JP4135882B2 - 磁束センサ、磁束検出方法および電流検出方法 - Google Patents

磁束センサ、磁束検出方法および電流検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁束センサおよびこの磁束センサを用いた磁束検出方法に関する。この発明は、また、磁束センサを用いて、例えば、電灯線などの電線を流れる電流により発生する磁束を検出することにより、電線を流れる電流を正確に検出する電流検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電線を流れる電流を検出する方法の一例として、図28に示すように、当該電線を電流iが流れることにより、この電流iの流れる位置を中心とした同心円を描くように発生する磁束Bを検出する方法が知られている。これは、原理的には発生する磁束Bが電流iに正確に対応するため、磁束Bを正確に検出することにより、電線を流れる電流iを正確に検出することができるからである。
【0003】
図29は、従来のこの種の電流検出方法の一例を説明するための図である。この図29の例では、電流iに対応する磁束を検出するための磁束センサとして、漏れをなくすために閉磁路を形成するようにリング状にしたコア(巻き芯)にコイルを巻回した、いわゆるトロイダルコイルを用いている。
【0004】
なお、トロイダルコイルを磁束センサとして用いる方法によれば、電流iが流れることにより発生する磁束Bのすべてを、トロイダルコイルのリング状コアに集めることができるので、電線を流れる電流iの波形を正確に検出することができる。
【0005】
この図29において、1は電線であり、通常は絶縁被覆2により覆われた被覆線3の構造とされている。そして、例えばフェライトなどの磁性材からなるリング状のコア(磁性体コア)4を巻き芯として、そのリング状コア4の全周に渡ってコイル5を巻回したトロイダルコイル6の中空部内に被覆線3を挿通するようにして、トロイダルコイル6を、被覆線3に対して取り付ける。
【0006】
すると、電線1を電流iが流れることにより発生する磁束Bは、図30に示すように、トロイダルコイル6内にのみ存在し、トロイダルコイル6の外には存在しなくなる。このため、コイル5から得られる磁束に応じた誘導電流は、電線1を流れる電流iに正確に対応するものとなる。
【0007】
したがって、コイル5から得られる電流iを、例えば利得一定のアンプ7で増幅することにより、電線1を流れる電流iに一意に対応する電流検出出力信号を得ることができる。この場合、電流iが交流の場合には、通常、その検出電流波形から、実効値(2乗平均平方根値)が求められて、電流値とされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、磁性体コアにコイルを巻回して形成して構成した磁束センサを、検出対象の磁束路がコイル内を通る、つまり、磁性体コア内を通るように配置することにより、検出対象の磁束を検出することができる。この場合に、コイルから出力される磁束センサの検出出力としては、検出対象の磁束に正確に対応するように直線性の良い特性を有することが望まれる。
【0009】
ところで、磁性体コアにコイルが巻回されて構成される磁束センサにおいて、そのコア中の磁束密度Bとコアの磁化力Hとの関係(B−H特性)は、例えば図31に示すようなヒステリシス特性となる。この図31の特性においては、コア中を通る磁束密度Bに直線性良く起磁力が得られる範囲は、コアの磁気飽和のために、限定された範囲となっており、このため、起磁力に対応して得られる磁束センサの検出出力は、電線1を流れる電流iに、直線性良く対応するものとはならない問題がある。
【0010】
すなわち、図31の特性において、直線性良く起磁力が得られる範囲を超えるような大きな磁束の場合には、磁束センサのコアは磁気的に飽和状態となるため、当該磁束に正確に対応した検出出力が磁束センサから得られなくなるものである。
【0011】
このため、例えば、電線1に、図32の上側に示すような正弦波電流が流れたときに、コイル5から得られる検出電流波形は、対応した正弦波電流波形は得られずに、図32の下側に示すように歪んだ検出電流波形となってしまう。この現象は、トロイダルコイルであっても、コアの大きさやコアに用いられる磁性材料などに起因して生じる。
【0012】
従来は、この問題を解決するために、コイルの大きさを大きくしたり、高透磁率の磁性体をコアとして用いたりするなどして、直線性の良い磁束センサを設計するように工夫している。
【0013】
しかし、例えば前述のトロイダルコイルの場合など、コアの大きさを大きくすると全体の形状が大きくなる。このため、磁束センサを取り付ける場合に、比較的大きな取り付けスペースが必要となり、磁束センサの取り付け部位が限られてしまうという問題がある。
【0014】
さらには、検出電流の大きさが大きく変動する場合など、どの程度の起磁力が必要かを予測することが困難な場合を考慮すると、磁束センサとして、常に適正な性能を有するようなコアの大きさやコア材を選定することは、非常に困難であった。つまり、適切な特性を有する磁束センサを設計するようにすることは非常に困難であった。
【0015】
磁束検出素子として、コアに巻回されたコイルを用いない場合においても、磁束検出素子が検出可能な鎖交磁束量には、一般に限界があり、飽和するような鎖交磁束量となると、上述と同様に、検出しようとする磁束にリニアに対応する検出出力が得られなく問題がある。
【0016】
この発明は、以上の問題点にかんがみ、磁束検出素子の特性に関係なく、検出対象の磁束が比較的大きくても、直線性良く磁束さらには電流を検出することできる磁束センサおよび磁束検出方法および電流検出方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明による磁束センサは、
シート状磁性体と、
前記シート状磁性体の一面上に、前記シート状磁性体の対向する一方の辺から他方の辺に渡って、互いに分離された状態で被着形成されている第1の複数本の線状の導電体と、
前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面上に、前記シート状磁性体の対向する前記一方の辺から前記他方の辺に渡って、互いに分離された状態で形成され、かつ、前記第1の複数本の線状の導電体のそれぞれと、前記一方の辺および前記他方の辺の近傍において電気的に接続されて、前記シート状磁性体を巻き芯とするコイルを形成するようにする第2の複数本の線状の導電体と、
前記第1の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の一面側に設けられた第1の絶縁膜と、
前記第2の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面側に設けられた第2の絶縁膜と、
厚さ方向に着磁されて、前記コイル内を検出対象の磁束が通る方向に直交する方向の成分を持つ直流磁界を印加するように、前記第1の絶縁膜または第2の絶縁膜のいずれか一方または両方の上に積層されるシート状の永久磁石と、
を備えることを特徴とする。
【0018】
また、請求項2の発明による磁束センサは、
シート状磁性体と、
前記シート状磁性体の一面上に、前記シート状磁性体の対向する一方の辺から他方の辺に渡って、互いに分離された状態で被着形成されている第1の複数本の線状の導電体と、
前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面上に、前記シート状磁性体の対向する前記一方の辺から前記他方の辺に渡って、互いに分離された状態で形成され、かつ、前記第1の複数本の線状の導電体のそれぞれと、前記一方の辺および前記他方の辺の近傍において電気的に接続されて、前記シート状磁性体を巻き芯とする第1のコイルを形成するようにする第2の複数本の線状の導電体と、
前記第1の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の一面側に設けられた第1の絶縁膜と、
前記第2の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面側に設けられた第2の絶縁膜と、
平面状に巻回され、前記第1のコイル内を検出対象の磁束が通る方向に直交する方向の成分を持つ直流磁界を印加するために、前記第1の絶縁膜または第2の絶縁膜のいずれか一方または両方の上に積層されるように配される第2のコイルと、
を備えることを特徴とする。
【0019】
【作用】
上述の構成の請求項1の発明においては、永久磁石による直流磁界により、また、請求項2の発明においては、第2のコイルにより構成される電磁石による直流磁界により、検出対象の磁束のうちの一部は、磁束検出素子としてのコイル(請求項2の発明では第1のコイル)に鎖交しないようにされる。このため、磁束検出素子としてのコイルに鎖交する磁束は少なくなるので、磁束検出素子としてのコイルが磁気的な飽和状態とならないようにすることができ、磁束検出素子としてのコイルからは、検出対象の磁束に直線性良く対応した検出出力が得られる。
【0020】
この場合に、磁束検出素子としてのコイルからの検出出力は、レベル的には小さくなるが、変化分としての検出出力波形に関しては正確な値が得られるようになる。
【0021】
これは、定性的には、検出対象の磁束の一部が、直流磁界の発生手段側に吸引され、あるいは排斥されて、磁束検出素子に鎖交する磁束は、磁束検出素子で磁気的な飽和が生じない程度に少なくなり、直線性の良い磁束対起磁力の範囲内の磁束量になるからである。
【0022】
