JPWO2005038853A1 - X線装置 - Google Patents

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Abstract

回転可能な陽極ターゲット15及び陽極ターゲット15に対向して配置された陰極16を真空外囲器13内に収納した回転陽極型X線管11と、陽極ターゲット15を回転させるための誘導電磁界を発生するステータ26と、少なくとも回転陽極型X線管11を収納保持するハウジング10と、回転陽極型X線管11の少なくとも一部に近接して設けられ、水系冷却媒体が循環する循環路と、循環路の途中に設けられ水系冷却媒体を強制駆送する循環ポンプ27a及び水系冷却媒体の熱を放出させるラジエータ27bを有するクーラーユニット27と、を具備したX線装置であって、水系冷却媒体は、25℃における溶存酸素量が5mg/リットル以下であることを特徴とする。

Description

この発明は、X線装置に係り、特に、回転陽極型X線管などが発生する熱の放出特性を向上させたX線装置に関する。
X線装置は、回転可能に支持された陽極ターゲットを真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管、回転陽極型X線管を収納するハウジングなどを備えて構成されている。このような回転陽極型X線管は、陽極ターゲットなどが発生する熱を放出する場合、これを冷却するための冷却機構を備えている。
冷却機構を備えたX線装置としては、以下のような提案が成されている。
(1)回転陽極型X線管及びステータを絶縁油中に浸し、発熱が大きい部分たとえば陽極ターゲット近傍に設けられる反跳電子捕捉トラップや真空外囲器の一部に設けられた流路に熱伝達効率の大きい水系冷却液を流して冷却し、この冷却液をこれら流路とクーラーユニットとの間で循環させるX線装置(例えば、米国特許6519317号明細書参照。)。
(2)回転陽極型X線管及びステータを絶縁油ではなく水系冷却液中に浸し、ハウジングとクーラーユニットとの間に水系冷却液を循環させる以外は、(1)と同様に構成されたX線装置(例えば、特表2001−502473号公報参照。)。
(1)のように構成されたX線装置によれば、回転陽極型X線管の熱負荷が大きくなると、真空外囲器の外面からの発熱が増大するが、この外面を冷却する冷却媒体は外部の熱交換器により冷却されない絶縁油のみであるため、必要とされる冷却性能が十分に得られない場合がある。加えて、冷却液が水を含むため、循環路中の金属部品を腐食させるおそれがある。陽極ターゲット近傍に設けられる反跳電子捕捉トラップや真空外囲器の一部に設けられた流路を形成する金属部品は、真空と冷却液とを遮断する機能を持つため、腐食が進行すると、その機能が損なわれ、X線管が使用不可能となる。また、そのような不具合が発生すると、X線管の陽極ターゲットが高温となった場合に、水系冷却液がX線管中に進入して高温の陽極ターゲットに触れて蒸発気化し、圧力上昇を来たすこととなり、安全上問題である。
また、腐食の進行に伴い、冷却液に溶けない金属水酸化物の浮遊物が形成されることがある。このため、冷却液の流路が浮遊物によって詰まってしまい、熱伝達の阻害や流量の低下などを引き起し、その結果、冷却液による冷却性能の劣化が生じるおそれがある。また、水系冷却液中にもともと溶存している空気は、水系冷却液の温度上昇に伴って気泡となって水系冷却液中に混合されるため、水系冷却液による冷却性能を低下させるおそれがある。
(2)のように構成されたX線装置によれば、(1)の問題に加えて、金属腐食に伴う水系冷却液の絶縁抵抗値の低下により、ステータ回路などの低電圧電気回路系の絶縁性能やハウジングと真空外囲器との間の絶縁性能が低下する問題がある。特に、回転支持機構の軸受として動圧式すべり軸受を用いる場合は、玉軸受を用いる場合に比べてステータの発熱が大きくなり、電気絶縁性能の低下が顕著になる。また、(1)の場合には水系冷却液に浸らなかったX線管の真空壁を腐食させる。その結果、(1)と同様の問題がより発生しやすくなるおそれがある。
また、水系冷却液中にもともと溶存している空気は、水系冷却液の温度上昇に伴って気泡となって水系冷却液中に混合されるため、(1)と同様の問題が発生するおそれがある。加えて、この気泡がX線用出力窓付近を通過すると、取り出されたX線の透過率を変化させてしまうおそれがある。X線装置を使用中にこのような現象が発生すると、X線画像に影響を及ぼすため、好ましくない。
さらには、水系冷却液の還流路がハウジングの内部空間と通じているため、低電圧電気回路系が水系冷却液に浸ることになる。このような低電圧電気回路系としては、ステータに電圧を供給するためのステータ回路系と通電ゲッターに電圧を供給するための通電ゲッター回路系などがある。ステータ回路系で水系冷却液に浸る部分は、ステータコイル、配線、及び、ハウジングの外にある外部電源と接続するための電流供給端子である。通電ゲッター回路系で水系冷却液に浸る部分は、X線管内の通電ゲッターに電流供給するための電流供給端子、配線、及び、ハウジングの外にある外部電源と接続するための電流供給端子である。
これら部品の導電部分間の距離は短いため、水系冷却液の電気伝導度(導電率)のわずかな上昇によって電気的な漏洩が問題となる。このため、これら構成部品を樹脂によって一体的にモールドすることにより、水系冷却液から保護することが好ましい。しかしながら、長期の使用によりモールドに欠陥が生じてしまうと、モールド内部の構成部品に水系冷却液が浸入してしまい、電気的な漏洩を引き起こすおそれがある。
またさらに、ハウジングとX線管の真空外囲器とはどちらも接地電位となるが、X線管が放電を起こした場合の電気的ノイズ防止のため、X線管はハウジングと電気的に絶縁されるように収納されている。したがって、水系冷却液の還流路がハウジングの内部空間と通じている(2)の場合には、このハウジングとX線管との絶縁部近傍に水系冷却液が存在することになる。この絶縁距離は短いため、水系冷却液の電気伝導度のわずかな上昇によって電気的な漏洩が問題となる。
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、冷却媒体の性能劣化を防止するとともに、熱の放出特性を向上させることができ、しかも、長期にわたって信頼性の高いX線装置を提供することにある。
また、この発明の目的は、冷却媒体の性能劣化に起因した故障の発生を防止することが可能なX線装置を提供することにある。
この発明の第1の様態によるX線装置は、
回転可能な陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、
前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、
少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、
前記回転陽極型X線管の少なくとも一部に近接して設けられ、水系冷却媒体が循環する循環路と、
前記循環路の途中に設けられ前記水系冷却媒体を強制駆送する循環ポンプ、及び、前記水系冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、
を具備したX線装置であって、
前記水系冷却媒体は、25℃における溶存酸素量が5mg/リットル以下であることを特徴とする。
この発明の第2の様態によるX線装置は、
回転可能な陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、
前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、
少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、
前記回転陽極型X線管の少なくとも一部に近接して設けられ、水系冷却媒体が循環する循環路と、
