JP2000315483A - バッテリー構造及びその製造方法 - Google Patents

バッテリー構造及びその製造方法

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JP2000315483A JP2000053618A JP2000053618A JP2000315483A JP 2000315483 A JP2000315483 A JP 2000315483A JP 2000053618 A JP2000053618 A JP 2000053618A JP 2000053618 A JP2000053618 A JP 2000053618A JP 2000315483 A JP2000315483 A JP 2000315483A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数並びに組み立て工数を大幅に削減し
得、コストダウンを図り得ると共に、使用者が簡単には
分解することができず、端子部のショート等の発生を防
止し得、信頼性の向上を図り得る携帯用電話機等の携帯
機器に好適なバッテリー構造及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 バッテリーセル1の所要位置に、回路基
板3を設けると共に、該回路基板3とバッテリーセル1
とを正極端子6及び負極端子7を介して電気的に接続
し、バッテリーセル1を金型17a,17b内に設置し
て樹脂を流し込み、前記回路基板3及び正極端子6並び
に負極端子7のうち、少なくとも回路基板3を樹脂で被
覆成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バッテリー構造及
びその製造方法に関し、特に携帯電話機等のように小型
の携帯機器に好適な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯電話、PHS(簡易型携帯電
話)等の携帯用電話機のバッテリーは、図17に示され
る如く、バッテリーセル1の側面に、IC等の部品2が
取り付けられ充電制御並びにバッテリーの電気的保護を
目的とする回路基板3を、絶縁シート4とスペーサ5を
介して配置し、該回路基板3の一端部の電極にスポット
溶接される正極端子6をバッテリーセル1の正極(図示
せず)にスポット溶接すると共に、前記回路基板3の他
端部の電極にスポット溶接される負極端子7をバッテリ
ーセル1の負極8にスポット溶接し、前記正極端子6及
び負極端子7をそれぞれターミナルシート9で覆い、前
記回路基板3から延設された先端にコネクタ10を有す
る接続コード11の基端部を補強テープ12によってバ
ッテリーセル1に固定し、更に、前記回路基板3表面を
保護板13で覆い、前記バッテリーセル1全体に熱収縮
チューブ14を被せて該熱収縮チューブ14を所要温度
に加熱することにより、該熱収縮チューブ14を収縮さ
せ、その表面に、型名や定格等を表記した銘板15を貼
り付けてなる構成を有しており、図18に示されるよう
なバッテリーの完成品として、コネクタ10が携帯用電
話機側のコネクタに接続され、該携帯用電話機に装填さ
れるようになっている。
【0003】又、その他にも従来においては、図19に
示されるように、バッテリーセル1の正極に正極端子6
を、高温時等に電流の供給を停止させるためのPTC4
0を介してスポット溶接すると共に、バッテリーセル1
の負極に負極端子7をスポット溶接し、前記正極端子6
と負極端子7とをそれぞれ回路基板3の対応する電極に
スポット溶接して、バッテリーセル1に対して回路基板
3を電気的に接続し、該バッテリーセル1の必要箇所
に、電気的な絶縁を行うための絶縁シート41,42,
43,44,45,46を貼り付け、前記回路基板3
に、図示していない携帯用電話機の本体側に対する接続
用端子47を取り付け、前記バッテリーセル1を電池蓋
32の内面に両面テープ48で貼り付け、該バッテリー
セル1にスペーサ49を介してカバー50を覆い被せ、
該カバー50の周縁部を電池蓋32内面に対して超音波
溶着し、更に前記カバー50の表面に絶縁シート51を
貼り付けることにより、図20に示されるような電池蓋
32内面に一体化されるバッテリーを構成し、該バッテ
リーを携帯用電話機の本体側に電池蓋32と一緒に装着
するようにしたものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図17
及び図18に示される如き従来のバッテリー構造では、
部品点数が多く且つ組み立てに多大な工数を要するた
め、コストアップにつながる一方、使用者が簡単に分解
できるため、端子部のショート等が発生する虞もあっ
た。
【0005】又、図19及び図20に示される如き従来
のバッテリー構造では、前述と同様に、部品点数が多く
且つ組み立てに多大な工数を要するため、コストアップ
につながる一方、バッテリーセル1を両面側から電池蓋
32とカバー50で挟み込む構造のため、バッテリーの
厚さが厚くなり、薄型化に支障を来たす虞があった。
【0006】更に又、図19及び図20に示される従来
のバッテリーにおける接続用端子47は、携帯用電話機
の本体側のバネ端子のバネ圧により変形しないよう、樹
脂と板金を同時に成形した高価なものとしてバッテリー
セル1の回路基板3に実装する必要があった。
【0007】本発明は、斯かる実情に鑑み、部品点数並
びに組み立て工数を大幅に削減し得、コストダウンを図
り得ると共に、使用者が簡単には分解することができ
ず、端子部のショート等の発生を防止し得、信頼性の向
上を図り得る携帯用電話機等の携帯機器に好適なバッテ
リー構造及びその製造方法を提供し、又、電池蓋内面に
バッテリーセルが一体化される場合に、部品点数並びに
