JP5536639B2 - 電池パック - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池を容器に収納してなる電池パックに関する。
近年、ノート型パソコン、携帯電話等のポータブル機器の普及により、その電源である電池の需要が高まっている。特に、小型かつ軽量でエネルギー密度が高く、繰り返し充放電が可能な二次電池の需要が高まっている。このような電池として非水溶媒を電解液に用いるリチウムイオン二次電池の研究開発が活発に行われている。
これらのリチウムイオン二次電池は、ポータブル機器の高機能化に伴い、より大きなエネルギーを保有するようになってきており、それに比例して、潜在的な異常時に発生し得る熱量も大きなものとなっている。
このような二次電池は、取扱いを容易にするため、樹脂製の容器に収納して電池パックとして販売されている。電池パックを構成する外装容器としては、ハロゲン系難燃剤を混合したポリカーボネート樹脂を成形したもの(例えば、特許文献1を参照)や、ポリフェニレンエーテル、スチレン系樹脂及びリン酸エステル系難燃剤を含有する樹脂組成物を成形したもの(例えば、特許文献2を参照)が用いられていた。
さらに、前記樹脂組成物の難燃性をさらに高めるために、水酸化マグネシウム(Mg(OH))や水酸化アルミニウム(Al(OH))、ドーソナイト(NaAl(OH)CO)などの無機水酸化物を樹脂組成物中に混合することも提案されている(例えば、特許文献2の段落0023を参照)。水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムは加熱されると、周囲の熱を吸収しつつ水(HO)を放出する化合物であるため、この吸熱作用により燃焼熱を低減することで難燃効果を発揮することができる。
吸熱作用を利用して異常発生時の電池パック表面の温度上昇を抑制する別法として、電気パック内部に高分子材料を導入することで、この高分子材料が融解する際に伴う熔融潜熱を利用する方法も提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
また、外部からの水分侵入の抑制を目的とした電池パックの外装材として、外装樹脂層、金属層、及び内側樹脂層がこの順で積層された積層体を用いることが提案されている(例えば、特許文献4を参照)。
複数のナトリウム−硫黄単電池を収納する真空断熱容器において、単電池破損時に生じる反応熱による二次災害を防止するために、消火砂や軽量骨材等の粒状防火剤を充填したり、ガラスウールやセラミックウールからなる断熱ボードを使用することが提案されている(例えば、特許文献5を参照)。
特開平10−46015号公報 特許3408676号公報 特開2004−228047号公報 特開2008−4506号公報 特開2000−30739号公報
近年、電池パックに収容される電池の電池容量が大きくなるにつれ、電池が何らかの理由で異常な発熱を起こした際に、電池パック内部の温度が従来品と比較して高くなる恐れがある。
この内部温度が容器外部に広がるのを防止することを目的として、特許文献5のように一般的な断熱材を電池容器に組み込むと、十分な断熱効果を確保するのに必要な断熱層の厚さが非常に厚くなってしまうため、電池パックのサイズが大きくなってしまうという問題があった。
例えば、特許文献5に示されたような断熱材は、低い熱伝導率と厚さで熱を遮断するように設計されており、常時断熱を目的とすることから、数mmから数十cmと厚いものが多い。電池パックにこれらを使用すると、電池パック内に占める断熱材の体積が極めて大きいものとなり、電池パック総体でのエネルギー密度が低くなる。本発明者らのシミュレーションによると、内部温度が1200℃に到達した電池パックにおいて、電池パックの外表面の温度を400℃以下に保つためには、従来の断熱材(グラスウール:熱伝導率0.05W/m・K)を用いると、約14mmもの厚さの断熱層を必要とする。
本発明は、前記課題を解決するもので、収納された電池が発熱していない正常時には電池パックに含まれる断熱層が薄いものでありながら、異常発生時には高い断熱効果を発揮して電池パック表面の温度上昇が抑制される電池パックを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、二次電池と、前記二次電池を内部に収容する成形体と、前記二次電池と前記成形体の内表面との間に設けられ、所定の温度以上で発泡して発泡断熱層を形成する発泡可能層と、を有する電池パックである。
本発明でいう電池パックとは、二次電池の取扱いを容易にするため、1個又は複数個、特に複数個の二次電池素子を、所定の回路と共に容器の内部に収納したものをいう。
