JP5168850B2 - 非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池に係り、より詳細には、落下試験による内部短絡を防止することができる非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法に関するものである。
近年、ノートブック型パーソナルコンピュータ、カメラ一体型VTR(Videotape Recorder;ビデオテープレコーダ)あるいは携帯電話などのポータブル電子機器が次々に出現し、その小型化及び軽量化が図られている。それに伴い、携帯可能なポータブル電源として二次電池が脚光を浴び、更に高いエネルギー密度を得るための活発な研究が行われている。
このような中で、鉛二次電池あるいはニッケルカドミウム二次電池などの水系電解液二次電池よりも高いエネルギー密度を有する二次電池として、非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池が提案され、実用化が始まっている。
リチウムイオン二次電池においては、従来、イオン伝導を司る物質として非水溶媒にリチウム塩を溶解させた液状の電解質(電解液)が用いられてきた。そのため、液漏れを防止するために外装部材として金属製の容器を用い、電池内部の気密性を厳重に確保する必要があった。
しかし、外装部材に金属製の容器を用いると、薄くて大面積のシート型電池や、薄くて小面積のカード型電池、さらには、柔軟でより自由度の高い形状を備えた電池などを作製することが極めて困難であった。
一方、ラミネート外装材を用いたポリマー電池では、金属缶の外装材を用いた場合に比べて外装材の機械的強度が低いために、落下試験を行うと、変形によって、正極と負極とが短絡してしまい易いという問題があった。
このような問題の対策としては、例えば、正負極から突出した部分のセパレータの全部あるいは一部を熱溶着して、セパレータを袋状にすることによって改善することが提案されている(特許文献1〜3参照)。
また、これとは別に、セパレータの突出部に樹脂を塗布してセパレータの強度を増すことによって、衝撃による両電極の短絡を防ぐことが提案されている(特許文献4参照)。
特開2006−66311号公報 特開平06−36801号公報 特開平09−213377号公報 特開2000−149997号公報
しかしながら、セパレータの突出部に樹脂を塗布して強度を増すようにした引用文献4に記載の方法では、必ずしも効果が十分でなく、特許文献1〜3に記載の熱溶着による方法では、セパレータを熱溶着する工程が必要となるために生産性が低下してしまうことに加えて、電極の周囲のセパレータが袋状となっているために、電解液を注入した後の含浸に時間がかかるという問題があった。
本発明は、従来技術における上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、落下試験のような衝撃が加わったとしても、内部短絡を生じることのない非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、セパレータよりも融点若しくはゲル融点の低い熱可塑性樹脂から成る高分子支持体をセパレータの表面に形成すると共に、セパレータの両電極端部からの突出部同士を高分子支持体の熱可塑性樹脂によって熱融着することによって、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の非水電解質二次電池は、正極と負極がセパレータを介して巻回された電池素子と非水電解液とををラミネート材製の外装部材に収納して成る非水電解質二次電池において、上記セパレータの片面又は両面にセパレータの融点よりも低い融点若しくはゲル融点を備えた熱可塑性樹脂から成る高分子支持体が配置され、この高分子支持体を介して正極及び/又は負極とセパレータとの界面が熱融着されると共に、上記セパレータの端部上記電池素子の巻回面の負極端及び正極端からそれぞれ0.3mm以上突出しており該電池素子の巻回面のそれぞれから突出したセパレータの端部同士が上記高分子支持体を構成する熱可塑性樹脂によって熱融着していることを特徴とする。
また、上述のような非水電解質二次電池は、セパレータの融点よりも低い融点若しくはゲル融点を備えた熱可塑性樹脂から成る高分子支持体を含む層を、該セパレータの片面又は両面に形成し、
正極と、負極とを、上記セパレータを介して、該セパレータの端部が、上記正極および上記負極の巻回方向に平行な正極端及び負極端からそれぞれ0.3mm以上突出するように積層して巻回することにより、電池素子を作製し、
上記電池素子をラミネート材製の外装部材で外装し、
上記外装部材雄内部に非水電解液を注入し、
上記外装部材を封止して上記電池素子を該外装部材の内部に封入し、
上記外装部材で外装された上記電池素子を加圧した状態で加熱することにより、上記高分子支持体を介して上記正極及び/又は上記負極と上記セパレータとの界面及び該電池素子の巻回面のそれぞれから突出したセパレータの端部同士を、同時に熱融着することにより製造されることを特徴とする。
なお、本発明の非水電解質二次電池の好適形態においては、上記高分子支持体を構成する熱可塑性樹脂がポリフッ化ビニリデン構造を骨格に含むポリマーであることを特徴としている。
本発明によれば、セパレータの両電極端部からの突出部分を熱可塑性樹脂によって熱融着するようにしたため、落下試験のような衝撃が加わったとしても、内部短絡を生じることのない非水電解質二次電池を提供することができる。
次に、本発明の非水電解質二次電池について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
図1は、本発明の非水電解質二次電池の一実施形態であって、ラミネート材を用いた巻回型電池の一例を示す分解斜視図である。