したがって、この発明によれば、磁束検出素子の特性に関係なく、直線性良く磁束さらには電流を検出することできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態を、図を参照しながら説明する。以下の実施形態の説明は、電線を流れる電流が発生する磁束を検出し、その検出出力に基づいて、電線を流れる電流の値を検出する場合である。まず、磁束センサの実施形態の構造およびその製法、次に、この磁束センサを用いる電流検出方法および電流検出装置の実施形態の順に説明する。
【0024】
[この発明の実施形態に用いる磁束センサの例]
[磁束センサの構造]
この実施形態の磁束センサは、基本的には、極く薄い、所定の寸法の可撓性のシート状磁性体に、このシート状磁性体を巻き芯とするようにコイル導体が形成されたものである。この例では、シート状磁性体の磁性材としては、フェライトやアモルファス金属などを用いた透磁率が空気の透磁率(=1)に対して十分に高く、かつ、鉄損が少ないものを用いる。
【0025】
図1は、この例の磁束センサ10の構造の一例を示すものであり、また、図2は、その一部の拡大図を示すものである。図1(A)は、この磁束センサ10の平面図であり、シート面(厚さ方向に直交する面)に直交する方向から見た図である。また、図1(B)は、この磁束センサ10の断面図を示すものである。また、図2(A)は、磁束センサ10のコイル部分の説明のための図であり、図2(B)は、磁束センサ10のコイル部分における断面図である。
【0026】
シート状磁性体11の磁性材料としては、この例では、例えば日立金属株式会社製の商品名「ファインメット(登録商標)」が用いられる。これは、アモルファス金属からなるもので、透磁率が20000と高く、厚さが20μmと薄く、軽量で可撓性があるシート状磁性体である。そして、この例では、このシート状磁性体11は、矩形形状とされ、長さLが、この例ではL=25(ミリメートル)とされ、幅Wは、W=7(ミリメートル)と規定されている。
【0027】
このシート磁性体11を用いることにより、磁束センサとして直線性の優れたものを実現できるが、このシート状磁性体11は、非常にもろく、加工ひずみを受けやすい極めて薄い磁性薄膜である。そこで、この実施形態においては、シート状磁性体11を、強度と耐熱性のある薄い樹脂などの薄膜で両側から挟み、シート状磁性体11にひずみや損傷を与えることなく、全体を曲げられるように、伸縮性に富んだ構造とすることができるようにしている。
【0028】
すなわち、このシート状磁性体11のシート面の一面およびその反対側の面上には、絶縁層12,13が形成され、シート状磁性体11がこれら絶縁層12,13により両側から挟まれるように構成されている。
【0029】
そして、これら絶縁層12,13上の、シート状磁性体11の長さ方向のほぼ中央部分の所定の範囲、例えば6〜15ミリメートルの部分において、複数の線状の導電体からなるコイル14が形成されている。コイル14のターン数は、例えば10〜100ターンとされる。
【0030】
このコイル14は、絶縁層12上に形成された複数の線状の導電体14aと、絶縁層13上に形成された複数の線状の導電体14bとが、図2(A)に示すように、シート状磁性体11の幅方向の両端において、後述するようにスルーホール20d内に電気メッキにより形成された導体を通じて電気的に接続されて形成されているものである。
【0031】
そして、コイル14および絶縁層12,13上を覆うように絶縁層15,16が形成されている。そして、絶縁層15の上には、銅薄膜からなる電界シールド層17が被着形成され、この電界シールド層17の上に磁気シールド層19が被着形成されている。電界シールド層17と、導電体14aの右端の線状の導電体14aRの端部との間は、図2(A)に示すように、スルーホール20u内に、例えば電気メッキにより形成された導体を通じて電気的に接続されている。
【0032】
電界シールド層17の存在により、電気的な飛び込みノイズを除去するようにすることができる。すなわち、電界シールド層17に電気的に接続されている電極26が接地されることにより、ノイズを接地(グラウンド)に流すことができ、コイル14の検出出力への電気的ノイズの混入を防止することができる。
【0033】
また、磁気シールド層19の存在により、シート面に直交する方向からの磁束は反射されて、シート状磁性体11には、シート面に平行な方向からのみ、つまり、厚み部分にのみ磁束が通るようにされている。これにより、シート面に直交する方向からの磁気的な飛び込みノイズの混入を防止することができる。
【0034】
また、絶縁層16の上には、厚さ方向に着磁されたシート状の永久磁石18が被着形成される。この永久磁石18は、例えば0.4mm〜1.5mm程度の厚さの可撓性のシート状永久磁石である。この永久磁石18の着磁パターンとしては、図2(C)に示すように、シート状の永久磁石18のシート面に沿う方向に一様に着磁する方法と、図2(D)に示すように、シート状の永久磁石18の長手方向を、複数個の短冊状の領域に分け、各短冊状の領域において、隣接する短冊状の領域とは逆極性に厚さ方向に着磁する方法との、いずれを用いても良い。図2(C)の方法は、永久磁石18の厚さが比較的厚い場合に有効であり、また、図2(D)の方法は、永久磁石18の厚さが比較的薄い場合に有効である。
【0035】
また、この発明の直流磁界発生手段としては、検出対象の磁束のうちの一部を磁束検出素子としてのコイルに鎖交させないようにすることができればよいため、コイル14の巻回面に対して直交する方向、すなわち、コイル14内を検出対象の磁束が通る方向に直交する方向の成分を有するものであればよい。このため、永久磁石18は、図2(E)に示すように、あえて厚さ方向に着磁したものでなく、長手方向にのみ着磁されたものであっても用いることができる。
【0036】
永久磁石18の上には、接着性を持つ層(以下、接着層という)21が形成され、さらに、この接着層21の上に基板層22が形成されている。永久磁石18により発生させる磁界の強さは、検出対象の磁束の強さに応じて、シート状磁性体11を通る磁束により、シート状磁性体11が磁気的に飽和しないような値に選定される。この例では、60〜300ガウス程度とされている。
【0037】
なお、シート状磁性体11が絶縁物からなるものであれば、絶縁層13および絶縁層12は、設けなくともよい。ただし、強度を得るためには、これらの絶縁層13,12を設けた方が良い。
【0038】
基板層22は、接着層21を磁束センサ10側に残して、剥離可能とされている。後述するように、この例の磁束センサ10は、基板層22が剥離されることにより露呈される接着層21により、電線や被覆部分に接着されて装着することができるようにされている。
【0039】
なお、図1に示すように、シート状磁性体11の長手方向の一方の端部の磁気シールド層19が形成される側と、他方の端部の基板層22が形成される側とでは、絶縁層12、15、電界シールド層17、シールド層19、また、絶縁層13,16、永久磁石18、接着層21は形成されない部分23,24とされている。したがって、これらの部分23,24は、シート状磁性体11の表面が露呈するようにされている。この例では、これらの部分23,24は、それぞれ例えば2.5ミリメートル程度とされている。
【0040】
これらの部分23,24は、シート状磁性体11をリング状にしたときに、閉磁路を形成することができるようにするためである。このようにするのは、磁束センサ10を校正する際には、閉磁路として校正した方が、校正が容易であるからである。この校正は、製造された磁束センサ10のロット間のばらつきを考慮して行われるものである。なお、シート状磁性体11は、透磁率が非常に高いので、部分23と、部分24との両方でシート状磁性体を露呈させる必要はなく、部分23と、部分24とのどちらか一方のみを設けるようにしてもよい。
【0041】
また、シート状磁性体11上の絶縁物の一部に透磁率が大きいものを用いるときは、これらの部分23,24を設けなくても良い。
【0042】
なお、磁束センサ10の大きさは、図1に示したように、シート状磁性体11よりも若干大きなものとされて、前記部分23や24を除き、シート状磁性体11が完全に樹脂などの絶縁層により覆われている構成とされている。
【0043】
そして、この例では、図1に示すように、コイル14の一端および他端となる導電体14aの部分から、シート状磁性体11部分を避けた位置に、電極25,26が形成されている。この電極25,26の部分は、この例では、絶縁層15、電界シールド層17およびシールド層19は除去されて露呈するようにされている。この電極25,26にリード線が接続される。
【0044】
リード線の接続方法としては、半田付けによる方法でも良いが、電極25,26に対応するような突型電極が形成され、その突型電極にリード線が接続されているクリップ型のコネクタを用いることもできる。すなわち、クリップ型のコネクタの電極25,26に対応する突型電極が、電極25,26に衝合するようにして、クリップ型コネクタにより、磁束センサ10を挟持するように取り付けることで、リード線の接続が可能である。
【0045】
なお、上述のように電極25,26を露呈しなくても、リード線に対して針電極を取り付け、この針電極を、例えば磁気シールド層19側から突き刺して、電極25,26に電気的に接続させるようにすることもできる。
【0046】
なお、シート状磁性体11の材料としては、フェライトやアモルファス金属を例として挙げたが、これらに限られるものではなく、透磁率が高く、鉄損が小さいものであれば好適である。
【0047】
[磁束センサ10の製法]
