JP2002249701A - エマルジョン塗料組成物 - Google Patents

エマルジョン塗料組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】密着性、耐水性および耐溶剤性など基本的性能
を主とした塗膜性能に優れた、例えば、難接着性とされ
ていたマグネシウム合金およびアルミニウム合金などの
非鉄金属に対しても、良好な密着性を有するエマルジョ
ン塗料組成物を提供する。 【解決手段】3級アミノ基を有する化合物(o)が配合
および/または共重合されたアクリル系ポリマー(A)
の存在下に、水酸基含有不飽和単量体(p)、エポキシ
基含有不飽和単量体(q)およびその他の不飽和単量体
(r)を乳化重合してなるアクリル系エマルジョン
(B)が配合されてなることを特徴とするエマルジョン
塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装時に排出され
る有機溶剤、他が喚起する環境汚染の緩和に考慮しつ
つ、塗料としての諸性能を満足すべく設計されたエマル
ジョン塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば、地球温暖化やオゾン層の
破壊など、地球規模での環境汚染が深刻な問題、課題と
して取り上げられることが多くなっている。
【0003】塗料や塗装の世界でも、この課題を解決す
べく、鋭意検討、開発が進められている。すなわち、塗
料の無溶剤化(粉体塗料、反応性塗料)、ハイソリッド
化および水系化等がこれに当たる。
【0004】一方で、塗料に要求される機能としては、
意匠性(美観の向上)や被塗物の保護などが挙げられる
が、現在の開発状況は必ずしも満足できるものではな
い。すなわち、塗料を無溶剤化した場合には、塗膜形成
時に高温での焼き付けや光照射を必要とし塗装作業性が
悪くなるばかりでなく、耐熱性、耐紫外線性、光の直進
性、透過性の点から被塗物、塗料組成が限定される。ま
た、ハイソリッド化した場合には、十分な環境対策がと
れないばかりか、展色剤の大きい分子量ダウンを伴い密
着性、耐水性など基本的性能を主とした塗膜性能が悪化
する傾向にある。さらに、水系塗料は、ヨーロッパなど
の低湿度地域と異なり、特に日本などの高湿度地域では
塗膜のべたつき、耐久性不足が懸念となっていた。さら
に、耐水性および耐溶剤性などに、実用上はまだまだ改
善の余地を残しているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の目的は、
密着性、耐水性および耐溶剤性など基本的性能を主とし
た塗膜性能に優れたエマルジョン塗料組成物を提供する
ことにある。
【0006】本発明の他の目的は、従来、難接着性とさ
れていたマグネシウム合金およびアルミニウム合金など
の非鉄金属に対し、良好な密着性を有するエマルジョン
塗料組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次の構成からなる。すなわち、本発明は、
3級アミノ基を有する化合物(o)が配合および/また
は共重合されたアクリル系ポリマー(A)の存在下に、
水酸基含有不飽和単量体(p)、エポキシ基含有不飽和
単量体(q)およびその他の不飽和単量体(r)を乳化
重合してなるアクリル系エマルジョン(B)が配合され
てなることを特徴とするエマルジョン塗料組成物であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のエマルジョン塗料組成物
は、3級アミノ基を有する化合物(o)が配合および/
または共重合されたアクリル系ポリマー(A)の存在下
に、水酸基含有不飽和単量体(p)、エポキシ基含有不
飽和単量体(q)およびその他の不飽和単量体(r)を
乳化重合してなるアクリル系エマルジョン(B)が配合
されてなるエマルジョン塗料組成物であり、アクリル系
ポリマー(A)としては、特定の組成からなるアクリル
系ポリマー微粒子であることが推奨される。3級アミノ
基を有する化合物(o)が配合および/または共重合さ
れたアクリル系ポリマー(A)はことさら限定されるも
のでなく、アクリル酸エステル単量体やメタクリル酸エ
ステル単量体、その他のラジカル重合性単量体が共重合
されたものであれば何らの支障なく適用することができ
る。本発明では、乳化共重合により製造されたアクリル
系ポリマー(A)が、アクリル系エマルジョン(B)の
製造上好ましく、特に推奨される。
【0009】また、アクリル系ポリマー(A)は、3級
アミノ基を有する化合物(o)の存在下に、(メタ)ア
クリル酸エステル単量体およびその他のラジカル重合性
単量体をラジカル共重合することにより製造することが
できる。
【0010】本発明で用いられる3級アミノ基を有する
化合物(o)としては、(i)非ラジカル共重合性であ
り配合されるものとして、トリエチルアミン、N,N−
ジメチルエタノールアミン、ジエチルベンジルアミン、
トリ−2,4,6−(N,N−ジメチルアミノメチル)
フェノールなどの3級アミン化合物、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキ
シ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイル
オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8
−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメ
チル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−
2,4−ジオンなどのヒンダードアミン化合物(ヒンダ
ードアミン系光安定剤)、(ii)ラジカル共重合性であ
り共重合されるものとして、N,N−ジメチルアミノエ
チルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレートなどの3級アミノ基含有不飽和単量体、4−
メタクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,
6,6−ペンタメチルピペリジンなどのヒンダードアミ
ノ基含有不飽和単量体(ヒンダードアミン系光安定
剤)、などを例示することができる。3級アミノ基を有
する化合物(o)は、単独でも、もしくは2種類以上の
混合物であってもよい。
【0011】3級アミノ基を有する化合物(o)のなか
では、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル
−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリア
ザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオンなどのヒン
ダードアミン化合物、4−メタクリロイルアミノ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロ
イルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリ
ジンなどのヒンダードアミノ基含有不飽和単量体などの
ヒンダードアミン系光安定剤が推奨される。ヒンダード
アミン系光安定剤が3級アミノ基を有する化合物として
使用されるとき、塗料の硬化性、耐水性、耐溶剤性、耐
候性が著しく改善される傾向にある。さらに、1−[2
−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,
9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ
[4,5]デカン−2,4−ジオンなどの塩基定数(p
Kb)が8以上のヒンダードアミン系光安定剤が用いら
れるとき、エマルジョンの乳化重合安定性と塗料の貯蔵
安定性が改善される傾向にあり推奨される。
【0012】(メタ)アクリル酸エステル単量体および
その他のラジカル重合性単量体としては、後述する水酸
基含有不飽和単量体(p)、エポキシ基含有不飽和単量
体(q)、カルボキシル基含有不飽和単量体(s)、お
よびその他の不飽和単量体(r)を例示することができ
