JP2004055346A - 組電池、複合組電池およびそれを搭載した車両 - Google Patents
組電池、複合組電池およびそれを搭載した車両 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】軽量化され且つ効率的に振動を抑制する構造を有する組電池を提供する。
【解決手段】組電池20は、8個の薄型電池を有する4つの積層15からなり、一の積層15は2個の薄型電池10を一単位として、上下段の薄型電池10の異極端子104、105同士が同方向に導出するように積層されて構成される。4つの積層15は上段の各薄型電池10の正極端子104同士が同方向となるように並置され、各積層15の上段の薄型電池10の上部表面を、一方の端部がカバー25に取り付けられた固定用バネ41の他方の端部が取り付けられた固定装置40の押え部材41がそれぞれ押圧して薄型電池10を固定する。4つの積層15の同極端子で且つ同方向に導出する端子同士がそれぞれバスバー21に溶着部24で溶着されて接続され、バスバー21はカバー25から導出する組電池用端子22、23に接続される。これら8個の薄型電池10が組電池用カバー25内部に封止され、並列された4個の薄型電池10の組が2組直列接続された組電池20が構成される。
【選択図】 図8
【解決手段】組電池20は、8個の薄型電池を有する4つの積層15からなり、一の積層15は2個の薄型電池10を一単位として、上下段の薄型電池10の異極端子104、105同士が同方向に導出するように積層されて構成される。4つの積層15は上段の各薄型電池10の正極端子104同士が同方向となるように並置され、各積層15の上段の薄型電池10の上部表面を、一方の端部がカバー25に取り付けられた固定用バネ41の他方の端部が取り付けられた固定装置40の押え部材41がそれぞれ押圧して薄型電池10を固定する。4つの積層15の同極端子で且つ同方向に導出する端子同士がそれぞれバスバー21に溶着部24で溶着されて接続され、バスバー21はカバー25から導出する組電池用端子22、23に接続される。これら8個の薄型電池10が組電池用カバー25内部に封止され、並列された4個の薄型電池10の組が2組直列接続された組電池20が構成される。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、封止手段の外周部の端縁から導出する端子を有する薄型電池を複数備えた組電池に関し、特に軽量化され且つ効率的に振動を抑制する構造を有する組電池に関する。
【0002】
【背景技術】
封止手段の外周部の端縁から導出する端子を有する薄型電池の使用態様や使用条件の多様化に対応するために、複数の薄型電池を接続して組電池を構成することにより高電圧、高容量化が図られている。また、薄型電池の使用態様等の多様化に起因して、組電池の外部から印加される振動が増加し、組電池を構成する薄型電池の端子導出部からの電解液の漏洩等による当該組電池の性能劣化等を招く可能性があり、薄型電池を固定して振動を抑制する必要がある。しかしながら、これらを要因として組電池の重量が増加する傾向にある。
【0003】
【発明の開示】
本発明は、軽量化され且つ効率的に振動を抑制する構造を有する組電池を提供することを目的とする。
【0004】
上記目的を達成するために、本発明によれば、2枚のシート状封止手段の外周縁部を接合して、内部に発電要素を封止すると共に、前記発電要素に接続された正極端子及び負極端子が前記封止された外周縁部から導出する1以上の薄型電池と、前記薄型電池の前記封止手段表面を押圧して固定する、弾性体及び押え部材を有する固定手段と、を備え、前記薄型電池を積層し、前記積層された薄型電池のうちの前記積層方向最外側に位置する薄型電池の前記封止手段表面に前記固定手段の押え部材を接触させ、前記弾性体により前記押え部材を押圧することにより、前記薄型電池を固定する組電池であって、前記固定手段の押え部材が、前記薄型電池との接触面において、前記薄型電池の重心位置から前記接触面の輪郭に向かって放射線状に伸びる形状を有する組電池が提供される(請求項1参照)。
【0005】
本発明では、複数の薄型電池を積層し、当該積層された薄型電池のうちの積層方向最外側に位置する薄型電池の封止手段表面を固定手段の押え部材で接触させ、弾性体により前記押え部材を押圧することにより薄型電池を固定する組電池において、固定手段の押え部材の形状を、当該押え部材と薄型電池との接触面において、薄型電池の封止手段表面の重心位置から当該接触面の輪郭に向かって放射状に伸びる形状とすることにより、組電池の軽量化を図ることが可能になると共に、効率的に振動を抑制することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0007】
実施形態
図1(A)は本発明の実施形態に係る薄型電池の全体を示す平面図、図1(B)は(A)のII−II線に沿う断面図である。図2(A)は本発明の実施形態に係る薄型電池及び固定装置の平面図であり、図2(B)は本発明の実施形態に係る他の固定装置を示す平面図であり、図2(C)は図2(A)及び図2(B)のIII−III線に沿う断面図である。図1は一つの薄型電池(単位電池)を示し、この薄型電池10を複数接続することにより所望の電圧、容量の組電池が構成される。
【0008】
まず図1を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る薄型電池10の全体構成について説明すると、本例の薄型電池10はリチウム系の薄型二次電池であり、2枚の正極板101と、5枚のセパレータ102と、2枚の負極板103と、正極端子104と、負極端子105と、上部電池外装部材106と、下部電池外装部材107と、特に図示しない電解質とから構成されている。このうちの正極板101,セパレータ102,負極板103および電解質を特に発電要素109と称する。
【0009】
なお、正極板101,セパレータ102,負極板103の枚数には何ら限定されず、1枚の正極板101,3枚のセパレータ102,1枚の負極板104でも発電要素109を構成することができ、必要に応じて正極板、負極板およびセパレータの枚数を選択して構成することができる。
【0010】
発電要素109を構成する正極板101は、金属酸化物などの正極活物質に、カーボンブラックなどの導電材と、ポリ四フッ化エンチレンの水性ディスパージョンなどの接着剤とを、重量比でたとえば100:3:10の割合で混合したものを、正極側集電体としてのアルミニウム箔などの金属箔の両面に塗着、乾燥させ、圧延したのち所定の大きさに切断したものである。なお、上記のポリ四フッ化エチレンの水性ディスパージョンの混合比率は、その固形分である。
【0011】
正極活物質としては、例えばニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)などのリチウム複合酸化物や、カルコゲン(S、Se、Te)化物を挙げることができる。これらの材質は薄型電池内部の発熱を比較的拡散し易く、端子への伝熱による端子の膨張による伸びを少なく出来、端子から電池外装部材へ伝達する引張り応力を極力抑制することが可能となる。
【0012】
発電要素109を構成する負極板103は、例えば非晶質炭素、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、または黒鉛などのように、正極活物質のリチウムイオンを吸蔵および放出する負極活物質に、有機物焼成体の前駆体材料としてのスチレンブタジエンゴム樹脂粉末の水性ディスパージョンをたとえば固形分比100:5で混合し、乾燥させたのち粉砕することで、炭素粒子表面に炭化したスチレンブタジエンゴムを担持させたものを主材料とし、これに、アクリル樹脂エマルジョンなどの結着剤をたとえば重量比100:5で混合し、この混合物を、負極側集電体としてのニッケル箔或いは銅箔などの金属箔の両面に塗着、乾燥させ、圧延したのち所定の大きさに切断したものである。
【0013】
特に負極活物質として非晶質炭素や難黒鉛化炭素を用いると、充放電時における電位の平坦特性に乏しく放電量にともなって出力電圧も低下するので、通信機器や事務機器の電源には不向きであるが、電気自動車等の電源として用いると急激な出力低下がないので有利である。
【0014】
また、発電要素109のセパレータ102は、上述した正極板101と負極板103との短絡を防止するもので、電解質を保持する機能を備えてもよい。セパレータ102は、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン等から構成される微多孔性膜であり、過電流が流れると、その発熱によって層の空孔が閉塞され電流を遮断する機能をも有する。
【0015】
なお、本発明のセパレータ102は、ポリオレフィンなどの単層膜にのみ限られず、ポリプロピレン膜をポリエチレン膜でサンドイッチした三層構造や、ポリオレフィン微多孔膜と有機不織布などを積層したものも用いることができる。セパレータ102を複層化することで、過電流の防止機能、電解質保持機能およびセパレータの形状維持(剛性向上)機能などの諸機能を付与することができる。また、セパレータ102の代わりにゲル電解質又は真性ポリマー電解質等を用いることもできる。
【0016】
以上の発電要素109は、上から正極板101と負極板103とが交互に、且つ当該正極板101と負極板103との間にセパレータ102が位置するような順序で積層され、さらに、その最上部及び最下部にセパレータ102が一枚ずつ積層されている。そして、2枚の正極板101のそれぞれは、正極側集電部104aを介して、金属箔製の正極端子104に接続される一方で、2枚の負極板103は、負極側集電部105aを介して、同じく金属箔製の負極端子105に接続されている。なお、正極端子104も負極端子105も電気化学的に安定した金属材料であれば特に限定されないが、正極端子104としてはアルミニウムやアルミニウム合金、銅又はニッケルなどを挙げることができ、負極端子105としてはニッケル、銅、ステンレス又は鉄などを挙げることができる。これらの金属は、金属の抵抗値、線膨張係数、抵抗率において薄型電池の構成要素として特に適当であり、使用温度を変えた場合にも、端子から電池外装部材へ伝達する引張り応力を極力抑制することが可能となる。また、本例の正極側集電部104aも負極側集電部105aの何れも、正極板104および負極板105の集電体を構成するアルミニウム箔やニッケル箔、銅箔、鉄箔を延長して構成されているが、別途の材料や部品により当該集電部104a,105aを構成することもできる。
【0017】
発電要素109は、上部電池外装部材106及び下部電池外装部材107(封止手段)により封止されている。本発明の第1実施形態における上部電池外装部材106は、特に図示しないが、薄型電池10の内側から外側に向かって、第1の樹脂層、金属層、第2の樹脂層の順で3つの層が積層される。この3つの層は、上部電池外装部材106の全面に渡って積層されており、第1の樹脂層は、例えばポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、アイオノマーなどの耐電解液性及び熱融着性に優れた樹脂フィルムである。第2の樹脂層は、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の電気絶縁性に優れた樹脂フィルムである。このように、電池外装部材の第1の樹脂層を、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、ポリエチレン、変性ポリエチレン、アイオノマーなどの樹脂で構成することにより、金属からなる正極端子又は負極端子と電池外装部材の第1の樹脂層との良好な融着性を確保することが可能となる。金属層106bは、例えば、アルミニウムなどの金属箔である。従って、上部電池外装部材106は、例えば、アルミニウムなどの金属箔の一方の面(薄型電池の内側面)をポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、アイオノマーなどの樹脂でラミネートし、他方の面(薄型電池の外側面)をポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等でラミネートした、樹脂−金属薄膜ラミネート材などの可撓性を有する材料で形成される。このように、電池外装部材が樹脂層に加えて金属層を具備することにより、電池外装部材の強度を向上させることが可能となる。
【0018】
下部電池外装部材107は、上部電池外装部材106と同様の構造のものが用いられ、特に図示しないが、薄型電池10の内側から外側に向かって、第1の樹脂層、金属層、第2の樹脂層の順で、3つの層が積層される。下部電池外装部材107の第1の樹脂層は、上部電池外装部材106の第1の樹脂層と同様に、例えばポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、アイオノマーなどの耐電解液性及び熱融着性に優れた樹脂フィルムである。下部電池外装部材107の金属層は、上部電池外装部材106の金属層と同様に、例えば、アルミニウムなどの金属箔である。下部電池外装部材107の第2の樹脂層は、上部電池外装部材106の第2の樹脂層と同様に、例えばポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の電気絶縁性に優れた樹脂フィルムである。
【0019】
さらに、図1に示すように、封止された電池外装106、107の一方の端部から、正極端子104が導出するが、正極端子104の厚さ分だけ上部電池外装106と下部電池外装107との接合部に隙間が生じるので、薄型電池10内の封止性を維持するために、当該正極端子104と電池外装106、107とが接触する部分に、ポリエチレンやポリプロピレン等から構成されたシールフィルムを熱融着などの方法により介在させることもできる。
