JP2002252102A - 正特性サーミスタ装置 - Google Patents

正特性サーミスタ装置

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JP2002252102A JP2001048563A JP2001048563A JP2002252102A JP 2002252102 A JP2002252102 A JP 2002252102A JP 2001048563 A JP2001048563 A JP 2001048563A JP 2001048563 A JP2001048563 A JP 2001048563A JP 2002252102 A JP2002252102 A JP 2002252102A
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    • H01C1/014Mounting; Supporting the resistor being suspended between and being supported by two supporting sections
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正特性サーミスタ装置を構成する金属端子の
小型化を、特性や信頼性を損なうことなく実現して、正
特性サーミスタ装置のコストを低減する。 【解決手段】 各金属端子3a,3bの、支柱部7の幅
W3の合計値をばね部6a,6bの幅W1,W2の合計
値より小さくするとともに、金属端子3a,3bの上端
側の結合部9をケース本体4又は蓋部材5と係合させて
所定位置に保持固定することにより、支柱部7が変形す
ることを防止しつつ、金属端子3a,3bを小型化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、カラーT
Vなどの電気製品の消磁回路などに用いられる正特性サ
ーミスタ装置に関し、詳しくは、正特性サーミスタ素子
を金属端子により挟持した状態でケースに収容するとと
もに、金属端子の一部をケースから外部に導出させた構
造を有する正特性サーミスタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
正特性サーミスタ装置の一つに、図6に示すように、プ
ラスチック製のケース21内に、正特性サーミスタ素子
22を一対の金属端子23a,23bにより挟持した状
態で収容した構造を有する2端子型の正特性サーミスタ
装置がある。なお、ケース21は、上部が開口したケー
ス本体24と、該ケース本体24の開口部24aに装着
される蓋部材25とを備えている。
【0003】また、金属端子23a,23bは、ばね性
を有する金属板から形成されており、図6及び図7に示
すように、正特性サーミスタ素子22を挟持するための
2つのばね部26a,26bと、ばね部26a,26b
を支持する支柱部27a,27bと、支柱部27a,2
7bから延設され、一端側がケース21の内部からケー
ス本体24の底部に設けられた孔(スリット)24bを
通って外部に導出される接続端子部28を備えている。
【0004】なお、この金属端子23a,23bにおい
て、ばね部26a,26bは、図7に示すように、両側
に配設された2つの支柱部27a,27bにより支持さ
れている。
【0005】そして、この従来の金属端子23a,23
bにおいては、支柱部27a,27bが、ばね部26
a,26bを確実に支持して、正特性サーミスタ素子2
2をばね部26a,26bにより確実に保持することが
できるようにするとともに、ばね部26a,26bが
必要なばね押圧力を備え、かつ、正特性サーミスタ素子
22との接触部の電流容量を確保することができるよう
に、ばね部26a,26bの幅W1,W2をしかるべき
大きさにするとともに、支柱部27a,27bの幅W
3,W4の合計値を、ばね部26a,26bの幅W1,
W2の合計値よりも大きくなるようにしている。なお、
この例では、ばね部26a,26bの幅W1,W2をそ
れぞれ1.5mmとし、支柱部27a,27bの幅W3,
W4をそれぞれ、1.9mmとしている。
【0006】なお、支柱部27a,27bの幅W3,W
4の合計値が、ばね部26a,26bの幅W1,W2の
合計値よりも小さくなると、ばね部26a,26bのば
