JP2002221538A - 電流センサ及び電流測定回路 - Google Patents
電流センサ及び電流測定回路Info
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Abstract
生産することもできる安価な電流センサを提供する。 【解決手段】 ポリイミドフィルム基材1の基材の表裏
面に、銅箔3a,3bによってコイルを形成して電流セ
ンサを構成する。
Description
を利用した電流センサに関し、特に、安価でありながら
高精度の電流センサに関する。
電流が流れる場合には、その大電流の測定にはロゴスキ
ーコイルが用いられている。
コイルを巻き付けて一巡させ、巻き終わりを、前記閉曲
線に沿って巻き始めまで戻して構成するコイルである。
このロゴスキーコイルには鉄心がないので鉄損や磁気飽
和がなく、10A〜200000A程度までの大電流を
簡単に測定できる特徴を有している。
キーコイルは、コイルの巻きピッチの一様性やコイル断
面積の一様性が極めて重要であり、機械的に如何に精密
にコイルを巻いたつもりでも精度的に十分ではないとい
う問題があった。ここで、機械的な精度を向上させよう
とすると価格的に高騰を招くという問題点がある。
定対象物を取り囲むと共に、その基端部と先端部とをし
っかりと接触させて隙間が生じないようにすることが重
要であるが、従来の構成では可撓性が十分でないだけで
なく、電流センサの弾力性が強いために、むしろ隙間が
でき易く測定誤差が少なくないという問題点もあった。
必要があったために、短時間に大量の電流センサを生産
できないという問題点もあった。
たものであって、高精度なセンサでありながら、短時間
に大量生産することもできる安価な電流センサを提供す
ることを課題とする。また、このような電流センサと組
み合わせて使用すると好適な電流測定回路を提供するこ
とを課題とする。
め、本発明では、可撓性を有する合成樹脂製の基材の表
裏面に連続する導体膜によってコイルを形成して構成さ
れる。本発明では、基材の表裏面に連続する導体膜によ
ってコイルを形成しているので、厚みを正確に管理した
基材に対して写真技術などを利用することによって、コ
イルの巻きピッチとコイル断面積の一様性を確保するこ
とができ、また短時間に大量生産できる安価な電流セン
サを実現できる。
である。図9に示すように、閉曲線Sに沿って断面積a
のコイルを一様に巻き付け、閉曲線Sを一巡させた後、
巻き戻した場合を考える。この場合には、コイルに鎖交
する全磁束Φは、式(1)で与えられる。
単位長さ当りの巻数nが、コイル全周にわたって一様で
あるので、(式1)は、(式1’)のように変形するこ
とができ、また周回積分の法則より(式2)が成立す
る。
面内の電流瞬時値(便宜上、定常電流とした) f:周波数、ω=2πf コイルに鎖交する全磁束Φが(式2)で与えられること
より、コイルに誘起する逆起電力Eは E=−dΦ/dt=−ωnaμImCOS(ωt)…(式
3)となる。そして、図10に示す負荷抵抗Rに発生す
る電圧eoutは、
が成立する場合には、 eout≒R/(r+R)×ωnaμImSIN(ωt−π/2−α)…(式4) となり、出力電圧eoutは、測定電流振幅値Imと周波数
fの積に比例することになる。なお、Lは、コイルの自
己インダクタンス、rは、コイルの内部抵抗その他の抵
抗値を総合したものである。
単位長さ当りの巻数nが、コイル全周にわたって一様で
あれば、負荷抵抗Rには、測定電流振幅値Imと周波数f
の積に比例する電圧eoutを得ることができる。そし
て、出力電圧eoutを積分回路に供給すれば、この積分
回路において1/fの周波数特性が与えられ、結局、積
分回路の出力として、周波数特性がフラットで測定電流
値ImSIN(ωt)に比例した電圧が得られることにな
る(図11参照)。
間にはスルーホールが形成され、そのスルーホールを通
して、表面側の導体膜と裏面側の導体膜とが接続されて
いる。なお、スルーホールを形成しない場合は、例え
ば、基材の側端面に導体膜を形成して、基材表裏面の導
体膜を接続すれば良い。
しくは、ポリイミドフィルム基材からなり、また本発明
における導体膜は、好ましくは銅箔で形成されている。
