JP2008277062A - 電池素子外装材、電池パック及びその製造方法 - Google Patents

電池素子外装材、電池パック及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008277062A
JP2008277062A JP2007117945A JP2007117945A JP2008277062A JP 2008277062 A JP2008277062 A JP 2008277062A JP 2007117945 A JP2007117945 A JP 2007117945A JP 2007117945 A JP2007117945 A JP 2007117945A JP 2008277062 A JP2008277062 A JP 2008277062A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
exterior material
battery element
battery pack
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007117945A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Yamamoto
鑑 山本
Yoshinori Gamo
嘉則 蒲生
Hiroyuki Akashi
寛之 明石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2007117945A priority Critical patent/JP2008277062A/ja
Publication of JP2008277062A publication Critical patent/JP2008277062A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】電池パックの体積エネルギー密度の向上、小型・軽量化の実現、耐衝撃性の確保、製造効率の向上に寄与し得る電池素子外装材、これを用いた電池パック、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】電池素子外装材は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル及びポリスチレンなどの重合体を含有する熱収縮フィルム17から成る。電池素子10の外形と近似する外形を有し、電池素子10を内部に封止する際に形成された溶着部を有する。 電池パックは、電池素子10と熱収縮フィルム17から成る電池素子外装材を有し電極端子15a、15bを外部に導出したまま電池素子外装材を封止して成る非水電解質二次電池と、形状維持ポリマーとフィラーを含み非水電解質二次電池を電池素子外装材ごと外装する電池外装材と、電池外装材に内蔵され非水電解質二次電池の電圧及び電流を制御可能な保護回路基板と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、電池素子外装材、電池パック及びその製造方法に係り、更に詳細には、小型・軽量化を実現でき、所望の耐衝撃性を有する電池パックを実現するのに有用な電池素子外装材、これを用いた電池パック及び製造効率に優れる当該電池パックの製造方法に関する。
近年、カメラ一体型ビデオテープレコーダ、携帯電話及び携帯用コンピュータ等のポータブル電子機器が数多く登場し、その小型、軽量化が図られている。かかる電子機器の小型、軽量化に伴って、これらのポータブル電源として用いられる電池パックに対しても、高エネルギーを有し、小型、軽量化されることが求められている。
このような電池パックに用いられる電池としては、高容量を有するリチウムイオン二次電池がある。
リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることができる正極及び負極を有する電池素子を備え、この電池素子と電気的に接続される回路基板によって制御されている。リチウムイオン電池は金属缶や金属ラミネートフィルムに封入される。
金属缶に封入される場合には、深絞りによって成型された金属缶を用いるために缶の直方体の3辺のうち、深絞りする縦方向は長く作ることが難しい。よって、自ずと缶の厚みが厚いタイプの形状設計しかできず、サイズの大きな電池は製造できない。
また、深絞りで形成される缶の厚みは200μmが限界なので、製造適性として200μm厚み以下の厚みの缶には適用できず、また逆に従来よりも強度を高めるために数mm以上の厚みに設計することもできず、設計自由性がなかった。
更に、深絞りするために成型性に優れた金属しか投入できないため、強度を向上させることもできなかった。金属缶に封入された電池は注液後にヒートプレスすることができないので、事実上、ポリマー電池では金属缶を使用できなかった。
以上のことより、金属缶は体積エネルギー密度、サイズ、形状自由性がないこと、パックとしての強度の設計といった点で問題があった。
一方、軽くて薄い金属ラミネートフィルムに封入したリチウムイオン電池では、上記のヒートプレスやサイズ、形状が自由になるものの、薄い金属箔の両面を樹脂層で挟持したラミネート構造を有するがために、成形性を確保する樹脂層の厚みが電池体積の大部分を占有してしまい、本来的に強度を担うはずの金属箔部分が薄くなり、電池強度に寄与できず、従って、厚みの割には電池強度が未だ十分とは言えないという問題があった。
なお、従来より、電池の外装材や包装体として熱収縮フィルムを用いることが提案されているが、これらは、熱収縮フィルムを電池の電流取り出し部以外の最外装部分の被覆体として用いて電池の短絡を防止しようというものであり、熱収縮フィルムで部分的に被覆するか又は穴開きの収縮フィルムで被覆するものである(例えば、特許文献1参照)。
特許第3238881号公報
また、熱収縮フィルムは、金属缶やアルミラミネートフィルムを用いた電池において、電池内部の電極素子を束ねるために使用されていたが(例えば、特許文献2参照)、この場合も、電解液の含浸を妨げないように、熱収縮フィルムは部分的な被覆に用いられるか又は穴開きのものとされていた(例えば、特許文献2参照)。
特許文献3276741号公報
ところで、リチウムイオン二次電池は、電池パックを形成する際に、回路基板とともに収納ケースに収納される(例えば、特許文献3〜5参照)。
ここで、収納ケースは、ポリアミド、ポリウレタンなどの樹脂を溶融させて流し込む熱可塑性樹脂等から成り、例えば上下2つに分割され上ケースと下ケースとから構成される。収納ケースは、この上ケースと下ケースとを繋ぎ合わせることによって、内部にリチウムイオン二次電池と回路基板とを収納する空間を有する1つ筐体を形成する。
特許第3556875号公報 特許第3614767号公報 特許第3643792号公報
かかる収納ケースを用いて電池パックを形成する際には、内部に収納されているリチウムイオン二次電池や回路基板を外部からの衝撃等から保護するため、収納ケースの肉厚がある程度必要となる。このため、電池パック全体の厚みが厚く、重量が重くなってしまう。
また、上下2つに分割された収納ケースを両面テープで繋ぎ合わせる場合、両面テープの厚みの分さらに電池パックの厚みが増してしまう。更に、分割された収納ケースを超音波溶着により繋ぎ合わせる際、超音波溶着する部分にある程度の厚みが必要となるため、電池パックが大きくなってしまう。
このように、従来の電池パックでは、収納ケースの肉厚を厚くせざるを得ず、全体が大型化され、重量が重くなってしまい、ポータブル電源に適さず用途が限られてしまう。
また、従来、電池素子が金属缶に封入された角形電池をやはり溶融樹脂、即ち熱可塑性樹脂で一体成型する方式も提案されている(例えば、特許文献6及び7参照)。
特開2004−303625号公報 特開2004−358735号公報
このような方式は、保護回路を接着させて隙間を無くした構造にすることを意図しているが、金属缶に封入された角形電池と、アルミラミネートフィルムに封入された電池では強度、寸法精度及び製造条件に大きな隔たりがある。
例えば、金属缶に封入された電池は既に分厚い金属缶に封入されているので機械的強度が十分であり、一体成型用の樹脂としては耐落下衝撃性を考慮して弾性に優れた樹脂を用いる必要がある。よって、硬い樹脂ではなく柔軟なゴム状の樹脂が注入される。
更に、金属缶に封入された電池では、電解液を注液し、作製した後にゲルポリマーを熱溶着させるヒートプレス工程を経ることができない。よって、金属缶に封入される電池としては電解液が液状のもののみ使用可能であり、いわゆるラミネート電池のみが、液状及びゲルポリマー双方の電解液を使用することができる。
こうした公知技術に対し、ラミネート電池と回路基板とを囲むようにフレームを配置し、電池と回路基板とフレームとを一括して薄板状の包装体で包むことによって、小型化及び軽量化を図った電池パックが提案されている(例えば、特許文献8参照)。
特開2005−158452号公報
