JP2002216683A - 回転陽極型x線管装置 - Google Patents

回転陽極型x線管装置

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JP2002216683A
JP2002216683A JP2001012698A JP2001012698A JP2002216683A JP 2002216683 A JP2002216683 A JP 2002216683A JP 2001012698 A JP2001012698 A JP 2001012698A JP 2001012698 A JP2001012698 A JP 2001012698A JP 2002216683 A JP2002216683 A JP 2002216683A
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cooling
ray tube
housing
cooling medium
fixed body
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Susumu Saito
晋 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハウジング内を流れる冷却媒体の流量を低下
させることなく、軸受部分の発熱を効率よく冷却できる
回転陽極型X線管装置を提供すること。 【解決手段】 ハウジング11と、ハウジング11内に
収納された回転陽極型X線管12と、ハウジング11内
の冷却媒体を冷却するクーラ装置13とを具備した回転
陽極型X線管装置において、陽極ターゲット17を支持
する回転機構18の固定体22に冷却媒体が通る冷却用
空間23を設け、かつ、クーラ装置13から導入する冷
媒媒体の流れを複数方向に分岐し、分岐したその1つの
流れを固定体22の冷却用空間23に導く分岐部14を
設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハウジング内に
収納された回転陽極型X線管の冷却効率を向上させた回
転陽極型X線管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】回転陽極型X線管装置は、X線を放出す
る回転陽極型X線管を組み込んだ装置で、回転陽極型X
線管は、電子ビームを発生する陰極およびX線を放出す
る陽極ターゲット、陽極ターゲットを回転可能に支持す
る回転機構、これらを収納する真空外囲器などから構成
されている。
【0003】ここで、従来の回転陽極型X線管装置につ
いて図4を参照して説明する。符号41はハウジング
で、ハウジング41内に回転陽極型X線管42が収納さ
れている。ハウジング41と回転陽極型X線管42の隙
間は、回転陽極型X線管42が発生する熱を冷却する冷
却媒体たとえば絶縁油が満たされている。
【0004】回転陽極型X線管42を構成する真空外囲
器43内に、電子ビームを発生する陰極44およびX線
を放出する陽極ターゲット45、陽極ターゲット45を
回転可能に支持する回転機構46などが配置されてい
る。回転機構46は、陽極ターゲット45と連結した回
転体47およびこの回転体47との間に動圧式すべり軸
受が設けられた固定体48などから構成されている。
【0005】動圧式すべり軸受は、たとえば固定体48
の表面にヘリボーンパターンのらせん溝を形成し、この
らせん溝などの部分にガリウムまたはガリウム合金など
の金属潤滑剤が供給される。また、真空外囲器43を囲
んで回転磁界を発生するステータ49が配置されてい
る。
【0006】ハウジング41の外部にクーラ装置50が
設けられている。クーラ装置50は熱交換器やポンプユ
ニットなどから構成され、ハウジング41とクーラ装置
50間は、ハウジング41からクーラ装置50側に絶縁
油を送り出す冷媒通路たとえば導出パイプPo、およ
び、クーラ装置50からハウジング41側に絶縁油を送
り込む冷媒通路たとえば導入パイプPiで連結されてい
る。
【0007】この構成により、回転陽極型X線管42な
どが発生した熱を冷却した絶縁油がハウジング41から
導出パイプPoを経てクーラ装置50に流れてくる。ま
た、クーラ装置50で冷却された絶縁油がクーラ装置5
0から導入パイプPiを経てハウジング41に流れ、矢
印Yで示すような絶縁油の循環路が形成される。
【0008】上記した構成において、動作状態に入る場
合、ステータ49が発生する回転磁界で回転機構46の
回転体47が回転し、陽極ターゲット45が回転する。
この状態で、陰極44が発生した電子ビームが陰極44
と陽極ターゲット45間の高電圧で加速され、陽極ター
