JP2002245998A - 電池パック及び電池 - Google Patents

電池パック及び電池

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JP2002245998A
JP2002245998A JP2001036026A JP2001036026A JP2002245998A JP 2002245998 A JP2002245998 A JP 2002245998A JP 2001036026 A JP2001036026 A JP 2001036026A JP 2001036026 A JP2001036026 A JP 2001036026A JP 2002245998 A JP2002245998 A JP 2002245998A
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JP
Japan
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electrode group
electrode
negative electrode
resin
positive electrode
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Pending
Application number
JP2001036026A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Sakurai
勝之 櫻井
Isao Sakai
勲 酒井
Kaoru Koiwa
馨 小岩
Hideo Ota
英男 太田
Hiroyuki Hasebe
裕之 長谷部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Mounting, Suspending (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性、耐熱性等の総合的信頼性及びエネ
ルギー密度が向上された電池パックを提供することを目
的とする。 【解決手段】 素電池2及び前記素電池2に電気的に接
続される保護回路3を備える電池パックユニット1と、
前記電池パックユニット1の外周形状に沿って樹脂成形
により形成される外装壁4とを具備することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池パック及び電
池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やVTRなどの電子機器
の小型化と需要の増大に伴い、これら電子機器の電源で
ある電池に対する高容量化が要求されている。また、自
動車からの排ガスによる大気汚染が社会問題となってお
り、電気自動車用電源として軽量で高性能な電池を用い
ることが期待されている。現在、携帯機器、VTR用の
電池パックとしては、予め成形された樹脂製ケース内に
1個又は2個以上の素電池と保護回路が収納されたもの
が一般的に良く用いられている。
【0003】しかしながら、現在の電池パックによる
と、樹脂製ケース内に、素電池や保護回路をはじめとす
る必要な部品を隙間なく収納することが困難であるた
め、樹脂製ケース内に無駄な空間が存在する。このた
め、誤って落下させる等により電池パックに衝撃が加わ
った際、この衝撃で素電池の端子あるいは保護回路を備
えた電池パックの信頼性を損ねるという問題点を生じ
る。また、樹脂製ケース内に無駄な空間が存在する分、
体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度の点で不利
である。さらに、電池パックの容量毎にサイズの異なる
樹脂製ケースが必要となるため、電池パックの容量変更
作業が煩雑になる。そのうえ、体積エネルギー密度及び
重量エネルギー密度を高くする観点から、樹脂製ケース
の板厚が薄くなっているため、樹脂製ケースが熱劣化し
やすく、電池パックの耐熱性が劣るという問題点があ
る。
【0004】ところで、特開平6−275247号公開
公報あるいは特開2000−106154号公開公報に
は、正極、リチウムイオン導電性ガラス状固体電解質、
及び負極からなるリチウム電池を高温硬化型樹脂を用い
て封止することにより、リチウム電池の寿命を向上させ
ることが開示されている。しかしながら、このようなリ
チウム電池の寿命は、十分なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐衝撃性、
耐熱性等の総合的信頼性及びエネルギー密度が向上され
た電池パックを提供することを目的とする。
【0006】また、本発明は、エネルギー密度が高く、
充放電サイクルの進行に伴う電極間隙間の増加に起因す
る膨れが抑制され、充放電サイクル寿命の長い電池を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電池パック
は、素電池及び前記素電池に電気的に接続される保護回
路を備える電池パックユニットと、前記電池パックユニ
ットの外周形状に沿って樹脂成形により形成される外装
壁とを具備することを特徴とするものである。
【0008】本発明に係る電池は、リチウムを吸蔵放出
する正極及び負極を有する電極群と、液状もしくはゲル
状の非水電解質とを含む発電要素と、前記発電要素の周
囲に樹脂成形により外装壁を形成することにより得られ
る、前記発電要素を密封するための容器とを具備するこ
とを特徴とするものである。
【0009】本発明に係る電池は、リチウムを吸蔵放出
する正極と、リチウムを吸蔵放出する負極と、前記正極
及び前記負極の間に配置される絶縁性のリチウムイオン
伝導層とを有する電極群を含む発電要素と、前記電極群
の表面の少なくとも一部を被覆することにより前記正
極、前記負極及び前記リチウムイオン伝導層を一体化さ
せるための樹脂製チューブと、前記発電要素の周囲に樹
脂成形により外装壁を形成することにより得られる、前
記発電要素を密封するための容器とを具備することを特
徴とするものである。
【0010】本発明に係る電池は、リチウムを吸蔵放出
する正極と、リチウムを吸蔵放出する負極がその間に絶
縁性のリチウムイオン伝導層を介在させて扁平形状に捲
回された構造を有する電極群を含む発電要素と、前記電
極群の表面の少なくとも一部を被覆することにより前記
正極、前記負極及び前記リチウムイオン伝導層を一体化
させるための樹脂製チューブと、前記電極群内に挿入さ
れ、前記樹脂製チューブによる電極群の変形を防止する
ための補強板と、前記発電要素の周囲に樹脂成形により
外装壁を形成することにより得られる、前記発電要素を
密封するための容器とを具備することを特徴とするもの
である。
【0011】本発明に係る電池は、水酸化ニッケルを含
む正極、水素吸蔵合金を含む負極及び前記正極と前記負
極の間に配置されるセパレータを有する電極群と、前記
電極群に含浸されるアルカリ電解液とを含む発電要素
と、前記電極群の表面の少なくとも一部を被覆すること
により前記正極、前記負極及び前記セパレータを一体化
するための樹脂製チューブと、樹脂を含む材料で形成さ
れた前記発電要素を密封するための容器とを具備するこ
とを特徴とするものである。
【0012】本発明に係る電池は、水酸化ニッケルを含
む正極と水素吸蔵合金を含む負極と前記正極及び前記負
極の間に配置されるセパレータとを含む積層構造を有す
る電極群と、前記電極群に含浸されるアルカリ電解液と
を含む発電要素と、前記電極群の各最外層に積層される
電極群押え板と、前記電極群押え板の表面の少なくとも
一部と前記電極群の側面の少なくとも一部を被覆するこ
とにより前記正極、前記負極及び前記セパレータを一体
化すると共に前記電極群に前記電極群押え板を固定する
ための樹脂製チューブと、樹脂を含む材料で形成された
前記発電要素を密封するための容器とを具備することを
特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る電池パックについて
説明する。
【0014】この電池パックは、素電池及び前記素電池
に電気的に接続される保護回路を備える電池パックユニ
ットと、前記電池パックユニットの外周に沿って樹脂成
形により形成される外装壁とを具備する。
【0015】以下、素電池、保護回路及び外装壁につい
て説明する。
【0016】(I)素電池 素電池には、様々な種類の電池を使用することが可能で
あるが、例えば、ニッケル水素二次電池やニッケルカド
ミウム二次電池のようなアルカリ二次電池、リチウムイ
オン二次電池やリチウム二次電池のような非水電解質二
次電池等を使用することができる。また、素電池として
後述する第1及び第2の電池を使用しても良い。
【0017】素電池の個数は、特に限定されず、1個ま
たは2個以上にすることができる。
【0018】以下、非水電解質二次電池とニッケル水素
二次電池について説明する。
【0019】非水電解質二次電池は、密閉容器と、前記
容器内に収納される電極群と、前記容器内に収納される
非水電解質とを具備する。
【0020】電極群は、リチウムを吸蔵・放出する正極
と、リチウムを吸蔵・放出する負極と、絶縁性を持つリ
チウムイオン伝導層とを有する。
【0021】電極群の形状は、例えば、正極と負極をそ
の間にリチウムイオン伝導層を介在させて渦巻き状に捲
回したもの、正極と負極をその間にリチウムイオン伝導
層を介在させて扁平形状に捲回したもの、正極と負極を
その間にリチウムイオン伝導層を介在させて折り曲げた
結果得られる扁平形状、正極と負極をその間にリチウム
イオン伝導層を介在させながら交互に積層した積層構造
などにすることができる。
【0022】前記非水電解質には、液状非水電解質、ゲ
ル状非水電解質、固体非水電解質を使用することができ
る。中でも、液状非水電解質、ゲル状非水電解質が好ま
しい。
【0023】この非水電解質二次電池としては、以下に
説明する5種類の二次電池が挙げられる。
【0024】(第1の非水電解質二次電池)この二次電
池は、密閉容器と、前記容器内に収納される発電要素と
を具備する。前記発電要素は、正極、負極及び前記正極
と前記負極の間に介在されるセパレータを有する電極群
と、前記電極群に含浸される液状非水電解質とを具備す
る。液状非水電解質が含浸されているセパレータが、絶
縁性を持つリチウムイオン伝導層として機能する。
【0025】前記電極群、正極、負極、セパレータ、液
状非水電解質及び容器について説明する。
【0026】1)電極群 この電極群では、正極、負極及びセパレータが一体化さ
れていることが好ましい。かかる電極群は、例えば、以
下の(i)〜(ii)に説明した方法により作製される。
【0027】(i)正極及び負極をその間にセパレータ
を介在させて偏平形状に捲回するか、正極及び負極をそ
の間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回した後、
径方向に圧縮するか、あるいは正極及び負極をその間に
セパレータを介在させて1回以上折り曲げる。得られた
偏平状物の積層方向に加熱成形を施すことにより、正極
及び負極に含まれる結着剤を熱硬化させて正極、負極及
びセパレータを一体化させ、電極群を得る。
【0028】前記加熱成形は、偏平状物を容器内に収納
してから行っても良いし、容器内に収納する前に行って
も良い。
【0029】加熱成形を行う雰囲気は、真空を含む減圧
雰囲気か、あるいは常圧雰囲気にすることが望ましい。
【0030】成形は、例えば、プレス成形、あるいは成
形型への填め込み等により行うことができる。
【0031】前記加熱成形の温度は、40〜120℃の
範囲内にすることが好ましい。より好ましい範囲は、6
0〜100℃である。
【0032】前記加熱成形の成形圧は、0.01〜20
kg/cm2の範囲内にすることが望ましい。さらに好
ましい範囲は、8〜15kg/cm2である。
【0033】(ii)正極及び負極をその間にセパレータ
を介在させて偏平形状に捲回するか、正極及び負極をそ
の間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回した後、
径方向に圧縮するか、あるいは正極及び負極をその間に
セパレータを介在させて1回以上折り曲げる。得られた
偏平状物に接着性を有する高分子の溶液を含浸させた
後、真空乾燥を施すことにより前記溶液中の溶媒を蒸発
させる。次いで、加熱成形を施すことにより正極、負極
及びセパレータを一体化させ、電極群を得る。このよう
な電極群では、正極及びセパレータがこれらの内部及び
境界に点在する接着性を有する高分子により一体化され
ていると共に、負極及びセパレータがこれらの内部及び
境界に点在する接着性を有する高分子により一体化され
ているため、二次電池の内部抵抗を低く抑えつつ、接着
強度を高くすることができる。
【0034】前記加熱成形は、偏平状物を容器内に収納
してから行っても良いし、容器内に収納する前に行って
も良い。
【0035】前記接着性を有する高分子の溶液は、有機
溶媒に接着性高分子を溶解させることにより調製され
る。
【0036】前記接着性を有する高分子は、非水電解液
を保持した状態で高い接着性を維持できるものであるこ
とが望ましい。さらに、かかる高分子は、リチウムイオ
ン伝導性が高いとなお好ましい。具体的には、ポリアク
リロニトリル(PAN)、ポリアクリレート(PMM
A)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)、またはポリエチレンオキサイド(PE
O)等を挙げることができる。特に、ポリフッ化ビニリ
デンが好ましい。ポリフッ化ビニリデンは、非水電解液
を保持することができ、非水電解液を含むと一部ゲル化
を生じるため、イオン伝導度をより向上することができ
る。
【0037】前記溶媒の沸点は、200℃以下であるこ
とが望ましく、さらに好ましい範囲は180℃以下であ
る。沸点の下限値は50℃にすることが好ましく、さら
に好ましい下限値は100℃である。
【0038】前記溶液中の接着性を有する高分子の濃度
は、0.05〜2.5重量%の範囲にすることが好まし
い。濃度のより好ましい範囲は、0.1〜1.5重量%
である。
【0039】前記溶液の注入量は、前記溶液の接着性を
有する高分子の濃度が0.05〜2.5重量%である場
合、電池容量100mAh当たり0.1〜2mlの範囲
にすることが好ましい。前記注入量のより好ましい範囲
は、電池容量100mAh当たり0.15〜1mlであ
る。
【0040】前記真空乾燥は、100℃以下で行うこと
が好ましい。より好ましい真空乾燥温度は、40〜10
0℃である。
【0041】前記電池に含まれる接着性を有する高分子
の総量は、電池容量100mAh当たり0.1〜6mg
にすることが好ましい。接着性を有する高分子の総量の
より好ましい範囲は、電池容量100mAh当たり0.
