JP4801012B2 - 電流センサ - Google Patents

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Description

本発明は、電線などの通電路に流れる電流を検出する電流センサに関するものである。
この種の電流センサとして、特開2002−181850号公報に開示されているロゴスキーコイルを使用した電流センサが知られている。この電流センサは、コアを有しない構成のため、フレキシブルに構成できるため、込み入った箇所に存在している通電路にも簡単に巻き付けることができて、通電路に流れる交流電流を容易に測定することができるという特徴を備えている。しかしながら、この電流センサは、直流電流を測定することができないため、直流電流(または直流電流および交流電流の双方)を測定する必要のあるときには、例えば特開平6−289059号公報に開示されているような電流センサが一般的に使用されている。この電流センサは、巻線が施されて開閉自在に組み合わされる磁気コアと、磁気コアにより形成される閉磁路中に介在配置されるホール素子とを備えている。この場合、ホール素子が直流電流を検出可能なため、この電流センサでは、交流電流だけでなく、直流電流の検出も可能となっている。
特開2002−181850号公報(第2頁、第1図) 特開平6−289059号公報(第2頁、第12図)
ところが、上記の磁気コアを使用した電流センサには、以下の改善すべき課題が存在している。すなわち、この種の電流センサでは、柔軟性の全くない磁気コアを使用しているため、込み入った箇所に存在している所望の通電路に流れる直流電流を測定しようとしたとしても、他の通電路が干渉して所望の通電路に磁気コアを装着できないことがあり、この結果、この所望の通電路に流れる直流電流を測定できないことがあるという問題点が存在する。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、様々な状態の通電路に流れる直流電流を測定し得る電流センサを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の電流センサは、可撓性を有する平板状のフラックスゲート磁界センサの両面に可撓性を有する複数の磁性シートが配設されると共に当該フラックスゲート磁界センサと一体化されて構成されたセンサ本体を備え、前記フラックスゲート磁界センサは、平面形状が環状に形成された磁性膜と、前記磁性膜を挟んで配設された一対の絶縁シートと、前記一対の絶縁シートのうちの一方の絶縁シートにおける前記磁性膜との非接触面上に平面視した状態において一端が前記磁性膜の内周側領域に位置すると共に他端が前記磁性膜の外周側領域に位置し、かつ互いに間隔を空けて配設された複数の第1配線パターン、および前記一対の絶縁シートのうちの他方の絶縁シートにおける前記磁性膜との非接触面上に平面視した状態において一端が前記磁性膜の内周側領域に位置すると共に他端が前記磁性膜の外周側領域に位置し、かつ互いに間隔を空けて配設された複数の第2配線パターンが互いの前記一端同士および前記他端同士が前記一対の絶縁シートを貫通して形成されたスルーホールによって接続されて構成された一対のスパイラルコイルとを備えている。
請求項2記載の電流センサは、請求項1記載の電流センサにおいて、前記磁性シートは、アモルファス磁性金属材料で形成されている。
請求項3記載の電流センサは、請求項1または2記載の電流センサにおいて、前記フラックスゲート磁界センサおよび前記磁性シートは、柔軟性を有するケースに収容されている。
請求項4記載の電流センサは、請求項1から3のいずれかに記載の電流センサにおいて、前記フラックスゲート磁界センサおよび前記磁性シートに巻回して形成された帰還巻線を備えている。