【0020】
同様に、封止された電池外装106、107の他方の端部からは、負極端子105が導出するが、ここにも正極端子104側と同様に、当該負極端子105と電池外装106、107とが接触する部分にシールフィルムを介在させることもできる。なお、正極端子104および負極端子105の何れにおいても、シールフィルムは電池外装106,107を構成する樹脂と同系統の樹脂から構成することが熱融着性の点から望ましい。
【0021】
これらの電池外装部材106、107によって、上述した発電要素109、正極側集電部104a、正極端子104の一部、負極側集電部105aおよび負極端子105の一部を包み込み、当該電池外装部材106、107により形成される空間に、有機液体溶媒に過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム等のリチウム塩を溶質とした液体電解質を注入したのち、上部電池外装部材106及び下部電池外装部材107の外周縁の熱融着領域110を熱プレスにより熱融着し、封止する。
【0022】
このように封止された薄型電池10は、総厚1〜10[mm]を有することが好ましい。薄型電池の厚さを10[mm]以下とすることにより、当該薄型電池内部に熱がこもりにくくなり、電池外装部材の界面に応力を伝達する可能性が低くなると共に、電池の熱劣化の影響も減少する。また、薄型電池の厚さを1[mm]以上とすることにより、十分な容量を確保することが出来、経済的な効率を高くすることが可能となる。
【0023】
有機液体溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)などのエステル系溶媒を挙げることができるが、本発明の有機液体溶媒はこれにのみ限定されることなく、エステル系溶媒に、γ−ブチラクトン(γ−BL)、ジエトシキエタン(DEE)等のエーテル系溶媒その他を混合、調合した有機液体溶媒も用いることができる。
【0024】
本発明の実施形態に係る薄型電池10は、図2(A)及び図2(C)に示すような固定装置40により固定されて、後述する組電池20に組み込まれる。以下にこの固定装置40について説明する。
【0025】
図2(A)及び図2(C)に示すように、本発明の実施形態に係る固定装置40は、薄型電池10の上部表面を押圧する押え部材41と、当該押え部材41に所定の圧力を印加する固定用バネ42とから構成されている。
【0026】
固定装置40の押え部材41は、薄型電池10の上部表面の重心と接触する位置(以下、単に重心接触位置ともいう。)から当該薄型電池10の熱融着されていない領域111(以下、単に非融着領域111ともいう。)の輪郭における各頂点に接触する位置(以下、単に頂点接触位置ともいう。)に向かって実質的に一定の幅で伸びると共に、当該重心接触位置から非融着領域111の輪郭の各辺の中点に接触する位置(以下、単に中点接触位置ともいう。)に向かって実質的に一定の幅で伸びる、即ち、重心接触位置から図2(A)においてX軸に対して実質的に45×n1[°](n1は0〜7の整数である。)の8方向に放射線状に一定の幅で伸び、当該薄型電池10の非融着領域111の表面の全面に広がるような大きさの金属や樹脂等からなる平板状の部材である。
【0027】
当該押え部材41は、その下面を薄型電池10の非融着領域111の上面に接触し、当該押え部材41の重心接触位置に対向する上面の位置で固定用バネ42により鉛直下向きに圧力が印加されて薄型電池10が固定される。このように、押え部材の形状を、薄型電池の非融着領域の全面を覆う矩形の平板状とせずに、その重心接触位置から放射線状に一定の幅で伸びて広がる平板状とすることにより、薄型電池最大の振動が生じる薄型電池の上部表面の重心位置周囲における振動を効率的に抑制することが可能となると共に、固定装置の大幅な軽量化を図ることが可能となる。
【0028】
固定装置40の固定用バネ42は、押え部材41に対して鉛直下向きに所定の圧力を印加する手段である。図2(C)に示すように、当該固定用バネ42の一方の端部は、押え部材41の上面の重心接触位置の対向する位置に取り付けられている。また、当該固定用バネ42の他方の端部は、図2(C)において破線で示す、例えば組電池20の組電池用カバー25等の筐体に取り付けられており、当該固定用バネ42の弾性特性により、鉛直下方向に押え部材41を介して薄型電池10を筐体内部で固定する。なお、固定装置40の固定用バネ42の代わりに、例えば樹脂やゴム等の弾性体を使用することも可能である。また、当該固定用バネ42を複数個配置して、より強い圧力を印加したり、その配置により印加される圧力の均一化を図っても良い。
【0029】
このような固定装置を用いて薄型電池を組電池に固定することにより、高電流化、高容量化が要求される組電池全体の軽量化を達成することが可能となると共に効率的に振動を抑制することが可能となる。
【0030】
図2(B)は本発明の実施形態に係る他の固定装置の平面図であり、上述の図2(A)に示す固定装置40の押え部材41の重心接触位置から放射線状に伸びる部位の幅を広くし接触面積を増加させた押え部材41を有する固定装置40を示す。このように幅を広くして接触面積を増加した押え部材を用いることにより、振動の抑制効果を高めることが可能となる。なお、この固定装置の押え部材の放射線状に伸びる部位の幅は、固定装置に要求される振動抑制能力、重量等から適宜設定することが可能である。
【0031】
図3(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例1の平面図であり、図3(B)は変形例1における他の固定装置を示す平面図である。この変形例1における固定装置40は、形状が異なる押え部材41を具備している他は、上述の固定装置40と同様の構造である。
【0032】
図3(A)に示すように、変形例1における固定装置40の押え部材41の形状は、薄型電池10の重心接触位置から各頂点接触位置に向かって一定の幅で伸びる、即ち、同図において重心接触位置からX軸に対して実質的に45×n2[°](n2は1、3、5、7である。)の4方向に放射線状に一定の幅で伸び、当該薄型電池10の非融着領域111の全面に広がる平板状である。
【0033】
このような形状を採用することにより、薄型電池の一方の方向(同図において例えばX軸方向)の振動の腹の数をlとし、当該一方の方向に直交する他の方向(同図において例えばY軸方向)の振動の腹の数をmとした(l、m)と表される振動モードにおいて、(l、m)=(2、2)、(3、2)、(2、3)、(3、3)、(4、3)、(3、4)等となる場合に、特に効率良く振動を抑制することが可能となる。また、図3(B)に示すように、変形例1と同様の形状の押え部材41の放射線状に伸びる部位の幅を広げ、接触面積を増加することにより、振動の抑制効果を高めることが可能となる。
【0034】
図4(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例2の平面図であり、図4(B)は変形例2における他の固定装置を示す平面図である。この変形例2における固定装置40は、形状が異なる押え部材41を具備している他は、上述の固定装置40と同様の構造である。
【0035】
図4(A)に示すように、変形例2における固定装置40の押え部材41の形状は、薄型電池10の重心接触位置から各中点接触位置に向かって一定の幅で伸びる、即ち、同図において重心接触位置からX軸方向に対して実質的に45×n3[°](n3=0、2、4、6である。)の4方向に放射線状に一定の幅で伸び、当該薄型電池10の非融着領域111の全面に広がる平板状である。
【0036】
このような形状を採用することにより、薄型電池の一方の方向の腹の数lと他方の腹の数mの振動モード(l、m)において、(l、m)=(2、1)、(1、2)、(3、1)、(1、3)、(4、1)、(1、4)等となる場合に、特に効率良く振動を抑制することが可能となる。また、図4(B)に示すように、変形例2と同様の形状の押え部材41の放射線状に伸びる部位の幅を広げ、接触面積を増加させることにより、振動の抑制効果を高めることが可能となる。
【0037】
図5(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例3の平面図であり、図5(B)は変形例3における他の固定装置を示す平面図である。この変形例3における固定装置40は、形状が異なる押え部材41を具備している他は、上述の固定装置40と同様の構造である。
【0038】
図5(A)に示すように、変形例3における固定装置40の押え部材41の形状は、上述の変形例1の押え部材の形状にさらに重心接触位置から同図中のX軸正負方向に伸びる部位を追加した形状であり、薄型電池10の重心接触位置から各頂点接触位置及び対向する2辺(同図においてX軸正負方向に位置する短辺)の中点に接触する中点接触位置に向かって一定の幅で伸びる、即ち、同図において重心接触位置からX軸に対して実質的に45×n4[°](n4は0、1、3、4、5、7である。)の6方向に放射線状に一定の幅で伸び、当該薄型電池10の非融着領域111の全面に広がる平板状である。
【0039】
このような形状を採用することにより、薄型電池の一方の方向の腹の数lと他方の腹の数mとの振動モード(l、m)において、(l、m)=(2、2)、(3、2)、(2、3)、(3、3)、(4、3)、(3、4)等の場合だけでなく、(l、m)=(2、1)、(1、2)、(3、1)、(1、3)、(4、1)、(1、4)等の場合にも特に効率良く振動を抑制することが可能となる。また、図5(B)に示すように、変形例3と同様の形状の押え部材41の放射線状に伸びる部位の幅を広げて接触面積を増加させることにより、振動の抑制効果を高めることが可能となる。なお、当該押え部材41の形状を、同図中の薄型電池の非融着領域の輪郭のX軸正負方向に位置する短辺の代わりに、Y軸正負方向に位置する長辺に向かって伸びるような形状としても良い。
【0040】
図6(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例4の平面図であり、図6(B)は変形例4における他の固定装置を示す平面図である。この変形例4における固定装置40は、形状が異なる押え部材41を具備している他は、上述の固定装置40と同様の構造である。
【0041】
図6(A)に示すように、変形例4における固定装置40の押え部材41の形状は、上述の変形例2の押え部材の形状にさらに同図中の重心位置から非融着領域111の一方の対角線上で対向する2つの頂点(同図のX軸方向に対して重心位置から45°及び225°の方向にある非融着領域111の頂点)に接触する頂点接触位置に向かって伸びる部位を追加した、即ち、同図において重心接触位置からX軸に対して実質的に45°×n5[°](n5は0、1、2、4、5、6である。)の6方向に放射線状に一定の幅で伸び、当該薄型電池10の非融着領域111の全面に広がる平板状である。
【0042】
このような形状を採用することにより、薄型電池の一方の方向の腹の数lと他方の腹の数mとの振動モード(l、m)において、(l、m)=(2、1)、(1、2)、(3、1)、(1、3)、(4、1)、(1、4)等の場合だけでなく、(l、m)=(2、2)、(3、2)、(2、3)、(3、3)、(4、3)、(3、4)等の場合にも特に効率良く振動を抑制することが可能となる。また、図6(B)に示すように、変形例4と同様の形状の押え部材41の放射線状に伸びる部位の幅を広げて接触面積を増加させることにより、振動の抑制効果を高めることが可能となる。なお、当該押え部材41の形状を、同図中の薄型電池の重心接触位置から45°及び225°の方向にある非融着領域111の頂点の代わりに、当該重心位置から135°及び315°の方向にある非融着領域111の対向する2つの頂点に伸びるような形状としても良い。
【0043】
図7(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例5の平面図であり、図7(B)は変形例5における他の固定装置を示す平面図である。この変形例5における固定装置40の押え部材41は、形状が異なる押え部材41を具備している他は、上述の固定装置40と同様の構造である。
【0044】
図7(A)に示すように、変形例5における固定装置40の押え部材41の形状は、さらに非融着領域111の輪郭線上において、上述の図2(A)に示す押え部材の形状に、中点接触位置と一方の側の頂点接触位置とを連結した形状を有している。具体的には、図7(A)において、固定装置40の押え部材41の形状は、重心接触位置から各頂点接触位置に一定の幅で伸びると共に、当該重心接触位置から各中点接触位置に一定の幅で伸び、さらに、重心接触位置から同図においてX軸に対して0°に伸びる部位の端部と45°に伸びる部位の端部とを結び、当該重心位置から90°に伸びる部位の端部と135°に伸びる部位の端部とを結び、当該重心位置から180°に伸びる部位の端部と225°に伸びる部位の端部と、当該重心位置から270°に伸びる部位の端部と315°に伸びる部位の端部とをそれぞれ一定の幅で繋げた形状を有している。このような形状とすることにより、図2(A)に示す押え部材と同様に、振動モード(l、m)=(2、1)、(1、2)、(3、1)、(1、3)、(4、1)、(1、4)、(2、2)、(3、2)、(2、3)、(3、3)、(4、3)、(3、4)等となる場合に、特に効率良く振動を抑制することが可能となる。また、図7(B)に示すように、変形例5と同様の形状の押え部材41の放射線状に伸びる部位の幅を広げて接触面積を増加させることにより、振動の抑制効果を高めることが可能となる。なお、当該押え部材41の形状を、非融着領域111の輪郭線上の形状を同図中の薄型電池の重心接触位置から同図においてX軸に対して45°に伸びる部位の端部と90°に伸びる部位の端部とを結び、当該重心位置から135°に伸びる部位の端部と180°に伸びる部位の端部とを結び、当該重心接触位置から225°に伸びる部位の端部と270°に伸びる部位の端部と、当該重心接触位置から315°に伸びる部位の端部と0°に伸びる部位の端部とをそれぞれ一定の幅で繋げたような形状としても良い。
