JP2001172550A - 加熱硬化型塗料用組成物 - Google Patents

加熱硬化型塗料用組成物

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JP2001172550A
JP2001172550A JP36207899A JP36207899A JP2001172550A JP 2001172550 A JP2001172550 A JP 2001172550A JP 36207899 A JP36207899 A JP 36207899A JP 36207899 A JP36207899 A JP 36207899A JP 2001172550 A JP2001172550 A JP 2001172550A
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meth
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acrylate
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double bond
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Hiroshi Inukai
宏 犬飼
Eiichi Okazaki
栄一 岡崎
Kunihiko Mizutani
邦彦 水谷
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、耐候性および塗膜光沢に優
れ、塗膜の黄変がない、加熱硬化型塗料用組成物を提供
することである。 【解決手段】直鎖状、分岐状または環状アルキル基を有
する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、不飽和二
重結合およびエポキシ基を有する単量体単位、ならびに
不飽和二重結合および下記式(1)で表されるイミド基
を有する単量体単位を必須構成単位とするエポキシ基含
有(メタ)アクリル共重合体からなる加熱硬化型塗料用
組成物。 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立した水素原子もし
くは炭素数4以下のアルキル基、またはR1とR2は一つ
となって5員環もしくは6員環を形成する炭化水素基を
示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗料用組成物に関す
るものであり、さらに詳しくは耐熱性に優れ、耐候性お
よび塗膜光沢に優れた、エポキシ基含有(メタ)アクリ
ル共重合体からなる加熱硬化型塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メンテナンスフリーの見地から、
高耐久性の材料が求められるようになり、塗料用樹脂に
ついても高耐候性が要求されるようになってきた。現
在、耐候性に優れた塗料用樹脂としては、フルオロオレ
フィン−ビニルエーテル系共重合体からなる塗料用フッ
素樹脂およびアクリルシリコン樹脂が知られているが、
該フッ素樹脂を加熱硬化型塗料として使用する場合は、
得られる塗膜の光沢や平滑性が不十分であり、塗膜が黄
変するといった問題があり、アクリルシリコン樹脂は硬
化時に湿気が必要であるため、加熱だけでは硬化しない
という問題がある。さらに、これらを改良する目的でエ
ポキシ基を含有する(メタ)アクリル共重合体が、二塩
基酸または酸基含有樹脂を硬化剤として加熱硬化させる
ことにより、粉体塗料や耐酸性雨用塗料として広範囲に
使用されている。しかしながら、これらの塗料では、ま
だ耐候性が不十分である。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐
候性および塗膜光沢に優れ、塗膜の黄変がない、加熱硬
化型の塗料用組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意検討した結果、特定なイミド基を
含有する単量体を用いたエポキシ基含有共重合体から得
られる塗料用組成物が、前記課題を解決することを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
直鎖状、分岐状または環状アルキル基を有する(メタ)
アクリル酸エステル単量体単位、不飽和二重結合および
エポキシ基を有する単量体単位、ならびに不飽和二重結
合および下記式(1)で表されるイミド基を有する単量
体単位を必須構成単位とするエポキシ基含有(メタ)ア
クリル共重合体からなる加熱硬化型塗料用組成物であ
る。
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1およびR2はそれぞれ独立した
水素原子もしくは炭素数4以下のアルキル基、またはR
1とR2は一つとなって5員環もしくは6員環を形成する
炭化水素基を示す。)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。加熱硬化型塗料とは、塗料の主剤と硬化剤を
混合後、加熱することにより架橋し強靭な塗膜を形成す
る塗料であり、通常、溶剤型塗料や粉体塗料の形態で使