また、本発明でいう発泡可能層とは、発泡可能な成分を含み、電池パック内部が所定の温度に達した際に発泡を開始して発泡断熱層を形成することができる層であり、いまだ発泡をしていない層のことをいう。ここで、所定の温度とは、電池パックの正常な使用時に到達し得る温度ではなく、電池パック内部の電池に異常発熱が生じた場合に到達し得る温度をいう。この所定温度は電池の性能に応じて適宜設定できるが、例えば110℃程度であってよい。また、上記の発泡断熱層とは、発泡可能層中で発泡プロセスが進行することで形成される層であり、発泡可能層よりも厚みが増大しており、かつ層の内部に気泡を含み、それ自体で断熱性を示す層のことをいう。
以上の構成によって、電池パック内部の二次電池が異常発熱した際に、発泡可能層が発泡、膨張して発泡断熱層を形成する。発泡断熱層は、内部に気泡を有し、かつ発泡可能層と比較して厚くなることで断熱能を発揮する。従って、正常時に電池パック内部に含まれる発泡可能層は薄く構成することができるにもかかわらず、異常発熱時にはその熱によって膨張し気泡を含むことになるので、十分な断熱能を発揮することができる。
発泡可能層を構成する材料としては、異常発熱時の熱に耐え得る材料、特に無機材料が好ましい。高温に曝されることで発泡する性質を持つ材料の具体例としては、アルカリ金属のケイ酸塩が挙げられる。アルカリ金属のケイ酸塩は無機接着剤として工業的に多く使用されているものである。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムが例示できる。
アルカリ金属のケイ酸塩では、結着力の観点からはNa>K>Liの順であり、耐水性の観点からはLi>K>Naの順となることが知られている。上記3種のアルカリ金属のケイ酸塩は、所望する特性にあわせ、単一又は複数で用いることができる。
アルカリ金属のケイ酸塩は多くの結晶水を有している。固化したアルカリ金属のケイ酸塩が高温に曝されると、約110℃付近から結晶水を放し始め、同時に発泡し始めることで、発泡可能層が発泡断熱層に変化し、厚さも増大する。このときに気泡が層内部に多数形成される結果、断熱性が高められる。さらに、結晶水を放つ際の潜熱で系を冷却する効果もある。また、このようなケイ酸塩は、発火点や引火点を有さない不燃材料であり、電池パックの信頼性を高めるために好適である。
本発明の電池パックは、さらに、前記二次電池と前記発泡可能層との間に設けられ、前記二次電池からの漏出物をせき止めるブロック層と、を有することができる。
電池パックの内部にブロック層を設置することによって、ガスや火炎、熔融アルカリ塩、あるいは電解液等の漏出物が二次電池から生じた場合に、これら漏出物が電池パック外部に流出することを防止できる。さらには、ブロック層を発泡可能層の内側に設置することによって、発泡可能層又は形成された発泡断熱層が熔融アルカリ塩等の漏出物と直接接触することがなくなるため、発泡可能層又は発泡断熱層が漏出物と反応して断熱能を喪失することを回避できる。これにより、電池から溶融アルカリ塩が漏出した場合でも、電池パック表面の温度上昇を抑制することができる。
本発明におけるブロック層は、特にオルト珪酸リチウムやスズ酸リチウム等のアルカリ塩の熔融物が電池パック外部に流出するのを防止できるよう、熔融アルカリ塩に耐性を有する素材で形成されていることが好ましい。熔融アルカリ塩に耐性を有する素材は、熔融アルカリ塩と接触することで熔融したり反応したりしてブロック層に孔が空くことがない素材が好ましい。すなわち、当該素材は、融点が十分に(少なくともアルカリ塩の融点よりも)高く、かつ溶融アルカリ塩との反応性を持たないものが望ましい。このような材料としては、金属から選択することが好ましく、なかでも、鉄、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、窒化チタン、又は、ステンレス鋼が好ましく、さらに、鉄、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、窒化チタン、又は、ステンレス鋼がより好ましい。
本発明の電池パックによれば、収納された電池が発熱していない正常時には電池パックに含まれる断熱層が薄いものであるため電池パック総体でのエネルギー密度を高めることができ、さらに、異常発生時には高い断熱効果を発揮して電池パック表面の温度上昇を抑制することができる。
本発明の実施の形態1における電池パックの断面構成図 本発明の実施の形態2における電池パックの断面構成図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電池パック1の断面構成図である。電池パック1の最外側は樹脂成形体11からなり、その内壁に接触して、無機材料からなる発泡可能層12が設けられている。この2層構造の内部に、充放電可能な二次電池2が複数個収容されて、電池パック1を構成している。