2〜1mgである。
【0042】なお、電極群は、正極、セパレータ、負
極、セパレータを交互に1組以上積層した積層構造にす
ることも可能である。
【0043】2)正極 前記正極は、例えば、正極活物質、導電剤および結着剤
を適当な溶媒に分散させて得られる正極材ペーストを調
製し、このペーストを集電体の片側もしくは両面に塗布
し、乾燥し、加圧成形した後、所望する大きさに裁断す
ることにより作製される。
【0044】前記正極活物質としては、例えば、リチウ
ム複合金属酸化物を使用することができる。具体的に
は、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiM
24などが用いられる。
【0045】前記結着剤としては、ポリフッ化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレンの共重合
体、ポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−
6フッ化プロピレンの3元共重合体、フッ化ビニリデン
−ペンタフルオロプロピレンの共重合体、フッ化ビニリ
デン−クロロトリフルオロエチレンの共重合体、あるい
は他のフッ素系のモノマーとフッ化ビニリデンを共重合
体させたものを挙げることができる。かかる他のフッ素
系モノマーとフッ化ビニリデンとの共重合体としては、
テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデンの共重合
体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル(PFA)−フッ化ビニリデンの3元共重
合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン(FEP)−フッ化ビニリデンの3元共重合体、テ
トラフルオロエチレン−エチレン−フッ化ビニリデンの
共重合体、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリ
デンの共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレ
ン−フッ化ビニリデンの3元共重合体、フッ化ビニル−
フッ化ビニリデンの共重合体を挙げることができる。前
記結着剤は、これらを単独で使用しても、2種類以上を
混合して使用しても良い。
【0046】前記結着剤を分散させるための有機溶媒と
しては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホ
ルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、メチル
エチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エ
チル等が使用される。
【0047】前記導電剤としては、例えば、アセチレン
ブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等を挙げ
ることができる。
【0048】前記結着剤の配合量は、前記活物質と前記
結着剤を合わせて100重量部(前記導電剤を含む場合
には導電剤も合わせて100重量部)に対して2重量%
〜8重量%の範囲にすることが好ましい。
【0049】ペースト調製の際に使用される分散装置と
しては、ボールミル、ビーズミル、ディゾルバー、サン
ドグラインダー、ロールミル等が採用される。
【0050】前記集電体としては、例えば厚さ10〜4
0μmのアルミニウム箔、ステンレス箔、チタン箔等を
挙げることができる。
【0051】中でも、直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を
有する導電性基板を用いることが好ましい。孔の直径
は、0.1〜1mmの範囲にすることがより好ましい。
また、孔の存在割合は、10cm2 当り10〜20個の
範囲にすることがより好ましい。
【0052】前述した直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を
有する導電性基板は、厚さを15〜100μmの範囲に
することが好ましい。厚さのより好ましい範囲は、30
〜80μmである。
【0053】前記電極群を前述した(ii)に説明する方
法で作製した場合、前記正極は接着性を有する高分子を
更に含有する。
【0054】3)負極 前記負極は、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出する
炭素質物またはカルコゲン化合物を含むもの、軽金属等
からなる。中でも、リチウムイオンを吸蔵・放出する炭
素質物またはカルコゲン化合物を含む負極は、前記二次
電池のサイクル寿命などの電池特性が向上するために好
ましい。
【0055】前記リチウムイオンを吸蔵・放出する炭素
質物としては、例えば、コークス、炭素繊維、熱分解気
相炭素物、黒鉛、樹脂焼成体、メソフェーズピッチ系炭
素繊維、メソフェーズ球状カーボンの焼成体などを挙げ
ることができる。中でも、2500℃以上で黒鉛化した
メソフェーズピッチ系炭素繊維を用いると電極容量が高
くなるため好ましい。
【0056】前記リチウムイオンを吸蔵・放出するカル
コゲン化合物としては、二硫化チタン(TiS2)、二
硫化モリブデン(MoS2)、セレン化ニオブ(NbS
2)などを挙げることができる。このようなカルコゲ
ン化合物を負極に用いると、前記二次電池の電圧は降下
するものの前記負極の容量が増加するため、結果として
前記二次電池の容量が向上される。更に、前記負極はリ
チウムイオンの拡散速度が大きいため、前記二次電池の
急速充放電性能が向上される。
【0057】前記軽金属としては、アルミニウム、アル
ミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム金属、リチ
ウム合金などを挙げることができる。
【0058】前述した負極のうち、リチウムイオンを吸
蔵・放出する炭素質物を含む負極は、例えば、炭素質
物、導電剤および結着剤を適当な溶媒に分散させて得ら
れる負極材ペーストを集電体の片面もしくは両面に塗布
し、乾燥し、加圧成形した後、所望する大きさに裁断す
ることにより作製される。
【0059】前記負極材料、結着剤の配合割合は、負極
材料80〜98重量%、結着剤2〜20重量%の範囲で
あることが好ましい。
【0060】前記集電体としては、例えば、銅箔、ニッ
ケル箔等を用いることができるが、電気化学的な安定性
および捲同時の柔軟性等を考慮すると、銅箔がもっとも
好ましい。このときの箔の厚さとしては、8μm以上、
20μm以下であることが好ましい。
【0061】中でも、直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を
有する導電性基板を用いることが好ましい。孔の直径
は、0.1〜1mmの範囲にすることがより好ましい。
また、孔の存在割合は、10cm2 当り10〜20個の
範囲にすることがより好ましい。
【0062】前述した直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を
有する導電性基板は、厚さを10〜50μmの範囲にす
ることが好ましい。
【0063】また、前記電極群を前述した(ii)に説明
する方法で作製した場合、前記負極は接着性を有する高
分子を更に含有する。
【0064】4)セパレータ このセパレータは、多孔質シートから形成される。
【0065】前記多孔質シートとしては、例えば、多孔
質フィルム、もしくは不織布を用いることができる。前
記多孔質シートは、例えば、ポリオレフィン及びセルロ
ースから選ばれる少なくとも1種類の材料からなること
が好ましい。前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレンを挙げることができる。中
でも、ポリエチレンか、あるいはポリプロピレン、また
は両者からなる多孔質フィルムは、二次電池の安全性を
向上できるため、好ましい。
【0066】前記多孔質シートの厚さは、30μm以下
にすることが好ましく、さらに好ましい範囲は25μm
以下である。また、厚さの下限値は5μmにすることが
好ましく、さらに好ましい下限値は8μmである。
【0067】前記多孔質シートは、120℃、1時間で
の熱収縮率を20%以下であることが好ましい。前記熱
収縮率は、15%以下にすることがより好ましい。
【0068】前記多孔質シートは、多孔度が30〜60
%の範囲であることが好ましい。多孔度のより好ましい
範囲は、35〜50%である。
【0069】前記多孔質シートは、空気透過率が600
秒/100cm3 以下であることが好ましい。空気透過
率は、100cm3の空気が多孔質シートを透過するの
に要した時間(秒)を意味する。空気透過率の上限値は
500秒/100cm3 にすることがより好ましい。ま
た、空気透過率の下限値は50秒/100cm3 にする
ことが好ましく、さらに好ましい下限値は80秒/10
0cm3 である。
【0070】また、前記電極群を前述した(ii)に説明
する方法で作製した場合、前記セパレータは接着性を有
する高分子を更に含有する。
【0071】5)液状非水電解質(非水電解液) この液状非水電解質は、リチウム塩が溶解された非水溶
媒から構成される。
【0072】前記非水溶媒としては、例えば、プロピレ
ンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(E
C)などの環状カーボネート、例えばジメチルカーボネ
ート(DMC)、メチルエチルカーボネート(ME
C)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カー
ボネート、1,2一ジメトキシエタン(DME)、ジエ
トキシエタン(DEE)などの鎖状エーテル、テトラヒ
ドロフラン(THF)や2−メチルテトラヒドロフラン
(2−MeTHF)などの環状エーテルやクラウンエー
テル、γ−ブチロラクトン(γ−BL)などの脂肪酸エ
ステル、アセトニトリル(AN)などの窒素化合物、ス
ルホラン(SL)やジメチルスルホキシド(DMSO)
などの硫黄化合物などを挙げることができる。非水溶媒
には、前述した種類の中から選ばれる1種類を用いても
良いし、2種類以上を混合して使用しても良い。
【0073】中でも、EC、PC及びγ−BLよりなる
群から選ばれる少なくとも1種からなるものや、EC、
PC及びγ−BLよりなる群から選ばれる少なくとも1
種とDMC、MEC、DEC、DME、DEE、TH
F、2−MeTHF及びANよりなる群から選ばれる少
なくとも1種とからなる混合溶媒を用いることが望まし
い。また、負極に前記リチウムイオンを吸蔵・放出する
炭素質物を含むものを用いる場合に、前記負極を備えた
二次電池のサイクル寿命を向上させる観点から、ECと
PCとγ−BL、ECとPCとMEC、ECとPCとD
EC、ECとPCとDEE、ECとAN、ECとME
C、PCとDMC、PCとDEC、またはECとDEC
からなる混合溶媒を用いることが望ましい。
【0074】また、添加剤としてビニレンカーボネート
(VC)、トリオキシルリン酸エステル等が上げられ
る。
【0075】前記電解質としては、例えば過塩素酸リチ
ウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(Li
PF6)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化
砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタスル
ホン酸リチウム(LiCF3SO3)、四塩化アルミニウ
ムリチウム(LiAlC14)、ビストリフルオロメチ
ルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3
22]などのリチウム塩を挙げることができる。中で
も、LiPF6、LiBF4、LiN(CF3SO22
用いると、導電性や安全性が向上されるために好まし
い。
【0076】前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量
は、0.5モル/L〜2.5モル/Lの範囲にすること
が好ましい。
【0077】液状非水電解質の量は、電池単位容量10
0mAh当たり0.3〜0.7gにすることが好まし
い。液状非水電解質量のより好ましい範囲は、0.4〜
0.6g/100mAhである。
【0078】6)容器 容器の形状は、例えば、有底円筒形、有底矩形筒型、袋
状等にすることができる。
【0079】この容器は、例えば、樹脂層を含むシー
ト、金属板、金属フィルム等から形成することができ
る。
【0080】前記シートに含まれる樹脂層は、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン等から形成することがで
きる。前記シートとしては、金属層と、前記金属層の両
面に配置された保護層とが一体化されたシートを用いる
ことが望ましい。前記金属層は、水分を遮断する役割を
なす。前記金属層は、例えば、アルミニウム、ステンレ
ス、鉄、銅、ニッケル等を挙げることができる。中で
も、軽量で、水分を遮断する機能が高いアルミニウムが
好ましい。前記金属層は、1種類の金属から形成しても
良いが、2種類以上の金属層を一体化させたものから形
成しても良い。前記2つの保護層のうち、外部と接する
保護層は前記金属層の損傷を防止する役割をなす。この
外部保護層は、1種類の樹脂層、もしくは2種類以上の
樹脂層から形成される。一方、内部保護層は、前記金属
層が非水電解液により腐食されるのを防止する役割を担
う。この内部保護層は、1種類の樹脂層、もしくは2種
類以上の樹脂層から形成される。また、かかる内部保護
層の表面に熱可塑性樹脂を配することができる。
【0081】前記金属板及び前記金属フィルムは、例え
ば、鉄、ステンレス、アルミニウムから形成することが
できる。
【0082】容器の厚さ(容器の壁の厚さ)は、0.3
