JP2009021161A - 回転陽極型x線管装置およびx線装置 - Google Patents

回転陽極型x線管装置およびx線装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間に亘って安定した動作が可能な回転陽極型X線管装置を提供する。
【解決手段】回転陽極型X線管装置は、陰極と、陽極ターゲットと、真空外囲器と、ハウジングと、固定体と、陽極ターゲットを固定し、陽極ターゲットとともに回転可能に設けられた回転体と、軸受機構と、回転駆動装置と、磁気機構130と、を備えている。磁気機構130は、回転体の回転軸に対して垂直な垂直方向に回転体を囲むように設けられ、回転体に固定された磁性体131と、磁性体に対して回転軸の反対側に位置し、垂直方向に磁性体と対向配置された磁力発生機構132と、を有している。
【選択図】図3

Description

この発明は、回転陽極型X線管装置およびそれを使用するX線装置に関する。
一般に、X線管装置として、回転陽極型X線管装置が知られている。回転陽極型X線管装置は、回転陽極型X線管を備えている。この回転陽極型X線管は、静止状態の真空外囲器と、真空外囲器内に回転可能に設けられた陽極ターゲットと、真空外囲器内に静止して設けられた陰極とを有している。この他、回転陽極型X線管は、新しいタイプのものも製品化され始めている(例えば、特許文献1−6参照)。
回転陽極型X線管は、CT装置やX線診断装置に搭載して使用されている。CT装置は、架台と、架台に回転可能に設けられ、回転陽極型X線管を固定した回転機構とを有している。近年のCT装置の動向として、診断時間を短縮するため、回転機構を高速回転(0.3秒/1回転)させる傾向にある。また、X線診断装置でも、よりすばやい姿勢変形やCT装置のような断層画像を取得する目的でX線管装置が取り付けられるアームをより短い時間で移動させる傾向にある。
CT装置やX線診断装置の動きによって、これら装置に搭載されたX線管装置は、遠心力やジャイロモーメントの影響を受ける。これらの影響が陽極ターゲットに作用するため、陽極ターゲットの回転機構(軸受)は、静止状態の荷重の2倍乃至20倍の荷重を負担する必要が生じる。このため、軸受の径を太く設計し、軸受の許容荷重を増大させている。
特公平5−27205号公報 特開2006−54181号公報 特許第2539193号公報 フランス国特許2599555−A1号 特許第2929506号 米国特許第6396901号
しかしながら、上記したように、軸受の径を太くした場合、回転陽極型X線管全体をコンパクトに設計することの障害となり、製造コストの増加をもたらすことになる。また、真空外囲器内に回転可能に設けられた陽極ターゲットと、真空外囲器内に静止して設けられた陰極とを有した回転陽極型X線管の場合、軸受の径を太く設計しても軸受寿命が低下する等の不具合が生じる。このため、メンテナンスコストの増大をもたらす恐れがある。
例えば、軸受が液体金属を使用したすべり軸受の場合について説明する。軸受の径が増すと軸受発熱増加に伴って軸受の温度が増大し、液体金属と軸受材との反応が進んで反応生成物が堆積する。その結果、軸受の寿命は低下してしまう。軸受の径が増すことによる他の弊害は、回転駆動パワーが増大することであり、その結果、消費電力の増大がもたらされる。
また、軸受が液体金属を使用したすべり軸受の場合、回転起動時や回転停止時には固定体側軸受と回転体側軸受とが接触するため、かじりが発生することがある。かじりは、軸受の負荷荷重が大きいほど発生し易く、例えば陽極ターゲットの重量が大きいほど発生し易い。
その他、回転機構の回転により軸受に働く力が問題にならない場合でも、上記かじりが発生する恐れはある。例えば、より高出力のX線を発生させるために、陽極ターゲットの重量を増して蓄積熱容量の増加を行った場合である。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、長期間に亘って安定した動作が可能な回転陽極型X線管装置およびX線装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の態様に係る回転陽極型X線管装置は、
電子を放出する陰極と、
前記陰極から放出される電子が衝突されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
前記陰極及び陽極ターゲットが収納配置された真空外囲器と、
少なくとも前記真空外囲器を収納するハウジングと、
前記真空外囲器及びハウジングの少なくとも一方により固定された固定体と、
前記陽極ターゲットを固定し、前記固定体に支持され、前記陽極ターゲットとともに回転可能に設けられた回転体と、
前記固定体と回転体との間に設けられた軸受機構と、
前記回転体を回転させるための回転駆動装置と、
前記回転体の回転軸に対して垂直な垂直方向に前記回転体を囲むように設けられ、前記回転体に固定された磁性体と、前記磁性体に対して前記回転軸の反対側に前記磁性体から離れて位置し、前記垂直方向に前記磁性体と対向配置された磁力発生機構と、を有した磁気機構と、を備えている。
また、本発明の他の態様に係る回転陽極型X線管装置は、
電子を放出する陰極と、
陽極ターゲットと、
前記陽極ターゲットと一体化された回転可能な真空外囲器と、
少なくとも前記真空外囲器を収納し、回転可能に保持するハウジングと、
少なくとも前記真空外囲器の陽極ターゲットに近接して冷却媒体が循環する循環路と、
前記真空外囲器及びハウジングの少なくとも一方により固定された固定体と、
前記固定体と真空外囲器との間に設けられた軸受機構と、
前記真空外囲器を回転させるための回転駆動装置と、
前記真空外囲器の回転軸に対して垂直な垂直方向に前記真空外囲器を囲むように設けられ、前記真空外囲器に固定された磁性体と、前記磁性体に対して前記回転軸の反対側に前記磁性体から離れて位置し、前記垂直方向に前記磁性体と対向配置された磁力発生機構と、を有した磁気機構と、を備えている。
また、本発明のさらに他の態様に係る回転陽極型X線管装置は、
電子を放出する陰極と、
前記陰極に対向配置され、前記陰極から放出される電子が衝突されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
前記陰極及び陽極ターゲットが収納配置された真空外囲器と、
少なくとも前記真空外囲器を収納するハウジングと、
前記真空外囲器により固定された柱状の固定体と、
前記陽極ターゲットを固定し、前記固定体を囲み、前記固定体を軸に前記陽極ターゲットとともに回転可能に設けられた回転体と、
前記固定体と回転体との間に設けられた軸受機構と、
前記回転体を回転させるための回転駆動装置と、
前記回転体の回転軸に対して垂直な垂直方向に前記回転体を囲むように設けられ、前記回転体に固定された磁性体と、前記真空外囲器の外側に位置し、前記垂直方向に前記磁性体と対向配置された磁力発生機構と、を有した磁気機構と、を備えている。
また、本発明のさらに他の態様に係る回転陽極型X線管装置は、
電子を放出する陰極と、
前記陰極に対向配置され、前記陰極から放出される電子が衝突されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
前記陰極及び陽極ターゲットが収納配置された真空外囲器と、
少なくとも前記真空外囲器を収納するハウジングと、
前記真空外囲器により固定された筒状の固定体と、
前記陽極ターゲットを固定し、前記固定体で囲まれ、前記固定体に支持され前記陽極ターゲットとともに回転可能に設けられた回転体と、
前記固定体と回転体との間に設けられた軸受機構と、
前記回転体を回転させるための回転駆動装置と、
前記回転体の回転軸に対して垂直な垂直方向に前記回転体を囲むように設けられ、前記回転体に固定された磁性体と、前記真空外囲器の外側に位置し、前記垂直方向に前記磁性体と対向配置された磁力発生機構と、を有した磁気機構と、を備えている。
また、本発明のさらに他の態様に係るX線装置は、
上記回転陽極型X線管装置と、
前記回転陽極型X線管装置が固定され、回転軸を有し、前記回転軸のまわりに回転される架台と、を備え、