組み立て工数を大幅に削減し得、コストダウンを図り得
ると共に、使用者が簡単には分解することができず、端
子部のショート等の発生を防止し得、信頼性の向上を図
ることができ、更に、バッテリーの薄型化並びに軽量化
をも図り得る携帯用電話機等の携帯機器に好適なバッテ
リー構造及びその製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、バッテリーセ
ルの所要位置に設けられた回路基板と、該回路基板及び
バッテリーセルを電気的に接続する正極端子と、前記回
路基板及びバッテリーセルを電気的に接続する負極端子
とを備えたバッテリー構造であって、前記回路基板及び
正極端子並びに負極端子のうち、少なくとも回路基板を
樹脂で被覆して樹脂成形部を形成したことを特徴とする
バッテリー構造にかかるものである。
【0009】前記バッテリー構造においては、樹脂をポ
リアミド或いはポリウレタンとすることが有効である。
【0010】又、バッテリーセルに対して回路基板を設
ける位置をバッテリーセルの上面幅方向端部にすると共
に、該回路基板上におけるバッテリーセル上面幅方向中
央部側の部分には厚さの薄い部品を配置し且つ回路基板
上におけるバッテリーセル上面幅方向端側の部分には厚
さの厚い部品を配置し、前記回路基板を被覆しバッテリ
ーセル上面に形成される樹脂成形部に、バッテリーセル
上面幅方向中央部に近づくに従い厚みが小さくなるよう
な傾斜面を設けてもよい。
【0011】更に又、バッテリーセルに対して回路基板
を設ける位置をバッテリーセルの側面にすることもでき
る。
【0012】又、本発明は、バッテリーセルの所要位置
に、回路基板を設けると共に、該回路基板とバッテリー
セルとを正極端子及び負極端子を介して電気的に接続し
た後、バッテリーセルを金型内に設置して樹脂を流し込
み、前記回路基板及び正極端子並びに負極端子のうち、
少なくとも回路基板を樹脂で被覆成形することを特徴と
するバッテリーの製造方法にかかるものである。
【0013】前記バッテリーの製造方法においては、樹
脂としてポリアミド或いはポリウレタンを用い、低温、
低圧で被覆成形を行うようにすることが望ましい。
【0014】又、本発明は、バッテリーセルの所要位置
に設けられた回路基板と、該回路基板及びバッテリーセ
ルを電気的に接続する正極端子と、前記回路基板及びバ
ッテリーセルを電気的に接続する負極端子とを備え、電
池蓋内面に一体化されるバッテリー構造であって、前記
回路基板及び正極端子並びに負極端子のうち、少なくと
も回路基板を樹脂で被覆し且つ該樹脂によりバッテリー
セルを電池蓋内面に固着したことを特徴とするバッテリ
ー構造にかかるものであり、この場合も、樹脂をポリア
ミド或いはポリウレタンとすることが有効である。
【0015】又、本発明は、バッテリーセルの所要位置
に、回路基板を設けると共に、該回路基板とバッテリー
セルとを正極端子及び負極端子を介して電気的に接続
し、該バッテリーセルを電池蓋内面に配設した後、該電
池蓋とバッテリーセルを金型内に設置して樹脂を流し込
み、前記回路基板及び正極端子並びに負極端子のうち、
少なくとも回路基板を樹脂で被覆成形しつつ、該樹脂に
よりバッテリーセルを電池蓋内面に固着することを特徴
とするバッテリーの製造方法にかかるものであり、この
場合も、樹脂としてポリアミド或いはポリウレタンを用
い、低温、低圧で被覆成形を行うようにすることが望ま
しい。
【0016】上記手段によれば、以下のような作用が得
られる。
【0017】本発明のバッテリー構造においては、バッ
テリーセルの所要位置に、回路基板が設けられると共
に、該回路基板とバッテリーセルとが正極端子及び負極
端子を介して電気的に接続され、少なくとも回路基板が
樹脂で被覆されて樹脂成形部が形成され、これにより、
バッテリーセルの回路基板は、樹脂成形部により完全に
密封されるため、高い機械的強度並びに電気的強度が得
られると共に、従来に比べ、部品点数が少なく且つ組み
立てに多大な工数を必要としなくなって、コストダウン
につながる一方、使用者が簡単に分解できなくなるた
め、端子部のショート等も発生しなくなる。
【0018】前記バッテリー構造において、樹脂をポリ
アミド或いはポリウレタンとすると、該ポリアミド及び
ポリウレタンは軟化温度が低く且つ溶融時の粘度も低い
ため、一般の樹脂成形と比較して低温、低圧で成形を行
うことが可能となり、これにより、熱や射出圧による回
路基板への悪影響の心配はなく、しかも、製造に要する
装置は簡略化可能で且つ成形に費やす時間も短縮可能と
なる。
【0019】又、バッテリーセルは周囲の温度上昇に伴
って、その中央部が凸状に膨張する傾向があるが、バッ
テリーセルに対して回路基板を設ける位置をバッテリー
セルの上面幅方向端部にすると共に、該回路基板上にお
けるバッテリーセル上面幅方向中央部側の部分には厚さ
の薄い部品を配置し且つ回路基板上におけるバッテリー
セル上面幅方向端側の部分には厚さの厚い部品を配置
し、前記回路基板を被覆しバッテリーセル上面に形成さ
れる樹脂成形部に、バッテリーセル上面幅方向中央部に
近づくに従い厚みが小さくなるような傾斜面を設ける
と、仮に、炎天下の車中等に置き去りにされ高温の雰囲
気中でバッテリーセルが膨張したとしても、バッテリー
セルを装着した携帯機器にその影響が現れる心配はな
い。
【0020】更に又、バッテリーセルに対して回路基板
を設ける位置をバッテリーセルの側面にすれば、バッテ
リーセルの周囲の温度上昇に伴って、その中央部が凸状
に膨張しても、バッテリーセルを装着した携帯機器にそ
の影響が現れる心配は全くなくなる。
【0021】又、本発明のバッテリーの製造方法におい
ては、バッテリーセルの所要位置に、回路基板が設けら
れると共に、該回路基板とバッテリーセルとが正極端子
及び負極端子を介して電気的に接続された後、バッテリ