mm以下にすることが好ましい。これは次のような理由
によるものである。厚さが0.3mmより厚いと、高い
重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を得られな
い可能性がある。容器の厚さの好ましい範囲は、0.2
5mm以下で、更に好ましい範囲は0.15mm以下
で、最も好ましい範囲は0.12mm以下である。ま
た、厚さが0.05mmより薄いと、変形や破損し易く
なることから、容器の厚さの下限値は0.05mmにす
ることが好ましい。
【0083】容器の厚さは、以下に説明する方法で測定
される。すなわち、容器の封止部を除く領域において、
互いに1cm以上離れて存在する3点を任意に選択し、
各点の厚さを測定し、平均値を算出し、この値を容器の
厚さとする。なお、前記容器の表面に異物(例えば、樹
脂)が付着している場合、この異物を除去してから厚さ
の測定を行う。例えば、前記容器の表面にPVdFが付
着している場合、前記容器の表面をジメチルホルムアミ
ド溶液等で拭き取ることによりPVdFを除去した後、
厚さの測定を行う。
【0084】前記容器の表面の少なくとも一部に接着層
を形成し、前記接着層により前記電極群を前記容器の内
面に接着することが望ましい。このような構成にする
と、前記電極群の表面に前記容器を固定することができ
るため、電解液が電極群と容器の間に浸透するのを抑え
ることができる。
【0085】前記二次電池には、30℃〜80℃の温度
条件下で、0.05C以上、0.5C以下の充電レート
で初充電を施すことが好ましい。この条件での充電は1
サイクルのみでも良いし、2サイクル以上行ってもよ
い。また、初充電前に30℃〜80℃の温度条件下に1
時間〜20時間程度保管してもよい。
【0086】ここで、1C充電レートとは公称容量(A
h)を1時間で充電するために必要な電流値である。
【0087】前記初充電の温度を前記範囲に規定するの
は次のような理由によるものである。初充電温度が30
℃未満であると、液状非水電解質の粘度が高いままであ
るために液状非水電解質を正極、負極及びセパレータに
均一に含浸させることが困難になり、内部インピーダン
スが増加し、また活物質の利用率が低下する。一方、初
充電温度が80℃を超えると、正極及び負極に含まれる
結着剤が劣化する。
【0088】初充電の充電レートを0.05〜0.5C
の範囲にすることによって、充電による正極と負極の膨
張を適度に遅くすることができる。
【0089】このような工程を具備することによって、
電極やセパレータの空隙に液状非水電解質を均一に含浸
させることができるため、二次電池の内部インピーダン
スを小さくすることができる。その結果、活物質の利用
率を増大させることができるため、実質的な電池の容量
を大きくすることができる。また、電池の充放電サイク
ル特性及び大電流放電特性を向上させることができる。
【0090】(第2の非水電解質二次電池)この二次電
池は、密閉容器と、前記容器内に収納される発電要素と
を具備する。前記発電要素に含まれる電極群は、リチウ
ムイオンを吸蔵放出する正極と、リチウムイオンを吸蔵
放出する負極と、前記正極および負極の間に配置され、
非水溶媒及び前記非水溶媒に溶解されるリチウム塩を含
む非水電解質層(絶縁性を持つリチウムイオン伝導層)
とを含む。
【0091】この電極群は、例えば、以下に説明する方
法で作製される。まず、ポリマー及び液状非水電解質を
混合することにより調製されたペーストを成膜した後、
乾燥させる。得られた薄膜を正極及び負極の間に介在さ
せて電極群を作製する。なお、電極群の形状は、正極と
負極がその間に薄膜を介在させて扁平形状に捲回された
構造、正極と負極がその間に薄膜を介在させて積層され
た構造、正極と負極がその間に薄膜を介在させて折り曲
げられた構造等にすることができる。この電極群に液状
非水電解質を含浸させた後、減圧下で前記薄膜を可塑化
させることにより、正極と負極の間に非水電解質層が介
在されている電極群を得る。
【0092】前記ポリマーは、熱可塑性を有することが
好ましい。かかるポリマーとしては、例えば、ポリフッ
化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(P
AN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリ塩化
ビニル(PVC)、ポリアクリレート(PMMA)及び
ポリビニリデンフロライドヘキサフルオロプロピレン共
重合体(PVdF−HFP共重合体)から選ばれる少な
くとも1種類を用いることができる。
【0093】前記容器、正極、負極及び液状非水電解質
には、前述した第1の非水電解質二次電池において説明
したのと同様なものを使用することができる。また、こ
の第2の二次電池に施す初充電は、前述した第1の非水
電解質二次電池において説明したのと同様な条件に設定
することができる。
【0094】(第3の非水電解質二次電池)この二次電
池は、密閉容器と、前記容器内に収納される発電要素と
を具備する。前記発電要素に含まれる電極群は、リチウ
ムイオンを吸蔵放出する正極と、リチウムイオンを吸蔵
放出する負極と、前記正極および負極の間に配置される
ゲル状非水電解質層(絶縁性を持つリチウムイオン伝導
層)とを含む。
【0095】前述した電極群は、以下に説明する方法で
作製される。液状非水電解質とゲル化剤(例えば、ポリ
アクリロニトリル(PAN))を含むスラリーを正極ま
たは負極に塗布した後、この正極と負極を扁平形状に捲
回するか、交互に積層するか、もしくは折り曲げること
により、目的とする電極群を得る。
【0096】ゲル状非水電解質層には、強度を向上させ
るために、非導電性粒子を含有させることが好ましい。
非導電性粒子としては、例えば、無機粒子、有機粒子が
あげられる。無機粒子としては、例えば、酸化鉄、酸化
ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなどの酸化物、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、シリカ、硫
酸バリウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム等があ
げられる。さらに、アタルパルジャイト、カオリン、タ
ルク等もあげられる。有機粒子としては、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂などのポリマーからなる粒子な
どが用いられる。
【0097】前記容器、正極、負極及び液状非水電解質
には、前述した第1の非水電解質二次電池において説明
したのと同様なものを使用することができる。また、こ
の二次電池に施す初充電は、前述した第1の非水電解質
二次電池において説明したのと同様な条件に設定するこ
とができる。
【0098】(第4の非水電解質二次電池)この二次電
池は、密閉容器と、前記容器内に収納される発電要素と
を具備する。前記発電要素に含まれる電極群は、リチウ
ムイオンを吸蔵放出する正極と、リチウムイオンを吸蔵
放出する負極と、セパレータと、前記正極と前記セパレ
ータの間並びに前記負極と前記セパレータの間に配置さ
れるゲル状非水電解質層(絶縁性を持つリチウムイオン
伝導層)とを含む。
【0099】前述した電極群は、例えば、以下に説明す
る(A)または(B)の方法で作製される。
【0100】(A)液状非水電解質とゲル化剤を含むス
ラリーをセパレータに含浸させた後、このセパレータを
正極及び負極の間に介在させることにより、正極とセパ
レータの間並びに負極とセパレータの間にゲル状非水電
解質層が介在されている電極群を得る。
【0101】(B)液状非水電解質とゲル化剤を含むス
ラリーを正極または負極に塗布した後、この正極と負極
の間にセパレータを介在させることにより、正極とセパ
レータの間並びに負極とセパレータの間にゲル状非水電
解質層が介在されている電極群を得る。
【0102】(A)及び(B)の方法において、前記ゲ
ル化剤としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PA
N)等を挙げることができる。
【0103】前記容器、正極、負極、セパレータ及び液
状非水電解質には、前述した第1の非水電解質二次電池
において説明したのと同様なものを使用することができ
る。また、この二次電池に施す初充電は、前述した第1
の非水電解質二次電池において説明したのと同様な条件
に設定することができる。
【0104】(第5の非水電解質二次電池)この二次電
池は、密閉容器と、前記容器内に収納される発電要素と
を具備する。前記発電要素に含まれる電極群は、リチウ
ムイオンを吸蔵放出する正極と、リチウムイオンを吸蔵
放出する負極と、前記正極と前記負極の間に介在される
セパレータとを含む。前記電極群にゲル状非水電解質が
保持されている。ここでは、ゲル状非水電解質を含有す
るセパレータが、絶縁性を持つリチウムイオン伝導層と
して機能する。
【0105】ゲル状非水電解質が保持されている電極群
は、例えば、以下に説明する方法で作製される。まず、
正極と負極の間にセパレータを介在させて渦巻きもしく
は扁平形状に捲回するか、正極と負極をその間にセパレ
ータを介在させて積層するか、あるいは正極と負極をそ
の間にセパレータを介在させて折り曲げることにより電
極群を得る。この電極群に、モノマー、液状非水電解質
及び重合剤を含む混合溶液からなるゲル電解質前駆体を
含浸させた後、熱処理を施すことによりモノマーに熱重
合反応を生じさせてゲル電解質前駆体をゲル化させ、目
的とする電極群を得る。
【0106】モノマーとしては、例えば、アクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチル
アクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシ
エトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール
モノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、メ
トキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチル
メタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリ
レート、N,N−ジエチエルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリ
シジルアクリレート、アリルアクリレート、アクリロニ
トリル、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタク
リレート、テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート等を挙げ
ることができる。
【0107】重合剤としては、例えば、1,1−ジ(タ
ーシャルブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、2,2−ビス−[4,4−ジ(ターシ
ャルブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン]、
1,1−ジ(ターシャルブチルパーオキシ)−シクロヘ
キサン、ターシャリブチルパーオキシ−3,5,5−ト
リメチルヘキサノネート、ターシャリブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノネート、ジベンゾイルパーオキサ
イド等を挙げることができる。
【0108】前記容器、正極、負極、セパレータ及び液
状非水電解質には、前述した第1の非水電解質二次電池
において説明したのと同様なものを使用することができ
る。また、この二次電池に施す初充電は、前述した第1
の非水電解質二次電池において説明したのと同様な条件
に設定することができる。
【0109】次いで、ニッケル水素二次電池について説
明する。
【0110】このニッケル水素二次電池は、電極群及び
前記電極群に含浸されるアルカリ電解液を含む発電要素
と、前記発電要素を密封するための容器とを具備する。
【0111】前記電極群は、水酸化ニッケルを含む正極
と、水素吸蔵合金を含む負極と、前記正極及び前記負極
の間に介在されるセパレータとを有する。電極群の形状
は、例えば、正極と負極がその間にセパレータを介在さ
せて渦巻き状に捲回された構造や、正極と負極がその間
にセパレータを介在させながら交互に積層された積層構
造にすることができる。
【0112】以下、正極、負極、セパレータ、アルカリ
電解液及び容器について説明する。
【0113】1)正極 この正極は、例えば、活物質である水酸化ニッケル粉末
に導電材料を添加し、高分子結着剤および水とともに混
練してペーストを調製し、前記ペーストを導電性基板に
充填し、乾燥した後、プレス成形し、所望の寸法に裁断
することにより作製される。
【0114】前記水酸化ニッケル粉末は、亜鉛及びコバ
ルトよりなる群から選択される少なくとも1種類の金属
の酸化物もしくは水酸化物を含んでいても良い。
【0115】前記導電材料としては、例えば、コバルト
酸化物、コバルト水酸化物、金属コバルト、金属ニッケ
ル、炭素などを挙げることができる。
【0116】前記水酸化ニッケル粉末において、粒子表
面が、オキシ水酸化コバルト(CoOOH)を含有する
層で被覆されていても良い。このような構成を有する水
酸化ニッケルは、導電性を改善することができる。この
場合、ペースト中に導電材料を添加しなくても良い。
【0117】前記高分子結着剤としては、例えば、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアク
リル酸ナトリウムのようなポリアクリル酸塩、ポリテト
ラフルオロエチレン、スチレンブタジエンゴム等を挙げ
ることができる。
【0118】前記導電性基板には、例えば、ニッケル、
ステンレスまたはニッケルメッキが施された金属から形
