JP4780079B2 - 電池パック及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば非水電界質二次電池を含む電池パック及びその製造方法に関し、詳しくは、正極と負極とをセパレータを介して巻回又は積層して成る電池素子をラミネートフィルムで包装した電池とその保護回路基板を一体化した電池パック及びその製造方法に関する。
近年、カメラ一体型ビデオテープレコーダ、携帯電話及び携帯用コンピュータ等のポータブル電子機器が数多く登場し、その小型、軽量化が図られている。かかる電子機器の小型、軽量化に伴って、これらのポータブル電源として用いられる電池パックに対しても、高エネルギーを有し、小型、軽量化されることが求められている。このような電池パックに用いられる電池としては、高容量を有するリチウムイオン二次電池がある。
リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることができる正極及び負極を有する電池素子を備え、この電池素子を金属缶や金属ラミネートフィルムに封入すると共に、電池素子と電気的に接続した回路基板によって制御するようになっている。
従来のリチウムイオン二次電池には、金属缶や金属ラミネートフィルムに封入した電池素子と回路基板を、上下に二分割された収納ケース内に収納した電池パックを構成したものがある(例えば、特許文献1〜3参照)。
リチウムイオン二次電池の電池パックとして、金属缶に封入した電池素子と、回路基板を溶融樹脂で一体成型したものも提案されている(例えば、特許文献4及び5参照)。
また、金属ラミネートフィルムに封入した電池素子と、回路基板と、該電池素子と回路基板を囲むように配置したフレームとを、薄板状の包装体で包んだものも提案されている(例えば、特許文献6参照)。
その他、リチウムイオン二次電池として、電池素子と回路基板を角形の外装缶内に封入し、該外装缶のアルミニウム合金製の蓋部やアルミニウム製の本体部に、異常に発生するガスによって内圧が上昇した場合に、ガスを外部に放出する防爆用の開裂ベントや肉薄部を設けた構成も提案されている(例えば、特許文献7及び8参照)。
特許第3556875号公報 特許第3614767号公報 特許第3643792号公報 特開2004−303625号公報 特開2004−358735号公報 特開2005−158452号公報 特許第3691268号公報 特許第3783082号公報
ところで、上記のしたような従来のリチウムイオン二次電池において、電池素子の封入に金属缶を用いた場合は、金属缶として深絞り加工によって成型されたものを用いるために、深絞りする縦方向の伸びに制限があり、所定の厚さ(200μm程度)のものしか成型できず、設計の自由度が少ないという欠点がある。また、深絞り加工に適した金属を用いる必要があるため、その金属の有する強度以上に強度を向上させることは難しい。また、電池素子を金属缶に封入してしまうと、その後にゲルポリマーを熱融着させるヒートプレス工程を行うことができないので、金属缶を用いる場合は、電解質として液状のもののみを使用することになる。
一方、電池素子の封入に金属ラミネートフィルムを用いた場合は、ヒートプレス加工を行うことが可能となり、サイズや形状が自由になるという利点を有するものの、強度的には、金属缶に封入したものに劣るという欠点がある。
また、上記文献1〜3に記載のリチウムイオン二次電池と回路基板を収納ケースに収納した電池パックにあっては、リチウムイオン二次電池や回路基板を外部からの衝撃等から保護するため、収納ケースに充分な肉厚が必要になる。更に、上下に分割した収納ケースを両面テープや超音波溶着で接合するに際しても、これらに対応し得るように収納ケースに充分な肉厚を確保しておく必要があることから、電池パック全体の厚みや重量が増大することとなり、ポータブル電源として好ましくないという問題がある。
上記文献4及び5に記載の電池パックにあっては、機械的強度の大きい金属缶に封入した電池素子と回路基板を溶融樹脂で一体化しているので、該樹脂として、耐落下衝撃性を向上させるために、弾性に優れた柔軟なゴム状の樹脂が用いられており、機械的強度の小さい金属ラミネートフィルムに封入した電池素子とは、その寸法精度、製造条件等も大きくことなるので、金属ラミネートフィルムを封入した電池素子を用いた電池パックには適用することができないという問題がある。
また、金属缶に封入した電池素子を用いた電池パックにあっては、電解質として液状の電解液を用いているため、日常生活においては、簡単に開口しない防爆用の構造を電池パックに設ける必要がある。
一方、上記文献6に記載の電池パックにあっては、金属ラミネートフィルムに封入した電池素子と、回路基板と、フレームとを包む包装体として、ナイロン等から成る表面保護層と、ステンレス等から成る金属層を備えた2層構造の包装体を用いているので、必要な硬度と成形性を得るために一定の厚さが必要となり、更に、接着剤や接着テープを用いるために厚さが増大し、小型軽量化のために更なる改善が望まれている。
なお、金属酸化物セラミックスを電池パックの外装材として用いることも考えられているが、金属酸化物セラミックスは、金属よりも硬さに優れるものの、脆性を有するため、外装材として薄く密着させて加工する必要がある。
また、上記文献7及び8に記載の角形の外装缶に防爆用の開裂ベントを設けたリチウムイオン二次電池は、現在実用化されておらず、その理由として、角形の最長辺方向に大きなベント弁構造を設けるために必要な容量の確保が難しく、角形構造とする場合には円筒形の場合と比較して部品のコストが高くなると共に、高い精度で各部品を位置決めしなければならず、生産が困難であることなどが挙げられる。
本発明は、上記した従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、寸法精度及び機械的強度がいずれも高く、小型軽量化を実現した上で、異常時における安全性も確保した電池パック及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、正極と負極とをセパレータを介して巻回又は積層して成る電池素子を包装体で包装した電池と、電池の保護回路基板と、電池及び保護回路基板を一体的に被覆する外装材とを備え、外装材は、電池及び保護回路基板を一体的に被覆し、形状維持ポリマーからなる第1の材料と、該第1の材料に対して埋設され、第1の材料よりも機械的強度が小さい脆弱部材からなる第2の材料とからなり第1の材料の表面硬度がD50〜D90、第2の材料の60℃における硬さが、第1の材料の60℃における硬さ以下であり、第2の材料の60℃におけるデュロメータ硬さがD3〜D60、又は、JIS K6253により測定した60℃におけるデュロメータA硬さがA20〜A90である材料を用い、異常時に電池から発生するガスによって第2の材料が埋設された位置で第1の材料が開裂し、該ガスを電池パックの外部に放出することによって、目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の電池パックは、正極と負極とをセパレータを介して巻回又は積層して成る電池素子を包装体で包装した電池と、電池の保護回路基板と、電池及び保護回路基板を一体的に被覆する外装材とを備え、外装材は、電池及び保護回路基板を一体的に被覆し、形状維持ポリマーからなる第1の材料と、該第1の材料に対して埋設され、第1の材料よりも機械的強度が小さい脆弱部材からなる第2の材料とからなり第1の材料の表面硬度がD50〜D90、第2の材料の60℃における硬さが、第1の材料の60℃における硬さ以下であり、第2の材料の60℃におけるデュロメータ硬さがD3〜D60、又は、JIS K6253により測定した60℃におけるデュロメータA硬さがA20〜A90である材料を用い、異常時に電池から発生するガスによって第2の材料が埋設された位置で第1の材料が開裂し、該ガスを電池パックの外部に放出するようになされた電池パックである。