次に、上述のような構造を有するこの例の磁束センサ10の製造方法について、図3および図4、図5を参照しながら説明する。なお、図4、図5は、磁束センサ10の1素子当たりの主要部分を拡大した図であるが、この例の磁束センサ10の製造方法においては、図6に示すように、多数の磁束センサ10を同時に形成し、図6において、一点鎖線で示す縦、横の切断線27に沿って切断することにより、個々の磁束センサ10を得るものである。
【0048】
図3(A)および図4(A)に示すように、最初に、やや厚く硬い基板22を用意し、その上に接着性絶縁物からなる接着剤層21を、例えばスプレイ付着して形成する。次に、その絶縁性の接着剤層21の上に、厚さ方向に着磁されたシート状の永久磁石18を被着する。そして、永久磁石18の上に、この例では、接着性絶縁物からなる絶縁層16を積層する。
【0049】
次に、図4(B)に示すように、絶縁層16の上に、導電層28を被着形成する。すなわち、絶縁層16の上に、銅薄膜を導電層28として例えば接着剤により貼る。次に、この導電層28について、リソグラフィによって形状を決め、化学エッチングによって、図3(B)および図4(C)に示すように、複数本の線状の導電体14bを形成するように加工する。すなわち、複数本の線状の導電体14bを、基板22の一辺22aから、この一辺22aに対向する辺22bにまで渡って、互いに分離した状態で平行に形成する。
【0050】
次に、図4(D)に示すように、複数本の線状の導電体14bの隙間に絶縁物29を充填させる。この絶縁物19の部分は、絶縁性接着剤層16の一部となる。次に、図3(C)および図4(E)に示すように、この線状の導電体14bおよび絶縁性接着剤層16の上に、絶縁層13を積層し、その上にシート状磁性体11の層を接着する。
【0051】
そして、シート状磁性体11について、リソグラフィによって位置と形状を決め、例えば化学エッチングによって、図3(D)および図4(E)に示すように、幅W=7ミリメートル、長さL=25ミリメートルの帯状に加工する。
【0052】
次に、図4(F)に示すように、エッチングしたシート状磁性体11の隙間に接着性絶縁物31を充填する。次に、図3(D)および図5(A)に示すように、シート状磁性体11の層の上に、絶縁層12を積層する。その後、図5(A)に示すように、線状の導電体14bの、基板22の一辺22a側および他辺22b側の近傍において、下層の線状の導電体14bのそれぞれの表面まで貫通するスルーホール20dを設ける。
【0053】
このスルーホール20dの形成に際しては、下側の複数個の導電体14bのそれぞれの端部の位置に対応するように、スルーホール20dの位置決めを行うものである。そして、例えば電気メッキにより、スルーホール20d内に結線導体32(図5(C)参照)を形成する。
【0054】
次に、図3(E)に示すように、絶縁層12の上に例えば銅薄膜からなる導電層33を導電性接着剤で接着する。そして、リソグラフィによって、下側の複数個の線状の導電体14bと共にコイル14を形成させるように対応させるべく、位置と形状を決め、例えば化学エッチングによって、導電層33を加工して、図3(F)および図5(B)に示すように、複数個の線状の導電体14aを形成する。この場合に、複数個の線状の導電体14aの端部は、スルーホール20dの結合導体32に接続される状態となるように、リソグラフィの形状が決められる。
【0055】
このとき、図2(A)に示すように、この例では、絶縁層12の上には、電極25および26が形成されると共に、導電体14aの左端において、下側の導電体14bとスルーホール20dを通じて接続される導電体14aLから電極25までのリード導体が形成され、また、導電体14aの右端の線状の導体14aRの端部から電極26までのリード導体が形成される。絶縁層12上の銅薄膜についてのリソグラフィの形状は、複数個の線状の導電体14aのみでなく、電極25,26や前記リード導体をも含めた形状となるように決められるものである。
【0056】
これにより、図5(C)に示すように、上側の導電体14aと、下側の導電体14bとは、スルーホール20d内の結合導体32により、互いの端部において、電気的に接続されて、コイル14が形成される。
【0057】
次に、エッチングにより形成した複数本の線状の導電体14aの隙間に接着性絶縁物34を充填する。次に、図5(D)および図3(G)に示すように、導電体14aおよび絶縁物34の上に、薄い保護用の絶縁層15を接着する。
【0058】
さらに、その絶縁層15の上に、図3(G)および図5(E)に示すように、銅薄膜からなる電界シールド層17が導電性接着剤により接着されて積層される。なお、図示は省略したが、電界シールド層17と、複数の線状の導電体の右端の導電体14aRとは、電気メッキによりスルーホール20u内に形成される導電体を通じて電気的に接続されている。そして、この電界シールド層17の上に磁気シールド層19を接着する。
【0059】
そして、各コイル装置素子のコイル14の端部から前述したようにして導出されている電極25,26を露呈するように、当該電極25,26近傍部分のシールド層19、電界シールド層17および絶縁層15を除去する。
【0060】
以上にようにして形成されたシート状の中間品を、図6および図3(G)において、一点鎖線27で示すような位置において基板22と共に切断して、それぞれコイル14を備える磁束センサ素子を分離する。その後、外部リード線を接着して、個々の磁束センサ10を完成させる。
【0061】
なお、磁束センサ10のシート状磁性体11の材料の例としては、アモルファス金属やフェライトなどに限らず、透磁率が高く、損失(鉄損)が少ないものであれば用いることができるものである。
【0062】
また、磁束センサ10の寸法は、一例であって、長さLおよび幅Wは、これに限られるものではない。なお、幅Wが大きくなれば、シート状磁性体11に取り込まれる磁束が多くなるので、感度が上がるものである。
【0063】
以上説明したような磁束センサ10およびその製法は、以下のような効果を奏するものである。
【0064】
集積回路に用いられているリソグラフィ技術を用いて、安価で特性の揃った磁束センサを得るためには、位置合わせと取り扱いを容易にするために、必要な厚さと、機械的安定さを持つ基板が必要であるが、上述の実施形態では、磁束センサ10を製作後、基板22を剥離可能な構成としたことにより、磁束センサ10の製造工程における要求を満足しながら、使用状態においては、基板22が剥離されて、磁束センサ10に柔軟な曲げ性を持たせるようにすることができる。
【0065】
また、非常にもろく、加工ひずみを受けやすい極めて薄い磁性薄膜であるシート状磁性体11は、強度と耐熱性のある薄い樹脂などの絶縁薄膜で両側から挟み込まれ、シート状磁性体11にひずみや損傷を与えることなく、磁束センサ10の全体が曲げられるようになる。
【0066】
さらに、絶縁膜でサンドイッチした構造となっているので、機械的に弱いシート状磁性体を補強することができると共に、磁性体や導電体などの重要な部分が絶縁層などにより覆われるものとなるので、特性が良く安定で、かつ、特性の揃った磁束センサが得られるものである。
【0067】
そして、このシート状の磁束センサ10は、従来例で示したトロイダルコイルとは異なり、狭いところにある、小さな物体から発生する磁気をも、容易かつ正確に測定することができるようになる。
【0068】
一般に、電流などから発生する磁気を測定するには、棒状の物体から発生する環状の磁気を、当該物体にできる限り接近して配置した磁束センサで検出することが重要であるが、上述したこの実施形態の磁束センサ10は、容易に、磁気を測定しようとする物体に近接して装着することが可能である。
【0069】
しかも、トロイダルコイルのような無端リングではなく、電線などにシート状磁束センサ10を巻き付けるように取り付けることができるという特徴を有するものである。
【0070】
[磁束センサ10を用いた磁束検出の原理説明]
この実施形態の磁束センサ10は、コイル14の巻回面に直交する方向、すなわち、コイル14内を検出対象の磁束が通る方向に直交する方向に直流磁界を発生する直流磁界発生手段として、永久磁石18が設けられたことにより、コア材やコアの大きさなどによる特性調整を必要とせずに、検出磁束が比較的大きくても、直線性の良い磁束検出出力が、磁束センサ10からは得られるようになる。
【0071】
以下、前述したような直線電流により発生するリング状の磁束を検出する場合を例にとって、図7および図8を参照して、この実施形態の磁束センサ10による磁束検出動作について説明する。
【0072】
図7および図8に示すように、磁束センサ10は、リング状の磁束Bに沿って、例えば電線に貼り付ける等により取り付けた状態を示している。そして、図7は、シート状の永久磁石18を備えない磁束センサ10´の場合を示しており、また、図8は、シート状の永久磁石18を備える磁束センサ10の場合を示している。
【0073】
なお、図7および図8においては、図を簡単にするために、シールド層17,19、接着層21、基板層22などは省略した。
【0074】
図7の磁束センサ10´の場合には、シート状磁性体11の透磁率が大きいために、磁束Bの殆どがこのシート状磁性体11内を通るようになる。このため、磁束センサ10´の特性は、前述した図31に示したような特性となり、磁束Bが大きくなると、シート状磁性体11が磁気的に飽和して、図32に示したように検出出力が歪んだものとなってしまう。
【0075】
これに対して、図8の磁束センサ10の場合には、永久磁石18が存在するために、図7においてはシート状磁性体11を全て通っていた磁束Bの一部は、この永久磁石18側に吸引され、あるいは排斥されて、シート状磁性体11外を通るようになる。図8では、永久磁石18側に、磁束Bの一部が吸引されている状態を示している。
【0076】