請求項5記載の電流センサは、請求項1から4のいずれかに記載の電流センサにおいて、前記フラックスゲート磁界センサおよび前記磁性シートはそれぞれ帯状体に形成され、前記フラックスゲート磁界センサにおける長手方向の一端部および他端部に第1丸孔が形成され、前記複数の磁性シートは、前記フラックスゲート磁界センサの各面において当該フラックスゲート磁界センサの前記一端部方向および前記他端部方向に交互にずらされた状態で複数積層されて配設されると共に、当該フラックスゲート磁界センサの当該一端部方向にずらされた前記磁性シートにおける一端部に当該フラックスゲート磁界センサの当該一端部に形成された前記第1丸孔に連通する第2丸孔がそれぞれ形成され、かつ当該フラックスゲート磁界センサの前記他端部方向にずらされた前記磁性シートにおける他端部に当該フラックスゲート磁界センサの当該他端部に形成された前記第1丸孔に連通する第3丸孔がそれぞれ形成され、前記フラックスゲート磁界センサおよび前記複数の磁性シートは、前記フラックスゲート磁界センサの前記一端部に形成された前記第1丸孔および当該第1丸孔に連通する前記磁性シートの前記第2丸孔に支軸が挿通され、かつ当該フラックスゲート磁界センサの前記他端部に形成された前記第1丸孔および当該第1丸孔に連通する前記磁性シートの前記第3丸孔に支軸が挿通されて一体化されている。
請求項6記載の電流センサは、請求項1から4のいずれかに記載の電流センサにおいて、前記フラックスゲート磁界センサおよび前記磁性シートはそれぞれ帯状体に形成されると共に当該磁性シートは前記フラックスゲート磁界センサの各面に複数積層されて配設され、前記複数の磁性シートは、長手方向の一端部が当該一端部に形成された丸孔に支軸が挿通されて前記フラックスゲート磁界センサの一端部に取り付けられ、かつ長手方向の他端部が当該他端部に形成された長孔に支軸が挿通されて当該フラックスゲート磁界センサの他端部に取り付けられて、当該フラックスゲート磁界センサに一体化されている。
請求項1記載の電流センサでは、センサ本体が、環状に形成された磁性膜と、磁性膜を挟んで配設された一対の絶縁シートと、この一対の絶縁シートの各表面に形成された第1および第2配線パターンが各絶縁シートを貫通するスルーホールによって互いに接続されて形成されて磁性膜を共通のコア材とする一対のスパイラルコイルとを備えて構成された可撓性を有するフラックスゲート磁界センサを有して構成されている。したがって、この電流センサによれば、様々な状態で存在している通電路に対して、その状態に合わせてセンサ本体を適宜曲げることによって装着することができる結果、通電路の配設状況に拘わらず通電路に流れる電流を測定することができる。また、この電流センサによれば、フラックスゲート磁界センサを備えているため、通電路に流れる電流が直流電流であっても交流であってもその電流値を測定することができる。また、この電流センサによれば、可撓性のある磁性シートをフラックスゲート磁界センサの両面に配設(積層)したことにより、フラックスゲート磁界センサへの外部磁界の影響を磁性シートによって軽減することができ、また、磁性シートの装着数を規定することでフラックスゲート磁界センサの感度調整も可能とすることができる。
また、請求項2記載の電流センサによれば、曲げに対して十分な強度を備えたアモルファス磁性金属材料を用いて形成された可撓性のあるシート材を磁性シートとしてフラックスゲート磁界センサの両面に配設したことにより、センサ本体の可撓性を維持しつつ十分な強度を確保することができる。
また、請求項3記載の電流センサによれば、積層されたフラックスゲート磁界センサおよび複数の磁性シートを柔軟性を有するケースに収容したことにより、センサ本体を様々な状態に曲げたとしても、フラックスゲート磁界センサおよび複数の磁性シートの積層状態を確実に維持することができる。この場合、柔軟性を有するゴムや合成樹脂でケースを形成することで、ケースに耐電圧を持たせて安全性を確保することができる。
また、請求項4記載の電流センサによれば、積層されたフラックスゲート磁界センサおよび複数の磁性シートに帰還巻線を巻回したことにより、この帰還巻線を用いてゼロフラックス構造とすることができる。
また、請求項5記載の電流センサでは、フラックスゲート磁界センサおよび各磁性シートはそれぞれ帯状体に形成され、フラックスゲート磁界センサにおける長手方向の一端部および他端部に第1丸孔が形成され、各磁性シートは、フラックスゲート磁界センサの各面においてフラックスゲート磁界センサの一端部方向および他端部方向に交互にずらされた状態で複数積層されて配設されると共に、フラックスゲート磁界センサの一端部方向にずらされた磁性シートにおける一端部にフラックスゲート磁界センサの一端部に形成された第1丸孔に連通する第2丸孔がそれぞれ形成され、かつフラックスゲート磁界センサの他端部方向にずらされた磁性シートにおける他端部にフラックスゲート磁界センサの他端部に形成された第1丸孔に連通する第3丸孔がそれぞれ形成され、フラックスゲート磁界センサおよび各磁性シートは、フラックスゲート磁界センサの一端部に形成された第1丸孔および第1丸孔に連通する磁性シートの第2丸孔に支軸が挿通され、かつフラックスゲート磁界センサの他端部に形成された第1丸孔および第1丸孔に連通する磁性シートの第3丸孔に支軸が挿通されて一体化されている。したがって、この電流センサによれば、センサ本体を曲げたときに各層において磁性シートが独立して摺動可能なため、支軸から磁性シートに応力が加わって磁性シートが破損する事態を回避することができる。