用される。本発明における直鎖状、分岐状または環状ア
ルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体と
しては、アルキル基にフェニル基、酸素原子、窒素原
子、硫黄原子およびハロゲン原子などを含んでもよい。
直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル
としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デ
シル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル
酸トリデシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)ア
クリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、
(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェ
ノキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、
(メタ)アクリル酸エチルカルビトール、(メタ)アク
リル酸エトキシポリエチレングリコール400、(メ
タ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸クロ
ロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチルおよ
び(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロオクチルエチ
ルなどが例示される。
【0008】また、分岐状アルキル基を有する(メタ)
アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸イソ
プロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メ
タ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸3
−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリプ
ロピレングリコールおよび(メタ)アクリル酸ヘキサフ
ルオロプロピルなどが例示される。
【0009】さらに、環状アルキル基を有する(メタ)
アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メ
タ)アクリル酸トリシクロデシニル、(メタ)アクリル
酸テトラヒドロフルフリルおよび(メタ)アクリル酸モ
ルホリノエチルなどが例示される。これらの(メタ)ア
クリル酸エステルは、単独または数種類混合して使用す
ることができる。
【0010】上記で例示した(メタ)アクリル酸エステ
ルの中でも、得られる塗膜の硬度、耐候性の点から炭素
数が1〜20のアルキル基を有することが好ましく、炭
素数が1〜8のアルキル基を有する単量体が特に好まし
い。かかる単量体としては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリ
ル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシルお
よび(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが例示され
る。
【0011】本発明における不飽和二重結合およびエポ
キシ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸グ
リシジル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなど
の片末端(メタ)アクリル酸付加体、アリルグリシジル
ーエーテルおよびグリシジルビニルエーテルなどが例示
され、これらの中でも、他の単量体との共重合性の点か
ら(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。
【0012】また、不飽和二重結合および前記式(1)
で表されるイミド基を有する単量体としては、他の単量
体との共重合性に優れている点で、前記式(1)におけ
るR 1およびR2がいずれも炭素数4以下のアルキル基、
または一つになって5員環もしくは6員環を形成する炭
化水素基である単量体が好ましい。さらに、製造が容易
である点より、下記式(2)で表されるイミド(メタ)
アクリレートがより好ましく、更に得られる塗膜の硬度
と加工性のバランスが良いの観点から、下記式(3)で
表されるテトラヒドロフタルイミド(メタ)アクリレー
ト単量体が特に好ましい。
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R1およびR2はそれぞれ独立した
水素原子もしくは炭素数4以下のアルキル基、またはR
1とR2は一つとなって5員環もしくは6員環を形成する
炭化水素基を示す。R3 は分岐してもよいアルキレン基
を示し、R4は水素原子またはメチル基を示し、nは1
〜6の整数を示す。)
【0015】
【化5】
【0016】(式中、Rは水素原子またはメチル基を示