ーセルが金型内に設置されて樹脂が流し込まれ、少なく
とも回路基板が樹脂で被覆成形され、高い機械的強度並
びに電気的強度を有し信頼性の高いバッテリーを、コス
トダウンを図りつつ安定して製造することが可能とな
る。
【0022】前記バッテリーの製造方法において、樹脂
としてポリアミド或いはポリウレタンを用い、低温、低
圧で被覆成形を行うようにすると、熱や射出圧によって
回路基板へ悪影響が及ぼされることを回避可能となり、
しかも、製造装置の簡略化並びに成形に費やす時間の短
縮化も可能となる。
【0023】一方、本発明の電池蓋内面に一体化される
バッテリー構造においては、回路基板及び正極端子並び
に負極端子のうち、少なくとも回路基板が樹脂で被覆さ
れ且つ該樹脂によりバッテリーセルが電池蓋内面に固着
され、これにより、バッテリーセルの回路基板は、樹脂
成形部により完全に密封されるため、高い機械的強度並
びに電気的強度が得られると共に、従来に比べ、部品点
数が少なく且つ組み立てに多大な工数を必要としなくな
って、コストダウンにつながる一方、使用者が簡単に分
解できなくなるため、端子部のショート等も発生しなく
なり、しかも、バッテリーセルを両面側から電池蓋とカ
バーで挟み込まずに済むため、バッテリーの厚さが厚く
ならず、薄型化並びに軽量化が可能となり、更に、バッ
テリーセルの回路基板に実装される入出力端子を、板金
加工の簡単な構造としても、回路基板が樹脂により確実
に固定されているため、充分な強度が保てると共に、コ
スト低減も可能となり、又、前記バッテリー構造におい
て、樹脂をポリアミド或いはポリウレタンとすると、該
ポリアミド及びポリウレタンは軟化温度が低く且つ溶融
時の粘度も低いため、一般の樹脂成形と比較して低温、
低圧で成形を行うことが可能となり、これにより、熱や
射出圧による回路基板への悪影響の心配はなく、しか
も、製造に要する装置は簡略化可能で且つ成形に費やす
時間も短縮可能となる。
【0024】又、本発明の電池蓋内面に一体化されるバ
ッテリーの製造方法においては、バッテリーセルの所要
位置に、回路基板が設けられると共に、該回路基板とバ
ッテリーセルとが正極端子及び負極端子を介して電気的
に接続され、該バッテリーセルが電池蓋内面に配設され
た後、該電池蓋とバッテリーセルが金型内に設置されて
樹脂が流し込まれ、前記回路基板及び正極端子並びに負
極端子のうち、少なくとも回路基板が樹脂で被覆成形さ
れつつ、該樹脂によりバッテリーセルが電池蓋内面に固
着され、この結果、製造過程で電池蓋及びバッテリーセ
ルを金型で押えるため、電池蓋の反りやバッテリーセル
の膨張が矯正される形となり、高い機械的強度並びに電
気的強度を有し信頼性と寸法精度の高いバッテリーを、
コストダウンを図りつつ安定して製造することが可能と
なり、更に、前記バッテリーの製造方法において、樹脂
としてポリアミド或いはポリウレタンを用い、低温、低
圧で被覆成形を行うようにすると、熱や射出圧によって
回路基板へ悪影響が及ぼされることを回避可能となり、
しかも、製造装置の簡略化並びに成形に費やす時間の短
縮化も可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。
【0026】図1〜図4は本発明を実施する形態の一例
であって、図中、図17及び図18と同一の符号を付し
た部分は同一物を表わしている。
【0027】本図示例では、図1に示す如く、バッテリ
ーセル1の上面幅方向端部に、ポリエチレンシート等の
両面テープ16により回路基板3を貼り付けると共に、
該回路基板3の一端部の電極とバッテリーセル1の正極
とを正極端子6をスポット溶接することにより電気的に
接続し、且つ前記回路基板3の他端部の電極とバッテリ
ーセル1の負極8とを負極端子7をスポット溶接するこ
とにより電気的に接続し、図2に示すように組み立て、
前記回路基板3を貼り付けたバッテリーセル1を、図3
に示すような、アルミニウム合金等の金属で製作した金
型17a,17b内に設置してポリアミド等の樹脂を流
し込み、前記回路基板3と正極端子6及び負極端子7と
を樹脂で被覆成形し、図4に示す如く、樹脂成形部29
を形成し、バッテリーセル1の下面に、型名や定格等を
表記した銘板15を貼り付け、バッテリーを完成させる
ようにしてある。
【0028】前記金型17aには、図3に示す如く、前
記回路基板3を貼り付けたバッテリーセル1を入れるバ
ッテリー取付溝18と、回路基板3から延びる接続コー
ド11を引き出すためのコード引出溝19aと、バッテ
リーセル1の正極端子6の部分を覆う樹脂が充填される
正極端子被覆樹脂充填溝20と、バッテリーセル1の負
極端子7の部分を覆う樹脂が充填される負極端子被覆樹
脂充填溝21と、樹脂注入用の樹脂注入溝22aと、金
型17bに対する位置決め用のガイドピン23とを設け
てあり、又、前記金型17aのバッテリー取付溝18底
部には、バッテリーセル1表面の樹脂成形完了後に、バ
ッテリーセル1を金型17aのバッテリー取付溝18か
ら押し出すための開口部24を設けてある。
【0029】又、前記金型17bには、図3に示す如
く、バッテリーセル1の回路基板3の部分を覆う樹脂が
充填され且つ前記金型17aの正極端子被覆樹脂充填溝
20及び負極端子被覆樹脂充填溝21に連通する回路基
板被覆樹脂充填溝25と、前記接続コード11を引き出
すためのコード引出溝19bと、前記金型17aの樹脂
注入溝22aと位置合せされ前記回路基板被覆樹脂充填
溝25へ樹脂を注入するための樹脂注入溝22bと、前
記金型17aのガイドピン23が嵌入される位置決め用
のガイド穴26とを設けてある。
【0030】尚、前記バッテリーセル1は、通常、アル
ミ等のシェルで覆われており、その製造工程において
は、バッテリーセル1の負極8側を開口させたシェル内
に電池部材を充填した後、最後に、前記シェルの開口に