このように、この実施形態の磁束センサ10によれば、永久磁石18により、磁束センサ10のコイル14内のコアとしてのシート状磁性体11を通る磁束の量を、常に、磁束センサ10としての直線性の良い範囲内の値にさせるようにすることができる。
【0077】
したがって、磁束センサ10は、検出対象の磁束に対する検出出力の特性は、図9のような直線性の良い特性を有するものとなり、例えば、図10の上方に示すような正弦波電流が電線に流れたときの、磁束センサ10の電極25,26から得られる検出出力は、図10の下方に示すような直線性の良いものとなる。
【0078】
このとき、磁束センサ10の検出出力レベルは、コイル14に鎖交する磁束が少なくなる分だけ小さくなるが、検出対象の磁束変化には、直線性良く対応した出力となるものである。
【0079】
[磁束センサ10の他の例]
上述の実施形態では、シート状の永久磁石18は、シート状磁性体11と、基板層22との間に設けたが、シート状磁性体11と、磁気シールド層19との間に設けても良い。このとき、永久磁石は、シート状磁性体11と電界シールド層17との間(絶縁層15の上に設ける)でも良いし、電界シールド層17と磁気シールド層19との間に設けるようにしても良い。
【0080】
また、上述の実施形態では、シート状の永久磁石は、シート状磁性体11と、基板層22との間と、シート状磁性体11と、磁気シールド層19との間との、両側に設けるようにしても良い。
【0081】
また、永久磁石の代わりに電磁石コイルを設け、この電磁石コイルに直流電流を供給するようにすることもできる。図11は、電磁石コイルを用いる磁束センサ10の例を説明するための図である。
【0082】
この例においては、シート状磁性体11と基板層22との間には、永久磁石18は設けられず、その代わりに、絶縁層15の上に、図11(C)に示すように、電磁石コイル35を形成する。
【0083】
この電磁石コイル35は、絶縁層15の上に銅薄膜を被着し、その銅薄膜について、リソグラフィによりコイル形状を決め、例えば化学エッチングによって、図11(C)に示すような電磁石コイル35を形成する。そして、その上に絶縁層36を形成する。さらに、絶縁層36の上に電界シールド層17を形成し、電界シールド層17の上に磁気シールド層19を形成する。
【0084】
そして、この例においては、銅薄膜33をリソグラフィおよびエッチングにより導電体14aおよび電極25,26を形成する際に、電極37およびこの電極37に接続される導体38を同時に形成しておく。
【0085】
そして、電磁石コイル35の一方の端部35aは、絶縁層15を貫通するスルーホール内の結合導体(例えば電気メッキにより形成)を介して、導体38に電気的に接続させるようにする。したがって、電極37は、電磁石コイル35の一方の端部35aが接続されることになる。
【0086】
一方、電磁石コイル35の他方の端部35bは、絶縁層15を貫通するスルーホール内の結合導体(例えば電気メッキにより形成)を介して、電界シールド層17に電気的に接続させる。したがって、電極26には、電磁石コイル層35の他方の端部35bも接続されることになる。
【0087】
そして、この例の場合には、電極37と電極26との間に所定の直流電圧を印加して、電磁石コイル35に直流電流を流し、所定の直流磁界を発生させるようにする。そして、電極25と電極26との間から、検出対象の磁束に応じてコイル14に誘起される検出出力を得るようにする。
【0088】
この図11の例の場合も、前述の実施形態と同様の作用効果が得られ、検出対象の磁束にリニアに対応する検出出力が電極25と電極26との間から得られる。そして、特に、この例の場合には、電磁石コイル35に供給する直流電流を調整することにより、磁束センサの特性の直線性を確保しながら、コイル14からの検出出力レベルを適当な大きさにすることができる。
【0089】
なお、この図11の例の電磁石コイルを用いる磁束センサの場合も、電磁石コイルは、シート状磁性体11と基板層22との間に設けても良いし、また、シート状磁性体11を挟む両側に、2個、設けるようにしても良い。
【0090】
また、上述の例では、電界シールド層17を利用して、電磁石コイル35と磁束検出用コイル14との一端は、共通にして、電極は3個としたが、電磁石コイル35と、磁束検出用コイル14とは、それぞれ別々の電極として、4個の電極を設けるようにしても良い。
【0091】
[磁束センサ10を用いた電流検出方法の第1の実施形態の説明]
この第1の実施形態は、特定の径の電線または被覆部分に、上述した永久磁石18を備える例の磁束センサ10を取り付けて、電線を流れる電流値を検出する場合である。
【0092】
この実施形態においては、上述のようにして製造した磁束センサ10は、その基板層22を剥離して接着層21を露呈させて、その露呈した接着層21によって図12に示すように、例えば、電線41が絶縁被覆42により覆われた被覆線43の、絶縁被覆42の部分に巻き付けるようにして取り付ける。なお、絶縁被覆が剥がされた電線41の部分に巻き付けるようにして、磁束センサ10を取り付けるようにしても勿論よい。
【0093】
この場合に、磁束センサ10は、被覆線43に対して、シート状磁性体11の長手方向、つまりコイル14の巻き軸方向が、電線41を流れる電流によって生じる磁束路に沿う方向となるように、磁束センサ10のシート状磁性体11を、電線41の被覆部分42に巻き付けるようにして、取り付ける。なお、磁束センサ10は、被覆線43に対して、接着層21により接着されることにより、シート状磁性体11のシート面が、検出対象の電流の流れる方向にほぼ平行になる。
【0094】
そして、磁束センサ10のコイル14の両端が接続される電極25,26から導出される外部リード線は、距離補正用増幅回路51の入力端子に接続する。そして、電極26は、また、接地する。これにより、電界シールド層17は、電気的に接地され、電界シールド効果が得られる。
【0095】
距離補正用増幅回路51は、電線41を流れる電流の位置(電線41の断面の中心位置に相当)と、磁束センサ10との間の距離(電線41の被覆42を含めた径に相当)の2乗に反比例して、磁束センサ10で検出される磁束の強さが変わってしまうことを補正して、前記距離に関係なく、電線41に流れる電流値に一意に対応した出力信号が得られるようにするためのものである。
【0096】
距離補正用増幅回路51の増幅利得(ゲイン)は、次のようにして決められる。
【0097】
前述したように、トロイダルコイルのように、閉磁路を形成する場合には、電線41を流れる電流の位置と、磁束センサ10との間の距離(以下、センサ距離という)に関係なく、電流により発生する磁束の全てはトロイダルコイル内に閉じ込められるので、距離補正用増幅回路51のゲインは、センサ距離に関係なく一定でよい。つまり、センサ距離に応じた補正は不要である。
【0098】
しかし、この実施形態における磁束センサ10は、閉磁路を常に形成するように、被覆線に対して取り付けられるわけではない。このため、センサ距離の2乗に応じた増幅利得で、磁束センサ10のコイル14から得られる信号を増幅する必要がある。
【0099】
この場合に、磁束センサ10のコイル14から得られる信号出力(コイル出力電流)と、センサ距離との関係は、検出対象の電流iが流れる位置を中心Oiとしてこの中心Oiから、磁束センサ10のシート状磁性体11の長手方向(磁束路に沿う方向)の長さ分を見たときの開き角θ(図13参照)に応じて定まるものとなることを、この発明の発明者は確認した。
【0100】
図14は、磁束センサ10のコイル14の出力電流と、センサ距離との関係を示す特性曲線である。この図14に示されるように、センサ距離の2乗に反比例して、コイル14の出力電流が減少する特性となるが、その減少の傾きが開き角θが大きいほど小さく、開き角θが小さいほど大きくなる。
【0101】
すなわち、開き角θが大きく、360度に近いときには、トロイダルコイルと同様に、透磁率の高いシート状磁性体11を備える磁束センサ10のコイル14内に殆どの磁束を通すようにすることができることから、図14において曲線61に示すように、センサ距離が大きくなっても、コイル14の出力電流は減少が少ない。
【0102】
これに対して、開き角θが小さくなってゆくと、磁束センサ10のコイル14内を通る磁束が少なくなってゆくため、図14において、曲線62,63,64に示すように、開き角θが小さいほど、コイル14の出力電流の減少カーブが急な傾斜となる特性となる。
【0103】
この図14の特性から、距離補正用増幅回路51においては、開き角に応じたゲイン特性とすることにより、磁束センサ10のコイル14を増幅補正して、常に、電線41を流れる電流の値に一意に対応するセンサ出力が得られる。
【0104】
すなわち、図15は、距離補正用増幅回路51のセンサ距離に対するゲイン特性を示すもので、センサ距離に対して指数関数的にゲインを上昇させる特性とするが、その上昇カーブの傾きが、開き角θが大きいほど緩やかで、開き角が小さいほど急峻になるような特性とする。
【0105】
すなわち、開き角θが大きく、コイルの出力電流対センサ距離の特性が曲線61となるような場合に対しては、センサ距離に対するゲインの上昇カーブが緩やかな図15の曲線71となるような特性とする。そして、開き角θが小さくなって、曲線62,63,64となるような場合に対しては、それらの特性曲線に対応させて、図15において曲線72,73,74で示すように、上昇カーブが開き角θが小さいほど急峻になるような特性とする。
【0106】
以上のことから、磁束センサ10を電線あるいは被覆部分に取り付けたときの開き角θが既知となれば、距離補正用増幅回路51では、図15に示したようにして、ゲイン対センサ距離の特性曲線が決まる。そして、電線を流れる電流の位置から磁束センサまでの距離であるセンサ距離が判ると、距離補正用増幅回路51で必要となるゲインが定まる。距離補正用増幅回路51は、この定められたゲインを有するように設計する。