また、本発明の電池パックの製造方法は、正極と負極とをセパレータを介して巻回又は積層して成る電池素子を包装体で包装した電池と、電池の保護回路基板と、成形型の成形空間に充填される第1の材料よりも機械的強度が小さい脆弱部材からなる第2の材料とを電池の端子を外部に導出した状態にして成形型の成形空間内に収容し、成形空間に第1の材料を充填して硬化させることにより、電池及び保護回路基板を一体的に被覆する外装材を形成し、第1の材料が形状維持ポリマーからなり、第1の材料の表面硬度がD50〜D90、第2の材料の60℃における硬さが、第1の材料の60℃における硬さ以下であり、第2の材料の60℃におけるデュロメータ硬さがD3〜D60、又は、JIS K6253により測定した60℃におけるデュロメータA硬さがA20〜A90である材料を用い、異常時に電池から発生するガスによって第2の材料が埋設された位置で第1の材料が開裂し、該ガスを電池パックの外部に放出するようになされた電池パックの製造方法である。
本発明によれば、上記した構成としているので、寸法精度及び機械的強度がいずれも高く、小型軽量化を実現した上で、異常時における安全性も確保した電池パックを提供することができる。
以下、本発明の電池パックについて詳細に説明する。なお、本明細書において、濃度、含有量及び充填量などについての「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上記の如く、本発明の電池パックは、正極と負極とをセパレータを介して巻回又は積層して成る電池素子を包装体で包装した電池と、上記電池の保護基板を外装材で一体的に被覆して成るものであり、この外装材の一部に、異常時に上記電池から発生するガスによって開裂し、該ガスを電池パックの外部に放出するガス放出口を形成する開裂可能部を設けたものである。
従来、ポリマー化した電解液を用いたポリマー電池を用い、該ポリマー電池と回路基板を、アルミラミネート等の熱融着フィルムでトップシールし、該熱融着部を異常時に開裂させるようにしたものがある。しかし、ポリマー電池と回路基板を熱融着フィルムでトップシールしたリチウムイオン二次電池は、熱融着部分を開裂機構とするために製造工程において種々の制約があると共に、寸法精度及び機械的強度が低いという欠点がある。
本発明の電池パックは、正極と負極とをセパレータを介して巻回又は積層して成る電池素子を包装体で包装した電池と、上記電池の保護回路基板と、上記電池及び保護回路基板を一体的に被覆する外装材を備えたことによって、寸法精度及び機械的強度を高め、軽量小型化を実現すると共に、上記外装材に開裂可能部を設けたことによって、異常時に発生するガスを外部に放出可能とし、安全性も確保できる構成としている。
以下、電池パックを構成する外装材及び開裂可能部を説明した後、電池パックを構成する他の要素について説明する。
[外装材]
外装材は、形状維持ポリマーとフィラー材とを含む複合材料を用いることが好ましい。この形状維持ポリマーとしては、フィラー材と親和性、相溶性ないしは反応性を有し、且つ、高い寸法精度及び機械的強度を発現できる樹脂であることが好ましい。
通常の樹脂は、樹脂の融点又はガラス転移温度よりも50〜150℃程度高い温度に加温することによって流動性を発現させることが可能となるので、樹脂を含む外装材を、成形型に充填するにあたっては、例えば、180〜450℃の高温に加熱する必要がある。
しかし、高温の外装材が成形型に流し込まれると、成形型内に収容された電池素子を構成するポリエチレンベースのセパレータが溶融して微細孔がシャットダウンし、セパレータとしての機能を果たさなくなる虞がある。また、非水系電解質として用いられるPVdF(ポリフッ化ビニリデン)等の物理ゲルが溶融して電池が変形する虞もある。更に、保護回路基板に組み込まれたPCT(Positive Temperature Coefficient:正温度係数,ここで「正温度係数」とは、温度が上昇するに従い電池抵抗値も上昇し、正の係数値が変化する特性をいい、本明細書において、PCTとは、該特性を有する素子をいう。)や温度ヒューズ等の素子がダメージを受け、保護回路基板としての役割を果たさなくなる虞がある。
そこで、外装材に用いる形状維持ポリマーとしては、好ましくは120℃以下、より好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは50〜90℃で硬化する熱硬化性樹脂又は紫外線で硬化する紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
形状維持ポリマーとして、具体的には、ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂から成る群より選ばれた1種、又は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂のいずれか2種以上の混合物が挙げられる。
このような硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂に比べて成形型枠内に流し込んでから硬化するまでの時間が長く、流動性に優れるため、成形型枠内の狭い周囲空間に充填することが可能となる。そのため、上記の樹脂を外装材として用いることにより、外装材の厚さを熱可塑性樹脂の場合と比較して薄くし(例えば、熱可塑性樹脂を用いた場合は、数百μmの厚さに対して、硬化性樹脂の場合は、数十μm〜数μmの厚さ)、小型軽量化することができる。また、上記の硬化性樹脂を外装材として用いることにより、金属板よりも薄く生産性に優れた加工を施すことができる。
従って、上記の硬化性樹脂を外装材として用いることにより、電池パックの体積エネルギー密度を向上させることができ、電池パックの形成が容易であり、寸法精度が高くなって歩留まりを向上させ、多種多様な用途に応じてサイズや形状の設計自由度を広げることができる。
形状維持ポリマーに用いる硬化性樹脂としては、一液性、二液性、三液性のものがあるが、低温の保管庫が必要となり、保管庫がない場合は硬化時間が長くなる一液性のものよりも、保管の簡便性や生産性の観点から二液性のものを用いることが好ましい。また、生産性の観点から混合に手間がかかる三液性のものよりも、簡便に混合できる二液性のものを用いることが好ましい。
また、外装材としては、形状維持ポリマーと共に、硬化剤、紫外線吸収剤及び光安定剤のいずれかを用いることが好ましい。
形状維持ポリマーは、外装材の機械的強度を高めるために、柔軟性を寄与する非結晶部分と、表面硬さを寄与する結晶部分のバランスが良好なものであることが好ましい。
形状維持ポリマーと共に硬化剤を用いる場合は、長い高分子鎖の架橋点を少なくして柔軟性に寄与する非結晶部分を形成するための架橋点が二つ以上の硬化剤と、高分子鎖の架橋点を多くして硬さ寄与する結晶部分を形成するための架橋点が三つ以上の硬化剤を併用することが好ましい。
外装材は、平常時には、優れた耐衝撃性及び機械的強度を有するものであり、一方、異常時には、電池から発生するガスを容易に外部に放出できるように、壊れ易くなるものであることが好ましい。
この条件を満たすために、外装材に用いる形状維持ポリマーは、該形状維持ポリマーのガラス転移点が、電池パックを平常使用する温度以上であり、且つ、異常時における温度以下のものであることが好ましい。
ガラス転移点が、電池パックを平常使用する温度以上であると、形状維持ポリマーを構成する高分子の熱運動が抑制されており、形状維持ポリマーは硬いままであり、優れた機械的強度を発現することができる。
一方、形状維持ポリマーのガラス転移点が、異常時における温度以下であると、形状維持ポリマーを構成する鎖状高分子の熱運動の部分が激しくなって柔軟性を発現し、外装材が破壊され易くなる。
形状維持ポリマーのガラス転移点(Tg)は、DSC(Differential Scanning Calorimetry)示差走査熱量測定で測定することができる。
形状維持ポリマーのガラス転移点(Tg)は、好ましくは45〜130℃、より好ましくは60〜120℃、更に好ましくは80〜110℃の範囲にあることが好ましい。
外装材は、形状維持ポリマーと共に、フィラー材を含む複合材料であることが好ましい。フィラー材としては、セラミックフィラー、金属酸化物フィラー又は金属窒化物フィラーを用いることができる。
