JP4987299B2 - X線装置 - Google Patents

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Description

この発明は、X線装置、ならびにX線装置に適用される回転陽極型X線管に関する。
回転陽極型X線管を用いたX線装置は、回転可能に支持された陽極ターゲットを真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管本体と、陽極ターゲットが連結されたロータに対してX線管の外部から駆動磁界を提供するステータコイルと、X線管本体およびステータコイルを収納するハウジング等から構成されている。
ハウジングと回転陽極型X線管本体の隙間との間には、陽極ターゲット等から発生した熱を放熱する冷却媒体、例えば絶縁油や水を主な成分として含む非油脂系冷却液が満たされている。すなわち、陽極ターゲット等からの熱は、冷却媒体に放熱され、対流により冷却媒体が冷却されることにより、排熱される。この結果、陽極ターゲット等の発熱する要素が冷却される。この際、ステータコイルから生じた熱も同様に排熱され、結果として、ステータコイルも冷却される。なお、排熱すなわち冷却効率を確保する必要から、絶縁油や非油脂系冷却液を循環させるとともに、外部に設けられる熱交換器により強制的に冷却する例も提案されている(例えば、特表2001−502473号公報)。
ところで、X線出力の大きな大型の回転陽極型X線管装置においては、陽極ターゲットを回転可能に支持する回転支持機構の軸受面に、らせん溝を形成し、液体金属潤滑材、例えばガリウム(Ga)やガリウム−インジウム−錫(Ga−In−Sn)合金を、そのらせん溝の部分に満たした動圧式すべり軸受などが利用されている。
動圧式すべり軸受を用いた回転陽極型X線管において陽極ターゲットが発生する熱をX管外に逃がす方法として、発生した熱を陽極ターゲットから回転体に伝達して、さらに動圧式すべり軸受の軸受面を経て固定体に伝達する方法が提案されている(例えば、特開平9−171789号公報)。
しかしながら、動圧式すべり軸受を用いる場合、ステータの発熱が大きくなり易く、短時間のうちに、軸受部分の温度が急激に上昇することがある。
軸受部分の温度が高くなると、軸受金属面と液体金属潤滑材が反応して金属間化合物の層が生成する。この層は、短時間で増大し、最終的に回転が停止する虞れがある。
従って、液体金属潤滑動圧軸受を用いる回転陽極X線管装置においては、発熱による寿命劣化を防ぐために、十分な冷却効率を維持することが必要である。
この発明の目的は、非油脂系冷却液を冷却媒体として、回転陽極型X線管を冷却するX線装置において、熱放出特性を高め、長期に亘って特性の安定したX線を出力可能とすることである。
この発明は、X線を発生する陽極ターゲットと、前記陽極ターゲットに向けて電子を発生する電子放出源と、冷却媒体が通る流路が内部に設けられた回転軸を含み、前記陽極ターゲットが連結されたロータと、前記陽極ターゲットで跳ね返る電子を捕捉するトラップと、前記ロータを回転させるための推進力を発生するステータと、前記ロータを回転可能に支持する軸受と、少なくとも前記陽極ターゲットと前記電子放出源と前記ロータを所定の真空度に維持する外囲器と、前記外囲器の周囲に冷却媒体を介在させることのできるハウジングと、前記陽極ターゲットと前記電子放出部との近傍および前記軸受の内側に前記冷却媒体を循環させるポンプと、前記ポンプにより循環される前記冷却媒体により伝達される熱を排出する熱交換器と、を具備し、前記ポンプからの前記冷却媒体を前記ロータの前記回転軸に供給し、前記回転軸を通過した前記冷却媒体を前記トラップの近傍に案内し、前記ターゲットと前記ステータとの間の被冷却領域を通過させるX線装置を提供するものである。
また、この発明は、冷却媒体が通る流路が内部に設けられた回転軸を含み、前記回転軸とともに回転する陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極と、前記陽極ターゲットで跳ね返る電子を捕捉するトラップと、を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、前記陽極ターゲットを回転可能に支持し、液体金属を潤滑材とする動圧式すべり軸受と、少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、前記流路の所定の位置に設けられ、冷却媒体を循環させるギヤポンプ、および前記冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、前記ギヤポンプからの前記冷却媒体を前記回転軸に供給し、前記回転軸を通過した前記冷却媒体を前記トラップの近傍に案内し、前記ターゲットと前記ステータとの間の被冷却領域を通過させ、前記外囲器の外側へ案内する流路と、を具備するX線装置を提供するものである。