成された網状、スポンジ状、繊維状もしくはフェルト状
の金属多孔体を使用することができる。
【0119】2)負極 この負極は、例えば、水素吸蔵合金の粉末に導電材を添
加し、高分子結着剤および水とともに混練してペースト
を調製し、前記ペーストを導電材基板に充填し、乾燥し
た後、プレス成形することにより作製される。
【0120】前記水素吸蔵合金としては、たとえば、
(a)CaCu5型構造を有する希土類−ニッケル系水素
吸蔵合金(例えば、LaNi5、MmNi5(Mmはミッ
シュメタルを示す)、LmNi5(Lmはランタン富化
したミッシュメタルを示す)、またはこれらのNiの一
部をAl、Mn、Co、Ti、Cu、Zn、Zr、C
r、Bのような元素で置換した多元素系のもの)、(b)
希土類−マグネシウム−ニッケル系水素吸蔵合金、(c)
Ti−Ni系水素吸蔵合金、(d)Ti−Fe系水素吸蔵
合金、(e)Ti−Ni系水素吸蔵合金、(f)Zr−V−
Ni系水素吸蔵合金、(g)Mg系水素吸蔵合金、(h)ラ
ーべス相水素吸蔵合金等を挙げることができる。
【0121】前記結着剤としては、前記正極で説明した
のと同様なものを挙げることができる。
【0122】前記導電材としては、例えば、ニッケル粉
末、カーボンブラック等を挙げることができる。
【0123】前記ペースト中に、Y23、Er23、Y
23、Sm23、Mn34、LiMn24、Nb
25、SnO2などの酸化物を添加しても良い。負極中
に前記酸化物を含有させることによって、高温でのサイ
クル寿命を改善することが可能となる。また、添加する
酸化物の種類は、1種類もしくは2種類以上にすること
ができる。酸化物の添加量は、前記水素吸蔵合金に対し
て0.2〜5wt%の範囲にすることが好ましい。より
好ましい範囲は0.4〜2wt%の範囲である。
【0124】前記導電性基板としては、例えば、パンチ
ドメタル、エキスパンデッドメタル、ニッケルネット等
の二次元多孔体基板、フェルト状金属多孔体、スポンジ
状金属多孔体などの三次元多孔体基板を挙げることがで
きる。
【0125】3)セパレータ このセパレータとしては、例えば、ポリプロピレン不織
布、ナイロン不織布、ポリプロピレン繊維とナイロン繊
維を混繊した不織布のような高分子不織布等を挙げるこ
とができる。特に、表面が親水化処理されたポリプロピ
レン不織布はセパレータとして好適である。
【0126】4)アルカリ電解液 このアルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム(NaOH)の水溶液、水酸化リチウム(LiOH)
の水溶液、水酸化カリウム(KOH)の水溶液、NaO
HとLiOHの混合液、KOHとLiOHの混合液、K
OHとLiOHとNaOHの混合液等を用いることがで
きる。
【0127】5)容器 この容器には、金属製容器等を使用することができる。
【0128】(II)保護回路 ここで、保護回路とは、素電池の安全性を確保するため
に設計された回路をいい、かかる保護回路としては、例
えば、過大放電防止機能、過充電防止機能を有するもの
等を挙げることができる。
【0129】(III)外装壁 外装壁を構成する原料樹脂としては、例えば、熱可塑性
樹脂、常温硬化樹脂、エネルギー線硬化樹脂、熱硬化性
樹脂等を挙げることができる。外装壁を構成する原料樹
脂の種類は、1種類もしくは2種類以上にすることがで
きる。
【0130】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチ
レン(低密度)樹脂、ポリエチレン(高密度)樹脂、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリビ
ニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド
イミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポ
リアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンフタレ
ート、ポリアクリロニトリル、ポリオキシメチレン、ポ
リフェニレンスルフィド、液晶ポリエステル、スチレン
系共重合体樹脂(ABS樹脂等)、ポリメチルメタクリ
レート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホ
ン酸樹脂、ポリブチレンテレフタレート、フッ素樹脂、
酢酸ビニル系共重合体等を挙げることができる。素電池
としてアルカリ二次電池を用いる場合、ポリエチレン、
ポリプロピレン、スチレン系共重合体樹脂(ABS樹脂
等)、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン、
ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン酸樹脂、ポ
リブチレンテレフタレートのような耐アルカリ性樹脂が
好ましく、最も好ましいのはポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂である。
【0131】常温硬化樹脂としては、エポキシ樹脂、ア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
【0132】エネルギー線硬化樹脂は、例えば、エネル
ギー線で重合可能なプレポリマーに光重合開始剤の存在
下でエネルギー線を照射することにより得られる。エネ
ルギー線で重合可能なプレポリマーとしては、例えば、
ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエ
ステルアクリレート等を挙げることができる。光重合開
始剤としては、例えば、ベンゾイル類、ベンゾインアル
キルエーテル類、ベンゾフェノン類、ベンゾイルフェニ
ルフォスフィンオキサイド類、アセトフェノン類、チオ
キサントン類、アントラキノン類などを使用することが
できる。エネルギー線としては、例えば、紫外線(U
V)、電子線(EB)、可視光線、遠紫外線などを使用
することができる。
【0133】熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、フラン樹脂、メラ
ミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ビ
ニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂などを用い
ることができる。
【0134】がより好ましい。
【0135】外装壁を構成する原料樹脂には、外装壁の
難燃性、耐熱性、成型性、安定性、強度などを向上させ
る目的で、補強剤、吸湿剤、難燃剤、着色剤、酸化防止
剤、光劣化防止剤、撥水剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤
などの助剤を添加しても良い。
【0136】吸湿剤としては、例えば、合成ゼオライ
ト、シリカゲル、塩化カルシウム、酸化カルシウム、五
酸化リン、酸化バリウム、過塩素酸マグネシウム等を挙
げることができる。
【0137】難燃剤としては、例えば、ハロゲン系、リ
ン系、無機系が挙げられる。ハロゲン系難燃剤は、臭素
系と塩素系に大別され、臭素系は塩素系に比べて難燃効
果が高く、酸化アンチモンとの併用効果が大きい。塩素
系難燃剤のうち好ましいのは、塩素化パラフィンであ
り、臭素系難燃剤のうち好ましいのは臭素化ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂である。
【0138】着色剤としては、例えば、無機顔料、有機
顔料、染料等を使用することができる。特に、無機顔料
は、耐光、耐熱、耐溶剤性に優れている。
【0139】また、外装壁を構成する原料樹脂に充填
剤、補強剤としてフィラーを添加することにより、外装
壁の機械的強度を向上させることができる。その結果、
充放電反応に伴って電池が膨れるのを抑えることがで
き、電池の電極間に隙間が生じず、電極間距離を一定に
保つことができ、充放電特性の劣化が回避された長寿命
の電池パックを提供することができる。なお、フィラー
としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、Kevla
r、マイカ、シリカ、酸化チタン、ケイ酸カルシウム、
酸化アルミニウム、硫酸バリウム、マグネシア、窒化ケ
イ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、金属フィ
ラーなどを挙げることができる。
【0140】樹脂成形は、例えば、圧縮成形、射出成
形、押し出し成形などを採用することができる。圧縮成
形は、原料樹脂を加熱した金型のキャビティに入れ、加
熱加圧して型内に充填硬化させる方法で、主に熱硬化性
樹脂に対して用いられる。射出成形は、原料樹脂を加熱
炉中で溶融し、その融液を金型へ急速に射出した後、直
ちに冷却固化させる成形方法で、主に熱可塑性樹脂に対
して用いられる。一方、押し出し成形としては、高圧固
体押し出し方法があげられる。高圧固体押し出し方法と
は、融点以下の固体状態の高分子を数千気圧の圧力を用
いて押し出し成形する方法である。
【0141】原料樹脂として熱可塑性樹脂または熱硬化
性樹脂を用いる場合、樹脂成形温度は100℃以下にす
ることが好ましい。樹脂成形の温度が100℃を超える
と、素電池に含まれる電解液が沸騰するなどが生じて電
解液に悪影響を及ぼす恐れがある。樹脂成形温度のより
好ましい範囲は、80℃以下で、さらに好ましい温度は
60℃以下である。
【0142】樹脂成形の際、ボイドの発生を防止するた
めに金型内を減圧すると良い。また、金型の形状を外装
壁の形状と等しいかやや大きくし、かつ金型の容積を原
料樹脂の充填体積よりやや小さくして原料樹脂に圧力が
加わるようにすることが好ましい。さらに、加圧時に余
分な樹脂を放出するエアベントを金型に設けることが望
ましい。
【0143】以上説明した本発明に係る電池パックによ
れば、素電池及び前記素電池に電気的に接続される保護
回路を備える電池パックユニットの外周形状に沿って樹
脂成形により外装壁を形成し、この外装壁を電池パック
ユニットのケースとして使用する。このような電池パッ
クは、素電池と保護回路の位置を外装壁で固定すること
ができるため、誤って落下させた際に素電池と保護回路
が位置ずれせず、電池パックの信頼性を向上することが
できる。また、電池パックユニットに近接して外装壁が
設けられているため、電池パック内の無駄な空間を低減
することができ、電池パックの体積エネルギー密度並び
に重量エネルギー密度を向上することができる。よっ
て、外装壁の厚さを厚くしても高いエネルギー密度を確
保することが可能であるため、電池パックの耐熱性を高
めるために外装壁を厚くすることができる。さらに、電
池パックの容量変更を簡単に行うことが可能になる。
【0144】以下、本発明に係る第1の電池について説
明する。
【0145】第1の電池は、リチウムを吸蔵放出する正
極及び負極を有する電極群と、液状もしくはゲル状の非
水電解質とを含む発電要素と、前記発電要素の周囲に樹
脂成形により外装壁を形成することにより得られる、前
記発電要素を密封するための容器とを具備する。
【0146】発電要素には、前述した第1〜第5の非水
電解質二次電池において説明したのと同様なものを使用
することができる。
【0147】容器は、内面(外装壁の内面)が発電要素
の外周形状に沿っていることが好ましい。このような構
成にすることによって、容器内の無駄な空間を大幅に低
減することができると共に、容器により電極群を十分に
加圧することが可能となる。
【0148】容器を構成する原料樹脂としては、前述し
た電池パックで説明したのと同様なものを使用すること
ができる。
【0149】樹脂成形は、例えば、圧縮成形、射出成
形、押し出し成形などを採用することができる。
【0150】原料樹脂として熱可塑性樹脂または熱硬化
性樹脂を用いる場合、樹脂成形温度は前述した電池パッ
クで説明したのと同様な範囲内に設定することが好まし
い。
【0151】発電要素には、保護回路が含まれていても
良い。この保護回路には、前述した電池パックで説明し
たのと同様なものを使用することができる。
【0152】電極群は、耐薬品性に優れるフィルム材
(例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィ
ルムなど)で簡易包装されていても良い。
【0153】正極、負極及びリチウムイオン伝導層を一
体化させ、密着性を高めるために、電極群の表面の少な
くとも一部を樹脂製のチューブで被覆することが望まし
い。電極群の形状により樹脂製チューブの最適な被覆方
法は異なり、正極と負極をその間にリチウムイオン伝導
層を介在させて渦巻き状もしくは扁平形状に捲回した構
造の電極群の場合、最外周の少なくとも一部を樹脂製チ
ューブで被覆することが好ましい。一方、正極と負極を
その間にリチウムイオン伝導層を介在させて折り曲げる
ことにより得られる扁平形状の電極群と、正極と負極を
その間にリチウムイオン伝導層を介在させながら交互に
積層した積層構造の電極群の場合、最外層を含む4つの
面で構成される周面の少なくとも一部を樹脂製チューブ
で被覆することが好ましい。これらの被覆方法による
と、積層構造が露出している面の一部もしくは全部を樹
脂製チューブで覆わずに残しておくことができるため、
電極群への電解液浸透速度を確保しつつ、正極と負極と
セパレータとの密着性を高くすることができる。
【0154】樹脂製チューブとしては、例えば、熱収縮
チューブを挙げることができる。また、充放電反応に際
してのリチウムの吸蔵・放出反応によって電極群が膨張
・収縮するため、樹脂製チューブは、弾性を有すること
が望ましい。弾性を持つ樹脂製チューブとしては、例え
ば、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等
から形成された熱収縮チューブを挙げることができる。
【0155】樹脂製チューブの厚さは、0.02〜0.