図に示す二次電池は、正極端子11と負極端子12が取り付けられた巻回電池素子20をフィルム状の外装部材30(30A,30B)の内部に封入して構成されている。正極端子11及び負極端子12は、外装部材30の内部から外部に向かって、例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極端子11及び負極端子12は、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)又はステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成される。
外装部材30は、例えばナイロンフィルム、アルミニウム箔及びポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせた矩形状のラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えばポリエチレンフィルム側と電池素子20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着又は接着剤により互いに接合されている。
外装部材30と正極端子11及び負極端子12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極端子11及び負極端子12に対して密着性を有する材料により構成され、例えば正極端子11及び負極端子12が上述した金属材料から構成される場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン又は変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
なお、外装部材30は、上述したラミネートフィルムに代えて、他の構造、例えば金属材料を有さないラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルム又は金属フィルムなどにより構成してもよい。
ここで、外装部材の一般的な構成は、外装層/金属箔/シーラント層の積層構造で表すことができ(但し、外装層及びシーラント層は複数層で構成されることがある。)、上記の例では、ナイロンフィルムが外装層、アルミニウム箔が金属箔、ポリエチレンフィルムがシーラント層に相当する。
なお、金属箔としては、耐透湿性のバリア膜として機能すれば十分であり、アルミニウム箔のみならず、ステンレス箔、ニッケル箔及びメッキを施した鉄箔などを使用することができるが、薄く軽量で加工性に優れるアルミニウム箔を好適に用いることができる。
外装部材として、使用可能な構成を(外装層/金属箔/シーラント層)の形式で列挙すると、Ny(ナイロン)/Al(アルミ)/CPP(無延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)/Al/CPP、PET/Al/PET/CPP、PET/Ny/Al/CPP、PET/Ny/Al/Ny/CPP、PET/Ny/Al/Ny/PE(ポリエチレン)、Ny/PE/Al/LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、PET/PE/Al/PET/LDPE(低密度ポリエチレン)、及びPET/Ny/Al/LDPE/CPPなどがある。
図2は、図1に示した電池素子20のI−I線に沿った断面図である。同図において、電池素子20は、正極21と負極22とが非水電解液を保持した高分子支持体層(後述する)23及びセパレータ24を介して対向して位置し、巻回されているものであり、最外周部は保護テープ25により保護されている。
ここで、図3には、本発明の非水電解質二次電池の他の実施形態として、ラミネート材を用いた積層型電池を示す分解斜視図を示す。なお、上述した巻回型二次電池と実質的に同一の部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
図に示すように、この積層型電池は、上記の巻回電池素子20の代わりに積層電池素子20’を備えていること以外は、図1に示した巻回型電池と実質的に同一の構成を有するものである。
積層電池素子20’は、シート状をなす正極と負極とが上述のような非水電解液を保持した高分子支持体層及びセパレータを介して対向して位置しており、例えば、負極シート、高分子支持体層、セパレータ、高分子支持体層及び正極シートの順で積層された積層構造を有している。
図3に示す実施形態においては、積層電池素子20’は、シート状の負極(負極シート)とシート状の正極(正極シート)とがセパレータを介して交互に積層されたものである。そして更に、正極シートとセパレータ、負極シートとセパレータの間には、高分子支持体層が配設されている。
この点以外については、図1に示す巻回型電池と実質的に同一の構成を有するので、以下、再び上記巻回型電池を例に採って、本発明の非水電解質二次電池の説明を続行する。
図2に示すように、正極21は、例えば対向する1対の面を有する正極集電体21Aの両面又は片面に正極活物質層21Bが被覆された構造を有している。正極集電体21Aには、長手方向における一方の端部に正極活物質層21Bが被覆されずに露出している部分があり、この露出部分に正極端子11が取り付けられている。
正極集電体21Aは、例えばアルミニウム箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