蓋をしてその外周部をレーザー溶接するようになってお
り、この溶接箇所に寸法のバラツキが生じるが、この寸
法のバラツキを吸収するために、前記金型17aのバッ
テリー取付溝18の負極端子被覆樹脂充填溝21側の底
部並びに両側部には、樹脂の溶融温度に耐えるシリコン
系のスポンジ等からなる弾性部材27を埋め込んである
と共に、前記金型17bの対応位置には、同じ材質の弾
性部材28を埋め込んである。
【0031】一方、前記バッテリーセル1上面に形成さ
れる樹脂成形部29は、バッテリーセル1の上面幅方向
中央部に近づくに従い厚みが小さくなるような傾斜面3
0を設けてあり、該傾斜面30を形成しやすくするため
に、バッテリーセル1上面に形成される樹脂成形部29
の内部に埋め込まれる回路基板3上のIC等の部品配置
は、図2に示すように、バッテリーセル1の上面幅方向
中央部側の部分には厚さの薄い部品2aを配置し、バッ
テリーセル1の上面幅方向端側の部分には厚さの厚い部
品2bを配置するようにしてある。
【0032】次に、上記図示例におけるバッテリーを製
造する手順について説明する。
【0033】先ず、図1に示す如く、バッテリーセル1
の上面幅方向端部に、ポリエチレンシート等の両面テー
プ16により回路基板3が貼り付けられると共に、該回
路基板3の一端部の電極とバッテリーセル1の正極とが
正極端子6をスポット溶接することにより電気的に接続
され、且つ前記回路基板3の他端部の電極とバッテリー
セル1の負極8とが負極端子7をスポット溶接すること
により電気的に接続され、図2に示すようにバッテリー
セル1の組み立てが行われる。
【0034】続いて、前記回路基板3を貼り付けたバッ
テリーセル1は、図3に示す如く、金型17aのバッテ
リー取付溝18内に入れられ、コード引出溝19aから
バッテリーセル1の接続コード11が金型17aの外部
へ引き出された状態で、金型17aの位置決め用のガイ
ドピン23に対して金型17bのガイド穴26が嵌合す
るように、金型17a,17bが一体化され、図示して
いない治具等により固定され、樹脂注入溝22a,22
bからポリアミド等の樹脂が注入される。ここで、前記
金型17aのバッテリー取付溝18の負極端子被覆樹脂
充填溝21側の底部並びに両側部と、前記金型17bの
対応位置には、樹脂の溶融温度に耐えるシリコン系のス
ポンジ等からなる弾性部材27,28を埋め込んである
ため、バッテリーセル1のシェルの溶接箇所に寸法のバ
ラツキが生じていても、この寸法のバラツキは前記弾性
部材27,28によって吸収される。
【0035】前記樹脂注入溝22a,22bからポリア
ミド等の樹脂が注入されると、該樹脂は、回路基板被覆
樹脂充填溝25へ充填されると共に、正極端子被覆樹脂
充填溝20及び負極端子被覆樹脂充填溝21にも充填さ
れる。
【0036】前記樹脂としてポリアミドを用いると、該
ポリアミドは軟化温度が低く且つ溶融時の粘度も低いた
め、一般の樹脂成形と比較して低温、低圧で成形を行う
ことが可能となり、これにより、熱や射出圧による回路
基板3への悪影響の心配はなく、しかも、製造に要する
装置は簡略化可能で且つ成形に費やす時間も短縮可能と
なる。又、前記樹脂として湿度硬化型のポリウレタン樹
脂を用いると、前記ポリアミドと同様に低温、低圧での
成形が可能である。このポリウレタン樹脂は成形温度が
130[℃]程度で、これは成形温度210[℃]ほど
のポリアミド樹脂よりも更に低い。したがって、前記樹
脂としてポリウレタンを用いた場合には、回路基板への
悪影響がないだけでなく、ポリマー電池のように高温で
劣化しやすいバッテリーセルを樹脂成形するのに極めて
有効である。
【0037】前記回路基板被覆樹脂充填溝25と、正極
端子被覆樹脂充填溝20及び負極端子被覆樹脂充填溝2
1とに充填された樹脂が硬化した後、前記治具による固
定を解除して金型17aから金型17bを取り外し、バ
ッテリーセル1を金型17aの開口部24より押し出し
てバッテリー取付溝18から取り出すと、図4に示す如
く、前記回路基板3と正極端子6及び負極端子7とを覆
う樹脂成形部29がバッテリーセル1に形成され、該バ
ッテリーセル1の下面に、型名や定格等を表記した銘板
15を貼り付ければ、バッテリーが完成する。
【0038】これにより、バッテリーセル1の回路基板
3と正極端子6及び負極端子7は、樹脂成形部29によ
り完全に密封されるため、高い機械的強度並びに電気的
強度が得られると共に、従来に比べ、部品点数が少なく
且つ組み立てに多大な工数を必要としなくなって、コス
トダウンにつながる一方、使用者が簡単に分解できなく
なるため、端子部のショート等も発生しなくなる。
【0039】又、バッテリーセル1は周囲の温度上昇に
伴って、その中央部が凸状に膨張する傾向があるが、バ
ッテリーセル1上面に形成した樹脂成形部29は、図4
及び図5に示す如く、バッテリーセル1の上面幅方向中
央部に近づくに従い厚みが小さくなるような傾斜面30
を設けてあるため、仮に、炎天下の車中等に携帯用電話
機31が置き去りにされ高温の雰囲気中でバッテリーセ
ル1が膨張したとしても、携帯用電話機31にその影響
が現れる心配はない。尚、図5中、32は携帯用電話機
31の電池蓋である。
【0040】図6及び図7は、樹脂成形部29に前述の
ような傾斜面30を設けた場合の膨張時と、傾斜面30
を設けない場合の膨張時とをそれぞれ示すものであっ
て、バッテリーの高さはh2>h1となり、傾斜面30
を設けない場合、膨張したバッテリーの樹脂成形部29
が携帯用電話機31の電池蓋32と干渉し、最悪の場
合、電池蓋32が離脱してしまう虞があるが、傾斜面3
0を設けた場合には、膨張したバッテリーの樹脂成形部
29と携帯用電話機31の電池蓋32との干渉は避けら
れ、電池蓋32の離脱も防止される。