しかし、このような特許文献8に記載の電池パックにあっても、包装体に金属板を用いていたために必要な硬度と成形性を得るために、典型的には、100〜200μm程度の厚みと、更に接着剤や接着テープに50〜100μm程度の厚みが必要であり、更なる改善が望まれている。
また、金属酸化物セラミックスを電池パックの外装材に用いることも考えられるが、金属酸化物セラミックは金属自体よりも硬さに優れるものの、脆性を有するので、外装に薄く密着させる加工技術に問題があった。
以上のように、上記従来技術においては、体積エネルギー密度に優れ、小型・軽量化や耐衝撃性の確保が十分に実現された電池パック、及び製造効率に優れる電池パックの製造方法は見当たらなかった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電池パックの体積エネルギー密度の向上、小型・軽量化の実現、耐衝撃性の確保、製造効率の向上に寄与し得る電池素子外装材、これを用いた電池パック、及びその製造方法を提供することにある。
本明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の熱収縮フィルムを用い、又はこれを形状維持ポリマーとフィラーを含む電池外装材と併用することにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の電池素子外装材は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル及びポリスチレンから成る群より選ばれた少なくとも1種の重合体を含有する熱収縮フィルムから成ることを特徴とする。
また、本発明の電池素子外装材の好適形態は、電池素子の外形と近似する外形を有し、この電池素子をその内部に封止する際に形成された溶着部を有することを特徴とする。
また、本発明の電池パックは、正極と負極をセパレータを介して巻回又は積層して成る電池素子と、熱収縮フィルムから成りこの電池素子を外装する電池素子外装材を有し、上記正極と上記負極の電極端子を外部に導出したまま、上記電池素子の周囲に沿って上記電池素子外装材を封止して成る非水電解質二次電池と、
形状維持ポリマーとフィラーを含み、上記非水電解質二次電池を上記電池素子外装材ごと外装する電池外装材と、
この電池外装材に内蔵され、上記非水電解質二次電池の電圧及び電流を制御可能な保護回路基板と、を備え、
上記電池素子外装材の熱収縮フィルムが、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル及びポリスチレンから成る群より選ばれた少なくとも1種の重合体を含有する、ことを特徴とする。
更に、本発明の電池パックの製造方法は、正極と負極をセパレータを介して巻回又は積層して成る電池素子と、熱収縮フィルムから成りこの電池素子を外装する電池素子外装材を有し、上記正極と上記負極の電極端子を外部に導出したまま、上記電池素子の周囲に沿って上記電池素子外装材を封止して成る非水電解質二次電池と、
形状維持ポリマーとフィラーを含み、上記非水電解質二次電池を上記電池素子外装材ごと外装する電池外装材と、
この電池外装材に内蔵され、上記非水電解質二次電池の電圧及び電流を制御可能な保護回路基板と、を備え、
上記電池素子外装材の熱収縮フィルムが、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル及びポリスチレンから成る群より選ばれた少なくとも1種の重合体を含有する電池パックを製造するに当たり、
上記非水電解質二次電池と上記保護回路基板を、上記電池外装材の成型用金型内に配置し、
次いで、上記形状維持ポリマーと上記フィラーを含有する後硬化成型材料を、上記成型用金型のキャビティ内に注入し、硬化させる、ことを特徴とする。
本発明によれば、特定の熱収縮フィルムを用い、又はこれを形状維持ポリマーとフィラーを含む電池外装材と併用することにしたため、電池パックの体積エネルギー密度の向上、小型・軽量化の実現、耐衝撃性の確保、製造効率の向上に寄与し得る電池素子外装材、これを用いた電池パック、及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の電池素子外装材につき詳細に説明する。なお、本明細書において、濃度、含有量及び配合量などのついての「%」は、特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明の電池素子外装材は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル又はポリスチレン、及びこれらの任意の組み合わせに係る重合体を含有する熱収縮フィルムから成る。
なお、ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィンとしてはポリエチレン及びポリプロピレンのいずれか一方又は双方の混合物が好適である。
本発明では、電池素子を電池素子外装材の内部に収容した後に、電解液を注入し、これを減圧含浸させた後に電池素子外装材を密閉する。
よって、電池素子外装材を構成する熱収縮フィルムとしては、極性溶媒である電解液が漏液せず、電解液と反応しない材質であることが好ましく、特にポリオレフィン重合体を好ましく用いることができる。
また、この電池素子外装材は、外装の対象である電池素子の全体に亘って密着しており、従来の使用法のように、電池素子の一部のみを被覆するのではなく、また上記熱収縮フィルム自体に穴が開いている訳でもない。
なお、この電池素子外装材としては、外装の対象である電池素子の外形と近似する外形を有し、当該電池素子をその内部に封止する際に形成された溶着部を有するものが好ましい。
即ち、典型的には、矩形板状を有する電池素子に対しては、電池素子外装材も矩形板状の外形を有するものがよい。
図1は、電池素子と電池素子外装材との外形関係を示す簡略的な平面説明図である。動ずに示すように、略矩形板状の外形を有する電池素子10(図1(A))に対し、電池素子外装材17もその平面形状は矩形をなしている(図1(B)〜(E))。
図1(B)〜(E)に示した電池素子外装材17の個々の構成につき説明すると、まず、図1(B)に示した例は、上記熱収縮フィルム製の2枚のシートである電池素子外装材17を電池素子10に貼り合わせ、貼り合わせたシート同士の4辺を電池素子10の周囲に沿って熱溶着することにより、電池素子10を電池素子外装材17内に封止するものである。
図1(C)に示す例は、上記熱収縮フィルム製の1枚のシートである電池素子外装材17を折り返し、電池素子10を挟み込んだ後、このシートの3辺(折り返し部分を除く3辺)を熱溶着によって封止するものである。
また、図1(D)に示す例は、上記熱収縮フィルム製の筒状物である電池素子外装材17の内部に電池素子10を配置し、上下の2辺(筒状物の2つの開放端部)を熱溶着によって封止するものである。
更に、図1(E)に示す例は、上記熱収縮フィルム製の袋状物である電池素子外装材178の内部に電池素子10を配置し、上方の1辺(袋状物の開放端部)を熱溶着によって封止するものである。
以上の例からも明らかなように、本発明の電池素子外装材は、熱収縮するフィルムから成り、電池素子全面を殆ど隙間を持たさないように被覆するものであり、典型的には、電池素子の外形に対応した中空の矩形板状をなし、電池素子の電極端子導出側の辺部及びこれと対向する辺部の少なくとも一方に、熱溶着部を有している。
本発明では、電池素子外装材として熱収縮フィルムを用いるので、封止代部分が小さければ小さいほど、得られる電池の体積エネルギー密度を高めることができる。
よって矩形体の4辺をシールするよりも(図1(B))、フィルムの1辺を折り返して3辺シールとすることが好ましい(図1(C))。更に好ましくは、筒状の治具を用いた押し出し成型により、上下に開放端部を有し左右の2辺が繋がっている筒状のフィルムの上下2辺をシールすることである(図1(D))。また、最も好ましくは、深絞りや押し出し成型などにより、3辺が繋がっているる袋状の外装材に電池素子を入れ、注液、減圧含浸後に、電極端子導出側の辺部を熱溶着することである(図1(E))。
電池素子外装材を構成する熱収縮フィルムの厚みは、100μm以下にすることが好ましく、更に好ましくは50μm以下である。
通常、ポリマー型のリチウムイオン電池に用いられるアルミラミネートフィルムは、その厚みが80〜100μm程度である。通常1枚のアルミラミネートフィルムを電池のボトム部分で2つに折り返し、ボトム部分以外の3辺をシールする構成となっている。
電池素子外装材は、電池パックの強度にあまり貢献するものではなく、占有体積が小さいほどよいので、電池素子外装材の厚みが薄く、シール幅及びシール箇所が少ないほど体積エネルギー密度が向上するので好ましい。
本発明の電池素子外装材は、上述のような熱収縮フィルムから成るため、従来使用されているアルミニウムラミネートフィルムなどの金属ラミネートフィルムに比し、柔軟性や成型加工性に優れるとともに、軽量で薄い割には適度な水分遮断性を有し、特に後述する電池外装材と相俟って、優れた電池パックを提供し得るものであり、製造効率向上へも貢献するものである。