二次電池2は、負極の活物質として珪素やスズ、又は、これらの合金や酸化物が用いられ、正極の活物質として、コバルト酸リチウムやニッケル酸リチウム等のリチウム含有遷移金属酸化物が用いられたリチウム二次電池である。また、負極には、珪素やスズの代わりに、グラファイト等の炭素材料を使用したものでもよい。二次電池に含まれる電解液は、炭酸エチレンや炭酸ジエチル等の有機溶媒と、六フッ化リン酸リチウム等のリチウム塩を含む。
無機材料のみからなる発泡可能層12に用いられる材料は、アルカリ金属のケイ酸塩が主体であって、アルカリ金属はナトリウム、カリウム、及び、リチウムから選択することができる。
無機材料からなる発泡可能層12を内部に設けることによって、二次電池2の異常時に発生した熱により層内部に気泡を生じながら膨張して発泡断熱層が形成されるので、異常時の電池パック1の表面温度を低くすることができる。
さらに、発泡可能層12は、アルカリ金属のケイ酸塩に加えて、高温で気体を放出する発泡促進剤、または高温においても発泡断熱層の形状を維持する構造材を有することが好ましい。また、発泡促進剤及び構造材が発泡可能層に共に含まれることがより好ましい。
発泡可能層に発泡促進剤が含まれると、発泡促進剤が高温時に気体放出することにより層内部に気体がより多く供給されることになるので、発泡可能層内での発泡を促進することができる。したがって、発泡可能層が発泡促進剤を含まない場合と比較して、発泡断熱層をより厚く形成することが可能になる。
構造材が発泡可能層に含まれると、気泡が多く含まれる発泡断熱層が形成された後においても、その形状が崩れにくくなるため、高温下での断熱能を保持しやすくなる。
発泡促進剤及び構造材は、いずれも耐熱性能が高い材料である無機材料から構成されることが好ましい。発泡促進剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、明礬、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。構造材としては、例えば、珪酸アルミニウム、珪フッ化ナトリウム、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリナイト、ムライト、珪藻土、アルミナ、シリカ、雲母、酸化チタン、バーミキュライト、パーライト、マグライト、セピオライト、タルク、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウム、セメント等が挙げられる。いずれも単独又は複数種を使用してもよい。
発泡促進剤としては、アルカリ金属のケイ酸塩が結晶水を放すことで層内部で発泡プロセスが進行する温度より、高い温度で気体を放出する材料を選択することが好ましい。
具体的には、アルカリ金属のケイ酸塩としてナトリウムのケイ酸塩を使用する場合、発泡促進剤としては水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムを使用することが好ましい。ナトリウムのケイ酸塩は、約130〜150℃の範囲でケイ酸塩が結晶水を放し発泡が進行するのに対して、水酸化アルミニウムは約200〜300℃程度で気体を放出し、水酸化マグネシウムは約400℃以上で気体を放出する。この組合せでは、ナトリウムのケイ酸塩が気体を放出する温度を超えても、発泡促進剤である水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムが気体を放出するため、発泡するプロセスを高い温度まで持続することができる。
発泡可能層におけるアルカリ金属のケイ酸塩、発泡促進剤、および構造材それぞれの含有量は、断熱能と発泡温度、発泡断熱層の強度等を考慮して適宜設定可能であるが、発泡可能層のうちアルカリ金属のケイ酸塩の含量が50〜70重量%、発泡促進剤の含有量が5〜30重量%、構造材の含量が20〜40重量%であるものが各性能のバランスに優れており好ましい。
<電池パック1の製造方法>
実施の形態1に係る電池パック1は図1のような構造を持ち、以下の工程により製造できる。
(A) 充放電可能な二次電池2を収容できるよう、内部に収容空間を有する成形体11を形成する工程。
(B) アルカリ金属のケイ酸塩と、必要により発泡促進剤及び/又は構造材と、水とを練り合わせたものでペーストを作製する工程。
(C) 前記ペーストを前記成形体の内壁に塗布し、乾燥させて、発泡可能層12を形成する工程。
