JP5045002B2 - 非水電解質二次電池および電池パック、ならびに非水電解質二次電池および電池パックの作製方法。 - Google Patents

非水電解質二次電池および電池パック、ならびに非水電解質二次電池および電池パックの作製方法。 Download PDF

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Description

この発明はラミネートフィルムとプラスチック樹脂フレームで外装された非水電解質二次電池およびそれを用いた電池パック、ならびに非水電解質二次電池および電池パックの作製方法に関し、特に外装構造の体積率を最小化する技術によって放電容量を向上可能な非水電解質二次電池とそれを使用した電池パック、ならびに非水電解質二次電池および電池パックの作製方法に関する。
近年、カメラ一体型VTR(Videotape recorder:ビデオテープレコーダ)、携帯電話あるいはラップトップコンピュータなどのポータブル電子機器が多く登場し、それらの小型化および軽量化が図られている。それに伴い、ポータブル電子機器の電源として用いられる電池の需要が急速に伸びており、機器の小型軽量化実現のために、電池設計も軽く、薄型であり、かつ機器内の収容スペースを効率的に使うことが求められている。このような要求を満たす電池として、エネルギー密度および出力密度の大きいリチウムイオン電池が最も好適である。
中でも、形状自由度の高い電池、あるいは薄型大面積のシート型電池、薄型小面積のカード型電池などが望まれているが、従来用いられている金属製の缶を外装として用いる手法では、薄型の電池を作製することが困難である。
このような問題を解決するために、電解液に固化作用を有する物質を添加したり、高分子を用いたゲル電解質を用い、液状の電解質が内部に存在しない電池が検討されている。これらの電池は電極と電解質間が密着しており、接触状態を保持することも可能である。これにより、アルミラミネートフィルム等のフィルム状外装材を用いた薄型の電池を作製することが可能となる。リチウムイオンポリマー二次電池はその一例として実用化されている。
ポリマーリチウムイオン電池は、正極、負極、ポリマー電解質を有し、正極および負極からそれぞれ電極端子が導出された電池素子が外装フィルム、例えばアルミラミネートで被覆された電池セルの構成とされている。さらに、電池セルが保護回路、接続端子などを有する配線基板と共に、上下一対の樹脂製のケースからなる箱型のモールドケース内に収納される構成とされていた。
このように、従来のポリマー電池は、アルミラミネートで被覆された電池素子や配線基板などを、上下一対のケースからなるモールドケースで覆ったものを、最終的に電池パックとしてユーザなどに商品として販売していた。
しかしながら、従来の電池パックには、以下のような問題点があった。モールドケースで電池セルを覆う従来の電池パックの構造では、外部からの衝撃などから電池セルを保護するために、モールドケースの厚みは、0.3mm乃至0.4mm程度が必要であった。その為、電池セルをモールドケースに固定するための両面テープや、モールドケースの成型時の公差などを考慮すると、電池パックの厚みは、電池セルの厚みに対して、0.8mm乃至1.0mm程度増加してしまう。
また、上下一対の樹脂製のケースからなるモールドケースで電池セルを覆う構造では、上下のケースを例えば超音波溶着により良好に接合する場合、接合部には、0.7mm程度の厚みが必要とされる。そのため、電池パックの厚みは、電池セルの厚みに対して、1.4mm程度増加することになり、厚みが4.0mm程度の電池セルの場合には、電池パックは電池セルの1.3倍乃至1.4倍程度の容積の増加が余儀なくされた。
そこで、以下の特許文献1のように、ラミネートからなる外装材を硬質化し、そのまま電池パック筐体として使用する、電池とパックの一体型の構造などが提案されている。
特開平2005−166650号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構造の場合、軟質ラミネートフィルムに形成した凹部に電池素子を収容し、凹部の開口部を硬質ラミネートフィルムにて覆うようにして密封した後、硬質ラミネートフィルムおよび軟質ラミネートフィルムの両端部が電池素子を包みこむように折り込まれるような構成を有しているため、外装材が重複して設けられており、電池内の電池素子の体積率が思ったほど向上するに至っていない。
特に、電池パックを挿入する電子機器側の収容部のうち、電池パックの厚さ方向は収容部のクリアランスが小さいため、外装材が重複して設けられないようにすることが望ましい。
このような電池パックに対し、例えば円筒型の外装体に素子を挿入する構造や、角型の金属缶の電池に樹脂フレームやラベルを巻きつける構造などが考案されたが、素子の挿入クリアランスを必要とし、電池内の素子の体積率は飛躍的に向上するにいたらなかった。
また、以下の特許文献2のように、樹脂フレームと、樹脂フレームの開口部を封口する蓋部材とから構成されるケース内に電池素子を収容した電池が提案されている。
特開平10−189055号公報
特許文献2では、樹脂フレームおよび蓋部材が、そのまま電池の外装となるシンプルな構造により、優れた電池素子の体積効率を得ることができる。
しかしながら、上述のような樹脂フレームは水分を透過させることにより、電池特性の低下やガス発生が生じるという問題点がある。このような樹脂フレームに水分バリア性を発現させるには、樹脂フレーム側面全面に蓋材に対しても隙間無く金属膜や蒸着膜をシームレスに配置する必要があり、コストや生産性も悪い。また、比較的設けやすい蒸着膜も長期信頼性に問題が残る。
したがって、この発明の目的は、上記問題点に鑑み、水分浸入を抑制して電池特性の低下を防止し、かつ体積効率の高い非水電解質二次電池およびそれを用いた電池パック、ならびに非水電解質二次電池および電池パックの作製方法を提供することにある。
課題を解決するために、本技術の非水電解質二次電池は、非水電解質を含む電池素子と、
4辺が連続した樹脂フレームと、
金属層と樹脂層とを積層してなる外装材と
を有し、
樹脂フレームは、水分吸収層を少なくとも1層有し、水分吸収層が、水分吸収剤を分散して含有し、
樹脂フレームに電池素子が収容され、前記樹脂フレームの開口部が覆われるようにして外装材が設けられ、樹脂フレームと外装材の樹脂層とが熱融着されることにより封止されたことを特徴とする。
本技術の電池パックは、非水電解質を含む電池素子と、
4辺が連続した樹脂フレームと、
金属層と樹脂層とを積層してなる外装材と、
回路基板と
を有し、
樹脂フレームは、水分吸収層を少なくとも1層有し、水分吸収層が、水分吸収剤を分散して含有し、
樹脂フレームに電池素子が収容され、前記樹脂フレームの開口部が覆われるようにして外装材が設けられ、樹脂フレームと外装材の樹脂層とが熱融着されることにより封止された非水電解質二次電池と回路基板とが電気的に接続されたことを特徴とする。
本技術の非水電解質二次電池および電池パックは、水分吸収剤として、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸銅、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸ナトリウム、水酸化カルシウム、過塩素酸マグネシウム、ゼオライト、五酸化二リン、もしくは一般式が(―CH 2 ―CH(COOM)―) n で示されるポリアクリル酸塩(式中、Mは、Na、K、Mg、Caから選択される。)よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
この発明では、電池素子を収容する樹脂フレームに水分吸収剤を含有させることにより、電池内部への水分浸入を防止することができる。
また、このような樹脂フレームを予め外装材に一体に成型して設けることにより、樹脂フレームと外装材との剥離強度を向上させることができる。
この発明によれば、樹脂フレームからの水分浸入を抑制することができるため、電池膨れや電池特性の低下を抑制することができる。また、樹脂フレームを電池の最外部に露出するようにして非水電解質二次電池および電池パックを作製することができるため、余分な外装材を設ける必要がなく、体積効率を向上させることができる。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、今回はゲル電解質を用いた電池について説明する。
(1)第1の実施形態
[電池パックの構成]
図1に、この発明による電池パック1の一構成例を示す。この電池パック1は、一対の正極および負極当たりの完全充電状態における開回路電圧が4.20V程度とされるものである。なお、以下では、トップカバー5を嵌合する側をトップ部、トップ部と対向する側をボトム部と適宜称する。
この電池パック1は、非水電解質を含む電池素子10が、ラミネートフィルムからなる外装材3aの上に設けられた樹脂フレーム4内に挿入され、外装材3aと、もう一枚の外装材3bとによって樹脂フレーム4の開口部を被覆し、外装材3aおよび外装材3bのそれぞれの四方を封止されてなる非水電解質二次電池2に、トップカバー5に挿入された回路基板6を接続されてなる。樹脂フレーム4は、別工程の射出成型等によって製造された樹脂モールド品である。電池素子10から導出された電極端子14は、樹脂フレーム4内に内壁側から外壁側に通じるように埋め込まれた例えば金属からなる接続用端子7に、樹脂フレーム4の内壁側から溶接されて外部に接続される。また、回路基板6は樹脂フレーム4の外壁側から抵抗溶接または超音波溶接されて電池素子10と接続される。
