JP2019061861A - 全固体電池およびその製造方法 - Google Patents

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靖 高野
西村 剛
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Abstract

【課題】弾性部を含む筐体を用いて全固体電池セルの積層方向に加圧することにより、固体と固体との界面における界面抵抗を低く維持する全固体電池およびその製造方法を提供する。【解決手段】全固体電池は、第1電極および第2電極と、その間に配置された固体電解質層を有する少なくとも1つの全固体電池セルを含むセル積層体と、前記セル積層体を覆う筐体と、を備え、前記筐体は、前記セル積層体の上面および下面を覆う弾性部を含む第1筐体部と、前記セル積層体の側面を覆う第2筐体部とを有するように構成される。【選択図】図8

Description

本発明は、固体電解質を含む全固体電池およびその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、他の二次電池に比較して、エネルギー密度が高く、高電圧での動作が可能であるため、小型軽量化が可能であり、自動車および携帯電話等の電源として広く利用されることが期待されている。
しかし、一般的なリチウムイオン二次電池は、正極および負極と、これらの間のエチレンカーボネート等の液体の電解質(電解液)とを有するが、こうした電解液は、一般的に可燃性ガスを発生させ、液漏れの虞がある。そこで、固体電解質層を用いた全固体電池が将来の二次電池として有望視されている。
また、電解質として硫化物系固体電解質を用いた全固体電池は、固体電解質の性質上、大気に晒した状態で使用することはできず、大気から遮断する必要がある。全固体電池を大気から遮断する外装体としては、一般に、ラミネートフィルムや、剛性を有する材料を用いた外装体がある。
例えば、特許文献1には、正極集電体、正極活物質層(正極層)、固体電解質層(セパレータ)、負極活物質層(負極層)、および負極集電体を積層してなるセル積層体を(特許文献1の図2参照)、ラミネートフィルム製の外装体に封入した固体電池が開示されている。また特許文献2には、上記と同様の構成のセル積層体を、直方体形状を有する金属製の電池ケースに収容した固体電池が記載されている。
また全固体電池では、充放電反応が、全て固体と固体との界面で生じる。そのため、全固体電池では、電解液を用いる電池とは異なり、固体と固体との界面(例えば活物質と固体電解質との界面)における界面抵抗が電池の性能を大きく左右する。そのため、セル積層体を収容する外装体は、セル積層体をその積層方向に加圧して、セル積層体を構成する固体と固体との界面における界面抵抗を低減するように構成することが重要である。
特許第5648747号公報 特開2008−84587号公報
しかしながら、セル積層体をその積層方向を加圧するという観点において、ラミネートフィルムを用いた外装体は、セル積層体を加圧できる反面、振動または外的衝撃から全固体電池を保護することは困難であり(特許文献1)、剛性を有する材料を用いた外装体は、振動または外的衝撃から全固体電池を保護することは可能であるが、直方体形状を有する電池ケースをセル積層体の積層方向に加圧しても、剛性があるため、積層体には十分な圧力が加わらず、セル積層体を構成する固体と固体との界面における界面抵抗を低減することはできない(特許文献2)。
本発明に係る第1の態様は、全固体電池に関し、この全固体電池は、第1電極および第2電極と、その間に配置された固体電解質層を有する少なくとも1つの電池セルを含むセル積層体と、前記セル積層体を覆う筐体と、を備え、前記筐体は、前記セル積層体の上面および下面を覆う弾性部を含む第1筐体部と、前記セル積層体の側面を覆う第2筐体部とを有するように構成される。
本発明に係る第2の態様は、全固体電池の製造方法に関し、この製造方法は、第1電極および第2電極と、その間に配置された固体電解質層を有する少なくとも1つ電池セルを積層して、セル積層体を形成する工程と、前記セル積層体の上面および下面を覆うように、弾性部を含む第1筐体部を配置する工程と、前記セル積層体の側面を覆うように第2筐体部を配置する工程と、を有する。
