JP2001220536A - 塗料用組成物 - Google Patents

塗料用組成物

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JP2001220536A JP2000153313A JP2000153313A JP2001220536A JP 2001220536 A JP2001220536 A JP 2001220536A JP 2000153313 A JP2000153313 A JP 2000153313A JP 2000153313 A JP2000153313 A JP 2000153313A JP 2001220536 A JP2001220536 A JP 2001220536A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性及び塗膜光沢に優れた硬化可能な塗料
用組成物を提供する。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキ
シアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル並び
に不飽和二重結合及びマレイミド基を有する単量体の共
重合体を有効成分とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性および塗膜
光沢に優れた、水酸基含有アクリル共重合体からなる塗
料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メンテナンスフリーの見地から、
高耐久性の材料が求められるようになり、塗料用樹脂に
ついても高耐候性が要求されるようになってきた。現
在、耐候性に優れた塗料用樹脂としては、フルオロオレ
フィン−ビニルエーテル系共重合体からなるフッ素樹脂
やアクリルシリコン樹脂が知られているが、該フッ素樹
脂はリコート性や塗膜光沢が不十分であり、また、アク
リルシリコン樹脂は硬化時に湿気が必要であるため、冬
場の乾燥時には硬化不十分になったり、加熱だけでは硬
化しないといった欠点がある。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、常
温または加熱硬化が可能であり、硬化時に外部環境の影
響を受け難く、塗膜光沢に優れ、かつ高耐候性の塗膜が
得られる塗料用樹脂を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸エ
ステル単量体単位、ヒドロキシアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸エステル単量体単位、ならびに不飽和二
重結合および特定なイミド基を有する単量体単位を必須
成分とする水酸基含有アクリル共重合体からなる塗料用
組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を
完成するに到った。すなわち、本発明は、直鎖状、分岐
状または環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エ
ステル単量体単位、ヒドロキシアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸エステル単量体単位、ならびに不飽和二
重結合およびマレイミド基を有する単量体単位を必須構
成単位とする水酸基含有アクリル共重合体からなる塗料
用組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。本発明における(メタ)アクリル酸エステル
は、直鎖状、分岐状または環状アルキル基を有するもの
で、アルキル基にフェニル基、酸素原子、窒素原子、硫
黄原子およびハロゲン原子などを含んでも良い。直鎖状
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとして
は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アク
リル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリ
デシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル
酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等が挙げら
れる。該単量体はアルキル基中に芳香環、酸素原子、窒
素原子、イオウ原子、ハロゲン原子等を有しているもの
であってもよく、かかる単量体としては、(メタ)アク
リル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アク
リル酸エチルカルビトール、(メタ)アクリル酸エトキ
シポリエチレングリコール400、(メタ)アクリル酸
アミノエチル、(メタ)アクリル酸クロロエチル、(メ
タ)アクリル酸トリフルオロエチルおよび(メタ)アク
リル酸ヘプタデカフルオロオクチルエチルなどが例示さ
れる。
【0006】また、分岐状アルキル基を有する(メタ)
アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸イソ
プロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メ
タ)アクリル酸イソステアリル等が挙げられる。該単量
体はアルキル基中に芳香環、酸素原子、窒素原子、イオ
ウ原子、ハロゲン原子等を有しているものであってもよ
く、かかる単量体としては、(メタ)アクリル酸3−メ
トキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリプロピ
レングリコールおよび(メタ)アクリル酸ヘキサフルオ
ロプロピルなどが例示される。
【0007】さらに、環状アルキル基を有する(メタ)
アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メ
タ)アクリル酸トリシクロデシニル等が挙げられる。該
単量体はアルキル基中に芳香環、酸素原子、窒素原子、
イオウ原子、ハロゲン原子等を有しているものであって
もよく、かかる単量体としては、(メタ)アクリル酸テ
トラヒドロフルフリルおよび(メタ)アクリル酸モルホ
リノエチルなどが例示される。これらの(メタ)アクリ
ル酸エステルは、単独または数種類混合して使用するこ
とができる。
【0008】上記で例示した(メタ)アクリル酸エステ
ルの中でも、得られる塗膜の硬度、耐候性の点から炭素
数が1〜20のアルキル基を有する単量体が好ましい。
特に塗膜の硬度を重視する場合は、炭素数が1〜7のア
ルキル基を有する単量体が好ましい。かかる単量体とし
ては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルおよび
(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが例示される。
【0009】後述するリフティング防止を特に重視する
場合は、炭素数が8〜20のアルキル基を有する単量体