また、導体膜の主要部は、略鋸歯状に屈曲して形成され
ているのが好ましい。なお、略鋸歯状とは、実施例で例
示する鋸歯形状に何ら限定されない趣旨である。
基端部一方側の接続端子から基材の表裏面を略鋸歯状に
屈曲しつつ進んだ後、先端部から基端部に向けて真っ直
ぐに戻って基端部他方側の接続端子に接続されている。
また、この構成に代えて、本発明に係る導体膜は、基端
部一方側の接続端子から先端部に向けて、基材の表裏面
を略鋸歯状に屈曲しつつ進んだ後、先端部から基端部に
向けて、基材の表裏面を略鋸歯状に屈曲しつつ戻って他
方側の接続端子に接続されるのが好ましい。ここで、進
出側と後退側の前記導体膜は、隣接して平行関係にある
導体膜が表裏面に分離するように形成されていると更に
好ましい。
され、第1の基材の表面から第2の基材の裏面に向けて
適所に第1群のスルーホールが形成されて、前記第1群
のスルーホールを通して第1方向に向けて略鋸歯状に屈
曲しつつ導体膜が形成され、第2の基材の表面から第3
の基材の裏面に向けて適所に第2群のスルーホールが形
成されて、前記第2群のスルーホールを通して第2方向
に向けて略鋸歯状に屈曲しつつ導体膜が形成されている
のが好適である。なお、本発明に係る電流センサは、そ
の表裏面が絶縁性被膜で覆われていると、仮に電流セン
サが、非絶縁状態の被測定物に接触した場合でも破損す
ることがない。
を受けて動作する測定回路としては、積分回路において
信号周波数fに対して1/fの周波数特性が与えられ、
この1/f特性を有する周波数帯域で電流センサの出力
を利用する測定回路が好ましい。ここで、積分回路は、
一次アクティブローパスフィルタとして機能する回路が
好ましく、積分回路の前段にはノイズカットフィルタが
設けられているのが好ましい。
明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の第一実施例
である電流センサS1の平面形状を図示したものであ
り、図2は、図1の6A−6B−6C−6D線に沿って、電
流センサS1の断面形状を図示したものである。
ント回路用銅張積層板BASEにコイルパターンを形成した
ものであり、図2に示すように、合成樹脂製のベースフ
ィルム基材1と、ベースフィルム基材1の表裏面に接着
剤層2a,2bを介して形成された銅箔層3a,3b
と、接着剤層4a,4bを介して銅箔層3a,3bを覆
うカバーフィルム基材5a,5bとで構成されている。
ベースフィルム基材1の適所には、表裏面の銅箔層3
a,3bを接続するスルーホール6が形成されており、
全体として図1に示すコイルが形成されている。
れるものではないが、可撓性や難燃性の観点からポリイ
ミド基材が好適に用いられる。カバーフィルム基材5の
材料も特に限定されないが、可撓性や難燃性に加えて、
電気絶縁性にも優れる点からポリイミド基材が好適に用
いられる。ベースフィルム基材1の厚みは、電流センサ
S1の感度を上げるには、なるべく厚い方が良いが、あ
まり厚いと可撓性を損なうので数100μm以内である
ことが好ましい。
端部一方側の接続端子7aからベースフィルム基材1の
表裏面を鋸歯状に屈曲しつつ進んだ後、先端部BEから
基端部BSに向けて真っ直ぐに戻って基端部他方側の接
続端子7bに接続されている。なお、接続端子7a,7
bは、不図示のリード線によって同軸ケーブルに接続さ
れている。
積層板BASEを折り曲げて基端部BSと先端部BEとをしっ
かり接触させて閉曲線を形成した状態であり、電流セン
サS1の使用状態を図示したものである。電流センサS
1は可撓性に優れるので、被測定対象物8を取り囲むよ
うに積層板BASEを折り曲げることが容易であり、しかも
基端部BSと先端部BEとがしっかりと接触されて固定可
能であり、積層板BASEが全体として完全なロゴスキーコ
イルとなる。そのため、積層板BASEに沿って磁界Hを周
回積分すると、被測定対象物8に流れている電流値iに
正確に一致することになる。
銅箔面が精密に形成されているので、単位長さ当りのコ
イル巻数nも常に一定である。また、コイルの断面積a
についても、ベースフィルム基材1及び接着剤層2の厚
みTと、銅箔3の幅方向の長さLとで決まるので、その
値a=T×Lを所定値に管理することができる(図4参
照)。