【0107】
例えば、開き角θに対応するゲイン対センサ距離の特性曲線は、曲線74であり、センサ距離、つまり、電線あるいは被覆線の径がRaであった場合に必要となる距離補正用増幅回路51のゲインはGaとなる。
【0108】
ところで、この例の磁束センサ10のシート状磁性体11の長手方向の長さLは、前述したように、一定のものとして定められているので、図16に示すように、半径がそれぞれr1、r2、r3というように異なる被覆線に磁束センサ10が装着された場合には、被覆線の半径r1、r2、r3、つまり、センサ距離に応じて、磁束センサ10の長手方向の長さ分を、電線31を流れる電流の位置から見たときの開き角が、θ1、θ2、θ3というように変化するものとなる。
【0109】
このように、この実施形態では、磁束センサ10のシート状磁性体11の長手方向の長さLは、定められたものとされているので、開き角θ1、θ2、θ3が算出されたときには、センサ距離は、r1、r2、r3として開き角に対して一義的に定まることとなる。
【0110】
したがって、この実施形態では、開き角θが算出されると、その開き角θに対応する図15に示したようなゲイン対センサ距離の特性曲線が求まり、また、センサ距離も定まることから、求まった特性曲線から距離補正用増幅回路51で必要とするゲインが求まる。すなわち、開き角θが算出されると、その開き角θから、距離補正用増幅回路51のゲインが一元的に決定されるものである。
【0111】
なお、磁束センサ10のシート状磁性体11の長手方向の長さは、上述のように一定のものとして定めなくても、上述したことから明らかなように、開き角と、センサ距離が既知であれば、距離補正用増幅回路51のゲインは、決定できることは言うまでもない。しかし、この例のように、シート状磁性体11の長手方向の長さを一定の規定値にしたときには、センサ距離は考えずに、開き角のみをパラメータとして考えればよいというメリットがある。
【0112】
以上のようにして、センサ距離に関係なく、電線41に流れる電流の値に一意に対応する出力信号が、距離補正用増幅回路51から得られる。この距離補正用増幅回路51の出力信号は、周波数補正用増幅回路52に供給される。
【0113】
この周波数補正用増幅回路52は、電線41を流れる電流が交流電流の場合に、電流検出出力信号が、その交流電流の周波数に依存しないように補正するためのものである。したがって、電線41を流れる電流が直流電流である場合には、この周波数補正用増幅回路52は、省略することができる。
【0114】
前述もしたが、図17に示すように、交流電流による磁束の強さは、その交流電流の周波数に反比例する。そこで、この周波数依存をなくすため、周波数補正用増幅回路52は、図18に示すように、ゲインが周波数に比例する特性のものを用いる。これは、いわゆる積分増幅回路の構成により実現できる。
【0115】
図18に示すようなゲイン対周波数特性の増幅回路を、周波数補正用増幅回路52として用いれば、図17のように、磁束センサ10のコイル14から得られる交流電流の周波数に反比例する出力電流の周波数特性は、図18のゲイン特性によりキャンセルされる。したがって、周波数補正用増幅回路52からは、交流電流の周波数に関係なく、電線41に流れる電流値に一意に対応した出力信号が得られる。
【0116】
この周波数補正用増幅回路52の出力は、電流値算出回路53に供給される。この電流値算出回路53では、磁束センサ10に使用されている永久磁石18の磁力の大きさに応じた補正がなされる。すなわち、この例の場合、検出対象の磁束のうち、永久磁石18の磁力に応じた量の磁束が、シート状磁性体11を通る。例えば、永久磁石18の磁力が大きければ、検出対象の磁束のうち、シート状磁性体11を通る磁束の量が小さくなる。
【0117】
このため、正しい電流値を求めるためには、永久磁石18の磁力による影響分を考慮した補正をする必要がある。電流値算出回路53では、磁束センサ10に使用されている永久磁石18の磁力の大きさを考慮して、実際の電流値を算出するようにする。
【0118】
なお、磁束センサ10として、磁力の大きさが異なる永久磁石を備える複数種を予め用意し、使用者が、検出しようとする磁束量に対して、シート状磁性体11が磁気飽和しないようにできる永久磁石18を備えるものを選定するようにすることもできる。
【0119】
その場合には、電流値算出回路53には、それら複数種の磁束センサ10のそれぞれに対応する補正値を予め用意しておく。そして、いずれの磁力の大きさの永久磁石を備える磁束センサを用いたかを、電流値算出回路53に指示入力する。電流値算出回路53は、その指示入力から、どのような磁力の大きさの永久磁石が用いられている磁束センサかを検出し、それに対応する補正値を用いて、正確な電流値を算出するものである。
【0120】
したがって、電流値算出回路53の出力信号を、例えばドライブ回路を通じてメータの指針駆動回路に供給するようにすれば、メータの指針は、正確な検出電流値を指示するものとなる。
【0121】
なお、距離補正用増幅回路51と周波数補正用増幅回路52では、それぞれ予め定めた特定の開き角のとき、また、特定の周波数のときに、出力信号がある特定の値を示すように、校正しておくようにするものである。
【0122】
なお、上述した距離補正用増幅回路51、周波数補正用増幅回路52、電流値検出回路53とからなる回路部分は、特定の径の電線や被覆線に、特定の永久磁石18を備える磁束センサ10を装着して、当該電線に流れる電流を検出する目的に特定するのであれば、ゲイン特性や補正値は、それぞれ予めその特定目的のために定めることができるので、固定的にIC(Integrated Circuit;集積回路)で構成することができる。
【0123】
なお、図12では、距離補正用増幅回路51と周波数補正用増幅回路52とはそれぞれ別個に設けるようにしたが、距離補正用増幅回路51と周波数補正用増幅回路52との機能を備える回路部分を、一つの増幅回路の構成として設計することもできる。その一つの増幅回路をICによって構成することも勿論できる。
【0124】
また、磁束センサ10のコイル14の出力電流を電圧変換した後、デジタル信号に変換し、そのデジタル信号をマイクロプロセッサに供給して、上述の補正のための増幅動作と等価な処理を行うようにすることもできる。その場合には、当該マイクロプロセッサには、開き角θの情報が入力されると共に、交流電流の場合にはその周波数の情報が入力され、さらには、永久磁石18の磁力の情報が入力され、マイクロプロセッサは、それらの情報を元に必要なゲインや補正値を計算や記憶値から求め、その求めたゲイン分の増幅動作や補正値による補正動作と等価な処理を行うようにすればよい。
【0125】
[電流検出方法の第2の実施形態]
距離補正用増幅回路51は、上述の第1の実施形態では、磁束センサ10を装着する電線の径から、磁束センサ10の開き角θを求め、その開き角θから必要なゲインを決定して、そのゲインを有するように設計する。しかし、それでは、径の異なる電線部分や被覆部分に装着するごとに、距離補正用増幅回路51の設計をやり直さなければならず、余りにも汎用性に欠ける。
【0126】
そこで、この第2の実施形態では、距離補正用増幅回路51として、図15に示した曲線71,72,73,74のような幾つかの開き角に対応したゲインに切り替え可能とし、算出した開き角に応じて、ゲインを切り替えるようにする。
【0127】
このとき、距離補正用増幅回路51においては、多数個の開き角に応じた多数個のゲインを用意しておく必要は無く、例えば4種類程度の開き角に対応したゲインを備えるようにするだけで、十分である。
【0128】
なぜなら、この実施形態の磁束センサ10のシート状磁性体11の透磁率は、前述したように、20000というように、非常に高い値であるため、例えば図19に示すように、4種類程度の開き角であっても、それぞれの開き角に対応するセンサ距離の位置に配置された磁束センサ10では、その配置位置の前後のセンサ距離に存在するであろう磁束をも、そのシート状磁性体11内に取り込むように働くと考えられるからである。
【0129】
例えば、図19の例であれば、半径r1とr2との間では、r1から、(r1+r2)/2の範囲の磁束は、半径r1に配置された磁束センサ10のシート状磁性体11内を通るようになり、また、(r1+r2)/2からr2の範囲の磁束は、半径r2に配置された磁束センサ10のシート状磁性体11内を通ると考えられるからである。
【0130】
したがって、半径r1から半径r2の間のセンサ距離に磁束センサ10を配置することは不要であり、そのセンサ位置に対応する開き角を想定する必要がないのである。
【0131】
この第2の実施形態では、このように利得特性が切り替え可能とされた距離補正用増幅回路51において、算出した開き角に応じてゲイン切り替えを行うようにすることにより、装着する電線あるいは被覆線の径に応じて、距離補正用増幅回路51のゲインを切り替えることが可能である。
【0132】
例えば、開き角θ1〜θ2、θ2〜θ3、θ3〜θ4、θ4〜θ5のように、開き角の範囲として幾つか用意し、そのいずれの範囲に装着しようとする電線あるいは被覆線に対する磁束センサ10の開き角が存在するかを、例えば開き角選択つまみなどを通じて入力することにより、距離補正用増幅回路51のゲインが切り替えられる構成とすることができる。
【0133】
[電流検出方法の第3の実施形態]