本発明に係る態様によれば、弾性部を含む筐体を用いて電池セルの積層方向に加圧することにより、固体と固体との界面における界面抵抗を低く維持することができる。
本発明に係るセル積層体の斜視図である。 本発明に係る全固体電池の製造方法の第1工程を示す斜視図である。 下側筐体部の下側連結部および上側筐体部の上側連結部の側面図である。 本発明に係る全固体電池の製造方法の第2工程を示す斜視図である。 本発明に係る全固体電池の製造方法の第2工程を示す斜視図である。 本発明に係る全固体電池の製造方法の第2工程を示す斜視図である。 本発明に係る全固体電池の製造方法の第2工程を示す斜視図である。 本発明に係る全固体電池の製造方法の第3工程を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る全固体電池を示す斜視図である。 (a)および(b)は、筐体(封止空間)内が減圧される前後の状態を示す断面図である。
添付図面を参照して本発明に係る全固体電池およびその製造方法の実施形態を以下説明する。各実施形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(たとえば「上下」、「左右」、「前後」、および「X,Y,Z」等)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。なお各図面において、全固体電池の各構成部品の形状または特徴を明確にするため、これらの寸法を相対的なものとして図示し、必ずしも同一の縮尺比で表したものではない。
図9は、本発明の実施形態に係る全固体電池1を示す斜視図である。本発明の実施形態に係る全固体電池1は、概略、少なくとも1つの全固体電池セル50を含むセル積層体10と、セル積層体10を大気から遮断するための筐体2とを有する。詳細後述するが、この筐体2は、セル積層体10の下面52aおよび上面52bを覆うように対向して配置され、弾性を有する金属材料(例えば、ばね鋼)で形成された一対の第1筐体部20,30を有し、第1筐体部20,30を介してセル積層体10の下面52aおよび上面52bに大気圧を加えることにより、固体と固体との界面(例えば活物質と固体電解質との界面)における界面抵抗を低く維持するように構成されている。
(第1工程)
図1〜図10を参照しながら、本発明の実施形態に係る全固体電池1の各構成部品およびその製造方法について以下説明する。図1は、本発明に係るセル積層体の斜視図である。図2は、本発明に係る全固体電池の製造方法の第1工程を示す斜視図である。
まず複数の全固体電池セル50(本願では、単に「電池セル50」ともいう。)を積層して構成されるセル積層体10を準備する。なお、全固体電池セル50は、詳細図示しないが、正極集電体、正極(第1電極または第2電極)、固体電解質層、負極(第2電極または第1電極)、および負極集電体を積層して形成される。また、全固体電池セル50は、正極集電体および負極集電体から電気を取り出す正極タブ44および負極タブ46を有する。各全固体電池セル50の正極タブ44同士および負極タブ46同士を接続して、各全固体電池セル50を並列に接続してもよいし、隣接する全固体電池セル50の正極タブ44と負極タブ46とを接続して、各全固体電池セル50を直列に接続してもよい。
固体電解質層には、イオン伝導性の無機固体電解質が使用できる。無機固体電解質としては、硫化物(硫化物系固体電解質)、水素化物(水素化物系固体電解質)が好ましい。水素化物には、一般に、錯体水素化物と呼ばれる固体電解質も含まれる。固体電解質の結晶状態は、特に制限されず、結晶性および非晶質のいずれであってもよい。
硫化物としては、例えば、LiSと、周期表第13族元素、第14族元素、および第15族元素からなる群より選択された少なくとも一種の元素を含む一種または二種以上の硫化物とを含むものが好ましい。硫化物の具体例としては、LiS−SiS、LiS−P、LiS−GeS、LiS−B、LiS−Ga、LiS−Al、LiS−GeS−P、LiS−Al−P、LiS−P、LiS−P−P、LiX−LiS−P、LiX−LiS−SiS、LiX−LiS−B(X:I、Br、Cl、またはI)などが挙げられる。