【0041】こうして、部品点数並びに組み立て工数を
大幅に削減し得、コストダウンを図り得ると共に、使用
者が簡単には分解することができず、端子部のショート
等の発生を防止し得、信頼性の向上を図り得る。
【0042】図8及び図9は本発明を実施する形態の変
形例であって、図中、図1〜図4と同一の符号を付した
部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図1〜図
4に示す例と同様であるが、本図示例の特徴とするとこ
ろは、図8及び図9に示す如く、バッテリーセル1に対
する回路基板3の貼り付け位置をバッテリーセル1の側
面にし、回路基板3と正極端子6及び負極端子7とをポ
リアミド等の樹脂で被覆して樹脂成形部29を形成する
ようにした点にある。
【0043】図8及び図9に示す例の場合、バッテリー
セル1の側面に貼り付けた回路基板3と正極端子6及び
負極端子7とを樹脂で被覆して樹脂成形部29を形成す
る関係上、金型17a,17bに、回路基板3を貼り付
けたバッテリーセル1を入れるバッテリー取付溝18
a,18bと、回路基板3から延びる接続コード11を
引き出すためのコード引出溝19a,19bと、バッテ
リーセル1の正極端子6の部分を覆う樹脂が充填される
正極端子被覆樹脂充填溝20a,20bと、バッテリー
セル1の負極端子7の部分を覆う樹脂が充填される負極
端子被覆樹脂充填溝21a,21bと、バッテリーセル
1の回路基板3の部分を覆う樹脂が充填され且つ前記正
極端子被覆樹脂充填溝20a,20b及び負極端子被覆
樹脂充填溝21a,21bに連通する回路基板被覆樹脂
充填溝25a,25bと、該回路基板被覆樹脂充填溝2
5a,25bへ樹脂を注入するための樹脂注入溝22
a,22bとを、上下略対称となるように設けるように
してあるが、それ以外の点については、図1〜図4に示
す例とほとんど変わるところはない。
【0044】図8及び図9に示す例のように、バッテリ
ーセル1に対する回路基板3の貼り付け位置をバッテリ
ーセル1の側面にし、回路基板3と正極端子6及び負極
端子7とをポリアミド等の樹脂で被覆して樹脂成形部2
9を形成するようにしても、図1〜図4に示す例と同
様、バッテリーセル1の回路基板3と正極端子6及び負
極端子7は、樹脂成形部29により完全に密封されるた
め、高い機械的強度並びに電気的強度が得られると共
に、従来に比べ、部品点数が少なく且つ組み立てに多大
な工数を必要としなくなって、コストダウンにつながる
一方、使用者が簡単に分解できなくなるため、端子部の
ショート等も発生しなくなる。
【0045】又、前記樹脂成形部29がバッテリーセル
1の側面に形成されることにより、バッテリーセル1の
周囲の温度上昇に伴って、その中央部が凸状に膨張して
も、携帯用電話機31にその影響が現れる心配は全くな
くなる。
【0046】こうして、図8及び図9に示す例の場合
も、部品点数並びに組み立て工数を大幅に削減し得、コ
ストダウンを図り得ると共に、使用者が簡単には分解す
ることができず、端子部のショート等の発生を防止し
得、信頼性の向上を図り得る。
【0047】図10及び図11は本発明を実施する形態
の他の変形例であって、図中、図1〜図4と同一の符号
を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は
図1〜図4に示す例と同様であるが、本図示例の特徴と
するところは、図10及び図11に示す如く、回路基板
3を貼り付けたバッテリーセル1全体をポリアミド等の
樹脂で被覆して樹脂成形部29を形成するようにした点
にある。
【0048】図10及び図11に示す例の場合、バッテ
リーセル1全体を樹脂で被覆して樹脂成形部29を形成
する関係上、金型17aに、バッテリーセル1の下面及
び側面全体を樹脂で覆うためのバッテリーセル1の外形
より一回り大きいバッテリー取付溝18’を設け、且つ
該バッテリー取付溝18’の底部に、バッテリーセル1
を支えるための支持突起33を設ける一方、金型17b
に、バッテリーセル1の上面全体を樹脂で覆うための上
面被覆樹脂充填溝25’を設け、且つ該上面被覆樹脂充
填溝25’内部に、バッテリーセル1の上面所要箇所に
接触させ該バッテリーセル1の上下方向への動きを拘束
するための支持突起34を設けるようにしてあるが、そ
れ以外の点については、図1〜図4に示す例とほとんど
変わるところはない。
【0049】図10及び図11に示す例のように、バッ
テリーセル1全体を樹脂で被覆して樹脂成形部29を形
成すると、バッテリーセル1の回路基板3と正極端子6
及び負極端子7は、樹脂成形部29により密封性がより
高められるため、更に高い機械的強度並びに電気的強度
が得られると共に、従来に比べ、部品点数が少なく且つ
組み立てに多大な工数を必要としなくなって、コストダ
ウンにつながる一方、使用者が簡単に分解できなくなる
ため、端子部のショート等も発生しなくなる。
【0050】こうして、図10及び図11に示す例の場
合も、部品点数並びに組み立て工数を大幅に削減し得、
コストダウンを図り得ると共に、使用者が簡単には分解
することができず、端子部のショート等の発生を防止し
得、信頼性の向上を図り得る。
【0051】図12〜図15は本発明を実施する形態の
第二の例であって、図中、図19〜図20と同一の符号
を付した部分は同一物を表わしており、バッテリーセル
1の正極に正極端子6を、高温時等に電流の供給を停止
させるためのPTC40を介してスポット溶接すると共
に、バッテリーセル1の負極に負極端子7をスポット溶
接し、前記正極端子6と負極端子7とをそれぞれ回路基
板3の対応する電極にスポット溶接して、バッテリーセ
ル1に対して回路基板3を電気的に接続し、前記PTC
40を伴う正極端子6とバッテリーセル1との絶縁のた
めの絶縁シート52をバッテリーセル1の側面に介在せ