X線は前記架台の回転軸に向って放出され、
前記磁力発生機構は、前記架台の回転に応じて前記回転体に作用する力又はモーメント及び前記回転体に作用する重力の少なくとも一部を打ち消す磁力を発生させる。
この発明によれば、長期間に亘って安定した動作が可能な回転陽極型X線管装置およびX線装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながらこの発明の第1の実施の形態に係る回転陽極型X線管装置及び回転陽極型X線管装置を備えたX線装置について詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、回転陽極型X線管装置1は、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置のようなX線装置に使用されている。回転陽極型X線管装置1は、対象物すなわち非検査対象に対して照射すべきX線を放射するものである。この実施の形態において、X線装置はCT装置である。
X線装置は、回転陽極型X線管装置1と、架台110と、X線検出器120とを備えている。回転陽極型X線管装置1は、ハウジング3と、X線管本体(回転陽極型X線管)5と、冷却器7aとを備えている。
架台110は筒状に形成されている。X線管本体5はハウジング3に収容されている。X線管本体5は、所定強度のX線を所定方向に向けて放射可能である。冷却器7aは、冷却液7を放熱及び循環させるものである。
CT装置100は、被検体を導入する導入口101を有している。架台110は、導入口101を囲むように回転可能に設けられている。ハウジング3(X線管本体5)、冷却器7a及びX線検出器120等は、架台110に取り付けられ、固定されている。ここでは、X線管本体5は、X線を架台110の架台回転軸110aに向う第1方向d1に放射するように設けられている。
X線検出器120は、導入口101に対してX線管本体5の反対側に位置している。被検体のX線画像を取得する場合、導入口101内に被検体を導入し、架台110を回転させる。この際、ハウジング3(X線管本体5)に、第1方向d1の反対の第2方向d2に遠心力が働く。そして、X線管本体5より被検体にX線を曝射し、被検体を透過したX線をX線検出器120で検出することにより、X線画像が取得される。
次に、ハウジング3、X線管本体5及び冷却器7aについて説明する。
図2に示すように、X線管本体5は、例えば主な成分が水であり、電気伝導率が所定の大きさ未満に管理された非油脂系冷却液(水系冷却媒体)7を介してハウジング3の所定の位置に収容されている。なお、冷却液(水系冷却媒体)7としては、低電圧に対する絶縁性を確保し、かつ金属部品に対する腐食性を低減するために導電率が1mS/m以下に設定された冷却媒体(主として、水またはグリコールが所定量混合された水系媒体)が用いられる。また、冷却媒体として水と混合されるグリコール類としては、例えばエチレングリコールやプロピレングリコール等が利用可能である。
X線管本体5は、ハウジング3内部に満たされた冷却液(水系冷却媒体)7に、全周が概ね接触可能に、かつ回転可能に設けられ、内部が所定の真空度に保持されている真空外囲器11と、真空外囲器11の内側に、真空外囲器11と独立に設けられた陰極電子銃(熱電子放出源)13と、真空外囲器11の内側に、真空外囲器11と一体的に回転可能に設けられ、電子銃13から放出された電子が衝突されることにより所定の波長のX線を放射する回転陽極(陽極ターゲット,アノード)15と、を含む。
真空外囲器11は、回転軸10aを有している。真空外囲器11及び陽極ターゲット15は、回転軸10aを中心に回転可能である。この実施の形態において、回転軸10a及び回転軸110a(図1)は平行である。なお、真空外囲器11は、X線管本体5の一端部の所定の位置を貫通して設けられる接地極9と接触されて、接地されている。ここで、真空外囲器11は回転体として機能している。
真空外囲器11は、ハウジング3の所定の位置に設けられた円筒状の固定部(固定体)51の内周面の所定の位置に設けられた磁性流体真空シール部材53と、同固定部51の所定の位置であって、磁性流体真空シール部材53よりも冷却液7の流路に近接する側に設けられたベアリング(転がり軸受け、ボール/ロールベアリング)部材55により、保持されている。
真空外囲器11は、端部11cを有している。この実施の形態において、端部11cは磁性体で筒状に形成されている。磁性流体真空シール部材53及びベアリング部材55は、端部11c及び固定部51間の隙間に設けられている。
ここで、ベアリング部材55は軸受機構として機能している。なお、円筒状の固定部51は、電気絶縁性の支持部材57を介してハウジング3の外囲器保持部59に、同心状(同軸状)に、固定されている。固定部51は、環状の突出部52を含んでいる。固定部51は磁性体で形成されている。
陰極電子銃13は、円筒状で電気絶縁性の陰極保持体13aを有し、陰極保持体13aの外周面がハウジング3の外囲器保持部59の円筒部分59aの内側の所定の領域と、シール部材61を介して固定されることで、真空外囲器11の内側の所定の位置に、固定されている。なお、陰極保持体13aに固定されたベローズ状の固定部材63の端部63aは、円筒状の固定部51の端部51aと、溶接部65により接続(固定)されている。
この実施の形態において、陰極電子銃13と真空外囲器11とを接続する固定部51に設けられる接続構体51aの形状と溶接部65により溶接された(陰極電子銃13を保持する)陰極保持体13aに固定された固定部材63の形状は、ベローズ(蛇腹)状の円筒状である。
これにより、陰極電子銃13に、真空外囲器11が回転される際の振動が不所望に伝達されることが低減される(接続構体51a及び固定部材63のばね性により真空外囲器11が回転される際の振動が吸収される)。また、接続構体51a及び固定部材63により陰極保持体13aと円筒状の固定部51との僅かな組み立て誤差を吸収させることができる。
なお、陰極電子銃13の陰極保持体13aには、ハウジング3の外囲器保持部59を貫通する所定の長さが与えられ、X線管本体5の接地極9が設けられる側と反対の側で、陰極電子銃13への電源の供給に利用される接続部(高電圧供給端子)67と電気的に接続される。
アノード(陽極ターゲット)15を保持した真空外囲器11の所定の位置であって、接地極9の近傍で、真空外囲器11の外径が陽極ターゲット15を囲む部分の真空外囲器11の外径よりも小さくなる部分(以下先端部と称する)11dには、真空外囲器11を回転させるための推進力(磁力)を受ける銅ロータ69が設けられている。
真空外囲器11の先端部11dを囲むように設けられた銅ロータ69と実質的に同軸状(同心状)となるハウジング3の所定の位置には、銅ロータ69に対して、任意のタイミングで磁力(推進力)を提供するものであって、外部から回転を制御可能に回転磁界を形成するステータ71が設けられている。ここで、ステータ71は回転駆動装置として機能している。
このような回転陽極型X線管装置1においては、ステータ71に所定の電流が供給されることで、真空外囲器11が所定の速度で回転され、真空外囲器11の内側に設けられた陽極ターゲット(回転陽極)15が所定の速度で回転された状態で陰極電子銃13から放射された電子が衝突されることで、陽極ターゲット15から所定の波長のX線が出力される。出力されたX線は、真空外囲器11の円筒状部の所定の位置に規定された窓部11b及びハウジング3の円筒状部の所定の規定された窓部3aから外部へ放射される。
なお、真空外囲器11の外側のほとんどの領域とハウジング3の内側の所定の領域との間には、例えば真空外囲器11の軸受け部11aの近傍に設けられた冷却液入り口5bを介して、ハウジング3内部に冷却液7が注入され、例えば接地極9の近傍に設けられた冷却液出口5cから冷却液7が排出されることで、軸受け部11a及び真空外囲器11内に組み込まれた陽極ターゲット15が冷却される。