を使用することが好ましい。かかる単量体としては、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)
アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸セチ
ル、(メタ)アクリル酸パルミトイル、(メタ)アクリ
ル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メ
タ)アクリル酸オクタデカノイル、(メタ)アクリル酸
オレイル、(メタ)アクリル酸イコサノイル、(メタ)
アクリル酸イソボルニルなどが挙げられる。
【0010】ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシクロロプロピルおよびダイセル
化学(株)製の商品名「プラクセルF」シリーズ(ラク
トン変性ヒドロキシエチル変性(メタ)アクリル酸エス
テル)などが例示される。これらの中でも、イソシアネ
ートやメラミンなどの硬化剤と反応しやすいことから、
一級の水酸基を有する単量体が好ましい。かかる単量体
としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシブチルおよび上記市販品であ
る「プラクセルF」が例示される。
【0011】不飽和二重結合およびマレイミド基を有す
る単量体としては、他の単量体との共重合性に優れてい
る点で、下記式(1)におけるR1およびR2がいずれも
炭素数4以下のアルキル基、どちらか一方が水素原子で
他方が炭素数4以下のアルキル基、または一つになって
5もしくは6員環を形成する炭化水素基である単量体が
好ましい。また、製造が容易である点より、下記式
(2)で表されるマレイミド(メタ)アクリレートがよ
り好ましく、更に得られる塗膜の硬度と加工性のバラン
スが良いの観点から、下記式(3)で表されるテトラヒ
ドロフタルイミド(メタ)アクリレート単量体が好まし
い。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R1およびR2はそれぞれ独立した
水素原子もしくは炭素数4以下のアルキル基、どちらか
一方が水素原子で他方が炭素数4以下のアルキル基、ま
たはR 1とR2は一つとなって5もしくは6員環を形成す
る炭化水素基を示す。R3 は分岐していてもよいアルキ
レン基を示し、R4は水素原子またはメチル基を示し、
nは1〜6の整数を示す)
【0015】
【化5】
【0016】(式中、Rは水素原子またはメチル基を表
す。)
【0017】さらに、水酸基含有アクリル共重合体に
は、その特性を損なわない範囲で、その他の共重合可能
な単量体単位を含むことができる。かかる単量体として
は、水酸基以外の官能基を有する単量体と官能基を有し
ない単量体とに分けることができる。水酸基以外の官能
基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸およびクロ
トン酸などのカルボン酸含有単量体、(メタ)アクリル
酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル
ビニルエーテルなどのエポキシ基含有単量体、(メタ)
アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アク
リル酸トリエトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル
酸メチルジメトキシシリルプロピルおよびビニルトリメ
トキシシランなどのアルコキシシリル基含有単量体など
が例示される。
【0018】官能基を有しない単量体としては、エチレ
ン、プロピレンおよびイソブチレンなどのα−オレフィ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルおよび
フッ化ビニリデンなどの部分ハロゲン化オレフィン、酢
酸アリル、酪酸アリル等のアリル化合物、クロトン酸エ
チル、クロトン酸プロピル等のクロトン酸エステル類、
エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル
等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニルなどのカルボン酸ビニル類、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの
スチレン類、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタ
クリルアミド等が例示される。これら単量体は、2種類
以上併用しても良い。
【0019】前記水酸基含有アクリル共重合体(以下、
単に共重合体ともいう。)としては、(a)直鎖状、分
岐状または環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸
エステル単量体単位、(b)ヒドロキシアルキル基を有
する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、(c)不
飽和二重結合およびマレイミド基を有する単量体単位、
および(d)その他単量体単位の割合が(a):20〜
80重量%、(b):3〜30重量%、(c):1〜4
0重量%および(d):0〜40重量%であるものが好
ましい。(a)が20重量%未満であると、塗膜の溶剤
溶解性や成膜性が低下し、80重量%を越えると硬化性
が低下する。(b)が3重量%未満であると硬化性が低
下し、30重量%を越えると塗膜の加工性が低下する。
また、(c)が1重量%未満であると塗膜光沢や耐候性
が向上せず、40重量%を越えると塗料の安定性が低下
する。さらに、(d)は、該ポリマーの特性を損なわな
い範囲で使用することができるが、40重量%を越える
と塗料の安定性が低下する。各構成単量体単位の特に好
ましい割合は、(a):50〜70重量%、(b):5
〜25重量%、(c):5〜25重量%、(d):0〜
30重量%である。共重合体の構成単量体単位の5〜5
0重量%が、アルキル基炭素数8〜20の(メタ)アク
リル酸エステル単位である場合は、塗料用組成物がリフ
ティングを起こしにくいものとなるために好ましい。リ
フティングとは、既に存在する旧塗膜表面に塗料を塗布
するときに、旧塗膜が膨れたり剥がれたりする現象のこ
とを指し、塗膜の欠陥の原因となるものである。アルキ
ル基の炭素数が8〜20の(メタ)アクリル酸エステル
単位が50重量%を越える場合は得られる塗膜が柔らか
くなりすぎて好ましくないこともある。
【0020】共重合体の平均分子量は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算の
数平均分子量で1,000〜1,000,000であることが好まし
い。なお、有機溶液可溶型の塗料用ポリマーとして使用
する場合は、数平均分子量で3,000〜30,000であること
が特に好ましく、水性媒体に乳化・懸濁して使用する場
合は、数平均分子量で10,000〜500,000であることが特
に好ましい。
【0021】共重合体のガラス転移点(以下、Tgとい
う)は5℃〜80℃の範囲が好適である。5℃未満では