なお、本発明においては、電池素子外装材のこのような特性から、図1に示したような例においても、電池素子外装材17には、電池素子10を収容するための特別な凹部を特に設ける必要もない。
また、本発明の電池素子外装材において、電池素子の外形が角柱状又は円柱状をなす場合、これに対応して使用する電池素子外装材としては、それぞれ角筒状の成型口又は円柱状の成型口から原料重合体を押出し又は射出して成型されたものであることが好ましい。
これにより、電池素子の外形が異方性を持つ場合でも、電池素子外装材が熱収縮により外形と一体化する際に、各辺の収縮率の違いにより応力が生じたり、収縮により量産時に電池素子が破れるといった不良モードを防ぐという利点がある。
次に、本発明の電池パックについて説明する。
上述の如く、本発明の電池パックは、巻回型又は積層型の電池素子を上記の熱収縮フィルムから成る電池素子外装部材で包装した非水電解質二次電池と、この電池の保護回路基板を、後硬化樹脂である形状維持ポリマーとフィラーを含む電池外装材で包囲、具体的には、電池外装材が電池素子外装材ごと非水電解質二次電池と保護回路基板を内包するように一体的に成型して成るものである。
ここで、電池外装材に含まれる後硬化樹脂である形状維持ポリマーとしては、フィラーと親和性、相溶性ないしは反応性を有し、且つ高い寸法精度及び強度を持つポリマーを構成樹脂とするものが好ましく、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂又はエポキシ樹脂、及びこれらの混合樹脂を好適に使用することができる。
なお、形状維持ポリマーとしては、電池素子外装材である熱収縮フィルムとの密着性が良好で、寸法安定性や成型性に優れるものが好ましい。
また、フィラーとしては、特に限定されるものではないが、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)又はこれらの組み合わせに係る元素を含む金属酸化物や金属窒化物などが用いられる。
かかる金属酸化物フィラーは、この電池外装材の硬さを向上する機能を果たし、上記形状維持ポリマーと接触した状態で配置される。例えば、この金属酸化物フィラーを上記形状維持ポリマーに混入してもよく、この場合、金属酸化物フィラーが形状維持ポリマーの全体に亘って均一に散在していることが好ましい。
一方、電池外装材の強度を形状維持ポリマー層の重合度や重量平均分子量を増大することによって向上し、耐衝撃性を高める目的で、種々のゴム状のプラスチックをフィラーに用いることも可能である。
具体的には、天然ゴムや加硫した合成ゴム、例えば、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル系、スチレン−ブタジエン系及びクロロプレン系などや、エボナイト、ウレタンゴム及びシリコンゴムを用いることができる。
更に、本発明においては、ゼオライト、特にリチウム(Li)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)又はカルシウム(Ca)、及びこれらの任意の混合元素に係るカチオンを含み、且つアルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)のモル比(Si/Al)が0.9〜1.1であり、細孔入り口が8員酸素環のA型構造を有するゼオライトや、次式(1)
(LiNaCa)・AlO・xSiO・yHO…(1)
(式中のa、b、c及びdは、それぞれ0≦a<1,0≦b<1、0≦c<1、0≦d<1、xは0.9≦x≦1.1の範囲内の値であり、yは零又は正の数を示す)で表されるゼオライトをフィラーとして用いることができ、これにより、電池外装材、ひいては電池パックの強度を向上できるとともに、水蒸気の透湿性を著しく低下させることが可能である。
なお、上述の金属酸化物、天然ゴム及びゼオライトなどは、それぞれ単独で又は任意に混合し、フィラーとして用いることができる。
上述のフィラーの平均粒径は、代表的には500nm(0.5μm)〜40μmであり、好ましくは2〜20μmである。
平均粒径を下げると硬度が上がる一方、成型時の充填性に影響して生産性に不具合をきたす虞がある。平均粒径を上げると所望の強度を得にくくなり、電池パックとしての寸法精度を十分に得ることができない虞がある。
フィラーの形状としては、球状、鱗片状、板状及び針状など種々の形状を採ることができる。特に限定されるものではないが、球状は作製し易く平均粒径の揃ったものを安価に得られるので好ましい。また、針状でアスペクト比の高いものはフィラーとして強度を向上し易いので好ましい。鱗片状はフィラーの含有量を増したときに充填性を向上できるので好ましい。
なお、本発明においては、用途や材質に応じ、平均粒径の異なるフィラーを混合して用いることもできるし、形状の異なるフィラーを混合して用いることもできる。
なお、上記フィラーの形状維持ポリマーへの混入量は、形状維持ポリマーの種類などに応じて適宜変更することができるが、代表的には、形状維持ポリマーの質量に対して3〜60%程度とすることが好ましい。
3%未満では、この電池外装材の硬さを十分に向上できないことがあり、60%を超えると、製造時の成形性、金属酸化物の脆性により問題が発生することがある。
ところで、金型ホットメルト方式で電池外装材を形成しようとする場合、加熱により液体化し、冷却すれば再び固形化する性質を持っている固形の熱可塑性樹脂を用いるか、又は当初は融体状態で反応により硬化する熱硬化樹脂を選択できる。
熱可塑性樹脂では、高温液状である間に被着材の表面を濡らし、冷えて固形化する過程で緊密な接着を数秒で作成できる利点がある。
しかし、樹脂の融点又はガラス転移温度よりも50〜150℃高い温度に加温されて流動性が発現するために、180℃〜450℃程度の高温に熱する必要がある。また、硬化が型に流し込んだ時点から始まるために成型厚みを薄くしようとした場合、非常に狭い隙間から広範囲の面積に、注入口付近では数秒で固まろうとする樹脂を流し込むプロセスになってしまう。樹脂を高温にして粘度を下げても、注入圧力を高めても、注入孔を増やしても、大面積で250μm以下の厚みに抑えたパックを作製することはできず、アルミニウム缶に比べても体積エネルギー密度に劣るパックしか製造できないという問題があった。
一方、熱硬化性樹脂を用いた場合にも、一部の熱硬化性樹脂の硬化温度は比較的低温にできるものの、一部の強度に優れた熱硬化性樹脂の硬化温度は150℃前後とまだ高温であり、且つ硬化に時間がかかるために生産性に劣る欠点があった。
また、非水電解質二次電池に汎用されるポリエチレンベースのセパレータは、通常120〜140℃の間にシャットダウンしてイオンを透過しない膜に変化してしまう。
更に、かかる電池では、電解液が正極で酸化、負極で還元されるために、60℃以上の高温で保持するとガス発生により膨れが発生するる虞がある。
更にまた、漏液を防止すべくアルミラミネートで包装したポリマー電池において、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)などの物理ゲルを用いた場合には、80〜90℃でゲル溶融が起こり電池形状が変形する虞がある。
また、保護回路基板と一体成型したパックを用いた場合、異常電流が流れた際の制御部品として保護回路に組み込まれるPTC(Positive Temperature Coeffcient:正温度係数「正温度係数」とは温度が上昇するに従って電池抵抗値も上昇し、正の係数値が変化する特性)、又は温度ヒューズがダメージを受ける虞があった。
PTCであれば120℃までなら電気抵抗値が以前に近い値まで復帰するが、さらなる高温ではやはり電気を遮断したまま復帰しなくなる。温度ヒューズを用いた基板であれば、ヒューズの種類によるが90℃から130℃を一度超えてしまえばヒューズが作動、復帰しなくなってしまう虞がある。
このように、加熱、特に120℃以上の温度をかけるモールド成型においては、金型内に配置される電池素子に深刻な温度ダメージを与える虞があった。
これに対しては、金属フィラーを含有したエポキシ樹脂を用い、温度制御なしにパテを用いることが考えられる。
しかし、加熱処理を行わずにエポキシ樹脂を用いると、得られる外装材が強度に劣り、且つ目標とする強度にもよるが、反応時間(硬化時間)が少なくとも15分以上から通常1日超かかるために、生産効率が劣化する虞がある。
以上のことから、本発明では、形状維持ポリマーとして、上述のウレタン樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂などを用いるが、これらの樹脂としては、120℃以下で熱硬化するか、又は紫外線で硬化するものを用いることが望ましい。
また、上述のような形状維持ポリマーとフィラーを含む電池外装材は、その吸水率が低いものがよく、吸水率が0.2以下のものが好ましく、更に好ましくは0.01以下のものがよい。
吸水率が0.2を超えると、ゼオライト等の水分吸収成分や後述する界面形成剤での水分侵入経路の遮断をもってしても、形状維持ポリマー自体が水分を保持し易くなってしまうため、電池外装材として水分遮断性を確保することが困難になり、電池素子内部に水分やガスが透過し、充電時に反応性の高いリチウム化合物と反応し、電解液の分解によるガス発生を引き起こしたり、発熱を招くことがある。