(D) 前記発泡可能層12の内表面側に、二次電池2を収容する工程。
まず、工程(A)において、二次電池2を収容するための成形体11は樹脂を用いて形成する。樹脂成形体11は、「ノート型PCにおけるリチウムイオン二次電池の安全利用に関する手引書」((社)電子情報技術産業協会、(社)電池工業会)で求められているように、UL−94規格のV−0以上の難燃性樹脂を成形して形成された成形体が好ましい。具体的には、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などに難燃剤を混合することで難燃化処理を施した難燃性樹脂組成物を用いることができる。成形方法は特に限定されず、周知の方法を適用できる。
続いて工程(B)において、発泡可能成分であるアルカリ金属のケイ酸塩と水とを練り合わせてペーストを作製する。この際、アルカリ金属のケイ酸塩に加えて、発泡促進剤及び/又は構造材を添加することができる。ペーストの粘度は、たとえば水の含有量を適宜調整して、塗布に適した性状を示すようにする。
そして、工程(C)では、上記ペーストを成形体11の内壁に塗布し、乾燥させることで、無機材料からなる発泡可能層12を形成する。
最後に工程(D)で、発泡可能層12の内表面側に二次電池2を収容することで、電池パック1を作製する。二次電池2を収納した後、成形体11の開口部は適宜封止することができる。
(実施の形態2)
近年の電池の高容量化、高エネルギー密度化に伴い、リチウム二次電池の負極として、グラファイトの代わりに、極めて大きな容量を潜在的に有する、珪素やスズ、又は、これらの合金や酸化物が用いられるようになってきた。
このようなリチウム二次電池では、異常発生時に、負極材料とリチウムが反応して生じるオルト珪酸リチウムやスズ酸リチウムが高温の熔融アルカリ塩として二次電池から漏出する可能性が危惧される。このような熔融アルカリ塩はきわめて高温であり、反応性が高い。そのため、二次電池から漏出した熔融アルカリ塩と発泡可能層又は発泡断熱層とが反応することで、発泡断熱層による断熱効果を十分に発揮できない恐れや、さらに成形体と反応して電池パックの外部に熔融アルカリ塩が流出する恐れもある。
そこで実施の形態2に係る電池パック1では、図2に示すように、実施の形態1における断熱可能層12の内表面に接触してブロック層13をさらに設けている。この3層構造の内部に、二次電池2を複数個収容することで電池パック1を構成している。ブロック層13以外は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
電池パックの内部にブロック層13を設置することによって、熔融アルカリ塩が二次電池から漏出した場合にもこの漏出物が電池パック外部に流出することを防止できる。さらには、ブロック層13を発泡可能層12の内側に設置することによって、発泡可能層、又は発泡可能層が発泡、膨張することにより形成された発泡断熱層が熔融アルカリ塩と直接接触することがなくなるため、発泡可能層又は発泡断熱層が熔融アルカリ塩と反応して断熱能を喪失することを回避できる。これにより、二次電池2の負極の活物質として珪素、スズ、又は、これらの合金若しくは酸化物を用いた場合において、二次電池から溶融アルカリ塩が漏出した場合でも、電池パック表面の温度上昇を抑制することが可能になる。
ただし、二次電池2の負極の活物質にグラファイトを使用した二次電池2を収容した電池パック1においても、ブロック層13を設けることで、異常時にグラファイトから噴出する火炎が発泡可能層又は発泡断熱層に直接当たるのを防止できるため、実施の形態1と比較してより高レベルの断熱効果を達成することができる。
一方、特許文献4では、電池パック内部に水分が透過することを抑止する目的で、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅、ならびに、スズ、亜鉛、ニッケルのいずれかをめっきした鉄等の材料を挿入した電池パックが提案されている。この電池パックでは、二次電池に最も近い層として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メチルメタクリル酸共重合体、アイオノマー、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレートホットメルト剤、及び、ポリアミドホットメルト剤よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂材料から構成される樹脂層が設けられている。この構成の電池パックに、珪素、スズ、又は、これらの合金若しくは酸化物を負極に用いた二次電池を収納した際には、異常時に当該二次電池から漏出する熔融アルカリ塩は、まず樹脂層と接触するので樹脂層が燃焼し、燃焼エネルギーをより高めてしまう可能性がある。