金属酸化物フィラー又は金属窒化物フィラーとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)の酸化物若しくは窒化物、又は、これら酸化物若しくは窒化物の任意の混合物を挙げることができる。このような金属酸化物又は金属窒化物フィラーは、この外装材の硬さ及び熱伝導性を向上する機能を果たし、形状維持ポリマーを含む層と接触した状態で、金属酸化物フィラー又は金属窒化物フィラーを含む層を配置してもよく、この金属酸化物フィラー又は金属窒化物フィラーを形状維持ポリマーを含む層に混入してもよい。この場合、形状維持ポリマー層の全体に亘って、金属酸化物フィラー又は金属窒化物フィラーが均一に散在していることが好ましい。
フィラー材の混入割合は、形状維持ポリマーの種類に応じて適宜変更することができるが、形状維持ポリマーの全質量に対して、好ましくは3〜60%である。該混入量が3%未満であると、十分な硬さの外装材を得られない場合があり、該混入量が60%を超えると、製造時の成形性やセラミックの脆性による問題が発生することがある。
また、フィラー材の平均粒径を小さくすると、硬度が上がるものの成形時の充填性に影響して生産性に不具合を来たす可能性があり、一方、フィラー材の平均粒径を大きくすると、目的の強度を得にくくなって電池パックとしての寸法精度を十分に得ることができない可能性があることから、フィラー材の平均粒径を0.5〜40μmとすることが好ましく、2〜20μmとすることがより好ましい。
更に、フィラー材の形状としては、球状や鱗片状や板状や針状など様々な形状を採用することができる。特に限定されるものではないが、球状のものは、作製し易く平均粒径の揃ったものを安価に得られるので好ましく、針状でアスペクト比の高いものは、フィラー材として強度を高め易いので好ましい。また、鱗片状のものは、フィラー材の混入割合を増したときに充填性を高め得るので好ましい。なお、用途や材質に応じて、平均粒径や形状の異なるフィラー材を混合して用いることが可能である。
本発明の電池パックは、電池及び保護回路基板を一体的に被覆する外装材として、上述のような特定の形状維持ポリマー及びフィラー材を用いることによって、寸法精度、耐衝撃性及び機械的強度がいずれも高く、小型(薄型)軽量化することができる。
このような外装材は、以下の物性値を有するものであることが好ましい。
外装材のJIS K7171により測定した曲げ強度は、好ましくは10〜120MPa、より好ましくは20〜110Mpa、更に好ましくは70〜100MPaである。
また、外装材のJIS K7171により測定した曲げ弾性率は、好ましくは30〜3000MPa、より好ましくは250〜2500MPa、更に好ましくは1000〜2500MPaである。
また、外装材のJIS K7215により測定したデュロメータD硬さは、好ましくはD30〜D99、より好ましくはD60〜D99である。
外装材は、JIS K7215に規定された標準温度(23℃±2℃)で測定したデュロメータD硬さよりも、異常時の温度、例えば、60℃以上の温度で測定したデュロメータD硬さの方が小さいものであることが好ましい。 異常時の温度下で、外装材の硬さが、標準時における硬さよりも小さくなると、異常時に発生したガスによって、外装材が開裂し易くなるからである。通常使用温度と異常環境時の温度で外装の硬さが変わらない場合には,異常時での温度で開裂し易く設定すると通常使用時に強度を確保しにくい虞がある。通常使用温度と異常環境時の温度で外装の硬さが変わらない場合には、通常使用時に十分な強度を確保すると、異常環境時の温度ではポリマー電池の特色である早い開裂による安全性確保を損なう虞がある。
外装材は、異常時の温度、例えば、60℃以上の温度で測定したデュロメータD硬さが、好ましくはD3〜D60、より好ましくはD5〜D30のものであることが好ましい。外装材の60℃以上の温度で測定したデュロメータD硬さがD5〜D30であると、異常時に発生したガスによって、外装材が開裂し易くなり、外部にガスを放出して爆発の危険を防げるため、安全性を確保することができる。
[開裂可能部:薄肉部]
次に、上記外装材に設ける開裂可能部について説明する。
上記外装材に設ける開裂可能部の好適形態の一例としては、上記開裂可能部が、上記外装材を成形型内に充填して硬化する段階で形成される充填痕から成る薄肉部であることが好ましい。
本発明の電池パックは、上述のように外装材が特定のガラス転移点を有する特定の形状維持ポリマーで構成されていることに加えて、外装材に薄肉部からなる開裂可能部が形成されているので、外装材でポリマー電池を被覆した形態の電池パックであっても、異常時に電池から発生したガスによって、薄肉部が容易に壊れ、薄肉部が開裂して形成されたガス放出口から、電池パックの外部にガスを放出して爆発を防止し、安全性を確保することができる。
外装材に薄肉部を形成した場合、該薄肉部が、異常時における開裂部となるため、電池及び保護回路基板を外装材で一体化した電池パックの耐衝撃性は、薄肉部を形成しない場合と比較して小さくなると推測される。
しかし、本発明者らが確認したところ、驚くべきことに、電池パックの耐衝撃性は、薄肉部を形成しない場合よりも薄肉部を形成した場合の方が高くなっていた。
これは、外装材に形成された薄肉部が、落下時等の衝撃を吸収し、変形に対する抵抗力が増加したためと考えられる。
このように、本発明の電池パックは、外装材に開裂可能部となる薄肉部を形成したことによって、安全性の確保を可能にすると共に、機械的強度を高めることも可能となった。
次に、開裂可能部となる薄肉部の好適形態について説明する。なお、開裂可能部となる薄肉部の形態は、以下に示す例に限らず、また、薄肉部を設ける場所も、電池パックのサイド部、トップ部、ボトム部のいずれの箇所でもよい。なお、電池パックのサイド部とは、両側部付近を示し、トップ部とは、電池の正極端子及び負極端子が配置される側付近を示し、ボトム部とは、トップ部の反対側付近を示す。
図1〜5は、外装材1に形成した薄肉部2の好適形態の例を示す平面図である。
図1(a)に示すように、ほぼ矩形板状をなす外装材1に形成する開裂可能部と成る薄肉部(外装材1の最大面の一部を凹ませた溝部又は凹部)2は、外装材1の最大面(端的には表裏面)3の少なくとも一面に形成することが好ましく、両面に形成してもよい。
薄肉部2が外装材1の最大面3に形成されていると、電池素子を包装した包装体のシール部分の近くに、薄肉部2から成る開裂可能部が形成されていることになり、異常時に発生したガスによって薄肉部2が開裂し、ガスが外部に放出されやすくなる。
また、図1(a)に示すように、薄肉部2の形状は、交差する二本の線分状凹部から成る回転対称体に形成することが好ましい。
このような形状に薄肉部2が形成されていると、電池から発生したガスによって、外装材1の最大面3の一面全体が一定圧により均等に割れて、ガス放出口4が形成されるので、安全性を向上させることができる(図1(b)参照)。
なお、回転対称とは、ある形状をある回転で回転したときに、元の形状に重なるものをいう。
図2は、図1に示す、交差する二本の線分状凹部から成る回転対称体の形状に形成された薄肉部2の端部に、最大面3の中心部方向に膨出するように湾曲する湾曲線分状凹部から成る薄肉部2aを形成した電池パックを示す平面図である。
また、図3は、外装材1の最大面3の対角線上に、交差する二本の線分状凹部から成る回転対称体の形状に形成された薄肉部2と、この薄肉部2の端部に、最大面3の中心部方向に膨出するように湾曲する湾曲線分状凹部から成る薄肉部2aを形成した電池パックを示す平面図である。
該薄肉部2,2aが開裂することによってガス放出口が大きくなるので好ましい。
図1〜3に示すように、開裂可能部となる薄肉部の形態が、外装材の面と連続している形態であると、薄肉部が破壊されて外装材にガス放出口が形成された場合であっても、開裂した外装材の破壊片が飛び散らず、安全性を高めることができる。
図4及び5は、外装材1に形成した薄肉部2の好適形態の他の例を示す平面図である。
図4(a)は、外装材1の最大面3の、外装材1の内部に収容されている電池の端子と対面する部分に、一つの長方形状の閉塞線状凹部から成る薄肉部2を形成した例を示し、図5は、外装材1の最大面3のトップ部の近傍に、四つの多角形状(十角形状:星形形状)の閉塞線状凹部から成る薄肉部2を形成した例を示す。