また、この発明は、冷却媒体が通る流路が内部に設けられた回転軸を含み、前記回転軸とともに回転する陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極と、前記陽極ターゲットで跳ね返る電子を捕捉するトラップと、を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、前記陽極ターゲットを回転可能に支持し、液体金属を潤滑材とする動圧式すべり軸受と、少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、前記流路の所定の位置に設けられ、前記冷却媒体を循環させるギヤポンプ、および前記冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、前記ギヤポンプからの前記冷却媒体を前記回転軸に導入し、前記回転軸を通過した前記冷却媒体を前記トラップの近傍に案内し、前記ターゲットと前記ステータとの間であって前記外囲器と前記ハウジングとの間の空間を通過させる流路と、を具備するX線装置を提供するものである。
図1は、この発明の実施の形態が適用されるX線装置の一例を説明する概略図。 図2は、図1に示したX線装置に組み込まれるX線管の回転陽極の一例を示す概略図。 図3は、図2に示した回転陽極に用いられる軸受け構造を提供する構造材の一例を説明する概略図。 図4は、図2および図3に示した陽極ターゲットおよび回転ユニットを、図1に示した外囲器(真空容器)内に装填し、その内部に、冷却媒体を循環可能とした構成の一例を説明する概略図。 図5は、図1ないし図4により説明したX線装置に適用可能な冷却系(油脂系冷却媒体を併用)の一例を説明する概略図。 図6は、図5に示したX線装置の冷却系の変形例を説明する概略図。 図7は、図1ないし図4により説明したX線装置に適用可能な冷却系(非油脂系冷却媒体のみ使用)の一例を説明する概略図。 図8は、図7に示したX線装置の冷却系の変形例を説明する概略図。 図9は、図5に示したX線装置において非油脂系冷却媒体を循環させる順路を変更した一例を説明する概略図。 図10は、図7に示したX線装置において非油脂系冷却媒体を循環させる順路を変更した一例を説明する概略図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示したように、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置に組み込まれ、対象物すなわち非検査対象に対して照射すべきX線を放射するX線装置1は、ハウジング3と、ハウジング3に収容され、所定強度のX線を所定方向に向けて放射可能なX線管本体5とを有する。
X線管本体5は、例えば主な成分が水であり電気伝導率が所定の大きさより小さく管理された非油脂系冷却液もしくは周知の絶縁油すなわち冷却媒体7を介してハウジング3の所定の位置に収容されている。
X線管本体5は、後段に詳述するが、外囲器(真空容器)9、外囲器9内に設けられ、電子が衝突されることでX線を放射する陽極ターゲット(陽極)11、陽極ターゲット11と一体に形成され、同時に回転される回転ユニット13、回転ユニット13と一体に形成され、回転体ユニット13を回転させる動力(推進力)を受けるロータ15、および陽極ターゲット17に向けて電子を出射する陰極(電子銃)17等を有している。なお、X線管本体5の円筒ロータ15の外側の所定の位置には、ロータ15に所定の推力(磁界)を与えるステータ(ステータコイル)19が設けられている。なお、図1に示すX線管本体5は、陽極ターゲットが回転ユニット13の一端に設けられている形式である。
図2は、図1に示したX線管装置のX線管本体の陽極ターゲットの近傍を拡大して説明している。
陽極ターゲット11は、内側に挿入される固定軸13aの周りを回転体13bが回転する外輪回転型の回転ユニット13の回転体13bの一端に規定される接続(首)部13cに固定されている。なお、回転体13bと接続部13cとを一体化した状態が、支持軸と呼称され、前に説明した通り、陽極ターゲット11を回転させるための推力(回転力)を発生するロータ(15)として機能するための、例えば銅あるいは銅合金からなるロータ構体15aが固定されている。
固定軸13aには、軸方向に沿って特定の方向性が与えられた第1および第2の螺旋溝13dおよび13eが形成されている。また、固定軸13aの所定の位置には、支持軸、すなわち回転体13bが回転されることにより液状となる、例えばGa−In−Sn合金である潤滑剤(動圧軸受け流体)が供給される潤滑剤保持部13fが形成されている。
回転体13bの軸方向において接続部13cと反対側となる所定の位置(回転体13bの開放端)には、図3に示すような第3の螺旋溝が形成されたスラストリング13gが、例えば図示しないねじ(この例では8本)により固定されている。