ね押圧力により、支柱部27a,27bが基端部近傍で
曲がってしまい、良好なばね特性を得ることができなく
なり、また、ばね部26a,26bの幅W1,W2があ
まり小さくなると、必要なばね押圧力を確保することが
できなくなるばかりでなく、正特性サーミスタ素子22
との接触部の電流容量を確保することができなくなると
いう問題点がある。
【0007】ところで、近年、電気製品の低コスト化へ
の要求が大きくなり、それにともなって、カラーTVな
どの電気製品に使用される消磁用の正特性サーミスタ装
置などに対してもコストの低減が強く求められるに至
り、その方策の1つとして、正特性サーミスタ装置を構
成する金属端子の小型化、低コスト化が検討されるに至
っている。しかし、上述のような理由から、金属端子の
小型化を図ることは必ずしも容易ではなく、コストの低
減を十分に達成できていないのが現状である。
【0008】なお、従来の正特性サーミスタ装置として
は、図8に示すように、2つの正特性サーミスタ素子2
2a,22bを備え、かつ、正特性サーミスタ素子22
aと22bの間に平板端子29を配設した構造の3端子
型の正特性サーミスタ装置もあるが、このような正特性
サーミスタ装置の場合にも、上記2端子型の正特性サー
ミスタ装置の場合と同様の問題点がある。なお、図8に
おいて、図6及び図7と同一符号を付した部分は、図
6,7の正特性サーミスタ装置と同一又は相当部分を示
している。
【0009】本発明は、上記の状況に鑑みてなされたも
のであり、正特性サーミスタ装置を構成する金属端子の
小型化を、特性や信頼性を損なうことなく実現して、小
型で低コストの正特性サーミスタ装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の正特性サーミスタ装置は、(a)正特性サー
ミスタ素子と、(b)上部が開口し、内部に前記正特性サ
ーミスタ素子が収容されるケース本体と、該ケース本体
の開口部に装着される蓋部材とを備えたケースと、(c)
上端側の結合部から下方側に延設され、ばね押圧力によ
り前記正特性サーミスタ素子に圧接されて電気的に導通
するとともに、正特性サーミスタ素子を挟持して前記ケ
ース内に保持するばね部と、上端部が前記結合部と一体
化して前記ばね部を支持する支柱部と、該支柱部から下
方側に延設され、前記ケースの底部に設けられた孔を通
って外部に導出される接続端子部とを備えた少なくとも
一対の金属端子とを具備し、かつ、各金属端子におい
て、前記支柱部の幅の合計値が前記ばね部の幅の合計値
より小さく、かつ、前記ばね部の上端側の前記結合部が
前記ケース本体又は前記蓋部材と係合することにより、
所定位置に保持固定されていることを特徴としている。
【0011】正特性サーミスタ素子を挟持するためのば
ね部と、該ばね部を支持する少なくとも1つの支柱部
と、ケースの内部からケース本体の底部に設けられた孔
を通って外部に導出される接続端子部とを備えた金属端
子の、支柱部の幅の合計値をばね部の幅の合計値より小
さくするとともに、金属端子の上端側の結合部をケース
本体又は蓋部材と係合させて所定位置に保持固定するこ
とにより、支柱部の変形を防止して、正特性サーミスタ
素子の保持信頼性及び正特性サーミスタとの導通信頼性
を損なうことなく、金属端子の小型化を図り、正特性サ
ーミスタ装置全体としてのコスト削減を図ることが可能
になる。
【0012】すなわち、本発明(請求項1)の正特性サ
ーミスタ装置においては、金属端子の上端側の結合部を
ケース本体又は蓋部材と係合させて所定位置に保持固定
するようにしているので、支柱部の幅をばね部の幅より
小さくして、金属端子を小型化した場合にも、支柱部が
変形することを防止することが可能になり、ばね部を確
実に支持して、正特性サーミスタ素子の保持信頼性、正
特性サーミスタとの導通信頼性、及び接触部の電流容量
を確保することができるようになる。
【0013】また、本発明の正特性サーミスタ装置にお
いては、金属端子の結合部をケース本体又は蓋部材と係
合させて所定位置に保持するようにしているので、例え
ば、金属端子の支柱部をケース本体の内部にインサート
モールドしたりする場合に比べて、全体的な構造及び製
造工程を簡略化することが可能になり、かかる見地から
もコストの削減を図ることが可能になる。なお、本発明
において、支柱部の幅の合計値、及びばね部の幅の合計