異常時に発生するガスは、電池の端子部分から発生しやすいので、この電池の端子と対面する部分に開裂可能部となる薄肉部2が形成されていると、電池から発生したガスによって薄肉部2が壊れ易く、ガス放出口4が形成され易くなるので好ましい(図4(b)参照)。
また、図6は、開裂可能部となる薄肉部2を形成した電池パックの側面図である。図6に示すように、開裂可能部となる薄肉部2の厚さ(凹部の深さ)tは、外装材1の全厚さTに対して、好ましくは10〜70%、より好ましくは40〜70%である。
薄肉部の厚さtが70%を超え,かつ100μm以上であると、該薄肉部2が容易に開裂せず、電池パックの外部にガスを放出することができない。一方、薄肉部の厚さtが20%未満であると、電池パックの機械的強度が低くなる。なお、図6中、符号10は電池、符号32は保護回路基板、符号34は緩衝材である。
開裂可能部となる薄肉部は、成形型に形成した突起、又は、貼付した突起によって、成形型内に充填されて硬化する外装材に形成された突起痕(充填痕)から成るものであることが好ましい。このように、成形型に形成した突起、又は、脱離可能に設置した、例えば突起によって、外装材で電池及び回路基板を一体的に被覆すると同時に、容易に開裂可能部となる薄肉部を外装材に形成することができる。なお、このように形成した薄肉部は、電池パック装填時において、ノッチとして使用することも可能である。
また、開裂可能部となる薄肉部の製造方法としては、上述の例に限らず、例えば、外装材を成形した後に、外装材の表面に機械的に溝部を形成することによって、該溝部の部分を薄肉部としてもよい。
[開裂可能部:脆弱部材]
次に、上記外装材に設ける開裂可能部の好適形態の他例について説明する。
開裂可能部は、電池及び保護回路基板と共に外装材に埋設する、上記外装材よりも機械的強度の小さい脆弱部材から成るものであることが好ましい。脆弱部材は、内部に空隙部を備えたものであることが好ましい。
異常時に発生したガスが、この脆弱部材を押圧し、又は、脆弱部材の空隙部に流入することによって、脆弱部材が外装材の内部で破裂する等の変形を生じ、この脆弱部材の変形により発生したエネルギーによって、外装材が破壊されてガス放出口が形成され、外部にガスを放出して爆発を防止し、電池パックの安全性を確保することができる。
開裂可能部となる脆弱部材の形態は、特に限定されないが、一般的な直方体、立方体、円柱状、円錐状、角柱状、角錐状のものを用いることができる。
脆弱部材は、脆弱部材の一面の一辺の長さが外装材の最大面積の最長の一辺の長さの3%以上の長さ又は1mm以上の長さを有し、該脆弱部材の厚さが、外装材の全厚さの20%以上の厚さ又は100μm以下の厚さを有するものであることが好ましい。
脆弱部材の寸法が上記範囲内であると、異常時に発生したガスによって脆弱部材が破裂するなどのように変形した場合に、変形の際に生じたエネルギーによって、外装材を確実に開裂させて、ガスを放出することができる。
脆弱部材は、異常時と想定される温度、例えば、60℃以上の温度で、外装材よりも機械的強度の小さい公知の樹脂を用いて形成することができる。例えば、脆弱部材は、ゴムやプラスチック等を用いて形成することができる。
脆弱部材のJIS K7215により測定した、60℃におけるデュロメータD硬さは、D3〜D60であり、脆弱部材のJIS K6253により測定した、60℃におけるデュロメータA硬さはA20〜A90であることが好ましい。
脆弱部材の硬さが上記範囲内であると、異常時と想定される、例えば、60℃以上の温度域において、電池から発生するガス等により脆弱部材が優先的に破裂等の変形を生じ、この変形時のエネルギーによって外装材を開裂させて、ガスを外部に放出することができる。
また、脆弱部材は、消火剤及び/又は吸熱剤を含むものであってもよい。
このように、脆弱部材が消火剤及び/又は吸熱剤を含むものである場合は、例えば、ガスの発生が避けられない200℃以上の高温下に置かれた異常時に、ガスによって変形した脆弱部材から消火剤や吸熱剤を放出させることによって、ガスの昇温反応を抑制することができる。
消火剤や吸熱剤は、脆弱部材と共に混合して、脆弱部材の内部に含有させてもよく、脆弱部材が空隙部を備えたものである場合は、この空隙部に封入して含有させてもよい。
消火剤としては、例えば、ハロン2402、ハロン1211、ハロン1301などのハロゲン化合物、リン酸アンモニウムなどリン系化合物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸系化合物、界面活性剤を主成分とする起泡性化合物など、一般的に知られている消火剤を用いることができる。
吸熱剤としては、例えば、アルミナ、シリカなどのセラミックスの他、金属ニッケル、金属セラミックスなどの金属を含む粉体及びこれらを樹脂で固めた体積熱容量が2J/K・cmを超えるものを用いることができる。
次に、開裂可能部となる脆弱部材を設ける位置について、図面に基づき説明する。
図7〜9は、外装材1の内部に脆弱部材5を設けた好適形態の例を示す平面図である。
図7は、脆弱部材5を、電池10の正極端子15a及び負極端子15bの間に設けた状態を示し、図8は、脆弱部材5,5を、電池10の正極端子15aの上方及び負極端子15bの上方に各々1つずつ設けた状態を示し、図9は、電池10の正極端子15aの上方から負極端子15bの上方に亘って1つの脆弱部材5を設けた状態を示す。なお、図7〜9中、符号32は保護回路基板を示している。
このように、脆弱部材5が電池10の正極端子15a及び負極端子15bの近傍に設けられていると、異常時に発生するガスによって脆弱部材5が変形し易く、該変形によって生じたエネルギーによって外装材を開裂させて、ガス放出口が形成され、ガスを外部に放出させ易くなり、爆発の危険性を低減することができる。
図10及び11は、外装材1に脆弱部材5を埋設した好適形態の他の例を示す側面図である。
図10は、脆弱部材5を、電池10の端子15の外方側に設けた状態を示し、図11は、保護回路基板32から電池10に亘る外方側部に、脆弱部材5を設けた状態を示す。
図10及び11に示す例では、脆弱部材5は、外装材1のトップ部近傍に設けているが、本例に限らず、脆弱部材5は、外装材1のサイド部に設けてもよく、外装材1のトップ部やボトム部に設けてもよく、成形型枠内における電池及び保護回路基板の周囲空間のいずれの位置に設けてもよい。また、脆弱部材は、1つ又は複数設けてもよい。
開裂可能部となる脆弱部材は、成形型の成形空間内に、電池及び保護回路基板と共に、脆弱部材を収容し、成形型の成形空間に充填した外装材で、電池と保護回路基板と脆弱部材を一体的に被覆して形成するものであることが好ましい。
次に、電池パックについて、図面を参照して詳細に説明する。
図12〜図18は、本発明の電池パックの一実施形態を示しており、図16に示すように、この電池パックは、電池素子10を金属ラミネートフィルム17で被覆して作製される電池20を備えている。この電池20において、ラミネートフィルム17に形成した凹部17a(空所17a)に電池素子10を収容して、その周辺部を封止するようになっており、この場合、ラミネートフィルム17の空所17aは、矩形板状を成している電池素子10の形状に対応した矩形板状の空間となっている。
電池素子10は、図17にも示すように、帯状の正極11と、セパレータ13aと、正極11と対向して配置された帯状の負極12と、セパレータ13bとを順に積層して、長手方向に巻回して成っており、正極11及び負極12の両面にはゲル状電解質14が塗布してある。
この電池素子10からは、正極11と接続する正極端子15a及び負極12と接続する負極端子15bが導出させてあり(以下、特定の端子を指定しない場合は電極端子15と称する)、正極端子15a及び負極端子15bには、後に外装するラミネートフィルム17との接着性を向上させるために、無水マレイン酸変性されたポリプロピレン(PPa)等の樹脂片であるシーラント16a及び16b(以下、特定のシーラントを指定しない場
合はシーラント16と適宜称する)が被覆してある。
以下、上述の電池(外装材によるパック前)の構成要素について詳細に説明する。
[正極]