上述の2つの実施形態では、使用者が装着しようとする電線あるいは被覆線に対する磁束センサ10の開き角を求めて、距離補正用増幅回路51のゲインの切り替えを行う必要があったが、この第3の実施形態は、磁束センサ10を電線あるいは被覆線に対して装着するだけで、自動的に距離補正用増幅回路51のゲインが決定される例である。この例は、特に検出対象が交流電流の場合に適用される。
【0134】
なお、周波数補正用増幅回路52は、前述もしたように、特定の周波数のときに、特定の値が出力されるようにゲインの校正を行っておけば、特に調整や切り替えが不要であることは上述の例と同様である。
【0135】
この第3の実施形態は、この発明の発明者の研究結果に基づくものである。すなわち、この発明の発明者は、商用電源の電源線に対して磁束センサ10を前述のように装着して、そのコイル14から得られる信号を精査したところ、前述したように、この信号中には、電線を流れる電流の位置と磁束センサ10との間の距離(つまり磁束の強さ)と、磁束センサ10のシート状磁性体の寸法(長さ、幅、厚さ)とに応じた周波数の成分が含まれることを確認した。
【0136】
図20は、50Hzの商用電源線に流れる交流電流を、磁束センサ10を用いて検出したときの検出波形を示す図である。この図20において、振幅の大きい波形は電圧波形であり、振幅の小さい波形が電流成分である。この図20から、50Hzの電流成分に高周波の周波数成分が重畳されていることが判る。
【0137】
前述したように、この周波数成分は、シート状磁性体11の材料と寸法および磁束の強さとによってシート状磁性体11に発生する振動成分である。上述したように、この例の磁束センサ10のシート状磁性体11の寸法は、定まっているので、この実施形態においては、磁束センサ10を電線あるいは被覆部分に装着したときの開き角は、電線を流れる電流の位置と磁束センサ10との間の距離(つまり磁束の強さ)に対応したものとなり、この開き角の大きさに対応して、前記振動成分の周波数が変化するものとなる。発明者は、このことを確認した。つまり、開き角と、前記振動成分の周波数とは1対1に対応するものである。
【0138】
図21、図22、図23は、径の異なる電線に磁束センサ10を装着した状態で、磁束センサ10の出力信号に含まれる、この高周波数成分を、102.3kHzまでについてスペクトラム分析したものである。図21は、直径が約5.3ミリメートルの電線、図22は、直径が約6.3ミリメートルの電線、図23は、直径が約6.6ミリメートルの電線のそれぞれに磁束センサ10を装着した場合の周波数スペクトル図である。したがって、開き角の大きさは、図21の場合が最も大きく約270度、図22の場合は227度、図23の場合は217度となる。
【0139】
これら図21〜図23においては、主として3つのスペクトルのピークが立つことが観察されるが、これらのスペクトルが立つ周波数は、低い方から順に磁束センサ10の長さ方向、幅方向、厚さ方向の振動成分に対応したものとなる。
【0140】
図21におけるそれぞれのスペクトルが立つ周波数は、
長さ方向に対応;20.6kHz、
幅方向に対応;49.4kHz
厚さ方向に対応;98.7kHz
であった。
【0141】
また、図22におけるそれぞれのスペクトルが立つ周波数は、
長さ方向に対応;22.0kHz、
幅方向に対応;49.6kHz
厚さ方向に対応;99.9kHz
であった。
【0142】
また、図23におけるそれぞれのスペクトルが立つ周波数は、
長さ方向に対応;23.5kHz、
幅方向に対応;50.2kHz
厚さ方向に対応;100.5kHz
であった。
【0143】
これにより、磁束センサ10のコイル14からの出力信号には、磁束センサ10が電線あるいは被覆部分に装着されたときの開き角の大きさに応じた振動成分(高周波信号成分)が重畳されていることが判る。
【0144】
そこで、この第3の実施形態においては、この磁束センサ10のコイル14からの出力信号に含まれる前記振動成分を抽出して、その周波数を検出し、その検出した周波数に応じて、自動的に距離補正用増幅回路51のゲインを決定するようにする。すなわち、検出した振動成分の周波数は、電線を流れる電流の位置と磁束センサ10との間の距離に対応しているので、当該距離に応じたゲインとなるように、距離補正用増幅回路51のゲインを決定するものである。
【0145】
この場合、前記の長さ、幅、厚さの3つ方向の振動成分の周波数を全て検出する必要はなく、そのいずれか一つの方向の振動成分、例えば長さ方向の振動成分の周波数を検出することにより、距離補正用増幅回路51のゲインを決定することができるものである。
【0146】
すなわち、前述の3種の径の電線の場合であれば、長さ方向の振動成分に対応するスペクトルは、図24の拡大図に示すように観測することができる。この図24のスペクトルは、径の異なる3種の電線に磁束センサ10を装着した場合において、磁束センサ10のシート状磁性体11の長さ方向の振動成分を、前記径の異なる3種の電線について比較可能なように示した場合であり、101のスペクトルは、3種の径のうちの、最小の径に対応するもの、102のスペクトルは、中間の径に対応するもの、103のスペクトルは最大の径に対応するものである。
【0147】
図25は、この第3の実施形態における磁束センサ10の出力に対する補正増幅回路の構成例を示すブロック図である。
【0148】
すなわち、この第3の実施形態においては、前述した第1および第2の実施形態と同様に、磁束センサ10のコイル14からの信号は、距離補正用増幅回路51と、周波数補正用増幅回路52とを通じて補正する。そして、周波数補正用増幅回路52の出力は、電流値算出回路53に供給されて、この電流値算出回路53から正確な電流値の算出出力を得るようにする。
【0149】
この場合に、距離補正用増幅回路51としては、前述の第2の実施形態と同様に、複数個の開き角θに対応したゲインに切り替え可能なものを用いる。そして、この第3の実施形態の距離補正用増幅回路51においては、ゲイン切り替え制御端子51cを備え、このゲイン切り替え制御端子51cに入力される利得制御信号により、ゲイン切り替えが行われる構成を備える。
【0150】
また、この第3の実施形態においては、コイル14からの信号は、ローパスフィルタ81に供給されて、前述した例えば102.3kHz以下の振動成分(高周波数成分)が抽出される。抽出された振動成分は、例えばFFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)処理を行うスペクトル分析回路82に供給される。そして、このスペクトル分析回路82の出力が利得制御回路83に供給される。
【0151】
この利得制御回路83は、例えばDSP(Digital Signal Processor)により構成される。この利得制御回路83では、ピークが立つスペクトル成分を、最もレベルの大きいものから3個抽出する。抽出した3個のスペクトル成分は、磁束センサ10のシート状磁性体11の長さ、幅、厚さに対応する振動成分である。
【0152】
利得制御回路83は、これら3個のスペクトル成分のうち、この例では、最も低い周波数成分であるシート状磁性体11の長さ方向の振動成分を選択して、その周波数を検出する。
【0153】
そして、その検出した周波数が、複数個の開き角の範囲の内の、どの開き角の範囲に属するかを判別し、その判別結果に応じた利得制御信号を生成する。そして、利得制御回路83は、その生成した利得制御信号を距離補正用増幅回路51に供給する。
【0154】
距離補正用増幅回路51では、利得制御回路83からの利得制御信号に対応するゲインとなるようにゲインを切り替える。そして、距離補正用増幅回路51は、その出力を周波数補正用増幅回路52に供給する。
【0155】
以上のようにして、この第3の実施形態によれば、距離補正用増幅回路51のゲインは、磁束センサ10が電線あるいは被覆線部分に装着されたときの開き角θに応じたものに自動的に設定される。したがって、単に、磁束センサ10を電線あるいは被覆線部分に装着すれば、その電線や被覆線部分の径に関係なく、その電線に流れる電流の値に一意に対応する出力信号を、周波数補正用増幅回路52から得ることができる。
【0156】
なお、この第3の実施形態では、各回路に供給する電源電圧も、磁束センサ10のコイル14からの電流により生成して、各回路に供給するように構成している。すなわち、この第3の実施形態においては、コイル14からの電流は、電源電圧生成回路84に供給される。この電源電圧生成回路84では、コイル14からの電流を整流すると共に、各回路に必要な電圧の直流電源電圧を生成する。そして、その生成した直流電源電圧を、各回路の電源ラインに供給する。
【0157】
したがって、この第3の実施形態においては、距離補正用増幅回路51、周波数補正用増幅回路52、電流値算出回路53、バンドパスフィルタ81、スペクトル分析回路82、利得制御回路83のそれぞれの電源を供給する回路を別途必要としない。
【0158】
なお、前述の実施形態と同様に、図25の第3の実施形態の回路も、ICにより構成することができる。また、電源電圧生成回路84とバンドパスフィルタ81の部分を除く部分を、マイクロプロセッサで構成し、そのマイクロプロセッサに、バンドパスフィルタ81からの信号をデジタル信号に変換したものを供給するようにして、上述した距離補正用増幅回路51、周波数補正用増幅回路52、電流値算出回路53、スペクトル分析回路82、利得制御回路83のそれぞれにおける処理をデジタル処理として実行するように構成してもよい。
【0159】
また、上述の例では、利得制御回路83では、磁束センサ10のシート状磁性体11の厚さ方向に対応する振動成分の周波数を検出するようにしたが、利得制御回路83では、レベルの大きい3個のスペクトルのうちの、最大レベルのものに着目し、それが、磁束センサ10のシート状磁性体11の長さ、幅、厚さのいずれの方向の振動成分であるかを認識すると共に、その周波数を検出し、その検出した周波数が、複数個の開き角の範囲の内の、どの開き角の範囲に属するかを判別し、その判別結果に応じた利得制御信号を生成するようにしてもよい。