前記循環路の途中に設けられ前記水系冷却媒体を強制駆送する循環ポンプ、及び、前記水系冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、
を具備したX線装置であって、
前記水系冷却媒体は、25℃における導電率が5mS/m以下であることを特徴とする。
この発明の第3の様態によるX線装置は、
回転可能な陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、
前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、
少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、
前記回転陽極型X線管の少なくとも一部に近接して設けられ、水系冷却媒体が循環する循環路と、
前記循環路の途中に設けられ前記水系冷却媒体を強制駆送する循環ポンプ、及び、前記水系冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、
を具備したX線装置であって、
前記水系冷却媒体は、インヒビターとして少なくともベンゾトリアゾールまたはその誘導体を含有することを特徴とする。
この発明の第4の様態によるX線装置は、
回転可能な陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、
前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、
少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、
前記回転陽極型X線管の少なくとも一部に近接して設けられ、水系冷却媒体が循環する循環路と、
前記循環路の途中に設けられ前記水系冷却媒体を強制駆送する循環ポンプ、及び、前記水系冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、
を具備したX線装置であって、
さらに、前記水系冷却媒体中の不純物を除去する不純物除去機構を備えたことを特徴とする。
この発明の第5の様態によるX線装置は、
回転可能な陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、
前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、
少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、
前記回転陽極型X線管の少なくとも一部に近接して設けられ、水系冷却媒体が循環する循環路と、
前記循環路の途中に設けられ前記水系冷却媒体を強制駆送する循環ポンプ、及び、前記水系冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、
を具備したX線装置であって、
さらに、前記水系冷却媒体の導電率または導電率に依存して変化する物理量、または、前記X線装置の漏洩電流または漏洩電流に依存して変化する物理量を検知して検知信号を発生する検知手段と、
前記検知手段の検知信号に基づいて、前記回転陽極型X線管によるX線出力動作を禁止または許可するよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
図1は、この発明の第1実施形態に係るX線装置の構成を概略的に示す図である。 図2は、この発明の第2実施形態に係るX線装置の構成を概略的に示す図である。 図3は、この発明の第3実施形態に係るX線装置の構成を概略的に示す図である。 図4は、この発明の第4実施形態に係るX線装置の構成を概略的に示す図である。 図5は、この発明の第5実施形態に係るX線装置の構成を概略的に示す図である。 図6は、この発明の第6実施形態に係るX線装置の構成を概略的に示す図である。 図7は、第1乃至第6実施形態に係るX線装置に適用可能であって、水系冷却媒体中の不純物を除去する不純物除去機構として脱気ユニットを備えたX線装置の構成を概略的に示す図である。 図8は、第1乃至第6実施形態に係るX線装置に適用可能であって、水系冷却媒体中の不純物を除去する不純物除去機構として金属イオン除去フィルタを備えたX線装置の構成を概略的に示す図である。 図9は、第1乃至第6実施形態に係るX線装置に適用可能であって、水系冷却媒体の導電率を検知する導電率モニタをハウジング内に備えたX線装置の構成を概略的に示す図である。 図10は、第1乃至第6実施形態に係るX線装置に適用可能であって、水系冷却媒体の導電率を検知する導電率モニタをクーラーユニット内に備えたX線装置の構成を概略的に示す図である。 図11は、第1乃至第6実施形態に係るX線装置に適用可能であって、漏洩電流を検知する漏洩電流モニタを備えたX線装置の構成を概略的に示す図である。 図12は、変形例に係るX線装置の構成を概略的に示す図である。
以下、この発明の一実施の形態に係るX線装置について図面を参照して説明する。まず、この発明を適用可能なX線装置の第1乃至第6実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態に係るX線装置は、ハウジング10、回転陽極型X線管11などを備えて構成されている。ハウジング10は、その一部に設けられたX線用出力窓10aを有している。また、ハウジング10は、その内部に回転陽極型X線管11を収納保持している。ハウジング10は、回転陽極型X線管11を収納した内部空間を満たす非水系冷却媒体として例えば絶縁油を収納している。
回転陽極型X線管11は、真空外囲器13などで構成されている。真空外囲器13は、その一部に設けられたX線用出力窓13aを有している。真空外囲器13は、たとえば径が大きい径大部131、径大部131よりも径が小さい径小部132、二重円筒の筒状部133、円筒状の陰極収納部134などから構成されている。径大部131、径小部132、及び、筒状部133は、管軸を中心にして同軸的に設けられている。陰極収納部134は、管軸からずれて設けられている。
回転可能な陽極ターゲット15は、径大部121に配置されている。陰極16は、陽極ターゲット15に対向して陰極収納部134に配置されている。陰極収納部134の一部たとえば陰極16を囲むように配置された壁部に反跳電子捕捉トラップ(シールド構造体)17が設けられている。この反跳電子捕捉トラップ17は、陽極ターゲット15から反射した電子を捕捉する。この反跳電子捕捉トラップ17は、銅や銅合金などの熱伝導度が比較的高い材料によって形成されている。
陰極16は、陰極支持構体18によって支持されている。陰極支持構体18は、陰極収納部134の内側に固定されている。陽極ターゲット15は、継手部19を介して回転支持機構20に連結され、回転支持機構20によって回転可能に支持されている。
回転支持機構20は、継手部19と連結する回転体22及びこの回転体22のたとえば先端側の内側に嵌合する固定体23などから構成されている。回転体22における後端側の筒状部の外周面に筒状ロータ24が接合されている。回転体22と固定体23との嵌合部分には、動圧式すべり軸受、たとえばラジアル方向及びスラスト方向の動圧式すべり軸受(図示せず)が設けられている。固定体23の両端部は、真空外囲器13に固定されている。
真空外囲器13の外側たとえば筒状ロータ24を囲む位置には、ステータ26が配置されている。このステータ26は、陽極ターゲット15を回転させるための誘導電磁界を発生する。ここでは、ステータ26は、ハウジング10内において、回転陽極型X線管11とともに収納され、絶縁油に接している。