正極は、正極活物質を含有する正極活物質層を正極集電体の両面状に形成して成るものである。正極集電体は、例えばアルミニウム(Al)箔などの金属箔により構成され、一方、正極活物質層は、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有して構成される。ここで、正極活物質、導電剤、結着剤及び溶剤は、均一に分散していればよく、その混合比は問われない。
正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物又は特定の高分子を用いることができる。例えば、リチウムイオン電池を構成する場合、主として、次式(1)
LiXMO2…(1)
(式中のMは少なくとも一種の遷移金属を示し、Xは電池の充放電状態によって異なるが、通常は0.05〜1.10である)で表されるリチウムと遷移金属との複合酸化物を用いることができる。なお、リチウム複合酸化物を構成する遷移金属(M)としては、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及びマンガン(Mn)等を用いることができる。
このようなリチウム複合酸化物として、具体的には、LiCoO、LiNiO、LiMn及びLiNiyCo1−y(0<y<1)等がある。また、遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体も使用可能であり、LiNi0.5Co0.5やLiNi0.8Co0.2等をその例として挙げることができる。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度が優れたものである。さらに、正極活物質としてTiS、MoS、NbSe及びV等のリチウムを有しない金属硫化物又は酸化物を使用してもよい。これらの正極活物質は、単独で又は複数種を混合して用いてもよい。
また、導電剤としては、例えば、カーボンブラックやグラファイトなどの炭素材料等を用いることができる。さらに、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等を用いることができる。また、溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン等を用いることができる。
上述の正極活物質、結着剤及び導電剤を均一に混合して正極合剤とし、この正極合剤を溶剤中に分散させてスラリー状にする。次いで、このスラリーをドクターブレード法などにより正極集電体上に均一に塗布した後、高温で乾燥させて溶剤を蒸発させ、プレスすることにより正極活物質層を形成する。
正極11は、正極集電体の一端部にスポット溶接又は超音波溶接で接続した正極端子15aを有している。この正極端子15aは金属箔や網目状のものが望ましいが、電気化学的及び化学的に安定であり、通電がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。正極端子15aの材料としては、例えばアルミニウム等がある。
[負極]
負極は、負極活物質を含有する負極活物質層を負極集電体の両面上に形成して成るものである。負極集電体は、例えば銅(Cu)箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
負極活物質層は、例えば、負極活物質と、必要に応じて導電剤と、結着剤とを含有して構成される。なお、負極活物質、導電剤、結着剤及び溶剤については、正極活物質と同様に、その混合比は不問である。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料又は金属系材料と炭素系材料との複合材料を用いることができる。具体的にリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料としては、グラファイト、難黒鉛化炭素及び易黒鉛化炭素等がある。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、及び活性炭等の炭素材料を使用することができる。さらに、リチウムをドープ・脱ドープできる材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO等の酸化物を使用することができる。
また、リチウムを合金化可能な材料としては、多様な種類の金属等が使用可能であるが、スズ(Sn)、コバルト(Co)、インジウム(In)、アルミニウム、ケイ素(Si)及びこれらの合金がよく用いられる。金属リチウムを使用する場合は、必ずしも粉体を結着剤で塗布膜にする必要はなく、圧延したリチウム金属箔を集電体に圧着しても構わない。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンやスチレンブタジエンゴム等を用いることができる。また、溶剤としては、例えばN−メチルピロリドンやメチルエチルケトン等を用いることができる。
上述の負極活物質、結着剤、導電剤を均一に混合して負極合剤とし、溶剤中に分散させてスラリー状にする。次いで、正極と同様の方法により負極集電体上に均一に塗布した後、高温で乾燥させて溶剤を飛散させ、プレスすることにより負極活物質層を形成する。
負極12も正極11と同様に、集電体の一端部にスポット溶接又は超音波溶接で接続した負極端子15bを有しており、この負極端子15bは電気化学的及び化学的に安定であり、通電がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。負極端子15bの材料としては、例えば銅、ニッケル等がある。
なお、正極端子15a及び負極端子15bは、上述したように、電池素子10が矩形板状を成す場合には、その一辺(通常は短辺の1つ)から同じ方向に導出させることが好ましいが、短絡等が起こらず電池性能にも問題がなければ、いずれの方向から導出させても問題はない。また、正極端子15a及び15bの接続箇所は、電気的接触がとれているのであれば、取り付ける場所や取り付ける方法は上記の例に限定されない。
[電解液]
電解液としては、リチウムイオン電池に一般的に使用される電解質塩と非水溶媒が使用可能である。
非水溶媒としては、具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート及びエチルプロピルカーボネート、又はこれらの炭酸エステル類の水素をハロゲンに置換した溶媒等がある。これらの溶媒は一種類を単独で用いてもよいし、複数種を所定の組成で混合して用いてもよい。
また、電解質塩の一例であるリチウム塩としては、通常の電池電解液に用いられる材料を使用することが可能である。具体的には、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiClO,LiBF、LiPF、LiNO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiAsF、LiCFSO、LiC(SOCF、LiAlCl及びLiSiF等を挙げることができるが、酸化安定性の点からはLiPF、LiBFが望ましい。これらリチウム塩は単独で用いても複数種を混合して用いてもよい。リチウム塩を溶解する濃度は、上記非水溶媒に溶解することができる濃度であれば問題はないが、リチウムイオン濃度が非水溶媒に対して0.4mol/kg〜2.0mol/kgの範囲であることが好ましい。
ゲル状電解質を用いる場合は、上述の電解液をマトリクスポリマでゲル化して用いる。
マトリクスポリマは、上記非水溶媒に上記電解質塩が溶解されてなる非水電解液に相溶可能であり、ゲル化できるものであればよい。このようなマトリクスポリマとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、及びポリメタクリロニトリルを繰り返し単位に含むポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。
その中でも特に好ましいのは、マトリクスポリマとして、ポリフッ化ビニリデン又はポリフッ化ビニリデンにヘキサフルオロプロピレンが7.5%以下の割合で導入された共重合体である。かかるポリマーは、通常、数平均分子量が5.0×10〜7.0×10(50万〜70万)の範囲であるか、又は、重量平均分子量が2.1×10〜3.1×10(21万〜31万)の範囲にあり、固有粘度が1.7〜2.1dl/gの範囲にある。