値とは、支柱部及びばね部が複数ある場合にはそれぞれ
の幅を合算した値を意味し、支柱部及びばね部が単一で
ある場合には、その一つの支柱部及びばね部の幅を意味
する概念である。
【0014】また、請求項2の正特性サーミスタ装置
は、各金属端子が2以上のばね部と、ばね部より少ない
数の支柱部とを備えていることを特徴としている。
【0015】各金属端子が2以上のばね部と、ばね部よ
り少ない数の支柱部とを備えた構成とすることにより、
金属端子の十分な小型化を実現することができるように
なる。ただし、2以上のばね部を備えているので、正特
性サーミスタ素子の保持信頼性及び正特性サーミスタ素
子との導通信頼性を損なうことはない。なお、本発明に
おいては、ばね部と支柱部の数を同じにして、支柱部の
幅の合計値を、ばね部の幅の合計値より小さくするよう
に構成することも可能である。
【0016】また、請求項3の正特性サーミスタ装置
は、前記金属端子がばね性を有する金属板を打ち抜き加
工することにより形成されたものであることを特徴とし
ている。
【0017】金属端子として、ばね性を有する金属板を
打ち抜き加工することにより形成されたものを用いるよ
うにした場合、低コストで、正特性サーミスタ素子の保
持信頼性及び正特性サーミスタとの導通信頼性に優れた
正特性サーミスタ装置を得ることが可能になり、本発明
をさらに実効あらしめることが可能になる。
【0018】また、請求項4の正特性サーミスタ装置
は、正特性サーミスタ素子が、消磁回路に用いられる消
磁用の正特性サーミスタ素子であることを特徴としてい
る。
【0019】消磁回路に用いられる消磁用の正特性サー
ミスタ装置は、カラーTVなどの家庭電化製品に広く用
いられており、コスト低減への要求も特に大きいが、こ
のような消磁用の正特性サーミスタ装置に本発明を適用
することにより、信頼性を損なうことなく低コストの正
特性サーミスタ装置を提供することが可能になり、有意
義である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示し
て、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0021】図1は本発明の一実施形態にかかる正特性
サーミスタ装置の正面断面図、図2は平面断面図、図3
は正特性サーミスタ装置において用いられている金属端
子を示す図である。この正特性サーミスタ装置は、カラ
ーTVの消磁回路などに用いられる消磁用の正特性サー
ミスタ装置であり、図1及び図2に示すように、プラス
チック製のケース1内に、正特性サーミスタ素子2を一
対の金属端子3a,3bにより挟持した状態で収納した
構造を有する2端子型の正特性サーミスタ装置である。
【0022】この実施形態の正特性サーミスタ装置にお
いて、ケース1は、上部が開口したケース本体4と、該
ケース本体4の開口部4aに装着される蓋部材5とを備
えている。なお、ケース本体4の開口部4aの内壁に
は、エッジ状に尖らせた蓋部材5の周辺部5aと係合す
る係合溝4bが形成されており、蓋部材5の周辺部5a
をこの係合溝4bに係合させることにより、ケース本体
4の開口部4aが蓋部材5により封止されるように構成
されている。
【0023】また、金属端子3a,3bは、図1〜図3
に示すように、正特性サーミスタ素子2を挟持するため
の、長さの異なる2つ(2本)のばね部6a,6bと、
2つのばね部6a,6bの間に位置して、該ばね部6
a,6bを支持する1つ(1本)の支柱部7と、支柱部
7から延設され、ケース1の内部からケース本体4の底
部に設けられた孔(スリット)4cを通って外部に導出
される接続端子部8を備えている。
【0024】また、各金属端子3a,3bにおいて、ば
ね部6a,6bは、上端側の結合部9から下方側に延設
されており、支柱部7は、上端部が結合部9と一体化
し、結合部9を介してばね部6a,6bを支持するよう
に構成されている。
【0025】なお、この金属端子3a,3bにおいて、
ばね部6aと6bの長さを異ならせているのは、ばね部
6a,6bによる正特性サーミスタ素子2の保持安定を
向上させるためである。
【0026】上述のように、この実施形態にかかる正特
性サーミスタ装置において用いられている金属端子3
a,3bは、幅がそれぞれW1,W2である2つのばね
部6a,6bの間に、ばね部6a,6bの幅W1,W2