【0045】
以上のように、薄型電池の重心接触位置から放射線状に伸びる部位を押さえることにより、固定装置の軽量化を図るとともに効率的に振動を抑制することが可能になると共に、例えば薄型電池の共振周波数において薄型電池に生じる腹の数に合わせて、固定装置の押え部材の形状を対応させることにより、固定装置の軽量化を図ると共に、特に効率的に振動を抑制することが可能となる。
【0046】
なお、以上に説明したいずれの押え部材においても、当該押え部材の形状を一定の幅とせずに、例えば、重心接触位置から頂点接触位置や中点接触位置に向けて先細とした形状としても同様の効果を得ることが可能である。
【0047】
以下に、上述の薄型電池を複数組み合わせることにより構成される組電池、及び当該組電池を複数組み合わせることにより構成される複合組電池について説明する。
【0048】
図8は本発明の実施形態に係る複数の薄型電池により構成される組電池の斜視図、図9(A)は並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続した組電池の平面図、図9(B)は図9(A)のIV−IV線に沿う断面図である。また、図10は直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続した組電池の平面図である。図11は図8の組電池により構成される複合組電池の斜視図、図12(A)は図11の複合組電池の平面図、図12(B)は図11の複合組電池の正面図、図12(C)は図11の複合組電池の側面図、図13は本発明の実施形態に係る複合組電池を車両に搭載した模式図である。
【0049】
図8及び図9に示すように、本発明の実施形態に係る組電池20は、8個の薄型電池10と、各薄型電池10の端子104、105間を電気的に接続するバスバー21と、組電池用端子22、23と、組電池用カバー25とから構成されている。
【0050】
組電池20は、8個の薄型電池10から構成される4つの積層15を有しており、一の積層15は2個の薄型電池10を一つの単位として、一の薄型電池10の正極端子104と他の薄型電池10の負極端子105とが同一方向に導出するような方向で、当該一の薄型電池10の鉛直上向きの面と当該他の薄型電池10の鉛直下向きの面とを接触させて、当該一の薄型電池10と他の薄型電池10とを積層して構成される。
【0051】
これら4つの積層15は、一の積層15の上段の薄型電池10の正極端子104と、他の積層15の上段の薄型電池10の正極端子104が同一方向となるような方向で、当該一の積層15の側方に当該他の積層15が並置されて、組電池用カバー25内部の所定の位置に配置される。
【0052】
各積層15の上段に位置する薄型電池10の上部には、上述の押え部材41と固定用バネ42とを有する固定装置40がそれぞれ設けられており、各固定用バネ42の一方の端部は組電池用カバー25に取り付けられており、当該固定用バネ42の他方の端部は押え部材41の重心接触位置に対向する上部表面の位置に取り付けられている。そして、当該押え部材41の下部表面が、並置された積層15の上段の薄型電池10の非融着領域111の上部表面に接触して固定用バネ42が押圧することにより、各積層15を構成する2つの薄型電池10がそれぞれ組電池用カバー25内部に固定される。
【0053】
このように並置された4つの積層15の上段に位置する各薄型電池10の正極端子104同士が、バスバー21に溶着部24で溶着されて、電気的に接続される。同様に、各積層15の2段目に位置する薄型電池10の正極端子104同士がバスバー21により電気的に接続される。負極端子側においても同様に、4つの積層15の1段目及び2段目に位置する各薄型電池の負極端子105同士がバスバー21に溶着部24で溶着されて電気的に接続される。
【0054】
そして、4つの積層15の上段に位置する各薄型電池10の負極端子105同士を接続するバスバー21と、当該4つの積層15の下段に位置する各薄型電池の正極端子104同士を接続するバスバー21とが電気的に接続される。さらに、特に図示しないが、4つの積層15の上段の各薄型電池10の正極端子104を接続するバスバー21は、組電池用カバー25から導出する略円柱形状の組電池用正極端子22に接続され、同様に当該4つの積層15の下段の各薄型電池10の負極端子105を接続するバスバー21は組電池用カバー25から導出する略円柱形状の組電池用負極用端子23に接続される。このように8個の薄型電池が積層され接続されることにより、並列された4個の薄型電池10の組が2組直列接続された組電池20が構成される。
【0055】
また、図10は上述とは異なる接続構造により接続された8個の薄型電池10から構成される組電池20の平面図を示す。なお、当該組電池10は、接続構造とバスバー21の数が異なる他は、先述の組電池と同様の構造である。当該組電池20は、8個の薄型電池10からなる4つの積層15を有しており、一の積層15は2個の薄型電池10を一つの単位として、一の薄型電池10の正極端子104と、他の薄型電池10の正極端子104とが同一方向に導出するような方向で、当該一の薄型電池と他の薄型電池とを積層して構成される。
【0056】
これら4つの積層15a〜15dは、一の積層を構成する各薄型電池10の正極端子104と、当該一の積層に隣接する他の積層を構成する各薄型電池10の負極端子105とが同一方向となるような方向で、当該一の積層の側方に当該他の積層が並置されて、組電池用カバー25内部の所定の位置に配置される。そして、各積層15a〜15dの上段の薄型電池10の非融着領域111の上部表面が固定装置40の押え部材41により押圧されることにより、8個の薄型電池10が組電池用カバー25の内部に固定される。
【0057】
同図に示すように、第1の積層15aの上段に位置する薄型電池10の負極端子105と当該積層15aに隣接する第2の積層15bの上段に位置する薄型電池10の正極端子104とがバスバー21により電気的に接続される。同様に、第1の積層15aの2段目に位置する薄型電池10の負極端子105と第2の積層15bの2段目に位置する薄型電池10の正極端子104とがそれぞれバスバー21により電気的に接続される。また、第2の積層15bの各段の薄型電池10の負極端子105と第3の積層15cの同一段の薄型電池10の正極端子104とがバスバー21によりそれぞれ電気的に接続され、第3の積層15cの各段の薄型電池10の負極端子105と第4の積層15dの同一段の薄型電池10の正極端子104とがバスバー21により電気的に接続されている。そして、特に図示しないが、第1の積層15aの各段の薄型電池10の各正極端子104は、組電池用カバー25から導出する略円柱形状の組電池用正極端子22に接続される。同様に、特に図示しないが、第4の積層15dの各段の薄型電池10の各負極端子105は、組電池用カバー25から導出する略円柱形状の組電池用負極端子23に接続される。このように8個の薄型電池が積層され接続されることにより、直列接続された4個の薄型電池10の組が2組並列接続された組電池20が構成される。
【0058】
このような固定装置により複数の薄型電池を固定して組電池を構成することにより、組電池全体の軽量化を図ると共に効率的に振動を抑制することが可能となる。
【0059】
図11及び図12(A)〜(C)は、図8に示す組電池20を電気的に接続した6個の組電池20から構成される複合組電池30を示す。図11及び図12(A)〜(C)に示すように、複合組電池30は、組電池20の端子22、23がそれぞれ同一方向に向くように積層されている。すなわち、m段目に位置する組電池20の端子22、23と、m+1段目に位置する組電池20の端子22、23とが同一方向に向くように、m段目の組電池20の上にm+1段目の組電池20が積層される(m:自然数)。そして、同一方向を向いた全ての組電池20の組電池用正極端子22を、当該複合組電池30と外部とを接続する外部接続用正極端子31で電気的に接続する。同様に、同一方向を向いた全ての組電池20の組電池用負極端子23を、外部接続用負極端子32で電気的に接続する。同図に示すように、外部接続用正極端子31は、略矩形の平板形状であり、組電池用正極端子22を挿入或いは圧入可能な直径を有する複数の端子接続用孔が加工されている。当該端子接続用孔は、積層された組電池20の組電池用正極端子22間のピッチに等しいピッチで加工されており、外部接続用負極端子32にも同様に端子接続用孔が加工されている。
【0060】
さらに、組電池用端子22、23が複合組電池30の外部に露出しないように、接続された全ての組電池用端子22、23を覆うように、絶縁性の材料の絶縁カバー33が具備されている。なお、図11において当該絶縁カバー33は、説明の便宜上、透視図により描かれており、図12には図示しない。そして、上述のように積層された6個の組電池20は、その両側面部に平板状の連結部材34で連結され、さらに固定ネジ35により締結、固定される。
【0061】
以上のように、薄型電池により所定の数を単位とした組電池を構成し、さらに当該組電池を単位として、所定の数の組電池を組み合わせて複合組電池を構成することにより、要求される容量、電圧等に適当な複合組電池を容易に得ることが可能となる。また、複雑な接続を伴うことなく複合組電池を構成するので、接続不良による、複合組電池の故障率を低減することが可能となる。さらに、複合組電池を構成する一つの薄型電池が故障或いは劣化し、当該薄型電池の交換を必要とする場合、当該薄型電池を有する組電池を容易に交換することも可能となる。
【0062】
図13は、車両1のフロア下に上述の複合組電池30を車載した例を示す模式図である。車両1の移動に伴って、車内には多くの振動が発生する。同図に示すように、上述の複合組電池30を車載することにより、当該振動により薄型電池の端子と電池外装部材との間に界面剥離が発生する可能性が著しく減少し、車両で電池を有効に活用することが可能となる。
【0063】
なお、組電池を構成する薄型電池の数、複合組電池を構成する組電池の数、組電池を構成する薄型電池の接続方式、及び複合組電池を構成する組電池の接続方式は、上述の数及び接続方式に限定されるものではなく、要求される電気容量、電圧等から適宜その数及び接続方式(直列接続、並列接続、直列並列複合接続)を設定することが出来る。
【0064】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0065】
【実施例】
以下、本発明をさらに具体化した実施例及び比較例により本発明の効果を確認した。以下の実施例は、上述した実施形態で用いた薄型電池の効果を確認するためのものである。
【0066】
実施例1
実施例1の薄型電池は、正極端子にアルミニウム(Al)箔、負極端子にニッケル(Ni)箔、正極活性物質にマンガン酸リチウム(LiMnO2)、負極活性物質に非結晶性炭素材、電解液にプロピレンカーボネート(PC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)の混合液を用いた。また、第1の樹脂層にポリエチレン(PE)樹脂フィルム、金属層にアルミニウム(Al)箔、第2の樹脂層にナイロン樹脂フィルムを積層した高分子金属複合フィルムを上部電池外装部材及び下部電池外装部材として用いて縦140mm×横80mm×厚さ4mmの薄型電池を作製した。そして、実施例1の組電池として、8個の各薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図2(A)に示す幅狭で8方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、縦250mm×横400mm×高さ20mmの組電池を作製した。実施例1〜12及び比較例1〜3において作製した組電池の条件を表1に示す。
【表1】
この組電池内部の薄型電池の略中央部に加速度ピックアップを設定し、インパルスハンマーにより組電池用カバーの一部をハンマリングしたときの加速度ピックアップの振動スペクトルを測定した。設定方法は、JIS・B0908(振動及び衝撃ピックアップの構成方法・基本概念)に準拠した。この測定により得られた測定スペクトルをFFT分析器により解析し、次元変換により得られた周波数に関して平均化とスムージングを行って、振動伝達率スペクトルを抽出した。また、後述する比較例1の組電池のサンプルを基準として、実施例の組電池の10〜800Hzのオーバーオール平均値が、当該基準サンプルのオーバーオール平均値に対して−5dB以下のものを「◎」、−5〜±0dBのものを「○」、±0dB以上のものを「×」として、振動の抑制特性について検証した。
【0067】
この結果、図14において実線で示すように、比較例1と比べて10〜800Hzのほぼ全体において振動が低減された振動スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
【0068】
実施例2
実施例2の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図2(B)に示す幅広で8方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図14において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて10〜800Hzのほぼ全体において振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
【0069】
実施例3