[セパレータ]
セパレータは、例えば、ポリプロピレン(PP)若しくはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系の材料から成る多孔質膜、又は、セラミック製の不織布などの無機材料から成る多孔質膜により構成され、これらの二種以上の多孔質膜を積層した構造としてもよい。中でも、ポリエチレンやポリプロピレンの多孔質フィルムが最も有効である。
一般的に、セパレータの厚みとしては5〜50μmが好適に使用可能であるが、7〜30μmがより好ましい。セパレータは、厚すぎると活物質の充填量が低下して電池容量が低下するとともに、イオン伝導性が低下して電流特性が低下する。逆に薄すぎると、膜の機械的強度が低下する。
[電池の作製]
上述のようにして作製したゲル状電解質溶液を正極11及び負極12に均一に塗布し、正極活物質層及び負極活物質層に含浸させた後、常温で保存するか、若しくは乾燥工程を経てゲル状電解質層14を形成する。
次いで、ゲル状電解質層14を形成した正極11及び負極12を用い、正極11、セパレータ13a、負極12,セパレータ13bの順に積層した後巻回して電池素子10を形成し、続いて、この電池素子10をラミネートフィルム17の凹部(空所)17aに収容して外装し、ゲル状非水電解質二次電池を得る。
なお、ラミネートフィルム17としては、従来公知の金属ラミネートフィルム、例えば、アルミラミネートフィルムを用いることができる。かかるアルミラミネートフィルムとしては、絞り加工に適し、電池素子10を収容する凹部17aを形成するのに適したものがよい。
通常、アルミラミネートフィルムは、アルミニウム層の両面に接着層と表面保護層が配設された積層構造を有するもので、内側、即ち電池素子10の表面側から順に、接着層としてのポリプロピレン層(PP層)、金属層としてのアルミニウム層及び表面保護層としてのナイロン層又はポリエチレンテレフタレート層(PET層)が配設される。
そして、本実施形態では、図16及び図17に示すように、上述のようなラミネートフィルム17で電池素子10を外装し、電池素子10の周囲を溶着・封止して電池20とする。
また、上述のように、ラミネートフィルム17への電池素子10の収容及び封止を行った後、図18(A)及び図18(B)に示すように、電池素子10を収容した凹部17aの両側の部分(以下、サイド封止部と適宜称する)17bを凹部17aの方向に向けて折り曲げる。
上記の折り曲げ角度θは、80゜〜100゜の角度範囲とすることが好ましい。80゜未満では、凹部17aの両側に設けられたサイド封止部17bが開きすぎて電池20の幅が広くなってしまい、電池20の小型化及び電池容量の向上が困難となる。また、上限値の100゜は凹部17aの形状によって規定される値であり、扁平型の電池素子10を収容する場合、折り曲げ角度の限界値は100゜程度となる。なお、サイド封止部17bにおける熱溶着の幅は、好ましくは0.5〜2.5mm、より好ましくは1.5〜2.5mmである。
サイド封止部17bの折り返し幅Dは、電池20の小型化及び電池容量の向上のためには、凹部17aの高さh又は電池素子10の厚み以下の寸法にすることが好ましい。また、非水電解質二次電池20の小型化及び電池容量の向上のためには、折り返しの回数は一回にすることが好ましい。
次に、本発明の電池パックの製造方法の一実施形態について説明する。
本発明の電池パックの製造方法では、上述のように作製した非水電解質二次電池20を該電池の電圧及び電流を制御可能な保護回路基板及びスペーサとともに、成形用金型のキャビティ(成形空間)に収容し、スペーサによって上記電池及び保護回路基板をキャビティ内の所定位置にセットした後、上記形状維持ポリマーとフィラーを含有する外装材を上記キャビティに充填して硬化させ、これにより、外装材を装着した電池パックを得る。
更に、本発明の電池パックの製造方法では、成形用金型に形成した突起、又は、貼付した突起によって、上記電池及び保護回路基板の周囲空間に充填されて硬化する外装材に、充填痕である薄肉部から成る、異常時に電池から発生するガスによって開裂する開裂可能部を形成する。
また、本発明の電池パックの製造方法では、外装材に充填痕である薄肉部から成る開裂可能部を設ける代わりに、電池及び保護回路基板と共にキャビティ内の所定位置に脆弱部材をセットした後、上記形状維持ポリマーとフィラーを含有する外装材をキャビティ内に充填して硬化させ、異常時に電池から発生するガスによって変形する脆弱部材から成る開裂可能部を形成する。
なお、使用する成形用金型は、上記実施形態では、アルミラミネートフィルム17でパックした電池20と、保護回路基板と、上記したスペーサと、必要に応じて使用する緩衝材(後述する)と、薄肉部を形成する突起又は脆弱部材をそのキャビティに配置できる限り、特に限定されるものではないが、通常は、そのキャビティに溶融成型材料を導くゲートを2本以上具備している。従って、得られた電池パックには、ゲートに対応した成型材料の余剰分が、外装材のいずれかの部分に硬化して残存することになり、本発明では、かかる余剰の成型材料をトリミングして削除するが、若干の樹脂注入痕が残る。
上記保護回路基板は、通常、正極端子15a及び負極端子15bの上方に配置する(図16参照)。また、上述の緩衝材は、電池20のように矩形板状を成す(形成される電池外装材が矩形板状を成す)場合、端子15a及び15bの導出方向の辺部若しくはこれと対向する辺部、又は双方の辺部に配置する。具体的には、図16において、矩形板状をなす電池20のいずれか一方の短辺側又は双方の短辺側に配置する。そして、このように配置した保護回路基板及び緩衝材は、上記外装材によって電池20と一体を成す。
なお、上記緩衝材は、電池及び保持回路基板を保護すると共に、得られる電池パックの耐衝撃性を向上させる機能を有することから、この緩衝材に使用する材料としては、耐衝撃性を有し寸法精度の良好なポリカーボネートやアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂(ABS)、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂や、アルミやステンレス等の金属を用いたり、樹脂材料にアルミ等の金属材料をインサート成型したものを用いることが好ましい。
本発明では、従来と異なり寸法ばらつきは全て形状維持ポリマーにて吸収できるため、更に種々のゴム状のプラスチックを用いることも可能である。具体的には、天然ゴム、加硫した合成ゴム、例えばポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル系、スチレン−ブタジエン系、クロロプレン系などやエボナイト、ウレタンゴム、シリコンゴムを用いることができる。
次に、本実施形態の電池パックを製造する要領を説明すると、図13に示すように、まず、剛性及び樹脂食付き性を高めるべく電池20の側面に沿うサイド封止部17bを図中の破線に沿って折り曲げて図14(A)に示す状態と成す。
次いで、電池20のトップ側に保護回路基板32及び緩衝材34を配置すると共にボトム側に緩衝材33を配置し、且つ、電池20の六つの平面のうちの最大面である一対の面17cに円柱形状を成すスペーサ35を配置した状態で、図14(B),(C)に仮想線で示すように、成形用金型CのキャビティCa内に設置した後、上記の形状維持ポリマーとフィラーを含む外装材18を成形用金型CのキャビティCa内に注入する。
なお、図示を省略したが、成形用金型Cには、外装材の薄肉部を構成する充填痕を形成するための突起が設置されている。
このとき、スペーサ35が成形用金型Cに当接しているので、電池20及び保護回路基板32は、キャビティCa内において精度良く所定位置に保持されることとなり、加えて、電池20の最大面17cをカバーしつつ且つ外装材18の充填空間を維持するべくスペーサ35を配置しているので、外装材18がキャビティCa内の隅々にまで流れ込むことになる。