塗膜の耐汚染性が低下し、また、80℃を超えると塗膜
の加工性が低下する。
【0022】前記共重合体は、ラジカル重合開始剤の存
在下、前記(a)〜(d)単量体をラジカル重合させる
方法で製造できる。重合方法としては、塊状重合、水性
媒体中での懸濁重合または乳化重合、有機溶剤中での溶
液重合などの方法が採用可能である。ラジカル重合開始
剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、tert−ブチルパーオキシピバレート、ベンゾイルパ
ーオキサイドおよびラウロイルパーオキサイド等の過酸
化物、またはアゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビ
スイソバレロニトリル等のアゾ化合物、過硫酸アンモニ
ウムおよび過硫酸カリウム等の無機過酸化物が使用で
き、その使用量は全単量体量に対し0.0001〜10
重量%で使用することが好ましい。乳化重合における乳
化剤としては、アニオン型、ノニオン型、およびその併
用が好ましく、高級アルコール硫酸エステルナトリウム
塩およびポリエチレングリコールアルキルエーテル等が
例示され、反応性乳化剤としてラテムル(商品名、花王
(株)製)、エレミノール(商品名、三洋化成(株)
製)、アクアロン(商品名、第一工業製薬(株)製)、
アデカリアソープ(商品名、旭電化工業(株)製)等を
使用しても良い。その使用量は全単量体量100重量部
に対して0.1〜50重量部の範囲であることが好まし
い。
【0023】溶液重合における有機溶媒としては、テト
ラヒドロフランおよびジオキサン等の環状エーテル類;
n−ヘキサンおよびシクロヘキサン等の炭化水素類;ベ
ンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素化
合物;酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類;ア
セトン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノン等
のケトン類;エタノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノールおよびn−ブチルセロソルブ等のアルコール類等
が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いること
ができる。有機溶剤の使用量は全単量体量100重量部
に対して20〜200部の範囲であることが好ましい。
必要によりラウリルメルカプタンなどの連鎖移動剤を加
えても良い。塗料用組成物が有機溶剤を含有するもので
ある場合は、該有機溶剤を反応溶媒として使用する溶液
重合が、組成物を生産性よく得られるために好ましい。
【0024】重合条件としては、特に限定されないが、
好ましい重合温度は20〜140℃あり、通常は常圧で
行われる。好ましい重合時間は3〜40時間である。重
合に使用する単量体は、その全量を初期にバッチ仕込み
してもよいし、重合の進行と共に一部の単量体を逐次添
加してもよい。また必要によりPH調整剤として、炭酸
カリウム、炭酸水素ナトリウム、ハイドロタルサイトお
よび陰イオン交換樹脂等を加えてもよい。
【0025】本発明における塗料用組成物は、上記共重
合体に必要に応じて塗料で一般的に使用される各種添加
物を混合して製造される。塗料用組成物が有機溶剤をも
必須成分として含有するものである場合は、組成物が成
膜性のよいものとなり、塗膜が光沢のよいものとなりや
すいために好ましい。有機溶剤の具体例としては、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物;
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン類;n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデ
カン等の飽和炭化水素化合物;ナフサNo5やナフサN
o6(エクソン化学(株)製)、LAWSやHAWS
(シェル化学(株)製)等のミネラルスピリット類が例
示される。
【0026】有機溶剤が環状エーテル類、芳香族炭化水
素化合物、エステル類及びケトン類からなる群から選ば
れたものである場合は、塗料用組成物が特に保存安定性
の良好なものとなり、固形分濃度の高いものとすること
ができるために好ましい。有機溶剤が飽和炭化水素を4
0重量%以上含有するものである場合は、塗料用組成物
がリフティングを起こしにくいものとなるために好まし
い。飽和炭化水素を50重量%以上含有するものはより
好ましい。
【0027】また、有機溶剤は沸点が60℃以上のもの
を使用することが好ましい。沸点が60℃未満の有機溶
剤を使用すると、塗料にした場合、乾燥が早すぎ造膜性
に劣る場合がある。共重合体と有機溶剤の比率は、2
5:75〜75:25(重量比)であることが好まし
い。また、共重合体を水媒体に乳化またはミクロ懸濁さ
せて、水系塗料として使用することもできる。その際、
エタノール、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、
ソルフィットアセテート(クラレ(株)製)、テキサノ
ールCS12(チッソ(株)製)などの水溶性有機溶剤
を加えても良い。この場合、共重合体と水媒体の比率
は、30:70〜60:40(重量比)であることが好
ましい。
【0028】塗料用組成物が、水酸基と反応する硬化剤
をも必須成分として含有するものである場合は、得られ
る塗膜が硬度、耐溶剤性、耐久性等の特に優れたものと
なるために好ましい。水酸基と反応する硬化剤として
は、多価イソシアネート化合物およびアミノプラスト化
合物が挙げられる。
【0029】多価イソシアネート化合物としては、テト
ラメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート
などの脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシア
ネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類;
イソホロンジイソシアネート、4−4’−メチレンビス
(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキ
サン−2,4−ジイソシアネート等の脂環式ジイソシア
ネート類等のジイソシアネート化合物、およびその二量
体、三量体、および、これらのジイソシアネート化合物
に水や多価アルコールを反応させて得られるアダクト
体、ビューレット体等が挙げられる。これらの化合物中
のイソシアネート基が他の基で保護されているブロック
イソシアネート等も含まれる。アミノプラスト化合物の
具体例としては、メチル化メラミン、ブチル化メラミン
等のメラミン、尿素樹脂、ベンゾグアナミンなどが挙げ
られる。
【0030】水酸基と反応する硬化剤の使用量は多価イ
ソシアネート化合物の場合には、水酸基含有共重合体の
水酸基と硬化剤中のNCOのモル数がNCO/OH=
0.2/1.0〜2.0/1.0の範囲で使用するのが
好ましく、さらに好ましい範囲は0.5/1.0〜1.