ゲット45に衝突し、陽極ターゲット45からX線が放
出する。X線は真空外囲器43に設けられた放射窓W1
およびハウジング41に設けられた放射窓W2を通して
外部に取り出される。
【0009】動作時、陽極ターゲット45およびステー
タ49、回転体47と固定体48間に形成された動圧式
すべり軸受などから熱が発生する。これらの熱はハウジ
ング41およびクーラ装置50間を循環する絶縁油に伝
わり冷却される。
【0010】ところで、動圧式すべり軸受は、回転時の
騒音や振動が少なく、固定部分の接触がないため、磨耗
が少なく長寿命という利点がある。しかし、回転時に発
生するせん断エネルギーによって液体金属潤滑剤が発熱
し、軸受部分の温度が上昇する。温度の上昇で、液体金
属潤滑剤と軸受材料の拡散反応が促進し、安定した回転
を維持できない場合がある。そのため、回転機構を構成
する固定体の内部に絶縁油が流れる冷却用空間を設け、
軸受部分を冷却する方法が採用されている。
【0011】ここで、軸受部分に冷却用空間を設けた従
来の回転陽極型X線管装置について図5を参照して説明
する。図5では、図4に対応する部分には同じ符号を付
し、重複する説明を一部省略する。
【0012】固定体48の内部に軸方向に冷却用空間5
1が形成され、この冷却用空間51の中にパイプ52が
軸方向に配置されている。パイプ52の図示下端52a
は導入パイプPiに接続され、その図示上端52bは冷
却用空間51の図示上端の底面近くまで伸びている。
【0013】上記した構成によれば、導入パイプPiか
ら導入された絶縁油がパイプ51内を矢印Y1で示すよ
うに図示上方に向って流れ、その上端52bからパイプ
51の外側に流れる。さらに、固定体48の内壁に沿っ
て図示下方に流れ、矢印Y2で示すようにハウジング4
1内の空間へと流れる絶縁油の循環路が形成され、この
循環路を流れる絶縁油によって軸受部分の熱が冷却され
る。
【0014】冷却用空間51からハウジング41内の空
間に流れ出た絶縁油は、その後、ステータ49や真空外
囲器43などの熱を冷却し、導出パイプPoからクーラ
装置50へと循環する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転陽極型X線
管装置は、軸受部分などで発生した熱を冷却するため
に、陽極ターゲットを支持する回転機構の固定体内部に
冷却用空間が設けられている。この場合、機械的強度な
どとの兼ね合いから冷却用空間の内径をあまり大きくで
きない。内径が小さいと、冷却用空間で圧力損失が発生
し、装置全体を循環する冷却媒体の流量が低下する。ま
た、冷却媒体の流量低下は、ステータや真空外囲器など
その他の部分に対する冷却率を低下させる。
【0016】そこで、冷却率を高めるために、クーラ装
置のポンプ能力を高くする方法がある。ポンプ能力を上
げると、装置全体が大型化しコストが上昇する。また、
軸受部分に対する冷却能力が必要以上に大きくなり、軸
受面や液体金属潤滑剤を過度に冷却する場合がある。こ
の場合、液体金属潤滑剤の粘性が高まり、必要とする陽
極回転数における回転トルクが大きくなる。
【0017】本発明は、上記した欠点を解決し、ハウジ
ング内を流れる冷却媒体の流量を低下させることなく、
軸受部分の発熱を効率よく冷却できる回転陽極型X線管
装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、真空外囲器内
に、陽極ターゲットが連結された回転体およびこの回転
体との間に動圧式すべり軸受が設けられ、冷却媒体が通
る冷却用空間が内部に形成された固定体を有する回転機
構を収納した回転陽極型X線管と、この回転陽極型X線
管を収納し内部に冷却媒体が満たされたハウジングと、
このハウジングから送り出される前記冷却媒体を冷却す
るクーラ装置と、冷却した前記冷却媒体を前記クーラ装
置から前記ハウジングに送り込む冷媒通路とを具備した
回転陽極型X線管装置において、前記冷媒通路を通して
前記クーラ装置から送り込まれる前記冷却媒体の流れを
複数方向の流れに分岐し、かつ、分岐した1つの流れを
前記固定体内の前記冷却用空間に導く分岐部を設けたこ
とを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について図1を
参照して説明する。符号11はハウジングで、ハウジン
グ11内に回転陽極型X線管12が収納されている。ハ
ウジング11と回転陽極型X線管12の隙間には、冷却
媒体としてたとえば絶縁油が満たされている。
【0020】ハウジング11とは別にクーラ装置13が
設けられている。クーラ装置13は図示しない熱交換器
やポンプユニットなどから構成され、ハウジング11と
クーラ装置13間の図示上部は、回転陽極型X線管12