すなわち、Ga−In−Sn合金である潤滑剤は、固定軸13a、回転体13bおよびスラストリング13gにより密閉されている。
図4は、図2および図3に示した陽極ターゲットおよび回転ユニットを、図1に示した外囲器(真空容器)9内に装填し、その内部に、一方の端部、例えばスラストリング13gの側からハウジング3内に供給される冷却媒体を循環可能とした構成の一例を示している。
図4に示す例では、冷却媒体7は、固定軸13aを円筒とし、その中心にパイプ13hを設けることにより、固定軸13aの一端側から固定軸13a内に供給され、固定軸13a内を循環したのち、ハウジング3内すなわち外囲器9の外側に排出される。なお、冷却媒体7が絶縁性である場合には、固定軸13aに供給された冷却媒体7は、そのまま外囲器9内を循環されてもよい。
詳細には、パイプ13hには、矢印Yで示すように、一端から空胴(固定軸13a)内に案内され、パイプ13hと空胴との接続部において空胴内に流入し、空胴を通過して、真空容器(外囲器)9内またはハウジング3内に戻される。
なお、回転体ユニット13の固定軸13aとスラストリング13gとの間、固定軸13aと回転体13bとの間(同心円方向)、および回転体13bの首部側の端部と固定軸13aの頂部との間(軸方向)のそれぞれは、前に説明した通り、潤滑剤(動圧軸受け流体)が満たされている。また、固定軸13aに設けられている螺旋溝13dおよび13eは、ヘリンボンパターンであり、潤滑剤と協働して、ラジアル方向の動圧式すべり軸受として機能する。一方、回転体13bの首部側の端部と固定軸13aの頂部との間(軸方向)と固定軸13aとスラストリング13gとの間に介在される潤滑剤は、スラスト方向の動圧式すべり軸受として機能する。
以下、図1ないし図4に示した回転陽極X線管が組み込まれるX線装置の動作の一例を簡単に説明する。
ステータコイル19に電流が供給されて回転磁界が生じることにより、円筒ロータ15のロータ構体15aに回転力が生じ、円筒ロータ15すなわち陽極ターゲット11が回転される。この状態で、陽極ターゲット11に電子銃17から電子ビームが照射されることにより、陽極ターゲット11からX線が放出される。
このとき、陽極ターゲット11および回転ユニット13を支持する軸受部すなわち固定軸13aと回転体13bとの間に満たされている潤滑剤は、動圧流体軸受けとして機能する。すなわち、動圧流体軸受け(軸受け部)から発生される熱は、回転ユニット13の固定軸13a内のパイプ13hおよび空胴を、図示しないポンプからの送出圧力により循環される非油脂系の(水系)冷却媒体により冷却される。
なお、冷却媒体には、例えばプロピレングリコール、または水とロピレングリコールの混合体(混合比1:1)、エチレングリコール、もしくは水とエチレングリコールとの混合体等が利用可能である。また、絶縁油の熱伝導率を1とすると、水の熱伝導率は4.5で、50%プロピレングリコールの熱伝導率は2.8で、プロピレングリコールの熱伝導率は1.6であり、熱伝達係数は、熱伝導率に比例して向上される。
図5ないし図8は、図1ないし図4により説明した図1ないし図4に示した回転陽極X線管が組み込まれるX線装置を、冷却媒体を循環させて冷却する別の例を説明している。なお、図5ないし図8においては、図1ないし図4に示した回転陽極X線管とは構造が異なるX線管を例に説明するが、いずれの例においても発明の概念は共通である。従って、図1ないし図4に示した構成と実質的に同一または類似した構成には、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。また、図5ないし図8においては、冷却媒体の供給方法およびその循環(の順)を中心に説明する。
図5ないし図8に示したX線装置においては、陽極ターゲット11を保持する固定軸13aの一端に、クーラーユニット21が接続されている。また、固定軸13aの他の一端は、真空容器(外囲器)9の所定の位置に固定されている。
クーラーユニット21からの配管が接続されていない側の固定軸13aには、固定軸13aの外側に、(固定軸13aに対して)同心円状に、回転体13bの脚部13iには、規定されている。脚部13iの外側には、ロータ構体15aとして機能する銅または銅合金の円筒が固定されている。ステータコイル19は、回転ユニット13のロータ構体15aに対して同心円状、かつ、外周を取り巻くように、配置される。
陽極ターゲット11と対向する陰極17の近傍には、陰極17から陽極ターゲット11に照射された電子(熱電子)のうちの陽極ターゲット11により跳ね返される反跳電子を捕捉する反跳電子捕捉トラップ(シールド構体)23が設けられている。なお、電子捕捉トラップ23は、熱伝導度が高い、例えば銅または銅合金製であり、回転ユニット13の固定軸13aを循環される冷却媒体が循環可能に形成されている。また、少なくとも回転ユニット13および電子捕捉トラップ23に設けられる流路には、前に説明した非油脂系の冷却媒体が循環される。