5/1.0である。アミノプラスト化合物の場合には水
酸基含有共重合体と硬化剤の重量比が共重合体/硬化剤
=3/1〜10/1の範囲で使用することが好ましい。
【0031】上記硬化剤と共に、ジブチル錫ジラウレー
ト、p-トルエンスルホン酸のごとき硬化促進剤を併用し
ても良い。
【0032】また、塗料用組成物が、アルコキシシラン
の加水分解縮合物をも必須成分として含有するものであ
る場合は、得られる塗膜が耐汚染性の優れたものとなる
ために好ましい。アルコキシシランの加水分解縮合物
は、加水分解性のアルコキシ基を1分子中に2個以上有
するアルコキシシランの加水分解縮合物であり、縮合度
は2〜10程度であるものが共重合体との相溶性が良好
で、耐汚染性向上の効果が優れるために好ましい。かか
る化合物としては例えば、コルコート社からES40
(テトラエトキシシランの平均約5量体の縮合物)、M
S51(テトラメトキシシランの平均約4量体の縮合
物)等として市販されているものを用いることができ
る。また、特開平8−176304号公報、特開平8−
113755号公報、特開平9−31399号公報に記
載の方法で合成したものを使用することもできる。アル
コキシシランの加水分解縮合物の配合割合は共重合体1
00重量部あたりアルコキシシランの加水分解縮合溶液
の固形分で2〜100重量部であり、好ましくは5〜8
0重量部である。アルコキシシラン縮合物の割合が2重
量部以下では耐汚染性は向上せず、100重量部を越え
ると形成させる塗膜が脆くなる場合がある。
【0033】本発明の塗料用組成物は、必要に応じて顔
料、紫外線吸収剤、光安定剤、流動調整剤、レベリング
剤、スリップ剤、分散剤、色分かれ防止剤、酸化防止剤
や、シランカップリング剤等が添加されたものであって
もよい。顔料としては例えば、酸化チタン、べんがら、
焼成顔料、パール顔料等の無機顔料、フタロシアニンブ
ルー、キナクリドンレッド、イソインドリノン、カーボ
ンブラック等の有機顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム等の体質顔料、アルミフレーク、ステンレスフレーク
等のメタリック顔料が挙げられる。また、艶消し剤とし
て、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、
シリカ系艶消し剤を添加することもできる。紫外線吸収
剤はベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化
合物、蓚酸アニリド系化合物等の有機系紫外線吸収剤、
超微粒子酸化チタン、酸化セリウム等の無機系紫外線吸
収剤が使用できる。シランカップリング剤としては、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−
(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ
シラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランの他、
通常の塗料添加剤として使用できるものが使用可能であ
る。
【0034】本発明のおける塗料用組成物は、鋼板、ス
テンレス、アルミ、コンクリート、モルタル、プラスチ
ックおよび木材等の基材に、スプレー、はけ、ロール、
バーコーター等により塗装できる。
【0035】本発明の塗料用組成物は、塗膜の補修にも
使用できるものである。補修対象となる旧塗膜、すなわ
ち下地となる塗膜の塗料の具体例としては、アクリル樹
脂塗料、アルキッド樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、エポ
キシ樹脂塗料、アクリルシリコン塗料、ビニル樹脂塗
料、フェノール樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、フッ
素樹脂塗料、メラミン樹脂塗料等の熱硬化型もしくは熱
溶融型塗料、あるいは、アクリル樹脂塗料、アルキッド
樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、塩化
ゴム塗料、繊維素誘導体系塗料、フッ素樹脂塗料、油性
塗料、ビニル樹脂塗料等の常温乾燥型塗料等があげられ
る。
【0036】塗膜の補修に使用する塗料用組成物は、該
組成物が有機溶剤を含有するものであり、該有機溶剤が
飽和炭化水素を40重量%以上含有するもの、特に50
重量%以上含有するものが、リフティングを起こしにく
く、塗膜の仕上がりが良好なものとなるために好まし
い。
【0037】塗膜の補修に使用する塗料用組成物は、該