の発熱を冷却した絶縁油が、矢印Y1で示すようにハウ
ジング11からクーラ装置13に流れる冷媒通路、たと
えば導出パイプPoで連結されている。ハウジング11
とクーラ装置13間の図示下部は、クーラ装置13で冷
却された絶縁油が、矢印Y2で示すようにクーラ装置1
3からハウジング11に流れる冷媒通路たとえば導入パ
イプPiで連結されている。
【0021】導入パイプPiはたとえばハウジング11
の内部まで伸び、分岐部14に接続されている。分岐部
14には、導入パイプPiを通して送り込まれた絶縁油
を、たとえば90°方向の2方向に分岐する第1および
第2のパイプ状分岐路14a、14bが設けられてい
る。
【0022】ハウジング11に収納された回転陽極型X
線管12は真空外囲器15などから構成され、真空外囲
器15内には、電子ビームを発生する陰極16およびX
線を放出する陽極ターゲット17、陽極ターゲット17
を回転可能に支持する回転機構18などが配置されてい
る。また、真空外囲器13の外側にステータ19が配置
されている。ステータ19は電源20から供給される電
流で回転磁界を発生する。
【0023】回転機構18は、たとえば陽極ターゲット
17を支持シャフトなどを介して固定したほぼ筒状の回
転体21およびこの回転体21内に嵌合された固定体2
2などから構成されている。回転体21と固定体22間
には動圧式すべり軸受が設けられている。動圧式すべり
軸受は、たとえば固定体22の表面にヘリボーンパター
ンのらせん溝が形成され、このらせん溝などの部分にガ
リウムまたはガリウム合金などの液体金属潤滑剤が供給
される。
【0024】回転機構18を構成する固定体22の内部
に、その軸方向に冷却用空間23が設けられ、この冷却
用空間23の中にパイプ24が軸方向に配置されてい
る。パイプ24の図示下端24aは分岐部14の第1分
岐路14aと接続され、図示上端24bは冷却用空間2
3の図示上端の底面近くまで伸びている。また、第2分
岐路14bに絶縁油の流量を調節する流量調節装置25
が設けられている。
【0025】流量調節装置25は、第2分岐路14b内
でたとえば上下しその開口面積を変化させる調整部25
aおよび調整部24aと結合した回転軸部25b、回転
軸部25bを囲むベローズ25c、ハウジング11外に
位置する回転把手25dなどから構成されている。
【0026】たとえば回転把手25dを回転させると回
転軸部25cが回転し、調整部25aが矢印Y3で示す
ように上下する。このとき第2分岐路14b内のたとえ
ば開口面積が増減し、第2分岐路14b内に流れる絶縁
油の流量が増減する。これに伴い、第1分岐路14aに
流れる絶縁油の流量が、第2分岐路14b内の流量の増
減と逆方向に増減する。
【0027】上記した構成によれば、導入パイプPiか
ら導入した絶縁油は分岐部14で2分され、その一方は
パイプ24内を矢印Y4で示すように図示上方に流れ、
パイプ24の上端24bから冷却用空間23の上端面に
衝突噴流で吹き付けられ、パイプ24の外側へと流れ
る。さらに、固定体22の内壁に沿って流れ、矢印Y5
で示すようにハウジング11内の空間へ流れる。なお、
分岐部14で2分された他方の絶縁油は第2分岐路14
bを流れ、流量調節装置25を経て第2分岐路14bの
端部開口からハウジング11内に直接流れ出る。
【0028】冷却用空間23を流れてハウジング11内
に流れ出た絶縁油および第2分岐路14bからハウジン
グ11内に直接流れ出た絶縁油は合流し、その後、矢印
Y6で示すように流れ、ステータ19や真空外囲器15
などの熱を冷却し、導出パイプPoを通ってクーラ装置
13へと循環する。
【0029】ここで、固定体22部分を抜き出した構造
について図2の拡大図を参照して説明する。図2では、
図1に対応する部分には同じ符号を付し、重複する説明
を一部省略する。固定体22の冷却用空間23に面する
内壁にらせん状の溝31が形成され、さらに、固定体2
2の内壁に、金や金合金などで形成された腐食防止用の
被覆層32が設けられている。
【0030】上記した構成において、動作状態に入る場
合、ステータ19に電流が流れ、回転磁界が発生する。
この回転磁界で回転機構18の回転体21が回転し、陽
極ターゲット17が回転する。この状態で、陰極16が
発生した電子ビームが陰極16と陽極ターゲット17間
の高電圧で加速され、陽極ターゲット17に衝突し、陽
極ターゲット17からX線が放出する。このX線は真空
外囲器15に設けられた放射窓W1およびハウジング1
1に設けられた放射窓W2を通して外部に出力される。
【0031】動作時、軸受部分に発生する熱はたとえば
固定体22内の冷却用空間23を流れる絶縁油によって
冷却される。また、陽極ターゲット17およびステータ