ハウジング10のたとえば外には、クーラーユニット27が設けられている。このクーラーユニット27は、循環ポンプ27a、熱交換器27bなどから構成されている。循環ポンプ27aは、後述する水系冷却媒体が循環する循環路の途中に設けられ、水系冷却媒体を強制駆送する。熱交換器(ラジエータ)27bは、循環ポンプ27aの下流側に設けられ、水系冷却媒体の熱を放出させる。ラジエータは、主に銅や銅合金などの熱伝導度が比較的高い材料によって形成されている。ここでの水系冷却媒体とは、例えば、ハウジング10内の絶縁油よりも熱伝達効率の高い冷却媒体たとえば水とエチレングリコールやプロピレングリコールとの混合物(以下、不凍液と称する)であり、循環路に満たされている。
水系冷却媒体の循環路は、回転陽極型X線管11の少なくとも一部に近接して設けられ、第1冷却路C1、第2冷却路C2、及び、第3冷却路を含んでいる。第1冷却路C1は、径大部131の下方に相当する筒状部133側に形成されている。第2冷却路C2は、反跳電子捕捉トラップ17に近接してまたはその内部に形成されている。第3冷却路C3は、固定体23の内部に形成されている。
すなわち、径大部131の筒状部133側に位置する壁131aの外側に、環状の壁部14が壁131aとほぼ平行に、かつ筒状部133を囲んで設けられている。第1冷却路C1は、壁131aと壁部14との間の円盤状空間28である。円盤状空間28は、第1冷却路C1に水系冷却媒体を導入する導入口C11及び第1冷却路C1から水系冷却媒体を導出する導出口C12を有している。これら導入口C11及び導出口C12は、例えば、円盤状空間28の中心部を挟んで両端(180°の間隔)に形成されている。
第2冷却路C2は、例えば反跳電子捕捉トラップ17の内部の環状空間29である。環状空間29は、第2冷却路C2に水系冷却媒体を導入する導入口C21及び第2冷却路C2から水系冷却媒体を導出する導出口C22を有している。
第3冷却路C3は、例えば固定体23の内部に形成された空洞23a及び空洞23a内に挿入されたパイプ23bによって形成されている。すなわち、固定体23は、中空の棒状体であって、その一端部(ここでは陰極収納部134側の端部)が開放され、その他端部(ここでは筒状ロータ24側の端部)が閉じられている。また、パイプ23bは、筒状ロータ24の回転中心に固定されている。固定体23の一端部に位置するパイプ23bの一端部が第3冷却路C3に水系冷却媒体を導入する導入口C31となる。固定体23の一端部が第3冷却路C3から水系冷却媒体を導出する導出口C32となる。つまり、導入口C31から導入された水系冷却媒体は、パイプ23bを通って空洞23a内でU字状に進路変更され、導出口C32から固定体23の外部に導出される。
クーラーユニット27と導入口C21との間、導出口C22と導入口C11との間、導出口C12と導入口C31との間、及び、導出口C32とクーラーユニット27との間は、それぞれ配管P1、P2、P3、及び、P4で連結され、第1冷却路C1、第2冷却路C2、及び、第3冷却路C3を含めた循環路が形成されている。なお、配管P2及びP3は、図示の都合からその一部がハウジング10の外側に示されているが、通常、いずれもハウジング10内に設けられる。
クーラーユニット27は、着脱自在の配管ジョイントを介してハウジング10と接続されている。すなわち、ハウジング10とクーラーユニット27との間の循環路は、たとえばホースで構成されている。ホースとハウジング10との接続部T1、T2およびホースとクーラーユニット27との接続部T3、T4は、ハウジング10側及びクーラーユニット27側の少なくとも一方が着脱可能に構成されている。この構造により、ハウジング10とクーラーユニット27とを分離することができ、クーラーユニット27などの据え付け作業や保守作業が容易になる。
上述した構成のX線装置においては、ステータ26が発生する誘導電磁界によって回転体22が回転する。この回転動力が継手部19を介して陽極ターゲット15に伝達し、陽極ターゲット15が回転する。この状態で、陰極16から陽極ターゲット15に電子ビームeが照射され、陽極ターゲット15からX線が放出される。X線は、X線用出力窓13a及び10aを通して外部に取り出される。このとき、陽極ターゲット15で反射した電子ビームeの一部が反跳電子捕捉トラップ17で捕捉される。
回転陽極型X線管11が動作状態に入ると、陽極ターゲット15は電子ビームeの照射により温度が上昇する。反跳電子捕捉トラップ17も、陽極ターゲット15から反射された電子ビームeを捕捉することで温度が上昇する。ステータ26もコイル部分に流れる電流で温度が上昇する。これらの熱の伝達により真空外囲器13の温度も上昇する。
真空外囲器13及びステータ26の熱は、ハウジング10内の絶縁油に伝達し、外部に放熱される。また、陽極ターゲット15及び反跳電子捕捉トラップ17の熱は、循環路内を循環する不凍液に伝達し、外部に放熱される。すなわち、クーラーユニット27の循環ポンプ27aは、図中の矢印Yで示すように、不凍液を循環路内に循環させる。熱交換器27bは、循環ポンプ27aから強制駆送されしかも回転陽極型X線管11の冷却によって温度上昇した不凍液の熱を放出する。
クーラーユニット27の熱交換器27bから送出された不凍液は、配管P1を介して導入口C21に導入された後、環状空間29(第2冷却路C2)を通過する際に反跳電子捕捉トラップ17を冷却する。そして、導出口C22から導出された不凍液は、配管P2を介して導入口C11に導入された後、円盤状空間28(第1冷却路C1)を通過する際に真空外囲器13の径大部131を冷却する。
そして、導出口C12から導出された不凍液は、配管P3を介して導入口C31に導入された後、固定体23の内部を往復するように設けられた空洞23a(第3冷却路C3)を通過する際に固定体23を冷却する。そして、導出口C32から導出された不凍液は、配管P4を介してクーラーユニット27に還流される。
上述した第1実施形態に係るX線装置によれば、温度上昇の高い部分たとえば反跳電子捕捉トラップ17や真空外囲器13の一部の熱は、第1冷却路C1、第2冷却路C2、及び、第3冷却路C3を流れる熱伝達効率の高い不凍液によって効率的に放出される。また、径大部131では第1冷却路C1を流れる不凍液と絶縁油との間で熱交換が行われる。この場合、絶縁油は、壁部14の外面に接触しながら移動するため、不凍液との間に効率的な熱交換が行われ、絶縁油による熱の放熱特性が向上する。その結果、絶縁油に対する熱交換器が不要となり、装置構成が簡単になる。
また、ステータ26の周囲や真空外囲器13の外面やハウジング10の内面は、水系冷却媒体に接することがなく、絶縁油が流れるため、電気絶縁性の低下や金属腐食なども防止することが可能となる。
したがって、熱の放出特性が良好であって、しかも、長期にわたって高い信頼性を確保することが可能なX線装置を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態に係るX線装置について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図2に示すように、第3冷却路C3は、例えば固定体23を直線的に貫通する貫通孔23aによって形成されている。固定体23は、中空の棒状体であって、その両端部が開放されている。貫通孔23aは、第3冷却路C3に水系冷却媒体を導入する導入口C31及び第3冷却路C3から水系冷却媒体を導出する導出口C32を有している。導入口C31は固定体23の他端部(ここでは筒状ロータ24側の端部)に設けられている。導出口C32は固定体23の一端部(ここでは陰極収納部134側の端部)に設けられている。
クーラーユニット27と導入口C21との間、導出口C22と導入口C11との間、導出口C12と導入口C31との間、及び、導出口C32とクーラーユニット27との間は、それぞれ配管P1、P2、P3、及び、P4で連結され、第1冷却路C1、第2冷却路C2、及び、第3冷却路C3を含めた循環路が形成されている。なお、配管P2は、図示の都合からその一部がハウジング10の外側に示されているが、通常、いずれもハウジング10内に設けられる。