正極活物質層21Bは、正極活物質として、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な正極材料のいずれか1種又は2種以上を含んでおり、必要に応じて導電材及び結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵及び放出することが可能な正極材料としては、例えば硫黄(S)や、二硫化鉄(FeS)、二硫化チタン(TiS)、二硫化モリブデン(MoS)、二セレン化ニオブ(NbSe)、酸化バナジウム(V)、二酸化チタン(TiO)及び二酸化マンガン(MnO)などのリチウムを含有しないカルコゲン化物(特に層状化合物やスピネル型化合物)、リチウムを含有するリチウム含有化合物、並びに、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリピロールなどの導電性高分子化合物が挙げられる。
これらの中でも、リチウム含有化合物は、高電圧及び高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えばリチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物や、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられるが、より高い電圧を得る観点からは、特にコバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、チタン(Ti)又はこれらの任意の混合物を含むものが好ましい。
かかるリチウム含有化合物は、代表的には、次の一般式(1)又は(2)
Li…(1)
LiIIPO…(2)
(式中のM及びMIIは1種類以上の遷移金属元素を示し、x及びyの値は電池の充放電状態によって異なるが、通常0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。)で表され、(1)式の化合物は一般に層状構造を有し、(2)式の化合物は一般にオリビン構造を有する。
また、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNi1−zCo(0<z<1)、スピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などが挙げられる。
リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばオリビン構造を有するリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO)又はリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1−vMnPO(v<1))が挙げられる。
これらの複合酸化物において、構造を安定化させる等の目的から、遷移金属の一部をAlやMgその他の遷移金属元素で置換したり結晶粒界に含ませたもの、酸素の一部をフッ素等で置換したもの等も挙げることができる。更に、正極活物質表面の少なくとも一部に他の正極活物質を被覆したものとしてもよい。また、正極活物質は、複数種類を混合して用いてもよい。
一方、負極22は、正極21と同様に、例えば対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面又は片面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。負極集電体22Aには、長手方向における一方の端部に負極活物質層22Bが設けられず露出している部分があり、この露出部分に負極端子12が取り付けられている。
負極集電体22Aは、例えば銅箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な負極材料、金属リチウムのいずれか1種又は2種以上を含んでおり、必要に応じて導電材や結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料としては、例えば炭素材料、金属酸化物及び高分子化合物が挙げられる。炭素材料としては、難黒鉛化炭素材料、人造黒鉛材料や黒鉛系材料などが挙げられ、より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭及びカーボンブラックなどがある。
このうち、コークス類にはピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては、酸化鉄、酸化ルテニウム及び酸化モリブテンなどが挙げられ、高分子化合物としてはポリアセチレンやポリピロールなどが挙げられる。
更に、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料としては、リチウムと合金を形成可能な金属元素及び半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。この負極材料は金属元素又は半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種又は2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。
なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物又はこれらのうちの2種以上が共存するものがある。
このような金属元素又は半金属元素としては、例えばスズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)及びイットリウム(Y)が挙げられる。