また、真空外囲器11の内側、すなわち陰極電子銃13と陽極ターゲット15は、磁性流体真空シール部材53により、所定の真空下に位置されている。磁性流体真空シール部材53は、例えば、神山による「潤滑」第30巻第8号pp75〜78に報告があるが、磁性体である軸もしくは非磁性体の軸を磁性体からなる円筒で覆った軸構造体の外周に所定量の磁性流体(強磁性体の粒子を液体に分散させたコロイド溶液)を用意し、軸もしくは軸構造体に磁性片と永久磁石等を近接させて磁気回路を形成することにより、磁性流体を軸もしくは軸構造体の周囲にとどまらせることにより、圧力(気圧)差を維持するシール材であり、高速で回転される真空外囲器11内を所定の真空(減圧)下に維持するために有益である。
ハウジング3内に供給された冷却液7は、冷却器(クーラーユニット)7aに設けられた熱交換器7bにより冷却され、ポンプ7cにより、冷却液入り口5bと冷却液出口5cの間を循環される。これにより、陽極ターゲット15及び軸受け部11aにおいて発生する熱が、冷却液7を介して、ハウジング3の外部へ放出される。
このとき、冷却液7は、ハウジング3の形状を工夫した流路の特徴により、固定部51を隔てて、磁性流体真空シール部材53及びベアリング部材55の背面の近傍を流れる。これにより、軸受け部11a、磁性流体真空シール部材53及びベアリング部材55を効率良く冷却することができる。また、冷却液7が真空外囲器11の内側に位置した陽極ターゲット15の背面の近傍を流れることから、陽極ターゲット15を効率良く冷却できる。なお、冷却液7は、その流路を工夫したことにより、ステータ71も併せて冷却可能であり、回転陽極型X線管装置1により生じる熱の多くを、冷却液7を介して放出できる。
また、真空外囲器11の所定の位置であって、ハウジング3の固定部51の一端部51bに近接する真空外囲器11の端部11cには、濡れ性低減フランジ11eが設けられている。フランジ11eは、ベアリング部材55および磁性流体真空シール部材53に、冷却液7が回り込むことを低減可能に端部11cに一体的に設けられている。これにより、固定部51の一端部51bとの間の僅かな隙間、すなわち濡れ性の低い隙間5dを提供することから、冷却液7が真空外囲器11の内側に入り込むことを抑止できる。
これにより、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込み、磁性流体真空シール部材53の性能(能力)が不所望に低下することが防止できる。なお、濡れ性の低い隙間5dは、冷却液7として接触角が比較的大きな液体を冷却媒体として用いる場合、隙間(5d)を一定の大きさよりも小さく規定することにより、その隙間(5d)に、液体が入り込めないことを利用している。
但し、この実施の形態においては、冷却媒体として、水またはグリコールが混合された媒体を用いるため、接触角を大きくするために、フランジ11eおよび固定部51の一端部51bに、樹脂等をコーティングすることが好ましい。また、ベアリング部材55のうちの磁性流体真空シール部材53から離れた側のベアリングをシール型とすることで、一層、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込むことを、抑止できる。
図2乃至図4に示すように、回転陽極型X線管装置1は、第1磁気機構130と、第2磁気機構140とをさらに備えている。
回転軸10aに沿った方向において、回転部(真空外囲器11及び陽極ターゲット15)の重心の位置cから距離Lを置いた位置aに第1磁気機構130が位置している。
第1磁気機構130は、磁性体131及び磁力発生機構132を有している。磁性体131は、真空外囲器11の回転軸10aに対して垂直な垂直方向に真空外囲器11を囲むように設けられ、真空外囲器11に固定されている。この実施の形態において、磁性体131は銅ロータ69を囲むように設けられ、銅ロータ69に固定されている。磁性体131は筒状に形成されている。
磁力発生機構132は、磁性体131に対して回転軸10aの反対側に位置しているとともに、磁性体131から離れて位置している。磁力発生機構132は、回転軸10aに対して垂直な垂直方向に磁性体131に僅かな隙間を置いて対向配置されている。磁力発生機構132はハウジング3内に固定されている。磁力発生機構132は、架台110の回転に応じて真空外囲器11(回転部)に作用する力又はモーメントの少なくとも一部を打ち消す磁力を発生させるものである。
この実施の形態において、磁力発生機構132は、磁性体131及び架台110の回転軸110a間に位置している。磁力発生機構132は電磁石である。磁力発生機構132は、磁性体131を引き付ける磁力を発生させる。すなわち、磁力発生機構132は、磁性体131に第1方向d1に引き付ける力(引力)Fを作用させることができる。このため、架台110の回転により真空外囲器11(回転部)に作用する第2方向d2の力(遠心力)Fの一部は引力Fにより打ち消すことができる。
回転軸10aに沿った方向において、回転部(真空外囲器11及び陽極ターゲット15)の重心の位置cから距離Lを置いた位置bに第2磁気機構140が位置している。
第2磁気機構140は、磁性体及び磁力発生機構142を有している。この実施の形態において、磁性体で形成された端部11cが第2磁気機構140の磁性体として機能している。真空外囲器11の端部11cは、第2磁気機構140の磁性体と一体に形成されている。なお、端部11cが磁性体でない場合、第2磁気機構140は、回転軸10aに対して垂直な垂直方向に端部11cを囲むように設けられ、端部11cに固定された磁性体141を有していれば良い。
磁力発生機構142は、端部11cに対して回転軸10aの反対側に位置しているとともに、端部11cから離れて位置している。磁力発生機構142は、回転軸10aに対して垂直な垂直方向に端部11cに僅かな隙間を置いて対向配置されている。磁力発生機構142はハウジング3内に固定されている。磁力発生機構142は、架台110の回転に応じて真空外囲器11(回転部)に作用する力又はモーメントの少なくとも一部を打ち消す磁力を発生させるものである。
この実施の形態において、磁力発生機構142は、端部11c及び架台110の回転軸110a間に位置している。磁力発生機構142は電磁石である。磁力発生機構142は、端部11cを引き付ける磁力を発生させる。すなわち、磁力発生機構142は、端部11cに第1方向d1に引き付ける力(引力)Fを作用させることができる。このため、架台110の回転により真空外囲器11(回転部)に作用する第2方向d2の力(遠心力)Fの一部は引力Fにより打ち消すことができる。
また、図示しないが、X線装置は、磁力発生機構132、142の駆動を制御する制御部を備えていても良い。これにより、架台110の回転数に応じて、磁力発生機構132、142を駆動することができる。
上記回転陽極型X線管装置の動作状態において、ステータ71は銅ロータ69に与える磁界を発生するため、回転体20は回転する。これにより、陽極ターゲット15も回転する。また、陰極電子銃13は陽極ターゲット15に対して電子ビームを照射する。これにより、陽極ターゲット15は、電子と衝突するときにX線を放出する。放出されたX線は、真空外囲器11の円筒状部の所定の位置に規定された窓部11b及びハウジング3の円筒状部の所定の規定された窓部3aから外部(第1方向d1)へ放射される。
上記したように、ハウジング3(X線管本体5)は架台110に搭載されている。X線管本体5の回転軸10aと架台110の回転軸110aとは平行である。X線は、窓部11bからX線検出器120(回転軸110a)に向けて放射される。架台110の回転中は、真空外囲器11(回転部)に遠心力Fが働く。遠心力Fの方向は、第2方向d2である。
架台110が0.3秒で1回転するスピードで回転する場合、遠心力Fの値は、加速度にして20G(重力加速度の20倍)近くになる。しかしながら、上記したように、遠心力Fを、磁力発生機構132による引力F及び磁力発生機構142による引力Fの合成力により相殺させることが可能である。
上記した引力F及び引力Fは、真空外囲器11(回転部)の重心位置cを基点とする距離L及び距離Lを用いると、遠心力Fと以下に示すように関係付けられる。