上述した構成のX線装置においては、導出口C12から導出された不凍液は、配管P3を介して導入口C31に導入された後、固定体23の内部において一方向(筒状ロータ24側から陰極収容部134側に向かう方向)に延在された貫通孔23a(第3冷却路C3)を通過する際に固定体23を冷却するように構成されている。
このような第2実施形態に係るX線装置によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態に係るX線装置について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図3に示すように、第3冷却路C3は、例えば第1実施形態と同様に、固定体23の内部に形成された空洞23a及び空洞23a内に挿入されたパイプ23bによって形成されている。すなわち、第3冷却路C3に水系冷却媒体を導入する導入口C31及び第3冷却路C3から水系冷却媒体を導出する導出口C32は、その両方が固定体23の一端部(ここでは陰極収納部134側の端部)に設けられている。
クーラーユニット27と導入口C21との間、導出口C22と導入口C31との間、及び、導出口C32と導入口C11との間は、それぞれ配管P1、P2、及び、P3で連結されている。導出口C12は、第1冷却路C1に導入された不凍液をハウジング10の内部空間10bに導出する。ホースとハウジング10と間の接続部T1は、ハウジング10の内部空間10bからホースを介してクーラーユニット27に不凍液を導出する導出口として機能する。
つまり、ハウジング10の内部空間10bとクーラーユニット27との間(すなわち接続部T1及びT3の間)に不凍液の還流路が形成される。このため、回転陽極型X線管11を収納した内部空間10bは、水系冷却媒体である不凍液によって満たされている。
このように、配管P1、P2、P3、第1冷却路C1、第2冷却路C2、第3冷却路C3、及び、還流路を含め、不凍液の循環路が形成されている。なお、配管P1及びP3は、図示の都合からその一部がハウジング10の外側に示されているが、通常、いずれもハウジング10内に設けられる。
一方で、ステータ26は、ハウジング10内において回転陽極型X線管11とともに収納されている。このため、ステータ26は、水系冷却媒体と接触することになるため、その少なくとも一部の表面に防錆被覆膜26aが形成(モールド)されている。
この防錆被覆膜26aは、例えば有機被覆膜で形成されている。より具体的には、有機被覆膜は、エポキシ系樹脂、タールエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂の中から選ばれた樹脂またはそれを主成分とする混合樹脂からなる厚膜の塗膜などで形成されている。
これにより、ステータ26の周囲は、水系冷却媒体に接することがなく、電気絶縁性の低下を防止することが可能となる。
上述した構成のX線装置においては、真空外囲器13、ステータ26、陽極ターゲット15及び反跳電子捕捉トラップ17の熱は、循環路内を循環する不凍液に伝達し、外部に放熱される。すなわち、クーラーユニット27の循環ポンプ27aは、図中の矢印Yで示すように、不凍液を循環路内に循環させる。熱交換器27bは、循環ポンプ27aから強制駆送されしかも回転陽極型X線管11の冷却によって温度上昇した不凍液の熱を放出する。
クーラーユニット27の熱交換器27bから送出された不凍液は、配管P1を介して導入口C21に導入された後、環状空間29(第2冷却路C2)を通過する際に反跳電子捕捉トラップ17を冷却する。そして、導出口C22から導出された不凍液は、配管P2を介して導入口C31に導入された後、固定体23の内部を往復するように設けられた空洞23a(第3冷却路C3)を通過する際に固定体23を冷却する。
そして、導出口C32から導出された不凍液は、配管P3を介して導入口C11に導入された後、円盤状空間28(第1冷却路C1)を通過する際に真空外囲器13の径大部131を冷却する。そして、導出口C12から導出された不凍液は、ハウジング10の内部空間10bに導出され、真空外囲器13、ステータ26などを冷却する。そして、内部空間10bの不凍液は、接続部T1からクーラーユニット27に還流される。
このような第3実施形態に係るX線装置によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、冷却媒体を水系冷却媒体の1種類のみを使用すれば良いため、コスト的に有利であるとともに、メンテナンスも容易である。また、水系冷却媒体は、絶縁油と比較して熱伝達効率が高いため、装置全体の熱の放出特性をさらに向上することが可能となる。
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態に係るX線装置について説明する。なお、第3実施形態と同一の構成については、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図4に示すように、第3冷却路C3は、例えば第2実施形態と同様に、固定体23を直線的に貫通する貫通孔23aによって形成されている。固定体23は、中空の棒状体であって、その両端部が開放されている。貫通孔23aは、第3冷却路C3に水系冷却媒体を導入する導入口C31及び第3冷却路C3から水系冷却媒体を導出する導出口C32を有している。導入口C31は固定体23の一端部(ここでは陰極収納部134側の端部)に設けられている。導出口C32は固定体23の他端部(ここでは筒状ロータ24側の端部)に設けられている。
クーラーユニット27と導入口C21との間、及び、導出口C22と導入口C31との間は、それぞれ配管P1、及び、P2で連結されている。導出口C32は、第3冷却路C3に導入された不凍液をハウジング10の内部空間10bに導出する。ホースとハウジング10と間の接続部T1は、ハウジング10の内部空間10bからホースを介してクーラーユニット27に不凍液を導出する導出口として機能する。
つまり、ハウジング10の内部空間10bとクーラーユニット27との間(すなわち接続部T1及びT3の間)に不凍液の還流路が形成される。このため、回転陽極型X線管11を収納した内部空間10bは、水系冷却媒体である不凍液によって満たされている。
このように、配管P1、P2、第2冷却路C2、第3冷却路C3、及び、還流路を含め、不凍液の循環路が形成されている。なお、配管P1は、図示の都合からその一部がハウジング10の外側に示されているが、通常、いずれもハウジング10内に設けられる。
一方で、ステータ26は、第3実施形態と同様に、ハウジング10内において回転陽極型X線管11とともに収納されており、その少なくとも一部の表面に防錆被覆膜26aが形成(モールド)されている。これにより、ステータ26の周囲は、水系冷却媒体に接することがなく、電気絶縁性の低下を防止することが可能となる。
上述した構成のX線装置においては、導出口C22から導出された不凍液は、配管P2を介して導入口C31に導入された後、固定体23の内部において一方向(陰極収容部134側から筒状ロータ24側に向かう方向)に延在された貫通孔23a(第3冷却路C3)を通過する際に固定体23を冷却するように構成されている。
このような第4実施形態に係るX線装置によれば、第3実施形態と同様の効果が得られる。
(第5実施形態)
次に、この発明の第5実施形態に係るX線装置について説明する。なお、第3実施形態と同一の構成については、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図5に示すように、第5実施形態に係るX線装置は、基本的には、図3に示した第3実施形態と同様の構成であるが、ステータ26は、ハウジング10の外部に配置されている点で第3実施形態と相違する。このため、ステータ26は、水系冷却媒体と接触することがないため、電気絶縁性の低下を防止することが可能となる。また、第3実施形態のように、ステータ26の表面に防錆被覆膜を形成する必要がなく、コストを低減できるとともに、装置全体の小型化に有利である。なお、このような構成のステータ26は、冷却媒体による冷却ができないが、外気を利用して空冷することが可能である。