従来、上述のウレタン樹脂などは半導体パッケージング材料やコイル、モータの封止材料として用いられているが、この場合、封止材料の厚みは数mmないしは1cm超であり、電池外装材として好適に適用される厚みである100〜300μmの10倍から数百倍の厚みを持っている。
ここで、水蒸気の耐湿性は外装材の厚みに比例するので、電池外装材としては、従来用途よりも遥かに優れた低透湿性が要求されることになる。よって、従来の樹脂封止技術のそのままの転用では十分ではなく、本発明はこのような点も克服せんとするものである。
なお、電池外装材において、フィラーを含有した形状維持ポリマー層は、フィラーと樹脂の界面が水分の浸入経路となることがある。この場合、フィラーと樹脂との界面を界面形成剤で強化することが好ましい。
かかる界面形成剤としては、特に限定されるものではないが、ケイ素(Si)、チタン(Ti)及びアルミニウム(Al)などのフィラーの構成元素、特にその表面に存在する元素の少なくとも1つと同じ元素を核として持つカップリング剤、例えばシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤及びアルミネート系カップリング剤を挙げることができる。
なお、カップリング剤は、次の一般式(2)
R−M(OR’)3…(2)
(式中のRは、アミノプロピル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、N−フェニルアミノプロピル基、メルカト基及びビニル基などの官能基、MはSi、Ti又はAl、R’はメチル基又はエチル基を示す)で表され、特にケチミン官能基を有するシランカップリング剤が有用である。
また、ケチミン(ketimines)というケトンから誘導されるイミンについても、同様の界面形成剤としての機能があることを、本発明者らは知見した。なお、かかるケチミンは、次の一般式(3)
R2C=NR’…(3)
(式中のR、R’はそれぞれ別個に有機基を示し、Rは水素原子ではない)で表される。
更に、上述の如く、フィラーとしてゼオライトを用いれば、電池外装材に浸入した水分をゼオライトが捕捉するので、電池内部への水分の浸入を更に抑制することができる。
本発明者らは、以上のような技術背景の下、種々検討を繰り返して、上述のような形状維持ポリマーとフィラーとの併用を知見したのであり、かかる混合使用は、電池素子外装材として体積エネルギー密度を向上し得る上記の熱収縮フィルムを用いた非水電解質二次電池と、保護回路基板とを一体成型して包囲する電池外装材としての用途に極めて適したものである。
例えば、本発明の電池外装材は、低透湿性であり、通常は、その水蒸気透過度が40℃、90%RHの条件下で1.0g/(m・24h)以下であり、典型的には、0.3g/(m・24h)以下である。
上述のように、本発明で用いる電池外装材は、上記の形状維持ポリマーとフィラーを必須の構成要件とするが、これ以外にも各種添加剤を含有することが可能であり、例えば、形状維持ポリマー中に、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化剤又はこれらの任意の混合物を添加して、フィラーと共存させることができる。
かかる電池外装材は、その厚みが薄く、携帯機器用途の角形状の電池の最大面のパック部の厚みは例えば1000μm以下である。
厚みが1000μmを超えると、この外装材を用いて製造した電池パックでも、体積エネルギー密度の点でメリットを発揮し難いことがある。
更に好ましくは300um以下であり、必要な機械的強度及び耐衝撃性を満たせば薄いほど良い。
本発明における形状維持ポリマーとフィラーとの併用は、従来のアルミニウム金属や熱可塑性樹脂と金属の併用よりも、高強度で且つ耐衝撃性に優れるため、同等の強度が必要であれば薄く製造することで体積エネルギー密度を高めることができる。
また、厚くすれば、従来よりも更に高強度で信頼性の高い電池パックを得ることができる。更に、電池のサイズや形状選択が自由であることから、サイズが大きい自転車や自動車、バックアップ電源といった大型電池にも適用でき、必要な部位に必要な強度を設計できる設計自由度も持っている。
このように、上述の電池外装材は、従来より薄く高強度な電池パックを実現し得るものであるとともに、その小型化や軽量化も実現し得るものである。
また、上述のようなフィラーとともに紫外線吸収材、光安定剤及び硬化剤のいずれかを用い、アクリル樹脂、エポキシ樹脂のいずれかを用いることにより、従来使用されていた金属板よりも薄く、生産性に優れた加工を施すことができるため、得られる電池のエネルギー密度が向上するだけでなく、多種多様な用途に応じサイズや形状、必要な強度を自由に設計したパックを提供できる。
次に、本発明の電池パックについて図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の電池パックの一実施形態において、電池素子外装材で電池素子を外装する前の非水電解質二次電池を示す分解斜視図である。
同図において、この電池20は、電池素子10が電池素子外装部材の一例である熱収縮フィルム17に外装されて作製されるものであり、電池素子10は熱収縮フィルム17に形成された凹部17a(空所17a)に収容され、その周辺部を封止される。
なお、本実施形態において、空所17aは、矩形板状をなす電池素子10の形状に対応して矩形板状の空間を有している。
次に、電池素子10の構成について説明する。
図3は、熱収縮フィルム17に外装・収容される電池素子10の構造を示す斜視図である。同図において、この電池素子10は、帯状の正極11と、セパレータ13aと、正極11と対向して配された帯状の負極12と、セパレータ13bとを順に積層し、長手方向に巻回して形成されており、正極11及び負極12の両面にはゲル状電解質14が塗布されている。
電池素子10からは、正極11と接続された正極端子15a及び負極12と接続された負極端子15bが導出されており(以下、特定の端子を指定しない場合は電極端子15と称する)、正極端子15a及び負極端子15bには、後に外装する熱収縮フィルム17との接着性を向上させるために、無水マレイン酸変性されたポリプロピレン(PPa)等の樹脂片であるシーラント16a及び16b(以下、特定のシーラントを指定しない場合はシーラント16と適宜称する)が被覆されている。
以下、上述の電池(電池外装材によるパック前)の構成要素につき詳細に説明する。
[正極]
正極は、正極活物質を含有する正極活物質層が正極集電体の両面状に形成されたものである。正極集電体は、例えばアルミニウム(Al)箔などの金属箔により構成される。
正極活物質層は、例えば正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有して構成される。ここで、正極活物質、導電剤、結着剤及び溶剤は、均一に分散していればよく、その混合比は問われない。
正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物又は特定の高分子を用いることができる。例えば、リチウムイオン電池を構成する場合、主として、次式(1)
LiMO…(4)
(式中のMは少なくとも1種の遷移金属を示し、Xは電池の充放電状態によって異なるが、通常は0.05〜1.10である)で表されるリチウムと遷移金属との複合酸化物が用いられる。なお、リチウム複合酸化物を構成する遷移金属(M)としては、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及びマンガン(Mn)等が用いられる。
かかるリチウム複合酸化物として、具体的には、LiCoO、LiNiO、LiMn及びLiNiCo(0<y<1)等が挙げられる。
また、遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体も使用可能である。LiNi0.5Co0.5やLiNi0.8Co0.2等がその例として挙げられる。
これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度が優れたものである。更に、正極活物質としてTiS、MoS、NbSe及びV等のリチウムを有しない金属硫化物又は酸化物を使用してもよい。これらの正極活物質は、単独で又は複数種を混合して用いてもよい。
また、導電剤としては、例えばカーボンブラックやグラファイトなどの炭素材料等が用いられる。更に、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン及びポリビニリデンフルオライド等が用いられる。また、溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン等が用いられる。
上述の正極活物質、結着剤及び導電剤を均一に混合して正極合剤とし、この正極合剤を溶剤中に分散させてスラリー状にする。次いで、このスラリーをドクターブレード法などにより正極集電体上に均一に塗布した後、高温で乾燥させて溶剤を蒸発させ、プレスすることにより正極活物質層が形成される。