以下、電池素子10の構成について説明する。
[電池素子の構成]
図2に、電池素子10の構造の一例を示す。この電池素子10は、帯状の正極11と、セパレータ13aと、正極11と対向して配された帯状の負極12と、セパレータ13bとを順に積層し、長手方向に巻回されており、正極11および負極12の両面には図示しないゲル電解質層が形成されている。電池素子10からは正極11と接続された正極端子14aおよび負極12と接続された負極端子14bが導出されている(以下、特定の端子を指さない場合は電極端子14とする)。
[正極]
正極は、正極活物質を含有する正極活物質層11aが、正極集電体11bの両面上に形成されたものである。正極集電体11bとしては、例えばアルミニウム(Al)箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層11aは、例えば正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。ここで、正極活物質、導電剤および結着剤は均一に分散していればよく、その混合比は問わない。
正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物または特定の高分子を用いることができる。例えばリチウムイオン電池を構成する場合、LiXMO2(式中、Mは、一種以上の遷移金属を表し、xは、電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上1.10以下である)を主体とする、リチウムと遷移金属との複合酸化物が用いられる。リチウム複合酸化物を構成する遷移金属としては、コバルト(Co),Ni,マンガン(Mn)等が用いられる。
このようなリチウム複合酸化物として、具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiNiyCo1-y2(0<y<1)等が挙げられる。また、遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体も使用可能である。LiNi0.5Co0.52、LiNi0.8Co0.22等がその例として挙げられる。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度が優れたものである。さらに、正極活物質としてTiS2、MoS2、NbSe2、V25等のリチウムを有しない金属硫化物または酸化物を使用してもよい。これらの正極活物質は、単独で用いるか、もしくは複数種を混合して用いてもよい。
また、導電剤としては、例えばカーボンブラックあるいはグラファイトなどの炭素材料等が用いられる。また、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等が用いられる。また、溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が用いられる。
[負極]
負極は、負極活物質を含有する負極活物質層12aが負極集電体12bの両面上に形成されたものである。負極集電体12bとしては、例えば銅(Cu)箔、ニッケル(Ni)箔あるいはステンレス(SUS)箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層12aは、例えば負極活物質と、必要により導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。ここで、負極活物質、導電剤および結着剤は均一に分散していればよく、その混合比は問わない。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料または金属系材料と炭素系材料との複合材料が用いられる。具体的に、リチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料としてはグラファイト、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素等が挙げられる。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等の炭素材料を使用することができる。さらに、リチウムをドープ、脱ドープできる材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO2等の酸化物を使用することができる。
また、リチウムを合金化可能な材料としては多様な種類の金属等が使用可能であるが、スズ(Sn)、コバルト(Co)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)およびこれらの合金がよく用いられる。金属リチウムを使用する場合は、必ずしも粉体を結着剤で塗布膜にする必要はなく、圧延したリチウム金属箔を集電体に圧着する方法でも構わない。
結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が用いられる。また、溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン等が用いられる。
[ゲル電解質]
ゲル電解質は、電解液をマトリクスポリマーでゲル化してなる。電解液としては、リチウムイオン二次電池に一般的に使用されるものを用いることができる。このような電解液としては、非水溶媒に電解質塩を溶解させた非水電解液を用いることができる。
非水溶媒としては、具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、またはこれらの炭酸エステル類の水素をハロゲンに置換した溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は1種類を単独で用いてもよいし、複数種を所定の組成で混合してもよい。
また、電解質塩としては通常の電池電解液に用いられる材料を使用することが可能である。具体的には、LiCl、LiBr、LiI、LiClO3、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiNO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiAsF6、LiCF3SO3、LiC(SO2CF33、LiAlCl4、LiSiF6等を挙げることができるが、酸化安定性の点からLiPF6、LiBF4が望ましい。これらリチウム塩は単独で用いても複数種を混合して用いてもよい。リチウム塩を溶解する濃度として、上記溶媒に溶解することができる濃度であれば問題ないが、リチウムイオン濃度が非水溶媒に対して0.4mol/kg以上、2.0mol/kg以下の範囲であることが好ましい。
ゲル電解質は、上述の電解液をマトリクスポリマーでゲル化して用いる。マトリクスポリマーは、上記非水溶媒に上記電解質塩が溶解されてなる非水電解液に相溶可能であり、ゲル化できるものであればよい。このようなマトリクスポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデンあるいはビニリデンフルオロライドとの共重合体などのフッ素系子高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリルを繰り返し単位に含むポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
その中でも酸化還元安定性の点から特に好ましいのは、フッ素系高分子化合物が望ましい。例えば、ポリフッ化ビニリデンまたはビニリデンフルオロライドにヘキサフルオロプロピレンが75.0重量%以下の割合で導入された共重合体を用いることができる。このようなポリマーは、数平均分子量が5.0×105から7.0×105(50万〜70万)の範囲であるか、または重量平均分子量が2.1×105から3.1×105(21万〜31万)の範囲であり、固有粘度が1.7(dl/g)から2.1(dl/g)の範囲とされている。
[セパレータ]
セパレータは、例えばポリプロピレン(PP)あるいはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系の材料よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これら2種以上の樹脂を混合、溶融した多孔質膜や2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)の多孔質フィルムが最も有効である。
一般的にセパレータの厚みは5〜50μmが好適に使用可能であるが、7〜30μmがより好ましい。セパレータは、厚すぎると活物質の充填量が低下して電池容量が低下するとともに、イオン伝導性が低下して電流特性が低下する。逆に薄すぎると、膜の機械的強度が低下する。
上述のように構成された電池素子10は、例えば以下のようにして作製することができる。
[正極の作製]
上述の正極活物質、結着材、導電材を均一に混合して正極合剤とし、この正極合剤を溶剤中に分散させて正極合剤スラリーとする。次いで、この正極合剤スラリーを例えばドクターブレード法等により塗布する。続いて、高温で乾燥させて溶剤を飛ばし、加圧することにより正極活物質層11aが形成される。なお、溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン等が用いられる。