このような第5実施形態に係るX線装置によれば、第3実施形態と同様の効果が得られる。
(第6実施形態)
次に、この発明の第6実施形態に係るX線装置について説明する。なお、第4実施形態と同一の構成については、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図6に示すように、第6実施形態に係るX線装置は、基本的には、図4に示した第4実施形態と同様の構成であるが、ステータ26は、ハウジング10の外部に配置されている点で第4実施形態と相違する。このため、ステータ26は、水系冷却媒体と接触することがないため、電気絶縁性の低下を防止することが可能となる。また、第4実施形態のように、ステータ26の表面に防錆被覆膜を形成する必要がなく、コストを低減できるとともに、装置全体の小型化に有利である。なお、このような構成のステータ26は、冷却媒体による冷却ができないが、外気を利用して空冷することが可能である。
このような第6実施形態に係るX線装置によれば、第4実施形態と同様の効果が得られる。
(電気化学的腐食について)
上述した各実施形態において、水系冷却媒体に浸っているX線装置の金属部品は、電気化学的に腐食するおそれがある。すなわち、水系冷却媒体のような電気伝導性を有する液体中において、金属体のある部分が陽極(アノード:相対的に電位の低い部分)となり、別の部分が陰極(カソード:相対的に電位の高い部分)となって、それぞれの部分における陽極反応と陰極反応とが互いに連結されており、すなわち電池を形成している。
これらの陽極反応及び陰極反応は、下記のような反応であり、両者は必ず対になって進行する。なお、nは整数とする。
陽極反応:M→Mn++ne(金属がイオンとなる)
陰極反応1:ne+nH→nH、nH→(n/2)H(水素イオンが放電して水素原子となり、その水素原子が水素ガスとなる)
陰極反応2:ne+(n/4)O+(n/2)HO→nOH(液体中の溶存酸素が水酸化物イオンとなる)
陽極反応と陰極反応1とが組み合わさって進行する場合には、
M+nH→Mn++(n/2)H …(1)
と表される化学反応が進行する。
また、陽極反応と陰極反応2とが組み合わさって進行する場合には、
M+(n/4)O+(n/2)HO→Mn+nOH …(2)
と表される化学反応が進行する。
このように、反応式(1)及び(2)のような化学反応が進行することにより、陽極及び陰極ともに金属部品が金属イオンとなって溶出する。つまり、水系冷却媒体中の金属部品は、徐々に侵食(電気化学的な腐食)を受ける。第1及び第2実施形態では、水系冷却媒体が循環する循環路の途中に配置された金属部品、循環ポンプ27a、熱交換器27b、配管P1〜P4、冷却路C1〜C3、接続部T1〜T4などが電気化学的に腐食する可能性がある。また、第3乃至第6実施形態では、上述した金属部品に加えて、ハウジング10の内面、真空外囲器13の外面、ステータ26、各種回路系の一部などが電気化学的に腐食する可能性がある。
(電気化学的腐食の第1反応抑制方法)
反応式(1)や(2)で示したような化学反応の進行に伴い、液体中の金属イオン濃度が増加する。このため、液体の導電率(抵抗率の逆数に相当)が上昇する問題があることが分かる。このような液体の導電率の上昇は、さらなる金属部品の腐食を進行させてしまうだけでなく、電気的な漏洩を引き起こすおそれがある。
液体の導電率と金属の腐食性との関係については、社団法人 日本防錆技術協会が発行する文献「防錆技術者のための電気化学入門、および最新防錆防食技術」の実際に掲載さている鉄鋼に対する土壌の腐食性と抵抗率との関係に関する記述が参考になる。この文献によれば、土壌の抵抗率をρ(Ω・cm)として、鉄鋼の腐食性は
ρ<900⇒激しい腐食性
ρ=900〜2300⇒やや激しい腐食性
ρ=2300〜5000⇒中程度の腐食性
ρ=5000〜10000⇒軽微な腐食性
ρ>10000⇒極めて軽微な腐食性
となると記述されている。
本発明のX線装置の水系冷媒に接する部分の構成材料も、最も腐食し易い金属の一つとして鉄鋼などの鉄合金を含んでいる。従って、X線装置の水系冷媒に接する部分の腐食性を極めて軽微とするための目安は、水系冷媒の抵抗率が20000 Ω・cm以上であること、言い換えれば導電率が、(1/20000)S/cm=5mS/m以下であると推定できる。
また、反応式(1)で示したような腐食の進行に伴って、水素ガスが発生する。発生した水素ガスは、水系冷却媒体中に混合されるため、冷却性能を低下させてしまったり、金属部品の強度劣化を引き起こしたり、X線用出力窓付近に発生した水素ガスが存在してX線画像に悪影響を及ぼすおそれもある。また、腐食の進行に伴って、金属イオンと水酸化物イオンとが反応して水系冷却媒体に不溶性の金属水酸化物の浮遊物が形成されるおそれもある。
このため、X線管の製造過程において、循環路に初期に導入される水系冷却媒体の導電率を低く抑え、しかも、X線装置の使用時においても低い導電率を維持することが有効である。つまり、水系冷却媒体は、ほぼ電気的に絶縁状態であることが望ましく、導電率が5mS/m以下であることが望ましい。
なお、上述した導電率は、例えばオルガノ(株)社製のデジタル抵抗率計MH−7で測定可能である。この測定器によって測定される測定値は抵抗率(Ω・cm)であるが、導電率(S/cm)は抵抗率の逆数である。
(電気化学的腐食の第2反応抑制方法)
反応式(2)で示したような化学反応の進行には溶存酸素の存在が関わっている。すなわち、このため、腐食反応の抑制のための第2反応抑制方法としては、X線装置の製造過程において、循環路に初期に導入される水系冷却媒体の溶存酸素量を低く抑え、しかもX線装置の使用時においても低い溶存酸素量を維持することが有効である。つまり、水系冷却媒体は、常温(25℃)での溶存酸素量が常温・常圧(1atm)での飽和量(約8mg/リットル)より低いことが望ましく、好ましくは、5mg/リットル以下であることが望ましい。
たとえば、1atmで水1リットルに溶ける酸素の飽和量は、10℃において約10.9mgであり、100℃において約4.9mgである。製造過程において循環路に水系冷却媒体を導入する際の温度が10℃であったとき、水系冷却媒体1リットルあたり10mgの酸素が溶けていたとすると、使用時の温度が高くなるにしたがって溶けていた酸素が気体となって冷却媒体中に発生する。このとき、水系冷却媒体が100℃に達すると、1リットルあたり約5mgの酸素が発生する。X線装置に使用する水系冷却媒体の総量が10リットルであるとすると約50mgの酸素が気体となって発生する。水を主成分とする冷却媒体の場合、温度の上限はほぼ100℃であることから、100℃における溶存酸素の飽和量(約4.9mg/リットル)より低い溶存酸素量となることが望ましい。
特に、金属部品の腐食防止のためには、上述した溶存酸素量を考慮すべきであるが、冷却媒体の温度上昇に伴う気泡発生を防止するためには、水系冷却媒体中の溶存空気量を考慮すべきである。つまり、水系冷却媒体は、常温(25℃)での溶存空気量が常温・常圧での飽和量より低いことが望ましく、好ましくは、100℃における溶存空気の飽和量(約14.4mg/リットル)以下であることが望ましい。
なお、上述した溶存酸素量は、例えばオルガノ(株)社製の蛍光式酸素計FOR−21で測定可能である。測定原理は、以下の通りである。すなわち、特殊な有機物質に近紫外線を照射すると蛍光が発生する。測定対象の溶液(例えば水系冷却媒体であるプロピレングリコールと純水との50%混合液)に特殊な有機物質を浸すと、溶液中に含まれる酸素が有機物質に拡散浸透し、その結果、蛍光強度が減衰するという物理現象を利用している。このような測定器は、通常のガルバノ電池式やポーラロ式といった電気化学的な原理を利用した測定器とは異なり、感度変動や経時変化が少ないことが特徴である。
(電気化学的腐食の第3反応抑制方法)