す。)
【0017】さらに、上記共重合体には、特性を損なわ
ない範囲で、その他の共重合可能な単量体単位を含むこ
とができる。かかる単量体としては、エポキシ基以外の
官能基を有する単量体と官能基を有しない単量体に分け
ることができる。エポキシ基以外の官能基を有する単量
体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルおよびヒドロキシ
ブチルビニルエーテルなどの水酸基含有単量体、(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、ビニル酢酸およびクロト
ン酸などのカルボキシル基含有単量体、(メタ)アクリ
ル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸
トリエトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸メチ
ルジメトキシシリルプロピルおよびビニルトリメトキシ
シランなどのアルコキシシリル基含有単量体などが例示
される。また、官能基を有しない単量体としては、エチ
レン、プロピレンおよびイソブチレンなどのα−オレフ
ィン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルおよ
びフッ化ビニリデンなどの部分ハロゲン化オレフィン、
酢酸アリル、酪酸アリル等のアリル化合物、クロトン酸
エチルおよびクロトン酸プロピル等のクロトン酸エステ
ル類、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエ
ーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニルおよびバーサチック酸ビニルなどのカルボン酸
ビニル類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エンなどのスチレン類、アクリロニトリル、アクリルア
ミドおよびメタクリルアミド等が例示される。上記で例
示した単量体は、2種類以上併用しても良い。
【0018】上記共重合体としては、(a)直鎖状、分
岐状または環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸
エステル単量体単位、(b)不飽和二重結合およびエポ
キシ基を有する単量体単位、(c)不飽和二重結合およ
びイミド基を有する単量体単位、ならびに(d)その他
単量体単位の割合が、(a):20〜80重量%、
(b):3〜50重量%、(c):1〜40重量%およ
び(d):0〜40重量%であることが好ましい。
(a)が20重量%未満であると、塗膜の溶剤溶解性や
成膜性が低下し、80重量%を越えると硬化性が低下す
る。(b)が3重量%未満であると硬化性が低下し、5
0重量%を越えると塗膜の加工性が低下する。また、
(c)が1重量%未満であると塗膜光沢や耐候性が向上
せず、40重量%を越えると塗料の安定性が低下する。
さらに、(d)が40重量%を越えると塗料用組成物の
安定性が低下する。さらに、各構成単位の特に好ましい
割合は、(a):50〜70重量%、(b):5〜35
重量%、(c):5〜25重量%および(d):0〜3
0重量%である。
【0019】共重合体の平均分子量は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算の
数平均分子量で1,000〜1,000,000であることが好まし
い。なお、有機溶液可溶型の塗料用ポリマーとして使用
する場合は、数平均分子量で3,000〜30,000であること
が特に好ましく、水性媒体に乳化・懸濁して使用する場
合は、平均分子量で10,000〜500,000であることが特に
好ましく、粉体塗料用のポリマーとして用いる場合は、
平均分子量で3,000〜50,000であることが特に好まし
い。
【0020】共重合体のガラス転移転(以下、Tgとい
う)は5℃〜100℃の範囲が好適である。5℃未満で
は塗膜の耐汚染性が低下し、また、100℃を超えると
加熱硬化した時の塗膜の平滑性が低下する。さらに、粉
体塗料として用いる時は、35℃以上のTgが好まし
い。35℃未満であると、粉体にした際にプロッキング
が起こる恐れがある。
【0021】本発明におけるエポキシ基含有(メタ)ア
クリル共重合体は、ラジカル重合開始剤の存在下、前記
(a)〜(d)の単量体を共重合させる方法で製造でき
る。重合方法としては、塊状重合、水性媒体中での懸濁
重合および乳化重合、有機溶剤中での溶液重合などの方
法が採用可能である。ラジカル重合開始剤としては、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチル
パーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサイドおよ
びラウロイルパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイ
ソブチロニトリルおよびアゾビスイソバレロニトリル等
のアゾ化合物、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸カリウ
ム等の無機過酸化物が使用でき、その使用量は全単量体
量に対し0.0001〜10重量%で使用することが好
ましい。乳化重合における乳化剤としては、アニオン
型、ノニオン型、およびその併用が好ましく、高級アル
コール硫酸エステルナトリウム塩およびポリエチレング
リコールアルキルエーテル等が例示され、反応性乳化剤
としてラテムル{商品名:花王(株)製}、エレミノー
ル{商品名:三洋化成(株)製})、アクアロン{商品
名:第一工業製薬(株)製}、アデカリアソープ{商品
名:旭電化工業(株)製}等を使用しても良い。その使
用量は全単量体量100重量部に対して0.1〜50重
量部の範囲あることが好ましい。溶液重合における有機
溶媒としては、テトラヒドロフランおよびジオキサン等
の環状エーテル類;n−ヘキサンおよびシクロヘキサン
等の炭化水素類;ベンゼン、トルエンおよびキシレン等
の芳香族炭化水素化合物;酢酸エチルおよび酢酸ブチル
等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトンおよび
シクロヘキサノン等のケトン類;エタノール、イソプロ
パノール、n−ブタノールおよびn−ブチルセロソルブ
等のアルコール類等が挙げられ、これらの1種または2
種以上を用いることができる。有機溶剤の使用量は全単
量体量100重量部に対して20〜200部の範囲であ
ることが好ましい。さらに、必要によりラウリルメルカ
プタンなどの連鎖移動剤を加えても良い。
【0022】重合条件としては、特に限定されないが、
好ましい反応における好適な重合温度は20〜140℃
であり通常は常圧でおこなわれる。好適な重合時間は3
〜40時間である。重合に使用する単量体は、その全量
を初期にバッチ仕込みしてもよいし、重合の進行と共に
一部の単量体を逐次添加してもよい。また必要によりP
H調整剤として、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、
ハイドロタルサイトおよび陰イオン交換樹脂等を加えて
もよい。
【0023】本発明における塗料用組成物を溶剤型塗料
として用いる場合、溶解する有機溶剤としては、沸点が
60℃以上のものが好ましく、具体的には、テトラヒド
ロフランおよびジオキサン等の環状エーテル類;ベンゼ
ン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素化合
物;酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類;メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロ
ヘキサノン等のケトン類:ミネラルスピリット、ナフサ
No5やナフサNo6{エクソン化学(株)製}、LA
WSやHAWS{シェル化学(株)製}等のターペン
類:ソルベッソ100、ソルベッソ150{エクソン化
学(株)}などの高沸点芳香族類が例示される。 沸点
が60℃未満の有機溶剤を使用すると、塗料とした場
合、乾燥が早すぎ造膜性に劣る。更に好ましくは、沸点
が80℃を超える有機溶剤である。共重合体と有機溶剤
の比率は、25:75〜75:25(重量比)であるこ
とが好ましい。
【0024】共重合体は、水性媒体に乳化またはミクロ
懸濁させて使用することもできる。その際、エタノー
ル、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、ソルフィ
ットアセテート{クラレ(株)製}、テキサノールCS
12{チッソ(株)製}などの水溶性有機溶剤を加えて
も良い。共重合体と水性媒体の比率は、30:70〜6
0:40(重量比)であることが好ましい。
【0025】上記共重合体は、残モノマーや有機溶剤な
どの揮発分を除去してポリマーを単離し、粉体塗料とし
て使用することもできる。脱モノマーと脱溶剤工程に
は、水性媒体中または有機溶液中で重合して得られた共
重合体を貧溶媒に再沈殿後乾燥したり、遠心薄膜蒸発機
やコンベア式乾燥機で薄層乾固したり、スプレードライ
が採用できる。このようにして得られる固体状の該共重
合体には、揮発分の含有量が1%以下であることが好ま
しい。塊状重合した共重合体を、加熱減圧乾燥により精
製することも可能である。粉体塗料として用いる際は、
該ポリマーを衝撃式ハンマーミル、振動ミル型またはウ
ィレー型粉砕機で粉砕した後、該ポリマーと他の配合成
分を混合する。その際、該ポリマーの粒径は10〜25
0μm程度が好ましい。
【0026】本発明の塗料用組成物は、エポキシ基と反
応しうる硬化剤と併用して用いることが好ましい。かか
る硬化剤としては、酸基を含有する化合物やアミノ基を
含有する化合物が挙げられる。酸基を含有する化合物と
しては、コハク酸、フタル酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、ドデカン二酸などの低分子多官能カルボン酸類、
(メタ)アクリル酸のホモポリマーや、(メタ)アクリ
ル酸とその他単量体とのコポリマー、水酸基含有ポリマ
ーに酸無水物を反応させカルボン酸基を導入したポリマ
ー、スルホン酸基含有ポリマーなどが例示される。アミ
ノ基を含有する化合物としては、テトラエチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミ
ン、ジシアンジアミドなどの低分子アミノ化合物や、ア
ミノ基を含有するポリマーが例示される。かかる硬化剤
は、得られる塗膜の耐水性の点から酸基を含有する化合
物が好ましい。硬化剤に使用量は、エポキシ基1当量に
対して硬化剤中の官能基が0.1〜2.0当量となる割
合が好ましい。上記硬化剤と共に、ジブチル錫ジラウレ
ートおよびp-トルエンスルホン酸などの硬化促進剤を加
えても良い。
【0027】さらに、必要に応じて酸化チタン、酸化
鉄、フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー、キナ
クリドン等の顔料、ステンレス粉、アルミニウム粉、ブ
ロンズ粉等の金属粉、分散剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、表面調整剤、増粘剤、発泡防止剤および難燃剤等の
添加剤を加えてもよい。このようにして得られた塗料用
組成物は、鋼板、ステンレス、アルミ、コンクリート、
モルタル、プラスチックおよび木材等の基材に、スプレ
ー、はけ、ロール、バーコーター、流動浸漬、静電塗装
等により塗装できる。その後、赤外炉、誘電加熱炉、熱
風炉などの加熱手段を採用し、130〜200℃で加熱
することにより、硬化塗膜が形成される。以下、実施例
を挙げて、具体的に説明する。
【0028】
【実施例】合成例1 攪拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管のついた2L
フラスコに、有機溶剤として酢酸ブチルを900g、単
量体としてメタクリル酸メチル(以下、MMAという)
を400g、メタクリル酸ブチル(以下、BMAとい
う)を280g、メタクリル酸グリシジル(以下、GM
Aという)を150g、下記式(4)で表される単量体
(以下、THPIという)を174g仕込み、十分窒素
置換をおこなった後、75℃まで昇温した。フラスコの
内温が75℃に到達した時点で、アゾビスイソブチロニ
トリル(以下、AIBNという)10gを酢酸ブチル1
00gに溶解した開始剤溶液を滴下し、重合を開始し
た。その後、温度を85℃に昇温し2時間重合をおこな
い、更に90℃で2時間重合させた。
【0029】
【化6】
【0030】得られた重合溶液を多量のメタノールに沈
殿し、1,000g(重合率99.6%)の共重合体を
得た。得られた共重合体のエポキシ価は0.105であ
り、 1H−NMRおよび13C−NMR分析をおこなった
ところ、MMA/BMA/GMA/THPI=40/2
8/15/17(重量%)であった。該共重合体のDS
CによるTgは69℃であり、GPCによる数平均分子
量は20,300、TG−DTAによる熱分解開始温度
(窒素雰囲気下)は275℃であった。該共重合体を固
形分50%になるようにキシレン/酢酸ブチル=50/
50(重量比)に溶解させると、無色透明な溶液が得ら
れた。
【0031】合成例2 下記表1に記載した単量体を用いて、合成例1と同様に
反応を実施して共重合体を得た。共重合体組成(重量
%)は、MMA/BMA/GMA/THPI=26.3
/26.3/30/17.4である。
【0032】参考例(硬化剤の合成) GMAの代わりにメタクリル酸(以下、MAAという)
を使用した以外、合成例1と同様にして表1記載の酸基
含有共重合体を合成し、これを硬化剤に使用した。共重
合体組成(重量%)は、MMA/BMA/THPI/M
AA=40/35.5/17.5/7である。
【0033】比較合成例および比較参考例 表1に示す単量体を用いた以外は、合成例1と同様の方
法で、共重合体を得た。比較参考例で得られた共重合体
は、後記比較例の硬化剤に使用した。共重合体の組成
は、下記のとおりである。 比較合成例: MMA/BMA/GMA=50/35/
15(重量%) 比較参考例: MMA/BMA/MAA=50/43/
7(重量%)
【0034】
【表1】
【0035】実施例1 合成例1で得られた共重合体溶液(濃度50%)100
部に、有機溶剤としてキシレンとソルベッソ100{エ
クソン化学(株)製}の重量比1/1からなる溶液を4
0部、タイペークCR−95{石原産業(株)製酸化チ
タン}41部、ガラスビーズ100部を加えペイントコ
ンディショナーで分散した。濾布でガラスビーズを除い
て主剤を調製した。一方、参考例で得られた酸基含有共
重合体溶液100部に有機溶剤としてキシレンとソルベ
ッソ100の重量比1/1からなる溶液を40部、タイ
ペークCR−95{石原産業(株)製酸化チタン}41
部、ガラスビーズ100部を加えペイントコンディショ
ナーで分散した。濾布でガラスビーズを除いて硬化剤を
調製した。上記主剤100部および硬化剤125部を混
合後、硬化促進剤としてp-トルエンスルホン酸一水和
物を0.3部加え、塗料用組成物とした。この塗料用組
成物を、厚さ0.6mmのクロメート処理アルミニウム板
上に乾燥後の膜厚が40μになるように塗布し、30分
静置後、190℃で20分加熱硬化した。得られた塗膜
を以下の方法で試験した。 1)60度光沢 JIS−K5400に記載の方法で測
定した。 2)黄変性 色差計によるb値が0.5未満のものを
良好とし、0.5以上のも のを不良と
した。 3)鉛筆硬度 JIS−K5400に記載の方法で測