=(L/(L+L))・F
=(L/(L+L))・F
上記関係を満たすように磁力発生機構132及び磁力発生機構142を駆動させることにより、遠心力Fを完全に相殺させることが可能となる。
上記したように構成された回転陽極型X線管装置及びX線装置によれば、回転陽極型X線管装置1は、第1磁気機構130及び第2磁気機構140を備えている。磁力発生機構132、142は、引力F及び引力Fの合成力により、真空外囲器11(回転部)に作用する遠心力Fを相殺させることが可能である。
このため、第1磁気機構130及び第2磁気機構140は、架台110の回転中、ベアリング部材(軸受)55の負荷荷重を低減させることができる。陽極ターゲット15の重量が増した場合でも、第1磁気機構130及び第2磁気機構140は、ベアリング部材55の負荷荷重を低減させることができる。これにより、回転陽極型X線管装置1の寿命が増大するため、回転陽極型X線管装置1が組み込まれるCT装置やX線画像診断装置の寿命を増大させることができる。また、従来よりもコンパクトで、長期間に亘って安定な特性が確保できる回転陽極型X線管装置を得ることができる。
また、上述した回転陽極型X線管装置を用いることにより、水系の冷却媒体を使用して、熱の放出特性を向上させることができ、長期に亘って安定な特性が確保できる。これにより、回転陽極型X線管装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。
さらに、上述した実施の形態によれば、冷却液の高電圧に対する絶縁性を考慮する必要がなく冷却効率の高い冷却媒体が利用可能で、冷却効率が向上される。さらに、この発明によれば、回転陽極型X線管装置自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストが低減される。
上記したことから、長期間に亘って安定した動作が可能な回転陽極型X線管装置およびX線装置を得ることができる。
図5に示すように、上述した実施の形態において、第1磁気機構130は、磁性体131及び第1磁力発生機構としての磁力発生機構132の他、第2乃至第4磁力発生機構として磁力発生機構133乃至135を有していても良い。磁力発生機構132乃至135は、ハウジング3内に固定され、互いに間隔を置いて磁性体131を囲んでいる。これにより、第1磁気機構130は遠心力Fのみならず重力成分も含めて相殺可能となる。
また、図6及び図7に示すように、上述した実施の形態において、第1磁気機構130は、永久磁石(強磁性体)からなる磁性体131f並びに第1及び第2磁力発生機構132、133を、第2磁気機構140は、永久磁石(強磁性体)からなる磁性体141f並びに第1及び第2磁力発生機構142、143を、それぞれ有していても良い。磁性体131f及び磁性体141fは内面と外面が互いに異極となるように磁化されている。
第1及び第2磁力発生機構132、133は、ハウジング3内に固定され、磁性体131fを挟んで互いに対向配置されている。第1及び第2磁力発生機構142、143は、ハウジング3内に固定され、磁性体141fを挟んで互いに対向配置されている。上記した場合、回転陽極型X線管装置1を循環器診断装置に適用してジャイロモーメントを相殺する場合に適している。
次に、この発明の第2の実施の形態に係る回転陽極型X線管装置について詳細に説明する。なお、この実施の形態において、他の構成は上述した実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。この実施の形態において、X線装置はCT装置であり、図1に示した架台110及びX線検出器120を備えている。
図8に示すように、X線装置は、回転陽極型X線管装置1を備えている。回転陽極型X線管装置1は、ハウジング3と、ハウジング3に収容されたX線管本体(回転陽極型X線管)5と、冷却器7aとを有する。X線管本体5は、例えば主な成分が水であり、電気伝導率が所定の大きさ未満に管理された非油脂系冷却液(水系冷却媒体)7を介してハウジング3の所定の位置に収容されている。
X線管本体5は、ハウジング3内部に満たされた冷却液(水系冷却媒体)7に、全周が概ね接触可能に、かつ回転可能に設けられ、内部が所定の真空度に保持されている真空外囲器11と、真空外囲器11の内側に、真空外囲器11と独立に設けられた陰極電子銃(熱電子放出源)13と、真空外囲器11の内側に、真空外囲器11と一体的に回転可能に設けられ、電子銃13から放出された電子が衝突されることにより所定の波長のX線を放射する回転陽極(陽極ターゲット,アノード)15と、を含む。なお、真空外囲器11は、ハウジング3の一端部の所定の位置を貫通して設けられる接地極9と接触されて、接地されている。ここで、真空外囲器11は回転体として機能している。
真空外囲器11は、ハウジング3の所定の位置に設けられた円筒状の固定部(固定体)51の外周面の所定の位置に設けられた磁性流体真空シール部材53と、同固定部51の所定の位置であって、磁性流体真空シール部材53よりも冷却液7の流路に近接する側に設けられたベアリング(転がり軸受け、ボール/ロールベアリング)部材55により、保持されている。
真空外囲器11は、端部11cを有している。この実施の形態において、端部11cは磁性体で筒状に形成されている。磁性流体真空シール部材53及びベアリング部材55は、端部11c及び固定部51間の隙間に設けられている。
ここで、ベアリング部材55は軸受機構として機能している。なお、円筒状の固定部51は、電気絶縁性の支持部材57を介してハウジング3の外囲器保持部59に、同心状(同軸状)に、固定されている。固定部51は、環状の突出部52を含んでいる。固定部51は磁性体で形成されている。
陰極電子銃13は、円筒状で電気絶縁性の陰極保持体13aを有し、陰極保持体13aがハウジング3の外囲器保持部59の円筒部分59aの内側の所定の領域と、シール部材61を介して固定されることで、真空外囲器11の内側の所定の位置に、固定されている。なお、陰極保持体13aに固定されたベローズ状の固定部材63の端部63aは、円筒状の固定部51の端部51aと、溶接部65により接続(固定)されている。
この実施の形態において、陰極電子銃13と真空外囲器11とを接続する固定部51に設けられる接続構体51aの形状と溶接部65により溶接された(陰極電子銃13を保持する)陰極保持体13aに固定された固定部材63の形状は、ベローズ(蛇腹)状の円筒状である。
これにより、陰極電子銃13に、真空外囲器11が回転される際の振動が不所望に伝達されることが低減される(接続構体51a及び固定部材63のばね性により真空外囲器11が回転される際の振動が吸収される)。また、接続構体51a及び固定部材63により陰極保持体13aと円筒状の固定部51との僅かな組み立て誤差を吸収させることができる。
なお、陰極電子銃13の陰極保持体13aには、ハウジング3の外囲器保持部59を貫通する所定の長さが与えられ、X線管本体5の接地極9が設けられる側と反対の側で、陰極電子銃13への電源の供給に利用される接続部(高電圧供給端子)67と電気的に接続される。
アノード(陽極ターゲット)15を保持した側の真空外囲器11の所定の位置であって、ベアリング部材55の概ね外側に位置する真空外囲器11の軸受け部11aの近傍には、真空外囲器11を回転させるための推進力(磁力)を受ける複数の永久磁石69bが設けられている。
真空外囲器11の軸受け部11aの周囲に設けられた永久磁石69bと実質的に同軸状(同心状)となるハウジング3の所定の位置には、永久磁石69bに対して、任意のタイミングで磁力(推進力)を提供するステータ(外部から回転を制御可能に電磁石として形成されているため、コイル体である)71が設けられている。ここで、ステータ71は回転駆動装置として機能している。
このようなX線管装置1においては、ステータ71に所定の電流が供給されることで、真空外囲器11が所定の速度で回転され、真空外囲器11の内側に設けられた陽極ターゲット(回転陽極)15が所定の速度で回転された状態で陰極電子銃13から放射された電子が衝突されることで、陽極ターゲット15から所定の波長のX線が出力される。出力されたX線は、真空外囲器11の円筒状部の所定の位置に規定された窓部11b及びハウジング3の円筒状部の所定の規定された窓部3aから外部へ放射される。