また、請求項6記載の電流センサでは、各磁性シートは、その一端側に丸孔が形成され、かつその他端側に長手方向に沿って延びる長孔が形成されている。また、各磁性シートは、長手方向の一端部がこの一端部に形成された丸孔に支軸が挿通されてフラックスゲート磁界センサの一端部に取り付けられ、かつ長手方向の他端部がこの他端部に形成された長孔に支軸が挿通されてフラックスゲート磁界センサの他端部に取り付けられて、フラックスゲート磁界センサに一体化されている。したがって、この電流センサによれば、センサ本体を曲げたときに、長孔内において支軸が移動可能なため、各磁性シートをずらして配設することなく、より簡易な構成でありながら、センサ本体を曲げたときに支軸から磁性シートに応力が加わる事態を確実に回避することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る電流センサの最良の形態について説明する。
最初に、電流センサ1の構成について、図面を参照して説明する。
電流センサ1は、図1に示すように、センサ本体2および検出回路3を備え、通電路4(図2参照)に流れる電流(直流電流および交流電流の少なくとも一方)を検出可能に構成されている。
まず、センサ本体2の構成について、図1〜図4を参照して説明する。なお、発明の理解を容易にするため、電流センサ1は、長さL1(図1参照)に対する厚みL2(図1参照)および幅L3(図3参照)の各比率が大きくなるように表されているが、実際には一例として長さL1が約10cm〜100cm、厚みL2が約1mm〜5mm、および幅L3が約1cm〜2cmというように、長さL1に対する厚みL2および幅L3の各比率が小さく規定されて、全体として長尺な直方体に形成されている。また、図2では、後述するケース16の図示を省略している。
センサ本体2は、図1に示すように、フラックスゲート磁界センサ(以下、単に「磁界センサ」ともいう)11、複数の磁性シート12、帰還巻線13、複数の他の磁性シート14、固定軸(本発明における支軸)15およびケース16を備えている。具体的には、センサ本体2は、複数の磁性シート12および複数の磁性シート14が磁界センサ11の両面に積層された状態で配設されると共に固定軸15によって磁界センサ11と一体化され、かつ磁界センサ11、複数の磁性シート12および複数の磁性シート14からなる積層体に帰還巻線13が巻回され、さらに磁界センサ11、磁性シート12、磁性シート14および帰還巻線13が柔軟性のあるケース(柔軟性を有するゴムや合成樹脂で形成されたケース)16に収納されて構成されている。
本例では、磁界センサ11は、図3に示すように、可撓性を有するフレキシブル多層基板を用いて平面視長尺な直方体(帯状体)に形成され、かつ磁性膜21並びにこの磁性膜21を共通のコア材とする巻線22,23(いずれも本発明におけるスパイラルコイル)が内層に形成されて構成されている。具体的には、磁界センサ11は、図4に示すように、平面形状が環状(本例ではロ字状)の磁性膜21が表面に形成され、かつ第1絶縁シート11a、第2絶縁シート11b、第1絶縁シート11aの裏面を覆う第3絶縁シート11c、および第2絶縁シート11bの表面を覆う第4絶縁シート11dを備えて構成されている。この場合、第1絶縁シート11aの裏面(同図において下面)には、巻線22,23の一部を構成する複数の配線パターン22a,23aが形成されている。また、第2絶縁シート11bの表面(同図において上面)には、巻線22,23の他の一部を構成する複数の配線パターン22b,23b、および巻線22,23用の引き出し配線パターン22c,23cがそれぞれ形成されている。さらに、各絶縁シート11a,11b,11c,11dは不図示の接着層を介して積層されて構成されている。この場合、各絶縁シート11a〜11dは、長さおよび幅が同一に規定された長方形に形成されている。