る。
【0013】アクリル系ポリマー(A)は、溶液重合、
乳化重合、懸濁重合および塊状重合などの重合方法の如
何によらず製造することが可能であるが、簡便なことか
ら本発明では乳化重合により製造することが推奨され
る。
【0014】製造方法の一例を挙げれば、水(pH5〜
7/25℃のイオン交換水が適切である)を媒体とし、
過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムなどの重合開始剤
を使用して、また乳化剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダやポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルなどを使用し、重合温度30〜100℃で、酸素濃度
を0〜12容量%に調整し、3級アミノ基を有する化合
物(o)の存在下に、ラジカル重合性不飽和単量体を乳
化共重合することにより製造することができる。この際
の重合中のpHは、1.0〜8.5、好ましくは1.8
〜5.0、より好ましくは1.8〜4.0に調整するこ
とが推奨され、塗料の貯蔵安定性と硬化性に優れたエマ
ルジョンが製造される。
【0015】また、乳化剤として、下記構造式III、下
記構造式IVまたは下記構造式Vで示される反応性乳化剤
を使用することが推奨され(ただし、構造式IV、構造式
Vで示される反応性乳化剤を使用する場合には、アンモ
ニア水やNaOH水溶液などの塩基性化合物で中和した
後使用することが望ましい)、塗料の架橋性、耐水性、
密着性が向上する傾向にある。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】 上記の構造式IIIの反応性乳化剤の例としては、α−ス
ルホ−ω−(1−((ノニルフェノキシ)メチル−2−
(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−
1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩などを例示す
ることができる。該反応性乳化剤は、単独でも、もしく
は2種類以上の混合物であってもよい。また、上記の構
造式IVと構造式Vの反応性乳化剤の例としては、2−プ
ロペニルオキシ−ポリオキシプロピル−アシッドホスフ
ェート、2−プロペニルオキシ−ポリ(オキシプロピル
−オキシエチル)−アシッドホスフェートなどを例示す
ることができる。これらの反応性乳化剤は、単独でも、
もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0019】また、乳化重合中の酸素濃度は、安全上の
立場から厳密に規制されるべきであるが、0〜12容量
%、好ましくは3〜12容量%、より好ましくは5〜8
容量%に調整することが推奨される。このとき、乳化重
合速度と粒子の生成速度の抑制、コントロールがし易く
なり、粒子径分布が均一で、粒子径の小さいエマルジョ
ン粒子を製造し易くなる。
【0020】また、アクリル系ポリマー(A)は、塗料
の耐溶剤性と耐傷つき性を向上する目的で、ゲル分率が
50%以上、好ましくは70%以上であることが望まし
い。ゲル分率が50%未満では、トルエン、ガソリンあ
るいはエチルアルコールなどの有機溶剤耐性(耐溶剤
性)がやや悪化する場合がある。
【0021】ここに、ゲル分率は、以下のようにして求
めることができる。すなわち、アクリル系ポリマー
(A)を、塊状の場合には微粉になるように粉砕し、溶
液状または懸濁状の場合には薄く延べ広げて、40℃、
100〜7000Paの真空度で48時間真空乾燥す
る。真空乾燥されたアクリル系ポリマー(A)のPg
を、アセトンとメチルアルコールの混合溶剤(=50/
50容量%)を抽出溶剤として使用し、ソックスレー抽
出器で、還流下、3時間抽出試験を行なう。未抽出ポリ
マーを回収し、前記と同じ条件で真空乾燥する。このも
のの重量(Qg)を測定する。次式(1)にしたがい、
ゲル分率(%)を算出する。 ゲル分率(%)=[未抽出ポリマーの重量(Qg)/ソックスレー抽出試験前の ポリマー重量(Pg)]×100 (1) さらに、アクリル系ポリマー(A)は、エポキシ基含有
不飽和単量体(q)、カルボキシル基含有不飽和単量体
(s)およびその他の不飽和単量体(r)を乳化重合し
てなる、粒子径が200nm以下のアクリル系ポリマー
エマルジョン(A−1)および/またはアクリル系ポリ
マー(A)は、一分子中にエポキシ基とアルコキシシラ
ン基を有するシラン化合物(C)の存在下、エポキシ基
含有不飽和単量体(q)、カルボキシル基含有不飽和単
量体(s)およびその他の不飽和単量体(r)を乳化重
合してなる、粒子径が200nm以下のアクリル系ポリ
マーエマルジョン(A−2)であることが望ましく、こ
れらを用いることにより塗料の貯蔵安定性、塗膜の耐傷
つき性、耐溶剤性が向上する。さらに、カルボキシル基
含有不飽和単量体(s)が、下記構造式Iまたは下記構
造式IIで示される不飽和カルボン酸の少なくとも一種を
含むものであるとき、上記の効果が顕著となる傾向にあ
りより望ましい。
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】 本発明で用いられるエポキシ基含有不飽和単量体(q)
としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリ
シジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチルメタクリレートなどの分子中にエポキシ基と不
飽和二重結合を有する化合物を例示することができる。
エポキシ基含有不飽和単量体(q)は、単独でも、もし
くは2種類以上の混合物であってもよい。
【0024】カルボキシル基含有不飽和単量体(s)と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸等の、一分子中にカルボキシル基と不飽和基二重
結合を有する化合物を例示することができる。カルボキ
シル基含有不飽和単量体(s)は、単独でも、もしくは
2種類以上の混合物であってもよい。
【0025】本発明では、カルボキシル含有不飽和単量
体(s)のなかでも、上記構造式Iおよび/または上記
構造式IIで示されるカルボキシル含有不飽和単量体
(s)が、塗料の貯蔵安定性向上、塗膜の耐水性および
耐薬品性向上の点でより好ましく使用することができ
る。
【0026】上記構造式Iで表されるカルボキシル基含
有不飽和単量体(s)としては、β−カルボキシエチル
アクリレート、β−カルボキシエチルメタクリレートな
どを例示することができる。上記構造式1で表されるカ
ルボキシル基含有不飽和単量体(s)は、単独でも、も
しくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0027】上記構造式IIで表されるカルボキシル基含
有不飽和単量体(s)としては、2−アクリロイルエチ
ルこはく酸、2−メタクリロイルエチルこはく酸などを
例示することができる。上記構造式IIで表されるカルボ
キシル基含有不飽和単量体(s)は、単独でも、もしく
は2種類以上の混合物であってもよい。
【0028】その他の不飽和単量体(r)としては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ターシャリーブ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸トリシクロデシル、アクリル酸イソボル
ニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル
酸ターシャリーブチル、メタクリル酸プロピル、メタク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリシクロデ
シル、メタクリル酸イソボルニルなどの(メタ)アクリ
ル酸のアルキルエステル類、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル
酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノ
アクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレ
ート、ポリテトラメチレングリコールモノアクリレー
ト、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコ
ールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールポリ
テトラメチレングリコールモノアクリレート、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリ
エチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノメタクリレート、ポリテトラメチレン
グリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコー
ルポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、
ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコー
ルモノメタクリレートなどの水酸基含有不飽和単量体
(p)、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体(s)、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メ
チルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタク
リレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアク
リレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタ
クリレートなどの分子中にエポキシ基と不飽和二重結合
を有するエポキシ基含有不飽和単量体(q)、N,N−
ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート、4−メタアクリロイル
アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど
の3級アミノ基含有不飽和単量体、アクリルアミド、ダ
イアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミドなどのアミド化合物、3−メタクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキ
シプロピルトリエトキシシランなどの反応性珪素原子含
有不飽和単量体、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メタ
クリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール、4−メタアクリロイルアミノ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジンなどの分子中に紫外線吸収
性基、ヒンダードアミン系光安定性基を有する不飽和単
量体、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレンなど
のビニル化合物、等を例示することができる。その他の
不飽和単量体(Y)は、単独でも、もしくは2種類以上
の混合物であってもよい。
【0029】その他の不飽和単量体(r)のなかで、塗
膜の耐候性を向上するため2−(2´−ヒドロキシ−5
´−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベ
ンゾトリアゾール、4−メタアクリロイルアミノ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの分子中に紫
外線吸収性基、ヒンダードアミン系光安定性基を有する
不飽和単量体が、極めて好適に使用される。該単量体は
アクリル系エマルジョン(B)中に0.02〜30重量
%、好ましくは0.2〜20重量%となるように共重合
されることが望ましい。共重合量が0.02%未満で
は、耐候性向上の効果が顕著に発揮されない場合があ
る。また、30重量%を超えて共重合される場合には、
塗料の貯蔵安定性が悪化する傾向にあり、貯蔵経時で塗
料の増粘度が観察されることがある。
【0030】一分子中にエポキシ基とアルコキシシラン
基を有するシラン化合物(C)としては、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチルトリメトキシシラン、およびこれらシラン化
合物(C)の加水分解物、縮合物などを例示することが
できる。一分子中にエポキシ基とアルコキシシラン基を
有するシラン化合物(C)は、単独でも、2種類以上の
混合物であってもよい。
【0031】アクリル系ポリマー(A)は、前記の製造
例に従い、乳化重合で製造することができる。その際の
諸条件も、前記の製造例に従う。すなわち、製造方法の
一例を挙げれば、水(pH5〜7/25℃のイオン交換
水が適切である)を媒体とし、過硫酸カリウムや過硫酸
アンモニウムなどの重合開始剤を使用して、また乳化剤
としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダやポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテルなどを使用し、重合温
度30〜100℃で、酸素濃度を0〜12容量%に調整
し、3級アミノ基を有する化合物(o)の存在下に、エ
ポキシ基含有不飽和単量体(q)、カルボキシル基含有
不飽和単量体(s)およびその他の不飽和単量体
(r)、また必要であれば一分子中にエポキシ基とアル
コキシシラン基を有するシラン化合物(C)を単量体に
溶解した状態で、乳化共重合することにより製造するこ
とができる。
【0032】この際、重合中のpHは、1.0〜8.
5、好ましくは1.8〜5.0、より好ましくは1.8
〜4.0に調整することが推奨され、塗料の貯蔵安定
性、硬化性に優れたエマルジョンが製造される傾向にあ
る。
【0033】また、乳化剤として、上述の構造式III、
構造式IVまたは構造式Vで示される反応性乳化剤を使用
することが推奨され(ただし、構造式IVと構造式Vで示
される反応性乳化剤を使用する場合には、アンモニア水
やNaOH水溶液などの塩基性化合物で中和した後使用
することが望ましい)、塗料の架橋性、耐水性、密着性
が向上する傾向にある。
【0034】また、乳化重合中の酸素濃度は、安全上の
立場から厳密に規制されるべきであるが、0〜12容量
%、好ましくは3〜12容量%、より好ましくは5〜8
容量%に調整することが推奨される。このとき、乳化重
合速度、粒子の生成速度の抑制、コントロールがし易く
なり、粒子径分布が均一で、粒子径の小さいエマルジョ
ン粒子を製造し易くなる傾向にある。
【0035】本発明において、3級アミノ基を有する化
合物(o)は、アクリル系ポリマー(A)を構成する不
飽和単量体(エポキシ基含有不飽和単量体(q)+カル
ボキシル基含有不飽和単量体(s)+その他の不飽和単
量体(r))の合計量を100重量部としたとき0.0
1〜50重量部、好ましくは0.2〜35重量部配合す
ることが推奨される。配合量が0.01重量部未満の場
合には、塗料の架橋性、塗膜の耐水性、耐候性がやや悪
化する場合がある。また、配合量が50重量部を超える
場合には、塗料の貯蔵安定性が損なわれる傾向にある。
【0036】エポキシ基含有不飽和単量体(q)とカル
ボキシル基含有不飽和単量体(s)は、これらを共重合
する際、エポキシ基含有不飽和単量体(q)の仕込みモ
ル数/カルボキシル基含有不飽和単量体(s)の仕込み
モル数が、0.01/0.99〜0.99/0.01、
好ましくは0.2/0.8〜0.5/0.5となるよう
に配合されることが望ましい。エポキシ基含有不飽和単
量体(q)の仕込み配合量が0.01/0.99未満の
場合には、塗料の架橋性、硬化性がやや悪くなる場合が
ある。また、エポキシ基含有不飽和単量体(q)の仕込
み配合量が0.99/0.01を超える場合には、塗膜
の耐水性と耐溶剤性がやや悪化する場合がある。概ね、