と同じ幅W3を有する1つの支柱部7が配設された構造
を有しており、支柱部7の幅W3が、ばね部6a,6b
の幅W1,W2の合計値の1/2と小さくなっており、
小型化が図られている。
【0027】なお、この金属端子3a,3bは、厚み
0.25mmのステンレス(SUS304)板を打ち抜き
加工することにより形成されており、ばね部の幅W1,
W2及び支柱部の幅W3はいずれも1mmに設定されてい
る。
【0028】そして、この金属端子3a,3bの上端側
の結合部9は、ケース本体4の内壁上部に設けられた係
合部10と係合して、ケース本体4の内壁から離れない
ように、所定の位置に保持固定されている。また、金属
端子3a,3bには、ケース本体4に挿入したときに、
ケース本体4の下面に当接するストッパー11が設けら
れており、金属端子3a,3bは、その結合部9がケー
ス本体4の内壁上部に設けられた係合部10と係合し、
かつ、ストッパー11がケース本体4の下面に当接する
ことにより、2箇所においてケース本体4と係合し、ケ
ース本体4に対して、確実に所定の位置関係が保たれる
ように構成されている。
【0029】上述のように構成された、この実施形態の
正特性サーミスタ装置においては、支柱部7の幅W3
を、ばね部6a,6bの幅W1,W2の合計値(W1+
W2)の1/2と小さくして、金属端子3a,3bを小
型化しているが、金属端子3a,3bの上端側の結合部
9がケース本体4の係合部10に係合して保持固定され
ているとともに、金属端子3a,3bのケース1内にお
ける下端側の部分も、ケース本体4の底面の孔(スリッ
ト)4cに挿通されて、ストッパー11がケース本体1
の下面に当接することにより、所定の位置に保持されて
いるため、ばね部6a,6bにより正特性サーミスタ素
子2を挟持した場合にも、支柱部7が変形せず、支柱部
7に支持されたばね部6a,6bにより、正特性サーミ
スタ素子2を確実に保持することができる。また、金属
端子3a,3bの結合部9を係合部10に係合させて固
定するとともに、ストッパー11をケース本体4の下面
に当接させることにより、金属端子3a,3bを、2箇
所においてケース本体4と係合させるようにしているの
で、金属端子3a,3bの間隔が確実に一定に保たれ、
正特性サーミスタ装置の基板への実装が容易になる。
【0030】なお、金属端子3a,3bの結合部9を係
合部10により保持固定していない場合には、正特性サ
ーミスタ素子2をばね部6a,6b間に挿入した場合
に、図4に示すように、金属端子3a,3bの支柱部7
が変形して、ばね部6a,6bが、十分なばね押圧力に
より正特性サーミスタ素子2を保持することができなく
なり、正特性サーミスタ素子2の保持信頼性が低下す
る。
【0031】また、この実施形態にかかる正特性サーミ
スタ装置において用いられている金属端子3a,3b
は、支柱部7は1つであるが、2つのばね部6a,6b
を備えているため、正特性サーミスタ素子2との導通信
頼性及び接触部の電流容量を十分に確保することができ
る。
【0032】さらに、本発明の正特性サーミスタ装置に
おいては、金属端子3a,3bの結合部9をケース本体
4の係合部10と係合させて所定位置に保持固定するよ
うにしているので、例えば、金属端子の支柱部をケース
本体の内部にインサートモールドしたりする場合に比べ
て、正特性サーミスタ装置の全体的な構造及び製造工程
を簡略化することが可能になり、コストの削減を図るこ
とができる。
【0033】なお、図5に、金属端子3a,3bの結合
部9を係合部10に係合させて固定した上記実施形態の
正特性サーミスタ装置における金属端子3a,3bのば
ね特性、すなわち、ばね高さとばね荷重の関係を示す。
また、比較のため、金属端子3a,3bの結合部9を固
定しない場合(比較例)の金属端子3a,3bのばね特
性、及び、図6及び図7に示すような構成を有する従来
の正特性サーミスタ装置(従来例)における金属端子の
ばね特性(すなわち、2つの支柱部27a,27bを有
し、かつ、支柱部27a,27bの幅W3,W4の合計
値を、ばね部26a,26bの幅W1,W2の合計値よ
りも大きくした金属端子のばね特性)を図5に併せて示
す。なお、図5の横軸の「ばね高さ」とは、図4に符号
Aで示す距離であって、ばね部6の基端部(金属端子3
a,3bの結合部9)から、ばね部6の先端部(正特性