本発明の好適な形態では、ブロック層13を二次電池2に最も近い位置に設けることによって、電池パック1内で燃焼が発生する可能性を低減し、燃焼による温度上昇を抑制することができる。
<電池パック1の製造方法>
実施の形態2に係る電池パック1は図2のような構造を持ち、以下の工程により製造できる。
(A) 充放電可能な二次電池2を収容できるよう、内部に収容空間を有する成形体11を形成する工程。
(B) アルカリ金属のケイ酸塩と、必要により発泡促進剤及び/又は構造材と、水とを練り合わせたものでペーストを作製する工程。
(C) 前記ペーストを前記成形体の内壁に塗布し、乾燥させて、発泡可能層12を形成する工程。
(D) 前記発泡可能層12の内表面(前記収容空間に接する表面)側に、耐熔融アルカリ塩の素材からなるブロック層13を設置する工程。
(E) 前記ブロック層13の内表面側に、二次電池2を収容する工程。
実施の形態2における工程(A)−(C)は実施の形態1における工程(A)−(C)と同様であるので説明を省略する。
工程(D)では、工程(C)で形成した樹脂成形体11の内壁面上に形成した発泡可能層12の内表面(前記収容空間に接する表面)側に、熔融アルカリ塩に対する耐性を有する素材からなるブロック層13を設置する。具体的には、発泡可能層12の内表面側に、耐熔融アルカリ塩性の金属箔又は金属板を敷設する。前記金属箔又は金属板は、成形体11の収容空間の形状に合わせて適宜絞り加工した後、敷設することができる。絞り加工した金属箔又は金属板は、二次電池2から漏出する溶融アルカリ塩をせき止めることができる構造を有する限りわずかな隙間を有するものであってもよいが、さらに溶接加工を施して隙間が封止されたものでもよい。
ブロック層13に用いられる耐熔融アルカリ塩性の金属材料は、熔融したオルト珪酸リチウムやスズ酸リチウムと接触した際に熔融したり反応したりして孔があくことがない材料が好ましい。具体的には、鉄、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、窒化チタン、又は、ステンレス鋼が好ましく、さらに、鉄、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、窒化チタン、又は、ステンレス鋼がより好ましい。
ブロック層13の内表面側には、さらに第二の断熱層や、吸熱層など追加の層を設けることも可能であるが、ブロック層13は、二次電池2に最も近い位置に設けることが特に好ましい。すなわち、ブロック層13の内表面側に追加の層を設けることなく、ブロック層13である耐熔融アルカリ塩性の層と、二次電池2とが、別の層を間に介せず、直接接することが好ましい。これにより、二次電池2から漏れ出た熔融アルカリ塩はまずブロック層13に接触してこれによりせき止められるので、熔融アルカリ塩に起因した電池パックの燃焼の可能性を低減することができる。
最後に工程(E)で、ブロック層13の内表面側に二次電池2を収容することで、電池パック1を作製する。二次電池2を収納した後、成形体11の開口部は適宜封止することができる。
実施の形態2に係る電池パック1の製造方法では、発泡可能層用ペーストを成形体11の内壁表面に塗布する場合について説明した。しかし、当該ペーストはブロック層13の外壁(電池パック外部を向いている面)上に塗布してもよい。
以下に評価例及び試験例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の評価例及び試験例により何ら限定されるものではない。
(試験例1)
難燃性規格UL94 V−0グレードのポリカーボネート(厚さ0.7mm)から形成された一辺が30mmの板の表面に、珪酸ソーダ(大阪硅曹製3号)を塗布し、一昼夜自然乾燥させることで、ポリカーボネート板表面に発泡可能層を形成した。乾燥後の発泡可能層の膜厚は0.2mmであった。
珪酸ソーダ塗布面にセラミックヒーター(坂口電熱(株)製、MS−M5)を配設した。該セラミックヒーターに6Vを印加し、セラミックヒーター温度が700℃となるように温度調節器を設定した。ポリカーボネート板表面(珪酸ソーダを塗布していない表面)およびセラミックヒーターの温度を熱電対で測定していると、セラミックヒーター温度が115℃に到達した際に珪酸ソーダ塗布面が発泡し、膨張し始めた。セラミックヒーター温度が700℃に到達した際には、形成された発泡断熱層の厚さは12mmであり、ポリカーボネート板表面温度は90℃であった。樹脂が発火したり、変形したりすることはなかった。