正極11は、正極集電体11bの一端部にスポット溶接または超音波溶接で接続された正極端子14aを有している。この正極端子14aは金属箔、網目状のものが望ましいが、電気化学的および化学的に安定であり、導通がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。正極端子14aの材料としては、例えばアルミニウム(Al)等が挙げられる。
[負極の作製]
上述の負極活物質、導電材、結着材を均一に混合して負極合剤とし、溶剤中に分散させて負極合剤スラリーとする。次いで、この負極合剤スラリーを正極と同様の方法により負極集電体上に均一に塗布した後、高温で乾燥させて溶剤を飛ばし、加圧することにより負極活物質層12aが形成される。
負極12も正極11と同様に、負極集電体の一端部にスポット溶接または超音波溶接で接続された負極端子14bを有しており、この負極端子14bは電気化学的および化学的に安定であり、導通がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。負極端子14bの材料としては、例えば銅、ニッケル等が挙げられる。
正極端子14aおよび負極端子14bは同じ方向から導出されていることが好ましいが、短絡等が起こらず電池性能にも問題がなければ、どの方向から導出されていても問題はない。また、正極端子14aおよび負極端子14bの接続箇所は、電気的接触がとれているのであれば取り付ける場所、取り付ける方法は上記の例に限られない。
[電池素子の作製]
上述のようなゲル電解質を正極11および負極12の両面に均一に塗布し、正極活物質層11aおよび負極活物質層12aに含浸させた後、常温で保存するか、もしくは乾燥工程を経てゲル電解質層を形成する。次いで、ゲル電解質層を形成した正極11および負極12を、正極11、セパレータ13a、負極12、セパレータ13bの順に積層して巻回し、電池素子10とする。
次いで、この電池素子10を用いて非水電解質二次電池2を作製する。非水電解質二次電池1は、電池素子10と、電池素子10を収容する樹脂フレーム4と、樹脂フレーム4と接合される外装材3aおよび3b(以下、特に限定しない場合は外装材3と適宜称する。)について詳しく説明する。
[外装材]
図3Aに、この発明の外装材3の構成を示す。外装材3は総厚約130μm程度の構成となっており、硬質金属からなる金属層21と、この金属層21の内側面に設けられた内側樹脂層22と、金属層の外側面に絶縁かつアンカーコートを施すことにより設けられた外装層23とからなる。なお、外装材3は、より薄い構成とすることも可能である。
金属層21としては、硬質の金属材料が用いられ、アルミニウム、ステンレス、チタン銅、ならびにスズ、亜鉛、ニッケルのいずれかをめっきした鉄等を材料として適宜用いることができる。中でも、アルミニウム(Al)およびオーステナイト系ステンレスが最も好適であり、特に3003H18、3004H18、1N30H18および5000番系等のアルミニウム、もしくはSUS304等のオーステナイト系ステンレスを用いるのが好ましい。
また、金属層21の厚さは、50μm以上100μm以下であることが好ましい。50μm未満の場合、電池パックの外装として必要な硬さが得られない。また、100μmを超える場合、電池素子10の体積効率が低下してしまい、電池容量を犠牲にしてしまう。
内側樹脂層22としては、後に接合する樹脂フレーム4との接着性がよい樹脂材料、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メチルメタクリル酸共重合体、アイオノマー、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレートホットメルト剤、ポリアミドホットメルト剤等を用いることができ、これらのうち少なくとも1種を主成分として含有する樹脂材料を用いる。中でも、ポリプロピレン(PP)もしくはポリエチレン(PE)を用いることが好ましい。
金属層21と内側樹脂層22とは、接着層25を介して貼り合せることができ、接着層25には例えばポリウレタン系、アクリル系、スチレン系など、ラミネートフィルムの製造に従来から使用される接着剤を用いることができる。また、金属に対して熱接着効果のある樹脂材料を用いるのであれば、熱ローラーにより直接接着することもでき、溶融もしくは溶剤で希釈した樹脂材料を押し出しなどによりコートすることでも接合することができる。
また、内側樹脂層22の代わりに、金属層21の内側面をプライマー処理してもよい。具体的には、金属層21の内側面に窒素化合物膜、酸化膜を形成し、樹脂フレーム4との接着性を向上させるものである。
外装層23としては、例えば印刷層や着色層のような塗装を設けることができる。このようなものとしては、耐擦性、耐傷性に富む焼付け塗装もしくは紫外線(UV)硬化塗装が望ましい。
着色層の色彩によっては、レーザーにより着色部分を焼きとばして金属層21を露出させることにより明瞭なレーザー印字を得ることができる。このようなレーザー印字を施すことにより、ラベルを設けることなく製品番号等の必要情報を付与することができるため、ラベル分の厚みを省略することができ、体積効率が向上して電池容量に還元することができる。なお、このようなレーザー印字を施す場合には、露出した金属層21の色彩が浮きだって見えるため、着色層を濃暗色とすることが特に好ましいが、濃暗色以外を用いることも可能である。
また、外装材3は、図3Bに示すように、外装層23を設けず、金属層21の外側面に接着層26を介して外側樹脂層24を設けてもよい。外装樹脂層24は、延伸されたナイロン、延伸されたポリエチレンテレフタレート(PET)、延伸されたポリエチレンナフタレート(PEN)、延伸されたポリブチレンテレフタレート(PBT)、延伸されたポリブチレンナフタレート(PBN)、延伸されたポリプロピレン(PP)、延伸されたポリエチレン(PE)が用いられ、これらのうち少なくとも1種を主成分として含有する樹脂材料を用いる。塗装の代りにPETやナイロンなどの樹脂からなる外装樹脂層24を設けることにより、優れた外観性を有する非水電解質二次電池2を得ることができる。
このような外装樹脂層24を設ける場合、外装樹脂層24を構成する樹脂フィルムの金属層21側面に反転した印刷を施してから金属層21と貼り合わせることもできる。このような印刷を施すことにより、ラベルを設ける必要がなくなる他、耐擦性、耐傷性と意匠性に優れた表面を有する非水電解質二次電池2を得ることができる。
なお、このような外装樹脂層24と金属層21とは、金属層21と内側樹脂層22との接着に用いられた接着剤を用いることができる。
以下の表1に、外装材3において使用される、組み合わせ可能な構成材をまとめる。
Figure 0005045002
外装材3は、樹脂フレーム4の開口部をそれぞれ被覆する外装材3aおよび外装材bからなり、外装材3aおよび外装材3bはそれぞれ略長方形状を有している。外装材3aおよび外装材3bは、樹脂フレーム4と略同等の幅を有するとともに、電池トップ部からボトム部までの長さは、樹脂フレーム4よりも数mm〜数cm長くなっている。これは、外装材3が樹脂フレーム4から飛び出した部分に回路基板6を収容したトップカバー5を接合するためであり、トップカバー5の形状により適宜長さが選択される。
また、外装材の形状は上述のような形状に限られたものではなく、例えば図4〜図6に示されるような形状を用いることもできる。
図4は、外装材3aが樹脂フレーム4の側面の外壁部を覆うように屈曲された形状とされている。また、図5は、外装材3aおよび外装材3bのそれぞれが樹脂フレーム4の側面の外壁部の半分を覆うように屈曲された部分を有し、外装材3aおよび外装材3bをそれぞれ樹脂フレーム4に接合することにより、樹脂フレーム4の側面の外壁部が全て覆われる形状とされている。また、図6は、外装材3が1枚で樹脂フレーム4の上面および底面の開口部、トップカバー5嵌合面以外の外壁部を覆うような形状とされている。また、外装材3の形状はこのような形状に限られたものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に形状を選択することができる。
[樹脂フレーム]
樹脂フレーム4は、図1に示されるような、4辺が連続して設けられた、水分吸収剤を含有する樹脂製のフレームであり、射出成型によって作製される。樹脂フレーム4の電池素子10から電極素子14を導出する導出辺に対向する部分には、例えば金属からなる接続用端子が設けられていることが好ましい。樹脂フレーム4の樹脂材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メチルメタクリル酸共重合体、アイオノマー、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレートホットメルト剤、ポリアミドホットメルト剤等を単独で用いるか、もしくは複数種を混合して用いてもよい。
中でも、水分透過性の低い材料が好ましく、具体的にはポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)もしくはポリ塩化ビニリデン(PVdC)等を用いることが好ましい。
なお、樹脂フレーム4は、後に外装材3と接合されることから、外装材3との熱的接着強度や信頼性を考慮して内側樹脂層22と互いにシール性を持つ組み合わせ、例えば同種の分子構造を有する組み合わせが好ましい。