中でも、長周期型周期表における14族の金属元素又は半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素又はスズである。ケイ素及びスズは、リチウムを吸蔵及び放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えばスズ以外の第2の構成元素として、ケイ素、マグネシウム(Mg)、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン(Ti)、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロム(Cr)から成る群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えばケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、マグネシウム、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロムから成る群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物又はケイ素の化合物としては、例えば酸素(O)又は炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
また、セパレータ24は、例えばポリプロピレン(融点:165℃前後)若しくはポリエチレン(融点:135℃前後)などのポリオレフィン系の合成樹脂から成る多孔質膜、又はセラミック製の不織布などの無機材料から成る多孔質膜など、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を有する絶縁性の薄膜から構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造としてもよい。特に、ポリオレフィン系の多孔質膜を含むものは、正極21と負極22との分離性に優れ、内部短絡や開回路電圧の低下をいっそう低減できるので好適である。
本発明の非水電解質二次電池においては、正極22及び負極21の少なくとも一方とセパレータ24との間に高分子支持体23が配置されている。この高分子支持体層23は、セパレータ24よりも低い融点若しくはゲル融点を持つ熱可塑性樹脂から成るものであって、イオン伝導性を有し、非水電解液を保持することが可能である。
図2及び後述する図4に示す実施形態において、この高分子支持体層23は、セパレータ24の両面、すなわちセパレータ24と正極22の間と、セパレータ24と負極21の間に配置され、双方の界面に熱融着されているが、必ずしもセパレータ24の両面に配置する必要はなく、セパレータ24と正極22の界面のみ、あるいはセパレータ24と負極21の界面のみに配置され、熱融着されていてもよい。
このような熱融着により、本発明の非水電解質二次電池においては、電池反応に実質的に関与しない余剰の非水電解液を低減することができ、非水電解液が電極活物質の周囲に効率よく供給されることになり、非水電解液量が従来よりも少量であっても優れたサイクル特性が発揮され、使用する非水電解液量を少量とすることによって、耐漏液性にも優れたものとなる。
図4は、図1に示した巻回電池素子20の巻回方向と平行な断面、すなわちII−II線に沿った断面図を示すものであって(図3に示した積層電池素子20’のIII−III線又はIV−IV線に沿った断面図も同様)、本発明の非水電解質二次電池においては、上記セパレータ24の端部が正極21及び負極22の端から所定の長さEだけ突出するように配置されている。
このように、セパレータ24の端部を正極21及び負極22の端から突出させておくことによって、電池の製造工程において、セパレータ24と電極21、22を熱融着させる際に、セパレータ24の突出端部同士が高分子支持体層23の熱可塑性樹脂によって同時に熱融着することになるので、工程を新設したり、工数を増したりすることなく、落下試験によっても内部短絡することのない非水電解質二次電池を得ることができる。
なお、セパレータ24の突出長さEとしては、上記のような熱融着を生じさせる観点から、0.3mm以上とすることが必要であるが、この熱融着をさらに確実なものとする一方、突出長さが大きすぎると、その部分の体積ロスが大きくなるので、0.5〜1.0mmの範囲に制御することが望ましい。
上記の高分子支持体層23を構成する熱可塑性樹脂としては、非水電解液を保持してイオン伝導性を発揮すると共に、セパレータ24よりも低い融点若しくはゲル融点を有するものである限り、特に限定されるものではないが、アクリロニトリルの共重合量が50%以上、特に80%以上のアクリロニトリル系重合体、芳香族ポリアミド、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリレート又はメタクリレートの単独重合体又は共重合体から成るアクリル系重合体、アクリルアミド系重合体、フッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー、ポリスルホン、ポリアリルスルホン等を挙げることができる。特にアクリロニトリルの共重合量が50%以上の重合体はその側鎖にCN基を有しているため誘電率が高く、イオン伝導性の高い高分子ゲル電解質を作れる。
これら重合体に対する非水電解液の担持性向上や、これら重合体から成る高分子ゲル電解質のイオン伝導性を向上させるため、アクリロニトリルとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のビニルカルボン酸、アクリルアミド、メタクリルスルホン酸、ヒドロキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、各種(メタ)アクリレート等を好ましくは50%以下、特に20%以下の割合で共重合したものも用いることができる。