正極11は、正極集電体の一端部にスポット溶接又は超音波溶接で接続された正極端子15aを有している。この正極端子15aは金属箔や網目状のものが望ましいが、電気化学的及び化学的に安定であり、通電がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。正極端子15aの材料としては、例えばアルミニウム等が挙げられる。
[負極]
負極は、負極活物質を含有する負極活物質層が、負極集電体の両面上に形成されたものである。負極集電体は、例えば銅(Cu)箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
負極活物質層は、例えば負極活物質と、必要に応じて導電剤と、結着剤とを含有して構成される。なお、負極活物質、導電剤、結着剤及び溶剤については、正極活物質と同様に、その混合比は不問である。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料又は金属系材料と炭素系材料との複合材料が用いられる。
具体的にリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料としては、グラファイト、難黒鉛化炭素及び易黒鉛化炭素等が挙げられる。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、及び活性炭等の炭素材料を使用することができる。
更に、リチウムをドープ・脱ドープできる材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO等の酸化物を使用することができる。
また、リチウムを合金化可能な材料としては多様な種類の金属等が使用可能であるが、スズ(Sn)、コバルト(Co)、インジウム(In)、アルミニウム、ケイ素(Si)及びこれらの合金がよく用いられる。金属リチウムを使用する場合は、必ずしも粉体を結着剤で塗布膜にする必要はなく、圧延したリチウム金属箔を集電体に圧着しても構わない。
結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデンやスチレンブタジエンゴム等が用いられる。また、溶剤としては、例えばN−メチルピロリドンやメチルエチルケトン等が用いられる。
上述の負極活物質、結着剤、導電剤を均一に混合して負極合剤とし、溶剤中に分散させてスラリー状にする。次いで、正極と同様の方法により負極集電体上に均一に塗布した後、高温で乾燥させて溶剤を飛散させ、プレスすることにより負極活物質層が形成される。
負極12も正極11と同様に、集電体の一端部にスポット溶接又は超音波溶接で接続された負極端子15bを有しており、この負極端子15bは電気化学的及び化学的に安定であり、通電がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。負極端子15bの材料としては、例えば銅、ニッケル等が挙げられる。
なお、正極端子15a及び負極端子15bは同じ方向、例えば図2に示すように電池素子10が矩形板状をなす場合には、その一辺(通常は短辺の1つ)、から導出されていることが好ましいが、短絡等が起こらず電池性能にも問題がなければ、どの方向から導出されていても問題はない。
また、正極端子15a及び15bの接続箇所は、電気的接触がとれているのであれば取り付ける場所、取り付ける方法は上記の例に限られない。
[電解液]
電解液としては、リチウムイオン電池に一般的に使用される電解質塩と非水溶媒が使用可能である。
非水溶媒としては、具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート及びエチルプロピルカーボネート、又はこれらの炭酸エステル類の水素をハロゲンに置換した溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は1種類を単独で用いてもよいし、複数種を所定の組成で混合して用いてもよい。
また、電解質塩の一例であるリチウム塩としては、通常の電池電解液に用いられる材料を使用することが可能である。具体的には、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiClO,LiBF、LiPF、LiNO、LiN(CFSO)2、LiN(CSO、LiAsF、LiCFSO、LiC(SOCF、LiAlCl及びLiSiF等を挙げることができるが、酸化安定性の点からはLiPF、LiBFが望ましい。これらリチウム塩は単独で用いても複数種を混合して用いてもよい。
リチウム塩を溶解する濃度は、上記非水溶媒に溶解することができる濃度であれば問題はないが、リチウムイオン濃度が非水溶媒に対して0.4mol/kg〜2.0mol/kgの範囲であることが好ましい。
ゲル状電解質を用いる場合は、上述の電解液をマトリクスポリマでゲル化して用いる。
マトリクスポリマは、上記非水溶媒に上記電解質塩が溶解されてなる非水電解液に相溶可能であり、ゲル化できるものであればよい。このようなマトリクスポリマとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、及びポリメタクリロニトリルを繰り返し単位に含むポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
その中でも特に好ましいのは、マトリクスポリマとして、ポリフッ化ビニリデン又はポリフッ化ビニリデンにヘキサフルオロプロピレンが7.5%以下の割合で導入された共重合体である。
かかるポリマーは、通常、数平均分子量が5.0×10〜7.0×10(50万〜70万)の範囲であるか、又は重量平均分子量が2.1×10〜3.1×10(21万〜31万)の範囲にあり、固有粘度が1.7〜2.1dl/gの範囲にある。
[セパレータ]
セパレータは、例えばポリプロピレン(PP)若しくはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系の材料から成る多孔質膜、又はセラミック製の不織布などの無機材料から成る多孔質膜により構成され、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造としてもよい。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンの多孔質フィルムが最も有効である。
一般的に、セパレータの厚みとしては5〜50μmが好適に使用可能であるが、7〜30μmがより好ましい。セパレータは、厚すぎると活物質の充填量が低下して電池容量が低下するとともに、イオン伝導性が低下して電流特性が低下する。逆に薄すぎると、膜の機械的強度が低下する。
[電池の作製]
上述のようにして作製したゲル状電解質溶液を正極11及び負極12に均一に塗布し、正極活物質層及び負極活物質層に含浸させた後、常温で保存するか、若しくは乾燥工程を経てゲル状電解質層14を形成する。
次いで、ゲル状電解質層14を形成した正極11及び負極12を用い、正極11、セパレータ13a、負極12,セパレータ13bの順に積層して巻回し、電池素子10とする。
次いで、この電池素子10を熱収縮フィルム17の凹部(空所)17aに収容して外装し、ゲル状非水電解質二次電池を得る。
なお、本発明の電池素子外装材に係る熱収縮フィルム17としては、上述の如く、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルムを用いることができる。
かかる熱収縮フィルムとしては、上述の如く、電解液が漏液せず、電解液と反応しないものがよい。
そして、本実施形態では、図2及び図3に示すように、上述のような熱収縮フィルム17で電池素子10を外装し、電池素子10の周囲を溶着・封止して電池20とする。
次に、本発明の電池パックの製造方法の一実施形態について説明する。
上述の如く、本発明の電池パックの製造方法では、以上のようにして作製した非水電解質二次電池を、当該電池の電圧及び電流を制御可能な保護回路基板と一緒に、成型用金型のキャビティの所定位置に配置する。
次に、上記形状維持ポリマーとフィラーを含有する溶融成型材料を上記キャビティに注入して硬化させ、これにより、電池外装材を装着した電池パックを得る。
ここで、溶融成型材料の硬化は、上述の理由から、電池の熱損傷を回避し製造効率を向上するためにも、紫外線への暴露又は常温〜150℃未満の温度での放置により行うことが好ましい。また、後硬化成型材料には、上記の各種添加剤が添加されていてもよい。
なお、使用する成型用金型は、上記実施形態では、熱収縮フィルム17でパックした電池20と、保護回路基板と、必要に応じて使用する緩衝材(後述する)とをそのキャビティに配置できる限り、特に限定されるものではないが、通常は、そのキャビティに後硬化成型材料を導くゲートを2本以上具備している。よって、得られた電池パックでは、ゲートに対応した成型材料の余剰分が、電池外装材のいずれかの部分に硬化して残存することになる。