この結果から、平常時厚さ0.2mmの発泡可能層で十分な断熱効果が得られることが明らかとなり、電池パック1を構成する材料として好適であることがわかった。
(比較試験例1)
珪酸ソーダ(大阪硅曹製3号)を塗布しなかったこと以外は試験例1と同様の試験を行った。セラミックヒーター温度が150℃を超えた付近からポリカーボネート板が軟化し始め、形状が著しく損なわれた。
(試験例2)
試験例1のポリカーボネート板を60%水酸化マグネシウム−40%ポリプロピレン板(以下PP−Mg板という)に代えた以外は試験例1と同様の試験を行った。乾燥後の発泡可能層の厚さは0.25mmであった。
セラミックヒーター温度が113℃に到達した際に珪酸ソーダ塗布面が発泡し、膨張し始めた。セラミックヒーター温度が700℃に到達した際には、形成された発泡断熱層の厚さは13mmであり、PP−Mg板表面温度は76℃であった。樹脂が発火したり、変形したりすることはなかった。
(比較試験例2)
発泡可能層を形成しなかったこと以外は試験例2と同様の試験を行った。
セラミックヒーター温度が250℃に到達した時、PP−Mg板表面は軟化し、変形し始めた。このときPP−Mg板表面温度は約160℃であった。さらにセラミックヒーター温度が上昇していくと、ガスが出始め、700℃に到達した時にはPP−Mg板表面温度は約400℃となり、しばらくすると着火した。
(試験例3)
試験例2の珪酸ソーダ(大阪硅曹製3号)に代えて市販の無機発泡断熱材アクセラコートF((株)アクセス製、珪酸ソーダベース、構造材他含有)を塗布した(乾燥後の発泡可能層の厚さ:0.5mm)以外は試験例1と同様の試験を行った。なお、アクセラコートFは、XRD測定、TG−DTAによる熱分析、及び、ICP発光分光分析による組成分析から次の成分より構成されるものと推定された:水ガラス3号61.4重量%、セピオライト22.2重量%、炭酸カルシウム8.3重量%、酸化チタン8.1重量%。
セラミックヒーター温度が約130℃に到達すると塗布面が発泡し、膨張が観察された。セラミックヒーター温度が700℃に到達した際の発泡断熱層の厚さは1.8mmで、PP−Mg板表面温度は250℃であった。軟化および著しい変形は認められなかった。
以上の結果から、平常時は薄い発泡可能層であっても、異常な高温になった折には発泡し、高い断熱効果が得られることから、電池パック1を構成する材料として好適であることがわかった。
(試験例3′)
珪酸ソーダ(大阪硅曹製3号)、セピオライト、炭酸カルシウム、及び、二酸化チタンをそれぞれ重量比で、62%、22%、8%、8%秤量し、プラネタリーミキサーで十分混合して発泡可能性ペーストを作製した。該ペーストを試験例3のアクセラコートFに代えて、PP−Mg板に塗布した(乾燥後の発泡可能層の厚さ:0.5mm)以外は試験例1と同様の試験を行った。
その結果、アクセラコートFを用いた試験例3と同様に、セラミックヒーター温度が約130℃に達すると塗布面が発泡を開始し、膨張が観察された。セラミックヒーター温度が700℃に到達した際の発泡断熱層の厚さは1.9mm、PP−Mg板の表面温度は240℃であった。軟化および著しい変形は認められなかった。
以上の結果から、珪酸ソーダ、セピオライト、炭酸カルシウム、及び二酸化チタンの混合物からなるペーストを用いた場合にでも同様の効果を得ることができ、電池パック1を構成する材料として好適に用いることができることがわかった。
(試験例4)
PP−Mg板(厚さ1mm)からなる一辺が20mmの立方体状の容器(以降「カップ」という)を耐熱接着剤(東亜合成製 アロンセラミックE)による張り合わせで作製し、その内壁に珪酸ソーダ(大阪硅曹製3号)を塗布し乾燥させた。乾燥後の発泡可能層の厚さは0.3mmであった。
このカップの中に1450℃で熔融したオルト珪酸リチウムを投入したところ、発泡可能層は発泡して発泡断熱層を形成すると同時に熔融オルト珪酸リチウムとの反応が進行し、発泡断熱層が徐々に薄くなっていき、最終厚さは約5mmとなった。しかし、カップの最外壁温度は約400℃まで低下した。また、PP−Mg板からなるカップは軟化するものの、オルト珪酸リチウムの流出は認められなかった。
(評価例1)
まず、ブロック層13の材料となる熔融アルカリ塩に耐性を有する材料を選定するために、以下の選定法を実施した。
まず、白金坩堝中にオルト珪酸リチウム(LiSiO:CERAC製)を5g投入し、電気炉中で、大気雰囲気のもと1450℃に加熱、熔融させた。
該融液の中に、表1に示した材質、大きさ(直径、厚さ)及び重量のタブレットを投入した。前記温度で1分間加熱を行った後、ステンレス製バットの上に流しだし、冷却した。冷却後、固形物を慎重に割りながら、タブレットを取り出し、大きさ(直径、厚さ)と重量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005536639