5mmの範囲内にすることが好ましい。これは次のよう
な理由によるものである。樹脂製チューブの厚さを0.
02mm未満にすると、熱収縮による樹脂製チューブが
薄くなるために十分な強度が得られなくなり、また、充
放電による電極群の膨れを抑える力が弱くなって長寿命
を得られなくなる恐れがある。一方、樹脂製チューブの
厚さが0.5mmを超えると、充放電による電極群の膨
れは抑制できるものの、電池としての重量エネルギー密
度、体積エネルギー密度を得られなくなる恐れがある。
より好ましい範囲は、0.05〜0.2mmである。
【0156】正極と負極がその間に絶縁性のリチウムイ
オン伝導層を介在させて扁平形状に捲回された構造の電
極群の少なくとも最外周の一部を樹脂製チューブで被覆
すると、電極群の硬度によっては、電極群の中央部が端
部より盛り上がる変形を生じる場合がある。このため、
電極群内に補強板を挿入してから、電極群の少なくとも
最外周の一部を樹脂製チューブで被覆することが好まし
い。具体的には、補強板を巻き芯として扁平形状の電極
群を作製した後、この電極群の少なくとも最外周の一部
を熱収縮チューブで被覆することが望ましい。
【0157】補強板は、絶縁性を有することが好まし
い。かかる補強板は、例えば、ポリオレフィンのような
合成樹脂から形成することが好ましい。中でも、ポリプ
ロピレンか、ポリエチレンか、ポリプロピレンとポリエ
チレンの複合材料が望ましい。
【0158】補強板の厚さは、0.05〜1.5mmの
範囲内にすることが好ましい。これは次のような理由に
よるものである。補強板の厚さを0.05mm未満にす
ると、電極群を樹脂製チューブで被覆する際に電極群が
変形するのを抑えることが困難になる恐れがある。一
方、補強板の厚さが1.5mmを超えると、電池におい
て高いエネルギー密度を得られなくなる恐れがある。よ
り好ましい範囲は、0.1〜1mmである。
【0159】以上説明した本発明に係る第1の電池によ
れば、リチウムを吸蔵放出する正極及び負極を有する電
極群と、液状もしくはゲル状の非水電解質とを含む発電
要素の周囲に樹脂成形により外装壁を形成し、前記発電
要素を密封することによって、重量エネルギー密度並び
に体積エネルギー密度が高く、かつ充放電サイクル寿命
の長い電池を実現することができる。
【0160】すなわち、発電要素を金属製のケース内に
密封した電池において、薄型化を図るためにケースの厚
さを薄くすると、かしめ等による封口が困難になる。ま
た、ケースの厚さを薄くするにも限界がある。
【0161】一方、発電要素をラミネートフィルムで密
封すると、重量エネルギー密度並びに体積エネルギー密
度の大きい薄型電池を作製することができる。しかしな
がら、ラミネートフィルムからなる容器は、耐突き刺し
性に弱いため、穴があいたり、破れたりする可能性が高
く、非水電解質が外部に漏れ出しやすい。特に、液状非
水電解質を用いる電池では、大きな荷重が加わった際に
も漏液が生じるようになる。また、非水電解質二次電池
では、充放電反応に際して正極及び負極が膨張収縮を繰
り返すが、ラミネートフィルムからなる容器ではこの膨
張収縮による体積変化を抑える力が弱いため、充放電サ
イクルの進行に伴って電極間の隙間が大きくなり、また
隙間の増加により電極間距離にばらつきを生じるように
なる。その結果、イオンのパスを十分に行うことができ
なくなるため、充放電サイクル特性が低下する。
【0162】さらに、金属製のケースまたはラミネート
フィルムからなる容器を使用すると、形状的、構造的に
電池の中心部分が、充放電に伴う電極の膨張収縮により
膨れやすい。特に初充電時の膨れが大きくなる。また、
これらの容器は、電極群の体積変化や電池内でのガス発
生により変形しやすいという問題点もある。
【0163】これらの要因が重なった結果、ラミネート
フィルムからなる容器を用いる電池では、充放電反応に
伴い、電池によじれが生じたり、あるいは電池に凹凸が
生じたりして電池の外観が大きく変化する場合がある。
【0164】本願発明によると、発電要素の周囲に樹脂
成形によって外装壁を形成し、この外装壁で発電要素を
包囲し、密封することによって、充放電反応に伴って電
極群の体積が大幅に変化するのを防止することができる
ため、電極間の隙間が増加するのを抑えることができ
る。その結果、充放電サイクルの進行に伴って内部イン
ピーダンスが増加するのを抑えることができるため、充
放電サイクル寿命を向上することができる。また、容器
の機械的強度を向上することができるため、容器の破損
による液漏れが少なくなり、かつ電極群の体積変化やガ
ス発生による容器の変形を低減することができる。さら
に、容器が軽量であるため、重量エネルギー密度を高く
することができる。
【0165】本願発明において、電極群の面の少なくと
も一部を樹脂製チューブで被覆して正極と負極とリチウ
ムイオン伝導層との密着性を向上させることによって、
充放電により電極間の隙間が大きくなるのを十分に抑制
することができる。同時に、非水電解質(特に液状非水
電解質)が電極群の表面から外部に拡散するのを防止す
ることができるため、非水電解質による容器の変質を回
避することができる。その結果、充放電サイクル寿命を
より改善することが可能になる。
【0166】また、本願発明において、電極群の形状
を、正極と負極がその間に絶縁性のリチウムイオン伝導
層を介在させて扁平形状に捲回された構造にする場合、
電極群内に補強板を挿入し、この補強板が挿入された状
態の電極群の少なくとも最外周の一部を樹脂製チューブ
で被覆することによって、電極群を変形させることな
く、正極と負極とセパレータとの密着性を高めることが
可能になる。
【0167】以下、本発明に係る第2の電池について説
明する。
【0168】この電池は、水酸化ニッケルを含む正極と
水素吸蔵合金を含む負極がその間にセパレータを介在さ
せながら積層された構造を有する電極群と、前記電極群
に含浸されるアルカリ電解液とを含む発電要素と、前記
電極群の表面の少なくとも一部を被覆することにより前
記正極、前記負極及び前記セパレータを一体化するため
の樹脂製チューブと、樹脂を含む材料で形成された前記
発電要素を密封するための容器とを具備する。
【0169】発電要素は、前述した電池パックのニッケ
ル水素二次電池において説明したのと同様な構成にする
ことができる。
【0170】電極群の各最外層上に電極群押え板を積層
することが好ましい。この電極群押え板は、樹脂製チュ
ーブにより電極群に固定される。
【0171】電極群押え板は、耐アルカリ性の金属から
形成されていることが好ましく、具体的には、表面にニ
ッケルが配されている金属材料を挙げることができる。
表面にニッケルが配されている金属材料としては、例え
ば、ニッケル、ニッケルメッキが施されている鋼などを
挙げることができる。
【0172】電極群押え板の厚さは、0.05〜1.5
mmの範囲内にすることが好ましい。これは次のような
理由によるものである。厚さを0.05mm未満にする
と、正極と負極とセパレータとの密着強度が不十分とな
って長寿命を得られなくなる恐れがある。一方、厚さが
1.5mmを超えると、電池のエネルギー密度が不十分
となる恐れがある。厚さのより好ましい範囲は、0.1
〜1mmである。
【0173】正極、負極及びセパレータを樹脂チューブ
で一体化するためには、周面の少なくとも一部をチュー
ブで囲むことが望ましい。このような被覆方法を採用す
ることによって、電極群への電解液浸透速度を確保しつ
つ、正極と負極とセパレータの密着性をより向上するこ
とができる。また、電極群の最外層に電極群押え板を積
層し、この押え板の少なくとも一部と電極群の側面の少
なくとも一部を樹脂製チューブで囲むことによって、電
極群への電解液浸透速度を確保しつつ、正極と負極とセ
パレータの密着性をより向上することができると共に、
電極群に押え板を確実に固定することができる。
【0174】樹脂製チューブとしては、前述した第1の
電池で説明したのと同様なものを挙げることができる。
また、樹脂製チューブの厚さは、前述した第1の電池で
説明したのと同様な範囲に設定することが好ましい。
【0175】樹脂を含む材料で形成された容器として
は、例えば、樹脂層を含むシートからなる容器、発電要
素の周囲に樹脂成形により外装壁を形成することにより
得られる容器などを挙げることができる。樹脂層を含む
シートとしては、前述した電池パックの非水電解質二次
電池の欄で説明したのと同様なものを使用することがで
きる。また、発電要素の周囲に樹脂成形により外装壁を
形成することにより得られる容器には、前述した第1の
電池で説明したのと同様なものを挙げることができる。
【0176】発電要素には、保護回路が含まれていても
良い。この保護回路には、前述した電池パックで説明し
たのと同様なものを使用することができる。
【0177】以上説明した本発明に係る第2の電池は、
水酸化ニッケルを含む正極と水素吸蔵合金を含む負極と
前記正極及び前記負極の間に介在されるセパレータとを
有する電極群と、前記電極群に含浸されるアルカリ電解
液とを含む発電要素と、前記電極群の表面の少なくとも
一部を被覆することにより前記正極、前記負極及び前記
セパレータを一体化するための樹脂製チューブと、樹脂
を含む材料で形成された前記発電要素を密封するための
容器とを具備する。
【0178】このような電池によれば、樹脂を含む材料
で形成された容器を用いていても正極と負極とセパレー
タとを十分に密着させておくことが可能になる。その結
果、内部抵抗を低く保つことができるため、優れた充放
電サイクル特性を得ることが可能になる。また、容器の
軽量化を図ることができるため、電池の重量エネルギー
密度を向上することができる。
【0179】本発明において、正極と負極の間にセパレ
ータが介在された積層構造を有する電極群の最外層に電
極群押え板を配置し、電極群の側面の少なくとも一部及
び電極群押え板の少なくとも一部を樹脂製チューブで被
覆し、正極と負極とセパレータの一体化を図ると共に電
極群に押え板を固定することによって、正極と負極とセ
パレータとの密着性をさらに高くすることができるた
め、充放電サイクル特性をより向上することが可能にな
る。
【0180】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して詳細に説明する。
【0181】(実施例1) <液状非水電解質を備える非水電解質二次電池の電池パ
ック> <正極の作製>まず、リチウムコバルト酸化物(Lix
CoO2;ただし、xは0<x≦1である)粉末91重
量%をアセチレンブラック3重量%、グラファイト3重
量%、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)
3重量%および溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン
(NMP)を加えて混合し、スラリーを調製した。前記
スラリーを厚さが15μmのアルミニウム箔からなる集
電体の両面に塗布した後、乾燥し、プレスすることによ
り電極密度が3g/cm3で、正極層が集電体の両面に
担持された構造の正極を作製した。
【0182】<負極の作製>炭素質材料として3000
℃で熱処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維(繊維径
が8μm、平均繊維長が20μm、平均面間隔
(d002)が0.336nm)の粉末を93重量%と、
結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)7重量
%を混合し、スラリーを調製した。前記スラリーを厚さ
が12μmの銅箔1からなる集電体の両面に塗布し、乾