【0160】
[第3の実施形態の電流検出装置の実装例]
以上のように、この発明の実施形態に用いる磁束センサは、薄いシート状のものであり、接着層21により、狭いスペースにも、簡単に電線や被覆部分に装着することができる。
【0161】
図26の例は、例えば家電製品などの負荷90に接続された電源コード92の先端に取り付けられるACプラグ91内に磁束センサ10が取り付けられる場合である。この図26の例では、このACプラグ91の筐体に設けられた表示画面に電流値や電力量を表示することができるように構成されている。
【0162】
図26は、ACプラグ91の筐体を下側ハーフ91aと、上側ハーフ91bとに分けた状態の図である。93および94はプラグ導体であり、ACプラグ91の筐体の下側ハーフ91aと上側ハーフ91bとにより挟持されて固定される。プラグ導体93と94とは、それぞれ電源コード92の正側の電線92aと負側の電線92bとにそれぞれ接続されている。
【0163】
そして、この例では、磁束センサ10は、電源コード92の正側の電線92aの被覆部分に、図12に示したような態様で被着されている。そして、磁束センサ10のコイル14からの出力信号は、IC95に供給される。
【0164】
IC95は、図25に示した補正増幅回路の全ての構成を備えると共に、上側ハーフ81b側に設けられるLCD(Liquid Crystal Display)96,97のドライブ回路と、電流値算出回路53からの出力信号から電流値および電力値を数値としてLCD96,97に表示するための回路とを含んでいる。なお、IC95と、LCD96,97との間の接続線は、図26では省略してある。
【0165】
この図26の例によれば、家電製品毎の負荷電流および電力値を簡単に知ることができ、非常に便利である。この場合に、磁束センサ10の装着スペースは殆ど無視できるほど小さいので、ACプラグ91の形状を大きくする必要はなく、小形のもののままでよいというメリットがある。
【0166】
[磁束センサ10を用いた電流検出方法の第4の実施形態の説明]
この第4の実施形態は、図11に示した電磁石コイル35を備える例の磁束センサ10を、特定の径の電線または被覆部分に取り付けて、電線を流れる電流値を検出する場合である。図27は、図11に示した電磁石コイル35を備える例の磁束センサ10を、第3の実施形態に適用した場合のブロック図である。
【0167】
この例においては、電極26を接地すると共に、コイル14の一端が接続される電極25が距離補正用増幅回路51の入力端に接続される。また、電磁石コイル35の一端が接続される電極37は、直流電流供給回路54の出力端に接続される。
【0168】
直流電流供給回路54は、直流磁界設定回路55からの直流磁界設定信号により定まる直流電流を電磁石コイル35に供給する。直流磁界設定回路55は、図示を省略した設定用つまみを使用者が調整して、直流磁界を設定すると、その設定値に応じた直流電流を、直流電流供給回路54から出力するようにする直流磁界設定信号を発生する。
【0169】
また、直流磁界設定回路55は、設定された直流電流の値を示す信号を電流値算出回路53に供給する。電流値算出回路53は、この直流磁界設定回路55からの信号に応じて、磁束センサ10において、電磁石コイル35により発生する直流磁界に応じて実際の電流値を算出する際の補正値を決定し、その補正値を用いて、周波数補正用増幅回路52からの信号に基づいて電流値を算出する。
【0170】
この第4の実施形態によれば、電磁石コイル35に供給する直流電流に応じて、つまり、電磁石コイル35から発生する直流磁界に応じて、電流値算出回路53で用いる補正値が自動的に決定され、正確な電流値が算出される。
【0171】
なお、この電流検出方法の第4の実施形態は、前述した電流検出方法の第1の実施形態や第2の実施形態と組み合わせても実現できることは言うまでもない。
【0172】
なお、以上の電流検出方法の各実施形態では、電線や被覆線は、円形であることを前提に説明したが、実際には、扁平な楕円形状の被覆線なども存在する。その場合にもできるだけ、円形を維持するように磁束センサを配置した方が良いが、扁平の被覆線に沿って磁束センサのシート状磁性体を巻き付けるように配置しても、透磁率が非常に高いので、検出電流値に対する誤差は少ない。
【0173】
[磁束センサの他の例]
上述の磁束センサの実施形態では、シート状磁性体に導体を接着してコイルを形成するようにしたが、シート状磁性体に細い導線を巻回することにより、シート状磁性体にコイルを形成するようにしても良いことは言うまでもない。
【0174】
また、この発明の磁束センサとしては、シート状磁性体にコイルを巻回したものに限られるものではなく、また、直流磁界を発生する手段としての永久磁石や電磁石コイルは、上述のシート状の磁束センサのように、磁束のセンサ部と物理的に一体となっていなくてもよい。
【0175】
例えばトロイダルコイルの近傍に永久磁石や電磁石コイルを装着するようにして磁束検出装置を構成するようにしてもよい。
【0176】
また、磁束を検出する素子としてコイルを用いるのではなく、他の磁束検出素子に鎖交する磁束を検出する装置、例えばホール素子に鎖交する磁束を検出する磁束検出装置においても、この発明は適用可能である。
【0177】
その場合には、検出対象の磁束のうちの一部の磁束を、永久磁石や電磁石コイルにより構成される直流磁界発生手段で発生させた直流磁界により、ホール素子などの磁束検出素子に鎖交させないように制御する構成とするものである。
【0178】
【発明の効果】
以上説明したように、上述の構成のこの発明によれば、検出対象の磁束の一部は、直流磁界の発生手段側に吸引され、あるいは排斥されて、磁束検出素子に鎖交する磁束は、磁束検出素子で磁気的な飽和が生じない程度に少なくなり、直線性のより磁束対起磁力の範囲内の磁束量になる。したがって、磁束検出素子からの検出出力は、レベル的には小さくなるが、変化分としての検出出力波形に関しては正確な値が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による磁束センサの実施形態の構造を説明するための図である。
【図2】この発明による磁束センサの実施形態の構造を説明するための図である。
【図3】この発明による磁束センサの実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図4】この発明による磁束センサの実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図5】この発明による磁束センサの実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図6】この発明による磁束センサの実施形態の製造方法を説明するための図である。
【図7】この発明による磁束センサの実施形態による磁束検出方法を説明するために用いる図である。
【図8】この発明による磁束センサの実施形態による磁束検出方法を説明するための図である。
【図9】この発明による磁束センサの実施形態の特性図を示す図である。
【図10】この発明による磁束センサの実施形態の磁束検出出力波形を説明するための図である。
【図11】この発明による磁束センサの他の実施形態を示す図である。
【図12】この発明による電流検出装置の実施形態を説明するための図である。
【図13】この発明による電流検出方法の実施形態の検出原理を説明するための図である。
【図14】この発明による電流検出方法の実施形態の検出原理を説明するための図である。
【図15】この発明による電流検出方法の実施形態の検出原理を説明するための図である。
【図16】この発明による電流検出方法の実施形態の検出原理を説明するための図である。
【図17】この発明による電流検出方法の実施形態の検出原理を説明するための図である。
【図18】この発明による電流検出方法の実施形態の検出原理を説明するための図である。
【図19】この発明による電流検出方法の実施形態の検出原理を説明するための図である。
【図20】この発明による電流検出方法の実施形態における磁束センサの出力波形の例を示す図である。
【図21】この発明による電流検出方法の実施形態における磁束センサの出力信号のスペクトル図である。
【図22】この発明による電流検出方法の実施形態における磁束センサの出力信号のスペクトル図である。
【図23】この発明による電流検出方法の実施形態における磁束センサの出力信号のスペクトル図である。
【図24】この発明による電流検出方法の実施形態における磁束センサの出力信号を説明するためのスペクトル図である。
【図25】この発明による電流検出装置の実施形態を示すブロック図である。
【図26】この発明による電流検出装置の実施形態の適用例を示す図である。
【図27】この発明による電流検出装置の他の実施形態を説明するための図である。
【図28】電流値の検出原理を説明するための図である。
【図29】従来の電流値の検出方法を説明するための図である。
【図30】従来の電流値の検出方法を説明するための図である。
【図31】一般的な磁束センサの特性を示す図である。
【図32】従来の磁束センサの出力波形を説明するための図である。
【符号の説明】
10 磁束センサ
11 シート状磁性体
14 コイル
15,16 絶縁層
17 電界シールド層
18 永久磁石
19 磁気シールド層
21 接着層
22 基板層
35 電磁石コイル
51 距離補正用増幅回路
52 周波数補正用増幅回路
53 電流値算出回路

Claims (7)