実施例3の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図3(A)に示す幅狭で対角方向の4方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図15において実線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体において振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すような耐振性能が確認された。
【0070】
実施例4
実施例4の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図3(B)に示す幅広で対角方向の4方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図15において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体において振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
【0071】
実施例5
実施例5の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図4(A)に示す幅狭で各辺の中点方向の4方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図16において実線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体において振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すような耐振性能が確認された。
【0072】
実施例6
実施例6の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図4(B)に示す幅広で各辺の中点方向の4方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図16において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体において振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
【0073】
実施例7
実施例7の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図5(A)に示す幅狭で6方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図17において実線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体に渡って振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すような耐振性能が確認された。
【0074】
実施例8
実施例8の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図5(B)に示す幅広で6方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図17において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体に渡って振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
【0075】
実施例9
実施例9の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図6(A)に示す幅狭で6方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図18において実線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体に渡って振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すような耐振性能が確認された。
【0076】
実施例10
実施例10の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図6(B)に示す幅広で6方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図18において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体に渡って振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
【0077】
実施例11
実施例11の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図7(A)に示す幅狭で6方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図19において実線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体に渡って振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すような耐振性能が確認された。
【0078】
実施例12
実施例12の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図7(B)に示す幅広で6方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図19において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体に渡って振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
比較例1
比較例1の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図21(A)に示すような薄型電池の非融着領域の上部全面を覆うような形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。
【0079】
比較例2
比較例2の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図21(B)に示すような薄型電池の非融着領域の上部表面の輪郭に沿って相対的に幅狭の略ロの字形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図20において実線で示すように、比較例1と比べて0〜約700Hzにおいて振動が増加する振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように比較例1に劣る耐振性能しか得られなかった。
【0080】
比較例3
比較例3の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図21(C)に示すような薄型電池の非融着領域の上部表面の輪郭に沿って相対的に幅広の略ロの字形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図20において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて0〜約700Hzにおいて振動が増加する振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように比較例1に劣る耐振性能しか得られなかった。
【0081】
考察
実施例1〜12の組電池の固定装置は、比較例1の組電池の固定装置に対して軽量化が図られた上に、図14〜19及び表1から明らかなように、0〜800Hzにおいてほぼ全体的に振動が低減され、良好な耐振性能が確認された。また、図20に示す比較例1〜3の振動伝達率スペクトルの比較により、固定装置の押さえ部材で薄型電池の重心位置を押圧することにより、特に効率的に振動を抑制可能であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の実施形態に係る薄型電池の全体を示す平面図、図1(B)は(A)のII−II線に沿う断面図である。
【図2】図2(A)は本発明の実施形態に係る薄型電池及び固定装置の平面図であり、図2(B)は本発明の実施形態に係る他の固定装置を示す平面図であり、図2(C)は図2(A)及び図2(B)のIII−III線に沿う断面図である。
【図3】図3(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例1の平面図であり、図3(B)は変形例1における他の固定装置を示す平面図である。
【図4】図4(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例2の平面図であり、図4(B)は変形例2における他の固定装置を示す平面図である。
【図5】図5(A)は本発明の実施形態に係る変形例3の固定装置の平面図であり、図5(B)は変形例3における他の固定装置を示す平面図である。
【図6】図6(A)は本発明の実施形態に係る変形例4の固定装置の平面図であり、図6(B)は変形例4における他の固定装置を示す平面図である。
【図7】図7(A)は本発明の実施形態に係る変形例5の固定装置の平面図であり、図7(B)は変形例5における他の固定装置を示す平面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る複数の薄型電池により構成される組電池の斜視図である。
【図9】図9(A)は並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続した組電池の平面図、図9(B)は図9(A)のIV−IV線に沿う断面図である。
【図10】図10は直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続した組電池の平面図である。
【図11】図8の組電池により構成される複合組電池の斜視図である。
【図12】図12(A)は図11の複合組電池の平面図、図12(B)は図11の複合組電池の正面図、図12(C)は図11の複合組電池の側面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る複合組電池を車両に搭載した模式図である。
【図14】実施例1、実施例2及び比較例1の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図15】実施例3、実施例4及び比較例1の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図16】実施例5、実施例6及び比較例1の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図17】実施例7、実施例8及び比較例1の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図18】実施例9、実施例10及び比較例1の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図19】実施例11、実施例12及び比較例1の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図20】比較例1、比較例2及び比較例3の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図21】図21(A)は比較例1における固定装置の平面図、図21(B)は比較例2における固定装置の平面図、図21(C)は比較例3における固定装置の平面図である。
【符号の説明】
1…車両
10…薄型電池
101…正極板
102…セパレータ
103…負極板
104…正極端子
105…負極端子
106…上部電池外装部材
107…下部電池外装部材
109…発電要素
110…熱融着領域
111…非融着領域
15…積層
20…組電池
21…バスバー
22…組電池用正極端子
23…組電池用負極端子
24…融着部
25…組電池用カバー
30…複合組電池
31、32…外部接続用端子
33…絶縁カバー
34…連結部材
35…固定ネジ
40…固定装置
41…押え部材
42…固定用バネ
【技術分野】
本発明は、封止手段の外周部の端縁から導出する端子を有する薄型電池を複数備えた組電池に関し、特に軽量化され且つ効率的に振動を抑制する構造を有する組電池に関する。
【0002】
【背景技術】
封止手段の外周部の端縁から導出する端子を有する薄型電池の使用態様や使用条件の多様化に対応するために、複数の薄型電池を接続して組電池を構成することにより高電圧、高容量化が図られている。また、薄型電池の使用態様等の多様化に起因して、組電池の外部から印加される振動が増加し、組電池を構成する薄型電池の端子導出部からの電解液の漏洩等による当該組電池の性能劣化等を招く可能性があり、薄型電池を固定して振動を抑制する必要がある。しかしながら、これらを要因として組電池の重量が増加する傾向にある。
【0003】
【発明の開示】
本発明は、軽量化され且つ効率的に振動を抑制する構造を有する組電池を提供することを目的とする。
【0004】