そして、上記形状維持ポリマーとフィラーを含む外装材18をキャビティCa内において硬化させると、図12に示すように、アルミラミネートフィルム17が外装材18で被覆された本実施形態の電池パック30を得ることとなり、この際、スペーサ35は、硬化した外装材18と一体化して電池パック30に残ることとなる。また、図12又は図14に示すように、外装材18には、開裂可能部を構成する充填痕である薄肉部2が形成されることになる。
なお、図示を省略したが、上記の薄肉部2から成る開裂可能部の代わりに、電池20及び保護回路基板32と共に、キャビティCa内に脆弱部材を収容し、外装材18で、電池及び保護回路基板32と共に、開裂可能部となる脆弱部材も被覆して一体化した電池パックを得てもよい。
このように、本発明によれば、上述したような寸法精度及び機械的強度がいずれも高く、そして、小型化及び軽量化が図られた電池パックを得ることができる。なお、この電池パック30は、通常、対象機器と接続する接続端子を備えているが、上記ではその説明を省略した。
また、上述の実施形態では、ゲル状電解質を用いた非水電解質二次電池20を用いて説明したが、本発明は、電解液を用いたラミネートフィルム外装電池パックにも適用することができる。この場合、上述の実施形態において、ゲル状電解質を正極及び負極表面に塗布する工程を省き、ラミネートフィルム溶着工程の途中で電解液を注液する工程を設ける。より具体的には、矩形板状をなす電池素子10の周囲の3辺を溶着して封止した後、残りの一辺の開口部から電解液を注液し、その後にこの一辺を溶着して封止すればよい。これにより、封止部の全体形状は矩形枠状になる。
さらに、上述の実施形態では、電池要素10が、正極11と負極12をセパレータ13a,13bを介して巻回して成る場合を示したが、図19に示すように、正極11と負極12をセパレータ13を介して交互に積層して成る電池要素10を有する電池パックにも本発明を適用することができるのは言うまでもない。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。
(実施例1〜16)
外装材に埋設した脆弱部材から成る開裂可能部を設けた電池パックの例を示す。
まず、表1に示す各フィルムで包装した電池を用意し、この電池をその電圧及び電流を制御可能な保護回路基板に接続した状態で、緩衝材、スペーサ及び表1に示す形状の脆弱部材と共に、成形型内のキャビティの所定位置に挿入し固定した。その後、成形型の上部の三箇所に位置する孔径0.5mmの樹脂注入孔から表1に示すフィラー材を含む樹脂を注入して、キャビティ内に充填し、成形型の下部に三箇所に位置する樹脂排出孔から余分の樹脂が排出された時点で、表1に示す各温度の恒温槽内において各時間放置し、又は、透明な成形型を用いて表1に示す時間、波長が365nmの紫外線を照射して、樹脂を硬化させて外装材を形成し、排出口に残った余分な樹脂を切断して、各例の電池パックを作製した。
表1に、各例の電池パックの外装材に用いた樹脂のガラス転移点(Tg)、JIS K7215により測定した外装材のデュロメータD硬度、JIS K7171により測定した外装材の曲げ強度及び曲げ弾性率などを示す。
また、各例の電池パックの脆弱部材の設置場所、寸法及び形状も表1に示す。
なお、表1に示す最大幅とは、脆弱部材の最大の寸法を示し、設置辺の寸法とは、外装材の最大面における最大の長さを示し、設置辺に対する割合とは、設置辺の寸法に対する最大幅の割合(最大幅(mm)/設置辺の寸法(mm)×100(%))を示す。また、最大厚みとは、脆弱部材の最大の厚みを示し、設置辺に対する厚みの割合とは、外装材の全厚みに対する脆弱部材の最大の厚みの割合(最大厚み/外装材の全厚み×100(%))を示す。
(比較例1〜5)
比較例1として、アルミラミネートフィルムを有する電池を用意した。比較例2として、脆弱部材を用いることなく、フィラー材を含まない樹脂をキャビティ内に充填した後、常温で1日放置して、該樹脂を硬化させたこと以外は実施例1〜16と同様にして電池パックを作製した。比較例3、4として、脆弱部材を用いることなく、フィラー材を含まない樹脂を、表1に示す温度で溶融して押し出し成形し、表1に示す時間で硬化させたこと以外は実施例1〜16と同様にして電池パックを作製した。比較例5として、脆弱部材を用いることなく、フィラー材を含まない樹脂をキャビティ内に充填して、100℃で1.5時間放置して、該樹脂を硬化させたこと以外は実施例1〜16と同様にして、電池パックを作製した。
[性能評価]
(1)定格エネルギー密度(Wh/l)
23℃の温度下において、上限4.2Vで15時間の1Cの定電流定電圧充電と、終止電圧2.5Vまでの1Cの定電流放電を繰り返し行い、定格エネルギー密度を、1サイクル目の放電容量から求めた。結果を表2に示す。
定格エネルギー密度(Wh/l)=(平均放電電圧(V)×定格容量(Ah))/電池体積(l)
なお、1Cは、電池の理論容量を一時間で放出可能な電流値を示す。
(2)落下試験(A)
各例における電池パックの機械的強度のばらつきを観察するため、各例毎に電池パックを各々10個ずつ作製し、全ての電池パックを2mの高さからコンクリートの床に自由落下させた。1個の電池パックの6つの平面が全て床に当たるように、1個の電池パック当たり10回ずつ行い、ダメージがない個数をOKとし、割れたり部品が外れたり個数をNGとした。結果を表2に示す。
(3)落下試験(B)
各例の電池パックを1.2mの高さからコンクリートの床に50回自由落下させた後の寸法変化(Δt)を測定した。結果を表2に示す。
(4)過充電試験
定格容量850mAhの放電状態の電池パックを50℃の恒温槽の中に入れ、正極と負極の端子間に18Vの電圧と1700mA(2C)の充電電流を3時間流して過充電を実施し、温度変化を観察して過充電特性を評価した。
Figure 0004780079
Figure 0004780079
表2に示す、外装材の全厚さ(塗布後厚み/μm)によれば、実施例1〜16の電池パックは、いずれも外装材の全厚さが250μm以下であり、薄型化(小型軽量化)が可能であることが確認できた。一方、比較例2〜5の電池パックは、外装材の全厚さ(塗布後厚み/μm)が250μm以上のものであり、本発明の例ほど、薄型化(小型軽量化)できない。
表2に示す、定格エネルギー密度(Wh/l)によれば、実施例1〜16の電池パックは、485(Wh/l)以上の高い電池容量を有している。一方、比較例1〜5の電池及び電池パックの電池容量は、実施例1〜16の電池容量よりも低く、特に、比較例3及び4の電池パックは電池容量が全くでていなかった。
表2に示す、2m高さからの落下試験によれば、実施例1〜16の電池パックは、10個とも割れや部品の外れ等のダメージが無く、機械的強度が高いものであることが分かった。一方、比較例1の電池及び比較例2,5の電池パックは、割れたり部品が外れたりする個数が多く、機械的強度が低かった。
また、表2に示す1.2m高さからの落下試験によれば、実施例1〜16の電池パックは、寸法変化が1.1以下と小さく、機械的強度が高いものであるのに対して、比較例1〜5の電池及び電池パックは寸法変化が2.0以上と高く、機械的強度が低かった。
表2に示す、過充電試験の結果から、実施例1〜16の電池パックは、最大温度が155℃以下と比較的低く、異常環境時でもガス噴出や発火などの熱暴走に至らないことが確認できた。更に開裂弁が早く開裂して電池の内圧上昇を初期のうちに抑制できるために最大到達温度が低くなり、最低61℃まで抑制可能であることが明らかとなった。
一方、比較例1〜5の電池又は電池パックは、最大温度が400℃を超えるものがあり、
異常環境時においてガス噴出や発火などの熱暴走に至ってしまうことが確認できた。
なお,角形形状の電池パックのサイズは383450や413454のように標記される。左から順に0.1mm単位の厚み,1mm単位の横寸法,1mm単位の縦寸法を意味する慣用表現であり,383450であれば厚みが3.8mm,横寸法が34mm,縦寸法が50mmであることを示す。
(実施例17〜21)
外装材に突起痕である凹状の薄肉部から成る開裂可能部を設けた電池パックの例を示す。