定した。 4)碁盤目剥離 1cm2に100個の切込みを入れ、
セロハンテープで剥離したときの残率を示した。 5)マジック汚染性 塗膜に黒色マジックインキで線を
引き、24時間乾燥後にエタノールを染み込ませたティ
ッシュで拭き取った後の、塗膜表面を観察し、以下の評
価を行なった。 ○:跡なし、△:僅かに跡が認められる、×:跡がはっ
きり認められる 6)耐酸性雨性 塗膜の表面にスポイトで70%硫酸を
滴下し、そのまま60℃にて2時間保持した。水洗後、
塗膜の表面を目視で観察し、以下の評価を行なった。 ○:跡なし、△:僅かに跡が認められる、×:跡がはっ
きり認められる 7)耐候性 QUV(Qパネル社製蛍光紫外線耐候性試験機)を用い
て、連続照射し、各8時間のうち、4時間塗面裏側から
イオン交換水をスプレーした。2500時間試験後の6
0度光沢保持率(%)を示した。その結果を下記表2に
示す。
【0036】実施例2 合成例2で得られた共重合体80部を十分乾燥させ、酸
化チタンR902{石原産業(株)製}60部、密着向
上剤YD012{東都化成(株)製}5部、レベリング
剤アクロナール14F(BASF社製)1.5部、発泡
防止剤ベンゾイン0.5部、硬化剤ドデカン二酸19.
4部を、ヘンシェルミキサーにより室温下で1分間混合
し、次に90〜110℃で押出し混練機により溶融混練
した。混合物を冷却後、衝撃粉砕機により微粉砕し、次
に150メッシュの篩いにより粗粒を除去して粉体塗料
を得た。得られた粉体塗料を、厚み0.8mmのリン酸
亜鉛処理鉄板に静電塗装をおこない、180℃で30分
加熱して、乾燥膜厚40μmの硬化塗膜を得た。得られ
た塗膜は、表面の平滑性が良好であった。その試験結果
を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】比較例 比較合成例および比較参考例(硬化剤)の共重合体を用
いた以外、実施例1と同様にして硬化塗膜を作成し、実
施例1と同様な試験を行なった。その試験結果を上記表
2に示す。
【0039】
【発明の効果】本発明の加熱硬化型塗料用組成部は、耐
候性、基材との密着性に優れ、塗膜の黄変もなく高光沢
の塗膜が容易に得られるので、各種用途に幅広く使用可
能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CG141 CH011 CH071 CH171 CH191 DB211 NA01 NA03 NA14 PA19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直鎖状、分岐状または環状アルキル基を有
    する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、不飽和二
    重結合およびエポキシ基を有する単量体単位、ならびに
    不飽和二重結合および下記式(1)で表されるイミド基
    を有する単量体単位を必須構成単位とするエポキシ基含
    有(メタ)アクリル共重合体からなる加熱硬化型塗料用
    組成物。 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立した水素原子もし
    くは炭素数4以下のアルキル基、またはR1とR2は一つ
    となって5員環もしくは6員環を形成する炭化水素基を
    示す。)
  2. 【請求項2】不飽和二重結合およびイミド基を有する単
    量体が下記式(2)で表される単量体である請求項1記
    載の加熱硬化型塗料用組成物。 【化2】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立した水素原子もし
    くは炭素数4以下のアルキル基、またはR1とR2は一つ
    となって5員環もしくは6員環を形成する炭化水素基を
    示す。R3 は分岐してもよいアルキレン基を示し、R4
    は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜6の整数を
    示す。)
  3. 【請求項3】直鎖状、分岐状または環状アルキル基を有
    する(メタ)アクリル酸エステル、不飽和二重結合およ
    びエポキシ基を有する単量体、不飽和二重結合および前
    記式(1)で表されるイミド基を有する単量体、ならび
    に必要に応じてその他の単量体を、ラジカル重合開始剤
    の存在下、有機溶剤または水性媒体中でラジカル重合さ
    せて得られるエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体
    からなる請求項1または請求項2記載の加熱硬化型塗料
    用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011057751A (ja) * 2009-09-07 2011-03-24 Chisso Corp 重合性組成物
CN112920378A (zh) * 2021-01-28 2021-06-08 深圳飞扬兴业科技有限公司 一种羟基树脂及其制备方法和应用

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