また、第1絶縁シート11aの裏面(磁性膜21との非接触面)に形成された各配線パターン22a,23aは、第1絶縁シート11aを平面視した状態においてロ字状の磁性膜21を横切るように間隔を空けて配設されて、一端がそれぞれ磁性膜21の内周側領域に位置し、かつ他端がそれぞれ磁性膜21の外周側領域に位置している。また、第2絶縁シート11bの表面(磁性膜21との非接触面)に形成された各配線パターン22b,23bも、第2絶縁シート11bを平面視した状態において磁性膜21を横切るように間隔を空けて配設されて、一端がそれぞれ磁性膜21の内周側領域に位置し、かつ他端がそれぞれ磁性膜21の外周側領域に位置している。
また、図4において一点鎖線で示すように、各絶縁シート11a,11bを貫通して形成されたスルーホール24により、対応する配線パターン22a,22bの一端同士および他端同士が接続されると共に、対応する配線パターン23a,23bの一端同士および他端同士が接続されている。この構成により、各配線パターン22a,22bがスルーホール24を介して一筆書き状に接続されて、巻線22が磁性膜21の一辺に巻回された状態でスパイラルコイルとして形成されている。同様にして、各配線パターン23a,23bがスルーホール24を介して一筆書き状に接続されて、巻線23が磁性膜21の他の一辺に巻回された状態でスパイラルコイルとして形成されている。また、磁界センサ11は、図3に示すように、長手方向の一端部および他端部に、各絶縁シート11a〜11dを貫通する第1丸孔25a,25bが一例として1つずつ形成されている。
一方、複数(本例では一例として8枚)の磁性シート12は、アモルファス磁性金属材料を用いて形成された可撓性を有するシート材で形成されている。また、各磁性シート12は、厚みが同一に規定されると共に、長さが磁界センサ11よりも短く、かつ幅が磁界センサ11と同じ直方体(帯状体)にそれぞれ形成されている。また、複数(磁性シート12と同数)の磁性シート14は、一例としての磁性シート12と同じシート材で形成されている。また、各磁性シート14は、厚みおよび幅が磁性シート12と同一に規定されている。磁性シート12および磁性シート14は、同図に示すように、1枚ずつ1組となって、磁界センサ11の表面側および裏面側にそれぞれ4層で積層されている。この場合、各層の磁性シート12は、磁界センサ11の各面において、磁界センサ11の一端部方向および他端部方向に交互にずらされて配設されている。また、磁界センサ11の一端部方向にずらされて配設された各磁性シート12の一端部には、磁界センサ11の一端部に形成された第1丸孔25aに連通する第2丸孔12aがそれぞれ形成されている。また、磁界センサ11の他端部方向にずらされて配設された各磁性シート12の他端部には、磁界センサ11の他端部に形成された第1丸孔25bに連通する第3丸孔12bがそれぞれ形成されている。
また、図3に示すように、磁界センサ11の他端部方向にずらされた各磁性シート12の一端部側には、磁性シート12と分離した状態で磁性シート14が1枚ずつ配設されると共に、この磁性シート14には、磁界センサ11の一端部に形成された第1丸孔25a、および各磁性シート12の一端部に形成された第2丸孔12aと連通する第4丸孔14aが形成されている。また、磁界センサ11の一端部方向にずらされた各磁性シート12の他端部側には、磁性シート12と分離した状態で磁性シート14が1枚ずつ配設されると共に、この磁性シート14には、磁界センサ11の他端部に形成された第1丸孔25b、および各磁性シート12の他端部に形成された第3丸孔12bと連通する第5丸孔14bが形成されている。
以上のようにして磁界センサ11の各面に積層された複数の磁性シート12および複数の磁性シート14は、図1に示すように、磁界センサ11の一端側に形成された第1丸孔25a、各磁性シート12の第2丸孔12aおよび各磁性シート14の第4丸孔14aに固定軸15が挿通されることによって磁界センサ11の一端側に固定され、かつ、磁界センサ11の他端側に形成された第1丸孔25b、各磁性シート12の第3丸孔12bおよび各磁性シート14の第5丸孔14bに固定軸15が挿通されることによって磁界センサ11の他端側に固定されて、磁界センサ11と一体化されて、1つの積層体に形成されている。この場合、磁界センサ11上に積層された磁性シート12および磁性シート14は、各層に1枚ずつ並設されて配設されているため、この積層体は、長手方向に沿って略均一な厚みに形成されている。