また、水分吸収剤としては、硫酸塩、ポリアクリル酸塩等の水和性の高い材料を単独または2種類以上選択して用いる。具体的に、水分吸収剤としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシム、酸化カルシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸ナトリウム、酸化アルミニウム、水素化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸銅、酸化ケイ素、酸化マグネシウム過塩素酸マグネシウム、ゼオライト、五酸化二リン、炭酸カルシウム、もしくは一般式が(−CH2−CH(COOM)−)nで示されるポリアクリル酸塩(式中、Mは、Na、K、Mg、Caから選択される。)などを用いることができる。
このような水分吸収剤は、樹脂フレームに用いる樹脂材料中に1.0重量%以上75.0重量%以下の範囲で含有されることが好ましい。水分吸収剤が1.0重量%未満の場合、水分吸収効果が薄く電池内部に水分が浸入して電池膨れが発生するおそれがある。また、水分吸収剤が75.0重量%を超える場合、樹脂フレーム4がもろくなり、亀裂等が生じて水分が浸入してしまう。このため、上述のような範囲で水分吸収剤を含有させることにより、より電池内部への水分浸入を防止することができる。
このような水分吸収剤は、樹脂フレーム4成型前に予め樹脂材料に溶融混練しておくことが好ましい。
ここで、以下の表2に、樹脂フレーム4において使用される水分吸収剤および樹脂フレーム4の樹脂材料をまとめる。
Figure 0005045002
また、さらに水分浸入を防止するために、樹脂フレーム4に水分バリア性の高いバリア層をコートすることもできる。このようなバリア層は、樹脂フレーム4の外壁部もしくは内壁部、または外壁部および内壁部の両方に設けることが好ましい。樹脂フレーム4の上面および底面は、外装材3との接合面であるため、バリア層は設けない。
このようなバリア層としては、例えばアルミ蒸着膜、炭素蒸着膜、酸化ケイ素蒸着膜、酸化アルミニウム蒸着膜、ポリ塩化ビニリデンコーティング膜、層状ケイ酸塩膜等を形成することにより、樹脂フレーム4の水分吸収効果の劣化を抑制することができ、さらに効果が持続する。
図7Aおよび図7Bに、樹脂フレーム4の上面図を示す。このような樹脂フレーム4は、図7Aに示すようにその全てが水分吸収剤を含有する水分吸収層4aで形成されていてもよいが、図7Bに示すように、例えば樹脂フレーム4の外側層が水分吸収剤を含有しない樹脂層4bとされ、その内側に水分吸収層4aが設けられた2層構造とすることがより好ましい。さらに、図7Aおよび図7Bのいずれの構造においても、水分吸収層4aが1層でなく、複数層設けられた構造としてもよい。
樹脂フレームの内側層にのみ水分吸収層4aを設ける上述のような構成は、例えば水分吸収剤が水分を吸収した際に樹脂フレーム4にべとつきが生じるような材料の場合に特に有効である。樹脂フレーム4の外壁面が電池パック1の外面に露出する構成の場合、樹脂フレーム4の外側層を水分吸収剤を含有しない樹脂層4bとすることで、製品品質および取り扱い性を向上させることができる。
また、図4〜図6に示すような外装材3または外装材3a、3bを用いた場合、電池パックの外面に露出した樹脂フレーム4の外壁部の一部もしくは全ての面が覆われるため、さらに水分吸収を防止することができる。
このとき、電池パック1の外観を整えるために、樹脂フレーム4の外壁部の一部に凸部4cを設けることもできる。例えば、図8に示すように、樹脂フレーム4に外装材3aおよび3bの厚みと同じ高さとなるように凸部4cを設け、凸部4cに沿うように外装材3aおよび3bが設けられることにより、電池パック10の外面が段差なく構成され、優れた外観を有する。
なお、電池内部への水分浸入の防止という観点から考えると、図7中のDで示される樹脂フレーム4の厚みは厚い方が水分吸収量が多くなり水分吸収効果も高まるが、樹脂フレーム4の厚さが厚すぎると電池容量が低下するため好ましくない。このため、電池容量と水分浸入防止効果を両立するために、樹脂フレーム4の厚みを0.5mm以上1.5mm程度にすることが好ましい。水分吸収剤を含有しない樹脂層4bと、水分吸収層4aとを積層した樹脂フレーム4の場合も同様である。
接続用端子7は、樹脂フレーム4の内壁側から外壁側に通じるように設けられ、電池素子10と、回路基板6とを樹脂フレーム4を介して電気的に接続するものである。このような接続用端子7は金属等の導通が取れる材料で構成され、例えば図9Aに示すようなダンベル型の金属端子7a、または、図10に示すような、リ−ド状の金属片7bを予め樹脂フレーム4と一体に成型する。接続用端子7は、図7Bに示すような水分吸収剤を含有しない樹脂層4bと、樹脂層4bの内側に設けられた水分吸収層4aからなる樹脂フレーム4の場合においても、設けることが好ましい。
ダンベル状の金属端子7aを用いる場合は、図9Aに示すように金属端子7aが飛び出すように一体成型してもよく、また、図9Bに示すように、樹脂フレーム4の外壁部と、金属端子7aとが段差なく連続して設けられるようにしてもよい。
また、図10のようなリ−ド状の金属片7bを用いる場合、金属片7bと樹脂フレーム4との接着性を向上させるため、金属片7bの表面に樹脂片7cを設けることが好ましい。このような樹脂片7cとしては、金属との接着性が良好な樹脂材料を用いることができ、具体的には無水マレイン酸変成ポリエチレン、無水マレイン酸変成ポリプロピレン、チタネート系カップリング剤が添加されたポリエチレン、チタネート系カップリング剤が添加されたポリプロピレン、アイオノマー、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体等を用いることができる。
なお、このような接続用端子7は必ずしも設ける必要はなく、電池素子10の電極端子14を樹脂フレーム4と外装材3もしくは外装材3aまたは3bとの接合面から外部に導出し、回路基板6と接続してもよい。この場合、外装材3が硬質の金属層21を有していることから、外装材3と樹脂フレーム4との接合時に電極端子14が導出された接合部の盛り上がりに沿うことができない、また、樹脂フレーム4と外装材3の内装層32のそれぞれの樹脂材料と、電極端子14の金属との接着性が低いという問題点から、良好に接合することができないおそれがある。
このため、図11Aおよび図11Bに示されるように、外装材3と樹脂フレーム4との接合部に挟まれる電極端子14の一部分には、金属と接着性のよい樹脂片15を設け、接着性を向上させるようにしてもよい。ここで、樹脂片15は、金属片7bを接続用端子7として用いる場合に使用することができる樹脂片7cの材料と同様の樹脂材料を用いることができる。
さらに、樹脂フレーム4の強度を向上させるために、樹脂材料中にガラス繊維を混合してもよい。また、図12Aおよび図12Bに示すように、樹脂フレーム4の外壁面に金属骨格4dを設け、金属骨格4dの内側層に設けた水分吸収層4aと一体に成型することもできる。金属骨格4dを設ける場合は、図12Aに示すように樹脂フレーム4の4辺に設ける他、例えば図12Bのようにトップ部に対応する1辺を除く3辺に金属骨格4dを配置したり、側面部のみに設けるなど、種々の構成を用いることができる。金属骨格4dを設ける場合には、金属骨格4dの高さが樹脂フレーム4よりも低くなるようにし、金属骨格4dが樹脂フレーム4の上面および底面に露出しないようにする。樹脂フレーム4の上面および底面は外装材3aおよび3bを接合するためである。
上述のような構成を有する非水電解質二次電池2は、例えば以下のようにして作製することができる。
[非水電解質二次電池の作製]
まず、樹脂フレーム4と一体に設けられた接続用端子7の樹脂フレーム4の内面側に、電池素子10から導出された電極端子14を、例えば抵抗溶接または超音波溶接によって接続し、電池素子10を樹脂フレーム4に収容する。次いで、外装材3aおよび3bを樹脂フレーム4の底面および上面に配置し、樹脂フレーム4の開口部を被覆する。さらに、樹脂フレーム4と外装材3aおよび3bを、例えば金属からなるヒータブロックを用いて減圧下で熱融着を行って封止することにより非水電解質二次電池2が作製される。
このとき、図13に示すように、電池素子10を収容した樹脂フレーム4の開口部に、一旦軟質ラミネートフィルム16を接合してからさらに外装材3aおよび3bを設けてもよい。接続用端子7の樹脂フレーム4の内面側に電池素子10から導出された電極端子14を接続し、電池素子10を樹脂フレーム4に収容した後、樹脂フレーム4の開口部を被覆するようにして軟質ラミネートフィルム16を設け、軟質ラミネートフィルム16の4辺を減圧下で熱融着して封止する。次いで、軟質ラミネートフィルム16の外側から外装材3aおよび3bを配置し、熱融着もしくは接着剤により接合し、非水電解質二次電池2が作製される。
軟質ラミネートフィルム16しては、図14で示す構成のラミネートフィルムを用いることができる。軟質ラミネートフィルム16は、参照符号31で示される金属層が、金属層31の内側面および外側面にそれぞれ設けられた樹脂層からなる内装層32および外装層33に挟まれた、防湿性、絶縁性を有する多層フィルムからなる。
金属層31は、軟質の金属材料が用いられ、軽さ、伸び性、価格、加工のしやすさからアルミニウムが最も好適であり、特に8021Oまたは8079O等のアルミニウムを用いるのが好ましい。また、金属層31と外装層33および金属層31と内装層32のそれぞれは接着層34および35を介して貼り合わされており、接着層34は、必要に応じて省いてもよい。
外装層33は、外装材3aおよび3bと接着性のよい樹脂材料を用いることが好ましく、例えば内側樹脂層22と同様の材料を用いることができる。また、外装材3aおよび3bを接着剤にて接合する場合は、外装層33は必ずしも必要とするものではない。