ラジエータや反跳電子捕捉とラップは、銅や銅合金などで形成されている。ハウジングは、アルミ鋳物などで形成されている。真空外囲器の金属部分や固定体などは、ニッケルメッキされた鉄合金またはニッケルメッキされない鉄合金などで形成されている。これらの金属部品が水系冷却媒体と接触する表面積が水系冷却媒体と接触する総面積に占める割合は大きいため、これらの金属部品の腐食防止が重要である。
これらの金属部品の腐食を防止するインヒビターとして、水系冷却媒体は、ベンゾトリアゾール(BTA)またはその誘導体であるトリルトリアゾール(TTA)、BTAカルボン酸を含有することが望ましい。例えば、これらのインヒビターは、電解液への添加、水圧及び油圧流体への添加、ソーラーシステムなどの循環水系や温水ボイラー冷却水への添加といった例がある。しかしながら、これらの例での添加量は、通常、0.2wt%〜3wt%と多いため、もし純水に添加した場合には、導電率は50mS/mを超えると予想される。このような導電率を有する媒体のX線装置の水系冷却媒体への適用の可能性は不明確であった。
そこで、発明者らは、0.1mS/m程度の導電率の水系冷却媒体であるプロピレングリコールと純水との50%混合液を使用して実験した。その結果、前述した非鉄金属に対する防食効果を得るために必要なインヒビターの最小添加量は0.0005wt%であり、5mS/m以下に導電率を抑えることが可能なインヒビターの最大添加量は0.02wt%であることを確認した。
したがって、0.0005wt%〜0.02wt%の範囲内で、製品毎の導電率の要求使用や、防食対象金属の表面積、水系冷却媒体の総容量などを考慮して、インヒビターの添加量の最適値を選択することにより、有効な腐食防止効果が得られることがわかった。また、水系冷却媒体の導電率を5mS/m以下に抑える範囲でその他のインヒビター(例えば、モリブデン酸塩など)を併用することも有効である。
(第1不純物除去方法)
図7には、X線装置の冷却に用いる水系冷却媒体中の不純物を除去するための不純物除去機構を備えた構成例が示されている。ここでは、主に制御系について説明し、上述した第1乃至第6実施形態で説明した構成については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図7に示したX線装置は、装置全体の制御を司る制御装置30を備えている。この制御装置30は、クーラーユニット27、高電圧発生装置31、ステータ駆動回路32、ゲッター電源回路33などの駆動を制御する。高電圧発生装置31は、制御装置30による制御に基づいて陰極16に供給する高電圧を発生する。ステータ駆動回路32は、制御装置30による制御に基づいてステータ26を構成するコイルに電流を供給する。ゲッター電源回路33は、制御装置30による制御に基づいてX線管11の真空外囲器13内に配置された通電ゲッターCGに電源を供給する。
このような構成のX線装置において、水系冷却媒体が循環する循環路の途中には、水系冷却媒体中の不純物を除去する不純物除去機構が備えられている。図7に示した例では、クーラーユニット27内において、循環路の途中に不純物除去機構として脱気ユニット41が設けられている。なお、この脱気ユニット41の配置位置は、クーラーユニット27内に限らず、循環路の途中であれば良く、ハウジング10内であっても良いし、配管の途中であっても良い。または、X線装置の製造過程において、水系冷却媒体を循環路に導入する工程中やその工程の直前に、脱気ユニットを介して脱気処理を施しても良い。
なお、X線装置の使用中に水系冷却媒体による金属部品の腐食の進行に伴って発生する水素ガスを脱気するためにも、脱気ユニットを循環路の途中に組み込んでおき、水系冷却媒体中の不純物としての酸素ガスや水素ガスを常に除去することが望ましい。
ここで、脱気ユニット41として採用可能な例について説明する。まず第1に、真空脱気法である。この真空脱気法によれば、循環路の一部に真空脱気室を設置し、この真空脱気室の液面上方空間を真空ポンプにより真空とする。水の蒸発を抑えるため、真空度はたとえば30kPaとなるように調整する。温度も、蒸発が問題とならない程度に高くする方がより脱気が促進されるため、たとえば40℃に加熱した状態で保温する。所定時間の間循環を継続させることにより脱気処理が施される。
第2に、気体分離膜により脱気する方法である。この方法によれば、循環路の一部に気体のみを拡散透過させる気体分離膜からなる隔壁部を設け、この隔壁部を隔てて循環路内と反対側に酸素濃度の低い液体または気体、または真空を配置する。所定時間の間循環を継続させることにより脱気処理が施される。
図7に示した脱気ユニット41としては、例えば大日本インキ化学工業株式会社製の中空糸膜脱気モジュールSEPAREL(登録商標)を使用することができる。本発明者らは、プロピレングリコールと純水との50%混合液を使用して実験したところ、十分な効果が得られることを確認した。
(第2不純物除去方法)
図8には、X線装置の冷却に用いる水系冷却媒体中の不純物を除去するための不純物除去機構を備えた構成例が示されている。
図8に示した構成のX線装置において、水系冷却媒体が循環する循環路の途中には、水系冷却媒体中の不純物を除去する不純物除去機構が備えられている。図8に示した例では、クーラーユニット27内において、循環路の途中に不純物除去機構として金属イオン除去フィルタ42が設けられている。なお、この金属イオン除去フィルタ42の配置位置は、クーラーユニット27内に限らず、循環路の途中であれば良く、配管の途中が好ましい。または、X線装置の製造過程において、水系冷却媒体を循環路に導入する工程中やその工程の直前に、金属イオン除去フィルタを介して水系冷却媒体中の金蔵イオンの除去処理を施しても良い。
なお、X線装置の使用中に水系冷却媒体による金属部品の腐食の進行に伴って発生する金属イオンを除去するためにも、金属イオン除去フィルタを循環路の途中に組み込んでおき、導電率上昇の原因となる水系冷却媒体中の不純物としての金属イオンを吸着して常に除去することが望ましい。
金属イオン除去フィルタ42は、フィルタ基体となる多孔質性膜の表面に、金属イオンを吸着除去するカチオン交換基を有する金属イオン交換膜を備えている。このような金属イオン除去フィルタ42は、例えば、Mykrolis Corporation製の「Protego CF Cartridge Filter」または、「Protego CFX Cartridge Filter」を使用することができる。本発明者らは、プロピレングリコールと純水との50%混合液を使用して実験したところ、十分な効果が得られることを確認した。
なお、導電率上昇の原因となる水系冷却媒体中の不純物を除去する他の方法として、半透膜を使用する逆浸透法がある。この方法は、水系冷却媒体の事前処理に適しており、X線装置の循環路に導入する前に採用することが可能である。
以上説明した不純物除去方法を採用することにより、反応式(1)及び(2)で示したような化学反応を抑制することができる。また、X線装置の水系冷却媒体の循環路中に不純物除去ユニットを配置することにより、仮に腐食が進行して水素ガスが発生したとしても、脱気ユニットによって除去可能であり、水素ガスの発生に起因した不具合を防止できる。同様に、仮に腐食が進行して水系冷却媒体中に金属イオンが発生しても、金属イオン除去フィルタによって除去可能であり、イオン発生に起因した不具合を防止できる。なお、2つの不純物除去方法をそれぞれ図7及び図8に示して説明したが、組み合わせることによって組み合わせの効果が得られることは言うまでもない。
(導電率測定方法)