カルボキシル基含有不飽和単量体(s)の仕込みモル数
≧エポキシ基含有不飽和単量体(q)の仕込みモル数で
あることが望ましく、このようにすることで塗料の貯蔵
安定性が改善され、塗膜の耐溶剤性、耐水性、耐薬品性
が向上する。
【0037】さらに、エポキシ基含有不飽和単量体
(q)とカルボキシル基含有不飽和単量体(s)は、ア
クリル系ポリマー(A)を構成する不飽和単量体(エポ
キシ基含有不飽和単量体(q)+カルボキシル基含有不
飽和単量体(s)+その他の不飽和単量体(r))の合
計量を100重量部としたとき、エポキシ基含有不飽和
単量体(q)+カルボキシル基含有不飽和単量体(s)
の合計量が、0.2〜99.8重量部、好ましくは2〜
80重量部となるよう配合されることが望ましい。配合
量が0.2重量部未満の場合には、塗料の硬化性、架橋
性がやや悪化する。また、配合量が99.8重量部を超
える場合には、塗膜外観がやや悪くなり、光沢、鮮鋭性
が低下する。
【0038】一分子中にエポキシ基とアルコキシシラン
基を有するシラン化合物(C)は、アクリル系ポリマー
(A)中に、0.2〜90重量%、好ましくは2〜80
重量%、より好ましくは5〜60重量%配合されること
が推奨される。すなわち、エポキシ基含有不飽和単量体
(q)+カルボキシル基含有不飽和単量体(s)+その
他の不飽和単量体(r)の合計量を100重量部とした
とき、0.2〜90PHR配合されることが推奨され
る。配合量が0.2重量%未満の場合には、配合するこ
とにより改善を期待する塗膜の耐候性と耐溶剤性に顕著
な改善効果が見られない場合がある。また、配合量が9
0重量%を超える場合には、塗料のレベリング性、被塗
物へのヌレ性がやや悪化する。
【0039】アクリル系エマルジョン(B)は、アクリ
ル系ポリマー(A)の存在下に、水酸基含有不飽和単量
体(p)、エポキシ基含有不飽和単量体(q)およびそ
の他の不飽和単量体(r)を乳化共重合することにより
製造することができる。
【0040】本発明で用いられる水酸基含有不飽和単量
体(p)としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒ
ドロキシブチル、ポリエチレングリコールモノアクリレ
ート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポ
リテトラメチレングリコールモノアクリレート、ポリエ
チレングリコールポリテトラメチレングリコールモノア
クリレート、ポリプロピレングリコールポリテトラメチ
レングリコールモノアクリレート、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレン
グリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールモノメタクリレート、ポリテトラメチレングリコー
ルモノメタクリレート、ポリエチレングリコールポリテ
トラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロ
ピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメ
タクリレートなどの一分子中に水酸基と不飽和基を有す
る化合物を例示することができる。該水酸基含有不飽和
単量体(p)は、単独でも、もしくは2種類以上の混合
物であってもよい。
【0041】アクリル系エマルジョン(B)の製造方法
の一例を挙げれば、水(pH5〜7/25℃のイオン交
換水が適切である)を媒体とし、過硫酸カリウムや過硫
酸アンモニウムなどの重合開始剤を使用して、また乳化
剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダやポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテルなどを使用し、重合
温度30〜100℃で、酸素濃度を0〜12容量%に調
整し、アクリル系ポリマー(A)(乳化重合より製造さ
れたものが好ましい)の存在下に、水酸基含有不飽和単
量体(p)、エポキシ基含有不飽和単量体(q)および
その他の不飽和単量体(r)を乳化共重合することによ
り製造することができる。
【0042】この際重合中のpHは、1.0〜8.5、
好ましくは1.8〜5.0、より好ましくは1.8〜
4.0に調整することが推奨され、塗料の貯蔵安定性と
硬化性に優れたエマルジョンが製造される。
【0043】また、乳化剤として、上述の構造式III、
構造式IVまたは構造式Vで示される反応性乳化剤を使用
することが推奨され(ただし、構造式IVと構造式Vで示
される反応性乳化剤を使用する場合にはアンモニア水や
NaOH水溶液などの塩基性化合物で中和した後使用す
ることが望ましい)、塗料の架橋性、耐水性および密着
性が向上する。
【0044】構造式IIIの反応性乳化剤の例としては、
α−スルホ−ω−(1−((ノニルフェノキシ)メチル
−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキ
シ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩などを例
示することができる。該反応性乳化剤は、単独でも、も
しくは2種類以上の混合物であってもよい。また、構造
式IVとVの反応性乳化剤の例としては、2−プロペニル
オキシ−ポリオキシプロピル−アシッドホスフェート、
2−プロペニルオキシ−ポリ(オキシプロピル−オキシ
エチル)−アシッドホスフェートなどを例示することが
できる。該反応性乳化剤は、単独でも、もしくは2種類
以上の混合物であってもよい。
【0045】また、乳化重合中の酸素濃度は、安全上の
立場から厳密に規制されるべきであるが、0〜12容量
%、好ましくは3〜12容量%、より好ましくは5〜8
容量%に調整することが推奨される。このとき、乳化重
合速度、粒子の生成速度の抑制、コントロールがし易く
なり、粒子径分布が均一で、粒子径の小さいエマルジョ
ン粒子を製造し易くなる。
【0046】さらに、アクリル系エマルジョン(B)に
ついては、乳化重合時に一分子中にエポキシ基とアルコ
キシシラン基を有するシラン化合物(C)を存在させる
ことが推奨される。乳化重合時にシラン化合物(C)を
存在させることにより、塗料の架橋性が向上し、塗膜の
耐薬品性、耐溶剤性、耐候性、種々被塗物への密着性を
飛躍的に向上させることができる。特筆すべきは、難接
着性基材とされるアルミニウム合金やマグネシウム合金
等にも、極めて良好な付着性を示すようになることであ
る。
【0047】さらに、アクリル系エマルジョン(B)
は、乳化重合時にビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−
ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8
−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオンな
どのヒンダードアミン化合物を存在させることが推奨さ
れ、塗膜の耐候性が飛躍的に向上する。さらには、ヒン
ダードアミン化合物が、1−[2−〔3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル
オキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチ
ル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−
1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4
−ジオンなどの塩基定数(pKb)が8以上のヒンダー
ドアミン化合物であるとき、エマルジョンの乳化重合安
定性と塗料の貯蔵安定性が改善される傾向にあり推奨さ
れる。
【0048】アクリル系ポリマー(A)は、アクリル系
エマルジョン(B)中に、0.2〜99.8重量%、好
ましくは0.5〜85重量%となるように配合されるこ
とが推奨される。すなわち、水酸基含有不飽和単量体
(p)+エポキシ基含有不飽和単量体(q)+その他の
不飽和単量体(r)に対し、0.2/99.8〜99.