水素化物としては、例えば、水素化ホウ素リチウムの錯体水素化物などが挙げられる。錯体水素化物としては、例えば、LiBH−LiI系錯体水素化物およびLiBH−LiNH系錯体水素化物、LiBH−P、LiBH−Pなどが挙げられる。固体電解質は、一種を単独で用いてもよく、必要に応じて、二種以上を併用してもよい。
正極としては、リチウムイオン二次電池において、正極活物質として使用されるものを特に制限なく用いることができる。リチウムイオン二次電池で使用される正極活物質を例に挙げると、例えば、コバルト、ニッケル、および/またはマンガンなどを含むリチウム含有酸化物[例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(スピネル型マンガン酸リチウム(LiMnなど)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNi1/3Co1/3Mn1/3など)、Li過剰の複合酸化物(LiMnO−LiMO)などの酸化物]の他、酸化物以外の化合物も挙げられる。酸化物以外の化合物としては、例えば、オリビン系化合物(LiMPO)、イオウ含有化合物(LiSなど)などが挙げられる。なお、上記式中、Mは遷移金属を示す。
負極としては、電荷のキャリアとなるイオンを挿入および脱離することができる限り、特に制限されず、リチウムイオン二次電池で使用される公知の負極極活物質が利用できる。リチウムイオン二次電池を例に挙げると、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛など)、ハードカーボン、非晶質炭素などの炭素質材料の他、リチウムイオンを合金化、脱合金化が可能なリチウム金属や合金、Si単体などが挙げられる。
集電体としては、高温で電極や固体電解質に金属イオンが溶出、拡散しないものであれば特に制限なく使用することができる。このような集電体の形態としては、例えば、金属箔、板状体、粉体の集合体などが挙げられ、集電体の材質を成膜したものを用いてもよい。金属箔は、電解箔、エッチド箔などであってもよい。集電体は、電極を形成する際に、波打ったり、破れたりしない強度を有するものが望ましい。
正極に使用する集電体の材質としては、正極の酸化還元電位において安定な材質、例えば、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス鋼、チタン、鉄、コバルト、亜鉛、スズ、またはこれらの合金などが例示される。負極に使用する集電体の材質としては、負極の酸化還元電位において安定な材質、例えば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、これらの合金などが挙げられる。
セル積層体10は、1つまたはそれ以上の電池セル50を積層して構成されたものであり、図1に示すように、XY平面に実質的に平行な下面52aおよび上面52b、YZ平面に実質的に平行な端面54a,54b、およびXZ平面に実質的に平行な側面56a,56bを有する。セル積層体10が単一の電池セル50で構成された場合は、電池セル50が下面52aおよび上面52b、端面54a,54b、および側面56a,56bを有する。本願では、セル積層体10に関わる上記構成を以下、上面,下面および側面,端面と称す。
図2は、本発明に係る全固体電池の製造方法の第1工程を示す斜視図である。第1工程では、セル積層体10の下面および上面に下側筐体部20および上側筐体部30を配置する。本願では、下側筐体部20および上側筐体部30を総称して「第1筐体部20,30」ともいう。第1筐体部20,30は、これに限定するものではないが、例えば鋼材(ばね鋼を含む)、ステンレス、もしくはチタン等の金属、またはポリカーボネートもしくはエンジニアリングプラスチック類などの各種プラスチック材料等を用いて形成される。図2に示すように、下側筐体部20は、セル積層体10の下面に矩形形状の底板21と、底板21の各辺からZ方向に延びる下側連結部22a〜22dとを有する。一方、上側筐体部30は、セル積層体10の上面に対向する矩形形状の天板31と、天板31の各辺からZ方向とは逆の方向(−Z方向)に延びる上側連結部32a〜32dとを有する(上側連結部32a,32bのみ図示)。下側筐体部20および上側筐体部30は、例えば所定の弾性を有する薄い金属板を折り曲げ加工を行うことにより、下側連結部22a〜22dおよび上側連結部32a〜32dを形成してもよい。ただし、下側筐体部20および上側筐体部30は、薄い金属板を用いて形成されるものであるが、その形状および特徴を明確にするため、各図面において、実質的な厚みを有するものとして図示されている。