クーラーユニット21は、冷却媒体に所定の圧力を提供する循環ポンプ21aや熱交換器(ラジエータ)21bを含む。ラジエータ21bは、主に、熱伝導度が高い、例えば銅または銅合金により形成される。循環ポンプ21aは、冷却媒体が循環される流路内の任意の位置に設けられる。なお、ラジエータ21bは、循環ポンプ21aの下流側に設けられ、流路を循環される冷却媒体の温度を低下させた(冷却媒体を冷却した)直後に、陽極ターゲット11の周囲や円筒ロータ15の固定軸13aに供給されることが好ましい。また、ポンプ21aは、(冷却媒体の送出圧すなわち)吐出圧の高いギヤポンプが好ましい。なお、図5に示した冷却構造は、少なくとも回転ユニット13および反跳電子捕捉トラップ23の近傍に、非油脂系の冷却媒体を供給する例である。
冷却媒体の流路は、X線管本体5の少なくとも一部に近接して設けられ、たとえば第1冷却路C1、第2冷却路C2、および第3冷却路からなる。第1冷却路C1は、真空容器9の外周に沿って、たとえば筒状に形成されている。第2冷却路C2は、陰極17の周囲すなわち反跳電子捕捉トラップ23と陽極ターゲット11の近傍に位置されている。第3冷却路C3は、円筒ロータ15内の空胴17を通るように形成されている。
第1冷却路C1は、詳細には、真空容器9の外側、かつステータコイル19の近傍に、回転ユニット13の図示しない回転軸と直交するように設けられた壁面25により外囲器9を囲む形状に設けられている。すなわち、第1冷却路C1は、壁面25により規定される円盤状空間27として定義される。
円盤状空間27は、第1冷却路C1に水系冷却媒体を導入する導入口C11および第1冷却路C1から水系冷却媒体を導出する導出口C12を有している。すなわち、導入口C11と導出口C12は、円盤状空間27の中心部を挟んで両端(180°の間隔)に形成されている。
第2冷却路C2は、陰極17の周囲すなわち反跳電子捕捉トラップ23の所定の位置に規定される環状空間29である。環状空間29は、第2冷却路C2に水系冷却媒体を導入する導入口C21及び第2冷却路C2から水系冷却媒体を導出する導出口C22を有している。
第3冷却路C3は、回転ユニット13の固定軸13aのパイプ13hとその周囲の円筒である空胴により規定され、パイプ13hから固定軸13a内部に接続され、固定軸13aの一端で、空洞内に進路が変更されて、クーラーユニット21に戻される。
クーラーユニット21と導入口C21(第2冷却路C2)との間、導出口C22(第2冷却路C2)と導入口C11(第1冷却路C1)との間、導出口C12(第1冷却路C1)と導入口C31(第3冷却路C3)との間、および導出口C32(第3冷却路C3)とクーラーユニット21との間は、それぞれ、配管P1、P2、P3、およびP4により、相互に連結され、第1冷却路C1、第2冷却路C2、および第3冷却路C3を含めた流路が形成されている。なお、配管P2およびP3は、図示の都合からその一部がハウジング3の外側に示されているが、いずれもハウジング3内に設けることができ、その位置(パイプの配置)は、特に制限を受けない。
クーラーユニット21は、詳述しないが、たとえば着脱自在の配管ジョイントを介してハウジング3と接続されている。すなわち、ハウジング3とクーラーユニット21との間の流路は、たとえばホースで構成されている。また、ホースとハウジング3との接続部T1およびT2ならびにホースとクーラーユニット27との接続部T3およびT4は、ハウジング3側またはクーラーユニット21側の少なくとも一方が着脱可能である。この構造により、ハウジング3とクーラーユニット21とを容易に分離することができ、クーラーユニット21などの据え付け作業や保守作業が容易になる。
上述したX線装置においては、ステータコイル19が発生する誘導電磁界によって回転ユニット13が回転する。この回転ユニット13の回転により陽極ターゲット11が回転する。この状態で、陰極17から陽極ターゲット11に電子ビームeが照射されることにより、陽極ターゲット11からX線が放出される。X線は、X線出力窓9a(真空容器)および3a(ハウジング)を透過して外部に出力される。
回転陽極型X線管本体5を有するX線装置1すなわちX線管本体5の動作状態においては、陽極ターゲット11の温度は、陰極17からの電子ビームeが衝突することにより、上昇する。また、その周囲、特に反跳電子捕捉トラップ23の温度も上昇する。いうまでもなく、ステータコイル19も、コイル部分に流れる電流により、温度が上昇する。これらの熱の伝達により、真空容器(外囲器)9の温度も上昇する。