(ωt)の場合、先に説明したように、接続端子7a,
7bの間には、ωnaμImSIN(ωt−π/2)の誘
起電圧が表れることになる(式(3)参照)。つまり、
周波数fと電流振幅Imに比例して位相が90度遅れた電
圧が接続端子7a,7bに発生することになる。
ンサS2の平面構成を図示したものである。この電流セ
ンサS2は、基端部一方側の接続端子7aから先端部に
向けて、ベースフィルム基材の表裏面の銅箔を鋸歯状に
屈曲しつつ進めた後、先端部において幅方向に位置をず
らし、先端部から基端部に向けて、ベースフィルム基材
1の表裏面の銅箔を鋸歯状に屈曲しつつ戻して他方側の
接続端子7bに接続して構成されている。ここで進出側
の銅箔3と後退側の銅箔3とは、隣接して平行関係にあ
る銅箔が表裏面に分離するように形成されている。
電流センサS1に比べて単位長当りのコイルの巻数n’
を実質上2倍程度にすることができ電流センサの感度を
上げることができる。但し、使用方法などは電流センサ
S1の場合と同様であり、被測定対象物8を取り囲むよ
うに積層板BASEを折り曲げると(図3参照)、接続端子
7a,7bの間には、n'ωaμImSIN(ωt−π/
2)の誘起電圧が発生する。
ンサS3の平面構成を図示したものである。この電流セ
ンサS3は、図7に示すように、3枚のベースフィルム
基材1a,1b,1cを重合させて構成されている。そ
して、ベースフィルム基材1aの表面からベースフィル
ム基材1bの裏面に向けて適所にスルーホール6が形成
されて、進出方向に鋸歯状に屈曲する銅箔3fが形成さ
れている。また、ベースフィルム基材1bの表面からベ
ースフィルム基材1cの裏面に向けても適所にスルーホ
ール6が形成されて、後退方向に鋸歯状に屈曲する銅箔
3rが形成されている。なお、図7には、ある瞬間の電
流の流れる方向を(・)と(×)の記号で表示してい
る。
電流センサS1に比べて、単位長当りのコイル巻数を実
質上2倍程度にできる上に、コイル断面積を約2倍程度
にできるので、高感度の電流センサを構成することがで
きる。但し、使用方法などは電流センサS1の場合と同
様であり、被測定対象物8を取り囲むように積層板BASE
を折り曲げると、接続端子7a,7bの間には、a'n'
ωμImSIN(ωt−π/2)の誘起電圧が発生する。
力を増幅する電流測定回路の回路例を図示したものであ
る。図示の電流測定回路は、大略、ノイズカットフィル
タFL1,FL2と、オペアンプOP1による積分回路
21と、オペアンプOP2による増幅回路22とで構成
されている。ここでノイズカットフィルタFL1,FL
2は、電流センサSの出力信号に重畳される高周波ノイ
ズを除去するものである。また、積分回路21は、オペ
アンプOP1と、入力抵抗R2と、負帰還抵抗R3と、
積分コンデンサC1とで構成されたミラー積分回路であ
り、カットオフ周波数f1の一次アクティブローパスフ
ィルタとして機能している(図11参照)。
力抵抗R4,R7,VR2と、負帰還抵抗VR1,R
5,R6とで構成された加減算回路である。可変抵抗V
R2によってDCバランスをとって直流分をキャンセル
すると共に、可変抵抗VR1を調整して所定の増幅率
(R0/R4)を確保している。なお、R0は、負帰還
抵抗VR1,R5,R6の合成抵抗である。
Sの出力は、同軸ケーブルを通して入力端子J1,J2
に供給される。そして、ノイズカットフィルタFL1,
FL2において高周波ノイズが除去された後、負荷抵抗
Rに供給される。但し、実質上、負荷抵抗R≒R1//
R2である。先に説明したように負荷抵抗Rの両端電圧
eoutは、(r+R)2≫(ωL)2の条件が成立する場
合には、 eout≒R/(r+R)×ωnaμImSIN(ωt−π
/2−α)…(式4)となる。したがって、(r+R)
2≫(ωL)2の条件が成立しない領域も含めると、負荷
抵抗Rの両端電圧eoutは、周波数fに比例した、いわ
ば一次ハイパスフィルタの特性を持った出力となる(図
11)。なお、この一次ハイパスフィルタ(RL回路)
のカットオフ周波数をf2とする。
抵抗R2を通してミラー積分回路を構成しているオペア
ンプOP1に供給されるので、オペアンプOP1の出力
は、ミラー積分回路のカットオフ周波数f1から、RL
回路のカットオフ周波数f2までフラットな周波数特性