また、芳香族ポリアミドは、高耐熱性ポリマーであることより、自動車用バッテリーの如く高耐熱性が要求される高分子ゲル電解質が求められる場合には好ましい高分子重合体である。また、ブタジエン等を共重合せしめ架橋構造を有する重合体も用い得る。
特に、構成成分としてフッ化ビニリデンを含む重合体、即ち単独重合体、共重合体及び多元共重合体を好ましく使用することができ、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF、融点:60〜100℃)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP、融点:60〜100℃)、及びポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(PVdF−HFP−CTFE)などを挙げることができる。
非水電解液としては、電解質塩と非水溶媒を含むものであればよい。
ここで、電解質塩としては、後述する非水溶媒に溶解ないしは分散してイオンを生ずるものであればよく、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を好適に使用することができるが、これに限定されないことはいうまでもない。
すなわち、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF)、六フッ化アンチモン酸リチウム(LiSbF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、四塩化アルミニウム酸リチウム(LiAlCl)等の無機リチウム塩や、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド(LiN(CFSO)、リチウムビス(ペンタフルオロメタンスルホン)メチド(LiN(CSO)、及びリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホン)メチド(LiC(CFSO)等のパーフルオロアルカンスルホン酸誘導体のリチウム塩なども使用可能であり、これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
なお、このような電解質塩の含有量は、溶媒1リットル(l)に対して0.1mol〜3.0molの範囲内が好ましく、0.5mol〜2.0molの範囲内であればより好ましい。この範囲内においてより高いイオン伝導性を得ることができるからである。
また、非水溶媒としては、各種の高誘電率溶媒や低粘度溶媒を挙げることができる。
高誘電率溶媒としては、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネート等を好適に用いることができるが、これに限定されるものではなく、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(フルオロエチレンカーボネート)、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(クロロエチレンカーボネート)、及びトリフルオロメチルエチレンカーボネートなどの環状カーボネートを用いることができる。
また、高誘電率溶媒として、環状カーボネートの代わりに又はこれと併用して、γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトン等のラクトン、N−メチルピロリドン等のラクタム、N−メチルオキサゾリジノン等の環状カルバミン酸エステル、テトラメチレンスルホン等のスルホン化合物なども使用可能である。
一方、低粘度溶媒としては、ジエチルカーボネートを好適に使用することができるが、これ以外にも、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びメチルプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル及びトリメチル酢酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル、N,N−ジメチルアセトアミド等の鎖状アミド、N,N−ジエチルカルバミン酸メチル及びN,N−ジエチルカルバミン酸エチル等の鎖状カルバミン酸エステル、並びに1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン及び1,3−ジオキソラン等のエーテルを用いることができる。
なお、本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解液としては、上述の高誘電率溶媒及び低粘度溶媒は、その1種を単独で又は2種以上を任意に混合して用いることができるが、20〜50%の環状カーボネートと50〜80%の低粘度溶媒(低粘度非水溶媒)を含むものが好ましく、特に低粘度溶媒として沸点が130℃以下の鎖状カーボネートであるものが望ましい。
環状カーボネートと低粘度溶媒との比率が上述の範囲を逸脱すると、低粘度溶媒が多すぎる場合には誘電率が低くなり、逆に低粘度溶媒が少なすぎる場合には粘度が低くなってしまい、どちらの場合にも十分な伝導度が得られず、良好な電池特性が得られなくなるおそれがある。
本発明の非水電解質二次電池内への非水電解液の充填量については、電池容量1cmあたり0.14〜0.35gの範囲とすることが望ましい。
すなわち、非水電解液の充填量が単位容量あたり0.14gに満たないと、所期の電池性能が得られず、0.35gを超えると耐漏液性が劣化する傾向がある。
次に、上述した二次電池の製造方法の一例につき説明する。
上記ラミネート型二次電池は、以下のようにして製造することができる。
まず、正極21を作製する。例えば粒子状の正極活物質を用いる場合には、正極活物質と必要に応じて導電材及び結着剤とを混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて正極合剤スラリーを作製する。