下側筐体部20および上側筐体部30は、その底板21および天板31がセル積層体10の下面および上面と実質的に同一の形状および寸法を有し、下側連結部22a〜22dおよび上側連結部32a〜32dの間にセル積層体10が配置されるような形態を有する。
より具体的には、第1工程において、下側筐体部20の底板21上に緩衝材(クッション材)40を配置し、その上にセル積層体10(図2では5つの電池セル50)を配置する。緩衝材40は、衝撃を吸収し、絶縁性を有する弾性体であれば、任意の構成材料を用いて形成することができ、例えば絶縁フィルムが被膜された板ばねや、ゴム製または樹脂製の板状部材で形成してもよい。
最も上部に配置された電池セル50の上に、同様の形状および材料で形成された別の緩衝材42を配置し、その上に上側筐体部30をさらに配置する。下側筐体部20および上側筐体部30は、下側連結部22a〜22dおよび上側連結部32a〜32dが互いに対向するように配置される。なお、電池セル50は、図2に示すように、正極タブ44および負極タブ46を有するので、これらの間に延びる下側連結部22aおよび上側連結部32aは、他の下側連結部22b〜22dおよび上側連結部32b〜32dより幅狭に形成してもよい。
図3は、下側筐体部20の下側連結部22bおよび上側筐体部30の上側連結部32bをX方向から見た側面図である。図3(a)に示すように、下側連結部22a〜22dは孔部24を有し、上側連結部32a〜32dは孔部24に連結可能なフック(突起部)34を有する。ただし逆に、上側連結部32a〜32dが孔部を有し、下側連結部22a〜22dが開口部に連結可能なフックを有してもよい。孔部24およびフック34は、例えば打ち抜き加工により形成することができる。また下側筐体部20および上側筐体部30は、これに限定されるものではなく、任意の形態を有する下側連結部22a〜22dおよび上側連結部32a〜32dを用いて連結されるように構成してもよい。
上述のように、下側筐体部20、下側緩衝材40、少なくとも1つの電池セル50、上側緩衝材42、および上側筐体部30を配置した後、上側筐体部30を下側筐体部20に向けて加圧する。このとき、下側緩衝材40および上側緩衝材42がZ方向に収縮し、図3(b)に示すように上側連結部32a〜32dのフック34を下側連結部22a〜22dの孔部24に係合させることができる。
(第2工程)
図4〜図7は、本発明に係る全固体電池1の製造方法の第2工程を示す斜視図である。図4に示すように、第1工程で形成されたセル積層体10の各電池セル50の正極タブ44および負極タブ46を折り曲げ、互いに重ね合わせ、X方向に突出する長さが一定となるように切り揃える。さらに重ね合わせた正極タブ44および負極タブ46の束にタブ貫通孔48を設ける。
次に、端子板60を準備する。端子板60は、通常、ベークライト等のフェノール系熱硬化性樹脂で形成されるが、絶縁性を有する任意の材料を用いて形成されてもよい。端子板60は、各タブ貫通孔48に位置合わせされる一対の端子貫通孔62を有する。また端子板60は、後述するが、空気を筐体2の外部に排気するための通気孔64を有する。図5に示すように、端子板60を正極タブ44および負極タブ46の束の下方に配置し、一対の金属製のねじ付きロッド66およびナット68を用いて、正極タブ44および負極タブ46の束を端子板60に固定する。
なお上記説明では、端子板60は、絶縁性材料で形成されるものとしたが、必ずしも絶縁性を有するものである必要はなく、導電性を有する材料を用いて形成してもよい。この場合、ねじ付きロッド66およびナット68と導電性を有する端子板60との間に、例えばセラミック等の絶縁材料で形成されたワッシャ等を介在させ、正極タブ44および負極タブ46が互いに電気的に導通する(短絡する)ことがないように構成される。