本発明では、かかる余剰の成型材料をトリミングして削除するが、若干の樹脂注入痕が残る。
上記保護回路は、通常、正極端子15a及び負極端子15bの上方に配置される(図2参照)。また、上述の緩衝材は、電池20のように矩形板状をなす(形成される電池外装材が矩形板状なす)場合、端子15a及び15bの導出方向の辺部若しくはこれと対向する辺部、又は双方の辺部に配置される。
具体的には、図1において、矩形板状をなす電池20のいずれか一方の短辺側又は双方の短辺側に配置される。
そして、このように配置された保護回路基板と緩衝材は、上記成型材料によって電池20と一体的に成型される。
なお、上記緩衝材は、電池及び回路基板を保護すると共に、得られる電池パックの耐衝撃性を向上させる。
このため、緩衝材に使用する材料としては、耐衝撃性を有し寸法精度の良好なポリカーボネートやアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂(ABS)、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂や、アルミやステンレス等の金属を用いたり、樹脂材料にアルミ等の金属材料をインサート成型したものを用いることが好ましい。
本発明では、パック材料自体の機械的強度に優れているため、耐衝撃性を高める目的で更に種々のゴム状のプラスチックを用いることも可能である。
具体的には、天然ゴム、加硫した合成ゴム、例えばポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル系、スチレン−ブタジエン系、クロロプレン系などやエボナイト、ウレタンゴム、シリコンゴムを用いることができる。
図4は、電池を電池外装材でパックして本実施形態の電池パックを作製する工程を示した平面説明図である。
まず、必要に応じて電池20を図中の破線に沿って折り曲げ(図4(A)及び(B))、そのトップ側に保護回路基板32とトップ側緩衝材34、ボトム側にボトム側緩衝材33を配置し、図示しない成型用金型に設置する。次いで、上記の形状維持ポリマーとフィラーを含む成型材料を成型用金型に注入して硬化させ、熱収縮フィルム17が電池外装材18で被覆された本実施形態の電池パックを30を得る(図4(C))。
得られた電池パック30をボトム部に沿って切断した断面図を図5(A)に、電極端子の延在方向に沿って切断した断面図を図5(B)に示す。
上述の実施形態ではゲル状電解質を用いた非水電解質二次電池20を用いて説明したが、本発明は、電解液を用いた電池にも適用することができる。この場合、上述の実施形態において、ゲル状電解質を正極及び負極表面に塗布する工程を省き、熱溶着フィルム溶着工程の途中で電解液を注液する工程を設ける。
より具体的には、矩形板状をなす電池素子10の周囲の3辺を溶着して封止した後、残りの1辺の開口部から電解液を注液し、その後にこの1辺を溶着して封止すればよい。これにより、封止部の全体形状は矩形枠状になる。
なお、本発明によれば、上述のような小型化及び軽量化が図られた電池パックを得ることができる。かかる電池パックは、通常、対象機器と接続する接続端子を備えているが、上記ではその説明を省略した。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜17,比較例1及び2)
図2に示すような電池において、表1及び表2に示す仕様の熱収縮フィルムの内面側に接着剤を塗布した電池素子外装材(熱収縮フィルム17)を有する電池20を準備し、この非水電解質二次電池の保護回路として機能する基板に接続し、場合によっては緩衝材(ゴム状パーツ)を配置した後に金型内に設置した。
次いで、表1及び表2に示すフィラーを含む樹脂(形状維持ポリマー)を金型上部の0.5mmの径を持つ樹脂注入孔3つから注入して充填し、下部の樹脂排出孔3つから余分の金属酸化物フィラーを含む樹脂が出た時点で常温放置、恒温槽内で表1及び表2中に示した温度で静置、又は透明な型を用い、紫外線照射装置により365nmの紫外光を照射して樹脂を硬化させて電池外装材18を形成した(図4及び図5参照)。硬化後樹脂注入孔及び排出孔に残った余分な枝状の樹脂を切断して各例の電池パックを完成した。
各例の電池パックの仕様を表1及び表2に示す。
(性能評価)
各例の電池パックについて、以下に示すような電池外装材硬化後の吸水率、透湿度、定格エネルギー密度、保存後の膨れ、落下試験、硬化時間などを測定し、得られた結果を表1及び表2に併記した。
[吸水率]
JIS−K7209 プラスチック−吸水率の求め方に基づき測定した。
[透湿度]
JIS−K7129 プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法(機器測定法)の求め方に基づき測定した。
[定格エネルギー密度]
まず、23℃で1Cの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで15時間行い、次いで、1Cの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行った。この充放電を繰り返し、定格エネルギー密度は、1サイクル目の放電容量から求めた。
定格エネルギー密度[Wh/l]=(平均放電電圧[V]×定格容量[Ah])/電池体積[l]
なお、1Cは電池の理論容量を1時間で放出できる電流値を表す。
[保存後の膨れ]
まず、23℃で1Cの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで15時間行い、満充電状態での電池パックの厚みを計測した。次いで、試験温度40±0.5℃、相対湿度差(90±2%)RHに設定した高温高湿槽内に電池パックを保管し、3ヶ月経過後に高温高湿槽より取り出し、再度厚みを計測した。保管前後の厚みの差を膨れとして表に記載した。
[2m落下試験]
ランダムに電池の落とす面を変えながら、角形電池6面全ての面が当たるようにコンクリートの床に自由落下させた。10回落としてパックの外観に異常が見られなかったものを良品、割れたり、部品が取れるなどの外観に異常が見られたものを不良品とした。
[硬化時間]
熱硬化性樹脂の場合には、電池外装材18用の成型材料であるケイ素やアルミニウム等の金属酸化物を含むウレタン樹脂、アクリル樹脂又はエポキシ樹脂を一緒に成型金型に入れて、表1,2に示した所定の硬化温度に保ち、成型硬化させるのに要した時間を硬化時間とした。
紫外線硬化樹脂の場合は、電池外装材18用の成型材料であるケイ素やアルミニウム等の金属酸化物を含むウレタン樹脂、アクリル樹脂又はエポキシ樹脂を一緒に透明な成型金型に入れて、紫外線照射装置により波長365nmの紫外線を照射強度200mW/cmで照射して成型硬化させるのに要した時間を硬化時間とした。
Figure 2008277062
Figure 2008277062
表1及び表2より、熱収縮フィルムを使用した電池素子外装材を用い、硬化性樹脂を外装材としたことにより、これまでよりも飛躍的に体積エネルギー密度を高めることができるとともに、高温高湿環境下での膨れや落下等の非定常時にも電池パックの信頼性を確保することができた。
更に、電池外装材に用いるフィラーの一部としてゼオライトを用いたり、ケチミン等の界面形成剤を用いることで、更なる交代積エネルギー密度、高信頼性を両立できることが明らかとなった。
以上、本発明を若干の好適実施形態及び実施例により説明したが、本発明はかかる実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、本発明の電池パックは、図2などに示した電池や電池素子のみならず、各種のゲル状ないしはポリマー型の非水電解質二次電池に適用することができ、巻回型電池素子のみならず、積層型の電池素子にも適用することができる。
電池素子と電池素子外装材との外形関係を示す簡略的な平面説明図である。 本発明の電池パックの一実施形態において、電池素子外装材で外装する前の非水電解質二次電池を示す分解斜視図である。 熱収縮フィルムに外装・収容される電池素子の構造を示す斜視図である。 電池を電池外装材でパックして電池パックを作製する工程を示した平面説明図である。 電池パックの断面図である。
符号の説明
10…電池素子、11…正極、12…負極、13a,13b…セパレータ、14…ゲル状電解質、15a…正極端子、15b…負極端子、16a,16b…シーラント、17…熱収縮フィルム、17a…凹部(空所)、17b…サイド封止部、18…電池外装材、20…電池、30…非水電解質二次電池、32…保護回路基板、33…緩衝材(ボトム部)、34…緩衝材(トップ部)

Claims (16)

  1. ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル及びポリスチレンから成る群より選ばれた少なくとも1種の重合体を含有する熱収縮フィルムから成ることを特徴とする電池素子外装材。
  2. 上記ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであり、上記ポリオレフィンがポリエチレン及び/又はポリプロピレンであることを特徴とする請求項1に記載の電池素子外装材。