次いで、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成する。
また、負極22を作製する。例えば粒子状の負極活物質を用いる場合には、負極活物質と必要に応じて導電材及び結着剤とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて負極合剤スラリーを作製する。この後、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層22Bを形成する。
そして、熱可塑性樹脂から成る高分子支持体層23をセパレータ24上に形成する。分子支持体層23をセパレータ24に形成する手法としては、セパレータ24の表面に高分子支持体を構成する熱可塑性樹脂を含有する溶液を塗布してその溶媒を除去する手法、及び別途形成した高分子支持体層をセパレータ24表面に密着固定する手法が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂を含有する溶液をセパレータ24表面に塗布する手法としては、セパレータを当該樹脂含有溶液に浸漬する手法、Tダイ押出法等により供給塗布する手法、スプレー法・ロールコーター・ナイフコーター等により溶液を基材表面に塗布する手法などが挙げられる。
溶媒を除去する脱溶媒処理の手法としては、乾燥除去する手法、熱可塑性樹脂の貧溶媒に浸漬して溶媒を抽出除去した後、貧溶媒を乾燥除去する手法、又はこれらの組合せによる手法等を用いることができる。
次いで、正極21に正極端子11を取り付けるとともに、負極22に負極端子12を取り付けた後、高分子支持体層23付のセパレータ24、正極21、同様のセパレータ24及び負極22を順次積層して巻回し、最外周部に保護テープ25を接着して巻回電極体を形成する。更に、この巻回電極体を外装部材30(30Aと30B)で挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とする。
しかる後、六フッ化リン酸リチウムなどの電解質塩と、エチレンカーボネートなどの非水溶媒を含む非水電解液を準備し、外装部材30の開口部から巻回電極体の内部に注入して、外装部材30の開口部を熱融着し封入する。これにより、非水電解液が高分子支持体層23に保持され、図1及び図2に示した二次電池が完成する。
このように高分子支持体層を形成し収納した後に、電解液を膨潤させて電解質を形成する手法では、高分子支持体を形成する原料となる前駆体や溶媒を予め除去し電解質内にほとんど残さないようにすることができ、また、高分子支持体形成工程を良好に制御できる。そのため、セパレータや正極、負極と、高分子支持体とを、密着させることが可能である。
以上に説明した二次電池では、充電を行うと、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、高分子支持体層23に保持された非水電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。放電を行うと、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、高分子支持体層23及び非水電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。
以下、本発明を、図面を参照し、実施例及び比較例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、炭酸リチウム(LiCO)0.5molに対して炭酸コバルト(CoCO)を1molの割合で混合し、空気中において900℃で5時間焼成することによって、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)を得た。
次いで、得られたリチウムコバルト複合酸化物85質量部と、導電剤である黒鉛5質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して正極合剤を調製し、さらにこれを分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。続いて、この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔から成る正極集電体21Aの両面に均一に塗布し、乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成形して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製した。そののち、正極21に正極端子11を取り付けた。
一方、負極活物質として粉砕した黒鉛粉末を用意し、この黒鉛粉末90質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調製し、さらにこれを分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させ負極合剤スラリーとした。
次いで、この負極合剤スラリーを厚み15μmの銅箔から成る負極集電体22Aの両面に均一に塗布し、乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成形して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製した。続いて、負極22に負極端子12を取り付けた。