なお、真空外囲器11の外側のほとんどの領域とハウジング3の内側の所定の領域との間には、例えば真空外囲器11の軸受け部11aの近傍に設けられた冷却液入り口5bを介して、ハウジング3内部に冷却液7が注入され、例えば接地極9の近傍に設けられた冷却液出口5cから冷却液7が排出されることで、軸受け部11a及び真空外囲器11内に組み込まれた陽極ターゲット15が冷却される。
また、真空外囲器11の内側、すなわち陰極電子銃13と陽極ターゲット15は、磁性流体真空シール部材53により、所定の真空下に位置されている。
ハウジング3内に供給された冷却液7は、冷却器(クーラーユニット)7aに設けられた熱交換器7bにより冷却され、ポンプ7cにより、冷却液入り口5bと冷却液出口5cの間を循環される。これにより、陽極ターゲット15及び軸受け部11aにおいて発生する熱が、冷却液7を介して、X線管本体5の外部へ放出される。
このとき、冷却液7は、ハウジング3内部の形状を工夫した流路の特徴により、真空外囲器11を隔てて、磁性流体真空シール部材53と陽極ターゲット15の背面の近傍を流れることから、これらを効率よく冷却できる。なお、冷却液7は、その流路を工夫したことにより、ステータ71も併せて冷却可能であり、X線管装置1により生じる熱の多くを、冷却液7を介して放出できる。
また、真空外囲器11の一端部であって、X線管本体5の固定部51(突出部52)に近接する真空外囲器11の端部11dは、固定部51(突出部52)との間の僅かな隙間、すなわち濡れ性の低い隙間5dを提供することから、冷却液7が真空外囲器11の内側に入り込むことを抑止できる。これにより、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込み、磁性流体真空シール部材53の性能(能力)が不所望に低下することが防止できる。
なお、濡れ性の低い隙間5dは、冷却液7として接触角が比較的大きな液体を冷却媒体として用いる場合、隙間(5d)を一定の大きさよりも小さく規定することにより、その隙間(5d)に、液体が入り込めないことを利用している。但し、この実施例においては、冷却媒体として、水またはグリコールが混合された媒体を用いるため、接触角を大きくするために、端部11d(永久磁石69bの端部を含む)および固定部51に、樹脂等をコーティングすることが好ましい。
また、ベアリング部材55のうちの磁性流体真空シール部材53から離れた側のベアリングを、内筒と外筒との間がシール材によりシールされているシール型とすることで、一層、磁性流体真空シール部材53に冷却液7が回り込むことを、抑止できる。
回転陽極型X線管装置1は、第1磁気機構130をさらに備えている。
回転軸10aに沿った方向における回転部(真空外囲器11及び陽極ターゲット15)の重心の位置cに第1磁気機構130が位置している。
第1磁気機構130は、磁性体及び磁力発生機構132を有している。この実施の形態において、磁性体で形成された端部11cが第1磁気機構130の磁性体として機能している。なお、端部11cが磁性体でない場合、第1磁気機構130は、回転軸10aに対して垂直な垂直方向に端部11cを囲むように設けられ、端部11cに固定された磁性体131を有していれば良い。
磁力発生機構132は、端部11cに対して回転軸10aの反対側に位置している。磁力発生機構132は、回転軸10aに対して垂直な垂直方向に端部11cに僅かな隙間を置いて対向配置されている。磁力発生機構132はハウジング3内に固定されている。磁力発生機構132は、回転機構110の回転に応じて真空外囲器11(回転部)に作用する力又はモーメントの少なくとも一部を打ち消す磁力を発生させるものである。
この実施の形態において、磁力発生機構132は、端部11c及び架台110の回転軸110a間に位置している。磁力発生機構132は電磁石である。磁力発生機構132は、端部11cを引き付ける磁力を発生させる。すなわち、磁力発生機構132は、端部11cに第1方向d1に引き付ける力(引力)Fを作用させることができる。このため、架台110の回転により真空外囲器11(回転部)に作用する第2方向d2の力(遠心力)Fは引力Fにより打ち消すことができる。
また、図示しないが、X線装置は、磁力発生機構132の駆動を制御する制御部を備えていても良い。
上記回転陽極型X線管装置の動作状態において、ステータ71は永久磁石69bに与える磁界を発生するため、回転体20は回転する。これにより、陽極ターゲット15も回転する。また、陰極電子銃13は陽極ターゲット15に対して電子ビームを照射する。これにより、陽極ターゲット15は、電子と衝突するときにX線を放出する。放出されたX線は、真空外囲器11の円筒状部の所定の位置に規定された窓部11b及びハウジング3の円筒状部の所定の規定された窓部3aから外部(第1方向d1)へ放射される。
上記したように、ハウジング3(X線管本体5)は架台110に搭載されている。架台110の回転中は、真空外囲器11(回転部)に遠心力Fが働く。遠心力Fの方向は、第2方向d2である。しかしながら、上記したように、遠心力Fを、磁力発生機構132による引力Fにより相殺させることが可能である。
=Fの関係を満たすように磁力発生機構132を駆動させることにより、遠心力Fを完全に相殺させることが可能となる。
上記したように構成された回転陽極型X線管装置によれば、回転陽極型X線管装置1は、第1磁気機構130を備えている。磁力発生機構132は、引力Fにより、真空外囲器11(回転部)に作用する遠心力Fを相殺させることが可能である。
このため、第1磁気機構130は、架台110の回転中、ベアリング部材(軸受)55の負荷荷重を低減させることができる。陽極ターゲット15の重量が増した場合でも、第1磁気機構130は、ベアリング部材55の負荷荷重を低減させることができる。これにより、回転陽極型X線管装置1の寿命が増大するため、回転陽極型X線管装置1が組み込まれるCT装置やX線画像診断装置の寿命を増大させることができる。また、従来よりもコンパクトで、長期間に亘って安定な特性が確保できる回転陽極型X線管装置を得ることができる。
また、上述した回転陽極型X線管装置を用いることにより、水系の冷却媒体を使用して、熱の放出特性を向上させることができ、長期に亘って安定な特性が確保できる。これにより、回転陽極型X線管装置が組み込まれる、例えばX線画像診断装置や非破壊検査装置の寿命が増大される。
さらに、上述した実施の形態によれば、冷却液の高電圧に対する絶縁性を考慮する必要がなく冷却効率の高い冷却媒体が利用可能で、冷却効率が向上される。さらに、この発明によれば、回転陽極型X線管装置自身の寿命も増大されるので、X線画像診断装置や非破壊検査装置のランニングコストも低減される。
上記したことから、長期間に亘って安定した動作が可能な回転陽極型X線管装置を得ることができる。なお、以上述べた図2乃至図8のX線管では陰極は常に静止しているが、陰極自体も真空外囲器とともに回転するX線管が公知である(例えば、米国特許第6396901号)。このタイプのX線管についても、以上述べたものと同様の磁気機構を設けることにより、X線装置で使用した場合にX線管の回転部に働く外力を相殺または軽減することが可能となる。
次に、この発明の第3の実施の形態に係る回転陽極型X線管装置について詳細に説明する。なお、この実施の形態において、他の構成は上述した実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9に示すように、回転陽極型X線管装置1は、X線管本体(回転陽極型X線管)5と、回転駆動装置として、磁界を発生させるステータ71と、X線管本体5及びステータ71を収容したハウジング3とを備えている。
X線管本体5は、固定体としての固定部51と、回転体20と、陽極ターゲット15と、陰極としての陰極電子銃13と、真空外囲器11と、ベアリング(球軸受)55と、永久磁石69bとを備えている。