燥し、プレスすることにより電極密度が1.4g/cm
3で、負極層が集電体に担持された構造の負極を作製し
た。
【0183】<セパレータ>厚さが25μm、120
℃、1時間での熱収縮が20%で、多孔度が50%のポ
リエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータを用意
した。
【0184】<非水電解液の調製>エチレンカーボネー
ト(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブ
チロラクトン(BL)及びビニレンカーボネート(V
C)を体積比率(EC:PC:BL:VC)が25:
2:72:1になるように混合して非水溶媒を調製し
た。得られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム(Li
BF4)をその濃度が1.5モル/Lになるように溶解
させて、非水電解液を調製した。
【0185】<電極群の作製>前記正極の集電体に帯状
の正極リードを溶接し、前記負極の集電体に帯状の負極
リードを溶接した後、前記正極及び前記負極をその間に
前記セパレータを介して渦巻き状に捲回した後、偏平状
に成形し、電極群を作製した。この電極群を90℃に加
熱しながら13kg/cm2の圧力で25秒間プレス成
形を施し、前記正極、前記負極及び前記セパレータを一
体化させた。
【0186】アルミニウム箔の両面をポリプロピレンで
覆った厚さ100μmのラミネートフィルムを袋状に成
形し、これに前記電極群を収納した。
【0187】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記電
極群及び前記ラミネートフィルムに含まれる水分を除去
した。前記ラミネートフィルム内の電極群に前記非水電
解液を電池容量1Ahあたりの量が4.8gとなるよう
に注入し、厚さが3.6mm、幅が35mm、高さが6
2mmの薄型非水電解質二次電池を組み立てた。
【0188】<電池パックの作製>前記薄型電解質二次
電池に保護回路を電気的に接続して電池パックユニット
を構成し、このユニットの外周形状に沿って外装壁を、
熱可塑性樹脂であるポリエチレン樹脂を用いて射出成形
方法で、かつ金型を用いて形成した後、表面に外部端子
を設け、チップ型の非水電解質二次電池パックを得た。
【0189】この非水電解質二次電池パックに対し、初
充電工程として以下の処置を施した。まず、45℃の高
温環境下に2h放置した後、その環境下で0.2C(1
04mA)で4.2Vまで定電流、定電圧充電を15時
間行った。その後、7日間放置した。さらに20℃の環
境下で0.2Cで3.0Vまで放電した。
【0190】得られた非水電解質二次電池パックを図1
〜図4に示す。
【0191】図1に示すように、電池パックユニット1
は、薄型非水電解質二次電池2及び前記二次電池2に電
気的に接続される保護回路3を含む。本図においては、
二次電池2からは負極リード9が延出されている。電池
パックユニット1の外周形状に沿って外装壁4が樹脂成
形により形成されている。この外装壁4が、電池パック
ユニット1のケースである。外部端子5は、外装壁4の
表面に露出している。そして、負極リード9(図示しな
い正極リード)と保護回路3、保護回路3と外部端子5
とは接続リード(図示せず)により電気的に接続されて
いる。
【0192】図2〜図5に示すように、薄型非水電解質
二次電池2は、電極群6及び前記電極群6に含浸されて
いる液状非水電解質を含む発電要素と、前記発電要素が
密封される袋状のラミネートフィルム製容器7とを備え
る。帯状の正極リード8及び帯状の負極リード9は、そ
れぞれ、前記容器7の外部に延出され、接続リードAに
より保護回路3に接続され、さらに保護回路3から接続
リードBにより前述した外部端子5と接続されている。
これら接続リードA,Bの構成は任意の手段を採用する
ことができる。電池の占有体積を小さくするため、容器
7の長手方向側の端部10は上方に折り返されている。
前記電極群6は、正極、セパレータおよび負極からなる
積層物が偏平形状に捲回された構造を有する。前記積層
物は、図5に示すように、(図の下側から)セパレータ
11、正極層12と正極集電体13と正極層12を備え
た正極14、セパレータ11、負極層15と負極集電体
16と負極層15を備えた負極17、セパレータ11、
正極層12と正極集電体13と正極層12を備えた正極
14、セパレータ11、負極層15と負極集電体16を
備えた負極17がこの順番に積層されたものからなる。
前記電極群6は、最外層に前記負極集電体16が位置し
ている。
【0193】(実施例2) <ゲル状非水電解質を備える非水電解質二次電池のパッ
ク・セパレータなし>ビニリデンフロライドヘキサフル
オロプロピレン共重合体(PVdF−HFP共重合体)
をテトラヒドキシフラン(THF)に溶解して得た溶液
と、前述した実施例1で説明したのと同様な非水電解液
とを混合することによりペーストを調製した。得られた
ペーストを成膜し、薄膜を得た。
【0194】次いで、前述した実施例1で説明したのと
同様な正極の集電体に帯状の正極リードを溶接し、前述
した実施例1で説明したのと同様な負極の集電体に帯状
の負極リードを溶接した後、前記正極及び前記負極をそ
の間に前記薄膜を介して渦巻き状に捲回した後、偏平状
に成形し、電極群を作製した。この電極群を前述した実
施例1で説明したのと同様な非水電解液に浸漬した後、
減圧下で薄膜を可塑化させることにより正極と負極の間
に非水電解質層が介在された電極群を得た。
【0195】前述した実施例1で説明したのと同様な容
器内に電極群を密封することにより、厚さが3.6m
m、幅が35mm、高さが62mmの薄型非水電解質二
次電池を組み立てた。
【0196】得られた薄型非水電解質二次電池を用いる
こと以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にし
て電池パックを製造した。
【0197】この非水電解質二次電池のパックに対し、
初充電工程として以下の処置を施した。まず、45℃の
高温環境下に2h放置した後、その環境下で0.2C
(84mA)で4.2Vまで定電流、定電圧充電を15
時間行った。その後。7日間20℃で放置した。さらに
20℃の環境下で0.2Cで3.0Vまで放電した。
【0198】(実施例3) <ゲル状非水電解質を備える非水電解質二次電池のパッ
ク・セパレータあり>前述した実施例2で説明したのと
同様なペーストを、前述した実施例1で説明したのと同
様な正極及び負極の表面に塗布した。このような正極と
負極の間にセパレータを介在させて偏平形状に捲回する
ことにより、電極群を得た。
【0199】前述した実施例1で説明したのと同様な容
器内に電極群を密封することにより、厚さが3.6m
m、幅が35mm、高さが62mmの薄型非水電解質二
次電池を組み立てた。
【0200】得られた薄型非水電解質二次電池を用いる
こと以外は、前述した実施例1で説明したのと同様にし
て電池パックを製造した。次いで、この非水電解質二次
電池のパックに対し、前述した実施例2で説明したのと
同様な条件で初充電工程を施した。
【0201】(比較例1)前述した実施例1で説明した
のと同様な薄型非水電解質二次電池2と保護回路3を樹
脂で成形されたケース18に収めて、端子5をつなぎ、
図6及び図7に示す構造の電池パックを得た。得られた
電池パックに前述した実施例1で説明したのと同様な条
件で初充電工程を施した。
【0202】得られた実施例1〜3及び比較例1の電池
パックについて、高さ2mから落下させた際の歩留まり
を測定することにより、電池パックの耐衝撃性を評価
し、その結果を下記表1に示す。
【0203】
【表1】
【0204】表1から明らかなように、実施例1〜3の
電池パックは、比較例1に比べて、耐衝撃試験に対する
歩留まりが高いことがわかる。
【0205】(実施例4) <薄型ニッケル水素二次電池の組立て>アルゴン雰囲気
下で構成元素を高周波誘導炉で溶解し、水冷銅鋳型に注
湯・固化して組成がMm0.81Mg0.19Ni3.3Al
0.1(但し、MmはLa:Se:Pr:Nd=40:
4:16:40の希土類混合物である)で表わされる水
素吸蔵合金合金インゴットを作製した。この合金インゴ
ットに900〜1020℃で2〜10時間の熱処理をア
ルゴン雰囲気下で施した。得られた合金インゴットを平
均粒径50μmとなるようにアルゴン雰囲気中で粉砕
し、水素吸蔵合金粉末を作製した。上記合金粉末100
重量部に対してスチレン・ブタジエンゴム(SBR)を
1重量部、ポリアクリル酸ナトリウム0.2重量部、カ
ルボキシメチルセルロース0.2重量部、ケッチェンブ
ラック0.5重量部、Ni粉0.5重量部および水50
重量部を加えて攪拌することによりペーストを調製し
た。得られたペーストを、穿孔ニッケルメッキ鉄薄板に
塗布し、乾燥し、塗工板を得た。この塗工板をロールプ
レスにより調厚した後、裁断して、水素吸蔵合金量とし
て2.5gを含む負極板を得た。
【0206】430mAhの公称容量を有する公知技術
によって作製されたペースト式ニッケル正極板と、アク
リル酸がグラフト重合されたポリオレフィン系不織布か
らなるセパレータを用意した。正極と負極をその間にセ
パレータを介在させながら交互に積層することにより電
極群を得た。
【0207】次いで、図8に示すように、この電極群1
9の最外層19aと長手方向側の側面19bをポリ塩化
ビニル製の厚さが0.1mmの熱収縮チューブ(樹脂製
チューブ)20で被覆した。前述した実施例1で説明し
たのと同様な容器内に、熱収縮チューブで束ねた電極群
を収納した。その後、アルカリ電解液として7モルのK
OHと0.5モルのNaOHと0.5モルLiOHから
なる混合水溶液0.7gを注入し、封口し、図9に示す
構造を有する公称容量が430mAhの薄型ニッケル水
素二次電池を製造した。
【0208】すなわち、電極群19は、負極合剤層21
と負極用導電性基板22と負極合剤層21とを備えた負
極23、セパレータ24、正極合剤層25−1と正極用
導電性基板25−2と正極合剤層25−1とを備えた正
極25、セパレータ24、負極合剤層21と負極用導電
性基板22と負極合剤層21とを備えた負極23がこの
順番に積層された積層物である。熱収縮チューブ20
は、電極群19の最外層19aと長手方向側の側面19
bを被覆し、正極25と負極23とセパレータ24とを
一体化させている。このような電極群19は、ラミネー
トフィルム製の袋状容器26内に密封されている。正極
25と電気的に接続されている帯状の正極リード27
と、負極23と電気的に接続されている帯状の負極リー
ド28は、前記容器26の外部に延出されている。正極
リード27と負極リード28は、保護回路に接続され、
保護回路から電池パックの外部端子に接続される。
【0209】得られた薄型ニッケル水素二次電池を用い
ること以外は、前述した実施例1と同様にして薄型ニッ
ケル水素二次電池のパックを組み立てた。
【0210】薄型ニッケル水素二次電池のパックを24
時間室温で放置した後、室温で43mAの電流で10時
間充電後、60℃で5時間保持し、続いて室温で43m
Aの電流で電池電圧が0.7Vになるまで放電するとい
う充放電サイクルを行い、さらに86mAの電流で5時
間充電後、86mAの電流で電池電圧が0.8Vになる
まで放電するという充放電サイクルを室温で2回行っ
た。
【0211】(比較例2)前述した実施例4で説明した
のと同様な薄型ニッケル水素二次電池と保護回路を樹脂
で成形されたケースに収めて、端子をつなぎ、電池パッ
クを得た。得られた電池パックに前述した実施例4で説