19で発生する熱は、回転陽極型X線管12を構成する
真空外囲器13の外壁部分に沿ってハウジング11内を
流れる絶縁油によって冷却される。
【0032】ここで、冷却媒体の流量を調整する流量調
節装置25の機能について図3を参照して説明する。図
3の横軸は分岐部14に設けられた第2分岐路14bの
開口度で、起点0は第2分岐路14bの開口を完全に遮
断した状態を示している。符号Pは冷却媒体の総流量、
符号Qは第1分岐路14aに流れる流量すなわちパイプ
24内の流量、符号Rは第2分岐路14bに流れる流量
を示す。また、符号MはX線管全体を冷却するために必
要とする流量を示し、符号Nは軸受部分の発熱を冷却す
るために必要とする流量を示している。
【0033】第2分岐路14bの開口度が0の場合、冷
却媒体はすべて第1分岐路14aに流れ、パイプ24内
に流れる流量が総流量となる。
【0034】流量調節装置25の調整によって第2分岐
路14bの開口度が大きくなると、第2分岐路14bの
流量が増え、第1分岐路14aの流量が減少する。この
場合、分岐の割合は、必要とされる所定流量で第1分岐
路側14aと第2分岐路14bの圧力損失がそれぞれつ
りあう点となり、第1分岐路14aおよび第2分岐路1
4bを合わせた流量が総流量となる。
【0035】ところで、X線管全体を冷却するに必要な
冷却媒体の総流量は、クーラ装置の冷却能力や管球の定
格などで決定される。また、軸受部分の発熱を冷却する
ために必要な冷却媒体の流量は、陽極ターゲットの回転
数や軸受の形状、材質などで決定される。一般には、軸
受部分の冷却に必要な流量の方がX線管全体の冷却に必
要な流量よりも少なくなる。そして図5の場合、第2分
岐路14bの開口度はたとえばAからBまでの範囲で設
定される。
【0036】上記の範囲(AからB)で、使用される陽
極回転数における軸受面の温度が、軸受表面と液体金属
潤滑剤との反応速度が管球寿命に対し余裕がある値とな
るように、同時に、冷却のしすぎで回転トルクが増大し
ない値となるように、冷却媒体の通路の構造や冷却媒体
の物性を考慮し、実験や計算などで適正範囲が決定され
る。
【0037】なお、使用する陽極ターゲットの回転数が
一定の場合、たとえば、X線管を組立てる段階などで、
固定体内の冷却用空間に送られる冷却媒体が適正量とな
るように、予め、流量調節装置が調整される。陽極ター
ゲットの回転数が変化する場合は、X線管の全体流量と
軸受部分の流量の関係データを予め測定し、陽極回転数
の変化に合わせて流量調節装置が調整される。この場
合、流量調節装置の調整部分たとえば回転把手がハウジ
ングの外にあると、陽極ターゲットの回転数の変化に対
し容易に対応できる。
【0038】また、流量調節装置として、分岐路の開口
度を電気信号などで制御できる電動バルブなどを用い、
たとえばステータ19(図1)に流れる電流を電流測定
装置26で測定して陽極ターゲットの回転数を検出し、
この陽極ターゲットの回転数で流量調節装置25を制御
する構成にすることもできる。
【0039】上記した構成によれば、冷却媒体の流れを
たとえば2つに分岐している。この場合、冷却媒体の2
つの流れは圧力損失について並列構成になる。並列構成
は、従来技術で説明した構成、たとえば冷却媒体をすべ
て固定体内の冷却用空間に通し、その後、ハウジング内
に通す直列構成よりも全体の圧力損失が低下する。
【0040】そのため、冷却媒体の総流量を多くするこ
とができ、X線管全体の発熱を確実に冷却できる。この
方法は構造が簡単であるため、クーラ装置のポンプ能力
を上げる方法に比べてコストが軽減する。また、分岐し
た冷却媒体の1つの流れを固定体22の冷却用空間23
に導く構成であるため、軸受部分も確実に冷却できる。
この場合、流量調節装置25を利用すれば、固定体22
内の冷却用空間23に流れる冷却媒体の流量を調整で
き、軸受部分の温度を適正な値に維持できる。
【0041】また、冷却用空間23を設けた固定体22
の内壁にらせん状の溝31を形成している。この場合、
固定体22の表面積が実質的に広がり、絶縁油の乱流効
果もあるため、冷却率が向上する。
【0042】また、固定体22の内壁に被覆層32を形
成している。この場合、冷却媒体として金属を腐食させ
やすい水を用いても、固定体22内部の腐食が防止さ
れ、長寿命化する。被覆層32は固定体22の冷却用空
間23に面する壁面の全体に形成してもよく、パイプ2
4の上端24b開口から冷却媒体が吹き付けられる上端
の底面部分33だけ、あるいは、底面部分33とこの近
傍領域だけに設ける構成でもよい。
【0043】上記の実施形態では、冷却媒体の通路を2
方向に分岐する場合で説明している。しかし、冷却が必
要とされる箇所に応じて3方向以上に分岐することもで