8/0.2となるように配合されることが推奨される。
配合量が0.2重量%未満の場合には、塗膜の耐傷つき
性と耐薬品性がやや悪くなる場合がある。また、アクリ
ル系ポリマー(A)が99.8重量%を超えて配合され
る場合には、塗料の造膜性とレベリング性が悪化し、塗
膜外観がやや悪くなる場合がある。
【0049】シラン化合物(C)は、アクリル系エマル
ジョン(B)を製造する際、水酸基含有不飽和単量体
(p)+エポキシ基含有不飽和単量体(q)+その他の
不飽和単量体(r)に対し、0.2〜300重量%、好
ましくは0.5〜200重量%配合されることが望まし
い。配合量が0.2重量%未満では、塗料の架橋性と基
材への密着性がやや悪化する場合がある。配合量が30
0重量%を超える場合には、塗料の貯蔵安定性がやや悪
くなる。
【0050】ヒンダードアミン化合物は、アクリル系エ
マルジョン(B)を製造する際、水酸基含有不飽和単量
体(p)+エポキシ基含有不飽和単量体(q)+その他
の不飽和単量体(r)に対し、0.02〜20重量%、
好ましくは0.5〜10重量%配合されることが望まし
い。配合量が0.02重量%未満では、塗膜の耐候性が
やや悪化する場合がある。また、配合量が20重量%を
超える場合には、塗料の貯蔵安定性がやや悪くなる。
【0051】さらに、本発明では、側鎖に3級アミノ基
とカルボキシル基を有する水性アクリル樹脂(D)、ま
たは、3級アミノ基を有する化合物(o)、4級アンモ
ニウム塩(E)を、硬化剤、硬化触媒として好適に配合
することができ、これらを配合することにより塗膜の耐
水性、耐溶剤性、耐傷つき性を改善することができる。
また、これらのポリマーと化合物は、単独でも、2種類
以上の混合物であってもよい。
【0052】側鎖に3級アミノ基とカルボキシル基を有
する水性アクリル樹脂(D)は、3級アミノ基含有不飽
和単量体(3級アミノ基を有する化合物(o))、カル
ボキシル基含有不飽和単量体(s)およびその他の不飽
和単量体(r)をラジカル共重合することにより製造す
ることができる。この際、3級アミノ基含有不飽和単量
体(3級アミノ基を有する化合物(o))は0.2〜3
0重量%、また、カルボキシル基含有不飽和単量体
(s)は0.5〜50重量%共重合されることが望まし
い。3級アミノ基含有不飽和単量体(o)の共重合量が
0.2重量%未満の場合には、塗料の低温硬化性がやや
悪くなる場合がある。また、3級アミノ基含有不飽和単
量体(o)の共重合量が30重量%を超える場合には、
耐水性、耐薬品性および耐候性が悪くなる。
【0053】カルボキシル基含有不飽和単量体(s)の
共重合量が0.5重量%未満の場合には、塗料の硬化
性、被塗物への密着性がやや悪くなる。また、カルボキ
シル基含有不飽和単量体(s)の共重合量が50重量%
を超える場合には塗耐水性、耐湿熱性がやや悪化する。
【0054】側鎖に3級アミノ基およびカルボキシル基
を有する水性アクリル樹脂(D)は、例えば、以下に示
す方法により製造することができる。
【0055】(水性)有機溶剤を媒体とする溶液重合の
場合には、重合溶剤として、メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコ
ールモノブチルエーテルあるいはプロピレングリコール
モノメチルエーテルなどの水溶性溶剤(10g/g水、
20℃以上の水溶解性を有するもの)を用い、重合温度
30〜150℃で、α,α−アゾビスイソブチロニトリ
ルや過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエートなどの重合開始剤を用い、3級アミ
ノ基含有不飽和単量体(o)、カルボキシル基含有不飽
和単量体(s)、その他の不飽和単量体(r)をラジカ
ル共重合することにより製造することができる。
【0056】上記の重合は、淡色〜無色透明の水性アク
リル樹脂(D)を得やすく、かつ淡色のエナメル塗料、
クリア塗料が製造しやすくするため、窒素ガス、ヘリウ
ムガスあるいはアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下
で行なうことが望ましい。
【0057】さらに、分子量を調節するために、n−ド
デシルメルカプタンなどのメルカプタン類が重合度調節
剤として使用され得るが、本発明では、2,4−ジフェ
ニル−4−メチル−1−ペンテン(α−メチルスチレン
ダイマー)が好適に使用でき、無色透明で、耐候性と貯
蔵安定性に優れた水性アクリル樹脂(D)を製造するこ
とができる。
【0058】側鎖に3級アミノ基とカルボキシル基を有
する水性アクリル樹脂(D)は、アクリル系エマルジョ
ン(B)100重量部に対し、0.5〜500重量部、
好ましくは2〜50重量部配合されることが望ましい。
側鎖に3級アミノ基とカルボキシル基を有する水性アク
リル樹脂(D)の配合量が0.5重量部未満の場合に
は、塗料の硬化性がやや不足し、塗料の耐水性、耐薬品
性が悪化する傾向にある。また、側鎖に3級アミノ基と
カルボキシル基を有する水性アクリル樹脂(D)の配合
量が500重量部を超える場合には、塗料の貯蔵安定性
と塗膜外観が悪化する傾向にある。
【0059】3級アミノ基を有するる化合物(o)のな
かでは、トリ(2,4,6−ジメチルアミノメチル)フ
ェノールなどの3級アミノ基とフェノール性水酸基を有
する化合物が特に好ましく、塗料の硬化性、架橋性、耐
薬品性、耐水性を向上させる。
【0060】3級アミノ基を有する化合物(o)は、ア
クリル系エマルジョン(B)100重量部に対し、0.
02〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部配合
されることが望ましい。3級アミノ基を有する化合物
(o)の配合量が0.02重量部未満の場合には、塗料
の硬化性が悪化する傾向にある。また、3級アミノ基を
有する化合物(o)の配合量が30重量部を超える場合
には、塗料に着色が見られ、淡色系エナメルやクリア塗
料が製造できなくなる場合がある。
【0061】4級アンモニウム塩(F)としては、トリ
エチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラブチル
アンモニウムブロマイドなどを例示することができる。
4級アンモニウム塩(F)は、単独でも、もしくは2種
類以上の混合物であってもよい。4級アンモニウム塩
(F)は、アクリル系エマルジョン(B)100重量部
に対し、0.02〜30重量部、好ましくは0.5〜2
0重量部配合されることが望ましい。4級アンモニウム
塩(F)の配合量が0.02重量部未満の場合には、塗
料の硬化性が悪化する傾向にある。また、4級アンモニ
ウム塩(F)の配合量が30重量部を超える場合には、
塗料に着色が見られ、淡色系エナメル、クリア塗料が製
造できなくなる場合がある。
【0062】本発明では、必要であれば、さらに酸化チ
タン、カーボンブラック、亜鉛華あるいはアルミニウム
顔料などの顔料類、トルエン、キシレン、酢酸エチル、
酢酸ブチルなどの有機溶剤(非芳香族系のものが本発明
の趣旨からは推奨される)、顔料分散剤、レベリング
剤、消泡剤あるいは沈殿防止剤などの種々塗料添加剤、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−ア
ミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノ
基がメチルイソブチルケトンなどでブロックされたアミ
ノ基含有シラン化合物などのシランカップリング剤(反
応性珪素原子を有するシラン化合物)、トリエチルアミ
ン、ジブチルチンジラウレートなどの硬化触媒、ベンゾ
トリアゾール系、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、
ヒンダードアミン系光安定剤(塩基定数(pKb)が8
以上のものが好ましい)などの耐候剤など、塗料に一般
的に配合するものを配合することができる。
【0063】さらに好ましくは、粒子径が100nm未
満のシリカゾル、アルミナゾルなどの無機微粒子を配合
することが推奨され、塗膜硬度を高め、耐傷つき性を向
上する効果が高い。
【0064】本発明のエマルジョン塗料組成物は、スプ
レー塗装、刷毛塗り、カーテンフローコート、ローラー
コーターなど種々塗装方法を用いて塗装することができ
る。
【0065】また、本発明のエマルジョン塗料組成物
は、建築、建材、家電製品、携帯電話、パソコンなどの
情報家電製品、自動車、船舶、バイク等に施される塗料
全ての分野に適用することが可能である。この際適用で
きる基材(被塗装物)としては、アクリロニトリル−ス
チレン−ブタジエン樹脂(ABS)、ポリカーボネート
(PC)、ナイロン(NY)、ポリエステル(PE
S)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチックおよび
これらのアロイ、カーボン繊維、ガラス繊維などの繊維
強化製品類、あるいはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステ
ル等の熱硬化性プラスチック、マグネシウム、アルミニ
ウム、鉄、トタン、ブリキ等の金属、およびこれらの合
金類、およびこれらが化成処理されたもの、電着塗装さ
れたものなどが例示される。
【0066】以下、実施例により本発明をさらに詳しく
説明する。
【0067】なお、下記する実施例と比較例で得られた
エマルジョン塗料組成物の試験方法と評価は、以下のと
おりに行なうものとする。
【0068】1.密着性 i)イソプロピルアルコールで脱脂したABS板に、塗
料を膜厚が30〜40μmとなるように塗布し、10分
間室温乾燥する。次いで、80℃で30分間焼き付けを
行なう。
【0069】ii)マグネシウム合金(AZ91D(AS
TM))に、塗料を膜厚が30〜40μmとなるように
塗布し、140℃で20分間焼き付けを行なう。
【0070】この塗装板をJIS K 54008.
5.2 碁盤目テープ法により試験を行なう。100/
100を合格とする。
【0071】2.耐水性 密着性と同様にして試験用の塗装板を作製する。この塗
装板を50℃温水中に10日間浸漬した後、塗膜外観
(変褪色、膨れ、剥がれなど)、密着性を評価する。塗
膜外観に変化がなく、密着性が100/100ものを合
格とする。
【0072】3.塗膜硬度 密着性と同様にして試験用の塗装板を作製する。JIS
K 5400 8.4.2 鉛筆引っ掻き値 手かき
法により試験を行なう。鉛筆硬度F以上のものを合格と
する。
【0073】4.塗料の硬化性(耐溶剤性) 密着性と同様にして試験用の塗装板を作成する。ラビン
グ試験用フェルトにエチルアルコールを含ませ、これで
塗膜表面を50回擦り(ラビング)、塗膜の傷つき、剥
がれ、溶解具合を観察する。評価は、次のとおりであ
る。 ○ 塗膜に変化が無く良好。合格。 △ 塗膜が艶引けするが下地は現れず、塗膜が保持され
ている。合格。 × 塗膜が溶解され、下地が現れる。不合格。
【0074】
【実施例】以下に実施例と比較例を説明する。なお、特
に断りがない限り、配合量は重量%を示す。
【0075】(実施例1) i)1L四つ口フラスコに、イオン交換水(PW)16
0.2gを仕込んだ。200mlコニカルビーカーに、
PW32g、「アデカリアソーブSE−10N」(SE
−10N)(α−スルホ−ω−(1−((ノニルフェノ
キシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ
−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウ
ム塩(構造式IIIの反応性乳化剤)、旭電化工業(株)
の製品)2.4g、メタクリル酸メチル(MMA)/
「SIPOMER β−CEA」(β−CEA)(β−
カルボキシエチルアクリレート(構造式Iの不飽和カル
ボン酸)、ローヌ・プーラン(株)の製品)/グリシジ
ルメタクリレート(GMA)(=85/10/5)80
g、「LS−2626」(1−[2−〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、pKb1
4のヒンダードアミン化合物(HALS)、三共(株)
の製品)1.6g、過硫酸アンモニウム(APS)0.