真空容器9およびステータ19の熱は、ハウジング3内の冷却液(冷却媒体)の温度を上昇させる。温度が上昇された冷却媒体は、ポンプ21aにより循環され、クーラーユニット21に案内される。これにより、真空容器9およびステータ19の温度上昇である熱は、冷却媒体を介してクーラーユニット21に伝達され、クーラーユニット21の熱交換器(ラジエータ)21bにより、外部に放熱される。
クーラーユニット21の熱交換器21bから送出された冷却媒体は、配管P1を介して導入口C21に導入され、環状空間29(第2冷却路C2)を通過する際に、電子銃(陰極)17、反跳電子捕捉トラップ23および陽極ターゲット11の近傍を冷却する。
以下、導出口C22を通過した冷却液は、配管P2を介して導入口C11に導入され、円盤状空間27(第1冷却路C1)を通過する際に、真空容器9の周囲を冷却する。
導出口C12から放出された冷却液は、配管P3を介して導入口C31から固定軸13aのパイプ13h(第3冷却路C3)およびその外側の空胴を循環されて、導出口C32から配管P4を介してクーラーユニット21に戻される。
以上説明したように、X線管本体5の内部やステータ19の近傍で生じた熱は、第1冷却路C1、第2冷却路C2、および第3冷却路C3を流れる熱伝達効率の高い冷却媒体によって効率的にクーラーユニット21に案内され、クーラーユニット21により冷却媒体が冷却されることにより、外部に放熱される。
一方、ハウジング3内に満たされている絶縁油は、壁面25の外面に接触しながら移動するため、冷却液との間に効率的な熱の受け渡しが可能となり、絶縁油による放熱が向上する。その結果、絶縁油に対する熱交換器が不要となり、装置構成が簡単になる。
また、ステータ19の周囲やX線用出力窓3aの周辺は、水系冷却媒体に接することがなく、絶縁油が流れるため、電気絶縁性の低下や出力窓の腐食なども防止することが可能となる。
すなわち、X線管本体5およびステータ19の周囲に発生する熱が効率よく外部に排熱されるので、長期に亘って安定にX線を出力可能で、高い信頼性を確保することが可能なX線装置1が得られる。
また、円筒ロータ15の固定軸13aの内側に設けられたパイプ13hおよびその周りに規定される空胴を流れる水系の(非油脂系)冷却媒体により、比較的負荷の大きいとされる動圧流体軸受けの近傍も効率よく冷却される。
従って、動圧流体軸受けが(加熱されて不所望に)停止する(焼き付く)虞れが低減される。
図6は、図5により説明したX線装置の変形例であり、第3冷却路C3の形状を直管とした例を示している。
図6に示す例では、円筒ロータ15の固定軸13aは、単純な空胴(円筒状)であり、その両端部が開放されている。従って、第3冷却路C3に水系冷却媒体を導入する導入口C31および第3冷却路C3から水系冷却媒体を導出する導出口C32は、固定軸13aの一端から他の一端に向けて配置される。なお、図6に示すX線装置1においても、クーラーユニット21と導入口C21(第2冷却路C2)との間、導出口C22(第2冷却路C2)と導入口C11(第1冷却路C1)との間、導出口C12(第1冷却路C1)と導入口C31(第3冷却路C3)との間、および導出口C32(第3冷却路C3)とクーラーユニット21との間は、それぞれ、配管P1、P2、P3、およびP4により、相互に連結され、第1冷却路C1、第2冷却路C2、および第3冷却路C3を含めた流路が形成されている。なお、配管P2は、図示の都合からその一部がハウジング3の外側に示されているが、図5に示した例と同様、ハウジング3内に設けることができ、その位置(パイプの配置)は、特に制限を受けない。
図6に示したX線装置においては、導出口C12から導出された冷却液は、配管P3を介して導入口C31に導入され、円筒ロータ15の固定軸13a(第3冷却路C3)を通過し、導出口C32から配管P4を通じてクーラーユニット21に戻される。
この構成によれば、円筒ロータ15の固定軸13a内を通る冷却媒体の流量が安定化されるため、X線管本体5およびステータ19の周囲に発生する熱が効率よく外部に排熱され、長期に亘って安定にX線を出力可能で、高い信頼性を確保することが可能なX線装置が得られる。また、ポンプ21aに作用する負荷が低減されることから、冷却媒体が循環される流量が不所望に変動することが防止される。従って、冷却効率が向上され、比較的負荷の大きいとされる動圧流体軸受けが焼き付く虞れが低減される。
図7に示す例は、図3に示した冷却系を、ハウジング3内を循環される非油脂系冷却媒体すなわち水系冷却媒体のみにより構成するものである。
図7において、第3冷却路C3は、円筒ロータ15の固定軸13aに形成されたパイプ13hおよびその周囲の空胴を循環される冷却媒体は、導入口C31から流入され、導出口C32を通って、第1冷却路C1に案内される。第1冷却路C1に導入された冷却媒体は、ハウジング3の内部空間9bに、導出口C12から排出される。
すなわち、ハウジング3の内部空間3bとクーラーユニット21との間に、冷却媒体の流路が形成される。このため、X線管本体5を収納した内部空間3bは、水系冷却媒体によって満たされる。