上記目的を達成するために、本発明によれば、2枚のシート状封止手段の外周縁部を接合して、内部に発電要素を封止すると共に、前記発電要素に接続された正極端子及び負極端子が前記封止された外周縁部から導出する1以上の薄型電池と、前記薄型電池の前記封止手段表面を押圧して固定する、弾性体及び押え部材を有する固定手段と、を備え、前記薄型電池を積層し、前記積層された薄型電池のうちの前記積層方向最外側に位置する薄型電池の前記封止手段表面に前記固定手段の押え部材を接触させ、前記弾性体により前記押え部材を押圧することにより、前記薄型電池を固定する組電池であって、前記固定手段の押え部材が、前記薄型電池との接触面において、前記薄型電池の重心位置から前記接触面の輪郭に向かって放射線状に伸びる形状を有する組電池が提供される(請求項1参照)。
【0005】
本発明では、複数の薄型電池を積層し、当該積層された薄型電池のうちの積層方向最外側に位置する薄型電池の封止手段表面を固定手段の押え部材で接触させ、弾性体により前記押え部材を押圧することにより薄型電池を固定する組電池において、固定手段の押え部材の形状を、当該押え部材と薄型電池との接触面において、薄型電池の封止手段表面の重心位置から当該接触面の輪郭に向かって放射状に伸びる形状とすることにより、組電池の軽量化を図ることが可能になると共に、効率的に振動を抑制することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0007】
実施形態
図1(A)は本発明の実施形態に係る薄型電池の全体を示す平面図、図1(B)は(A)のII−II線に沿う断面図である。図2(A)は本発明の実施形態に係る薄型電池及び固定装置の平面図であり、図2(B)は本発明の実施形態に係る他の固定装置を示す平面図であり、図2(C)は図2(A)及び図2(B)のIII−III線に沿う断面図である。図1は一つの薄型電池(単位電池)を示し、この薄型電池10を複数接続することにより所望の電圧、容量の組電池が構成される。
【0008】
まず図1を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る薄型電池10の全体構成について説明すると、本例の薄型電池10はリチウム系の薄型二次電池であり、2枚の正極板101と、5枚のセパレータ102と、2枚の負極板103と、正極端子104と、負極端子105と、上部電池外装部材106と、下部電池外装部材107と、特に図示しない電解質とから構成されている。このうちの正極板101,セパレータ102,負極板103および電解質を特に発電要素109と称する。
【0009】
なお、正極板101,セパレータ102,負極板103の枚数には何ら限定されず、1枚の正極板101,3枚のセパレータ102,1枚の負極板104でも発電要素109を構成することができ、必要に応じて正極板、負極板およびセパレータの枚数を選択して構成することができる。
【0010】
発電要素109を構成する正極板101は、金属酸化物などの正極活物質に、カーボンブラックなどの導電材と、ポリ四フッ化エンチレンの水性ディスパージョンなどの接着剤とを、重量比でたとえば100:3:10の割合で混合したものを、正極側集電体としてのアルミニウム箔などの金属箔の両面に塗着、乾燥させ、圧延したのち所定の大きさに切断したものである。なお、上記のポリ四フッ化エチレンの水性ディスパージョンの混合比率は、その固形分である。
【0011】
正極活物質としては、例えばニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)などのリチウム複合酸化物や、カルコゲン(S、Se、Te)化物を挙げることができる。これらの材質は薄型電池内部の発熱を比較的拡散し易く、端子への伝熱による端子の膨張による伸びを少なく出来、端子から電池外装部材へ伝達する引張り応力を極力抑制することが可能となる。
【0012】
発電要素109を構成する負極板103は、例えば非晶質炭素、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、または黒鉛などのように、正極活物質のリチウムイオンを吸蔵および放出する負極活物質に、有機物焼成体の前駆体材料としてのスチレンブタジエンゴム樹脂粉末の水性ディスパージョンをたとえば固形分比100:5で混合し、乾燥させたのち粉砕することで、炭素粒子表面に炭化したスチレンブタジエンゴムを担持させたものを主材料とし、これに、アクリル樹脂エマルジョンなどの結着剤をたとえば重量比100:5で混合し、この混合物を、負極側集電体としてのニッケル箔或いは銅箔などの金属箔の両面に塗着、乾燥させ、圧延したのち所定の大きさに切断したものである。
【0013】
特に負極活物質として非晶質炭素や難黒鉛化炭素を用いると、充放電時における電位の平坦特性に乏しく放電量にともなって出力電圧も低下するので、通信機器や事務機器の電源には不向きであるが、電気自動車等の電源として用いると急激な出力低下がないので有利である。
【0014】
また、発電要素109のセパレータ102は、上述した正極板101と負極板103との短絡を防止するもので、電解質を保持する機能を備えてもよい。セパレータ102は、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン等から構成される微多孔性膜であり、過電流が流れると、その発熱によって層の空孔が閉塞され電流を遮断する機能をも有する。
【0015】
なお、本発明のセパレータ102は、ポリオレフィンなどの単層膜にのみ限られず、ポリプロピレン膜をポリエチレン膜でサンドイッチした三層構造や、ポリオレフィン微多孔膜と有機不織布などを積層したものも用いることができる。セパレータ102を複層化することで、過電流の防止機能、電解質保持機能およびセパレータの形状維持(剛性向上)機能などの諸機能を付与することができる。また、セパレータ102の代わりにゲル電解質又は真性ポリマー電解質等を用いることもできる。
【0016】
以上の発電要素109は、上から正極板101と負極板103とが交互に、且つ当該正極板101と負極板103との間にセパレータ102が位置するような順序で積層され、さらに、その最上部及び最下部にセパレータ102が一枚ずつ積層されている。そして、2枚の正極板101のそれぞれは、正極側集電部104aを介して、金属箔製の正極端子104に接続される一方で、2枚の負極板103は、負極側集電部105aを介して、同じく金属箔製の負極端子105に接続されている。なお、正極端子104も負極端子105も電気化学的に安定した金属材料であれば特に限定されないが、正極端子104としてはアルミニウムやアルミニウム合金、銅又はニッケルなどを挙げることができ、負極端子105としてはニッケル、銅、ステンレス又は鉄などを挙げることができる。これらの金属は、金属の抵抗値、線膨張係数、抵抗率において薄型電池の構成要素として特に適当であり、使用温度を変えた場合にも、端子から電池外装部材へ伝達する引張り応力を極力抑制することが可能となる。また、本例の正極側集電部104aも負極側集電部105aの何れも、正極板104および負極板105の集電体を構成するアルミニウム箔やニッケル箔、銅箔、鉄箔を延長して構成されているが、別途の材料や部品により当該集電部104a,105aを構成することもできる。
【0017】
発電要素109は、上部電池外装部材106及び下部電池外装部材107(封止手段)により封止されている。本発明の第1実施形態における上部電池外装部材106は、特に図示しないが、薄型電池10の内側から外側に向かって、第1の樹脂層、金属層、第2の樹脂層の順で3つの層が積層される。この3つの層は、上部電池外装部材106の全面に渡って積層されており、第1の樹脂層は、例えばポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、アイオノマーなどの耐電解液性及び熱融着性に優れた樹脂フィルムである。第2の樹脂層は、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の電気絶縁性に優れた樹脂フィルムである。このように、電池外装部材の第1の樹脂層を、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、ポリエチレン、変性ポリエチレン、アイオノマーなどの樹脂で構成することにより、金属からなる正極端子又は負極端子と電池外装部材の第1の樹脂層との良好な融着性を確保することが可能となる。金属層106bは、例えば、アルミニウムなどの金属箔である。従って、上部電池外装部材106は、例えば、アルミニウムなどの金属箔の一方の面(薄型電池の内側面)をポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、アイオノマーなどの樹脂でラミネートし、他方の面(薄型電池の外側面)をポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等でラミネートした、樹脂−金属薄膜ラミネート材などの可撓性を有する材料で形成される。このように、電池外装部材が樹脂層に加えて金属層を具備することにより、電池外装部材の強度を向上させることが可能となる。
【0018】
下部電池外装部材107は、上部電池外装部材106と同様の構造のものが用いられ、特に図示しないが、薄型電池10の内側から外側に向かって、第1の樹脂層、金属層、第2の樹脂層の順で、3つの層が積層される。下部電池外装部材107の第1の樹脂層は、上部電池外装部材106の第1の樹脂層と同様に、例えばポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、アイオノマーなどの耐電解液性及び熱融着性に優れた樹脂フィルムである。下部電池外装部材107の金属層は、上部電池外装部材106の金属層と同様に、例えば、アルミニウムなどの金属箔である。下部電池外装部材107の第2の樹脂層は、上部電池外装部材106の第2の樹脂層と同様に、例えばポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の電気絶縁性に優れた樹脂フィルムである。
【0019】
さらに、図1に示すように、封止された電池外装106、107の一方の端部から、正極端子104が導出するが、正極端子104の厚さ分だけ上部電池外装106と下部電池外装107との接合部に隙間が生じるので、薄型電池10内の封止性を維持するために、当該正極端子104と電池外装106、107とが接触する部分に、ポリエチレンやポリプロピレン等から構成されたシールフィルムを熱融着などの方法により介在させることもできる。
【0020】
同様に、封止された電池外装106、107の他方の端部からは、負極端子105が導出するが、ここにも正極端子104側と同様に、当該負極端子105と電池外装106、107とが接触する部分にシールフィルムを介在させることもできる。なお、正極端子104および負極端子105の何れにおいても、シールフィルムは電池外装106,107を構成する樹脂と同系統の樹脂から構成することが熱融着性の点から望ましい。
【0021】
これらの電池外装部材106、107によって、上述した発電要素109、正極側集電部104a、正極端子104の一部、負極側集電部105aおよび負極端子105の一部を包み込み、当該電池外装部材106、107により形成される空間に、有機液体溶媒に過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム等のリチウム塩を溶質とした液体電解質を注入したのち、上部電池外装部材106及び下部電池外装部材107の外周縁の熱融着領域110を熱プレスにより熱融着し、封止する。
【0022】
このように封止された薄型電池10は、総厚1〜10[mm]を有することが好ましい。薄型電池の厚さを10[mm]以下とすることにより、当該薄型電池内部に熱がこもりにくくなり、電池外装部材の界面に応力を伝達する可能性が低くなると共に、電池の熱劣化の影響も減少する。また、薄型電池の厚さを1[mm]以上とすることにより、十分な容量を確保することが出来、経済的な効率を高くすることが可能となる。
【0023】
有機液体溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)などのエステル系溶媒を挙げることができるが、本発明の有機液体溶媒はこれにのみ限定されることなく、エステル系溶媒に、γ−ブチラクトン(γ−BL)、ジエトシキエタン(DEE)等のエーテル系溶媒その他を混合、調合した有機液体溶媒も用いることができる。
【0024】
本発明の実施形態に係る薄型電池10は、図2(A)及び図2(C)に示すような固定装置40により固定されて、後述する組電池20に組み込まれる。以下にこの固定装置40について説明する。
【0025】
図2(A)及び図2(C)に示すように、本発明の実施形態に係る固定装置40は、薄型電池10の上部表面を押圧する押え部材41と、当該押え部材41に所定の圧力を印加する固定用バネ42とから構成されている。
【0026】
固定装置40の押え部材41は、薄型電池10の上部表面の重心と接触する位置(以下、単に重心接触位置ともいう。)から当該薄型電池10の熱融着されていない領域111(以下、単に非融着領域111ともいう。)の輪郭における各頂点に接触する位置(以下、単に頂点接触位置ともいう。)に向かって実質的に一定の幅で伸びると共に、当該重心接触位置から非融着領域111の輪郭の各辺の中点に接触する位置(以下、単に中点接触位置ともいう。)に向かって実質的に一定の幅で伸びる、即ち、重心接触位置から図2(A)においてX軸に対して実質的に45×n1[°](n1は0〜7の整数である。)の8方向に放射線状に一定の幅で伸び、当該薄型電池10の非融着領域111の表面の全面に広がるような大きさの金属や樹脂等からなる平板状の部材である。
【0027】
当該押え部材41は、その下面を薄型電池10の非融着領域111の上面に接触し、当該押え部材41の重心接触位置に対向する上面の位置で固定用バネ42により鉛直下向きに圧力が印加されて薄型電池10が固定される。このように、押え部材の形状を、薄型電池の非融着領域の全面を覆う矩形の平板状とせずに、その重心接触位置から放射線状に一定の幅で伸びて広がる平板状とすることにより、薄型電池最大の振動が生じる薄型電池の上部表面の重心位置周囲における振動を効率的に抑制することが可能となると共に、固定装置の大幅な軽量化を図ることが可能となる。