サーミスタ素子1と接触する部分)までの距離(支柱部
7からばね部6の先端部までの垂直距離)を意味する概
念である。
【0034】図5より、単一の支柱部7を有し、支柱部
7の幅W3が、ばね部6a,6bの幅W1,W2の合計
値(W1+W2)の1/2と小さい金属端子3a,3b
を用いた場合にも、上端側の結合部9を係合部10に係
合させて保持固定した上記実施形態の正特性サーミスタ
装置においては、従来例の場合と同等のばね特性が得ら
れることがわかる。すなわち、上記実施形態にかかる正
特性サーミスタ装置の場合、幅W3が1mmの支柱部7を
1つしか備えていないにもかかわらず、従来例のよう
に、幅W1,W2が1.9mmの2つの支柱部27a,2
7b(W1,W2の合計値=3.8mm)を備えた従来の
金属端子23a,23b(図7)を用いた従来例の場合
と同等のばね特性を得ることができる。
【0035】また、上記実施形態の金属端子3a,3b
と同じ金属端子を用いた場合であっても、上端側の結合
部を固定しない場合(比較例)には、ばね特性が低下す
ることがわかる。上記の結果より、本発明によれば、ば
ね特性を劣化させることなく、金属端子の大幅な小型化
を図ることが可能になり、製品のコストダウンを図るこ
とが可能になる。
【0036】なお、上記実施形態では、各金属端子が2
つのばね部と、1つの支柱部を備えている場合を例にと
って説明したが、ばね部及び支柱部の数はこれに限られ
るものではなく、例えば、ばね部を3以上とし、支柱部
を2以上とすることも可能である。ただし、本発明にお
いては、ばね部と支柱部の数を同じにして、支柱部の幅
の合計値を、ばね部の幅の合計値より小さくするように
構成することも可能である。
【0037】また、上記実施形態では、金属端子の結合
部をケース本体の内壁に設けた係合部と係合させるよう
にした場合を例にとって説明したが、蓋部材に係合部を
設けて、金属端子の結合部を蓋部材の係合部に係合させ
るように構成することも可能である。
【0038】また、上記実施形態では、2つのばね部の
長さを異ならせているが、同一とすることも可能であ
る。また、上記実施形態では、金属端子として、ステン
レス板を打ち抜き加工することにより形成した金属端子
を用いているが、その他の方法で形成した金属端子を用
いることも可能である。
【0039】また、上記実施形態では、カラーTVの消
磁回路などに用いられる消磁用の正特性サーミスタ装置
を例にとって説明したが、本発明は、消磁用に限らず、
種々の正特性サーミスタにも適用することが可能であ
る。
【0040】本発明は、さらにその他の点においても、
上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の
範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能で
ある。
【0041】
【発明の効果】上述のように、本発明の正特性サーミス
タ装置は、正特性サーミスタ素子を挟持するためのばね
部と、該ばね部を支持する少なくとも1つの支柱部と、
ケースの内部からケース本体の底部に設けられた孔を通
って外部に導出される接続端子部とを備えた金属端子
の、支柱部の幅の合計値をばね部の幅の合計値より小さ
くするとともに、金属端子の上端側の結合部をケース本
体又は蓋部材と係合させて所定位置に保持固定するよう
にしているので、支柱部の幅をばね部の幅より小さくし
て、金属端子を小型化した場合にも、支柱部が変形する
ことを防止することが可能になり、ばね部を確実に支持
して、正特性サーミスタ素子の保持信頼性、正特性サー
ミスタとの導通信頼性、及び接触部の電流容量を十分に
確保することができるようになる。また、本発明の正特
性サーミスタ装置においては、金属端子の結合部をケー
ス本体又は蓋部材と係合させて所定位置に保持するよう
にしているので、例えば、金属端子の支柱部をケース本
体の内部にインサートモールドしたりする場合に比べ
て、全体的な構造及び製造工程を簡略化することが可能
になり、かかる見地からもコストの削減を図ることがで
きる。
【0042】また、請求項2の正特性サーミスタ装置の
ように、各金属端子が2以上のばね部と、ばね部より少
ない数の支柱部とを備えた構成とすることにより、金属
端子の十分な小型化を実現することができるようにな
る。ただし、2以上のばね部を備えているので、正特性