一方、この積層体における長手方向の一端面において、磁界センサ11、および磁界センサ11の各表面に積層された1,2層目の磁性シート12、磁性シート14が積層体の内方に凹み、かつ、この積層体における長手方向の他端面において、磁界センサ11が積層体の外方に突出している。したがって、この積層体における各端面の凹凸に合わせて、ケース16は、その長手方向の一端側の側壁における中央部分が凹部16aに形成され、かつ他端側の側壁における中央部分が凸部16bに形成されている。以上の構成により、ケース16内において磁界センサ11に対して、その各面に積層された磁性シート12および磁性シート14が磁界センサ11の長手方向に摺動可能なため、センサ本体2は、全体として可撓性を有し、図2に示すように、通電路4に曲げて巻回し、他端面に形成された凸部16bを一端面に形成された凹部16aに挿入して環状に形成することにより、通電路4に装着可能となっている。
次いで、検出回路3の構成について説明する。検出回路3は、図1に示すように、励磁部31、同期検波部32、増幅部33および検出抵抗34を備えて構成されている。この場合、励磁部31は、所定の周波数の同期信号S1を同期検波部32に出力すると共に、この同期信号S1に同期した励磁信号S2を生成して、センサ本体2の磁界センサ11における巻線22に出力する。同期検波部32は、巻線23に発生する電圧信号S3を入力すると共に、この電圧信号S3を同期信号S1で同期検波して電圧信号S4を生成する。増幅部33は、入力した電圧信号S4を電圧信号S5に増幅して帰還巻線13の一端に出力する。検出抵抗34は、帰還巻線13の他端とグランドとの間に接続されて、帰還巻線13に流れる電流を電圧に変換して電圧信号S6として出力する。
以上の構成を備えた電流センサ1を用いて通電路4に流れる電流を検出する際には、まず、図2に示すように、センサ本体2を曲げて通電路4に巻回すると共に、他端面に形成された凸部16bを一端面に形成された凹部16aに挿入してセンサ本体2を環状に形成して、センサ本体2を通電路4に装着する。続いて、検出回路3を作動させる。これにより、検出回路3では、励磁部31が、同期信号S1を同期検波部32に出力すると共に、励磁信号S2をセンサ本体2の磁界センサ11における巻線22に出力する。この場合、巻線23に発生する磁界は、巻線22によって発生された磁界と電流が通電路4に流れることによって通電路4の周囲に発生した磁界の合成磁界となる。同期検波部32は、この合成磁界によって巻線23に発生する電圧信号S3を入力して同期信号S1で同期検波することにより、通電路4の周囲に発生した磁界の強さ(すなわち通電路4に流れる電流の大きさ)に応じて変化する電圧信号S4を生成し、増幅部33は、この電圧信号S4を電圧信号S5に増幅して帰還巻線13の一端に出力する。したがって、帰還巻線13の一端に接続された検出抵抗34には、通電路4に流れる電流の大きさに応じて変化する電圧信号S6が発生し、この電圧信号S6が検出回路3から出力される。
この場合、帰還巻線13は、電圧信号S5が通過することに起因してセンサ本体2に発生する磁界と、電流が通電路4に流れることによってセンサ本体2に発生する磁界とが相殺される向きとなるように、磁性シート12,14からなる積層体に巻回されている。また、増幅部33の利得は,上記のセンタ本体2に発生する両磁界が相殺されるように設定される。このため、電流が通電路4に流れることによって発生した磁界の強さに応じて電圧値が変化する電圧信号S4が電圧信号S5に増幅されて帰還巻線13に印加されるため、この帰還巻線13によってセンサ本体2に発生する磁界と、通電路4に流れる電流によってセンサ本体2に発生する磁界とが相殺される。したがって、電流セン1の磁気飽和が回避されるため、より大きな電流を測定することができる。