【0028】
固定装置40の固定用バネ42は、押え部材41に対して鉛直下向きに所定の圧力を印加する手段である。図2(C)に示すように、当該固定用バネ42の一方の端部は、押え部材41の上面の重心接触位置の対向する位置に取り付けられている。また、当該固定用バネ42の他方の端部は、図2(C)において破線で示す、例えば組電池20の組電池用カバー25等の筐体に取り付けられており、当該固定用バネ42の弾性特性により、鉛直下方向に押え部材41を介して薄型電池10を筐体内部で固定する。なお、固定装置40の固定用バネ42の代わりに、例えば樹脂やゴム等の弾性体を使用することも可能である。また、当該固定用バネ42を複数個配置して、より強い圧力を印加したり、その配置により印加される圧力の均一化を図っても良い。
【0029】
このような固定装置を用いて薄型電池を組電池に固定することにより、高電流化、高容量化が要求される組電池全体の軽量化を達成することが可能となると共に効率的に振動を抑制することが可能となる。
【0030】
図2(B)は本発明の実施形態に係る他の固定装置の平面図であり、上述の図2(A)に示す固定装置40の押え部材41の重心接触位置から放射線状に伸びる部位の幅を広くし接触面積を増加させた押え部材41を有する固定装置40を示す。このように幅を広くして接触面積を増加した押え部材を用いることにより、振動の抑制効果を高めることが可能となる。なお、この固定装置の押え部材の放射線状に伸びる部位の幅は、固定装置に要求される振動抑制能力、重量等から適宜設定することが可能である。
【0031】
図3(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例1の平面図であり、図3(B)は変形例1における他の固定装置を示す平面図である。この変形例1における固定装置40は、形状が異なる押え部材41を具備している他は、上述の固定装置40と同様の構造である。
【0032】
図3(A)に示すように、変形例1における固定装置40の押え部材41の形状は、薄型電池10の重心接触位置から各頂点接触位置に向かって一定の幅で伸びる、即ち、同図において重心接触位置からX軸に対して実質的に45×n2[°](n2は1、3、5、7である。)の4方向に放射線状に一定の幅で伸び、当該薄型電池10の非融着領域111の全面に広がる平板状である。
【0033】
このような形状を採用することにより、薄型電池の一方の方向(同図において例えばX軸方向)の振動の腹の数をlとし、当該一方の方向に直交する他の方向(同図において例えばY軸方向)の振動の腹の数をmとした(l、m)と表される振動モードにおいて、(l、m)=(2、2)、(3、2)、(2、3)、(3、3)、(4、3)、(3、4)等となる場合に、特に効率良く振動を抑制することが可能となる。また、図3(B)に示すように、変形例1と同様の形状の押え部材41の放射線状に伸びる部位の幅を広げ、接触面積を増加することにより、振動の抑制効果を高めることが可能となる。
【0034】
図4(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例2の平面図であり、図4(B)は変形例2における他の固定装置を示す平面図である。この変形例2における固定装置40は、形状が異なる押え部材41を具備している他は、上述の固定装置40と同様の構造である。
【0035】
図4(A)に示すように、変形例2における固定装置40の押え部材41の形状は、薄型電池10の重心接触位置から各中点接触位置に向かって一定の幅で伸びる、即ち、同図において重心接触位置からX軸方向に対して実質的に45×n3[°](n3=0、2、4、6である。)の4方向に放射線状に一定の幅で伸び、当該薄型電池10の非融着領域111の全面に広がる平板状である。
【0036】
このような形状を採用することにより、薄型電池の一方の方向の腹の数lと他方の腹の数mの振動モード(l、m)において、(l、m)=(2、1)、(1、2)、(3、1)、(1、3)、(4、1)、(1、4)等となる場合に、特に効率良く振動を抑制することが可能となる。また、図4(B)に示すように、変形例2と同様の形状の押え部材41の放射線状に伸びる部位の幅を広げ、接触面積を増加させることにより、振動の抑制効果を高めることが可能となる。
【0037】
図5(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例3の平面図であり、図5(B)は変形例3における他の固定装置を示す平面図である。この変形例3における固定装置40は、形状が異なる押え部材41を具備している他は、上述の固定装置40と同様の構造である。
【0038】
図5(A)に示すように、変形例3における固定装置40の押え部材41の形状は、上述の変形例1の押え部材の形状にさらに重心接触位置から同図中のX軸正負方向に伸びる部位を追加した形状であり、薄型電池10の重心接触位置から各頂点接触位置及び対向する2辺(同図においてX軸正負方向に位置する短辺)の中点に接触する中点接触位置に向かって一定の幅で伸びる、即ち、同図において重心接触位置からX軸に対して実質的に45×n4[°](n4は0、1、3、4、5、7である。)の6方向に放射線状に一定の幅で伸び、当該薄型電池10の非融着領域111の全面に広がる平板状である。
【0039】
このような形状を採用することにより、薄型電池の一方の方向の腹の数lと他方の腹の数mとの振動モード(l、m)において、(l、m)=(2、2)、(3、2)、(2、3)、(3、3)、(4、3)、(3、4)等の場合だけでなく、(l、m)=(2、1)、(1、2)、(3、1)、(1、3)、(4、1)、(1、4)等の場合にも特に効率良く振動を抑制することが可能となる。また、図5(B)に示すように、変形例3と同様の形状の押え部材41の放射線状に伸びる部位の幅を広げて接触面積を増加させることにより、振動の抑制効果を高めることが可能となる。なお、当該押え部材41の形状を、同図中の薄型電池の非融着領域の輪郭のX軸正負方向に位置する短辺の代わりに、Y軸正負方向に位置する長辺に向かって伸びるような形状としても良い。
【0040】
図6(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例4の平面図であり、図6(B)は変形例4における他の固定装置を示す平面図である。この変形例4における固定装置40は、形状が異なる押え部材41を具備している他は、上述の固定装置40と同様の構造である。
【0041】
図6(A)に示すように、変形例4における固定装置40の押え部材41の形状は、上述の変形例2の押え部材の形状にさらに同図中の重心位置から非融着領域111の一方の対角線上で対向する2つの頂点(同図のX軸方向に対して重心位置から45°及び225°の方向にある非融着領域111の頂点)に接触する頂点接触位置に向かって伸びる部位を追加した、即ち、同図において重心接触位置からX軸に対して実質的に45°×n5[°](n5は0、1、2、4、5、6である。)の6方向に放射線状に一定の幅で伸び、当該薄型電池10の非融着領域111の全面に広がる平板状である。
【0042】
このような形状を採用することにより、薄型電池の一方の方向の腹の数lと他方の腹の数mとの振動モード(l、m)において、(l、m)=(2、1)、(1、2)、(3、1)、(1、3)、(4、1)、(1、4)等の場合だけでなく、(l、m)=(2、2)、(3、2)、(2、3)、(3、3)、(4、3)、(3、4)等の場合にも特に効率良く振動を抑制することが可能となる。また、図6(B)に示すように、変形例4と同様の形状の押え部材41の放射線状に伸びる部位の幅を広げて接触面積を増加させることにより、振動の抑制効果を高めることが可能となる。なお、当該押え部材41の形状を、同図中の薄型電池の重心接触位置から45°及び225°の方向にある非融着領域111の頂点の代わりに、当該重心位置から135°及び315°の方向にある非融着領域111の対向する2つの頂点に伸びるような形状としても良い。
【0043】
図7(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例5の平面図であり、図7(B)は変形例5における他の固定装置を示す平面図である。この変形例5における固定装置40の押え部材41は、形状が異なる押え部材41を具備している他は、上述の固定装置40と同様の構造である。
【0044】
図7(A)に示すように、変形例5における固定装置40の押え部材41の形状は、さらに非融着領域111の輪郭線上において、上述の図2(A)に示す押え部材の形状に、中点接触位置と一方の側の頂点接触位置とを連結した形状を有している。具体的には、図7(A)において、固定装置40の押え部材41の形状は、重心接触位置から各頂点接触位置に一定の幅で伸びると共に、当該重心接触位置から各中点接触位置に一定の幅で伸び、さらに、重心接触位置から同図においてX軸に対して0°に伸びる部位の端部と45°に伸びる部位の端部とを結び、当該重心位置から90°に伸びる部位の端部と135°に伸びる部位の端部とを結び、当該重心位置から180°に伸びる部位の端部と225°に伸びる部位の端部と、当該重心位置から270°に伸びる部位の端部と315°に伸びる部位の端部とをそれぞれ一定の幅で繋げた形状を有している。このような形状とすることにより、図2(A)に示す押え部材と同様に、振動モード(l、m)=(2、1)、(1、2)、(3、1)、(1、3)、(4、1)、(1、4)、(2、2)、(3、2)、(2、3)、(3、3)、(4、3)、(3、4)等となる場合に、特に効率良く振動を抑制することが可能となる。また、図7(B)に示すように、変形例5と同様の形状の押え部材41の放射線状に伸びる部位の幅を広げて接触面積を増加させることにより、振動の抑制効果を高めることが可能となる。なお、当該押え部材41の形状を、非融着領域111の輪郭線上の形状を同図中の薄型電池の重心接触位置から同図においてX軸に対して45°に伸びる部位の端部と90°に伸びる部位の端部とを結び、当該重心位置から135°に伸びる部位の端部と180°に伸びる部位の端部とを結び、当該重心接触位置から225°に伸びる部位の端部と270°に伸びる部位の端部と、当該重心接触位置から315°に伸びる部位の端部と0°に伸びる部位の端部とをそれぞれ一定の幅で繋げたような形状としても良い。
【0045】
以上のように、薄型電池の重心接触位置から放射線状に伸びる部位を押さえることにより、固定装置の軽量化を図るとともに効率的に振動を抑制することが可能になると共に、例えば薄型電池の共振周波数において薄型電池に生じる腹の数に合わせて、固定装置の押え部材の形状を対応させることにより、固定装置の軽量化を図ると共に、特に効率的に振動を抑制することが可能となる。
【0046】
なお、以上に説明したいずれの押え部材においても、当該押え部材の形状を一定の幅とせずに、例えば、重心接触位置から頂点接触位置や中点接触位置に向けて先細とした形状としても同様の効果を得ることが可能である。
【0047】
以下に、上述の薄型電池を複数組み合わせることにより構成される組電池、及び当該組電池を複数組み合わせることにより構成される複合組電池について説明する。
【0048】
図8は本発明の実施形態に係る複数の薄型電池により構成される組電池の斜視図、図9(A)は並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続した組電池の平面図、図9(B)は図9(A)のIV−IV線に沿う断面図である。また、図10は直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続した組電池の平面図である。図11は図8の組電池により構成される複合組電池の斜視図、図12(A)は図11の複合組電池の平面図、図12(B)は図11の複合組電池の正面図、図12(C)は図11の複合組電池の側面図、図13は本発明の実施形態に係る複合組電池を車両に搭載した模式図である。
【0049】
図8及び図9に示すように、本発明の実施形態に係る組電池20は、8個の薄型電池10と、各薄型電池10の端子104、105間を電気的に接続するバスバー21と、組電池用端子22、23と、組電池用カバー25とから構成されている。
【0050】
組電池20は、8個の薄型電池10から構成される4つの積層15を有しており、一の積層15は2個の薄型電池10を一つの単位として、一の薄型電池10の正極端子104と他の薄型電池10の負極端子105とが同一方向に導出するような方向で、当該一の薄型電池10の鉛直上向きの面と当該他の薄型電池10の鉛直下向きの面とを接触させて、当該一の薄型電池10と他の薄型電池10とを積層して構成される。
【0051】
これら4つの積層15は、一の積層15の上段の薄型電池10の正極端子104と、他の積層15の上段の薄型電池10の正極端子104が同一方向となるような方向で、当該一の積層15の側方に当該他の積層15が並置されて、組電池用カバー25内部の所定の位置に配置される。
【0052】
各積層15の上段に位置する薄型電池10の上部には、上述の押え部材41と固定用バネ42とを有する固定装置40がそれぞれ設けられており、各固定用バネ42の一方の端部は組電池用カバー25に取り付けられており、当該固定用バネ42の他方の端部は押え部材41の重心接触位置に対向する上部表面の位置に取り付けられている。そして、当該押え部材41の下部表面が、並置された積層15の上段の薄型電池10の非融着領域111の上部表面に接触して固定用バネ42が押圧することにより、各積層15を構成する2つの薄型電池10がそれぞれ組電池用カバー25内部に固定される。
