパイロット
クラッチ機構とする駆動力伝達装置の縦断面図である。
【図2】同駆動力伝達装置の図1における矢印2−2線
方向にみた平面図である。
【図3】同駆動力伝達装置を構成する電磁石にリード線
を接続する手段を示す同駆動力伝達装置の部分断面図
(a),(b)である。
【図4】同駆動力伝達装置を構成するプラグの平面図で
ある。
【図5】同駆動力伝達装置を搭載した四輪駆動車の概略
構成図である。
【符号の説明】
10…駆動力伝達装置、10a…アウタハウジング、1
1a…ケーシング、11b…カバー体、10b…インナ
シャフト、10c…メインクラッチ機構、12a…イン
ナクラッチプレート、12b…アウタクラッチプレー
ト、10d…押圧力発生手段、13…作動ピストン、1
4…ロータ、14a…ベーン部、R…流体室、10e…
パイロットクラッチ機構、15…摩擦クラッチ、16a
…アーマチャ、16b…電磁石、16c…リード線、1
6d…ヨーク、16e…樹脂埋設部、10f…カム機
構、17a…第1カム部材、17b…第2カム部材、1
7c…カムフォロアー、18a…第1コネクタ、18b
…第2コネクタ、21…トランスアクスル、22…エン
ジン、23a…アクスルシャフト、23b…前輪、24
…プロペラシャフト、25…リヤディファレンシャル、
26a…アクスルシャフト、26b…後輪、27…ディ
ファレンシャルキャリア、27a…第1ケース、27a
1…円筒部、27a2…貫通孔、27a3…凹所、27b
…第2ケース、28…ドライブピニオン、29…プラ
グ、29a…プラグ本体、29b…取付用アーム、29
c…ボルト。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定ケース内に収容されて回転可能に支持
    された回転ケース内に配置された摩擦クラッチと、前記
    回転ケース内にて前記摩擦クラッチの一側に配置された
    アーマチャと、前記回転ケースに回転可能に支持されて
    前記摩擦クラッチの他側に位置し前記アーマチャを吸引
    して前記摩擦クラッチを摩擦係合させる電磁石と、同電
    磁石に接続されて前記固定ケースの貫通孔を通して外部
    に延出するリード線を備えた電磁クラッチにおいて、前
    記リード線は先端部に第1のコネクタを備え、かつ、前
    記電磁石は前記固定ケースの貫通孔に対向する部位に前
    記第1のコネクタに接続可能な第2のコネクタを備え、
    前記リード線はこれら両コネクタを互いに接続された状
    態で前記電磁石に接続されていて、前記固定ケースの前
    記貫通孔を密閉するプラグを通して外部に延出されてい
    ることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電磁クラッチにおいて、
    前記リード線は、前記電磁石と前記プラグ間では弛緩状
    態にあることを特徴とする電磁クラッチ。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の電磁クラッチに
    おいて、前記第2のコネクタは前記電磁石を支持するヨ
    ークに設けられていて、同ヨークは前記固定ケース内の
    円筒部に嵌合されて支持され、かつ、前記第2のコネク
    タは同円筒部が有する凹所に嵌合されて位置決めされて
    いることを特徴とする電磁クラッチ。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3に記載の電磁クラッ
    チは、通電により作動して摩擦係合する電磁式のパイロ
    ットクラッチ機構に構成され、互いに同軸的かつ相対回
    転可能に位置する内外両回転部材間に配設されて摩擦係
    合によりこれら両回転部材間のトルク伝達を行うメイン
    クラッチ機構と、同メインクラッチ機構と前記パイロッ
    トクラッチ機構間に位置し同パイロットクラッチ機構の
    摩擦係合力を前記メインクラッチ機構に対する押圧力に
    変換するカム機構とにより駆動力伝達装置を構成してい
    ることを特徴とする電磁クラッチ。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の電磁クラッチにおいて、
    前記固定ケースはディファレンシャルを収容して支持す
    るディファレンシャルキャリアであり、かつ、前記回転
    ケースは駆動力伝達装置を構成する内外両回転部材のい
    ずれかの回転部材であるであることを特徴とする電磁ク
    ラッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006189110A (ja) * 2005-01-07 2006-07-20 Honda Motor Co Ltd 電磁式摩擦係合装置
JP2016196948A (ja) * 2015-04-06 2016-11-24 株式会社ジェイテクト 電磁式摩擦係合装置及び電磁式摩擦係合装置の組付方法
CN110836227A (zh) * 2018-08-15 2020-02-25 纳博特斯克有限公司 离合器连接方法和离合器机构

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