きる。また、3方向以上の数に分岐する場合、1箇所で
分岐する必要はなく、たとえば複数箇所で分岐する構成
にすることもできる。
【0044】また、上記の実施形態では、冷却媒体をハ
ウジング内に直接導く分岐路に流量調節装置を設けてい
る。流量調節装置は冷却媒体を軸受部分に導く分岐路に
設けることもできる。しかし、ハウジング内に直接導く
分岐路に設けた方が周囲の空間に余裕があるため、製造
が容易になる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ハウジング内を流れる
冷却媒体の流量を低下させることなく、軸受部分の発熱
を効率よく冷却できる回転陽極型X線管装置を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための概略の断面
図である。
【図2】本発明の固定体内に設けられた冷却用空間部分
を説明するための概略の断面図である。
【図3】本発明の固定体内の冷却用空間部分に流れる冷
却媒体の調整方法を説明するための特性図である。
【図4】従来例を説明するための概略の断面図である。
【図5】従来例の固定体内に設けられた冷却用空間部分
を説明するための概略の断面図である。
【符号の説明】
11…ハウジング 12…回転陽極型X線管 13…クーラ装置 14…分岐部 15…真空外囲器 16…陰極 17…陽極ターゲット 18…回転機構 19…ステータ 20…電源 21…回転体 22…固定体 23…冷却用空間 24…パイプ 25…流量調整装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21K 5/08 G21K 5/08 C H01J 35/00 H01J 35/00 A H05G 1/02 H05G 1/02 P

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空外囲器内に、陽極ターゲットが連結
    された回転体およびこの回転体との間に動圧式すべり軸
    受が設けられ、冷却媒体が通る冷却用空間が内部に形成
    された固定体を有する回転機構を収納した回転陽極型X
    線管と、この回転陽極型X線管を収納し内部に冷却媒体
    が満たされたハウジングと、このハウジングから送り出
    される前記冷却媒体を冷却するクーラ装置と、冷却した
    前記冷却媒体を前記クーラ装置から前記ハウジングに送
    り込む冷媒通路とを具備した回転陽極型X線管装置にお
    いて、前記冷媒通路を通して前記クーラ装置から送り込
    まれる前記冷却媒体の流れを複数方向の流れに分岐し、
    かつ、分岐した1つの流れを前記固定体内の前記冷却用
    空間に導く分岐部を設けたことを特徴とする回転陽極型
    X線管装置。
  2. 【請求項2】 分岐部で分岐された他の1つの流れがハ
    ウジング内の空間に直接導かれる請求項1記載の回転陽
    極型X線管装置。
  3. 【請求項3】 分岐部で分岐された少なくとも1つの冷
    却媒体が流れる通路に、前記冷却媒体の流量を調整する
    流量調整機構が設けられている請求項1または請求項2
    記載の回転陽極型X線管装置。
  4. 【請求項4】 陽極ターゲットの回転数を検出する検出
    装置を設け、検出された前記回転数に対応して流量調整
    機構を制御する請求項3記載の回転陽極型X線管装置。
  5. 【請求項5】 固定体内の冷却用空間に面する前記固定
    体内壁の少なくとも一部にらせん状の溝が形成されてい
    る請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の回転
    陽極型X線管装置。
  6. 【請求項6】 固定体内の冷却用空間に面する前記固定
    体内壁の少なくとも一部に金または金合金の被覆層が形
    成されている請求項1ないし請求項4のいずれか1つに
    記載の回転陽極型X線管装置。
  7. 【請求項7】 固定体内の冷却用空間の中に冷却媒体を
    通るパイプが配置され、前記冷却用空間に面する前記固
    定体内壁のうち、前記パイプの陽極ターゲット側に位置
    する端部開口と対向する少なくともその底面部分に金ま
    たは金合金の被覆層が形成されている請求項1ないし請
    求項4のいずれか1つに記載の回転陽極型X線管装置。
  8. 【請求項8】 流量調整機構の一部がハウジングの外に
    位置する請求項4または請求項5記載の回転陽極型X線
    管装置。
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