また、内装層32は、熱や超音波で溶けて樹脂フレーム4と接合されるため、樹脂フレーム4との接着性がよい樹脂材料を用いることが好ましい。具体的には、外装層33と同様に外装材3の内側樹脂層22と同様の材料を用いることができる。
以下、電池パック1の作製方法を説明する。
[電池パック]
電池パック1は、非水電解質二次電池2に回路基板6を接続することにより、電池パック1を作製することができる。回路基板6はトップカバー5に収容されており、回路基板6と接続された端子6aがトップカバー5から導出されている。
[回路基板]
回路基板6には、ヒューズ、PTC(Positive Temperature Coefficient;熱感抵抗素子)、サーミスタ等の温度保護素子を含む保護回路、電池パックを識別するためのID抵抗等がマウントされ、更に複数、例えば3個の接点部が形成されている。また、保護回路には、二次電池の監視とFET(Field Effect Transistor;電界効果トランジスタ)の制御を行うIC(Integrated Circuit;集積回路)、および充放電制御FETが含まれている。
PTCは、電池素子10と直列に接続され、電池素子10の温度が設定温度に比して高くなると、電気抵抗が急激に高くなって電池に流れる電流を実質的に遮断する。ヒューズやサーミスタも電池素子10と直列に接続され、電池素子10の温度が設定温度より高くなると電池に流れる電流を遮断する。また、電池素子10の監視とFETの制御を行うIC、および充放電制御FETを含んだ保護回路は、電池素子10の端子電圧が上昇しすぎると発熱・発火等危険な状態になる可能性があるので、電池素子10の電圧を監視し、規定の電圧を越えると充電制御FETをオフして充電を禁止する。電池素子10の端子電圧が放電禁止電圧以下まで過放電し、二次電池電圧が0Vになると電池素子10が内部ショート状態となり再充電不可能となる可能性があるので、二次電池電圧を監視し、放電禁止電圧を下回ると放電制御FETをオフし、放電を禁止する。
[トップカバー]
トップカバー5は、非水電解質二次電池2のトップ側開口に嵌合して、このトップ側開口を塞ぐものである。このトップカバー5には開口8が設けられ、この開口8を介してトップカバー5に収納された回路基板6の接点部が電池パック1の外部に臨むように水平に保持されるように構成されている。
このようなトップカバー5は、例えば別工程の射出成型等によって製造された樹脂モールド品であり、例えばトップカバー5と嵌合するホルダーを設け、これを嵌合して回路基板6を保持するようにしてもよい。
また、非水電解質二次電池を金型に入れてホットメルト樹脂を射出することにより一体に成型してもよい。この場合、回路基板6の熱による損傷を抑制するようにする必要がある。
[電池パックの作製]
このようなトップカバー5には回路基板6が収容される。そして回路基板6と接続された端子6aがトップカバー5から導出され、この端子6aが樹脂フレーム4と一体に設けられた接続用端子7の樹脂フレーム4の外面側に、例えば抵抗溶接または超音波溶接によって接続される。さらに、端子6aが折りたたまれるようにしてトップカバー5を非水電解質二次電池2のトップ側開口に嵌合したのち、トップカバー5と外装材3aおよび3bを、ヒータブロックを用いて熱融着することにより、電池パック1が作製される。
この後、必要に応じてトップカバー5と樹脂フレーム4との空間部にホットメルト樹脂または接着剤を注入し、非水電解質電池2とトップカバー5との接合がより強固になるようにしてもよい。なお、充填されるホットメルト樹脂としては、注入時に低粘度状態を有すれば特に限定されるものではなく、例えばポリアミド系ホットメルト、ポリオレフィン系ホットメルト、ナイロン、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂等を使用することができる。
このような場合、トップカバー5に予め注入口を設け、この注入口からホットメルト樹脂もしくは接着剤を注入できるようにする。また、注入口を設ける場合は2以上設けることにより、注入口と、トップカバー5と樹脂フレーム4との空間部の空気を抜く空気抜き孔としての役割とを果たすため、より細部まで充填して接合性を向上させることができ好ましい。
また、トップカバー5が樹脂フレーム4と対向する一部分などに、例えば断面略L字状、略T字状などの突起を設けることも好ましい。ホットメルト樹脂もしくは接着剤が硬化することによりいわゆるアンカー効果を奏し、トップカバー5の接合強度をさらに向上させることができる。
上述のようにして作製した非水電解質二次電池2および非水電解質電池2を用いた電池パック1は、電池素子10の体積効率が非常に高く、また電池内部への水分浸入を抑制して電池特性の低下を抑制することができる。
(2)第2の実施形態
この発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。第2の実施形態では、樹脂フレーム4を予め外装材3上に一体に成型して設けた電池パック1について説明する。なお、以下に用いる図15および図16では、図1〜図14に示す電池パック1および電池パック1を構成する部材と同一または対応する部分には同一の符号を付す。
[電池パックの構成]
図15に示すように、この電池パック1は、非水電解質を含む電池素子10が、ラミネートフィルムからなる外装材3aの上に予め一体成型により設けられた樹脂フレーム4内に挿入され、外装材3bによって樹脂フレーム4の開口部を被覆し、外装材3aおよび外装材3bのそれぞれの四方を封止されてなる非水電解質二次電池2に、トップカバー5に挿入された回路基板6を接続されてなる。以下、第1の実施形態と異なる点のみ説明する。
[電池素子の構成]
電池素子10は、第1の実施形態で用いたものと同様のものを用いることができる。
また、電池パック1が、一対の正極および負極当たりの完全充電状態における開回路電圧が4.25V以上4.6V以下程度の高い充電電圧を有するように構成してもよい。高い充電電圧を有する電池パック1を実現する電池素子10は、以下のような構成とされる。
[正極]
正極活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な1種または2種以上の正極活物質を用いることができる。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極活物質材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物などのリチウム含有遷移金属化合物が適当である。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有遷移金属酸化物が好ましく、中でも、遷移金属元素として、コバルト(Co)、Ni、マンガン(Mn)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有遷移金属化合物としては、例えば、以下の化1に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム含有遷移金属酸化物、化2に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩などが挙げられ、具体的には、LiNi0.50Co0.20Mn0.302、LiCoO2、LiNiO2、LiNicCo1-c2(0<c<1)、LiMn24あるいはLiFePO4などがある。
[化1]LipNi(1-q-r)MnqM1r(2-y)z
式中、M1は、Ni、Mnを除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を、Xは酸素(O)以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。p、q、y、zは0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。
[化2]LiaM2bPO4
式中、M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。
また、導電剤としては、例えばカーボンブラックあるいはグラファイトなどの炭素材料等が用いられる。また、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等が用いられる。
また、負極12、セパレータ13、ゲル電解質等は、第1の実施形態と同様の材料を用いることができる。
このような正極材料を用いて作製した電池素子10を用いて、充電電圧を従来の4.20Vと比較して高くすることにより、これまで活用されなかった正極活物質の容量を活用することができる。すなわち、正極活物質の単位質量あたりのリチウム放出量が増大して、負極活物質に吸蔵されるため、高容量化・高エネルギー密度化が可能となる。
また、図16で示すように、ゲル電解質層を形成した正極11および負極12を、正極11、セパレータ13a、負極12、セパレータ13bの順に積層して巻回して巻回電極体とした後、ラミネートフィルム17で外装して電池素子10としてもよい。
ラミネートフィルム17としては、巻回電極体を収容する収容部17aを形成可能な軟質のラミネートフィルムを用いることが好ましい。ラミネートフィルム17は図14と同様の構成を有し、金属層が、金属層の内側面および外側面にそれぞれ設けられた樹脂層である内装層および外装層に挟まれた、防湿性、絶縁性を有する多層フィルムからなる。
金属層は、軟質の金属材料が用いられ、具体的には金属層31と同様の材料を用いることができる。