陽極ターゲット15は、環状に形成され、陰極電子銃13に対向配置されている。陽極ターゲット15は、回転体20に対向配置された筒部を有し、この筒部の一端が回転体20に固定されている。この実施の形態において、陽極ターゲット15は、回転軸10aに沿った方向において、回転体20の中心付近に設けられている。陽極ターゲット15は、陰極電子銃13から放出される電子が衝突されることによりX線を放出する。真空外囲器11には、陰極電子銃13及び陽極ターゲット15が収納配置されている。
固定部51は、形状が円柱状であり、Fe(鉄)やMo(モリブデン)等の材料で形成されている。後述するが、固定部51は、陽極ターゲット15と同軸的に設けられている。固定部51は、真空外囲器11及びハウジング3の少なくとも一方により固定されている。ここでは、固定部51は、両端が真空外囲器11に固定されている。
回転体20は、FeやMo等の材料で形成されている。回転体20は、筒状に形成されている。回転体20は、陽極ターゲット15を固定し、固定部51を囲んでいる。回転体20は、固定部51を軸に陽極ターゲット15とともに回転可能に設けられている。回転体20は、固定部51と同軸的に設けられている。回転体20及び固定部51は、互いに隙間を置いて設けられている。回転体20及び固定部51の隙間には、ベアリング部材55が設けられている。
永久磁石69bは、筒状に形成され、回転体20を囲むとともに回転体20に固定されている。真空外囲器11は金属で形成されている。真空外囲器11は、ハウジング3に固定されている。真空外囲器11の内部は真空状態に維持されている。
ステータ71は、永久磁石69bの外面を囲むように設けられている。ステータ71の形状は環状である。冷却液7は、ハウジング3内に充填されている。
回転陽極型X線管装置1は、第1磁気機構130と、第2磁気機構140とをさらに備えている。
回転体20の回転軸10aに沿った方向において、回転部(陽極ターゲット15及び回転体20等)の重心の位置cから距離Lを置いた位置aに第1磁気機構130が位置している。
第1磁気機構130は、磁性体131及び磁力発生機構132を有している。磁性体131は、回転体20の回転軸10aに対して垂直な垂直方向に回転体20を囲むように設けられ、回転体20に固定されている。この実施の形態において、磁性体131は筒状に形成されている。
磁力発生機構132は、磁性体131に対して回転軸10aの反対側に位置しているとともに、磁性体131から離れて位置している。磁力発生機構132は、回転軸10aに対して垂直な垂直方向に磁性体131に僅かな隙間を置いて対向配置されている。磁力発生機構132はハウジング3内に固定されている。磁力発生機構132は、架台110の回転に応じて回転体20(回転部)に作用する力又はモーメントの少なくとも一部を打ち消す磁力を発生させるものである。
この実施の形態において、磁力発生機構132は、磁性体131及び架台110の回転軸110a間に位置している。磁力発生機構132は電磁石である。磁力発生機構132は、磁性体131を引き付ける磁力を発生させる。すなわち、磁力発生機構132は、磁性体131に第1方向d1に引き付ける力(引力)Fを作用させることができる。このため、架台110の回転により回転体20(回転部)に作用する第2方向d2の力(遠心力)Fの一部は引力Fにより打ち消すことができる。
回転軸10aに沿った方向において、回転部の重心の位置cから距離Lを置いた位置bに第2磁気機構140が位置している。
第2磁気機構140は、磁性体141及び磁力発生機構142を有している。磁性体141は、回転軸10aに対して垂直な垂直方向に回転体20を囲むように設けられ、回転体20に固定されている。
磁力発生機構142は、磁性体141に対して回転軸10aの反対側に位置しているとともに、磁性体141から離れて位置している。磁力発生機構142は、回転軸10aに対して垂直な垂直方向に磁性体141に僅かな隙間を置いて対向配置されている。磁力発生機構142はハウジング3内に固定されている。磁力発生機構142は、架台110の回転に応じて回転体20(回転部)に作用する力又はモーメントの少なくとも一部を打ち消す磁力を発生させるものである。
この実施の形態において、磁力発生機構142は、磁性体141及び架台110の回転軸110a間に位置している。磁力発生機構142は電磁石である。磁力発生機構142は、磁性体141を引き付ける磁力を発生させる。すなわち、磁力発生機構142は、磁性体141に第1方向d1に引き付ける力(引力)Fを作用させることができる。このため、架台110の回転により回転体20(回転部)に作用する第2方向d2の力(遠心力)Fの一部は引力Fにより打ち消すことができる。
また、図示しないが、X線装置は、磁力発生機構132、142の駆動を制御する制御部を備えていても良い。
上記回転陽極型X線管装置の動作状態において、ステータ71は永久磁石69bに与える磁界を発生するため、回転体20は回転する。これにより、陽極ターゲット15も回転する。また、陰極電子銃13は陽極ターゲット15に対して電子ビームを照射する。これにより、陽極ターゲット15は、電子と衝突するときにX線を放出する。放出されたX線は、真空外囲器11の円筒状部の所定の位置に規定された窓部11b及びハウジング3の円筒状部の所定の規定された窓部3aから外部(第1方向d1)へ放射される。
上記したように、ハウジング3(X線管本体5)は架台110に搭載されている。架台110の回転中は、回転体20(回転部)に遠心力Fが働く。遠心力Fの方向は、第2方向d2である。しかしながら、上記したように、遠心力Fを、磁力発生機構132による引力F及び磁力発生機構142による引力Fの合成力により相殺させることが可能である。
=(L/(L+L))・F及びF=(L/(L+L))・Fの関係を満たすように磁力発生機構132及び磁力発生機構142を駆動させることにより、遠心力Fを完全に相殺させることが可能となる。
上記したように構成された回転陽極型X線管装置によれば、回転陽極型X線管装置1は、第1磁気機構130及び第2磁気機構140を備えている。磁力発生機構132、142は、引力F及び引力Fの合成力により、回転体20(回転部)に作用する遠心力Fを相殺させることが可能である。
このため、第1磁気機構130及び第2磁気機構140は、架台110の回転中、ベアリング部材(軸受)55の負荷荷重を低減させることができる。陽極ターゲット15の重量が増した場合でも、第1磁気機構130及び第2磁気機構140は、ベアリング部材55の負荷荷重を低減させることができる。これにより、回転陽極型X線管装置1の寿命が増大するため、回転陽極型X線管装置1が組み込まれるCT装置やX線画像診断装置の寿命を増大させることができる。また、従来よりもコンパクトで、長期間に亘って安定した動作が可能な回転陽極型X線管装置を得ることができる。
図10に示すように、上述した実施の形態において、固定部51は、一端のみが真空外囲器11に固定されていても良い。固定部51は、回転体20の一部に対向するよう延出して形成されている。ここでは、固定部51は、ステータ71及び第2磁気機構140と対向している。
また、図11に示すように、固定部51は、図10に示した固定部51と同様、一端のみが真空外囲器11に固定されている。固定部51及び回転体20は、回転軸10aに沿った方向において、陽極ターゲット15の両側に形成されているのではなく、陽極ターゲット15の一方側にのみ形成されている。このため、陽極ターゲット15は回転体20の一端部に設けられている。
陽極ターゲット15に環状のグラファイト基体16が取り付けられている。グラファイト基体16は、陽極ターゲット15の軽量化を図るためのものであり、陽極ターゲットと異なる材料で形成されている。
回転陽極型X線管装置1は、第2磁気機構140を備えているが、第1磁気機構130を備えていない。
第2磁気機構140は、回転軸10aに沿った方向における回転部(陽極ターゲット15及び回転体20)の重心の位置cに位置している。上記した場合でも、F=Fの関係を満たすように磁力発生機構132を駆動させることにより、遠心力Fを完全に相殺させることが可能となる。