組成物中の水酸基含有共重合体の構成単量体単位の5〜
50重量%が、アルキル基炭素数8〜20の(メタ)ア
クリル酸エステル単位である場合は、リフティングを起
こしにくいものとなるために好ましい。
【0038】旧塗膜の補修方法としては、旧塗膜にフク
レ、チョーキングが発生している場合、あるいは汚染物
質が付着している場合には、あらかじめサンドペーパ
ー、、ブラシ等により研磨処理するか、高圧水洗した
後、本発明の塗料用組成物の塗装を行うことが好まし
い。塗装は、刷け、スプレー、またはローラー等を用い
て行うことができる。塗装は前処理した旧塗膜に本発明
の塗料用組成物を塗装する方法、または、旧塗膜の塗料
に応じて、各種樹脂からなる塗料をプライマーとして塗
装、乾燥させた後に本発明の塗料用組成物を塗装する方
法により行うことができる。この場合、プライマーと本
発明の塗料用組成物の塗装間隔は半日〜1週間であるこ
とが好ましい。本発明の塗料用組成物、プライマーの膜
厚は、それぞれ1〜100μmであることが好ましい。
以下、実施例を挙げて、具体的に説明する。
【0039】
【実施例】製造例1 攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管を付設した2
Lフラスコに、有機溶剤として酢酸ブチル900g、単
量体としてメタクリル酸メチル(以下、MMAという)
220g、メタクリル酸ブチル(以下、BMAという)
44g、アクリル酸ブチル(以下、BAという)87
g、メタクリル酸ヒドロキシエチル(以下、HEMAと
いう)58g、下記式(4)で表される単量体(以下、
THPIという)87g、メタクリル酸(以下、MAA
という)5gを仕込み、十分窒素置換をおこなった後、
75℃まで昇温した。フラスコの内温が75℃に到達し
た時点で、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIB
Nという)5gを酢酸ブチル100gに溶解した開始剤
溶液を滴下し、重合を開始した。その後3時間に渡り、
MMA220g、BMA44g、BA87g、HEMA
58g、THPI87gおよびMAA5gにAIBN5
gを溶解させた単量体混合物を添加した。その後、温度
を85℃に昇温して2時間重合をおこない、更に90℃
で2時間重合させた。
【0040】
【化6】
【0041】上記で得られた重合溶液を多量のメタノー
ルに沈殿し、999g(重合率99.7%)の重合体を
得た。得られた重合体の水酸基価は50(mgKOH/
ポリマーg)、酸価は6.5(mgKOH/ポリマー
g)であり、1H−NMRおよび13C−NMR分析によ
り、MMA/BMA/BA/HEMA/THPI/MA
A=44/9/17/12/17/1(重量%)である
ことを確認した。該重合体のDSCによるガラス転移温
度(Tg)は56℃であり、GPCによる数平均分子量
は18,300であった。該重合体を固形分55%にな
るようにキシレン/酢酸ブチル=50/50(重量比)
に溶解すると、無色透明な溶液が得られた。
【0042】製造例2〜5 単量体を下記のとおり変更した以外は、実施例1と同様
に反応を行ない、その結果を下記表1に示した。下記の
略号St及びCHMAはそれぞれスチレン及びメタクリ
ル酸シクロヘキシルを意味する。 単量体組成(重量%) 製造例2:MMA/BMA/BA/HEMA/THPI/MAA =48/17.5/17.5/12/4/1 製造例3:MMA/BMA/BA/HEMA/THPI/MAA =35/9/17/12/26/1 製造例4: MMA/BMA/HEMA/THPI/St =22/31/12/17.5/17.5 製造例5: CHMA/BMA/HEMA/THPI =20/39/24/17
【0043】
【表1】
【0044】比較製造例1〜3 下記に示す単量体(いずれもTHPIを含まない)を使
用した以外は、製造例1と同様な方法で共重合体を合成
した。その結果を表2に示す。 単量体組成(重量%) 比較製造例1:MMA/BMA/BA/HEMA/MAA =44/26/17/12/1 比較製造例2:MMA/BMA/HEMA/MAA/St =26/44/12/1/17 比較製造例3:CHMA/BMA/HEMA=25/51/24
【0045】
【表2】
【0046】実施例1 製造例1で得られた共重合体溶液100部にキシレンと
MIBKの重量比1/1からなる溶液を67.5部、タ
イペークCR−95(石原産業(株)製酸化チタン)4
5部およびガラスビーズ150部を加えペイントコンデ
ィショナーで分散した。濾布でガラスビーズを除いた
後、硬化剤としてコロネートHX(日本ポリウレタン
(株)製イソシアネート)を水酸基価/NCO価=1.