  1. シート状磁性体と、
    前記シート状磁性体の一面上に、前記シート状磁性体の対向する一方の辺から他方の辺に渡って、互いに分離された状態で被着形成されている第1の複数本の線状の導電体と、
    前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面上に、前記シート状磁性体の対向する前記一方の辺から前記他方の辺に渡って、互いに分離された状態で形成され、かつ、前記第1の複数本の線状の導電体のそれぞれと、前記一方の辺および前記他方の辺の近傍において電気的に接続されて、前記シート状磁性体を巻き芯とするコイルを形成するようにする第2の複数本の線状の導電体と、
    前記第1の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の一面側に設けられた第1の絶縁膜と、
    前記第2の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面側に設けられた第2の絶縁膜と、
    厚さ方向に着磁されて、前記コイル内を検出対象の磁束が通る方向に直交する方向の成分を持つ直流磁界を印加するように、前記第1の絶縁膜または第2の絶縁膜のいずれか一方または両方の上に積層されるシート状の永久磁石と、
    を備える磁束センサ。
  2. シート状磁性体と、
    前記シート状磁性体の一面上に、前記シート状磁性体の対向する一方の辺から他方の辺に渡って、互いに分離された状態で被着形成されている第1の複数本の線状の導電体と、
    前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面上に、前記シート状磁性体の対向する前記一方の辺から前記他方の辺に渡って、互いに分離された状態で形成され、かつ、前記第1の複数本の線状の導電体のそれぞれと、前記一方の辺および前記他方の辺の近傍において電気的に接続されて、前記シート状磁性体を巻き芯とする第1のコイルを形成するようにする第2の複数本の線状の導電体と、
    前記第1の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の一面側に設けられた第1の絶縁膜と、
    前記第2の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面側に設けられた第2の絶縁膜と、
    平面状に巻回され、前記第1のコイル内を検出対象の磁束が通る方向に直交する方向の成分を持つ直流磁界を印加するために、前記第1の絶縁膜または第2の絶縁膜のいずれか一方または両方の上に積層されるように配される第2のコイルと、
    を備える磁束センサ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の磁束センサにおいて、
    前記シート状磁性体は、透磁率が空気の透磁率に対して十分に高い、可撓性のものであることを特徴とする磁束センサ。
  4. コイルを備える磁束センサを、検出対象の磁束が前記コイル内を通るような状態で配置し、この磁束センサの前記コイルから、前記検出対象の磁束に対応する信号を得るようにする磁束検出方法であって、
    前記磁束センサは、
    シート状磁性体と、
    前記シート状磁性体の一面上に、前記シート状磁性体の対向する一方の辺から他方の辺に渡って、互いに分離された状態で被着形成されている第1の複数本の線状の導電体と、
    前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面上に、前記シート状磁性体の対向する前記一方の辺から前記他方の辺に渡って、互いに分離された状態で形成され、かつ、前記第1の複数本の線状の導電体のそれぞれと、前記一方の辺および前記他方の辺の近傍におい て電気的に接続されて、前記シート状磁性体を巻き芯とする前記コイルを形成するようにする第2の複数本の線状の導電体と、
    前記第1の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の一面側に設けられた第1の絶縁膜と、
    前記第2の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面側に設けられた第2の絶縁膜と、
    厚さ方向に着磁されて、前記コイル内を検出対象の磁束が通る方向に直交する方向の成分を持つ直流磁界を印加するように、前記第1の絶縁膜または第2の絶縁膜のいずれか一方または両方の上に積層されるシート状の永久磁石と、
    を備えることを特徴とする磁束検出方法。
  5. コイルを備える磁束センサを、検出対象の磁束が前記コイル内を通るような状態で配置し、この磁束センサの前記コイルから、前記検出対象の磁束に対応する信号を得るようにする磁束検出方法であって、
    前記磁束センサは、
    シート状磁性体と、
    前記シート状磁性体の一面上に、前記シート状磁性体の対向する一方の辺から他方の辺に渡って、互いに分離された状態で被着形成されている第1の複数本の線状の導電体と、
    前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面上に、前記シート状磁性体の対向する前記一方の辺から前記他方の辺に渡って、互いに分離された状態で形成され、かつ、前記第1の複数本の線状の導電体のそれぞれと、前記一方の辺および前記他方の辺の近傍において電気的に接続されて、前記シート状磁性体を巻き芯とする第1のコイルを形成するようにする第2の複数本の線状の導電体と、
    前記第1の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の一面側に設けられた第1の絶縁膜と、
    前記第2の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面側に設けられた第2の絶縁膜と、
    平面状に巻回され、前記第1のコイル内を検出対象の磁束が通る方向に直交する方向の成分を持つ直流磁界を印加するために、前記第1の絶縁膜または第2の絶縁膜のいずれか一方または両方の上に積層されるように配される第2のコイルと、
    を備えることを特徴とする磁束検出方法。
  6. コイルを備える磁束センサを、検出対象の電流が流れる位置を中心にして発生する磁束路が前記コイル内を通るような状態で配置し、この磁束センサの前記コイルから、前記検出対象の電流に応じた信号を得るようにする電流検出方法であって、
    前記磁束センサは、
    シート状磁性体と、
    前記シート状磁性体の一面上に、前記シート状磁性体の対向する一方の辺から他方の辺に渡って、互いに分離された状態で被着形成されている第1の複数本の線状の導電体と、
    前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面上に、前記シート状磁性体の対向する前記一方の辺から前記他方の辺に渡って、互いに分離された状態で形成され、かつ、前記第1の複数本の線状の導電体のそれぞれと、前記一方の辺および前記他方の辺の近傍において電気的に接続されて、前記シート状磁性体を巻き芯とする前記コイルを形成するようにする第2の複数本の線状の導電体と、
    前記第1の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の一面側に設けられた第1の絶縁膜と、
    前記第2の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面側に設けられた第2の絶縁膜と、
    厚さ方向に着磁されて、前記コイル内を検出対象の磁束が通る方向に直交する方向の成分を持つ直流磁界を印加するように、前記第1の絶縁膜または第2の絶縁膜のいずれか一 方または両方の上に積層されるシート状の永久磁石と、
    を備えることを特徴とする電流検出方法。
  7. コイルを備える磁束センサを、検出対象の電流が流れる位置を中心にして発生する磁束路が前記コイル内を通るような状態で配置し、この磁束センサの前記コイルから、前記検出対象の電流に応じた信号を得るようにする電流検出方法であって、
    前記磁束センサは、
    シート状磁性体と、
    前記シート状磁性体の一面上に、前記シート状磁性体の対向する一方の辺から他方の辺に渡って、互いに分離された状態で被着形成されている第1の複数本の線状の導電体と、
    前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面上に、前記シート状磁性体の対向する前記一方の辺から前記他方の辺に渡って、互いに分離された状態で形成され、かつ、前記第1の複数本の線状の導電体のそれぞれと、前記一方の辺および前記他方の辺の近傍において電気的に接続されて、前記シート状磁性体を巻き芯とする第1のコイルを形成するようにする第2の複数本の線状の導電体と、
    前記第1の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の一面側に設けられた第1の絶縁膜と、
    前記第2の複数本の線状の導電体を覆うように前記シート状磁性体の前記一面とは反対側の面側に設けられた第2の絶縁膜と、
    平面状に巻回され、前記第1のコイル内を検出対象の磁束が通る方向に直交する方向の成分を持つ直流磁界を印加するために、前記第1の絶縁膜または第2の絶縁膜のいずれか一方または両方の上に積層されるように配される第2のコイルと、
    を備えることを特徴とする電流検出方法。
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