次に、この発明の第4の実施の形態に係る回転陽極型X線管装置について詳細に説明する。なお、この実施の形態において、他の構成は上述した実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図12に示すように、回転陽極型X線管装置1は、X線管本体(回転陽極型X線管)5と、回転駆動装置として、磁界を発生させるステータ71と、X線管本体5及びステータ71を収容したハウジング3とを備えている。
X線管本体5は、固定体としての固定部51と、回転体20と、陽極ターゲット15と、陰極としての陰極電子銃13と、真空外囲器11と、真空シール機構としての磁性流体真空シール部材53と、ベアリング(球軸受)55と、永久磁石69bとを備えている。
陽極ターゲット15は、円盤状に形成され、陰極電子銃13に対向配置されている。陽極ターゲット15は、陰極電子銃13から放出される電子が衝突されることによりX線を放出する。真空外囲器11は、陰極電子銃13及び陽極ターゲット15が収納配置されている。
固定部51は、形状が筒状であり、Fe(鉄)や鉄合金等の磁性材料で形成されている。後述するが、固定部51は、陽極ターゲット15と同軸的に設けられている。固定部51は、真空外囲器11及びハウジング3の少なくとも一方により固定されている。ここでは、固定部51は、真空外囲器11と一体に形成され、真空外囲器11により固定されている。
回転体20は、Fe(鉄)や鉄合金等の磁性材料で形成されている。回転体20は、円柱部21と、円柱部21の一端に接続された円盤部22とを有している。回転体20は、陽極ターゲット15を固定し、固定部51で囲まれている。回転体20は固定部51に支持され、陽極ターゲット15とともに回転可能に設けられている。回転体20は、固定部51と同軸的に設けられている。
陽極ターゲット15は柱状部15bを有し、この柱状部15bが円柱部21に接続されている。
回転体20及び固定部51は、互いに隙間を置いて設けられている。回転体20及び固定部51の隙間には、真空シール機構としての磁性流体真空シール部材53及びベアリング部材55が設けられている。磁性流体真空シール部材53は、磁性流体を使用して真空外囲器11内の真空を保持しながら回転体20の回転を可能とする。
永久磁石69bは、筒状に形成され、円盤部22に固定されている。永久磁石69bは固定部51を囲むように設けられている。真空外囲器11は金属で形成されている。真空外囲器11は、ハウジング3に固定されている。真空外囲器11の内部は真空状態に維持されている。
ステータ71は、永久磁石69bの外面を囲むように設けられている。ステータ71の形状は環状である。冷却液7は、ハウジング3内に充填されている。
回転陽極型X線管装置1は、第1磁気機構130をさらに備えている。
回転軸10aに沿った方向における回転部(陽極ターゲット15及び回転体20)の重心の位置cに第1磁気機構130が位置している。
第1磁気機構130は、磁性体131及び磁力発生機構132を有している。磁性体131は、回転軸10aに対して垂直な垂直方向に陽極ターゲット15の柱状部15bを囲むように固定されている。
磁力発生機構132は、磁性体131に対して回転軸10aの反対側に位置しているとともに、磁性体131から離れて位置している。磁力発生機構132は、回転軸10aに対して垂直な垂直方向に回転体20に僅かな隙間を置いて対向配置されている。磁力発生機構132は、真空外囲器11の外側でハウジング3内に固定されている。磁力発生機構132は、架台110の回転に応じて回転体20(回転部)に作用する力又はモーメントの少なくとも一部を打ち消す磁力を発生させるものである。
この実施の形態において、磁力発生機構132は、磁性体131及び架台110の回転軸110a間に位置している。磁力発生機構132は電磁石である。磁力発生機構132は、磁性体131を引き付ける磁力を発生させる。すなわち、磁力発生機構132は、磁性体131に第1方向d1に引き付ける力(引力)Fを作用させることができる。このため、架台110の回転により真空外囲器11(回転部)に作用する第2方向d2の力(遠心力)Fは引力Fにより打ち消すことができる。
また、図示しないが、X線装置は、磁力発生機構132の駆動を制御する制御部を備えていても良い。
上記回転陽極型X線管装置の動作状態において、ステータ71は永久磁石69bに与える磁界を発生するため、回転体20は回転する。これにより、陽極ターゲット15も回転する。また、陰極電子銃13は陽極ターゲット15に対して電子ビームを照射する。これにより、陽極ターゲット15は、電子と衝突するときにX線を放出する。放出されたX線は、真空外囲器11の円筒状部の所定の位置に規定された窓部11b及びハウジング3の円筒状部の所定の規定された窓部3aから外部(第1方向d1)へ放射される。
上記したように、ハウジング3(X線管本体5)は架台110に搭載されている。架台110の回転中は、回転体20及び陽極ターゲット15(回転部)に遠心力Fが働く。遠心力Fの方向は、第2方向d2である。しかしながら、上記したように、遠心力Fを、磁力発生機構132による引力Fにより相殺させることが可能である。
=Fの関係を満たすように磁力発生機構132を駆動させることにより、遠心力Fを完全に相殺させることが可能となる。
上記したように構成された回転陽極型X線管装置によれば、回転陽極型X線管装置1は、第1磁気機構130を備えている。磁力発生機構132は、引力Fにより、真空外囲器11(回転部)に作用する遠心力Fを相殺させることが可能である。
このため、第1磁気機構130は、架台110の回転中、ベアリング部材(軸受)55の負荷荷重を低減させることができる。陽極ターゲット15の重量が増した場合でも、第1磁気機構130は、ベアリング部材55の負荷荷重を低減させることができる。これにより、回転陽極型X線管装置1の寿命が増大するため、回転陽極型X線管装置1が組み込まれるCT装置やX線画像診断装置の寿命を増大させることができる。また、従来よりもコンパクトで、長期間に亘って安定した動作が可能な回転陽極型X線管装置を得ることができる。
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述した磁力発生機構132、142は、永久磁石(磁性体131f、141f)に対して架台110の回転軸110aの反対側に位置し、架台110の回転に応じて回転部(陽極ターゲット15や回転体20)に作用する力又はモーメントの少なくとも一部を打ち消す磁力を発生させるものであっても良い。
この場合、磁力発生機構132は上記永久磁石に第1方向d1に反発する力(斥力)Fを、磁力発生機構142は上記磁性体に第1方向d1に反発する力(斥力)Fをそれぞれ作用させれば良い。架台110の回転により回転部に作用する第2方向d2の力(遠心力)Fは斥力F、Fにより打ち消すことができる。
さらに、磁力発生機構により、遠心力やジャイロモーメントのみならず、X線管の回転体に働く重力を打ち消すことが可能である。したがって、X線管が搭載される架台が静止している場合にも本発明を適用することができる。
冷却液7は、水系に限らず、絶縁油を使用したり、空気等のガス体を使用することも可能である。ベアリング部材55は、ボールベアリングやロールベアリング等の転がり軸受け以外にすべり軸受けや磁気軸受を使用することも可能である。固定部51は、電気絶縁部材を介してハウジングに直接固定しているが、電気絶縁部材とハウジングの間、又は電気絶縁部材と固定部51の間に弾性部材や制振部材、又は吸収部材を配置して、回転部の回転に伴う振動をより低減させることも可能である。
この発明は、X線CT装置やX線診断装置およびそれらに使用される回転陽極型X線管装置に限定されるものではなく、全ての回転陽極型X線管装置およびそれを使用する全てのX線装置に適用することができる。