そして図6の矢印に示すように、正極タブ44および負極タブ46の束が固定された端子板60を折り返し、図7に示すように、端子板60がセル積層体10の図中右側の端面に対向するように端子板60を配置する。このとき、正極タブ44および負極タブ46に接続され、端子板60から突出するねじ付きロッド66の一方の端部は、全固体電池1の正極端子70および負極端子72を構成する。このように端子板60を折り返して、セル積層体10の図中右側の端面に対向するように配置することにより、セル積層体10と正極端子70および負極端子72との間の間隔を縮減させることができる。その結果、本発明に係る全固体電池1は、単位体積あたりのエネルギー密度を増大させることができる。
(第3工程)
図8〜図10は、本発明に係る全固体電池1の製造方法の第3工程を示す斜視図である。まず、左側筐体部80および右側筐体部90を準備する。本願では、左側筐体部80および右側筐体部90を総称して「第2筐体部80,90」ともいう。図8に示すように、左側筐体部80および右側筐体部90(第2筐体部80,90)は、下側筐体部20ならびに上側筐体部30(第1筐体部20,30)の周縁部36(図中、上側筐体部30の周縁部36のみを破線で示す。)、およびセル積層体10の側面ならびに端面を覆うように形成される。また左側筐体部80および右側筐体部90はそれぞれ、図7に示すセル積層体10の外側形状と相補的な内側形状を有する左側収容部82および右側収容部92を画定する。さらに右側筐体部90は、端子板60に対向する開口部94を有する。
左側収容部82および右側収容部92を図8に示す矢印の方向に移動させて、第2工程で形成されたセル積層体10を、左側収容部82および右側収容部92内に収容する。そして図9に示すように、左側筐体部80および右側筐体部90(第2筐体部80,90)を下側筐体部20および上側筐体部30(第1筐体部20,30)の周縁部36に接合させるとともに左側筐体部80および右側筐体部90を互いに接合させ、さらに右側筐体部90を端子板60に接合させることにより、全固体電池1の筐体2を作製することができる。すなわち、本発明の実施形態に係る全固体電池1の筐体2は、第1筐体部20,30、第2筐体部80,90、および端子板60により画定される。
なお上記接合には、任意の手法を用いることができるが、例えば、金属と金属との接合にはレーザ溶接を用い、金属と樹脂との接合には接着剤を用いてもよい。上記接合工程後、正極端子70および負極端子72は、端子板60から右側筐体部90の開口部94を通って外部に延出している(図9)。
このように全固体電池1の筐体2は、下側筐体部20ならびに上側筐体部30(第1筐体部20,30)、左側筐体部80ならびに右側筐体部90(第2筐体部80,90)、および端子板60の内部に気密に封止された空間(封止空間)を形成し、その内部にセル積層体10を収容するものである。また第3工程では、全固体電池1の筐体2(封止空間)内の空気は、端子板60に設けた通気孔64から外部に排気され、封止空間内が減圧される。さらに封止空間内が減圧された後、例えば溶融した熱可塑性樹脂を用いて、通気孔64を気密に封止することにより、筐体2(封止空間)内の減圧状態を維持する。例えば、封止空間内を減圧する際に通気孔64に連結した真空チューブを溶融、硬化させることにより、筐体2(封止空間)内の減圧状態を維持してもよい。
図10(a)および(b)は、筐体2(封止空間)内が減圧される前後の第1筐体部20,30および第2筐体部80,90の状態を示すYZ面に平行な断面図である。第1筐体部20,30は、弾性を有する部材(例えば薄い金属板)で形成されており、封止空間内が減圧される前においては、上下方向にわずかに膨らんでいるが(図10(a))、封止空間内が減圧された後においては、大気圧に相当する圧力が下側筐体部20および上側筐体部30(第1筐体部20,30)に均一に加えられて、ほぼ平坦な形状を有するようになる(図10(b))。こうして本発明の実施形態に係る全固体電池1は、セル積層体10を大気から実質的に完全に遮断することができる。また、全固体電池1は、大気圧に相当する圧力で第1筐体部20,30を均一に加圧することで、全固体電池セル50の電極の充放電に伴う膨張収縮により、電極内または電極と固体電解質間で空隙が発生することを抑制でき、固体と固体との界面(例えば活物質層と固体電解質との界面)における界面抵抗を低く維持することができる。