また、内装層32は、熱や超音波で溶けて互いに融着する部分であり、ポリエチレン(PE)、無軸延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(Ny)の他、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が使用可能であり、これらから複数種類選択して用いることも可能である。
外装層には外観の美しさや強靱さ、柔軟性などからポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル等が用いられる。具体的には、ナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)が用いられ、これらから複数種類選択して用いることも可能である。
図16に示すように、ラミネートフィルム17は深絞りにより収容部17aを形成し、この収容部17aに巻回電極体を収容した後、ラミネートフィルム17を折り返してラミネートフィルム17が収容部17aの開口部を覆うようにする。次いで、巻回電極体の周辺部の折り返し辺を除く3辺を減圧下で熱融着することにより封止して、電池素子10とする。
このとき正極端子14aは、ラミネートフィルム17との接着性を向上させるために、ラミネートフィルム17の封止部と対向する部分に、樹脂片からなるシーラント18を設けることが好ましい。このような樹脂片としては、無水マレイン酸変成されたポリエチレン、無水マレイン酸変成されたポリプロピレン等、比較的金属との接着性の高い樹脂材料が用いられる。
また、このようなシーラント18を用いない場合は、正極端子14aの表面に例えばプライマー加工を施すことが好ましい。プライマー加工は、例えば、プラズマ処理、化成処理、クロメート処理、サンドブラスト、アルマイト処理などによる粗面化処理である。
また、負極端子14bについても、正極端子14aと同様に、シーラント18を設けるか、もしくはプライマー加工を施すことによりラミネートフィルム17との接着性を向上させることが好ましい。
ラミネートフィルム17で外装して作製した電池素子10の場合は、電解液を用いることもできる。このような電池素子10の場合は、ラミネートフィルム17で外装する際に電解液を注液する。まず、電極体の周辺部の、折り返し辺を除く二辺を熱融着した後、残る開口部から所定量の電解液を注液し、最後にこの開口部を熱融着することにより、電池素子10が得られる。
[非水電解質二次電池の構成]
非水電解質二次電池2は、外装材3a上に予め一体成型により樹脂フレーム4を設け、この樹脂フレーム4に、ラミネートフィルム17で外装された電池素子10を収容し、外装材3bにて樹脂フレーム4の開口部を封止することにより作製される。なお、外装材3aおよび3bについては第1の実施例と同様のものを用いることができるため、説明を省略する。
[樹脂フレーム]
樹脂フレーム4は、外装材3aを射出成型金型内に配置して水分吸収剤を含有する樹脂材料を射出することにより、4辺が連続して設けられるように外装材3a上に一体に成型されてなるものである。なお、樹脂フレーム4および水分吸収剤の材料は第1の実施形態と同様の材料を用いることができる。
このような樹脂フレーム4は、必要に応じて例えばアルミ蒸着膜からなるバリア層を樹脂フレーム4の外壁部もしくは内壁部、または外壁部および内壁部の両方に設けることができる。
また、樹脂フレーム4の外側層を水分吸収剤の含有されていない樹脂層4bとし、内側層を水分吸収層4aとなるように構成することもできる。このような場合は、まず射出成型金型内に配置した外装材3a上に水分吸収剤の含有されていない樹脂材料を射出して樹脂層4bを形成し、次いでこの樹脂層4bの内側に水分吸収剤を含有した樹脂材料を射出して水分吸収層4aを形成することにより樹脂フレーム4とする。水分吸収層4aを複数層設ける場合には、水分吸収剤を含有する樹脂材料の射出による層形成を複数回行う。
また、樹脂フレーム4には、樹脂フレーム4の内壁側から外壁側に通じるように設けられ、電池素子10と、回路基板6とを樹脂フレーム4を介して電気的に接続する接続用端子7が一体に設けられていてもよい。接続用端子7は、外装材3aとともに予め射出成型金型内に配置しておき、樹脂材料を射出することにより、樹脂フレーム4と一体に成型される。
なお、図15に示すように、外装材3aは、余白部分を折り曲げて樹脂フレーム4の外壁面を覆うように配置してから樹脂材料を射出して樹脂フレーム4を成型すると、水分バリア能力が向上し、電池の耐用年数が向上するため好ましい。また、図6のような外装材3上に樹脂フレーム4を一体成型するようにしてもよい。
上述の構成を有する非水電解質二次電池2は、例えば以下のようにして作製することができる。
[非水電解質二次電池の作製]
上述のようにして外装材3aと一体に成型した樹脂フレーム4に電池素子10から導出された電極端子14を、例えば抵抗溶接または超音波溶接によって接続する。次いで、樹脂フレーム4内に電池素子10を収容し、外装材3bを樹脂フレーム4の上面に配置して熱融着により封止することにより、非水電解質二次電池2が得られる。
[電池パックの作製]
上述のような非水電解質二次電池2に、回路基板6を収容したトップカバー5を接続し、トップカバー5をトップ側開口に嵌合する。さらに、外装材3aおよび3bとトップカバー5とを熱融着により接合することにより電池パック1が作製される。
なお、回路基板6、トップカバー5および電池パックの作製工程は第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
このように、外装材3に一体成型により設けた樹脂フレーム4を用いて電池パック1を作製することにより、水分浸入を防止するとともに体積効率を向上させ、かつ接合強度に優れ、落下や衝撃により耐え得る電池パック1を作製することができる。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)実施例1
水分吸収剤の添加量を変化させて電池パックを作製し、各電池パックについて電池膨れを評価する。以下、電池パックの作製方法について説明する。
<実施例1−1>
[正極の作製]
コバルト酸リチウム(LiCoO2)92重量%と、粉状ポリフッ化ビニリデン3重量%と、粉状黒鉛5重量%とを均一に混合して正極合剤を調製し、これをN−メチルピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。この正極合剤スラリーを、正極集電体となるアルミニウム(Al)箔の両面に均一に塗布し、100℃で24時間減圧乾燥することにより正極活物質層を形成した。
次いで、これをロールプレス機で加圧成形することにより正極シートとし、当該正極シートを帯状に切り出して正極とし、活物質の不塗布部分にアルミニウム(Al)リボンのリードを溶接した。
[負極の作製]
人造黒鉛91重量%と、粉状ポリフッ化ビニリデン9重量%とを均一に混合して負極合剤を調製し、N−メチルピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体となる銅(Cu)箔の両面に均一に塗布し、120℃で24時間減圧乾燥することにより負極活物質層を形成した。
次いで、これをロールプレス機で加圧成形することにより負極シートとし、当該負極シートを帯状に切り出して負極とし、負極活物質の未塗布部分にニッケル(Ni)リボンのリードを溶接した。
[ゲル電解質の作製]
ヘキサフルオロプロピレンが6.9重量%の割合で共重合されたポリフッ化ビニリデンと、非水電解液と、希釈溶剤のジメチルカーボネート(DMC)とを混合し、撹拌、溶解させてゾル状の電解質溶液を得た。電解液はエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)を6:4の重量比で混合し、0.8mol/kgのLiPF6と0.2mol/kgのLiBF4を溶解して作製した。混合比は,ポリフッ化ビニリデン:電解液:DMC=1:6:12の重量比とした。次いで、得られたゾル状の電解質溶液を正極および負極の両面に均一に塗布した。その後、50℃で3分間乾燥させて溶剤を除去して、正極および負極の両面にゲル電解質層を形成した。
[電池素子の作製]
次いで、両面にゲル電解質層が形成された帯状の正極と、両面にゲル電解質層が形成された帯状の負極とを、セパレータを介して長手方向に巻回することにより電池素子を得た。セパレータには厚さ10μm、空孔率33%の多孔質ポリエチレンフィルムを用いた。
[樹脂フレーム]
電池素子を収容する樹脂フレームとしては、ポリプロピレン(PP)に水分吸収剤として硫酸マグネシウムが0.10重量%混合された樹脂材料を用い、予め別工程の射出成型にて水分吸収層1層のみからなり、フレーム厚みが1.0mmである樹脂フレームを作製した。なお、樹脂フレームの電池トップ部に対応する1辺には、ダンベル型の接続用端子一体に成型した。
[外装材]
外装材としては、金属層として厚さ100μmのSUS304を、内側樹脂層として厚さ30μmのポリプロピレン(PP)フィルムを用い、これらを接着剤により貼り合せた。また、金属層の外側面には紫外線(UV)硬化塗装を施し、外装材とした。なお、外装材の外形は、樹脂フレームの底面および上面の寸法と同等とする。
[電池パックの作製]
上述の樹脂フレームに電池素子を収容し、樹脂フレームの底面および上面の開口部をそれぞれ覆うように外装材を配置し、減圧下で熱融着することにより封止して非水電解質二次電池とした。さらに、トップカバーに収容された回路基板を非水電解質二次電池のトップ側開口に嵌合した後、外装材とトップカバーを熱融着して電池パックを作製した。
<実施例1−2>
水分吸収剤の添加量を0.50重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−3>