このように、この電流センサ1は、環状に形成された磁性膜21を共通のコア材とする巻線22,23が配線パターン22a,22b,23a,23bで形成された可撓性を有する平板状の磁界センサ11と、磁界センサ11の両面に配設されると共に磁界センサ11と一体化された可撓性を有する複数の磁性シート12とを備えて構成された可撓性を有するセンサ本体2を備えている。したがって、この電流センサ1によれば、様々な状態で存在している通電路4に対して、その状態に合わせてセンサ本体2を適宜曲げることによって装着することができる結果、通電路4の配設状況に拘わらず通電路4に流れる電流を測定することができる。また、この電流センサ1によれば、フラックスゲート磁界センサである磁界センサ11を備えているため、通電路4に流れる電流が直流電流であっても交流であってもその電流値を測定することができる。
また、この電流センサ1によれば、曲げに対して十分な強度を備えたアモルファス磁性金属材料を用いて形成された可撓性のあるシート材を磁性シート12として磁界センサ11の両面に配設(積層)したことにより、センサ本体2の可撓性を維持しつつ十分な強度を確保することができる。したがって、より様々な状態で存在している通電路4に対してセンサ本体2を装着することができる結果、電流測定可能な通電路4の対象を拡げることができる。また、磁界センサ11への外部磁界の影響を磁性シート12によって軽減することができ、また、磁性シート12の装着数を規定することで磁界センサ11の感度調整も可能となる。
また、この電流センサ1によれば、積層された磁界センサ11および複数の磁性シート12を柔軟性のある柔軟性を有するケース16に収容したことにより、センサ本体2を様々な状態に曲げたとしても、磁界センサ11および複数の磁性シート12の積層状態を確実に維持することができる。また、柔軟性を有するゴムや合成樹脂でケース16を形成したことにより、ケース16に耐電圧を持たせて安全性を確保することができる。
さらに、この電流センサ1によれば、積層された磁界センサ11および複数の磁性シート12に帰還巻線13を巻回したことにより、帰還巻線13を用いてゼロフラックス構造とすることができる。
また、この電流センサ1によれば、磁界センサ11の各面における各層に、磁性シート12を磁界センサ11の一端部方向および他端部方向に交互にずらした状態で配設すると共に、磁界センサ11の一端部方向にずらした各磁性シート12を磁界センサ11の一端部に固定軸15を用いて取り付け、かつ磁界センサ11の他端部方向にずらした各磁性シート12を磁界センサ11の他端部に固定軸15を用いて取り付けたことにより、センサ本体2を曲げたときに各層において磁性シート12が独立して摺動可能なため、固定軸15から磁性シート12に応力が加わって磁性シート12が破損する事態を回避することができる。また、各磁性シート14についても、磁性シート12と同様の構造によって磁界センサ11に取り付けられているため、センサ本体2を曲げたときに各層において磁性シート14が独立して摺動可能なため、固定軸15から磁性シート14に応力が加わって磁性シート14が破損する事態を回避することができる。
なお、本発明は、上記した発明の実施の形態に限定されず、適宜変更が可能である。例えば、上述した実施の形態では、センサ本体2を曲げたときに磁界センサ11の各面に配設された磁性シートに固定軸15から応力が加わる事態を回避するため、センサ本体2では、磁性シートを磁性シート12,14に分割する構成を採用しているが、図5に示すように、磁性シート14を使用しない構成を採用することもできる。このセンサ本体2Aでは、各磁性シート12Aは、その一端側に第2丸孔(本発明における丸孔)12aが形成され、かつその他端側に長手方向に沿って延びる長孔(本発明における長孔)12cが形成されている。また、このセンサ本体2Aでは、各磁性シート12Aは、長手方向の一端部がこの一端部に形成された第2丸孔12aに固定軸15が挿通されて磁界センサ11の一端部に取り付けられ、かつ長手方向の他端部がこの他端部に形成された長孔12cに固定軸15が挿通されて磁界センサ11の他端部に取り付けられて、磁界センサ11に一体化されている。この構成によれば、図2に示すように、センサ本体2Aを曲げて通電路4に装着したときに、長孔12c内において固定軸15が移動可能なため、各磁性シート12をずらして配設したり、また各磁性シート12を分割することなく(磁性シート14を使用することなく)、より簡易な構成でありながら、センサ本体2Aを曲げたときに固定軸15から磁性シート12に応力が加わる事態を確実に回避することができる。なお、センサ本体2と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略した。