を持ったセンサ出力が得られることになる。
て、被測定対象物の瞬時電流ImSIN(ωt)を正確
に測定することができる。なお、説明の都合上、正弦波
電流を例に挙げたが周波数帯域f1〜f2を広くとるこ
とによって、パルス電流の瞬時値なども正確に測定する
ことができる。また、正弦波やパルス波の瞬時値が測定
できることより被測定対象物の電流実効値も測定できる
のは勿論である。
明したが、例示した具体例は特に本発明を限定するもの
ではなく、可撓性を有する合成樹脂製の基材の表裏面に
連続する導体膜によってコイルを形成する条件を満たす
範囲内で各種の改変が可能である。例えば、図12に示
すように、導体膜の往復回数を適当回数増加されてもよ
く、この場合にはセンサの感度を上げることができる。
高精度なセンサでありながら、短時間に大量生産するこ
ともできる安価な電流センサを実現できる。また、この
ような電流センサの出力を測定回路で処理することによ
って周波数帯域f1〜f2において、パルス電流などの
瞬時値を正確に測定することができる。
図示したものである。
たものである。
図示したものである。
図示したものである。
構造を図示したものである。
示したものである。
たものである。
ある。
Claims (11)
- 【請求項1】 可撓性を有する合成樹脂製の基材の表裏
面に連続する導体膜によってコイルを形成してなる電流
センサ。 - 【請求項2】 前記基材の表裏面間にはスルーホールが
形成され、そのスルーホールを通して、表面側の導体膜
と裏面側の導体膜とが接続されている請求項1に記載の
電流センサ。 - 【請求項3】 前記合成樹脂製の基材は、ポリイミドフ
ィルム基材からなり、前記導体膜は銅箔で形成されてい
る請求項1又は2に記載の電流センサ。 - 【請求項4】 前記導体膜の主要部は、略鋸歯状に屈曲
して形成されている請求項1〜3の何れかに記載の電流
センサ。 - 【請求項5】 前記導体膜は、基端部一方側の接続端子
から前記基材の表裏面を略鋸歯状に屈曲しつつ進んだ
後、先端部から基端部に向けて戻り基端部他方側の接続
端子に接続されている請求項1〜3の何れかに記載の電
流センサ。 - 【請求項6】 前記導体膜は、基端部一方側の接続端子
から先端部に向けて、前記基材の表裏面を略鋸歯状に屈
曲しつつ進んだ後、先端部から基端部に向けて、前記基
材の表裏面を略鋸歯状に屈曲しつつ戻って他方側の接続
端子に接続されている請求項1〜3の何れかに記載の電
流センサ。 - 【請求項7】 進出側と後退側の前記導体膜は、隣接し
て平行関係にある導体膜が表裏面に分離するように形成
されている請求項6に記載の電流センサ。 - 【請求項8】 3枚の基材を重合して構成され、第1の
基材の表面から第2の基材の裏面に向けて適所に第1群
のスルーホールが形成されて、前記第1群のスルーホー
ルを通して第1方向に向けて略鋸歯状に屈曲しつつ導体
膜が形成され、 第2の基材の表面から第3の基材の裏面に向けて適所に
第2群のスルーホールが形成されて、前記第2群のスル
ーホールを通して第2方向に向けて略鋸歯状に屈曲しつ
つ導体膜が形成されている請求項1〜3の何れかに記載
の電流センサ。 - 【請求項9】 前記電流センサの表裏面は、絶縁性の被
膜で覆われている請求項1〜8の何れかに記載の電流セ
ンサ。 - 【請求項10】 請求項1〜9の何れかに記載の電流セ
ンサからの信号を受けて動作し、積分回路において信号
周波数fに対して1/fの周波数特性が与えられ、この
1/f特性を有する周波数帯域で前記電流センサの出力
を利用するようにしている測定回路。 - 【請求項11】 前記積分回路は、一次アクティブロー
パスフィルタとして機能する回路であり、前記積分回路
の前段にはノイズカットフィルタが設けられている請求
項10に記載の測定回路。
Priority Applications (1)
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JP2001016577A JP3574409B2 (ja) | 2001-01-25 | 2001-01-25 | 電流センサ及び電流測定回路 |
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