水分吸収剤の添加量を1.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−4>
水分吸収剤の添加量を5.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−5>
水分吸収剤の添加量を10.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−6>
水分吸収剤の添加量を25.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−7>
水分吸収剤の添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−8>
水分吸収剤の添加量を75.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例1−9>
水分吸収剤の添加量を80.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<比較例1−1>
水分吸収剤の添加しない以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
[電池膨れの評価]
このような各電池パックについて、充電電流800mAで定電流充電を行い、充電電圧が4.35Vに達した時点で定電圧充電に切り替えた後、総充電時間が1時間となった時点で充電を終了した。この後、800mAでの定電流放電を行い、電池電圧が3.7Vに達した時点で終了とした。
このように充電した実施例および比較例の各電池パックを、気温25℃、相対湿度55%の雰囲気下で保存し、電池パックの膨れが0.5mm以上となる日数を調べた。なお、保存は最長で2年とする。
以下の表3に、電池膨れの評価の結果を示す。なお、電池の保存開始から2年経過した時点で電池膨れが0.5mm未満の電池パックについては、電池パックの膨れ発生日数を「2年超」と示す。
Figure 0005045002
表3から分かるように、樹脂フレームに水分吸収剤を添加することにより、電池内部への水分浸入およびそれにともなう電池膨れを抑制することができる。また、水分吸収剤の添加量は0.10重量%以上75.0重量%以下がより好ましく、5.0重量%以上75.0重量%以下がさらに好ましい。
(2)実施例2
水分吸収剤の種類を変化させて電池パックを作製し、各電池パックについて電池膨れを評価する。
<実施例2−1>
水分吸収剤として塩化マグネシウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−2>
水分吸収剤として硝酸ナトリウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−3>
水分吸収剤としてポリアクリル酸ナトリウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−4>
水分吸収剤としてポリアクリル酸カリウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−5>
水分吸収剤としてポリアクリル酸マグネシウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−6>
水分吸収剤としてポリアクリル酸カルシウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−7>
水分吸収剤として硫酸ナトリウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−8>
水分吸収剤として酸化カルシウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−9>
水分吸収剤として塩化カルシウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−10>
水分吸収剤として酸化アルミニウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−11>
水分吸収剤として水素化カルシウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−12>
水分吸収剤として硫酸カルシウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−13>
水分吸収剤として硫酸銅を用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−14>
水分吸収剤として酸化ケイ素を用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−15>
水分吸収剤として酸化マグネシウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−16>
水分吸収剤として過塩素酸マグネシウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−17>
水分吸収剤としてゼオライトを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−18>
水分吸収剤として五酸化二リンを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例2−19>
水分吸収剤として炭酸カルシウムを用い、添加量を50.0重量%とした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
[電池膨れの評価]
このような各電池パックについて、実施例1と同様の条件で充放電および保存を行い、電池パックの膨れが0.5mm以上となる日数を調べた。なお、保存は最長で2年とする。
以下の表4に、電池膨れの評価の結果を示す。なお、電池の保存開始から2年経過した時点で電池膨れが0.5mm未満の電池パックについては、電池パックの膨れ発生日数を「2年超」と示す。
Figure 0005045002
表4から分かるように、硫酸マグネシウムの他、実施例2−1から実施例2−19の水分吸収剤を添加した樹脂フレームを用いた場合であっても、樹脂フレームに含有させることにより長期にわたって電池内部への水分浸入およびそれにともなう電池膨れを抑制することができる。
(3)実施例3
外装材および樹脂フレームの構成を変化させて電池パックを作製し、各電池パックの落下に対する強度を測定する。
<実施例3−1>
金属層としてアルミニウム3003H18を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−2>
金属層としてアルミニウム3004H18を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−3>
金属層としてアルミニウム500H18を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−4>
金属層としてアルミニウム1N30H18を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−5>
金属層としてSUS304を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−6>
金属層としてチタンを、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−7>
金属層として亜鉛メッキ鉄を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−8>
金属層としてスズメッキ鉄を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−9>
金属層としてニッケルメッキ鉄を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−10>
金属層として銅を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−11>
金属層として銅を、内側樹脂層としてポリエチレン(PE)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−12>
金属層として銅を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%、ガラス繊維を30.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−13>
金属層として銅を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用い、図4に示す電池パックのように一方の外装材の端部を屈曲して電池パックの両側面まで被覆するようにした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−14>
金属層として銅を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用い、一方の外装材の端部を屈曲し、その上に一体成型により樹脂フレームを作製することにより電池パックの両側面まで被覆するようにした以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−15>