サーミスタ素子の保持信頼性及び正特性サーミスタ素子
との導通信頼性を損なうことはない。なお、本発明は、
ばね部と支柱部の数を同じにして、支柱部の幅の合計値
を、ばね部の幅の合計値より小さくした構成を排除する
ものではない。
【0043】また、請求項3の正特性サーミスタ装置の
ように、金属端子として、ばね性を有する金属板を打ち
抜き加工することにより形成されたものを用いるように
した場合、低コストで、正特性サーミスタ素子の保持信
頼性及び正特性サーミスタとの導通信頼性に優れた正特
性サーミスタ装置を得ることが可能になり、本発明をさ
らに実効あらしめることができる。
【0044】また、消磁回路に用いられる消磁用の正特
性サーミスタ装置は、カラーTVなどの家庭電化製品に
広く用いられており、コスト低減への要求も特に大きい
が、請求項4のように、消磁用の正特性サーミスタ装置
に本発明を適用することにより、信頼性を損なうことな
く低コストの正特性サーミスタ装置を提供することが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる正特性サーミスタ
装置を示す正面断面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる正特性サーミスタ
装置を示す平面断面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる正特性サーミスタ
装置において用いられている金属端子を示す図である。
【図4】金属端子の結合部を保持固定していない場合に
おける、金属端子の支柱部などの変形の状態を示す図で
ある。
【図5】本発明の一実施形態にかかる正特性サーミスタ
装置の金属端子のばね特性を示すグラフである。
【図6】従来の正特性サーミスタ装置を示す断面図であ
る。
【図7】従来の正特性サーミスタ装置において用いられ
ている金属端子を示す図である。
【図8】従来の正特性サーミスタ装置の他の例を示す図
である。
【符号の説明】
1 ケース 2 正特性サーミスタ素子 3a,3b 金属端子 4 ケース本体 4a ケース本体の開口部 4b 係合溝 4c 孔(スリット) 5 蓋部材 5a 蓋部材の周辺部 6a,6b ばね部 7 支柱部 8 接続端子部 9 結合部 10 係合部 11 ストッパー A ばね高さ W1,W2 ばね部の幅 W3 支柱部の幅

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)正特性サーミスタ素子と、 (b)上部が開口し、内部に前記正特性サーミスタ素子が
    収容されるケース本体と、該ケース本体の開口部に装着
    される蓋部材とを備えたケースと、 (c)上端側の結合部から下方側に延設され、ばね押圧力
    により前記正特性サーミスタ素子に圧接されて電気的に
    導通するとともに、正特性サーミスタ素子を挟持して前
    記ケース内に保持するばね部と、上端部が前記結合部と
    一体化して前記ばね部を支持する支柱部と、該支柱部か
    ら下方側に延設され、前記ケースの底部に設けられた孔
    を通って外部に導出される接続端子部とを備えた少なく
    とも一対の金属端子と を具備し、かつ、 各金属端子において、前記支柱部の幅の合計値が前記ば
    ね部の幅の合計値より小さく、かつ、前記ばね部の上端
    側の前記結合部が前記ケース本体又は前記蓋部材と係合
    することにより、所定位置に保持固定されていることを
    特徴とする正特性サーミスタ装置。
  2. 【請求項2】各金属端子が2以上のばね部と、ばね部よ
    り少ない数の支柱部とを備えていることを特徴とする請
    求項1記載の正特性サーミスタ装置。
  3. 【請求項3】前記金属端子がばね性を有する金属板を打
    ち抜き加工することにより形成されたものであることを
    特徴とする請求項1又は2記載の正特性サーミスタ装
    置。
  4. 【請求項4】正特性サーミスタ素子が、消磁回路に用い
    られる消磁用の正特性サーミスタ素子であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の正特性サーミス
    タ装置。
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