図9及び図10には、冷却に用いる水系冷却媒体の導電率またはこの導電率に依存して変化する物理量を検知するための検知手段を備えたX線装置の構成例が示されている。ここでは、主に制御系について説明し、上述した第1乃至第6実施形態で説明した構成については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図9及び図10に示したX線装置は、装置全体の制御を司る制御手段として機能する制御装置30を備えている。この制御装置30は、クーラーユニット27、高電圧発生装置31、ステータ駆動回路32、ゲッター電源回路33、検知手段として機能する導電率モニタ34、報知手段として機能する表示装置35などの駆動を制御する。高電圧発生装置31、ステータ駆動回路32、ゲッター電源回路33については、図7を参照して説明した通りであるので詳細な説明を省略する。
導電率モニタ34は、水系冷却媒体の導電率またはこの導電率に依存して変化する物理量を検知して対応する検知信号を発生するものであって、X線装置において、水系冷却媒体が循環する循環路の途中に設けられている。図9に示した例では、導電率モニタ34は、ハウジング10における循環路の途中に設けられている。また、図10に示した例では、導電率モニタ34は、クーラーユニット27における循環路の途中に設けられている。なお、この導電率モニタ34の配置位置は、循環路の途中であれば良く、配管の途中であっても良い。
ここで、導電率モニタ34として採用可能な例について説明する。水系冷却媒体の導電率を測定する方法としては、例えば対向する一対の金属電極を水系冷却媒体中に挿入して、その間の交流または直流の抵抗率または導電率(抵抗率の逆数)を測定する方法を使用することができる。金属電極の構造としては、平行平板形、平行棒形、同軸形のどれも採用可能である。
このような構成のX線装置において、制御装置30は、導電率モニタ34から出力された検知信号に基づいて、循環炉内を循環する水系冷却媒体の導電率の異常を判定する。すなわち、制御装置30は、予め設定された導電率のしきい値を有している。このしきい値は、X線装置内での水系冷却媒体を介した絶縁破壊を生じない程度の導電率として設定される。また、しきい値として、水系冷却媒体の導電率として正常と判定できる上限の値、導電率として注意を要すると判定される上限の値、導電率として異常と判定される上限の値など複数段階の値を予め設定しておいても良い。
制御装置30は、導電率モニタ34からの検知信号に基づいて、回転陽極型X線管11によるX線出力動作を禁止または許可するように制御する。すなわち、制御装置30は、導電率モニタ34からの検知信号としきい値とを比較した結果、導電率の異常を検知した場合に、高電圧発生装置31を制御して陰極16への電圧供給を禁止し、回転陽極型X線管11によるX線出力動作を停止する。これにより、導電率の上昇に伴った不具合の発生を未然に防止することができる。
また、制御装置30は、導電率モニタ34の検知信号に基づいて表示装置35を制御し、導電率モニタ34からの検知信号に基づいた判定結果を表示装置35に表示する。例えば、表示装置35には、「正常」、「注意」、「異常」などといったカテゴリに分別して水系冷却媒体の劣化状態が報知される。
これにより、水系冷却媒体の性能劣化を常時自己診断を行い、故障に到る前に、水系冷却媒体の交換作業、またはクーラーユニットの交換作業、または回転陽極型X線管の交換作業等のメンテナンスが必要であることをユーザ及びサービスマンに適確に告知することが可能となる。したがって、X線装置の使用上の安全性、経済性、信頼性に支障を来たすことを防止することができる。
(漏洩電流測定方法)
図11には、X線装置の漏洩電流またはこの漏洩電流に依存して変化する物理量を検知するための検知手段を備えたX線装置の構成例が示されている。ここでは、主に制御系について説明し、上述した第1乃至第6実施形態で説明した構成については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図11に示したX線装置は、装置全体の制御を司る制御手段として機能する制御装置30を備えている。この制御装置30は、クーラーユニット27、高電圧発生装置31、ステータ駆動回路32、ゲッター電源回路33、検知手段として機能する漏洩電流モニタ36、報知手段として機能する表示装置35などの駆動を制御する。漏洩電流モニタ36は、ハウジング10に接続される接地線を流れる漏洩電流またはこの漏洩電流に依存して変化する物理量を検知して対応する検知信号を発生するための回路を備えている。
このような構成のX線装置において、制御装置30は、漏洩電流モニタ36から出力された検知信号に基づいて、漏洩電流の異常を判定する。すなわち、制御装置30は、予め設定された漏洩電流のしきい値を有している。このしきい値は、X線装置での異常を生じない程度の漏洩電流値として設定される。また、しきい値として、漏洩電流として正常と判定できる上限の値、漏洩電流として注意を要すると判定される上限の値、漏洩電流として異常と判定される上限の値など複数段階の値を予め設定しておいても良い。
制御装置30は、漏洩電流モニタ36からの検知信号に基づいて、回転陽極型X線管11によるX線出力動作を禁止または許可するように制御する。すなわち、制御装置30は、漏洩電流モニタ36からの検知信号としきい値とを比較した結果、漏洩電流の異常を検知した場合に、高電圧発生装置31を制御して陰極16への電圧供給を禁止し、回転陽極型X線管11によるX線出力動作を停止する。これにより、漏洩電流が所定値に達したことに伴った不具合の発生を未然に防止することができる。
また、制御装置30は、漏洩電流モニタ36の検知信号に基づいて表示装置35を制御し、漏洩電流モニタ36からの検知信号に基づいた判定結果を表示装置35に表示する。例えば、表示装置35には、「正常」、「注意」、「異常」などといったカテゴリに分別して漏洩電流の検知状態が報知される。
これにより、水系冷却媒体の性能劣化を常時自己診断を行い、故障に到る前に、水系冷却媒体の交換作業、またはクーラーユニットの交換作業、または回転陽極型X線管の交換作業等のメンテナンスが必要であることをユーザ及びサービスマンに適確に告知することが可能となる。したがって、X線装置の使用上の安全性、経済性、信頼性に支障を来たすことを防止することができる。
なお、上述した導電率及び漏洩電流の測定方法をそれぞれ別個の図面に示して説明したが、組み合わせることによって組み合わせの相乗効果が得られることは言うまでもない。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述した第1及び第2実施形態においては、ハウジング内を満たす第1冷却媒体として絶縁油を利用し、循環炉を満たす第2冷却媒体として第1冷却媒体よりも熱伝達効率の高い不凍液を利用している。しかしながら、第1冷却媒体及び第2冷却媒体は、それぞれ絶縁油及び不凍液の組み合わせに限られるものではなく、他の冷却媒体の組み合わせを用いることもできる。
同様に、上述した第3乃至第6実施形態においては、ハウジング内及び循環炉を満たす冷却媒体として絶縁油よりも熱伝達効率の高い不凍液を利用している。しかしながら、これらの実施形態で適用可能な冷却媒体は、不凍液に限られるものではなく、他の冷却媒体を用いることもできる。
上述した第1乃至第6実施形態では、陽極ターゲットを回転可能に支持する回転支持機構に動圧式すべり軸受を用いている。しかしながら、この発明は、ボールベアリングを利用するころがり軸受や磁気軸受などを用いた場合にも適用できる。これらの軸受を使った場合も、ステータコイルと回転体の回転駆動部とのカップリングが悪かったり、超高速回転を行ったりする場合にはコイルの発熱が高くなる場合があり、上述した各実施形態と同様の構成とすることで、同様の効果が得られる。
また、クーラーユニットから供給される水系冷却媒体は、熱に対する耐久性が低い部位あるいは発熱量が大きな部位などの優先して冷却すべき部位から導入されることが望ましい。例えば、第3実施形態の変形例として、図12に示すように、クーラーユニット27と導入口C31との間、導出口C32と導入口C21との間、及び、導出口C22と導入口C11との間は、それぞれ配管P1、P2、及び、P3で連結されても良い。