【0053】
このように並置された4つの積層15の上段に位置する各薄型電池10の正極端子104同士が、バスバー21に溶着部24で溶着されて、電気的に接続される。同様に、各積層15の2段目に位置する薄型電池10の正極端子104同士がバスバー21により電気的に接続される。負極端子側においても同様に、4つの積層15の1段目及び2段目に位置する各薄型電池の負極端子105同士がバスバー21に溶着部24で溶着されて電気的に接続される。
【0054】
そして、4つの積層15の上段に位置する各薄型電池10の負極端子105同士を接続するバスバー21と、当該4つの積層15の下段に位置する各薄型電池の正極端子104同士を接続するバスバー21とが電気的に接続される。さらに、特に図示しないが、4つの積層15の上段の各薄型電池10の正極端子104を接続するバスバー21は、組電池用カバー25から導出する略円柱形状の組電池用正極端子22に接続され、同様に当該4つの積層15の下段の各薄型電池10の負極端子105を接続するバスバー21は組電池用カバー25から導出する略円柱形状の組電池用負極用端子23に接続される。このように8個の薄型電池が積層され接続されることにより、並列された4個の薄型電池10の組が2組直列接続された組電池20が構成される。
【0055】
また、図10は上述とは異なる接続構造により接続された8個の薄型電池10から構成される組電池20の平面図を示す。なお、当該組電池10は、接続構造とバスバー21の数が異なる他は、先述の組電池と同様の構造である。当該組電池20は、8個の薄型電池10からなる4つの積層15を有しており、一の積層15は2個の薄型電池10を一つの単位として、一の薄型電池10の正極端子104と、他の薄型電池10の正極端子104とが同一方向に導出するような方向で、当該一の薄型電池と他の薄型電池とを積層して構成される。
【0056】
これら4つの積層15a〜15dは、一の積層を構成する各薄型電池10の正極端子104と、当該一の積層に隣接する他の積層を構成する各薄型電池10の負極端子105とが同一方向となるような方向で、当該一の積層の側方に当該他の積層が並置されて、組電池用カバー25内部の所定の位置に配置される。そして、各積層15a〜15dの上段の薄型電池10の非融着領域111の上部表面が固定装置40の押え部材41により押圧されることにより、8個の薄型電池10が組電池用カバー25の内部に固定される。
【0057】
同図に示すように、第1の積層15aの上段に位置する薄型電池10の負極端子105と当該積層15aに隣接する第2の積層15bの上段に位置する薄型電池10の正極端子104とがバスバー21により電気的に接続される。同様に、第1の積層15aの2段目に位置する薄型電池10の負極端子105と第2の積層15bの2段目に位置する薄型電池10の正極端子104とがそれぞれバスバー21により電気的に接続される。また、第2の積層15bの各段の薄型電池10の負極端子105と第3の積層15cの同一段の薄型電池10の正極端子104とがバスバー21によりそれぞれ電気的に接続され、第3の積層15cの各段の薄型電池10の負極端子105と第4の積層15dの同一段の薄型電池10の正極端子104とがバスバー21により電気的に接続されている。そして、特に図示しないが、第1の積層15aの各段の薄型電池10の各正極端子104は、組電池用カバー25から導出する略円柱形状の組電池用正極端子22に接続される。同様に、特に図示しないが、第4の積層15dの各段の薄型電池10の各負極端子105は、組電池用カバー25から導出する略円柱形状の組電池用負極端子23に接続される。このように8個の薄型電池が積層され接続されることにより、直列接続された4個の薄型電池10の組が2組並列接続された組電池20が構成される。
【0058】
このような固定装置により複数の薄型電池を固定して組電池を構成することにより、組電池全体の軽量化を図ると共に効率的に振動を抑制することが可能となる。
【0059】
図11及び図12(A)〜(C)は、図8に示す組電池20を電気的に接続した6個の組電池20から構成される複合組電池30を示す。図11及び図12(A)〜(C)に示すように、複合組電池30は、組電池20の端子22、23がそれぞれ同一方向に向くように積層されている。すなわち、m段目に位置する組電池20の端子22、23と、m+1段目に位置する組電池20の端子22、23とが同一方向に向くように、m段目の組電池20の上にm+1段目の組電池20が積層される(m:自然数)。そして、同一方向を向いた全ての組電池20の組電池用正極端子22を、当該複合組電池30と外部とを接続する外部接続用正極端子31で電気的に接続する。同様に、同一方向を向いた全ての組電池20の組電池用負極端子23を、外部接続用負極端子32で電気的に接続する。同図に示すように、外部接続用正極端子31は、略矩形の平板形状であり、組電池用正極端子22を挿入或いは圧入可能な直径を有する複数の端子接続用孔が加工されている。当該端子接続用孔は、積層された組電池20の組電池用正極端子22間のピッチに等しいピッチで加工されており、外部接続用負極端子32にも同様に端子接続用孔が加工されている。
【0060】
さらに、組電池用端子22、23が複合組電池30の外部に露出しないように、接続された全ての組電池用端子22、23を覆うように、絶縁性の材料の絶縁カバー33が具備されている。なお、図11において当該絶縁カバー33は、説明の便宜上、透視図により描かれており、図12には図示しない。そして、上述のように積層された6個の組電池20は、その両側面部に平板状の連結部材34で連結され、さらに固定ネジ35により締結、固定される。
【0061】
以上のように、薄型電池により所定の数を単位とした組電池を構成し、さらに当該組電池を単位として、所定の数の組電池を組み合わせて複合組電池を構成することにより、要求される容量、電圧等に適当な複合組電池を容易に得ることが可能となる。また、複雑な接続を伴うことなく複合組電池を構成するので、接続不良による、複合組電池の故障率を低減することが可能となる。さらに、複合組電池を構成する一つの薄型電池が故障或いは劣化し、当該薄型電池の交換を必要とする場合、当該薄型電池を有する組電池を容易に交換することも可能となる。
【0062】
図13は、車両1のフロア下に上述の複合組電池30を車載した例を示す模式図である。車両1の移動に伴って、車内には多くの振動が発生する。同図に示すように、上述の複合組電池30を車載することにより、当該振動により薄型電池の端子と電池外装部材との間に界面剥離が発生する可能性が著しく減少し、車両で電池を有効に活用することが可能となる。
【0063】
なお、組電池を構成する薄型電池の数、複合組電池を構成する組電池の数、組電池を構成する薄型電池の接続方式、及び複合組電池を構成する組電池の接続方式は、上述の数及び接続方式に限定されるものではなく、要求される電気容量、電圧等から適宜その数及び接続方式(直列接続、並列接続、直列並列複合接続)を設定することが出来る。
【0064】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0065】
【実施例】
以下、本発明をさらに具体化した実施例及び比較例により本発明の効果を確認した。以下の実施例は、上述した実施形態で用いた薄型電池の効果を確認するためのものである。
【0066】
実施例1
実施例1の薄型電池は、正極端子にアルミニウム(Al)箔、負極端子にニッケル(Ni)箔、正極活性物質にマンガン酸リチウム(LiMnO2)、負極活性物質に非結晶性炭素材、電解液にプロピレンカーボネート(PC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)の混合液を用いた。また、第1の樹脂層にポリエチレン(PE)樹脂フィルム、金属層にアルミニウム(Al)箔、第2の樹脂層にナイロン樹脂フィルムを積層した高分子金属複合フィルムを上部電池外装部材及び下部電池外装部材として用いて縦140mm×横80mm×厚さ4mmの薄型電池を作製した。そして、実施例1の組電池として、8個の各薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図2(A)に示す幅狭で8方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、縦250mm×横400mm×高さ20mmの組電池を作製した。実施例1〜12及び比較例1〜3において作製した組電池の条件を表1に示す。
【表1】
この組電池内部の薄型電池の略中央部に加速度ピックアップを設定し、インパルスハンマーにより組電池用カバーの一部をハンマリングしたときの加速度ピックアップの振動スペクトルを測定した。設定方法は、JIS・B0908(振動及び衝撃ピックアップの構成方法・基本概念)に準拠した。この測定により得られた測定スペクトルをFFT分析器により解析し、次元変換により得られた周波数に関して平均化とスムージングを行って、振動伝達率スペクトルを抽出した。また、後述する比較例1の組電池のサンプルを基準として、実施例の組電池の10〜800Hzのオーバーオール平均値が、当該基準サンプルのオーバーオール平均値に対して−5dB以下のものを「◎」、−5〜±0dBのものを「○」、±0dB以上のものを「×」として、振動の抑制特性について検証した。
【0067】
この結果、図14において実線で示すように、比較例1と比べて10〜800Hzのほぼ全体において振動が低減された振動スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
【0068】
実施例2
実施例2の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図2(B)に示す幅広で8方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図14において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて10〜800Hzのほぼ全体において振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
【0069】
実施例3
実施例3の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図3(A)に示す幅狭で対角方向の4方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図15において実線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体において振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すような耐振性能が確認された。
【0070】
実施例4
実施例4の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図3(B)に示す幅広で対角方向の4方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図15において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体において振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
【0071】
実施例5
実施例5の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図4(A)に示す幅狭で各辺の中点方向の4方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図16において実線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体において振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すような耐振性能が確認された。
【0072】
実施例6
実施例6の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図4(B)に示す幅広で各辺の中点方向の4方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図16において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体において振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
【0073】
実施例7
実施例7の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図5(A)に示す幅狭で6方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図17において実線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体に渡って振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すような耐振性能が確認された。
【0074】
実施例8
実施例8の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図5(B)に示す幅広で6方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図17において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体に渡って振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
【0075】
実施例9