0になるように10部、硬化促進剤として、ジブチル錫
ジラウレートの0.1wt%キシレン溶液を4.0部加
え、塗料用組成物に調製した。この塗料用組成物を、厚
さ0.6mmのクロメート処理アルミニウム板上に乾燥後
の膜厚が40μになるように塗布し、常温で一週間乾燥
した。得られた塗膜を以下の方法で試験した。 1)60度光沢:JIS−K5400に記載の方法で測
定した。 2)鉛筆硬度:JIS−K5400に記載の方法で測定
した。 3)碁盤目剥離:1cm2 四角に100個の切込みを入
れ、セロハンテープで剥離したときの残率を示した。 4)T折曲げ試験:同じ板を間にはさみ、バイスで折曲
げ、折曲げ部の亀裂のない枚数(T)で示した。 5)耐衝撃性(デュポン衝撃試験):JIS−K540
0に記載の方法で、500g・1/2インチのおもりを
使用して試験した。 6)耐候性:QUV(Qパネル社製蛍光紫外線耐候性試
験機)を用いて、連続照射し、各8時間のうち、4時間
塗面裏側からイオン交換水をスプレーした。3000時
間試験後の60度光沢保持率(%)を示した。 その結果、60度光沢は85、硬度はH/5H(傷/破
れ)、碁盤目剥離は100/100、T折曲げ試験は3
T、デュポン衝撃は50cm、耐候性は80%であっ
た。
【0047】実施例2〜4および比較例1〜2 製造例2〜4および比較製造例1〜2で得られた共重合
体を用い、実施例1と同様に塗料用組成物を調製し、該
組成物を用いて塗装板を作製し、実施例1と同様な試験
をおこなった。その結果を下記表3に示す。
【0048】実施例5および比較例3 製造例5および比較製造例3で得られた共重合体溶液1
00部にシンナーとして、キシレンとソルベッソ100
(エクソン化学(株))1/1からなる溶液67.5
部、タイペークCR−95(石原産業(株)製酸化チタ
ン)45部、ガラスビーズ150部を加えペイントコン
ディショナーで分散した。濾布でガラスビーズを除いた
後、硬化剤としてサイメル303(三井サイテック
(株)製メチル化メラミン)を共重合体/メラミン=7
0/30重量比になるように23部を加え、さらに硬化
促進剤としてp−トルエンスルホン酸の10重量%キシ
レン溶液を8部加え、塗料用組成物を調製した。得られ
た塗料用組成物を、厚さ0.6mmのクロメート処理アル
ミニウム板上に乾燥後の膜厚が40μになるように塗布
し、30分静置した後、180℃で30分加熱硬化し
た。実施例1と同様に試験をおこなった。その結果を下
記表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】製造例6 攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管のついた2L
フラスコに、溶剤として酢酸ブチルを400g入れ、窒
素気流下で攪拌し、85℃に昇温した。昇温完了後、M
MA20g、アクリル酸シクロヘキシル(以下、CHA
という)164g、メタクリル酸ラウリル(以下、LM
Aという)40g、メタクリル酸ステアリル(以下、S
MAという)40g、メタクリル酸イソボロニル(以
下、IBXという)40g、HEMA56g、THPI
40g、AIBN6.0gの混合物を3時間かけて滴下
した。その後、AIBN0.6g、酢酸ブチル10gの
溶液を加え、さらに90℃で2時間攪拌した後冷却し重
合液を得た。得られた重合溶液を多量のメタノール中に
沈殿し、396g(重合率99%)の共重合体を得た。
得られた共重合体の水酸基価は60(mgKOH/ポリ
マーg)、酸価は0(mgKOH/ポリマーg)であ
り、1H−NMRおよび13C−NMR分析をおこなった
ところ、MMA/CHA/LMA/SMA/IBX/T
HPI/HEMA=5/41/10/10/10/10
/14(重量%)であった。該ポリマーのDSCによる
ガラス転移温度(Tg)は27℃であり、GPCによる
数平均分子量は17300であった。該ポリマーを固形
分50%になるようにHAWS(シェル社製、芳香族分
約50%含む脂肪族族炭化水素系溶剤)に溶解すると、
無色透明な溶液(以下、A−1ともいう)が得られた。
【0051】製造例7〜9 製造例6で使用した単量体を表4に記載するように変更
する以外は製造例6と同様な操作を行い、表4に示す共
重合体溶液を得た。以下、製造例7〜9に対応するこれ
らの共重合体溶液をA−2、A−3、A−4ともいう。
【0052】
【表4】
【0053】 共重合体組成(重量%) 製造例7:BMA/CHA/SMA/CHMA/IBX/HEMA/THPI =10/20/19/19/6/14/12 製造例8:BMA/EHMA/SMA/IBX/HEMA/THPI/MAA =36.8/5/20/15/14/8.5/0.7 製造例9:BMA/CHA/EHMA/SMA/CHMA/HEMA/THPI =7.5/40/4/15/20/7.5/16
【0054】製造例10 製造例6で使用した単量体を表5に記載するように変更
する以外は製造例6と同様な操作を行い、表5に示す共
重合体溶液を得た。製造例10においては共重合体がH
AWSに対する溶解性が不足するためか白濁した。従っ
て後述する塗料用組成物としての評価にはHAWS溶液
ではなく、酢酸ブチル溶液(以下、A−5ともいう)を
使用した。
【0055】
【表5】
【0056】 共重合体組成(重量%) 製造例10:BMA/CHA/SMA/HEMA/THPI =7.5/68.0/3.0/14.0/7.5
【0057】比較製造例4〜5 製造例6と同様の方法で、共重合体を合成し、メタノー
ル中に析出させ、HAWSに溶解させた。使用単量体