16g、を仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた。
これをフラスコに仕込み、80℃に昇温した。80℃で
2時間重合を行ないアクリル系ポリマー(A−1)を製
造した。アクリル系ポリマー(A−1)の粒子径は55
nm、ゲル分率は80%であった。
【0076】ii)さらにフラスコにPW68.6gを仕
込み、80℃を維持した。空気と酸素の混合ガスを吹き
込み酸素濃度8%に調整した1Lコニカルビーカーに、
PW128g、SE−10N9.6g、MMA/メタク
リル酸n−ブチル(BMA)/アクリル酸n−ブチル
(BA)/GMA/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
(HEMA)(=40/20/20/10/10)32
0g、過硫酸アンモニウム(APS)0.64gを仕込
み、スターラーで攪拌し、乳化させた。これをフラスコ
に3時間で滴下し、滴下終了後さらに1時間重合を続
け、アクリル系エマルジョン(B−1)を製造した。ア
クリル系エマルジョン(B−1)の固形分は50%、p
Hは2.1、粒子径は110nmであった。
【0077】アクリル系エマルジョン(B−1)を25
%アンモニア水でpH8.0/25℃に調節した後、
「CS−12」(2,2,4−トリメチル−1.3−ペ
ンタンジオールモノイソブチレート(造膜助剤)、チッ
ソ石油化学(株)の製品)を10PHR配合し、実施例
1のエマルジョン塗料組成物を製造した。
【0078】(実施例2) i)2L四つ口フラスコに、イオン交換水(PW)21
8.8gを仕込んだ。200mlコニカルビーカーに、
PW32g、SE−10N2.4g、MMA/β−CE
A/GMA(=85/10/5)80g、「SH−60
40」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)の製品)
8g、「LS−2626」1.6g、APS0.16
g、を仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた。これ
をフラスコに仕込み、80℃に昇温した。80℃で2時
間重合を行ないアクリル系ポリマー(A−2)を製造し
た。アクリル系ポリマー(A−2)のは粒子径は55n
m、ゲル分率は98%であった。
【0079】ii)さらにフラスコに、PW93.8gを
仕込み、80℃を維持した。1Lコニカルビーカーに、
PW128g、SE−10N9.6g、MMA/BMA
/BA/GMA/HEMA(=40/20/20/10
/10)320g、「SH−6040」64g、「LS
−2626」2.0g、APS0.64gを仕込み、ス
ターラーで攪拌し、乳化させた。これをフラスコに3時
間で滴下し、滴下終了後さらに1時間重合を続け、アク
リル系エマルジョン(B−2)を製造した。アクリル系
エマルジョン(B−2)の固形分は50%、pHは2.
2、粒子径は105nmであった。
【0080】アクリル系エマルジョン(B−2)を25
%アンモニア水でpH8.0/25℃に調節した後、
「CS−12」を10PHR配合し、実施例2のエマル
ジョン塗料組成物を製造した。
【0081】(実施例3) i)2L四つ口フラスコに、イオン交換水(PW)21
8.8gを仕込んだ。空気と酸素の混合ガスを吹き込
み、フラスコ内の酸素濃度を8%に調節した。200m
lコニカルビーカーに、PW32g、SE−10N4.
0g、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート
(3FE)/β−CEA/GMA(=85/10/5)
80g、「SH−6040」8g、「LS−2626」
1.6g、APS0.16g、を仕込み、スターラーで
攪拌し、乳化させた。これをフラスコに仕込み、80℃
に昇温した。80℃で2時間重合を行ないアクリル系ポ
リマー(A−3)を製造した。アクリル系ポリマー(A
−3)のは粒子径は48nm、ゲル分率は100%であ
った。
【0082】ii)さらにフラスコに、PW93.8gを
仕込み、80℃を維持した。空気と酸素の混合ガスを吹
き込み酸素濃度8%に調整した1Lコニカルビーカー
に、PW128g、SE−10N12.0g、MMA/
BMA/BA/GMA/HEMA(=40/20/20
/10/10)320g、「SH−6040」64g、
「LS−2626」2.0g、APS0.64gを仕込
み、スターラーで攪拌し、乳化させた。これをフラスコ
に3時間で滴下し、滴下終了後さらに1時間重合を続
け、アクリル系エマルジョン(B−3)を製造した。ア
クリル系エマルジョン(B−3)の固形分は50%、p
Hは2.2、粒子径は86nmであった。
【0083】アクリル系エマルジョン(B−3)を25
%アンモニア水でpH8.0/25℃に調節した後、
「CS−12」を10PHR配合し、実施例3のエマル
ジョン塗料組成物を製造した。
【0084】(実施例4) i)2L四つ口フラスコに、イオン交換水(PW)21
8.8gを仕込んだ。空気、酸素の混合ガスを吹き込
み、フラスコ内の酸素濃度を8%に調節した。200m
lコニカルビーカーに、PW32g、SE−10N2.
4g、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)/β
−CEA/GMA(=85/10/5)80g、「SH
−6040」8g、「LS−2626」1.6g、AP
S0.16g、を仕込み、スターラーで攪拌し、乳化さ
せた。これをフラスコに仕込み、80℃に昇温した。8
0℃で2時間重合を行ないアクリル系ポリマー(A−
4)を製造した。アクリル系ポリマー(A−4)の粒子
径は55nm、ゲル分率は98%であった。
【0085】ii)さらにフラスコに、PW93.8gを
仕込み、80℃を維持した。空気と酸素の混合ガスを吹
き込み酸素濃度8%に調整した1Lコニカルビーカー
に、PW128g、SE−10N9.6g、MMA/B
MA/BA/GMA/HEMA(=40/20/20/
10/10)320g、「SH−6040」64g、
「LS−2626」2.0g、APS0.64gを仕込
み、スターラーで攪拌し、乳化させた。これをフラスコ
に3時間で滴下し、滴下終了後さらに1時間重合を続
け、アクリル系エマルジョン(B−4)を製造した。ア
クリル系エマルジョン(B−4)の固形分は50%、p
Hは2.2、粒子径は88nmであった。
【0086】アクリル系エマルジョン(B−4)をアン
モニア水でpH8.0/25℃に調節した後、「CS−
12」を10PHR配合し、実施例4のエマルジョン塗
料組成物を製造した。
【0087】(実施例5) i)2L四つ口フラスコに、イオン交換水(PW)21
8.8gを仕込んだ。空気と酸素の混合ガスを吹き込
み、フラスコ内の酸素濃度を8%に調節した。200m
lコニカルビーカーに、PW32g、「アデカリアソー
プPP−70」(構造式IVの反応性乳化剤、旭電化工業
(株)の製品)2.4g、CHMA/β−CEA/GM
A(=85/10/5)80g、「SH−6040」8
g、「LS−2626」1.6g、APS0.16g、
を仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた。これをフ
ラスコに仕込み、80℃に昇温した。80℃で2時間重
合を行ないアクリル系ポリマー(A−5)を製造した。