実施例9の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図6(A)に示す幅狭で6方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図18において実線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体に渡って振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すような耐振性能が確認された。
【0076】
実施例10
実施例10の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図6(B)に示す幅広で6方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図18において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体に渡って振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
【0077】
実施例11
実施例11の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図7(A)に示す幅狭で6方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図19において実線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体に渡って振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すような耐振性能が確認された。
【0078】
実施例12
実施例12の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図9に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図7(B)に示す幅広で6方向に伸びる形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図19において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて0〜800Hzのほぼ全体に渡って振動が低減された振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように良好な耐振性能が確認された。
比較例1
比較例1の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図21(A)に示すような薄型電池の非融着領域の上部全面を覆うような形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。
【0079】
比較例2
比較例2の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図21(B)に示すような薄型電池の非融着領域の上部表面の輪郭に沿って相対的に幅狭の略ロの字形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図20において実線で示すように、比較例1と比べて0〜約700Hzにおいて振動が増加する振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように比較例1に劣る耐振性能しか得られなかった。
【0080】
比較例3
比較例3の組電池は、実施例1と同様の薄型電池を用い、8個の当該薄型電池を図10に示す2段4列に積層し、当該薄型電池を図21(C)に示すような薄型電池の非融着領域の上部表面の輪郭に沿って相対的に幅広の略ロの字形状の押え部材を有する固定装置でそれぞれ固定して、直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続し、実施例1と同様の大きさの組電池を作製した。この組電池について、実施例1と同様に、振動スペクトルの測定を行った結果、図20において一点鎖線で示すように、比較例1と比べて0〜約700Hzにおいて振動が増加する振動伝達率スペクトルが確認され、オーバーオール平均値の比較においても表1に示すように比較例1に劣る耐振性能しか得られなかった。
【0081】
考察
実施例1〜12の組電池の固定装置は、比較例1の組電池の固定装置に対して軽量化が図られた上に、図14〜19及び表1から明らかなように、0〜800Hzにおいてほぼ全体的に振動が低減され、良好な耐振性能が確認された。また、図20に示す比較例1〜3の振動伝達率スペクトルの比較により、固定装置の押さえ部材で薄型電池の重心位置を押圧することにより、特に効率的に振動を抑制可能であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の実施形態に係る薄型電池の全体を示す平面図、図1(B)は(A)のII−II線に沿う断面図である。
【図2】図2(A)は本発明の実施形態に係る薄型電池及び固定装置の平面図であり、図2(B)は本発明の実施形態に係る他の固定装置を示す平面図であり、図2(C)は図2(A)及び図2(B)のIII−III線に沿う断面図である。
【図3】図3(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例1の平面図であり、図3(B)は変形例1における他の固定装置を示す平面図である。
【図4】図4(A)は本発明の実施形態に係る固定装置の変形例2の平面図であり、図4(B)は変形例2における他の固定装置を示す平面図である。
【図5】図5(A)は本発明の実施形態に係る変形例3の固定装置の平面図であり、図5(B)は変形例3における他の固定装置を示す平面図である。
【図6】図6(A)は本発明の実施形態に係る変形例4の固定装置の平面図であり、図6(B)は変形例4における他の固定装置を示す平面図である。
【図7】図7(A)は本発明の実施形態に係る変形例5の固定装置の平面図であり、図7(B)は変形例5における他の固定装置を示す平面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る複数の薄型電池により構成される組電池の斜視図である。
【図9】図9(A)は並列接続された4個の薄型電池を2組直列接続した組電池の平面図、図9(B)は図9(A)のIV−IV線に沿う断面図である。
【図10】図10は直列接続された4個の薄型電池を2組並列接続した組電池の平面図である。
【図11】図8の組電池により構成される複合組電池の斜視図である。
【図12】図12(A)は図11の複合組電池の平面図、図12(B)は図11の複合組電池の正面図、図12(C)は図11の複合組電池の側面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る複合組電池を車両に搭載した模式図である。
【図14】実施例1、実施例2及び比較例1の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図15】実施例3、実施例4及び比較例1の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図16】実施例5、実施例6及び比較例1の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図17】実施例7、実施例8及び比較例1の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図18】実施例9、実施例10及び比較例1の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図19】実施例11、実施例12及び比較例1の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図20】比較例1、比較例2及び比較例3の振動伝達率スペクトルを示すグラフである。
【図21】図21(A)は比較例1における固定装置の平面図、図21(B)は比較例2における固定装置の平面図、図21(C)は比較例3における固定装置の平面図である。
【符号の説明】
1…車両
10…薄型電池
101…正極板
102…セパレータ
103…負極板
104…正極端子
105…負極端子
106…上部電池外装部材
107…下部電池外装部材
109…発電要素
110…熱融着領域
111…非融着領域
15…積層
20…組電池
21…バスバー
22…組電池用正極端子
23…組電池用負極端子
24…融着部
25…組電池用カバー
30…複合組電池
31、32…外部接続用端子
33…絶縁カバー
34…連結部材
35…固定ネジ
40…固定装置
41…押え部材
42…固定用バネ
Claims (16)
- 2枚のシート状封止手段の外周縁部を接合して、内部に発電要素を封止すると共に、前記発電要素に接続された正極端子及び負極端子が前記封止された外周縁部から導出する1以上の薄型電池と、
前記薄型電池の前記封止手段表面を押圧して固定する、弾性体及び押え部材を有する固定手段と、を備え、
前記薄型電池を積層し、前記積層された薄型電池のうちの前記積層方向最外側に位置する薄型電池の前記封止手段表面に前記固定手段の押え部材を接触させ、前記弾性体により前記押え部材を押圧することにより、前記薄型電池を固定する組電池であって、
前記固定手段の押え部材が、前記薄型電池との接触面において、前記薄型電池の重心位置から前記接触面の輪郭に向かって放射線状に伸びる形状を有する組電池。 - 前記固定手段の押え部材が、前記薄型電池との接触面において、前記薄型電池の重心位置から前記接触面の輪郭の少なくとも一つの頂点に向かって伸びる形状を有する請求項1記載の組電池。
- 前記固定手段の押え部材が、前記薄型電池との接触面において、前記薄型電池の重心位置から前記接触面の輪郭の少なくとも一辺の中点に向かって伸びる形状を有する請求項1又は2記載の組電池。
- 1以上の薄型電池が積層された、薄型電池の積層体を複数有し、
一の薄型電池の積層体の側方に他の薄型電池の積層体が並置された組電池であって、
前記各積層体に対応して複数の前記固定手段をさらに有し、
前記各固定手段の押え部材が、対応する前記積層体の、前記積層方向最外側に位置する薄型電池の前記封止手段表面に接触し、前記各固定手段が有する前記弾性体が押圧することにより、前記各積層体の薄型電池が固定される請求項1〜3の何れかに記載の組電池。 - 前記薄型電池の前記正極端子及び負極端子の間を電気的に接続する複数の接続手段をさらに有し、
前記各積層体の同一段に位置する薄型電池の同極端子同士が同一方向に導出するように前記複数の積層体を並置し、
前記各積層体の同一段に位置する薄型電池の正極端子同士を前記一の接続手段により接続し、
前記各積層体の同一段に位置する薄型電池の負極端子同士を前記他の接続手段により接続して、前記各積層体の同一段に位置する薄型電池を電気的に並列に接続する請求項4記載の組電池。 - 前記薄型電池の前記正極端子及び負極端子の間を電気的に接続する複数の接続手段をさらに有し、
前記各積層体の同一段に位置する薄型電池において、前記一の積層体の薄型電池の正極端子又は負極端子の一方の端子と、前記一の積層体に隣接して並置される前記他の積層体の薄型電池の前記一の積層体の一方の端子とは異なる極の端子である他極端子とを同一方向に導出するように前記複数の積層体を並置し,
前記一の積層体の薄型電池の正極端子又は負極端子の一方と前記他の積層体の薄型電池の他極端子とを前記接続手段により接続して、前記各積層体の同一段に位置する薄型電池を電気的に直列接続する請求項4記載の組電池。 - 前記薄型電池が、1〜10mmの厚さを有する請求項1〜6の何れかに記載の組電池。
- 前記薄型電池の前記正極端子が、アルミニウム、鉄、及びニッケルからなる群より選ばれる一又はそれ以上の成分を含む請求項1〜7の何れかに記載の組電池。
- 前記薄型電池の負極端子が、鉄、ニッケル、及び銅からなる群より選ばれる一又はそれ以上の成分を含む請求項1〜8の何れかに記載の組電池。
- 前記薄型電池の前記発電要素は正極として機能する正極活性物質を有し、
前記正極活性物質が、リチウム複合酸化物である請求項1〜9の何れかに記載の組電池。 - 前記リチウム複合酸化物が、リチウム−マンガン系複合酸化物である請求項10記載の薄型電池。
- 前記薄型電池の前記発電要素は負極として機能する負極活性物質を有し、
前記負極活性物質が、炭素系材料である請求項1〜11の何れかに記載の組電池。 - 前記炭素系材料が、非結晶性炭素材である請求項12記載の薄型電池。
- 請求項1〜13の何れかに記載の組電池を電気的に接続した、複数の組電池を有する複合組電池であって、
前記各組電池が、外部と電気的に接続する組電池用正極端子及び組電池用負極端子を有し、
一の前記組電池の組電池用正極端子又は組電池用負極端子の一方の組電池用端子と、他の前記組電池の前記一の組電池用端子の一方の組電池用端子とは極の異なる組電池用端子とを電気的に接続した少なくとも2以上の前記組電池を含む複合組電池。 - 請求項1〜13の何れかに記載の組電池を電気的に接続した、複数の組電池を有する複合組電池であって、
前記各組電池が、外部と電気的に接続する組電池用正極端子及び組電池用負極端子を有し、
一の前記組電池の組電池用正極端子と、他の前記組電池の組電池用正極端子とを電気的に接続し、
前記一の組電池の組電池用負極端子と、前記他の組電池の組電池用負極端子とを電気的に接続した少なくとも2以上の前記組電池を含む複合組電池。 - 請求項14又は15記載の複合組電池を車載した車両。
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