しめ、回路基板3に両面テープ53を介してホルダ54
を被せるように取り付け、前記バッテリーセル1を電池
蓋32の内面に両面テープ48で貼り付け、図13に示
すように組み立て、前記電池蓋32と一体化したバッテ
リーセル1を、図14に示すような、アルミニウム合金
等の金属で製作した金型17a,17b内に設置してポ
リアミド等の樹脂を前記ホルダ54の内側へ流し込み、
該ホルダ54が被せられた回路基板3を樹脂で被覆成形
すると共に、正極端子6及び負極端子7を含むバッテリ
ーセル1の周囲を樹脂で被覆成形しつつ、該樹脂により
バッテリーセル1を電池蓋32内面に固着し、図15に
示す如く、樹脂成形部29を形成し、バッテリーを完成
させるようにしたものである。
【0052】前記ホルダ54には、図12に示すよう
に、回路基板3表面に配設された入出力端子55に対応
するガイド溝56を形成してあり、携帯用電話機の本体
側にバッテリーを装着する際、前記ガイド溝56が携帯
用電話機の本体側の電池端子のガイドとなり双方の端子
の接触を円滑に行えるようにしてある。
【0053】前記電池蓋32に対してバッテリーセル1
を貼り付ける両面テープ48は、図12に示すように、
中央部を抜いた枠状としてあり、満充電時や高温時にお
けるバッテリーセル1の中央部の膨張を吸収し得るよう
にしてある。
【0054】前記金型17aには、図14に示す如く、
前記電池蓋32と一体のバッテリーセル1を入れるバッ
テリー取付溝18と、樹脂注入用の樹脂注入溝22a
と、金型17bに対する位置決め用のガイドピン23と
を設けてあり、又、前記金型17aのバッテリー取付溝
18底部には、バッテリーの樹脂成形完了後に、バッテ
リーを金型17aのバッテリー取付溝18から押し出す
ための開口部24を設けてある。
【0055】又、前記金型17bには、図14に示す如
く、前記金型17aの樹脂注入溝22aと位置合せされ
樹脂を注入するための樹脂注入溝22bと、前記金型1
7aのガイドピン23が嵌入される位置決め用のガイド
穴26と、前記樹脂注入溝22a,22bから注入され
る樹脂が充填される樹脂充填溝57と、樹脂の充填時に
電池蓋32を補強して支持するための補強リブ58と、
樹脂が充填される流路を画成して樹脂を堰き止めるため
の樹脂封止リブ59とを設けてある。
【0056】次に、上記図示例におけるバッテリーを製
造する手順について説明する。
【0057】先ず、図12に示す如く、バッテリーセル
1の正極に正極端子6がPTC40を介してスポット溶
接されると共に、バッテリーセル1の負極に負極端子7
がスポット溶接され、前記正極端子6と負極端子7とが
それぞれ回路基板3の対応する電極にスポット溶接され
て、バッテリーセル1に対して回路基板3が電気的に接
続され、前記PTC40を伴う正極端子6とバッテリー
セル1との絶縁のための絶縁シート52がバッテリーセ
ル1の側面に介在され、回路基板3に両面テープ53を
介してホルダ54が被せられるように取り付けられ、前
記バッテリーセル1が電池蓋32の内面に両面テープ4
8で貼り付けられ、図13に示すようにバッテリーセル
1の組み立てが行われる。
【0058】続いて、前記電池蓋32と一体化したバッ
テリーセル1は、図14に示す如く、金型17aのバッ
テリー取付溝18内に入れられ、金型17aの位置決め
用のガイドピン23に対して金型17bのガイド穴26
が嵌合するように、金型17a,17bが一体化され、
図示していない治具等により固定され、樹脂注入溝22
a,22bからポリアミド等の樹脂が注入される。
【0059】前記樹脂注入溝22a,22bからポリア
ミド等の樹脂が注入されると、該樹脂は、ホルダ54の
内側へ流れ込み、該ホルダ54が被せられた回路基板3
が樹脂で被覆成形されると共に、前記樹脂が樹脂充填溝
57へ充填され、正極端子6及び負極端子7を含むバッ
テリーセル1の周囲も樹脂で被覆成形され、該樹脂によ
りバッテリーセル1が電池蓋32内面に固着される。
【0060】前記樹脂としてポリアミドを用いると、該
ポリアミドは軟化温度が低く且つ溶融時の粘度も低いた
め、一般の樹脂成形と比較して低温、低圧で成形を行う
ことが可能となり、これにより、熱や射出圧による回路
基板3への悪影響の心配はなく、しかも、製造に要する
装置は簡略化可能で且つ成形に費やす時間も短縮可能と
なる。又、前記樹脂として湿度硬化型のポリウレタン樹
脂を用いると、前記ポリアミドと同様に低温、低圧での
成形が可能である。このポリウレタン樹脂は成形温度が
130[℃]程度で、これは成形温度210[℃]ほど
のポリアミド樹脂よりも更に低い。したがって、前記樹
脂としてポリウレタンを用いた場合には、回路基板への
悪影響がないだけでなく、ポリマー電池のように高温で
劣化しやすいバッテリーセルを樹脂成形するのに極めて
有効である。
【0061】前記金型17a,17b内に充填された樹
脂が硬化した後、前記治具による固定を解除して金型1
7aから金型17bを取り外し、電池蓋32内面に固着
されたバッテリーセル1を金型17aの開口部24より
押し出してバッテリー取付溝18から取り出すと、図1
5に示す如く、樹脂成形部29が形成され、電池蓋32
と一体化されたバッテリーが完成する。
【0062】これにより、バッテリーセル1の回路基板
3と正極端子6及び負極端子7は、樹脂成形部29によ
り完全に密封され、且つ該樹脂成形部29によりバッテ
リーセル1が電池蓋32内面に固着されるため、高い機
械的強度並びに電気的強度が得られると共に、従来に比
べ、部品点数が少なく且つ組み立てに多大な工数を必要
としなくなって、コストダウンにつながる一方、使用者
が簡単に分解できなくなるため、端子部のショート等も
発生しなくなり、しかも、バッテリーセル1を両面側か
ら電池蓋32とカバー50(図19参照)で挟み込まず
に済むため、バッテリーの厚さが厚くならず、薄型化並