  3. 電池素子の外形と近似する外形を有し、この電池素子をその内部に封止する際に形成された溶着部を有することを特徴とする請求項1に記載の電池素子外装材。
  4. 上記電池素子の外形が角柱状又は円柱状をなし、当該電池素子外装材がそれぞれ角筒状の成型口又は円柱状の成型口から原料重合体を押出し又は射出して成型されたことを特徴とする請求項3に記載の電池素子外装材。
  5. 正極と負極をセパレータを介して巻回又は積層して成る電池素子と、熱収縮フィルムから成りこの電池素子を外装する電池素子外装材を有し、上記正極と上記負極の電極端子を外部に導出したまま、上記電池素子の周囲に沿って上記電池素子外装材を封止して成る非水電解質二次電池と、
    形状維持ポリマーとフィラーを含み、上記非水電解質二次電池を上記電池素子外装材ごと外装する電池外装材と、
    この電池外装材に内蔵され、上記非水電解質二次電池の電圧及び電流を制御可能な保護回路基板と、を備え、
    上記電池素子外装材の熱収縮フィルムが、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル及びポリスチレンから成る群より選ばれた少なくとも1種の重合体を含有する、ことを特徴とする電池パック。
  6. 上記電池外装材が矩形板状をなし、この矩形板状をなす電池外装材において、上記電極端子側の辺部及びこれと対向する辺部の少なくとも一方に、緩衝材が内蔵されていることを特徴とする請求項5に記載の電池パック。
  7. 上記形状維持ポリマーが、ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂から成る群より選ばれた少なくとも1種の樹脂を含有することを特徴とする請求項5に記載の電池パック。
  8. 上記フィラーがゼオライトを含むことを特徴とする請求項5に記載の電池パック。
  9. 上記ゼオライトが、リチウム(Li)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)及びカルシウム(Ca)から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素のカチオンを含み、且つアルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)のモル比(Si/Al)が0.9〜1.1であり、細孔入り口が8員酸素環のA型構造を有するゼオライトであることを特徴とする請求項8に記載の電池パック。
  10. 上記電池外装材が上記形状維持ポリマーと上記フィラーとの界面形成剤を含み、この界面形成剤は、上記フィラーに含まれる構成元素の少なくとも1つと同じ元素を核として持つことを特徴とする請求項5に記載の電池パック。
  11. 上記界面形成剤が、カップリング剤であり、ケチミン官能基を有することを特徴とする請求項10に記載の電池パック。
  12. 上記電池外装材が、上記形状維持ポリマーとフィラーの溶融液の注入痕を有することを特徴とする請求項5に記載の電池パック。
  13. 上記電池外装材の吸水率が0.2以下であることを特徴とする請求項5に記載の電池パック。
  14. 上記電池外装材は低透湿性であり、その水蒸気透過度が40℃、90%RHの条件下で1.0g/(m・24h)以下であることを特徴とする請求項5に記載の電池パック。
  15. 正極と負極をセパレータを介して巻回又は積層して成る電池素子と、熱収縮フィルムから成りこの電池素子を外装する電池素子外装材を有し、上記正極と上記負極の電極端子を外部に導出したまま、上記電池素子の周囲に沿って上記電池素子外装材を封止して成る非水電解質二次電池と、
    形状維持ポリマーとフィラーを含み、上記非水電解質二次電池を上記電池素子外装材ごと外装する電池外装材と、
    この電池外装材に内蔵され、上記非水電解質二次電池の電圧及び電流を制御可能な保護回路基板と、を備え、
    上記電池素子外装材の熱収縮フィルムが、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル及びポリスチレンから成る群より選ばれた少なくとも1種の重合体を含有する電池パックを製造するに当たり、
    上記非水電解質二次電池と上記保護回路基板を、上記電池外装材の成型用金型内に配置し、
    次いで、上記形状維持ポリマーと上記フィラーを含有する後硬化成型材料を、上記成型用金型のキャビティ内に注入し、硬化させる、ことを特徴とする電池パックの製造方法。
  16. 上記成型用金型のキャビティは2個以上のゲートを有し、これに起因して上記電池外装材に形成される成型材料余剰分を、上記硬化後に切除することを特徴とする請求項15に記載の電池パックの製造方法。
JP2007117945A 2007-04-27 2007-04-27 電池素子外装材、電池パック及びその製造方法 Pending JP2008277062A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007117945A JP2008277062A (ja) 2007-04-27 2007-04-27 電池素子外装材、電池パック及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007117945A JP2008277062A (ja) 2007-04-27 2007-04-27 電池素子外装材、電池パック及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008277062A true JP2008277062A (ja) 2008-11-13

Family

ID=40054791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007117945A Pending JP2008277062A (ja) 2007-04-27 2007-04-27 電池素子外装材、電池パック及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008277062A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012527725A (ja) * 2010-02-10 2012-11-08 エルジー ケム. エルティーディ. パウチ型リチウム二次電池
JP2013196947A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Toppan Printing Co Ltd リチウムイオン電池用外装材
JP2014103123A (ja) * 2009-06-03 2014-06-05 Sony Corp 電池パック
JP2016225321A (ja) * 2016-10-05 2016-12-28 凸版印刷株式会社 リチウムイオン電池用外装材
WO2019188825A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 本田技研工業株式会社 電池セル
JP2019535100A (ja) * 2016-12-26 2019-12-05 エルジー・ケム・リミテッド 紫外線安定剤を含む熱収縮性チューブを備えた円筒型電池セル
US10950912B2 (en) 2017-06-14 2021-03-16 Milwaukee Electric Tool Corporation Arrangements for inhibiting intrusion into battery pack electrical components
JPWO2021065340A1 (ja) * 2019-09-30 2021-04-08
JP2023505981A (ja) * 2020-03-09 2023-02-14 エルジー エナジー ソリューション リミテッド スウェリング感知部を備えたパウチ型電池
CN111937212B (zh) * 2018-03-30 2024-04-26 本田技研工业株式会社 电池单体

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH041220A (ja) * 1989-08-22 1992-01-06 Konishi Kk エポキシ樹脂組成物
JP2000251853A (ja) * 1999-02-25 2000-09-14 Mitsubishi Chemicals Corp 電 池
JP2001302769A (ja) * 2000-04-19 2001-10-31 Kansai Paint Co Ltd ウレタン化ケチミン硬化剤及びこれを含む硬化性樹脂組成物
JP2002063874A (ja) * 2000-08-15 2002-02-28 Sony Corp 電池及びその製造方法
JP2002245998A (ja) * 2001-02-13 2002-08-30 Toshiba Corp 電池パック及び電池