なお、ステータ19は、ハウジング3内において、X線管本体5とともに、冷却媒体に浸されることから、たとえば絶縁性および耐水性が高く、しかも熱伝導率の高い樹脂材料等31によりモールドされることが好ましい。
モールド31に利用可能な樹脂材料としては、例えばエポキシ樹脂、タールエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂の中から選ばれた樹脂またはそれを主成分とする混合樹脂を使用することができる。
これにより、ステータ19の周囲は、水系冷却媒体に接することがなく、電気絶縁性の低下を防止することが可能となる。
図7に示したX線装置においては、冷却媒体を水系冷却媒体の1種類のみとすることができ、コストが低減可能で、しかもメンテナンスも容易である。また、水系冷却媒体は、絶縁油と比較して熱伝達効率が高いため、装置全体の熱を効率よく放出可能となる。
また、水系冷却媒体は、絶縁油(非油脂系冷却媒体)に比較して粘性係数が小さいことから、ポンプ21aに作用する負荷が低減される。従って、冷却媒体が循環される流量が安定化される。しかも、冷却機構による冷却媒体の冷却能力が向上されることから、比較的負荷が大きいとされる動圧流体軸受けが損傷する(焼き付く)虞れが低減される。
図8は、図7により説明したX線装置の変形例であり、第3冷却路C3の形状を直管とした例を示している(円筒ロータ15の固定軸13aが単純な円筒に形成され、流路が直線的に形成されている)。従って、第3冷却路C3に水系冷却媒体を導入する導入口C31および第3冷却路C3から水系冷却媒体を導出する導出口C32は、固定軸13aの一端から他の一端に向けて配置される。
また、図7により説明したと同様に、ハウジング3の内部空間3bとクーラーユニット21との間に、冷却媒体の流路が形成されている。このため、X線管本体5を収納した内部空間3bは、水系冷却媒体によって満たされる。なお、ステータ19は、ハウジング3内においてX線管本体5とともに冷却媒体に浸されることから、例えば絶縁性および耐水性が高く、しかも熱伝導率の高い樹脂材料等31によりモールドされることが好ましい。
図8に示したX線装置においては、冷却媒体を水系冷却媒体の1種類のみとすることができ、コストが低減可能で、しかもメンテナンスも容易である。また、水系冷却媒体は、絶縁油と比較して熱伝達効率が高いため、装置全体の熱を効率よく放出可能となる。
なお、水系冷却媒体は、絶縁油と比較して粘性係数が小さく、ポンプ21aに作用する負荷を低減可能であり、冷却媒体が循環される流量が安定化される。従って、冷却機構の冷却能力が向上され、動圧流体軸受けが焼き付く虞れが低減される。
図9および図10は、図5および図7により説明したX線装置において、冷却媒体が循環される順路を変更した例を、説明している。なお、図9および図10に示すそれぞれのX線装置においては、図5および図7に示したX線装置と、冷却媒体が循環される順路がことのなるのみであるから、既に説明した構成と実質的に同一または類似した構成には、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図9に示すX線装置において、冷却媒体が供給される流路は、クーラーユニット21のラジエータ21bから、配管P101により、ロータ15の固定軸13aのパイプ13hに直接、接続される(導入口C111,第1冷却路C101)。
パイプ13hに案内された冷却媒体は、固定軸13a内の空胴すなわち円筒状の固定軸13a内に設けられたパイプ13hと軸13aとの間に規定される空間を通って、導入口C111の外周、かつ近傍に規定される導出口C112から、配管P102に案内され、陰極17の周囲すなわち反跳電子捕捉トラップ23と陽極ターゲット11の近傍に位置されている第2冷却路C102に案内される。すなわち、固定軸13aを循環した冷却媒体は、導入口C121から反跳電子捕捉トラップ23の近傍に案内され、導出口C122へ排出される。
反跳電子捕捉トラップ23を循環された冷却媒体は、配管P103を通じて、真空容器9の外側、かつステータコイル19の近傍に、回転ユニット13の図示しない回転軸と直交するように設けられた壁面25により外囲器9を囲む形状に設けられた壁面25により規定される円盤状空間27として定義されている第3冷却路C103の導入口C131に案内される。
円盤状空間27は、その中心部を挟んで導入口C131から180°の位置に形成されている導出口C132と接続され、配管P104に接続される。なお、配管P104は、クーラーユニット21のポンプ21aに接続されている。すなわち、真空容器9の外側を案内された冷却媒体は、配管P104を介して、クーラーユニット21の熱交換器21bに案内される。