明したのと同様な条件で初充放電工程を施した。
【0212】得られた実施例4及び比較例2の電池パッ
クについて、高さ2mから落下させた際の歩留まりを測
定することにより、電池パックの耐衝撃性を評価し、そ
の結果を下記表2に示す。
【0213】
【表2】
【0214】表2から明らかなように、実施例4の電池
パックは、比較例2に比べて、耐衝撃試験に対する歩留
まりが高いことがわかる。
【0215】<液状非水電解質を備える薄型非水電解質
二次電池> (実施例5)前述した実施例1で説明したのと同様にし
て電極群を作製し、この電極群に前述した実施例1で説
明したのと同様な非水電解液を真空含浸させた。次い
で、電極群に保護回路を接続し、得られた発電要素の外
周形状に沿って外装壁を、熱可塑性樹脂であるポリエチ
レン樹脂を用いて射出成形法で形成し、この外装壁で囲
まれた空間内に発電要素を密封し、図10に示す構造を
有する薄型非水電解質二次電池を得た。
【0216】図10に示すように、射出成形のような樹
脂成形で構成された容器29内に発電要素が密封されて
いる。発電要素は、電極群6と、前記電極群6に含浸さ
れている非水電解液と、前記電極群6に電気的に接続さ
れる保護回路3とを備える。電極群6に電気的に接続さ
れている正極リード8(図示せず)及び負極リード9
は、保護回路3に接続リード(図示せず)により接続さ
れ、保護回路3から容器29の表面に形成されている外
部端子5と接続リード(図示せず)により接続されてい
る。
【0217】(実施例6)図11に示すように、前述し
た実施例1で説明したのと同様にして作製された電極群
6をポリ塩化ビニル製の厚さが0.1mmの熱収縮チュ
ーブ(樹脂製チューブ)30内に挿入し、図12に示す
ように、電極群6の最外周を熱収縮チューブ30で被覆
し、正極14と負極17とセパレータ11との密着性を
高めた。
【0218】ひきつづき、この電極群に前述した実施例
1で説明したのと同様な非水電解液を真空含浸させた。
次いで、電極群に保護回路を接続し、得られた発電要素
の外周形状に沿って外装壁を、熱可塑性樹脂であるポリ
エチレン樹脂を用いて射出成形法で形成し、この外装壁
で囲まれた空間内に発電要素を密封し、図13に示す構
造を有する薄型非水電解質二次電池を得た。
【0219】図13に示すように、射出成形のような樹
脂成形で構成された容器29内に発電要素が密封されて
いる。発電要素は、電極群6と、前記電極群6に含浸さ
れている非水電解液と、前記電極群6に電気的に接続さ
れる保護回路3とを備える。電極群6の最外周は、熱収
縮チューブ30で被覆されている。また、電極群6に電
気的に接続されている正極端子8及び負極端子9は、そ
れぞれ、保護回路3に接続リード(図示せず)により接
続され、保護回路3から接続リード(図示せず)により
容器29の表面に形成されている外部端子5と接続され
ている。
【0220】(実施例7)補強板である厚さが0.1m
mのポリプロピレン板を巻き芯として、前述した実施例
1で説明したのと同様な正極と実施例1で説明したのと
同様な負極をその間に実施例1で説明したのと同様なセ
パレータを介在させて扁平形状に捲回することにより扁
平型の電極群を作製した。この電極群を90℃に加熱し
ながら13kg/cm2の圧力で25秒間プレス成形を
施し、前記正極、前記負極及び前記セパレータを一体化
させた。
【0221】次いで、図14に示すように、最内周に補
強板31が挿入されている電極群32の最外周をポリ塩
化ビニル製の厚さが0.1mmの熱収縮チューブ(樹脂
製チューブ)30で被覆し、正極14と負極17とセパ
レータ11との密着性を高めた。
【0222】ひきつづき、この電極群に前述した実施例
1で説明したのと同様な非水電解液を真空含浸させた。
次いで、電極群に保護回路を接続し、得られた発電要素
の外周形状に沿って外装壁を、熱可塑性樹脂であるポリ
エチレン樹脂を用いて射出成形法で形成し、この外装壁
で囲まれた空間内に発電要素を密封し、図15に示す構
造を有する薄型非水電解質二次電池を得た。
【0223】図15に示すように、射出成形のような樹
脂成形で構成された容器29内に発電要素が密封されて
いる。発電要素は、電極群32と、前記電極群32に含
浸されている非水電解液と、前記電極群32に電気的に
接続される保護回路3とを備える。電極群32の最外周
は、熱収縮チューブ30で被覆されている。また、電極
群32の最内周には、巻き芯を兼ねる補強板31が挿入
されている。さらに、電極群32に電気的に接続されて
いる正極端子8及び負極端子9は、それぞれ、保護回路
3に接続リード(図示せず)により接続され、保護回路
3から接続リード(図示せず)により容器29の表面に
形成されている外部端子5と接続されている。
【0224】(比較例3)前述した実施例1で説明した
のと同様な薄型非水電解質二次電池に保護回路を接続し
たものを比較例3の薄型非水電解質二次電池として用意
した。
【0225】得られた実施例5〜7及び比較例3の二次
電池について、前述した実施例1で説明したのと同様な
条件で初充電工程を施した後、20℃環境下で1Cレー
トでの4.2V定電流、定電圧の3時間充電と、1Cレ
ートの3.0V放電のサイクルを繰り返し、400サイ
クル後の容量維持率を測定した。その結果を表3に示し
た。
【0226】
【表3】
【0227】表3から明らかなように、実施例5〜7の
二次電池は、400サイクル後の放電容量維持率が比較
例3に比べて高いことがわかる。
【0228】(実施例8)前述した実施例4で説明した
のと同様にして熱収縮チューブで束ねられた電極群を用
意した。この電極群に前述した実施例4で説明したのと
同様なアルカリ電解液を真空含浸させた。次いで、電極
群に保護回路を接続し、得られた発電要素の外周形状に
沿って外装壁を、熱可塑性樹脂であるポリエチレン樹脂
を用いて射出成形法で形成し、この外装壁で囲まれた空
間内に発電要素を密封し、図16及び図17に示す構造
を有する薄型ニッケル水素二次電池を得た。
【0229】図16及び図17に示すように、射出成形
のような樹脂成形で構成された容器33内に発電要素が
密封されている。発電要素は、電極群19と、前記電極
群19に含浸されているアルカリ電解液と、前記電極群
19に電気的に接続される保護回路3とを備える。熱収
縮チューブ20は、電極群19の最外層及び長手方向側
の側面を被覆し、正極25と負極23とセパレータ24
とを一体化させている。また、電極群19に電気的に接
続されている正極端子27及び負極端子28は、それぞ
れ、保護回路3に接続リード(図示せず)により接続さ
れ、保護回路3から接続リード(図示せず)により容器
33の表面に形成されている外部端子5と接続されてい
る。
【0230】(実施例9)発電要素を密封するための容
器を、常温硬化樹脂であるエポキシ樹脂を金型に流し込
んで成形すること以外は、前述した実施例8で説明した
のと同様にして薄型ニッケル水素二次電池を製造した。
【0231】(実施例10)前述した実施例4で説明し
たのと同様にして積層型電極群を作製した。この積層型
電極群の両方の最外層に厚さが0.3mmのニッケル板
(電極群押さえ板)を配置した後、ニッケル板の表面及
び電極群の長手方向側の側面を、ポリ塩化ビニル製の厚
さが0.1mmの熱収縮チューブ(樹脂製チューブ)で
被覆した。
【0232】この電極群に前述した実施例4で説明した
のと同様なアルカリ電解液を真空含浸させた。次いで、
電極群に保護回路を接続し、得られた発電要素の外周形
状に沿って外装壁を、熱可塑性樹脂であるポリエチレン
樹脂を用いて射出成形法で形成し、この外装壁で囲まれ
た空間内に発電要素を密封し、図18に示す構造を有す
る薄型ニッケル水素二次電池を得た。
【0233】図18に示すように、射出成形のような樹
脂成形で構成された容器33内に発電要素が密封されて
いる。発電要素は、電極群19と、前記電極群19に含
浸されているアルカリ電解液と、前記電極群19に電気
的に接続される保護回路3とを備える。2枚の電極群押
さえ板34は、電極群19の最外層に配置されている。
熱収縮チューブ20は、電極群押さえ板34および電極
群19の長手方向側の側面を被覆し、正極25と負極2
3とセパレータ24とを一体化させると共に、電極群1
9に電極群押さえ板34を固定している。また、電極群
19に電気的に接続されている正極端子27及び負極端
子28は、それぞれ、保護回路3に接続リード(図示せ
ず)により接続され、保護回路3から接続リード(図示
せず)により容器33の表面に形成されている外部端子
5と接続されている。
【0234】(比較例4)前述した実施例4で説明した
のと同様な薄型ニッケル水素二次電池に保護回路を接続
したものを比較例4の薄型ニッケル水素二次電池として
用意した。
【0235】得られた実施例8〜10及び比較例4の二
次電池について、前述した実施例4で説明したのと同様
な条件で初充放電を施した後、サイクル試験を行い、4
00サイクル後の放電容量維持率の結果を表4に示す。
サイクル試験における充電は、30℃の環境下で86m
Aの電流で充電し、充電時の最大電圧から4mV低下し
た時に充電を終了する−△V法を採用した。一方、放電
は、215mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで
行った。
【0236】
【表4】
【0237】表4から明らかなように、実施例8〜10
の二次電池は、400サイクルでの放電容量維持率を比
較例4に比べて高くできることがわかる。
【0238】<ゲル状非水電解質を備える薄型非水電解
質二次電池(セパレータなし)> (実施例11)前述した実施例2で説明したのと同様に
して、正極と負極の間に非水電解質層が介在された電極
群を得た。次いで、電極群に保護回路を接続し、得られ
た発電要素の外周形状に沿って外装壁を、熱可塑性樹脂
であるポリエチレン樹脂を用いて射出成形法で形成し、
この外装壁で囲まれた空間内に発電要素を密封し、薄型
非水電解質二次電池を得た。
【0239】(実施例12)発電要素を密封するための
外装壁を、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を用いて圧
縮成形法で形成すること以外は、前述した実施例11と
同様にして薄型非水電解質二次電池を得た。
【0240】(実施例13)発電要素を密封するための
外装壁を、常温硬化性樹脂であるポリエチレン樹脂を金
型に流しこんで形成すること以外は、前述した実施例1
1と同様にして薄型非水電解質二次電池を得た。
【0241】(実施例14)発電要素を密封するための
外装壁を、エネルギー線硬化樹脂(光重合樹脂)である
エポキシアクリレート樹脂を用いて形成すること以外
は、前述した実施例11と同様にして薄型非水電解質二
次電池を得た。
【0242】(実施例15)前述した実施例2で説明し
たのと同様にして、正極と負極の間に非水電解質層が介
在された電極群を得た。この電極群の最外周をポリ塩化
ビニル製の厚さが0.1mmの熱収縮チューブ(樹脂製
チューブ)で被覆し、正極と負極とセパレータとの密着
性を高めた。
【0243】ひきつづき、電極群に保護回路を接続し、
得られた発電要素の外周形状に沿って外装壁を、熱可塑
性樹脂であるポリエチレン樹脂を用いて射出成形法で形
成し、この外装壁で囲まれた空間内に発電要素を密封
し、薄型非水電解質二次電池を得た。
【0244】(実施例16)補強板である厚さが0.5
mmのポリプロピレン板を巻き芯として、実施例1で説
明したのと同様な正極及び負極をその間に実施例2で説
明したのと同様な薄膜を介して渦巻き状に捲回した後、
偏平状に成形し、電極群を作製した。この電極群を前述
した実施例1で説明したのと同様な非水電解液に浸漬し