JP2005019242A (ja) * 2003-06-26 2005-01-20 Tdk Corp 電池パック
JP2006216373A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Sony Corp 電池

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH041220A (ja) * 1989-08-22 1992-01-06 Konishi Kk エポキシ樹脂組成物
JP2000251853A (ja) * 1999-02-25 2000-09-14 Mitsubishi Chemicals Corp 電 池
JP2001302769A (ja) * 2000-04-19 2001-10-31 Kansai Paint Co Ltd ウレタン化ケチミン硬化剤及びこれを含む硬化性樹脂組成物
JP2002063874A (ja) * 2000-08-15 2002-02-28 Sony Corp 電池及びその製造方法
JP2002245998A (ja) * 2001-02-13 2002-08-30 Toshiba Corp 電池パック及び電池
JP2005019242A (ja) * 2003-06-26 2005-01-20 Tdk Corp 電池パック
JP2006216373A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Sony Corp 電池

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014103123A (ja) * 2009-06-03 2014-06-05 Sony Corp 電池パック
JP2012527725A (ja) * 2010-02-10 2012-11-08 エルジー ケム. エルティーディ. パウチ型リチウム二次電池
JP2013196947A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Toppan Printing Co Ltd リチウムイオン電池用外装材
JP2016225321A (ja) * 2016-10-05 2016-12-28 凸版印刷株式会社 リチウムイオン電池用外装材
JP2019535100A (ja) * 2016-12-26 2019-12-05 エルジー・ケム・リミテッド 紫外線安定剤を含む熱収縮性チューブを備えた円筒型電池セル
US11367911B2 (en) 2016-12-26 2022-06-21 Lg Energy Solution, Ltd. Cylindrical battery cell having heat-shrinkable tube comprising ultraviolet stabilizer
US11031651B2 (en) 2017-06-14 2021-06-08 Milwaukee Electric Tool Corporation Arrangements for inhibiting intrusion into battery pack electrical components
US11916203B2 (en) 2017-06-14 2024-02-27 Milwaukee Electric Tool Corporation Arrangements for inhibiting intrusion into battery pack electrical components
US10950912B2 (en) 2017-06-14 2021-03-16 Milwaukee Electric Tool Corporation Arrangements for inhibiting intrusion into battery pack electrical components
US11777151B2 (en) 2017-06-14 2023-10-03 Milwaukee Electric Tool Corporation Arrangements for inhibiting intrusion into battery pack electrical components
US11923514B2 (en) 2017-06-14 2024-03-05 Milwaukee Electric Tool Corporation Arrangements for inhibiting intrusion into battery pack electrical components
JPWO2019188825A1 (ja) * 2018-03-30 2021-03-25 本田技研工業株式会社 電池セル
JP7046158B2 (ja) 2018-03-30 2022-04-01 本田技研工業株式会社 電池セル
CN111937212B (zh) * 2018-03-30 2024-04-26 本田技研工业株式会社 电池单体
CN111937212A (zh) * 2018-03-30 2020-11-13 本田技研工业株式会社 电池单体
WO2019188825A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 本田技研工業株式会社 電池セル
WO2021065340A1 (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 株式会社村田製作所 二次電池およびその製造方法
JP7283559B2 (ja) 2019-09-30 2023-05-30 株式会社村田製作所 二次電池およびその製造方法
CN114365330A (zh) * 2019-09-30 2022-04-15 株式会社村田制作所 二次电池及其制造方法
JPWO2021065340A1 (ja) * 2019-09-30 2021-04-08
JP7427092B2 (ja) 2020-03-09 2024-02-02 エルジー エナジー ソリューション リミテッド スウェリング感知部を備えたパウチ型電池
JP2023505981A (ja) * 2020-03-09 2023-02-14 エルジー エナジー ソリューション リミテッド スウェリング感知部を備えたパウチ型電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4780079B2 (ja) 電池パック及びその製造方法
JP5031606B2 (ja) 電池パック及びその製造方法
US8318333B2 (en) Battery pack and method for producing the same
JP5045002B2 (ja) 非水電解質二次電池および電池パック、ならびに非水電解質二次電池および電池パックの作製方法。
JP5862694B2 (ja) 電池パック
JP2008277062A (ja) 電池素子外装材、電池パック及びその製造方法
JP4857742B2 (ja) 電池パック
US20050079422A1 (en) Lithium secondary battery having PTC powder and manufacturing method thereof
KR20090081336A (ko) 비수전해질 전지 및 비수전해질 전지의 제조 방법
JP2012119290A (ja) 電池パック、電池パックの製造方法および電池パック製造用の金型
JP4797385B2 (ja) 電池パック
JP5504554B2 (ja) 電池パックの製造方法及び電池パック
JP2006228714A (ja) 電池パック
JP2007323907A (ja) 電池外装材及びこれを用いた非水電解質二次電池
JP4798148B2 (ja) 電池パック及びその製造方法
JP5119665B2 (ja) 電池パック
JP5087943B2 (ja) 電池パック及びその製造方法
JP4639818B2 (ja) 電池パック
JP2009076351A (ja) 電池パックの製造方法
JP2008117653A (ja) 電池パック及びその製造方法
JP4793367B2 (ja) 電池パックの製造方法
JP2011003294A (ja) 電池パック及びその製造方法
JP4793497B2 (ja) 電池パック
JP2003157810A (ja) 電 池
JP2008047331A (ja) 電池パック

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090907

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091030

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121023

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130312