また、高分子支持体層23を構成する熱可塑性樹脂としては、以下に示す各種のポリフッ化ビニリデン(PVdF)系ポリマーを用いた。N−メチル−2−ピロリドン溶液に15質量部となるように溶解したそれぞれのポリマー溶液を厚み20μmの微孔性ポリエチレンフィルム(融点:135℃)から成るセパレータ24の両面(実施例4のみは片面)にコーティング装置を用いて塗布した。
ポリマー溶液を塗布した上記ポリエチレンフィルムを脱イオン水に浸漬し、その後、乾燥することにより厚み5μmの高分子支持体層23をポリエチレンフィルム製のセパレータ24に作製した。
以上のようにして作製した正極21および負極22を、高分子支持体層23を形成したセパレータ24を介して密着させた後、長手方向に巻き回し、最外周に保護テープ25を貼付することにより、巻回電池素子20を作製した。
さらに、作製した上記電池素子20を外装部材30Aと30Bで挟み、3辺を熱融着した。なお、外装部材30(30A、30B)としては、最外層から順に25μm厚のナイロンフィルムと40μm厚のアルミニウム箔と30μm厚のポリプロピレンフィルムとが積層されて成る防湿性のアルミラミネートフィルムを用いた。
そして、電池素子20を収容した外装部材30内に、非水電解液を注入し、減圧下で外装部材30の残りの1辺を熱融着して密封し、図1及び図2に示したような非水電解質二次電池を得た。
上記電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を使用し、これらをEC:DEC=3:7の質量比で混合した溶媒に、1mol/Lの割合で六フッ化リン酸リチウムを溶解させたものを用いた。
(実施例1)
46.0mm幅の負極22と、45.0mm幅の正極21とを用い、両面にポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP、ゲル融点:65℃)から成る高分子支持体層23を備えた47.0mm幅のセパレータ24を介して、これらを巻回し、アルミラミネートフィルムで包装して、厚さ3.8mm、幅34.0mm、高さ50.0mmの非水電解質二次電池を組み立てた。
そして、これを鋼板に挟んだ状態で、70℃で3分間加熱することによって、高分子支持体層23を介して、正極21及び負極22にセパレータ24を熱融着させた。これによって、負極22から0.5mm(=E)突出したセパレータ24の端部同士も同時に熱融着される。
(実施例2)
熱可塑性樹脂として、PVdF−HFP共重合体に代えて、ポリフッ化ビニリデン(PVdF、ゲル融点:90℃)を用い、熱融着温度を100℃としたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例3)
熱可塑性樹脂として、ポリフッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(PVdF−CTFE、ゲル融点:63℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例4)
セパレータ24における負極22に接する面にのみ、PVdF−HFP共重合体から成る高分子支持体層23を配置したこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(比較例1)
PVdF−HFP共重合体から成る高分子支持体層23を形成することなく、微孔性ポリエチレンフィルムから成るセパレータ24をそのまま用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(比較例2)
鋼板に挟んだ状態での加熱による熱融着を省略したこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(落下試験)
上記により得られた実施例1〜4及び比較例1〜2の各二次電池について、1.9mの高さからコンクリート床面に各面それぞれ2回ずつ、合計12回落下させ、これによって生じた内部短絡の発生数を調査した。その結果を表1に示す。なお、評価数は、各例20とした。
Figure 0005168850
電池を解体した結果、実施例1から4のいずれのセルにおいてもセパレータ24の突出部全体が熱可塑性樹脂によって熱融着されており、正極21と負極22がセパレータ24の袋に包まれた状態となっていることが確認された。
表1の結果から明らかなように、セパレータ24の突出部が熱融着されている場合には、いずれの熱可塑性樹脂を用いた場合でも内部短絡は生じなかった。
これに対して、比較例1のように熱可塑性樹脂から成る高分子支持体層23がない場合には内部短絡が発生しており、比較例2のように高分子支持体層23が存在していたとしても、熱融着を行わない場合には、発生率は低下するものの、内部短絡を防止することはできなかった。
このように、セパレータ24の突出部が熱融着されることによって、落下試験時の内部短絡が防止されることが確認された。
(実施例4)
セパレータ24の幅を46.6mmとし(突出長さE=0.3mm)、電池高さを49.6mmとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例5)
セパレータ24の幅を48.0mmとし(突出長さE=1.0mm)、電池高さを51.0mmとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例6)
セパレータ24の幅を50.0mmとし(突出長さE=2.0mm)、電池高さを53.0mmとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(比較例3)
セパレータ24の幅を46.0mmとし(突出長さE=0mm)、電池高さを49.0mmとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(比較例4)