この発明の第1の実施の形態に係る回転陽極型X線管装置を備えたX線装置を示す概略断面図。 図1に示した回転陽極型X線管装置の要部を示す断面図。 図2の線A−Aに沿った上記回転陽極型X線管装置の拡大断面図であり、特に第1磁気機構を示す図。 図2の線B−Bに沿った上記回転陽極型X線管装置の拡大断面図であり、特に第2磁気機構を示す図。 図3に示した回転陽極型X線管装置の変形例を示す拡大断面図であり、特に第1磁気機構の変形例を示す図。 図3及び図5に示した回転陽極型X線管装置の他の変形例を示す拡大断面図であり、特に第1磁気機構の他の変形例を示す図。 図6と同様、回転陽極型X線管装置の他の変形例を示す拡大断面図であり、特に第2磁気機構の他の変形例を示す図。 この発明の第2の実施の形態に係る回転陽極型X線管装置の要部を示す断面図。 この発明の第3の実施の形態に係る回転陽極型X線管装置の要部を示す断面図。 図9に示した回転陽極型X線管装置の変形例を示す断面図。 図9に示した回転陽極型X線管装置の他の変形例を示す断面図。 この発明の第4の実施の形態に係る回転陽極型X線管装置の要部を示す断面図。
符号の説明
1…X線管装置、3…ハウジング、5…X線管本体、7…冷却液、10a…回転軸、11…真空外囲器、11b…窓部、11c…端部、13…陰極電子銃、13a…陰極保持体、15…陽極ターゲット、20…回転体、51…固定部、53…磁性流体真空シール部材、55…ベアリング部材、69…銅ロータ、69b…永久磁石、71…ステータ、110…架台、110a…架台の回転軸、130…第1磁気機構、131…磁性体、132,133,134,135…磁力発生機構、140…第2磁気機構、141…磁性体、142,143…磁力発生機構、d1…第1方向、d2…第2方向、F…遠心力、F,F…磁力。

Claims (15)

  1. 電子を放出する陰極と、
    前記陰極から放出される電子が衝突されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
    前記陰極及び陽極ターゲットが収納配置された真空外囲器と、
    少なくとも前記真空外囲器を収納するハウジングと、
    前記真空外囲器及びハウジングの少なくとも一方により固定された固定体と、
    前記陽極ターゲットを固定し、前記固定体に支持され、前記陽極ターゲットとともに回転可能に設けられた回転体と、
    前記固定体と回転体との間に設けられた軸受機構と、
    前記回転体を回転させるための回転駆動装置と、
    前記回転体の回転軸に対して垂直な垂直方向に前記回転体を囲むように設けられ、前記回転体に固定された磁性体と、前記磁性体に対して前記回転軸の反対側に前記磁性体から離れて位置し、前記垂直方向に前記磁性体と対向配置された磁力発生機構と、を有した磁気機構と、を備えた回転陽極型X線管装置。
  2. 前記磁気機構は、前記磁性体に対して前記回転軸の反対側に前記磁性体から離れて位置し、前記垂直方向に前記磁性体と対向配置された他の磁力発生機構をさらに備えた請求項1に記載の回転陽極型X線管装置。
  3. 前記回転軸に沿った方向に前記磁気機構に間隔を置いて位置し、前記垂直方向に前記回転体を囲むように設けられ、前記回転体に固定された他の磁性体と、前記他の磁性体に対して前記回転軸の反対側に前記他の磁性体から離れて位置し、前記垂直方向に前記他の磁性体と対向配置された他の磁力発生機構と、を有した他の磁気機構をさらに備えた請求項1に記載の回転陽極型X線管装置。
  4. 前記磁性体は、筒状に形成されている請求項1に記載の回転陽極型X線管装置。
  5. 前記磁性体は、強磁性体である請求項1に記載の回転陽極型X線管装置。
  6. 前記磁性体は、永久磁石である請求項1に記載の回転陽極型X線管装置。
  7. 前記磁力発生機構は、前記磁性体を引き付ける磁力を発生させる請求項1に記載の回転陽極型X線管装置。
  8. 前記磁力発生機構は、前記磁性体を反発する磁力を発生させる請求項1に記載の回転陽極型X線管装置。
  9. 電子を放出する陰極と、
    陽極ターゲットと、
    前記陽極ターゲットと一体化された回転可能な真空外囲器と、
    少なくとも前記真空外囲器を収納し、回転可能に保持するハウジングと、
    少なくとも前記真空外囲器の陽極ターゲットに近接して冷却媒体が循環する循環路と、
    前記真空外囲器及びハウジングの少なくとも一方により固定された固定体と、
    前記固定体と真空外囲器との間に設けられた軸受機構と、
    前記真空外囲器を回転させるための回転駆動装置と、
    前記真空外囲器の回転軸に対して垂直な垂直方向に前記真空外囲器を囲むように設けられ、前記真空外囲器に固定された磁性体と、前記磁性体に対して前記回転軸の反対側に前記磁性体から離れて位置し、前記垂直方向に前記磁性体と対向配置された磁力発生機構と、を有した磁気機構と、を備えた回転陽極型X線管装置。
  10. 電子を放出する陰極と、
    前記陰極に対向配置され、前記陰極から放出される電子が衝突されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
    前記陰極及び陽極ターゲットが収納配置された真空外囲器と、
    少なくとも前記真空外囲器を収納するハウジングと、
    前記真空外囲器により固定された柱状の固定体と、
    前記陽極ターゲットを固定し、前記固定体を囲み、前記固定体を軸に前記陽極ターゲットとともに回転可能に設けられた回転体と、
    前記固定体と回転体との間に設けられた軸受機構と、
    前記回転体を回転させるための回転駆動装置と、
    前記回転体の回転軸に対して垂直な垂直方向に前記回転体を囲むように設けられ、前記回転体に固定された磁性体と、前記真空外囲器の外側に位置し、前記垂直方向に前記磁性体と対向配置された磁力発生機構と、を有した磁気機構と、を備えた回転陽極型X線管装置。
  11. 電子を放出する陰極と、
    前記陰極に対向配置され、前記陰極から放出される電子が衝突されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
    前記陰極及び陽極ターゲットが収納配置された真空外囲器と、
    少なくとも前記真空外囲器を収納するハウジングと、
    前記真空外囲器により固定された筒状の固定体と、
    前記陽極ターゲットを固定し、前記固定体で囲まれ、前記固定体に支持され前記陽極ターゲットとともに回転可能に設けられた回転体と、
    前記固定体と回転体との間に設けられた軸受機構と、
    前記回転体を回転させるための回転駆動装置と、
    前記回転体の回転軸に対して垂直な垂直方向に前記回転体を囲むように設けられ、前記回転体に固定された磁性体と、前記真空外囲器の外側に位置し、前記垂直方向に前記磁性体と対向配置された磁力発生機構と、を有した磁気機構と、を備えた回転陽極型X線管装置。
  12. 請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の回転陽極型X線管装置と、
    前記回転陽極型X線管装置が固定され、回転軸を有し、前記回転軸のまわりに回転される架台と、を備え、
    X線は前記架台の回転軸に向って放出され、
    前記磁力発生機構は、前記架台の回転に応じて前記回転体に作用する力又はモーメント及び前記回転体に作用する重力の少なくとも一部を打ち消す磁力を発生させるX線装置。
  13. 前記磁力発生機構は、前記磁性体及び前記架台の回転軸間に位置し、前記架台の回転に応じて前記回転体に作用する力又はモーメント並びに前記回転体に作用する重力の少なくとも一部を打ち消す磁力を発生させる請求項12に記載のX線装置。
  14. 前記磁力発生機構は、前記磁性体に対して前記回転体の回転軸の反対側に前記磁性体から離れて位置し、前記架台の回転に応じて前記回転体に作用する力又はモーメント並びに前記回転体に作用する重力の少なくとも一部を打ち消す磁力を発生させる請求項12に記載のX線装置。
  15. 前記磁力発生機構の駆動を制御する制御部をさらに備えている請求項12乃至請求項14の何れか1項に記載のX線装置。
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