びに軽量化が可能となる。
【0063】又、図19及び図20に示される従来のバ
ッテリーにおける接続用端子47は、携帯用電話機の本
体側のバネ端子のバネ圧により変形しないよう、樹脂と
板金を同時に成形した高価なものとしてバッテリーセル
1の回路基板3に実装する必要があるが、本図示例にお
けるバッテリーセル1の回路基板3に実装された入出力
端子55は、板金加工の簡単な構造としても、回路基板
3が樹脂により確実に固定されているため、充分な強度
が保てると共に、コスト低減も可能となる。
【0064】更に又、製造過程で電池蓋32及びバッテ
リーセル1を金型17a,17bで押えるため、電池蓋
32の反りやバッテリーセル1の膨張が矯正され、寸法
精度の高いバッテリーが製造可能となる。
【0065】こうして、部品点数並びに組み立て工数を
大幅に削減し得、コストダウンを図り得ると共に、使用
者が簡単には分解することができず、端子部のショート
等の発生を防止し得、信頼性の向上を図ることができ、
更に、薄型化並びに軽量化、寸法精度の向上をも図り得
る。
【0066】図12〜図15には、携帯用電話機の本体
側に対する接続を入出力端子55で行うタイプのものに
ついて説明したが、図16に示すように、接続コード1
1を介したコネクタ10により、携帯用電話機の本体側
に対する接続を行うタイプのバッテリーセル1について
も、図12〜図15に示す例の場合と同様に、樹脂成形
部29を形成して電池蓋32とバッテリーセル1とを一
体化することは可能であり、この場合にも前述と同様の
作用効果が得られる。
【0067】尚、本発明のバッテリー構造及びその製造
方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、
回路基板3を樹脂で被覆し、正極端子6や負極端子7は
別の手段で被覆することも可能であること等、その他、
本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加
え得ることは勿論である。
【0068】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の請求項1
記載のバッテリー構造によれば、部品点数並びに組み立
て工数を大幅に削減し得、コストダウンを図り得ると共
に、使用者が簡単には分解することができず、端子部の
ショート等の発生を防止し得、信頼性の向上を図り得る
という優れた効果を奏し得る。
【0069】本発明の請求項2記載のバッテリー構造に
よれば、上記効果に加え、一般の樹脂成形と比較して低
温、低圧で成形を行うことができ、熱や射出圧による回
路基板への悪影響を回避し得、製造に要する装置を簡略
化し得且つ成形に費やす時間も短縮し得るという優れた
効果を奏し得る。
【0070】本発明の請求項3記載のバッテリー構造に
よれば、上記効果に加え更に、バッテリーセルの膨張に
よるバッテリーセルを装着した携帯機器への影響を最小
限に抑制し得るという優れた効果を奏し得る。
【0071】本発明の請求項4記載のバッテリー構造に
よれば、上記効果に加え更に、バッテリーセルの膨張に
よるバッテリーセルを装着した携帯機器への影響を完全
になくすことができるという優れた効果を奏し得る。
【0072】又、本発明の請求項5記載のバッテリーの
製造方法によれば、高い機械的強度並びに電気的強度を
有し信頼性の高いバッテリーを、コストダウンを図りつ
つ安定して製造し得るという優れた効果を奏し得る。
【0073】本発明の請求項6記載のバッテリーの製造
方法によれば、上記効果に加え、熱や射出圧によって回
路基板へ悪影響が及ぼされることを回避でき、製造装置
の簡略化並びに成形に費やす時間の短縮化も図り得ると
いう優れた効果を奏し得る。
【0074】一方、本発明の請求項7記載のバッテリー
構造によれば、電池蓋内面にバッテリーセルが一体化さ
れる場合に、部品点数並びに組み立て工数を大幅に削減
し得、コストダウンを図り得ると共に、使用者が簡単に
は分解することができず、端子部のショート等の発生を
防止し得、信頼性の向上を図ることができ、更に、バッ
テリーの薄型化並びに軽量化をも図り得るという優れた
効果を奏し得、本発明の請求項8記載のバッテリー構造
によれば、上記効果に加え、一般の樹脂成形と比較して
低温、低圧で成形を行うことができ、熱や射出圧による
回路基板への悪影響を回避し得、製造に要する装置を簡
略化し得且つ成形に費やす時間も短縮し得るという優れ
た効果を奏し得る。
【0075】又、本発明の請求項9記載のバッテリーの
製造方法によれば、電池蓋内面にバッテリーセルが一体
化される場合に、高い機械的強度並びに電気的強度を有
し信頼性と寸法精度の高いバッテリーを、コストダウン
を図りつつ安定して製造し得るという優れた効果を奏し
得、本発明の請求項10記載のバッテリーの製造方法に
よれば、上記効果に加え、熱や射出圧によって回路基板
へ悪影響が及ぼされることを回避でき、製造装置の簡略
化並びに成形に費やす時間の短縮化も図り得るという優
れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例におけるバッテリ
ーセルへの回路基板等の組付工程を表わす分解斜視図で
ある。
【図2】本発明を実施する形態の一例におけるバッテリ
ーセルの樹脂成形前の状態を表わす斜視図である。
【図3】本発明を実施する形態の一例におけるバッテリ
ーセルと金型を表わす斜視図である。
【図4】本発明を実施する形態の一例におけるバッテリ
ーセルの樹脂成形後の状態を表わす斜視図である。
【図5】本発明を実施する形態の一例におけるバッテリ
ーセルが装填された携帯用電話機の断面図であって、バ
ッテリーセルの非膨張時を表わす断面図である。
【図6】本発明を実施する形態の一例におけるバッテリ