量、および共重合体の分析結果を表6に示す。以下、比
較製造例4及び5に対応する共重合体のHAWS溶液を
それぞれA−6及びA−7ともいう。
【0058】
【表6】
【0059】 共重合体組成(重量%) 比較製造例4:BMA/CHA/SMA/CHMA/IBX/HEMA =11.5/23.3/22.1/22.1/7.0/14.0 比較製造例5:BMA/EHMA/SMA/IBX/HEMA/MAA =39.8/5.7/22.4/16.8/14.8/0.5
【0060】アルコキシシランの加水分解縮合物の製造
例 以下の処方でポリエチレングリコール存在下、テトラエ
トキシシランの加水分解反応を行った。下記原料を1リ
ッターの3口フラスコに仕込み、窒素気流中、60℃ま
で昇温した。 PEG400(日本油脂製) 25g テトラエトキシシシラン 260g プロピレングリコールモノメチルエーテル 150g イソプロパノール 150g p−トルエンスルホン酸 0.6g
【0061】次にイオン交換水22.5gとイソプロパ
ノール30gの混合物を30分かけて滴下し、さらに7
0℃で1時間攪拌した。塩基性イオン交換樹脂で中和し
た後エバポレーターで溶剤を留去し、加水分解縮合物
(以下、S−1ともいう)を得た。
【0062】塗料の調製 表7に示す配合により、製造例6〜9で合成した共重合
体のHAWS溶液(A−1〜A−4)、タイペークCR
−95(石原産業(株)製、酸化チタン)、およびガラ
スビーズの130gを混合し、ペイントコンディショナ
ーで顔料粒子が10μ以下になるまで分散した。分散液
に、タケネートD−177N(ポリイソシアネート硬化
剤、武田薬品工業(株)製)、または、デュラネートT
SA100(ポリイソシアネート硬化剤、旭化成(株)
製)、をNCO/OH=1.0/1.0(モル比)、お
よび硬化触媒としてジブチル錫ジラウレートを添加し、
その他の添加剤を加えてガラスビーズをろ布にて除い
た。この混合液を、ナフサNo6(エクソン化学社製、
芳香族分28%の炭化水素系混合溶剤)でイワタカップ
で30秒になる粘度まで希釈し塗料組成物を調製した。
【0063】
【表7】
【0064】表8に示す配合により、製造例10で合成
した共重合体の酢酸ブチル溶液(A−5)を、上記の同
じ方法で分散液とし、硬化剤、硬化触媒、その他の添加
剤を配合し、キシレンにて希釈して、イワタカップで3
0秒となる粘度に調製した。
【0065】
【表8】
【0066】比較製造例4、5で得られた共重合体溶液
(A−6〜A−7)を用いて、上記と同様の方法で比較
用の塗料組成物を調製した。配合を表9に示す。
【0067】
【表9】
【0068】塗膜性能の評価 実施例6〜12、および比較例4〜5で調製した塗料
を、アロジン1000処理アルミ板5052P材にバー
コーターで乾燥膜厚30μmとなるよう塗布し、23℃
×50%RHの条件で1週間乾燥した。得られた塗膜を
以下の方法で試験した。結果を表10に示す。 1)60度光沢 JIS−K5400に準じて塗膜の60度光沢値を測定
した。 2)鉛筆硬度 JIS−K5400に準じて鉛筆引っ掻き試験を行ない
傷かない最大の硬度を測定した。 3)耐溶剤性 ラビングテスターを用い、キシレンを1kgの荷重をか
け100往復ラビングを行ない、塗膜の表面を目視にて
判定した。 ○:異常なし ×:異常あり 4)耐衝撃性(デュポン衝撃試験):JIS−K540
0に記載の方法で、500g・1/2インチのおもりを
使用して試験した。 5)促進耐候性 サンシャインカーボンアーク灯式(JIS K540
0)を用いて2000時間試験した前後の60度光沢値
を測定し、保持率を算出した。 6)耐汚染性 試験板を名古屋市南部の工業地帯に3ケ月間45度の角
度で暴露を行う。初期と試験後の明度値(L)を測定し
その差(ΔL)を算出した。ΔL値の絶対値が少ないほ
ど汚れていない事を示す。
【0069】
【表10】
【0070】リフティングの評価 実施例6〜12で調製した塗料を以下の2種類(A,
B)の下地塗膜上に刷毛塗りした後の塗膜の状態を観察
した。 ○:異常なし △:ある程度のリフティング現象がある。 ×:著しくリフティング現象がある。 結果を表11に示す。
【0071】A:ボンデ鋼板に市販エポキシ塗料をスプ
レー塗装した。1日後、市販の長油アルキド塗料を30
μの厚さで刷毛塗りし、室温で1週間乾燥させたものを
サンシャインカーボンアーク灯式(JIS K540
0)を用いて1000時間処理したもの B:脱脂した冷間圧延鋼板(SPCC)に市販エポキシ
塗料をスプレー塗装した。1日後、市販のアクリルラッ
カーを30μm厚さで刷毛塗りし、室温で1週間乾燥さ
せたものをサンシャインカーボンアーク灯式(JIS
K5400)を用いて1000時間処理したもの
【0072】
【表11】
【0073】すべての実施例の塗料組成物から得られる
塗膜は耐候性が優れていた。塗料組成物中の共重合体が
THPI単位を有しているためと考えられる。一方すべ
ての比較例の塗料組成物はTHPI単位を有していない
共重合体を成分とするものであり、塗膜の耐候性が悪か
った。実施例1〜5の塗料組成物から得られる塗膜は硬
度が硬いものであった。その理由は塗料組成物の成分で
ある共重合体中の直鎖状、分岐状または環状アルキル基
を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が、炭
素数1〜7のアルキル基を有するものであるためと考え
られる。実施例6〜10の塗料組成物は、下地塗膜に重
ね塗りしたときにリフティングを起こさないものであっ
た。その理由は塗料組成物の成分である共重合体が、構