セパレータ24の幅を46.4mmとし(突出長さE=0.2mm)、電池高さを49.4mmとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(落下試験)
上記により得られた実施例4〜6及び比較例3〜4の各二次電池について、上記同様の落下試験を行った。これらの結果を上記実施例1の結果と併せて表2に示す。
Figure 0005168850
電池を解体した結果、突出部の長さEを0.3mm以上にした場合には突出部全体が熱融着しているのが確認されたが、0.2mm以下ではセパレータの突出部が完全に熱融着していなかった。
表2の結果から、突出部が0.3mm以上では内部短絡した電池は発生しなかったが、0.2mm以下では内部短絡が発生しており、突出部長さEは0.3mm以上必要であることが分かった。
以上のように、正負極21,22とセパレータ24とが熱可塑性樹脂から成る高分子支持体層23によって熱融着され、外装部材にラミネート材を使用した電池において、セパレータ24が正負極21,22の端部より0.3mm以上突出しており、セパレータ24の突出部同士がセパレータ24よりも融点若しくはゲル融点の低い高分子支持体層23の熱可塑性樹脂によって熱融着されることによって、簡易な電池作製プロセスにもかかわらず、落下試験時に内部短絡しない非水電解質二次電池を作製することができる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、正極21及び負極22を積層して巻回した電池素子20を備える場合について説明したが、1対の正極と負極とを積層した平板状の電池素子、又は複数の正極と負極とを積層した積層型の電池素子を備える場合についても、本発明を適用することができる。また、二次電池に限らず一次電池についても適用可能である。
更に、本発明は、上述の如く、電極反応物質としてリチウムを用いる電池に関するものであるが、本発明の技術的思想は、ナトリウム(Na)若しくはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)若しくはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、又はアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても適用することが可能である。
本発明の非水電二次電池の一実施形態であって、ラミネート型電池の一例を示す分解斜視図である。 図1に示した電池素子のI−I線に沿った断面図である。 本発明の非水電解質二次電池の他の実施形態であって、ラミネート型電池の他の例を示す分解斜視図である。 図1に示した電池素子のII−II線、又は図2に示した電池素子のIII−III腺若しくはIV−IV腺に沿った断面図である。
符号の説明
11…正極端子、12…負極端子、20…巻回電池素子、20’…積層電池素子、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…高分子支持体層(熱可塑性樹脂)、24…セパレータ、25…保護テープ、30…外装部材、31…密着フィルム。

Claims (5)

  1. 正極と負極がセパレータを介して巻回された電池素子と非水電解液とをラミネート材製の外装部材に収納して成る非水電解質二次電池において、
    上記セパレータの片面又は両面にセパレータの融点よりも低い融点若しくはゲル融点を備えた熱可塑性樹脂から成る高分子支持体が配置され、この高分子支持体を介して正極及び/又は負極とセパレータとの界面が熱融着されると共に、上記セパレータの端部上記電池素子の巻回面の負極端及び正極端からそれぞれ0.3mm以上突出しており、該電池素子の巻回面のそれぞれから突出したセパレータの端部同士が上記高分子支持体を構成する熱可塑性樹脂によって熱融着してい
    水電解質二次電池。
  2. 上記電池素子の巻回面の負極端及び正極端からそれぞれ0.5mm〜1.0mm突出している
    請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 上記高分子支持体を構成する熱可塑性樹脂がポリフッ化ビニリデン構造を骨格に含むポリマーであ
    求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 上記ポリフッ化ビニリデン構造を骨格に含むポリマーが、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)、及びポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(PVdF−HFP−CTFE)である
    請求項3に記載の非水電解質二次電池。
  5. セパレータの融点よりも低い融点若しくはゲル融点を備えた熱可塑性樹脂から成る高分子支持体を含む層を、該セパレータの片面又は両面に形成し、
    正極と、負極とを、上記セパレータを介して、該セパレータの端部が、上記正極および上記負極の巻回方向に平行な正極端及び負極端からそれぞれ0.3mm以上突出するように積層して巻回することにより、電池素子を作製し、
    上記電池素子をラミネート材製の外装部材で外装し、
    上記外装部材雄内部に非水電解液を注入し、
    上記外装部材を封止して上記電池素子を該外装部材の内部に封入し、
    上記外装部材で外装された上記電池素子を加圧した状態で加熱することにより、上記高分子支持体を介して上記正極及び/又は上記負極と上記セパレータとの界面及び該電池素子の巻回面のそれぞれから突出したセパレータの端部同士を、同時に熱融着する
    非水電解質二次電池の製造方法。
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