ーセルが装填された携帯用電話機の断面図であって、バ
ッテリーセルの樹脂成形部に傾斜面を設けた場合の膨張
時を表わす断面図である。
【図7】図6と比較し、バッテリーセルの樹脂成形部に
傾斜面を設けない場合の膨張時を表わす断面図である。
【図8】本発明を実施する形態の変形例におけるバッテ
リーセルと金型を表わす斜視図である。
【図9】本発明を実施する形態の変形例におけるバッテ
リーセルの樹脂成形後の状態を表わす斜視図である。
【図10】本発明を実施する形態の他の変形例における
バッテリーセルと金型を表わす斜視図である。
【図11】本発明を実施する形態の他の変形例における
バッテリーセルの樹脂成形後の状態を表わす斜視図であ
る。
【図12】本発明を実施する形態の第二の例における電
池蓋内面に一体化されるバッテリーセルへの回路基板等
の組付工程を表わす分解斜視図である。
【図13】本発明を実施する形態の第二の例における電
池蓋内面に一体化されるバッテリーセルの樹脂成形前の
状態を表わす斜視図である。
【図14】本発明を実施する形態の第二の例における電
池蓋内面に一体化されるバッテリーセルと金型を表わす
斜視図である。
【図15】本発明を実施する形態の第二の例における電
池蓋内面に一体化されるバッテリーセルの樹脂成形後の
状態を表わす斜視図である。
【図16】本発明を実施する形態の第二の例の変形例に
おける電池蓋内面に一体化されるバッテリーセルの樹脂
成形後の状態を表わす斜視図である。
【図17】従来の一例におけるバッテリーセルへの回路
基板等の組付工程を表わす分解斜視図である。
【図18】従来の一例におけるバッテリーの完成状態を
表わす斜視図である。
【図19】従来の他の例における電池蓋内面に一体化さ
れるバッテリーセルへの回路基板等の組付工程を表わす
分解斜視図である。
【図20】従来の他の例における電池蓋内面に一体化さ
れるバッテリーの完成状態を表わす斜視図である。
【符号の説明】
1 バッテリーセル 2a 部品 2b 部品 3 回路基板 6 正極端子 7 負極端子 8 負極 17a 金型 17b 金型 29 樹脂成形部 30 傾斜面 31 携帯用電話機 32 電池蓋

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリーセルの所要位置に設けられた
    回路基板と、該回路基板及びバッテリーセルを電気的に
    接続する正極端子と、前記回路基板及びバッテリーセル
    を電気的に接続する負極端子とを備えたバッテリー構造
    であって、前記回路基板及び正極端子並びに負極端子の
    うち、少なくとも回路基板を樹脂で被覆して樹脂成形部
    を形成したことを特徴とするバッテリー構造。
  2. 【請求項2】 樹脂をポリアミド或いはポリウレタンと
    した請求項1記載のバッテリー構造。
  3. 【請求項3】 バッテリーセルに対して回路基板を設け
    る位置をバッテリーセルの上面幅方向端部にすると共
    に、該回路基板上におけるバッテリーセル上面幅方向中
    央部側の部分には厚さの薄い部品を配置し且つ回路基板
    上におけるバッテリーセル上面幅方向端側の部分には厚
    さの厚い部品を配置し、前記回路基板を被覆しバッテリ
    ーセル上面に形成される樹脂成形部に、バッテリーセル
    上面幅方向中央部に近づくに従い厚みが小さくなるよう
    な傾斜面を設けた請求項1又は2記載のバッテリー構
    造。
  4. 【請求項4】 バッテリーセルに対して回路基板を設け
    る位置をバッテリーセルの側面にした請求項1又は2記
    載のバッテリー構造。
  5. 【請求項5】 バッテリーセルの所要位置に、回路基板
    を設けると共に、該回路基板とバッテリーセルとを正極
    端子及び負極端子を介して電気的に接続した後、バッテ
    リーセルを金型内に設置して樹脂を流し込み、前記回路
    基板及び正極端子並びに負極端子のうち、少なくとも回
    路基板を樹脂で被覆成形することを特徴とするバッテリ
    ーの製造方法。
  6. 【請求項6】 樹脂としてポリアミド或いはポリウレタ
    ンを用い、低温、低圧で被覆成形を行うようにした請求
    項5に記載のバッテリーの製造方法。
  7. 【請求項7】 バッテリーセルの所要位置に設けられた
    回路基板と、該回路基板及びバッテリーセルを電気的に
    接続する正極端子と、前記回路基板及びバッテリーセル
    を電気的に接続する負極端子とを備え、電池蓋内面に一
    体化されるバッテリー構造であって、前記回路基板及び
    正極端子並びに負極端子のうち、少なくとも回路基板を
    樹脂で被覆し且つ該樹脂によりバッテリーセルを電池蓋
    内面に固着したことを特徴とするバッテリー構造。
  8. 【請求項8】 樹脂をポリアミド或いはポリウレタンと
    した請求項7記載のバッテリー構造。
  9. 【請求項9】 バッテリーセルの所要位置に、回路基板
    を設けると共に、該回路基板とバッテリーセルとを正極
    端子及び負極端子を介して電気的に接続し、該バッテリ
    ーセルを電池蓋内面に配設した後、該電池蓋とバッテリ
    ーセルを金型内に設置して樹脂を流し込み、前記回路基
    板及び正極端子並びに負極端子のうち、少なくとも回路
    基板を樹脂で被覆成形しつつ、該樹脂によりバッテリー
    セルを電池蓋内面に固着することを特徴とするバッテリ
    ーの製造方法。
  10. 【請求項10】 樹脂としてポリアミド或いはポリウレ
    タンを用い、低温、低圧で被覆成形を行うようにした請
    求項9に記載のバッテリーの製造方法。
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