TiOは冷却後の固形物中にタブレット形状のものが見当たらず、熔融オルト珪酸リチウムと完全に反応し消失したものと考えられた。
TaCについては、高温電気炉中に投入すると同時に、ペレットが破砕され、ペレット形状を維持できなかった。
SiOはタブレットの直径、厚さ、重量ともに明らかに減少し、熔融オルト珪酸リチウムと反応していることがわかった。
他の材料については、本試験では、大きさは試験前より大きくなっているが、これはタブレット内の空気の膨張による大きさの変化と考えられる。併せて測定した重量変化を見ると、著しく減少しているものはないことから、鉄、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、タンタル、タングステン、及び、窒化チタンが、熔融アルカリ塩に対する耐性を有する金属であることが判明した。
これら一次選定された金属の中から、比較的加工性がよく、金属箔(板)として供試が容易な材料であるFe、Ti、Zr、V、Nb、Mo、Ta、W、及び、TiN、さらに鉄系材料で汎用性が高いステンレス鋼について、さらに高度の耐熔融アルカリ塩性を評価する次の試験を行った。
(評価例2)
まず、各材料からなる金属箔(厚さ50μm)を準備した。これらの金属箔から、一辺が20mmの立方体状のカップを、溶接加工を適用して作製した。
白金坩堝中にオルト珪酸リチウムを7g入れ、大気雰囲気のもと、電気炉中1450℃に加熱、熔融させた。その融液を前記カップの中に大気中で投入した。冷却後、カップの概観を観察し、孔の有無および熔融物の流出箇所がないかを調べた。その結果を表2に示した。
Figure 0005536639
TiおよびZr製のカップでは、底部が熔解し大きな孔が生じ、そこから熔融物が流出していることが観察された。
以上の結果から、試験した金属素材のなかで、鉄、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、窒化チタン、及び、ステンレス鋼が、熔融アルカリ塩に対する耐性の点でより優れていることが判明した。
(試験例5)
試験例5では、試験例4で作製したカップの発泡可能層の内側に、さらに耐熔融アルカリ塩素材からなるブロック層を形成した。
まず、PP−Mg板(厚さ1mm)からなる立方体状のカップ(各辺20mm)の内壁に、珪酸ソーダ(大阪硅曹製3号)を塗布し乾燥させた(乾燥後の発泡可能層の厚さ:0.3mm)。当該カップ内に評価例で選定した金属素材(ステンレス鋼、鉄、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、及び、窒化チタン)を用いて作製したカップ(各材料の厚さ:40μm)を挿入して、3層構造のカップを作製した。
該カップに1450℃で熔融したオルト珪酸リチウムを投入した後、熔融物の流出の有無と最外壁温度を調べた。
いずれのカップの場合もオルト珪酸リチウムの流出は観察されず、また、カップの最外壁温度は100℃以下に抑えられた。
(比較試験例3)
PP−Mg板(厚さ1mm)からなる立方体状のカップを作製し、該カップに熔融オルト珪酸リチウムを直接投入した。PP−Mg板は熔融し、熔融オルト珪酸リチウムが流出した。
(比較試験例4)
PP−Mg板(厚さ1mm)からなる立方体状のカップを作製し、その内側に、SUS304(40μm厚さ)のカップを挿入した2層構造のカップを作製した。
この中に熔融オルト珪酸リチウムを投入した。PP−Mg板は軟化、変形し、白煙が発生するとそこに着火した。しかしながら、熔融オルト珪酸リチウムが流出することはなかった。
(試験例6)
PP−Mg板(厚さ1mm)から一辺が20mmの立方体状のカップを作製し、その内側に市販の無機発泡耐火断熱材アクセラコートF((株)アクセス製、珪酸ソーダベース、構造材他含有)を塗布し(乾燥後の発泡可能層の厚さ:0.5mm)、2層構造のカップを作製した。該カップの中に1450℃で熔融したオルト珪酸リチウムを投入した後、熔融物の流出の有無と最外壁温度を調べた。
その結果、アクセラコートFからなる発泡可能層は発泡して発泡断熱層を形成するのとほぼ同時に熔融オルト珪酸リチウムとの反応が進行し、発泡断熱層が徐々に薄くなっていき、最終厚さは約4mmとなった。しかし、カップの最外壁温度は約400℃まで低下した。PP−Mg板からなるカップは軟化するものの、オルト珪酸リチウムの流出は認められなかった。
(試験例7)