内側樹脂層を設けず、金属層として内側面にプライマー処理を施した銅を用い、樹脂フレームとして硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)を用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
<実施例3−16>
金属層として銅を、内側樹脂層としてポリプロピレン(PP)を用い、樹脂フレームとしてボトム部および両側面にコ字状に形成されたアルミニウム(Al)の内側に硫酸マグネシウムを50.0重量%添加したポリプロピレン(PP)からなる水分吸収層を設けたフレームを用いた以外は実施例1−1と同様にして電池パックを作製した。
[落下強度の評価]
このような各電池パックについて、実施例1と同様の条件で充放電を行ったのち、高さ1mの地点から電池を落下させ、漏電が生じるまでの落下回数を測定した。
以下の表5に、落下強度の評価の結果を示す。
Figure 0005045002
表5から分かるように、外装材の金属層としてはいずれの金属材料も使用可能であるが、より硬度の高い金属材料を用いることが好ましい。また、外装材の内側樹脂層と、樹脂フレームは同一の材料を用いることにより接合強度が増し、落下に対する強度が向上するため好ましい。さらに、実施例3−12のように樹脂フレームにガラス繊維を混合したり、実施例3−16のように樹脂フレームの外壁面に金属骨格を設けることにより、樹脂フレームの強度を向上させることができ、電池パックの強度が向上するため好ましい。また、実施例3−13および実施例3−14のように、外装材の端部を屈曲させて樹脂フレームの側面を被覆するようにして電池パックを構成することにより、電池パックの強度を向上させることができるため好ましい。特に、端部を屈曲させた外装材に樹脂材料を射出し、樹脂フレームを一体に成型した場合、別工程で樹脂フレームを成型した場合よりも著しく強度が向上するため好ましい。
上述のように、水分吸収剤を添加した水分透過性の低い樹脂フレームを用い、硬質金属を主として構成される外装材を用いて非水電解質二次電池および電池パックを作製することにより、水分浸入を抑制するとともに、電池素子の体積効率および落下強度に優れた電池パックを得ることができる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値および材料はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値および材料を用いてもよい。
また、この発明による構成は、二次電池に限られたものではなく、樹脂フレーム内に発電要素を収容し、外装材にて封止してなる構成をとりうる全ての電池において使用可能である。
また、たとえば外装材3の内側樹脂層22にも水分吸収剤を含有させてもよい。
この発明による電池パック1の一構成例を示す模式図である。 この発明による電池パック1を構成する電池素子10の構造を示す模式図である。 この発明による外装材の一構成例を示す断面図である。 この発明による電池パックの他の構成例を示す模式図である。 この発明による電池パックの他の構成例を示す模式図である。 この発明による電池パックの他の構成例を示す模式図である。 この発明による樹脂フレームの構成例を示す上面図である。 この発明による電池パックの他の構成例を示す模式図である。 この発明による樹脂フレームの他の構成例を示す上面図である。 この発明による樹脂フレームの他の構成例を示す上面図である。 この発明による非水電解質二次電池の一構成例を示す模式図である。 この発明による樹脂フレームの他の構成例を示す上面図である。 この発明による電池パックの他の構成例を示す模式図である。 この発明による軟質ラミネートフィルムの一構成例を示す模式図である。 この発明による電池パックの他の構成例を示す模式図である。 この発明による電池素子の他の構成例を示す模式図である。
符号の説明
1・・・電池パック
2・・・非水電解質二次電池
3、3a、3b・・・外装材
4・・・樹脂フレーム
4a・・・水分吸収層
4b・・・樹脂層
5・・・トップカバー
6・・・回路基板
7・・・接続用端子
8・・・開口
10・・・電池素子
11・・・正極
12・・・負極
13、13a,13b・・・セパレータ
14・・・電極端子
14a・・・正極端子
14b・・・負極端子
17・・・ラミネートフィルム

Claims (18)

  1. 非水電解質を含む電池素子と、
    4辺が連続した樹脂フレームと、
    金属層と樹脂層とを積層してなる外装材と
    を有し、
    上記樹脂フレームは、水分吸収層を少なくとも1層有し、該水分吸収層が、水分吸収剤を分散して含有し、
    上記樹脂フレームに上記電池素子が収容され、前記樹脂フレームの開口部が覆われるようにして上記外装材が設けられ、該樹脂フレームと上記外装材の上記樹脂層とが熱融着されることにより封止された非水電解質二次電池。
  2. 非水電解質を含む電池素子と、
    4辺が連続した樹脂フレームと、
    金属層と樹脂層とを積層してなる外装材と、
    回路基板と
    を有し、
    上記樹脂フレームは、水分吸収層を少なくとも1層有し、該水分吸収層が、水分吸収剤を分散して含有し、
    上記樹脂フレームに上記電池素子が収容され、前記樹脂フレームの開口部が覆われるようにして上記外装材が設けられ、該樹脂フレームと上記外装材の上記樹脂層とが熱融着されることにより封止された非水電解質二次電池と回路基板とが電気的に接続された電池パック。
  3. 上記水分吸収層は、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸銅、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸ナトリウム、水酸化カルシウム、過塩素酸マグネシウム、ゼオライト、五酸化二リン、もしくは一般式が(―CH2―CH(COOM)―)nで示されるポリアクリル酸塩(式中、Mは、Na、K、Mg、Caから選択される。)よりなる群から選択される水分吸収剤のうち、少なくとも1種を含有する請求項2に記載の電池パック。
  4. 上記水分吸収剤が、上記水分吸収層に0.10重量%以上75.0重量%以下含有された請求項3に記載の電池パック。
  5. 上記樹脂フレームは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メチルメタクリル酸共重合体、アイオノマー、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレートホットメルト剤、ポリアミドホットメルト剤よりなる群から選択される樹脂材料のうち、少なくとも1種を主成分として含有する請求項2に記載の電池パック。
  6. 上記樹脂フレームと、上記外装材の上記樹脂層とが、同種の分子構造を有する請求項2に記載の電池パック。
  7. 上記樹脂フレームは、前記樹脂フレームの内壁部から外壁部に通じるように設けられた接続用端子と一体に成型された請求項2に記載の電池パック。
  8. 上記樹脂フレームが、上記外装材と一体に成型された請求項2に記載の電池パック。
  9. 上記樹脂フレームの外壁部および/または内壁部に、アルミ蒸着膜、炭素蒸着膜、酸化ケイ素蒸着膜、酸化アルミニウム蒸着膜、ポリ塩化ビニリデンコーティング膜、層状ケイ酸塩膜のうち少なくとも一種が形成された請求項2に記載の電池パック。
  10. 上記樹脂フレームの外壁部の少なくとも一部が、上記外装材によって被覆された請求項2に記載の電池パック。
  11. 上記樹脂フレームが、ガラス繊維を含有する請求項2に記載の電池パック。
  12. 上記電池素子の電極端子が上記樹脂フレームおよび上記外装材の接合面を介して導出され、上記電極端子の上記接合面に対向する部分が樹脂材料により被覆される請求項2に記載の電池パック。
  13. 上記樹脂材料は、無水マレイン酸変成ポリエチレン、無水マレイン酸変成ポリプロピレン、チタネート系カップリング剤が添加されたポリエチレン、チタネート系カップリング剤が添加されたポリプロピレン、アイオノマー、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体よりなる群から選択される樹脂材料のうち、少なくとも1種である請求項12に記載の電池パック。
  14. 上記電池素子から導出された電極端子の表面にプライマー加工が施されている請求項2に記載の電池パック。
  15. 上記外装材は、金属層の内側面に内側樹脂層を有し、
    上記内側樹脂層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メチルメタクリル酸共重合体、アイオノマー、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレートホットメルト剤、ポリアミドホットメルト剤よりなる群から選択される樹脂材料のうち、少なくとも1種を主成分として含有する請求項2に記載の電池パック。
  16. 上記外装材は、金属層の外側面に絶縁かつアンカーコートを施してなる請求項2に記載の電池パック。
  17. 上記樹脂フレームが、
    上記樹脂材料と、上記水分吸収剤とを含む水分吸収層と、
    上記水分吸収層の外側に形成された、上記水分吸収剤を含まない樹脂層と
    を備える請求項2に記載の電池パック。
  18. 上記樹脂フレームの上記樹脂層の外壁面が、外面に露出する請求項17に記載の電池パック。
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