なお、第1筐体部20,30および第2筐体部80,90は、同一の材料を用いて形成してもよいし、異なる材料を用いて形成してもよい。同一の材料を用いて両者を形成する場合、第1筐体部20,30を第2筐体部80,90より薄くして、前者を後者より高い弾性を有するように形成してもよい。これにより、より弾性の高い第1筐体部20,30は、セル積層体10の下面および上面に対する大気圧による加圧の効果を高めるとともに、第2筐体部80,90は、セル積層体10の端面および側面を外力から十分に保護することができる。
また、同一の材料を用いて両者を形成する場合、厚みを同一としつつ、第2筐体部80,90を、第1筐体部20,30より硬度の大きい材料、例えば炭素含有量のより多いばね鋼を用いて形成してもよい。ばね鋼以外の材料を用いる場合、第2筐体部80,90を、第1筐体部20,30より引張強さのより大きい材料を用いて形成してもよい。さらに両者を異なる材料を用いて形成する場合、樹脂材料と金属材料とを組み合わせたものであってもよい。いずれの場合であっても、上記説明したように、第1筐体部20,30を用いて大気圧による下面および上面への加圧の効果を高め、第2筐体部80,90を用いて側面等を外力から保護することができる。
(変形例)
上記説明では、第1工程において、正極タブ44および負極タブ46の束を固定して、正極端子70および負極端子72を設けるために端子板60を用いたが、端子板60を省略することができる。この場合、詳細図示しないが、右側筐体部90に、開口部94の代わりに、ねじ付きロッド66を挿通させるための端子貫通孔62、および空気を筐体2の外部に排気するための通気孔64を設ける。そして、互いに重ね合わせた正極タブ44および負極タブ46の束にタブ貫通孔48を設け、絶縁材料で形成されたワッシャ等を介在させて、タブ貫通孔48内にねじ付きロッド66を挿通させる。さらにタブ貫通孔48から延出するねじ付きロッド66の一方の端部を、別の絶縁性ワッシャ等を介在させて、ナット68により右側筐体部90に固定する。変形例に係る全固体電池1は、端子板60を省略することにより、そのスペースおよび重量を削減し、単位体積および単位重量あたりのエネルギー密度をさらに低減することができる。
1…全固体電池、
2…筐体、
10…セル積層体、
20…下側筐体部、21…底板、22…下側連結部、24…孔部、
30…上側筐体部、31…天板、32…上側連結部、34…フック(突起部)、
40,42…緩衝材、44…正極タブ、46…負極タブ、48…タブ貫通孔、
50…全固体電池セル、52a…下面、52b…上面、54…端面、56…側面、
60…端子板、62…端子貫通孔、64…通気孔、66…ねじ付きロッド、68…ナット、
70…正極端子、72…負極端子、
80…左側筐体部、82…左側収容部、
90…右側筐体部、92…右側収容部、94…開口部


Claims (6)

  1. 第1電極および第2電極と、その間に配置された固体電解質層を有する少なくとも1つの電池セルを含むセル積層体と、
    前記セル積層体を覆う筐体と、を備え、
    前記筐体は、前記セル積層体の上面および下面を覆う弾性部を含む第1筐体部と、前記セル積層体の側面を覆う第2筐体部とを有することを特徴とする全固体電池。
  2. 前記筐体の内部は減圧された状態であることを特徴とする請求項1に記載の全固体電池。
  3. 前記セル積層体の側面を覆う第2筐体部は前記弾性部よりも剛性の高い剛性部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の全固体電池。
  4. 第1電極および第2電極と、その間に配置された固体電解質層を有する少なくとも1つ電池セルを積層して、セル積層体を形成する工程と、
    前記セル積層体の上面および下面を覆うように、弾性部を含む第1筐体部を配置する工程と、
    前記セル積層体の側面を覆うように第2筐体部を配置する工程と、を有することを特徴とする全固体電池の製造方法。
  5. 前記筐体の内部は減圧された状態であることを特徴とする請求項4に記載の全固体電池の製造方法。
  6. 前記第2筐体部は前記弾性部よりも高い剛性部を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の全固体電池の製造方法。

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