換言すると、図9に示す冷却機構においては、クーラーユニット21のラジエータ21bと導入口C111(第1冷却路C101)との間、導出口C112(第1冷却路C101)と導入口C121(第2冷却路C102)との間、導出口C122(第2冷却路C1−2)と導入口C131(第3冷却路C103)との間、および導出口C132(第3冷却路C103)とクーラーユニット21との間は、それぞれ、配管P101、P102、P103およびP104により相互に連結されている。従って、閉じた冷却媒体流路が形成されている。なお、配管P102およびP103は、その一部がハウジング3の外側に示されているが、いずれもハウジング3内に設けることができ、その位置(パイプ配置)は、図示の例に制限を受けることはない。また、任意の配管あるいは導入口もしくは導出口は、例えばホースにより接続され、しかも少なくとも一端が着脱可能であることはいうまでもない。
図9に示した冷却流路によれば、ラジエータ21bから送出された冷却媒体は、発熱量の大きな回転ユニット13の軸受け部となる回転体13bと固定軸13aとを第1に冷却できる。従って、動圧流体軸受けが焼き付くことが、確実に防止できる。
図10は、図9に示した冷却系を、ハウジング3内を循環される非油脂系冷却媒体すなわち水系冷却媒体のみにより構成する例である。
図10に示される通り、クーラーユニット21のラジエータ21bから、配管P101により、ロータ15の固定軸13aのパイプ13hに直接、接続される(導入口C111,第1冷却路C101)。
パイプ13hに案内された冷却媒体は、固定軸13a内の空胴すなわち円筒状の固定軸13a内に設けられたパイプ13hと軸13aとの間に規定される空間を通って、導入口C111の外周、かつ近傍に規定される導出口C112から、配管P102に案内され、陰極17の周囲すなわち反跳電子捕捉トラップ23と陽極ターゲット11の近傍に位置されている第2冷却路C102に案内される。すなわち、固定軸13aを循環した冷却媒体は、導入口C121から反跳電子捕捉トラップ23の近傍に案内され、導出口C122へ排出される。
反跳電子捕捉トラップ23を循環された冷却媒体は、配管P103を通じて、真空容器9の外側、かつステータコイル19の近傍に、回転ユニット13の図示しない回転軸と直交するように設けられた壁面25により外囲器9を囲む形状に設けられた壁面25により規定される円盤状空間27として定義されている第3冷却路C103の導入口C131に案内される。
円盤状空間27は、その中心部近傍に導出口132を有し、円盤状空間27を冷却した冷却媒体は、ハウジング3の内部空間3bに排出される。なお、ハウジング3の内部空間3bに排出された冷却媒体は、接続部T2から配管P104を通じて、クーラーユニット21のポンプ21aに戻される。すなわち、真空容器9の外側を案内された冷却媒体は、クーラーユニット21の熱交換器21bに案内される。なお、流路以外の構成は、図5に比較した図7の差異と同様であるから、詳細な説明は省略する。
図10に示した冷却構造によれば、ハウジング3の内部空間3bとクーラーユニット21との間に、冷却媒体の流路が形成される。このため、X線管本体5を収納した内部空間3bは、水系冷却媒体によって満たされる。但し、図7においても既に説明したが、ステータ19は、ハウジング3内において、X線管本体5とともに、冷却媒体に浸されることから、たとえば絶縁性および耐水性が高く、しかも熱伝導率の高い樹脂材料等31によりモールドされることが好ましい。
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
また、従来のボールベアリング軸受を使用する場合でも、陽極ターゲットの熱が軸受に伝熱して、軸受部の温度上昇が問題となる場合がある。この場合にも軸受内部を冷却液で冷却する構造として本発明を適用することが可能である。
以上説明したように、この発明によれば、熱伝導率のよい非油脂系冷却液を冷却媒体に用いたので、動圧式すべり軸受(液体金属潤滑動圧軸受)が用いられている回転陽極型X線管が適用されたX線装置の冷却効率を高めることができる。また、冷却液(冷却媒体)を循環させるポンプの負荷が低減されることから、冷却媒体が循環される際の流量が安定化される。従って、冷却効率が向上され、比較的負荷の大きな動圧流体軸受けを用いたとしても、長期に亘って安定な特性すなわち安定なX線が得られる。
従って、X線装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。また、X線装置およびその内部のX線源(X線管)自身の寿命も向上されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。
この発明によれば、絶縁油(油脂系冷却媒体)よりも熱伝導率のよい非油脂系冷却液を冷却媒体に用いたことにより、動圧式すべり軸受(液体金属潤滑動圧軸受)が利用されている回転陽極型X線管およびそのX線管がX線源として組み込まれるX線装置の冷却効率が向上される。