アクリル系ポリマー(A−5)の粒子径は55nm、ゲ
ル分率は98%であった。
【0088】ii)さらにフラスコに、PW93.8gを
仕込み、80℃を維持した。空気と酸素の混合ガスを吹
き込み酸素濃度8%に調整した1Lコニカルビーカー
に、PW128g、「アデカリアソープPP−70」
9.6g、MMA/BMA/BA/GMA/HEMA
(=40/20/20/10/10)320g、「SH
−6040」64g、「LS−2626」2.0g、A
PS0.64gを仕込み、スターラーで攪拌し、乳化さ
せた。これをフラスコに3時間で滴下し、滴下終了後さ
らに1時間重合を続け、アクリル系エマルジョン(B−
5)を製造した。アクリル系エマルジョン(B−5)は
固形分50%、pH2.2、粒子径88nmであった。
【0089】アクリル系エマルジョン(B−5)をアン
モニア水でpH8.0/25℃に調節した後、「CS−
12」を10PHR配合し、実施例5のエマルジョン塗
料組成物を製造した。
【0090】(実施例6)アクリル系エマルジョン(B
−4)を25%アンモニア水でpH8.0/25℃に調
節した後、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミ
ノメチル)フェノール(TAP)(3級アミノ基を有す
る化合物)を固形分に対し2%配合し、さらに「CS−
12」を10PHR配合して、実施例6のエマルジョン
塗料組成物を製造した。
【0091】(比較例1) i)1L四つ口フラスコに、イオン交換水(PW)21
3.6gを仕込んだ。空気と酸素の混合ガスを吹き込み
酸素濃度8%に調整した200mlコニカルビーカー
に、PW32g、SE−10N2.4g、MMA/BM
A/β−CEA/GMA(=55/30/5/10)4
0g、「SH−6040」40g、APS0.16gを
仕込み、スターラーで攪拌し、乳化させた。これをフラ
スコに仕込み、80℃に昇温する。80℃で2時間重合
を行ないアクリル系ポリマー(A−6)を製造した。ア
クリル系ポリマー(A−6)の粒子径は52nm、ゲル
分率は92%であった。 ii)さらにフラスコにPW1
41.8gを仕込み、80℃を維持する。空気、酸素の
混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調整した1Lコニカ
ルビーカーにPW128g、SE−10N9.6g、M
MA/BMA/BA/HEMA(=50/20/20/
10)320g、APS0.64gを仕込み、スターラ
ーで攪拌し、乳化する。これをフラスコに3時間で滴下
し、滴下終了後さらに1時間重合を続け、アクリル系エ
マルジョン(B−6)を製造した。アクリル系エマルジ
ョン(B−6)は固形分50%、pH2.1、粒子径8
6nmであった。
【0092】アクリル系エマルジョン(B−6)に25
%アンモニア水を添加し、pHが8.0(25℃)にな
るように調整した後、「CS−12」を10PHR配合
し、比較例1のエマルジョン塗料組成物を製造した。
【0093】(比較例2) i)1L四つ口フラスコに、PW228.5gを仕込ん
だ。空気と酸素の混合ガスを吹き込み酸素濃度8%に調
整した200mlコニカルビーカーに、PW160g、
SE−10N10.8g、MMA/BMA/β−CEA
/GMA(=55/30/5/10)360g、「SH
−6040」40g、APS0.72gを仕込み、スタ
ーラーで攪拌し、乳化させた。
【0094】ii)乳化液の56gをフラスコに仕込み、
80℃に昇温、80℃で30分間重合を行なった。
【0095】iii)残りの乳化液を3時間でフラスコ内
に滴下し、滴下終了後さらに1時間80℃で重合を行な
った。
【0096】このエマルジョンの固形分は50%、pH
は2.2(25℃)、ゲル分率は80%であった。
【0097】iv)室温まで冷却した後、25%アンモニ
ア水を加えpHを8.0(25℃)に調整し、さらに
「CS−12」を10PHR配合して比較例2のエマル
ジョン塗料組成物を製造した。
【0098】上記の各実施例および各比較例の各エマル
ジョン塗料組成物を用い実施した塗料の試験結果を、表
1に示した。
【0099】
【表1】
【0100】
【発明の効果】本発明のエマルジョン塗料組成物は、数
々の優れてバランスのとれた性能を有する。ことさら、
従来エマルジョン塗料組成物では達成困難であった塗料
の耐水性と耐溶剤性において、顕著な性能を発揮する。
さらにまた、難接着性とされているマグネシウム合金お
よびアルミニウム合金などの非鉄金属に対し、良好な密
着性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CP031 CP071 DL151 GA03 GA06 GA07 GA13 JC01 JC23 JC34 KA03 KA09 MA08 MA10 MA14 NA03 NA04 NA12 PB05 PB07 PB09 PC01 PC02 PC03 PC08 PC10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3級アミノ基を有する化合物(o)が配
    合および/または共重合されたアクリル系ポリマー
    (A)の存在下に、水酸基含有不飽和単量体(p)、エ
    ポキシ基含有不飽和単量体(q)およびその他の不飽和
    単量体(r)を乳化重合してなるアクリル系エマルジョ
    ン(B)が配合されてなることを特徴とするエマルジョ
    ン塗料組成物。
  2. 【請求項2】 3級アミノ基を有する化合物(o)が、
    ヒンダードアミン系光安定剤(o−1)であることを特
    徴とする請求項1記載のエマルジョン塗料組成物。
  3. 【請求項3】 アクリル系ポリマー(A)が、エポキシ
    基含有不飽和単量体(q)、カルボキシル基含有不飽和
    単量体(s)およびその他の不飽和単量体(r)を乳化
    重合してなる、粒子径が200nm以下のアクリル系ポ
    リマー(A−1)であることを特徴とする請求項1また
    は2記載のエマルジョン塗料組成物。
  4. 【請求項4】 アクリル系ポリマー(A)が、一分子中
    にエポキシ基とアルコキシシラン基を有するシラン化合
    物(C)の存在下に、エポキシ基含有不飽和単量体
    (q)、カルボキシル基含有不飽和単量体(s)および
    その他の不飽和単量体(r)を乳化重合してなる、粒子
    径が200nm以下のアクリル系ポリマー(A−2)で
    あることを特徴とする請求項1または2記載のエマルジ
    ョン塗料組成物。
  5. 【請求項5】 カルボキシル基含有不飽和単量体(s)
    が、下記構造式Iまたは下記構造式IIで示される不飽和
    カルボン酸の少なくとも一種を含むものである請求項3
    または4記載のエマルジョン塗料組成物。 【化1】 【化2】
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のエマル
    ジョン塗料組成物を含む塗膜が形成されたマグネシウム
    合金成形物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載のエマル
    ジョン塗料組成物を含む塗膜が形成されたプラスチック
    成形物。
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