まず、アルミラミネートフィルムで包装した電池を用意し、この電池をその電圧及び電流を制御可能な保護回路基板に接続した状態で、緩衝材、スペーサと共に、成形型内のキャビティの所定位置に挿入し固定した。その後、成形型の上部の三箇所に位置する孔径0.5mmの樹脂注入孔から表3に示す樹脂を注入して、キャビティ内に充填し、成形型の下部に三箇所に位置する樹脂排出孔から余分の樹脂が排出された時点で、表3に示す各温度の恒温槽内において各時間放置し、又は、透明な成形型を用いて表3に示す時間、波長が365nmの紫外線を照射して、樹脂を硬化させて外装材を形成した。この外装材には、成形型枠内の所定位置に形成又は貼付された突起によって形成された突起痕(充填痕)である、表3に示した図1〜5に表す形状の薄肉部を形成した。そして、排出口に残った余分な樹脂を切断して、各例の電池パックを作製した。
(実施例22〜25)
外装材に埋設した脆弱部材から成る開裂可能部を設けた電池パックの例を示す。
表3に示す条件で、表3に示す形状の脆弱部材を設けたこと以外は、実施例1〜16と同様にして、各例の電池パックを作製した。
(比較例6〜10)
表3に示す条件で、薄肉部又は脆弱部材を設けないこと以外は、実施例17〜25と同様にして、各例の電池パックを作製した。
上述の方法により、各例の電池パックの性能を評価した。結果を表4に示す。
Figure 0004780079
Figure 0004780079
表4に示す、外装材の全厚さ(塗布後厚み/μm)によれば、実施例17〜25の電池パックは、いずれも外装材の全厚さが250μm以下であり、薄型化(小型軽量化)が可能であることが確認できた。一方、比較例6〜10の電池パックは、外装材の全厚さ(塗布後厚み/μm)が250μm以上のものであり、本発明の例ほど、薄型化(小型軽量化)できない。
表4に示す、定格エネルギー密度(Wh/l)によれば、実施例17〜25の電池パックは、485(Wh/l)以上の高い電池容量を有している。一方、比較例6〜10の電池及び電池パックの電池容量は、実施例17〜25の電池容量よりも低く、特に、比較例8及び9の電池パックは電池容量が全くでていなかった。
表4に示す、2m高さからの落下試験によれば、実施例17〜25の電池パックは、10個とも割れや部品の外れ等のダメージが無く、機械的強度が高いものであることが分かった。一方、比較例6及び比較例10の電池パックは、10個とも、割れや部品外れ等が発生し、機械的強度が低かった。
また、表4に示す1.2m高さからの落下試験によれば、実施例17〜25の電池パックは、寸法変化が1.5以下であり、機械的強度が高いものであるのに対し、比較例6〜10の電池パックは寸法変化が2.1以上と高く、機械的強度が低かった。
に示す、過充電試験の結果から、実施例17〜25の電池パックは、最大温度が151℃以下と比較的低く、異常環境時でもガス噴出や発火などの熱暴走に至らないことが確認できた。更に開裂弁が早く開裂して電池の内圧上昇を初期で抑制できるために最大到達温度が低くなり、最低61℃まで抑制可能であることが明らかとなった。
一方、比較例6〜10の電池又は電池パックは、最大温度が400℃を超えるものがあり、異常環境時においてガス噴出や発火などの熱暴走に至ってしまうことが確認できた。
なお,角形形状の電池パックのサイズは383450や413454のように標記される。左から順に0.1mm単位の厚み,1mm単位の横寸法,1mm単位の縦寸法を意味する慣用表現であり,383450であれば厚みが3.8mm,横寸法が34mm,縦寸法が50mmであることを示す。
本発明の薄肉部を設けた電池パックの一実施形態を示す平面説明図(a),薄肉部が開裂してガス放出口を形成した状態を示す平面説明図(b)である。 本発明の薄肉部を設けた電池パックの他の実施形態を示す平面説明図である。 本発明の薄肉部を設けた電池パックの他の実施形態を示す平面説明図である。 本発明の薄肉部を設けた電池パックの他の実施形態を示す平面説明図(a),薄肉部が開裂してガスの放出口を形成した状態を示す平面説明図(b)である。 本発明の薄肉部を設けた電池パックの他の実施形態を示す平面説明図である。 本発明の薄肉部を設けた電池パックの一実施形態を示す側面説明図である。 本発明の脆弱部材を設けた電池パックの一実施形態を示す平面説明図である。 本発明の脆弱部材を設けた電池パックの他の実施形態を示す平面説明図である。 本発明の脆弱部材を設けた電池パックの他の実施形態を示す平面説明図である。 本発明の脆弱部材を設けた電池パックの他の実施形態を示す側面説明図である。 本発明の脆弱部材を設けた電池パックの他の実施形態を示す側面説明図である。 本発明の電池パックの一実施形態を示す平面説明図(A),縦断面説明図(B)及び横断面説明図(C)である。 図12における電池パックの電池のサイド封止部を折り曲げる前の状態を示す電池の平面説明図である。 図13における電池を外装材で被覆して電池パックを作製する要領を示す電池の平面説明図(A),縦断面説明図(B)及び横断面説明図(C)である。 図12における電池パックの外装材に一体化されるスペーサの斜視説明図である。 図12における電池パックの外装材で被覆する前の電池を示す分解斜視説明図である。 ラミネートフィルムに外装・収容される電池素子を示す斜視説明図である。 図16に示す電池のサイド封止部を折り曲げる要領を示す端面説明図(A),(B)である。 本発明の電池パックに用いられる電池素子の他の構成例を示す積層型電池素子の斜視説明図である。
符号の説明
1…外装材、2…直線状の薄肉部、2a…曲線状の薄肉部、3…外装材の最大面、4…ガス放出口、5…脆弱部材、10…電池素子、11…正極、12…負極、13a,13b…セパレータ、14…ゲル状電解質、15a…正極端子、15b…負極端子、17…ラミネートフィルム、18…電池外装材、20…電池、30…電池パック、32…保護回路基板、35…スペーサ、C…成形用金型、T…外装材の全厚さ、t…薄肉部の厚さ

Claims (3)

  1. 正極と負極とをセパレータを介して巻回又は積層して成る電池素子を包装体で包装した電池と、
    上記電池の保護回路基板と、
    上記電池及び上記保護回路基板を一体的に被覆する外装材とを備え、
    上記外装材は、上記電池及び上記保護回路基板を一体的に被覆し、形状維持ポリマーからなる第1の材料と、該第1の材料に対して埋設され、上記第1の材料よりも機械的強度が小さい脆弱部材からなる第2の材料とからなり
    上記第1の材料の表面硬度がD50〜D90、上記第2の材料の60℃における硬さが、上記第1の材料の60℃における硬さ以下であり、上記第2の材料の60℃におけるデュロメータ硬さがD3〜D60、又は、JIS K6253により測定した60℃におけるデュロメータA硬さがA20〜A90である材料を用い、
    異常時に上記電池から発生するガスによって上記第2の材料が埋設された位置で上記第1の材料が開裂し、該ガスを電池パックの外部に放出するようになされた電池パック。
  2. 上記第1の材料は、
    ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂から成る群より選ばれた少なくとも1種の樹脂である形状維持ポリマーと、
    フィラー材と
    を含む複合材料である請求項1に記載の電池パック。
  3. 正極と負極とをセパレータを介して巻回又は積層して成る電池素子を包装体で包装した電池と、
    上記電池の保護回路基板と、
    成形型の成形空間に充填される第1の材料よりも機械的強度が小さい脆弱部材からなる第2の材料とを上記電池の端子を外部に導出した状態にして上記成形型の上記成形空間内に収容し、
    上記成形空間に上記第1の材料を充填して硬化させることにより、上記電池及び上記保護回路基板を一体的に被覆する外装材を形成し、
    上記第1の材料が形状維持ポリマーからなり、
    上記第1の材料の表面硬度がD50〜D90、上記第2の材料の60℃における硬さが、上記第1の材料の60℃における硬さ以下であり、上記第2の材料の60℃におけるデュロメータ硬さがD3〜D60、又は、JIS K6253により測定した60℃におけるデュロメータA硬さがA20〜A90である材料を用い、
    異常時に上記電池から発生するガスによって、上記第2の材料が埋設された位置で上記第1の材料が開裂し、該ガスを電池パックの外部に放出するようになされた電池パックの製造方法。
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