これにより、X線装置から出力されるX線が、長期に亘って安定に得られる。
従って、X線装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。また、X線装置およびその内部のX線源(X線管)自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。

Claims (12)

  1. X線を発生する陽極ターゲットと、
    前記陽極ターゲットに向けて電子を発生する電子放出源と、
    冷却媒体が通る流路が内部に設けられた回転軸を含み、前記陽極ターゲットが連結されたロータと、
    前記陽極ターゲットで跳ね返る電子を捕捉するトラップと、
    前記ロータを回転させるための推進力を発生するステータと、
    前記ロータを回転可能に支持する軸受と、
    少なくとも前記陽極ターゲットと前記電子放出源と前記ロータを所定の真空度に維持する外囲器と、
    前記外囲器の周囲に冷却媒体を介在させることのできるハウジングと、
    前記陽極ターゲットと前記電子放出部との近傍および前記軸受の内側に前記冷却媒体を循環させるポンプと、
    前記ポンプにより循環される前記冷却媒体により伝達される熱を排出する熱交換器と、
    を具備し、
    前記ポンプからの前記冷却媒体を前記ロータの前記回転軸に供給し、前記回転軸を通過した前記冷却媒体を前記トラップの近傍に案内し、前記ターゲットと前記ステータとの間の被冷却領域を通過させる
    X線装置。
  2. 前記軸受は、液体金属を潤滑材とする動圧式すべり軸受を含む請求項1記載のX線装置。
  3. 前記ポンプは、ギヤポンプを含む請求項2記載のX線装置。
  4. 前記外囲器と前記ハウジングとの間の空間が前記冷却媒体の流路の一部を提供する請求項3記載のX線装置。
  5. 前記冷却媒体は、水を主な成分として含む請求項4記載のX線装置。
  6. 前記冷却媒体は、グリコール類を含む請求項4記載のX線装置。
  7. 前記冷却媒体は、水を主な成分としたグリコール類との混合液を含む請求項4記載のX線装置。
  8. 前記冷却媒体は、一種類のみである請求項3記載のX線装置。
  9. 冷却媒体が通る流路が内部に設けられた回転軸を含み、前記回転軸とともに回転する陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極と、前記陽極ターゲットで跳ね返る電子を捕捉するトラップと、を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、
    前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、
    前記陽極ターゲットを回転可能に支持し、液体金属を潤滑材とする動圧式すべり軸受と、
    少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、
    前記流路の所定の位置に設けられ、冷却媒体を循環させるギヤポンプ、および前記冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、
    前記ギヤポンプからの前記冷却媒体を前記回転軸に供給し、前記回転軸を通過した前記冷却媒体を前記トラップの近傍に案内し、前記ターゲットと前記ステータとの間の被冷却領域を通過させ、前記外囲器の外側へ案内する流路と、
    を具備するX線装置。
  10. 前記外囲器と前記ハウジングとの間の空間が前記冷却媒体の流路の一部を提供する請求項9記載のX線装置。
  11. 冷却媒体が通る流路が内部に設けられた回転軸を含み、前記回転軸とともに回転する陽極ターゲット及び前記陽極ターゲットに対向して配置された陰極と、前記陽極ターゲットで跳ね返る電子を捕捉するトラップと、を真空外囲器内に収納した回転陽極型X線管と、
    前記陽極ターゲットを回転させるための誘導電磁界を発生するステータと、
    前記陽極ターゲットを回転可能に支持し、液体金属を潤滑材とする動圧式すべり軸受と、
    少なくとも前記回転陽極型X線管を収納保持するハウジングと、
    前記流路の所定の位置に設けられ、前記冷却媒体を循環させるギヤポンプ、および前記冷却媒体の熱を放出させるラジエータを有するクーラーユニットと、
    前記ギヤポンプからの前記冷却媒体を前記回転軸に導入し、前記回転軸を通過した前記冷却媒体を前記トラップの近傍に案内し、前記ターゲットと前記ステータとの間であって前記外囲器と前記ハウジングとの間の空間を通過させる流路と、
    を具備するX線装置。
  12. 前記冷却媒体は、水系冷却媒体である請求項11記載のX線装置。
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