成単量体単位のうちの5〜50重量%がアルキル基の炭
素数が8〜20の(メタ)アクリル酸エステル単量体単
位であること、塗料組成物中の有機溶剤が飽和炭化水素
を40重量%以上含有するものであることによるものと
考えられる。実施例7、10及び12の塗料組成物から
得られる塗膜は耐汚染性が特に優れていた。その理由は
塗料組成物がアルコキシシランの加水分解縮合物を添加
されたものであるためと考えられる。
【0074】
【発明の効果】本発明の塗料用組成物は、耐候性や加工
性に優れ、かつ高光沢な塗膜が容易に得られるので、各
種の塗料用途に幅広く利用できる。
フロントページの続き (72)発明者 水谷 邦彦 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 Fターム(参考) 4J038 CB031 CB091 CB121 CC021 CC071 CD081 CD091 CE051 CF021 CG031 CG061 CG141 CG161 CG171 CH031 CH041 CH071 CH081 CH121 CH131 CH191 CH201 CH241 CH251 CH261 CJ181 CJ251 CM011 DA142 DA162 DA172 DB221 DG191 DG271 DG281 DG291 DG301 DL032 GA01 GA03 GA08 HA376 JA01 JA02 JA03 JA33 JA56 JA66 JA70 JA74 JB23 KA03 KA06 LA02 MA14 NA01 NA03 PA18 PA19 PB12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直鎖状、分岐状または環状アルキル基を有
    する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、ヒドロキ
    シアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量
    体単位、ならびに不飽和二重結合およびマレイミド基を
    有する単量体単位を必須構成単位とする水酸基含有アク
    リル共重合体を含有する塗料用組成物。
  2. 【請求項2】マレイミド基が下記式(1)で表されるも
    のである請求項1に記載の塗料用組成物。 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立した水素原子もし
    くは炭素数4以下のアルキル基、どちらか一方が水素原
    子で他方が炭素数4以下のアルキル基、またはR 1とR2
    は一つとなって5もしくは6員環を形成する炭化水素基
    を示す)
  3. 【請求項3】不飽和二重結合およびマレイミド基を有す
    る単量体が下記式(2)で表される単量体である請求項
    1に記載の塗料用組成物。 【化2】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立した水素原子もし
    くは炭素数4以下のアルキル基、どちらか一方が水素原
    子で他方が炭素数4以下のアルキル基、またはR 1とR2
    は一つとなって5もしくは6員環を形成する炭化水素基
    を示す。R3 は分岐していてもよいアルキレン基を示
    し、R4は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜6
    の整数を示す)
  4. 【請求項4】直鎖状、分岐状または環状アルキル基を有
    する(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル
    基を有する(メタ)アクリル酸エステル、不飽和二重結
    合およびマレイミド基を有する単量体、さらに必要に応
    じてその他単量体を、ラジカル重合開始剤の存在下、有
    機溶剤または水媒体中で、ラジカル重合させて得られる
    水酸基含有アクリル共重合体を含有する請求項1〜3の
    いずれかに記載の塗料用組成物。
  5. 【請求項5】水酸基と反応する硬化剤をも必須成分とし
    て含有する請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用組成
    物。
  6. 【請求項6】アルコキシシランの加水分解縮合物をも必
    須成分として含有する請求項1〜5のいずれかに記載の
    塗料用組成物。
  7. 【請求項7】有機溶剤をも必須成分として含有する請求
    項1〜6のいずれかに記載の塗料用組成物。
  8. 【請求項8】有機溶剤が環状エーテル類、芳香族炭化水
    素化合物、エステル類及びケトン類からなる群から選ば
    れたものである請求項7に記載の塗料用組成物。
  9. 【請求項9】有機溶剤が飽和炭化水素を40重量%以上
    含有するものである請求項7に記載の塗料用組成物。
  10. 【請求項10】水酸基含有アクリル共重合体の構成単量
    体単位の5〜50重量%が、アルキル基炭素数8〜20
    の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位である請求項
    9に記載の塗料用組成物。
  11. 【請求項11】請求項9または10に記載の塗料用組成
    物を使用する塗膜の補修方法。
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