た後、減圧下で薄膜を可塑化させることにより正極と負
極の間に非水電解質層が介在された電極群を得た。この
電極群の最外周をポリ塩化ビニル製の厚さが0.1mm
の熱収縮チューブ(樹脂製チューブ)で被覆し、正極と
負極とセパレータとの密着性を高めた。
【0245】ひきつづき、電極群に保護回路を接続し、
得られた発電要素の外周形状に沿って外装壁を、熱可塑
性樹脂であるポリエチレン樹脂を用いて射出成形法で形
成し、この外装壁で囲まれた空間内に発電要素を密封
し、薄型非水電解質二次電池を得た。
【0246】(比較例5)前述した実施例2で説明した
のと同様な薄型非水電解質二次電池に保護回路を接続し
たものを比較例5の薄型非水電解質二次電池として用意
した。
【0247】得られた実施例11〜16及び比較例5の
二次電池について、前述した実施例1で説明したのと同
様な条件で初充電工程を施した後、20℃環境下で1C
レートでの4.2V定電流、定電圧の3時間充電と、1
Cレートの3.0V放電のサイクルを繰り返し、300
サイクル後の容量維持率を測定した。その結果を表5に
示した。
【0248】
【表5】
【0249】表5から明らかなように、実施例11〜1
6の二次電池は、300サイクル後の放電容量維持率が
比較例5に比べて高いことがわかる。
【0250】<ゲル状非水電解質を備える非水電解質二
次電池(セパレータあり)> (実施例17)前述した実施例3で説明したのと同様な
電極群に保護回路を接続し、得られた発電要素の外周形
状に沿って外装壁を、熱可塑性樹脂であるポリエチレン
樹脂を用いて射出成形法で形成し、この外装壁で囲まれ
た空間内に発電要素を密封し、薄型非水電解質二次電池
を得た。
【0251】(実施例18)前述した実施例3で説明し
たのと同様な電極群の最外周をポリ塩化ビニル製の厚さ
が0.1mmの熱収縮チューブ(樹脂製チューブ)で被
覆し、正極と負極とセパレータとの密着性を高めた。
【0252】ひきつづき、電極群に保護回路を接続し、
得られた発電要素の外周形状に沿って外装壁を、熱可塑
性樹脂であるポリエチレン樹脂を用いて射出成形法で形
成し、この外装壁で囲まれた空間内に発電要素を密封
し、薄型非水電解質二次電池を得た。
【0253】(実施例19)前述した実施例2で説明し
たのと同様なペーストを、前述した実施例1で説明した
のと同様な正極及び負極の表面に塗布した。補強板であ
る厚さが0.5mmのポリプロピレン板を巻き芯とし
て、このような正極と負極の間にセパレータを介在させ
て偏平形状に捲回することにより、電極群を得た。
【0254】この電極群の最外周をポリ塩化ビニル製の
厚さが0.1mmの熱収縮チューブ(樹脂製チューブ)
で被覆し、正極と負極とセパレータとの密着性を高め
た。
【0255】ひきつづき、電極群に保護回路を接続し、
得られた発電要素の外周形状に沿って外装壁を、熱可塑
性樹脂であるポリエチレン樹脂を用いて射出成形法で形
成し、この外装壁で囲まれた空間内に発電要素を密封
し、薄型非水電解質二次電池を得た。
【0256】(比較例6)前述した実施例3で説明した
のと同様な薄型非水電解質二次電池に保護回路を接続し
たものを比較例6の薄型非水電解質二次電池として用意
した。
【0257】得られた実施例17〜19及び比較例6の
二次電池について、前述した実施例1で説明したのと同
様な条件で初充電工程を施した後、20℃環境下で1C
レートでの4.2V定電流、定電圧の3時間充電と、1
Cレートの3.0V放電のサイクルを繰り返し、300
サイクル後の容量維持率を測定した。その結果を表6に
示した。
【0258】
【表6】
【0259】表6から明らかなように、実施例17〜1
9の二次電池は、300サイクル後の放電容量維持率が
比較例6に比べて高いことがわかる。
【0260】なお、前述した実施例4では、図8に示す
ように、電極群19の最外層19aの全面及び長手方向
側の側面19b全体を、樹脂製チューブ20で被覆した
が、例えば図19に示すように、電極群の最外層19a
および長手方向側の側面19bで構成される4つの側周
面の一部を樹脂製チューブ20で被覆しても良い。
【0261】また、前述した実施例6では、図11に示
すように、電極群6の最外周全面を樹脂製チューブ30
で被覆したが、例えば図20に示すように、電極群6の
最外周の一部を樹脂製チューブ30で被覆しても良い。
【0262】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、耐
衝撃性および耐熱性が向上された総合的信頼性に優れる
電池パックを提供することができる。また、本発明によ
れば、液状非水電解質を用いても漏液の心配がなく、エ
ネルギー密度が高く、かつ長寿命な電池を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電池パックを示す縦断面図。
【図2】図1の電池パックの薄型非水電解質二次電池を
示す斜視図。
【図3】図1の電池パックの薄型非水電解質二次電池の
電極群を示す斜視図。
【図4】図1の電池パックの薄型非水電解質二次電池を
示す横断面図。
【図5】図4のA部を示す拡大断面図。
【図6】比較例1の電池パックを示す斜視図。
【図7】図6の電池パックのVI−VI線に沿う断面図。
【図8】実施例4の電池パックの薄型ニッケル水素二次
電池の電極群への樹脂製チューブの被覆方法を示す斜視
図。
【図9】実施例4の電池パックの薄型ニッケル水素二次
電池を示す横断面図。
【図10】実施例5の薄型非水電解質二次電池を示す縦
断面図。
【図11】実施例6の薄型非水電解質二次電池の電極群
への樹脂製チューブの被覆方法を示す斜視図。
【図12】実施例6の薄型非水電解質二次電池の電極群
を示す横断面図。
【図13】実施例6の薄型非水電解質二次電池を示す縦
断面図。
【図14】実施例7の薄型非水電解質二次電池の電極群
を示す横断面図。
【図15】実施例7の薄型非水電解質二次電池を示す縦
断面図。
【図16】実施例8の薄型非水電解質二次電池を示す縦
断面図。
【図17】実施例8の薄型非水電解質二次電池を示す横
断面図。
【図18】実施例9の薄型非水電解質二次電池を示す横
断面図。
【図19】実施例4の電池パックの薄型ニッケル水素二
次電池に組み込まれる電極群の別な例を示す斜視図。
【図20】実施例6の電池パックの薄型非水電解質二次
電池に組み込まれる電極群の別な例を示す斜視図。
【符号の説明】
1…電池パックユニット、 2…薄型非水電解質二次電池、 3…保護回路、 4…外装壁、 5…外部端子、 9…負極リード。
フロントページの続き (72)発明者 小岩 馨 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 太田 英男 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 長谷部 裕之 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 5H011 AA01 AA02 AA17 BB03 CC02 DD11 5H028 AA07 CC02 CC26 5H029 AJ11 AJ15 AK03 AL04 AL06 AM00 AM03 AM04 AM05 AM06 AM16 BJ04 BJ25 DJ02 EJ12 5H040 AA07 AA14 AA27 AA34 AS07 AS13 AS15 AT04 AY04 AY08 DD08 LL06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素電池及び前記素電池に電気的に接続さ
    れる保護回路を備える電池パックユニットと、 前記電池パックユニットの外周形状に沿って樹脂成形に
    より形成される外装壁とを具備することを特徴とする電
    池パック。
  2. 【請求項2】 リチウムを吸蔵放出する正極及び負極を
    有する電極群と、液状もしくはゲル状の非水電解質とを
    含む発電要素と、 前記発電要素の周囲に樹脂成形により外装壁を形成する
    ことにより得られる、前記発電要素を密封するための容
    器とを具備することを特徴とする電池。
  3. 【請求項3】 リチウムを吸蔵放出する正極と、リチウ
    ムを吸蔵放出する負極と、前記正極及び前記負極の間に
    配置される絶縁性のリチウムイオン伝導層とを有する電
    極群を含む発電要素と、 前記電極群の表面の少なくとも一部を被覆することによ
    り前記正極、前記負極及び前記リチウムイオン伝導層を
    一体化させるための樹脂製チューブと、 前記発電要素の周囲に樹脂成形により外装壁を形成する
    ことにより得られる、前記発電要素を密封するための容
    器とを具備することを特徴とする電池。
  4. 【請求項4】 リチウムを吸蔵放出する正極と、リチウ
    ムを吸蔵放出する負極がその間に絶縁性のリチウムイオ
    ン伝導層を介在させて扁平形状に捲回された構造を有す
    る電極群を含む発電要素と、 前記電極群の表面の少なくとも一部を被覆することによ
    り前記正極、前記負極及び前記リチウムイオン伝導層を
    一体化させるための樹脂製チューブと、 前記電極群内に挿入され、前記樹脂製チューブによる電
    極群の変形を防止するための補強板と、 前記発電要素の周囲に樹脂成形により外装壁を形成する
    ことにより得られる、前記発電要素を密封するための容
    器とを具備することを特徴とする電池。
  5. 【請求項5】 前記補強板は、ポリオレフィン樹脂から
    形成されることを特徴とする請求項4記載の電池。
  6. 【請求項6】 前記リチウムイオン伝導層は、液状もし
    くはゲル状の非水電解質を保持しているセパレータか、
    非水溶媒及び前記非水溶媒に溶解されるリチウム塩を含
    有する非水電解質層であることを特徴とする請求項3〜
    4いずれか1項記載の電池。
  7. 【請求項7】 水酸化ニッケルを含む正極、水素吸蔵合
    金を含む負極及び前記正極と前記負極の間に配置される
    セパレータを有する電極群と、前記電極群に含浸される
    アルカリ電解液とを含む発電要素と、 前記電極群の表面の少なくとも一部を被覆することによ
    り前記正極、前記負極及び前記セパレータを一体化する
    ための樹脂製チューブと、 樹脂を含む材料で形成された前記発電要素を密封するた
    めの容器とを具備することを特徴とする電池。
  8. 【請求項8】 水酸化ニッケルを含む正極と水素吸蔵合
    金を含む負極と前記正極及び前記負極の間に配置される
    セパレータとを含む積層構造を有する電極群と、前記電
    極群に含浸されるアルカリ電解液とを含む発電要素と、 前記電極群の各最外層に積層される電極群押え板と、 前記電極群押え板の表面の少なくとも一部と前記電極群
    の側面の少なくとも一部を被覆することにより前記正
    極、前記負極及び前記セパレータを一体化すると共に前
    記電極群に前記電極群押え板を固定するための樹脂製チ
    ューブと、 樹脂を含む材料で形成された前記発電要素を密封するた
    めの容器とを具備することを特徴とする電池。
  9. 【請求項9】 前記電極群押え板は、少なくとも表面に
    ニッケルが配されている金属板であることを特徴とする
    請求項8記載の電池。
  10. 【請求項10】 前記容器は、前記発電要素の周囲に樹
    脂成形で外装壁を形成することにより得られることを特
    徴とする請求項7〜8いずれか1項記載の電池。
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