PP−Mg板(厚さ1mm)から一辺が20mmの立方体状のカップを作製し、その内側に市販の無機発泡耐火断熱材アクセラコートF((株)アクセス製、珪酸ソーダベース、構造材他含有)を塗布し(乾燥後の発泡可能層の厚さ:0.5mm)、さらにその内側にSUS304(40μm厚さ)のカップを挿入して3層構造のカップを作製した。該カップの中に、1450℃で熔融したオルト珪酸リチウムを投入した後、熔融物の流出の有無と最外壁温度を調べた。
その結果、オルト珪酸リチウムの流出は観察されず、また、カップの最外壁温度は350℃以下に抑えられ、PP−Mgが着火することもなく、また著しい変形も認められなかった。このときの発泡断熱層の厚さは約7mmであった。
試験例1〜3と比較試験例1〜2より、発泡可能層を成形体の内側に配置することによって、電池パック内部で高熱が発生した際に成形体の外側表面温度を低く抑えることができ、成形体を形成する樹脂の発火や変形を抑制できることが判明した。
以上の結果から、平常時は薄い発泡可能層であっても、異常な高温になった折には発泡することで高い断熱効果が得られることから、電池パックを構成する材料として好適であることが分かった。
さらに、試験例4〜7と比較試験例3〜4より、発泡可能層の内側にさらにブロック層を有することによって、たとえ熔融オルト珪酸リチウムのように反応性の高い高温の物質が二次電池から電池パック内部に漏出したとしても、発泡断熱層による断熱効果が維持され、成形体の外側表面温度をより低減することができ、成形体を形成する樹脂の軟化を抑制できることが判明した。
本発明に係る電池パックは、万が一二次電池に異常な発熱が発生した場合でも、断熱効果を発揮して電池パック表面の温度上昇が抑制されるものでありながら、正常時には電池パックに含まれる断熱層が薄く、電池パック総体でのエネルギー密度を高レベルに維持することができる。二次電池の負極が珪素、スズ、又は、これらの合金若しくは酸化物を電極活物質とする形態においても好適に適用できる。以上から、本発明に係る電池パックは、PC用電池パックや携帯電話用電池パック等として好適に使用できる。また、パッケージ化された大型の定置用電池あるいは電気自動車用電池等の用途にも応用できる。
1 電池パック
2 二次電池
11 樹脂成形体
12 発泡可能層
13 ブロック層

Claims (7)

  1. 負極に、珪素、スズ、又は、これらの合金若しくは酸化物を含む、二つ以上の円筒型の二次電池と、
    前記二次電池を内部に収容する直方体形状の成形体と、
    前記二次電池と前記成形体の内表面との間に設けられ、所定の温度以上で発泡して発泡断熱層を形成する発泡可能層と、
    前記二次電池と前記発泡可能層との間に設けられ、熔融アルカリ塩に耐性を有する素材で形成されているブロック層と、
    を有し、
    前記発泡可能層がアルカリ金属のケイ酸塩を含む、
    電池パック。
  2. 前記アルカリ金属がナトリウムである、請求項1に記載の電池パック。
  3. 前記発泡可能層が、さらに発泡促進剤と構造材とを含む、請求項1又は2に記載の電池パック。
  4. 前記発泡促進剤が、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、明礬、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び、炭酸バリウムからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項3に記載の電池パック。
  5. 前記構造材が、珪酸アルミニウム、珪フッ化ナトリウム、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリナイト、ムライト、珪藻土、アルミナ、シリカ、雲母、酸化チタン、バーミキュライト、パーライト、マグライト、セピオライト、タルク、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウム、及び、セメントからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項3又は4に記載の電池パック。
  6. 前記アルカリ金属のケイ酸塩の発泡温度より、前記発泡促進剤の気体放出温度が高い、請求項3〜5のいずれか1項に記載の電池パック。
  7. 前記熔融アルカリ塩に耐性を有する素材が、鉄、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、窒化チタン、又は、ステンレス鋼を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電池パック。
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