導出口C12は、第1冷却路C1に導入された不凍液をハウジング10の内部空間10bに導出する。ホースとハウジング10と間の接続部T1は、ハウジング10の内部空間10bからホースを介してクーラーユニット27に不凍液を導出する導出口として機能する。つまり、ハウジング10の内部空間10bとクーラーユニット27との間(すなわち接続部T1及びT3の間)に不凍液の還流路が形成される。このため、回転陽極型X線管11を収納した内部空間10bは、水系冷却媒体である不凍液によって満たされている。このように、配管P1、P2、P3、第1冷却路C1、第2冷却路C2、第3冷却路C3、及び、還流路を含め、不凍液の循環路が形成されている。
この場合、クーラーユニット27の熱交換器27bから送出された不凍液は、配管P1を介して導入口C31に導入された後、固定体23の内部を往復するように設けられた空洞23a(第3冷却路C3)を通過する際に固定体23を冷却する。そして、導出口C32から導出された不凍液は、配管P2を介して導入口C21に導入された後、環状空間29(第2冷却路C2)を通過する際に反跳電子捕捉トラップ17を冷却する。そして、導出口C22から導出された不凍液は、配管P3を介して導入口C11に導入された後、円盤状空間28(第1冷却路C1)を通過する際に真空外囲器13の径大部131を冷却する。そして、導出口C12から導出された不凍液は、配管P4を介してクーラーユニット27に還流される。
このような構成により、優先して冷却すべき部位が効率的に放熱され、長期にわたって高い信頼性を確保することが可能なX線装置を提供することができる。なお、ここでは、第1実施形態の変形例についてのみ説明したが、他の各実施形態についても同様の構成が可能である。
以上説明したように、この発明によれば、熱の放出特性を向上させることができ、しかも、長期にわたって信頼性の高いX線装置を提供することができる。

Claims (11)

  1. 回転可能な陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、
    前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、
    少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、
    前記回転陽極型X線管の少なくとも一部に近接して設けられ、水系冷却媒体が循環する循環路と、
    前記循環路の途中に設けられ前記水系冷却媒体を強制駆送する循環ポンプ、及び、前記水系冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、
    を具備したX線装置であって、
    前記水系冷却媒体は、25℃における溶存酸素量が5mg/リットル以下であることを特徴とするX線装置。
  2. 回転可能な陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、
    前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、
    少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、
    前記回転陽極型X線管の少なくとも一部に近接して設けられ、水系冷却媒体が循環する循環路と、
    前記循環路の途中に設けられ前記水系冷却媒体を強制駆送する循環ポンプ、及び、前記水系冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、
    を具備したX線装置であって、
    前記水系冷却媒体は、25℃における導電率が5mS/m以下であることを特徴とするX線装置。
  3. 回転可能な陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、
    前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、
    少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、
    前記回転陽極型X線管の少なくとも一部に近接して設けられ、水系冷却媒体が循環する循環路と、
    前記循環路の途中に設けられ前記水系冷却媒体を強制駆送する循環ポンプ、及び、前記水系冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、
    を具備したX線装置であって、
    前記水系冷却媒体は、インヒビターとして少なくともベンゾトリアゾールまたはその誘導体を含有することを特徴とするX線装置。
  4. 回転可能な陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、
    前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、
    少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、
    前記回転陽極型X線管の少なくとも一部に近接して設けられ、水系冷却媒体が循環する循環路と、
    前記循環路の途中に設けられ前記水系冷却媒体を強制駆送する循環ポンプ、及び、前記水系冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、
    を具備したX線装置であって、
    さらに、前記水系冷却媒体中の不純物を除去する不純物除去機構を備えたことを特徴とするX線装置。
  5. 前記不純物除去機構は、前記水系冷却媒体中の気体を除去する脱気ユニットであることを特徴とする請求項4に記載のX線装置。
  6. 前記不純物除去機構は、前記水系冷却媒体中の金属イオンを吸着除去するカチオン交換基を少なくとも含むイオン交換膜を備えた金属イオン除去フィルタであることを特徴とする請求項4に記載のX線装置。
  7. 前記イオン交換膜は、多孔質体の表面に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のX線装置。
  8. 回転可能な陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、
    前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、
    少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、
    前記回転陽極型X線管の少なくとも一部に近接して設けられ、水系冷却媒体が循環する循環路と、
    前記循環路の途中に設けられ前記水系冷却媒体を強制駆送する循環ポンプ、及び、前記水系冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、
    を具備したX線装置であって、
    さらに、前記水系冷却媒体の導電率または導電率に依存して変化する物理量、または、前記X線装置の漏洩電流または漏洩電流に依存して変化する物理量を検知して検知信号を発生する検知手段と、
    前記検知手段の検知信号に基づいて、前記回転陽極型X線管によるX線出力動作を禁止または許可するよう制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするX線装置。
  9. 前記検知手段は、前記ハウジング内に設けられたことを特徴とする請求項8に記載のX線装置。
  10. 前記検知手段は、前記クーラーユニット内に設けられたことを特徴とする請求項8に記載のX線装置。
  11. さらに、前記制御手段による判定結果を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載のX線装置。
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