電流センサ1の構成を示す構成図である。 センサ本体2を通電路4に装着した状態の電流センサ1の構成図である。 センサ本体2の構成を示す分解斜視図である。 磁界センサ11の構成を示す分解斜視図である。 センサ本体2Aの構成を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 電流センサ
2,2A センサ本体
11 磁界センサ
12,14 磁性シート
13 帰還巻線
15 固定軸
16 ケース
21 磁性膜
11a〜11d 絶縁シート
22a〜22c,23a〜23c 配線パターン
22,23 巻線

Claims (6)

  1. 可撓性を有する平板状のフラックスゲート磁界センサの両面に可撓性を有する複数の磁性シートが配設されると共に当該フラックスゲート磁界センサと一体化されて構成されたセンサ本体を備え、
    前記フラックスゲート磁界センサは、
    平面形状が環状に形成された磁性膜と、
    前記磁性膜を挟んで配設された一対の絶縁シートと、
    前記一対の絶縁シートのうちの一方の絶縁シートにおける前記磁性膜との非接触面上に平面視した状態において一端が前記磁性膜の内周側領域に位置すると共に他端が前記磁性膜の外周側領域に位置し、かつ互いに間隔を空けて配設された複数の第1配線パターン、および前記一対の絶縁シートのうちの他方の絶縁シートにおける前記磁性膜との非接触面上に平面視した状態において一端が前記磁性膜の内周側領域に位置すると共に他端が前記磁性膜の外周側領域に位置し、かつ互いに間隔を空けて配設された複数の第2配線パターンが互いの前記一端同士および前記他端同士が前記一対の絶縁シートを貫通して形成されたスルーホールによって接続されて構成された一対のスパイラルコイルとを備えている電流センサ。
  2. 前記磁性シートは、アモルファス磁性金属材料で形成されている請求項1記載の電流センサ。
  3. 前記フラックスゲート磁界センサおよび前記磁性シートは、柔軟性を有するケースに収容されている請求項1または2記載の電流センサ。
  4. 前記フラックスゲート磁界センサおよび前記磁性シートに巻回して形成された帰還巻線を備えている請求項1から3のいずれかに記載の電流センサ。
  5. 前記フラックスゲート磁界センサおよび前記磁性シートはそれぞれ帯状体に形成され、
    前記フラックスゲート磁界センサにおける長手方向の一端部および他端部に第1丸孔が形成され、
    前記複数の磁性シートは、前記フラックスゲート磁界センサの各面において当該フラックスゲート磁界センサの前記一端部方向および前記他端部方向に交互にずらされた状態で複数積層されて配設されると共に、当該フラックスゲート磁界センサの当該一端部方向にずらされた前記磁性シートにおける一端部に当該フラックスゲート磁界センサの当該一端部に形成された前記第1丸孔に連通する第2丸孔がそれぞれ形成され、かつ当該フラックスゲート磁界センサの前記他端部方向にずらされた前記磁性シートにおける他端部に当該フラックスゲート磁界センサの当該他端部に形成された前記第1丸孔に連通する第3丸孔がそれぞれ形成され、
    前記フラックスゲート磁界センサおよび前記複数の磁性シートは、前記フラックスゲート磁界センサの前記一端部に形成された前記第1丸孔および当該第1丸孔に連通する前記磁性シートの前記第2丸孔に支軸が挿通され、かつ当該フラックスゲート磁界センサの前記他端部に形成された前記第1丸孔および当該第1丸孔に連通する前記磁性シートの前記第3丸孔に支軸が挿通されて一体化されている請求項1から4のいずれかに記載の電流センサ。
  6. 前記フラックスゲート磁界センサおよび前記磁性シートはそれぞれ帯状体に形成されると共に当該磁性シートは前記フラックスゲート磁界センサの各面に複数積層されて配設され、
    前記複数の磁性シートは、長手方向の一端部が当該一端部に形成された丸孔に支軸が挿通されて前記フラックスゲート磁界センサの一端部に取り付けられ、かつ長手方向の他端部が当該他端部に形成された長孔に支軸が挿通されて当該フラックスゲート磁界センサの他端部に取り付けられて、当該フラックスゲート磁界センサに一体化されている請求項1から4のいずれかに記載の電流センサ。
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